本開示において「配線用差込接続器」は、差込プラグ、プラグ受け、コンセント、コードコネクタボディ及びマルチタップの何れかであってよい。配線用差込接続器は、所定規格に準拠したものであってよい。所定規格の一例として、JIS(Japanese Industrial Standards) C 8303-1993又はIEC(International Electrotechnical Commission) 60309-1/2等が挙げられる。
本開示において「電圧値」は、交流電圧に対して使用される場合、交流電圧の実効値、交流電圧の振幅及び交流電圧の平均値の少なくとも何れかであってよい。以下、本実施形態では、限定ではないが、「電圧値」は、交流電圧に対して使用される場合、交流電圧の振幅であるものとする。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面の機能ブロックでは、電力線を主に示す。
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係る電力制御システム1の機能ブロック図である。電力制御システム1は、需要家施設に配置されてよい。電力制御システム1は、コンセント3(配線用差込接続器)を介して、商用電力系統2に接続されている。
コンセント3は、需要家施設の壁等に設けられる。図2に示すように、コンセント3は、平行型の2極コンセントであってよい。図1に示すように、コンセント3は、差込口4及び差込口5を含む。差込口4は、電極等を含んで構成されている。差込口4の電極は、分電盤等を介して、商用電力系統2のU相の電力線P1(第1電力線)に接続されている。分電盤の仕様に応じて、差込口4の電極は、商用電力系統2のV相の電力線に接続されてよい。差込口5は、電極等を含んで構成されている。差込口5の電極は、分電盤等を介して商用電力系統2のO相の中性線P2(第2電力線)に接続されている。
図1に示すように、電力制御システム1は、分散電源10と、電力制御装置20とを備える。電力制御システム1は、表示装置6をさらに備えてよい。
表示装置6は、需要家施設に設置され得る。表示装置6は、情報を表示可能な任意のディスプレイを含んで構成されている。ディスプレイは、液晶ディスプレイであってよいし、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であってよい。表示装置6は、有線又は無線により、電力制御装置20と通信可能である。表示装置6は、後述の無線通信モジュールを含んで構成されていてよい。
分散電源10は、直流電力を発電可能である。分散電源10は、発電した直流電力を電力制御装置20に供給可能である。分散電源10は、任意の電源であってよい。分散電源10の一例として、固体酸化物形燃料電池(SOFC:solid oxide fuel cell)等の燃料電池、蓄電池及び太陽電池等が挙げられる。
電力制御装置20は、分散電源10が発電した直流電力を交流電力に変換可能である。電力制御装置20は、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させたり、分散電源10を商用電力系統2から解列させて自立運転させたりすることが可能である。
電力制御装置20は、コンセント3を利用して、商用電力系統2に接続されるように構成されている。電力制御装置20がコンセント3を利用するように構成されることにより、需要家施設において、電力制御装置20と商用電力系統2とを直接接続させるための配線工事を実施しなくて済む。配線工事を実施しなくて済むことにより、電力制御装置20は、より低コストで需要家施設に設置され得る。
電力制御装置20は、差込プラグ21と、第1自立出力端子24と、第2自立出力端子25と、フィルタ回路26とを備える。電力制御装置20は、第1出力端子31及び第2出力端子32を含むインバータ30と、第1連系リレー40と、第2連系リレー41と、第1自立リレー42と、第2自立リレー43と、第1バイパスリレー44と、第2バイパスリレー45とを備える。電力制御装置20は、第1電圧センサ50と、第2電圧センサ51と、第3電圧センサ52と、電流センサ53と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。
図2に示すように、差込プラグ21は、コンセント3に挿抜可能である。差込プラグ21は、ユーザによって、コンセント3に挿されたり又はコンセント3から抜かれたりする。差込プラグ21は、配線用差込接続器の一種であってよい。差込プラグ21は、コンセント3と同様に、所定規格に準拠したものであってよい。ただし、差込プラグ21は、コンセント3に挿抜可能であれば、任意の形状であってよい。
差込プラグ21は、第1接続端子22と、第2接続端子23を含む。第1接続端子22及び第2接続端子23は、コンセント3の差込口4及び差込口5に挿抜可能である。例えばユーザが差込プラグ21をコンセント3に挿入することにより、第1接続端子22及び第2接続端子23は、コンセント3の差込口4及び差込口5に挿入される。図1に示すように、第1接続端子22は、例えば第1連系リレー40を介して、第1出力端子31に接続可能である。第2接続端子23は、例えば第2連系リレー41を介して、第2出力端子32に接続可能である。
図2に示すように、第1接続端子22の形状と第2接続端子23の形状との差異は、ほぼない又は小さい。また、差込口4の形状と差込口5の形状との間の差異は、小さい。さらに、差込プラグを備える一般的な電気機器は、差込プラグの2つの端子の各々がコンセントの2つの差込口のどちらに挿入されても、稼働するように構成されている。従って、ユーザは、無造作に、差込プラグ21をコンセント3に挿入し得る。ユーザが差込プラグ21を無造作にコンセント3に挿入することにより、第1接続端子22が差込口4に挿入され、第2接続端子23が差込口5に挿入される場合がある。また、ユーザが差込プラグ21を無造作にコンセント3に挿入することにより、第1接続端子22が差込口5に挿入され、第2接続端子23が差込口4に挿入される場合がある。
図1に示すように、第1接続端子22が差込口4に挿入され、且つ、第2接続端子23が差込口5に挿入される場合、第1接続端子22は、差込口4を介して商用電力系統2のU相の電力線P1に接続される。また、第2接続端子23は、差込口5を介して商用電力系統2のO相の中性線P2に接続される。この場合、インバータ30の第1出力端子31は、商用電力系統2のU相の電力線P1に接続される。また、インバータ30の第2出力端子32は、商用電力系統2のO相の中性線P2に接続される。本実施形態では、第1出力端子31が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続され、且つ、第2出力端子32が商用電力系統2のO相の中性線P2に接続されている状態は、「コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続である」と記載する。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるとき、図1に示すように、第1接続端子22が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続され、且つ、第2接続端子23が商用電力系統2のO相の中性線P2に接続される。後述のように、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると、ノイズが効果的に低減できない場合がある。
一方、第1接続端子22が差込口5に挿入され、且つ、第2接続端子23が差込口4に挿入される場合、第1接続端子22は、差込口5を介して商用電力系統2のO相の中性線P2に接続される。また、第2接続端子23は、差込口4を介して商用電力系統2のU相の電力線P1に接続される。この場合、インバータ30の第1出力端子31は、商用電力系統2のO相の中性線P2に接続される。また、インバータ30の第2出力端子32は、商用電力系統2のU相の電力線P1に接続される。本実施形態では、第1出力端子31が商用電力系統2のO相の中性線P2に接続され、且つ、第2出力端子32が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続されている状態は、「コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続である」と記載する。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であるとき、第1接続端子22が商用電力系統2のO相の中性線P2に接続され、且つ、第2接続端子23が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続される。後述のように、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると、ノイズが効果的に低減され得る。
第1自立出力端子24は、第1自立リレー42を介して、インバータ30の第1出力端子31に接続されている。第2自立出力端子25は、第2自立リレー43を介して、インバータ30の第2出力端子32に接続されている。
第1自立出力端子24は、第1バイパスリレー44を介して、第1接続端子22に接続されてよい。第2自立出力端子25は、第2バイパスリレー45を介して、第2接続端子23に接続されてよい。第1自立出力端子24は、第1バイパスリレー44及び第1連系リレー40を介して、インバータ30の第1出力端子31に接続されてよい。第2自立出力端子25は、第2バイパスリレー45及び第2連系リレー41を介して、インバータ30の第2出力端子32に接続されてよい。
フィルタ回路26は、第1接続端子22と第2接続端子23との間に接続されている。フィルタ回路26は、コモンモードノイズを低減する。例えば、フィルタ回路26は、2つのコイル及びコンデンサを含んで構成されていてよい。フィルタ回路26に含まれる2つのコイルのうちの一方は、第1接続端子22と第1連系リレー40との間に接続されてよい。フィルタ回路に含まれる2つのコイルのうちの他方は、第2接続端子23と第2連系リレー41との間に接続されてよい。フィルタ回路26に含まれるコイルは、第1接続端子22と第2接続端子23との間に接続されてよい。
インバータ30は、単相インバータであってよい。インバータ30には、分散電源10が発電した直流電力が供給される。インバータ30は、供給された直流電力を交流電力に変換する。インバータ30は、第1出力端子31及び第2出力端子32から交流電力を出力する。インバータ30は、分散電源10が蓄電池である場合、双方向インバータであってよい。この場合、インバータ30は、商用電力系統2からの交流電力を直流電力に変換して、蓄電池である分散電源10に供給する。蓄電池である分散電源10は、インバータ30からの直流電力によって充電され得る。
インバータ30は、フィルタ回路33を含んでよい。フィルタ回路33は、第1出力端子31と第2出力端子32との間に接続されている。フィルタ回路33は、ノイズフィルタである。フィルタ回路33は、コイル及びコンデンサを含んで構成されている。
インバータ30は、分散電源10との間に、EMC(Electromagnetic Compatibility)フィルタ回路34を含んでよい。EMCフィルタ回路34は、コイル及びコンデンサを含んで構成されている。
インバータ30は、第1出力端子31を商用電力系統2のО相の中性線P2に接続し且つ第2出力端子32を商用電力系統2のU相の電力線P1に接続するように、構成されている。例えば、フィルタ回路33のフィルタ定数は、第1出力端子31が商用電力系統2のО相の中性線P2に接続され、第2出力端子32が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続された状態で、調整されている。例えば、EMCフィルタ回路34のフィルタ定数は、第1出力端子31が商用電力系統2のО相の中性線P2に接続され、第2出力端子32が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続された状態で、調整されている。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると、フィルタ回路33及びEMCフィルタ回路34によって、ノイズが効果的に低減できない場合がある。一方、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると、フィルタ回路33及びEMCフィルタ回路34によって、ノイズを効果的に低減することができる。
第1連系リレー40は、第1接続端子22と第1出力端子31との間に接続されている。第2連系リレー41は、第2接続端子23と第2出力端子32との間に接続されている。第1連系リレー40及び第2連系リレー41の各々は、制御部62の制御に基づいて、開状態又は閉状態になる。
第1自立リレー42は、第1自立出力端子24と第1出力端子31との間に接続されている。第2自立リレー43は、第2自立出力端子25と第2出力端子32との間に接続されている。第1自立リレー42及び第2自立リレー43の各々は、制御部62の制御に基づいて、開状態又は閉状態になる。
第1バイパスリレー44は、第1接続端子22と第1自立出力端子24との間に接続されている。第2バイパスリレー45は、第2接続端子23と第2自立出力端子25との間に接続されている。第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45の各々は、制御部62の制御に基づいて、開状態又は閉状態になる。
第1電圧センサ50は、第1接続端子22と第2接続端子23との間に接続されている。第1電圧センサ50は、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値を検出する。第1電圧センサ50は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
第2電圧センサ51は、第2接続端子23とグラウンドとの間に接続されている。第2電圧センサ51は、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値を検出する。第2電圧センサ51は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
第3電圧センサ52は、第1出力端子31と第2出力端子32との間に接続されている。第3電圧センサ52は、第1出力端子31と第2出力端子32との間の電圧値を検出する。第3電圧センサ52は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
電流センサ53は、第1出力端子31に流れる電流を検出する。電流センサ53は、検出した電流を制御部62に出力する。
通信部60は、有線又は無線により、表示装置6と通信可能である。通信部60は、無線により、サーバ装置等の外部機器と通信可能であってよい。通信部60は、物理コネクタ及び無線通信モジュールを含んで構成されていてよい。物理コネクタは、電気信号による伝送に対応した電気コネクタ、光信号による伝送に対応した光コネクタ、及び、電磁波による伝送に対応した電磁コネクタを含んでよい。無線通信モジュールは、Bluetooth(登録商標)及びIEEE802.11を含む各規格に準拠するものであってよい。無線通信モジュールは、少なくとも1つのアンテナを含み得る。
記憶部61は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等、任意の記憶デバイスを含む。記憶部61は、制御部62を機能させる多様なプログラム及び制御部62が用いる多様な情報を記憶する。
制御部62は、一以上のプロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、及び、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC;Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。制御部62は、1つ又は複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)及びSiP(System In a Package)の何れかであってよい。
[連系運転時の処理]
制御部62は、例えば商用電力系統2の正常時、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させる。制御部62は、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させる際、第1連系リレー40及び第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。また、制御部62は、第1自立リレー42及び第2自立リレー43が開状態になるように制御する。さらに、制御部62は、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45が閉状態になるように制御してよい。第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45が閉状態になることにより、商用電力系統2の電力が第1自立出力端子24及び第2自立出力端子25に供給される。また、第1連系リレー40及び第2連系リレー41が閉状態にされ且つ第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45が閉状態になることにより、分散電源10の電力がインバータ30等を介して第1自立出力端子24及び第2自立出力端子25に供給される。ユーザは、常時使用したい負荷機器を、第1自立出力端子24及び第2自立出力端子25に接続させてよい。ユーザは、負荷機器を第1自立出力端子24及び第2自立出力端子25に接続させることにより、当該負荷機器を、商用電力系統2の停電時だけではなく、商用電力系統2の正常時にも使用することができる。
[自立運転時の処理]
制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が、所定範囲外であるとき、商用電力系統2が異常であると判定する。商用電力系統2の異常の一例として、商用電力系統2の停電等が挙げられる。所定範囲は、商用電力系統2が正常であるときに、商用電力系統2のU相(又はV相)とO相との間にかかる公称電圧値に基づいて適宜設定されてよい。制御部62は、商用電力系統2の異常時、分散電源10を商用電力系統2から解列させて自立運転させてよい。
制御部62は、分散電源10を自立運転させる際、第1連系リレー40及び第2連系リレー41が開状態になるように制御する。また、制御部62は、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45が開状態になるように制御する。また、制御部62は、第1自立リレー42及び第2自立リレー43が閉状態になるように制御する。第1自立リレー42及び第2自立リレー43が閉状態になることにより、分散電源10が発電した電力は、インバータ30、第1自立リレー42及び第2自立リレー43を介して、第1自立出力端子24及び第2自立出力端子25に供給される。ユーザは、負荷機器を第1自立出力端子24及び第2自立出力端子25に接続させることにより、当該負荷機器を使用することができる。
[起動時の処理]
制御部62は、コンセント3に対して差込プラグ21が挿入されると、電力制御装置20の電源をオン状態にする。電力制御装置20の電源をオン状態にした後、制御部62は、例えば分散電源10が発電可能になったら、電力制御装置20を起動させる。例えば分散電源10が燃料電池である場合、燃料電池の温度が所定温度に到達すると、燃料電池である分散電源10は発電可能になる。電力制御装置20の起動処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45は、開状態である。
電力制御装置20の起動処理では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が、所定範囲内であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が所定範囲外であると判定するとき、商用電力系統2が異常であると判定する。制御部62は、商用電力系統2が異常であると判定するとき、電力制御装置20の起動処理を終了する。制御部62は、商用電力系統2が異常であると判定すると、商用電力系統2の異常を示す信号を、通信部60を介して表示装置6に送信してよい。表示装置6は、商用電力系統2の異常を示す信号を受信すると、商用電力系統2の異常を示すメッセージを表示してユーザに提示してよい。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が所定範囲内であると判定するとき、商用電力系統2が正常であると判定する。制御部62は、商用電力系統2が正常であると判定するとき、電力制御装置20の起動処理を続ける。
制御部62は、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧と、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧とに基づいて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が、誤接続であるか又は正接続であるか判定する。以下、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるか又は正接続であるかを判定する処理は、「接続判定処理」とも記載する。
上述のように、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるとき、第1接続端子22が差込口4を介して商用電力系統2のU相の電力線P1に接続され、第2接続端子23が差込口5を介して商用電力系統2のO相の中性線P2に接続されている。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるとき、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値は、U相とO相との間の電圧値程度(例えば、100V程度)になり得る。また、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値は、O相とグラウンドとの間の電圧程度(例えば、0V程度)になり得る。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるとき、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値と、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値とは、大きく異なり得る。
上述のように、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であるとき、第1接続端子22が差込口5を介して商用電力系統2のO相の中性線P2に接続され、第2接続端子23が差込口4を介して商用電力系統2のU相の電力線P1に接続されている。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であるとき、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値は、U相とO相との間の電圧値程度(例えば、100V程度)になり得る。また、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値は、U相とグラウンドとの間の電圧程度(例えば、100V程度)になり得る。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であるとき、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値と、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値とは、同程度になり得る。
制御部62は、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値と、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値とが略同等ではないとき、コンセント3に対する差込プラグの接続が誤接続であると判定する。本実施形態では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等ではないとき、コンセント3に対する差込プラグの接続が誤接続であると判定する。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等であるとき、コンセント3に対する差込プラグの接続が正接続であると判定する。
ここで、本開示において「2つの電圧値が略同等である」とは、当該2つの電圧値の双方が、所定の電圧範囲内にあることを意味するものとしてよい。当該2つの電圧値が、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧値、及び、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧値である場合、当該電圧範囲は、商用電力系統2のU相とO相との間の公称電圧値に基づいて適宜設定されてよい。例えば、当該電圧範囲の下限値は、商用電力系統2のU相とO相との間の公称電圧値の所定割合であってよい。また、当該電圧範囲の上限値は、商用電力系統2のU相とO相との間の公称電圧値であってよい。一例として、商用電力系統2のU相とO相との間の公称電圧値が100Vであり、且つ、所定割合が7割である場合、当該電圧範囲は、70V~100Vの範囲となり得る。この例では、制御部62は、第1電圧センサ50及び第2電圧センサ51の双方が検出した電圧値が、70V~100Vの範囲内にあるとき、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等であると判定し得る。つまり、制御部62は、第1電圧センサ50及び第2電圧センサ51の双方が検出した電圧値が、70V~100Vの範囲内にあるとき、コンセント3に対する差込プラグの接続が正接続であると判定し得る。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が70Vであり、第2電圧センサ51が検出した電圧値が30Vであるとき、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等ではないと判定し得る。つまり、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が70Vであり、第2電圧センサ51が検出した電圧値が30Vであるとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定し得る。
制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。制御部62は、コンセント3に対する差込プラグの接続が誤接続であると判定すると、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であることを示す信号を、生成してよい。制御部62は、生成した信号を、通信部60を介して表示装置6に送信してよい。表示装置6は、当該信号を受信すると、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であることを示すメッセージを表示してユーザに提示してよい。
一方、制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定すると、第1連系リレー40の固着判定処理及び第2連系リレー41の固着判定処理を実行する。第1連系リレー40の固着判定処理は、第1連系リレー40が固着しているか否かを判定する処理である。第2連系リレー41の固着判定処理は、第2連系リレー41が固着しているか否かを判定する処理である。
第1連系リレー40の固着判定処理では、例えば、制御部62は、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。この後、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。ここで、第1連系リレー40が固着により閉じていると、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等になり得る。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、第1連系リレー40が固着していると判定する。制御部62は、第1連系リレー40が固着していると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。制御部62は、第1連系リレー40が固着していると判定すると、第1連系リレー40の固着を示す信号を、通信部60を介して表示装置6に送信してよい。表示装置6は、この信号を取得すると、第1連系リレー40の固着を示すメッセージを表示して、ユーザに提示してよい。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、第1連系リレー40が固着していないと判定する。
第2連系リレー41の固着判定処理では、例えば、制御部62は、第1連系リレー40が閉状態になり、且つ、第2連系リレー41が開状態になるように制御する。この後、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。ここで、第2連系リレー41が固着により閉じていると、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等になり得る。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、第2連系リレー41が固着していると判定する。制御部62は、第2連系リレー41が固着していると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。制御部62は、第2連系リレー41が固着していると判定すると、第2連系リレー41の固着を示す信号を、通信部60を介して表示装置6に送信してよい。表示装置6は、この信号を取得すると、第2連系リレー41の固着を示すメッセージを表示して、ユーザに提示してよい。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、第2連系リレー41が固着していないと判定する。
制御部62は、第1連系リレー40及び第2連系リレー41が固着していないと判定すると、電力制御装置20の起動処理を続ける。例えば、制御部62は、第1連系リレー40及び第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。また、制御部62は、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45が閉状態になるように制御する。制御部62は、インバータ30の運転を開始させる。制御部62は、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させる。
図3は、本開示の第1実施形態に係る電力制御システム1の動作を示すフローチャート(その1)である。図4は、本開示の第1実施形態に係る電力制御システム1の動作を示すフローチャート(その2)である。図3及び図4に示す動作は、電力制御装置20の電源がオン状態にされてから、電力制御装置20が分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるまでの電力制御装置20の動作である。制御部62は、電力制御装置20を起動させるときに、図3に示す処理を開始する。図3に示す処理の開始時、差込プラグ21はコンセント3に接続されている。図3に示す処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45の各々は、開状態である。
図3に示す処理が開始すると、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が、所定範囲内であるか否か判定する(ステップS10)。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が所定範囲内であると判定するとき(ステップS10:Yes)、ステップS12の処理に進む。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値が所定範囲外であると判定するとき(ステップS10:No)、ステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、制御部62は、商用電力系統2が異常であると判定する。制御部62は、商用電力系統2が異常であると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。
ステップS12の処理では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき(ステップS12:Yes)、ステップS14の処理に進む。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき(ステップS12:No)、ステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定する。制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。
ステップS14の処理では、制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定する。
ステップS15の処理では、制御部62は、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。
ステップS16の処理では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき(ステップS16:Yes)、ステップS17の処理に進む。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき(ステップS16:No)、ステップS18の処理に進む。
ステップS17の処理では、制御部62は、第1連系リレー40が固着していると判定する。制御部62は、第1連系リレー40が固着していると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。
ステップS18の処理では、制御部62は、第1連系リレー40が固着していないと判定する。制御部62は、図4に示すステップS19の処理に進む。
ステップS19の処理では、制御部62は、第1連系リレー40が閉状態になり、且つ、第2連系リレー41が開状態になるように制御する。
ステップS20の処理では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき(ステップS20:Yes)、ステップS21の処理に進む。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき(ステップS20:No)、ステップS22の処理に進む。
ステップS21の処理では、制御部62は、第2連系リレー41が固着していると判定する。制御部62は、第2連系リレー41が固着していると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。
ステップS22の処理では、制御部62は、第2連系リレー41が固着していないと判定する。
ステップS23の処理では、制御部62は、第1連系リレー40及び第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。
ステップS24の処理では、制御部62は、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45が閉状態になるように制御する。ステップS25の処理では、制御部62は、インバータ30の運転を開始する。
制御部62は、図3に示すステップS15~S17の処理すなわち第1連系リレー40の固着判定処理を、図3に示すステップS12~S14の処理すなわち接続判定処理よりも、先に実行してよい。制御部62は、図4に示すステップS19~S22の処理すなわち第2連系リレー41の固着判定処理を、図3に示すステップS12~S14の処理すなわち接続判定処理よりも、先に実行してよい。制御部62は、図4に示すステップS19~S22の処理すなわち第2連系リレー41の固着判定処理を、図3に示すステップS15~S17の処理すなわち第1連系リレー40の固着判定処理よりも、先に実行してよい。
図3に示すステップS15の処理の直前では、第1連系リレー40は、開状態であり得る。この場合、ステップS15の処理では、制御部62は、第2連系リレー41が閉状態になるように制御してよい。
図4に示すステップS23の処理の直前では、ステップS19の処理により、第1連系リレー40が閉状態である。この場合、ステップS23の処理では、制御部62は、第2連系リレー41が閉状態になるように制御してよい。
このように第1実施形態では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ51が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定する。制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、電力制御装置20の起動処理を終了する。電力制御装置20の起動処理が終了されることにより、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続である状態で、インバータ30を駆動させることが防がれ得る。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続である状態で、インバータ30を駆動させないことにより、ノイズが増加する蓋然性が低減され得る。
また、制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であることを示す信号を生成することができる。制御部62は、当該信号を、通信部60を介して表示装置6に送信することができる。表示装置6は、当該信号を受信すると、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であることを示すメッセージを表示することができる。当該メッセージを見たユーザによって、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続に修正され得る。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続に修正されることにより、ノイズが効果的に低減され得る。
よって、第1実施形態によれば、ノイズをより効果的に低減可能な、電力制御装置20及び電力制御方法が提供され得る。
ここで、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続の状態でも、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるように電力制御装置20を設計する場合を想定する。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続の状態でも、インバータ30は、第1出力端子31及び第2出力端子32から、交流電力を出力することができる。ただし、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続の状態で、インバータ30を運転させると、上述のように、フィルタ回路33及びEMCフィルタ回路34は、ノイズを効果的に低減させることができない。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続の状態で、インバータ30を運転させると、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であるときよりも、ノイズ量が増加する。ノイズ量の増加は、機器の誤動作を誘発する。機器の誤動作を防ぐため、ノイズ量を低減することが求められる。ノイズ量を低減するためには、フィルタ回路33及びEMCフィルタ回路34内のコンデンサ等を増やすことが求められる。フィルタ回路33及びEMCフィルタ回路34内のコンデンサ等を増やすと、電力制御装置20の回路規模及び/又はコストが増加し得る。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続の状態でも、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるように電力制御装置20を設計すると、電力制御装置20の回路規模及び/又はコストが増加し得る。
これに対し、本実施形態では、上述のように、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、表示装置6にコンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であることを示すメッセージが表示され得る。当該メッセージを見たユーザにより、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続に修正され得る。つまり、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続に修正されるため、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続の状態でも、分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるように電力制御装置20を設計しなくてよい。よって、本実施形態では、上述の想定例にように、電力制御装置20の回路規模及び/又はコストが増加する蓋然性が低減され得る。
(第2実施形態)
図5は、本開示の第2実施形態に係る電力制御システム101の機能ブロック図である。以下、第2実施形態に係る電力制御システム101と、第1実施形態に係る電力制御システム1の相違点を主に説明する。
電力制御システム101は、分散電源10と、電力制御装置120と、表示装置6とを備える。電力制御装置120は、差込プラグ21と、第1自立出力端子24と、第2自立出力端子25と、フィルタ回路26とを備える。電力制御装置120は、インバータ30と、第1連系リレー40と、第2連系リレー41と、第1自立リレー42と、第2自立リレー43と、第1バイパスリレー44と、第2バイパスリレー45とを備える。電力制御装置120は、第1電圧センサ50と、第2電圧センサ151と、第3電圧センサ52と、電流センサ53と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。
第2電圧センサ151は、インバータ30の第2出力端子32とグラウンドとの間に接続されている。第2電圧センサ151は、インバータ30の第2出力端子32とグラウンドとの間の電圧値を検出する。第2電圧センサ151は、検出した電圧値を、制御部62に出力する。
第2実施形態に係る制御部62は、第1実施形態とは異なる接続判定処理を実行する。第2実施形態では、制御部62は、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。制御部62は、第1連系リレー40が開状態であり且つ第2連系リレー41が閉状態であるときの、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定する。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定する。
制御部62は、接続判定処理の前に、第1連系リレー40の固着判定処理を実行してよい。上述のように、第2実施形態に係る接続判定処理では、制御部62は、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。第1連系リレー40が固着していると、制御部62によって第1連系リレー40が開状態になるように制御されても、第1連系リレー40は開状態にならない。つまり、第1連系リレー40は閉状態を維持し得る。第1連系リレー40が閉状態を維持すると、接続判定処理の結果が誤ったものとなり得る。接続判定処理の前に第1連系リレー40の固着判定処理を実行することにより、接続判定処理の結果が信頼性の高いものとなり得る。
図6は、本開示の第2実施形態に係る電力制御システム101の動作を示すフローチャートである。図6に示す動作は、電力制御装置120の電源がオン状態にされてから、電力制御装置120が分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるまでの電力制御装置120の動作である。制御部62は、電力制御装置120を起動させるときに、図6に示す処理を開始する。図6に示す処理の開始時、差込プラグ21は、コンセント3に接続されている。図6に示す処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45は、開状態である。
制御部62は、図3に示すステップS10,S11の処理と同様にして、ステップS30,S31の処理を実行する。制御部62は、図3に示すステップS15,S16,S17,S18の処理と同様にして、ステップS32,S33,S34,S35の処理を実行する。
ステップS36の処理の実行時、ステップS32の処理により、第1連系リレー40が開状態であり、且つ、第2連系リレー41が閉状態となっている。ステップS36の処理では、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき(ステップS36:No)、ステップS37の処理に進む。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき(ステップS36:Yes)、ステップS38の処理に進む。
制御部62は、図3に示すステップS13,S14の処理と同様にして、ステップS37,S38の処理を実行する。制御部62は、ステップS38の処理を実行した後、図4に示すステップS19の処理に進む。
第2実施形態に係る電力制御システム101のその他の構成及び効果は、第1実施形態に係る電力制御システム1と同様である。
(第3実施形態)
図7は、本開示の第3実施形態に係る電力制御システム201の機能ブロック図である。以下、第3実施形態に係る電力制御システム201と、第1実施形態に係る電力制御システム1との相違点を主に説明する。
電力制御システム201は、電力制御装置220と、表示装置6とを備える。電力制御装置220は、分散電源としての蓄電池210と一体として構成され得る。
電力制御装置220は、蓄電池210と、差込プラグ21と、第1自立出力端子24と、第2自立出力端子25と、フィルタ回路26とを備える。電力制御装置220は、インバータ30と、第1連系リレー40と、第2連系リレー41と、第1自立リレー42と、第2自立リレー43と、第1バイパスリレー44と、第2バイパスリレー45と、接地リレー46とを備える。電力制御装置220は、第1電圧センサ50と、第3電圧センサ52と、電流センサ53と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。
蓄電池210は、電力を放電することにより、直流電力をインバータ30に供給可能である。また、蓄電池210は、インバータ30から供給される直流電力によって充電され得る。
接地リレー46は、インバータ30の第1出力端子31と、グランドとの間に接続される。接地リレー46は、制御部62の制御に基づいて、閉状態又は開状態になる。
第3実施形態に係る制御部62は、第1実施形態とは異なる接続判定処理を実行する。
第3実施形態では、制御部62は、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41及び接地リレー46が閉状態になるように制御する。制御部62は、第1連系リレー40が開状態であり、且つ、第2連系リレー41及び接地リレー46が閉状態であるときの、第1電圧センサ50が検出した電圧値と、第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定する。一方、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定する。
制御部62は、接続判定処理の前に、第1連系リレー40の固着判定処理を実行してよい。第2実施形態と同様に、接続判定処理の前に第1連系リレー40の固着判定処理を実行することにより、接続判定処理の結果が信頼性の高いものとなり得る。
図8は、本開示の第3実施形態に係る電力制御システム201の動作を示すフローチャートである。図8に示す動作は、電力制御装置220の電源がオン状態にされてから、電力制御装置220が分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるまでの電力制御装置220の動作である。制御部62は、電力制御装置220を起動させるときに、図8に示す処理を開始する。図8に示す処理の開始時、差込プラグ21はコンセント3に接続されている。図8に示す処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44、第2バイパスリレー45及び接地リレー46は、開状態である。
制御部62は、図3に示すステップS10,S11の処理と同様にして、ステップS40,S41の処理を実行する。制御部62は、図3に示すステップS15,S16,S17,S18の処理と同様にして、ステップS42,S43,S44,S45の処理を実行する。
ステップS46の処理では、制御部62は、接地リレー46が閉状態になるように制御する。ステップS42,S46の処理により、第1連系リレー40が開状態であり、且つ、第2連系リレー41及び接地リレー46が閉状態になる。
制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する(ステップS47)。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき(ステップS47:No)、ステップS48の処理に進む。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第3電圧センサ52が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき(ステップS47:Yes)、ステップS49の処理に進む。
制御部62は、図3に示すステップS13,S14の処理と同様にして、ステップS48,S49の処理を実行する。制御部62は、ステップS49の処理を実行した後、図4に示すステップS19の処理に進む。
このように第3実施形態では、接地リレー46を利用して、接続判定処理が実行される。つまり、電力制御システム201では接続判定処理を実行するために、新たに電圧センサを設ける必要がない。従って、第3実施形態によれば、より低コストで、接続判定処理を実行可能な電力制御システム201が提供され得る。
第3実施形態に係る電力制御システム201のその他の構成及び効果は、第1実施形態に係る電力制御システム1及び第2実施形態に係る電力制御システム101と同様である。
(第4実施形態)
図9は、本開示の第4実施形態に係る電力制御システム301の機能ブロック図である。以下、第4実施形態に係る電力制御システム301と、第1実施形態に係る電力制御システム1の相違点を主に説明する。
電力制御システム301は、分散電源10と、電力制御装置320と、表示装置6とを備える。電力制御装置320は、差込プラグ21と、第1自立出力端子24と、第2自立出力端子25と、フィルタ回路26とを備える。電力制御装置320は、インバータ30と、第1連系リレー40と、第2連系リレー41と、第1自立リレー42と、第2自立リレー43と、第1バイパスリレー44と、第2バイパスリレー45とを備える。電力制御装置320は、第1電圧センサ50と、第2電圧センサ51と、第3電圧センサ52と、電流センサ53と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。電力制御装置320は、第1切替えスイッチ80と、第2切替えスイッチ81とを備える。
第1連系リレー40は、第1端子40A及び第2端子40Bを含む。第1端子40Aは、インバータ30の第1出力端子31に接続されている。第2端子40Bは、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81に接続されている。
第2連系リレー41は、第1端子41A及び第2端子41Bを含む。第1端子41Aは、インバータ30の第2出力端子32に接続されている。第2端子41Bは、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81に接続されている。
第1電圧センサ50は、第1連系リレー40の第2端子40Bと第2連系リレー41の第2端子41Bとの間に接続されている。第1電圧センサ50は、第1連系リレー40の第2端子40Bと第2連系リレー41の第2端子41Bとの間の電圧値を検出する。第1電圧センサ50は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
第2電圧センサ51は、第2連系リレー41の第2端子41Bとグラウンドとの間に接続されている。第2電圧センサ51は、第2連系リレー41の第2端子41Bとグランドとの間の電圧値を検出する。第2電圧センサ51は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
第1切替えスイッチ80は、第1接続端子22から第1出力端子31へ又は第1接続端子22から第2出力端子32へ経路を切替え可能である。本実施形態では、第1切替えスイッチ80は、第1接続端子22から第1連系リレー40の第2端子40Bへ又は第1接続端子22から第2連系リレー41の第2端子40Bへ経路を切替え可能である。第1切替えスイッチ80は、初期状態では、第1接続端子22と第1連系リレー40の第2端子40Bとを接続している。第1切替えスイッチ80は、制御部62の制御に基づいて、経路を切替える。
第2切替えスイッチ81は、第2接続端子23から第1出力端子31へ又は第2接続端子23から第2出力端子32へ経路を切替え可能である。本実施形態では、第2切替えスイッチ81は、第2接続端子23から第1連系リレー40の第2端子40Bへ又は第2接続端子23から第2連系リレー41の第2端子41Bへ経路を切替え可能である。第2切替えスイッチ81は、初期状態では、第2接続端子23と第2連系リレー41の第2端子41Bとを接続している。第2切替えスイッチ81は、制御部62の制御に基づいて、経路を切替える。
第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、単極双投(SPDT:Single Pole Double Throw)であってよい。第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、ラッチ型スイッチであってよいし、非ラッチ型スイッチであってよい。ラッチ型スイッチは、自身への通電が停止しても、切替え後の経路を保持するスイッチである。非ラッチ型スイッチは、自身への通電が停止すると、経路を初期状態に戻すスイッチである。
制御部62は、電力制御装置320の起動処理において、第1実施形態と同様に、接続判定処理を実行する。制御部62は、接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定するとき、第1実施形態と同様にして、電力制御装置320の起動処理を続ける。
第3実施形態では、制御部62は、接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。ここで、制御部62によってコンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定されるとき、インバータ30の第1出力端子31は、第1連系リレー40及び第1接続端子22を介して、商用電力系統2のU相の電力線P1に接続されている。また、インバータ30の第2出力端子32は、第2連系リレー41及び第2接続端子23を介して、商用電力系統2のO相の中性線P2に接続されている。第1切替えスイッチ80が切替わることにより、インバータ30の第2出力端子32は、第2連系リレー41及び第1接続端子22を介して、商用電力系統2のU相の電力線P1に接続される。第2切替えスイッチ81が切替わることにより、インバータ30の第1出力端子31は、第1連系リレー40及び第2接続端子23を介して、商用電力系統2のO相の中性線P2に接続される。つまり、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わることにより、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続に修正され得る。
制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御すると、第1実施形態と同様にして、電力制御装置320の起動処理を続ける。
図10は、本開示の第4実施形態に係る電力制御システム301の動作を示すフローチャートである。図10に示す動作は、電力制御装置320の電源がオン状態にされてから、電力制御装置320が分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるまでの電力制御装置320の動作である。制御部62は、電力制御装置320を起動させるときに、図10に示す処理を開始する。図10に示す処理の開始時、差込プラグ21は、コンセント3に接続されている。図10に示す処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45は、開状態である。また、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、初期状態である。
制御部62は、図3に示すステップS10,S11,S12,S13の処理と同様にして、ステップS60,S61,S62,S63の処理を実行する。
制御部62は、ステップS63の処理を実行した後、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する(ステップS64)。
制御部62は、図3に示すステップS14の処理と同様にして、ステップS65の処理を実行する。
制御部62は、図3に示すステップS15,S16,S17,S18の処理と同様にして、ステップS66,S67,S68,S69の処理を実行する。制御部62は、ステップS69の処理を実行した後、図4に示すステップS19の処理に進む。
このように第4実施形態では、制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定すると、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わることにより、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続へ自動的に修正され得る。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続へ自動的に修正されることにより、ユーザは、差込プラグ21をコンセント3から抜いたり挿入したりして、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続になるように修正しなくて済む。よって、第4実施形態によれば、ユーザの利便性に優れた、電力制御装置320が提供され得る。
第4実施形態に係る電力制御システム301のその他の構成及び効果は、第1実施形態に係る電力制御システム1と同様である。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る電力制御システムは、第4実施形態に係る電力制御システム301と同様の構成を採用することができる。以下、図10を参照して、第5実施形態に係る電力制御システム301を説明する。
第5実施形態では、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、非ラッチ型スイッチである。上述のように、非ラッチ型スイッチは、自身への通電が停止すると、経路を初期状態に戻すスイッチである。つまり、第1切替えスイッチ80は、例えば電力制御装置320の電源がオフ状態になることにより、自身への通電が停止すると、第1接続端子22と第1連系リレー40の第2端子40Bとを接続する初期状態に戻る。また、第2切替えスイッチ81は、例えば電力制御装置320の電源がオフ状態になることにより、自身への通電が停止すると、第2接続端子23と第2連系リレー41の第2端子41Bとを接続する初期状態に戻る。
記憶部61は、第1フラグ及び第2フラグを記憶可能である。第1フラグは、接続判定処理が実行済みであることを示す。第1フラグは、接続判定処理が一度も実行されていない状態では、立っていない。第1フラグは、接続判定処理が一度実行されると、立つ。第2フラグは、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81の切替えを示すフラグである。第2フラグは、接続判定処理が一度も実行されていない状態では、立っていない。第2フラグは、接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定されると、立つ。
第5実施形態では、制御部62は、電力制御装置320を起動させる際、記憶部61を参照して、第1フラグが立っているか否か判定する。
制御部62は、第1フラグが立っていないと判定するとき、接続判定処理を実行する。制御部62は、接続判定処理を実行すると、第1フラグを立てる。制御部62は、当該接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定するとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81を切替える。制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81を切替えると、第2フラグを立てる。制御部62は、第2フラグを立てた後、電力制御装置320の起動処理を続ける。一方、制御部62は、当該接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定するとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81を切替えずに、電力制御装置320の起動処理を続ける。
一方、制御部62は、第1フラグが立っていると判定するとき、接続判定処理を実行しない。制御部62は、記憶部61を参照して第2フラグが立っているか否か判定する。制御部62は、第2フラグが立っていると判定するとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。換言すると、第1フラグが立っており且つ第2フラグが立っているとき、制御部62は、接続判定処理を実行せず、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。一方、制御部62は、第2フラグが立っていないと判定するとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81を切替えない。換言すると、第1フラグが立っており且つ第2フラグが立っていないとき、制御部62は、接続判定処理を実行せず、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御しない。
図11は、本開示の第5実施形態に係る電力制御システム301の動作を示すフローチャートである。図11に示す動作は、電力制御装置320の電源がオン状態にされてから、電力制御装置320が分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるまでの電力制御装置320の動作である。制御部62は、電力制御装置320を起動させるときに、図11に示す処理を開始する。図11に示す処理の開始時、差込プラグ21は、コンセント3に接続されている。図11に示す処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45は、開状態である。また、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、初期状態である。
制御部62は、図3に示すステップS10,S11の処理と同様にして、ステップS70,S71の処理を実行する。
制御部62は、記憶部61を参照して、第1フラグが立っているか否か判定する(ステップS72)。制御部62は、第1フラグが立っていると判定するとき(ステップS72:Yes)、ステップS73の処理に進む。制御部62は、第1フラグが立っていないと判定すると(ステップS72:No)、ステップS75の処理に進む。
ステップS73の処理では、制御部62は、記憶部61を参照して、第2フラグが立っているか否か判定する。制御部62は、第2フラグが立っていると判定するとき(ステップS73:Yes)、ステップS74の処理に進む。制御部62は、第2フラグが立っていないと判定するとき(ステップS73:No)、図3に示すステップS15の処理に進む。
ステップS74の処理では、制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。
制御部62は、図3に示すステップS12,S13の処理と同様にして、ステップS75,S76の処理を実行する。ステップS77の処理では、制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。ステップS78の処理では、制御部62は、第2フラグを立てる。制御部62は、図3に示すステップS14の処理と同様にして、ステップS79の処理を実行する。
ステップS80の処理では、制御部62は、第1フラグを立てる。制御部62は、ステップS80の処理を実行した後、図3に示すステップS15の処理に進む。
このように第5実施形態では、制御部62は、電力制御装置320を起動させる際、第1フラグが立っているとき、接続判定処理を実行しない。さらに、制御部62は、第2フラグに基づいて、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81を切替える。このような構成により、第5実施形態では、電力制御装置320を起動させる毎に、接続判定処理を実行しなくて済む。電力制御装置320を起動させる毎に接続判定処理を実行しなくて済むことにより、電力制御装置320の起動処理に係る時間が低減され得る。
第5実施形態に係る電力制御システム301のその他の構成及び効果は、第1実施形態に係る電力制御システム1及び第4実施形態に係る電力制御システム301と同様である。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る電力制御システムは、第4実施形態に係る電力制御システム301と同様の構成を採用することができる。以下、図10を参照して、第6実施形態に係る電力制御システム301を説明する。
第6実施形態に係る記憶部61は、第2フラグを記憶可能である。また、記憶部61は、接続判定処理において、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定された回数を記憶可能である。
第6実施形態では、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、非ラッチ型スイッチである。上述のように、非ラッチ型スイッチは、自身への通電が停止すると、経路を初期状態に戻すスイッチである。つまり、第1切替えスイッチ80は、例えば電力制御装置320の電源がオフ状態になることにより、自身への通電が停止すると、第1接続端子22と第1連系リレー40の第2端子40Bとを接続する初期状態に戻る。また、第2切替えスイッチ81は、例えば電力制御装置320の電源がオフ状態になることにより、自身への通電が停止すると、第2接続端子23と第2連系リレー41の第2端子41Bとを接続する初期状態に戻る。
第6実施形態では、制御部62は、電力制御装置320を起動させる際、記憶部61を参照して、第2フラグが立っているか否か判定する。制御部62は、第2フラグが立っていると判定するとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替わるように制御する。一方、制御部62は、第2フラグが立っていないと判定するとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替るように制御しない。
第6実施形態では、制御部62は、第2フラグが立っているか否かの判定処理を実行した後、接続判定処理を実行する。つまり、第6実施形態では、電力制御装置320を起動させる毎に、接続判定処理を実行する。
ここで、制御部62が、第2フラグが立っていると判定し、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替るように制御すると、コンセント3に対する差込プラグ21の接続は正接続へ修正され得る。コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続へ修正された後、制御部62が接続判定処理を実行すると、制御部62がコンセント3に対する差込プラグ21の接続は正接続であると判定することが想定される。しかしながら、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81の故障等により、制御部62が第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替るように制御しても、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替らない場合がある。この場合、制御部62が接続判定処理を実行すると、制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定し得る。
第6実施形態では、制御部62は、接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定した回数をカウントする。制御部62は、カウント回数が所定値以上になるとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定する。制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定すると、電力制御装置320に起動処理を終了する。制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定すると、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81の異常を示す信号を生成してよい。制御部62は、生成した信号を、通信部60によって表示装置6に送信してよい。表示装置6は、当該信号を受信すると、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81の異常を示すメッセージを表示してユーザに提示してよい。
制御部62は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が正接続であると判定するとき、又は、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定した回数が所定値を下回るとき、電力制御装置320の起動処理を続ける。
図12本開示の第6実施形態に係る電力制御システム301の動作を示すフローチャートである。図12に示す動作は、電力制御装置320の電源がオン状態にされてから、電力制御装置320が分散電源10を商用電力系統2と連系運転させるまでの電力制御装置320の動作である。制御部62は、電力制御装置320を起動させるときに、図12に示す処理を開始する。図12に示す処理の開始時、差込プラグ21は、コンセント3に接続されている。図12に示す処理の開始時、第1連系リレー40、第2連系リレー41、第1自立リレー42、第2自立リレー43、第1バイパスリレー44及び第2バイパスリレー45は、開状態である。また、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81は、初期状態である。図12に示すiは、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定した回数である。図12では、所定値は4とする。
制御部62は、図3に示すステップS10,S11の処理と同様にして、ステップS90,91の処理を実行する。
制御部62は、記憶部61を参照して、第2フラグが立っているか否か判定する(ステップS92)。制御部62は、第2フラグが立っていると判定するとき(ステップS92:Yes)、ステップS93の処理に進む。一方、制御部62は、第2フラグが立っていないと判定するとき(ステップS92:No)、ステップS94の処理に進む。
ステップS93の処理では、制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が切替るように制御する。
制御部62は、図3に示すステップS12,S13の処理と同様にして、ステップS94,S95の処理を実行する。制御部62は、図11に示すステップS77,S78と同様にして、ステップS95,S96の処理を実行する。制御部62は、図3に示すステップS14の処理と同様にして、ステップS79の処理を実行する。
ステップS98の処理では、制御部62は、iに1を加算する。ステップS99の処理では、制御部62は、iが4を下回るか否か判定する。制御部62は、iが4を下回ると判定するとき(ステップS99:Yes)、図3に示すステップS15の処理に進む。制御部62は、iが4以上であると判定するとき(ステップS99:No)、ステップS100の処理に進む。
ステップS100の処理では、制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定する。制御部62は、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定すると、電力制御装置320の起動処理を終了する。
このように第6実施形態では、制御部62は、接続判定処理にて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定した回数をカウントする。制御部62は、カウント回数が所定値以上になるとき、第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定する。第1切替えスイッチ80及び第2切替えスイッチ81が異常であると判定することにより、第6実施形態によれば、信頼性が向上された、電力制御装置320が提供され得る。
第6実施形態に係る電力制御システム301のその他の構成及び効果は、第1実施形態に係る電力制御システム1、及び、第4実施形態及び第5実施形態に係る電力制御システム301と同様である。
(第7実施形態)
図13は、本開示の第7実施形態に係る電力制御システム401の機能ブロック図である。以下、第7実施形態に係る電力制御システム401と、第4実施形態に係る電力制御システム301の相違点を主に説明する。
電力制御システム401は、分散電源10と、電力制御装置420と、表示装置6とを備える。電力制御装置420は、差込プラグ21と、第1自立出力端子24と、第2自立出力端子25と、フィルタ回路26とを備える。電力制御装置420は、インバータ30と、第1連系リレー40と、第2連系リレー41と、第1自立リレー42と、第2自立リレー43と、第1バイパスリレー44と、第2バイパスリレー45とを備える。電力制御装置420は、第1電圧センサ50と、第2電圧センサ151と、第3電圧センサ52と、電流センサ53と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。電力制御装置420は、第1切替えスイッチ80と、第2切替えスイッチ81とを備える。
制御部62は、第4実施形態に係る処理、第5実施形態に係る処理及び第6実施形態に係る処理と同様の処理を、実行可能である。ただし、第7実施形態に係る接続判定処理は、第2実施形態に係る接続判定処理と同様である。
例えば、図10に示す第4実施形態に係るフローチャートの実行時、制御部62は、図10に示すステップS62の処理の前に、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。つまり、制御部62は、図10に示すステップS62の処理の前に、図6に示すステップS32の処理を実行する。制御部62は、図10に示すステップS62の処理の前に、図6に示すステップS32~S35の処理すなわち第1連系リレー40の固着判定処理を実行してよい。制御部62は、図10に示すステップS62の処理では、図6に示すステップS36の処理と同様に、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、図10に示すステップS65の処理に進む。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、図10に示すステップS63の処理に進む。
例えば、図11に示す第5実施形態に係るフローチャートの実行時、制御部62は、図11に示すステップS75の処理の前に、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。つまり、制御部62は、図11に示すステップS75の処理の前に、図6に示すステップS32の処理を実行する。制御部62は、図11に示すステップS75の処理の前に、図6に示すステップS32~S35の処理すなわち第1連系リレー40の固着判定処理を実行してよい。制御部62は、図11に示すステップS75の処理では、図6に示すステップS36の処理と同様に、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、図11に示すステップS79の処理に進む。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、図11に示すステップS76の処理に進む。
例えば、図12に示す第6実施形態に係るフローチャートの実行時、制御部62は、図12に示すステップS94の処理の前に、第1連系リレー40が開状態になり、且つ、第2連系リレー41が閉状態になるように制御する。つまり、制御部62は、図12に示すステップS94の処理の前に、図6に示すステップS32の処理を実行する。制御部62は、図12に示すステップS94の処理の前に、図6に示すステップS32~S35の処理すなわち第1連系リレー40の固着判定処理を実行してよい。制御部62は、図12に示すステップS94の処理では、図6に示すステップS36の処理と同様に、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、図12に示すステップS101の処理に進む。一方、制御部62は、第1電圧センサ50が検出した電圧値と第2電圧センサ151が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、図12に示すステップS95の処理に進む。
第7実施形態に係る電力制御システム401のその他の構成及び効果は、第4実施形態、第5実施形態及び第6実施形態に係る電力制御システム301と同様である。
(第8実施形態)
図14は、本開示の第8実施形態に係る電力制御システム501の機能ブロック図である。以下、第8実施形態に係る電力制御システム501と、第4実施形態に係る電力制御システム301の相違点を主に説明する。
電力制御システム501は、分散電源10と、電力制御装置520と、表示装置6とを備える。電力制御装置520は、差込プラグ21と、第1自立出力端子24と、第2自立出力端子25と、フィルタ回路26とを備える。電力制御装置520は、インバータ30と、第1連系リレー40と、第2連系リレー41と、第1自立リレー42と、第2自立リレー43と、第1バイパスリレー44と、第2バイパスリレー45とを備える。電力制御装置520は、第1電圧センサ50と、第2電圧センサ151と、第3電圧センサ52と、電流センサ53と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。電力制御装置520は、第1切替えスイッチ80と、第2切替えスイッチ81とを備える。
第8実施形態では、第1連系リレー40の第1端子40Aは、第1切替えスイッチ80に接続されている。第1連系リレー40の第2端子40Bは、第1接続端子22に接続されている。
第8実施形態では、第2連系リレー41の第1端子41Aは、第2切替えスイッチ81に接続されている。第2連系リレー41の第2端子41Bは、第2接続端子23に接続されている。
第8実施形態では、第1切替えスイッチ80は、第1連系リレー40の第1端子40Aからインバータ30の第1出力端子31へ又は第1連系リレー40の第1端子40Aからインバータ30の第2出力端子32へ経路を切替え可能である。第1切替えスイッチ80は、初期状態では、第1連系リレー40の第1端子40Aとインバータ30の第1出力端子31とを接続している。第1切替えスイッチ80は、制御部62の制御に基づいて、経路を切替える。
第8実施形態では、第2切替えスイッチ81は、第2連系リレー41の第1端子41Aからインバータ30の第1出力端子31へ又は第2連系リレー41の第1端子41Aからインバータ30の第2出力端子32へ経路を切替え可能である。第2切替えスイッチ81は、初期状態では、第2連系リレー41の第1端子41Aとインバータ30の第2出力端子32とを接続している。第2切替えスイッチ81は、制御部62の制御に基づいて、経路を切替える。
制御部62は、第4実施形態に係る処理、第5実施形態に係る処理及び第6実施形態に係る処理と同様の処理を、実行可能である。
第8実施形態に係る電力制御システム501のその他の構成及び効果は、第4実施形態、第5実施形態及び第6実施形態に係る電力制御システム301と同様である。
(第9実施形態)
図15は、本開示の第9実施形態に係る電力制御システム601の機能ブロック図である。電力制御システム601は、電力制御装置620と、表示装置6とを備える。電力制御装置620は、商用電力系統2に接続されている。電力制御装置620は、分散電源としての蓄電池610と一体として構成され得る。
電力制御装置620は、蓄電池610と、第1接続端子621と、第2接続端子622と、第3接続端子623と、第1自立出力端子624と、第2自立出力端子625とを備える。電力制御装置620は、第1出力端子631及び第2出力端子632を含むインバータ630と、第1連系リレー640と、第2連系リレー641と、第1自立リレー642と、第2自立リレー643と、接地リレー644とを備える。電力制御装置620は、第1電圧センサ650と、第2電圧センサ651と、第3電圧センサ652と、通信部60と、記憶部61と、制御部62とを備える。
蓄電池610は、充電された電力を放電することにより、直流電力をインバータ630に供給可能である。また、蓄電池610は、インバータ630からの直流電力によって充電され得る。
第1接続端子621は、商用電力系統2のU相(第1相)の第1電力線L1に接続されている。第2接続端子622は、商用電力系統2のO相の中性線L3に接続されている。第3接続端子623は、商用電力系統2のV相(第2相)の第2電力線L2に接続されている。
第1自立出力端子624は、第1自立リレー642を介して、インバータ630の第1出力端子631に接続されている。第2自立出力端子625は、第2自立リレー643を介して、インバータ630の第2出力端子632に接続されている。
インバータ630は、単相インバータである。インバータ630は、単相三線式の商用電力系統2の少なくともU相及びV相の何れかに接続され得る。インバータ630には、蓄電池610の直流電力が供給される。インバータ630は、供給された直流電力を、交流電力に変換する。インバータ630は、第1出力端子631から出力する交流電力と、第2出力端子632から出力する交流電力との間の位相差が所定量になるように調整する。
第1連系リレー640は、インバータ630の第1出力端子631と、第1接続端子621を介して第1電力線L1との間に接続されている。第2連系リレー641は、インバータ630の第2出力端子632と、第2接続端子622を介して第2電力線L2との間に接続されている。第1連系リレー640及び第2連系リレー640の各々は、制御部62の制御に基づいて、開状態又は閉状態になる。
第1自立リレー642は、インバータ630の第1出力端子631と、第1自立出力端子624との間に接続されている。第2自立リレー643は、インバータ630の第2出力端子632と、第2自立出力端子625との間に接続されている。第1自立リレー642及び第2自立リレー643の各々は、制御部62の制御に基づいて、開状態又は閉状態になる。
接地リレー644は、インバータ630の第2出力端子632と、グラウンドとの間に接続されている。接地リレー644は、制御部62の制御に基づいて、開状態又は閉状態になる。
第1電圧センサ650は、インバータ630の第1出力端子631と、インバータ630の第2出力端子632との間に接続されている。第1電圧センサ650は、第1出力端子631と第2出力端子632との間の電圧値を検出する。第1電圧センサ650は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
第2電圧センサ651は、第1接続端子621と第2接続端子622との間に接続されている。第2電圧センサ651は、第1接続端子621と第2接続端子622との間の電圧値を検出する。換言すると、第2電圧センサ651は、第1電力線L1と中性線L3との間の電圧値を検出する。第2電圧センサ651は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
第3電圧センサ652は、第2接続端子622と第3接続端子623との間に接続されている。第3電圧センサ652は、第2接続端子622と第3接続端子623との間の電圧値を検出する。換言すると、第3電圧センサ652は、第2電力線L2と中性線L3との間の電圧値を検出する。第3電圧センサ652は、検出した電圧値を制御部62に出力する。
制御部62は、例えば商用電力系統2の停電時、蓄電池610を商用電力系統2から解列させて自立運転させる。制御部62は、蓄電池610を自立運転させる際、第1連系リレー640及び第2連系リレー641が開状態になるように制御する。また、制御部62は、第1自立リレー642、第2自立リレー643及び接地リレー644が閉状態になるように制御する。このような構成により、蓄電池610からの電力が、インバータ630、第1自立リレー642及び第2自立リレー643を介して、第1自立出力端子624及び第2自立出力端子625に供給される。
制御部62は、例えば商用電力系統2が停電から復旧すると、自立運転させていた蓄電池610を、連系運転に移行させる。連系運転への移行の際、制御部62は、接地リレー644の開閉に関する不具合を判定する。接地リレー644の開閉に関する不具合は、接地リレー644が固着していること、及び、接地リレー644と電源とを接続する電線が切断されていることにより接地リレー644が開閉しないこと等を含む。以下、接地リレー644の開閉に関する不具合は、接地リレー644が固着していることであるものとする。
例えば、連系運転への移行が開始させる際、第1連系リレー640及び第2連系リレー641は、開状態である。制御部62は、第1連系リレー640が閉状態になるように制御する。このような構成により、第1連系リレー640が閉状態、且つ、第2連系リレー641が閉状態になる。制御部62は、第1連系リレー640が閉状態であり且つ第2連系リレー641が開状態であるときの、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する。ここで、接地リレー644が固着していると、インバータ630の第2出力端子632は、グラウンドの電位と略同等になり得る。つまり、接地リレー644が固着していると、インバータ630の第1出力端子631と第2出力端子632との間の電圧値と、第1電力線L1と中性線L3との間の電圧値は、略同等になり得る。制御部62は、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき、接地リレー644が固着していると判定する。一方、制御部62は、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき、接地リレー644が固着していないと判定する。
制御部62は、接地リレー644が固着していると判定するとき、連系運転への移行処理を終了する。ここで、蓄電池610が商用電力系統2と連系運転する際、第2連系リレー641は、閉状態になる。第2連系リレー641が閉状態になるため、蓄電池610が商用電力系統2と連系運転する際、第2出力端子632と商用電力系統2のV相の第2電力線L2とは接続された状態になる。蓄電池610が商用電力系統2と連系運転する際、接地リレー644が固着していると、商用電力系統2のV相の第2電力線L2から、固着した接地リレー644を介して、グラウンドへ大電流が流れ得る。本実施形態では、接地リレー644が固着していると判定されると、連系運転への移行処理が終了される。このような処理により、商用電力系統2のV相の第2電力線L2から、固着した接地リレー644を介して、グラウンドへ大電流が流れることを防ぐことができる。
制御部62は、接地リレー644が固着していると判定するとき、接地リレー644の固着を示す信号を生成してよい。制御部62は、生成した信号を、通信部60によって表示装置6に送信してよい。表示装置6は、当該信号を受信すると、接地リレー644の固着を示すメッセージを表示して、ユーザに提示してよい。
制御部62は、接地リレー644が固着していないと判定するとき、連系運転への移行処理を続ける。例えば、制御部62は、第2連系リレー641が閉状態になるように制御する。制御部62は、インバータ630の運転を開始させる。
図16は、本開示の第9実施形態に係る電力制御システム601の動作を示すフローチャートである。制御部62は、自立運転させていた蓄電池610を、連系運転に移行させるとき、図16に示す処理を開始する。図16に示す処理の開始時、第1連系リレー640及び第2連系リレー641は、開状態である。
制御部62は、第1連系リレー640が閉状態になるように制御する(ステップS110)。ステップS110の処理により、第1連系リレー640が閉状態且つ第2連系リレー641が開状態になる。
制御部62は、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とが略同等であるか否か判定する(ステップS111)。制御部62は、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とが略同等であると判定するとき(ステップS111:Yes)、ステップS112の処理に進む。一方、制御部62は、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とが略同等ではないと判定するとき(ステップS111:No)、ステップS113の処理に進む。
ステップS112の処理では、制御部62は、接地リレー644が固着していると判定する。制御部62は、接地リレー644が固着していると判定すると、連系運転への移行処理を終了する。制御部62は、接地リレー644が固着していると判定すると、接地リレー644の固着を示す信号を生成してよい。制御部62は、生成した信号を、通信部60を介して表示装置6に送信してよい。表示装置6は、当該信号を受信すると、接地リレー644の固着を示すメッセージを表示して、ユーザに提示してよい。
ステップS113の処理では、制御部62は、接地リレー644が固着していないと判定する。ステップS114の処理では、制御部62は、第2連系リレー641が閉状態になるように制御する。ステップS115の処理では、制御部62は、インバータ630の運転を開始する。
このように第9実施形態では、制御部62は、第1連系リレー640が閉状態であるときの、第1電圧センサ650が検出した電圧値と第2電圧センサ651が検出した電圧値とに基づいて、接地リレー644の開閉に関する不具合を判定する。上述のように、蓄電池610が商用電力系統2と連系運転する際、接地リレー644が固着していると、商用電力系統2のV相の第2電力線L2から、固着した接地リレー644を介して、グラウンドへ大電流が流れ得る。本実施形態では、接地リレー644の開閉に関する不具合を判定することにより、商用電力系統2のV相の第2電力線L2から、固着した接地リレー644を介して、グラウンドへ大電流が流れることを防ぐことができる。よって、第9実施形態によれば、信頼性が向上された、電力制御装置620及び電力制御装置620の制御方法が提供され得る。
さらに第9実施形態では、専用の配線及び専用の電圧センサを追加することなく、接地リレー644の開閉に関する不具合を判定することができる。より低コストで、接地リレー644の開閉に関する不具合を判定可能な電力制御装置620及び電力制御装置620の制御方法が提供され得る。
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、上述の第1実施形態では、制御部62は、図1に示す第1電圧センサ50が検出したで電圧値と第2電圧センサ51が検出した電圧値とに基づいて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるか又は正接続であるかを判定すると説明した。ただし、本開示では、制御部62は、第1接続端子22と第2接続端子23との間の電圧と、第2接続端子23とグラウンドとの間の電圧とに基づいて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるか又は正接続であるかを判定すればよい。例えば、制御部62は、第1接続端子22と第2接続端子23との間の交流電圧の位相と、第2接続端子23とグラウンドとの間の交流電圧の位相とに基づいて、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であるか又は正接続であるかを判定してよい。この場合、第1電圧センサ50及び第2電圧センサ51は、交流電圧の位相を検出可能であってよい。制御部62は、第1電圧センサ50が検出した交流電圧の位相と、第2電圧センサ51が検出した交流電圧の位相とが同等ではないとき、コンセント3に対する差込プラグ21の接続が誤接続であると判定する。第2実施形態から第8実施形態についても同様である。
例えば、上述の第1実施形態では、電力制御装置20と商用電力系統2とは、差込プラグ21及びコンセント3を含む接続点を介して、互いに接続されるものとして説明した。ただし、電力制御装置20と商用電力系統2とを接続する接続点は、差込プラグ21及びコンセント3に限定されない。本開示において、電力制御装置20と商用電力系統2とは、任意の接続点を介して接続されてよい。任意の接続点には、施工によって設けられるものが含まれてよい。つまり、電力制御装置20と商用電力系統2とは、施工によって接続されてよい。施工ミスによって、インバータ30の第1出力端子31が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続されてしまう場合がある。施工ミスによって、インバータ30の第1出力端子31が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続されても、電力制御装置20は、インバータ30の第1出力端子31が商用電力系統2のU相の電力線P1に接続されているか否か判定することができる。第2実施形態から第8実施形態についても同様である。