JP2023031903A - 情報処理装置 - Google Patents

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修一 矢作
Shuichi Yahagi
逸朗 梶原
Itsuro Kajiwara
達成 坂井
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Abstract

【課題】制御対象の時間変化に対する十分な制御性能を得ることが可能な情報処理装置を提供する。【解決手段】情報処理装置は、フィードフォワード制御器およびフィードバック制御器のそれぞれの制御パラメータを最適化する情報処理装置であって、参照信号に対する目標応答を示す目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と制御対象の出力との誤差に関する評価関数を漸近化する第1漸近部と、所定の外乱に対する感度関数規範モデルの出力と所定の外乱を含む制御入力との誤差に関する評価関数を漸近化する第2漸近部と、第1漸近部により漸近化された評価関数を最小化した結果に基づいて、フィードフォワード制御器の制御パラメータを調整する第1パラメータ調整部と、第2漸近部により漸近化された評価関数を最小化した結果に基づいて、フィードバック制御器の制御パラメータを調整する第2パラメータ調整部と、を備える。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼刊行物 北海道大学令和2年卒業論文 ▲2▼発行日 令和3年2月1日 ▲3▼発行所 国立大学法人北海道大学 ▲4▼該当ページ 第4章 ▲5▼公開者 坂井達成、梶原逸朗 ▲6▼公開のタイトル データ駆動制御手法を用いた二自由度制御系の適応パラメータチューニング
本開示は、情報処理装置に関する。
制御対象は、経年変化などによりその特性が時間的に変動する場合がある。そのような時変系システムに対して、制御パラメータを制御対象の変化に伴い適応的に変化させながら制御する適応制御が有効である。FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)に適応機構を導入する技術が提案されている。その技術では、適応機構に忘却型RLS法(Recursive Least Squares with forgetting)を用いることで、フィードバック制御系に対してオンラインFRITを適用している。また、二自由度制御系におけるフィードフォワード制御器の適応更新方法も提案されている。この方法では、評価規範を導入し、所定の評価区間において制御性能の評価を行い、制御性能の悪化が、ある閾値を超えた時に、所定区間に対してオンラインで評価関数の最小二乗法によるFRITを実行し、パラメータを適応的に変化させている。いずれの提案も二自由度制御系におけるフィードフォワード制御器の適応更新をしているが、フィードバック制御器の制御パラメータの適応更新をしてなくそのままである。特許文献1には、フィードフォワード制御部の制御パラメータの適応更新をすることが開示されている。
制御対象が時変系ならば、感度関数の規範モデルに対して、フィードバック制御器の理想モデルも変わることが知られている。
また、フィードバック制御系におけるオフラインFRITでは、目標応答に対して最適な制御パラメータを、自動的に調整可能である。しかし、制御対象には制御入力に加えて外乱が印加される状況も想定される。このような場合、オフラインFRITによって得られた最適な制御パラメータを用いても、外乱の影響で応答性が悪くなる。したがって、目標応答性に加えて、外乱応答性も改善する必要がある。
特開2020-134375号公報
ところで、制御対象の特性が時間的に変動する場合、フィードバック制御器の制御パラメータが適応更新しないため、制御対象の時間変化に対する十分な制御性能を得ることができない場合があるという問題がある。
本開示はこれらの点に鑑みてなされたものであり、制御対象の時間変化に対する十分な制御性能を得ることが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本開示における情報処理装置は、
外乱を含む制御入力が入力される制御対象と、
参照信号に基づく操作量を前記制御入力として前記制御対象へ出力するフィードフォワード制御器と、
参照信号に対する目標応答を示す目標応答伝達関数規範モデルと、
目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と前記制御対象の出力との偏差に基づく操作量を前記制御入力として前記制御対象へ出力するフィードバック制御器と、
を備えた制御システムにおいて、前記フィードフォワード制御器および前記フィードバック制御器のそれぞれの制御パラメータを最適化する情報処理装置であって、
前記制御入力および前記制御対象の出力を取得する状態取得部と、
前記目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と前記制御対象の出力との誤差に関する評価関数を漸近化する第1漸近部と、
外乱から前記制御入力までの伝達関数である感度関数規範モデルにおいて、所定の外乱に対する前記感度関数規範モデルの出力と前記所定の外乱を含む制御入力との誤差に関する評価関数を漸近化する第2漸近部と、
第1漸近部により漸近化された前記評価関数を最小化した結果に基づいて、前記フィードフォワード制御器の制御パラメータを調整する第1パラメータ調整部と、
第2漸近部により漸近化された前記評価関数を最小化した結果に基づいて、前記フィードバック制御器の制御パラメータを調整する第2パラメータ調整部と、
を備える。
本開示によれば、制御対象の時間変化に対する十分な制御性能を得ることができる。
図1は、RLS法の適応機構を用いたモデルマッチング二自由度制御系を示す図である。 図2は、制御対象を用いたシミュレーションの手順を示すフローチャートである。 図3は、時変系システムに対して所定外乱(d=0.0)におけるオンラインFRITによる適応制御をしたときの応答を示す図である。 図4は、時変系システムに対して所定外乱(d=0.5)におけるオンラインFRITによる適応制御をしたときの応答を示す図である。 図5は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を模式的に示す図である。 図6は、本開示の実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
<実施の形態の前提となる技術>
本開示の実施の形態を説明する。まず、モデルマッチング二自由度制御系について図1を参照して説明する。図1は、RLS法の適応機構を用いたモデルマッチング二自由度制御系を示す図である。図1において、「C(t,ρベクトル)」はフィードフォワード制御器(FF制御器)、「C(t,ρベクトル)」はフィードバック制御器(FB制御器)、「r」は参照信号、「d」は未知の外乱、「u」は制御入力、「y」は制御出力、「ρベクトル」は制御器の持つ制御パラメータ、「T」は参照信号rから出力yまでの目標応答伝達関数規範モデル、「G(t)」は制御対象である。制御対象G(t)は、線形時変システムであり、その動特性は未知であるとする。適応機構として忘却型RLSアルゴリズムを採用する。
適応機構は、目標応答伝達関数規範モデルTに対してFF制御部Cの制御パラメータを最適化する。また、適応機構は、外乱dから制御入力uまでの伝達関数である感度関数規範モデルSに対してFB制御器Cの制御パラメータを最適化する。
FF制御器Cの制御パラメータは、次式に示す通りである。
Figure 2023031903000002
ここで、FF制御器はFIR(Finite Impulse Response)フィルタである。FF制御器は制御パラメータに対して線形である。式中の「n」はフィルタ次数、「z」はz変換における複素変数、「T」はベクトルの転置を表す。また、式中の「ρ」はFF制御器の制御パラメータである。なお、以下の説明において、特に言及しない限り、FF制御器に関する式中に用いられる場合の「ρ」はFF制御器の制御パラメータであり、FB制御器に関する式中に用いられる場合の「ρ」はFB制御器の制御パラメータである。
また、FB制御器Cの制御パラメータは、次式に示す通りである。
Figure 2023031903000003
ここで、FB制御器はPID制御器、FB制御器は制御パラメータに対して線形である。式中の「ρ」はFB制御器の制御パラメータ、「K」は比例パラメータ、「K」は積分パラメータ、「K」は微分パラメータ、「τ」はフィルタ時定数、「s」はラプラス演算子、「z」はz変換における複素変数、「T」はベクトルの転置を表す。
FF制御器の適応更新に用いる評価関数を次式に示す。
Figure 2023031903000004
式中の「λ」は、RLSアルゴリズムにおける忘却係数(重み係数ともいう)であり、0<λ<1として設定される。定性的な意味として、忘却係数λが1に近いほど、過去の結果を強く反映し、忘却係数λが0に近いほど、時間変化に対して敏感となる。式中の「eハット」は、目標応答伝達関数規範モデルTの出力と制御出力yとの誤差である。
適応更新に用いられる忘却型RLSアルゴリズムは次式のようになる。
Figure 2023031903000005
Figure 2023031903000006
Figure 2023031903000007
Figure 2023031903000008
Figure 2023031903000009
式中の「b」は所定値、「γ」は定数、「P(0)」は初期値、「I」は、単位行列である。また、初期値P(0)には、比較的大きい定数γ(例えば10)が用いられる。
[オフラインの場合のFB制御器の適応更新]
次に、FB制御器の適応更新について説明する。図1に示すように、二自由度制御系に対するオフラインFRITにおいて、FB制御器の適正化には、参照信号r=0,外乱信号ν≠0としたときの入出力データuν_ini,yν_iniが必要であった。適応更新をするオンラインFRITにおいて、制御実行中は、参照信号r≠0,外乱信号ν=0であることが想定されるため、参照信号r=0,外乱信号ν≠0における入出力データを直接取得することはできない。
そこで、ERIT(Estimated Response Iterative Tuning)という応答予測手法を用いる。ERITは、二自由度制御系において、「データ駆動予測」というコンセプトのもと、既知であるパラメータ更新前の入出力データにより、FF制御器を更新した際の応答予測をすることができ、実装する前に、その安定性や応答性を評価できるという手法である。この手法では、例えば、参照信号r=r≠0,外乱信号ν=ν=0のもと得られる入出力データuini,yiniによって、参照信号r=r=0,外乱信号ν=ν≠0のもと取得されるべき入出力データuν_ini,yν_iniを予測する。なお、参照信号r=r=0のときの外乱信号ν=ν≠0が本開示の「所定の外乱」に対応する。
先ず、r=r=0,ν=ν≠0のもと、取得されるべき入出力データuν_ini,yν_iniは次式のように表される。
Figure 2023031903000010
Figure 2023031903000011
また、r=r≠0,ν=ν=0のもと、得られる入出力データuini,yiniは次式のように表される。
Figure 2023031903000012
Figure 2023031903000013
式(9)から式(12)までをz変換の形で書き、未知である制御対象G(z)を消去するように式変形をすると次式が得られる。
Figure 2023031903000014
Figure 2023031903000015
このとき、一回目の実験に用いる参照信号r=r≠0を定値とし、さらに、二回目の実験に用いるはずの、低周波数に強調された疑似的に印加する外乱ν=ν≠0を定値とした場合、式(13)と式(14)とは次式となる。
Figure 2023031903000016
Figure 2023031903000017
ここで、評価関数が式(17)で表され、C(z,ρベクトル)=C(z,ρiniベクトル)と固定されるとき、式(17)を満たすプレフィルタFは式(18)となる。
Figure 2023031903000018
Figure 2023031903000019
特に、r=1,ν=1と設定すれば、式(18)に示したプレフィルタF(z,ρiniベクトル)と同じ形であるため、F(z,ρiniベクトル)として表すと、式(15)は式(19)となる。また、式(16)は、式(20)となる。
Figure 2023031903000020
Figure 2023031903000021
以上のようにして、制御実行中は、r=r≠0,ν=ν=0における入出力データu,yからr=r=0,ν=ν≠0における入出力データuν,yνを計算により求める。求めた入出力データuν,yνは次式のようになる。定値制御を目的として、参照信号rは定数とし、低周波帯域に強調された外乱信号としてνも定数であるとする。
Figure 2023031903000022
Figure 2023031903000023
オフラインFRITにおけるFB制御器の最適化の評価関数を次式に示す。
Figure 2023031903000024
[オンラインの場合のFB制御器の適応更新]
次に、オンラインの場合のFB制御器の適応更新について説明する。
式(23)に従えば、オンラインの場合の評価関数JチルダSd (ρベクトル)は次式のようになる。
Figure 2023031903000025
このとき、プレフィルタF(z,ρ(k)ベクトル)は適応更新される制御パラメータρベクトルに伴い、その特性が変化する。時間的に変わるプレフィルタF(z,ρ(k)ベクトル)に対して、その応答F(z,ρ(k)ベクトル)y(k)を計算するのは困難である。そのため、最小化する際に、式(24)と漸近的に等価となる次式を導く。
Figure 2023031903000026
式(25)の最小化は、式(24)の最小化と漸近的に等価となる。また、参照信号rが定値としていたが、参照信号rが時間的に変化するr=r(t)の場合でも、同様に式(25)の最小化は、式(24)と漸近的に等価となる。以上により、FB制御器の適応更新に用いる評価関数を次式に示す。
Figure 2023031903000027
式中の「λ」は、RLSアルゴリズムにおける忘却係数(重み係数ともいう)である。
適応更新に用いられる忘却型RLSアルゴリズムは次式のようになる。
Figure 2023031903000028
Figure 2023031903000029
Figure 2023031903000030
Figure 2023031903000031
Figure 2023031903000032
式中の「a」は所定値、「γ」は定数である。「P(0)」は初期値、「I」は、単位行列である。初期値P(0)には、比較的大きい定数γ(例えば10)が用いられる。
なお、r=0の場合、FF制御器の最適化に必要な入出力データを得ることはできない。また、FB制御器に必要な入出力データは式(21)と式(22)で計算されるが、r=0の場合、両者は、本来、計算不能である。本開示は、r≠0の場合の定値制御が目的であって、r=0の場合の定値制御を目的としないため、r=0の場合における適応アルゴリズムは適切に機能しない。
[FF制御器の最適化]
次に、FF制御器の最適化について説明する。FF制御器にFIRフィルタを利用する。FIRフィルタとする理由は、必ず安定であること、線形位相を持たせることができること、構造が分かりやすいことなどが挙げられる。しかしながら、一般にFIRフィルタは次数を高くする必要があるため、非線形最適化では、計算量が多くなり、時間とコストがかかる。そのため、FIRフィルタとPID制御器がパラメータに対して線形であることから、最小二乗法により求解できることが理想である。二自由度制御系のFF制御器の最適化におけるFRITで最小二乗法を導入する。
FF制御器の最適化を考える。式(32)を式(33)へ代入し、式(34)に示すように、誤差信号eを定義する。
Figure 2023031903000033
Figure 2023031903000034
Figure 2023031903000035
プレフィルタFにより、r=r≠0、ν=ν=0のもと取得される入出力データuini,yiniを整形し、次式に示す評価関数JチルダTd (ρベクトル)を考える。
Figure 2023031903000036
また、式(36)に示す評価関数を式(37)のように書き換える。
Figure 2023031903000037
Figure 2023031903000038
同様に、式(35)も式(38)のように書き換える。
Figure 2023031903000039
式(37)と式(38)は次式を満たすとき、等価となる。
Figure 2023031903000040
独立に設計できることから、別々に最適化するため、C(z,ρベクトル)=C(z,ρiniベクトル)と固定させる。
式(39)を満たすプレフィルタFは式(40)となる。
Figure 2023031903000041
FF制御器Cが、式(41)のように、制御パラメータρに対して線形であるとする。
Figure 2023031903000042
このとき、式(35)は、式(42)のようになる。
Figure 2023031903000043
最適パラメータは、最小二乗法により、式(43)のように求解される。
Figure 2023031903000044
以上、FF制御器の最適化について説明した。
次に、時変系システムに対するシミュレーションについて説明する。図2は、制御対象を用いたシミュレーションの手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1において、制御対象G(t)は時不変とし、初期パラメータでの入出力データuini,yiniを取得する。このとき、参照信号r=r=1.0とする。
次に、ステップS2において、取得した入出力データuini,yiniにより、オフラインFRITで、FF制御器Cの制御パラメータを最適化し、FB制御器Cの制御パラメータを最適化する。
次に、ステップS3において、オフラインFRITで得られた最適パラメータを初期値として、時変系の制御対象G(t)に対して制御を開始する。
次に、ステップS4において、RLSアルゴリズムによるオンラインFRITにより、FF制御器Cの制御パラメータを適応更新し、FB制御器Cの制御パラメータを適応更新する。
[検証結果]
オフラインFRITで得られた最適パラメータを初期値として、時変系システムに対してオンラインFRITによる適応制御をした。図3に外乱(d=0.0)におけるオンラインFRITの入出力データの時間履歴を示す。図4に外乱(d=0.5)におけるオンラインFRITの入出力データの時間履歴を示す。図3および図4はそれぞれ、適応更新なし(二点鎖線)、FF制御器のみ適応更新(一点鎖線)、FF制御器、FB制御器ともに適応更新(点線)についての入出力データを示す。
図3および図4に示すように、二点鎖線が示す適応更新がないときの応答に比べて点線、一点鎖線の示す適応更新を導入したときの応答が改善されることが分かる。特に破線の示すFF制御器、FB制御器ともに適応更新させたときの応答は、FF制御器のみを適応更新させたときよりも、制御対象のゲインの減少に伴い、目標応答に対して追従性が高いことが分かる。
<実施の形態に係る情報処理装置1の機能構成>
以上の技術を前提として、実施の形態に係る情報処理装置1を説明する。なお、情報処理装置1は、図1に「RLS」で示す適応機構を有する。
図5は、本開示の実施形態に係る情報処理装置1の機能構成を模式的に示す図である。情報処理装置1は、記憶部2と制御部3とを備える。図5において、矢印は主なデータの流れを示しており、図5に示していないデータの流れがあってもよい。図5において、各機能ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図5に示す機能ブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。機能ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
記憶部2は、情報処理装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や情報処理装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報、制御対象Gの状態と制御器Cの制御パラメータとを紐づけて格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
制御部3は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することによって状態取得部30、第1漸近部31、第2漸近部32、第1パラメータ調整部33、第2パラメータ調整部34および入出力データ推定部35として機能する。
なお、図5は、情報処理装置1が単一の装置で構成されている場合の例を示している。しかしながら、情報処理装置1は、例えばクラウドコンピューティングシステムのように複数のプロセッサやメモリ等の計算リソースによって実現されてもよい。この場合、制御部3を構成する各部は、複数の異なるプロセッサの中の少なくともいずれかのプロセッサがプログラムを実行することによって実現される。
状態取得部30は、制御対象の入出力データを取得する。状態取得部30により取得された入出力データは記憶部2に記憶される。具体的には、状態取得部30は、参照信号r=r≠0、外乱信号ν=ν=0としたときの入出力データuini,yiniを取得する。
入出力データ推定部35は、状態取得部30により取得された入出力データに基づいて、参照信号r=r=0,外乱信号ν=ν≠0としたときの入出力データを推定する。具体的には、入出力データuini,yiniに基づいて、参照信号r=r=0,外乱信号ν=ν≠0としたときの入出力データuν_ini,yν_iniを推定する。
第1漸近部31は、状態取得部30が取得した入出力データに基づいて、目標応答伝達関数規範モデルTの目標応答と、制御対象の出力との誤差に関する評価関数を漸近化する。具体的には、第1漸近部31は、式(42)に示す評価関数を漸近化する。式(42)に示す評価関数にはプレフィルタFが含まれているが、プレフィルタFを使わなくても、式(44)に示す評価関数は、式(42)に示す評価関数と漸近的に等価といえる。これにより、オンラインで最小二乗法によるFRITを実行する場合、プレフィルタFを計算する必要がないため、計算コストを低減できる。
Figure 2023031903000045
第2漸近部32は、入出力データ推定部35が推定した入出力データに基づいて、感度関数規範モデルの出力と所定の外乱を含む制御入力との誤差に関する評価関数を漸近化する。具体的には、第2漸近部32は、式(24)に示す評価関数を漸近化する。式(24)に示す評価関数にはプレフィルタFが含まれているが、プレフィルタFを使わなくても、式(24)に示す評価関数は、式(26)に示す評価関数と漸近的に等価といえる。これにより、オンラインで最小二乗法によるFRITを実行する場合、プレフィルタFを計算する必要がないため、計算コストを低減できる。
第1パラメータ調整部33は、第1漸近部31により漸近化された評価関数を最小化した結果に基づいて、FF制御器の制御パラメータを調整する。
第2パラメータ調整部34は、第2漸近部32により漸近化された評価関数を最小化した結果に基づいて、FB制御器の制御パラメータを調整する。具体的には、式(25)に示す評価関数を最小化した結果に基づいてFB制御器の制御パラメータを調整する。
<情報処理装置1が実行する情報処理の処理フロー>
図6は、実施の形態に係る情報処理装置1が実行するオンラインFRITの情報処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば情報処理装置1が起動したときに開始され、開始後、所定時間毎に繰り返し実行される。
状態取得部30は、参照信号r=r≠0、外乱信号ν=ν=0としたときの制御対象の入出力データを取得する(ステップS100)。
入出力データ推定部35は、取得された入出力データに基づいて、参照信号r=r=0、外乱信号ν=ν≠0としたときの制御対象の入出力データを推定する(ステップS110)。
第1漸近部31は、目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と制御対象の出力との誤差に関する評価関数を漸近化する(ステップS120)。
第2漸近部32は、所定の外乱に対する感度関数規範モデルの出力と所定の外乱を含む制御入力との誤差に関する評価関数を漸近化する(ステップS130)。
第1パラメータ調整部33は、FF制御器の制御パラメータを調整する(ステップS140)。
第2パラメータ調整部34は、FB制御器の制御パラメータを調整する(ステップS150)。その後、本フローチャートにおける処理は終了する。
<実施の形態に係る情報処理装置1が奏する効果>
以上説明したように、実施の形態に係る情報処理装置1によれば、目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と制御対象の出力との誤差に関する評価関数、および、感度関数規範モデルの出力と所定の外乱を含む制御入力との誤差に関する評価関数のそれぞれに含まれるプレフィルタFを使うことなく、評価関数のそれぞれを最小化するように構成した。これにより、フィードフォワード制御系およびフィードバック制御系のそれぞれのオンラインFRITを実行する場合、プレフィルタFを計算する必要がないため、計算コストを低減することが可能となる。ひいては、制御対象の時間変化に対する十分な制御性能を得ることができる。
なお、本実施の形態では、フィードフォワード制御系およびフィードバック制御系のそれぞれにオンラインFRITを適用したものを説明したが、本開示では、制御器の制御パラメータを制御対象の変化に伴い適応的に変化させながら制御するものであればよく、FRITに限定しない。また、FF制御器にFIRフィルタを適用したものを説明したが、本開示ではFIRフィルタに限定しない。
以上、本開示を実施の形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本開示の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本開示は、制御対象の時間変化に対する十分な制御性能を得ることが要求される情報処理装置を備えた産業システム、特に、エンジンや自動変速機等の非線形性が強い産業システムに好適に利用される。
1 情報処理装置
2 記憶部
3 制御部
30 状態取得部
31 第1漸近部
32 第2漸近部
33 第1パラメータ調整部
34 第2パラメータ調整部
フィードフォワード制御器(FF制御器)
フィードバック制御器(FB制御器)
G 制御対象
目標応答伝達関数規範モデル

Claims (2)

  1. 外乱を含む制御入力が入力される制御対象と、
    参照信号に基づく操作量を前記制御入力として前記制御対象へ出力するフィードフォワード制御器と、
    参照信号に対する目標応答を示す目標応答伝達関数規範モデルと、
    目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と前記制御対象の出力との偏差に基づく操作量を前記制御入力として前記制御対象へ出力するフィードバック制御器と、
    を備えた制御システムにおいて、前記フィードフォワード制御器および前記フィードバック制御器のそれぞれの制御パラメータを最適化する情報処理装置であって、
    前記制御入力および前記制御対象の出力を取得する状態取得部と、
    前記目標応答伝達関数規範モデルの目標応答と前記制御対象の出力との誤差に関する評価関数を漸近化する第1漸近部と、
    外乱から前記制御入力までの伝達関数である感度関数規範モデルにおいて、所定の外乱に対する前記感度関数規範モデルの出力と前記所定の外乱を含む制御入力との誤差に関する評価関数を漸近化する第2漸近部と、
    第1漸近部により漸近化された前記評価関数を最小化した結果に基づいて、前記フィードフォワード制御器の制御パラメータを調整する第1パラメータ調整部と、
    第2漸近部により漸近化された前記評価関数を最小化した結果に基づいて、前記フィードバック制御器の制御パラメータを調整する第2パラメータ調整部と、
    を備える、
    情報処理装置。
  2. 前記第1パラメータ調整部は、オンラインで前記フィードフォワード制御器の制御パラメータを調整し、
    前記第2パラメータ調整部は、オンラインで前記フィードバック制御器の制御パラメータを調整する、
    請求項1に記載の情報処理装置。

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