JP2023019759A - 光学特性測定装置 - Google Patents

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淳 洗井
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秀樹 三ツ峰
Hideki Mitsumine
俊枝 三須
Toshie Misu
寛史 盛岡
Hirofumi Morioka
太一 杉之下
Taichi Suginoshita
康太 ▲高▼橋
Kota Takahashi
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Abstract

【課題】光量の損失を抑制し、測定対象の光学特性を高精度に測定する。【解決手段】測定対象11の反射特性を測定する反射光測定装置1-1は、測定対象11を照射する照明光源13と、測定対象11にて複数の方向へ反射した光を屈折させる光学レンズ14と、光学レンズ14により屈折した光を受光する受光素子15と、を備える。測定対象11は、受光素子15の前側焦点位置に配置される。光学レンズ14は、正の焦点距離を有する。受光素子15は、光学レンズ14に対して、測定対象11の反対側に、光学レンズ14の光軸に直交する平面に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置に関する。
従来、測定対象の光学特性として、照明光源に対する反射成分については双方向反射率分布関数、照明光源に対する透過成分については双方向透過率分布関数、測定対象が自発光体である場合は自発光体からの配光分布が知られている。
このような光学特性を測定するために、照明光源により測定対象を照明し、測定対象で反射した光、測定対象で透過した光、及び測定対象自体が発する光を測定することで、測定対象の光学特性を測定する装置が知られている。
このような光学特性を測定する手法として、楕円鏡及び半透鏡を用いることで、測定対象で反射した光の特性を測定する装置が提案されている(例えば非特許文献1を参照)。
図12(1)は、楕円鏡及び半透鏡を用いる従来の反射光測定装置の構成例を示す概略図である。この反射光測定装置100は、測定対象101で反射した光の特性を測定する装置であり、楕円鏡102、プロジェクター103、カメラ104、半透鏡105及びイメージプレーン106を備えて構成される。
反射光測定装置100には、楕円鏡102における2つの焦点のうち一方の焦点位置に測定対象101が配置され、もう一方の焦点位置に照明光源であるプロジェクター103及びカメラ104が配置される。イメージプレーン106は、プロジェクター103からの光の照射に応じてパターンを形成する。
ただし、物理的に同一の位置にプロジェクター103及びカメラ104を配置することはできないため、光路の途中に半透鏡105を配置することで、光路を分岐するようにしている。これにより、光学的に同一の位置にプロジェクター103及びカメラ104が配置されることとなる。
このような構成とすることで、測定対象101から複数の角度方向へ反射した光の輝度分布を測定することが可能となる。具体的には、イメージプレーン106のパターンに応じて角度θi,θrを定めることで、光源方向(θi,φi)からの入射光照度に対する視点方向(θr,φr)への反射輝度の比率を表す双方向反射率分布関数が測定される。
また、光学特性を測定する手法として、楕円透過鏡ドーム及び鏡面反射板を用いることで、測定対象で反射した光の特性を測定する装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
図12(2)は、楕円透過鏡ドーム及び鏡面反射板を用いる従来の反射光測定装置の構成例を示す概略図である。この反射光測定装置110は、測定対象111で反射した光の特性を測定する装置であり、楕円透過鏡ドーム112、鏡面反射板113、照明光源114及びカメラ115を備えて構成される。楕円透過鏡ドーム112及びカメラ115は、筒状部材116に収納される。
この反射光測定装置110では、楕円透過鏡ドーム112における2つの焦点のうち一方の焦点位置に測定対象111が配置され、照明光源114を用いて、矢印の方向118へ楕円透過鏡ドーム112及び鏡面反射板113の開口部117を介して測定対象111を照明する。
測定対象111で反射した光は、鏡面反射板113にてさらに反射させ、カメラ115に入力される。ここで、カメラ115は、楕円透過鏡ドーム112における2つの焦点のうちもう一方の焦点位置に対して鏡面対象の位置に配置される。
このような構成とすることで、図12(1)と同様に、複数の角度方向へ反射した光の輝度分布を測定することが可能となる。
特許第6678901号公報
角野、向川、八木、"楕円鏡を用いた双方向反射率分布関数の高速計測"、電子情報通信学会論文誌.D、Vol.J90-D、No.8、pp.1930-1937、2007
図12(1)に示した楕円鏡102及び半透鏡105を用いる従来の反射光測定装置100では、楕円鏡102で反射した光に対して、半透鏡105によりカメラ104の方向へ光を反射させる。
しかしながら、一部の光が半透鏡105で透過するため、カメラ104の方向へ進行せず、測定すべき光の光量に損失が生じてしまう。光量に損失が生じると、信号対雑音比が劣化し、測定精度の低下要因となるという課題がある。
また、図12(2)に示した楕円透過鏡ドーム112及び鏡面反射板113を用いる反射光測定装置110では、楕円透過鏡ドーム112を介して測定対象111を照明する。
しかしながら、光が楕円透過鏡ドーム112を透過する際に、不要な散乱光が生じる可能性があり、測定精度の低下要因となるという課題がある。
また、鏡面反射板113で反射した光は、楕円透過鏡ドーム112を透過して、カメラ115へ入力される。しかし、一部の光が楕円透過鏡ドーム112で反射し、カメラ115の方向へ進行せず、測定すべき光の光量に損失が生じてしまう。光量に損失が生じると、信号対雑音比が劣化し、測定精度の低下要因となるという課題がある。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、光量の損失を抑制し、測定対象の光学特性を高精度に測定可能な光学特性測定装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の光学特性測定装置は、測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、前記測定対象を照射する照明光源と、前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を屈折させる光学レンズと、前記光学レンズにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、前記測定対象が、前記光学レンズの前側焦点位置に配置され、前記光学レンズが、正の焦点距離を有し、前記受光素子が、前記光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする。
また、請求項2の光学特性測定装置は、請求項1に記載の光学特性測定装置において、前記光学レンズが、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を屈折させる、ことを特徴とする。
また、請求項3の光学特性測定装置は、請求項1または2に記載の光学特性測定装置において、さらに、前記光学レンズと前記受光素子との間に、前記光学レンズにより屈折した光を集光する集光レンズアレイを備え、前記集光レンズアレイが、正の焦点距離を有する複数のレンズを備え、前記受光素子と平行になるように配置され、前記受光素子が、前記複数のレンズの前記焦点距離だけ離れた位置に配置され、前記集光レンズアレイにより集光した光を受光する、ことを特徴とする。
また、請求項4の光学特性測定装置は、測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、前記測定対象を照射する照明光源と、前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を反射させる第1の放物面鏡と、前記第1の放物面鏡により反射した光を反射させる第2の放物面鏡と、前記第2の放物面鏡により反射した光を屈折させる光学レンズと、前記光学レンズにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、前記測定対象が、前記第1の放物面鏡の焦点位置に配置され、前記第1の放物面鏡が、前記第2の放物面鏡により反射した光が前記光学レンズへ向けて通過するための輪状の開口部を備え、前記第2の放物面鏡及び前記光学レンズが、前記第2の放物面鏡の焦点位置と前記光学レンズの前側焦点位置とが一致するように配置され、前記光学レンズが、負の焦点距離を有し、前記受光素子が、前記光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする。
また、請求項5の光学特性測定装置は、請求項4に記載の光学特性測定装置において、前記第1の放物面鏡が、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を反射させる、ことを特徴とする。
また、請求項6の光学特性測定装置は、請求項4または5に記載の光学特性測定装置において、さらに、前記光学レンズと前記受光素子との間に、前記光学レンズにより屈折した光を集光する集光レンズアレイを備え、前記集光レンズアレイが、正の焦点距離を有する複数のレンズを備え、前記受光素子と平行になるように配置され、前記受光素子が、前記複数のレンズの前記焦点距離だけ離れた位置に配置され、前記集光レンズアレイにより集光した光を受光する、ことを特徴とする。
また、請求項7の光学特性測定装置は、測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、前記測定対象を照射する照明光源と、前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を反射させる第1の放物面鏡と、前記第1の放物面鏡により反射した光を反射させる第2の放物面鏡と、前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を屈折させる第1の光学レンズ及び第2の光学レンズと、前記第2の放物面鏡により反射した光を屈折させる第3の光学レンズと、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズのそれぞれにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、前記測定対象が、前記第1の放物面鏡の焦点位置に配置され、前記第1の放物面鏡が、前記第2の放物面鏡により反射した光が前記第3の光学レンズへ向けて通過すると共に、前記測定対象にて反射した光が前記第2の光学レンズへ向けて通過するための輪状の開口部を備え、前記第2の放物面鏡及び前記第3の光学レンズが、前記第2の放物面鏡の焦点位置と前記第3の光学レンズの前側焦点位置とが一致するように配置され、前記第1の光学レンズが、正の焦点距離を有し、前記測定対象と前記受光素子とが光学的共役関係となるように配置され、前記第2の光学レンズが、正の焦点距離を有し、前記第2の光学レンズの前側焦点位置と前記測定対象の位置とが一致するように配置され、前記第3の光学レンズが、負の焦点距離を有し、前記受光素子が、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする。
また、請求項8の光学特性測定装置は、請求項7に記載の光学特性測定装置において、前記第1の放物面鏡が、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を反射させ、前記第1の光学レンズ及び前記第2の光学レンズが、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を屈折させる、ことを特徴とする。
また、請求項9の光学特性測定装置は、請求項7または8に記載の光学特性測定装置において、さらに、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズと前記受光素子との間に、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズにより屈折した光を集光する集光レンズアレイを備え、前記集光レンズアレイが、正の焦点距離を有する複数のレンズを備え、前記受光素子と平行になるように配置され、前記受光素子が、前記複数のレンズの前記焦点距離だけ離れた位置に配置され、前記第1の光学レンズにより屈折した光を受光すると共に、前記集光レンズアレイにより集光した光を受光する、ことを特徴とする。
また、請求項10の光学特性測定装置は、測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、前記測定対象を自発光体とし、前記測定対象にて複数の方向へ発光した光を屈折させる光学レンズと、前記光学レンズにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、前記測定対象が、前記光学レンズの前側焦点位置に配置され、前記光学レンズが、正の焦点距離を有し、前記受光素子が、前記光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、光量の損失を抑制し、測定対象の光学特性を高精度に測定することができる。
(1)は、実施例1における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。(2)は、実施例1の変形例における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。 (1)は、実施例2における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。(2)は、実施例2の変形例における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例3における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例3の変形例における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例4における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例4の変形例における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例5における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例5の変形例における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例6における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。 実施例6の変形例における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。 (1)は、実施例3,4及びそれらの変形例における遮蔽部材の第1設置例を示す概略図である。(2)は、実施例3,4及びそれらの変形例における遮蔽部材の第2設置例を示す概略図である。(3)は、実施例5,6及びそれらの変形例における遮蔽部材の第1設置例を示す概略図である。(4)は、実施例5,6及びそれらの変形例における遮蔽部材の第2設置例を示す概略図である。 (1)は、楕円鏡及び半透鏡を用いる従来の反射光測定装置の構成例を示す概略図である。(2)は、楕円透過鏡ドーム及び鏡面反射板を用いる従来の反射光測定装置の構成例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。実施例1,3,5の光学特性測定装置は、照明光源により測定対象を照明し、測定対象で反射した光を測定することにより、測定対象の反射特性を測定する反射光測定装置である。また、実施例2,4,6の光学特性測定装置は、照明光源により測定対象を照明し、測定対象を透過する光を測定することにより、測定対象の透過特性を測定する透過光測定装置である。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。図1(1)は、実施例1における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。この図は、反射光測定装置を横から見た断面を示している。後述する図1(2)、図3、図4、図7及び図8についても同様である。
(構成及び配置)
この反射光測定装置1-1は、測定対象11を設置する測定対象設置部12、測定対象11を照明する照明光源13、測定対象11にて複数の方向へ反射した光を屈折させる光学レンズ14、及び、光学レンズ14にて屈折した光を受光する受光素子15を備えている。
また、図1(1)には、光学レンズ14に入射する光の範囲を表す立体角16aが示されている。測定対象11は、光学特性が測定される対象物である。
照明光源13は、測定対象11を照明することが可能な位置であって、測定対象11にて反射した光を遮蔽しない位置に配置されている。光学レンズ14は正の焦点距離を有し、光学レンズ14の前側(測定対象11側)焦点位置に測定対象11が配置されている。受光素子15は、光学レンズ14に対して(を基準として)測定対象11の反対側に、光学レンズ14の光軸に直交する平面に配置されている。受光素子15は、光量に応じて電気信号を出力する素子であり、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等が用いられるが、CMOSイメージセンサーに限定されるものではない。
(光路)
照明光源13により測定対象11が照明されると、測定対象11にて反射した光のうち、光学レンズ14の方向へ進行する光が、光学レンズ14により屈折作用を受けた後、受光素子15にて受光される。
測定対象11では、立体角16aの範囲内で、様々な方向へ光が反射されるが、測定対象11が光学レンズ14の前側焦点位置に配置されているため、光学レンズ14により屈折作用を受けた光は、平行光となって受光素子15へ到達する。例えば図1(1)において、測定対象11から光学レンズ14の方向16bへ反射した光は、光学レンズ14の屈折作用により平行光となり、受光素子15の位置15aで受光される。
このような構成により、反射光測定装置1-1は、測定対象11にて複数の方向に反射した光の反射角(θ,φ)(θは鉛直方向の光の反射角、φは水平方向の光の反射角)と、受光素子15で受光される位置とが対応付けられた形で、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができる。
尚、反射光測定装置1-1は、反射角(θ,φ)の方向へ反射する光の輝度として、受光素子15を構成する画素毎の出力値を測定してもよい。また、反射光測定装置1-1は、受光素子15を構成する複数の画素の出力値に対して、平均値を算出する等の統計的な処理を施すようにしてもよい。
また、反射光測定装置1-1は、測定対象11の反射光特性を表す双方向反射率分布関数を算出するようにしてもよい。測定対象11の双方向反射率分布関数を算出するためには、双方向反射率分布関数が既知である基準物体を準備しておく。この基準物体の双方向反射率分布関数は、鉛直方向の光の反射角θ及び水平方向の光の反射角φの関数fstd(θ,φ)として定義される。
反射光測定装置1-1に備えた演算部(図1(1)には示していない)は、事前に準備した基準物体について、図1(1)の構成にて、反射光の輝度分布Lstd(θ,φ)を測定しておく。そして、演算部は、測定対象11について、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定する。
演算部は、基準物体の予め設定された双方向反射率分布関数fstd(θ,φ)、基準物体の測定された反射光の輝度分布Lstd(θ,φ)及び測定対象11の測定された反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を用いて、以下の式にて、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を算出する。
[数1]
obj(θ,φ)=(Lobj(θ,φ)/Lstd(θ,φ))・fstd(θ,φ) ・・・(1)
これにより、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を得ることができる。
以上のように、実施例1の反射光測定装置1-1によれば、図1(1)に示した構成において光学レンズ14を用いることで、測定対象11の反射光を受光素子15へ導くようにした。
前述のとおり、図12(1)及び図12(2)に示した従来の手法では、半透鏡105を一部の光が透過したり、楕円透過鏡ドーム112にて不要な散乱光が生じると共に、一部の光が反射したりすることで、測定するカメラ104,115での受光量に損失が生じ、測定精度が低下してしまうという問題があった。
これに対し、実施例1では、従来の手法におけるカメラ104,115内のレンズに相当する光学レンズ14を備えているが、受光量の損失の原因となる半透鏡105、楕円透過鏡ドーム112等を備えていない。したがって、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
〔実施例1の変形例〕
次に、実施例1の変形例について説明する。図1(2)は、実施例1の変形例における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この反射光測定装置1-2は、測定対象設置部12、照明光源13、光学レンズ14、受光素子15、及び、光学レンズ14と受光素子15との間に集光レンズアレイ17を備えている。
集光レンズアレイ17は、正の焦点距離を有する複数の光学レンズ17aを備えて構成され、受光素子15と平行となるように配置されている。また、光学レンズ17aの焦点距離だけ離れた位置に、受光素子15が配置されている。
反射光測定装置1-2は、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1の構成に加え、集光レンズアレイ17を備えている点で、反射光測定装置1-1と相違する。その他の構成は同じである。図1(2)において、図1(1)と共通する部分には図1(1)と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
また、図1(2)には、光学レンズ14に入射する光のうち、集光レンズアレイ17を構成する光学レンズ17aに入射する光の範囲を示す立体角16cが示されている。
(光路)
照明光源13により測定対象11が照明されると、測定対象11にて反射した光のうち、光学レンズ14の方向へ進行する光が、光学レンズ14により屈折作用を受けた後、平行光となって集光レンズアレイ17の方向へ進行する。
そして、測定対象11にて反射した光学レンズ14の方向へ進行する光のうち、方向16bを中心とした立体角16cを有する光が、光学レンズ14を介して光学レンズ17aで集光され、受光素子15の位置15bで受光される。
このような構成により、反射光測定装置1-2は、反射光測定装置1-1と同様に、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができ、前記式(1)にて、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を算出することができる。
以上のように、実施例1の変形例の反射光測定装置1-2によれば、反射光測定装置1-1と同様に、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1では、集光レンズアレイ17を備えていないため、受光素子15を構成する全ての画素が、測定対象11にて複数の方向に反射する光の反射角(θ,φ)に対応付けられている。このため、高い角度分解能で反射特性を測定することができる利点があるが、反射光の輝度が低い場合は、信号対雑音比が低下し、輝度の測定が困難となる場合が想定される。
これに対し、実施例1の変形例の反射光測定装置1-2では、方向16bを中心とした立体角16cを有する光を光学レンズ17aで集光し、受光素子15の位置15bで受光する。これにより、反射光の輝度が低い場合であっても、信号対雑音比の低下を回避することができ、結果として、測定対象11の光学特性を一層高精度に測定することができる。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。図2(1)は、実施例2における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。この図は、透過光測定装置を横から見た断面を示している。後述する図2(2)、図5、図6、図9及び図10についても同様である。
(構成及び配置)
この透過光測定装置2-1は、測定対象11を設置する測定対象設置部18、照明光源13、光学レンズ14及び受光素子15を備えている。測定対象設置部18は、照明光源13により測定対象11を照射するための開口部30を備えている。照明光源13は、測定対象11を照明することが可能な位置であって、測定対象11を透過した光を遮蔽しない位置に配置されている。
図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1とこの透過光測定装置2-1とを比較すると、反射光測定装置1-1及び透過光測定装置2-1は、光学レンズ14及び受光素子15を備えている点で共通する。一方、透過光測定装置2-1は、測定対象11を照明する方向が反射光測定装置1-1とは異なる照明光源13、及び開口部30を備えた測定対象設置部18を備えている点で、反射光測定装置1-1と相違する。
具体的には、反射光測定装置1-1に備えた照明光源13は、光学レンズ14が設けられた側から測定対象11を照明する位置に配置されている。これに対し、透過光測定装置2-1に備えた照明光源13は、測定対象11を基準として光学レンズ14が設けられていない側から測定対象設置部18の開口部30を介して、測定対象11を照明する位置に配置されている。図2(1)において、図1(1)と共通する部分には図1(1)と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象設置部18の開口部30を介して測定対象11が照明されると、測定対象11にて透過した光のうち、光学レンズ14の方向へ進行する光が、光学レンズ14により屈折作用を受けた後、受光素子15にて受光される。
測定対象11では、立体角16aの範囲内で、様々な方向へ光が透過するが、図1(1)と同様に、測定対象11が光学レンズ14の前側焦点位置に配置されているため、光学レンズ14により屈折作用を受けた光は、平行光となって受光素子15へ到達する。
受光素子15にて受光した光が測定対象11にて反射した光ではなく、測定対象11を透過した光である点を除き、その光路は、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1の場合と同じである。
このような構成により、透過光測定装置2-1は、複数の方向に透過した光の透過角(θ,φ)(θは鉛直方向の光の透過角、φは水平方向の光の透過角)と、受光素子15で受光される位置とが対応付けられた形で、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができる。
尚、透過光測定装置2-1は、透過角(θ,φ)の方向へ透過する光の輝度として、受光素子15を構成する画素毎の出力値を測定してもよい。また、透過光測定装置2-1は、受光素子15を構成する複数の画素の測定値に対して、平均値を算出する等の統計的な処理を施すようにしてもよい。
また、透過光測定装置2-1は、測定対象11の透過光特性を表す双方向透過率分布関数を算出するようにしてもよい。測定対象11の双方向透過率分布関数を算出するためには、双方向透過率分布関数が既知である基準物体を準備しておく。この基準物体の双方向透過率分布関数は、鉛直方向の光の透過角θ及び水平方向の光の透過角φの関数fstd(θ,φ)として定義される。
透過光測定装置2-1に備えた演算部(図2(1)には示していない)は、事前に準備した基準物体について、図2(1)の構成にて、透過光の輝度分布Lstd(θ,φ)を測定しておく。そして、演算部は、測定対象11について、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定する。
演算部は、基準物体の予め設定された双方向透過率分布関数fstd(θ,φ)、基準物体の測定された透過光の輝度分布Lstd(θ,φ)及び測定対象11の測定された透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を用いて、前記式(1)にて、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を算出する。これにより、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を得ることができる。
以上のように、実施例2の透過光測定装置2-1によれば、図2(1)に示した構成において光学レンズ14を用いることで、測定対象11の透過光を受光素子15へ導くようにした。
これにより、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、図12(1)及び図12(2)に示した従来の手法のような光量の損失が生じることがない。したがって、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
〔実施例2の変形例〕
次に、実施例2の変形例について説明する。図2(2)は、実施例2の変形例における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この透過光測定装置2-2は、測定対象設置部18、照明光源13、光学レンズ14、受光素子15及び集光レンズアレイ17を備えている。
集光レンズアレイ17は、図1(2)に示した実施例1の反射光測定装置1-2に備えた集光レンズアレイ17と同様に、正の焦点距離を有する複数の光学レンズ17aにより構成され、光学レンズ17aの焦点距離だけ離れた位置に、受光素子15が配置されている。
透過光測定装置2-2は、図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1の構成に加え、集光レンズアレイ17を備えている点で、透過光測定装置2-1と相違する。その他の構成は同じである。図2(2)において、図2(1)と共通する部分には図2(1)と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象11が照明されると、測定対象11にて透過した光のうち、光学レンズ14の方向へ進行する光が、光学レンズ14により屈折作用を受けた後、平行光となって集光レンズアレイ17の方向へ進行する。
そして、測定対象11にて透過した光学レンズ14の方向へ進行する光のうち、方向16bを中心とした立体角16cを有する光が、光学レンズ14を介して光学レンズ17aで集光され、受光素子15の位置15bで受光される。
このような構成により、透過光測定装置2-2は、透過光測定装置2-1と同様に、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができ、前記式(1)にて、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を算出することができる。
以上のように、実施例2の変形例の透過光測定装置2-2によれば、透過光測定装置2-1と同様に、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1では、集光レンズアレイ17を備えていないため、受光素子15を構成する全ての画素が、測定対象11にて複数の方向に透過する光の透過角(θ,φ)に対応付けられている。このため、高い角度分解能で透過特性を測定することができる利点があるが、透過光の輝度が低い場合は、信号対雑音比が低下し、輝度の測定が困難となる場合が想定される。
これに対し、実施例2の変形例の透過光測定装置2-2では、方向16bを中心とした立体角16cを有する光を光学レンズ17aで集光し、受光素子15の位置15bで受光する。これにより、透過光の輝度が低い場合であっても、信号対雑音比の低下を回避することができ、結果として、測定対象11の光学特性を一層高精度に測定することができる。
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。図3は、実施例3における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この反射光測定装置3-1は、測定対象設置部12、照明光源13、測定対象11にて複数の方向へ反射した光を反射させる放物面鏡19、放物面鏡19にて反射した光をさらに反射させる放物面鏡20、放物面鏡20にて反射した光の方向を屈折させる光学レンズ21、測定対象11にて反射した光の一部を遮蔽する遮蔽部材31、及び、光学レンズ21にて屈折した光を受光する受光素子15を備えている。
また、図3には、放物面鏡19に入射する光の範囲を表す立体角16aが示されている。放物面鏡19は、中央に開口を有する放物面の形状で構成されている。放物面鏡20は、放物面の形状で構成されている。遮蔽部材31は、円形状の平板で構成されている。
測定対象11は、放物面鏡19の焦点位置に配置されている。照明光源13は、放物面鏡19に備えた後述する開口部22を介して、測定対象11を照明することが可能な位置であって、測定対象11にて反射した光を遮蔽しない位置に配置されている。
放物面鏡19は、放物面鏡20にて反射した光を光学レンズ21の方向へ通過させるための輪状の開口部22を備えている。つまり、開口部22は、照明光源13が測定対象11を照明し、かつ放物面鏡20にて反射した光が光学レンズ21へ向けて通過するための開口である。
放物面鏡20及び光学レンズ21は、放物面鏡20の焦点位置と光学レンズ21の前側(測定対象11とは反対側)焦点位置とが一致する状態(一致する位置が焦点23である。)で配置されている。光学レンズ21は、負の焦点距離を有する。
受光素子15は、光学レンズ21に対して(を基準として)測定対象11の反対側に、光学レンズ21の光軸に直交する平面に配置されている。遮蔽部材31は、放物面鏡19に備えた輪状の開口部22の中央に設けられており、測定対象11にて反射した光が光学レンズ21へ直接進行しないように、当該光の進行を遮蔽すると共に、当該光を反射させない材料で構成されている。
図11(1)は、実施例3,4及びそれらの変形例における遮蔽部材31の第1設置例を示す概略図であり、図11(2)は、遮蔽部材31の第2設置例を示す概略図である。
図11(1)に示す第1設置例では、遮蔽部材31は、当該遮蔽部材31の中心と光学レンズ21の中心とを固定する保持部材33により、光学レンズ21に保持されるように設置される。遮蔽部材31の中心と保持部材33の一端とは、例えば接着剤により固定され、光学レンズ21の中心と保持部材33の他端とは、例えば接着剤により固定される。保持部材33は、反射光または後述する図5及び図6に示す透過光が通過しない位置に設置される。
また、図11(2)に示す第2設置例では、遮蔽部材31は、当該遮蔽部材31及び放物面鏡19の中心を通る直線上において、当該遮蔽部材31の外縁と放物面鏡19の内縁とを固定する2つの保持部材34-1,34-2により、放物面鏡19に保持されるように設置される。遮蔽部材31の外縁の所定箇所と保持部材34-1の一端とは、例えば接着剤により固定され、放物面鏡19の内縁の所定箇所と、保持部材34-1の他端とは、例えば接着剤により固定される。同様に、遮蔽部材31の外縁の他の箇所と保持部材34-2の一端とは、例えば接着剤により固定され、放物面鏡19の内縁の他の箇所と、保持部材34-2の他端とは、例えば接着剤により固定される。
(光路)
図3に戻って、照明光源13により測定対象11が照明されると、測定対象11にて反射した光のうち、放物面鏡19の方向へ進行する光が、放物面鏡19にて反射作用を受けた後、平行光となって放物面鏡20の方向へ進行する。そして、放物面鏡20にて反射した光が、開口部22を介して放物面鏡20の焦点23の方向へ進行するが、光学レンズ21の屈折作用を受けた後、受光素子15にて受光される。
測定対象11では、立体角16aの範囲内で様々な方向へ光が反射し、その反射光が放物面鏡20にて反射するが、放物面鏡20の焦点位置と光学レンズ21の前側焦点位置とが一致する状態で配置されているため、光学レンズ21により屈折作用を受けた光は、平行光となって受光素子15へ到達する。例えば図3において、測定対象11から放物面鏡19,20を介して、光学レンズ21の方向16bへ反射した光は、光学レンズ21の屈折作用により平行光となり、受光素子15の位置15aで受光される。
このような構成により、反射光測定装置3-1は、測定対象11にて複数の方向に反射した光の反射角(θ,φ)と、受光素子15で受光される位置とが対応付けられた形で、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができる。
尚、反射光測定装置3-1は、反射角(θ,φ)の方向へ反射する光の輝度として、受光素子15を構成する画素毎の出力値を測定してもよい。また、反射光測定装置3-1は、受光素子15を構成する複数の画素の出力値に対して、平均値を算出する等の統計的な処理を施すようにしてもよい。
また、反射光測定装置3-1は、放物面鏡19の開口部22を通して、照明光源13により測定対象11を照明するが、放物面鏡19と測定対象11との間の任意の位置に照明光源13を配置して、測定対象11を照明するようにしてもよい。
また、反射光測定装置3-1は、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、測定対象11の反射光特性を表す双方向反射率分布関数を算出するようにしてもよい。この場合、反射光測定装置3-1に備えた演算部(図3には示していない)は、基準物体の予め設定された双方向反射率分布関数fstd(θ,φ)、基準物体の測定された反射光の輝度分布Lstd(θ,φ)及び測定対象11の測定された反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を用いて、前記式(1)にて、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を算出する。
以上のように、実施例3の反射光測定装置3-1によれば、図3に示した構成において、放物面鏡19,20及び光学レンズ21を用いることで、測定対象11の反射光を受光素子15へ導くようにした。
これにより、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、図12(1)及び図12(2)に示した従来の手法のような光量の損失が生じることがない。したがって、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1では、広範囲の反射光を測定する場合、光学レンズ14のサイズを大きくする必要がある。これに対し、実施例3の反射光測定装置3-1では、光学レンズ14に比べ、光学レンズ21のサイズは小さくて済む。つまり、反射光測定装置3-1では、光学レンズ21のサイズを大きくすることなく、広範囲の反射光を測定することができるため、コストを下げると共に、省スペース化を実現できる。
〔実施例3の変形例〕
次に、実施例3の変形例について説明する。図4は、実施例3の変形例における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この反射光測定装置3-2は、測定対象設置部12、照明光源13、放物面鏡19,20、光学レンズ21、遮蔽部材31、受光素子15、及び、光学レンズ21と受光素子15との間に集光レンズアレイ17を備えている。
集光レンズアレイ17は、正の焦点距離を有する複数の光学レンズ17aを備えて構成され、受光素子15と平行となるように配置されている。また、光学レンズ17aの焦点距離だけ離れた位置に、受光素子15が配置されている。
反射光測定装置3-2は、図3に示した実施例3の反射光測定装置3-1の構成に加え、集光レンズアレイ17を備えている点で、反射光測定装置3-1と相違する。その他の構成は同じである。図4において、図3と共通する部分には図3と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象11が照明されてから、測定対象11にて反射した光が放物面鏡19,20にて反射し、光学レンズ21の屈折作用を受けた後に平行光となるまでの光路は、図3に示した実施例3の反射光測定装置3-1と同様である。
測定対象11にて反射し、放物面鏡19,20にて反射して開口部22を介して光学レンズ21の方向へ進行する光のうち、方向16bを中心とした図示しない立体角(図1(2)の立体角16cに相当)を有する光が、光学レンズ21を介して光学レンズ17aで集光され、受光素子15の位置15bで受光される。
このような構成により、反射光測定装置3-2は、反射光測定装置3-1と同様に、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができ、前記式(1)にて、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を算出することができる。
以上のように、実施例3の変形例の反射光測定装置3-2によれば、反射光測定装置3-1と同様に、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、実施例3の変形例の反射光測定装置3-2は、方向16bを中心とした図示しない立体角を有する光を光学レンズ17aで集光し、受光素子15の位置15bで受光する。これにより、実施例1の変形例と同様に、反射光の輝度が低い場合であっても、実施例3の反射光測定装置3-1よりも信号対雑音比の低下を回避することができ、結果として、測定対象11の光学特性を一層高精度に測定することができる。
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。図5は、実施例4における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この透過光測定装置4-1は、測定対象11を設置する測定対象設置部18、照明光源13、放物面鏡19,20、光学レンズ21、遮蔽部材31及び受光素子15を備えている。測定対象設置部18は、図2(1)と同様に、照明光源13により測定対象11を照射するための開口部30を備えている。
図3に示した実施例3の反射光測定装置3-1とこの透過光測定装置4-1とを比較すると、反射光測定装置3-1及び透過光測定装置4-1は、放物面鏡19,20、光学レンズ21、遮蔽部材31及び受光素子15を備えている点で共通する。一方、透過光測定装置4-1は、図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1と同様に、測定対象11を照明する方向が反射光測定装置3-1とは異なる照明光源13、及び開口部30を備えた測定対象設置部18を備えている点で、反射光測定装置3-1と相違する。図5において、図3と共通する部分には図3と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象設置部18の開口部30を介して測定対象11が照明されると、測定対象11にて透過した光のうち、放物面鏡19の方向へ進行する光が、放物面鏡19にて反射作用を受けた後、平行光となって放物面鏡20の方向へ進行する。そして、図3に示した実施例3の反射光測定装置3-1と同様に、放物面鏡20にて反射した光が、放物面鏡20の焦点23の方向へ進行するが、光学レンズ21の屈折作用を受けた後、受光素子15にて受光される。
受光素子15で受光した光が測定対象11にて反射した光ではなく、測定対象11を透過した光である点を除いて、その光路は、図3に示した実施例3の反射光測定装置3-1と同様である。
このような構成により、透過光測定装置4-1は、複数の方向に透過した光の透過角(θ,φ)と、受光素子15で受光される位置とが対応付けられた形で、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができる。
尚、透過光測定装置4-1は、透過角(θ,φ)の方向へ透過する光の輝度として、受光素子15を構成する画素毎の出力値を測定してもよい。また、透過光測定装置4-1は、受光素子15を構成する複数の画素の測定値に対して、平均値を算出する等の統計的な処理を施すようにしてもよい。
また、透過光測定装置4-1は、図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1と同様に、測定対象11の透過光特性を表す双方向透過率分布関数を算出するようにしてもよい。この場合、透過光測定装置4-1に備えた演算部(図5には示していない)は、基準物体の予め設定された双方向透過率分布関数fstd(θ,φ)、基準物体の測定された透過光の輝度分布Lstd(θ,φ)及び測定対象11の測定された透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を用いて、前記式(1)にて、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を算出する。
以上のように、実施例4の透過光測定装置4-1によれば、図5に示した構成において、放物面鏡19,20及び光学レンズ21を用いることで、測定対象11の透過光を受光素子15へ導くようにした。
これにより、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、図12(1)及び図12(2)に示した従来の手法のような光量の損失が生じることがない。したがって、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1では、広範囲の透過光を測定する場合、光学レンズ14のサイズを大きくする必要がある。これに対し、実施例4の透過光測定装置4-1では、光学レンズ14に比べ、光学レンズ21のサイズは小さくて済む。つまり、透過光測定装置4-1では、光学レンズ21のサイズを大きくすることなく、広範囲の透過光を測定することができるため、コストを下げると共に、省スペース化を実現できる。
〔実施例4の変形例〕
次に、実施例4の変形例について説明する。図6は、実施例4の変形例における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この透過光測定装置4-2は、測定対象設置部18、照明光源13、放物面鏡19,20、光学レンズ21、受光素子15及び集光レンズアレイ17を備えている。
集光レンズアレイ17は、図2(2)に示した実施例2の変形例の透過光測定装置2-2に備えた集光レンズアレイ17と同様に、正の焦点距離を有する複数の光学レンズ17aにより構成され、光学レンズ17aの焦点距離だけ離れた位置に、受光素子15が配置されている。
透過光測定装置4-2は、図5に示した実施例4の透過光測定装置4-1の構成に加え、集光レンズアレイ17を備えている点で、透過光測定装置4-1と相違する。その他の構成は同じである。図6において、図5と共通する部分には図5と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象設置部18の開口部30を介して測定対象11が照明されると、測定対象11にて透過した光のうち、放物面鏡19の方向へ進行する光が、図5に示した実施例4の透過光測定装置4-1と同様に、放物面鏡19にて反射作用を受けた後、平行光となって放物面鏡20の方向へ進行し、放物面鏡20にて反射した光が、放物面鏡20の焦点23の方向へ進行するが、光学レンズ21の屈折作用を受けた後、平行光となって集光レンズアレイ17の方向へ進行する。
受光素子15で受光した光が測定対象11にて反射した光ではなく、測定対象11を透過した光である点を除いて、その光路は、図4に示した実施例3の変形例の反射光測定装置3-2と同様である。
このような構成により、透過光測定装置4-2は、透過光測定装置4-1と同様に、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができ、前記式(1)にて、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を算出することができる。
以上のように、実施例4の変形例の透過光測定装置4-2によれば、透過光測定装置4-1と同様に、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、実施例4の変形例の透過光測定装置4-2では、実施例2の変形例と同様に、透過光の輝度が低い場合であっても、実施例4の透過光測定装置4-1よりも信号対雑音比の低下を回避することができ、結果として、測定対象11の光学特性を一層高精度に測定することができる。
また、実施例4の変形例の透過光測定装置4-2では、実施例2の変形例における光学レンズ14に比べて、光学レンズ21のサイズを大きくすることなく、広範囲の透過光を測定することができるため、コストを下げると共に、省スペース化を実現できる。
〔実施例5〕
次に、実施例5について説明する。図7は、実施例5における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この反射光測定装置5-1は、測定対象設置部12、照明光源13、放物面鏡19,20、測定対象11から複数の方向へ反射する光の方向を屈折させる光学レンズ24,25、放物面鏡20にて反射した光の方向を屈折させる光学レンズ26、測定対象11にて反射した光の一部を遮蔽する遮蔽部材32、及び、光学レンズ24,25,26にて屈折した光を受光する受光素子15を備えている。
また、図7には、放物面鏡19に入射する光の範囲を表す立体角16a、光学レンズ24に入射する光の範囲を表す立体角16c、及び、光学レンズ25に入射する光の範囲を表す立体角16dが示されている。放物面鏡19,20は、図3に示した放物面鏡19,20と同様の形状にて構成されている。光学レンズ24,25,26は一体的に構成されている。遮蔽部材32は、中央に開口部27を備えたリング状の平板で構成されている。
測定対象11は、放物面鏡19の焦点位置に配置されている。照明光源13は、放物面鏡19に備えた開口部22を介して、測定対象11を照明することが可能な位置であって、測定対象11にて反射した光を遮蔽しない位置に配置されている。
放物面鏡19は、測定対象11にて反射した光を光学レンズ25の方向へ通過させると共に、放物面鏡20にて反射した光を光学レンズ26の方向へ通過させるための輪状の開口部22を備えている。つまり、開口部22は、照明光源13が測定対象11を照明し、かつ測定対象11にて反射した光が光学レンズ25へ向けて通過し、かつ放物面鏡20にて反射した光が光学レンズ26へ向けて通過するための開口である。
放物面鏡20及び光学レンズ26は、放物面鏡20の焦点位置と光学レンズ26の前側焦点位置とが一致する状態(一致する位置が焦点23である。)で配置されている。光学レンズ26は、負の焦点距離を有する。
光学レンズ24は、測定対象11及び受光素子15が光学的共役関係となるように配置されている。光学レンズ25は、光学レンズ25の前側焦点位置と測定対象11の位置とが一致する状態で配置されている。光学レンズ24,25は、正の焦点距離を有する。
受光素子15は、光学レンズ24,25,26に対して(を基準として)測定対象11の反対側に、光学レンズ24,25,26の光軸に直交する平面に配置されている。遮蔽部材32は、放物面鏡19に備えた輪状の開口部22の中央に設けられており、測定対象11にて反射した光が光学レンズ26へ直接進行しないように、当該光の進行を遮蔽すると共に、当該光を反射させない材料で構成されている。
図11(3)は、実施例5,6及びそれらの変形例における遮蔽部材32の第1設置例を示す概略図であり、図11(4)は、実施例5,6及びそれらの変形例における遮蔽部材32の第2設置例を示す概略図である。
図11(3)に示す第1設置例では、遮蔽部材32は、当該遮蔽部材32に備えた開口部27に近い個所と光学レンズ24,26の結合した個所(または光学レンズ24,26のいずれかの個所)とを固定する2つの保持部材33-1,33-2により、光学レンズ24,25,26に保持されるように設置される。保持部材33-1,33-2は、反射光または後述する図9及び図10に示す透過光が通過しない位置に設置される。
また、図11(4)に示す第2設置例では、遮蔽部材32は、当該遮蔽部材32及び放物面鏡19の中心を通る直線上において、当該遮蔽部材32の外縁と放物面鏡19の内縁とを固定する2つの保持部材34-1,34-2により、放物面鏡19に保持されるように設置される。
図11(3)に示す第1設置例では、図11(1)と同様に、遮蔽部材32及び光学レンズ24,26と保持部材33-1,33-2の端とが、例えば接着剤により固定される。また、図11(4)に示す第2設置例では、図11(2)と同様に、遮蔽部材32及び放物面鏡19と保持部材34-1,34-2の端とが、例えば接着剤により固定される。
(光路)
図7に戻って、照明光源13により測定対象11が照明されると、測定対象11にて反射した光のうち、放物面鏡19の方向へ進行する光が、放物面鏡19にて反射作用を受けた後、平行光となって放物面鏡20の方向へ進行する。そして、放物面鏡20にて反射した光が、開口部22を介して放物面鏡20の焦点23の方向へ進行するが、光学レンズ26の屈折作用を受けた後、平行光となって受光素子15にて受光される。例えば、測定対象11にて反射した光のうち、放物面鏡19へ進行して反射し、放物面鏡20へ進行して反射した方向16bの光が、光学レンズ26の屈折作用を受けた後、受光素子15の位置15aにて受光される。
また、測定対象11では、立体角16dの範囲内で、様々な方向へ光が反射するが、光学レンズ25の前側焦点位置と測定対象11の位置とが一致する状態で配置されているため、光学レンズ25により屈折作用を受けた光は、平行光となって受光素子15へ到達する。例えば、測定対象11にて反射した光のうち方向16eの光が、光学レンズ25にて屈折した後、受光素子15の位置15bにて受光される。
また、測定対象11にて反射した光のうち、遮蔽部材32に備えた開口部27を通過した立体角16cの光が、光学レンズ24の方向へ進行し、光学レンズ24にて屈折作用を受けた後、受光素子15の位置15cにて受光される。
このような構成により、反射光測定装置5-1は、測定対象11にて複数の方向に反射した光の反射角(θ,φ)と、受光素子15で受光される位置とが対応付けられた形で、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができる。
尚、反射光測定装置5-1は、反射角(θ,φ)の方向へ反射する光の輝度として、受光素子15を構成する画素毎の出力値を測定してもよい。また、反射光測定装置5-1は、受光素子15を構成する複数の画素の出力値に対して、平均値を算出する等の統計的な処理を施すようにしてもよい。
また、反射光測定装置5-1は、放物面鏡19の開口部22を通して、照明光源13により測定対象11を照明するが、放物面鏡19と測定対象11との間の任意の位置に照明光源13を配置して、測定対象11を照明するようにしてもよい。
また、反射光測定装置5-1は、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、測定対象11の反射光特性を表す双方向反射率分布関数を算出するようにしてもよい。この場合、反射光測定装置5-1に備えた演算部(図7には示していない)は、基準物体の予め設定された双方向反射率分布関数fstd(θ,φ)、基準物体の測定された反射光の輝度分布Lstd(θ,φ)及び測定対象11の測定された反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を用いて、前記式(1)にて、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を算出する。
以上のように、実施例5の反射光測定装置5-1によれば、図7に示した構成において、放物面鏡19,20及び光学レンズ24,25,26を用いることで、測定対象11の反射光を受光素子15へ導くようにした。
これにより、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、図12(1)及び図12(2)に示した従来の手法のような光量の損失が生じることがない。したがって、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、図3に示した実施例3の反射光測定装置3-1では、遮蔽部材31が設置されているため、角度の浅い反射光について測定することができない。これに対し、実施例5の反射光測定装置5-1では、遮蔽部材32に開口部27が設けられているため、角度の浅い反射光についても測定することができる。
〔実施例5の変形例〕
次に、実施例5の変形例について説明する。図8は、実施例5の変形例における反射光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この反射光測定装置5-2は、測定対象設置部12、照明光源13、放物面鏡19,20、光学レンズ24,25,26、遮蔽部材32、受光素子15、及び、光学レンズ24,25,26と受光素子15との間に集光レンズアレイ17を備えている。
集光レンズアレイ17は、正の焦点距離を有する複数の光学レンズ17aを備えて構成され、受光素子15と平行となるように配置されている。また、光学レンズ17aの焦点距離だけ離れた位置に、受光素子15が配置されている。
反射光測定装置5-2は、図7に示した実施例5の反射光測定装置5-1の構成に加え、集光レンズアレイ17を備えている点で、反射光測定装置5-1と相違する。その他の構成は同じである。図8において、図7と共通する部分には図7と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象11が照明されてから、測定対象11にて反射した光が放物面鏡19,20にて反射し、光学レンズ26の屈折作用を受けた後に平行光となるまでの光路、測定対象11にて反射した光が光学レンズ25の屈折作用を受けた後に平行光となるまでの光路、及び、測定対象11にて反射した光が光学レンズ24の屈折作用を受けて受光素子15の方向へ進行する光路は、図7に示した実施例5の反射光測定装置5-1と同様である。
測定対象11にて反射し、放物面鏡19,20にて反射し、開口部22を通過して光学レンズ26の方向へ進行する光のうち、図示しない立体角を有する光が、光学レンズ26にて屈折して光学レンズ17aで集光され、受光素子15にて受光される。
また、測定対象11にて反射し、開口部22を通過した光のうち、図示しない立体角を有する光が、光学レンズ25にて屈折して光学レンズ17aで集光され、受光素子15にて受光される。
また、測定対象11にて反射し、開口部27を通過した光のうち、図示しない立体角を有する光が、光学レンズ24にて屈折して受光素子15で受光される。
このような構成により、反射光測定装置5-2は、反射光測定装置5-1と同様に、反射光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができ、前記式(1)にて、測定対象11の双方向反射率分布関数fobj(θ,φ)を算出することができる。
以上のように、実施例5の変形例の反射光測定装置5-2によれば、反射光測定装置5-1と同様に、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、実施例5の変形例の反射光測定装置5-2は、実施例1の変形例と同様に、反射光の輝度が低い場合であっても、実施例5の反射光測定装置5-1よりも信号対雑音比の低下を回避することができ、結果として、測定対象11の光学特性を一層高精度に測定することができる。
〔実施例6〕
次に、実施例6について説明する。図9は、実施例6における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この透過光測定装置6-1は、測定対象11を設置する測定対象設置部18、照明光源13、放物面鏡19,20、光学レンズ24,25,26、遮蔽部材32及び受光素子15を備えている。測定対象設置部18は、図2(1)と同様に、照明光源13により測定対象11を照射するための開口部30を備えている。
図7に示した実施例5の反射光測定装置5-1とこの透過光測定装置6-1とを比較すると、反射光測定装置5-1及び透過光測定装置6-1は、放物面鏡19,20、光学レンズ24,25,26、遮蔽部材32及び受光素子15を備えている点で共通する。一方、透過光測定装置6-1は、図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1と同様に、測定対象11を照明する方向が反射光測定装置5-1とは異なる照明光源13、及び開口部30を備えた測定対象設置部18を備えている点で、反射光測定装置5-1と相違する。図9において、図7と共通する部分には図7と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象設置部18の開口部30を介して測定対象11が照明されると、測定対象11にて透過した光のうち、放物面鏡19の方向へ進行する光が、放物面鏡19にて反射作用を受けた後、平行光となって放物面鏡20の方向へ進行する。そして、図7に示した実施例5の反射光測定装置5-1と同様に、放物面鏡20にて反射した光が、放物面鏡20の焦点23の方向へ進行するが、光学レンズ26の屈折作用を受けた後、平行光となって受光素子15にて受光される。
また、測定対象11にて透過した光のうち、放物面鏡19に備えた開口部22を介して光学レンズ25の方向へ進行する光が、光学レンズ25の屈折作用を受けた後、平行光となって受光素子15にて受光される。また、測定対象11にて透過した光のうち、遮蔽部材32に備えた開口部27を介して光学レンズ24の方向へ進行する光が、光学レンズ24の屈折作用を受けた後、受光素子15にて受光される。
受光素子15で受光した光が測定対象11にて反射した光ではなく、測定対象11を透過した光である点を除いて、その光路は、図7に示した実施例5の反射光測定装置5-1と同様である。
このような構成により、透過光測定装置6-1は、複数の方向に透過した光の透過角(θ,φ)と、受光素子15で受光される位置とが対応付けられた形で、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができる。
尚、透過光測定装置6-1は、透過角(θ,φ)の方向へ透過する光の輝度として、受光素子15を構成する画素毎の出力値を測定してもよい。また、透過光測定装置6-1は、受光素子15を構成する複数の画素の測定値に対して、平均値を算出する等の統計的な処理を施すようにしてもよい。
また、透過光測定装置6-1は、図2(1)に示した実施例2の透過光測定装置2-1と同様に、測定対象11の透過光特性を表す双方向透過率分布関数を算出するようにしてもよい。この場合、透過光測定装置6-1に備えた演算部(図9には示していない)は、基準物体の予め設定された双方向透過率分布関数fstd(θ,φ)、基準物体の測定された透過光の輝度分布Lstd(θ,φ)及び測定対象11の測定された透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を用いて、前記式(1)にて、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を算出する。
以上のように、実施例6の透過光測定装置6-1によれば、図9に示した構成において、放物面鏡19,20及び光学レンズ24,25,26を用いることで、測定対象11の透過光を受光素子15へ導くようにした。
これにより、図1(1)に示した実施例1の反射光測定装置1-1と同様に、図12(1)及び図12(2)に示した従来の手法のような光量の損失が生じることがない。したがって、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、図5に示した実施例4の透過光測定装置4-1では、遮蔽部材31が設置されているため、角度の浅い透過光について測定することができない。これに対し、実施例6の透過光測定装置6-1では、遮蔽部材32に開口部27が設けられているため、角度の浅い透過光についても測定することができる。
〔実施例6の変形例〕
次に、実施例6の変形例について説明する。図10は、実施例6の変形例における透過光測定装置の構成例を示す概略図である。
(構成及び配置)
この透過光測定装置6-2は、測定対象設置部18、照明光源13、放物面鏡19,20、光学レンズ24,25,26、遮蔽部材32、受光素子15、及び、光学レンズ24,25,26と受光素子15との間に集光レンズアレイ17を備えている。
集光レンズアレイ17は、正の焦点距離を有する複数の光学レンズ17aを備えて構成され、受光素子15と平行となるように配置されている。また、光学レンズ17aの焦点距離だけ離れた位置に、受光素子15が配置されている。
透過光測定装置6-2は、図9に示した実施例6の透過光測定装置6-1の構成に加え、集光レンズアレイ17を備えている点で、透過光測定装置6-1と相違する。その他の構成は同じである。図10において、図9と共通する部分には図9と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
(光路)
照明光源13により測定対象11が照明されてから、測定対象11にて透過した光が放物面鏡19,20にて反射し、光学レンズ26の屈折作用を受けた後に平行光となるまでの光路、測定対象11にて透過した光が光学レンズ25の屈折作用を受けた後に平行光となるまでの光路、及び、測定対象11にて透過した光が光学レンズ24の屈折作用を受けて受光素子15の方向へ進行する光路は、図9に示した実施例6の透過光測定装置6-1と同様である。
測定対象11にて透過し、放物面鏡19,20にて反射し、開口部22を通過して光学レンズ26の方向へ進行する光のうち、図示しない立体角を有する光が、光学レンズ26にて屈折して光学レンズ17aで集光され、受光素子15にて受光される。
また、測定対象11にて透過し、開口部22を通過した光のうち、図示しない立体角を有する光が、光学レンズ25にて屈折して光学レンズ17aで集光され、受光素子15にて受光される。
また、測定対象11にて透過し、開口部27を通過した光のうち、図示しない立体角を有する光が、光学レンズ24にて屈折して受光素子15で受光される。
このような構成により、透過光測定装置6-2は、透過光測定装置6-1と同様に、透過光の輝度分布Lobj(θ,φ)を測定することができ、前記式(1)にて、測定対象11の双方向透過率分布関数fobj(θ,φ)を算出することができる。
以上のように、実施例6の変形例の透過光測定装置6-2によれば、透過光測定装置6-1と同様に、光量の損失を抑制し、測定対象11の光学特性を高精度に測定することができる。
また、実施例6の変形例の透過光測定装置6-2は、実施例2の変形例と同様に、透過光の輝度が低い場合であっても、実施例6の透過光測定装置6-1よりも信号対雑音比の低下を回避することができ、結果として、測定対象11の光学特性を一層高精度に測定することができる。
以上、実施例1~6を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1~6に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、前記実施例1,3,5及びそれらの変形例では、照明光源13により測定対象11を照明し、測定対象11で反射した光を測定することで、測定対象11の反射特性を測定するようにした。また、前記実施例2,4,6及びそれらの変形例では、照明光源13により測定対象11を照明し、測定対象11で透過した光を測定することで、測定対象11の透過特性を測定するようにした。
これに対し、本発明は、測定対象11が自発光体である場合についても適用がある。具体的には、光学特性測定装置は、照明光源13を用いることなく、実施例1~6及びそれらの変形例の構成により、測定対象11である自発光体の配光分布を測定することで、測定対象11の光学特性を測定する。
具体的には、実施例1,2に対応する光学特性測定装置は、測定対象11にて複数の方向へ発光した光を屈折させる光学レンズ14及び受光素子15を備える。また、実施例1,2の変形例に対応する光学特性測定装置は、さらに集光レンズアレイ17を備える。
実施例3,4に対応する光学特性測定装置は、測定対象11にて複数の方向へ発光した光を反射させる放物面鏡19、放物面鏡20、光学レンズ21及び受光素子15を備える。また、実施例3,4の変形例に対応する光学特性測定装置は、さらに集光レンズアレイ17を備える。
実施例5,6に対応する光学特性測定装置は、測定対象11にて複数の方向へ発光した光を反射させる放物面鏡19、放物面鏡20、測定対象11にて複数の方向へ発光した光を屈折させる光学レンズ24,25、放物面鏡20にて反射した光を屈折させる光学レンズ26、及び受光素子15を備える。また、実施例5,6の変形例に対応する光学特性測定装置は、さらに集光レンズアレイ17を備える。
また、実施例1~6及びそれらの変形例の反射光測定装置1-1等は、照明光源13と測定対象11との間に任意の偏光フィルタを備えるようにしてもよいし、受光素子15と光学レンズ14等との間に任意の偏光フィルタを備えるようにしてもよい。測定対象11が自発光体の場合には、自発光測定装置は、測定対象11である自発光体と光学レンズ14等との間に任意の偏光フィルタを備えるようにしてもよく、受光素子15と光学レンズ14等との間に任意の偏光フィルタを備えるようにしてもよい。
1-1,1-2,3-1,3-2,5-1,5-2,100,110 反射光測定装置
2-1,2-2,4-1,4-2,6-1,6-2 透過光測定装置
11,101,111 測定対象
12,18 測定対象設置部
13,114 照明光源
14,17a,21,24,25,26 光学レンズ
15 受光素子
15a,15b,15c 位置
16a,16c,16d 立体角
16b,16e,118 方向
17 集光レンズアレイ
19,20 放物面鏡
22,27,30,117 開口部
23 焦点
31,32 遮蔽部材
33,33-1,33-2,34-1,34-2 保持部材
102 楕円鏡
103 プロジェクター
104,115 カメラ
105 半透鏡
106 イメージプレーン
112 楕円透過鏡ドーム
113 鏡面反射板
116 筒状部材

Claims (10)

  1. 測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、
    前記測定対象を照射する照明光源と、
    前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を屈折させる光学レンズと、
    前記光学レンズにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、
    前記測定対象は、前記光学レンズの前側焦点位置に配置され、
    前記光学レンズは、正の焦点距離を有し、
    前記受光素子は、前記光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  2. 請求項1に記載の光学特性測定装置において、
    前記光学レンズは、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を屈折させる、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の光学特性測定装置において、
    さらに、前記光学レンズと前記受光素子との間に、前記光学レンズにより屈折した光を集光する集光レンズアレイを備え、
    前記集光レンズアレイは、正の焦点距離を有する複数のレンズを備え、前記受光素子と平行になるように配置され、
    前記受光素子は、前記複数のレンズの前記焦点距離だけ離れた位置に配置され、前記集光レンズアレイにより集光した光を受光する、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  4. 測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、
    前記測定対象を照射する照明光源と、
    前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を反射させる第1の放物面鏡と、
    前記第1の放物面鏡により反射した光を反射させる第2の放物面鏡と、
    前記第2の放物面鏡により反射した光を屈折させる光学レンズと、
    前記光学レンズにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、
    前記測定対象は、前記第1の放物面鏡の焦点位置に配置され、
    前記第1の放物面鏡は、前記第2の放物面鏡により反射した光が前記光学レンズへ向けて通過するための輪状の開口部を備え、
    前記第2の放物面鏡及び前記光学レンズは、前記第2の放物面鏡の焦点位置と前記光学レンズの前側焦点位置とが一致するように配置され、
    前記光学レンズは、負の焦点距離を有し、
    前記受光素子は、前記光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  5. 請求項4に記載の光学特性測定装置において、
    前記第1の放物面鏡は、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を反射させる、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  6. 請求項4または5に記載の光学特性測定装置において、
    さらに、前記光学レンズと前記受光素子との間に、前記光学レンズにより屈折した光を集光する集光レンズアレイを備え、
    前記集光レンズアレイは、正の焦点距離を有する複数のレンズを備え、前記受光素子と平行になるように配置され、
    前記受光素子は、前記複数のレンズの前記焦点距離だけ離れた位置に配置され、前記集光レンズアレイにより集光した光を受光する、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  7. 測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、
    前記測定対象を照射する照明光源と、
    前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を反射させる第1の放物面鏡と、
    前記第1の放物面鏡により反射した光を反射させる第2の放物面鏡と、
    前記測定対象にて複数の方向へ反射した光を屈折させる第1の光学レンズ及び第2の光学レンズと、
    前記第2の放物面鏡により反射した光を屈折させる第3の光学レンズと、
    前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズのそれぞれにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、
    前記測定対象は、前記第1の放物面鏡の焦点位置に配置され、
    前記第1の放物面鏡は、前記第2の放物面鏡により反射した光が前記第3の光学レンズへ向けて通過すると共に、前記測定対象にて反射した光が前記第2の光学レンズへ向けて通過するための輪状の開口部を備え、
    前記第2の放物面鏡及び前記第3の光学レンズは、前記第2の放物面鏡の焦点位置と前記第3の光学レンズの前側焦点位置とが一致するように配置され、
    前記第1の光学レンズは、正の焦点距離を有し、前記測定対象と前記受光素子とが光学的共役関係となるように配置され、
    前記第2の光学レンズは、正の焦点距離を有し、前記第2の光学レンズの前側焦点位置と前記測定対象の位置とが一致するように配置され、
    前記第3の光学レンズは、負の焦点距離を有し、
    前記受光素子は、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  8. 請求項7に記載の光学特性測定装置において、
    前記第1の放物面鏡は、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を反射させ、
    前記第1の光学レンズ及び前記第2の光学レンズは、前記測定対象にて複数の方向へ透過した光を屈折させる、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  9. 請求項7または8に記載の光学特性測定装置において、
    さらに、前記第1の光学レンズ、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズと前記受光素子との間に、前記第2の光学レンズ及び前記第3の光学レンズにより屈折した光を集光する集光レンズアレイを備え、
    前記集光レンズアレイは、正の焦点距離を有する複数のレンズを備え、前記受光素子と平行になるように配置され、
    前記受光素子は、前記複数のレンズの前記焦点距離だけ離れた位置に配置され、前記第1の光学レンズにより屈折した光を受光すると共に、前記集光レンズアレイにより集光した光を受光する、ことを特徴とする光学特性測定装置。
  10. 測定対象の光学特性を測定する光学特性測定装置において、
    前記測定対象を自発光体とし、
    前記測定対象にて複数の方向へ発光した光を屈折させる光学レンズと、
    前記光学レンズにより屈折した光を受光する受光素子と、を備え、
    前記測定対象は、前記光学レンズの前側焦点位置に配置され、
    前記光学レンズは、正の焦点距離を有し、
    前記受光素子は、前記光学レンズに対して前記測定対象の反対側に、前記光学レンズの光軸に直交する平面に配置される、ことを特徴とする光学特性測定装置。
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