JP2023012833A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】転がり軸受の焼き付きを抑制する。【解決手段】内輪端面36は、複数の凹部40を有する。凹部40は、内輪外周面33の周方向に互いに間隔を空けて配置されている。上記構成によれば、転がり軸受20の回転動作が開始された初期の段階、すなわち潤滑装置から転がり軸受に供給される潤滑油の量が十分でない場合であっても、凹部40に留まっている潤滑油が、各軌道輪21,31と転動体100との間に速やかに供給される。さらに、このような凹部40は、当該凹部40が設けられている内輪外周面33の周方向に、互いに間隔を空けて複数設けられている。その結果、転がり軸受20の回転動作の初期段階において、転がり軸受20の焼き付きが生じ難くなる。【選択図】図1
Description
本発明は、転がり軸受に関する。
特許文献1には、第1軌道輪、第2軌道輪、及び第1軌道輪と第2軌道輪との間で転動する転動体を有する転がり軸受が記載されている。転がり軸受には、潤滑装置から潤滑油が供給される。転がり軸受の回転動作が停止されると、潤滑装置から転がり軸受に対する潤滑油の供給も停止される。
ところで、転がり軸受への潤滑油の供給が停止されると、転がり軸受から潤滑油が流れ落ちる。このため、転がり軸受に残留する潤滑油の量が減少する。また、転がり軸受の回転動作が開始された初期の段階では、転がり軸受に潤滑装置から十分な量の潤滑油が供給されない。このため、転がり軸受に残留している潤滑油の量が減少しているときに、転がり軸受の回転動作が開始されると、開始初期の段階では、各軌道輪と転動体との間の摩擦が大きくなる。その結果、転がり軸受の焼き付きが生じるおそれがある。
上記課題を解決するための転がり軸受は、第1軌道輪、第2軌道輪、及び前記第1軌道輪と前記第2軌道輪との間で転動する転動体を有する転がり軸受と、前記第1軌道輪が固定されている第1部材と、前記第2軌道輪が固定されており、前記転がり軸受の軸受中心軸周りに回転可能な第2部材とを備えた軸受構造に用いられる前記転がり軸受であって、前記第2軌道輪の内周面及び外周面のうち前記第1軌道輪に近い面は、当該面の周方向に互いに間隔を空けて配置された複数の凹部を有する。
上記構成によれば、以下の作用効果を奏することができる。
潤滑装置から転がり軸受に供給される潤滑油は、転がり軸受の回転動作に伴って、第2軌道輪の凹部への流入と当該凹部からの排出を繰り返す。
潤滑装置から転がり軸受に供給される潤滑油は、転がり軸受の回転動作に伴って、第2軌道輪の凹部への流入と当該凹部からの排出を繰り返す。
ここで、第2軌道輪の内周面及び外周面のうち第1軌道輪に近い面が外周面である場合、凹部が鉛直方向上方に位置した状態で第2軌道輪の回転が停止すると、凹部の潤滑油は、凹部から排出されることなく同凹部内に留まる。次に、再び転がり軸受の回転動作が開始されると、凹部内の潤滑油が凹部からこぼれ落ちる。凹部からこぼれ落ちる潤滑油は、各軌道輪と転動体との間に供給される。
一方、第2軌道輪の内周面及び外周面のうち第1軌道輪に近い面が内周面である場合、凹部が鉛直方向下方に位置した状態で第2軌道輪の回転が停止すると、凹部の潤滑油は、凹部から排出されることなく、同凹部内に留まる。次に、再び転がり軸受の回転動作が開始されると、凹部内の潤滑油が凹部からこぼれ落ちる。凹部からこぼれ落ちる潤滑油は、各軌道輪と転動体との間に供給される。
このように、上記構成によれば、転がり軸受の回転動作が開始された初期の段階、すなわち潤滑装置から転がり軸受に供給される潤滑油の量が十分でない場合であっても、凹部に留まっている潤滑油が、各軌道輪と転動体との間に速やかに供給される。しかも、このような凹部は、当該凹部が設けられている面の周方向に、互いに間隔を空けて複数設けられている。したがって、当該面に凹部が一つのみ設けられている構成と比較すると、転がり軸受が停止したときに凹部に多くの潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受の回転動作の初期段階において、転がり軸受の焼き付きが生じ難くなる。
<第1実施形態の構成>
以下、軸受構造及び当該軸受構造に用いられる転がり軸受の第1実施形態について説明する。
以下、軸受構造及び当該軸受構造に用いられる転がり軸受の第1実施形態について説明する。
[軸受構造10]
図1に示すように、軸受構造10は、第1部材11と、第2部材12と、転がり軸受20と、を備える。第1部材11は、転がり軸受20を介して第2部材12を支持する部材である。第2部材12は、第1部材11に対して回転可能な軸部材である。第2部材12の回転中心軸は、鉛直方向とは異なる方向に延びている。例えば、第2部材12の回転中心軸は、水平方向に延びている。
図1に示すように、軸受構造10は、第1部材11と、第2部材12と、転がり軸受20と、を備える。第1部材11は、転がり軸受20を介して第2部材12を支持する部材である。第2部材12は、第1部材11に対して回転可能な軸部材である。第2部材12の回転中心軸は、鉛直方向とは異なる方向に延びている。例えば、第2部材12の回転中心軸は、水平方向に延びている。
[転がり軸受20]
転がり軸受20は、ラジアル玉軸受である。ラジアル玉軸受の一例は、深溝玉軸受である。転がり軸受20は、第2部材12を第1部材11に対して回転可能に保持する。転がり軸受20の軸受中心軸C1は、第2部材12の回転中心軸と一致する。したがって、第2部材12は、転がり軸受20の軸受中心軸C1周りに回転可能な部材である。以下、説明の便宜上、軸受中心軸C1が延びる方向を軸方向といい、軸方向に垂直な方向を径方向という。なお、第2部材12が回転している場合、転がり軸受20には、図示しない潤滑装置から潤滑油が供給される。例えば、潤滑装置は、第2部材12を回転させる駆動力を利用して、転がり軸受20に潤滑油を供給する。したがって、転がり軸受20が停止すると、潤滑装置から転がり軸受20も停止される。
転がり軸受20は、ラジアル玉軸受である。ラジアル玉軸受の一例は、深溝玉軸受である。転がり軸受20は、第2部材12を第1部材11に対して回転可能に保持する。転がり軸受20の軸受中心軸C1は、第2部材12の回転中心軸と一致する。したがって、第2部材12は、転がり軸受20の軸受中心軸C1周りに回転可能な部材である。以下、説明の便宜上、軸受中心軸C1が延びる方向を軸方向といい、軸方向に垂直な方向を径方向という。なお、第2部材12が回転している場合、転がり軸受20には、図示しない潤滑装置から潤滑油が供給される。例えば、潤滑装置は、第2部材12を回転させる駆動力を利用して、転がり軸受20に潤滑油を供給する。したがって、転がり軸受20が停止すると、潤滑装置から転がり軸受20も停止される。
転がり軸受20は、第1軌道輪としての外輪21、第2軌道輪としての内輪31、及び外輪21と内輪31との間で転動する複数の転動体100を有する。転動体100は、図示しない保持器によって保持されている。このため、各転動体100の周方向の距離は、変化しない。なお、軸受中心軸C1とは、軸受の回転の理論上の中心軸であり、内輪31の中心軸である。
[外輪21]
外輪21は、軸受中心軸C1を中心とする軌道輪である。外輪21は、外輪外周面22と、外輪内周面23と、外輪外周面22と外輪内周面23とを接続する外輪側面24と、を備える。
外輪21は、軸受中心軸C1を中心とする軌道輪である。外輪21は、外輪外周面22と、外輪内周面23と、外輪外周面22と外輪内周面23とを接続する外輪側面24と、を備える。
外輪外周面22は、第1部材11に固定される。これにより、外輪21は、第1部材11に固定されている。
外輪内周面23は、径方向において外輪外周面22の反対に位置する。外輪内周面23は、1つの外輪軌道面25と、外輪軌道面25と連続する2つの外輪端面26と、を備える。
外輪内周面23は、径方向において外輪外周面22の反対に位置する。外輪内周面23は、1つの外輪軌道面25と、外輪軌道面25と連続する2つの外輪端面26と、を備える。
外輪軌道面25は、軸方向において2つの外輪端面26により挟まれている。外輪軌道面25と2つの外輪端面26とは、周方向全体にわたって延びている。軸受中心軸C1を含む平面における外輪軌道面25の断面形状は、直線である。軸受中心軸C1を含む平面における外輪端面26の断面形状は、転動体100の半径と等しい曲率半径を有する円弧である。転動体100は、外輪軌道面25に接触した状態で、外輪軌道面25に沿って転動する。
外輪端面26は、外輪軌道面25の軸方向の端部から外輪側面24まで当該軸方向に延びている。
[内輪31]
内輪31は、軸受中心軸C1を中心とする軌道輪である。内輪31は、内輪内周面32と、内輪外周面33と、内輪内周面32と内輪外周面33とを接続する内輪側面34と、を備える。
[内輪31]
内輪31は、軸受中心軸C1を中心とする軌道輪である。内輪31は、内輪内周面32と、内輪外周面33と、内輪内周面32と内輪外周面33とを接続する内輪側面34と、を備える。
内輪内周面32は、第2部材12に固定される。これにより、内輪31は、第2部材12を回転可能に支持している。
内輪外周面33は、径方向において内輪内周面32の反対に位置する。第1実施形態では、内輪外周面33が、第2軌道輪の内周面及び外周面のうち第1軌道輪に近い面に相当する。内輪外周面33は、1つの内輪軌道面35と、2つの内輪端面36と、を備える。
内輪外周面33は、径方向において内輪内周面32の反対に位置する。第1実施形態では、内輪外周面33が、第2軌道輪の内周面及び外周面のうち第1軌道輪に近い面に相当する。内輪外周面33は、1つの内輪軌道面35と、2つの内輪端面36と、を備える。
内輪軌道面35は、軸方向において2つの内輪端面36により挟まれている。外輪軌道面25と2つの外輪端面26とは、周方向全体にわたって延びている。軸受中心軸C1を含む平面における外輪軌道面25の断面形状は、直線である。軸受中心軸C1を含む平面における外輪端面26の断面形状は、転動体100の半径と等しい曲率半径を有する円弧である。転動体100は、内輪軌道面35に接触した状態で、内輪軌道面35に沿って転動する。
内輪端面36は、内輪軌道面35の軸方向の端部から内輪側面34まで当該軸方向に延びている。内輪端面36の各々は、複数の凹部40を備える。内輪端面36の各々に設けられている凹部40の数は、例えば8つである。したがって、内輪外周面33は、16個の凹部40を有する。
[凹部40]
図2及び図3に示すように、凹部40は、それぞれ円形の止まり穴である。凹部40は、内輪端面36に開口している。凹部40は、内輪端面36から内輪内周面32に向かって延びている。凹部40は、内輪端面36から軸受中心軸C1に向かって延びている。凹部40は、内輪31の厚さに対する凹部40の深さの比は任意であるが、例えば0.1から0.8までの範囲内の値であることが好ましい。凹部40と内輪軌道面35との最短距離L1は、凹部40と内輪側面34との最短距離L2と等しい。複数の凹部40は、内輪外周面33の周方向に等しい間隔で配置されている。隣り合う凹部40同士の周方向の間隔は全て等しいである。2つの内輪端面36に設けられている凹部40の周方向における位置は、同一である。
図2及び図3に示すように、凹部40は、それぞれ円形の止まり穴である。凹部40は、内輪端面36に開口している。凹部40は、内輪端面36から内輪内周面32に向かって延びている。凹部40は、内輪端面36から軸受中心軸C1に向かって延びている。凹部40は、内輪31の厚さに対する凹部40の深さの比は任意であるが、例えば0.1から0.8までの範囲内の値であることが好ましい。凹部40と内輪軌道面35との最短距離L1は、凹部40と内輪側面34との最短距離L2と等しい。複数の凹部40は、内輪外周面33の周方向に等しい間隔で配置されている。隣り合う凹部40同士の周方向の間隔は全て等しいである。2つの内輪端面36に設けられている凹部40の周方向における位置は、同一である。
<第1実施形態の作用>
潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油は、転がり軸受20の回転動作に伴って、内輪31の凹部40への流入と当該凹部40からの排出を繰り返す。
潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油は、転がり軸受20の回転動作に伴って、内輪31の凹部40への流入と当該凹部40からの排出を繰り返す。
ここで、凹部40が鉛直方向上方に位置した状態で内輪31の回転が停止すると、凹部40の潤滑油は、凹部40から排出されることなく同凹部40内に留まる。次に、再び転がり軸受20の回転動作が開始されると、凹部40内の潤滑油が凹部40からこぼれ落ちる。凹部40からこぼれ落ちる潤滑油は、各軌道輪21,31と転動体100との間、例えば各軌道面25,35に供給される。
<第1実施形態の効果>
上記構成によれば、以下の効果を奏する。
(1-1)転がり軸受20の回転動作が開始された初期の段階、すなわち潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油の量が十分でない場合であっても、凹部40に留まっている潤滑油が、各軌道輪21,31と転動体100との間に速やかに供給される。さらに、このような凹部40は、当該凹部40が設けられている内輪外周面33の周方向に、互いに間隔を空けて複数設けられている。したがって、内輪外周面33に凹部40が一つのみ設けられている構成と比較すると、転がり軸受20が停止したときに凹部40に多くの潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受20の回転動作の初期段階において、転がり軸受20の焼き付きが生じ難くなる。
上記構成によれば、以下の効果を奏する。
(1-1)転がり軸受20の回転動作が開始された初期の段階、すなわち潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油の量が十分でない場合であっても、凹部40に留まっている潤滑油が、各軌道輪21,31と転動体100との間に速やかに供給される。さらに、このような凹部40は、当該凹部40が設けられている内輪外周面33の周方向に、互いに間隔を空けて複数設けられている。したがって、内輪外周面33に凹部40が一つのみ設けられている構成と比較すると、転がり軸受20が停止したときに凹部40に多くの潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受20の回転動作の初期段階において、転がり軸受20の焼き付きが生じ難くなる。
(1-2)凹部40は、内輪外周面33のうち、内輪軌道面35から軸方向に延びる内輪端面36に設けられている。
上記構成によれば、凹部40への潤滑油の流入が転動体100によって阻害されない。したがって、凹部40を内輪軌道面35に設ける場合に比べて、転がり軸受20が停止したときに凹部40に潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受20の焼き付きが、より生じ難くなる。
上記構成によれば、凹部40への潤滑油の流入が転動体100によって阻害されない。したがって、凹部40を内輪軌道面35に設ける場合に比べて、転がり軸受20が停止したときに凹部40に潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受20の焼き付きが、より生じ難くなる。
(1-3)凹部40は、内輪端面36に、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
上記構成によれば、潤滑油の供給が停止された場合でも、凹部40に流れ込んだ潤滑油が当該凹部40に留まりやすくなる。
上記構成によれば、潤滑油の供給が停止された場合でも、凹部40に流れ込んだ潤滑油が当該凹部40に留まりやすくなる。
例えば、凹部40が内輪外周面33の全周にわたる一つの溝である場合、凹部40に流れ込んだ潤滑油は、潤滑油の供給の停止後に、凹部40を周方向に伝って凹部40の外に流れ出る。そのため、転がり軸受20が停止したときに、凹部40に流れ込んだ潤滑油が当該凹部40に留まりにくくなる。
<第2実施形態の構成>
次に、軸受構造及び当該軸受構造に用いられる転がり軸受の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態の各部材と同一の構造又は機能を有する部材には、同一の部材番号を付すことで説明を省略することがある。
次に、軸受構造及び当該軸受構造に用いられる転がり軸受の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態の各部材と同一の構造又は機能を有する部材には、同一の部材番号を付すことで説明を省略することがある。
図4に示すように、軸受構造10は、第1部材11と、第2部材12と、転がり軸受20と、を備える。本実施形態における第1部材11は、第1実施形態における第2部材12と同様の機能を有する部材である。本実施形態における第2部材12は、第1実施形態における第1部材11と同様の機能を有する部材である。第2部材12は、転がり軸受20を介して第1部材11を支持する部材である。第1部材11は、第2部材12に対して回転可能な部材である。第1部材11の回転中心軸は、鉛直方向とは異なる方向に延びている。例えば、第1部材11の回転中心軸は、水平方向に延びている。
第2実施形態の転がり軸受20が用いられる軸受構造10では、外輪21が第2軌道輪に相当し、内輪31が第1軌道輪に相当する。すなわち、内輪31が第1部材11に固定され、外輪21が第2部材12とともに回転可能に構成されている。第2実施形態では、外輪内周面23が、第2軌道輪の内周面及び外周面のうち第1軌道輪に近い面に相当する。
図5に示すように、外輪端面26は、それぞれ複数の凹部40を有する。各凹部40の数及び形状は、第1実施形態のものと同様である。凹部40は、外輪端面26に開口している。凹部40は、外輪端面26から外輪外周面22に向かって延びている。凹部40は、軸受中心軸C1から離れる方向に、外輪端面26から延びている。複数の凹部40は、外輪内周面23の周方向に等しい間隔で配置されている。隣り合う凹部40同士の周方向の間隔は全て等しい。2つの内輪端面36に設けられている凹部40の周方向の位置は、同一である。
<第2実施形態の作用>
第1実施形態の場合と同様に、潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油は、転がり軸受20の回転動作に伴って、外輪21の凹部40への流入と当該凹部40からの排出を繰り返す。
第1実施形態の場合と同様に、潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油は、転がり軸受20の回転動作に伴って、外輪21の凹部40への流入と当該凹部40からの排出を繰り返す。
ここで、凹部40が鉛直方向下方に位置した状態で外輪21の回転が停止すると、凹部40の潤滑油は、凹部40から排出されることなく、同凹部40内に留まる。次に、再び転がり軸受20の回転動作が開始されると、凹部40内の潤滑油が凹部40からこぼれ落ちる。凹部40からこぼれ落ちる潤滑油は、各軌道輪21,31と転動体100との間に供給される。
<第2実施形態の効果>
上記構成によれば、以下の効果を奏する。
(2)転がり軸受20の回転動作が開始された初期の段階、すなわち潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油の量が十分でない場合であっても、凹部40に留まっている潤滑油が、各軌道輪21,31と転動体100との間に速やかに供給される。さらに、このような凹部40は、当該凹部40が設けられている外輪内周面23の周方向に、互いに間隔を空けて複数設けられている。したがって、外輪内周面23に凹部40が一つのみ設けられている構成と比較すると、転がり軸受20が停止したときに凹部40に多くの潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受20の回転動作の初期段階において、転がり軸受20の焼き付きが生じ難くなる。
上記構成によれば、以下の効果を奏する。
(2)転がり軸受20の回転動作が開始された初期の段階、すなわち潤滑装置から転がり軸受20に供給される潤滑油の量が十分でない場合であっても、凹部40に留まっている潤滑油が、各軌道輪21,31と転動体100との間に速やかに供給される。さらに、このような凹部40は、当該凹部40が設けられている外輪内周面23の周方向に、互いに間隔を空けて複数設けられている。したがって、外輪内周面23に凹部40が一つのみ設けられている構成と比較すると、転がり軸受20が停止したときに凹部40に多くの潤滑油が留まりやすくなる。その結果、転がり軸受20の回転動作の初期段階において、転がり軸受20の焼き付きが生じ難くなる。
さらに、第2実施形態によれば、第1実施形態における(1-2)、(1-3)と同様の作用効果を得ることができる。この場合、(1-2)及び(1-3)の記載において、内輪外周面33は外輪内周面23と、内輪軌道面35は外輪軌道面25と、内輪端面36は外輪端面26と、読み替えることとする。
<変形例>
各実施形態は、以下のように変更して実施できる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。以下の変形例においても、各実施形態の各部材と同様の構造又は機能を有する部材には、同一の部材番号を付すことで説明を省略することがある。
各実施形態は、以下のように変更して実施できる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。以下の変形例においても、各実施形態の各部材と同様の構造又は機能を有する部材には、同一の部材番号を付すことで説明を省略することがある。
・各実施形態において、転がり軸受20は、深溝玉軸受に限られない。図6に示すように、例えば、転がり軸受20は、円筒ころ軸受等のラジアルころ軸受であってもよい。
第1実施形態のように内輪31が第2軌道輪に相当する場合、凹部40を内輪端面36設けることで、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
第1実施形態のように内輪31が第2軌道輪に相当する場合、凹部40を内輪端面36設けることで、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
一方、第2実施形態のように外輪21が第2軌道輪に相当する場合、凹部40を外輪端面26に設けることで、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
・第1実施形態において、凹部40と内輪軌道面35との最短距離L1は、凹部40と内輪側面34との最短距離L2と異なっていてもよい。特に、凹部40と内輪軌道面35との最短距離L1が凹部40と内輪側面34との最短距離L2より短い場合、凹部40からこぼれ落ちる潤滑油が内輪側面34よりも内輪軌道面35に向かって流れやすくなる。これにより、各軌道輪21,31と転動体100との間に潤滑油が供給されやすくなるため、転がり軸受20の焼き付きがさらに生じ難くなる。第2実施形態についても同様である。
・第1実施形態において、凹部40と内輪軌道面35との最短距離L1は、凹部40と内輪側面34との最短距離L2と異なっていてもよい。特に、凹部40と内輪軌道面35との最短距離L1が凹部40と内輪側面34との最短距離L2より短い場合、凹部40からこぼれ落ちる潤滑油が内輪側面34よりも内輪軌道面35に向かって流れやすくなる。これにより、各軌道輪21,31と転動体100との間に潤滑油が供給されやすくなるため、転がり軸受20の焼き付きがさらに生じ難くなる。第2実施形態についても同様である。
・各実施形態において、隣り合う凹部40の周方向における間隔は等間隔に限らず任意である。
・第1実施形態において、図7に示すように、内輪端面36には、凹部40から内輪軌道面35まで伸びる溝41が設けられていてもよい。これにより、凹部40に留まっている潤滑油が、溝41に伝って、内輪軌道面35に供給されやすくなる。第2実施形態においても、上記変形例を内輪外周面33は外輪内周面23と、内輪軌道面35は外輪軌道面25と、内輪端面36は外輪端面26と、読み替えることで同様の作用効果を得ることができる。
・第1実施形態において、図7に示すように、内輪端面36には、凹部40から内輪軌道面35まで伸びる溝41が設けられていてもよい。これにより、凹部40に留まっている潤滑油が、溝41に伝って、内輪軌道面35に供給されやすくなる。第2実施形態においても、上記変形例を内輪外周面33は外輪内周面23と、内輪軌道面35は外輪軌道面25と、内輪端面36は外輪端面26と、読み替えることで同様の作用効果を得ることができる。
また、溝41は、凹部40の任意の端部に接続可能である。特に、溝41は、凹部40の周方向における端部に接続されていることが好ましい。これにより、第2軌道輪としての外輪内周面23又は内輪外周面33が周方向に回転することで、凹部40に留まっている潤滑油が周方向における凹部40の端部に導かれる。そして、潤滑油は、当該端部から溝41を介して、各軌道輪21,31と転動体100との間に供給される。これにより、転がり軸受20の焼き付きをより抑制できる。
さらに、溝41は、凹部40の周方向における両端にそれぞれ1つずつ設けられていてもよい。これによれば、転がり軸受20が順方向回転をする場合でも、逆方向に回転する場合でも、溝41を介して凹部40の潤滑油を各軌道輪21,31と転動体100との間に供給することができる。
・各実施形態において、図8に示すように、凹部40は、周方向に延びる長穴であってもよい。これにより、凹部40が外輪21に設けられている場合には鉛直方向上方を向いた状態、凹部40が内輪31に設けられている場合には鉛直方向下方を向いた状態で、転がり軸受20の回転が停止する可能性が高くなり、より潤滑油を留めやすくなる。
・各実施形態において、第2部材のみならず、第1部材も回転可能に構成されていてもよい。この場合、外輪21及び内輪31の両方にそれぞれ複数の凹部40が設けられていてもよい。
10…軸受構造
11…第1部材
12…第2部材
20…転がり軸受
21…外輪
23…外輪内周面
31…内輪
33…内輪外周面
40…凹部
100…転動体
11…第1部材
12…第2部材
20…転がり軸受
21…外輪
23…外輪内周面
31…内輪
33…内輪外周面
40…凹部
100…転動体
Claims (1)
- 第1軌道輪、第2軌道輪、及び前記第1軌道輪と前記第2軌道輪との間で転動する転動体を有する転がり軸受と、前記第1軌道輪が固定されている第1部材と、前記第2軌道輪が固定されており、前記転がり軸受の軸受中心軸周りに回転可能な第2部材とを備えた軸受構造に用いられる前記転がり軸受であって、
前記第2軌道輪の内周面及び外周面のうち前記第1軌道輪に近い面は、当該面の周方向に互いに間隔を空けて配置された複数の凹部を有する、
転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021116547A JP2023012833A (ja) | 2021-07-14 | 2021-07-14 | 転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021116547A JP2023012833A (ja) | 2021-07-14 | 2021-07-14 | 転がり軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023012833A true JP2023012833A (ja) | 2023-01-26 |
Family
ID=85128792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021116547A Pending JP2023012833A (ja) | 2021-07-14 | 2021-07-14 | 転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023012833A (ja) |
-
2021
- 2021-07-14 JP JP2021116547A patent/JP2023012833A/ja active Pending
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