JP2022546037A - Cd73阻害剤の結晶形態 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CD73の活性を阻害し、かつがんを治療するのに有用である、5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態、およびこれを含む医薬組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、CD73の活性を阻害し、かつがんを治療するのに有用である、5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態、およびこれを含む医薬組成物に関する。
5’-ヌクレオチダーゼまたはエクト-5’ヌクレオチダーゼ(EC3.1.3.5)としても既知のCD73は、5’モノヌクレオチドをヌクレオシドに変換する酵素である。CD73は、多くの組織において発現し、がん組織において上方調節され、CD73経路は、アデノシン受容体シグナル伝達を介して抗腫瘍T細胞免疫を制限することにより腫瘍の増殖を促進する(Zhang B,Cancer Research 2010;70:6407-6411、Antonioli L,et al.,Drug Discovery Today 2017;22:1686-1696)。CD73欠損マウスは、抗腫瘍免疫が増大しており、実験的転移に対して耐性である(Stagg J,et al.,Cancer Research 2011;71:2892-2900)。腫瘍CD73によって生成された細胞外アデノシンは、腫瘍微小環境において蓄積し、抗腫瘍T細胞免疫を損ない(Zhang B、Antonioli L)、腫瘍による免疫逃避、腫瘍細胞の増殖、移動、血管新生、転移、および化学療法抵抗性と関連している(Inoue Y,et al.,Oncotarget 2017;8:8738-8751)。また、CD73発現の増加は、免疫抑制の増加と関係しているとも報告されている(Jin D,et al.,Cancer Res.70:2245-2255(2010))。
ひいては、CD73経路が免疫抑制効果を発揮し、CD73経路を遮断することががんの治療において有用であり得ることが示唆されている(Allard D,et al.,Immunotherapy 2016;8:145-163)。CD73阻害剤は、がんの治療用に臨床試験中である(Hay CM,et al.,Oncoimmunol.2016;5(8):e1208875、Allard D)。
「CD73阻害剤」と題された米国特許出願第16/481,146号は、国際出願第PCT/US2019/019074号の米国国内段階であり、以下の化合物:
Figure 2022546037000001
(式I、これは、5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンである)を含む、ある特定のCD73阻害剤分子を開示している。
したがって、本発明は、化合物:
Figure 2022546037000002
(5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン)
の結晶形態を提供する。
好ましい実施形態では、結晶形態は、化合物:
Figure 2022546037000003
(5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン)
のものである。
本発明はまた、化合物5-[5-[-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。好ましい実施形態では、医薬組成物は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む。
結晶形態1
1つの好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも500gの式:
Figure 2022546037000004
で示される化合物(5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン)の無水結晶形態を含む組成物を提供する。
別の好ましい実施形態では、組成物における無水結晶形態は、(a)0.2度の回折角の許容差を有する、11.7°、15.8°、16.0°、26.8°、および27.2°でのピークのうちの1つ以上と組み合わせた、4.7°の回折角2シータでのX線回折パターンのピーク、ならびに(b)25.4、28.9、43.1、109.3、124.4、128.2、および160.7ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトル、のうちの少なくとも1つを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、無水結晶形態は、16.6、18.3、20.7、22.1、23.9、26.6、27.6、28.1、30.2、31.2、32.2、38.6、39.7、41.2、111.0、112.0、130.7、145.1、146.3、150.1、151.0、153.4、156.7、157.6、158.6、159.3、160.7、163.4、165.9、169.4、および170.2ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とする1つ以上のピークを含む、13C固体NMRスペクトルをさらに特徴とする。
別の好ましい実施形態では、無水結晶形態は、16.6、18.3、20.7、22.1、23.9、25.4、26.6、27.6、28.1、28.9、30.2、31.2、32.2、38.6、39.7、41.2、43.1、109.3、111.0、112.0、124.4、128.2、130.7、145.1、146.3、150.1、151.0、153.4、156.7、157.6、158.6、159.3、160.7、163.4、165.9、167.0、169.4、および170.2ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトルを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、組成物中の無水結晶形態は、化合物5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのものである。
別の好ましい実施形態では、組成物は、混入物を少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%含まない。別の好ましい実施形態では、組成物は、混入物を少なくとも95%含まない。別の好ましい実施形態では、組成物は、混入物を少なくとも96%含まない。別の好ましい実施形態では、組成物は、混入物を少なくとも97%含まない。別の好ましい実施形態では、組成物は、混入物を少なくとも98%含まない。別の好ましい実施形態では、組成物は、混入物を少なくとも99%含まない。
別の好ましい実施形態では、組成物は、造粒組成物である。別の好ましい実施形態では、造粒組成物は、湿潤造粒組成物である。別の好ましい実施形態では、造粒組成物は、乾燥造粒組成物である。
別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000kgの組成物を含む製造容器を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1kgの組成物を含む製造容器を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも5kgの組成物を含む製造容器を提供する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、組成物と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
結晶形態2
別の好ましい実施形態では、結晶形態は、式:
Figure 2022546037000005
で示される化合物(5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン)の脱溶媒和(無水)結晶形態であり、これは、(a)0.2度の回折角の許容差を有する、6.4°、9.6°、11.0°、および11.6°でのピークのうちの1つ以上と組み合わせた、4.3~5.5°の回折角2シータでのX線回折パターンのピーク、ならびに(b)17.2、28.7、122.0、126.1、143.6、および155.5ppm(それぞれ、±0.2のppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトル、のうちの少なくとも1つを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、4.3~5.5°の回折角2シータでのX線回折パターンのピークは、4.3°の回折角2シータにある。
別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、18.9、21.1、22.5、24.4、26.7、27.8、29.7、39.7、41.3、45.5、50.1、110.7、111.7、112.4、125.0、129.1、144.8、146.2、147.2、149.9、151.1、153.0、155.5、157.2、159.0、160.6、161.4、162.7、164.8、167.0、168.3、および170.4ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とする1つ以上のピークを含む、13C固体NMRスペクトルをさらに特徴とする。
別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、17.2、18.9、21.1、22.5、24.4、26.7、27.8、28.7、29.7、39.7、41.3、45.5、50.1、110.7、111.7、112.4、122.0、125.0、126.1、129.1、143.6、144.8、146.2、147.2、149.9、151.1、153.0、155.5、157.2、159.0、160.6、161.4、162.7、164.8、167.0、168.3、および170.4ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトルを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、混入物を少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%含まない。別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、混入物を少なくとも95%含まない。別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、混入物を少なくとも96%含まない。別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、混入物を少なくとも97%含まない。別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、混入物を少なくとも98%含まない。別の好ましい実施形態では、脱溶媒和物(無水)結晶形態は、混入物を少なくとも99%含まない。
別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも100、200、300、400、500、または1000gの脱溶媒和物(無水)結晶形態を含む組成物を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも100gの脱溶媒和物(無水)結晶形態を含む組成物を提供する。別の好ましい実施形態では、組成物は、造粒組成物である。別の好ましい実施形態では、造粒組成物は、湿潤造粒組成物である。別の好ましい実施形態では、造粒組成物は、乾燥造粒組成物である。
別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000kgの脱溶媒和物(無水)結晶形態を含む製造容器を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1kgの脱溶媒和物(無水)結晶形態を含む製造容器を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、脱溶媒和物(無水)結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤と、を含む、医薬組成物を提供する。
結晶形態3
別の好ましい実施形態では、本出願は、式:
Figure 2022546037000006
で示される化合物(5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン)の半水和物結晶形態を提供する。
別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、(a)0.2度の回折角の許容差を有する、16.4°、17.8°、および26.6°でのピークのうちの1つ以上と組み合わせた、5.0°の回折角2シータでのX線回折パターンのピーク、ならびに(b)23.5、34.6、110.2、124.1、126.8、および166.2ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトル、のうちの少なくとも1つを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、16.5、18.9、19.6、20.4、22.6、24.4、26.0、27.4、28.3、30.0、30.9、38.4、40.5、110.8、130.4、131.2、146.0、147.1、150.4、151.2、153.4、157.1、157.7、158.3、159.6、163.1、および169.7ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とする1つ以上のピークを含む、13C固体NMRスペクトルをさらに特徴とする。
別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、16.5、18.9、19.6、20.4、22.6、23.5、24.4、26.0、27.4、28.3、30.0、30.9、34.6、38.4、40.5、110.2、110.8、124.1、126.8、130.4、131.2、146.0、147.1、150.4、151.2、153.4、157.1、157.7、158.3、159.6、163.1、166.2、および169.7ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトルを特徴とする。
別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、混入物を少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%含まない。別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、混入物を少なくとも95%含まない。別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、混入物を少なくとも96%含まない。別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、混入物を少なくとも97%含まない。別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、混入物を少なくとも98%含まない。別の好ましい実施形態では、半水和物結晶形態は、混入物を少なくとも99%含まない。
別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも100、200、300、400、500、または1000gの半水和物結晶形態を含む組成物を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも100gの半水和物結晶形態を含む組成物を提供する。
別の好ましい実施形態では、組成物は、造粒組成物である。別の好ましい実施形態では、造粒組成物は、湿潤造粒組成物である。別の好ましい実施形態では、造粒組成物は、乾燥造粒組成物である。
別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000kgの半水和物結晶形態を含む製造容器を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1kgの半水和物結晶形態を含む製造容器を提供する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、半水和物結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。
治療方法
本発明はまた、がんを治療するための方法を提供し、この方法は、その治療を必要とする患者に、有効量の化合物5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態を投与することを含む。
別の好ましい実施形態では、がんは、膀胱がん、乳がん、胆管がん、結腸直腸がん、結腸がん、胃がん、胆嚢がん、膠芽腫、頭頸部がん、肝がん、肺がん、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、または腎がんである。一実施形態では、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。別の実施形態では、肺がんは、非小細胞肺がんである。
本発明はまた、治療に使用するための化合物5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態を提供する。
本発明はまた、がんの治療に使用するための化合物5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態を提供する。好ましい実施形態では、結晶形態は、化合物5-[5-[(1S,2S)-2-エチルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのものである。
本発明はまた、がんの治療のための医薬品の製造における化合物5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態を提供する。
CD73阻害剤治療から利益を得ることができる対象には、非小細胞肺がん、膀胱がん、および黒色腫などの抗PD1/PDL-1阻害剤に対して耐性であるかまた不応性である腫瘍に罹患している対象;非小細胞肺がん、膀胱がん、黒色腫、結腸、および膵臓などのEGFR/BRAF/Kras変異がんに罹患している患者;トリプルネガティブ乳がんなどのエストロゲン受容体(-)がんに罹患している患者;膵がんおよび結腸直腸がんなどのCD73の発現レベルが高い対象が含まれる。所望の場合、このような対象は、IHCアッセイによって測定される場合、腫瘍内の高いCD73発現レベルの存在に基づいて;またはRT-PCRアッセイによって検出される場合、腫瘍内のEGFRおよびBRAFの変異の存在に基づいて;またはIHCアッセイもしくはRT-PCRアッセイによって検出される場合、腫瘍内のエストロゲン受容体の欠損に基づいて;またはLC-MSアッセイによって検出される場合、腫瘍内もしくは血漿中の高レベルのアデノシンおよびAMPの存在に基づいて、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を用いた療法のために選択することができる。薬力学的評価のために、本明細書に記載のLC-MSに基づくエクスビボアッセイを使用して、血中におけるアデノシンへのAMPの変換に対するCD73阻害剤の効果を測定することができる。
好ましい実施形態では、患者は、血清CD73活性が決定されている患者である。1つの好ましい実施形態では、「CD73活性を決定すること」は、CD73活性が存在するかどうかを決定することを意味する。CD73発現またはCD73活性のレベルを決定するための方法は、当業者に既知であり、例えば、S Morello,et al.,J.Trans.Med.2017;15:244を参照されたい。別の好ましい実施形態では、「CD73活性を判定すること」は、CD73によるアデノシンへのAMPの変換レベルを定量化することを意味し、CD73活性のレベルを定量化することを容易にするLC-MSに基づくアッセイが本明細書に提供される。
別の好ましい実施形態では、患者は、組織内のCD73発現が決定されている患者である。別の実施形態では、組織は、腫瘍組織である。組織におけるCD73発現のレベルを決定するための方法は、当業者に既知であり、例えば、ウェスタンブロットまたは免疫組織化学を使用する(X-R Wu,et al.,J.Surg.Oncol.2012;106:130-137)。
一実施形態では、本発明は、がんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の抗腫瘍薬と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。抗腫瘍薬の非限定的な例としては、ラムシルマブ、ネシツムマブ、オララツマブ、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ガルニセルチブ、アベマシクリブ、ゲフィチニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、シスプラチン、カルボプラチン、ダカルバジン、リポソームドキソルビシン、ドセタキセル、シクロホスファミドおよびドキソルビシン、ナベルビン、エリブリン、パクリタキセル、注射懸濁液のためのパクリタキセルタンパク質結合粒子、イクサベピロン、カペシタビン、FOLFOX(ロイコボリン、フルオロウラシル、およびオキサリプラチン)、FOLFIRI(ロイコボリン、フルオロウラシル、およびイリノテカン)、セツキシマブ、EGFR阻害剤、Raf阻害剤、B-Raf阻害剤、ERK阻害剤、CDK4/6阻害剤、イドレラミン2,3-ジオキシゲナーゼ阻害剤、TGFβ阻害剤、ならびにTGFβ受容体阻害剤が挙げられる。
別の実施形態では、本発明は、がんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の免疫腫瘍薬と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。1つの好ましい実施形態では、免疫腫瘍薬は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CD137アゴニスト抗体、または抗CTLA4抗体である。免疫腫瘍薬の非限定的な例としては、ニボルマブ、イピリムマブ、ピジリズマブ、ペンブロリズマブ、トレメリムマブ、ウレルマブ、リリルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、および抗PD-L1抗体LY3300054(その重鎖および軽鎖配列は、それぞれ配列番号10および11として、WO2017/034916およびUS2017/0058033に記載されている)。1つの好ましい実施形態では、免疫腫瘍薬は、抗PD-1抗体である。別の好ましい実施形態では、免疫腫瘍薬は、抗PD-L1抗体である。別の好ましい実施形態では、化合物は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンであり、免疫腫瘍薬は、LY3300054である。
一実施形態では、本発明は、非小細胞肺がんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。1つの好ましい実施形態では、他の薬剤は、オシメルチニブ、セツキシマブ、またはアベマシクリブである。別の好ましい実施形態では、他の薬剤は、オシメルチニブである。別の好ましい実施形態では、他の薬剤は、セツキシマブである。別の好ましい実施形態では、他の薬剤は、アベマシクリブである。
別の好ましい実施形態では、本発明は、黒色腫を治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。1つの好ましい実施形態では、他の薬剤は、BRAF阻害剤、抗PD-1抗体、または抗PD-L1抗体である。別の好ましい実施形態では、他の薬剤は、BRAF阻害剤である。別の好ましい実施形態では、他の薬剤は、抗PD-1抗体である。別の好ましい実施形態では、他の薬剤は、抗PD-L1抗体である。別の好ましい実施形態では、抗PD-L1抗体は、LY3300054である(その重鎖および軽鎖配列は、それぞれ配列番号10および11として、WO2017/034916およびUS2017/0058033に記載されている)。
別の好ましい実施形態では、本発明は、結腸直腸がんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。1つの好ましい実施形態では、他の薬剤は、アベマシクリブである。別の好ましい実施形態では、化合物は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンであり、他の薬剤は、アベマシクリブである。
別の好ましい実施形態では、本発明は、膵がんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。1つの好ましい実施形態では、他の薬剤は、アベマシクリブである。別の好ましい実施形態では、化合物は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンであり、他の薬剤は、アベマシクリブである。
別の好ましい実施形態では、本発明は、トリプルネガティブ乳がんを治療する方法を提供し、この方法は、有効量の本明細書に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、別の薬剤と同時、別個、または連続した組み合わせで投与することを含む。1つの好ましい実施形態では、化合物は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンである。
上記および本発明の説明全体を通して使用される場合、以下の用語は、別段示されない限り、以下の意味を有するものとする。
「薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤」は、哺乳動物、例えばヒトへの生物学的に活性な薬剤の送達のために当該技術分野において概して許容されている媒体である。
「治療」、「治療する」、「治療すること」などの用語は、障害の進行を遅延または反転させることを含むことを意味する。また、これらの用語は、障害または状態が実際に排除されていない場合でも、かつ障害または状態の進行自体が遅延または反転されない場合でも、障害または状態の1つ以上の症状を緩和、寛解、減衰、排除、または軽減することも含む。
「有効量」は、治療している臨床医によって患者の生物学的もしくは医学的応答または患者に対する所望の治療効果を誘起させるであろう、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物の量を意味する。一実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、インビトロまたはエクスビボCD73酵素アッセイにおいて、アデノシンへのAMPの変換を阻害する。別の実施形態では、化合物またはその薬学的に許容される塩は、異なる用量の化合物を用いて処置した動物由来のマウス全血においてアデノシンへのAMPの変換を阻害する。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、ヒトを示す。
有効量は、当業者のような担当診断医により、既知の技法の使用により、および同様の状況下で得られた結果を観察することにより、容易に決定され得る。患者のための有効量を決定する際には、担当診断医によって多数の要因が考慮され、これらの要因には、患者の人種;患者のサイズ、年齢、および全体的な健康状態;関与する特定の疾患または障害;疾患または障害の程度または関与もしくは重症度;個々の患者の応答;投与される特定の化合物;投与の様式;投与される調製物の生物学的利用能の特性;選択された投与レジメン;付随する薬物の使用;ならびに他の関連する状況が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、好ましくは、経口、静脈内、および経皮経路を含む、化合物を生物学的に利用可能にする任意の経路によって投与される医薬組成物として製剤化される。最も好ましくは、そのような組成物は、経口投与用である。そのような医薬組成物およびそれらを調製するための方法は、当該技術分野において周知である。(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy,Editor,21st Edition,Lippincott,Williams&Wilkins,2006を参照されたい)。
本発明の化合物が塩を形成することができるということは、当業者により理解されるであろう。本発明の化合物は、塩基性複素環を含有し、したがって、多数の無機酸および有機酸のうちのいずれかと反応して、薬学的に許容される酸付加塩を形成する。このような薬学的に許容される酸付加塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は、当該技術分野において周知である。例えば、P.Stahl et al.,HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS:PROPERTIES,SELECTION AND USE,(VCHA/Wiley-VCH,2008)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩(複数可)」は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機塩(複数可)および有機塩(複数可)を指す(S.M.Berge,et al.,「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol 66,No.1,January 1977)。
本明細書で使用される場合、「造粒組成物」は、造粒形態の組成物を指し、これは、医薬品製造プロセスにおいて、医薬組成物の前身となる組成物である。
本明細書で使用される場合、「製造容器」は、医薬品容器の製造に用いられるが、医薬品化学実験室においては使用されない容器を指す。製造容器の例としては、ホッパーコレクタ、ベッド、乾燥機のベッド、造粒機のベッド、乾燥機のトレイ、造粒機のバケツ、および混合用ボウルが挙げられるが、これらに限定されない。
式Iの化合物は、当該技術分野において周知かつ認識されている合成方法によって調製することができる。これらの反応のステップに好適な反応条件は、当該技術分野において周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換は、当該技術分野の技術の範囲内である。同様に、合成中間体は、必要または所望に応じて、様々な周知の技法によって単離および/または精製され得ること、ならびに多くの場合、様々な中間体は、ほとんどまたは全く精製することなく、その後の合成ステップにおいて直接使用することが可能であることが、当業者によって理解されるだろう。さらに、当業者は、いくつかの状況において、部分が導入される順序が重要ではないことを認識するであろう。本発明の化合物を製造するために必要とされるステップの特定の順序は、当業者によって十分に認識されているように、合成されている特定の化合物、出発化合物、および置換された部分の相対的な傾向に依存する。すべての置換基は、別段示されない限り、以前に定義されたとおりであり、すべての試薬は、当該技術分野において周知かつ認識されている。
本明細書で使用される場合、以下の用語は、示される意味を有する:「ACN」はアセトニトリルを指し、「DAST」は三フッ化ジエチルアミノ硫黄を指し、「DCM」はジクロロメタンを指し、「DMAP」は、4-ジメチルアミノピリジンを指し、「dmso」または「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを指し、「ee」は鏡像体過剰率を指し、「ES/MS」は、エレクトロスプレー質量分析法を指し、「EtOAc」は酢酸エチルを指し、「EtO」はジエチルエーテルを指し、「FBS」は、ウシ胎児血清を指し、「GC-MS」はガスクロマトグラフィー-質量分析法を指し、「HBSS」はハンクス平衡塩溶液を指し、「IC50」は最大半値の阻害濃度を指し、「LAH」は水素化アルミニウムリチウムを指し、「LC-ES/MS」は液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析法を指し、「MS」は質量分析法を指し、「MeOH」はメタノールを指し、「MTBE」はメチルtert-ブチルエーテルを指し、「nBuLi」は、n-ブチルリチウムを指し、「nm」はナノメートル(複数可)を指し、「NMR」は核磁気共鳴を指し、「OAc」はアセテートを指し、「psi」はポンド/平方インチを指し、「RT」は室温または周囲温度を指し、「SCX」は、強カチオン交換を指し、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを指し、「SAr」は芳香族求核置換を指し、「TEA」はトリエチルアミンを指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「t」は保持時間を指し、「w/w」は、溶液中の重量/重量比を指す。
式Iの化合物は、以下のスキームにおいて例示されるように合成され得る。
Figure 2022546037000007
スキーム1は、式Iの化合物の調整を図示する。周知のSuzuki型条件を使用して、市販の(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸1を4,6-ジクロロ-3-メチル-ピリダジンとカップリングすることができる。3のクロロ部分と、適切に置換されたトランス-シクロプロピルボロネートとのその後のSuzukiカップリングを達成して、4を得ることができる。当業者であれば、化合物4の鏡像異性体が、当該技術分野において周知のキラル分離技法を使用して分離することができることを認識するであろう。式Iの化合物は、当該技術分野において十分に説明されている一連の脱メチル化条件下で、4におけるメトキシ基の脱保護により調製することができる。
Figure 2022546037000008
スキーム2は、式IIの化合物を調製するために必要とされる必須のシクロプロピルボロン酸エステルを図示する。当業者であれば、適切に置換されたアルキン5のヒドロホウ素化が、一連の条件下で、特にCuまたはZrなどの遷移金属触媒の存在下でもたらされ、アルケニルボロネート6を得ることができることを認識するであろう。アルケニルボロネートは、Simmons-Smithシクロプロパン化、Corey-Chaykovsky反応、および遷移金属触媒を用いた(例えば、Cu、Pd、またはNi)および用いない(例えば、熱的にまたは光化学的に)場合の両方のジアゾメタン(またはジアゾ化合物)によるシクロプロパン化の方法などの、当該技術分野において周知の安定化カルベノイド型条件下でシクロプロパン化して、適切に置換されたトランス-シクロプロピルボロネート7を得ることができる。当業者であれば、熱力学的に好ましいシクロプロパン化生成物が、7中のトランス鏡像異性体の混合物であることを認識するであろう。
Figure 2022546037000009
スキーム3は、式IIIの化合物のキラル合成を図示する。適切に置換されたアミノ酸8を、修飾されたSandmeyer条件(ラジカルSAr)下でジアゾ化して9を得ることは、当該技術分野において周知である。アルコール10へのその後の還元は、還元剤として水素化アルミニウムおよびジボランを含む、当該技術分野において周知の一連の還元剤を利用して達成することができる。塩基性条件下でのキラルエポキシド11への環化は、当該技術分野において十分に説明されている。立体選択的なHorner-Wadsworth-Emmons反応は、キラルエポキシド11を好適なホスホン酸エステル(例えば、エチル2-ジエトキシホスホリルアセテートまたはトリエチルホスホノアセテート)および好適な塩基(例、アルキルリチウム、金属アルコキシド、または金属水素化物)を用いて処理することによって使用して、トランス-シクロプロパン誘導体12を得ることができる(例えば、L.Delhaye;A.Merschaert;P.Delbeke;W.Brione.Org.Proc.Res.&Dev.2007,11,689-692を参照されたい。)化合物12の対応する酸13への加水分解は、当該技術分野において十分に説明されている広範な塩基性条件下で達成することができる。酸13と、適切に置換されたN-ヒドロキシフタルイミドとのその後のカップリングは、当該技術分野において十分に説明されており、好適な酸活性化剤、例えば、カルボニルジイミダゾールを、弱い非求核性塩基の存在下で利用して、化合物14を調製する。N-ヒドロキシフタルイミドエステル14の脱カルボキシル化ボリル化は、遷移金属触媒の存在下で(例えば、Suzuki-Miyaura反応)、光分解条件下で、または、例えば、ピリジン-ボロンラジカルによって容易にされるラジカルカップリングにおけるN-ヒドロキシフタルイミドエステルとジホウ素との錯体形成を含む、単一電子移動反応によることを含む、当該技術分野において既知の多くの条件下で達成されて、トランス-シクロプロパンボロネート15を得ることができる。(例えば、W.-M.Cheng;S.Rui;B.Zhao;W.-L.Xing;Y.Fu.Org.Lett.2017,19,4291-4294を参照されたい。)ボロネート15と塩化アリール4とのカップリングおよびその後の脱メチル化は、スキーム1において説明されるものと同様に実施され、式IIIのキラル化合物型を得ることができる。
調製および実施例
以下の調製および実施例は、本発明をさらに例示し、本発明の化合物の典型的な合成を表すが、いかなる方法においても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。試薬および出発材料は容易に入手可能であるか、または当業者によって容易に合成することができる。調製および実施例は、限定ではなく例示のために記載され、当業者により様々な変更が行われ得ることを理解すべきである。
LC-ES/MSは、Agilent HP1100液体クロマトグラフィーシステム上で実施する。エレクトロスプレー質量分析測定(ポジティブおよび/またはネガティブモードで獲得)は、HP1100 HPLCにインターフェース接続された質量選択検出器四重極質量分析計上で実施する。LC-MS条件(低pH):カラム:PHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)NX C-18 2.1×50mm 3.0μm;勾配:5~100%のBで3分間、次いで100%のBで0.75分間;カラム温度:50℃+/-10℃;流量:1.2mL/分;溶媒A:0.1%HCOOH含有脱イオン水;溶媒B:0.1%ギ酸含有ACN;波長:214nm。代替的なLC-MS条件(高pH):カラム:WATERS(商標)XTERRA(登録商標)MS C-18カラム2.1×50mm、3.5μm;勾配:5%の溶媒Aで0.25分、5%~100%の勾配の溶媒Bで3分間、および100%の溶媒Bで0.5分間、または10%~100%の溶媒Bで3分間、および100%の溶媒Bで0.75分間;カラム温度:50℃±10℃;流量:1.2mL/分;溶媒A:10mMのNHHCO(pH9);溶媒B:ACN;波長:214nm。
分取逆相クロマトグラフィーは、質量選択検出器質量分析計およびLeapオートサンプラ/フラクションコレクタを備えたAgilent 1200 LC-ES/MS上で実施する。高pH方法は、75×30mmのPHENOMENEX(登録商標)GEMINI(登録商標)-NX、10×20mmのガードを備えた5μm粒径カラムで実行する。85mL/分の流量。溶離液は、ACN中10mMの重炭酸アンモニウム(pH10)である。
NMRスペクトルは、参照標準として残留溶媒[CDCl、7.26ppm、(CDSO、2.50ppm]を使用して、Bruker AVIII HD 400MHz NMR分光計上で実施し、ppmで報告されるCDClまたは(CDSO溶液として得る。ピーク多重度を報告する場合、以下の省略形を使用し得る:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、br-s(広帯一重項)、dd(二重項の二重項)、dt(三重項の二重項)。結合定数(J)を報告する場合、ヘルツ(Hz)で報告する。
調製1
4,4,5,5-テトラメチル-2-[(E)-3-メチルブタ-1-エニル]-1,3,2-ジオキサボロラン
Figure 2022546037000010
ピナコールボラン(9.5ml、64mmol)を、氷冷3-メチルブタ-1-イン(4.91g、72.0mmol)に5分間かけて滴下する。圧力容器を密封し、室温に加温し、18時間撹拌する。ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)クロリドヒドリド(2.0g、7.4mmol)およびTEA(1.1mL、7.9mmol)を添加する。圧力容器を密封し、60℃の油浴中に入れ、10分間撹拌する。得られた赤色の溶液を、室温に2.5時間冷却する。この反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(100mL)、飽和NaCl水溶液(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、シリカゲルのパッドで濾過し(150mL)、シリカゲルをDCM(700mL)ですすぎ、真空濃縮して、表題化合物(11.5g、82%)を得る。ES/MS(m/z):196(M+H)。H NMR(CDCl)δ:1.03(d,J=6.7Hz,6H)、1.29(s,12H)、2.37(m,1H)、5.40(dd,1H)、6.64(dd,1H)。
調製2
Rac-トランス-2-[2-イソプロピルシクロプロピル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
Figure 2022546037000011
少量ずつ、N-ニトロソ-N-メチル尿素を、EtO(70mL)およびKOH水溶液(30.5g、435mmol、70mLのHO)の氷冷二相混合物に添加する。固体が溶解するまで撹拌する(5分未満)。得られたジアゾメタン溶液を、EtO(70mL)中のPd(OAc)(237mg、1.05mmol)および4,4,5,5-テトラメチル-2-[(E)-3-メチルブタ-1-エニル]-1,3,2-ジオキサボロラン(4.00g、20.4mmol)の急速に撹拌されている氷冷懸濁液中にピペットで移す。添加が完了した後、反応混合物を室温に加温し、珪藻土で濾過し、濾液を真空濃縮する。得られた残渣をDCM中に溶解し、シリカゲル(25g)のプラグで濾過し、真空濃縮して、表題化合物(4.32g、99%超)を得る。ES/MS(m/z):210(M+H)。H NMR(CDCl)δ:-0.35(m,1H)、0.45(m,1H)、0.65(m,1H)、0.78(m,1H)、0.98(m,7H)、1.23(s,12H)。
調製3
4-クロロ-6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-メチル-ピリダジン
Figure 2022546037000012
圧力バイアル中、2,4-ジメトキシ-5-ピリミジニルボロン酸(6.75g、36.7mmol)、4,6-ジクロロ-3-メチル-ピリダジン(5.98g、36.7mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.55g、0.73mmol)、CsCO(29.9g、91.8mmol)を、1,4-ジオキサン/HO(151mL)の4:1混合物中で合わせる。脱気し、Nを充填し戻す。容器を密封し、70℃で3時間加熱する。残渣を珪藻土で濾過し、EtOAcですすぐ。有機混合物を、水、続いて飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、蒸発乾固させる。得られた黒色の残渣を、0~30%のDCM/(DCM中の33%のMeOH)の勾配を200mL/分の流量で15分間かけて用いる、330gのREDISEP(登録商標)カラムを使用したシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製し、クロマトグラフィー画分の蒸発後に表題化合物(6.2g、63%)を得る。ES/MS(m/z)(35Cl/37Cl)267/269[M+1]H NMR(d-DMSO)δ:2.74(s,3H)、4.00(s,3H)、4.03(s,3H)、8.20(s,1H)、8.87(s,1H)。
調製3の代替的な手順
1,4-ジオキサン(1175mL)およびHO(340mL)中の(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(85g、439mmol)、4,6-ジクロロ-3-メチル-ピリダジン(75g、437mmol)およびCsCO(358g、1099mmol)の混合物に窒素流を5分間通過させる。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(6.6g、8.7mmol)を添加し、得られた混合物を75℃で16時間撹拌する。反応物を室温に冷却し、混合物を珪藻土で濾過し、濾過ケーキをEtOAcですすぐ。得られた層を分離し、有機相を飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。得られた残渣に水(500mL)を添加し、室温で16時間撹拌し、得られた固体を濾過する。収集した固体をHOで洗浄し、真空下で16時間乾燥させて、所望の化合物(70g、54%)を褐色の固体として得る。ES/MS(m/z)(35Cl/37Cl)267/269[M+1]
調製4
トランス-5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-2,4-ジメトキシ-ピリミジン
Figure 2022546037000013
4-クロロ-6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-メチル-ピリダジン(1.97g、7.39mmol)、rac-トランス-2-[2-イソプロピルシクロプロピル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.32g、15.8mmol)、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(1.35g、1.85mmol)、1,4-ジオキサン(37mL)、および1MのNaCO水溶液(18mL、18mmol)を合わせる。反応容器をNでパージし、90℃に18時間加熱する。室温に冷却し、EtOAc(150mL)で希釈し、層を分離する。有機層を、1MのNaCO水溶液、飽和NaCl水溶液で連続して洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濾液を真空濃縮する。得られた残渣を、60~100%のEtOAc/DCMの勾配で溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製し、クロマトグラフィー画分の蒸発後、表題化合物を異性体の本質的にラセミ混合物(1.48g、64%)として得る。
異性体をSFC(カラム:PHENOMENEX(登録商標)LUX(登録商標)セルロース-4、4.6×150mm;40%のMeOH/CO均一溶媒;流量:5mL/分、UV250nm)による精製に供して、647mgの異性体1:t=2.56分および647mgの異性体2:t=3.75分を得る。ES/MS(m/z):315(M+H)。
調製5
(2S)-2-クロロ-3-メチル-ブタン酸
Figure 2022546037000014
L-バリン(286g、2.44mol)および5MのHCl水溶液(3.25L、16.3mol)の溶液を、0℃で冷却する。内部温度を5℃未満に維持しながら、4MのNaNO水溶液(1L、4mol)を2時間かけて滴下する。反応物を、室温に加温しながら2時間撹拌し、室温でさらに16時間撹拌する。少量ずつ30分間かけて、NaCO(242g、2.28mol)を添加する。得られた溶液をMTBE(3×1000mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を飽和NaCl水溶液(500mL)で洗浄し、有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、真空濃縮する。得られた残渣を真空蒸留(15mbar/140℃)によって精製して、表題化合物(248g、68%)を油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:1.1(dt,J=6.6,2.6Hz,6H)、2.34-2.42(m,1H)、4.19-4.23(m,1H)、10.0-12.0(br-s,1H)。
調製6
(2S)-2-クロロ-3-メチル-ブタン-1-オール
Figure 2022546037000015
2-メチルテトラヒドロフラン(500mL)中の(2S)-2-クロロ-3-メチル-ブタン酸(137g、1mol)の溶液を、0℃に冷却する。内部温度を10℃未満に維持しながら、メチルテトラヒドロフラン(480mL、1.1mol)中のLAHの2.3Mの溶液を、2.5時間かけて滴下する。室温に加温し、混合物を室温で1時間、50℃で1時間撹拌する。反応物を0℃に冷却し、HO(1.48mL)、15%のNaOH水溶液(1.48mL)、およびHO(4.46mL)を順番にかつ緩徐に添加する。混合物を室温に加温させ、珪藻土の床で濾過し、溶媒を真空蒸発させて、表題化合物(110g、81%)を無色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.97-1.1(m,6H)、1.94-2.18(m,1H)、2.60-3.09(br-s,1H)、3.71-3.78(m,1H)、3.80-3.85(m,1H)、3.90-3.96(m,1H)。
調製7
(2R)-2-イソプロピルオキシラン
Figure 2022546037000016
O(195mL)中のKOH(195g、3.48mol)の溶液を0℃に冷却し、内部温度を5℃未満に維持しながら、無溶媒の(2S)-2-クロロ-3-メチル-ブタン-1-オール(110g、801mmol)を20分間かけて添加する。反応混合物を室温に加温させる。100mbarでの真空蒸留によって反応混合物を精製し、23℃~50℃に加温して、表題化合物(47g、64%)を無色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.98(d,J=6.9Hz,3H)、1.05(d,J=6.9Hz,3H)、1.51(o,J=6.9Hz,1H)、2.52-2.54(m,1H)、2.70-2.75(m,2H)。
調製8
(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロパンカルボン酸エチル
Figure 2022546037000017
氷浴/水浴(内部温度:8℃)中で冷却した1,4-ジオキサン(870mL)中の2-ジエトキシホスホリル酢酸エチル(153mL、772mmol)の溶液に、ヘキサン中のnBuLiの2.5M溶液(310mL、780mmol)を25分間かけて滴下する。室温に加温し、40分間撹拌するこの溶液を、カニューレを介して3L圧力容器へ移し、1,4-ジオキサン(180mL)中の(2R)-2-イソプロピルオキシラン(70g、772mmol)を添加する。反応混合物を、50psiの圧力で、150℃で14時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、HO(700mL)を添加する。層を分離し、水相をMTBE(2×500mL)で再抽出する。有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液(2×350mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、粗表題化合物(107.7g、99%超)を黄色の油として得、これは、さらなる精製なしでのその後の使用に適している。GC-MS(m/z):156(M+)。
調製9
(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロパンカルボン酸
Figure 2022546037000018
25%のNaOH水溶液(800mL)を含有する1,4-ジオキサン(800mL)中の(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロパンカルボン酸エチル(107.7g、482.6mmol)の混合物を、100℃で7時間撹拌する。混合物を室温に冷却し、水(300mL)を添加し、MTBE(2×500mL)で抽出し、有機相を廃棄する。pHが約1~2になるまで、水相を37%のHCl水溶液(およそ500mL)で酸性化する。
酸性化された水性混合物をMTBE(2×600mL)で抽出し、有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空濃縮して、表題化合物(54.2g、75%)を琥珀色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl)δ:0.81-0.86(m,1H)、1.01(dd,J=5.9,3.7Hz,6H)、1.04-1.13(m,1H)、1.20-1.24(m,1H)、1.28-1.37(m,1H)、1.39-1.44(m,1H)。
調製10
(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロパンカルボキシレート
Figure 2022546037000019
DCM(690mL)中の(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロパンカルボン酸(54.2g、359mmol)、2-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(59.8g、359mmol)、およびDMAP(4.44g、35.9mmol)の懸濁液を、0℃で撹拌する。N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(50.4g、395mmol)を滴下し、室温に加温し、得られた反応混合物を室温で2時間撹拌する。HO(600mL)を添加し、相を分離する。水相をDCM(2×300mL)で抽出し、有機相を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られた固体残渣を、100%のDCMで溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分の蒸発後、表題化合物(96g、88%)を淡黄色の固体として得た。ES/MS(m/z):274(M+1)。
調製11
2-[(1S,2S)-2-イソプロピルシクロプロピル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
Figure 2022546037000020
EtOAc(480mL)中の(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)(1S,2S)-2-イソプロピルシクロプロパンカルボキシレート(96g、316mmol)およびビス(ピナコラート)ジボロン(160g、630mmol)の溶液に、窒素流を15分間通す。混合物を85℃で撹拌し、イソニコチン酸エチル(24.38g、157mmol)を10分間かけて滴下する。得られた混合物を85℃で16時間撹拌する。得られた懸濁液を冷却し、固体を濾過して廃棄し、褐色の濾液を減圧下で蒸発させる。粗残渣をシリカゲルプラグ上で濾過し、2%のEtOAc/ヘキサンで溶離する。溶媒を濾液から除去し、得られた残渣を3%のEtOAc/ヘキサンで溶離するシリカゲル上でのクロマトグラフィーを使用して再精製し、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(25.3g、38%)を無色の油として得る。H NMR(400MHz,CDCl):-0.33--0.38(m,1H)、0.42-0.47(m,1H)、0.63-0.67(m,1H)、0.75-0.82(m,1H)、0.89-1.02(m,1H)、0.98(m,6H)、1.24(s,12H)。
調製12
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-2,4-ジメトキシ-ピリミジン
Figure 2022546037000021
4-クロロ-6-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-3-メチル-ピリダジン(19.1g、70.6mmol)、KPO(45.9g、212mmol)、1,4-ジオキサン(300mL)、およびHO(75mL)を混合し、この混合物をNで10分間脱気する。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(7.98g 10.6mmol)を添加する。窒素でさらに2分間発泡させて、2-[(1S,2S)-2-イソプロピルシクロプロピル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(22.2g、106mmol)を一度に添加する。得られた混合物を80℃で16時間撹拌する。反応物を室温に冷却し、HOを添加し、EtOAcで抽出する。有機層を分離し、無水MgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮する。得られた残渣を、85%のヘキサン/EtOAcで溶離するシリカ上でのクロマトグラフィーによって精製して、クロマトグラフィー画分からの溶媒除去後、表題化合物(21.5g、92%)を琥珀色の油として単離する。油は室温で静置すると凝固して、オフホワイト色の固体になる。ES/MS(m/z):315(M+1)。
実施例1
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン
Figure 2022546037000022
トランス-5-[5-[2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-2,4-ジメトキシ-ピリミジン異性体1(628mg、2.00mmol)をMeOH(3mL)中に溶解する。1MのHCl水溶液(5mL)を添加し、70℃に3時間加熱する。室温に冷却し、反応混合物をMeOHで洗浄されたSCXカラム(20g、Silicycle SILIABOND Tosic Acid)に充填し、SCXカラムをMeOH(140mL)で洗浄し、所望の生成物を2MのNH/MeOH(140ml)で溶離する。NH/MeOH画分を濃縮して、表題化合物をクリーム色の固体(546mg、95%)として得る。ES/MS(m/z):287(M+H)。H NMR(d-DMSO)δ:0.99(m,9H)、1.24(m,1H)、1.81(m,1H)、2.72(s,3H)、7.67(s,1H)、8.23(s,1H)、11.43(bs,2H)。
結晶形態のX線粉末回折
遊離塩基化合物をメタノール中に溶解し、50℃で1時間撹拌し、周囲温度に冷却させて、溶液から結晶化させる。次いで、固体を真空濾過により単離し、真空下70℃で短時間乾燥させる。
結晶性固形物のXRDパターンを、35kVおよび50mAで動作する、CuKa源(λ=1.54060Å)およびVantec検出器を備えたBruker D4 Endeavor X線粉末回折計において取得する。試料を、2θで0.008°のステップサイズおよび0.5秒/ステップの走査速度で、ならびに0.6mmの発散スリット、5.28の固定散乱防止スリット、および9.5mmの検出器スリットを用いて、2θで4~40°で走査する。乾燥粉末を石英試料ホルダに充填し、ガラススライドを使用して滑らかな表面を得る。結晶形態の回折パターンを、周囲温度および相対湿度で収集する。結晶学の分野において、任意の所与の結晶形態に関して、結晶形態および晶癖などの要因から生じる好ましい配向に起因して、回折ピークの相対強度が変動し得ることは周知である。好ましい配向の効果が存在する場合、ピーク強度は変化するが、多形体の特徴的なピーク位置は変化しない。例えば、The United States Pharmacopeia#23,National Formulary#18,1843~1844頁,1995を参照されたい。さらに、所与の任意の結晶形態に関して、角度ピーク位置がわずかに変動し得ることも、結晶学の分野において周知である。例えば、ピーク位置は、試料が分析される温度もしくは湿度の変動、試料の変位、または内部標準の有無に起因して変動し得る。本発明の場合、2θで±0.2のピーク位置の変動は、示された結晶形態の明確な特定を妨げることなく、これらの潜在的な変動を考慮に入れる。結晶形態の確認は、特徴的なピーク(単位は°2θ)、典型的にはより顕著なピークの任意の独自の組み合わせに基づいて行われ得る。周囲温度および相対湿度で収集された結晶形態の回析パターンは、8.853および26.774度の2シータ度でのNIST 675基準ピークに基づいて調整した。
13C固体NMR(13C ssNMR)
100.622MHzの炭素周波数および400.131MHzのプロトン周波数で動作し、Bruker 4mm二重共鳴プローブを備えたBruker Avance II 400MHz NMR分光計を使用して、13C交差分極/マジック角回転NMR(固体NMRまたはssNMR)スペクトルを得る。TOSS側波帯抑圧を、SPINAL64デカップリングRAMP 100型H-核CPパルスを用いる交差分極とともに使用する。取得パラメータは、以下のとおりである:90°プロトンr.f.パルス幅2.6μs、接触時間2.0マイクロ秒、パルス繰り返し時間3秒、MAS周波数10kHz、スペクトル幅30kHz、取得時間34マイクロ秒、および走査回数18,661。化学シフトは、別個の実験におけるアダマンタン(δ=29.5ppm)を基準とする。
調製13
結晶形態1である、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(無水)
Figure 2022546037000023
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-2,4-ジメトキシ-ピリミジン(21.5g、65.6mmol)および1MのHCl水溶液(165mL、135mmol)の懸濁液を、45℃で16時間撹拌する。室温に冷却し、MTBEで抽出する。有機相を廃棄し、pHが約6になるまで、2MのKHPO水溶液を水相に添加する(およそ150mL)。得られた混合物を室温で16時間撹拌する。得られた固体を濾過して収集し、水で洗浄し、45℃の真空オーブン中で16時間乾燥させて、表題化合物(14.3g、76%)を白色の固体として得る。ES/MS(m/z):287(M+1)。
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの無水結晶形態(結晶形態1)の調製試料は、以下の表1に記載の回折ピーク(2シータ値)を有するような、CuKa放射線を使用したXRDパターンを特徴とする。具体的には、パターンは、0.2度の回折角の許容差を有する、11.7°、15.8°、および16.0°からなる群から選択されるピークのうちの1つ以上と組み合わせて、4.7°のピークを含む。
Figure 2022546037000024
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの無水結晶形態(形態1)の代表的な13C ssNMR共鳴は、16.6、18.3、20.7、22.1、23.9、25.4、26.6、27.6、28.1、28.9、30.2、31.2、32.2、38.6、39.7、41.2、43.1、109.3、111.0、112.0、124.4、128.2、130.7、145.1、146.3、150.1、151.0、153.4、156.7、157.6、158.6、159.3、160.7、163.4、165.9、167.0、169.4、および170.2ppm(それぞれ、±0.2ppm)を含む。
調製14
結晶形態2である、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(脱溶媒和物/無水)
結晶形態1である、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(15.4kg、53.8mol)を、3500Lハステロイ反応器中の水(770L)に室温で添加する。得られた懸濁液を室温で19時間撹拌する。得られた固体を濾過して収集し、水で洗浄し、40℃の真空オーブン中で3日間乾燥させて、表題化合物(13.8kg、89%)を白色の固体として得る。HLPC純度:99.8%。
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの脱溶媒和物結晶形態(形態2)の試料から調製された、関連する結晶形態のファミリーを観察する。1つのファミリーメンバーは、以下の表2に記載の回折ピーク(2シータ値)を有するような、CuKa放射線を使用したXRDパターンを特徴とする。
Figure 2022546037000025
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの脱溶媒和物(無水)結晶形態(形態2)の代表的な13C ssNMR共鳴は、17.2、18.9、21.1、22.5、24.4、26.7、27.8、28.7、29.7、39.7、41.3、45.5、50.1、110.7、111.7、112.4、122.0、125.0、126.1、129.1、143.6、144.8、146.2、147.2、149.9、151.1、153.0、155.5、157.2、159.0、160.6、161.4、162.7、164.8、167.0、168.3、および170.4ppm(それぞれ、±0.2ppm)を含む。
他のファミリーメンバーは、0.2度の回折角の許容差を有する、4.7°、6.4°、9.3°、11.0°、11.6°、18.4°、および27.9°のピークのうちの1つ以上と組み合わせて、4.3°超かつ最大5.5°の回折ピーク(2シータ値)を有するような、CuKa放射線を使用したXRDパターンを特徴とする。
調製15
結晶形態3である、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(半水和物)
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-2,4-ジメトキシ-ピリミジン(316g、0.92mol)を、5Lフラスコ中の1MのHCl水溶液(2.6L、2.6mol)に室温で添加する。得られた懸濁液を45℃に加熱し、この温度で16時間撹拌する。室温に冷却し、pHが約6になるまで、2Mの水性KHPOを添加する。得られた混合物を、室温で1時間撹拌する。得られた固体を濾過して収集し、40℃の真空オーブン中で3日間乾燥させて、表題化合物(250g、92%)を白色の固体として得る。HLPC純度:99%。
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの半水和物結晶形態(結晶形態3)の調製試料は、以下の表3に記載の回折ピーク(2シータ値)を有するような、CuKa放射線を使用したXRDパターンを特徴とする。具体的には、パターンは、0.2度の回折角の許容差を有する、16.4°、17.8°、および26.6°からなる群から選択されるピークのうちの1つ以上と組み合わせて、5.0°のピークを含む。
Figure 2022546037000026
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの半水和物結晶形態(形態3)の代表的な13C ssNMR共鳴は、16.5、18.9、19.6、20.4、22.6、23.5、24.4、26.0、27.4、28.3、30.0、30.9、34.6、38.4、40.5、110.2、110.8、124.1、126.8、130.4、131.2、146.0、147.1、150.4、151.2、153.4、157.1、157.7、158.3、159.6、163.1、166.2、および169.7ppm(それぞれ、±0.2ppm)を含む。
調製16
結晶形態1への結晶形態2の変換
結晶形態2である、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(5.0kg、17.4mol)を、THF(100L)と水(10L)の混合物に添加する。得られた溶液を、50℃未満の減圧下で、10~15Lに濃縮する。THF(5L)および水(60L)を入れ、50~60℃に加熱し、2~4時間撹拌する。20~25℃に冷却し、1~2時間撹拌する。得られた固体を濾過して収集し、水(10L)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物(4.2kg、84%)をオフホワイト色の固体として得る。HLPC純度:99.4%。
アデノシンの質量分析およびアデノシン精製
Agilent 300 RapidFire自動抽出システム(Agilent、Santa Clara,CA)を、エレクトロスプレーイオン化(ESI)インターフェース源を備えたSciex 6500トリプル四重極質量分析計(AB Sciex、Framingham,MA)に連結された3つのHPLCクォータナリポンプとともに使用する。RapidFire Mass Specシステムに、再利用可能なRapidFire HILIC(H1)固相抽出(SPE)カートリッジ(G9203-80109)を装着する。
試料の充填および洗浄に使用される溶媒Aは、5%(v/v)のACNを含有する50mMのギ酸アンモニウム(pH4.0)である。試料の溶離に使用される溶媒Bは、70%のACN/30%のMeOH中の0.3%のギ酸+2%の水酸化アンモニウムである。試料を、マルチウェルプレートから直接、真空下で収集ループ上に10μL吸引することによって、連続的に分析する。10μLの試料をHILICカートリッジ上に充填し、クォータナリポンプ1によって、溶媒Aを1.25mL/分の流量で3000ミリ秒間使用して、洗浄する。保持された分析物を、クォータナリポンプ3によって、溶媒Bを1.25mL/分の流量で3000ミリ秒間使用して、質量分析計へ溶離する。このシステムを、クォータナリポンプ1によって、溶媒Aを1.25mL/分の流量で3000ミリ秒間使用して、再平衡化する。
トリプル四重極質量分析計にエレクトロスプレーイオン化(ESI)源を装備し、選択反応モニタリング(SRM)を陽性モード(M+H)+で使用して、分析物をモニタリングする。アデノシンをm/z268.05/136.0で、アデノシン一リン酸をm/z348.1/136.0でモニタリングする。内部標準としてそれぞれ13C5アデノシンおよび15N5 AMPを使用して、アデノシンおよびアデノシン一リン酸の面積比の値を計算する。
ヒトCD73生化学アッセイ
このアッセイの目的は、CD73酵素活性に対する5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを特定および特性評価することである。2μMのアデノシン一リン酸(Sigma#01930)、10mMのトリス(pH7.5)、100mMのNaCl、0.01%のBSA、0.2mMのオクチルグルコシド、および50pMのCD73タンパク質を含有する反応混合物(20μL)を、384ウェルプレート(Nunc#264573)に添加する。室温で30分間のインキュベーション後、2%のギ酸および10μMの13C5-アデノシン(13C5で標識されたリボース)(Cambridge Isotope Laboratories-#CLM-3678-0)を含有する20μLの停止液を添加し、続いて40μLのdHOを添加することによって、反応を終了させる。アデノシン-およびアデノシンリボース-13C5(内部標準)レベルを、上記のように質量分析法を利用して決定する。シグナル比(アデノシンピーク積分/アデノシン内部標準ピーク積分)を使用して、各反応を定量化する。式{阻害%=100×[1-(X-MIN)/(MAX-MIN)]}を使用することによって阻害率を計算し、式中、Xは、ウェルシグナル比に等しく、MAXは、DMSO対照のシグナル比中央値に等しく、MINは、既知の競合的な阻害剤の10倍超のIC50の存在下での酵素活性のシグナル比に等しい。スクリーニング目的のために、各化合物を1%のDMSO中50μMで試験する。5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのIC50を、0.0025~50μMの10種類の濃度(1:3希釈スキームを使用)で各化合物を試験することによって決定する。
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのIC50は、0.028μMである。
マウスCD73機序アッセイ
このアッセイの目的は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを、マウスCD73酵素活性のその阻害に関して評価することである。このアッセイを、3μMのAMPおよび50pMのマウスCD73酵素を使用することを除き、ヒトCD73生化学アッセイについて前述したように実施する。
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのIC50は、0.175μMである。
Calu6ヒト細胞アッセイ
このアッセイの目的は、CD73に対する5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを、細胞に基づくアッセイにおいて試験することである。Calu6細胞(1500個/ウェル)を、100μLの培地(MEM(Gibco#11095-072)+1%のピルビン酸ナトリウム(Gibco#11360-070)+1%のNEAA(Gibco#11140-050)+10%のFBS(Hyclone#SH30071)を含有する96ウェルポリ-D-リジンコーティング済みプレート(BD#356640)中で増殖させる。プレートを室温で30分間インキュベートし、続いて37℃/5%のCOで一晩インキュベートする。細胞を、アッセイ緩衝液(10mMのトリスHCl(pH7.2)、10mMのD-グルコース、1mMのKCl、125mMのNaCl、2mMのMgCl)(90μL/ウェル)で2回洗浄する。次いで、90μLのアッセイ緩衝液を各ウェルに添加し、続いて1ウェル当たり10μLのAMPおよび化合物プレミックス(50μMのAMP、1%のDMSO中の様々な濃度の5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン)を添加する。プレートを室温で60分間インキュベートする。次いで、1ウェル当たり10μLの上清を取り出して新たなプレートに添加し、続いて20μLの停止液(2%のギ酸、1.2μMのアデノシンリボース-13C5(Cambridge Isotope Laboratories-#CLM-3678-0)および90μLのddH2Oを質量分析のために添加する。アデノシン-およびアデノシンリボース-13C5(内部標準)レベルを、ヒトCD73生化学アッセイについて前述したように、質量分析法(Agilent RapidFire)を利用することによって決定する。阻害率も上記のとおり計算する。
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのIC50は、0.0073uMである(実施例2の化合物)。
エクスビボ標的阻害アッセイ
このアッセイの目的は、マウス血中のマウスCD73に対する5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを、エクスビボに基づくアッセイにおいて試験することである。腫瘍がおよそ400mmに達した後、20%のHPBCD(2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)(pH2)に製剤化された各化合物を動物(6匹/群)に経口投与する。経口投与を介した化合物処置に供された動物から収集した全血を使用するエクスビボアッセイについて記載したように、処置後、血液をヘパリン管中に収集し、13C10-15N5-AMPから、標識されたアデノシン、イノシン、およびヒポキサンチンへの変換のエクスビボ分析に使用する。
表4に示すように、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンは、異なる用量の化合物を用いて処置した動物由来のマウス全血においてアデノシン、イノシン、およびヒポキサンチンへのAMPの変換を阻害する。
Figure 2022546037000027
5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのIC50は、0.0073uMである。
ヒトCD73アッセイのCalu6腫瘍に基づくインビボ標的阻害
このアッセイの目的は、ヒトがんCalu6細胞由来の異種移植腫瘍におけるヒトCD73に対する5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンを、インビボ標的阻害アッセイにおいて試験することである。Calu6細胞(ATCC)を、10%ウシ胎児血清を補充したHBSS培地中で増殖させる。サブコンフルエント状態の細胞をトリプシンを用いて採取し、血清を欠く増殖培地で2回すすぐ。HBSSとMATRIGEL(登録商標)(BD Biosciences、Franklin Lakes,NJ)の1:1の混合物中の5×10個をヌードマウス(The Harlon Laboratory)の後部脇腹に注射することによって、皮下腫瘍の増殖を開始させる。平均腫瘍体積がおよそ400~500mmに達したとき、腫瘍の大きさおよび体重によって動物を無作為化し、示されるそれぞれの処置群に入れる。処置後、腫瘍試料(各50~80mg)を収集し、以下に記載の内部標準を含有する1mLの氷冷抽出緩衝液中で加工する。
ホイル片および液体Nを乳鉢へ添加して、予冷する。腫瘍組織をホイル片上に落とし、液体Nを添加する。別のホイル片を腫瘍組織の上部に置き、腫瘍が完全に粉状になるまで乳棒でたたく。50~100mgの腫瘍組織をチューブ(Fishers Scientific、カタログ番号02-681-302)に入れ、ドライアイス上に置く。1個の金属ビーズ(Qiagenカタログ番号69989)ならびに13-アデノシン、13-AMP、15-GTP、15-イノシン5’-一リン酸、および13C-15N-ヒポキサンチンの内部標準(Cambridge Isotope LabおよびCayman Chemical)を含有する1mlの80%のメタノールをチューブに添加し、試料を、LC/MS分析に使用するまで-80℃で保存する。
経口投与を介した化合物処置に供された動物から収集した全血を使用するエクスビボアッセイについて記載したように、血液もヘパリン管中に収集し、1315N5-AMPから、標識されたアデノシン、イノシン、およびヒポキサンチンへの変換のエクスビボ分析に使用する。
表5に示すように、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンは、異なる用量の化合物を用いて処置したCalu6腫瘍においてアデノシンへのAMPの変換を阻害する。
Figure 2022546037000028
ヒト血清中のCD73活性を測定するためのLC/MSに基づくアッセイ
新鮮な正常ヒト血液を、1,500gで、室温で15分間遠心分離し、血清を含有する上部画分を収集する。収集した血清(25ul/ウェル)を、様々な濃度の5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンおよび一定濃度のレバミソール(1,500uM)を含有する96ディープウェルプレート(DWP、Analytical Sales&Services Inc.カタログ番号968820)へ移す。氷上での60分間のインキュベーション後、13C5-15N5-AMP(50uM)をプレートの各ウェルに添加し、プレートを室温で15分間インキュベートする。次いで、プレートに200uL/ウェルの17.3TCAを添加してドライアイス上に置き、続いてプレート振とう機(Qiagen)を用いて26fpsで3分間振とうする。次いで、プレートを2940gで、4℃で20分間遠心分離する。遠心分離後、各ウェルからの100ul/ウェルの上清を新たな96ディープウェルプレートに移し、氷上で18.4ul/ウェルの2.5MのNaCOと混合し、続いて内部標準(IS:13C5-AMP、13C5-アデノシン、13C5-ヒポキサンチン、および15N4-イノシン)を含有する200ulの抽出溶液を添加する。2940gでの、4℃で20分間のさらなる遠心分離後、200ul/ウェルの上清を、上記のようにLC/MSによる13C10-15N5-アデノシン、13C10-15N5-イノシン、および15N5-ヒポキサンチンの分析に使用する。EC50計算について、血清中の5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの濃度を、インシリコモデルに由来するか、または実験的な非結合画分(%)で補正する。
表6は、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオンによるヒト血清中のCD73活性の阻害についてのデータを含む。
Figure 2022546037000029
インビボモデル
所望の場合、5-[5-[(1S,2R)-2-イソプロピルシクロプロピル]-6-メチル-ピリダジン-3-イル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン、またはその薬学的に許容される塩のCD73阻害効果の前臨床モデリングを、例えば、当該技術分野において、例えば、Rongvaux A,et al.,Annual Rev.Immunology 2013;31:635-74(およびそこに引用されている文献)、Sanmamed MF,et al.,Annals of Oncology 2016;27:1190-1198(およびそこに引用されている文献)に記載されている方法に従って実施することができる。

Claims (19)

  1. 式:
    Figure 2022546037000030
    で示される化合物の結晶形態であって、
    (a)0.2度の回折角の許容差を有する、6.4°、9.6°、11.0°、および11.6°でのピークのうちの1つ以上と組み合わせた、4.3~5.5°の回折角2シータでのX線回折パターンのピーク、ならびに
    (b)17.2、28.7、122.0、126.1、143.6、および155ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトル
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、結晶形態。
  2. 前記4.3~5.5°の回折角2シータでのX線回折パターンのピークが、4.3°の回折角2シータにある、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 請求項1または請求項2に記載の結晶形態を含む、組成物。
  4. 前記組成物が、造粒組成物である、請求項3に記載の組成物。
  5. 請求項1または請求項2に記載の結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  6. 混入物を少なくとも95%含まない、請求項1または請求項2に記載の結晶形態。
  7. 少なくとも1kgの請求項3に記載の組成物を含む、製造容器。
  8. 式:
    Figure 2022546037000031
    で示される化合物の半水和物結晶形態。
  9. (a)0.2度の回折角の許容差を有する、16.4°、17.8°、および26.6°でのピークのうちの1つ以上と組み合わせた、5.0°の回折角2シータでのX線回折パターンのピーク、ならびに
    (b)23.5、34.6、110.2、124.1、126.8、および166.2ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトル
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項8に記載の半水和物結晶形態。
  10. 請求項8または請求項9に記載の半水和物結晶形態を含む、組成物。
  11. 前記組成物が、造粒組成物である、請求項10に記載の組成物。
  12. 請求項8または請求項9に記載の半水和物結晶形態と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  13. 前記結晶形態が、混入物を少なくとも95%含まない、請求項8または請求項9に記載の半水和物結晶形態。
  14. 少なくとも1kgの請求項10に記載の組成物を含む、製造容器。
  15. 500グラムの式:
    Figure 2022546037000032
    で示される化合物の無水結晶形態を含む、組成物。
  16. 前記無水結晶形態が、
    (a)0.2度の回折角の許容差を有する、11.7°、15.8°、16.0°、26.8°、および27.2°でのピークのうちの1つ以上と組み合わせた、4.7°の回折角2シータでのX線回折パターンのピーク、ならびに
    (b)25.4、28.9、43.1、109.3、124.4、128.2、および160.7ppm(それぞれ、±0.2ppm)でのアダマンタンの高磁場共鳴(δ=29.5ppm)を基準とするピークを含む、13C固体NMRスペクトル
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記組成物が、造粒組成物である、請求項15または請求項16に記載の組成物。
  18. 請求項15または請求項16に記載の組成物と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
  19. 少なくとも1kgの請求項15または請求項16に記載の組成物を含む、製造容器。
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