JP2023027848A - 半導電性ポリアミド系樹脂組成物、それを用いた半導電性ベルト、画像形成装置、及び導電性ベルトの製造方法 - Google Patents

半導電性ポリアミド系樹脂組成物、それを用いた半導電性ベルト、画像形成装置、及び導電性ベルトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアミド系樹脂組成物が、半導電性を示し、体積抵抗率の均一性が良好で(面内バラつきが小さく)、連続で高電圧を印加しても体積抵抗率の変動が小さく、さらに表面光沢度が高い半導電性ベルトを得るための半導電性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】ポリアミド系樹脂と導電剤とを含有し、前記導電剤は、微細炭素繊維とカーボンブラックの両方を含有し、かつ前記ポリアミド系樹脂100重量部に対して、前記微細炭素繊維を0.3~2.5重量部と前記カーボンブラックを7~25重量部とを配合することを特徴とする半導電性ポリアミド系樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、半導電性ポリアミド系樹脂組成物、それを用いた半導電性ベルト、画像形成装置、および半導電性ベルトの製造方法に関する。
従来、電子写真方式のプリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置には、体積抵抗率が10~1012Ω・cmの半導電性を有するシームレス形状の半導電性ベルトが用いられている。しかしながら、熱可塑性樹脂へ電子伝導性材料(例えば、カーボンブラック)を配合した半導電性樹脂組成物から得られた成形体は、カーボンブラックのわずかな濃度変化や、カーボンブラックの分散状態によって電気抵抗が大きくばらついたり、導電性が経時で変化したりするという問題が生じ、半導電性領域の電気抵抗を安定的に発現させることが困難であった。
この課題に対し、特許文献1には、ポリアミド樹脂と微細炭素繊維とを含む半導電性ポリアミド樹脂組成物をダイスより溶融押出した後、冷却手段により冷却固化することにより、電気抵抗が均一で連続通電時における電気抵抗の変化が小さい半導電性ポリアミド樹脂からなる電子写真用シームレスベルトの製造方法が記載されている。
一方、電子写真用シームレスベルトには、濃度センサーによるトナー検知を行うため、高い表面光沢度が求められており、特許文献2には、数平均分子量が1000以上のポリアルキレンオキサイド構造を含む添加剤と導電剤を配合したポリフッ化ビニリデン系樹脂からなる表面光沢度が40以上の中間転写体が開示されている。
また、特許文献3には、ポリイミド樹脂100重量部に対し、カーボンナノチューブを0.1~40重量部を含有したポリイミド管状物は、サンプル間、添加量変化、電圧変化、環境変化による抵抗値の変動が少なく、実施例3には、ポリアミド酸100重量部を溶解したDMF溶液にカーボンナノチューブとカーボンブラックとを配合し筒状SUSにキャストして得られたポリイミド管状物(ポリイミド固形分100重量部に対して、カーボンナノチューブ10重量部、カーボンブラック4重量部)が例示されているが、光沢度に関する記載はない。
特開2017-101157号公報 特開2015-14744号公報 特開2003-246927号公報
本発明者らは、ポリアミド系樹脂に導電剤を配合した半導電性ベルトの表面光沢度に着目した。ポリアミド系樹脂組成物が、半導電性を示し、体積抵抗率の均一性が良好で(面内バラつきが小さく)、表面光沢度が高く、連続して印刷しても体積抵抗率の変化が小さい半導電性ベルトを得るための半導電性樹脂組成物を提供することが目的である。
本発明によれば、
(1)ポリアミド系樹脂と導電剤とを含有し、前記導電剤は、微細炭素繊維とカーボンブラックの両方を含有し、かつ前記ポリアミド系樹脂100重量部に対して、前記微細炭素繊維を0.3~2.5重量部と前記カーボンブラックを7~25重量部とを配合することを特徴とする半導電性ポリアミド系樹脂組成物;
(2)前記ポリアミド系樹脂が、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,12から選ばれた1種以上であることを特徴とする(1)記載の半導電性ポリアミド系樹脂組成物;
(3)前記微細炭素繊維が、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、釣鐘状構造単位集合体から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする(1)または(2)記載の半導電性ポリアミド系樹脂組成物;
(4)(1)乃至(3)のいずれか記載の半導電性ポリアミド系樹脂組成物から形成された半導電性ベルト;
(5)(4)記載の半導電性ベルトを有することを特徴とする画像形成装置;
(6)ポリアミド系樹脂を100重量部と、微細炭素繊維を0.3~2.5重量部とカーボンブラックを7~25重量部とを配合した半導電性ポリアミド系樹脂組成物を押出機に供給し、前記半導電ポリアミド系樹脂組成物を環状ダイスより押出し、冷却固化することを特徴とする半導電性ベルトの製造方法;
(7)入射角60°での表面光沢度が50以上であることを特徴とする請求項6記載の半導電性ベルトの製造方法;
が提供される。
本発明の半導電性ポリアミド系樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂と導電剤を含有し、前記導電剤は、微細炭素繊維(以下、CNTと略記することがある)とカーボンブラックの両方を含有し、かつ前記ポリアミド系樹脂100重量部に対して、前記微細炭素繊維を0.3~2.5重量部と前記カーボンブラックを7~25重量部とを配合したものであり、前記半導電性ポリアミド系樹脂組成物から成形された半導電性ベルトは、半導電性を示し、体積抵抗率の均一性が良好で(面内バラつきが小さく)、連続して印刷しても体積抵抗率の変化が小さく、さらに表面光沢度が高い半導電性ベルトを得ることができる。
CNT配合量と光沢度との関係を示す図である。 CNT配合量と連続通電試験における体積低効率の変動桁数との関係を示す図である。 連続通電試験における電圧印加装置を示す模式的断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、ここでいう半導電性とは、温度23℃、相対湿度50%RH、印加電圧250Vにおける体積抵抗率が1×10~1×1012Ω・cmの範囲内であることを意味する。
[ポリアミド系樹脂]
ポリアミド系樹脂は、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、α,ω-アミノカルボン酸の重縮合、ラクタム類の開環重合などによって得られ、十分な分子量を有する熱可塑性樹脂である。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,6/12、ナイロン6,MXD(MXDはm-キシリレンジアミン成分を表す)、ナイロン6,6T(Tはテレフタル酸成分を表す)、ナイロン6,6I(Iはイソフタル酸成分を表す)などが挙げられる。これらの中でも、吸水率が低いポリアミド系樹脂が好ましく、吸水率が低いポリアミド系樹脂は、カーボンブラックの分散性に優れるとともに、高湿度環境における電気抵抗の安定性に優れる。ポリアミド系樹脂の吸水率は、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。吸水率が1.5%以下のポリアミド系樹脂としては、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,10、ナイロン6,12などが挙げられ、吸水率が1.0%以下のポリアミド系樹脂としては、ナイロン11、ナイロン12が挙げられる。なお、これらのポリアミド系樹脂は、単独或は2種以上を組み合わせて用いても良い。
[導電剤]
本発明の導電剤は、微細炭素繊維とカーボンブラックの両方を併用することが特徴である。本発明者らは表面光沢度の高い半導電性ベルトを開発すべく種々検討を行った結果、導電剤として微細炭素繊維のみを配合した半導電性ポリアミド系樹脂組成物から成形した半導電性ベルトは表面粗さが大きくなり、表面光沢度が小さくなることが明らかとなった。この現象は、微細炭素繊維の平均繊維径は小さいが平均繊維長が長いため、その影響で半導電性ベルトの表面粗さが大きくなり、表面光沢度が小さくなったものと推察した。一方、カーボンブラックは一次粒子径が小さいため、表面粗さへの影響は小さいものと考えられる。また、導電剤としてカーボンブラックのみを配合した半導電性ポリアミド系樹脂組成物から成形した半導電性ベルトは、大量にカーボンブラックを配合する必要があり、連続して電圧をかけると体積抵抗率の上昇が大きい事も明らかとなった。
本発明に用いる微細炭素繊維とは、繊維の芯部に中空空間を有するものであり、繊維径が小さく、アスペクト比の大きい繊維状のものが好ましく、カーボンナノチューブと通称されるものも含まれる。具体的には、平均繊維径が1nm~200nm、平均繊維長が0.1μm~100μm、アスペクト比が10~10000の範囲内であることが好ましい。
微細炭素繊維としては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ(特開平1-270543、特公平3-64606、特公平3-77288、特開2004-299986)、カップ積層型カーボンナノチューブ(特開2003-73928、特開2004-360099)、プレートレット型カーボンナノファイバー(特開2004-300631)、釣鐘状構造単位集合体(特開2012-46864、特開2011-47081、特開2011-46852)などが挙げられる。これらの中でも、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、釣鐘状構造単位集合体が好ましい。特に、釣鐘状構造単位集合体は、ファンデルワールス力の弱い力で結合している釣鐘状構造単位の集合体の連結部が、混練や押出による剪断力により容易に切断され、微炭素繊維同士が絡まり合った凝集物となりにくく、分散性に優れることから好ましい。
本発明に用いるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラックおよびアセチレンブラック等の導電性カーボンブラックを挙げることができ、特に平均粒子径が50nm以下のカーボンブラックが少量の配合で電気抵抗を下げることができるので好ましい。また、カーボンブラックのストラクチャー構造が発達し、導電パスを形成する観点からDBP(Dibutyl phthalate)吸油量が100~500ml/100gが好ましく、100~300ml/100gであることが好ましく、150~250ml/100gであることがより好ましい。また導電性の観点から30~1500m/gの範囲のBET表面積であるカーボンブラックが好ましい。また、本発明においては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、オキサゾリン基、から選ばれる1種以上の官能基を有するポリマーがグラフト付加されたグラフト化カーボンブラック、或いは低分子量化合物で表面処理したカーボンブラックも用いることができる。
次に、本発明の半導電性ポリアミド系樹脂組成物の組成比については、ポリアミド系樹脂100重量部に対して、微細炭素繊維を0.3~2.5重量部及びカーボンブラックを7~25重量部配合することが必要である。ポリアミド系樹脂100重量部に対して、微細炭素繊維を0.4~2.0重量部を配合することがより好ましく、0.4~1.5重量部がさらに好ましい。微細炭素繊維を上記範囲とすることにより、半導電性ベルトに成形した際の表面粗さの値を小さくでき、その結果表面光沢度を高くすることができる。また、ポリアミド系樹脂組成物100重量部に対して、カーボンブラックを7~25重量部の割合で含有することが好ましく、8~23重量部がより好ましく、10~20重量部がさらに好ましい。カーボンブラックを上記範囲とすることにより、所望の半導電性領域に調整することが可能となる。カーボンブラックの配合が7重量部未満であると、前記微細炭素繊維の配合量と合わせても所定の半導電性を示す組成物が得られない可能性があり、25重量部を超えると、溶融粘度が高くなり、溶融押出が難しくなる。上記のように、微細炭素繊維の配合量は所定の表面光沢度となるように減らすが、微細炭素繊維の配合量を減少させると電気抵抗が高くなるため、所定の半導電性の電気抵抗を示すようにカーボンブラックの配合量を適宜決定することができる。
本発明のポリアミド系樹脂組成物には、必要に応じてその特性を損なわない範囲で添加剤を配合しても良い。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、有機フィラーや無機フィラー、アンチブロッキング剤、可塑剤、滑剤、加工助剤等が挙げられる。これらの樹脂や添加剤は、目的に応じて適量を使用することができる。
[ポリアミド系樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリアミド系樹脂組成物の製造方法は特に制限はないが、例えばポリアミド系樹脂、導電剤、必要に応じて用いられる添加剤を配合してドライブレンドした後、溶融混練する方法、ポリアミド系樹脂に導電剤を予め溶融混練してマスターバッチを作製し、これに必要に応じてポリアミド系樹脂や添加剤を配合して溶融混練する方法等が挙げられる。
溶融混練するための装置としては、バッチ式混練機、ニーダー、コニーダー、バンバリーミキサー、ロールミル、単軸もしくは二軸押出機等、公知の種々の混練機が挙げられる。これらの中でも、混練能力や生産性に優れる点から単軸押出機や二軸押出機が好ましく用いられる。
溶融混練時の温度は、使用するポリアミド系樹脂の種類や溶融粘度等により適宜選択できるが、通常、150~300℃の範囲であり、樹脂の劣化防止の観点から、好ましくは170~280℃である。
[半導電性ベルト]
本発明の半導電性ベルトは、半導電性ポリアミド系樹脂組成物からなる層を少なくとも一層有するシームレスベルトである。多層の場合は、目的に応じて本発明の半導電性ポリアミド系樹脂組成物からなる基材層の上に弾性層や表面コート層を設けても良い。
本発明の半導電性ベルトは、押出成形法、遠心成形法、ディッピング法などで製造することができる。押出成形法、特に環状ダイスを用いた押出成形法は、継ぎ目のないベルトが得られるので好ましい。環状ダイスを用いた押出成形法としては、例えば押出機と、該押出機の下方に該押出機に連通して環状ダイスが配置され、該環状ダイスの下方には、該環状ダイスから下向きに押し出される溶融樹脂をその外周に担持させて冷却固化するマンドレルが配設された押出成形装置を用いることができる。半導電性樹脂組成物を押出機に供給して、環状ダイスからチューブ状に共押出し、マンドレルの外周に沿わせて冷却固化することによりチューブ状の成形体を得て、チューブ状の該成形体を所望の幅に切断することでベルトとすることができる。また、得られたベルトは金型に挿入し、ポリアミド系樹脂の融点以下の温度に設定したオーブン中でアニール処理することにより、さらに周長精度が向上した半導電性ベルトを得ることができる。なお、これらの説明は単層の場合であったが、複数層の場合は、層数に応じた押出機及びダイスを準備すればよい。
また、環状ダイスを用いた押出成形法の他の例としては、押出機と、該押出機の上方に該押出機に連通して環状ダイスが配置され、該環状ダイスの上方には、該環状ダイスから上向きに押し出される溶融樹脂をその外周に担持させて冷却固化するマンドレルが配設された押出成形装置を用いることができる。
本発明の半導電性ポリアミド系樹脂組成物は、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、紙搬送ベルト等の半導電性ベルトや、自動車関連部品、電子・電気部品、機械部品、半導体包装用フィルム等として好適に用いることができる。
本発明の半導電性ベルトの入射角60°での表面光沢度は50以上が好ましく、さらに60以上が好ましく、70以上がより好ましい。ポリアミド系樹脂100重量部に対して、微細炭素繊維が2.5重量部以下配合することで、上記性能を達成することができる。
また、本発明の導電性ベルトの表面粗さRzは、1.00μm以下が好ましく、さらに0.80μm以下が好ましく、0.60μm以下がより好ましい。ポリアミド系樹脂100重量部に対して、微細炭素繊維が2.5重量部以下を配合することで、上記記載の表面粗さRzの性能を満足することができる。
さらに、本発明の導電性ベルトの後述する連続通電試験における体積抵抗率の変動桁は、1.00桁未満が好ましく、さらに0.50桁未満が好ましく、0.35桁未満が最も好ましい。ポリアミド系樹脂100重量部に対して、微細炭素繊維を0.3重量部以上配合することで、後述する連続通電試験における体積抵抗率の変動桁を満足することができる。
以下、本発明について、実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における物性の測定方法は次の通りである。
(1)溶融粘度
溶融粘度は、長さ10mm×直径1mmの穴を有するダイを取り付けた島津製作所製高化式フローテスターを用いて測定した。
(2)表面抵抗率及び体積抵抗率
表面抵抗率及び体積抵抗率は、URSプローブ(荷重2kg)を取り付けたハイレスタUX(MCP-HT800、ダイヤインスツルメンツ社製)を用い、460mm×400mmに切出したサンプルについて、印加電圧250Vでランダムに10点測定した。
また、体積抵抗率の均一性(バラつき)は以下の式で求めた。
体積抵抗率の均一性[桁]=log10(体積抵抗率の最大値/体積抵抗率の最小値)
(3)表面粗さ
サーフコム580A(東京精密社製)を用い、JIS B0601-1982に準拠し、触針先端半径2μm、カットオフ値0.8mm、測定長さ2.5mm、速度0.3mm/secで表面粗さRzを測定した。
(4)表面光沢度
ハンディ光沢計グロスチェッカIG-320(堀場製作所製)を用いて、入射角60°で表面光沢度を測定した。
(5)連続通電試験
図3に示す電圧印加装置を用い、表面に銅板を張り付けた試料用ロール(3)上に粘着テープで半導電性ベルト(2)を貼付けた。半導電性ベルトの体積抵抗率の変動桁数は、導電ゴムロール(1)と試料用ロールとの間に1000Vの電圧を印加しながら試料用ロールを5回転/分で4000回転させた後に半導電性ベルトを取り外し、23℃中に24時間放置後の体積抵抗率を測定し、次式を用いて体積抵抗率の変動桁数を求めた。
体積抵抗率の変動桁数[桁]=log10(連続通電試験後の体積抵抗率/連続通電試験前の体積抵抗率)
原料としては、下記のものを用いた。
<ポリアミド系樹脂(A)>
・ポリアミド12(A-1)[融点:178℃、溶融粘度:5950poise(測定温度200℃、荷重100kg)]
<導電剤(B)>
・カーボンナノチューブ(B-1)[平均直径:10~15nm、長さ:10μm以下、比表面積:180~250m/g]
・カーボンブラック(B-2)[DBP吸油量:190ml/100g、BET表面積:70m/g]
表1に示した配合比となるように、ポリアミド系樹脂と導電剤とをスクリュー径38mmの二軸混練押出機を用いて溶融混練し、コンパウンドを得た。次いで、得られたコンパウンドを、環状ダイスを備えた単軸押出機(押出径:50mm)に供給し、溶融状態でチューブ状に成形後、長さ350mmにカットし、周長800mm、幅350mm、厚み140μmの半導電性ベルトを得た。
実施例及び比較例で作成した半導電性ベルトの評価結果を表1、図1および図2に示す。
Figure 2023027848000002
表1、図1および図2に示すように、ポリアミド系樹脂100重量部に対して、微細炭素繊維を0.3~2.5重量部配合した半導電性ベルトである実施例1乃至4は、体積抵抗率の均一性に優れ、表面光沢度は50以上の高い値を示し、さらに連続通電試験における体積抵抗率の変動桁は0.5桁以下であり、半導電性ベルトとして優れた特性を示した。
それに対し、ポリアミド系樹脂100重量部に対して微細炭素繊維の配合量が0.3重量部未満の比較例1および比較例2は体積抵抗率の均一性が良好で高い表面光沢度を示すものの、連続通電試験における体積抵抗率の変動が大きく、半導電性ベルトとして不適であった。一方、ポリアミド系樹脂100重量部に対して微細炭素繊維の配合量が2.5重量部を超えた比較例3および4は、体積抵抗率の均一性が良好で、連続通電試験における体積抵抗率の変動が小さいものの、表面光沢度が50以下と低い値を示した。
1 導電ゴムロール
2 半導電性ベルト
3 試料用ロール
4 電源








Claims (7)

  1. ポリアミド系樹脂と導電剤とを含有し、前記導電剤は、微細炭素繊維とカーボンブラックの両方を含有し、かつ前記ポリアミド系樹脂100重量部に対して、前記微細炭素繊維を0.3~2.5重量部と前記カーボンブラックを7~25重量部とを配合することを特徴とする半導電性ポリアミド系樹脂組成物。
  2. 前記ポリアミド系樹脂が、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,12から選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1記載の半導電性ポリアミド系樹脂組成物。
  3. 前記微細炭素繊維が、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、釣鐘状構造単位集合体から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または2記載の半導電性ポリアミド系樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の半導電性ポリアミド系樹脂組成物から形成された半導電性ベルト。
  5. 請求項4記載の半導電性ベルトを有することを特徴とする画像形成装置。
  6. ポリアミド系樹脂を100重量部と、微細炭素繊維を0.3~2.5重量部とカーボンブラックを7~25重量部とを配合した半導電性ポリアミド系樹脂組成物を押出機に供給し、前記半導電ポリアミド系樹脂組成物を環状ダイスより押出し、冷却固化することを特徴とする半導電性ベルトの製造方法。
  7. 入射角60°での表面光沢度が50以上であることを特徴とする請求項6記載の半導電性ベルトの製造方法。

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