JP2023027451A - 光学装置、加工方法、および、物品の製造方法 - Google Patents

光学装置、加工方法、および、物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ加工の精度を向上させる。【解決手段】対象物にレーザ光を照射して対象物を加工する光学装置である。光学装置は、レーザ光の焦点位置を調整する焦点位置調整機構と、焦点位置が対象物のレーザ入射面側からレーザ光の進行方向へ移動するに従い、焦点位置調整機構に入射するレーザ光のビーム径を小さくするように変化させることによって、対象物に入射するレーザ光の集光角を変化させる集光角変更機構と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、光学装置、加工方法、および、物品の製造方法に関する。
レーザ加工装置等における光走査装置は、対象物上の位置(x、y、z)に方位(θx、θy)から光を集光して照射するように、並進光学系と集光光学系、および偏向光学系とを含みうる。並進光学系は、当該方位を変更するため、後述の集光光学系に入射する光を並進(平行シフト)させる光学系である(特許文献1)。集光光学系は、対象物上に集光するため、光の焦点位置(z)を変更する光学系である。偏向光学系(走査光学系ともいう)は、例えばミラー等の偏向光学素子を含み、光の照射位置(x、y)を変更する光学系である。これらの光学系のうち特許文献1の並進光学系は、第1反射面と第2反射面とを有する回転可能な反射部材を含む。また、第1反射面で反射された光を複数の反射面で順次反射して第2反射面に入射させる光学系を含む。さらに、反射部材の回転角度を変更することにより、第2反射面で反射されて反射部材を射出する光の光路を調整する調整部を含む。このような構成により、反射部材を射出する光の並進(平行シフト)を実現している。また、当該並進光学系を2組配置することにより、2軸方向において光を並進させることができる。反射部材を射出する光は、集光光学系(集光レンズ)に平行偏心して入射すると、当該偏心量と集光光学系の焦点距離とによって決まる傾斜角で傾斜した集束光が集光光学系を射出する。当該集光光は、例えば、光加工装置において、物体に照射され、熱的または波動的な効果によって穴開け等の物体の加工に利用されうる。
特開平4-253584号公報
上述のような光走査装置を用いた光加工装置において穴開け加工を行う際には、レーザビームを対象物の面内方向(xy方向)に走査しながら、焦点位置を対象物の表面(レーザ入射面側)から裏面(レーザ射出面側)まで下げて加工を行っている。
しかしながら、焦点位置を対象物の裏面まで下げた時、対象物の表面高さでのビームは径が大きいため、表面のエッジ部分にビームがかかってしまい、ビームが奥まで届かず深い穴が掘れないという課題がある。
本発明は、上述した課題を解決し、レーザ加工の精度を向上させることを例示的目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、対象物にレーザ光を照射して前記対象物を加工する光学装置であって、前記レーザ光の焦点位置を調整する焦点位置調整機構と、前記焦点位置が前記対象物のレーザ入射面側から前記レーザ光の進行方向へ移動するに従い、前記焦点位置調整機構に入射する前記レーザ光のビーム径を小さくするように変化させることによって、前記対象物に入射する前記レーザ光の集光角を変化させる集光角変更機構と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上述した課題を解決し、レーザ加工の精度を向上させることができる。
本実施形態に係る光学装置の一部の構成例を示す図である。 反射部材の角度を変更する駆動部の構成例を示す図である。 光学装置の一部の他の構成例を示す図である。 並進光学系を含むレーザ加工装置の構成例を示す図である 本実施形態に係るレーザ加工装置の構成例を示す図である。 レーザ加工装置の穴開け加工工程の一例を説明する模式図である。 穴開け加工時の、加工穴形状とビームの集光の様子を示す図である。 ビーム集光角を変化させて加工する時の数値例を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、実施形態を説明するための全図を通して、原則として(断りのない限り)、同一の部材等には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
〔加工装置の実施形態〕
図1は、本実施形態に係る光学装置の一部の構成例を示す図である。本実施形態における光学装置は、出射する光の経路(光路)を制御可能であり、例えば、光線の並進(平行シフト)が可能である。本実施形態の光線平行シフト機構(並進光学系)は、レーザ光源50からの光線51を反射するミラー部材2(反射部材ともいう)を含む。なお、以下の説明では、各反射面が平面とみなせ、光路の並進を行う場合について例示する。ミラー部材2は、例えば、ガラスで構成され、レーザ光源50からの光線51を受ける第1反射面2aと、その反対側の第2反射面2bとを有する。第1反射面2a及び第2反射面2bには、それぞれ高反射率を有するコーティングがされている。なお、ミラー部材2は、プリズム状に構成されていてもよいし、第1反射面2aと第2反射面2bとがそれぞれ独立した構成であってもよい。
また、ミラー部材2は、光学装置を出射する光の光路を制御(変更)できるように角度可変に構成されている。ここで、図2は、反射部材(2)の角度を変更する駆動部(1)の構成例を示す図である。図示の如く、ミラー部材2は、(ガルバノ)モータ1(駆動部)の出力軸1aに軸支されている。制御部60は、モータ1に対して駆動信号を出力し、モータ1は、駆動信号に応じた駆動量だけ出力軸1aを介してミラー部材2を回転させる。このように、ミラー部材2は回転可能(角度可変)に構成されている。ここでは、ミラー部材2は、レーザ光源50からの光線51に対して略45度に傾斜している。本明細書では、このようなミラー部材をガルバノミラー光学系という。なお、ミラー部材2が、光学装置を出射する光の光路を制御できるように構成されていればよく、この構成に限られるものではない。
図1にもどり、並進光学系は、ミラー部材2によって反射された光を複数の反射面で順次反射してミラー部材2に入射させる光学系80を有する。光学系80は、例えば、光線51に関して線対称になるように固定配置された4個のミラー3,4,5,6(反射面)を含む。ミラー部材2の第1反射面2aにより反射された光は、これらのミラー3,4,5,6により順次反射されて、ミラー部材2の第2反射面2bへと導かれる。最終的に第2反射面2bにより反射されてミラー部材2を射出する光は、光線51の進行方向とは略同一の(略平行な)進行方向を有する。
この射出光の角度(進行方向)は、ミラー部材2の回転角度を変更しても変化しない。そのため、制御部60によりミラー部材2の回転角度を制御することにより、第2反射面2bで反射されてミラー部材2を射出する光の経路を調整(並進または平行シフト)させることができる。
図3は、光学装置の一部の他の構成例を示す図である。本構成は、図1で示した構成を組み合わせたものであり、レーザ光源50からの光線51を受ける第1並進光学系61と、第1並進光学系61からの射出光を受ける第2並進光学系62とを含む。第1並進光学系61は、レーザ光源50からの光線51を反射する角度可変のミラー部材13を有する。また、第1並進光学系61は、ミラー14-1,14-2,14-3,14-4を有する。第2並進光学系62は、第1並進光学系を射出した光線を反射する角度可変のミラー部材15を有する。また、第2並進光学系62は、ミラー16-1,16-2,16-3,16-4を有する。そして、第1並進光学系61のミラー部材13の回転軸63と第2並進光学系62のミラー部材15の回転軸64とは、非平行であるように、例えば直交するように配置されている。
第1並進光学系61において、ミラー部材13の第1反射面により反射された入射光は、ミラー14-1,14-2,14-3,14-4により順次反射されて、ミラー部材13の第1反射面とは反対側の第2反射面へと導かれる。第2反射面により反射されてミラー部材13を射出した光は、第2並進光学系62のミラー部材15に入射する。第2並進光学系62において、ミラー部材15の第1反射面により反射された入射光は、ミラー16-1,16-2,16-3,16-4により順次反射されて、ミラー部材15の第1反射面とは反対側の第2反射面へと導かれる。最終的にミラー部材15の第2反射面により反射されてミラー部材15を射出した光は、光線51の進行方向とは略同一の(略平行な)進行方向を有する。なお、図3に示すように、第1並進光学系61の各ミラーでの反射により形成される光路がなす平面と、第2並進光学系62の各ミラーでの反射により形成される光路がなす平面とが交差するような配置を採用してもよい。このように2つの並進光学系を交差するように配置することにより、光学装置の小型化を実現できる。
ここで、以上に説明した並進光学系と、当該並進光学系を射出した光を物体(対象物)に導く(照射する)光学系とを含む加工装置を説明する。図4は、並進光学系を含むレーザ加工装置の構成例を示す図である。図4に示すレーザ加工装置は、レーザ光源71の後側(後段)に、図3を参照して説明した並進光学系17を含む。その後側には、拡大光学系を含み、それにより光線の径を必要な量に拡大する。拡大光学系は、レンズ18と、コリメートレンズ19と、を含む。さらに、拡大光学系の後側には、集光光学系(集光レンズ22)を含み、それにより、その焦点面に配置された物体23にレーザ光を集光して照射する。また、拡大光学系と集光光学系との間に(ガルバノ)ミラー20,21(偏向光学系)を含み、その回転角度の調整により、物体23上の目標とする入射位置(x、y)に光を照射する。つまり、(ガルバノ)ミラー20,21は、光の入射位置を調整する入射位置調整機構であるといえる。(ガルバノ)ミラー20,21は、レーザ光の焦点方向に垂直な方向においてレーザ光が物体23に入射する入射位置を調整する。
以上の構成によれば、集光光学系に入射する光線を並進光学系17により平行偏心させることができ、集光光学系を射出して物体23に入射する光線の角度(入射角度)を変更(または調整)することができる。つまり、並進光学系17は、角度調整機構であるといえる。また、拡大光学系内のレンズ18とコリメートレンズ19の相対間隔を調整することで、物体23に照射される焦点面の位置を変更することができる。その結果、テーパー状の穴の形成や斜めの断面を有する切断等を物体に行うことができる。
ここで、本実施形態に係る光学装置としてのレーザ加工装置100について説明する。図5は、本実施形態に係るレーザ加工装置100の構成例を示す図である。図5に示すように、レーザ加工装置100は、レーザ光源71からの光線を、上述した並進光学系、拡大光学系、偏向光学系、集光光学系を含む光学装置を介して物体に照射することにより、レーザ加工を行う構成となっている。このレーザ光源71として、例えば発振波長が1030nm、周波数100kHz、パルス幅350fs(フェムト秒)、出力100μJ/pulseのフェムト秒固体レーザなどを使用することができる。物体23としては、例えば、ステンレス板(SUS304)などを用いることができる。
また、拡大光学系に含まれるレンズ18は、リニアステージ34上に固定されている。制御部60は、リニアステージ34に対して駆動信号を出力し、リニアステージ34は、駆動信号に応じた駆動量だけレンズ18を光軸方向に移動させる。これにより、物体23に照射される焦点面の位置を変更することができる。つまり、リニアステージ34は、焦点位置調整機構として機能する。また、焦点位置調整機構として、集光光学系に含まれる集光レンズ22を光軸方向に移動する機構を用いてもよい。
さらに、このレーザ加工装置100は、レーザ光源71と並進光学系17との間に、縮小光学系を含み、それにより光線の径を必要な量に縮小する。縮小光学系は、レンズ24とコリメートレンズ25を含む。レンズ24は、リニアステージ31上に固定されている。制御部60は、リニアステージ31に対して駆動信号を出力し、リニアステージ31は、駆動信号に応じた駆動量だけレンズ24を光軸方向に移動させる。これにより、光線の径を縮小することができる。なお、縮小光学系として、光線の径を必要な量に調整できるビームエキスパンダーを用いてもよい。さらには、縮小光学系として、光線の径を必要な量に調整できる開口絞りを用いてもよい。レーザ光源71より発せられた光線は、縮小光学系、並進光学系、拡大光学系、偏向光学系、集光光学系を含む光学装置を介して物体23に照射される。
そして、物体23は、集光光学系の光軸に対して垂直な平面内において移動可能なXYステージ32上に、吸引保持機構(バキュームチャック)33によって固定されて支持されている。XYステージ32は、X-Y平面が集光光学系の光軸に対して垂直な平面となっており、Z軸が集光光学系の光軸に平行な軸となっている。XYステージ32は、コンピュータ装置35により、ステージコントローラ36を介して制御される。
ここで、上述したレーザ加工装置100を用いて物体23に穴開け加工を行う手順を説明する。レーザ光源71から射出されたレーザビーム(光線)を物体23の表面の面内方向(ここではXY方向)に走査しながら、焦点位置を物体23の表面(レーザ入射面側)から裏面(レーザ射出面側)まで下げて加工を行う。物体23にレーザビームが照射されると、焦点位置近傍で物体23の一部が局所的に加熱され、除去される。このような穴あけ加工法は一般的にトレパニング加工と呼ばれる。
図6は、レーザ加工装置100の穴開け加工工程の一例を説明する模式図である。図6(A)は、穴開け加工時のレーザビームの焦点位置の軌跡の例を示す図である。図に示すように、レーザ加工装置100は、例えば、円状の軌跡を描きながら、レーザビームによって、焦点位置近傍で局所的に物体23の一部を順次除去する。初めに焦点位置を物体23の表面に合わせ、レーザビームを面内方向に走査することで、表面近傍の走査された面内の物体23の一部が除去される。次に焦点位置を物体表面から裏面方向へ少し下げ、同様にレーザビームを面内方向に走査することで、走査された面内の物体23の一部が除去される。図6(B)は、焦点位置を物体表面から裏面方向へ下げた状態を示す図である。このとき、焦点位置を少し下げた分だけ深さ方向に物体23の一部が除去される。これを順次繰り返すことで、深さ方向に物体23を除去しながら穴開け加工を行っていく。
しかしながら、焦点位置を物体23の裏面近傍まで下げた時、物体23の表面高さでのビームは広がってしまうため、表面のエッジ部分231にビームがかかって(照射されて)しまい、ビームが奥まで届かず深い穴が掘れないという課題がある。図6(C)は、焦点位置を物体23の裏面近傍まで下げた状態を示す図である。
図7は、穴開け加工時の、加工穴形状とビームの集光の様子を示す図である。ここで、加工穴とは、物体23に加工される穴を指す。図7(A)は、ビーム集光角を比較的大きくした時の、加工穴形状とビームの集光の様子を示す図である。図7(A)に示すように、物体23を掘り進めていく過程において焦点位置を裏面近傍まで下げた時、物体23の表面位置232でのビームはデフォーカス状態となり、焦点位置での集光スポット径よりも広がったビーム径となる。この広がったビームが、本図に示すように、加工穴表面のエッジ部分231にかかり、ビームの一部がけられてしまう。したがって、レーザビームの一部のエネルギーが焦点位置まで届かなくなり、焦点位置での除去能力が低下し、物体23を掘り進めることができなくなってしまう。
逆に、ビームがかからないように、ビーム集光角を小さくすると、焦点位置での集光スポット径が大きくなってしまい、微細な加工ができないという問題がある。図7(B)にビーム集光角を図7(A)よりも小さくした時の、加工穴形状とビームの集光の様子を示す。図7(B)に示すように、ビーム集光角を小さくすると、物体23の表面高さでのビーム径は、図7(A)と比べて小さくなる。したがって、表面のエッジ部分231にビームがかからなくなるが、焦点位置での集光スポット径が大きくなってしまう。この状態で物体23にレーザビームが照射されると、焦点位置近傍で物体23の一部が局所的に加熱され、除去されるが、この除去される体積が大きくなってしまう。パルスレーザを用いた穴開け加工においては、レーザビーム照射時の1パルス当たりの除去体積が大きくなると、加工分解能が悪化し、微細な加工ができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、レーザビームの焦点位置が、物体23の表面から裏面へ向かう方向、すなわち、レーザ光の進行方向に移動するに従い、集光光学系に入射するレーザビーム径を変化させる事によって、ビーム集光角を変化させる。言い換えると、レーザビームによる物体23へ加工深さが、深くなるに従い、集光光学系に入射するレーザビーム径を変化させる事によって、ビーム集光角を変化させる。つまり、物体23の表面近傍を加工する時と、裏面近傍を加工する時とで、ビーム集光角を異なるようにする。具体的には、物体23の表面近傍を加工する時は、縮小光学系のレンズ24の位置を調整し、集光光学系に入射するレーザビーム径を大きくすることで、焦点位置でのビーム集光角を大きくして加工を行う。その後徐々に焦点位置を表面から裏面方向へと移動させる。そして、物体23の裏面近傍を加工する時は、縮小光学系のレンズ24の位置を調整し、集光光学系に入射するレーザビーム径を小さくすることで、焦点位置でのビーム集光角を小さくして加工を行う。すなわち、縮小光学系は、物体23に入射するレーザ光のビーム集光角を変化させる集光角変更機構としても機能する。
縮小光学系は、物体23に加工される穴(加工穴)の径Dと、加工穴の加工深さと、レーザビームが物体23に入射する入射角度(ビーム入射角)に基づいて、レーザビーム径を変化させる。具体的には、レーザビームの入射側の物体23の表面位置232におけるレーザビーム径90が加工穴表面のエッジ部分231にかからないように、焦点位置調整機構に入射するレーザビーム径を変化させる。つまり、レーザビームの入射側の物体23の表面位置232におけるレーザビーム径90が物体23に加工される穴の径Dよりも小さくなるように、焦点位置調整機構に入射するレーザビーム径を変化させる。
ここで、加工穴の径をD、ビーム入射角をθ、物体23の表面から焦点位置までの距離をΔZとすると、ビーム集光角φを以下の式を満たすように変化させて加工することが好ましい。
Figure 2023027451000002
図8は、ビーム集光角を変化させて加工する時の数値例を示す図である。本図は、上述の式を用いて、加工穴の径Dが100um、ビーム入射角θが3°のときのビーム集光角φを算出した数値の一例である。図8(A)は、物体23の表面から焦点位置までの距離ΔZが300umの場合のビーム集光角φの一例を示している。図8(B)は、物体23のレーザ光入射側の表面から焦点位置までの距離ΔZが1000umの場合のビーム集光角φの一例を示している。例えば、物体23の表面から焦点位置までの距離ΔZが300umの場合、ビーム集光角φは半角で3.76°となる。同様に、物体23の表面から焦点位置までの距離ΔZが1000umの場合、ビーム集光角φは半角で1.88°となる。
したがって、上記物体23の表面から焦点位置までの距離ΔZに応じてビーム集光角φを算出し、このビーム集光角φを超えないように縮小光学系のレンズ24の位置を調整する。そして、集光光学系に含まれる集光レンズ22に入射するレーザビーム径を小さくし、レーザ加工を行うようにすれば良い。本実施形態の場合、ビーム集光角を半角で3.76°から1.88°まで変化させるため、集光レンズ22の焦点距離は60mmのため、集光レンズ22に入射するレーザビーム径を8mmから4mmまで変化させれば良い。
このとき、焦点位置での集光スポット径は10umから20umまで変化する。集光スポット径が増加すると、上述したように加工分解能が悪化してしまう。しかしながら、穴開け加工においては、物体23の表面から焦点位置までの距離ΔZが大きいとき、すなわち物体23の裏面近傍を加工する際は集光スポット径が増加しても加工分解能が悪化しない。これはレーザビームが物体23の内部で多重反射を起こし、実効的な集光スポット径が小さくなるという効果のためである。
なお、加工分解能の悪化をさらに低減するため、レーザ光の集光角に応じて、レーザ光源71のレーザ光量を変化させてもよい。例えば、制御部60は、レーザ光の集光角が小さくなる程、レーザ光源71のレーザ光量を強くする。これにより、加工分解能の悪化をさらに低減することが可能となる。
したがって、物体23の表面近傍を加工する際はビーム集光角を大きく、集光スポット径を小さくして加工分解能の悪化を防ぎ、また物体23の裏面近傍を加工する際はビーム集光角を小さくして表面のエッジ部分にビームがかからないようにする。
なお、物体23の表面から焦点位置までの距離ΔZは、加工穴の加工深さと置き換えてもよい。ここで、加工深さとは、加工時点における加工穴の深さである。例えば、予め加工時間に応じた加工深さを取得することが可能である。また、レーザビームが物体23に入射する入射角度(ビーム入射角θ)は、例えば、物体23の材質に応じて予め決定することが可能である。すると、例えば、コンピュータ装置35により加工時間の経過に応じたビーム集光角φを予め求めることができる。よって、コンピュータ装置35は、加工時間の経過に応じた集光光学系に入射するレーザビーム径を予め求めることができる。例えば、コンピュータ装置35は、加工時間の経過に応じた集光光学系に入射するレーザビーム径を制御部60に出力する。そして、制御部60が加工時間に応じて、入力されたレーザビーム径となるように、リニアステージ31に対して駆動信号を出力し、リニアステージ31がレンズ24を光軸方向に移動させる構成としてもよい。制御部60は、集光光学系に入射するレーザビーム径を段階的または離散的に変化させてもよい。
また、本実施形態では物体23に円筒状の穴を加工する場合について説明したが、加工穴は、例えば、矩形であってもよい。加工穴が矩形の場合は、加工穴の径Dを加工穴の辺に置き換える。また、物体23にテーパー状(円錐形状)の穴を加工する場合は、加工穴の物体23の表面位置における径と、加工穴の加工深さと、に基づいて、レーザビーム径を変化させる。
以上のように、本実施形態に係る加工装置は、上述した課題を解決し、レーザ加工の精度を向上させることができ、アスペクト比の高い穴開け加工が実現できる。
〔物品製造方法に係る実施形態〕
以上に説明した実施形態に係る加工装置は、物品製造方法に使用しうる。当該物品製造方法は、当該加工装置を用いて物体(対象物)の加工を行う工程と、当該工程で加工を行われた物体を処理する工程と、を含みうる。当該処理は、例えば、当該加工とは異なる加工、搬送、検査、選別、組立(組付)、および包装のうちの少なくともいずれか一つを含みうる。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストのうちの少なくとも1つにおいて有利である。
〔その他の実施形態〕
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上述の実施形態では、制御部60とコンピュータ装置35は別体としたが、制御部60がコンピュータ装置35の機能を実現しても良いし、コンピュータ装置35が制御部60の機能を実現しても良い。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
17 並進光学系
20,21 (ガルバノ)ミラー
23 物体
24 レンズ
31 リニアステージ
35 コンピュータ装置
50,71 レーザ光源
60 制御部
100 レーザ加工装置

Claims (16)

  1. 対象物にレーザ光を照射して前記対象物を加工する光学装置であって、
    前記レーザ光の焦点位置を調整する焦点位置調整機構と、
    前記焦点位置が前記対象物のレーザ入射面側から前記レーザ光の進行方向へ移動するに従い、前記焦点位置調整機構に入射する前記レーザ光のビーム径を小さくするように変化させることによって、前記対象物に入射する前記レーザ光の集光角を変化させる集光角変更機構と、を備えることを特徴とする光学装置。
  2. 前記集光角変更機構は、前記レーザ光入射側の前記対象物の表面から前記焦点位置までの距離に基づいて、前記ビーム径を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記レーザ光が前記対象物に入射する入射角度を調整する角度調整機構をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光学装置。
  4. 前記角度調整機構は、ガルバノミラー光学系を含むことを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記集光角変更機構は、前記対象物に加工される穴の径または辺と、前記穴の加工深さと、前記レーザ光が前記対象物に入射する入射角度に基づいて、前記レーザ光入射側の前記対象物の表面位置における前記レーザ光のビーム径が前記対象物に加工される穴の径または辺よりも小さくなるように、前記焦点位置調整機構に入射する前記レーザ光のビーム径を変化させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記集光角変更機構は、前記穴の径または辺をD、前記レーザ光入射側の前記対象物の表面から前記焦点位置までの距離をΔZ、前記レーザ光が前記対象物に入射する入射角度をθとしたとき、以下の式に基づいて前記集光角φを変化させることを特徴とする請求項5に記載の光学装置。
    Figure 2023027451000003
  7. 前記集光角変更機構は、ビームエキスパンダーを含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 前記集光角変更機構は、開口絞りを含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学装置。
  9. 前記レーザ光の焦点方向に垂直な方向においてレーザ光が前記対象物に入射する入射位置を調整する入射位置調整機構をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学装置。
  10. 前記入射位置調整機構は、ガルバノミラー光学系を含むことを特徴とする請求項9に記載の光学装置。
  11. 前記入射位置調整機構は、対象物を移動させるステージを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の光学装置。
  12. 前記焦点位置調整機構は、前記対象物を移動させるステージを含むことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学装置。
  13. 前記レーザ光の集光角に応じて、レーザ光量を変化させることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光学装置。
  14. 対象物にレーザ光を照射して前記対象物を加工する加工方法であって、
    前記レーザ光の焦点位置を調整しながら前記対象物を加工する工程を有し、
    前記対象物を加工した深さに応じて、前記焦点位置を調整する機構に入射する前記レーザ光のビーム径を小さくするように変化させることによって、前記対象物に入射する前記レーザ光の集光角を変化させることを特徴とする加工方法。
  15. 請求項1ないし13のいずれか1項に記載の光学装置を用いて物体の加工を行う工程と、
    前記工程で前記加工を行われた前記物体の処理を行う工程と、を含むことを特徴とする物品製造方法。
  16. 前記加工は、前記レーザ光を走査しながら穴開け加工を行う、トレパニング加工であることを特徴とする請求項15に記載の物品製造方法。

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