図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(移動通信システムの構成)
図1を参照して、実施形態に係る移動通信システム1の構成について説明する。移動通信システム1は、例えば、3GPPの技術仕様(Technical Specification:TS)に準拠したシステムである。以下において、移動通信システム1として、3GPP規格の第5世代システム(5th Generation System:5GS)、すなわち、NR(New Radio)に基づく移動通信システムを例に挙げて説明する。
移動通信システム1は、ネットワーク10と、ネットワーク10と通信するユーザ装置(User Equipment:UE)100とを有する。ネットワーク10は、5Gの無線アクセスネットワークであるNG-RAN(Next Generation Radio Access Network)20と、5Gのコアネットワークである5GC(5G Core Network)30とを含む。
UE100は、ユーザにより利用される装置である。UE100は、例えば、スマートフォンなどの携帯電話端末、タブレット端末、ノートPC、通信モジュール、又は通信カードなどの移動可能な装置である。UE100は、車両(例えば、車、電車など)又はこれに設けられる装置であってよい。UE100は、車両以外の輸送機体(例えば、船、飛行機など)又はこれに設けられる装置であってよい。UE100は、センサ又はこれに設けられる装置であってよい。なお、UE100は、移動局、移動端末、移動装置、移動ユニット、加入者局、加入者端末、加入者装置、加入者ユニット、ワイヤレス局、ワイヤレス端末、ワイヤレス装置、ワイヤレスユニット、リモート局、リモート端末、リモート装置、又はリモートユニット等の別の名称で呼ばれてもよい。
NG-RAN20は、複数の基地局200を含む。各基地局200は、少なくとも1つのセルを管理する。セルは、通信エリアの最小単位を構成する。例えば、1つのセルは、1つの周波数(キャリア周波数)に属し、1つのコンポーネントキャリアにより構成される。用語「セル」は、無線通信リソースを表すことがあり、UE100の通信対象を表すこともある。各基地局200は、自セルに在圏するUE100との無線通信を行うことができる。基地局200は、RANのプロトコルスタックを使用してUE100と通信する。基地局200は、UE100へ向けたNRユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供し、NGインターフェイスを介して5GC30に接続される。このようなNRの基地局200は、gNodeB(gNB)と称されることがある。
5GC30は、コアネットワーク装置300を含む。コアネットワーク装置300は、例えば、AMF(Access and Mobility Management Function)及び/又はUPF(User Plane Function)を含む。AMFは、UE100のモビリティ管理を行う。UPFは、ユーザプレーン処理に特化した機能を提供する。AMF及びUPFは、NGインターフェイスを介して基地局200と接続される。
図2を参照して、実施形態に係る移動通信システム1におけるプロトコルスタックの構成例について説明する。
UE100と基地局200との間の無線区間のプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、RRC(Radio Resource Control)レイヤとを有する。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤと基地局200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
物理チャネルは、時間領域における複数のOFDMシンボルと周波数領域における複数のサブキャリアとで構成される。1つのサブフレームは、時間領域で複数のOFDMシンボルで構成される。リソースブロックは、リソース割当単位であり、複数のOFDMシンボルと複数のサブキャリアとで構成される。フレームは、10msで構成されることができ、1msで構成された10個のサブフレームを含むことができる。サブフレーム内には、サブキャリア間隔に応じた数のスロットが含まれることができる。
物理チャネルの中で、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、例えば、下りリンクスケジューリング割り当て、上りリンクスケジューリンググラント、及び送信電力制御等の目的で中心的な役割を果たす。
NRでは、UE100は、システム帯域幅(すなわち、セルの帯域幅)よりも狭い帯域幅を使用できる。基地局200は、連続するPRBからなる帯域幅部分(BWP)をUE100に設定する。UE100は、アクティブなBWPにおいてデータ及び制御信号を送受信する。UE100には、例えば、最大4つのBWPが設定可能である。各BWPは、異なるサブキャリア間隔を有していてもよいし、周波数が相互に重複していてもよい。UE100に対して複数のBWPが設定されている場合、基地局200は、ダウンリンクにおける制御によって、どのBWPをアクティブ化するかを指定できる。これにより、基地局200は、UE100のデータトラフィックの量等に応じてUE帯域幅を動的に調整でき、UE電力消費を減少させ得る。
基地局200は、例えば、サービングセル上の最大4つのBWPのそれぞれに最大3つの制御リソースセット(CORESET:control resource set)を設定できる。CORESETは、UE100が受信すべき制御情報のための無線リソースである。UE100には、サービングセル上で最大12個のCORESETが設定され得る。各CORESETは、0乃至11のインデックスを有する。例えば、CORESETは、6つのリソースブロック(PRB)と、時間領域内の1つ、2つ、又は3つの連続するOFDMシンボルとにより構成される。
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤと基地局200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。基地局200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤと基地局200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
PDCPレイヤの上位レイヤとしてSDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤが設けられていてもよい。SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。
RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCレイヤと基地局200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。UE100のRRCと基地局200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCと基地局200のRRCとの間にRRC接続がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCと基地局200のRRCとの間のRRC接続がサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、UE100のセッション管理及びモビリティ管理を行う。UE100のNASレイヤとコアネットワーク装置300(AMF)のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
(想定シナリオ)
図3乃至図5を参照して、実施形態に係る移動通信システム1における想定シナリオについて説明する。
図3に、RRCコネクティッド状態にあるUE100についての動作例を示す。
ステップS11において、基地局200は、CSI-RSリソース及び/又はTRSリソースをUE100に個別に設定する。具体的には、基地局200は、CSI-RSリソース設定パラメータ群及び/又はTRSリソース設定パラメータ群を含むUE専用RRCシグナリングをUE100に送信する。
例えば、TRS/CSI-RSを設定するためのパラメータ群は、CSI-ResourceConfig/NZP-CSI-RS-ResourceSetであり、bwp-ID、rerouceType、trs-Info、repetition、powerControlOffset、powerControlOffsetSS、requencyDomainAllocation、firstOFDMSymbolInTimeDomain、Density、startingRB、nrofRBs、及びsubcarrierSpacingを各パラメータとして含む(3GPP TS38.331参照)。ここで、trs-Infoは、CSI-RSリソースセット内のすべてのNZP-CSI-RSリソースのアンテナポートが同じであるか否かを示すパラメータである。ここで、本実施形態におけるパラメータ群は、パラメータセットと称されてもよい。
ステップS12において、基地局200は、設定したCSI-RSリソース及び/又はTRSリソースを用いて、CSI-RS及び/又はTRSをUE100に送信する。CSI-RS及びTRSは、下りリンク参照信号の一例である。UE100は、CSI-RS及び/又はTRSを受信する。UE100は、CSI-RSによりCQI測定やレイヤ3測定を行う。UE100は、TRSにより時間・周波数同期を行う。
ステップS13において、基地局200及びUE100は、データ通信を行う。
このように、RRCコネクティッド状態にあるUE100にはCSI-RSリソース及び/又はTRSリソースがUE100に個別に設定される。
図4に、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100についての動作例を示す。
RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100は、基地局200からのページングを監視する。具体的には、UE100は、基地局200からのPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を受信することにより、UE100宛てのページングがあるか否かを確認する。例えば、UE100は、P-RNTI(Paging Radio Network Temporary Identifier)によってスクランブルされたCRC(Cyclic Redundancy Check)パリティビットが付加された下りリンク制御情報(DCI)をPDCCHにおいて受信(デコード)することによって、ページングのメッセージを受信してもよい。ここで、基地局200は、P-RNTIをUE100に対して設定してもよい。また、DCIは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のスケジューリングに用いられるDCIフォーマットであってもよい。すなわち、ページングのメッセージは、PDSCHにおいて送信されてもよい。ここで、P-RNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIは、ページングDCIとも称される。ここで、UE100は、電力消費を軽減するために、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)を用いて間欠的にページングを監視する。このようなページングを監視する周期は、DRX周期と称される。また、UE100がページングを監視するべきフレームはページングフレーム(PF)と称され、このPFの中でUE100がページングを監視するべきサブフレームはページング機会(PO:Paging Occasion)と称される。
ステップS21において、基地局200は、SSBをUE100に送信する。SSBは、下りリンク参照信号の他の例である。SSBは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、PBCH(Physical Broadcast Channel)、及び復調参照信号(DMRS)を含む。例えば、SSBは、時間領域において連続した4つのOFDMシンボルから構成されてもよい。また、SSBは、周波数領域において連続した240サブキャリア(すなわち、20リソースブロック)から構成されてもよい。PBCHは、マスタ情報ブロック(MIB)を運ぶ物理チャネルである。UE100は、SSBを受信することにより時間・周波数同期を行う。
ステップS22において、UE100は、POにおいてページングを監視及び受信する。なお、UE100は、ステップS21でSSBを受信してからPOまでの間においてウェイクアップした状態を維持する。そのため、SSBの受信タイミングからPOのタイミングまでの時間が長いほど、ウェイクアップ持続時間が長くなり、UE100の消費電力が増大する。
3GPPにおいて、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100向けに消費電力を削減するための技術の標準化に向けた議論が行われている。このような技術において、RRCコネクティッド状態にあるUE100に向けて設定されたTRSリソース(「TRS機会」とも称される)を、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100においても利用可能とすることが検討されている。具体的には、基地局200は、複数のTRSリソース設定(TRS configurations)をシステム情報ブロック(「報知情報」とも称される)によってブロードキャストする。ここで、本実施形態において、TRSリソース設定は、CSI-RSリソース及び/又はTRSリソースを設定するために用いられる1つ又は複数のパラメータを含んでもよい。
図5に、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100がTRSを受信するための動作例を示す。なお、TRSは、トラッキングの用途で用いるCSI-RSであってもよい。すなわち、本実施形態において、TRSリソースは、CSI-RSリソースを含んでもよい。
ステップS31において、基地局200は、複数のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストする。具体的には、基地局200は、複数のTRSリソース設定パラメータ群を含むシステム情報ブロックをブロードキャストチャネル上で送信する。このようなシステム情報ブロックは、システム情報ブロック・タイプ1(SIB1)以外の既存のシステム情報ブロックであってもよいし、新しく導入されるタイプのシステム情報ブロックであってもよい。UE100は、システム情報ブロックを受信し、複数のTRSリソース設定パラメータ群を取得する。
ここで、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100用にTRSを設定するためのTRSリソース設定パラメータ群は、RRCコネクティッド状態にあるUE100に設定されるパラメータ群の一部のみであってもよい。例えば、bwp-Id、resourceType、repetition、aperiodicTriggeringOffset、trs-Info、powerControlOffset、nrofPorts、firstOFDMSymbolInTimeDomain2、cdm-Type、及びdensityの各パラメータは、システム情報ブロックによって設定されずに、事前に定義された固定の値を用いてもよい。すなわち、これらのパラメータについては、システム情報ブロックに含まれていなくてもよい。
基地局200は、システム情報ブロックで設定した複数のTRSリソース設定のうち、実際にTRSが送信されるTRSリソース設定を利用可能なTRSリソース設定としてUE100に通知してもよい。このような通知は、レイヤ1シグナリング(例えば、DCI)により行われてもよいし、レイヤ3シグナリング(例えば、システム情報ブロック)により行われてもよい。例えば、基地局200は、設定した1つ又は複数のTRSリソースにおいて、TRSが送信されるかどうかを示す情報(以下、第1の情報、Availability indicationとも称される)を送信してもよい。すなわち、第1の情報は、TRSの送信に対して利用可能なTRSリソース設定(及び/又は、TRSリソース)を示すために用いられてもよい。例えば、第1の情報は、ページングDCIに含まれてもよい。また、第1の情報は、P-RNTI以外のRNTI(以下、第1のRNTIとも称される)によってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIに含まれてもよい。例えば、基地局200は、第1のRNTIをUE100に対して設定してもよい。すなわち、レイヤ1シグナリングは、ページングDCI、及び/又は、第1のRNTIによってスクランブルされたCRCパリティビットが付加されたDCIを含んでもよい。また、第1の情報は、レイヤ3シグナリング(例えば、システム情報ブロック)に含まれてもよい。
例えば、第1の情報のビット(ビットフィールド)のそれぞれと、1つ又は複数のTRSリソース設定との対応が規定され、第1の情報のビットのそれぞれにセットされる値を用いて、1つ又は複数のTRSリソース設定に対応するTRSリソースにおいてTRSが送信されるかどうかが示されてもよい。例えば、第1の情報のビットに“1”がセットされる場合には、対応するTRSリソース設定に基づくTRSリソースにおいてTRSが送信されることが示されてもよい。すなわち、第1の情報のビットに“1”がセットされる場合には、対応するTRSリソース設定(及び/又は、TRSリソース)がTRSの送信に対して利用可能であることが示されてもよい。また、第1の情報のビットに“0”がセットされる場合には、対応するTRSリソース設定に基づくTRSリソースにおいてTRSが送信されないことが示されてもよい。すなわち、第1の情報のビットに“0”がセットされる場合には、対応するTRSリソース設定(及び/又は、TRSリソース)がTRSの送信に対して利用不可能であることが示されてもよい。
ここで、後述するように、第1の情報のビットのそれぞれに対応する1つ又は複数のTRSリソース設定は、個別TRS設定パラメータ群であってもよい。すなわち、第1の情報のビットのそれぞれと、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群との対応が規定され、第1の情報のビットのそれぞれにセットされる値を用いて、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群に対応するTRSリソースにおいてTRSが送信されるかどうかが示されてもよい。
また、例えば、第1の情報のビット(ビットフィールド)にセットされる値と、1つ又は複数のTRSリソース設定との対応が、基地局200によって設定されてもよい。例えば、基地局200は、第1の情報のビットにセットされる値と、1つ又は複数のTRSリソース設定との対応を設定するために用いられる情報を、システム情報ブロックに含めて送信してもよい。例えば、第1の情報のビットにセットされる第1の値(例えば、“01”)と、1つ又は複数のTRSリソース設定(例えば、第1のTRSリソース設定)との対応が設定されてもよい。また、第1の情報のビットにセットされる第2の値(例えば、“10”)と、1つ又は複数のTRSリソース設定(例えば、第2のTRSリソース設定)との対応が設定されてもよい。また、第1の情報のビットにセットされる第3の値(例えば、“11”)と、1つ又は複数のTRSリソース設定(例えば、第3のTRSリソース設定)との対応が設定されてもよい。ここで、複数のTRSリソース設定は、基地局200によって設定された全てのTRSリソース設定を含んでもよい。すなわち、UE100は、第1の値(例えば、“01”)にセットされた第1の情報を受信した場合には、対応する1つ又は複数のTRSリソース設定(例えば、第1のTRSリソース設定)に基づくTRSリソースにおいてTRSが送信されると想定してもよい。また、UE100は、第2の値(例えば、“10”)にセットされた第1の情報を受信した場合には、対応する1つ又は複数のTRSリソース設定(例えば、第2のTRSリソース設定)に基づくTRSリソースにおいてTRSが送信されると想定してもよい。また、UE100は、第3の値(例えば、“11”)にセットされた第1の情報を受信した場合には、対応する1つ又は複数のTRSリソース設定(例えば、第3のTRSリソース設定)に基づくTRSリソースにおいてTRSが送信されると想定してもよい。
ここで、後述するように、第1の情報のビットにセットされる値に対応する1つ又は複数のTRSリソース設定は、個別TRS設定パラメータ群であってもよい。すなわち、第1の情報のビット(ビットフィールド)にセットされる値と、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群との対応が、基地局200によって設定されてもよい。
また、第1の情報のビットの数(ビットの長さ)は、基地局200によって設定された個別TRS設定パラメータ群の数に基づいて決定されてもよい。
ステップS32において、基地局200は、TRSを送信する。UE100は、1つ又は複数のTRSリソース設定の中からいずれかのTRSリソース設定(利用可能なTRSリソース設定)を選択し、選択したTRSリソース設定を用いてTRSを受信する。例えば、UE100は、第1の情報に基づいて、TRSの送信に対して利用可能なTRSリソース設定を選択(決定)してもよい。すなわち、UE100は、第1の情報に基づいて、設定されたTRSリソースにおいてTRSが送信されるかどうかを選択(決定)してもよい。UE100は、TRSを受信することにより、SSBを受信しなくても時間・周波数同期を取ることができる。
ステップS33において、UE100は、POにおいてページングを監視及び受信する。なお、UE100は、ステップS31でTRSを受信してからPOまでの間においてウェイクアップした状態を維持する。TRSの受信タイミングからPOのタイミングまでの時間が短い場合、ウェイクアップ持続時間が短くなり、UE100の消費電力が低減される。また、UE100は、SSBを受信しないことにより、SSBの受信に伴う消費電力を低減できる。
しかしながら、ステップS31で複数のTRSリソース設定をシステム情報ブロックで伝送する場合、システム情報ブロックの情報量が膨大になり得るため、オーバーヘッドが増加し、無線リソースの利用効率が低下する懸念がある。特に、システム情報ブロックは周期的に送信されるブロードキャスト情報であるため、無線リソースの利用効率が大きく低下し得る。後述の一実施形態において、複数のTRSリソース設定を伝送するシステム情報ブロックの情報量を削減するための動作について説明する。
また、システム情報ブロックを受信したUE100は、1つ又は複数のTRSリソース設定の中からいずれかのTRSリソース設定(利用可能なTRSリソース設定)を選択し、選択したTRSリソース設定を用いてTRSを受信する。しかしながら、TRSリソース設定をUE100がどのように選択するかについて明らかではなく、UE100におけるTRSリソース設定の選択を適切に実行できない懸念がある。後述の一実施形態において、TRSリソース設定を適切に選択するための動作について説明する。
(ユーザ装置の構成)
図6を参照して、実施形態に係るUE100の構成について説明する。UE100は、通信部110及び制御部120を備える。
通信部110は、無線信号を基地局200と送受信することによって基地局200との無線通信を行う。通信部110は、少なくとも1つの送信部111及び少なくとも1つの受信部112を有する。送信部111及び受信部112は、複数のアンテナ及びRF回路を含んで構成されてもよい。アンテナは、信号を電波に変換し、当該電波を空間に放射する。また、アンテナは、空間における電波を受信し、当該電波を信号に変換する。RF回路は、アンテナを介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
制御部120は、UE100における各種の制御を行う。制御部120は、通信部110を介した基地局200との通信を制御する。上述及び後述のUE100の動作は、制御部120の制御による動作であってよい。制御部120は、プログラムを実行可能な少なくとも1つのプロセッサ及びプログラムを記憶するメモリを含んでよい。プロセッサは、プログラムを実行して、制御部120の動作を行ってもよい。制御部120は、アンテナ及びRF回路を介して送受信される信号のデジタル処理を行うデジタル信号プロセッサを含んでもよい。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。なお、メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、当該プログラムに関するデータを記憶する。メモリは、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリの全部又は一部は、プロセッサ内に含まれていてよい。
このように構成されたUE100において、制御部120は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態において、複数のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロックを基地局200から取得する。受信部112は、当該複数のTRSリソース設定の中から選択したTRSリソース設定を用いてTRSを基地局200から受信する。制御部120は、TRSを用いて下りリンクにおける時間・周波数同期(時間・周波数トラッキング)を行う。
一実施形態において、システム情報ブロックは、2以上のTRSリソース設定に対して共通化されたTRS設定パラメータ群と、TRSリソース設定ごとに異なる値になり得る個別のTRS設定パラメータ群と、を別々の情報要素として含む。このような共通化されたTRS設定パラメータ群を1つの情報要素として定義することにより、2以上のTRSリソース設定間で同じ値の2以上のパラメータを1つに纏めることが可能になる。すなわち、冗長にシグナリングされるパラメータを削減可能になる。よって、複数のTRSリソース設定をシステム情報ブロックで伝送する場合であっても、オーバーヘッドが低減され、無線リソース利用効率の低下が抑制される。
一実施形態において、システム情報ブロックは、TRSリソース設定ごとに、当該TRSリソース設定をUE100が選択可能とする条件を指定する条件情報を含む。これにより、UE100が複数のTRSリソース設定の中から、TRS受信に適用するTRSリソース設定を条件情報に基づいて適切に選択可能になる。よって、複数のTRSリソース設定をシステム情報ブロックで伝送する場合であっても、TRSリソース設定の選択を適切に実行可能とすることができる。
(基地局の構成)
図7を参照して、実施形態に係る基地局200の構成について説明する。基地局200は、通信部210と、ネットワークインターフェイス220と、制御部230とを有する。
通信部210は、例えば、UE100からの無線信号を受信し、UE100への無線信号を送信する。通信部210は、少なくとも1つの送信部211及び少なくとも1つの受信部212を有する。送信部211及び受信部212は、RF回路を含んで構成されてもよい。RF回路は、アンテナを介して送受信される信号のアナログ処理を行う。RF回路は、高周波フィルタ、増幅器、変調器及びローパスフィルタ等を含んでもよい。
ネットワークインターフェイス220は、信号をネットワークと送受信する。ネットワークインターフェイス220は、例えば、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して接続された隣接基地局から信号を受信し、隣接基地局へ信号を送信する。また、ネットワークインターフェイス220は、例えば、NGインターフェイスを介して接続されたコアネットワーク装置300から信号を受信し、コアネットワーク装置300へ信号を送信する。
制御部230は、基地局200における各種の制御を行う。制御部230は、例えば、通信部210を介したUE100との通信を制御する。また、制御部230は、例えば、ネットワークインターフェイス220を介したノード(例えば、隣接基地局、コアネットワーク装置300)との通信を制御する。上述及び後述の基地局200の動作は、制御部230の制御による動作であってよい。制御部230は、プログラムを実行可能な少なくとも1つのプロセッサ及びプログラムを記憶するメモリを含んでよい。プロセッサは、プログラムを実行して、制御部230の動作を行ってもよい。制御部230は、アンテナ及びRF回路を介して送受信される信号のデジタル処理を行うデジタル信号プロセッサを含んでもよい。当該デジタル処理は、RANのプロトコルスタックの処理を含む。なお、メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、当該プログラムに関するパラメータ、及び、当該プログラムに関するデータを記憶する。メモリの全部又は一部は、プロセッサ内に含まれていてよい。
このように構成された基地局200において、送信部211は、UE100が下りリンクにおける時間・周波数同期に用いるTRSと、複数のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロック400とを送信する。
一実施形態において、システム情報ブロックは、2以上のTRSリソース設定に対して共通化されたTRS設定パラメータ群と、TRSリソース設定ごとに異なる値になり得る個別のTRS設定パラメータ群と、を別々の情報要素として含む。これにより、上述のように、複数のTRSリソース設定をシステム情報ブロックで伝送する場合であってもオーバーヘッドが低減され、無線リソース利用効率の低下が抑制される。
一実施形態において、システム情報ブロックは、TRSリソース設定ごとに、当該TRSリソース設定をUE100が選択可能とする条件を指定する条件情報を含む。これにより、上述のように、複数のTRSリソース設定をシステム情報ブロックで伝送する場合であってもTRSリソース設定の選択を適切に実行可能とすることができる。
(システム情報ブロックの情報量削減に関する動作)
図8及び図9を参照して、一実施形態に係るシステム情報ブロックの情報量削減に関する動作について説明する。本動作は、上述の構成及び動作を前提としている。図8に、そのような動作を示す。UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にある。
ステップS101において、基地局200(送信部211)は、N個(N≧2)のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストする。一実施形態において、システム情報ブロックは、N個のTRSリソース設定に対して共通化された1個の共通化TRS設定パラメータ群と、TRSリソース設定ごとに異なる値になり得るN個の個別TRS設定パラメータ群と、を別々の情報要素として含む。ここで、N個のTRSリソース設定に対して共通化された1個の共通化TRS設定パラメータ群とは、TRSリソースの設定に用いられる1つ又は複数のパラメータを含むパラメータ群であって、N個のTRSリソースの設定に対して共通に用いられるパラメータ群であってもよい。また、TRSリソース設定ごとに異なる値になり得る個別TRS設定パラメータ群とは、TRSリソースの設定に用いられる1つ又は複数のパラメータを含むパラメータ群であって、N個のTRSリソースの設定のそれぞれに対して個別に用いられるパラメータ群であってもよい。
例えば、共通化TRS設定パラメータ群は、TRSの周波数方向の占有範囲を示すパラメータと、同期信号に対するTRSの電力オフセットを示すパラメータと、TRSの周期性及び時間オフセットを示すパラメータと、TRSのQCL(Quasi Co-Location)に関するパラメータと、のうち少なくとも1つを含む。これらのパラメータについては、N個のTRSリソース設定間で同じ値であるため、N個のTRSリソース設定について1つに纏めて定義することで、冗長にシグナリングされるパラメータを削減している。
個別TRS設定パラメータ群は、TRSの周波数方向の割り当てを示すパラメータと、TRSの時間方向の割り当てを示すパラメータと、TRSのスクランブル識別子を示すパラメータと、のうち少なくとも1つを含む。これらのパラメータについては、N個のTRSリソース設定間で異なる値になり得るため、N個のTRSリソース設定のそれぞれについて個別に定義する。
UE100(受信部112)は、基地局200からシステム情報ブロックを受信する。そして、UE100(制御部120)は、受信したシステム情報ブロックから、1個の共通化TRS設定パラメータ群と、N個の個別TRS設定パラメータ群とを取得する。
ステップS102において、UE100(制御部120)は、N個のTRSリソース設定の中からいずれかのTRSリソース設定(利用可能なTRSリソース設定)を選択する。UE100(制御部120)は、選択したTRSリソース設定に対応する個別TRS設定パラメータ群と共通化TRS設定パラメータ群とを組み合わせることにより、当該選択したTRSリソース設定に対応する全体的なTRS設定パラメータ群を取得する。例えば、UE100(制御部120)は、第1の情報(第1の情報のビットにセットされた値)に基づいて、N個の個別TRS設定パラメータ群の中からいずれかの個別TRS設定パラメータ群を選択(決定)してもよい。すなわち、UE100(制御部120)は、第1の情報に基づいて個別TRS設定パラメータ群を選択し、選択した個別TRS設定パラメータ群と、共通化TRS設定パラメータ群とから、TRSの送信に利用可能なTRSリソース設定を特定してもよい。
すなわち、第1の情報は、個別TRS設定パラメータ群に対して適用されてもよい。また、第1の情報は、共通化TRS設定パラメータ群に対して適用されなくてもよい。例えば、第1の情報は、TRSが送信されるTRSリソース(すなわち、TRSの送信に対して利用可能なTRSリソース設定)を特定するための個別TRS設定パラメータ群を示すために用いられてもよい。例えば、上述のように、第1の情報のビットのそれぞれ(ビットフィールド)と、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群との対応が規定され、第1の情報のビットのそれぞれにセットされる値を用いて、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群が示されてもよい。また、第1の情報のビット(ビットフィールド)にセットされる値と、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群との対応が基地局200によって設定され、第1の情報のビットのそれぞれにセットされる値を用いて、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群が示されてもよい。ここで、1つ又は複数の個別TRS設定パラメータ群のそれぞれは、識別子(例えば、後述するNZP-CSI-RS-ResourceId)によって識別されてもよい。
また、第1の情報のビットの数は、基地局200によって設定された個別TRS設定パラメータ群の数に基づいて決定されてもよい。例えば、基地局200によって2個の個別TRS設定パラメータ群が設定された場合には、第1の情報のビットの数は2ビットであってもよい。また、基地局200によって4個の個別TRS設定パラメータ群が設定された場合には、第1の情報のビットの数は4ビットであってもよい。このように、基地局200によって設定された個別TRS設定パラメータ群の数に基づいて第1の情報のビットの数を決定することによって、基地局200とUE100とのやり取りされる情報量を削減することが可能となる。
ステップS103において、UE100(受信部112)は、ステップS102で選択したTRSリソース設定に対応する個別TRS設定パラメータ群と共通化TRS設定パラメータ群とを組み合わせて用いて、TRSを基地局200から受信する。UE100(制御部120)は、受信したTRSに基づいて下りリンクにおける時間・周波数同期(時間・周波数トラッキング)を行う。なお、TRSは、RRCコネクティッド状態にある他のUE100に対して基地局200から送信されるものであってもよい。
ここで、第1の情報を用いてTRSの送信に対して利用可能なTRSリソース設定が指示された場合において、当該指示に対する有効期間が設定されてもよい。すなわち、第1の情報を用いてTRSリソースにおけるTRSの送信が指示された場合において、当該TRSリソースにおけるTRSの送信が有効である期間が設定されてもよい。例えば、基地局200は、有効期間を設定(及び/又は、指示)するための情報を、レイヤ3シグナリング及び/又はレイヤ1シグナリングに含めて送信してもよい。また、有効期間は、有効時間(例えば、タイマーの値)として設定されてもよいし、ページングサイクルの回数として設定されてもよい。例えば、UE100は、有効期間が設定され、且つ、TRSリソースにおけるTRSの送信を示す第1の情報を受信した場合には、当該有効期間の間は、当該TRSリソースにおいてTRSが送信されるとみなしてもよい。すなわち、UE100は、有効期間が設定され、且つ、利用可能なTRSリソース設定を示す第1の情報を受信した場合には、当該有効期間の間は、当該利用可能なTRSリソース設定が有効であるとみなしてもよい。
ここで、UE100は、TRSリソースにおけるTRSの送信を示す第1の情報(すなわち、利用可能なTRSリソース設定を示す第1の情報)の受信に基づいて、有効期間を開始(又は、再開始)してもよい。例えば、UE100は、受信した第1の情報の値が、前に受信した第1の情報の値と異なる場合には、有効期間を開始(又は、再開始)してもよい。また、UE100は、受信した第1の情報の値が、前に受信した第1の情報の値と同一の場合には、有効期間を継続してもよい。
ここで、上述の通り、第1の情報によって示されるTRSリソース設定は、個別TRS設定パラメータ群であってもよい。すなわち、有効期間は、個別TRS設定パラメータ群に対して適用されてもよい。また、有効期間は、共通化TRS設定パラメータ群に対して適用されなくてもよい。例えば、有効期間は、TRSが送信されるTRSリソース(すなわち、TRSの送信に対して利用可能なTRSリソース設定)を特定するための個別TRS設定パラメータ群が有効な期間を示すために用いられてもよい。例えば、UE100は、有効期間が設定され、且つ、個別TRS設定パラメータ群を示す第1の情報を受信した場合には、当該有効期間の間は、当該個別TRS設定パラメータ群(及び、共通化TRS設定パラメータ群)を用いて特定されるTRSリソースにおいてTRSが送信されるとみなしてもよい。すなわち、UE100は、有効期間が設定され、且つ、利用可能な個別TRS設定パラメータ群を示す第1の情報を受信した場合には、当該有効期間の間は、当該個別TRS設定パラメータ群が有効であるとみなしてもよい。すなわち、UE100は、有効な個別TRS設定パラメータ群と、共通化TRS設定パラメータ群とから、TRSの送信に利用可能なTRSリソース設定を特定してもよい。
ステップS104において、UE100は、POにおいてページングを監視及び受信する。なお、UE100は、ステップS103でTRSを受信してからPOまでの間においてウェイクアップした状態を維持してもよい。TRSの受信タイミングからPOのタイミングまでの時間が短い場合、ウェイクアップ持続時間が短くなり、UE100の消費電力が低減される。また、UE100は、SSBを受信しないことにより、SSBの受信に伴う消費電力を低減できる。
このように、TRSを用いて下りリンクにおける時間・周波数同期を行うUE100で用いる通信方法は、無線リソース制御RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態において、N個のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロック400を基地局200から取得するステップS101と、N個のTRSリソース設定の中から選択したTRSリソース設定を用いてTRSを基地局200から受信するステップS103と、を有する。システム情報ブロックは、N個のTRSリソース設定に対して共通化された1つの共通化TRS設定パラメータ群と、TRSリソース設定ごとに異なる値になり得るN個の個別TRS設定パラメータ群と、を別々の情報要素として含む。
図9に、一実施形態に係るシステム情報ブロック400の構成例を示す。ここでは、RRCの技術仕様書(TS38.331)に記載された場合における構成例を示す。なお、TRSリソース設定を伝送するシステム情報ブロック400が、新しく導入されるタイプのシステム情報ブロック(SIBXX)であるものとするが、既存のタイプのシステム情報ブロックに新たな情報要素を追加する構成例としてもよい。
システム情報ブロック(SIBXX)400には、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100に用いるためのトラッキング用のCSI-RSの設定が含まれる。
具体的には、システム情報ブロック(SIBXX)400は、第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401A及び第2個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceListForTracking-r17)401Bのいずれかを含む。なお、「-r17」は、3GPPの技術仕様のリリース17において導入される情報要素であることを意味するが、これらの情報要素がリリース18以降において導入されてもよい。
第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401Aは、N個の個別TRS設定パラメータ群の一例である。第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401Aは、N個(1..maxNrofNZP-CSI-RS-ResourceSets)のTRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403Aからなるリストである。TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403Aは、複数のTRSリソース設定を纏めたものである。
第2個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceListForTracking-r17)401Bは、N個の個別TRS設定パラメータ群の他の例である。第2個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceListForTracking-r17)401Bは、N個(1..maxNrofNZP-CSI-RS-Resources)のTRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bからなるリストである。
また、システム情報ブロック(SIBXX)400は、1個の共通化TRS設定パラメータ群(nzp-CSI-RS-ResourceCommon-r17/NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402を含む。
第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401Aに含まれる各TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403Aは、TRSリソースセット識別子(nzp-CSI-ResourceSetId-r17/NZP-CSI-RS-ResourceSetId)と、当該セットに含まれる各TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)の識別子(NZP-CSI-RS-ResourceId)とを含む。すなわち、各識別子(NZP-CSI-RS-ResourceId)で示されるTRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)により1つのTRSリソースセット設定が構成される。
TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bは、当該TRSリソース設定の識別子(nzp-CSI-RS-ResourceId/NZP-CSI-RS-ResourceId)と、TRSの周波数方向の割り当てを示すパラメータ(frequencyDomainAllocation)と、TRSの時間方向の割り当てを示すパラメータ(firstOFDMSymbolInTimeDomain)と、TRSのスクランブル識別子を示すパラメータ(scramblingID/ScramblingId)と、を含む。図10に、これらのパラメータの定義を示す。パラメータ(frequencyDomainAllocation)は、TS38.211の「7.4.1.5.3」に従った物理リソースブロック内の周波数ドメイン割り当てを示し、例えば「row 1」(4ビット)のみを用いる。パラメータ(firstOFDMSymbolInTimeDomain)は、物理リソースブロック内の時間ドメイン割り当て、具体的には、CSI-RSに用いる物理リソースブロックの最初のOFDMシンボルを示し、例えば「0」から「9」までの間の値とする。なお、firstOFDMSymbolInTimeDomainは、スロット内の最初のシンボルを示すが、同じスロット内の2番目のシンボルは、firstOFDMSymbolInTimeDomain+4としてシンボルインデックスを使用して暗黙的に導出できる。パラメータ(scramblingID/ScramblingId)は、TS 38.214の「5.2.2.3.1」に従ったスクランブル識別子を示す。これらのパラメータは、各TRS(CSI-RS)を他のTRS(CSI-RS)と分離するために必要なパラメータであるため、個別TRS設定パラメータ群に含めることとしている。
一方、共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402は、TRSの周波数方向の占有範囲を示すパラメータ(csi-FrequencyOccupation-r17/CSI-FrequencyOccupation)と、同期信号に対するTRSの電力オフセットを示すパラメータ(powerControlOffsetSS-r17)と、TRSの周期性及び時間オフセットを示すパラメータ(periodicityAndOffset-r17/CSI-ResourcePeriodicityAndOffsetSIB-r17)と、TRSのQCLに関するパラメータ(qcl-InfoForTracking-r17)と、を含む。図11に、これらのパラメータの定義を示す。パラメータ(csi-FrequencyOccupation-r17/CSI-FrequencyOccupation)は、TRSの周波数方向の占有範囲を開始リソースブロック番号(startingRB)及びリソースブロック数(nrofRBs)で示す。パラメータ(powerControlOffsetSS-r17)は、セカンダリ同期信号(SSS)のリソースエレメント(RE)に対するTRS(NZP CSI-RS)の電力オフセットを示す。TRSの周期性及び時間オフセットを示すパラメータ(periodicityAndOffset-r17/CSI-ResourcePeriodicityAndOffsetSIB-r17)は、TRSの周期性及び時間オフセットをスロット数で示す。TRSのQCLに関するパラメータ(qcl-InfoForTracking-r17)は、TRSとQCL関係にある下りリンク参照信号を示すパラメータ(refernceSignal-r17)と、当該QCL関係を示すパラメータ(qcl-Type-r17)とを含む。これらのパラメータは、各TRSリソース設定間で同じ値とし、共通化している。
(TRSリソース設定の選択に関する動作)
TRSリソース設定の選択に関する動作の説明に先立ち、図12を参照して、ページングサブグルーピングについて説明する。ここで、本実施形態において、リソース設定は、リソースセット設定に置き換えられてもよい。
ページング受信について、ウェイクアップするUE100の数を最小限にし、電力消費を削減するために、ページングサブグルーピンググループという仕組みある。基地局200が送信するページングメッセージは、ネットワークが呼び出す各UE100の識別子を含む。RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100は、POにおいてウェイクアップしてページングメッセージを監視及び受信し、基地局200から受信したページングメッセージに自身の識別子が含まれる場合、呼び出しがあったとみなして、例えばRRCコネクティッド状態に遷移する動作を行う。
このように、ページング受信の動作では、同じPOが割り当てられるすべてのUE100が当該POにおいてウェイクアップしてページング監視を行う。同じPOが割り当てられたUE群をページンググループと称する。ここで、実際にはネットワークから呼び出されていないUE100もウェイクアップするため、余分な電力消費が発生する。
そこで、同じPOに割り当てられた各UE100を、小さい単位のページングサブグループに分類し、各UE100に対してネットワークからページングサブグループIDを割り当てる。図12において、ページンググループを、ページングサブグループID“#1”乃至“#3”の3つのページングサブグループに分割する一例を示している。各ページングサブグループに属するUE100の数が3つである一例を示しているが、各ページングサブグループに属するUE100の数は1つ又は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。各UE100に対するページングサブグループIDの割り当ては、例えばUE100のネットワーク登録時に行われてもよい。ネットワークは、ページングサブグループIDを、各UE100の識別子、ページング確率、及び/又は電力消費プロファイルなどに応じて割り当てる。
例えば、ネットワーク(基地局200)は、POに先立ち、当該POで送信するページングメッセージで呼び出すUE100が属するページングサブグループIDを各UE100に通知する。各UE100は、自身が属するページングサブグループIDが通知された場合に限り、当該POでウェイクアップしてページング監視を行う。これにより、一部のページングサブグループに属するUE100がPOにおいてウェイクアップせずに済むため、余分な電力消費の発生が抑制される。
一実施形態において、このようにしてUE100に割り当てられるページングサブグループIDを、TRSリソース設定を選択する選択条件として用いる。
図13及び図14を参照して、一実施形態に係るTRSリソース設定の選択に関する動作について説明する。本動作は、上述の構成及び動作を前提としている。図13に、そのような動作を示す。UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にある。
ステップS201において、基地局200(送信部211)は、N個(N≧2)のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストする。一実施形態において、システム情報ブロックは、TRSリソース設定ごとに、当該TRSリソース設定をUE100が選択可能とする条件を指定する条件情報を含む。
例えば、条件情報は、UE100に割り当てられ得る識別子を含む。当該識別子は、ページング対象のUEグループ(ページングサブグループ)を識別するページングサブグループIDであってもよい。すなわち、システム情報ブロックは、TRSリソース設定ごとにページングサブグループIDを含む。但し、当該識別子は、ページングサブグループIDに限らず、UE100の特性及び/又は状態に応じて予め割り当てられる識別子であればよい。
UE100(受信部112)は、基地局200からシステム情報ブロックを受信する。そして、UE100(制御部120)は、受信したシステム情報ブロックから、各TRSリソース設定及びページングサブグループID(条件情報)を取得する。
ステップS202において、UE100(制御部120)は、条件情報により示される条件が満たされたTRSリソース設定を、システム情報ブロックで伝送された複数のTRSリソース設定の中から選択する。具体的には、UE100(制御部120)は、N個のTRSリソース設定の中から、自身に割り当てられた割当識別子(割当ページングサブグループID)と一致するページングサブグループIDと対応付けられたTRSリソース設定(利用可能なTRSリソース設定)を選択する。
例えば、システム情報ブロックが、ページングサブグループID“#1”と対応付けられたTRSリソース設定#1と、ページングサブグループID“#2”と対応付けられたTRSリソース設定#2と、ページングサブグループID“#3”と対応付けられたTRSリソース設定#3とを含むものとする。そして、UE100が属するページングサブグループIDが“#1”である場合、ページングサブグループID“#1”と対応付けられたTRSリソース設定#1を選択する。
このようにして、UE100(制御部120)は、自身に割り当てられた割当ページングサブグループIDが、システム情報ブロック中のページングサブグループIDと一致することに応じて、当該ページングサブグループIDと対応付けられたTRSリソース設定を選択する。
ステップS203において、UE100(受信部112)は、ステップS202で選択したTRSリソース設定を用いてTRSを基地局200から受信する。UE100(制御部120)は、受信したTRSに基づいて下りリンクにおける時間・周波数同期(時間・周波数トラッキング)を行う。なお、TRSは、RRCコネクティッド状態にある他のUE100に対して基地局200から送信されるものであってもよい。
ステップS204において、UE100は、POにおいてページングを監視及び受信する。なお、UE100は、ステップS203でTRSを受信してからPOまでの間においてウェイクアップした状態を維持してもよい。TRSの受信タイミングからPOのタイミングまでの時間が短い場合、ウェイクアップ持続時間が短くなり、UE100の消費電力が低減される。また、UE100は、SSBを受信しないことにより、SSBの受信に伴う消費電力を低減できる。
このように、TRSを用いて下りリンクにおける時間・周波数同期を行うUE100で用いる通信方法は、無線リソース制御RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態において、N個のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロックを基地局200から取得するステップS201と、N個のTRSリソース設定の中から選択したTRSリソース設定を用いてTRSを基地局200から受信するステップS203と、を有する。システム情報ブロックは、TRSリソース設定ごとに、当該TRSリソース設定をUE100が選択可能とする条件を指定する条件情報を含む。
上述のようなTRSリソース設定の選択動作において、UE100は、自身の割当識別子を有していない場合があり得る。例えば、UE100がページングサブグルーピングをサポートしていない、若しくはサポートしていてもページングサブグループIDが割り当てられていない場合があり得る。このような場合、UE100(制御部120)は、自身の固有識別子に基づいて、システム情報ブロックで伝送された複数のTRSリソース設定の中からTRSリソース設定を選択してもよい。
例えば、UE100(制御部120)は、次の式を用いてTRSリソース設定(ここでは、TRSリソースセット識別子)を選択する。
UE_ID mod (NZP-CSI-RS resource setの数) = NZP-CSI-RS resource set ID
UE_ID = 5G-S-TMSI mod 1024 (as defined in TS 38.304)
ここで、「NZP-CSI-RS resource setの数」は、システム情報ブロックで伝送されたTRSリソース設定の数(すなわち、“N”)である。5G-S-TMSIは、UE100の固有識別子である。これにより、複数のTRSリソース設定から1つのTRSリソース設定を円滑に選択可能になる。
図14に、一実施形態に係るシステム情報ブロック400の構成例を示す。ここでは、RRCの技術仕様書(TS38.331)に記載された場合における構成例について、図9の構成例との相違点を説明する。
システム情報ブロック(SIBXX)400には、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100に用いるためのトラッキング用のCSI-RSの設定が含まれる。具体的には、システム情報ブロック(SIBXX)400は、第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401A及び第2個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceListForTracking-r17)401Bのいずれかを含む。
第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401Aは、N個の個別TRS設定パラメータ群の一例である。第1個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceSetListForTracking-r17)401Aは、N個(1..maxNrofNZP-CSI-RS-ResourceSets)のTRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’からなるリストである。TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’は、複数のTRSリソース設定を纏めたものである。
TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’は、当該TRSリソースセット設定をUE100が選択可能とする条件を指定する条件情報410として、ページングサブグループID(pagingSubGroupId-r17)を含む。例えば、ページングサブグループID(pagingSubGroupId-r17)は、「0」から「7」までの間の値である。UE100(制御部120)は、自身の割当ページングサブグループIDが、TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’中のページングサブグループID(pagingSubGroupId-r17)と一致する場合、当該TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’を選択する。
第2個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceListForTracking-r17)401Bは、N個の個別TRS設定パラメータ群の他の例である。第2個別TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceListForTracking-r17)401Bは、N個(1..maxNrofNZP-CSI-RS-Resources)のTRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bからなるリストである。TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’に条件情報410(pagingSubGroupId-r17)を含めることに代えて、TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bに条件情報410(pagingSubGroupId-r17)を含めてもよい。そのような変更例において、UE100(制御部120)は、自身の割当ページングサブグループIDが、TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403B中のページングサブグループID(pagingSubGroupId-r17)と一致する場合、当該TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bを選択する。
このように、システム情報ブロック400は、N個の個別TRS設定パラメータ群403のそれぞれについて条件情報410を含む。すなわち、システム情報ブロック400は、個別TRS設定パラメータ群403ごとに、当該個別TRS設定パラメータ群403をUE100が選択可能とする条件を指定する条件情報410を含む。これにより、N個の個別TRS設定パラメータ群403の中から1個の個別TRS設定パラメータ群403を適切に選択可能になる。特に、ページングサブグループが、あるサービスやトラフィックの特性に応じてサブグルーピングされる場合、その特性に応じてTRS設定パラメータを最適化することが可能になる。
(システム情報ブロックの構成の変更例)
上述の実施形態において、システム情報ブロックが、N個のTRSリソース設定に対して共通化された1個の共通化TRS設定パラメータ群を含む一例について説明した。しかしながら、システム情報ブロックは、複数セットの共通化TRS設定パラメータ群を含んでいてもよい。
例えば、同期信号に対するTRSの電力オフセットを示すパラメータ(powerControlOffsetSS-r17)や、TRSの周期性及び時間オフセットを示すパラメータ(periodicityAndOffset-r17/CSI-ResourcePeriodicityAndOffsetSIB-r17)が1つのみであると、UE100が利用するサービスやUE100の特性・状態に応じてTRS設定パラメータを最適化することが困難になり得る。そのため、複数セットの共通化TRS設定パラメータ群をシステム情報ブロックで伝送し、各個別TRS設定パラメータ群を1つのセットの共通化TRS設定パラメータ群と対応付ける。すなわち、システム情報ブロックにおいて、個別TRS設定パラメータ群403のそれぞれは、複数セットのうち1つのセットの共通化TRS設定パラメータ群と対応付けられている。
図15に、本変更例に係る動作を示す。UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にある。
ステップS101’において、基地局200(送信部211)は、N個(N≧2)のTRSリソース設定を示すシステム情報ブロック(SIB)をブロードキャストする。本変更例において、システム情報ブロックは、M個(M<N)の共通化TRS設定パラメータ群と、N個の個別TRS設定パラメータ群と、を別々の情報要素として含む。M個(M<N)の共通化TRS設定パラメータ群のそれぞれは、2個以上の個別TRS設定パラメータ群と対応付けられている。システム情報ブロックは、上述の条件情報410を含んでいてもよい。
例えば、N=6であり、M=3である場合を例に説明する。すなわち、システム情報ブロックは、6個の個別TRS設定パラメータ群(個別TRS設定パラメータ群#1乃至#6)を含む。ここで、個別TRS設定パラメータ群#1及び#2は、共通化TRS設定パラメータ群#1と対応付けられ、個別TRS設定パラメータ群#3及び#4は、共通化TRS設定パラメータ群#2と対応付けられ、個別TRS設定パラメータ群#5及び#6は、共通化TRS設定パラメータ群#3と対応付けられる。共通化TRS設定パラメータ群#1乃至#3は、例えば、同期信号に対するTRSの電力オフセットを示すパラメータ(powerControlOffsetSS-r17)や、TRSの周期性及び時間オフセットを示すパラメータ(periodicityAndOffset-r17/CSI-ResourcePeriodicityAndOffsetSIB-r17)が相互に異なっていてもよい。
UE100(受信部112)は、基地局200からシステム情報ブロックを受信する。そして、UE100(制御部120)は、受信したシステム情報ブロックから、M個の共通化TRS設定パラメータ群と、N個の個別TRS設定パラメータ群とを取得する。
ステップS102’において、UE100(制御部120)は、N個のTRSリソース設定の中から、いずれかのTRSリソース設定(利用可能なTRSリソース設定)を選択する。UE100(制御部120)は、上述の条件情報410に基づくTRSリソース設定の選択を行ってもよい。UE100(制御部120)は、選択したTRSリソース設定に対応する個別TRS設定パラメータ群と、当該選択したTRSリソース設定に対応する共通化TRS設定パラメータ群とを組み合わせることにより、当該選択したTRSリソース設定に対応する全体的なTRS設定パラメータ群を取得する。
ステップS103及びS104の動作については、上述の実施形態と同様である。
図16に、本変更例に係るシステム情報ブロック400の第1構成例を示す。ここでは、RRCの技術仕様書(TS38.331)に記載された場合における構成例について、図9の構成例との相違点を説明する。
本変更例において、システム情報ブロック(SIBXX)400は、共通TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceCommonList-r17)402Aを含む。共通TRS設定リスト(nzp-CSI-RS-ResourceCommonList-r17)402Aは、M個(1..maxNrofNZP-CSI-RS-ResourceCommons)の共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bからなるリストである。
各共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bは、当該共通化TRS設定パラメータ群の識別子(nzp-CSI-RS-ResourceCommonId-r17/NZP-CSI-RS-ResourceCommonId-r17)を含む。
また、各TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403B’は、当該TRSリソース設定と対応付けられた共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bの識別子(nzp-CSI-RS-ResourceCommonId-r17/NZP-CSI-RS-ResourceCommonId-r17)を含む。
UE100(制御部120)は、1つのTRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403B’を選択した場合、当該TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403B’に含まれる識別子(nzp-CSI-RS-ResourceCommonId-r17/NZP-CSI-RS-ResourceCommonId-r17)と一致する識別子を有する共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bを特定し、当該TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403B’と当該特定した共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bとを組み合わせて全体的なTRS設定パラメータ群を取得する。
図17に、本変更例に係るシステム情報ブロック400の第2構成例を示す。第2構成例では、TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’は、当該TRSリソースセット設定と対応付けられた共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bの識別子(nzp-CSI-RS-ResourceCommonId-r17/NZP-CSI-RS-ResourceCommonId-r17)を含む。すなわち、このTRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’に設定される全てのTRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bに対して適用する共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402BをそのIDで指定する。
UE100(制御部120)は、1つのTRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’を選択した場合、当該TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’に含まれる識別子(nzp-CSI-RS-ResourceCommonId-r17/NZP-CSI-RS-ResourceCommonId-r17)に基づいて、当該TRSリソースセット設定(NZP-CSI-RS-ResourceSetSIB-r17)403A’に含まれる全てのTRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bと組み合わせる共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bを特定し、当該TRSリソース設定(NZP-CSI-RS-ResourceSIB-r17)403Bと当該特定した共通化TRS設定パラメータ群(NZP-CSI-RS-ResourceCommon-r17)402Bとを組み合わせて全体的なTRS設定パラメータ群を取得する。
(TRSリソース設定の選択動作の変更例)
上述の実施形態において、UE100に割り当てられるページングサブグループIDを、TRSリソース設定を選択する選択条件(条件情報)として用いる一例について説明した。しかしながら、ページングサブグループIDに加えて、又はページングサブグループIDに代えて、移動状態及び/又は受信状態を選択条件(条件情報)として用いてもよい。
図18に、本変更例に係る動作を示す。UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にある。
ステップS201’で送信されるシステム情報ブロック(SIB)は、各TRSリソース設定と対応付ける条件情報として、移動状態を示す移動状態情報を含んでもよい。移動状態情報は、UE移動度を示す情報であって、例えば、移動中/静止という2値の情報であってもよいし、静止/低速/中速/高速といった多値の情報であってもよい。ステップS202’において、UE100(制御部120)は、自身の移動状態が、システム情報ブロック中の移動状態情報により示される移動状態と合致する場合、当該移動状態情報を含む条件情報410と対応付けられたTRSリソース設定を選択する。なお、UE100(制御部120)は、GNSS又は加速度センサを用いて自身の移動状態を特定してもよいし、単位時間あたりのセル再選択回数に基づいて自身の移動状態を特定(推定)してもよい。
例えば、システム情報ブロックにおいて、TRSリソース設定#1:「静止」、TRSリソース設定#2:「低速」、TRSリソース設定#3:「中速」、TRSリソース設定#4:「高速」となっている場合、UE100(制御部120)は、自身が低速で移動中の場合はTRSリソース設定#2を選択し、自身が高速で移動中の場合はTRSリソース設定#4を選択する。なお、「高速」と対応付けられたTRSリソース設定#4は、「静止」又は「低速」と対応付けられたTRSリソース設定#1又は#2に比べて、TRSの送信周期(periodicity)が短く設定されていてもよい。
ステップS201’で送信されるシステム情報ブロック(SIB)は、各TRSリソース設定と対応付ける条件情報として、受信状態を示す受信状態情報を含んでもよい。受信状態情報は、下りリンク参照信号の受信電力又は受信品質を示す情報であって、例えば、劣悪/良好という2値の情報であってもよいし、劣悪/普通/良好といった情報であってもよい。ステップS202’において、UE100(制御部120)は、自身の受信状態が、システム情報ブロック中の受信状態情報により示される受信状態と合致する場合、当該受信状態情報を含む条件情報410と対応付けられたTRSリソース設定を選択する。なお、UE100(制御部120)は、現在のセルにキャンプオンしたときの受信状態を記憶していてもよいし、最新の受信状態を周期的に測定していてもよい。
例えば、システム情報ブロックにおいて、TRSリソース設定#1:「劣悪」、TRSリソース設定#2:「普通」、TRSリソース設定#3:「良好」となっている場合、UE100(制御部120)は、自身の受信状態が劣悪である場合はTRSリソース設定#1を選択し、自身の受信状態が良好である場合はTRSリソース設定#3を選択する。なお、「劣悪」と対応付けられたTRSリソース設定#1は、「良好」と対応付けられたTRSリソース設定#3に比べて、TRSの電力オフセット(powerControlOffsetSS)が大きく設定されていてもよい。
(その他の実施形態)
上述のTRSリソース設定の選択に関する動作においても、共通化されたTRS設定パラメータ群を1つの情報要素として定義する一例について説明したが、TRSリソース設定を適切に選択するという観点では、必ずしも、共通化されたTRS設定パラメータ群を定義しなくてもよい。すなわち、システム情報ブロックは、TRSリソース設定ごとに個別の情報要素を含み、2以上のTRSリソース設定について共通化された情報要素を含まなくてもよい。
上述の実施形態における動作シーケンス(及び動作フロー)は、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。また、上述の実施形態における動作シーケンス(及び動作フロー)は、別個独立に実施してもよいし、2以上の動作シーケンス(及び動作フロー)を組み合わせて実施してもよい。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
上述の実施形態において、移動通信システム1としてNRに基づく移動通信システムを例に挙げて説明した。しかしながら、移動通信システム1は、この例に限定されない。移動通信システム1は、LTE又は3GPP規格の他の世代システム(例えば、第6世代)のいずれかのTSに準拠したシステムであってよい。基地局200は、LTEにおいてUE100へ向けたE-UTRAユーザプレーン及び制御プレーンプロトコル終端を提供するeNBであってよい。移動通信システム1は、3GPP規格以外の規格のTSに準拠したシステムであってよい。基地局200は、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナー又はIABノードであってよい。
UE100又は基地局200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、UE100又は基地局200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又は基地局200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
上述の実施形態において、「送信する(transmit)」は、送信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に送信することを意味してもよい。或いは、「送信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に送信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「受信する(receive)」は、受信に使用されるプロトコルスタック内の少なくとも1つのレイヤの処理を行うことを意味してもよく、又は、無線又は有線で信号を物理的に受信することを意味してもよい。或いは、「受信する」は、上記少なくとも1つのレイヤの処理を行うことと、無線又は有線で信号を物理的に受信することとの組合せを意味してもよい。同様に、「取得する(obtain/acquire)」は、記憶されている情報の中から情報を取得することを意味してもよく、他のノードから受信した情報の中から情報を取得することを意味してもよく、又は、情報を生成することにより当該情報を取得することを意味してもよい。同様に、「~を含む(include)」及び「~を備える(comprise)」は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。同様に、本開示において、「又は(or)」は、排他的論理和を意味せず、論理和を意味する。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。