JP2023009367A - 放射線撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線撮影装置の軽量化を実現するとともに、容易に筐体のみを交換することができる仕組みを提供する。【解決手段】放射線Rを検出して放射線画像に係る電気信号に変換するセンサ120及び130と、センサ120及び130を内包する筐体110とを備える放射線撮影装置100において、筐体110は、放射線Rが入射する入射面を有するフロントカバー111と、フロントカバー111に対向する位置に配置されたリアカバー112と、フロントカバー111とリアカバー112との間に配置されたフレーム113とを含み構成されており、フレーム113は、相互間で着脱可能な2つのフレーム部材1131及び1132を含む複数の部材で構成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、放射線を検出して放射線画像に係る電気信号に変換するセンサを備える放射線撮影装置に関するものである。
放射線撮影の一般的な方式としては、フィルム/スクリーン方式やCR方式が挙げられる。これらの方式では、感光性フィルム或いは潜像として画像を蓄積する蛍光体プレートを、JIS Z 4905(ISO4090)で規格化されているフィルム撮影装置といわれる収納ケースに入れて撮影に用いてきた。一方、現在は、絶縁基板上に薄膜半導体材料によって形成されたセンサであるフラットパネルディテクタ(FPD)を用いた放射線撮影装置が普及している。また、医療画像診断においては、静止画撮影、及び透視撮影のような動画撮影のために、デジタル放射線撮影装置が用いられている。
一般に、放射線撮影装置は、放射線室に設置されて利用されてきた。しかしながら、放射線撮影装置における近年の実装技術の向上に伴い、より迅速かつ広範囲な部位の撮影を可能にするため、薄型で軽量な可搬型の放射線撮影装置が製品化されている。これにより、放射線室以外にも、例えば技師が病室や手術室等の院内に放射線撮影装置を持ち運んで撮影する場面も生じてきた。こうした放射線撮影装置の持ち運びの際に誤って落下させてしまうことで放射線撮影装置が破損しないよう、落下衝撃に耐性を持つ放射線撮影装置が提案されている(特許文献1)。
一方で、万が一、筐体が破損した場合や筐体の汚れ等によって交換を行う場合、筐体とセンサとが一体化されていると、交換する部品点数の増加やコストの増加となり、ユーザの負担となりかねない。このため、筐体とセンサとが分離可能に構成されることも求められており、例えばセンサと筐体とがホットメルト接着剤により接合され、加熱により分離することで筐体またはセンサのみを交換可能な放射線撮影装置も提案されている(特許文献2)。
特許文献1に記載の放射線撮影装置では、フロント部材の底部開口に蓋をするバック部材がフロント部材にねじの締結により固定される構造のため、放射線撮影装置が外力等で変形した際には、ねじの締結箇所に応力が集中することになる。この際、バック部材の破損を防止するために、ねじの締結箇所に関しては肉厚を増して剛性を上げることや、高剛性な金属材料を採用する対応が考えられる。しかしながら、バック部材が一部品のみで構成されているため、この厚肉化や金属材料の採用は、放射線撮影装置の軽量性を損なうことにつながる。さらに、ねじの締結箇所のみを部分的に厚肉化しても、不均一な肉厚により部品の成形性が悪化するリスクもある。
また、特許文献2に記載の放射線撮影装置では、側面に開口を有する筐体本体部に対してその側面から蓋部材を閉塞することにより、放射線撮影装置の筐体が形成されている。この特許文献2に記載の放射線撮影装置では、例えば筐体が破損等して筐体のみを交換する場合、筐体内部の構成部を取り出す等する際に筐体の狭い側面からアクセスする必要がある(アクセスが制限される)ため、容易に筐体のみを交換することが困難である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、放射線撮影装置の軽量化を実現するとともに、容易に筐体のみを交換することができる仕組みを提供することを目的とする。
本発明の放射線撮影装置は、放射線を検出して放射線画像に係る電気信号に変換するセンサと、前記センサを内包する筐体と、を有する放射線撮影装置であって、前記筐体は、前記放射線が入射する入射面を有するフロントカバーと、前記フロントカバーに対向する位置に配置されたリアカバーと、前記フロントカバーと前記リアカバーとの間に配置されたフレームと、を含み構成されており、前記フレームは、相互間で着脱可能な2つのフレーム部材を含む複数の部材で構成されている。
本発明によれば、放射線撮影装置の軽量化を実現するとともに、容易に筐体のみを交換することができる。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100の外観の一例を示す図である。具体的に、図1(a)は、第1の実施形態に係る放射線撮影装置100を、放射線Rが入射する入射面を有するフロントカバー111の側から見た外観図である。また、図1(b)は、第1の実施形態に係る放射線撮影装置100を、図1(a)に示すフロントカバー111に対向する位置(フロントカバー111とは反対側の位置)に配置されたリアカバー112の側から見た外観図である。
ここで、図1においては、放射線撮影装置100から図1(a)に示す放射線Rに向かう方向をz方向とし、このz方向と直交する2方向であって且つ相互に直交する2方向をx方向及びy方向とした、xyz座標系を図示している。この際、図1では、図1(a)に示すA-Aの方向をx方向としている。また、図1(a)に示す放射線Rには、被検体(不図示)を透過した放射線を含みうる。
放射線撮影装置100は、外装としての筺体を有する。放射線撮影装置100の筐体は、図1(a)に示すフロントカバー111と、図1(b)に示すリアカバー112と、フロントカバー111とリアカバー112との間に配置された図1(a)及び図1(b)に示すフレーム113を含み構成されている。フレーム113は、放射線Rが入射する入射面の側及び入射面とは反対側に位置する裏面の側に、大きな開口を有している。そして、放射線撮影装置100の筐体では、フレーム113における入射面の側の開口にフロントカバー111が接着により貼り付けられて固定され、フレーム113における裏面の側の開口にリアカバー112が接着により貼り付けられて固定されている。また、リアカバー112には、図1(b)に示すように、技師等のユーザによる持ち運びし易さを考慮し、手(指)で持った際のグリップ性を高めるための複数の凹部1121が配置されている。この複数の凹部1121は、フレーム113の各辺の近傍に設けられていることが好ましく、また、放射線撮影装置100の内部構成部の配置との兼ね合いでより深く且つ広範囲にわたって配置されることが望ましい。このように放射線撮影装置100の筐体を構成することにより、放射線撮影装置100の内部の構成部が保護される。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100において、図1(a)に示すA-A断面における内部構成の一例を示す図である。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。また、この図2には、図1に示すxyz座標系に対応したxyz座標系を図示している。
図2に示すように、放射線撮影装置100の筐体110は、フロントカバー111、リアカバー112、及び、フレーム113を含み構成されている。フロントカバー111は、上述したように、放射線Rが入射する入射面を有している。また、リアカバー112は、上述したように、フロントカバー111に対向する位置(フロントカバー111とは反対側の位置)に配置されている。さらに、フレーム113は、放射線撮影装置100の側面(側壁)を構成し、フロントカバー111とリアカバー112との間に配置されている。
また、フレーム113は、相互間で着脱可能な2つのフレーム部材(1131及び1132)を含む複数の部材で構成されている。具体的に、フレーム113は、図2に示すように、フロントフレーム部材1131、リアフレーム部材1132、及び、止着部材1133を有して構成されている。フロントフレーム部材1131は、フロントカバー111の側に配置されたフレーム部材である。リアフレーム部材1132は、リアカバー112の側に配置され、フロントフレーム部材1131と結合されるフレーム部材である。そして、止着部材1133は、フロントフレーム部材1131とリアフレーム部材1132とを結合させるための部材である。フロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132は、この止着部材1133を介して結合されてフレーム113として一体となる。
放射線撮影装置100の筐体110は、シンチレータ層120、光電変換部130、基台140、電気基板150、フレキシブルケーブル151及び152、バッテリ160、バッテリホルダ161、並びに、スペーサー層170を内包している。
シンチレータ層120は、光電変換部130に対して放射線Rが入射する側に配置されており、入射した放射線R(被検体(不図示)を透過した放射線を含みうる)を可視光に変換する蛍光体層である。シンチレータ層120の構成材料としては、一般的にCsIまたはGOS(Gd2O2S)が用いられる。光電変換部130は、シンチレータ層120で発生した光(可視光)を検出して放射線画像に係る電気信号に変換する構成部である。この光電変換部130は、基板と、この基板の表面に二次元状に配置された複数の画素(各画素には、光電変換素子が含まれる)を有して構成されている。ここで説明したシンチレータ層120及び光電変換部130は、入射した放射線Rを検出して放射線画像に係る電気信号に変換する「センサ」に相当する構成である。本実施形態においては、シンチレータ層120及び光電変換部130で構成されるセンサには、フラットパネルディテクタ(FPD)が適用されうる。
基台140は、シンチレータ層120及び光電変換部130で構成されるセンサを支持する基台である。また、基台140は、リブ141によって筐体110のリアカバー112に突き当てられている。また、基台140と光電変換部130とは、例えば両面テープ等の粘着層(不図示)を介して貼り付けられて一体となっている。なお、基台140と光電変換部130とは、ここで説明した面テープ等の粘着層では無く、例えば接着剤による接着等の他の接合手段を介して貼り付けられていてもよい。また、基台140は、アルミニウムやマグネシウム等の金属、または炭素繊維強化樹脂等の軽量且つ高い剛性を有する材料で形成されていることが好適である。また、基台140が光電変換部130等と一体化された状態で筐体110内での位置規制を行うために、z方向に関しては以下の構成を採りうる。即ち、基台140の+z方向に関しては、フロントカバー111との間にスペーサー層170を介在させ、基台140の-z方向に関しては、リアカバー112との間にリブ141やスペーサー(不図示)を介在させて、筐体110内での位置規制を行う。一方、筐体110内での基台140のxy面方向における位置規制に関しては、例えば、基台140とフレーム113とを嵌合することや、エラストマー材やフォーム材等の緩衝材(不図示)をフレーム113との隙間に配置することが適用しうる。ここで、例えば、基台140とフレーム113との隙間に緩衝材(不図示)を配置した場合には、筐体110の側面からの衝撃に対して緩衝材が変形することで、光電変換部130や基台140に伝達される衝撃を緩和することが可能となる。
電気基板150は、基台140における光電変換部130との貼り合せ面に対して対面の側に配置されており、フレキシブルケーブル151を介して光電変換部130と電気的に接続されている。この電気基板150は、フレキシブルケーブル151を介して光電変換部130から放射線画像に係る電気信号を読み出して、画像処理等を行うことによって放射線画像の画像データを生成する。この電気基板150で生成された放射線画像の画像データは、例えば外部の表示システムに送信されて表示される。ここでの通信の方法としては、有線接続及び無線接続のうちのいずれの通信接続でもよく、無線接続であれば2.4GHzや5GHz帯を主として使用する。これらの通信方法によって、PCやタブレット等に放射線画像の画像データが転送されて表示されることにより、ユーザは放射線画像を確認することができる。
バッテリ160は、バッテリホルダ161に対して着脱可能に保持される。バッテリホルダ161は、リアカバー112に取り付けられており、バッテリ160は、放射線撮影装置100のリアカバー112の側から着脱可能となっている。なお、ここでは、バッテリホルダ161がリアカバー112に取り付けられる形態を説明したが、例えば、リアカバー112に開口を設けて、当該開口を介してバッテリホルダ161が基台140に取り付けられる形態であってもよい。バッテリホルダ161にバッテリ160が装着されると、バッテリ160の電力は、フレキシブルケーブル152を介して電気基板150に供給され、更にフレキシブルケーブル151を介して光電変換部130等に供給される。ここで、バッテリ160は、二次電池であり、例えばキャパシタを適用してもよい。
スペーサー層170は、シンチレータ層120とフロントカバー111との間に配置されている層である。
リアカバー112には、筐体110の内部に向かう方向に凹んだ凹部1121が設けられている。ここで、本実施形態では、凹部1121は、技師等のユーザによる放射線撮影装置100の持ち運びし易さ及び落とし難さを考慮して、放射線Rが入射する方向(z方向)において放射線撮影装置100の厚みに対して1/2以上の深さを有することが好ましい。
次に、筐体110を構成するフロントカバー111、リアカバー112及びフレーム113の詳細について、以下に説明する。
フロントカバー111は、放射線Rを透過しやすい材料であって、軽量で且つ剛性の高い炭素繊維強化樹脂で形成されていることが好適である。また、リアカバー112は、軽量で且つ剛性の高いアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属材料や炭素繊維強化樹脂等の樹脂材で形成されていることが好適である。また、フレーム113は、軽量で且つ剛性の高いアルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属材料や炭素繊維強化樹脂で形成されていることが好適である。フロントカバー111(更には必要に応じて、リアカバー112も)が炭素繊維強化樹脂で形成されている場合、炭素繊維の部分は電気を通しやすい「導通部分」に相当し、樹脂の部分は電気を通しにくい「非導通部分」に相当する。この場合、フロントカバー111(更には必要に応じて、リアカバー112も)の「導通部分」である炭素繊維の部分が、フレーム113と電気的に接続されていることが好ましい。このように構成することにより、フロントカバー111等が静電気等を受けても、その静電気等がフレーム113側へ伝わるため、筐体110の内部構成部を静電気等から保護することが可能となる。
フレーム113は、上述したように、フロントフレーム部材1131、リアフレーム部材1132、及び、止着部材1133を有して構成されている。フロントフレーム部材1131には、フロントカバー111が接着等により固定される。リアフレーム部材1132には、リアカバー112が接着等により固定される。止着部材1133は、フロントフレーム部材1131とリアフレーム部材1132とを結合して一体とするための部材である。止着部材1133は、フレーム113の全周にわたって所定の間隔で配置される。この止着部材1133を取り外して、フロントフレーム部材1131とリアフレーム部材1132との2つのフレーム部材を分離することで、筐体110と筐体110の内部の構成部(上述した「センサ」を含む)とを分離することが可能となる。この止着部材1133としては、ねじ等の締結部材が好適である。
本実施形態においては、フロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132の2つのフレーム部材のうちの少なくとも1つのフレーム部材は、金属で形成されていることが好適である。このように構成することにより、放射線撮影装置100の落下耐性等の機械的強度を向上させることができる。また、フロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132は、止着部材1133を介した結合によって、接触により電気的に接続されている状態となる。
フロントカバー111とフロントフレーム部材1131との間は、接合層(不図示)により固定される。ここで、接合層としては、例えば接着剤を用いることでフロントカバー111を厚肉にする必要がなく、軽量性が損なわれない。また、接合層としては、例えば接着剤を用いることで、ビス締結のように外観面に締結部材が露出せずに外観性や清掃性が良く、高い気密性及び水密性を実現することができる。また、フロントカバー111とフロントフレーム部材1131との線膨張係数の違いによる、温度変化時に反りや接着層との剥がれを避けるため、接合層としては弾性系の接着剤を用いることが望ましい。また、接着層と被着材であるフロントカバー111及びフロントフレーム部材1131との接着強度を高めるために、被着材の表面を粗くすることでアンカー効果による接着強度の向上を図り、接着剤の剥がれリスクの低減し、信頼性の高い接合が可能となる。なお、接合層としては、ここで説明した接着剤に限定されるものでは無く、テープ等の粘着剤を採用してもよい。ここでは、フロントカバー111とフロントフレーム部材1131との接合に関して説明を行ったが、リアカバー112とリアフレーム部材1132との接合についても同様である。なお、フロントカバー111とフロントフレーム部材1131との間の接合層とリアカバー112とリアフレーム部材1132との間の接合層とは、必ずしも同じものを採用する必要はない。
フロントカバー111及びリアカバー112は、軽量性を考慮し、薄肉成形された略平板形状を有し、各々が筐体110の表面及び裏面を形成する。ここで、本実施形態においては、フロントカバー111及びリアカバー112のうちの少なくとも1つのカバーは、フレーム113よりも比重の小さい材料で形成されていることが好適である。一方、フロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132は、筐体110の側面(側壁)を形成し、落下等の衝撃に対する耐性を持たせつつ、止着部材1133により着脱可能に構成することで筐体110と内部の構成部との分離が可能となる。
本実施形態においては、筐体110全体としての電磁シールド性の観点から、筐体110を構成する部材間が電気的に接続されていることが望ましい。具体的には、フロントカバー111とフロントフレーム部材1131との間、フロントフレーム部材1131とリアフレーム部材1132との間、及び、リアフレーム部材1132とリアカバー112との間が、電気的に接続されていることが望ましい。このうち、リアフレーム部材1132とリアカバー112との間における電気的接続の構成例を、図3を用いて以下に説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る放射線撮影装置100において、図2に示すD領域の構成例を示す拡大図である。
図3(a)は、リアフレーム部材1132とリアカバー112とを、合わせ面同士の接触による電気的接続方法を示している。この図3(a)に示す電気的接続方法は、電気的接続のための他の部材を必要としないため、低コストで簡便な方法である。
しかしながら、リアフレーム部材1132とリアカバー112との間に接着剤等の接合部材が介在することで面接触による電気的接続が困難な場合、これらの2つの部品間に跨るように導電性部材を固定することで電気的接続を実現することもできる。具体的には、図3(b)に示すように、リアフレーム部材1132とリアカバー112とを金属製ビス114によって締結して、電気的接続を実現する方法が適用できる。また、図3(c)に示すように、リアフレーム部材1132及びリアカバー112の2つの部品に跨るように導電性テープ115を貼付して、電気的接続を実現する方法も適用できる。さらに、図3(d)に示すように、接合部材自体が導電性を有する導電性接合材116を介して、リアフレーム部材1132及びリアカバー112の2つの部品を接合して、電気的接続を実現する方法も適用できる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る放射線撮影装置100では、筐体110を以下のように構成している。即ち、フロントカバー111とリアカバー112との間に配置されたフレーム113は、相互間で着脱可能な2つのフレーム部材であるフロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132を含む複数の部材で構成されている。
かかる構成によれば、フロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132が可逆的に着脱可能であるため、放射線撮影装置100の軽量化を実現できるとともに、例えば筐体110が破損した場合にも容易に筐体110のみを交換することができる。
かかる構成によれば、フロントフレーム部材1131及びリアフレーム部材1132が可逆的に着脱可能であるため、放射線撮影装置100の軽量化を実現できるとともに、例えば筐体110が破損した場合にも容易に筐体110のみを交換することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に記載する第2の実施形態の説明では、上述した第1の実施形態と共通する事項については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる事項について説明を行う。
上述した第1の実施形態では、リアフレーム部材1132に取り付けられるリアカバー112が略長方形である形態について説明した。即ち、リアフレーム部材1132は、放射線Rが入射する入射面とは反対側に位置する裏面の側に略長方形の開口を1つ有し、その開口にリアカバー112が取り付けられる形態について説明した。
なお、フロントフレーム部材1131が金属材料で形成されている場合、撮影領域にかからないように、フロントフレーム部材1131の入射面の側の開口は、光電変換部130の有効画素領域以上の外形を有することが望ましい。一方で、リアフレーム部材1132に関しては、その観点での外形的制約はない。リアフレーム部材1132における裏面の側の開口を大きくする、即ち薄肉で軽量なリアカバー112を大きくすることで、軽量化を図ることができる。この際、強度等の兼ね合いで、部分的にリアフレーム部材1132の領域を延出させ、その延出部分だけリアカバー112が切り欠かれた形状としてもよく、この形態を第2の実施形態として以下に説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置200において、リアカバー112の側から見た外観図である。この図4において、図1~図3に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。また、この図4には、図1及び図2に示すxyz座標系に対応したxyz座標系を図示している。
第2の実施形態では、図4に示すように、フレーム113のリアフレーム部材1132における裏面の側の開口に対してリアカバー112が固定される構造は、上述した第1の実施形態と同じである。しかしながら、第2の実施形態では、図4に示すように、フレーム113のリアフレーム部材1132が、リアカバー112の側からみた場合に、一部がリアカバー112の内側に突き出た延出部201を備えている点で、第1の実施形態とは異なる。また、第2の実施形態では、図4に示すように、リアカバー112に設けられた開口部を覆うように蓋部材202を備えている点も、第1の実施形態とは異なる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置200において、図4に示すB-B断面における内部構成の一例を示す図である。この図5において、図1~図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。また、この図5には、図4に示すxyz座標系に対応したxyz座標系を図示している。
放射線撮影装置200は、図5に示すように、筐体210として、フロントカバー111、リアカバー112、及び、フレーム213を含み構成されている。また、放射線撮影装置200は、図5に示すように、フレーム213として、フロントフレーム部材1131、延出部201を備えるリアフレーム部材1132、及び、止着部材1133を有して構成されている。
ここで、リアカバー112は、第1の実施形態で説明したように、軽量化のために樹脂材料で形成されていることが好適である。しかしながら、軽量化のためにリアカバー112の薄肉化を図ると、落下衝撃や外力がリアカバー112に加わった際に大きくたわむことで、筐体210の内部にある電気基板150等に接触し、変形や破損するリスクがある。そこで、筐体210の内部部品との兼ね合いで、リアカバー112による大きなたわみを許容できない領域に関しては、より剛性のあるリアフレーム部材1132が延出した延出部201を設けることにより、上述したリスクを回避することが可能となる。具体的に、図5に示す例では、電気基板150に対する上述したリスクを回避するために、z方向において、リアフレーム部材1132の延出部201と上述したセンサとの間に電気基板150を配置するようにしている。
なお、リアフレーム部材1132は、リアカバー112と比較して、弾性率の高い部材を選定する、もしくは肉厚を大きくすることで、高剛性を実現可能である。一方で、リアカバー112の肉厚を部分的に増すことやリブを追加する等で剛性を上げることも考えられるが、不均一な肉厚による成形性の悪化やヒケによる外観面を損なうリスクもあるため、本実施形態の構成(延出部201を設ける構成)が好適である。また、リアカバー112に加わる外力に対して片持ち支持とならないように、延出部201の先端部分を基台140のリブ141または基台140に固定されるスペーサー(不図示)等で支持することで、よりたわみの抑制が可能となる。また、延出部201を設ける数や領域については、内部部品の数や配置によって適宜設定することが可能である。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る放射線撮影装置200において、図4に示すC-C断面における内部構成の一例を示す図である。この図6において、図1~図5に示す構成と同様の構成については同じ符号を付しており、その詳細な説明は省略する。また、この図6には、図4及び図5に示すxyz座標系に対応したxyz座標系を図示している。
放射線撮影装置200は、図6に示すように、筐体210には、フロントカバー111に対向する位置(より具体的には、リアフレーム部材1132の延出部201の領域内)に、開口部203が設けられている。そして、放射線撮影装置200は、図6に示すように、筐体210の一構成として、開口部203を覆う、リアカバー112とは別の蓋部材202を設けている。これにより、z方向において、開口部203よりも筐体210の内側に、電気部品として例えば無線通信部204が配置される場合には、無線通信を阻害しない蓋部材202を配置することが可能となる。なお、z方向において、開口部203と上述したセンサとの間に配置する電気部品としては、上述した無線通信部204に限定されるものではなく、例えば無線給電部やスピーカー等であってもよい。即ち、開口部203と上述したセンサとの間に配置する電気部品としては、無線通信部204、無線給電部及びスピーカーのうちの少なくとも1つの電気部品を適用可能である。
また、図6では、無線通信部204は、フレキシブルケーブル205を介して電気基板250に電気的に接続されている。また、電気基板250は、フレキシブルケーブル252を介してバッテリ160に電気的に接続されている。この際、本実施形態においては、電気基板250は、図5に示す電気基板150と同じ電気基板であっても、図5に示す電気基板150と異なる電気基板であってもよい。
以上説明したように、第2の実施形態に係る放射線撮影装置200では、第1の実施形態に係る放射線撮影装置100の構成に加えて、リアフレーム部材1132に延出部201を設けるように構成している。
かかる構成によれば、第1の実施形態における効果に加えて、更に、筐体210の変形を抑制して内部部品の保護をより強化することが可能となり、落下衝撃や荷重に対する耐性の更なる向上を図ることができる。
かかる構成によれば、第1の実施形態における効果に加えて、更に、筐体210の変形を抑制して内部部品の保護をより強化することが可能となり、落下衝撃や荷重に対する耐性の更なる向上を図ることができる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:放射線撮影装置、110:筐体、111:フロントカバー、112:リアカバー、1121:凹部、113:フレーム、1131:フロントフレーム部材、1132:リアフレーム部材、1133:止着部材、120:シンチレータ層、130:光電変換部、140:基台、141:リブ、150:電気基板、151,152:フレキシブルケーブル、160:バッテリ、161:バッテリホルダ、170:スペーサー層、R:放射線
Claims (17)
- 放射線を検出して放射線画像に係る電気信号に変換するセンサと、
前記センサを内包する筐体と、
を有する放射線撮影装置であって、
前記筐体は、前記放射線が入射する入射面を有するフロントカバーと、前記フロントカバーに対向する位置に配置されたリアカバーと、前記フロントカバーと前記リアカバーとの間に配置されたフレームと、を含み構成されており、
前記フレームは、相互間で着脱可能な2つのフレーム部材を含む複数の部材で構成されていることを特徴とする放射線撮影装置。 - 前記2つのフレーム部材は、前記フロントカバーの側に配置されたフロントフレーム部材、および、前記リアカバーの側に配置され、前記フロントフレーム部材と結合されるリアフレーム部材であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
- 前記2つのフレーム部材は、止着部材を介して結合されて一体となることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮影装置。
- 前記2つのフレーム部材を分離することによって、前記筐体に対して前記センサを出し入れ可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記2つのフレーム部材のうちの少なくとも1つのフレーム部材は、金属で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記2つのフレーム部材は、接触により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記フレームは、前記リアカバーの側からみた場合に、一部が前記リアカバーの内側に突き出た延出部を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記延出部と前記センサとの間に、電気基板を更に有することを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
- 前記筐体には、前記フロントカバーに対向する位置に開口部が設けられており、
前記開口部と前記センサとの間に、無線通信部、無線給電部およびスピーカーのうちの少なくとも1つの電気部品を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。 - 前記フロントカバーは、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記フロントカバーおよび前記リアカバーのうちの少なくとも1つのカバーは、炭素繊維強化樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記フロントカバーおよび前記リアカバーのうちの少なくとも1つのカバーは、前記フレームよりも比重の小さい材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記フロントカバーおよび前記リアカバーのうちの少なくとも1つのカバーは、導通部分と非導通部分とを有し、前記導通部分が前記フレームと電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記フロントカバーおよび前記リアカバーは、前記フレームに対して接着により固定されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記リアカバーには、前記筐体の内部に向かう方向に凹んだ凹部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
- 前記凹部は、前記放射線が入射する方向において、前記放射線撮影装置の厚みに対して1/2以上の深さを有することを特徴とする請求項15に記載の放射線撮影装置。
- 前記センサは、二次元状に配置された複数の画素を備えることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
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