JP2023000087A - 投写方法、投写システム、および、コンピュータープログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】任意の画像を被投写面に投写して、タイリングを実現する。【解決手段】投写方法は、各パネル画像を一のパネル画像の一部と他のパネル画像の一部とが重なるように被投写面に投写する工程と、各パネル画像が投写された被投写面を撮像し、撮像画像を取得する工程と、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネルの座標系における各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、マッチする関係に基づいて各パネルの座標系と撮像画像の座標系との第1相対関係を算出する工程と、撮像画像の座標系において複数のパネル画像に亘るタイリング領域を決定し、表示画像の画像データの座標系における座標とタイリング領域の座標との第2相対関係を算出する工程と、投写装置ごとに第1相対関係及び第2相対関係に基づいて表示画像を変換して変換画像を生成し、各変換画像を各画像形成領域に表示する工程と、を備える。【選択図】図3
Description
本開示は、投写方法、投写システム、および、コンピュータープログラムに関する。
複数のプロジェクターから投写した画像をスクリーン上でつなげて表示する、いわゆるタイリングが知られている。このようなタイリングに関して、特許文献1には、一定間隔に輝点等を並べた画像や格子模様等の既知の画像を複数のプロジェクターからスクリーンに投写して、各プロジェクターから投写される画像のあおりや画像同士の位置関係を補正する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、タイリングを実現するために各画像のあおりや画像同士の位置関係を補正する際に、本来表示したい画像等の任意の画像ではなく、上述した格子模様等の特定の画像をスクリーンに表示することを要する。そのため、例えば、表示したい画像の投写を開始した後にあおりや位置関係の補正を行う場合、一旦は、格子模様等の特定の画像がスクリーンに表示される。
本開示の第1の形態によれば、投写方法が提供される。この投写方法は、複数の投写装置のパネルの画像形成領域に表示された各パネル画像を、被投写面において、一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に投写する工程と、撮像部によって、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像する工程と、前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得する工程と、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出する工程と、前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出する工程と、前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定する工程と、表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を算出する工程と、前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示する工程と、を備える。
本開示の第2の形態によれば、投写システムが提供される。この投写システムは、パネルを有し、前記パネルの画像形成領域に表示されたパネル画像を被投写面に投写する複数の投写装置と、前記被投写面を撮像する撮像部と、表示画像を記憶する記憶部と、制御部と、を備える。複数の各投写装置は、前記被投写面において一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に各前記パネル画像を投写し、前記撮像部は、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像し、前記制御部は、前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得し、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出し、前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出し、前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定し、前記表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を取得し、前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示する。
本開示の第3の形態によれば、コンピュータープログラムが提供される。このコンピュータープログラムは、複数の投写装置のパネルの画像形成領域に表示された各パネル画像を、被投写面において、一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に投写する機能と、撮像部によって、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像する機能と、前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得する機能と、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出する機能と、前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出する機能と、前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定する機能と、表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を算出する機能と、前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した前記変換画像を前記画像形成領域に表示する機能と、をコンピューターに実現させる。
A.第1実施形態:
図1は、本実施形態の投写システム10の概略構成を示す図である。投写システム10は、複数の投写装置100と、撮像部200と、制御装置300とを備えている。投写システム10は、複数の投写装置100から投写した画像を被投写面Sc上でつなげて表示することによって被投写面Sc上に表示画像を再現する、いわゆるタイリングを行うシステムとして構成されている。表示画像とは、タイリングによって被投写面Scに表示したい画像のことを指す。タイリングによって被投写面Scに表示される画像のことを、タイリング画像と呼ぶこともある。各投写装置100は、例えば、設置台等に載置されてもよいし、天井等に吊り下げられてもよい。被投写面Scは、例えば、プロジェクタースクリーンや壁である。
図1は、本実施形態の投写システム10の概略構成を示す図である。投写システム10は、複数の投写装置100と、撮像部200と、制御装置300とを備えている。投写システム10は、複数の投写装置100から投写した画像を被投写面Sc上でつなげて表示することによって被投写面Sc上に表示画像を再現する、いわゆるタイリングを行うシステムとして構成されている。表示画像とは、タイリングによって被投写面Scに表示したい画像のことを指す。タイリングによって被投写面Scに表示される画像のことを、タイリング画像と呼ぶこともある。各投写装置100は、例えば、設置台等に載置されてもよいし、天井等に吊り下げられてもよい。被投写面Scは、例えば、プロジェクタースクリーンや壁である。
本実施形態の投写システム10は、投写装置100として、第1投写装置100Aおよび第2投写装置100Bを備えている。本実施形態では、第1投写装置100Aの構成と、第2投写装置100Bの構成とは、それぞれ同様である。第1投写装置100Aと第2投写装置100Bとを区別しない場合、両者を単に投写装置100と呼ぶこともある。
図2は、本実施形態における投写装置100の内部構成を示す説明図である。投写装置100は、パネル25を有する投写光学系20と、投写制御部30と、外部インターフェイス40とを備えている。投写装置100は、パネル25に表示された画像に基づく画像を、被投写面Scに投写する。本実施形態における投写装置100は、液晶プロジェクターとして構成され、パネル25として液晶パネルを備えている。液晶パネルは、液晶ライトバルブとも呼ばれる。第1投写装置100Aに備えられたパネル25のことを第1パネルと呼び、第2投写装置100Bに備えられたパネル25のことを第2パネルと呼ぶこともある。投写装置100から被投写面Scに投写される画像のことを、「投写画像」と呼ぶこともある。
投写制御部30は、1または複数のプロセッサーと、メモリーと、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。投写制御部30は、投写装置100の各部とバス18を介して接続されている。投写制御部30は、例えば、図示しないリモートコントローラーを介して入力された操作信号や、投写装置100の本体に設けられた操作パネルを介した操作に応じて、バス18を介して各部に対し信号の入出力を行うことで、投写装置100の動作を制御する。
外部インターフェイス40は、例えば、コンピューターやビデオプレーヤー、ゲーム機器等の外部機器と接続される。本実施形態では、外部インターフェイス40は、信号線を介して制御装置300と接続されている。外部インターフェイス40は、制御装置300から、投写装置100を制御するための制御信号や、表示画像等の画像データDTを受信し、投写制御部30へと出力する。外部インターフェイス40は、例えば、他の投写装置100の外部インターフェイス40と接続されていてもよい。また、投写装置100同士や、投写装置100と制御装置300とが無線通信可能に構成されていてもよい。
投写光学系20は、上述したパネル25を有し、更に、光源22と、光源駆動部23と、パネル駆動部26と、投写部27とを有している。
光源22は、例えば、キセノンランプ等の放電発光型のランプによって構成される。光源駆動部23は、光源22を点灯するための駆動回路によって構成される。
パネル25は、例えば、光の三原色RGBに対応した3枚の透過型液晶パネルによって構成される。パネル駆動部26は、パネル25の各画素に、画像データに応じた駆動電圧を印加することにより、パネル25の各画素の光透過率を設定する。
投写部27は、パネル25を介して射出された画像光を被投写面Scに拡大して投写するレンズ群を有する。投写部27のレンズ群は、その光軸に沿った方向における位置を変更可能に構成されている。投写部27のレンズ群の位置が調整されることによって、投写画像の表示倍率やフォーカスが調整される。
投写光学系20において、光源駆動部23によって光源22から射出された光は、光分離光学系である図示しないダイクロイックミラーによって、RGBの色光に分離された後、各色用のパネル25を透過することによって変調される。変調された画像光は、図示しないダイクロイックプリズムにより画素毎に合成されてカラー画像化され、カラー画像化された画像光が、投写部27を経て射出される。これによって、パネル画像に基づく投写画像が被投写面Scに投写される。
本実施形態の撮像部200は、被投写面Scに正対して配置されたカメラによって構成されている。撮像部200は、例えば、投写装置100と同様に、設置台や天井等に配置される。撮像部200は、信号線を介して制御装置300と接続されている。本実施形態では、撮像部200の動作は、制御装置300によって制御される。撮像部200は、各投写装置100によって投写された投写画像が表示された被投写面Scを撮像し、撮像した画像を制御部310に送信する。撮像部200によって撮像された、投写画像が表示された被投写面Scのことを、撮像画像と呼ぶこともある。他の実施形態では、撮像部200と制御装置300とは、例えば、無線通信可能に構成されていてもよい。
制御装置300は、制御部310と、記憶部330とを備える。制御部310は、1つまたは複数のプロセッサーと、メモリーと、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。記憶部330には、投写システム10を制御するためのコンピュータープログラム335と、表示画像の画像データを含む種々の画像データDTとが格納されている。制御部310は、記憶部330に記憶されたコンピュータープログラム335をメモリーにロードして実行することにより、後述する、撮像画像を取得する機能や、後述する第1相対関係を取得する機能、タイリング領域を決定する機能、第2相対関係を取得する機能、変換画像を各投写装置100の各パネルに表示する機能等の種々の機能を制御装置300に実現させる。なお、コンピュータープログラム335は、コンピューターが読み取り可能なメモリーカードや光ディスク等の記録媒体に記録されていてもよい。また、画像データDTは、例えば、制御装置300において作成されたデータであってもよいし、他のコンピューターやスキャナー等の外部機器から取得されたデータであってもよい。
図3は、本実施形態における投写方法を表す投写処理のフローチャートである。この投写処理は、投写システム10によってタイリングを実現するために実行される処理である。本実施形態では、投写処理によって、第1投写装置100Aによる投写画像と、第2投写装置100Bによる投写画像とを、被投写面Scにおいて横方向につなげて表示することによって、タイリングを実現する。投写処理は、例えば、制御装置300の制御部310がユーザーから所定の操作を受け付けた場合に実行される。
ステップS105にて、制御部310は、後述するステップS110で各投写装置100のパネル25に表示するパネル画像を、投写装置100ごとに生成する。本実施形態では、制御部310は、ステップS105において、記憶部330に記憶されている表示画像の画像データに基づいて、パネル画像を生成する。
図4は、本実施形態における表示画像Diおよびパネル画像の一例を示す模式図である。図4の上部には、表示画像Diがコンピューターのディスプレイ等に表示された様子が示され、下部には、パネル画像としての第1パネル画像Pn1および第2パネル画像Pn2が同様にディスプレイ等に表示された様子が示されている。第1パネル画像Pn1は、後述するステップS110で第1投写装置100Aの第1パネルに表示される画像である。同様に、第2パネル画像Pn2は、第2投写装置100Bの第2パネルに表示される画像である。図4に示すように、本実施形態では、制御部310は、図3のステップS105において、第1パネル画像Pn1および第2パネル画像Pn2を、それぞれ、表示画像Diが分割された画像として生成する。より詳細には、制御部310は、表示画像Diを複製し、複製された表示画像Diの左半分のみを残すようにトリミングすることで第1パネル画像Pn1を生成し、記憶部330に記憶させる。同様に、制御部310は、表示画像Diの右半分のみを残すようにトリミングすることで、第2パネル画像Pn2を生成し、記憶部330に記憶させる。図3のステップS105が実行されることによって、画像データとして、表示画像Diに加え、第1パネル画像Pn1および第2パネル画像Pn2の画像データが、記憶部330に記憶される。なお、各パネル画像の画像データには、適宜、画像反転処理や、キーストーン補正処理、画質調整処理、画像サイズ調整処理、ガンマ補正処理等が施されてもよい。
ステップS110にて、制御部310は、各投写装置100の各パネル25の各画像形成領域に各パネル画像を表示し、被投写面Scにおいて一のパネル画像の一部と他のパネル画像の一部とが重なるように、被投写面Scに各投写画像を投写する。
パネル25の画像形成領域とは、パネル25のうち、パネル画像が表示される領域を指す。例えば、本実施形態では、パネル25の画素全体にパネル画像を表示するため、パネル25の画素全体が画像形成領域に相当する。一方で、パネル画像にキーストーン補正処理等が施され、パネル25の画素の一部分にのみパネル画像が表示される場合、その一部分が画像形成領域に相当する。従って、例えば、パネル25のうち、キーストーン補正処理に応じて黒色画像を表示するように制御される部分は、画像形成領域から除かれる。
本実施形態では、制御部310は、ステップS110において、第1投写装置100Aの第1パネルの画像形成領域に第1パネル画像Pn1を表示することによって、被投写面Scに第1パネル画像Pn1に基づく第1投写画像を投写する。同様に、制御部310は、第2投写装置100Bの第2パネルの画像形成領域に第2パネル画像Pn2を表示することによって、被投写面Scに第2パネル画像Pn2に基づく第2投写画像を投写する。ステップS115にて、制御部310は、撮像部200によって、第1投写画像および第2投写画像が投写された被投写面Scを撮像し、撮像部200から撮像画像を取得する。
図5は、撮像部200によって撮像される撮像画像Ciの一例を示す模式図である。図5に示した撮像画像Ciには、被投写面Scの一部と、被投写面Scに投写された第1投写画像Pj1および第2投写画像Pj2とが含まれている。図5では、第2投写画像Pj2は、破線によって示されている。図5に示すように、第1投写画像Pj1と第2投写画像Pj2とは、それぞれ、第1投写画像Pj1の右端部と、第2投写画像Pj2の左端部とが、互いに重なるように、被投写面Scに投写されている。撮像画像Ciの座標系における、第1投写画像Pj1と第2投写画像Pj2とが重なる領域のことを、重複領域Dpと呼ぶこともある。図5において、重複領域Dpには、右上がりのハッチングが付されている。撮像画像Ciの座標系のことを、撮像座標系と呼ぶこともある。
図3のステップS120にて、制御部310は、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル25の座標系における各パネル画像の特徴点と、撮像画像Ciの特徴点とを抽出する。ステップS125にて、制御部310は、特徴点間のマッチする関係に基づいて、投写装置100ごとに第1相対関係を算出する。第1相対関係とは、パネル25の座標系と、撮像座標系との間の相対関係を指す。本実施形態では、制御部310は、ステップS125において、ステップS120と同様のアルゴリズムに基づいて、ステップS120で抽出された各パネル画像の特徴点と、撮像画像Ciの特徴点とのマッチングを行い、そのマッチング結果に基づいて、投写装置100ごとに第1相対関係を取得する。以下では、パネル25の座標系のことをパネル座標系と呼ぶこともある。特に、第1パネルの座標系のことを第1パネル座標系と呼び、第2パネルの座標系のことを第2パネル座標系と呼ぶこともある。
ステップS120におけるパネル画像と撮像画像Ciとの特徴点の抽出、および、ステップS125における両者のマッチングは、例えば、AKAZEや、KAZE、SIFT、ORB、SURF等の各種アルゴリズムに基づいて実行される。本実施形態では、制御部310は、AKAZEによって特徴点の抽出およびマッチングを実行する。より詳細には、制御部310は、ステップS120において、AKAZEを用いて、第1パネル座標系における第1パネル画像Pn1の特徴点と、第2パネル座標系における第2パネル画像Pn2の特徴点と、撮像画像Ciの特徴点とを抽出する。特徴点は、キーポイントと呼ばれることもある。次に、制御部310は、ステップS125において、まず、抽出した各特徴点の特徴量を記述する。更に、制御部310は、特徴量同士の距離を比較し、特徴量同士の距離に基づいて、特徴点同士をマッチングする。例えば、制御部310は、特徴量同士の距離を総当たり方式によって算出し、ある特徴量について、算出した距離の中で最も近い距離と、その次に近い距離との差異が予め定められた値よりも大きい場合、その特徴量を有する特徴点と、その特徴量と最も距離が近い特徴量を有する特徴点とをマッチングする。特徴量同士の距離としては、例えば、ユークリッド距離や、ハミング距離が用いられる。ステップS120およびステップS125において、制御部310は、アルゴリズムに基づいて、各パネル座標系における各パネル画像の特徴量と撮像画像Ciの特徴量とのマッチングを行い、特徴量のマッチング結果に基づいて第1相対関係を算出すると言い換えることもできる。
本実施形態では、制御部310は、ステップS125において、第1相対関係として、投写装置100ごとに、第1射影変換行列、および、その逆行列である第1逆行列を算出する。第1射影変換行列は、投写装置100のパネル座標系におけるパネル画像の座標を、撮像座標系における、そのパネル画像に基づく投写画像の座標に変換するための行列を表す。第1逆行列は、第1射影変換行列とは逆に、撮像座標系における投写画像の座標を、パネル座標における、その投写画像を投写するためのパネル画像の座標に変換するための行列を表す。より詳細には、制御部310は、ステップS125において、第1投写装置100Aについて、上述した第1パネル画像Pn1の特徴点と撮像画像Ciの特徴点とのマッチング結果に基づいて、第1パネル座標系における第1パネル画像Pn1の座標を撮像座標系における第1投写画像Pj1に変換するための第1射影変換行列M1A、および、その逆行列である第1逆行列M1A
-1を算出する。同様に、制御部310は、第2投写装置100Bについて、第2パネル画像Pn2の特徴点と撮像画像Ciの特徴点とのマッチング結果に基づいて、第1射影変換行列M1B、および、その逆行列である第1逆行列M1B
-1を算出する。本実施形態において、ステップS125で算出される上記の各行列は、三次元の同次座標で表される二次元空間の座標を射影変換するための、3×3の行列である。
なお、図5で説明したように、撮像画像Ciには、被投写面Scに投写された第1投写画像Pj1と第2投写画像Pj2とが含まれる。そのため、第1パネル画像Pn1および第2パネル画像Pn2としては、ステップS125でマッチングを実行した際に、第1パネル座標系における第1パネル画像Pn1の特徴点と第1投写画像Pj1の特徴点とのマッチング、および、第2パネル座標系における第2パネル画像Pn2の特徴点と第2投写画像Pj2の特徴点とのマッチングの両方が適切に実現される程度に、互いに異なる画像が用いられる。
ステップS130にて、制御部310は、撮像座標系において、複数のパネル画像に亘るタイリング領域を決定する。
図6は、本実施形態におけるタイリング領域TLの一例を示す模式図である。図6では、タイリング領域TLが、一点鎖線によって示されている。図6に示すように、本実施形態では、制御部310は、ステップS130において、撮像座標系において、第1投写画像Pj1が表示されている領域と、第2投写画像Pj2が表示されている領域とに亘る、矩形状のタイリング領域TLを決定する。撮像座標系において第1投写画像Pj1が表示されている領域は、第1投写画像Pj1の四隅の座標a5~a8を頂点とする四角形状の領域として特定される。座標a5~a8は、例えば、図3に示した第1パネル画像Pn1の座標a1~a4を第1射影変換行列M1Aによって射影変換することによって算出される。同様に、第2投写画像Pj2が表示されている領域は、第2投写画像Pj2の四隅の座標b5~b8を頂点とする四角形状の領域として特定される。座標b5~b8は、例えば、図3に示した第2パネル画像Pn2の座標b1~b4を第1射影変換行列M1Bによって射影変換することによって算出される。
タイリング領域TLは、例えば、撮像座標系において、第1投写画像Pj1又は第2投写画像Pj2が表示されている領域内で区画できる最大の矩形領域として決定されてもよく、この場合、より大きなタイリング画像を被投写面Scに表示できる。また、タイリング領域TLは、例えば、表示画像Diと同じアスペクト比を有する矩形領域として決定されてもよい。
ステップS135にて、制御部310は、撮像座標系において、マスク領域Mkを決定する。マスク領域Mkとは、タイリング領域TL内において、パネル画像同士が重なる領域を指す。上述した図6では、マスク領域Mkに、網点模様が付されている。図6に示すように、本実施形態では、マスク領域Mkは、タイリング領域TLと重複領域Dpとが重なる領域であると言い換えることもできる。
図3のステップS140にて、制御部310は、表示画像Diの画像データの座標系における座標と、タイリング領域TLの座標との間の第2相対関係を取得する。表示画像Diの画像データの座標系のことを、データ座標系と呼ぶこともある。本実施形態では、制御部310は、ステップS140において、第2相対関係として、記憶部330に記憶されている表示画像Diのデータ座標系における座標を、撮像座標系におけるタイリング領域TLの座標に変換するための第2射影変換行列M2を算出する。より詳細には、制御部310は、第2射影変換行列M2として、図4に示した表示画像Diの四隅の座標D1~D4を、図6に示したタイリング領域TLの四隅の座標T1~T4にそれぞれ変換するための行列を算出する。第2射影変換行列M2は、上述した第1射影変換行列等と同様に、3×3の行列である。
図3のステップS145にて、制御部310は、投写装置100ごとに、変換画像を生成する。変換画像とは、第1相対関係および第2相対関係に基づいて表示画像を変換することによって生成される画像を指す。
図7は、変換画像の生成を説明する模式図である。撮像座標系において、タイリング領域TLに表示画像Diに相当する画像をタイリング画像Tiとして表示する場合、タイリング画像Tiと表示画像Diとの関係は、以下の式(1)によって表される。
Ti=M2・Di …(1)
更に、タイリング画像Tiを第1逆行列M1A -1で変換することによって、タイリング領域TLにタイリング画像Tiを表示させる場合に第1パネルに表示すべき第1変換画像Cn1を算出できる。つまり、上記式(1)の両辺に第1逆行列M1A -1を乗じ、左辺をCn1に置換することによって、以下の式(2)が得られる。
Cn1=M1A -1・M2・Di…(2)
同様に、上記式(1)の両辺に第1逆行列M1B -1を乗じ、左辺をCn2に置換を置換することによって、第2パネルに表示すべき第2変換画像Cn2について、以下の式(3)が得られる。
Cn2=M1A -1・M2・Di…(3)
Ti=M2・Di …(1)
更に、タイリング画像Tiを第1逆行列M1A -1で変換することによって、タイリング領域TLにタイリング画像Tiを表示させる場合に第1パネルに表示すべき第1変換画像Cn1を算出できる。つまり、上記式(1)の両辺に第1逆行列M1A -1を乗じ、左辺をCn1に置換することによって、以下の式(2)が得られる。
Cn1=M1A -1・M2・Di…(2)
同様に、上記式(1)の両辺に第1逆行列M1B -1を乗じ、左辺をCn2に置換を置換することによって、第2パネルに表示すべき第2変換画像Cn2について、以下の式(3)が得られる。
Cn2=M1A -1・M2・Di…(3)
上記式(2)および(3)の各射影変換行列を、それぞれ、以下の式(4)で定義した第3射影変換行列M3A、および、式(5)で定義した第3射影変換行列M3Bに置換して表すことができる。
M3A=M1A -1・M2…(4)
M3B=M1A -1・M2…(5)
第3射影変換行列M3Aは、表示画像Diを第1変換画像Cn1に変換する射影変換行列に相当し、第3射影変換行列M3Bは、表示画像Diを第2変換画像Cn2に変換する射影変換行列に相当する。従って、制御部310は、ステップS145において、第1相対関係および第2相対関係に基づく第3射影変換行列M3Aを用いて、表示画像Diを変換して第1変換画像Cn1を生成し、同様に第1相対関係および第2相対関係に基づく第3射影変換行列M3Bを用いて、表示画像Diを変換して第2変換画像Cn2を生成すると言い換えることもできる。
M3A=M1A -1・M2…(4)
M3B=M1A -1・M2…(5)
第3射影変換行列M3Aは、表示画像Diを第1変換画像Cn1に変換する射影変換行列に相当し、第3射影変換行列M3Bは、表示画像Diを第2変換画像Cn2に変換する射影変換行列に相当する。従って、制御部310は、ステップS145において、第1相対関係および第2相対関係に基づく第3射影変換行列M3Aを用いて、表示画像Diを変換して第1変換画像Cn1を生成し、同様に第1相対関係および第2相対関係に基づく第3射影変換行列M3Bを用いて、表示画像Diを変換して第2変換画像Cn2を生成すると言い換えることもできる。
ステップS150にて、制御部310は、生成した各変換画像の輝度を調整する。より詳細には、制御部310は、ステップS150において、各変換画像の画素のうち、ステップS135で決定されたマスク領域Mkに対応する画素の輝度を低減する処理を行う。本実施形態では、マスク領域Mkは、2つの投写装置100から投写された画像が表示される領域であるため、制御部310は、各変換画像のうち、マスク領域Mkに対応する画素の輝度を2分の1に低減する。
ステップS155にて、制御部310は、各パネルの画像形成領域に各変換画像を表示し、各投写装置100から被投写面Scへと、各変換画像を投写する。本実施形態では、制御部310は、ステップS155において、第1パネルの画像形成領域に第1変換画像Cn1を表示し、第2パネルの画像形成領域に第2変換画像Cn2を表示する。
ステップS155において、例えば、第1パネルの画像形成領域に第1変換画像Cn1を表示する場合、第1変換画像Cn1のうち、第1パネルの画像形成領域に表示される部分と、表示されない部分とが生じる。より詳細には、第1変換画像Cn1のうち、撮像座標系においてタイリング領域TLと第1投写画像Pj1とが重なる領域に対応する部分が、第1パネルの画像形成領域に表示される。同様に、第2パネルの画像形成領域には、第2変換画像Cn2のうち、撮像座標系においてタイリング領域TLと第2投写画像Pj2とが重なる領域に対応する部分が表示される。これによって、タイリング画像Tiのうち、図6に示したタイリング領域TLと第1投写画像Pj1とが重なる部分に対応する部分が、第1投写装置100Aから投写される画像として被投写面Scに表示され、タイリング領域TLと第2投写画像Pj2とが重なる部分に対応する部分が、第2投写装置100Bから投写される画像として被投写面Scに表示される。これによって、タイリングが実現され、被投写面Scに表示画像Diが再現される。なお、各パネル25の画像形成領域において各変換画像が表示されない部分は、キーストーン補正処理等の場合と同様に、黒色画像を表示する部分として制御される。
以上で説明した本実施形態における投写方法によれば、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル座標系における各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて投写装置100ごとにパネル座標系と撮像座標系との間の第1相対関係を取得し、表示画像のデータ座標系における座標と撮像座標系において複数の投写画像に亘るタイリング領域TLの座標との間の第2相対関係を取得し、投写装置100ごとに第1相対関係および第2相対関係に基づいて表示画像を変換した変換画像を生成し、生成した変換画像を各投写装置100のパネル25に表示する。このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像Ciの特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面Scに投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面Scに投写することなく、任意の画像のみを被投写面Scに投写して、タイリングを実現できる。
また、本実施形態では、パネル画像は、表示画像が分割された画像である。これによって、表示画像が分割された画像をパネル画像として被投写面Scに表示した状態で、第1相対関係および第2相対関係の取得と変換画像の生成とを実行して、タイリングを実現できる。そのため、例えば、表示画像と関連しないパネル画像を被投写面Scに投写する場合と比較して、タイリングが実現される前後に被投写面Scに投写される画像間の差異を小さくできる。
また、本実施形態では、各変換画像の、タイリング領域TLにおいてパネル画像同士が重なる領域に対応する画素の輝度を低減する。これによって、被投写面Scにおいて、投写された複数の変換画像同士が重なる部分の輝度が意図せず高まることを、簡易な方法によって抑制できる。そのため、簡易な方法によって、タイリング画像Tiを構成する画像同士のつなぎ目を滑らかにできる。
B.他の実施形態:
(B-1)上記実施形態において、制御部310は、各パネル座標系における各パネル画像の特徴点と撮像画像Ciの特徴点とを抽出する際、互いにマッチする関係にある特徴点のみを抽出してもよい。例えば、制御部310は、各パネル画像の特徴点の抽出と、抽出した特徴点の特徴量の記述とを実行した後に、撮像画像Ciの特徴点として、各パネルの画像の特徴点とマッチする特徴点のみを抽出してもよい。同様に、制御部310は、撮像画像Ciの特徴点とマッチするパネル画像の特徴点のみを抽出してもよい。つまり、図3の投写処理において、ステップS120とステップS125とが並行して実行されてもよい。
(B-1)上記実施形態において、制御部310は、各パネル座標系における各パネル画像の特徴点と撮像画像Ciの特徴点とを抽出する際、互いにマッチする関係にある特徴点のみを抽出してもよい。例えば、制御部310は、各パネル画像の特徴点の抽出と、抽出した特徴点の特徴量の記述とを実行した後に、撮像画像Ciの特徴点として、各パネルの画像の特徴点とマッチする特徴点のみを抽出してもよい。同様に、制御部310は、撮像画像Ciの特徴点とマッチするパネル画像の特徴点のみを抽出してもよい。つまり、図3の投写処理において、ステップS120とステップS125とが並行して実行されてもよい。
(B-2)上記実施形態では、パネル画像は、表示画像が分割された画像である。これに対して、パネル画像は、表示画像が分割された画像でなくてもよく、例えば、表示画像と関連しない画像であってもよい。同様に、パネル画像同士が互いに関連しない画像であってもよい。また、各パネル画像は、制御部310によって生成されなくてもよく、例えば、外部機器等から取得された画像であってもよい。
(B-3)上記実施形態において、投写システム10は、例えば、一連の表示画像を連続的に被投写面Scに投写してもよく、すなわち、タイリングによって、表示画像として静止画ではなく動画を被投写面Scに再現してもよい。また、パネル画像は、表示画像としての動画を構成する静止画に基づく画像であってもよい。この場合、制御部310は、図3のステップS105~ステップS150を実行している間、つまり、ステップS155で被投写面Scにおける表示画像の再現が開始されるまでの間、第1投写装置100Aから表示画像としての動画の左半分を投写し、第2投写装置100Bからその動画の右半分を投写することもできる。
(B-4)上記実施形態では、制御部310は、各変換画像のマスク領域Mkに対応する画素の輝度を低減している。これに対して、制御部310は、各変換画像のマスク領域Mkに対応する画素の輝度を低減しなくてもよく、例えば、被投写面Scにおいて、複数の投写装置100から投写される変換画像同士が互いに重ならないように、変換画像の画素を間引いてもよい。この場合であっても、タイリング画像Tiを構成する画像同士のつなぎ目を滑らかにできる。
(B-5)上記実施形態において、制御部310は、図3のステップS155を実行してタイリングを実現した後、投写装置100の姿勢の変化を検出した場合に、各投写装置100の投写画像の大きさや位置、形状等を自動で調整するように構成されていてもよい。
例えば、図8は、制御部310によって実行される調整処理のフローチャートである。制御部310は、図8の調整処理を、タイリングを実現した後、投写装置100の姿勢の変化を検出した場合に実行する。ステップS205にて、制御部310は、撮像部200によって、第1変換画像Cn1が投写された被投写面Scを再び撮像する。ステップS210にて、制御部310は、各変換画像をパネル画像として、かつ、ステップS205で撮像部200によって再び撮像された画像を撮像画像として、各第1相対関係および第2相対関係を再び算出する。より詳細には、制御部310は、ステップS210において、図3のステップS120からステップS150と同様の工程を実行する。ステップS215にて、制御部310は、投写装置100ごとに、ステップS210で再び算出された第1相対関係および第2相対関係に基づいて、表示画像を変換して再変換画像を生成し、生成した各再変換画像を各パネル25の画像形成領域に表示する。これによって、投写装置100の姿勢が変化し、被投写面Scにおいて、タイリング画像を構成する画像の位置がずれた場合であっても、表示画像に基づく画像を被投写面Scに投写したまま、再度、タイリングを達成できる。この場合、例えば、各投写装置100にジャイロセンサーや、変位センサー、加速度センサー等が設けられることによって、制御部310は、ある投写装置100に設けられたセンサーの検出値が予め定められた値を上回った場合に、その投写装置100の姿勢が変化したことを検出できる。
制御部310は、上述した投写装置100の姿勢の変化を、被投写面Scの輝度の変化に基づいて検出してもよい。タイリングが達成された後に、ある投写装置100の姿勢が変化した場合、被投写面Scにおいて、姿勢が変化した投写装置100によって投写される画像と、他の投写装置100によって投写される画像との重なり方が変化し、被投写面Scにおける輝度が変化する。この場合、例えば、撮像部200によって被投写面Scを継続的に撮像し、制御部310が撮像された画像を解析することによって、輝度の変化を検出できる。そして、制御部310は、例えば、輝度の変化量が予め定められた量を超える場合に、投写装置100の姿勢が変化したこと検出できる。また、例えば、タイリング画像として動画が被投写面Scに投写されている場合、制御部310は、タイリング画像の一部分の輝度の変化が、その部分の周囲の輝度の変化の平均値よりも大きい場合に、投写装置100の姿勢が変化したと検出してもよい。
(B-6)上記実施形態では、撮像部200は、被投写面Scに正対して配置されている。これに対して、撮像部200は、被投写面Scに正対して配置されなくてもよく、例えば、被投写面Scに対して斜めに配置されてもよい。この場合、図3に示した投写処理を実行した際、タイリング画像が被投写面Scの面に沿って表示されないものの、撮像部200が配置された位置付近から被投写面Scを見ることによって、被投写面Scに再現された表示画像を視認できる。また、例えば、撮像部200が被投写面Scとの間の距離を測定可能に構成されている場合、第1相対関係および第2相対関係を、撮像部200が被投写面Scに対して正対して配置されなくても、タイリング画像を被投写面Scの面に沿って表示できる。より詳細には、この場合、撮像部200によって測定される距離に基づいて、撮像座標系を三次元の座標として表せるため、第1相対関係として、パネル座標を三次元の撮像座標系に変換するための第1射影変換行列、および、その逆行列を算出できる。また、第2相対関係として、データ座標系における画像データを、三次元の撮像座標系におけるタイリング領域に変換するための第2射影変換行列を算出できる。この場合、投写処理において算出される各射影変換行列は、四次元の同次座標で表される三次元空間の座標を射影変換するための4×4の行列となる。なお、撮像部200と被投写面Scとの間の距離は、例えば、撮像部200のフォーカス位置に基づいて測定される。
(B-7)上記実施形態では、例えば、ステップS155の後、撮像部200を、撮像画像を撮像した位置から移動させてもよい。これによって、タイリングが実現された後、撮像部200が撮像画像を撮像した位置から、タイリング画像が表示された被投写面Scを見ることができる。撮像部200の移動は、例えば、制御部310によって制御されてもよい。
(B-8)上記実施形態では、投写装置100は、パネル25として液晶パネルを備える液晶プロジェクターである。これに対して、投写装置100は、液晶パネルを備えるプロジェクターでなくてもよく、例えば、パネル25として、DMD(Digital Micromirror Device)を備えるプロジェクターであってもよい。
(B-9)上記実施形態では、投写システム10は、2台の投写装置100を備えている。これに対して、投写システム10は、3台以上の投写装置100を備えていてもよい。なお、投写装置100が3台以上設けられている形態で、上記実施形態と同様に、パネル画像として表示画像が分割された画像を用いる場合、各調整画像は、表示画像が投写装置100の台数に応じた個数に分割された画像として生成される。
(B-10)上記実施形態では、投写システム10は、被投写面Scにおいて、横方向に投写画像を並べることによって、タイリングを実現している。これに対して、投写システム10は、例えば、被投写面Scにおいて、横方向と直交する縦方向に投写画像を並べることによって、タイリングを実現してもよい。また、例えば、投写システム10が4台の投写装置100を備える場合、タイリングにおいて、投写画像を横方向及び縦方向に並べてもよい。
(B-11)上記実施形態では、例えば、複数の投写装置100のうち一の投写装置100の投写制御部30が、上述した制御装置300の制御部310と同様の機能を発揮してもよい。この場合、コンピュータープログラム335は、例えば、その投写装置100の記憶装置等に格納されてもよい。
C.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の第1の形態によれば、投写方法が提供される。この投写方法は、複数の投写装置のパネルの画像形成領域に表示された各パネル画像を、被投写面において、一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に投写する工程と、撮像部によって、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像する工程と、前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得する工程と、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出する工程と、前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出する工程と、前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定する工程と、表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を算出する工程と、前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示する工程と、を備える。
このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面に投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面に投写することなく、任意の画像のみを被投写面に投写して、タイリングを実現できる。
このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面に投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面に投写することなく、任意の画像のみを被投写面に投写して、タイリングを実現できる。
(2)上記形態では、前記パネル画像は、前記表示画像が分割された画像であってもよい。このような形態によれば、表示画像が分割された画像をパネル画像として被投写面に表示した状態で、第1相対関係および第2相対関係の取得と変換画像の生成とを実行してタイリングを実現できる。そのため、例えば、表示画像と関連しないパネル画像を被投写面に投写する場合と比較して、タイリングが実現される前後に被投写面に投写される画像間の差異を小さくできる。
(3)上記形態では、前記変換画像の、前記タイリング領域において前記パネル画像同士が重なる領域に対応する画素の輝度を低減する工程を備えていてもよい。このような形態によれば、被投写面において、投写された複数の変換画像同士が重なる部分の輝度が意図せず高まることを、簡易な方法によって抑制できる。そのため、簡易な方法によって、被投写面にタイリングされた画像を構成する画像同士のつなぎ目を滑らかにできる。
(4)上記形態では、各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示した後、前記投写装置の姿勢の変化を検出した場合に、前記撮像部によって、各前記変換画像が投写された前記被投写面を再び撮像する工程と、各前記変換画像を各前記パネル画像として、かつ、前記撮像部によって再び撮像された画像を前記撮像画像として、各前記第1相対関係および前記第2相対関係を再び算出する工程と、前記投写装置ごとに、再び算出された前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて、前記表示画像を変換して再変換画像を生成し、生成した各前記再変換画像を各前記画像形成領域に表示する工程と、を備えていてもよい。このような形態によれば、投写装置の姿勢が変化し、被投写面において、タイリングされた画像を構成する画像の位置がずれた場合であっても、表示画像に基づく画像を被投写面に投写したまま、再度、タイリングを達成できる。
(5)上記形態では、前記姿勢の変化を、前記被投写面の輝度の変化に基づいて検出してもよい。このような形態によれば、投写装置の姿勢の変化を、被投写面の輝度の変化に基づいて検出できる。
(6)本開示の第2の形態によれば、投写システムが提供される。この投写システムは、パネルを有し、前記パネルの画像形成領域に表示されたパネル画像を被投写面に投写する複数の投写装置と、前記被投写面を撮像する撮像部と、表示画像を記憶する記憶部と、制御部と、を備える。複数の各投写装置は、前記被投写面において一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に各前記パネル画像を投写し、前記撮像部は、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像し、前記制御部は、前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得し、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出し、前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出し、前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定し、前記表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を取得し、前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示する。
このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面に投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面に投写することなく、任意の画像のみを被投写面に投写して、タイリングを実現できる。
このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面に投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面に投写することなく、任意の画像のみを被投写面に投写して、タイリングを実現できる。
(7)本開示の第3の形態によれば、コンピュータープログラムが提供される。このコンピュータープログラムは、複数の投写装置のパネルの画像形成領域に表示された各パネル画像を、被投写面において、一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に投写する機能と、撮像部によって、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像する機能と、前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得する機能と、予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出する機能と、前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出する機能と、前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定する機能と、表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を算出する機能と、前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した前記変換画像を前記画像形成領域に表示する機能と、をコンピューターに実現させる。
このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面に投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面に投写することなく、任意の画像のみを被投写面に投写して、タイリングを実現できる。
このような形態によれば、アルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各パネル画像の特徴点と撮像画像の特徴点とを抽出し、特徴点間のマッチする関係に基づいて各変換画像を生成するため、各パネル画像として任意の画像を被投写面に投写できる。そのため、格子模様等の特定の画像を被投写面に投写することなく、任意の画像のみを被投写面に投写して、タイリングを実現できる。
10…投写システム、18…バス、20…投写光学系、22…光源、23…光源駆動部、25…パネル、26…パネル駆動部、27…投写部、30…投写制御部、40…外部インターフェイス、100…投写装置、100A…第1投写装置、100B…第2投写装置、200…撮像部、300…制御装置、310…制御部、330…記憶部、335…コンピュータープログラム
Claims (7)
- 複数の投写装置のパネルの画像形成領域に表示された各パネル画像を、被投写面において、一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に投写する工程と、
撮像部によって、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像する工程と、
前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得する工程と、
予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出する工程と、
前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出する工程と、
前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定する工程と、
表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を算出する工程と、
前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示する工程と、を備える、投写方法。 - 請求項1に記載の投写方法であって、
前記パネル画像は、前記表示画像が分割された画像である、投写方法。 - 請求項1又は2に記載の投写方法であって、
各前記変換画像の、前記タイリング領域において前記パネル画像同士が重なる領域に対応する画素の輝度を低減する工程を備える、投写方法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の投写方法であって、
各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示した後、前記投写装置の姿勢の変化を検出した場合に、前記撮像部によって、各前記変換画像が投写された前記被投写面を再び撮像する工程と、
各前記変換画像を各前記パネル画像として、かつ、前記撮像部によって再び撮像された画像を前記撮像画像として、各前記第1相対関係および前記第2相対関係を再び算出する工程と、
前記投写装置ごとに、再び算出された前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて、前記表示画像を変換して再変換画像を生成し、生成した各前記再変換画像を各前記画像形成領域に表示する工程と、を備える、投写方法。 - 請求項4に記載の投写方法であって、
前記姿勢の変化を、前記被投写面の輝度の変化に基づいて検出する、投写方法。 - パネルを有し、前記パネルの画像形成領域に表示されたパネル画像を被投写面に投写する複数の投写装置と、
前記被投写面を撮像する撮像部と、
表示画像を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
複数の各投写装置は、前記被投写面において一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に各前記パネル画像を投写し、
前記撮像部は、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像し、
前記制御部は、
前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得し、
予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出し、
前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出し、
前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定し、
前記表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を取得し、
前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した各前記変換画像を各前記画像形成領域に表示する、
投写システム。 - 複数の投写装置のパネルの画像形成領域に表示された各パネル画像を、被投写面において、一の前記パネル画像の一部と他の前記パネル画像の一部とが重なるように、前記被投写面に投写する機能と、
撮像部によって、各前記パネル画像が投写された前記被投写面を撮像する機能と、
前記撮像部によって撮像された撮像画像を取得する機能と、
予め定められたアルゴリズムに基づいて、互いにマッチする関係にある各前記パネルの座標系における各前記パネル画像の特徴点と、前記撮像画像の特徴点と、を抽出する機能と、
前記マッチする関係に基づいて、各前記パネルの座標系と前記撮像画像の座標系との間の第1相対関係を算出する機能と、
前記撮像画像の座標系において、複数の前記パネル画像に亘るタイリング領域を決定する機能と、
表示画像の画像データの座標系における座標と、前記タイリング領域の座標との間の第2相対関係を算出する機能と、
前記投写装置ごとに、前記第1相対関係および前記第2相対関係に基づいて前記表示画像を変換して変換画像を生成し、生成した前記変換画像を前記画像形成領域に表示する機能と、をコンピューターに実現させるコンピュータープログラム。
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JP2021100705A Pending JP2023000087A (ja) | 2021-06-17 | 2021-06-17 | 投写方法、投写システム、および、コンピュータープログラム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2023000087A (ja) |
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2021
- 2021-06-17 JP JP2021100705A patent/JP2023000087A/ja active Pending
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