JP2023001654A - 軸受用シール部材 - Google Patents

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竜雄 片山
Tatsuo Katayama
敬子 池田
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真由 原
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Abstract

【課題】耐ウレアグリース性が良好であるとともに、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が高い軸受用シール部材を提供する。【解決手段】ゴム成形品と芯金とを備える軸受用シール部材であって、前記ゴム成形品が、フッ素ゴム(A)100質量部、白色充填材(B)15~100質量部を含有するゴム組成物を加硫成形してなり、フッ素ゴム(A)がビニリデンフルオライド単位、下記式(1)CH2=CFR (1)[式中、Rは炭素数1~12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。]で示される含フッ素単量体由来の単位、並びにヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含む共重合体であり、白色充填材(B)のDBP吸油量が30~210ml/100gであり、白色充填材(B)がシリカ、ケイ酸塩及び珪藻土から選択される少なくとも1種である、シール部材である。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車の車軸等の軸受に用いられるシール部材に関する。
自動車の車軸は転がり軸受によって支持されていて、転がり軸受には潤滑のためにグリースが封入されている。また、転がり軸受にはこのようなグリースの漏出や泥水の浸入を防止するためにシール部材が備わっている。前記グリースとして、コスト等の観点から、ウレアグリースが使用されている。そのため、軸受用のシール部材として、高いシール性や耐摩耗性等を有するとともに、ウレアグリースに対する耐久性にも優れるものが求められている。
特許文献1には、ビニリデンフルオライド及び所定のフルオロアルキレンからなる共重合体と架橋剤とを含む架橋性組成物を用いて得られる転がり軸受用シール部材が記載されている。当該シール部材は、ウレアグリースに対する耐久性を有すると記載されている。しかしながら、当該シール部材は、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が不十分であった。
特開2016-132754号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、耐ウレアグリース性が良好であるとともに、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が高い軸受用シール部材を提供することを目的とする。
上記課題は、ゴム成形品と芯金とを備える軸受用シール部材であって、前記ゴム成形品が、フッ素ゴム(A)100質量部、白色充填材(B)15~100質量部を含有するゴム組成物を加硫成形してなり、フッ素ゴム(A)がビニリデンフルオライド単位、下記式(1)
CH=CFR (1)
[式中、Rは炭素数1~12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体由来の単位、並びにヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含む共重合体であり、白色充填材(B)のDBP吸油量が30~210ml/100gであり、白色充填材(B)がシリカ、ケイ酸塩及び珪藻土から選択される少なくとも一種である、シール部材を提供することによって解決される。
このとき、前記ゴム組成物が、エステルワックス、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群から選択される少なくとも一種からなる加工助剤を含有することが好ましい。200℃にて70時間熱処理された後の前記ゴム成形品の圧縮永久歪が40%未満であることも好ましい。
本発明のシール部材は、耐ウレアグリース性が良好であるとともに、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が高い。このようなシール部材は、軸受用のシール部材として好適である。
本発明のシール部材は、ゴム成形品と芯金とを備える軸受用シール部材であって、前記ゴム成形品が、フッ素ゴム(A)100質量部、白色充填材(B)15~100質量部を含有するゴム組成物を加硫成形してなり、フッ素ゴム(A)がビニリデンフルオライド単位、下記式(1)
CH=CFR (1)
[式中、Rは炭素数1~12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体由来の単位、並びにヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含む共重合体であり、白色充填材(B)のDBP吸油量が30~210ml/100gであり、白色充填材(B)がシリカ、ケイ酸塩及び珪藻土から選択される少なくとも一種であるものである。当該シール部材は、耐ウレアグリース性が良好であるとともに、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が高い。
本発明では、フッ素ゴム(A)として、ビニリデンフルオライド単位、下記式(1)
CH=CFR (1)
[式中、Rは炭素数1~12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。]
で示される含フッ素単量体由来の単位、並びにヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含む共重合体が用いられる。当該共重合体としては、特表2012-512264号公報の[0039]~[0055]に記載された、ビニリデンフルオライド、上記式(1)で示される含フッ素単量体、並びに、ビニリデンフルオライド及び前記含フッ素単量体と共重合可能な他の単量体からなる共重合体であり、ヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を有する、第3の含フッ素エラストマーが挙げられる。本発明において、フッ素ゴム(A)として用いられる前記共重合体に含有されるヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位としては、特表2012-512264号公報の[0052]~[0055]に記載されたヨウ素または臭素含有単量体に由来する単位が用いられる。
着色やマーキングが可能である点から、本発明では、前記ゴム成形品に含有させる充填材として白色充填材(B)が用いられる。そして、耐摩耗性やゴム成形品と芯金との接着性が向上する点から、白色充填材(B)として、シリカ、ケイ酸塩及び珪藻土から選択される少なくとも一種が用いられ、シリカ及びケイ酸塩から選択される少なくとも一種が好ましい。引張強さの観点からはシリカが好ましく、圧縮永久歪率の観点からはケイ酸塩が好ましい。白色充填材(B)の平均粒径は0.5~30μmが好ましい。
前記シリカとしては、エボニック・デグサ・ジャパン(株)製「ウルトラジル360」及び「ウルトラジルVN2」、水澤化学工業株式会社製「シルホナイト」、ORIENTAL SILICAS CORPORATION製「トクシール」、東ソー・シリカ(株)製「ニップシールER」、「ニップシールEL」及び「ニップシールVN2」、U.S. SILICA COMPANY製「ミヌシル」等が挙げられる。
珪藻土としては、CELITE CORPORATION製「セライト」、昭和化学工業製「ラヂオライト」が挙げられる。珪藻土は未焼成珪藻土と焼成珪藻土(昭和化学工業製「ラヂオライト」)のいずれであっても構わないが後者が好ましい。
前記ケイ酸塩は含水ケイ酸塩であってもよい。前記ケイ酸塩としては、クレー、マイカ、ケイ酸カルシウム、ガラス(繊維、ビーズ等)等が挙げられる。前記クレーは、湿式クレー、乾式クレー又はこれらを焼成した焼成クレーのいずれであってもよく、中でも、焼成クレーが好ましい。前記クレーとして具体的には、カオリン(BASF社製「ASP」等)、焼成カオリン(BASF社製「Satintone」、バーゲス・ピグメント社製「オプチホワイト」等)、ろう石、セリサイト、タルク(イメリス スペシャリティーズ ジャパン株式会社製「ミストロンベーパー」)、モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト等が挙げられる。
白色充填材(B)のDBP吸油量は30~210ml/100gである必要がある。前記DBP吸油量が30ml/100g未満の場合、得られるシール部材の耐摩耗性が低下する。前記DBP吸油量は40ml/100g以上が好ましく、50ml/100g以上がより好ましく、55ml/100g以上がさらに好ましい。一方、前記DBP吸油量が210ml/100gを超える場合、ゴム組成物の硬さが上がり、加工性が悪くなる。前記DBP吸油量は150ml/100g以下が好ましく、120ml/100g以下がより好ましく、100ml/100g以下が特に好ましい。
圧縮永久歪率の観点からは、白色充填材(B)が白色充填材(B1)と、(B1)よりもDBP吸油量が多い白色充填材(B2)を含むことが好ましい。(B1)のDBP吸油量は100ml/100g以下が好ましく、90ml/100g以下がより好ましく、80ml/100g以下がさらに好ましく、60ml/100g以下が特に好ましい。圧縮永久歪率の観点から、(B1)と(B2)のDBP吸油量の差(B2-B1)は10ml/100g以上が好ましく、50ml/100g以上がより好ましく、70ml/100g以上がさらに好ましく、85ml/100g以上が特に好ましい。
圧縮永久歪率の観点から、白色充填材(B2)のDBP吸油量は100ml/100g超が好ましく、110ml/100g以上がより好ましく、120ml/100g以上がさらに好ましく、130ml/100g以上が特に好ましい。
白色充填材(B)が白色充填材(B1)及び白色充填材(B2)を含有する場合、白色充填材(B)のおける、白色充填材(B1)に対する白色充填材(B2)の質量比(B2/B1)は、1/99~99/1が好ましい。質量比(B2/B1)は10/90以上がより好ましく、20/80以上がさらに好ましい。一方、質量比(B2/B1)は90/10以下がより好ましく、70/30以下がさらに好ましく、60/40以下が特に好ましく、45/55以下が最も好ましい。また、白色充填材(B)が白色充填材(B1)及び白色充填材(B2)を含有する場合、(B)中の(B1)及び(B2)の合計量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
前記ゴム組成物中の白色充填材(B)の含有量は、フッ素ゴム(A)100質量部に対して、15~100質量部である。前記含有量が15質量部未満の場合、得られるシール部材の耐摩耗性、ゴム成形品と芯金との接着性が低下する。前記含有量は20質量部以上が好ましく、22質量部以上がより好ましい。一方、前記含有量が100質量部を超える場合、ゴム組成物の硬さが上がり、シール特性を損なうおそれがある。前記含有量は70質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、45質量部以下がさらに好ましく、40質量部以下が特に好ましく、35質量部以下が最も好ましい。白色充填材(B)として、所定のDBP吸油量を有するシリカ、ケイ酸塩及び珪藻土から選択される少なくとも一種を用いることが本発明の大きな特徴である。これにより、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が高まる。前記ゴム組成物中に複数種類の白色充填剤(B)が含有される場合は、それらの合計含有量が上記範囲である必要がある。
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記ゴム組成物は、さらに、白色充填材(B)以外の他の充填材を含有していてもよい。このような充填材としては、シリカ、ケイ酸塩及び珪藻土以外の白色充填材;シリカ、ケイ酸塩及び珪藻土のうち、DBP吸油量が30ml/100g未満又は210ml/100gを超えるもの等が挙げられる。前記他の充填材のDBP吸油量は30ml/100g未満又は210ml/100g超が好ましく、210mL/100g超300mL/100g以下がより好ましい。ゴム成形品と芯金との接着性、離型性がさらに向上する点から、前記他の充填材としては、シリカ、クレー等のうち、DBP吸油量が前記範囲であるものが好ましい。前記他の充填材として用いられるシリカ及びクレーの種類として、白色充填材(B)と同様のものが挙げられる。前記他の充填材の平均粒径は、上述した白色充填材(B)と同様の範囲であることが好ましい。
前記ゴム成形品中の前記他の充填材の含有量は、フッ素ゴム(A)100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、5質量部以下が特に好ましい。一方、前記含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。前記ゴム組成物における、白色充填材(B)に対する、白色充填材(B)以外の他の充填材の質量比[他の充填材/白色充填材(B)]は、50/50未満が好ましく、45/55以下がより好ましく、40/60以下がさらに好ましい。一方、前記他の充填材を含有させる場合、質量比[他の充填材/白色充填材(B)]は、1/99以上が好ましく、5/95以上がより好ましく、10/90以上がさらに好ましい。
前記ゴム組成物を成形する際に、得られるゴム成形品の金型からの離型性が向上する点等から、前記ゴム組成物がさらに加工助剤を含有することが好ましい。当該加工助剤として、エステルワックス;第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン等のアミン等が挙げられ、中でも、エステルワックス、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。前記アミンが脂肪族アミンであることが好ましい。前記アミンが第1級アミンであることも好ましい。前記第1級アミンとしては、ステアリルアミン、ウンデシルアミン、ラウリルアミン、オレイルアミン、カプリルアミン等が挙げられ、中でもステアリルアミンが好ましい。前記第2級アミンとしては、ジステアリルアミン等が挙げられる。前記第3級アミンとしては、ジメチルラウリルアミン、トリオクチルアミンが挙げられる。前記ゴム組成物が前記エステルワックスと前記アミンとを含有することが好ましい。
前記ゴム組成物中の加工助剤の合計含有量は、フッ素ゴム(A)100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましい。前記合計含有量が0.1質量部未満の場合、前記ゴム成形品の金型からの離型性の向上効果等が得られないおそれがある。前記合計含有量は0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。一方、前記合計含有量が20質量部を超える場合、加工性およびシール接着性が悪くなるおそれがある。前記合計含有量は10質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記ゴム組成物はフッ素ゴム(A)、白色充填材(B)、前記他の充填材及び前記加工助剤以外の他の添加剤を含有していてもよい。当該他の添加剤としては、加硫剤、加硫助剤、共架橋剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、接着剤、受酸剤、着色剤、可塑剤、老化防止剤、カップリング剤、腐食防止剤、タッキーファイヤー、滑剤等が挙げられる。前記ゴム組成物中の前記他の添加剤の合計含有量は、フッ素ゴム(A)100質量部に対して、通常、100質量部以下であり、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
本発明のシール部材の製造方法は特に限定されないが、好適な製造方法は、フッ素ゴム(A)、白色充填材(B)、必要に応じて、前記他の充填材、前記加工助剤、前記他の添加剤を混練して前記ゴム組成物を得る混練工程と、前記ゴム組成物を前記芯金上で加硫成形する加硫工程とを有する方法である。
前記混練工程において、上記の成分を混合する方法は特に限定されず、オープンロール、ニーダ、バンバリーミキサ、インターミキサ、押出機などを用いて混練することができる。中でも、オープンロール又はニーダを用いて混練することが好ましい。混練時の温度は20~160℃とすることが好ましい。
そして、前記混練工程で得られた前記ゴム組成物を、次の加硫工程において、前記芯金上で加硫成形することで、ゴム成形品と芯金とを備える本発明のシール部材が得られる。このとき用いられる芯金としては、鉄、アルミニウム、ステンレス等からなる金属板又はこれらの合金板が挙げられる。これらの芯金は、めっきなどの表面処理が施されたものであってもかまわない。例えばJIS G3313で示されるSECC、JIS G4305で示されるSUS301、JIS G3141で示されるSPCCなどが挙げられる。ゴム成形品と芯金との接着性を向上させる観点から、芯金は、その表面に接着剤が塗布されたものであってもかまわない。接着剤としてはフェノール系接着剤、エポキシ系接着剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
芯金の形状は特に限定されないが通常リング状である。また、芯金の厚さ及びゴム成形品の厚さは特に限定されず、転がり軸受の大きさなどに応じて適宜設定することができる。
前記ゴム組成物の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、ロール成形などが挙げられる。中でも射出成形と圧縮成形が好適である。このとき、予め成形した後に加硫させてもよいし、成形と同時に加硫させてもよい。また、成形と同時に加硫させ、その後さらに二次加硫させてもよい。加硫温度は、通常100~300℃である。加硫時間は、通常5秒~50時間である。加硫させるための加熱方法としては、プレス加硫、ヒーター加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱などのゴムの加硫に用いられる一般的な方法が用いられる。
加硫(架橋)の方法は特に限定されず、硫黄加硫、過酸化物加硫、アミン加硫、トリアジン加硫、エポキシ基による架橋などが挙げられる。硫黄加硫する際の加硫剤としては、硫黄や硫黄含有化合物が用いられる。また、過酸化物加硫する際の加硫剤としては有機過酸化物が用いられる。このとき用いられる加硫剤の量はゴム(A)100質量部に対して通常0.1~10質量部である。加硫促進剤の量はゴム(A)100質量部に対して通常0.1~10質量部である。
こうして得られるシール部材は、耐ウレアグリース性が良好であるとともに、耐摩耗性及びゴム成形品と芯金との接着性が高い。このようなシール部材は、自動車等の車軸の転がり軸受用のシール部材として好適に用いられる。前記シール部材を200℃にて70時間熱処理された後の前記ゴム成形品の圧縮永久歪が40%未満であることが好ましい。このようなシール部材は軸受用のシール部材として特に好適である。同様の観点から、前記シール部材中の前記ゴム成形品の引張強さが10~18MPaであることも好適である。前記ゴム成形品の圧縮永久歪や引張強さは後述する実施例に記載された方法により測定される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1~6、比較例1~5
(加硫ゴムシートの作製)
表1に示す組成の混合物をオープンロールを用いて80℃で30分間混練し、厚み2mmの未加硫ゴムシートを作製した。そして、得られた未加硫ゴムシートを150~230℃で1~10分間プレス加硫(一次加硫)して、厚み2mmのシート状に成形した後、オーブンを用いて150~250℃で4~24時間二次加硫を行って、厚み2mmの加硫ゴムシートを得た。なお、フッ素ゴム(A)として用いたダイキン工業製「DAI-EL GBR-6002」及び「DAI-EL GBRX-6052」は、いずれもビニリデンフルオライド単位、上記式(1)で示される含フッ素単量体由来の単位、及びヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含む共重合体である。また、比較例6で用いたダイキン工業製「DAI-EL G-701」はヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含まない二元系フッ素ゴムである。
(引張試験)
JIS K6251に準拠して引張試験を行った。二次加硫後の厚み2mmの加硫ゴムシートを打ち抜いて得られたダンベル状3号形の試験片を用い、23±2℃において、引張速度500mm/分にて引張試験を行った。引張強さ(MPa)を表1に示す。
(耐ウレアグリース性)
二次加硫後の厚み2mmの加硫ゴムシートを打ち抜いて得られたダンベル状3号形の試験片を180℃のNOKクリューバー製ウレアグリース「ASONIC HQ72-102」に168時間浸漬した後、上記「引張試験」と同様にして引張試験を行った。浸漬前の試験片の破断時伸びA(%)と浸漬後の試験片の破断時伸びB(%)から下記式により伸び変化率を求めた。結果を表1に示す。
伸び変化率(%)={(B/A)-1}×100
(圧縮永久歪)
JIS K6262に準拠して圧縮永久歪の測定を行った。厚みを変更した以外は上記「加硫ゴムシートの作製」と同様にして未加硫ゴムシートの作製、一次加硫及び二次加硫を行うことにより、直径29mm、厚さ12.5mmの試験片を得た。得られた試験片を圧縮率25%で圧縮してから、200℃の恒温槽に70時間入れた後に恒温槽から取り出し、速やかに圧縮装置から取り外し、30分後に試験片の厚さを測定することにより圧縮永久歪を求めた。結果を表1に示す。
(耐摩耗性)
試験片として、縦30mm、横50mm、厚み2mmの長方形の二次加硫後の加硫ゴムシートを用いて摩耗試験を行った。室温(23±2℃)において、SUS304ステンレス鋼のディスクを下記条件で試験片に押付けて回転させた。回転終了後、試験片の被摺動部において摩耗により生じた凹部の深さを測定し、摩耗深さ(mm)とした。結果を表1に示す。
試験条件:
摺動部のラジアル荷重:1000gf
ディスク回転数:1000rpm
試験時間:20分
(芯金への接着性)
上記「加硫ゴムシートの作製」と同様にして、未加硫ゴムシートを得た。そして、JIS K6256 90度剥離試験に準じて評価を行った。評価方法は接着剤を塗布した剛板上に未加硫ゴムシートを載せて150~230℃で1~10分間、プレスして加硫成形し、接着したゴムシートを剛板の接着面に対して90度方向に引っ張ることにより剥離し、剥離前のゴムシートの面積に対する、剥離後に剛板上に残存するゴムシートの面積の割合を求めた。評価基準を以下に示すとともに、結果を表1に示す。
A:80%以上
B:50%以上80%未満
(金型からの離型性)
上記「加硫ゴムシートの作製」と同様にして、未加硫ゴムシートを得た。そして、金型の中に芯金(冷間圧延鋼板)を入れ、当該芯金の上に未加硫ゴムシートを載せて150~230℃にて1~10分プレスして加硫成形を行った。そして、加硫成形後、金型とシール部材(成形品)との離型性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
A:金型とシール部材とを容易に離型することができた。
B:シール部材が金型に貼り付くものの、離型は可能であった。
C:金型とシール部材とを離型することができなかった。
Figure 2023001654000001

Claims (3)

  1. ゴム成形品と芯金とを備える軸受用シール部材であって、
    前記ゴム成形品が、フッ素ゴム(A)100質量部、白色充填材(B)15~100質量部を含有するゴム組成物を加硫成形してなり、
    フッ素ゴム(A)がビニリデンフルオライド単位、下記式(1)
    CH=CFR (1)
    [式中、Rは炭素数1~12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。]
    で示される含フッ素単量体由来の単位、並びにヨウ素原子及び臭素原子の少なくとも一方を含む単量体単位を含む共重合体であり、
    白色充填材(B)のDBP吸油量が30~210ml/100gであり、
    白色充填材(B)がシリカ、ケイ酸塩及び珪藻土から選択される少なくとも一種である、シール部材。
  2. 前記ゴム組成物が、エステルワックス、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンからなる群から選択される少なくとも一種からなる加工助剤を含有する、請求項1に記載のシール部材。
  3. 200℃にて70時間熱処理された後の前記ゴム成形品の圧縮永久歪が40%未満である、請求項1又は2に記載のシール部材。

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