本発明の第1の態様によれば、地殻変動の結果として生じる、地球表面に対するロケーションの絶対位置の経時的な変化を補償するのに使用するための変位地図データを生成する方法であって、
地球表面の少なくとも一部をカバーする地理的エリア内の複数の基準ロケーションのセットを選択することであって、地球表面に対する前記基準ロケーションの絶対位置は、地殻変動の結果として経時的に変化する、選択することと、
異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す位置データを取得することと、
前記異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す前記位置データを使用して変位地図データを生成することであって、前記変位地図データは、各基準ロケーションについて、前記基準ロケーションの絶対位置の経時的な前記変化を示すデータを含む、生成することと、
を含む方法が提供される。
この態様での本発明は、地殻変動の結果として生じる地球表面に対するロケーションの絶対位置に生じる変化を補償するために使用するための変位地図データを生成する方法を対象とする。ロケーションの絶対位置は、ロケーションの現実世界位置を指す。本明細書で言及されるロケーションの絶対位置は、固定基準フレームに対するロケーションの位置である。固定基準フレームは、地球表面に対して固定された所与の座標系によって定義されてもよい。例えば、座標系は、経度及び緯度の座標を含むことができる。任意選択で、高度も考慮することができる。固定基準フレームは、基準フレームに対するロケーションの位置の変化が地球表面に対するロケーションの位置の変化に対応するように、固定される、すなわち、地球表面に対して定義される。したがって、地殻変動に起因するロケーションの位置の変化、例えば、ロケーションが関連付けられる地殻構造プレートの移動によって生じる位置の変化は、基準フレームに対するロケーションの位置の変化をもたらす。基準フレームは地殻変動の結果として変化しない。
実施形態では、地球表面の少なくとも一部にわたって延在する地理的エリア内の複数の基準ロケーションのセットが選択される。各基準ロケーションは、絶対位置を有する位置である。上述したように、絶対位置は、基準フレームを定義する絶対座標系における位置である。基準座標系は、地球表面に対する固定された基準座標系である。絶対位置とは、現実世界位置をいう。絶対位置は例えば、GPS位置であってもよいし、任意の適切な標準絶対位置基準フレームを用いて定義された位置であってもよい。
基準ロケーションの絶対位置は、時間に対して変化する。このような変化は地殻変動の結果である。上述したように、地殻変動は、地理空間的特徴の絶対位置を経時的に変化させることができる。地殻変動は少なくとも部分的に、地殻構造プレートの移動によって引き起こされ得る。地殻変動に起因する絶対位置におけるそのような移動は、連続的な移動、例えば、漸進的なシフトを含むことができ、および/または、例えば、地震に起因する突然の移動を含むことができる。ロケーションの絶対位置の移動速度は、地球表面に対して、および/または時間に対して、異なるロケーションで変化してもよい。
変位地図データは、地殻変動の結果として生じるロケーションの位置の経時的な変化を補償するために使用されるものであり、基準ロケーションの絶対位置は、地殻変動の結果として経時的に変化する。
本発明によれば、各基準ロケーションの絶対位置を示すデータは、異なる時間に決定され、変位地図データは、前記データを使用して取得され、前記変位地図データは、経時的な各基準ロケーションの絶対位置の変化を示す。異なる時間の間の基準ロケーションの位置の変化は、前記基準ロケーションの変位と呼ぶことができる。所与の時間における基準ロケーションの位置は、座標のセットによって定義することができる。基準ロケーションの位置の経時的な変化は、前記基準ロケーションの座標の経時的な変化であってもよい。
地球表面に対するロケーションの絶対位置の変化は、地球表面に対する固定基準フレームに対して定義され、現実世界における位置の変化であるが、異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す位置データ(したがって、前記基準ロケーションの絶対位置の変化を示すデータ)は、地球表面に対するロケーションの絶対位置、すなわち、異なる時間における現実世界での絶対位置を示すものであれば、任意の所望の基準フレームに対して決定することができる。例えば、前記基準ロケーションは、基準フレームに対して、すなわちデジタル地図の座標系に対して、またはGPSシステムなどの現実世界基準システムを参照することによって、または車両基準システムなどを参照することによって、定義することができる。しかしながら、他の実施形態では、前記位置データは、固定基準フレーム自体を参照することによって定義される。絶対位置の変化を示すデータは、前記基準ロケーションの絶対位置を示す前記取得された位置データと同じまたは異なる基準フレームに関するものであってもよいことが想定される。
基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータは、前記変位地図データにおいて、基準時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示すデータと関連付けられてもよい。前記基準ロケーションの絶対位置を示す前記データは、前記基準ロケーションの絶対位置を直接的または間接的に示すことができ、例えば、絶対位置データを取得することを可能にする前記基準ロケーションの識別子を使用することができ、前記データは、任意の所望の基準フレームに関して表現することができる。例えば、前記データは、デジタル地図に関するものであってもよい。前記基準ロケーションの絶対位置は、基準時間における前記ロケーションの絶対位置である。前記基準時間を示すデータは、好ましくは、位置データの変化、すなわち前記基準ロケーションの変位データにも関連付けられる。後述するように、複数の異なる時間に対する基準ロケーションの変位を示すデータを取得することができる。そのような実施形態では、複数の異なる時間のそれぞれにおける前記基準ロケーションの変位を示すデータを取得することができ、各変位値、例えばベクトルは、それが関連する時間を示すデータ、および任意選択で、その時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示すデータに関連付けられる。前記変位データが関連する前記時間は、基準時間、例えば、前記変位データが適用される時間、例えば、前記データの生成時間、または初期時間であってもよい。前記変位データを使用して所与の時間における前記ロケーションの位置を決定することを可能にする任意の構成を使用することができる。
前記方法は、異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す前記位置データを使用して、各基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータを取得することを含む。前記変位地図は、各基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータを含む。各基準ロケーションの絶対位置の変化を示す前記データを、「変位」データと呼ぶことがある。
異なる時間の間の基準ロケーションの絶対位置の変化は一次元的であってもよいが、実施形態において、差は多次元的、例えば、二次元的または三次元的である。実施形態では、各基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータは、1つ以上のベクトルのセットを含む。各ベクトルは例えば、2次元ベクトルまたは3次元ベクトルであってもよい。
異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す位置データが取得される。そのようなデータは、第1の時間、および1つ以上の後続の時間に関して取得されてもよい。したがって、単一の実施形態では、そのようなデータは、(ただ)第1の時間および第2の後続の時間に関して取得されてもよい。しかしながら、追加の後続時間に関するそのようなデータを取得することは、時間に対する前記基準ロケーションの位置の変化が決定されることを可能にすることができ、任意の2つの関心時間の間の前記基準ロケーションの絶対位置の差の決定がより容易に取得されることを容易にすることができる。
いくつかの実施形態では、前記基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示す前記データは、1つ以上の変位ベクトルのセットを含み、各変位ベクトルは、異なる時間の間の前記基準ロケーションの絶対位置の変化を示す。異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す前記位置データを使用して前記変位地図を生成するステップは、各基準ロケーションに関して1つ以上の変位ベクトルのセットを取得することを含むことができ、各変位ベクトルは、異なる時間の間の前記基準ロケーションの絶対位置の変化を示す。前記異なる時間は、前記基準ロケーションの絶対位置を示す位置データが取得された前記異なる時間のうちの1つの任意のペア、例えば、その連続した時間、または第1の時間および前記又は各後続する時間であってもよい。様々な例示的な実施形態が以下に記載される。いくつかの実施形態では、複数の変位ベクトルが各基準ロケーションに関して取得されてもよく、各ベクトルは、異なる時間ペア、例えば、連続する時間、または第1の時間および前記又は各後続する時間に関するものである。そして、各変位ベクトルは、それが関連する時間、例えば、前記ベクトルを決定する際に使用される前記時間ペアのうちのより遅い1つに関連付けられてもよい。
実施形態では、前記変位地図データは、各基準ロケーションについて、第1の時間ペアの間の前記基準ロケーションの変位を示すデータを含み、前記方法は、各基準ロケーションについて、
前記第1の時間ペアの各時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示す位置データを取得することと、
前記第1の時間ペアの各時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示す前記取得された位置データを使用して、前記第1の時間ペアにおける前記時間の間の前記基準ロケーションの変位を決定することであって、前記変位は、前記時間ペアの前記時間の間の前記基準ロケーションの絶対位置の差を示す、決定することと、
前記基準ロケーションの前記変位を示す変位データと、前記基準ロケーションを示すデータとを関連付けることと、
を含む。
好ましくは、前記変位データは、上述したような変位ベクトルを含む。
前記第1の時間ペアは、所望に応じて選択することができる。前記第1の時間ペアは、第1の時間と呼ぶことができるより早い時間と、第2の時間と呼ぶことができるより遅い(より後の)時間とを含む。前記第1の時間は、変位データが生成されることが望ましい任意の関心時間とすることができる。前記第1の時間は、任意の基準時間とすることができる。前記第1の時間は、デジタル地図に関連付けられた基準時間であってもよい。このような時間は、前記地図のエポックと呼ばれる。前記地図は、前記地図の前記エポックに対応する特定の時点における状況を表す。これは、前記デジタル地図の生成時であってもよい。これは、地殻変動により生じたと予想できるロケーションの絶対位置の変化を考慮するために前記地図データが後の時間に使用されるときに、前記デジタル地図によるロケーションの位置がシフトされるべき方法を決定するために、前記変位地図データが使用されることを可能にすることができる。次に、前記第2の時間は、前記地図データが使用されるべき時間、例えば、前記データを使用してローカライゼーションが実行される時間(すなわち、ローカライゼーションエポック)であってもよい。これは、現在の時間であってもよい。あるいは、前記第1の時間は、地図コンパイル処理で使用されるセンサデータの取得時間(すなわち、取得エポック)であってもよい。前記第2の時間は、地図コンパイルが実行される時間(すなわち、地図(生成)エポック)であってもよい。これにより、地殻変動により生じたと予想できる前記ロケーションの絶対位置の変化を考慮するために前記センサデータを使用して前記デジタル地図をコンパイルする際に、前記センサデータに従ってロケーションの位置をシフトさせる方法を決定するために、前記変位地図データが使用されることを可能にする。さらに他の実施形態では、前記第1の時間は、デジタル地図生成時間(例えば、地図エポック)であってもよく、前記第2の時間は、前記デジタル地図を更新する際に使用されるセンサデータの取得と関連付けられた時間(例えば、取得エポック)であってもよい。これにより、地図コンパイラは、前記取得されたセンサデータを組み込んで前記デジタル地図の一部のみを更新するために、前記地図全体を更新する必要なしに、前記より後の取得時間から前記より早い地図生成時間までの変位を決定することが可能となる。前記第2の時間は、現在の時間であってもよく、または、例えば、より早い時間/エポックへのシフトが所望される場合、任意の所望の基準時間であってもよい。
前記方法は、前記変位データと、前記第1の時間ペアのうちのより遅い(後の)時間、すなわち前記第2の時間を示すデータと関連付けることを含むことができる。この時間は、前記変位データが適用される時間を定義する。事実上、前記基準ロケーションの前記変位データは、前記第1の時間以降の前記基準ロケーションの絶対位置の前記変位を示す、前記第2の時間の変位地図を提供する。
前記変位データは、前記基準ロケーションを示すデータと関連付けられる。前記基準ロケーションを示す前記データは、基準時間、例えば前記時間ペアのうちの前記第2の時間における前記基準ロケーションの前記位置を示すことができる。したがって、前記変位データは、それが関連する時間を示すデータ、およびその時間における前記基準ロケーションの位置を示すデータに関連付けることができる。これは、前記関連する変位データが後に必要とされるときに、そのようなデータが容易に識別(特定)されることを可能にし得る。しかしながら、前記基準ロケーションを示す前記データは、異なる時間、例えば、他の文脈では前記第1の時間に、前記基準ロケーションの位置を示すデータに関連付けられてもよいことが想定される。前記基準ロケーションの位置を示す前記データは、任意の所望の基準フレーム内にあってもよく、絶対位置であってもなくてもよく、例えば、デジタル地図に対する位置であってもよい。
好ましい実施形態において、前記方法は、少なくとも1つのさらなる時間ペアに対して繰り返される。前記変位地図データは、各基準ロケーションについて、少なくとも1つのさらなる時間ペアの間の前記基準ロケーションの変位を示すデータを含むことができ、前記方法は、各基準ロケーションについて、および、各さらなる時間ペアについて、
前記時間ペアの各時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示す位置データを取得することと、
前記時間ペアの各時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示す前記取得された位置データを使用して、前記時間ペアの前記時間の間の前記基準ロケーションの変位を決定することであって、前記変位は、前記時間ペアの前記時間の間の前記基準ロケーションの絶対位置の差を示す、決定することと、
前記基準ロケーションの前記変位を示す変位データと、前記基準ロケーションを示すデータとを関連付けることと、
を含む。前記変位データは変位ベクトルを含んでもよい。
これらの実施形態では、各さらなる時間ペアは、より早い時間およびより遅い時間を含む。いくつかの実施形態では、各ペアの前記より早い時間は前記第1の時間に対応する。このようにして、前記第1の時間と1つ以上の後続の時間のうちのそれぞれ1つとの間の各基準ロケーションの変位を示す変位データのさらなるセットを提供することができる。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はない。例えば、変位データは、後続の時間と、前記時間ペアの前記より遅い時間との間に取得されてもよい。
前記方法は、前記変位データと、前記変位データが適用される時間を示すデータとを関連付けるステップを含むことができる。前記時間は、前記時間ペアのうちの前記より遅い(後の)時間であってもよい。このようにして、変位データは、複数の異なる時間に関して提供され、前記第1の時間以降の各基準ロケーションの変位を示す。変位データを取得することが望ましい場合、その時間に関連するデータを取り出すことができる。これらの実施形態は、前記変位地図データを定期的に更新することによって達成することができる。
前記変位データは、基準ロケーションを示すデータと関連付けられる。前記基準ロケーションを示す前記データは、基準時間、例えば前記時間ペアのうちの前記第2の時間における前記基準ロケーションの位置を示すことができる。この位置は、任意の所望の基準システムに対するものとすることができる。したがって、前記変位データは、それが関連する時間を示すデータ、および、その時間における前記基準ロケーションの位置を示すデータに関連付けることができる。これは、前記関連する変位データが後に必要とされるときに、そのようなデータが容易に識別(特定)されることを可能にし得る。これらの実施形態では、複数の変位値のセット、例えばベクトルのセットが、連続する時間に関して取得されてもよい。
実施形態では、前記方法は、連続した時間で繰り返され、各時間ペアのうちの前記より遅い(後の)1つは前記現在の時間である。複数の異なる時間に関する変位データを取得することは、現在の時間および1つ以上の以前の時間の変位データを提供することができるので、有用であり得る。変位データの各セットを導出する際に使用される前記より早い時間が同じである、例えば前記第1の時間である実施形態ではこれは、前記第1の時間、例えば地図生成またはセンサ取得時間以降の、様々な異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置の変位のインディケーション(指標)を提供することができる。
前記方法は、前記変位地図データを定期的に更新するために連続する時間で単に繰り返されてもよく、その結果、前記第1の時間ペアの前記第1および第2の時間、ならびに任意の後続の時間ペアの時間は、単に任意の時間であってもよい。例えば、前記データは、第1の時間および第2の時間に対応する第1の時間ペアを使用して決定されてもよく、さらなる時間ペアについて、各々は、前記第1の時間および後続の時間を含み、または後続時間同士を含む。それぞれの場合において、特定の時間に適用可能な変位データのセットが取得され、ロケーションの前記変位が、前記第1の時間に対して、または実施形態では、より早い時間のうちのいずれか1つに対して、決定されることを可能にする。したがって、前記時間は、地図生成、センサ取得などのイベントの時間に対応することができるが、前記方法は、そのようなイベントを参照せずに実行することができ、その場合、それらのイベントは、前記変位地図データが後に使用されるときに、適用可能なデータを取り出すために使用される。
より単純な実施形態では、基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示す前記データは、異なる時間の1つ以上のペアの間の位置の差を示すが、他の実施形態では、前記基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示す前記データは、時間に対する前記ロケーションの絶対位置の変化を示す関数を含むことができることが想定される。
代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、前記基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示す前記データは、前記基準ロケーションの絶対位置の変化率、すなわち前記基準ロケーションの速さまたは速度を示すデータを含む。前記変位地図を生成するために異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す前記位置データを使用するステップは、前記基準ロケーションの速さを示すデータを決定するために、異なる時間における各基準ロケーションの絶対位置を示す前記位置データを使用することを含むことができる。前記基準ロケーションの前記速さを示すデータを使用して、基準時間と任意の将来の関心時間(または実際には過去の関心時間)との間の基準ロケーションの絶対位置の差(すなわち変位)を決定することができることを理解されたい。これは、単に、関心のある2つの時間またはその時間差の知識を必要とする。そのような実施形態は、前記基準ロケーションの位置の前記速さが、時間に対して一定であるか、または一定であると仮定され得る場合に特に適用可能である。しかしながら、前記速さは必ずしも一定である必要はない。前記基準ロケーションの前記速さを示す前記データは、時変速さを記述する関数を示すことができる。前記方法は、基準時間における前記基準ロケーションの絶対位置を示すデータと、関心時間における前記ロケーションの前記変位を決定するために使用するための前記基準ロケーションとを関連付けることを含むことができる。前記変位は、これらの実施形態では速度または速さに関してもよいことが理解されるだろう。
前記変位地図データが速さデータを含む実施形態では、変位速さ地図を提供することができる。前記基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示す前記データが前記基準ロケーションの速さを示すデータを含む実施形態では、前記データは、好ましくは基準時間を示すデータをさらに含む。これにより、前記変位データが必要とされる時間と前記基準時間との間の差に基づいて、任意の将来の時間について前記ロケーションの前記変位が決定されることが可能になりうる。前記基準時間は、前記基準ロケーションの位置の変化を示す前記データを決定する際に使用される前記異なる時間のうちの最も早い1つとすることができる。
前記基準ロケーションは、測定、モデリング、またはそれらの組合せのいずれかによって、異なる時間における正確な位置データ、したがって正確な変位値が取得できる任意の地理空間ロケーションとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、前記基準ロケーションは、米国の連続動作基準局(CORS)などの恒久GNSS受信機のロケーション、またはRTKサービス(実時間キネマティクス)によって動作されるそのような受信機のロケーションである。
前記基準ロケーションは、地殻の一部の上に延在する地理的エリア内の現実世界のロケーションである。
1つ以上の基準ロケーションの前記セットは、基準ロケーションのネットワークを形成することができる。
前記基準ロケーションは、前記地理的エリアにわたって均一にまたは不均一に分布されてもよい。例えば、サブエリアが、例えば大きな地殻構造プレートの中心において、より低いレベルの地殻活動に関連付けられる場合、前記基準ロケーションは、例えば、プレート境界において、より高いレベルの地殻活動に関連付けられるサブエリアよりもまばらであってもよい。実施形態では、前記基準ロケーションは、前記地理的エリア内の地殻活動に応じて変化する密度で前記地理的エリアにわたって分布される。前記基準ロケーションの前記密度は、地殻活動がより大きいエリアではより大きく、地殻活動がより小さいエリアではより小さい。
いくつかの好ましい実施形態では、前記基準ロケーションの前記セットは、前記地理的エリアをカバーする前記三角形のセットの前記頂点に対応する。三角形の前記セットは、好ましくは互いにぴったりくっついている(tessellating)三角形である。言い換えれば、前記三角形は、前記三角形間にギャップ(隙間)を残すことなく、前記地理的エリアをカバーするように共に適合(フィット)する。前記三角形は、同じ又は異なる面積であってもよい。好ましい実施形態では、前記基準ロケーションの前記密度、したがって前記三角形の面積は、前記地理的エリアにわたって変化する。
このような実施形態では、三角形の前記頂点を規定する前記基準ロケーションの絶対位置の前記変化を示す前記データ(すなわち、前記基準ロケーションの変位データ)を使用して、前記三角形によってカバーされる任意の他のロケーションの絶対位置の予想される変化を示すデータ(すなわち、予想される変位)を推定することができることを理解されたい。これは、前記三角形の周囲上または周囲内のロケーションを含む。前記方法は、前記三角形のうちの1つによってカバーされ、前記基準ロケーションのうちの1つに対応しない関心ロケーションについて、前記三角形の前記頂点を規定する前記基準ロケーションの絶対位置の前記変化を示す前記データを使用して、前記ロケーションの絶対位置の予想される変化を示すデータを推定することを含むことができる。そのような方法は、補間を使用して実行されてもよい。例えば、このような方法は、位置の変化を推定するために重心座標を使用する補間によって実行されてもよい。前記ロケーションの絶対位置の前記予想される変化を示す前記データは、任意の所望の基準システム、例えば、地図基準システムに対するものであってもよい。
いくつかの実施形態では、前記変位地図データは、デジタル地図に関連付けられた変位地図データレイヤとして提供され得ることが想定される。前記デジタル地図は、複数の地図タイルに分割することができる。前記基準ロケーションが前記地理的エリアをカバーする三角形のセットの頂点に対応する実施形態では、前記方法は、各地図タイルについて、前記地図タイルによってカバーされる前記地理的エリアの少なくとも一部をカバーする前記三角形または各三角形を決定することと、前記三角形または各三角形を示すデータと、前記地図タイルとを関連付けることとを含むことができる。前記三角形又は各三角形の頂点を規定する前記基準ロケーションに関連付けられた前記変位データを使用して、前記地図タイルの変位データを決定することができる。地図タイルが比較的大きい場合、地図タイルは、複数の三角形の部分を含むことができる。しかしながら、前記地図タイルが比較的小さい場合には、地図タイルは、完全に単一の三角形内に位置することができる。
前記地図タイルが単一の三角形内にあるいくつかの実施形態では、前記方法は、前記三角形の頂点に関連付けられた前記変位データを使用して、1つ以上の所与の時間のそれぞれの時間に関する前記地図タイルの単一の変位値を決定することを含むことができる。前記時間は、変位データが取得された第1の時間ペアおよび1つ以上のさらなる時間ペアの、前記又は各より遅い(後の)時間に対応することができる。
頂点として前記基準ロケーションを有する三角形を含む中間ステップが使用されるか否かにかかわらず、前記方法は、前記変位地図データを使用して、前記地図タイルの各々に関する変位データを決定することと、前記変位データと前記タイルとを関連付けることとを含むことができる。前記方法は、複数のデジタル地図タイルを示すデータを取得することと、前記変位地図データを使用して前記地図タイルの各々に関する変位データを決定することと、各地図タイルについて、前記変位データと前記タイルとを関連付けることとを含むことができる。各地図タイルに対する単一の変位値は、1つ以上の所与の時間の各々に関して取得されてもよい。前記時間は、変位データが取得された第1の時間ペアおよび1つ以上のさらなる時間ペアの前記又は各より遅い(後の)時間に対応することができる。
これらの実施形態では、前記変位値は、前記地図タイルを示すメッシュグリッドとして分布されてもよい。比較的近いタイルの変位は類似していると仮定することができるので、前記変位地図データは、任意の適切な圧縮技術を受けることができる。
本発明は、本明細書に記載される本発明の実施形態のいずれかに従って取得される変位地図データの使用に拡張される。
前記変位地図データは、デジタル地図データを含む様々な状況において有用であり得る。
本発明のさらなる態様によれば、第1の基準フレームから第2の基準フレームへ1つ以上の関心ロケーションの位置を変換する方法であって、前記第1および第2の基準フレームのうちの少なくとも1つは、前記関心ロケーションを含む地理的領域をカバーするデジタル地図に関連付けられた基準フレームであり、前記第1および第2の基準フレームのうちの前記少なくとも1つに対する前記関心ロケーションの前記位置は、前記デジタル地図に対する位置であり、
前記方法は、前記関心ロケーション又は各関心ロケーションについて、
前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置を示すデータを取得することと、
1つ以上のロケーションの各々について、地殻変動の結果として経時的に生じる地球表面に対する前記ロケーションの絶対位置の変化を示すデータを含む変位地図データを取得することと、
前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置を示すデータを決定するために、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置を示す前記取得されたデータと前記変位地図データとを使用することと、を含み、
前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置を示すデータを決定するために、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置を示す前記取得されたデータと前記変位地図データとを使用するステップは、前記関心ロケーションの前記位置を前記第1の基準フレームから前記第2の基準フレームへ変換する際に、前記関心ロケーションの位置を調整するために前記変位地図データを使用することを含み、
前記方法は、出力のために、前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記決定された位置を示すデータを生成することをさらに含む、方法が提供される。
本発明は、基準フレーム間の関心ロケーションの前記変換に関連して説明されるが、本明細書で説明されるステップまたは他の特徴のいずれも、複数の関心ロケーションが考慮される任意のさらなる関心ロケーションの変換に適用可能であり得ることが理解されるのであろう。
前記変位データは、地殻変動によって生じた現実世界の前記関心ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために使用される。
前記第1および第2の基準フレームは、それぞれの座標系にそれぞれ関連付けられる。前記基準フレームは、前記座標系によって規定することができる。各基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置は、それぞれの基準フレームに関連付けられた座標系に対して規定することができる。前記第1および第2の基準フレームに関連付けられた前記座標系は、第1および第2の座標系と呼ぶことができる。
本発明は特に、車両によって使用される基準フレームと、デジタル地図によって使用される基準フレームとの間で、1つ以上の関心ロケーションの位置を(いずれかの方向に)変換することに適用可能である。これにより、前記車両の前記基準フレームに関して決定された関心ロケーションの前記位置が、デジタル地図に関して決定されることが可能となり、またはその逆も可能である。
前記車両基準フレームは、前記車両内のすべてのシステムに共通する基準フレームである。このようなシステムは、ローカライゼーションシステムを含むことができる。前記車両基準フレームは、現実世界に対して規定された基準フレームである。前記基準フレームは、絶対基準フレームであってもよい。これは、例えば、GPSベースの基準フレームのような標準的な基準フレームであってもよい。しかしながら、他の実施形態では、前記基準フレームは、前記車両内のすべてのシステムに共通の任意の基準フレームであってもよい。対照的に、前記デジタル地図基準フレームは、現実世界の前記デジタル地図によって提供される表現に関して規定される基準フレームである。
いくつかの好ましい実施形態では、前記第1および第2の基準フレームのうちの一方は、デジタル地図に関連付けられた基準フレームであり、前記第1および第2の基準フレームのうちの他方は、車両に関連付けられた基準フレームである。前記方法は、好ましくは前記車両の位置を特定するプロセスの一部として実行される。「位置特定(localizing)」という用語は、現実世界における前記車両の位置を決定することを含むプロセスを指す。前記車両は、前記デジタル地図によって表される前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路(パス)を移動する車両であってもよい。
前記デジタル地図(または本明細書で言及される任意のデジタル地図)は、ノードによって接続された複数のセグメント(区分)を含むことができ、前記セグメントは、前記デジタル地図によってカバーされる前記地理的領域内のナビゲート可能なネットワークの要素を表す。前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路を移動する車両への言及は、前記ナビゲーション可能なネットワークを何らかの方法で移動する前記車両を指し、必ずしも所定の経路に沿って移動するとは限らないことを理解されたい。
いくつかの実施形態では、前記関心ロケーションは、前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路を移動する間に前記車両が遭遇するか、または車両が遭遇すると予想されるオブジェクトの前記ロケーションである。前記オブジェクトは、例えば道路標識、交通信号、路面標示等の特徴のような、ローカライゼーション(位置特定)目的に使用されるオブジェクトであってもよい。前記オブジェクトは、車両システムによって検出されたオブジェクトであってもよい。前記オブジェクトは現実世界のオブジェクトである。
前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路を移動する間に車両によって遭遇されたすなわち検出された前記車両の近傍のオブジェクトの位置を、例えば1つ以上のセンサのセットなどの車両システムによって前記オブジェクトが検出された前記車両基準フレームから、前記オブジェクトの前記ロケーションを含む地理的領域をカバーするデジタル地図に対する位置へ、変換することが必要な場合がある。言い換えれば、前記位置は「地図にマッチング」されてもよい。前記オブジェクトは現実世界のオブジェクトである。オブジェクトの位置が地図マッチングされる場合、これは、現実世界における前記車両のロケーションを決定する際に使用されてもよい(これは、前記デジタル地図に対する前記車両の位置を決定する中間ステップを含んでもよいし、含まなくてもよい)。
前記変位地図データは、前記関心ロケーションの位置を、前記第1の基準フレームから前記第2の基準フレームに変換するときに、関心ロケーションの位置を調整するために使用される。前記関心ロケーションの前記位置の前記調整は、フレーム間の変換を提供することができ、またはそのような変換の一部として実行することができる。前記変換は、例えば前記異なる座標系の間の位置を相関させるための他の調整を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、前記関心ロケーションの位置の前記調整は、例えば地図オブジェクトの前記位置が前記地図を「シフト」するように調整される実施形態では、前記第2の基準フレームを規定することができる。
いくつかの好ましい実施形態では、前記関心ロケーションは、前記ナビゲート可能なネットワークを通る経路を移動する間に前記車両が遭遇する前記車両の近傍のオブジェクトの前記ロケーションである。この場合、前記オブジェクトは現実世界のオブジェクトである。「遭遇する」という用語は、任意の方法で、例えば、前記車両に関連付けられた任意の1つのセンサまたは複数のセンサによって前記オブジェクトが検出されることを包含する。前記オブジェクトの前記ロケーションの前記位置は、例えば、前記車両に関連付けられた1つ以上のセンサのセットから取得されたデータに基づいて、車両システムによって前記車両に関連付けられた基準フレーム内で検出された位置であってもよい。
逆に、他の文脈では、前記オブジェクトが前記車両に近接しているか否かにかかわらず、ローカライゼーション目的に使用されるナビゲート可能なネットワークを移動する間に前記車両が遭遇すると予想されるオブジェクトを示す地図オブジェクト、例えば道路標識、交通信号、道路標示などの特徴などのデジタル地図オブジェクトデータを、前記地図基準フレームから前記車両基準フレームへ変換することが必要な場合がある。前記地図オブジェクトは、将来に遭遇すると予想されるオブジェクトを示すことができる。例えば、前記車両は、前記車両に対して予想される位置においてそのシステムによってオブジェクトが検出されるかどうかを決定する必要がある場合がある。
例えば、現実世界のオブジェクト、または例えば、前記車両に関連付けられた座標系のような基準フレーム間の地図オブジェクトの、及び、現実世界の前記車両の位置を決定するのを支援(補助)するデジタル地図の、関心ロケーションを変換することを含む特定のプロセスは、「ローカライゼーション」プロセスと呼ばれてもよい。前記オブジェクトの位置の前記決定は、現実世界における前記車両の予想される位置を確認するために、または、その以前の推定値が存在しない現実世界における前記車両の位置を取得するために使用されてもよい。そのようなプロセスは、前記デジタル地図データを、例えば前記車両に関連付けられたローカライゼーションシステムによって取得され得る、センサデータのような現実世界の位置に関するデータと組み合わせて使用することができる。
前記生成されたデータが、デジタル地図の基準フレームである第2の基準フレームにおいて前記車両の近傍で検出されたオブジェクトの位置を示す実施形態では、前記方法は、前記オブジェクトの位置を使用して現実世界における前記車両の位置を決定するために、前記地図基準フレーム内の前記オブジェクトの位置を、さらに1回、前記車両基準フレームへ変換することを含んでもよい。
前記方法は、前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションを決定する際に、前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される地球表面に対する前記関心ロケーションの絶対位置の変化を補償するために、前記変位地図データを使用することを含んでもよい。
これは、前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置を取得するプロセスにおいて、さまざまな方法で、さまざまな時間に実行されうる。例えば、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置は、前記第2の基準フレームに対する位置へ変換されてもよく、前記第2の基準フレームに対する前記決定された位置は、前記変位地図データを使用して調整されてもよい。他の実施形態では、前記変位地図データを使用する前記調整は、前記第2の基準フレームへの前記関心ロケーションの前記位置の変換前に、前記第1基準フレーム内で行われてもよい。現実世界における前記関心ロケーションの絶対位置の前記変化を補償するために、いずれかの基準フレームにおいて前記関心ロケーションの前記位置を個別に調整するのではなく、いくつかの実施形態では、前記デジタル地図データは、前記デジタル地図に対する前記関心ロケーションの位置の決定の前または後に、前記変位地図データを使用して、その中のロケーションの絶対位置の変化を補償するように全体として調整される。
いくつかの実施形態では、前記第2の基準フレームは、前記デジタル地図に関連付けられた基準フレームであり、前記第1の基準フレームは、前記デジタル地図によって表されるナビゲート可能なネットワークを通る経路を移動する車両に関連付けられる。前記変位地図データは、地殻変動の結果として前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される(現実世界における)地球表面に対する前記関心ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために、前記第1の基準フレームから前記第2基準フレームへの前記関心ロケーションの位置を変更する際に、前記関心ロケーションの前記位置を調整するために使用されてもよい前記方法は、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を、前記第2の基準フレームに対する位置へ変換することと、前記変位地図データを使用して、地殻変動に起因する前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される(現実世界における)地球表面に対する前記関心ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を調整することと、を含むことができる。前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置は、前記車両システムによって、例えば、その1つ以上のセンサのセットによって、取得されていてもよい。前記関心ロケーションは、前記車両システムによって検出されたオブジェクトの位置に対応してもよい。前記調整ステップは、前記オブジェクトを地図マッチングするプロセスの一部として実行されてもよい。
いくつかの実施形態では、前記第1の基準フレームは、前記デジタル地図に関連付けられた前記基準フレームである。前記変位地図データは、地殻変動の結果として前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される(現実世界における)地球表面に対する前記関心ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために、前記第1の基準フレームから前記第2基準フレームへ前記関心ロケーションの位置を変換する際に、前記関心ロケーションの位置を調整するために使用されてもよい。
前記方法は、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を、前記第2の基準フレームに対する位置へ変換することと、前記変位地図データを使用して、地殻変動に起因する前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される(現実世界における)地球表面に対する前記関心ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を調整することと、を含むことができる。
前記第1の基準フレームが前記デジタル地図に関連付けられた前記基準フレームである他の実施形態では、前記方法は、
前記変位地図データを使用して、地殻変動の結果として前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される地球表面に対する前記関心ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために前記第1基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を調整することと、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記調整された位置を、前記第2の基準フレームに対する位置へ変換することと、を含んでもよい。
したがって、地殻変動に起因する現実世界における前記ロケーションの絶対位置の前記予想される変化を補償するための前記関心ロケーションの位置の前記調整は、前記ロケーションの位置を、前記第2の基準フレーム、すなわち車両の基準フレームへ変換する前、変換中、または変換後に行うことができることが分かるのであろう。
これらの実施形態では、前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記位置は、前記車両システムによって、例えば、その1つ以上のセンサのセットによって取得された前記関心ロケーションの位置を示す地図マッチングデータによって取得されていてもよいことが理解されるのであろう。前記車両システムによって取得されたそのような位置は、前記第2の基準フレームすなわち車両基準フレーム内にあってもよい。したがって、前記関心ロケーションの現実世界の位置の変化を補償するように前記第2の基準フレームへの変換のために前記第1の(デジタル地図)基準フレーム内の前記位置データを取得するために、前記ロケーションに対する前記位置データの初期変換が行われていてもよい。
前記第1の基準フレームが前記デジタル地図に関連付けられた前記基準フレームである実施形態では、前記方法は、前記第2の基準フレーム(すなわち、前記車両システムの前記基準フレーム)に対する関心ロケーションの位置を取得することと、現実世界における前記ロケーションの位置の変化を補償するように、記載された方法のいずれかで前記第2の基準フレームに変換されて戻される前記第1の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を取得するために前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの位置を前記デジタル地図に関連付けられた前記第1の基準フレームへ変換することと、を含むことができる。
前記第1または第2の基準フレームが前記車両に関連付けられた基準フレームであるいくつかの実施形態では、前記関心ロケーションは、前記ナビゲート可能なネットワークを通る前記経路を移動する間に前記車両が遭遇するオブジェクトの前記ロケーションであってもよい。前記オブジェクトは、車両システムによって検出されたオブジェクトであってもよい。
しかしながら、前記第1の基準フレームが前記デジタル地図に関連付けられた前記基準フレームである他の実施形態では、前記方法は、地図オブジェクトデータの要求を受信することに応答して実行されてもよい。前記ロケーションは、地図オブジェクトのロケーションであってもよい。そのような要求は、車両システムから、例えばHD地図クライアントから受信されてもよい。これらの実施形態では、前記デジタル地図の生成以降に生じた現実世界の前記ロケーションの位置の変化を補償するように変換される前記第1の基準フレーム内の前記関心ロケーションは、前記車両によって、例えば車両システムによって要求された地図オブジェクトの前記ロケーションであってもよい。前記方法は、(地殻変動に起因する前記地図の生成以降に、現実世界における前記ロケーションの絶対位置の変化を補償するように調整された)前記第2の基準フレーム内の前記地図オブジェクトの前記ロケーションの前記決定された位置を含む、前記地図オブジェクトを示すデータを、前記車両に提供することを含んでもよい。前記地図オブジェクトデータの前記要求は、前記第1または第2の基準フレーム(すなわち、前記デジタル地図の基準フレームまたは前記車両システムの前記基準フレーム)内の前記地図オブジェクトの位置を示すことができる。前記要求が前記第2の基準フレーム、前記車両システム基準フレームで受信される場合、前記方法は、前記第2の基準フレーム内の前記地図オブジェクトの位置を、前記第1の基準フレーム内の位置へ変換する初期ステップを含んでもよい。
これらの実施形態では、前記方法は、地殻変動に起因する前記デジタル地図の生成以降に生じた地球表面に対する前記ロケーションの絶対位置の変化を示す変位データを決定することと、前記変位値と、前記第2の基準フレーム内の前記地図オブジェクトの位置を示す前記データとを関連付けることとをさらに含むことができる。そのようなデータは、任意の車両システム、例えば、HD地図アプリケーションに提供されてもよい。前記システムは、前記データを要求した車両システムと同じであっても異なっていてもよい。したがって、実施形態では、前記方法は、前記デジタル地図の生成以降に生じた前記ロケーションの現実世界位置の変化を示す変位データを決定することと、前記変位データと、前記第2の基準フレーム内の前記地図オブジェクトの位置を示す前記データとを関連付けることと、任意選択で、前記第2の基準フレーム内の前記地図オブジェクトの位置を示す前記データとともに前記変位データを前記車両へ提供することと、をさらに含むことができる。
いくつかの実施形態では、前記第1および第2の基準フレームは、それぞれデジタル地図に関連付けられる。前記デジタル地図は、同じデジタル地図であってもよい。前記方法は、前記変位地図データを使用して、前記第1の基準フレームを規定する前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想される現実世界における関心ロケーションの絶対位置の変化を補償することを含むことができる。前記方法は、前記デジタル地図を、前記第2の基準フレームへシフトすることを含むことができる。
いくつかの実施形態では、前記方法は、複数の関心ロケーションに関して実行され、各関心ロケーションは、デジタル地図の地図オブジェクトのロケーションであり、前記第1および第2の基準フレームは、それぞれ前記デジタル地図に関連付けられる。これらの実施形態では、前記第1および第2の基準フレームは、前記デジタル地図の生成以降に地殻変動に起因して生じたと予想される地球表面に対する現実世界の前記地図オブジェクトの対応する絶対位置の変化を補償するために前記変位地図データを使用して、地図オブジェクトの位置を調整する前後の前記デジタル地図によって規定された基準フレームである。前記第1の基準フレームに対する各関心ロケーションの位置を示すデータを取得するステップは、前記第1の基準フレームにおいてデジタル地図データを取得することを含むことができ、前記デジタル地図は、前記地図オブジェクトを含み、
前記第1の基準フレーム内の前記デジタル地図に対する各地図オブジェクトの位置を決定し、前記変位地図データを使用して、地殻変動に起因して前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想され得る地球表面に対する現実世界における前記地図オブジェクトの対応する絶対位置の変化を補償するために各地図オブジェクトの位置を調整し、それによって前記デジタル地図の前記基準フレームを、前記第1の基準フレームから前記第2の基準フレームへシフトする。前記第1および第2の基準フレームは、前記地図に関連付けられた基準時間、例えば、前記地図の生成時間などの地図エポック、および後続の関心時間、例えば、ローカライゼーションの時間によって規定された基準フレームであってもよい。
前記方法は、地殻変動に起因して前記第1の基準フレームにおける前記デジタル地図の生成以降に生じたかもしれない地球表面に対する地図オブジェクトの対応する絶対位置の変化を補償する。前記方法は、前記地図オブジェクトが現実世界のオブジェクトを表すかどうかに応じて、前記地図オブジェクトによって表される現実世界のオブジェクトの絶対位置に対応する場合もあれば対応しない場合もある、現実世界の地図オブジェクトの対応する位置の変化を補償することができる。
このような実施形態は、それ自体が有利であると考えられる。本発明のさらなる態様によれば、地殻変動の結果としてデジタル地図の生成以降に生じたと予想され得る地球表面に対するロケーションの絶対位置の変化を補償するためにデジタル地図データを調整する方法であって、
複数の地図オブジェクトの位置を示すデータを含むデジタル地図データを取得することと、
地殻変動の結果として経時的に生じる地球表面に対する前記ロケーションの絶対位置の変化を示すデータを、1つ以上のロケーションのそれぞれについて含む変位地図データを取得することと、
前記デジタル地図に対する各地図オブジェクトの位置を決定し、前記変位地図データを使用して、地殻変動の結果として前記デジタル地図の生成以降に生じたと予想され得る地球表面に対する前記地図オブジェクトの対応する絶対位置の変化を補償するために各地図オブジェクトの位置を調整することと、
を含む方法が提供される。
このさらなる態様における本発明は、他の態様および実施形態に関連して説明された特徴のいずれかまたはすべてを含むことができる。
調整されたデジタル地図データを決定することを含む本発明の実施形態のいずれにおいても、前記方法は、地図マッチング処理において前記調整されたデータを使用することを含むことができる。
前記方法は、車両が遭遇したオブジェクトの位置を示す地図データの要求を前記車両から受信することと、前記第2の基準フレーム内の前記デジタル地図データに対する前記オブジェクトの位置を決定することと、前記オブジェクトの位置を示すデータを前記車両へ提供する際に、前記決定されたデータを使用することとを含むことができる。前記オブジェクトの位置を示す前記データを前記車両へ提供するために前記データを使用するステップは、いくつかの実施形態では、前記オブジェクトの前記位置を、前記第2の基準フレームから前記第1の基準フレームへ変換して戻すこと、または、前記第2の基準フレーム内の前記位置データを前記車両へ提供することを含むことができる。したがって、これらの実施形態では、オブジェクトごとに実行される前記地図の生成以降、前記地図オブジェクトの位置の変化に対する補償を必要せず、前記シフトされた地図データを使用して、任意の数の地図オブジェクトに対する地図オブジェクトの補償された位置データを前記車両へ提供することができる。
前記方法は、前記車両の位置を決定する際に、前記車両に提供された前記オブジェクトの位置を示す前記データを前記車両が使用することを含むことができる。
本発明の態様または実施形態のいずれかによれば、前記方法は、現実世界における、例えばナビゲート可能なネットワークに対する前記車両の位置を決定する際に、前記第2の基準フレームに対する前記関心ロケーションの前記決定された位置を示す前記生成されたデータを使用することを含むことができる。前記生成されたデータは、この判定において直接的または間接的に使用されてもよい。前記データは、他のオブジェクトの前記ロケーションを示すデータ、地図オブジェクトか現実世界オブジェクトか、および/または他のタイプのデータなど、ローカライゼーションプロセスの一部として、他のデータと共に使用することができる。ローカライゼーションは、複数のソースからのデータの使用を含むことができる。
前記車両の位置が決定されると、これは、例えば、先進運転者支援または自律運転方法を含むナビゲーション目的のために、または前記車両の位置に関するデジタル地図データなどを取得するために、様々な方法で使用されてもよい。
前記基準フレームの一方(または両方)を規定する前記デジタル地図は、本発明が適用される文脈で使用される任意の適切なデジタル地図であってもよい。本発明が車両のローカライゼーションの文脈で使用される好ましい実施形態では、前記デジタル地図は、いわゆる「高精度」デジタル地図であってもよい。そのような地図は、車線区分線形状、車線中心線、道路境界などの車線レベル詳細を含む、前記ナビゲート可能なネットワークの高度に詳細で正確な表現を提供した。そのような地図は、ADAS(先進運転支援システム)および/または自律車両誘導アプリケーションの実装で用に適していてもよい。前記デジタル地図データは、地図ソースプロバイダによって経時的にコンパイルされた地図データに基づいてもよい。そのような地図データは、(基本的な道路形状のための)衛星および他の航空画像データ、マッピング車両の専用フリート、前記ナビゲート可能なネットワークを移動する車両に関連付けられたデバイスによって実行されるナビゲーションアプリケーション、ウェブソーシング、およびクラウドソーシングを含むが、これらに限定されない、様々なソースから取得された情報を使用してコンパイルすることができる。
前記デジタル地図データは、基準時間に関連付けられている。前記基準時間は、地図エポックと呼ばれてもよい。前記地図は、前記地図エポックにおける状況を表す。前記地図エポックは、典型的には前記地図の生成時間に対応する。しかしながら、場合によっては、前記地図エポックは、前記地図データが生成時に調整されたより早い基準時間となる。前記生成時間は、前記地図がコンパイルされた時間に対応し得る。前記デジタル地図は、地理的エリアの、例えば前記地理的領域内のナビゲート可能なネットワークの、その生成時、または前記地図エポック(異なる場合)での、正確な表現を提供したと仮定することができる。しかしながら、前記デジタル地図データのコンパイル及び保守には、かなりの時間及び資源を伴うことを考慮すると、前記デジタル地図データの更新はしばしば実行されないことがある。前記デジタル地図データが例えば車両に関連付けられた位ローカライゼーションシステムによって使用される時間までに、いくらかの時間が経過していることがある。上述したように、例えば地殻変動に起因した、介在期間に生じた可能性のある現実世界の位置の移動のために、前記デジタル地図は、現実世界におけるロケーションの位置をもはや正確に表すことができないかもしれない。本発明は、前記変位地図データを使用して、現実世界のロケーションの位置、すなわち、発生した可能性のある前記ロケーションの絶対位置の任意のそのような変化を調整する。これにより、デジタル地図を更新せずに長期間使用できる。
本発明の実施形態のいずれかによれば、本明細書で説明される前記方法は、前記変位地図データを使用して、前記デジタル地図(または異なる場合には前記地図エポック)の生成と、前記第1のフレームから前記第2の基準フレームへ前記関心ロケーションの位置を変換するときの任意の関心時間との間に発生したと予想される現実世界における前記関心ロケーションの絶対位置の変化を補償することを含むことができる。前記関心時間は、好ましくは現在の時間である。前記現在の時間は、例えば、車両のローカライゼーションシステムによって、前記第2の基準フレームにおける前記変換された位置データが必要とされる時間であってもよい。前記地図生成時間以降に発生した変化を補償するために関心ロケーションの位置を調整する本明細書における任意の言及は、異なる場合には前記地図に関連する任意の基準時間、例えば地図エポックを指すように修正されてもよい。前記地図は、前記地図エポック時間に前記ナビゲート可能なネットワークを表す。
変位地図によって提供され得る前記変位情報はまた、デジタル地図をコンパイルする文脈において有用である。デジタル地図は、複数のデータソースからコンパイルすることができる。前記デジタル地図は、前記デジタル地図のコンパイル時より前の1つ以上の時間に収集されたオブジェクトのロケーションの位置を示すセンサデータに少なくとも部分的に基づいてもよい。前記変位地図データは、前記センサデータの前記収集と前記地図のコンパイル時との間に生じた可能性のある、オブジェクトの前記ロケーションの位置の変化を前記センサデータに従って補償する方法を提供する。
このような実施形態は、それ自体が有利であると考えられる。本発明のさらなる態様によれば、
デジタル地図をコンパイルする方法であって、
前記方法は、
第1の時間に1つ以上のオブジェクトの位置を示すセンサデータを取得することと、
後続の時間に前記取得されたセンサデータを使用してデジタル地図をコンパイルすることと、を含み、
前記方法は、
1つ以上のロケーションの各々について、地殻変動の結果として地球表面に対する前記ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータを含む変位地図データを取得することと、
前記デジタル地図をコンパイルする際に、前記変位地図データを使用して、地殻変動の結果として前記センサデータの取得以降に生じたと予想される地球表面に対する前記オブジェクトの前記ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために前記オブジェクト又は各オブジェクトの前記ロケーションの位置を調整することと、
を含む、方法が提供される。
前記センサデータは、現実世界における前記1つ以上のオブジェクトの位置、すなわち絶対位置を示すことができる。前記方法は、異なる時間に取得された1つ以上のオブジェクトの位置を示すセンサデータに関して実行されてもよく、各時間の前記変位データを使用して、前記オブジェクト又は各オブジェクトの前記ロケーションの位置の適切な調整が行われる。
前記デジタル地図をコンパイルするステップは、前記取得されたセンサデータおよび1つ以上の他のソースからのデータを使用することを含むことができる。
このさらなる態様における本発明は、本発明の他の態様および実施形態に関連して説明された特徴のいずれかまたはすべてを、それらが相互に排他的でない限り、含むことができる。
本発明のさらに別の態様によれば、
デジタル地図を更新する方法であって、
前記方法は、
第1の時間に1つ以上のオブジェクトの位置を示すセンサデータを取得することと、
前記取得されたセンサデータを用いて、より早い時間に生成されたデジタル地図を更新することと、を含み、
前記方法は、
1つ以上のロケーションの各々について、地殻変動の結果として地球表面に対する前記ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータを含む変位地図データを取得することと、
前記デジタル地図を更新する際に、前記変位地図データを使用して、地殻変動の結果として前記地図の生成と前記センサデータの取得との間に生じたと予想される地球表面に対する前記オブジェクトの前記ロケーションの対応する絶対位置の変化を補償するために前記オブジェクト又は各オブジェクトの前記ロケーションの位置を調整することと、
を含む方法が提供される。
これらのさらなる態様では、前記センサデータは、より早い地図生成時間、例えば地図エポックに調整され、その結果、前記センサデータは、前記地図を更新するために、ただし、前記検出されたオブジェクトの位置を前記より早い地図生成時間に反映させるために、地殻変動に起因する変化を補償するように前記センサデータを調整する方法で、更新するために使用されてもよい。
このさらなる態様における本発明は、本発明の他の態様および実施形態に関連して説明された特徴のいずれかまたはすべてを、それらが相互に排他的でない限り、含むことができる。
本発明の態様または実施形態のいずれかで使用される前記変位地図データは、前述の実施形態のいずれかに従って取得されたデータを含むことができる。使用される前記データは、前記取得された変位地図データの少なくとも一部であってもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、絶対位置変化データが提供される前記1つ以上のロケーションが基準ロケーションである。前記基準ロケーションは、変位地図データが取得される前記基準ロケーションのうちの任意の1つ以上に対応することができる。実施形態では、前記変位地図データは、複数の基準ロケーションの各々について、前記基準ロケーションの絶対位置の経時的な変化を示すデータを含む。しかしながら、絶対位置変化データ、すなわち変位データは、ただ1つのロケーションに関して提供されてもよいことが想定される。前記ロケーションは、以下で説明するように、地図タイルなどの領域であってもよく、またはそのような地図タイル内のロケーションであってもよい。したがって、これらのさらなる態様で使用される前記変位地図データが関連する前記ロケーションは、前記基準ロケーションに基づいて前記変位地図データが取得される方法、例えば、タイルごとに変位地図データを提供するために使用されるかどうかなどに依存して、前記変位地図データの生成で使用される基準ロケーションであってもなくてもよい。タイルベースの実施形態では、複数の基準ロケーションについて取得された変位データを使用して、タイルに関する1つ以上の変位値を取得することができる。前記1つ以上のロケーションが先の実施形態の前記基準ロケーションのうちの1つに対応する場合、それらは、必ずしも前記基準ロケーションのすべてに対応する必要はないことを理解されたい。したがって、前記変位地図データは、前記変位地図データ全体のうちの1つ(関連部分)のみであってもよい。同様に、本発明に従って使用される前記デジタル地図データは、地理的エリアに関するものであり、例えば、前記関心ロケーションの近傍のデータのみが考慮されるように、より大きなデジタル地図の一部を形成することができる。
前記方法は、本発明の文脈に応じて、前記変位地図データを使用して、例えば、現在の時間と前記地図が生成された時間(または地図エポック時間)またはセンサデータが取得された時間との間の、前記関心ロケーションの(または地図コンパイル実施形態におけるオブジェクトの位置)の絶対位置の予想される変化を示すデータを決定することを含むことができる。前記関心時間の間の前記関心ロケーションの位置の予想される変化を示す前記データは、変位データと呼ばれてもよく、例えば、変位値であってもよい。前記関心時間は「エポック」、例えば、取得エポック、生成エポックなどと呼ばれてもよい。エポックは、基準時点を提供する特定の時点を指す。
前記方法は、現在の時間と、前記関心ロケーションの位置(または前記オブジェクトの位置)を示すデータとを使用して、前記変位地図データを使用してそのようなデータを取得することを含むことができる。前記関心ロケーションの位置は、前記変位データに基づく前記調整がいつ行われるかに応じて、いずれかの基準フレームに対する位置とすることができる。例えば、前記調整は、いくつかの実施形態では、前記第1の基準フレームから前記第2の基準フレームへの位置の変換の後に行われてもよいが、典型的には、前記調整は、前記位置が前記第1の基準フレーム内にある間に行われる。実際には、変位データは小さな距離にわたって著しくは変化しないので、異なる基準フレームにおける位置間の小さな不一致は重要ではない。前記第1および第2の基準フレームが両方ともデジタル地図によって規定される場合、前記関心ロケーションの位置は、前記第1の基準フレームによって規定される。変位データ、例えば前記関心ロケーションをカバーする地図タイルに変位値が関連付けられるいくつかの実施形態では、前記方法は、前記関心ロケーションの位置を示すデータを使用して、前記関心ロケーションをカバーする地図タイルに関連付けられた前記変位データを取得することを含むことができる。絶対位置の変化を示す前記データは、前記第1または第2の基準フレーム、または実際には、別の基準フレーム、例えば、異なる場合には地球表面に対する固定基準フレームに関するものとすることができる。
前記方法は、前記関心時間の間の前記関心ロケーションの絶対位置の前記予想される変化を示す前記データ、例えば変位値を決定する際に、前記ロケーション(例えば、基準ロケーション)のうちの1つ以上に関する絶対位置の変化を示すデータ(すなわち、変位データ)を使用することを含むことができる。例えば、前記データ、例えば変位値は、変位データが提供される1つ以上のロケーション、および任意選択で複数のロケーション、例えば、基準ロケーションに関する前記変位データに基づく補間プロセスによって取得されてもよい。
ロケーション(例えば、基準ロケーション)の位置の経時的な変化を示す前記データは、1つ以上の変位ベクトルのセットを含むことができ、各変位ベクトルは、異なる時間の間の前記基準ロケーションの位置の変化を示す。
関心時間の間に生じる変位に関する変位地図データの決定は、任意の所望の方法で達成することができる。前記変位地図データは、複数の基準ロケーションのそれぞれについて、基準時間と1つ以上の後続の時間との間の前記基準ロケーションの変位を示すデータを含むことができる。前記基準時間と前記後続の時間のうちの1つとは、前記関心時間に対応し得る。例えば、前記基準時間は、地図のコンパイルに関する実施形態では、調整が必要とされる前記デジタル地図の生成の時間、または、センサデータの取得の時間であってもよい。あるいは、前記方法は、1つまたは複数の関心時間に関して前記変位地図データからデータを取り出すことを含むことができる。これは、前記変位地図データ内に存在する異なる時間に関して、または提供される場合には基準時間を使用して、データからの何らかの形の推論を含むことができる。
実施形態において、各ロケーションの位置の経時変化を示す前記データは、例えば、ロケーションの、例えば基準ロケーションの速さ、例えば速度を示すデータを含む。前記方法は、例えば関心ロケーションに対する変位データを決定する際に、前記ロケーション、例えば基準ロケーションの前記速さ、例えば速度を使用することを含み得る。
前記変位地図データの基準ロケーションのセットが地理的エリアをカバーする三角形のセットの頂点に対応する実施形態では、前記方法は、前記関心ロケーションをカバーする前記三角形のうちの1つを識別(特定)することを含むことができる。関心ロケーションは、それが三角形の外周上または外周内にある場合に、前記三角形によってカバーされると考えることができる。前記方法は、前記三角形のうちの1つによってカバーされ、前記基準ロケーションのうちの1つに対応しない関心ロケーションについて、前記三角形の頂点を規定する前記基準ロケーションの位置の変化を示す前記データを使用して、前記ロケーションの位置の予想される変化を示すデータを推定することを含むことができる。そのような方法は、補間を使用して実行されてもよい。例えば、このような方法は、位置の変化を推定するために重心座標を使用する補間によって実行されてもよい。
いくつかの実施形態では、前記変位地図データは、デジタル地図に関連付けられた変位地図データレイヤとして提供され得ることが想定される。前記デジタル地図は、複数の地図タイルに分割することができる。いくつかの実施形態では、各地図タイルは、前記地図タイルのエリア内の任意の関心ロケーションに適用可能な変位データに関連付けられる。前記方法は、前記地図タイルに関連付けられた前記変位データを取得することと、前記変位データを使用して、前記関心ロケーションの位置の前記予想される変化を示すデータを提供することとを含むことができる。異なる時間に関する変位データが前記地図タイルに関連付けられる場合、前記方法は、適用可能な時間に関する前記変位データを取得することを含むことができる。
地図タイルを含み、前記変位地図データの基準ロケーションが地理的エリアをカバーする三角形のセットの頂点に対応するさらに他の実施形態では、各地図タイルは、前記地図タイルによって少なくとも部分的にカバーされる1つ以上の三角形を示すデータに関連付けることができる。前記データは、前記三角形(単数または複数)に対する任意の適切な基準であってもよい。前記方法は、前記三角形データを取得することと、前記データを使用して、上述したように、前記関心ロケーションについての変位データを取得することとを含むことができる。
関心ロケーションに関する変位データの取得に含まれる上記特徴のいずれも、地図コンパイルに関連する態様におけるオブジェクトの位置に関する変位データの取得に関して等しく適用される。
上述のように、本明細書で使用される「絶対位置」という用語は、例えば、地球表面に対して規定される固定基準フレームによって規定されるような、地球表面に対する現実世界の位置を指す。前記基準フレームは、固定座標系によって規定することができる。
本明細書で言及するデジタル地図データまたは変位地図データを取得する任意のステップは、ローカルに記憶されたデータから前記デジタル地図データにアクセスすることを含み、または好ましい実施形態では、前記方法は、前記デジタル地図データまたは変位地図データをサーバから取得することを含む。
しかしながら、前記デジタル地図および変位地図データが取得され、前記変位地図データは、前記関心ロケーションを含む前記デジタル地図に対する別個のデジタル地図データとして提供されてもよく、またはその地図レイヤとして提供されてもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、サーバからデジタル地図データを受信することを含み、前記デジタル地図データは、前記デジタル地図データと前記変位地図データとを含み、任意選択で、前記変位地図データは、前記デジタル地図データのレイヤを形成する。
前記デジタル地図データは、地理的領域をカバーする完全なデジタル地図を示すことができ、又はタイルの形式とすることができる。前記地図タイルは、複数のタイルにサブ分割されたより大きな地図の一部を形成する。これは、例えば、前記タイルを使用するデバイスの現在の又は他の関心位置に基づいて、関連する1つ又は複数のタイルのみを処理することを容易にすることができる。したがって、前記地理的エリアは、前記デジタル地図によってカバーされる地理的領域のサブ領域であってもよい。
本明細書に記載される前記変位地図データは、例えば前記地図情報の残りとは別個に維持および更新することができる(および好ましくは維持および更新される)地殻移動に起因する変位の表現を提供することが理解されるのであろう。
このようにして、前記デジタル地図の有効ライフサイクルを増加させることができる。例えば、正確なデジタル地図を開発するためにかなりのリソースを投資しなければならず、より定期的に前記デジタル地図を更新しようと試みることは、一般に望ましくないことが理解されるのであろう。対照的に、そのような絶対変位を考慮するために変位地図を使用することによって、前記変位地図(レイヤ)のみが頻繁に生成され、送達される必要があることを意味する。
本明細書で提示される技法は一般に、道路ネットワーク内の車両の正確なローカライゼーションを提供すること、および/または前記道路ネットワークのローカル環境に関する情報を含む正確な地図を生成することが所望される任意の文脈で使用され得る。しかしながら、実施形態は、特に、自律車両、例えば、最小の運転者対話を必要とする(又は全く運転者対話を必要としない)車両をローカライズ(位置特定)するための技術に関する。例えば、実施形態において、前記ローカライゼーション(位置特定)の結果は、ナビゲーションおよび動作計画、すなわち自動運転の目的のために、前記車両の自律運転モジュールに提供されてもよい。したがって、前記車両は、道路ネットワークを通って移動している自律車両、例えば、自律車またはトラックなどを含むことができる。しかしながら、本技法は、例えば非自律車両または半自律車両に関する様々な他の文脈においても有用性を見出すことができることが理解されるのであろう。例えば、ローカライゼーションは一般に、例えば、前記地図内の前記車両の正確なローカライゼーションが望ましい場合に、任意の適切な線品運転支援システムの一部として使用されてもよいことも企図される。また、マッピング結果は、自律運転を容易にする目的で使用する必要はなく(好ましくは使用されるが)、例えば従来のナビゲーション案内システムの一部として、任意の車両が望むように使用するためのナビゲーションのための改善された地図を生成するために使用されてもよいことが理解されるのであろう。
前記道路ネットワークは一般に、車両によってナビゲート可能な複数の相互接続された道路を含むネットワークである。前記道路ネットワークは一般に、デジタルまたは電子の地図(または数学的グラフ)によって表すことができる。最も単純な形態では、デジタル地図は、事実上、最も一般的には道路交差点を表すノードと、これらの交差点間の道路を表すノード間の線とを表すデータを含むデータベースである。より詳細なデジタル地図では、線は開始ノードと終了ノードによって規定されるセグメント(区分)に分割されてもよい。これらのノードは、最小限の3つの線またはセグメントが交差する道路交差点を表すという点で「現実の」ものであってもよく、または、特に、道路の特定の区間(ストレッチ)についての形状情報を提供するために、またはその道路の何らかの特性、例えば速度制限が変化する道路に沿った位置を識別(特定)する手段を提供するために、現実のノードによって一方または両方の端部で規定されていないセグメントについてのアンカとして提供されるという点で「人工的である」ものであってもよい。事実上、すべての現代のデジタル地図は、ノード及びセグメントは、前記データベース内のデータによって再び表される様々な属性によってさらに規定される。例えば、各ノードは、典型的にはその現実世界位置、例えば緯度及び経度を規定するための地理的座標を有する。ノードはまた、典型的には、交差点において、1つの道路から別の道路へ移動することが可能であるかどうかを示す、ノードに関連付けられた操縦データを有する。従来のナビゲーション案内の目的のために、例えば、既知のポータブルナビゲーションデバイスによって提供され得るように、前記デジタル地図の前記セグメントは、道路中心線に関する情報を含むことのみを必要とする(そして、典型的にはのみであろう)が、各道路セグメントは、許容される最大速度、車線サイズ(レーンサイズ)、車線数(レーン数)、中央分離帯があるかどうかなどの属性で補われてもよい。しかしながら、本発明の実施形態によれば、以下でさらに説明するように、車線中心線および車線コネクティビティ(すなわち、車線区分線)を含む道路プロファイルのより正確かつ現実的な表現、ならびに、望ましくは地図に組み込むことができるランドマークオブジェクトなどの道路ネットワークの3次元幾何学形状などの他の重要な要素を提供するデジタル地図を生成(または使用)することができる。このタイプのデジタル地図は、(車線中心線ではなく道路中心線を含む従来の「SD」地図と比較して)「HD」地図と呼ぶことができる。HD地図に含まれる追加情報、および少なくとも車線区分線は一般に、自律運転の目的のために必要とされる。
しかしながら、これらのHD地図の使用は自律車両に限定されず、これらの地図は、様々な先進運転支援システム用途を含むがこれらに限定されない、道路プロファイルの改善されたより正確な表現を提供することが望まれる任意の他の用途においても適切な用途を見出すことができる。したがって、前記HD地図は、ユーザに、または自律運転システムまたは他の先進運転支援システム(ADAS)に対して、適切かつ望ましく提示することができる任意の他の特徴を表すデータも含むことができる。
本明細書に記載の技術の様々な機能は、任意の所望の適切な方法で実行することができる。例えば、本明細書に記載する技術のステップおよび機能は所望により、ハードウェアまたはソフトウェアで実現することができる。したがって、例えば、別段の指示がない限り、本明細書に記載される技術の様々なプロセッサ、機能要素、ステージ、および「手段」は、適切な専用ハードウェア要素(処理回路)および/またはプログラマブルハードウェア要素(処理回路)などの様々なステップまたは機能を実行するように動作可能な、任意の適切な1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数のコントローラ、機能ユニット、回路、処理ロジック、マイクロプロセッサアレンジメントなどを含むことができる。例えば、本明細書で説明される態様または実施形態のいずれかによる該方法のステップのいずれかを実行するための手段は一般に、そのようにするために、例えば、コンピュータ可読命令のセットでプログラムされた、構成された1つ以上のプロセッサ(または処理回路)のセットを備えることができる。所与のステップは、任意の他のステップと同じまたは異なるプロセッサのセットを使用して実行されてもよい。任意の所与のステップは、プロセッサのセットの組合せを使用して実行されてもよい。システムはさらに、例えば、指示データおよび情報データを含む少なくとも1つのリポジトリを記憶するための、コンピュータメモリなどのデータ記憶手段を含むことができる。本発明による方法のいずれも、ソフトウェア、例えばコンピュータプログラムを少なくとも部分的に使用して実施することができる。したがって、本発明は、本発明の態様または実施形態のいずれかによる方法を実行するために、またはシステムおよび/またはサーバに実行させるために、実行可能なコンピュータ可読命令を備えるコンピュータプログラム製品にも及ぶ。したがって、本発明は、システムの1つ以上のプロセッサのセットに、本明細書で説明される方法の態様または実施形態のいずれかのステップを実行させるために、本発明の実施形態のいずれかに従ってシステム上で実行可能なコンピュータ可読命令を含む、好ましくは非一時的なコンピュータプログラム製品に拡張される。
ここで、オブジェクト、特徴、エリア等、タイル、またはタイルデータ構造への言及は文脈が別段の要求をしない限り、これらを示すデータを指すものと理解されるべきであることに留意されたい。データは任意の方法で関連項目を示すことができ、それを直接または間接的に示すことができる。したがって、オブジェクト、特徴、エリア、タイルなどへの任意の言及は、それらを示すデータへの言及に置き換えることができる。また、「関連する」または「を示す」という語句は、データ記憶位置に何らかの特定の制限を必要とすると解釈されるべきではないことにも留意されたい。この語句は、特徴が識別可能に関連していることのみを必要とする。
本発明は、任意の種類のナビゲート可能な要素と、そのようなネットワークを表すデジタル地図とを含むナビゲート可能なネットワークに関連して実施することができる。好ましくは、ナビゲート可能な要素は、(道路ネットワークの)道路要素である。例示的な実施形態は、道路ネットワークの道路要素に言及しているが、本発明は、経路、河川、運河、自転車道路、引き船道、鉄道線などの要素を含む、任意の形態のナビゲート可能な要素、およびそのような要素を表すデジタル地図に適用可能であることが理解されよう。参照を容易にするために、これらは、一般に、道路ネットワークの道路要素と呼ばれる。
本発明の実施形態の様々な特徴を、以下でさらに詳細に説明する。
本開示は一般に、ロケーションデータを処理するための改善された技術を提供することに関する。特に、好ましい実施形態は、高度/自律運転用途に使用されるロケーションデータを処理する方法に関する。しかしながら、本明細書で説明される技術は、そのような用途に限定されないことが理解されるのであろう。したがって、様々な実施形態が高度/自律運転用途を参照してここで説明されるが、本開示はそのように限定されず、高度に正確な地図機能性が所望され得る様々な他の用途においても有用性を見出し得ることが理解される。
車両における先進運転アプリケーションは、現実世界におけるその位置を正確かつ確実に決定し、維持する必要がある。一般に「ローカライゼーション(位置特定)」と呼ばれるこのプロセスは、1つ以上のローカライゼーションモジュールに依存する。上述したように、ローカライゼーションは、通常、様々な技術を用いて実行される。例えば、GPS測定が、デジタル地図上にマッチングされ得る車両の位置を提供するために使用される。地図内の車両のロケーションをより確実に決定し、また車両の向きを決定するために、特に車両によって取得された画像データの形態におけるセンサデータも使用される。典型的には、車両の近傍にあるオブジェクトを示すセンサデータが取得され、次いで、オブジェクトが地図オブジェクトにマッチングされる。このプロセスは、「地図マッチング」として知られている。このようにして、地図オブジェクトのロケーションは、地図データを使用して決定され、車両の現実世界の位置を決定する際に使用されてもよい。
したがって、このようなローカライゼーション技術は、非常に正確な地図データに依存する。デジタル地図を生成することは、時間およびコストの点で、高価で複雑なプロセスである。デジタル地図は、典型的にはモバイルマッピング車両、ナビゲーションアプリケーション、航空データ、クラウドソースデータ、ウェブデータなどから取得されたセンサデータを含む、様々なデータソースを使用してコンパイルされる。この観点から、デジタル地図を頻繁に更新することは実用的でも経済的でもない。しかしながら、上述したように、地殻変動は、地理空間的特徴の絶対位置を経時的に変化させる。これは、デジタル地図データは、時間の経過とともに、オブジェクトの現実世界位置を正確に表すことができなくなることを意味する。したがって、これは、デジタル地図データを使用する地図マッチングプロセスに誤りまたは不一致をもたらす可能性があり、この情報が先進/自律運転目的のために信頼されている場合、潜在的に深刻な(例えば、致命的である)結果を伴うことになる。
したがって、ローカライゼーションは、その精度が持続可能であるために地殻変動を考慮しなければならない。地殻変動の主な原因は地殻構造プレートの移動であり、プレート境界から離れたゆっくりとした静止変位(例えば、オーストラリアのプレートでは62~70mm/年)と、変換プレート境界での突然の(時にはより大きい)変位との両方に関連している。後者は、典型的には地震に関連する。以下の図3は、グローバル地図上の地殻変動を示している。
図3は、地球の地殻内の陸地と海のかたまりと地殻構造プレートとを示す地図である。地殻構造プレートはそれぞれ、図に示されているように、速さ(スピード)と方向が変化する独自の動きを持っている。地殻構造プレート境界では、プレートは衝突してしばしば地震や他の地殻変動現象に関連して変形する。図は、大きな北北東(NNE)変位を有するオーストラリアのプレート(右下)を示す。北半球の変位がいくらか小さい場合であっても、年間の変位は、必要なロケーション精度と同程度の大きさかもしれない。
HD地図データに基づくローカライゼーション方法(上記の説明を参照)は、地図オブジェクトのロケーション、すなわちHD地図情報内のオブジェクト記述に基づいて、例えば車両のろけーを決定する。使用される地図オブジェクトは、車両の近傍の車両システムによって検出されたオブジェクトがマッチングされた地図オブジェクトであってもよい。地殻変動の影響が考慮されない限り、地殻構造プレートのシフト及び関連する地殻変動に起因して、HD地図情報内の地図オブジェクトの位置は、現実を経時的に正確に反映しない。地殻変動の影響が考慮されない場合、検出されたオブジェクトを地図オブジェクトに確実にマッチングさせる能力は、時間とともに失われる。これは図4に示されている。
図4は、道路ネットワークの一部を表し、道路セグメント間のジャンクションの近傍にあり、車両104によって移動されているHDデジタル地図の一部を示す。(本実施例では「地図エポック」emapを規定する)地図生成時の地図情報は実線96になっている。
ローカライゼーションエポックelocと呼ばれるローカライゼーションが実行される後の時間で更新された地図情報が、点線98で示されている。ここで、地殻変動の結果として地図情報がシフトしていることが分かる。例えば、道路セグメント100上の位置X1は、位置X2にシフトしている。車両104の位置Y1は、位置Y2にシフトしている。したがって、地殻変動を補償するために地図データが更新されない場合、図示のように地図データを実線データから点線データにシフトさせることによって、地図データによればオブジェクトが位置X1にあるので、ローカライゼーション時にX2で検出されたオブジェクトを地図マッチングする試みが失敗する可能性がある。したがって、地殻変動の影響を考慮しないと、HD地図ローカライゼーションと他の(異なる)ローカライゼーション技術との間に競合(コンフリクト)が生じ、HD地図情報と他の異なるローカライゼーション技術からの出力との間に競合(コンフリクト)が生じる可能性がある。
地殻変動を補償し、図4に示されるような更新された地図情報を提供する1つのアプローチは定期的に、例えば1ヶ月または2ヶ月に1回、地図全体を再現し、配信することである。しかしながら、発生する生産コストおよび配送コストは、許容できないか、または少なくとも望ましくない。
次に、本発明のいくつかの例示的な実施形態について説明する。
HD地図情報は、地理空間センサデータと高精度ロケーション情報とから生成される。例えば、地理空間センサデータは、LIDARセンサ、360度カメラ及び同様の地理空間センサを装備したモバイルマッピング車両を用いて得ることができる。この例では、モバイルマッピング車両は、正確な位置情報をセンサデータに関連付ける1つ以上の高度で正確な位置センサを含む。さらに、取得エポックeacqがセンサデータに関連付けられる。地図コンパイラは、センサデータと、関連する位置データと、取得エポックデータとを使用して、HD地図情報を生成する。
HD地図の作成中に、HD地図情報は、共通地図のエポックemapに関連付けられてもよい。地図エポックは基準時間であり、地図はその時の状況を表す。本発明のいくつかの実施形態では、地図エポックは、典型的には複数の地図が同じエポック、すなわち共通地図エポックを共有することができるように選択された標準時間である。従って、時間の特定の瞬間、取得エポックに関してセンサデータが得られる一方で、地図をコンパイルする際に、センサデータは典型的には調整され、すなわち、時間的に戻ってシフトされ、その結果、生じる地図は、より早い地図エポックでの状況を反映する。これは、少なくとも部分的に、モバイルマッピング車両によって実行されてもよい。したがって、コンパイラは、所望の、より早い(以前の)地図エポックに対応する地図エポックを設定することができる。したがって、地図エポックは、図4の例示的な実施形態のように、地図の実際の生成時間に必ずしも対応しなくてもよい。
車両は、ローカライゼーションエポックelocでのローカライゼーションにHD地図を使用する。ローカライゼーションエポック、地図エポック、および取得エポックは、通常、すべて異なる。図5は、ロケーションpに対する変位ベクトルdを、エポックeの関数として示している。
図5は、ロケーションpの位置に対する地殻変動に起因する変位dを、エポックe(時間)の関数として示したものである。所与のエポックすなわち時間における変位dは、エポックeにおける位置すなわちロケーションpの座標と、基準エポックにおける位置すなわちロケーションpの座標との差である。図では、基準エポックはeacqであるが、これは異なるエポックであってもよい。図では、eacqとemapとの間の変位はΔGであり、一方emapとelocとの間の変位はΔLである。
図5はまた、先に導入されたエポック(eacq,emap,eloc)と、これらのエポックにおけるロケーションpの位置の変位値とを示す。図は変位dを1次元値として示している。実際には、変位ベクトルは2次元または3次元ベクトルである。
本実施形態によれば、HD地図情報とは独立して維持および更新することができる変位地図が提供される。この変位地図は、HD地図情報を使用するときに、地殻変動の影響を補償するためにロケーションの位置を調整することを可能にする。したがって、変位地図は、HD地図全体を更新する必要なしに、そのような影響を考慮に入れることを可能にする。変位地図は、実際には変位地図レイヤとしてHD地図と統合されてもよい。しかしながら、変位地図は、代替的に、別個の地図として提供されてもよい。
変位測定
ここで、変位地図を生成するために使用することができる特定の例示的な方法について説明する。
任意のロケーションpの変位は、多数の基準ロケーションの位置情報に基づいて決定される。これらの基準ロケーション(基準点)は、関心のある地図エリア(または地球全体)をカバーする不規則な三角形ネットワークを形成するように選択される。基準ロケーションは、正確な変位を測定またはモデル化することができる任意のポイント(地点)とすることができる。典型的には、これらは、米国の連続動作基準局(CORS)、または図6Aに示すようなRTK(実時間キネティクス)サービスプロバイダによって動作されるものなど、恒久GNSS受信機が設置されたロケーションである。
図6Aは、所与の時間、すなわちエポックeについて、ベクトルの形式で変位dを有する基準ロケーション150のネットワークを示す。基準ロケーション150は、三角形、例えば、三角形152、154、156等の頂点を規定する。変位は、基準エポック、例えば、地図エポック、および後続のエポックeに対応する、第1及び第2の時間同士、またはエポック同士の間の位置の変化を示す。エポックeは、現在の時間またはローカライゼーション時間など、任意の関心エポックとすることができる。ネットワーク内の基準ロケーションの密度は、地殻活動の少ないエリア、例えば大きな地殻構造プレートの中心部では(すなわち、大きな三角形を定義するように)小さくてもよく、地殻がより活動的なエリア、例えばプレート境界では(例えば、より小さな三角形を定義するように)大きくてもよい。
図6Bは、エポックeに対する変位d(d1,d2,d3,d4,d)をそれぞれ有する5つの基準ロケーションr(r1,r2,r3,r4,r5)を示す。5つの基準ロケーションは、基準ロケーションを頂点とする3つの三角形T(T1,T2,T3)を形成する。図では、三角形T1は基準ロケーション(r1,r2,r3)によって、T2は(r1,r3,r4)によって、T3は(r4,r3,r5)によって形成される。エポックeにおいて、基準ロケーションrは、基準エポックe0におけるrのロケーションに対する変位dを有する。これはタプル(r,d,e)、e0、及びe0におけるrの座標を格納することで捕捉できる。あるいは、e0における基準ロケーションrに対する変位は、タプル(d,e)によって記述することができる。同様に、変位は、タプル(r,R,e)によって追跡することができ、ここで、Rは、エポックeにおける基準ロケーションrの実際の位置である。これらの変形はすべて、エポックeでの基準ロケーションrに対する変位dを生成することを可能にする。変位値は、国際地上基準フレームなどの任意の適切な基準フレームワークに対して与えられる。
N個の基準ロケーションRL={ri|i=0...N}のセットRLにおける基準ロケーションriごとに、地殻変動に起因する基準ロケーションの変位を追跡するK個のタプルPi={(i,dj,e)|j=1...K}のセットPiを決定することができる。基準ロケーションrに対するエポックeでの変位dを決定するために、ejがeに等しく、且つ、対応する変位djが、決定された変位dを形成するタプルをセットPiから検索する。Piのタプルにeにマッチする値がない場合、2つの最も近いエポックeaとebとがセットから取得される(したがって、ea<e<ebであり、エポックebとeaとの間に入るPiにはエポックejがない)。基準ロケーションrに対する変位dは、例えば、式1を使用して補間することができる。
他の補間技法(例えば、高次多項式、スプライン)も使用することができる。基準ロケーションrのエポックeにおける変位dの決定は、異なるエポックにおける基準ロケーションの変位を記録するために異なるデータフォーマットに適合させることができる。
基準ロケーションの変位は、基準ロケーションの三角形に対する一般的なロケーションでの変位(すなわち、エポック間のロケーションの変化)を推定するために使用することができる。図7は、基準ロケーションの三角形内のロケーションの変位を(補間を使用して)推定するための重心座標の使用を示している。
三角形の任意の点における変位は、頂点における変位の線形結合である。例えば、上辺の中央における変位値は、左上頂点における値の1/2倍、下頂点における値の0倍、右上頂点における値の1/2倍である。
頂点(r1,r2,r3)を持つ三角形のそれぞれのロケーションは、図7に示すように、0<λi<1、λ1+λ2+λ3=1のタプル(λ1,λ2,λ3)として表現することができる。上辺中央の点は(0.5,0,0.5)として表現できる。ロケーションの変位は、λ1*d1+λ2*d2+λ3*d3を使用して、頂点ごとの変位ベクトルとロケーションの重心座標とを使用して計算できる。HD地図ロケーションpは、異なる座標系で符号化され得るので、HD地図ロケーションpは、ロケーションpを含む三角形の重心座標への変換を必要とし得る。このような変換を提供するために使用され得る技法は、当該技術分野で公知である。変換後、重心座標および頂点における変位(3つの基準ロケーションによって規定される)は、エポックeにおけるHD地図ロケーションpに対する補間変位dを含むタプル(d,p,e)の決定を可能にする。座標変換は、HD地図ロケーションpが三角形のエリア内にあるかどうかを決定するためにも使用できる。これは、三角形内のロケーションのすべての重心座標(λ1,λ2,λ3)がプロパティ(すべてのi=1,2,3に対して0<λi<1)を持つためである。
センサデータ取得エポック以降の変位を補償する-HD地図生成
いくつかの例示的な実施形態では、本発明は、HD地図作成のために収集されたセンサデータに関連付けられた取得エポックeacqを使用し、取得エポックと地図エポックemapとの間の地殻変動を表す変位情報を取得してHD地図オブジェクトの座標をHD地図エポックemapに対して調整する、地図コンパイラを提供してもよい。このように、HD地図コンパイラは、地図エポックemapにおけるHD地図オブジェクトの座標とHD地図ロケーションとを表すHD地図情報を生成する。地図生成のこの方法は、HD地図作成のために収集されたセンサデータに関連付けられた異なる取得エポックと、コンパイル/生成されたHD地図情報に関連付けられた生成エポックとの間の地殻変動を補償する。
図8を参照すると、ステップ1において、該方法は、HD地図作成のために収集されたセンサデータに関連する取得エポックeacqと、地図エポックemap.との間の複数の基準ロケーションの各々の変位(すなわち、位置の変化)を示す変位地図データを取得することを含む。この例では、地図エポックが、より早い基準エポックではなく、地図生成エポックに対応するが、そのような構成は以下で説明するようにして想定することができる。この例では、基準ロケーションは、図6Bに示すように、三角形のセットの頂点を規定する。
HD地図コンパイラは、取得エポックeacqで取得されたロケーションpのセンサデータを使用して、地図エポックemapでのロケーションpのHD地図オブジェクトデータを生成する。地図取得エポックeacqから地図生成エポックemapまでのロケーションpの変位dは、以下のようにして決定され得る。
ステップ3において、ロケーションpについて、pを含む三角形Tを取得する。Tの頂点における各基準ロケーションrに対して、地図取得エポックeacqから地図生成エポックemapまでの基準ロケーションrに対する変位d(すなわち、位置の変化)を決定する(ステップ5)。次に、(上述した)重心補間を使用して、地図獲得エポックeacqから地図生成エポックemap(ステップ7)までのロケーションpの変位dを決定することができる。ステップ9において、HD地図コンパイラは、この変位dを使用して、HD地図情報のHD道路オブジェクトのロケーションの位置を調整してもよい。これは、座標をシフトすること、または一般に、道路オブジェクトのロケーションをシフトすることを含むことができ、それは、地点ロケーションではなく、拡張ロケーションによって規定することができる。
このように、HD地図コンパイラは、地図生成エポックemapで関連する絶対座標を補正するためにHD地図情報を補正することができる。この方法は、HD地図情報を生成するために使用されるセンサデータ取得エポックの差を調整することができる。
変形例では、センサデータは、基準ロケーション(例えば、RTKステーション)に対するそのロケーションを決定し、次いで、センサデータに関連付けられたロケーションを、地図エポックemapにおける基準ロケーションの位置に対して調整することができる。これは、例えば、モバイルマッピング車両によって実行されてもよい。これらの実施形態では、地図エポックは、地図の生成時間ではなく、より早い基準時間であってもよい。これは、全てのセンサデータが基準地図エポックにおけるロケーションに関連付けられるので、地図生成を単純化する。この場合、コンパイラは、取得されているデータと地図の生成時間との間の変位を補償するために、センサデータをシフトさせる必要がない。調整されたセンサデータは単に、地図エポックemapに対応する、基準時間における状況を反映する地図を提供するために使用されてもよい。
地図が生成されるときに、センサデータ、または地図をコンパイルする際に使用される他のデータが基準時間における状況を反映するように調整され得るので、例えば、上記の例に示されるように、地図エポックは、地図生成の実際の時間に対応してもよいし、対応しなくてもよいことが理解されるのであろう。これにより、同じエポックを共有して複数の地図を生成することが可能になり、地図間の互換性を保証するのに役立ち、本発明の変位地図の使用を容易にすることができる。これは、例えば、マッピング車両によって取得されたセンサデータを、所望の標準地図エポックに時間的に戻ってシフトすることによって、達成され得る。さらに、地図エポックは、必ずしも地図全体に対して共通の値である必要はないことに留意されたい。したがって、ここでの地図エポックまたは地図生成時間への言及は、考慮されている地図の少なくとも一部分、すなわち、関心ロケーションをカバーする部分に関して関連するエポックまたは時間を指す。
変位地図生成-地図エポック以降の変位
HD地図情報は、地図生成および地図配信のリソースを低減するので、比較的長い期間にわたって不変のままであることが望ましい。好ましくは、コアHD地図情報は数年間一定のままである。上述したように、HD地図(生成)エポックemapと、ローカライゼーションエポックelocとが離れすぎている場合、地殻変動は、ローカライゼーション処理において矛盾と障害を引き起こすだろう。説明される例では、地図エポックは、地図生成エポックと呼ばれ得る。しかしながら、これは、地図の生成の実際の時間に、または前述のように地図を生成する際に使用されるより早い基準時間に対応し得ることが理解されるのであろう。
地図を新しいエポックに頻繁に更新することは、HD地図を生成し、HD地図の新しいバージョンを配信するためにかなりのコストを伴うので、この問題に対する魅力的な解決策ではない。代わりに、本発明のいくつかの例示的な実装では、地図サーバが、変位情報を含む別個の地図または別個の地図レイヤを作成する。上記で概説したように、変位情報は、地殻変動の結果として、異なる時間の間、例えば、特定の関心エポックの間に生じるロケーション、例えば、基準ロケーションのネットワークにおける位置の変化を示す。したがって、本発明は、大量のデータ(地理的座標を含む)を含むHD地図を長年にわたり同じエポックに保つことを可能にし、一方で、後の1つ以上の時間に取得されたセンサデータを使用して、ローカライゼーションなどの機能を実行するために依然として使用可能である。これにより、地図コンパイルおよびHD地図配信のコストが大幅に削減される。
地図生成エポックemapから(より遅い(後の))変位エポックedisにおけるHD地図へのHD地図の変換をサポートする、変位地図データへのアクセスを地図クライアントおよびHD地図アプリケーションに提供する様々な技術が、ここで説明される。変位エポックedisは、地図生成エポックemapよりも新しいエポックである。変位エポックは、データを使用して機能を実行するためにHD地図データを更新することが望まれる任意の関心エポックに対応するか、または十分に近い可能性がある。ローカライゼーション処理でHD地図データを使用する例示的な実施形態では、変位エポックは、車両で使用されるローカライゼーションエポックelocに十分近く、その結果、これら2つのエポック間の地殻変動は無視できる。
変位地図は、それぞれが変位情報に関連付けられている複数の基準ロケーションを示すデータを含む。地殻変動の性質は、大きな地図エリアにわたって変位を類似させる。これは、変位情報の比較的効率的な符号化を確立することを可能にする。変位は、関心時間、例えばエポック間のロケーション、例えば基準ロケーションの位置の変化を指す。
第1のオプションは、地図生成エポックemapから変位エポックedisまでの基準ロケーションとその変位の比較的スパースなネットワークを使用することである。前述のように、いくつかの好ましい実施形態では、基準ロケーションのネットワークは、頂点における基準ロケーションを有する三角形Tを規定する。三角形は、互いにぴったりくっついている(tessellating)三角形である。それぞれの基準ロケーションは、emapからedisまでに発生した関連する変位(位置の変化)を有する。変位を符号化するために互いにぴったりくっついている(tessellating)三角形を使用することは、異なる三角形間の辺(エッジ)で連続的であるという利点を有する。
一例として、3つの三角形を含む図6Bを参照する。この例では、変位地図は、3つの三角形(T1,T2,T3)を含む。変位地図は、(T1,r1,r2,r3)、(T2,r1,r3,r4)、(T3,r4,r3,r5)、(r1,d1)、(r2,d2)、(r3,d3)、(r4,d4)、(r5,d5)、emap、edisの情報を含む。したがって、変位地図は、emapとedisとの間の三角形Tの頂点の変位を示すデータを含む。emapは三角形に関連付けることもできることに留意されたい。ただし、これはオプションにすぎない。edisは、変位地図のバージョン番号を使用して表現されてもよい。
ここで図9のフローチャートを参照すると、このようなデータを使用する1つの例示的な実施形態では、当該方法は、関心ロケーションpのインディケーション(指標)を受信することを含む-ステップ10。これは、地図に対するロケーションである。ステップ12において、当該方法は、関心ロケーションpについて、変位地図データを検索して、ロケーションpをカバーする三角形Tを見つけることにより、関心ロケーションpの変位dを決定することを含む。ステップ14では、当該方法は、ロケーションpを三角形Tの重心座標に変換することを含む。決定するステップは、将来の三角形探索を高速化するために、ロケーションの結果をキャッシュし、三角形をマッチングすることができる。重心座標と三角形Tの頂点の変位とを用いて、emapとedisとの間のロケーションpの変位dを計算する-ステップ18。三角形は比較的大きく、変位はこれらの三角形にわたってゆっくりとしか変化しないので、これらのステップは頻繁に行われることもあれば、以前のロケーションとはあまり違わないロケーションについての変位決定を高速化するために、以前の結果を使用することもある。ステップ20において、ロケーションpについて決定された変位dは、emapとedisとの間の地殻変動に起因して生じた変位dを補償するために、関心ロケーションpの位置を調整するために使用される。
変位地図は、HD地図のストリーミング配信サービスのほか、HD地図コンテンツの記録媒体での配信又はHD地図コンテンツファイルとしてのダウンロードのいずれにも適用可能である。これらのアプローチでは、変位地図は、地図アプリケーションによって適用することができる別個の地図である。
変位速さ地図
他の実施形態では、変位、すなわち、異なる時間、例えば、関心エポックの間のロケーションの位置の変化を示すのではなく、各基準ロケーションにおける変位速さ(スピード)を示すデータを含む変位地図が取得される。
したがって、上述の実施形態では、変位dは、エポックeaにおけるロケーションの位置paと、エポックebにおけるロケーションの位置pbとの差を示すが、別のオプションは、変位速さvを使用することである。変位速さは、以下の式によって取得されてもよい直線的に変化するロケーションpを記述する。
速さ(スピード)は、例えばd'=v*(e-ea)という式を使用することによって、任意の関心エポックにおける変位d'を決定するために使用することができる。これは、変位が、変位地図から取得されたロケーションに対する変位速さ値、および開始エポックすなわち開始時間に基づいて、時間範囲の何れか1つすなわちエポックで決定され得ることを示している。変位速さ値は、関心エポック、例えば、現在の時間と、基準開始時間ea(すなわち、エポック)との間の差と共に使用されてもよく、そこから、変位は、例えばロケーションの位置が分かっている時間(またはエポック)、例えば地図エポック、を決定することが望ましい。vは、一定速度であってもよく、より複雑な表現であってもよいことが明らかであろう。
場合によっては、変位速さは、d'=d0+v*(e-ea)という式を使用して、第1のエポックeaで存在するベース変位d0のに対する変化を記述するために使用されてもよい。
変位速さデータを含む変位地図は、変位距離データのみを含む変位地図の単一のエポックと比較してエポックの範囲の変位を決定するのに有用である。変位速さ地図はまた、その地図ロケーションの変位を決定するために、所与の(例えば、より早い)エポックにおけるロケーション、例えば地図ロケーションの位置に加えて、エポック値(すなわち、関心ロケーション、例えば地図ロケーションの位置が決定されることが望まれるエポック)の知識を必要としてもよい。
以前のセクションの変位地図の例を使用して、例の変位速さ地図は、以下のように表すことができる。
(T1,r1,r2,r3)、(T2,r1,r3,r4)、(T3,r4,r3,r5)、(r1,v1)、(r2,v2)、(r3,v3)、(r4,v4)、(r5,v5)、emap
この変位速さ地図情報を用いて、d2=v*(edis-emap)により、edisでのr2の変位d2を取得することができる。
図10を参照すると、変位速さデータを使用して関心ロケーションにおける変位を決定する方法は、以下を含むことができる。
地図エポックemapにおけるロケーションの位置に対応する地図中の関心ロケーションpのインディケーションを受信する-ステップ24。
変位地図データを検索して、ロケーションpをカバーする三角形Tを見つける-ステップ26。
ロケーションpを三角形Tの重心座標に変換する-ステップ28。
三角形Tの頂点に関連付けられた変位速さデータを使用して、emapとedisとの間の頂点ごとの変位を決定する-ステップ30。
重心座標と三角形Tの頂点の決定された変位とを使用して、emapとedisとの間のロケーションpの変位dを計算する-ステップ32。
地殻変動に起因して生じた変位dを補償するために、ロケーションpに対して決定された変位dを使用して、関心ロケーションpの位置を調整する-ステップ34。
もちろん、当該方法は、他の方法で、例えば、各頂点に関連付けられた変位速さを決定してロケーションpにおける変位速さを決定し、したがって、関連する時間の間のpにおける変位を決定することなどによって、実行することができる。
他の変形は、エポックの関数としてロケーションに対する変位を推定するためのクリギング(Kriging)のような他の補間技術を使用することができる。異なる補間技術が、変位を決定するために異なるパラメータを必要とすることは明らかであるべきである。
概要
本発明は、変位地図を生成する方法、および変位地図データを使用してロケーションデータを調整する方法を提供する。変位地図データを生成し、変位地図データを使用してロケーションデータを調整するための1つの例示的なシステムの機能図を、図11に示す。
図11は、地図座標系(すなわち、第1の基準フレーム)から車両座標系(すなわち、第2の基準フレーム)へ地図ロケーションを調整するために変位地図データが使用される、変位地図および車両環境を生成するためのサーバインフラストラクチャを示す。また、ロケーション調整は逆方向に適用することもできる。以下、本発明の種々の実施例を詳細に説明する。
変位地図サーバは、例えば、記載された実施形態のいずれかに従って、変位地図データを生成する。変位地図データは、HD地図データと、基準ロケーションデータと、基準ロケーション情報とに基づいて生成される。基準ロケーション情報は、例えば、上述のような位置の変化又は変位速さに関して、異なる時間の間の基準ロケーションの変位を示す。異なる時間は、地図に関連付けられた基準時間に対応する地図エポックと、現在のエポック、すなわち現在の時間とを少なくとも含む。したがって、変位地図データは、地図エポックと現在の時間との間の基準ロケーションの変位を示す情報を提供する変位地図データを含む。これは、様々な方法で達成することができる。例えば、1つの単純な実施形態では、変位地図データは、現在の時間と地図エポックとの間の差に基づいて、任意の所与の関心時間、すなわち現在の時間における地図エポックに対する各基準ロケーションの変位を決定するために使用され得る、各基準ロケーションに対する変位速さ(スピード)を備える。
ロケーション調整サブシステムは、現在の時間、例えばローカライゼーションの時間と地図エポックとの間の地殻変動に起因して生じたロケーションの位置の変化を補償する方法で、所与のエポック(時間)における地図座標系に対する任意のロケーションの位置を、そのエポックにおける車両座標系に対する位置へ変換することができる(その逆もまたは同様である)。
センサデータ、HD地図、変位地図を使用したローカライゼーション
次に、第1のロケーションを取得することと、第1のロケーションを使用して変位地図データを取得することと、変位地図データを処理して第1のロケーションに関連する変位を生成することとを含む方法において、HD地図データと共に使用するロケーションの位置を調整するための変位を決定する際に本発明が使用される場合に関して、本発明の実施形態を説明する。
本発明の一実施形態では、車両センサデータおよびHD地図データに基づいて絶対ローカライゼーションを提供するための方法が提供される。この方法の機能図を図12に示す。
図12は、本発明の技法を実施するための追加のロケーション調整サブシステムを有するHD地図ローカライゼーションモジュールを示す。ロケーション調整サブシステムは、変位地図サーバから変位地図データを取得する。
車両に関連付けられたセンサからのセンサデータは、ローカライゼーションモジュールのオブジェクト検出サブシステムによって受信される。この例示的な実施形態では、ローカライゼーションモジュールによって使用されるオブジェクトデータは、地図基準フレーム(車両システムから以前に変換されている)内にあり、その結果、地図マッチング処理で直接使用することができるが、他の構成を使用することもできる。オブジェクトデータは、ローカライゼーションモジュールの地図マッチングサブシステムに提供される。地図マッチングサブシステムは、検出されたオブジェクトデータとHD地図データとを使用して、検出されたオブジェクトを地図オブジェクトにマッチングする。これにより、地図基準フレームで、検出されたオブジェクトに対応する地図オブジェクトが提供される。次いで、この地図オブジェクトの位置は、ロケーション調整サブシステムに提供される。ロケーション調整サブシステムは、変位地図データを使用して、これらの時間/エポックの間のオブジェクトの位置の変位を決定することに基づいて、現在の、すなわちローカライゼーション時間/エポックと地図エポックとの間に生じた地殻変動の影響について、オブジェクトの決定されたロケーションを調整する。変位地図データが正確な現在の/ローカライゼーションエポックについてのデータを含まない場合、データが利用可能な最も近いエポック、例えば、変位地図データの最新バージョンが使用される(それは、地殻の動的変化が時間に関して比較的小さい傾向があると仮定すると、一般に、現在の変位を十分な程度に近似すべきである)。変位速さが使用される場合、これは、任意の現在の/ローカライゼーション時間のための変位を取得して使用することをより容易に可能にし得る。調整されたロケーションは、車両に提供される。
このようにして、地殻変動の影響を考慮した、車両基準フレームにおける検出されたオブジェクトのロケーションが提供される。この調整されたロケーションが出力であり、車両の位置を決定する際に使用される。ロケーション調整サブシステムはまた、ローカライゼーションが調整されたエポックを示すデータを出力してもよい。
したがって、ローカライゼーションモジュールは、地図オブジェクトマッチングサブシステムからのロケーションおよび変位地図データを使用して、絶対ロケーションを提供するように位置を調整し、それは、車両のロケーションを決定する際に使用するために出力される。絶対ロケーションは、例えばITRF2014に記載されているように、車両で使用されるような共通の基準システムに従ったロケーションである。
変形例では、HD地図ローカライゼーションモジュールは、図13Aに示すように、HD地図オブジェクトに対して動作する。これらの実施形態では、車両センサデータは、図12の実施形態のように、オブジェクト検出サブシステムに入力される。オブジェクトが一旦地図マッチングされ、位置が車両基準システムへ変換されると、地殻変動の影響を補償するための調整を行うのではなく、これらの実施形態では、ロケーション調整サブシステムが、HD地図データ自体に作用する。HD地図データは、ロケーション調整サブシステムに入力され、変位地図データは、地図オブジェクトマッチングサブシステムに入力するための調整されたHD地図データを提供するために、アクセスされてHD地図データと共に使用される。調整されたHD地図データは、地図エポックと現在時間、例えばローカライゼーション時間との間に生じる地殻変動に起因した地図オブジェクトの位置の変化を考慮するために、変位地図データを使用して、初期HD地図データによる地図オブジェクトの位置がシフトされた地図データである。したがって、HD地図データは、初期の、第1の基準フレームから第2の、調整された基準フレームにシフトされたと考えることができる。ロケーション調整サブシステムは、調整が実行されたエポックを出力することができる。
調整されたHD地図データに関連して、オブジェクトの地図マッチングを実行することができる。調整されたHD地図データに従って決定されたオブジェクトのロケーションの決定された位置は、地殻変動の影響について既に調整されたオブジェクトの位置を提供する。このように、最初にHD地図データ自体を調整することによって、特定のエポック、例えば、ローカライゼーションエポックに対する複数のオブジェクトの地図マッチングは、オブジェクトごとに検出されたオブジェクトのロケーションを調整することを必要とするのではなく、より効率的に実行されることができる。
次に、図13Aのローカライゼーションモジュールを使用する方法の一実施形態を、図13Bを参照して説明する。
ステップ40において、初期の地図基準フレーム内のHD地図データによる地図オブジェクトの位置が決定される。
ステップ42において、地図エポックからより遅い(後の)ローカライゼーションエポックへの各位置の変位が決定される。
ステップ44において、地図データを提供するための地図オブジェクトの位置は、更新された地図基準フレームにおいて地図データを提供するように調整される。
ステップ46において、検出されたオブジェクトを示すデータが受信される。
ステップ48において、調整された地図データを使用して、検出されたオブジェクトに対応する地図オブジェクトが検出される。
ステップ50において、調整された地図データに従った地図オブジェクトの位置が出力される。
さらに別の変形例では、ローカライゼーション調整は、取得されたHD地図情報、例えば地図オブジェクトに関連して実行されてもよい。この変形例は、図14により詳細に示されている。
図14は、車両に関連するHD地図クライアントを示す。HD地図クライアントは、車両(図示せず)のコンピューティングインフラストラクチャ内のHD地図アプリケーションからHD地図オブジェクト要求を受信する。HD地図クライアントは当該要求を通常通りに処理し、関連するHD地図データを取得し、要求されたHD地図オブジェクトを抽出する。しかしながら、地図オブジェクトは次に、ロケーション調整サブシステムに提供される。ロケーション調整サブシステムは、地図オブジェクトを受信し、オブジェクトの座標などの位置を、車両で使用されているような共通座標系に調整する。したがって、地図オブジェクトの位置は、地図基準フレームから車両基準フレームへ変換される。しかしながら、この変換は、地殻変動の影響を調整する方法で実行される。ロケーション調整サブシステムは、変位地図データを使用して地図オブジェクトの位置、すなわち座標の変位を決定し、車両システムの基準フレーム内の調整された地図オブジェクトの位置を出力として提供する。
ロケーション調整サブシステムは、地図オブジェクトの変位を示すデータと、HD地図アプリケーションによる任意の使用のための地図オブジェクトを示すデータとを関連付けることができる。
大規模地図リリース後のHD地図更新
実施形態は、位置が地図生成エポックからより遅い(後の)ローカライゼーションエポックに調整される場合を特に参照して説明されてきたが、本発明は、いずれかの方向における他のエポック調整、例えば、より遅い(後の)エポックからより早い(前の)地図生成エポックへの調整に等しく適用可能である。例えば、場合によっては、HD地図コンパイラは、道路ネットワークの変化または検出可能な地理空間的オブジェクトに起因して、地図エリアの比較的小さい部分に更新を提供する必要がある場合がある。これは、HD地図全体の再コンパイルを回避するために、地図コンパイラが、より遅い(後の)取得エポックからより早い(前の)地図(生成)エポックへの変位を生成することを必要とし得る。いくつかの実施形態では、変位地図データは、より遅い(後の)取得エポックからより早い(前の)地図生成エポックまでの感知されたオブジェクトの位置の変位を決定するために使用される。
タイルベースの変位(グローバル地図ベースではなくタイルベースの変位)
本発明によれば、その態様または実施形態のいずれかにおいて、本技法が使用されるデジタル地図は、複数のレベル(またはレイヤ)を含むことができ、各レベルは、上述の方法で複数のタイルに分割される。すなわち、タイルは、複数のそれぞれのレベルに構成(アレンジ)することができ、したがって、各地図タイルは、地図のその関連するレベルについてのオブジェクト情報を含むことができる。例えば、地図の異なるレベルを使用して、異なるタイプのオブジェクトデータを記憶することができる。したがって、各地図レベルは、利用可能な地図情報のサブセットを含むことができる。例えば、地図のベースレベルは、基本的な道路幾何形状情報(例えば、ナビゲート可能な(例えば、道路)ネットワークを規定するアーク(弧)及びノードのセット)を含むことができる。その後、異なるタイプのオブジェクトおよび/または属性を、地図内の段階的に高いレベルにおいて格納することができる。この構造は、有利なことに、地図データを必要とする地図ベースのアプリケーションが、どの情報がアプリケーションによって必要とされるかに応じて、地図ベースのアプリケーションのための関連情報(のみ)を抽出することが可能であるように、任意のレベルから地図データを抽出することを可能にする。
本発明は一般に、デジタル地図データの生成および提供の文脈において使用され得る。特に、本発明は、高精度デジタル地図データの提供に関連して使用することができる。そのような地図は、典型的には道路、道路レーン、ジャンクション、交通情報、関心地点、および多くの他のタイプの情報を含む複雑なデータ構造であることが理解されるのであろう。したがって、地図ベースのアプリケーションを動作させる車両に局所的に記憶されなければならないデータの量を低減するために、および/または地図データを車両に送信するために必要とされる帯域幅を低減するために、デジタル地図によって表される全体エリアは、データ記憶目的のために複数のより小さいエリア領域に分割されてもよく(および本発明のいくつかの実施形態では分割され)、その結果、デバイスは、その現在位置および/または予測された運転経路に関連する領域に関するデータを取り出すだけでよい。本発明では、マッピング目的のために全体エリアが分割されるより小さいエリア領域を、「タイル」と呼ぶ。しかし、他の同等の用語を使用することができ、用語「タイル」は、デジタル地図が分割される領域の形状またはサイズに対するいかなる特定の制限も意味しないことが理解されるのであろう。
このようなタイルベースのアプローチの使用は、様々な地図データソースから地図データを必要とする車両への地図データのより効率的な送信および配信を提供するのに役立ち得る。例えば、タイルベースのアプローチの利点は、サーバにおいて(または複数のサーバにおいて)異なるソースからの地図データを、それぞれのタイルのセットに容易にコンパイルし、次に、タイルによってカバーされる領域の地図データを必要とする車両へ、関連する地図データを、例えばタイルごとに、配信または提供することが可能であることである。タイルデータ構造は、必要に応じて車両環境内で実行される様々な地図ベースのアプリケーションに配布され得る所望の(地図)オブジェクトデータを抽出するために、例えば車両に搭載された1つ以上のプロセッサ上で実行される適切なクライアントアプリケーション(インターフェース)によってアンパックされる。
もちろん、タイルベースのアプローチが使用される必要はない。
いくつかの実施形態では、変位地図は、変位地図レイヤに含まれて配信されてもよい。そのような一実施形態では、地図タイルは、その地図タイルに関連する変位三角形を含む。そのような一実施形態が図15に示されている。
図15は、6つの三角形及び4つの地図タイルを有する変位地図を示す。タイルおよび三角形は、同等のサイズである。地図タイルMx,y+1は、6つの三角形すべてを参照する必要があり、Mx+1,y+1は、3つの三角形のみを必要とする。
より大きな三角形の場合、状況は図16に示すように異なる。
図16は、多数の地図タイルMにわたる大きな三角形Tを示している。この場合、地図タイルMx,yは、三角形Tの情報のみを含む。
図16の例は、地図タイルよりも実質的に大きい三角形を示す。したがって、変形実施形態は単一の変位値、例えば、ベクトルと、HD地図レイヤの地図タイルとを関連付けることができる。これらの地図タイルの各々には、単一の変位値を割り当てることができる。このような変形は、変位をメッシュグリッドとして配信することができる。一般に、変位は比較的近いセルについて一般に類似しているので、そのような変位地図は、圧縮技法(ランレングス符号化、画像圧縮、DCT符号化など)を使用して効率的に符号化することができる。この変形例は、変位速さ地図または他のタイプの変位補間地図を配信するためにも使用できる。これらの変形例の地図のパラメータは、(小さな地図タイルのセットを表す)メッシュグリッドとして符号化し、配信することができる。
データが必要とされる文脈、およびシステム能力などに応じて、異なるフォーマットの変位地図データが使用され得ることが理解されるのであろう。地図タイルを使用する変形は、三角形の符号化のみを使用する別個の変位地図よりも、そのような効率的な符号化を提供することを可能にしないが、特定の状況において他の利点を提供し得る。
前述の詳細な説明は、例示および説明の目的で提示されている。これは、網羅的であること、または本明細書に記載された技術を開示された厳密な形態に限定することを意図していない。上記の教示に照らして、多くの修正および変形が可能である。記載された実施形態は、本明細書に記載された技術の原理およびその実際の応用を最もよく説明するために選択され、それによって、他の当業者が様々な実施形態において、および意図された特定の使用に適した様々な修正を伴って、本明細書に記載された技術を最もよく利用することを可能にした。したがって、本明細書、図面、および/または特許請求の範囲に開示される特徴は、単独で、またはそれらの様々な組合せで、様々な実施形態を実現するための材料とすることができる。さらに、本発明を様々な実施形態を参照して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。