JP2023031963A - 立体造形物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体造形物の形状を工夫して熱伝導を抑制することでプロセス中の材料温度を高温に保持し、立体造形物の金属組織および力学特性の制御を可能すること。【解決手段】金属粉末積層造形装置を用いて造形物層を積層した立体造形物10を製造する方法であって、立体造形物10は、基台20と接続されると共に、熱抵抗が所定値となる形状を有する細棒支持部30と、殻形状の本体部50と、本体部50と細棒支持部30とを構造的に連結するテーパ形状部40とを備え、前記金属粉末積層造形装置は、金属粒子を含む粉末材料の薄層を形成する工程と、前記薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる金属粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成する工程と、前記薄層を形成する工程と前記造形物層を形成する工程とをこの順に複数回繰り返し、前記造形物層を積層する工程とを含むものである。【選択図】図1

Description

本発明は、粉末床溶融結合法を用いた立体造形物の製造方法に関する。
粉末床溶融結合法(Powder Bed Fusion、PBF)では、レーザ光もしくは電子ビームを用いて原料粉末を局所的かつ瞬間的に溶融・凝固させて、任意形状のサンプルを作製するものである(例えば、特許文献1、2参照)。鍛造や鋳造などのプロセスに比べて、PBFは冷却速度や凝固速度が速いことが特徴である。このようなプロセス中の熱履歴によって、造形サンプルの金属組織は微細となる傾向にあり、力学特性にも影響する。
特に、微細組織を有する金属組織は延性に劣るため、粉末床溶融結合法で製造した造形サンプルにおいては、造形サンプルの結晶粒を粗大化させるため、熱処理が一般的に行われている。また、プロセス条件(例えば、熱源の出力や走査速度、基材温度[例えば、非特許文献1参照]など)によって、造形サンプルの金属組織や力学特性を変えるような研究事例が報告されている。
特許第3010312号公報 特開2018-80393号公報
R. Mertens et al. "Application of base plate preheating during selective laser melting" Procedia CIRP 74 (2018) 5-11, Science Direct
以上説明したように、従来の粉末床溶融結合法の場合、レーザ光もしくは電子ビームを用いて原料粉末を局所的かつ瞬間的に溶融・凝固させているが、立体造形物の冷却速度が速く、原料粉末が瞬間的に凝固するプロセスとなっている。そこで、造形プロセス後の熱処理による金属組織の粗大化、相変態・析出などで力学特性の改善がおこなわれているため、製造プロセスに改善の余地があるという課題があった。
本発明は上述する課題を解決するもので、立体造形物の形状を工夫して熱伝導を抑制することで、造形プロセス中の金属粉末の材料温度を高温に保持し、立体造形物の金属組織および力学特性の制御を可能する立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
[1]本発明の立体造形物の造形方法は、例えば、図1に示すように、金属粉末積層造形装置を用いて造形物層を積層した立体造形物10を製造する方法であって、立体造形物10は、基台20と接続されると共に、熱抵抗が所定値となる形状を有する細棒支持部30と、殻形状の本体部50と、本体部50と細棒支持部30とを構造的に連結するテーパ形状部40とを備え、
前記金属粉末積層造形装置は、金属粒子を含む粉末材料の薄層を形成する工程と、
前記薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる金属粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成する工程と、
前記薄層を形成する工程と前記造形物層を形成する工程とをこの順に複数回繰り返し、前記造形物層を積層する工程とを含むものである。
[2]本発明の立体造形物の造形方法において、好ましくは、前記造形物層を積層する工程は、細棒支持部30を造形する工程と、細棒支持部30と連結したテーパ形状部40を造形する工程と、テーパ形状部40と連結した本体部50を造形する工程とを有するとよい。
[3]本発明の立体造形物の造形方法において、好ましくは、テーパ形状部40は、細棒支持部30側から本体部50側に拡大する形状を有すると共に、前記拡大する角度は全角で60度以上120度以下であるとよい。
[4]本発明の立体造形物の造形方法において、好ましくは、細棒支持部30の熱抵抗が所定値となる形状は、本体部50を造形する工程において、前記金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射による前記造形物層を形成する工程での前記造形物層の昇温が、前記造形物層の熱処理温度と熱処理時間を充足するように定められるとよい。
[5]本発明の立体造形物の造形方法において、好ましくは、前記造形物層の熱処理温度と熱処理時間は、前記造形物層の前記粉末材料の結晶粒子形状が所定の結晶粒径を保持するように定められるとよい。前記粉末材料の結晶粒子形状は、例えば、ASTM結晶粒度としての2-5の範囲に相当する、60以上180μm以下であるとよい。
[6]本発明の立体造形物の造形方法において、好ましくは、本体部50は、タービン静翼、又はタービン動翼であるとよい。
[7]本発明の立体造形物の造形方法において、好ましくは、さらに、本体部50からテーパ形状部40を除去する工程、又はテーパ形状部40から細棒支持部30を除去する工程を有するとよい。
本発明の立体造形物の造形方法においては、本体部に対して、テーパ形状部と細棒支持部とを構造的に連結することで、基台への熱伝導を抑制することができ、立体造形物の造形プロセス中の造形サンプルを高温に保持することができる。そこで、造形サンプルの金属組織や力学特性を制御することができる。
テーパ形状部と細棒支持部の形状は、造形サンプルの断面積(基材に平行となる断面の面積)が小さくなる部分となっており、粉末床溶融結合法による本体部の造形の際に、テーパ形状部と細棒支持部を経由して基台への熱伝導を抑制し、本体部を高温に保つことができる。テーパ形状部と細棒支持部の断面積をどの程度減少させるかによって、本体部の保持温度が変わり、本体部の金属組織や力学特性も制御できる。
本発明の粉末床溶融結合法の場合、造形プロセス中に金属粉末材料を高温に保持できるため、冷却速度・凝固速度を遅くすることで結晶粒の形成を制御できる。そこで、造形プロセス中の高温保持によって、従来の造形プロセス後の熱処理による金属組織の粗大化、相変態・析出などを代替でき、造形プロセス後の熱処理を行わなくても済み、製造プロセスが簡単になる。
本発明の一実施例を示す造形物の正面図である。 本発明の粉末床溶融結合法に用いる金属粉3Dプリンタの一実施例を示す、全体の機能ブロック図である。 本発明の一実施例を示す立体造形物の造形方法のフローチャートである。 本発明の一実施例を示す立体造形物の造形方法のフローチャートである。 本発明の一実施例を示す、走査型電子顕微鏡(SEM)による造形物の切断面の微細組織を示す写真図で、基台20を示している。 本発明の一実施例を示す、走査型電子顕微鏡(SEM)による造形物の切断面の微細組織を示す写真図で、テーパ部40を示している。 本発明の一実施例を示す、走査型電子顕微鏡(SEM)による造形物の切断面の微細組織を示す写真図で、本体部50を示している。 本発明の一実施例を示す、後方散乱電子回折(EBSD)による造形物の切断面の結晶粒を示す写真図で、基台20を示している。 本発明の一実施例を示す、後方散乱電子回折(EBSD)による造形物の切断面の結晶粒を示す写真図で、テーパ部40を示している。 本発明の一実施例を示す、後方散乱電子回折(EBSD)による造形物の切断面の結晶粒を示す写真図で、本体部50を示している。 EBSD画像より得られた結晶粒の幅と長さを,造形物高さに対して図示したものである。 EBSD画像より得られた結晶粒の幅と長さを,造形物高さに対して図示したものである。 本発明の一実施例を示す、硬さ試験の結果を示す図で、造形物の高さ方向の分布を示している。 本発明の一実施例を示す、赤外線カメラによる造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の部位毎に示してある。 本発明の一実施例を示す、赤外線カメラによる造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の高さ方向の分布を示している。 有限要素法による熱解析を用いた、造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の高さ方向の分布を示している。 有限要素法による熱解析を用いた、造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の部位毎に示してある。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す造形物の正面図である。本発明の立体造形物の造形方法は、金属粉末積層造形装置を用いて造形物層を積層した立体造形物10を製造する方法である。立体造形物10は、基台20、細棒支持部30、テーパ形状部40、本体部50を備えるもので、本体部50が最終的な製造目的物となる。そこで、最終的な製造目的物である本体部50を得るためには、本体部50からテーパ形状部40を除去する工程、又はテーパ形状部40から細棒支持部30を除去する工程を有するとよい。
基台20は、細棒支持部30の一端が結合した部位で、細棒支持部30とテーパ形状部40で連結された状態の立体造形物10の取扱いを容易にするために設けられる。この実施例では、基台20の形状は円板型をしており、外径Φ2が14mm、厚さ(H0-H1)が5mmとなっているが、この形状に限定されるものではない。
細棒支持部30は、基台20と一端が接続される棒状の部材で、熱抵抗が所定値となる形状を有するもので、例えば外径Φ1が2.5mm、長さ(H1-H2)が10mmとなっている。細棒支持部30の熱抵抗が所定値となる形状は、本体部50を造形する工程において、金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射による前記造形物層を形成する工程での前記造形物層の昇温が、前記造形物層の熱処理温度と熱処理時間を充足するように定められるとよい。造形物層の熱処理温度と熱処理時間は、前記造形物層の前記粉末材料の結晶粒子形状が所定の結晶粒径を保持するように定められるとよい。
テーパ形状部40は、本体部50と細棒支持部30とを構造的に連結するもので、例えば高さH2の位置では細棒支持部30と同じ断面形状となっており、高さH3の位置では本体部50と同じ断面形状となっている。テーパ形状部40の長さ(H2-H3)が5mmとなっている。テーパ形状部40の傘形状は、細棒支持部30側から本体部50側に拡大する形状を有すると共に、拡大する角度は全角で60度以上120度以下であるとよく、ここでは大略98度となっている。
本体部50は、この実施例では断面円形の丸棒形状であり、外径Φ2が14mm、長さ(H4-H3)が30mmとなっているが、この形状に限定されるものではなく、例えばタービン静翼やタービン動翼のような凹曲面を有する殻形状であってもよい。
このような形状を有する造形物は、例えば、ドイツ連邦共和国、リューベック(Lubeck)市に所在するSLMソリューション社製のSLM280という金属粉末積層造形装置を用いて製造される。金属粉末積層造形装置は、例えば前述の特許文献2等で公知である。
[レーザ金属粉末積層造形装置の概要]
図2は、本発明の粉末床溶融結合法に用いる金属粉3Dプリンタの一実施例を示す、全体機能ブロック図である。図2を参照して、積層造形装置100は、例えば、レーザ積層造形装置である。積層造形装置100は、レーザ装置110と、ガルバノミラー120と、制御装置130と、チャンバ200とを備える。
レーザ装置110は、レーザ光を出射する。レーザ装置110はたとえば、ファイバーレーザやCOレーザ等である。レーザ装置110には、レンズ系(図示せず)を設けてもよい。レンズ系は、レーザ装置110からレーザ光を受け、レーザ光を収束してレーザ112を形成する。ガルバノミラー120は、レーザ112の照射操作を行う。つまり、ガルバノミラー120により、レーザ112が照射される位置が調整される。
チャンバ200は、層形成室210と、造形テーブル230と、粉末供給室220と、リコータ250とを備える。レーザ112の照射操作の際に、金属粉末粒子140が酸化されるのを防止するため、チャンバ200内は不活性ガス(アルゴン、窒素等)を充填された状態を維持するか、或いは真空状態に維持される。
層形成室210は、上端に開口を有する筐体状である。造形テーブル230は、層形成室210に収納され、上下方向に昇降可能に支持される。造形テーブル230は、図示しないモータにより昇降する。
粉末供給室220は、層形成室210の隣に配置される。粉末供給室220は筐体状であり、上下方向に昇降可能なピストン240を内部に備える。ピストン240上には、金属粉末粒子140が積層されている。金属粉末粒子140は、造形物の原料となる。ピストン240が上昇することにより、層形成室210の上部開口から金属粉末粒子140の層が排出される。金属粉末粒子140は、例えば、耐熱性の高いニッケル其超合金、コバルト其超合金、鉄其超合金の金属粉末で、商品名として、例えばハステロイがある。なお、金属粉末粒子140に代えて、Al等に代表されるセラミックスを金属粉末粒子140と共に用いてもよく、またセラミックス粒子のような無機粉末粒子を単体で用いてもよい。
リコータ250は、粉末供給室220の上部開口の近傍に配置される。リコータ250は、図示しないモータにより特定方向(水平方向)に移動し、粉末供給室220及び層形成室210の間を往復する。図2では、リコータ250は、X方向に往復移動する。
リコータ250は、X方向に移動することにより、粉末供給室220から排出された金属粉末粒子140の層を水平方向に移動させて層形成室210に供給する。層形成室210の造形テーブル230上に堆積された金属粉末粒子140により、造形テーブル230上に金属粉末粒子140からなる金属粉末層260が形成される。リコータ250がX方向に移動することにより、金属粉末粒子140が水平方向に移動し、金属粉末層260の表面を平坦に整える。
制御装置130は、図示しない中央演算処理装置(CPU)と、メモリと、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)とを備える。HDDには、周知のCAD(Computer Aided Design)アプリケーションとCAM(Computer Aided Manufacturing)アプリケーションとが格納される。制御装置130は、CADアプリケーションを利用して、製造したい造形物の3次元形状データを作成する。
制御装置130はさらに、CAMアプリケーションを利用して、3次元データに基づいて、加工条件データを作成する。積層造形法では、レーザ112により形成される複数の造形物部が積層されて造形物が形成される。加工条件データは、各造形物部が形成されるときの加工条件を含む。つまり、加工条件データは、各造形物部ごとに作成される。制御装置130は、加工条件データに基づいてレーザ装置110、レンズ系及びガルバノミラー120を制御して、レーザ112の出力、走査速度、走査間隔及び照射位置を調整する。
[製造プロセスの詳細]
図3及び図4は、本発明の一実施例を示す立体造形物の造形方法のフローチャートである。金属粉末積層造形装置では、上記造形物を図3及び図4に示すようなフローチャートに従い、次の工程で製造する。
金属粉末積層造形装置の事前準備工程として、真空ポンプを用いて、チャンバ200を真空に引く。チャンバ200内が真空になった後、チャンバ20内に不活性ガス(アルゴン、窒素等)を供給する。なお、層形成室210の造形テーブル230は予熱されていてもよい。
次に、金属粒子を含む粉末材料の薄層である金属粉末層260を形成する(S100)。次に、前記薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる金属粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成する(S110)。前記薄層を形成する工程と前記造形物層を形成する工程とをこの順に複数回繰り返し、前記造形物層を積層する(S120)。
造形物層を積層する工程(S120)では、まず、最初に基台20を造形する(S122)。次に、細棒支持部30を造形する(S124)。続いて、細棒支持部30と連結したテーパ形状部40を造形する(S126)。次に、テーパ形状部40と連結した本体部50を造形する(S128)。本体部を造形する工程では、金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射による前記造形物層を形成する工程での前記造形物層の昇温が、前記造形物層の熱処理温度と熱処理時間を充足するように定められ、その結果、本体部50に位置する造形物層の粉末材料の結晶粒子形状が所定の結晶粒径を保持する(S129)。
そして、本体部50からテーパ形状部40を除去するか、又はテーパ形状部40から細棒支持部30を除去して(S130)、目的とする本体部50の形状をえる(S132)。
このようにして、目的とする立体造形物の形状をえる(S140)。
今回の実施例では、金属粉末の原料粉末として、Hastelloy X合金を用いている。この金属粉末の場合、メーカのHayes Internationalのドキュメントでは、硬度と結晶粒サイズとして、1177℃で溶体化処理した材料の硬度と結晶粒度が挙げられている。定型的なASTM結晶粒度としての2-5は、結晶粒径の平均値が60-180μmに相当している。
Figure 2023031963000002
図5は、本発明の一実施例を示す、走査型電子顕微鏡(SEM)による造形物の切断面の微細組織を示す写真図で、(A)は基台20、(B)はテーパ部40、(C)は本体部50を示している。
また、図6は、本発明の一実施例を示す、後方散乱電子回折(EBSD)による造形物の切断面の結晶粒を示す写真図で、(A)は基台20、(B)はテーパ部40、(C)は本体部50を示している。
図7は、EBSD画像より得られた結晶粒の幅と長さを、造形物高さに対して図示したものである。なお、結晶粒の計測は、「JIS G 0551:2020 鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法」と同様に、1本の直線と結晶粒界との交点の数を数え、その線長を交点数で除することで求めた。造形方向(高さ方向)に細長く結晶粒が成長していたため、画像横方向(造形方向に垂直)と画像縦方向(造形方向に平行)に線を引き、それぞれを結晶粒の幅と長さとした。
図7より、基台20の結晶粒は、幅25μm以下、長さ50μm以下である。テーパ部では、造形高さが15mmから20mmにかけて結晶粒の幅が27.5μmから33.2μm、長さが55.7μmから84.5μmへと大きくなっている。一方、本体部50μmに位置する造形物の結晶粒は、幅30μm以上50μm以下、長さ60μm以上155μm以下である。即ち、基台20と比較して、本体部50やテーパ形状部40では組織が粗大化している。
図8は、本発明の一実施例を示す、硬さ試験の結果を示す図で、造形物の高さ方向の分布を示している。本体部50に相当する高さ(H4-H3)の範囲を示す高さ20-50mmでは、ビッカース硬さHvは190-220を示している。これに対して、テーパ形状部40に相当する高さ(H2-H3)の範囲を示す高さ15-20mmでは、ビッカース硬さHvは210-250を示している。また、細棒支持部30に相当する高さ(H1-H2)の範囲を示す高さ5-15mmでは、ビッカース硬さHvは265-275を示している。基台20に相当する高さ(H0-H1)の範囲を示す高さ0-5mmでは、ビッカース硬さHvは265-275を示している。即ち、本体部50はテーパ形状部40や細棒支持部30と比較して、材料が軟化している。
図9は、本発明の一実施例を示す、赤外線カメラによる造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の部位毎に示してある。赤外線カメラは、Telops社製のFAST M350である。計測温度分布の測定は、フレームレートが4Hz、露出時間は100μsで行った。図は、各層のレーザ照射直後の計測温度分布を示している。
なお、金属粉末積層造形装置による本実施例の積層数は1668層であり、高さは50mm、第一層からの加工に要した経過時間は5時間32分57秒であった。造形高さと積層数は、図1のH1で4.98mm、第167層であり、H2で15.00mm、第500層、H3で19.98mm、第667層であった。また、造形時間はH1までで33分13秒、H2までで1時間39分50秒、H3までで2時間13分1秒であった。
図10は、本発明の一実施例を示す、赤外線カメラによる造形物最表面の計測温度分布の説明図で、造形物の高さ方向の分布を示している。縦軸は温度分布であり、横軸は造形時間である。フレームレートが4Hzであり、温度測定値は20フレーム(5秒)毎の移動平均を示している。
基台20は、時間が0-1993秒の範囲で、計測温度分布が50-300℃の範囲にあった。細棒支持部30は、時間が1994-5990秒の範囲で、計測温度分布が50-200℃の範囲にあった。テーパ形状部40は、時間が5991-7981秒の範囲で、計測温度分布が100-1100℃の範囲まで、細棒支持部30に近い側で低く、本体部50に近づくにつれて温度が上昇した。これに対して、本体部50は、時間が7982-19977秒の範囲で、テーパ形状部40に近い部位では、計測温度分布が1000-1100℃と高くなり、本体部50の天端に近い部位では、計測温度分布が800-900℃と若干低下した。
図11は、有限要素法による熱解析を用いた、造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の高さ方向の分布を示している。
基台20に相当する部位では、温度分布が50-400℃であった。細棒支持部30に相当する部位では、温度分布が100-400℃であった。テーパ形状部40に相当する部位では、温度分布が150-1300℃であった。これらの部位では、金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射によるエネルギも、基台20側に拡散して、加工部位の温度が上昇しない。
本体部50のテーパ形状部40に近い部位では、表面温度分布が1150-1250℃であった。これらの部位では、金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射によるエネルギが、細棒支持部30での熱抵抗の高さによって基台20側に拡散することが防止されて、加工部位である本体部50の加工温度が1150-1250℃に維持される。
図12は、有限要素法による熱解析を用いた、造形物の計測温度分布の説明図で、造形物の部位毎に示してある。
有限要素法は、Dassault Systems社製のソフトウェアABAQUS 2019を使用した。金属粉末積層造形装置による一層当たりの熱解析を有限要素法にて行った。有限要素法による表面温度計算によると、基台20に相当する層では、温度分布が50-250℃であった。細棒支持部30に相当する層では、温度分布が50-850℃の範囲まで、細棒支持部30に近い側で低く、本体部50に近づくにつれて温度が上昇した。本体部50のテーパ形状部40に近い部位では、温度分布が800-950℃であった。
なお、上記実施形態においては、金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射によるエネルギを本体部50の加工部位に滞留させて、基台側への熱拡散を細棒支持部30での高い熱抵抗によって防止する場合を示したが、本発明はこの実施例に限定されるものでなく、当業者にとって自明な範囲で、各種の態様の実施例がありえる。
本発明の粉末床溶融結合法によれば、金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射によるエネルギを本体部50の加工部位に滞留させて、基台側への熱拡散を細棒支持部30での高い熱抵抗によって防止するので、本体部50を構成する造形物層の粉末材料の結晶粒子形状が大きな結晶粒径を保持するので、造形プロセス後の熱処理による金属組織の粗大化、相変態・析出などで力学特性の改善等の後加工が省略できる。
10:立体造形物
20:基台
30:細棒支持部
40:テーパ形状部
50:本体部
100:積層造形装置
110:レーザ装置
112:レーザ
120:ガルバノミラー
130:制御装置
140:金属粉末粒子
200:チャンバ
210:層形成室
220:粉末供給室
230:造形テーブル
250:リコータ
260:金属粉末層

Claims (7)

  1. 金属粉末積層造形装置を用いて造形物層を積層した立体造形物を製造する方法であって、前記立体造形物は、
    基台と接続されると共に、熱抵抗が所定値となる形状を有する細棒支持部と、
    殻形状の本体部と、
    前記本体部と前記細棒支持部とを構造的に連結するテーパ形状部と、
    を備え、
    前記金属粉末積層造形装置は、
    金属粒子を含む粉末材料の薄層を形成する工程と、
    前記薄層にレーザ光を選択的に照射して、前記粉末材料に含まれる金属粒子が焼結または溶融結合してなる造形物層を形成する工程と、
    前記薄層を形成する工程と前記造形物層を形成する工程とをこの順に複数回繰り返し、前記造形物層を積層する工程と、
    を含む立体造形物の造形方法。
  2. 前記造形物層を積層する工程は、
    前記細棒支持部を造形する工程と、
    前記細棒支持部と連結した前記テーパ形状部を造形する工程と、
    前記テーパ形状部と連結した本体部を造形する工程と、
    を有する請求項1に記載の立体造形物の造形方法。
  3. 前記テーパ形状部は、前記細棒支持部側から前記本体部側に拡大する形状を有すると共に、前記拡大する角度は全角で60度以上120度以下である、
    請求項1又は2に記載の立体造形物の造形方法。
  4. 前記細棒支持部の熱抵抗が所定値となる形状は、
    前記本体部を造形する工程において、前記金属粉末積層造形装置によるレーザ光照射による前記造形物層を形成する工程での前記造形物層の昇温が、前記造形物層の熱処理温度と熱処理時間を充足するように定められる、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の立体造形物の造形方法。
  5. 前記造形物層の熱処理温度と熱処理時間は、前記造形物層の前記粉末材料の結晶粒子形状が所定の結晶粒径を保持するように定められる、
    請求項4に記載の立体造形物の造形方法。
  6. 前記本体部は、タービン静翼、又はタービン動翼である請求項1乃至5の何れか1項に記載の立体造形物の造形方法。
  7. さらに、前記本体部から前記テーパ形状部を除去する工程、又は前記テーパ形状部から前記細棒支持部を除去する工程を有する、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の立体造形物の造形方法。
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