JP2023002438A - 車両の充電システム及び方法、車両並びにコンピュータプログラム - Google Patents

車両の充電システム及び方法、車両並びにコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】車両の充電システムにおいて、ソーラーパネルからの電力を効率良くバッテリに充電する。【解決手段】ソーラーパネル(1)からの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリ(13、23)と、第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータ(100)と、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御部(30)とを備える。制御部は、第1バッテリの温度が所定閾値未満の場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、第2バッテリ経由で又はソーラーパネルから直接に、前記電力をヒータへ供給するように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばソーラーパネルからの電力で充電するバッテリを備える車両の充電システム及び方法、そのような充電システムを備える車両、並びにコンピュータをそのような充電システムの制御部として機能させるコンピュータプログラムの技術分野に関する。
この種の充電システムとして、低温或いは極低温で充放電を行う際にリチウム電池等のバッテリが劣化する或いは充放電量が制限されるのを回避したり、極低温のために駆動用バッテリの始動が困難になることを回避したりのために、バッテリをヒータで昇温させるものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2016―157647号公報
しかしながら、上記特許文献1によれば、車両の始動時や駆動時に、ヒータに費やされるバッテリが枯渇しかねないという技術的問題点があり、ソーラーパネルからの電力を効率良くバッテリに充電することが望まれる。
本発明は、例えば上述した技術的問題に鑑みなされたものであり、ソーラーパネルからの電力を効率良くバッテリに充電することを可能ならしめる車両の充電システム及び方法、そのような充電システムを備える車両、並びにコンピュータをそのような充電システムの制御部として機能させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
本発明に係る車両の充電システムの一態様は上記課題を解決するために、ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、前記第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータと、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1バッテリの温度が所定閾値未満の場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記ヒータへ供給し、前記第1バッテリの温度が前記所定閾値以上の場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように制御することを特徴とする。
本発明に係る車両の充電方法の一態様は上記課題を解決するために、ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、前記第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータとを備える車両の充電システムにおける充電方法であって、前記第1バッテリの温度が所定閾値未満であるか否かを判定する判定工程と、前記温度が前記所定閾値未満であると判定された場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記ヒータへ供給し、前記温度が前記所定閾値未満でないと判定された場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御工程とを有することを特徴とする。
本発明に係る車両の一態様は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様を有することを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムの一態様は上記課題を解決するために、コンピュータを、上述した本発明に係る車両の充電システムの制御部として機能させることを特徴とする。
本発明に係る車両の充電システムの一態様によれば、制御部による制御下で、第1バッテリの温度が所定閾値より低い場合に、第2バッテリをソーラーパネルからの電力で充電することで該第2バッテリからの放電により或いはソーラーパネルから直接、電力をヒータへ供給する。第1バッテリの温度が該所定閾値以上の場合には、第1バッテリの充放電は温度がそのままでも満足に行えるものとして、ソーラーパネルからの電力を第1バッテリへ供給する。このように、第1バッテリの温度に応じて選択的にヒータによる昇温を実行するので、充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
本発明に係る車両の充電方法の一態様によれば、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様の場合と同様に、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
本発明に係る車両の一態様によれば、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様の場合と同様に、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
本発明に係るコンピュータプログラムの一態様によれば、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様の場合と同様に、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
本発明によるこのような作用効果は、以下に説明する発明の実施形態により、より明らかにされる。
第1実施形態に係る車両の充電システムの全体構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る充電動作を示すフローチャートである。 図2のヒータで昇温するステップを構成する、サブルーチンの一具体例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る図1と同趣旨のブロック図である。 第2実施形態に係る図2と同趣旨のフローチャートである。 図2の冷却装置で降温するステップを構成する、サブルーチンの一具体例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る図3と同趣旨のフローチャートである。 第4実施形態に係る図1と同趣旨のブロック図である。 第5実施形態に係る、充電システムを備える車両の全体構成を示すブロック図である。
<第1実施形態>
図1から図3を参照して、本発明に係る車両の充電システムの第1実施形態について説明する。先ず図1を参照して、第1実施形態の構成について説明する。
図1において、第1実施形態に係る車両の充電システムは、ソーラーパネル1、第1バッテリ部10、第2バッテリ部20及び制御部30、並びに第1バッテリ部10が有する第1バッテリを昇温するためのヒータ100を備えて構成されている。ヒータ100は、以下に詳述するように、ソーラーパネル1からの電力が直接または第2バッテリ部20を経由して供給されることで動作する電気式の加熱機構を持ち、第1バッテリ13を常時で
なく選択的に加熱或いは昇温するように構成されている。
ソーラーパネル1は、車両のボディ外面等の日光を受ける箇所に搭載され、第1バッテリ部10を経由して若しくは直接に、単独で若しくは他の電力源と組み合わされる形式で、DCC或いはDCDCコンバータ等を適宜介して、車両における比較的高電圧の駆動用電源等として機能する。更に、ソーラーパネル1は、第2バッテリ部20を経由して若しくは直接に、単独で若しくは他の電力源と組み合わされる形式で、DCC或いはDCDCコンバータを適宜介して、車両における比較的低電圧の補機用電源等として機能し、本実施形態では特にヒータ100に電力を供給するヒータ電源としても機能するように構成されている。
第1バッテリ部10は、スイッチ11、センサ12、車両のモータを駆動する駆動用バッテリとして機能する比較的高電圧で大容量の第1バッテリ13を含んで構成されている。第1バッテリ部10は、例えばリチウムイオン電池、リチウム電池、又は全固体電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、電解質が注液された開栓型又は密閉型バッテリ等の第1バッテリ13を有する。スイッチ11は、ソーラーパネル1から第1バッテリ13へ供給される電力の供給のオンオフや供給経路の切換えを実行可能となるように構成されている。センサ12は、第1バッテリ13の温度、電圧、電流、充電量等の各種パラメータを、第1バッテリ13付近に取り付けられた温度センサ等で直接測定したり、演算により算定したりするように構成されている。第1バッテリ部10は、これらの構成要素の外、ソーラーパネル1からの直流電圧を降下させたり昇圧させたりするDCC或いはDCDCコンバータ、第2バッテリ部20との間で電力を融通するためのDDC或いはDCDCコンバータ、第1バッテリ部10に対してユーザからの随意の指示を与えるため用の或いは検査用の操作部、端子等の既存のバッテリに付随して設けられる各種構成要素を含んで構成されてもよい。
第2バッテリ部20は、スイッチ21、センサ22、車両の各種補機に電力を供給する補機用バッテリとして機能する比較的低電圧で小容量の第2バッテリ23を含んで構成されている。或いは、第2バッテリは、比較的高電圧で小容量のものでもよい。第2バッテリ23は、例えば第1バッテリと異種の伝統的な電解質が注液された開栓型又は密閉型バッテリ等、或いは、第1バッテリと同種のリチウムイオン電池等である。スイッチ21は、ソーラーパネル1から第2バッテリ23へ供給される電力の供給のオンオフや供給経路の切換えを実行可能に、本実施形態では特にヒータ100への電力を選択的に第2バッテリ23経由で又はソーラーパネル1から直接に供給可能となるように構成されている。センサ22は、第2バッテリ23の温度、電圧、電流、充電量等の各種パラメータを、第2バッテリ23付近に取り付けられた温度センサ等で直接測定したり、演算により算定したりするように構成されている。第2バッテリ部20は、これらの構成要素の外、ソーラーパネル1からの電圧を降下させたり昇圧させたりするDCC或いはDCDCコンバータ、第1バッテリ部10との間で電力を融通するためのDDC或いはDCDCコンバータ、第2バッテリ部20に対してユーザからの随意の指示を与えるため用の或いは検査用の操作部、端子等の既存のバッテリに付随して設けられる各種構成要素を含んで構成されてもよい。
制御部30は、プロセッサ、メモリ等を含み、比較部31及び供給指示部32を備えて構成されている。制御部30は、後に詳述する所定アルゴリズム(図2及び図3参照)に従って、比較部31における第1バッテリ13の温度に係る比較結果に基づいて、供給指示部32により、第1バッテリ部10のスイッチ11及び第2バッテリ部20のスイッチ21に対するオンオフ制御や供給経路の切換え制御を実行し、特に選択的にヒータ100により第1バッテリ13を昇温するように構成されている。制御部30は、ソーラーパネルの発電状態等を示す信号がソーラーパネル1から直接に又は第1バッテリ13若しくは第2バッテリ23経由で入力されることで、ソーラーパネルの状態をモニタリング可能に構成されてもよい。
次に図2を参照して、第1実施形態の動作処理を、図1に示した制御部30等における詳細な構成と共に説明する。図2に示す動作処理は、定期的に要求される又は不定期的に(例えば、時刻、日照情報、日射情報等に基づいて若しくはユーザによる随意的な要求により不定期に)要求される“ソーラー発電要求”が、充電システムに与えられることで、ルーチンとして実行されるものである。
図2において、ソーラー発電要求がされると(スタート)、先ず制御部30により、ソーラー発電が可能であるか否かが判定される(ステップS101)。ここでは、例えば、現在の日照或いは日射が発電可能なレベルに達しているか否が判定される。
続いて、ステップS101の判定の結果、ソーラー発電が可能であると判定されれば(ステップS101,Yes)、制御部30が有する比較部31(図1参照)により、第1バッテリ13の電池温度が、予め設定された充電制限最低温度より高いか否かが判定される(ステップS102)。ここに充電制限最低温度は、本発明における温度に係る「所定閾値」の一例であり、極低温の環境下では劣化してしまう或いは充電量に制限がかかる第1バッテリ13の充放電が、満足に実行可能な最低温度(例えば、ある程度常温に近い低温)として、実験的若しくは経験的に又はシミュレーション等により予め設定される値である。充電制限最低温度の値は、車両の走行中や停車中にリアルタイム的に或いは機械学習的に、より適切な値となるように更新されてもよい。加えて、このような充電制限最低温度の設定については、ヒータ100による昇温を停止した場合や昇温を実施していない場合における充電開始後或いは充電中の第1バッテリ13の温度低下、センサ12による測定誤差、制御における遅延時間や誤差等を考慮して、実用的なレベルのマージンを加味して設定するのがよい。
他方、ステップS101の判定の結果、ソーラー発電が可能でないと判定されれば(ステップS101,No)、充電システムは、今回のソーラー発電要求に応えられないので、一連の処理は終了される(エンド)。ステップS101の判定処理と並行して或いは相前後して、第1バッテリ13や第2バッテリ23が満充電となっていないか否か(即ち、ソーラー発電が必要ないか否か)が判定されてもよく、そこで不要なら一連の処理が終了される(エンド)ように構成してもよい。
ステップS102での判定の結果、電池温度が予め設定された充電制限最低温度より高ければ(ステップS102:Yes)、制御部30が有する供給指示部32により、第1バッテリ部10のスイッチ11の供給経路がソーラーパネル1と第1バッテリ13とを繋ぐように切換えられることで、ソーラーパネル1からの電力による第1バッテリ13への充電が行われる(ステップS103)。この際、第1バッテリ13の充電状態毎の劣化しない充電量を示す情報を、対応する電圧、電流、温度等の情報と共に予め記憶しておき、それらの情報により定まる許容充電量を基にして、第1バッテリ13への充電を開始或いは実行するようにしてもよい。その後、当該ルーチンにおける一連の処理が終了される(エンド)。
他方、ステップS102での判定の結果、電池温度が予め設定された充電制限最低温度より高くなければ(ステップS102:No)、制御部30が有する供給指示部32により、第2バッテリ部20のスイッチ21の供給経路が、ソーラーパネル1と第2バッテリ23とを繋ぐように切換えられるか或いはソーラーパネル1とヒータ100とを直接繋ぐように切り換えられることで、ヒータ100による第1バッテリ13の昇温が実行される(ステップS105)。このヒータ100による昇温が、ステップS102での判定がYesとなるまで繰り返して実行され(ステップS102:No及びステップS105)、最終的には第1バッテリ13への充電が実行され(ステップS102:Yes及びステップS103)、当該ルーチンにおける一連の処理が終了される(エンド)。
ここで、図3を参照して、図2のステップS105で実行されるヒータで昇温する処理の一具体例について説明を加える。ここに図3の処理は、図2のルーチン処理の中で、ステップS105での処理で呼び出されるサブルーチン処理として実行されるものである。
図3においては、先ず、第2バッテリ23の充電量が所定充電量を上回るか否かが、即ち、第2バッテリ23の現在の充電量で、ヒータ100での昇温処理を賄えるか否かが、比較部31により判定される(ステップS11)。
ここでの判定の結果、充電量が現在十分あれば(ステップS11:Yes)、第2バッテリ23経由でヒータ100への電力供給が行われるように、供給指示部32によりスイッチ21が切換えられて、第2バッテリ23経由でのヒータ100への供給が実行される(ステップS12)。これと並列に、第2バッテリ23への充電がソーラーパネル1から行われる。或いは、ここでの判定の結果、充電量が現在十分でなければ(ステップS11:No)、第2バッテリ23を経由することなく、ソーラーパネル1から直接、ヒータ100への電力供給が行われるように、供給指示部32によりスイッチ21が切換えられる(ステップS13)。ここでのヒータ100への電力供給の際、ソーラーパネル1からの電力に余力があれば、第2バッテリ23への充電がソーラーパネル1から並列で行われるように制御してもよいし、或いは、余力がなければ、第2バッテリ23への充電は当面の間(即ち、ヒータ100により充電制限最低温度が達成されるまでの間)行われないように制御してもよい。
以上、図1から図3を参照して詳細に説明したように、第1実施形態によれば、第1バッテリ13の温度に応じて選択的にヒータ100による昇温を実行するので、充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。従ってまた、第1バッテリ13や第2バッテリ23が枯渇する事態の発生を効率的に防止可能となる。
<第2実施形態>
図4から図6を参照して、本発明に係る車両の充電システムの第2実施形態について説明する。なお、図4から図6では、図1から図3に示した第1実施形態に係る構成要素或いは処理ステップと同等の構成要素或いは処理ステップに対しては、同一の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
図4において、第2実施形態では、ヒータ100に代えて、冷却装置200を備えて構成されている。制御部30は、冷却装置200による降温処理を選択的に行う制御(図5及び図6参照)を実行するように構成されている。その他の構成及び処理については、第1実施形態と概ね同様である。
即ち図4において、第2実施形態に係る車両の充電システムは、ソーラーパネル1、第1バッテリ部10、第2バッテリ部20及び制御部30、並びに第1バッテリ部10が有する第1バッテリ13を降温するための冷却装置200を備えて構成されている。冷却装置200は、ソーラーパネル1からの電力が直接または第2バッテリ部20を経由して供給されることで動作する。冷却装置200は、例えば、冷却用AC(エアコン)、冷却ファン等の空冷式や冷却用WC(ウオーター・ポンプ)等の水冷式の冷却機構を一種または複数種類有しており、第1バッテリ13を常時でなく選択的に冷却或いは降温するように構成されている。
第2実施形態では、制御部30は、後に詳述する所定アルゴリズム(図5及び図6参照)に従って、比較部31における第1バッテリ13の温度に係る比較結果に基づいて、供給指示部32により、第1バッテリ部10のスイッチ11及び第2バッテリ部20のスイッチ21に対するオンオフ制御や供給経路の切換え制御を実行し、特に選択的に冷却装置200により第1バッテリ13を降温するように構成されている。
図5において、ソーラー発電要求がされると(スタート)、ステップS101を経てのステップS202では、制御部30が有する比較部31(図1参照)により、第1バッテリ13の電池温度が、予め設定された充電制限最高温度より低いか否かが判定される(ステップS202)。ここに充電制限最高温度は、本発明における温度に係る「所定閾値」の他の一例であり、仮に極高温の環境下では劣化してしまう或いは異常状態となる第1バッテリ13の充放電が、満足に実行可能な最高温度(例えば、ある程度常温に近い高温)として、実験的若しくは経験的に又はシミュレーション等により予め設定される値である。充電制限最高温度の値は、車両の走行中や停車中にリアルタイム的に或いは機械学習的に、より適切な値となるように更新されてもよい。加えて、このような充電制限最高温度の設定については、冷却装置200による降温を停止した場合や降温を実施していない場合における充電開始後或いは充電中の第1バッテリ13の温度上昇やセンサ12による測定誤差、制御における遅延時間や誤差等を考慮して、実用的なレベルのマージンを加味して設定するのがよい。
更に、第2実施形態では、ステップS101を経てのステップS205では、制御部30が有する供給指示部32により、第2バッテリ部20のスイッチ21の供給経路が、ソーラーパネル1と第2バッテリ23とを繋ぐように切換えられるか或いはソーラーパネル1と冷却装置200とを直接繋ぐように切り換えられることで、冷却装置200による第1バッテリ13の降温が実行される(ステップS205)。この冷却装置200による昇温が、ステップS202での判定がYesとなるまで繰り返して実行され(ステップS202:No及びステップS205)、最終的には第1バッテリ13への充電が行われ(ステップS202:Yes及びステップS103)、当該ルーチンにおける一連の処理が終了される(エンド)。
ここで、図6を参照して、図5のステップS205で実行される冷却装置200で降温する処理の一具体例について説明を加える。ここに図6の処理は、図5のルーチン処理の中で、ステップS205での処理で呼び出されるサブルーチン処理として実行されるものである。
図6においては、先ず、第2バッテリ23の充電量が所定充電量を上回るか否かが、即ち、第2バッテリ23の現在の充電量で、冷却装置200での降温処理を賄えるか否かが、比較部31により判定される(ステップS21)。
ここでの判定の結果、充電量が現在十分あれば(ステップS21:Yes)、第2バッテリ23経由での冷却装置200への電力供給が行われるように、供給指示部32によりスイッチ21が切換えられて、第2バッテリ23経由で冷却装置200への電力の供給が行われる(ステップS22)。これと並列に、第2バッテリ23への充電がソーラーパネル1から行われる。或いは、ここでの判定の結果、充電量が現在十分でなければ(ステップS21:No)、第2バッテリ23を経由することなく、ソーラーパネル1から直接、冷却装置200への電力供給が行われるように、供給指示部32によりスイッチ21が切換えられる(ステップS23)。ここでの冷却装置200への電力供給の際、ソーラーパネル1からの電力に余力があれば、第2バッテリ23への充電がソーラーパネル1から並列で行われるように制御してもよいし、或いは、余力がなければ、第2バッテリ23への充電は当面の間(即ち、冷却装置200により充電制限最高温度が達成されるまでの間)行われないように制御してもよい。
以上、図4から図6を参照して詳細に説明したように、第2実施形態によれば、第1バッテリ13の温度に応じて選択的に冷却装置200による降温を実行するので、充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。従ってまた、第1バッテリ13や第2バッテリ23が枯渇する事態の発生を効率的に防止可能となる。
<第3実施形態>
図7を参照して、本発明に係る車両の充電システムの第3実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、例えばリチウムイオン電池等の極低温時の充放電で劣化しやすい第1バッテリ13における該劣化を防止することが可能に構成されている。或いは、上述の第2実施形態では、例えばリチウムイオン電池等の極高温時の充放電で劣化しやすい第1バッテリ13における該劣化を防止することが可能に構成されている。第3実施形態は、このような第1バッテリ13の劣化の防止のみならず、例えばリチウムイオン電池等の極低温時の充放電で大電流により劣化しやすいバッテリで、第2バッテリ23を構築した場合における、当該第2バッテリ23の劣化を防止することが可能に構成されている。このため、第3実施形態は、第1実施形態と比べて、図3で示したステップS105の昇温に係る動作処理が異なる。第3実施形態に係るその他の動作処理及び構成については、第1実施形態のそれらと同様であるので、説明を適宜省略する。
図7において、第3実施形態では、第1実施形態に係るヒータ100で昇温するステップS105(図2参照)として、図3のステップS11からS13の処理に代えて、制御部30が有する比較部31(図1参照)により、第2バッテリ23の電池温度が、予め設定された充電制限温度より高いか否かが判定される(ステップS31)。ここに充電制限温度は、本発明における温度に係る「所定の第2閾値」の一例であり、極低温の環境下で急速に充放電を行うと劣化してしまう第2バッテリ23が、そのように劣化しない温度(例えば、ある程度常温に近い低温)として、実験的若しくは経験的に又はシミュレーション等により予め設定される値である。充電制限温度の値は、車両の走行中や停車中にリアルタイム的に或いは機械学習的に、より適切な値となるように更新されてもよい。
ステップS31での判定の結果、第2バッテリ23の電池温度が予め設定された充電制限温度より高ければ(ステップS31:Yes)、制御部30が有する供給指示部32により、第2バッテリ部20のスイッチ21の供給経路がソーラーパネル1と第2バッテリ23とを繋ぐように切換えられる。これにより、ソーラーパネル1からの電力による第2バッテリ23への充電が行われる。即ち、第2バッテリ23に対する電流抑制或いは遮断が無いまま、第2バッテリ23を経由してのヒータ100への電流供給が実行される(ステップS32)。その後、当該ルーチンにおける一連の処理が終了される(エンド)。
他方、ステップS31での判定の結果、第2バッテリ23の電池温度が予め設定された充電制限温度より高くなければ(ステップS31:No)、制御部30が有する供給指示部32により、第2バッテリ部20のスイッチ21の供給経路が、電流抑制が有る経路を介して行われるか或いはソーラーパネル1とヒータ100とを直接繋ぐように切り換えられる。これにより、ソーラーパネル1からの電力によるヒータ100への電流供給が、第2バッテリ23への電流供給が抑制或いは遮断された状態で行われる(ステップS33)。
ここでの電流抑制や遮断に係る調整としては、より具体的には例えば、ソーラーパネル1から第2バッテリ部20への電力供給に係るDCC或いはDCDCコンバータの出力を、電流フィードバック制御により抑制したりゼロにしたりする。この際、第2バッテリ23の充電状態毎の劣化しない充電量を示す情報を、対応する電圧、電流、温度等の情報と共に予め記憶しておき、それらの情報により定まる許容充電量を基にして、第2バッテリ23への充電を開始或いは実行するようにしてもよい。或いは、スイッチ21の回路遮断スイッチとしての切替えにより、第2バッテリ部20への電力供給を抑制したりゼロにしたりすることで、第2バッテリ23に対する電流抑制や遮断に係る調整を実行してもよい。或いは、第2バッテリ23の消費電力をフィードバックすることで、第2バッテリ23に大電流が流れないように調整を実行してもよい。その後、当該ルーチンにおける一連の処理が終了される(エンド)。
上述の第3実施形態では、第1実施形態の場合と同じく、第1バッテリ13の温度に応じて選択的にヒータ100への電力供給を行うことで第1バッテリ13の極低温時の充放電による劣化を防止したり効率を高めたりしているが、このような第1バッテリ13の温度に応じた制御を行うことなく或いはこのような第1バッテリ13の温度とは無関係に、第2バッテリ23における第2バッテリ23の温度に応じた選択的な電流抑制或いは遮断に係る制御を実行するように構成してもよい。そのように構成しても、第2バッテリ23の極低温時の充放電による劣化を防止するという効果は相応に得られる。
更に、上述の第3実施形態では、第2バッテリ23の極低温時の急速な充放電による劣化を防止するが、第1実施形態に対する第2実施形態としてある応用形態と同じく、第3実施形態に対する同趣旨の応用形態として、第2バッテリ23の高温時の充放電による劣化を防止するように構成されてもよく、この際、第2バッテリ23を冷却する冷却装置を、第1バッテリ13を冷却する冷却装置200(図4参照)と同要領で或いは別要領で、別途設けてもよい。
以上、図7を参照して詳細に説明したように、第3実施形態によれば、第2バッテリ23の温度に応じて選択的に、第2バッテリ23への電流供給を抑制したり或いは遮断したりするので、第2バッテリ23を含めた充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。従ってまた、第1バッテリ13のみならず第2バッテリ23が極低温時の急速な充放電により劣化する事態の発生を効率的に防止可能となる。
<第4実施形態>
図8に示すように、上述の第3実施形態の変形形態として、第3実施形態に係る第2バッテリ23における第2バッテリ23の温度に応じた選択的な電流抑制或いは遮断に係る制御を行うのに加えて又は代えて、第2バッテリ23の温度が充電制限温度以下の場合に、第2バッテリ23を昇温するヒータ400を、第1バッテリを昇温するヒータ100(図1参照)と同要領で或いは別要領で、別途設けてもよい。第4実施形態の動作処理としては、第3実施形態に係るステップS33(図7)の処理に相前後して、ヒータ400で昇温する処理を実行すればよい。第4実施形態の如くにヒータ400を設けることで、第2バッテリ23が極低温である状況から、より早く極低温でない状況に変更することが可能となる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る、充電システムを備える車両について説明を加える。図9に示すように、電気自動車である車両500は、上述した第1から第4実施形態の充電システムを備えて構成われている。よって、車両500では、制御部30の制御下でヒータ100を適宜利用することで、ソーラーパネル1からの電力を第1バッテリ部10や第2バッテリ部20に効率良く充電可能である。更に、第1バッテリ部10や第2バッテリ部20が有するリチウムイオン電池等が極低温或いは高温の環境での充放電により劣化することを効率的に未然防止できる。なお、制御部30の一部或いは主要部は、車両500と同じネットワークに通信接続された不図示のサーバ側に設けられてもよい。
付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
本発明に係る付記1記載の車両の充電システムは、ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、前記第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータと、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1バッテリの温度が所定閾値未満の場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記ヒータへ供給し、前記第1バッテリの温度が前記所定閾値以上の場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように制御することを特徴とする。
付記1記載の車両の充電システムの一態様によれば、一方で、制御部による制御下で、例えば大容量高電圧の駆動用バッテリ或いは主要バッテリである第1バッテリの温度が所定閾値(例えば、充電制限に係る最低温度)より低い場合に、例えば小容量定電圧の補機用バッテリである第2バッテリをソーラーパネルからの電力で充電することで該第2バッテリからの放電により或いはソーラーパネルから直接、電力をヒータへ供給する。
これにより、上述の如く温度が低い場合には、第1バッテリへの充電に先んじて先ず、第1バッテリの昇温が実行される。特に、第2バッテリを第1バッテリより小容量なものとして構成すれば、第2バッテリ経由で電力をヒータへ供給するために必要となり得る第2バッテリを充電するのにかかる時間は、大容量の第1バッテリを充電するのに比べて短時間で済むので有利である。或いは、ソーラーパネルからの電力を直接、ヒータへ供給する構成を採っていれば、第2バッテリの充電状態によらずにヒータによる昇温を迅速に実行可能となるので有利である。
他方で、制御部による制御下で、第1バッテリの温度が該所定閾値以上の場合には、第1バッテリの充放電は温度がそのままでも満足に行えるものとして、ヒータに電力を供給することなく、ソーラーパネルからの電力を第1バッテリへ供給する。即ち、この場合には、第1のバッテリの昇温は実行されない。或いは、制御部による制御下で、第1バッテリの温度がヒータによる昇温により、該所定閾値以上まで上がった場合にも、第1バッテリの充放電はその温度で満足に行えるものとして、ヒータに電力を供給することなく、ソーラーパネルからの電力を第1バッテリへ供給する。
なお、バッテリの温度については、例えば、温度センサを第1バッテリの所定位置に取り付けることで測定し、その測定結果を制御部へ電気的な信号で供給するように構成すればよい。又は、これに代えて若しくは加えて、その時点に至るまでの第1バッテリの充放電の履歴或いは第1バッテリの電圧値や電流値から、その時点における第1バッテリの動作温度を推定するように構成してもよい。
以上の結果、付記1記載の車両の充電システムの一態様によれば、第1バッテリの温度に応じて選択的にヒータによる昇温を実行するので、充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。この際、ヒータ用の電力を第1バッテリではなく第2バッテリとするので、第1バッテリが枯渇する事態の発生を効率的に防止可能となる。また、第2バッテリの充電量が少ない場合に、ヒータ用の電力を、ソーラーパネルから直接供給するか或いは第2バッテリの充電量を十分確保してから第2バッテリから供給するので、第2バッテリが枯渇する事態の発生を効率的に防止可能となる。加えて、第1バッテリとしては、極低温環境下で充放電すると劣化が促進されるタイプのバッテリの採用も可能となる。
[付記2]
付記2記載の車両の充電システムは、前記制御部は、前記温度が前記所定閾値未満の場合、前記第2バッテリの充電量が所定量以上であることを条件に、前記第2バッテリ経由で前記電力を前記ヒータへ供給するように制御することを特徴とする付記1記載の車両の充電システムである。
付記2記載の車両の充電システムによれば、制御部による制御下で、第1バッテリの温度が所定閾値未満の場合、第2バッテリの充電量が所定量以上であることを条件に、第2バッテリ経由で電力がヒータへ供給される。他方で、該条件が満たされねば、ソーラーパネルからの電力が直接ヒータへ供給され、この際、ソーラーパネルからの電力は、ヒータへのみ供給されてもよいし、ヒータへ供給されつつ第2バッテリへ供給されてもよい。従って、いずれにしても、第2バッテリが枯渇する事態の発生をも効率的に防止可能となる。
[付記3]
本発明に係る付記3記載の車両の充電システムは、ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、第1バッテリの冷却を、前記電力が供給されることで実行する冷却装置と、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1バッテリの温度が所定閾値より高い場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記冷却装置へ供給し、前記第1バッテリの温度が前記所定閾値以下の場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように制御することを特徴とする。
付記3記載の車両の充電システムによれば、制御部による制御下で、第1バッテリの温度が所定閾値(例えば、充電制限に係る最高温度)より高い場合に、第2バッテリをソーラーパネルからの電力で充電することで該第2バッテリからの放電により或いはソーラーパネルから直接、電力を冷却装置へ供給する。他方、第1バッテリの温度が該所定閾値以下の場合には、第1バッテリの充放電は温度がそのままでも満足に行えるものとして、ソーラーパネルからの電力を第1バッテリへ供給する。或いは、制御部による制御下で、第1バッテリの温度が冷却装置による降温により、該所定閾値以下まで下がった場合にも、第1バッテリの充放電はその温度で満足に行えるものとして、ソーラーパネルからの電力を第1バッテリへ供給する。
これにより、上述の如く温度が高い場合には、第1バッテリへの充電に先んじて先ず、第1バッテリの降温が実行される。特に、第2バッテリを第1バッテリより小容量なものとして構成すれば、第2バッテリ経由で電力を冷却装置へ供給するために必要となり得る第2バッテリを充電するのにかかる時間は、大容量の第1バッテリを充電するのに比べて短時間で済むので有利である。或いは、ソーラーパネルからの電力を直接、冷却装置へ供給する構成を採っていれば、第2バッテリの充電状態によらずに冷却装置による降温を迅速に実行可能となるので有利である。このように、第1バッテリの温度に応じて選択的に冷却装置による冷却を実行するので、充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
なお、上述した付記1記載の車両の充電システムに、当該付記3記載の車両の充電システムを組み合わせてもよい。より具体的には、ヒータ及び冷却装置の両方を備え、これらへの電力の供給が、第1バッテリの温度が所定の温度範囲(即ち、付記1に係る所定閾値と付記3に係る所定閾値との間に当たる温度範囲)に入っている場合に実行されるようにしてもよい。このように構成しても、充電システム全体として、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
[付記4]
本発明に係る付記4記載の車両の充電システムは、前記第1バッテリは、所定閾値未満の温度環境下で充放電されることにより劣化が促進される電池であることを特徴とする付記1から3の何れか一つに記載の車両の充電システムである。
付記4記載の車両の充電システムによれば、極低温或いは極高温での充放電で劣化し易い例えばリチウムイオン電池である第1バッテリを、そのような劣化から守ることが可能となる。同趣旨より、第1バッテリが、低温環境或いは高温環境下での充放電での劣化が問題になる、リチウムイオン電池以外で将来的に開発される高性能電池であっても、本発明に係る付記1から3記載の車両の充電システムによる作用効果は存分に奏される。
[付記5]
本発明に係る付記5記載の車両の充電システムは、前記制御部は、前記第2バッテリの温度が所定の第2閾値未満の場合、前記第2閾値以上の場合に比して、前記第2バッテリへの前記電力の供給を抑制又は遮断するように制御することを特徴とする付記1から4の何れか一つに記載の車両の充電システムである。
付記5記載の車両の充電システムによれば、制御部による制御下で、一方で、小容量定電圧の補機用バッテリである第2バッテリの温度が第2閾値(例えば、充電制限に係る最低温度)より低い場合に、第2閾値以上の場合に比して、第2バッテリへのソーラーパネルからの電力の供給が抑制されるか又は遮断される。この場合、第2バッテリからの放電による電力のヒータへの供給は少なくされるか又は無くされる。他方で、第2バッテリの温度が該第2閾値以上の場合には、第2バッテリの充放電は温度がそのままでも満足に行えるものとして、第2バッテリへのソーラーパネルからの電力供給が抑制や遮断されることなく、第2バッテリは、ヒータへの電力供給に適宜利用される。なお、第2バッテリの温度については、例えば、温度センサを第2バッテリの所定位置に取り付けることで測定し、その測定結果を制御部へ電気的な信号で供給するように構成すればよい。
以上の結果、第2バッテリの温度に応じて選択的に第2バッテリを利用又は未利用するので、第2バッテリを含めた充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。特に、第2バッテリとしては、極低温環境下で充放電すると劣化が促進されるタイプのバッテリの採用も可能となる。
[付記6]
本発明に係る付記6記載の車両の充電システムは、前記第2バッテリは、所定閾値未満の温度環境下で充放電されることにより劣化が促進される電池であることを特徴とする付記5記載の車両の充電システムである。
付記6記載の車両の充電システムによれば、極低温或いは極高温での充放電で劣化し易い例えばリチウムイオン電池である第2バッテリを、そのような劣化から守ることが可能となる。同趣旨より、第2バッテリが、低温環境或いは高温環境下での充放電での劣化が問題になる、リチウムイオン電池以外で将来的に開発される高性能電池であっても、本発明に係る付記5記載の車両の充電システムによる作用効果は存分に奏される。
[付記7]
本発明に係る付記7記載の車両の充電システムは、前記第2バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行する他のヒータを更に備え、前記制御部は、前記第2バッテリの温度が前記第2閾値未満の場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記他のヒータへ供給するように制御することを特徴とする付記5又は6記載の車両の充電システムである。
付記7記載の車両の充電システムの一態様によれば、制御部による制御下で、一方で、第2バッテリの温度が第2閾値未満の場合には、第2バッテリ用である他のヒータにより、第2バッテリの昇温が実行される。他方で、第2バッテリの温度が該第2閾値以上の場合には、第2バッテリの充放電は温度がそのままでも満足に行えるものとして、第2バッテリ用の他のヒータによる第2バッテリの昇温が実行されことなく、第2バッテリは、ヒータへの電力供給に適宜利用される。
[付記8]
本発明に係る付記8記載の車両の充電システムは、ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する駆動用の第1バッテリ及び補機用の第2バッテリと、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第2バッテリの温度が所定の第2閾値未満の場合、前記第2閾値以上の場合に比して、前記第2バッテリへの前記電力の供給を抑制又は遮断するように制御することを特徴とする。
付記8記載の車両の充電システムの一態様によれば、制御部による制御下で、一方で、小容量定電圧の補機用バッテリである第2バッテリの温度が第2閾値より低い場合に、第2閾値以上の場合に比して、第2バッテリへのソーラーパネルからの電力の供給が抑制されるか又は遮断される。他方で、第2バッテリの温度が該第2閾値以上の場合には、第2バッテリの充放電は温度がそのままでも満足に行えるものとして、第2バッテリへのソーラーパネルからの電力供給が抑制や遮断されることない。以上の結果、第2バッテリの温度に応じて選択的に第2バッテリを補機用に利用又は未利用するので、第2バッテリを含めた充電システム全体としては、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。特に、第2バッテリとしては、極低温環境下で充放電すると劣化が促進されるタイプのバッテリの採用も可能となる。
[付記9]
本発明に係る付記9記載の車両の充電方法は、ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、前記第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータとを備える車両の充電システムにおける充電方法であって、前記第1バッテリの温度が所定閾値未満であるか否かを判定する判定工程と、前記温度が前記所定閾値未満であると判定された場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記ヒータへ供給し、前記温度が前記所定閾値未満でないと判定された場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御工程とを有することを特徴とする車両の充電方法である。
本発明に係る付記9記載の車両の充電方法によれば、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様の場合と同様に、第1バッテリの温度に応じて選択的にヒータによる昇温を実行するので、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となる。
[付記10]
本発明に係る付記10記載の車両は、上述した付記1から8の何れか一つに記載の車両の充電システムを備えることを特徴とする車両である。
本発明に係る付記10記載の車両によれば、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様の場合と同様に、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となり、第1バッテリや第2バッテリの極低温或いは極高温の環境下での充放電による劣化を効率的に防止できたりする。
[付記11]
本発明に係る付記11記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述した本発明に係る付記1から8の何れか一つに記載の充電システムの制御部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
本発明に係る付記11記載のコンピュータプログラムによれば、車両にその一部又は全部が搭載された又は車両を遠隔操作するコンピュータに、ダウンロードされたり記憶媒体を介して読み込まれた当該コンピュータプログラムを実行させることにより比較的簡単に、上述した本発明に係る車両の充電システムの一態様の場合と同様に、ソーラーパネルからの電力を効率良く充電可能となり、第1バッテリや第2バッテリの極低温或いは極高温の環境下での充放電による劣化を効率的に防止できたりする。
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の充電システム及び方法、車両並びにコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
1……ソーラーパネル
10……第1バッテリ部
13……第1バッテリ
20……第2バッテリ部
23……第2バッテリ
30……制御部
100……ヒータ
200……冷却装置

Claims (8)

  1. ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、
    前記第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータと、
    前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記第1バッテリの温度が所定閾値未満の場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記ヒータへ供給し、前記第1バッテリの温度が前記所定閾値以上の場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように制御する
    ことを特徴とする車両の充電システム。
  2. 前記制御部は、前記温度が前記所定閾値未満の場合、前記第2バッテリの充電量が所定量以上であることを条件に、前記第2バッテリ経由で前記電力を前記ヒータへ供給するように制御することを特徴とする請求項1記載の車両の充電システム。
  3. 前記制御部は、前記第2バッテリの温度が所定の第2閾値未満の場合、前記第2閾値以上の場合に比して、前記第2バッテリへの前記電力の供給を抑制又は遮断するように制御することを特徴とする請求項1記載の車両の充電システム。
  4. 前記第2バッテリは、所定閾値未満の温度環境下で充放電されることにより劣化が促進される電池であることを特徴とする請求項3記載の車両の充電システム。
  5. 前記第2バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行する他のヒータを更に備え、
    前記制御部は、前記第2バッテリの温度が前記第2閾値未満の場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記他のヒータへ供給するように制御することを特徴とする請求項4記載の車両の充電システム。
  6. ソーラーパネルからの電力を夫々蓄電する第1及び第2バッテリと、前記第1バッテリの昇温を、前記電力が供給されることで実行するヒータとを備える車両の充電システムにおける充電方法であって、
    前記第1バッテリの温度が所定閾値未満であるか否かを判定する判定工程と、
    前記温度が前記所定閾値未満であると判定された場合、前記温度が前記所定閾値となるまで、前記第2バッテリ経由で又は前記ソーラーパネルから直接に、前記電力を前記ヒータへ供給し、前記温度が前記所定閾値未満でないと判定された場合、前記ソーラーパネルから前記電力を前記第1バッテリへ供給するように、前記電力に係る供給のオンオフ及び経路の少なくとも一方を制御する制御工程と
    を有することを特徴とする車両の充電システム。
  7. 請求項1から5の何れか一項記載の車両の充電システムを備えることを特徴とする車両。
  8. コンピュータを、請求項1から8の何れか一項に記載の充電システムの制御部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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