JP2023013133A - 塗料組成物及び塗装物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性、撥油性及び汚染物質除去性に優れた塗料組成物を提供すること。【解決手段】水酸基含有アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び親水撥油剤(C)を含有する組成物であって、上記組成物の塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角が80°以上であることを特徴とする塗料組成物。特に、親水撥油剤(C)が、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、又はシリコーン基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体の少なくとも1種である塗料組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、塗装して得られる塗膜が、親水性、撥油性及び汚染物質除去性に優れた塗膜を形成することができる塗料組成物及びこれを用いた塗装物品に関する。
素材を汚染防止又は易洗浄性にする方法として、素材表面を撥油性として汚染物質を付きにくくする方法や素材表面を親水性として水と一緒に汚染物質を流し去る方法等が知られている。また、一般的に、通常の樹脂組成物を使用した塗料が塗装された素材表面は水の接触角が比較的大きく水をはじく性質があるが、油の接触角が小さく油になじみやすい性質を持っているため、汚染に対して十分な耐性がなく、汚染されにくい素材表面とはなっていない。
表面を撥油化する方法については種々研究されており、例えば、アルキルフッ素系の化合物等を適用して撥油化することが知られており、特許文献1には、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と、撥水撥油剤と、溶剤とを含有することを特徴とする汚れ付着防止剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1等のアルキルフッ素系化合物を含有する塗料組成物から得られる塗膜は、汚れを付きにくくする効果はあるが、一度汚れが付着すると洗浄が難しく、水によるセルフクリニーング効果も小さいことから、十分な汚染防止効果が得られないことがあった。
特開2016-210844
本発明は、親水性、撥油性及び汚染物質除去性に優れた塗膜を形成することができる塗料組成物及び塗装物品を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、
項1. 水酸基含有アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び親水撥油剤(C)を含有する組成物であって、上記組成物の塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角が80°以上であることを特徴とする塗料組成物、
項2. 親水撥油剤(C)が、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、又はシリコーン基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、の少なくとも1種である、上記項1に記載の塗料組成物、
項3. 上記項1又は2に記載の塗料組成物の塗膜が形成された塗装物品、
が提供される。
本発明の塗料組成物によれば、親水性、撥油性及び汚染物質除去性に優れた塗膜が得られる。
本発明の塗料組成物は、水酸基含有アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び親水撥油剤(C)を含有する組成物であって、上記組成物の塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角が80°以上であることを特徴とする塗料組成物である。
<水酸基含有アクリル樹脂(A)>
水酸基含有アクリル樹脂(A)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマーと、水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法等の方法により共重合せしめることによって製造することができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。該水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物のε-カプロラクトン変性体;N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーの配合割合は、モノマー成分の合計量に対して、10~60質量%、特に20~50質量%、さらに特に30~45質量%の範囲内であることが好ましい。
水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーは、上記水酸基含有重合性不飽和モノマー以外の1分子中に1個の不飽和結合を有する化合物であり、その具体例を以下(1)~(8)に列挙する。
(1)酸基含有重合性不飽和モノマー:1分子中に1個以上の酸基と1個の不飽和結合とを有する化合物で、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及び無水マレイン酸等の如きカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等の如きスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー;2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシ-3-クロロプロピルアシッドホスフェート、2-メタクロイルオキシエチルフェニルリン酸等の酸性リン酸エステル系重合性不飽和モノマー等を挙げることができる。これらは1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
(2)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1~20の1価アルコールとのモノエステル化物:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート,t-ブチル(メタ)アクリレート,2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名)、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等。
(3)芳香族系重合性不飽和モノマー:例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等。
芳香族系重合性不飽和モノマーを構成成分とする場合、その配合割合は、モノマー成分の総量に対して3~50質量%、特に、5~40質量%の範囲内であるのが好ましい。
(4)グリシジル基含有重合性不飽和モノマー:1分子中にグリシジル基と不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等。
(5)窒素含有重合性不飽和モノマー:例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルプロピルアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等。
(6)脂環式炭化水素基含有重合性不飽和モノマー:例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、4-メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、4-エチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、4-メトキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート)、tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5-ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、3-テトラシクロドデシル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、好ましい例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等。
(7)その他のビニル化合物:例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、バーサチック酸ビニルエステルであるベオバ9、ベオバ10(ジャパンエポキシレジン)等。
(8)不飽和結合含有ニトリル系化合物:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
これらその他の重合性不飽和モノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
水酸基含有アクリル樹脂(A)は、得られる塗膜の親水性、撥油性及び汚染物質除去性の点から、ガラス転移温度が、0℃~100℃、特に5℃~50℃、さらに特に10℃~40℃の範囲内であることが好ましい。
尚、本明細書において、水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度Tgは、下記式により算出される値である。
1/Tg(K)=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn
Tg(℃)=Tg(K)-273
式中、W1、W2、・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tg(K)である。
尚、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK Fourth Edition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が50,000程度になるようにして合成し、そのガラス転移温度を示差走査型熱分析により測定したときの値を使用する。
水酸基含有アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、塗膜の親水性、撥油性及び汚染物質除去性の点の観点から、3,000~100,000、特に4,000~20,000、さらに特に5000~10000の範囲内であることが好ましい。
本明細書において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。カラムは、「TSKgel G-4000H×L」、「TSKgel G-3000H×L」、「TSKgel G-2500H×L」、「TSKgel G-2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
水酸基含有アクリル樹脂(A)の水酸基価は、硬化性、性能持続性の観点から、10~200mgKOH/g、特に70~190mgKOH/g、さらに特に100~180mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
<ポリイソシアネート化合物(B)>
本発明の塗料組成物は、架橋剤としてポリイソシアネート化合物(B)を含有する。
ポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体等を挙げることができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)等の脂肪族ジイソシアネート;2,6-ジイソシアナトヘキサン酸2-イソシアナトエチル、1,6-ジイソシアナト-3-イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8-トリイソシアナトオクタン、1,6,11-トリイソシアナトウンデカン、1,8-ジイソシアナト-4-イソシアナトメチルオクタン、1,3,6-トリイソシアナトヘキサン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアナト-5-イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4-メチル-1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート(慣用名:水添TDI)、2-メチル-1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-もしくは1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物、メチレンビス(4,1-シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5-トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2-(3-イソシアナトプロピル)-2,5-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、2-(3-イソシアナトプロピル)-2,6-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、3-(3-イソシアナトプロピル)-2,5-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、5-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、6-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、5-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2,2,1)-ヘプタン、6-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(4,1-フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3-もしくは1,4-キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω'-ジイソシアナト-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)もしくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5-トリイソシアナトメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート(慣用名:2,4-TDI)もしくは2,6-トリレンジイソシアネート(慣用名:2,6-TDI)もしくはその混合物、4,4'-トルイジンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4',4''-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'-ジフェニルメタン-2,2',5,5'-テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物(B)としては、硬化性の観点から、上記脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体を好適に使用することができる。
また上記ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート及びその誘導体と、該ポリイソシアネートと反応し得る化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させてなるプレポリマーを使用してもよい。該ポリイソシアネートと反応し得る化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えば、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、アミン、水等を使用することができる。
また、上記ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーの重合体、又は該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマー以外の重合性不飽和モノマーとの共重合体を使用することもできる。
また、上記ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基がブロック剤でブロックされたポリイソシアネート化合物、いわゆるブロック化ポリイソシアネート化合物であってもよい。
上記ポリイソシアネート化合物(B)は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
本発明の塗料組成物においてポリイソシアネート化合物(B)の配合割合は、硬化性、性能持続性の観点から、該ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(ブロック化イソシアネート基を含む)と、前記水酸基含有アクリル樹脂(A)の水酸基との当量比(NCO/OH)が、0.5~2.0、好ましくは0.8~1.8、特に好ましくは1.0~1.6の範囲内となる配合割合とすることが好ましい。
<親水撥油剤(C)>
親水撥油剤は、分子中に親水性付与基と撥油性付与基を同時に併せ持つ化合物であり、空気中で表面に撥油性付与基が、水中では表面に親水性付与基が配向する性質を有する化合物である。
撥油性付与基としては、例えば、フッ素原子含有基、シリコーン含有基等を挙げることができる。
フッ素原子含有基としては、例えば、パーフルオロアルキル基、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等を挙げることができる。
撥油性付与基としては、汚染物質除去性の観点から、フッ素原子含有基、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
親水性付与基としては、例えば、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基等を挙げることができる。
アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。
カチオン性基としては、例えば、アミノ基、アンモニウム塩基等を挙げることができる。
ノニオン性基としては、オキシアルキレン基、アクリロイルモルフォリン基、アクリルアミド基、水酸基等を挙げることができる。
また、親水性付与基としては、両性型化合物であるベタインを挙げることができる。
親水性付与基としては、汚染物質除去性の観点から、ノニオン性基、特にポリオキシアルキレン基が好ましい。
具体的な化合物としては、例えば、親水性付与基を含有するパーフルオロ基含有化合物、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、アクリロイルモルフォリン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、アクリルアミド基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と4級アンモニウム塩基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、シリコーン基を有する(メタ)アクリレート化合物とポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、等を挙げることができる。
上記のうち、汚染物質除去性の観点から、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、シリコーン基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体等を好適に使用することができる。
親水撥油剤(C)は汚染物質除去性の観点から、水酸基含有アクリル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分総量に対して、固形分として、0.1~10質量%、特に0.5~5質量%、さらに特に0.5~2質量%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の塗料組成物は、ウレタン化反応触媒を含有することができる。
該ウレタン化反応触媒としては、具体的には、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫サルファイト、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2-エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、オクタン酸ビスマス、2-エチルヘキサン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、バーサチック酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート等の有機金属化合物;第三級アミン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合せて使用することができる。
また、上記ウレタン化反応触媒を使用する場合、触媒量としては、水酸基含有アクリル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分総量に対して、固形分として、0.0001~2.0質量%、特に0.0005~1.5質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の塗料組成物が上記ウレタン化反応触媒を含有する場合、貯蔵安定性、硬化性の観点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2-エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水酢酸、無水シトラコン酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、無水クエン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸等の有機酸;塩酸、リン酸等の無機酸;アセチルアセトン、イミダゾール系化合物等の金属配位性化合物等を含有してもよい。
本発明の塗料組成物には、親水性及び撥油性を損なわないことを限度として溶媒、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤、増粘剤、染料、樹脂粒子、ツヤ調整剤等の塗料の分野で通常使用される他の添加成分等を適宜含有させることができる。
本発明の塗料組成物は、溶融物、溶液、懸濁液、エマルションのいずれの形態であってもよいが、溶媒中に水酸基含有アクリル樹脂が溶解した溶液の形態であることが、生産性及び作業性の観点から好ましい。上記溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、石油系炭化水素等を挙げることができる。
前記顔料としては、例えば、光輝性顔料、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。該顔料は単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、ガラスフレーク、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された雲母等を挙げることができる。
また、前記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等を挙げることができる。
また、前記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物が、上記顔料を含有する場合、該顔料の含有量は、水酸基含有アクリル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分総量に対して、1~70質量%、好ましくは5~60質量%、さらに好ましくは15~50質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の塗料組成物は、一液型塗料であってもよいし、水酸基含有アクリル樹脂(A)及び親水撥油剤(C)を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物(B)を含む硬化剤等とを塗装前に混合して使用する多液型塗料であってもよい。
<水中で測定したオレイン酸接触角>
本発明の塗料組成物は、本発明の塗料組成物の塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角が80°以上であり、好ましくは80~130°、さらに好ましくは90~130°の範囲内である。
より具体的には、本発明の塗料組成物は、被塗面に、硬化膜厚40μmとなるように塗装して形成された塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角が80°以上であり、好ましくは80~130°、さらに好ましくは90~130°の範囲内である。
本発明において、汚染物質除去性は水中での撥油性が非常に重要であり、水中で測定したオレイン酸接触角と非常に高い相関性を有している。具体的には、検討結果から、水中で測定したオレイン酸接触角と汚染物質除去性は相関係数で約0.95の極めて高い相関性を有していた。
本発明の塗料組成物により形成された塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角(水中オレイン酸接触角)が80°以上であることにより、塗膜に付着した汚染物質(特に有機物(油等))の疎水性の汚染物質の除去性が極めて高く、軽く、例えばシャワー等で散水する程度で極めて容易に汚染物質を除去することができる。
本発明において水中オレイン酸接触角は、20℃の水中に試験板を浸漬させ、30秒後に下からオレイン酸2μlの油滴を塗膜表面に着滴させ、10秒放置後の油滴状態をデジタルカメラで撮影し、画像から接触角(単位:°)を読み取ることにより測定することができる。
本明細書において接触角測定に用いた接触角計は、「DMo-502」(協和界面科学株式会社製)である。
本発明において、水中オレイン酸接触角は、塗膜を作成し、24時間以上経過後の塗膜を使用して接触角の測定を行った。
<被塗物>
本発明の塗料組成物が塗装され得る被塗物の材質としては、特に制限はなく、無機材料、有機材料、或いは、有機と無機とのハイブリッド材料のいずれであってもよい。
上記無機材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(Zn-Al、Zn-Ni、Zn-Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ガラス;セメント;コンクリート;ポリシロキサン等を挙げることができる。
前記有機材料は有機樹脂を含む材料であり、該有機樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-1、4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-1、2-ジフェノキシエタン-4、4’-ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートなどのようなポリエステル樹脂、エピコート(商品名:油化シェルエポキシ(株)製)などの市販品に代表されるエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン等を挙げることができる。
また、上記有機材料は、その成分の一部として、顔料、繊維、低収縮剤、充填材、添加剤等を含有するものであってもよい。
上記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、カオリン、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等を挙げることができる。
また、前記繊維としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、セルロース繊維等を挙げることができる。
したがって、各種の繊維強化プラスチック材料(Fiber Reinforced Plastics:以下FRP材料又は単にFRPという。)、SMC(Sheet Molding Compound)等は上記有機材料に包含される。
上記被塗物の材質としては、付着性等の観点から、有機材料が好ましく、なかでも、融点が比較的低い有機材料、例えば、アクリル樹脂、ABS樹脂、FRP、SMC等が好ましい。
被塗物の形状としては、平面でも立体でもよく、例えば、フイルム及び基板、又は三次元加工された成型物であってもよい。
上記被塗物は、脱脂処理、表面処理及びプライマー組成物を塗装したものであっても良い。
<塗装>
本発明の塗料組成物の塗装は、特に限定されず、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等の塗装方法により行なうことができる。
これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。本発明の塗料組成物の塗布量は、通常、硬化膜厚として、20~100μm程度となる量とするのが好ましい。
また、本発明の塗料組成物の塗装にあたっては、該塗料組成物の粘度を、塗装方法に適した粘度範囲、例えば、回転霧化塗装においては、20℃でフォードカップNo.4粘度計による測定で、15~40秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤等の溶媒を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
本発明の塗料組成物により形成された塗膜の加熱は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用することができる。加熱温度は60~180℃、好ましくは80~160℃の範囲内にあることが適している。加熱時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは5~120分間、より好ましくは10~60分間の範囲内である。
特に、被塗物が有機材料の場合、その融点が100℃以上の場合には、加熱温度を60~180℃、好ましくは80~160℃の範囲内とすることが適しており、被塗物の融点が140℃未満の場合には加熱温度を60~90℃、好ましくは65~85℃とすることが適している。
加熱時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは10~130分間、より好ましくは10~120分間の範囲内である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
水酸基含有アクリル樹脂(A)
水酸基含有アクリル樹脂(A-1)~(A-3)の詳細は以下の通りである。
(A-1):重量平均分子量5500、ガラス転移温度17℃、水酸基価141であるアクリル樹脂
(A-2):重量平均分子量7500、ガラス転移温度79℃、水酸基価121であるアクリル樹脂
(A-3):重量平均分子量35000、ガラス転移温度80℃、水酸基価140であるアクリル樹脂
ポリイソシアネート化合物(B)
ポリイソシアネート化合物(B-1)及び(B-2)の詳細は以下の通りである。
(B-1):「デュラネートTPA-100」商品名、旭化成社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、NCO含有量=23%、固形分含有率100%
(B-2):「デュラネート24A-100」商品名、旭化成社製、ヘキサンメチレンジイソシアネートのビウレット体、NCO含有量=23%、固形分100%
親水撥油剤(C)
親水撥油剤(C-1)の合成
還流冷却器、温度計、及び攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、シクロヘキサノン100部を配合し、攪拌しながら100℃まで昇温した。
これに、(c1)2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート(ユニマテック社製 製品名「CHEMINOX FAAC-6」)34部、(c3)メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業社製 製品名「AM-90G」)62.9部、(c7)アクリル酸2-ヒドロキシエチル(日本触媒製 製品略名「BHEA」)3.1部、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(富士フイルム和光純薬社製 製品名「V-59」)1.0部、及びシクロヘキサノン100部の混合物を3時間かけて滴下した。
滴下終了後、100℃で30分間、攪拌し続けた後、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.3部とシクロヘキサノン10部を混合した溶液を30分かけて滴下し、更に攪拌を継続しながら100℃で1時間反応させた。さらにシクロヘキサノン26.4部を加えることにより固形分質量濃度55%の親水撥油剤(C-1)を得た。
親水撥油剤(C-2)~(C-9)の合成
表1に示した組成とする以外は親水撥油剤(C-1)と同様にして合成することにより、固形分質量濃度55%の各親水撥油剤(C-2)~(C-9)を得た。
なお、表1中の親水撥油剤(C-1)以外で使用した各原材料は以下のとおりである。
(c2):片末端メタクリレート変性シリコーン X-22-2475 信越化学社製
(c4):アクリロイルモルフォリン ACMO KJケミカルズ社製
(c5):ジメチルアクリルアミド
(c6):ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩 DMAPAA-Q KJケミカルズ社製
親水撥油剤(C-10)及び(C-11)は以下のとおりである。
(C-10):「モディパーF-206」商品名、日油社製、フッ素変性アクリル樹脂、水酸基価55
(C-11):「BYK-370」商品名、BYK社製、ポリエステル変性シリコーン系表面調整剤
Figure 2023013133000002
塗料組成物No.1~No.20の製造
実施例1
固形分55%の水酸基含有アクリル樹脂(A-1)溶液 100部(固形分)、ポリイソシアネート化合物(B-1) 68部(固形分)、親水撥油剤(C-1) 0.6部(固形分)、ジブチルスズジラウレート 0.1部を均一に混合し、さらに酢酸ブチルにて粘度15±1秒/イワタカップ(20℃)となるように固形分濃度を調整することにより、塗料組成物No.1を得た。
塗料組成物No.1における水酸基含有アクリル樹脂の水酸基(OH)の合計量とポリイソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)との当量比は、NCO/OH=1.5である。
実施例2~14、比較例1~6
実施例1において、(A)~(C)の各成分の組成比を表2に示す配合とする以外は実施例1と同様にして各塗料組成物No.2~No.20を得た。なお表2の配合量は、固形分配合量を示す。また、塗料組成物No.15~20は比較例用の塗料である。
Figure 2023013133000003
Figure 2023013133000004
被塗物の作成
被塗物
200mm×200mm×0.8mmの前処理鋼板を被塗物とした。
試験板の作成
被塗物上に、上記各塗料組成物No.1~20を、それぞれエアスプレーにて膜厚40μmとなるように塗装し、常温で10分間セッティングを行った後、90℃で30分間加熱して硬化させることにより、各塗料組成物No.1~20が塗装された対応する各試験板を得た。
評価試験
得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表3に示す。
初期水接触角
試験板作成後24時間以上経過後に蒸留水1.0μLを滴下し5秒経過後の接触角(単位:°)を測定した。該接触角測定に用いた接触角計は、「CA-X150型」(協和界面科学株式会社製)である。
初期オレイン酸接触角
試験板作成後24時間以上経過後にオレイン酸1.0μLを滴下し5秒経過後の接触角(単位:°)を測定した。該接触角測定に用いた接触角計は、「CA-X150型」(協和界面科学株式会社製)である。
水中でのオレイン酸接触角
試験板作成後24時間以上経過後に20℃の水中に浸漬させた塗膜表面にオレイン酸2μlの油滴をマイクロピペットで着滴し、10秒放置後の油滴状態をデジタルカメラで撮影し、画像から接触角(単位:°)を読み取ることにより測定した。該接触角測定に用いた接触角計は、「DMo-502」(協和界面科学株式会社製)である。
油汚れ除去性(汚染物質除去性)
200mm×200mmの試験板に黒く着色したオレイン酸を塗布し、水中で軽く30秒間振とうした後の油の除去率を0%~100%で評価した。油の残存率はデジタルカメラで撮影した写真をパソコンで2値化処理し、汚れ部分(油付着部分)の面積Saを計算することで算出した。以下の式参照。 ※試験板全面積Sc=4000mm
汚れ除去率(Dr)={1-(Sa/Sc)}×100 (%)
◎:汚れ除去率が80%以上
〇:汚れ除去率が50%以上、80%未満
△:汚れ除去率が20%以上、50%未満
×:汚れ除去率が20%未満
Figure 2023013133000005
Figure 2023013133000006
本発明において、水中オレイン酸接触角と油汚れ除去性(汚染物質除去性)の関係を示すグラフである。
親水性、撥油性及び汚染物質除去性に優れる塗膜を有する塗装物品を提供することができる。

Claims (3)

  1. 水酸基含有アクリル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び親水撥油剤(C)を含有する組成物であって、
    上記組成物の塗膜の水中で測定したオレイン酸接触角が80°以上であることを特徴とする塗料組成物。
  2. 親水撥油剤(C)が、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、又はシリコーン基を有する(メタ)アクリレート化合物と、ポリオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート化合物とを少なくとも含有する構成モノマーの共重合体、の少なくとも1種である請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の塗料組成物の塗膜が形成された塗装物品。
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