JP2023006488A - ハイブリッド自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】積載荷重や搭乗者数、加減速の程度が異なる場合でも、走行支援計画をより適正に生成する。【解決手段】走行経路の各走行区間の区間平均負荷と区間消費エネルギとバッテリの残量とに基づいてCDモードとCSモードを含む走行モードのいずれかを割り当てる走行支援計画を生成し、その計画に沿って走行する走行支援制御を実行する。走行支援制御の実行中に所定条件が成立したときには、走行を完了した各走行区間の実平均負荷と対応する区間平均負荷との差分に基づいて未走行の各走行区間の区間平均負荷を補正し、補正した区間平均負荷を用いて未走行の各走行区間に対して走行支援計画を生成し、生成した走行支援計画に基づく走行支援制御を実行する。【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、走行経路に対して走行支援計画を生成して走行するハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、現在地から目的地までの走行予定経路の各走行区間にCDモードとCSモードを含む走行モードのいずれかを割り当てた走行支援計画を生成し、走行支援計画に沿って走行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、走行支援計画に沿って走行する際に、各走行区間で消費する消費エネルギを目的地から現在地に向けて積算したときに、積算値の符号が負から正になる走行区間が存在するときには、現在地に最も近い符号が負から正になる走行区間より目的地側で最初に消費エネルギが負となる走行区間の直前の走行区間を制御終了区間とし、現在地から制御終了区間までを対象として走行支援計画を生成する。これにより、目的地までにバッテリの電力をより適正に使用するようにしている。
しかしながら、上述のハイブリッド自動車では、積載荷重や搭乗者数、加減速の程度などにより走行支援計画どおりに走行することができない場合が生じる。各走行区間で消費する消費エネルギは、過去の走行などにより設定されているため、そのときの積載荷重や搭乗者数、加減速の程度が異なることにより、各走行区間で実際の消費する消費エネルギは計画時の消費エネルギとは異なるものとなる。このため、走行支援計画どおりに走行できなくなってしまう。
本発明のハイブリッド自動車は、積載荷重や搭乗者数、加減速の程度が異なる場合でも、走行支援計画をより適正に生成することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、モータと、バッテリと、現在地から目的地までの走行経路に対して経路案内を行なうナビゲーションシステムと、前記走行経路の各走行区間に対して各走行区間を走行する際の区間平均負荷と各走行区間を走行するのに必要な区間消費エネルギと前記バッテリの残量とに基づいてCDモードとCSモードを含む走行モードのいずれかを割り当てる走行支援計画を生成すると共に前記走行支援計画に沿って走行する走行支援制御を実行する制御装置と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記走行支援制御を実行中に所定条件が成立したときに、前記走行経路のうち走行を完了した各走行区間の実平均負荷と対応する各走行区間の区間平均負荷との差分に基づいて前記走行経路のうち未走行の各走行区間の区間平均負荷を補正し、補正した区間平均負荷を用いて前記走行経路のうち未走行の各走行区間に対して前記走行支援計画を生成し、生成した走行支援計画に基づく走行支援制御を実行する、
ことを特徴とする。
エンジンと、モータと、バッテリと、現在地から目的地までの走行経路に対して経路案内を行なうナビゲーションシステムと、前記走行経路の各走行区間に対して各走行区間を走行する際の区間平均負荷と各走行区間を走行するのに必要な区間消費エネルギと前記バッテリの残量とに基づいてCDモードとCSモードを含む走行モードのいずれかを割り当てる走行支援計画を生成すると共に前記走行支援計画に沿って走行する走行支援制御を実行する制御装置と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記走行支援制御を実行中に所定条件が成立したときに、前記走行経路のうち走行を完了した各走行区間の実平均負荷と対応する各走行区間の区間平均負荷との差分に基づいて前記走行経路のうち未走行の各走行区間の区間平均負荷を補正し、補正した区間平均負荷を用いて前記走行経路のうち未走行の各走行区間に対して前記走行支援計画を生成し、生成した走行支援計画に基づく走行支援制御を実行する、
ことを特徴とする。
本発明のハイブリッド自動車では、走行経路の各走行区間に対して各走行区間を走行する際の区間平均負荷と各走行区間を走行するのに必要な区間消費エネルギとバッテリの残量とに基づいてCDモードとCSモードを含む走行モードのいずれかを割り当てる走行支援計画を生成すると共に、生成した走行支援計画に沿って走行する走行支援制御を実行する。走行支援制御を実行中に所定条件が成立したときに、走行経路のうち走行を完了した各走行区間の実平均負荷と対応する各走行区間の区間平均負荷との差分に基づいて走行経路のうち未走行の各走行区間の区間平均負荷を補正し、補正した区間平均負荷を用いて走行経路のうち未走行の各走行区間に対して走行支援計画を生成し、生成した走行支援計画に基づく走行支援制御を実行する。即ち、各走行区間の実平均負荷と各走行区間の区間平均負荷との差分に基づいて区間平均負荷を補正し、補正した区間平均負荷を用いて未走行の各走行区間に対して走行支援計画を再生成するのである。これにより、積載荷重や搭乗者数、加減速の程度が異なる場合でも走行支援計画をより適正に生成することができる。所定条件としては、走行支援計画を再計画するための条件であり、例えば、所定数の走行区間の走行を完了した条件や、所定距離だけ走行した条件、所定時間に亘って走行した条件などを挙げることができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の一例をハイブリッド電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという。)50を中心にブロックとして示すブロック図である。図示するように、実施例のハイブリッド自動車20は、動力源としてエンジンEGとモータMGとを備える。実施例のハイブリッド自動車20は、走行モードとして、バッテリ40の蓄電割合SOCを減少させるように電動走行を優先させるCDモード(Charge Depletingモード)と、バッテリ40の蓄電割合SOCを目標割合に維持するように電動走行とハイブリッド走行とを併用するCSモード(Charge Sustainingモード)と、を切り替えて走行する。電動走行は、エンジンEGの運転を停止した状態でモータMGからの動力だけで走行するモードであり、ハイブリッド走行は、エンジンEGを運転してエンジンEGからの動力とモータMGからの動力とにより走行するモードである。
実施例のハイブリッド自動車20は、動力源の他に、イグニッションスイッチ21、GPS(Global Positioning System, Global Positioning Satellite)22、車載カメラ24、ミリ波レーダー26、加速度センサ28、車速センサ30、アクセルセンサ32、ブレーキセンサ34、モード切替スイッチ36、電池アクチュエータ38、バッテリ40、エアコン用電子制御ユニット(以下、エアコンECUという。)42、エアコン用コンプレッサ44、ハイブリッドECU50、アクセルアクチュエータ60、ブレーキアクチュエータ62、ブレーキ装置64、表示装置66、走行状態インジケータ67、メーター68、DCM(Data Communication Module)70、ナビゲーションシステム80などを備える。
GPS22は、複数のGPS衛星から送信される信号に基づいて車両の位置を検出する装置である。車載カメラ24は、車両の周囲を撮像するカメラであり、例えば、車両前方を撮像する前方用カメラや車両後方を撮像する後方用カメラなどが該当する。ミリ波レーダー26は、自車両と前方の車両との車間距離や相対速度を検知したり、自車両と後方の車両との車間距離や相対速度を検知する。
加速度センサ28は、例えば、車両の前後方向の加速度を検出したり、車両の左右方向(横方向)の加速度を検出するセンサである。車速センサ30は、車輪速などに基づいて車両の車速を検出する。アクセルセンサ32は、運転者のアクセルペダルの踏み込み量に応じたアクセル開度などを検出する。ブレーキセンサ34は、運転者のブレーキペダルの踏み込み量としてのブレーキポジションなどを検出する。モード切替スイッチ36は、運転席のハンドル近傍に配置されて、CDモードとCSモードとを切り替えるためのスイッチである。
電池アクチュエータ38は、バッテリ40の状態、例えば端子間電圧、充放電電流、バッテリ温度を検出しており、これらに基づいてバッテリ40を管理する。電池アクチュエータ38は、充放電電流に基づいて全蓄電容量に対する残存蓄電容量の割合としての蓄電割合SOCを演算したり、蓄電割合SOCやバッテリ温度などに基づいてバッテリ40から出力してもよい許容最大出力電力(出力制限Wout)やバッテリ40に入力してもよい許容最大入力電力(入力制限Win)を演算する。バッテリ40は、充放電可能な二次電池として構成されており、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池、鉛蓄電池などを用いることができる。
エアコンECU42は、図示しないがCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他にROMやRAM、フラッシュメモリ、入力ポート、出力ポート、通信ポートなどを備える。エアコンECU42は、乗員室を空気調和する空調装置に組み込まれており、乗員室の温度が設定された温度となるように空調装置におけるエアコン用コンプレッサ44を駆動制御する。
エンジンEGは、例えば内燃機関として構成されている。モータMGは、例えば同期発動電動機などの発電機としても機能する電動機として構成されている。モータMGは、図示しないがインバータを介してバッテリ40に接続されており、バッテリ40から供給される電力を用いて駆動力を出力したり、発電した電力によりバッテリ40を充電したりすることができる。
ハイブリッドECU50は、図示しないがCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他にROMやRAM、フラッシュメモリ、入力ポート、出力ポート、通信ポートなどを備える。ハイブリッドECU50は、走行モードを設定したり、設定した走行モードや、アクセルセンサ32からのアクセル開度、ブレーキセンサ34からのブレーキポジション、電池アクチュエータ38からの出力制限および入力制限に基づいてエンジンEGの目標運転ポイント(目標回転数や目標トルク)やモータMGのトルク指令を設定する。
ハイブリッドECU50は、電動走行するときには、アクセルセンサ32からのアクセル開度や車速センサ30からの車速に基づいて要求駆動力や要求パワーを設定し、車両に要求駆動力や要求パワーを出力するようにモータMGのトルク指令を設定し、設定したトルク指令をアクセルアクチュエータ60に送信する。ハイブリッドECU50は、ハイブリッド走行するときには、車両に要求駆動力や要求パワーを出力するようにエンジンEGの目標運転ポイントとモータMGのトルク指令とを設定し、目標運転ポイントとトルク指令とをアクセルアクチュエータ60に送信する。また、ハイブリッドECU50は、ブレーキペダルが踏み込まれたときには、ブレーキセンサ34からのブレーキポジションや車速センサ30からの車速に基づいて要求制動力を設定し、要求制動力や車速に基づいてモータMGを回生制御するための回生用のトルク指令を設定すると共に、ブレーキ装置による目標制動力を設定し、トルク指令についてはアクセルアクチュエータ60に送信し、目標制動力についてはブレーキアクチュエータ62に送信する。
アクセルアクチュエータ60は、ハイブリッドECU50により設定された目標運転ポイントやトルク指令によりエンジンEGやモータMGを駆動制御する。アクセルアクチュエータ60は、エンジンEGが目標運転ポイント(目標回転数や目標トルク)で運転されるように、吸入空気量制御や燃料噴射制御、点火制御、吸気バルブ開閉タイミング制御などを行なう。また、アクセルアクチュエータ60は、モータMGからトルク指令に相当するトルクが出力されるようにモータMGを駆動するためのインバータが有するスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
ブレーキアクチュエータ62は、ハイブリッドECU50により設定された目標制動力がブレーキ装置64により車両に作用するようにブレーキ装置64を制御する。ブレーキ制御装置64は、例えば油圧駆動の摩擦ブレーキとして構成されている。
表示装置66は、例えば運転席前方のインストールパネルに組み込まれており、各種情報を表示する。走行状態インジケータ67は、図示しないがEVインジケータとHVインジケータとを有し、モータ走行しているときには、EVインジケータを点灯すると共にHVインジケータを消灯し、ハイブリッド走行しているときには、EVインジケータを消灯すると共にHVインジケータを点灯する。メーター68は、例えば運転席前方のインストールパネルに組み込まれている。
DCM(Data Communication Module)70は、自車両の情報を交通情報管理センター100に送信したり、交通情報管理センター100からの道路交通情報を受信したりする。自車両の情報としては、例えば、自車両の位置や、車速、走行パワー、走行モードなどを挙げることができる。道路交通情報としては、例えば、現在や将来の渋滞に関する情報や、走行経路上の区間における現在の平均車速や将来の平均車速の予測値に関する情報、交通規制に関する情報、天候に関する情報、路面状態に関する情報、地図に関する情報などを挙げることができる。DCM70は、交通情報管理センター100と所定間隔毎(例えば、30秒毎や1分毎、2分毎など)に通信している。
ナビゲーションシステム80は、自車両を設定した目的地に誘導するシステムであり、表示部82と地図情報データベース84とを備える。ナビゲーションシステム80は、交通情報管理センター100とDCM(Data Communication Module)70を介して通信している。ナビゲーションシステム80は、目的地が設定されると、目的地の情報とGPS22により取得した現在地(現在の自車両の位置)の情報と地図情報データベース84に記憶されている情報とに基づいて経路を設定する。そして、ナビゲーションシステム80は、所定時間毎(例えば、3分毎や5分毎など)に交通情報管理センター100と通信して道路交通情報を取得し、道路交通情報に基づいて経路案内を行なう。
ナビゲーションシステム80は、経路案内を行なう際、交通情報管理センター100から道路交通情報を取得する毎(或いは所定時間毎)に、交通情報管理センター100から取得した道路交通情報のうちの走行経路内の各走行区間の情報や走行負荷に関する情報、自車両の車速、自車両の走行パワー、自車両の走行モードなどに基づいて各走行区間を走行するのに必要な負荷情報などを先読み情報として生成し、ハイブリッドECU50に送信する。ハイブリッドECU50は、走行支援制御の実行が可能なときには、ナビゲーションシステム80から受信した先読み情報を用いて経路の各区間の走行モードにCDモードとCSモードとのうちのいずれかを割り当てて走行する走行支援計画を生成し、走行支援計画を実行する。
ナビゲーションシステム80は、地図に関する情報に含まれる地図の更新情報を交通情報管理センター100から取得したときには、表示部82に「地図更新」のアイテムを表示すると共に「地図情報の更新の準備ができました。地図更新ボタンを押して下さい。」等のアナウンスを行なう。こうした地図更新の報知に対して「地図更新」のアイテムが操作されると、ナビゲーションシステム80は、DCM70を介して交通情報管理センター100と通信し、更新に係る地図情報を取得して地図情報データベース84に記憶する。この地図更新の際には、「地図情報の更新時には一部の機能が停止します。」等のアナウンスを行なう。
ナビゲーションシステム80は、システムが通常に起動していることをハイブリッドECU50等に知らせるために所定時間毎に値1ずつインクリメントする生存カウンタCnbをカウントしている。ハイブリッドECU50は、一定時間毎にナビゲーションシステム80から生存カウンタCnbを取得し、ナビゲーションシステム80が通常に起動していることを確認する。一方、ハイブリッドECU50は、ユニットが通常に起動していることをナビゲーションシステム80等に知らせるために所定時間毎に値1ずつインクリメントする生存カウンタChvをカウントしている。ナビゲーションシステム80は、一定時間毎にハイブリッドECU50から生存カウンタChvを取得し、ハイブリッドECU50が通常に起動していることを確認する。
こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作、特に走行支援制御を実行しているときの動作について説明する。図2は、ハイブリッドECU50により実行される走行支援制御の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、目的地が設定されたときなどに実行される。
走行支援制御では、まず、走行支援制御の実行が可能か否かを判定する(ステップS100)。走行支援制御は、上述したように、ナビゲーションシステム80により現在地から目的地までの経路が設定されたときに経路の各区間の走行モードにCDモードとCSモードとのうちのいずれかを割り当てて走行する制御であるから、目的地の設定がないときには走行支援制御を実行することができない。また、ナビゲーションシステム80に異常が生じているときやGPS22に異常が生じているときなど、経路案内を良好に行なうことができないときにも走行支援制御は実行することはできない。バッテリ温度が低いときにはバッテリ40から出力してもよい許容最大出力電力である出力制限Woutが小さくなり、CDモードで走行していても頻繁にエンジンEGを始動する場合が生じ、適正にCDモードによる走行を行なうことができなくなる。ステップS100では、これらのような事情により走行支援制御の実行が可能であるか否かを判定するのである。ステップS100で走行支援制御の実行が可能ではないと判定したときには、走行支援制御の実行が可能になるまで待機する。
ステップS100で走行支援制御の実行が可能であると判定したときには、先読み情報の取得が初回であるか或いはその後にナビゲーションシステム80から送信され受信した先読み情報の更新がなされたか否かを判定する(ステップS110)。いま、ステップS110が初めて実行される場合、したがって先読み情報の取得が初回である場合を考える。この場合、ステップS110では肯定的判定がなされ、先読み情報を取得する(ステップS120)。先読み情報は、上述したように、交通情報管理センター100から取得した道路交通情報のうちの走行経路内の各走行区間の情報や走行負荷に関する情報、自車両の車速、自車両の走行パワー、自車両の走行モードなどに基づいて生成される各走行区間を走行するのに必要な負荷情報などが含まれる。そして、先読み情報に基づいて走行支援計画生成処理を実行する(ステップS130)。図3に走行支援計画生成処理の一例を示す。
走行支援計画生成処理では、まず、現在地から制御終了区間(目的地)までの走行経路の各走行区間の消費エネルギE(n)とその総和としての総エネルギEsumとを計算する(ステップS200)。各走行区間の消費エネルギE(n)は、各走行区間を走行する際の区間平均負荷P(n)と、各走行区間を走行する際の平均車速V(n)と、各走行区間の走行距離L(n)により、E(n)=P(n)×L(n)/V(n)として求めることができる。なお、区間平均負荷P(n)は、走行区間における平均の負荷(パワー)であり、その走行区間が市街地であるか郊外であるか山間部であるかなどの基準に基づいて定めた値を用いたり、過去に走行したときの実平均負荷Pa(n)に基づいて計算された値を用いることができる。
続いて、総エネルギEsumがバッテリ40の残量より大きいか否かを判定する(ステップS210)。バッテリ40の残量は、バッテリ40の全容量に蓄電割合SOCを乗じることにより計算することができる。総エネルギEsumがバッテリ40の残量以下であると判定したときには、全走行区間にCDモードを割り当てて(ステップS220)、それを走行支援計画として本処理を終了する。総エネルギEsumがバッテリ40の残量より大きいと判定したときには、各走行区間を区間平均負荷P(n)が低い順に並び替え(ステップS230)、区間平均負荷P(n)が低い順に、割り当てた走行区間の消費エネルギE(n)の総和がバッテリ40の残量を超えるまでCDモードに割り当てると共に残余の走行区間をCSモードに割り当てて(ステップS240)、それを走行支援計画として本処理を終了する。
こうして走行支援計画を生成すると、所定条件が成立しているか否かを判定する(ステップS140)。ここで、所定条件としては、走行支援計画を再計画するための条件であり、例えば、所定数の走行区間の走行を完了した条件や、所定距離だけ走行した条件、所定時間に亘って走行した条件などを挙げることができる。いま、ステップS110が初めて実行される場合を考えているから、所定条件は成立していないと判定される。この場合、割り当てたモードの走行支援計画に沿って走行モードを制御すると共に走行支援制御の効果(制御効果)を累積する(ステップS180)。制御効果としては、例えば、走行支援制御中のモータ走行による走行距離や走行時間、ハイブリッド走行による走行距離や走行時間、各走行区間の走行に実際に消費した実消費エネルギなどを挙げることができる。なお、累積した制御効果は、ハイブリッドECU50の図示しないフラッシュメモリなどに記憶され、目的地に到達したときに運転席前方のインストールパネルに組み込まれた表示装置66に「モータ走行〇〇km、ハイブリッド走行〇〇km」などと表示することにより報知される。
そして、走行支援制御の終了条件が成立しているか否かを判定する(ステップS190)。走行支援制御の終了条件としては、目的地に到達したとき、充電などによりバッテリ40の残量が変更したとき、運転者などにより走行支援制御を終了する操作が行なわれたときなどを挙げることができる。いま、ステップS110が初めて実行される場合を考えているから、走行支援制御の終了条件が成立していないと判定され、ステップS100の走行支援制御の実行が可能か否かを判定する処理に戻る。なお、走行支援制御の終了条件が成立していると判定したときには、走行支援制御を終了する。充電などによりバッテリ40の残量が変更したときには、走行支援制御を終了するが、新たな走行支援制御の開始となる場合には、再び本ルーチンが実行されることになる。
次に、先読み情報の更新がなされた場合を考える。この場合も先読み情報の取得が初回である場合(ステップS110が初めて実行される場合)と同様の処理となる。
次に、ステップS110~S190の処理を繰り返し実行している最中にステップS140で所定条件が成立したと判定したときを考える。この場合、まず、走行経路のうち走行を完了した各走行区間における実際の平均負荷(実平均負荷)Pa(n)と対応する各走行区間の区間平均負荷P(n)の差分ΔP(n)(Pa(n)-P(n))を計算すると共にこの差分の平均(平均差分)ΔAPを計算する(ステップS150)。続いて、補正係数kに平均差分ΔAPを乗じたものを各走行区分の区間平均負荷P(n)に加えることによって区間平均負荷P(n)を補正し、補正した区間平均負荷P(n)を記憶する(ステップS160)。ここで、補正係数kは、値0~値1の範囲で任意に定めることができる。そして、補正した区間平均負荷P(n)を用いてその地点から目的地までの走行支援計画を図3に示す走行支援計画生成処理により再計画(再生成)し(ステップS170)、再計画(再生成)した走行支援計画に沿って走行モードを制御すると共に走行支援制御の効果(制御効果)を累積し(ステップS180)、走行支援制御の終了条件が成立しているか否かを判定する(ステップS190)。このように、所定条件が成立すると、走行を完了した各走行区間の実平均負荷Pa(n)に基づいて区間平均負荷P(n)が補正され、補正された区間平均負荷P(n)を用いて走行支援計画が再計画され、その後は再計画された走行支援計画に沿って走行モードが制御される。このため、積載荷重や搭乗者数、加減速の程度が異なる場合でも所定条件の成立以降の走行支援計画をより適正なものとすることができる。
図4に走行区分(i)の走行を完了したときに所定条件が成立したことにより区間平均負荷P(n)が補正される様子の一例を示す。走行区分(1)~(i)までの区間平均負荷P(1~i)と実平均負荷Pa(1~i)との差分ΔP(1~i)が計算され、差分ΔP(1~i)の平均として平均差分ΔAPが計算される。そして、補正係数kに平均差分ΔAPを乗じたものを各走行区分の区間平均負荷P(n)に加えることによって区間平均負荷P(n)を補正する。図4では、補正係数k=0.7で平均差分ΔAPが0.5として区間平均負荷P(n)を補正している。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、走行支援計画を生成して走行支援計画に沿って走行モードを制御している最中に所定条件が成立したときには、走行を完了した各走行区間の実平均負荷Pa(n)に基づいて区間平均負荷P(n)を補正し、補正した区間平均負荷P(n)を用いて走行支援計画を再計画し、再計画した走行支援計画に沿って走行モードを制御する。これにより、積載荷重や搭乗者数、加減速の程度が異なる場合でも所定条件の成立以降の走行支援計画をより適正なものとすることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、走行支援計画を生成して走行支援計画に沿って走行モードを制御している最中に所定条件が成立したときには、走行を完了した各走行区間の実平均負荷Pa(n)に基づいて区間平均負荷P(n)を補正するものとした。しかし、走行を完了した各走行区間の実平均車速Va(n)に基づいて区間平均車速V(n)を補正するものとしてもよい。この場合の走行支援制御の一例を図5に示す。図5の走行支援制御は、図2に示す走行支援制御におけるステップS150,S160が異なるだけで他の処理は図2の走行支援制御と同一である。図5の走行支援制御において、ステップS140で所定条件が成立していると判定したときには、走行経路のうち走行を完了した各走行区間における実際の平均車速(実平均車速)Va(n)と対応する各走行区間の区間平均車速V(n)の差分ΔV(n)(Va(n)-V(n))を計算すると共にこの差分の平均(平均差分)ΔAVを計算する(ステップS150B)。続いて、補正係数kに平均差分ΔAVを乗じたものを各走行区分の区間平均車速V(n)に加えることによって区間平均車速V(n)を補正し、補正した区間平均車速V(n)を記憶する(ステップS160B)。図6に走行区分(i)の走行を完了したときに所定条件が成立したことにより区間平均車速V(n)が補正される様子の一例を示す。走行区分(1)~(i)までの区間平均車速V(1~i)と実平均車速Va(1~i)との差分ΔV(1~i)が計算され、差分ΔV(1~i)の平均として平均差分ΔAVが計算される。そして、補正係数kに平均差分ΔAVを乗じたものを各走行区分の区間平均車速V(n)に加えることによって区間平均車速V(n)を補正する。図6では、補正係数k=0.7で平均差分ΔAVが-3として区間平均車速V(n)を補正している。そして、補正した区間平均車速V(n)を用いてその地点から目的地までの走行支援計画を図3に示す走行支援計画生成処理により再計画(再生成)する(ステップS170)。上述したように各走行区間の消費エネルギE(n)は、E(n)=P(n)×L(n)/V(n)として求めるから、走行を完了した各走行区間の実平均車速Va(n)に基づいて区間平均車速V(n)を補正し、補正した区間平均車速V(n)を用いて走行支援計画を再計画することにより、所定条件の成立以降の走行支援計画をより適正なものとすることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、ナビゲーションシステム80は、現在地の情報と目的地の情報とに基づいて地図情報データベース84を用いて現在地から目的地までの走行経路を設定するものとしたが、交通情報管理センター100との協調により現在地から目的地までの走行経路を設定するものとしてもよい。即ち、ナビゲーションシステム80は、交通情報管理センター100に現在地の情報と目的地の情報とを送信し、交通情報管理センター100により現在地の情報と目的地の情報とに基づいて設定された走行経路を交通情報管理センター100から受信することにより、走行経路を設定するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジンEGが「エンジン」に相当し、モータMGが「モータ」に相当し、バッテリ40が「バッテリ」に相当し、ハイブリッドECU50とナビゲーションシステム80とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、21 イグニッションスイッチ、22 GPS、24 車載カメラ、26 ミリ波レーダー、28 加速度センサ、30 車速センサ、32 アクセルセンサ、34 ブレーキセンサ、36 モード切替スイッチ、38 電池アクチュエータ、40 バッテリ、42 エアコン用電子制御ユニット(エアコンECU)、44 エアコン用コンプレッサ、50 ハイブリッド用電子制御ユニット(ハイブリッドECU)、60 アクセルアクチュエータ、62 ブレーキアクチュエータ、64 ブレーキ装置、66 表示装置、67 走行状態インジケータ、68 メーター、70 DCM、80 ナビゲーションシステム、82 表示部、84 地図情報データベース、100 交通情報管理センター、EG エンジン、MG モータ。
Claims (1)
- エンジンと、モータと、バッテリと、現在地から目的地までの走行経路に対して経路案内を行なうナビゲーションシステムと、前記走行経路の各走行区間に対して各走行区間を走行する際の区間平均負荷と各走行区間を走行するのに必要な区間消費エネルギと前記バッテリの残量とに基づいてCDモードとCSモードを含む走行モードのいずれかを割り当てる走行支援計画を生成すると共に前記走行支援計画に沿って走行する走行支援制御を実行する制御装置と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御装置は、前記走行支援制御を実行中に所定条件が成立したときに、前記走行経路のうち走行を完了した各走行区間の実平均負荷と対応する各走行区間の区間平均負荷との差分に基づいて前記走行経路のうち未走行の各走行区間の区間平均負荷を補正し、補正した区間平均負荷を用いて前記走行経路のうち未走行の各走行区間に対して前記走行支援計画を生成し、生成した走行支援計画に基づく走行支援制御を実行する、
ことを特徴とするハイブリッド自動車。
Priority Applications (1)
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JP2021109113A JP2023006488A (ja) | 2021-06-30 | 2021-06-30 | ハイブリッド自動車 |
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Family
ID=85108272
Family Applications (1)
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JP2021109113A Pending JP2023006488A (ja) | 2021-06-30 | 2021-06-30 | ハイブリッド自動車 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2021
- 2021-06-30 JP JP2021109113A patent/JP2023006488A/ja active Pending
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