JP2023031228A - ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融性や成形性が良好であると共に、熱膨張係数が低く、しかもヤング率と耐失透性が高いガラスを提供する。【解決手段】本発明のガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO250~70%、Al2O37.5~25%、B2O38~15%、Li2O+Na2O+K2O 0~5%、MgO 0~15%、CaO 5~25%、SrO 0~10%、BaO 0~10%を含有し、ヤング率が70GPa以上であり、30~380℃の平均熱膨張係数が37×10-7~60×10-7/℃であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明はガラスに関し、特に半導体パッケージに用いるガラス基板に好適なガラスに関する。
近年、CSP等のイメージセンサーは、小型化、薄型化、軽量化が進んでいる。従来、これらのセンサー部は樹脂のパッケージで保護されていたが、近年、更なる小型化等を進めるために、Siチップ上にガラス基板を貼り付けて保護する方式が採用されつつある。
このガラス基板についても、デバイスの小型化等を図るために、更なる薄肉化が求められており、薄肉のガラス基板(例えば、板厚0.7mm以下のガラス基板)が採用されつつある。
更に、このガラス基板には、熱処理工程でアルカリイオンが半導体膜中に拡散する事態を防止するため、通常、低アルカリガラスが用いられる(特許文献1参照)。
特開2006-344927号公報
上述の通り、CSP等の用途の場合、ガラス基板と半導体チップが直接貼り付けられる。また紫外LED等の用途の場合、ガラス基板と窒化アルミニウムが接合される。しかし、ガラス基板と半導体チップ、窒化アルミニウムとの熱膨張係数が不整合であると、両者の熱膨張係数差によって、ガラス基板に反りが発生してしまう。特に、ガラス基板の板厚が小さい程、ガラス基板に反りが発生し易くなる。このため、ガラス基板には、30~380℃の平均熱膨張係数が37×10-7~60×10-7/℃であることが要求される場合がある。
しかし、ガラス基板の熱膨張係数を60×10-7/℃以下まで低下させると、ガラス基板の表面欠陥が発生し易くなる。すなわち、ガラス基板の熱膨張係数を低下させるためにガラス組成を設計すると、溶融ガラスの高温粘性が高くなり、また成形性が低下するため、発泡、失透ブツ等の表面欠陥が発生し易くなる。
また、CSP等の用途の場合、ガラス基板のヤング率が低いと、ガラス基板上にSiチップを貼り付けた後に、得られる積層体の剛性が低下し易くなる。またガラス基板上に接着剤をスピンコートする場合に、ガラス基板が位置ズレし易くなる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、溶融性や成形性が良好であると共に、熱膨張係数が低く、しかもヤング率と耐失透性が高いガラスを提供することである。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、ガラスのガラス組成範囲を厳密に規制、特にBとCaOの含有範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO 50~70%、Al 7.5~25%、B 8~15%、LiO+NaO+KO 0~5%、MgO 0~15%、CaO 5~25%、SrO 0~10%、BaO 0~10%を含有し、ヤング率が70GPa以上であり、30~380℃の平均熱膨張係数が37×10-7~60×10-7/℃であることを特徴とする。ここで、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量を指す。「30~380℃の平均熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。「ヤング率」は、曲げ共振法により測定した値を指す。
また、本発明のガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO 50~70%、Al 9~12%、B 8~14%、LiO+NaO+KO 0~1%未満、MgO 0~9%、CaO 7~20%、SrO 0~5%、BaO 0~5%を含有し、30~380℃の平均熱膨張係数が41×10-7~55×10-7/℃であることが好ましい。
また、本発明のガラスは、厚み1mm換算、254nmにおける透過率が4%以上であることが好ましい。なお本発明における「透過率」は、外表面の反射損失を含むものであり、外表面の反射損失を除いた透過率(内部透過率)とは異なる。
また、本発明のガラスは、30~380℃の平均熱膨張係数が38×10-7~52×10-7/℃であることが好ましい。
また、本発明のガラスは、液相粘度が104.0dPa・s以上であることが好ましい。ここで、「液相粘度」は、液相温度における粘度であり、白金球引き上げ法で測定可能である。「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。なお、液相粘度は、成形性の指標であり、液相粘度が高い程、成形性が向上する。
また、本発明のガラスは、高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1600℃未満であることが好ましい。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。なお、102.5dPa・sにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性が向上する。
本発明のガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO 50~70%、Al 7.5~25%、B 8~15%、LiO+NaO+KO 0~5%、MgO 0~15%、CaO 5~25%、SrO 0~10%、BaO 0~10%を含有する。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する主成分である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になると共に、ヤング率、耐酸性が低下し易くなる。しかし、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性や成形性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。よって、SiOの下限範囲は50%以上であり、好ましくは52%以上、特に54%以上であり、上限範囲は、好ましくは70%以下、68%以下、65%以下、特に62%以下であり、溶融性を優先する場合、64%以下、62%以下、特に60%以下である。
Alは、ガラス骨格を形成して、ヤング率を高める成分である。しかし、Alの含有量が多過ぎると、ムライト等の結晶が析出し、液相粘度が低下し易くなる。Alの下限範囲は、好ましくは7.5%以上、8%以上、9%以上、10%以上、10.5%以上、特に11%以上、上限範囲は、好ましくは25%以下であり、20%以下、18%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、特に12%以下であり、溶融性や成形性を優先する場合、12%以下、特に11%以下である。
は、溶融性や耐失透性を高める成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率が低下し易くなる。よって、Bは、好ましくは8%以上、特に9%以上であり、上限範囲は、好ましくは15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、特に10%以下である。溶融性や耐失透性を優先する場合、8%以上、10%以上、11%以上、特に12%以上である。
アルカリ金属酸化物(LiO、NaO及びKO)は、溶融性を高める成分である。しかし、アルカリ金属酸化物の含有量が多過ぎると、熱膨張係数を大幅に上昇して、30~380℃の平均熱膨張係数が60×10-7/℃超になり易くなる。よって、LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは0~5%、0~4%、0~3%、0~2%、0~1%、0~1%未満、0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
LiOは、溶融性を高める成分である。しかし、LiOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が大幅に上昇して、30~380℃の平均熱膨張係数が60×10-7/℃超になり易くなる。よって、LiOの含有量は、好ましくは0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
NaOは、溶融性を高める成分である。しかし、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が大幅に上昇して、30~380℃の平均熱膨張係数が60×10-7/℃超になり易くなる。よって、NaOの含有量は、好ましくは0~5%、0~4%、0~3%、0~2%、0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
Oは、溶融性を高める成分である。しかし、KOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が大幅に上昇して、30~380℃の平均熱膨張係数が60×10-7/℃超になり易くなる。よって、KOの含有量は、好ましくは0~3%、0~2%、0~1%、0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
MgOは、熱膨張係数を高める成分である。また高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。しかし、MgOの含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは0~15%、0.1~10%、0.1~9%、0.5~5%、1~4%、特に1~3%である。溶融性を優先する場合、好ましくは0.1%以上、1%以上、3%以上、5%以上、特に6%以上である。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。またヤング率や熱膨張係数を高める成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、アノーサイト等の結晶が析出し、液相粘度を低下させ易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは5~25%、7~23%、9~21%、10~20%、11~18%、12~17%、特に13~16%である。液相粘度の向上を優先する場合、好ましくは5~20%、6~18%、特に7~16%である。
SrOは、耐失透性や熱膨張係数を高める成分であり、高温粘度を下げて溶融性を高める成分である。しかし、SrOの含有量が多過ぎると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0~10%、0~8%、0~6%、0~5%、0~4%、0~3%、0~2%、特に0~1%未満である。
BaOは、耐失透性を高め、ガラスの成形性を向上させる成分である。また、熱膨張係数を高める効果もある。しかし、BaOの含有量が多過ぎると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0~10%、0~8%、0~7%、0~6%、0~5%、特に0~4%である。なお、耐失透性の向上を優先する場合、BaOの好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、2%以上、特に3%以上である。
モル比(MgO+SrO+BaO)/CaOは、好ましくは1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.0以下、0.9以下、0.1~0.8、0.2~0.7、0.25~0.6、特に0.3~0.5である。モル比(MgO+SrO+BaO)/CaOが上記範囲外になると、30~380℃の平均熱膨張係数が37×10-7~60×10-7/℃の範囲において、ヤング率、溶融性、成形性を高いレベルで維持し難くなる。なお、「(MgO+SrO+BaO)/CaO」は、MgO、SrO及びBaOの合量をCaOの含有量で除した値を指す。
上記成分以外にも、任意成分として、他の成分を導入してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で15%以下、10%以下、特に5%以下が好ましい。
ZnOは、高温粘性を下げて、溶融性や成形性を顕著に高める成分であり、また耐候性を高める成分である。しかし、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0~3%、0~2%、0~1%、特に0~0.1%である。
Feは、不純物成分、或いは清澄剤成分として導入し得る成分である。しかし、Feの含有量が多過ぎると、紫外線透過率が低下して、紫外LEDパッケージ等に適用し難くなる。よって、Feの含有量は、好ましくは0~0.05%、0~0.03%、0~0.02%、特に0.001~0.01%である。なお、本発明でいう「Fe」は、2価の酸化鉄と3価の酸化鉄を含み、2価の酸化鉄は、Feに換算して、取り扱うものとする。他の酸化物についても、同様にして、表記の酸化物を基準にして取り扱うものとする。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は、好ましくは0~2%、0.001~1%、0.01~0.9%、特に0.05~0.7%である。SnOの含有量が多過ぎると、SnOの失透結晶が析出し易くなる。なお、SnOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。
清澄剤として、As、Sbが有効に作用するが、環境的観点で言えば、これら成分を極力低減することが好ましい。As、Sbのそれぞれの含有量は、好ましくは1%以下、0.5%以下、0.1%以下、特に0.05%以下である。
SOは、清澄作用を有する成分である。SOの含有量は、好ましくは0~1%、0~0.5%、0~0.1%、特に0~0.01%である。SOの含有量が多過ぎると、SOリボイルが発生し易くなる。
更に、ガラス特性が損なわれない限り、清澄剤として、F、C、或いはAl、Si等の金属粉末を各々1%程度まで導入してもよい。また、CeO等も1%程度まで導入し得るが、紫外線透過率の低下に留意する必要がある。
Clは、ガラスの溶融を促進する成分である。ガラス組成中にClを導入すれば、溶融温度の低温化、清澄作用の促進を図ることができ、結果として、溶融コストの低廉化、ガラス製造窯の長寿命化を達成し易くなる。しかし、Clの含有量が多過ぎると、ガラス製造窯周囲の金属部品を腐食させる虞がある。よって、Clの含有量は、好ましくは3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
は、失透結晶の析出を抑制し得る成分である。但し、Pを多量に導入すると、ガラスが分相し易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは0~15%、0~2.5%、0~1.5%、0~0.5%、特に0~0.3%である。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分である。しかし、TiOを多量に導入すると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は、好ましくは0~5%、0~3%、0~1%、特に0~0.02%である。
ZrOは、耐薬品性やヤング率を改善する成分である。しかし、ZrOを多量に導入すると、ガラスが失透し易くなり、また導入原料が難熔解性であるため、未熔解の結晶性異物がガラス中に混入する虞がある。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0~10%、0~7%、0~5%、0~3%、0~1%、特に0~0.1%である。
、Nb、Laには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々5%、特に1%より多いと、原料コスト、製品コストが高騰する虞がある。
MoOは、不純物、或いは分相抑制成分として導入し得る成分である。また~oは、溶融工程における電極に含まれ得る成分であり、電気溶融加熱により~oOが溶出し、溶融ガラス中に取り込まれる。しかし、~oOが多量に導入すると、透過率が低下し易くなる。よって、~oOの含有量は、好ましくは0~0.01%、0~0.007%、0~0.006%、特に0~0.002%である。
本発明のガラスは、以下のガラス特性を有することが好ましい。
30~380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は、好ましくは37×10-7~60×10-7/℃、38×10-7~58×10-7/℃、39×10-7~55×10-7/℃、41×10-7~55×10-7/℃、特に45×10-7~53×10-7/℃である。30~380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が上記範囲外になると、半導体チップの熱膨張係数に整合し難くなり、ガラス基板の寸法変化(特に反り変形)が生じ易くなる。
ヤング率は、好ましくは70GPa以上、73GPa以上、74GPa以上、特に75GPa以上である。ヤング率が低過ぎると、ガラス基板上にSiチップを貼り付けた後に、得られる積層体の剛性が低下し易くなる。またガラス基板上に接着剤をスピンコートする場合に、ガラス基板が位置ズレし易くなる。
歪点は、好ましくは600℃以上、640℃以上、特に650℃以上である。歪点が低過ぎると、ガラス表面に機能性膜を高温で成膜する際に、ガラスに意図しない変形が生じ易くなる。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1600℃未満、1550℃以下、1520℃以下、1500℃以下、特に1480℃以下である。102.5dPa・sにおける温度が高くなると、溶融性が低下して、ガラス基板の製造コストが高騰する。
液相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、104.6dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、特に105.2dPa・s以上である。このようにすれば、成形時に失透結晶が析出し難くなるため、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形し易くなる。
厚み1mm換算、254nmにおける透過率は、好ましくは4%以上、5%以上、10%以上、20%以上、25%以上、特に30%以上である。厚み1mm換算、254nmにおける透過率が低過ぎると、紫外LEDパッケージのカバーガラス等に適用し難くなる。
本発明のガラスは、ガラス表面に機能性膜が形成されていることが好ましく、例えば反射防止膜、反射膜、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、バンドパスフィルター等が形成されていることが好ましい。また耐候性を更に高める目的で、ガラス表面にシリカ膜等を形成することも好ましい。
本発明のガラスは、ガラス表面にレンズ構造が形成されていることも好ましい。ガラス表面にレンズ構造、例えば凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズ、レンズアレイ等を形成すると、光を集光、散乱させることが可能になる。
本発明のガラスは、ガラス表面にプリズム構造が形成されていることも好ましい。ガラス表面にプリズム構造を形成すると、光を屈折させることが可能になる。
本発明のガラスは、半導体パッケージに用いることができる。この場合、ガラス表面に接着層が形成されていることが好ましい。接着層としては、有機物質、無機物質、又はそれらの混合物等が使用可能である。例えば、紫外線硬化型接着剤、金-スズ系はんだ等が使用可能である。なお、接着層の強度を高めるために、紫外線硬化型接着剤中に無機フィラーを添加してもよい。
本発明のガラスの形状は特に限定されず、例えば、平板状(つまりガラス基板)、曲板状、直管状、曲管状、棒状、球状、容器状、ブロック状等とすることができる。
本発明のガラスにおいて、厚みは、好ましくは0.1~3.0mm、0.2~1.0mm、0.3~0.6mmである。なお、厚みが大きくなると、ガラスの軽量化が困難になる。一方、厚みが小さくなると、ガラスの強度が低下し易くなる。
本発明のガラスは、例えば、各種ガラス原料を調合して、ガラスバッチを得た上で、このガラスバッチを溶融し、得られた溶融ガラスを清澄、均質化し、所定形状に成形することで作製することができる。
ガラス原料の一部として、還元剤を用いることが好ましい。このようにすれば、ガラス中に含まれるFe3+が還元されて、深紫外域での透過率が向上して、紫外LEDパッケージのカバーガラスに適用し易くなる。還元剤として、木粉、カーボン粉末、金属アルミニウム、金属シリコン、フッ化アルミニウム等の材料が使用可能であるが、その中でも金属シリコン、フッ化アルミニウムが好ましい。
金属シリコンの添加量は、ガラスバッチの全質量に対して0.001~3質量%、0.005~2質量%、0.01~1質量%、0.1~0.8質量%、0.15~0.5質量%、特に0.2~0.3質量%が好ましい。金属シリコンの添加量が少な過ぎると、ガラス中に含まれるFe3+が還元されず、深紫外域での透過率が低下し易くなる。一方、金属シリコンの添加量が多過ぎると、ガラスが茶色に着色する傾向がある。
フッ化アルミニウム(AlF)の添加量は、ガラスバッチの全質量に対して、F換算で0.01~2質量%、0.05~1.5質量%、0.3~1.5質量%が好ましい。一方、フッ化アルミニウムの添加量が多過ぎると、Fガスがガラス中に泡として残存する虞がある。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1~7は、本発明の実施例(試料No.1~72)を示している。
Figure 2023031228000001
Figure 2023031228000002
Figure 2023031228000003
Figure 2023031228000004
Figure 2023031228000005
Figure 2023031228000006
Figure 2023031228000007
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で4時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から、3℃/分で常温まで徐冷した。得られた各試料について、密度ρ、30~380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTE30~380、ヤング率E、ガラス転移点Tg、屈服点Tf、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度104.0dPa・sにおける温度、高温粘度103.0dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、高温粘度102.0dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相温度における粘度logη及び厚み1mm換算、254nmにおける透過率T254を評価した。
密度ρは、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
30~380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTE30~380、ガラス転移点Tg、屈服点Tfは、ディラトメーターで測定した値である。
ヤング率Eは、共振法により測定した値を指す。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s及び102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を顕微鏡観察にて測定した値である。液相温度logηは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
厚み1mm換算、254nmにおける透過率T254は、ダブルビーム型分光光度計を用いて測定した値である。測定試料として、両面を光学研磨面(鏡面)に研磨したものを使用した。なお、AFMにより、これらの測定試料のガラス表面の表面粗さRaを測定したところ、測定領域5μm×5μmで0.5~1.0nmであった。
表中から明らかなように、試料No.1~72は、熱膨張係数が低く、ヤング率と耐失透性が高かった。よって、試料No.1~72は、半導体パッケージなどのガラス基板として好適であると考えられる。
なお、上記実施例では、溶融ガラスを流し出して平板形状に成形したが、工業的規模で生産する場合には、オーバーフローダウンドロー法等で平板形状に成形し、両表面が未研磨の状態で使用に供することが好ましい。また、管状に形成する場合は、ダウンドロー法やダンナー法等で管状に成形することが好ましい。
本発明のガラスは、例えば、半導体パッケージ、紫外線発光ダイオード(LED)、受光素子封止パッケージ、紫外光発光ランプ、光電子増倍管、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、情報記録媒体に用いるガラス基板、ガラス管等として好適である。また、本発明のガラスは、レンズ、プリズム等の光学用途にも適用可能である。また、本発明のガラスは半導体支持用基板にも適用可能である。

Claims (6)

  1. ガラス組成として、モル%で、SiO 50~70%、Al 7.5~25%、B 8~15%、LiO+NaO+KO 0~5%、MgO 0~15%、CaO 5~25%、SrO 0~10%、BaO 0~10%を含有し、
    ヤング率が70GPa以上であり、
    30~380℃の平均熱膨張係数が37×10-7~60×10-7/℃である、ガラス。
  2. ガラス組成として、モル%で、SiO 50~70%、Al 9~12%、B 8~14%、LiO+NaO+KO 0~1%未満、MgO 0~9%、CaO 7~20%、SrO 0~5%、BaO 0~5%を含有し、
    30~380℃の平均熱膨張係数が41×10-7~55×10-7/℃である、請求項1に記載のガラス。
  3. 厚み1mm換算、254nmにおける反射を含む透過率が4%以上である、請求書1又は2に記載のガラス。
  4. 30~380℃の平均熱膨張係数が38×10-7~52×10-7/℃である、請求項1又は2に記載のガラス。
  5. 液相粘度が104.0dPa・s以上である、請求項1又は2に記載のガラス。
  6. 高温粘度102.5dPa・sにおける温度が1600℃未満である、請求項1又は2に記載のガラス。
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