JP2022545862A - Glp-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセス - Google Patents

Glp-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセスに関し、GLP-1ペプチドは、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液の噴霧乾燥により得られ、供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高いか、または供給液のpHが約5~約10の範囲内である。本発明はまた、該プロセスにより得られる錠剤、および該錠剤の医薬品における使用に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセスに関し、錠剤中のGLP-1ペプチドは、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液の噴霧乾燥により得られ、供給液のpHが約5~約10の範囲内であるか、または供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高い。より具体的には、本発明は、得られる錠剤の溶解率が増加した、GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセス、該プロセスにより得られた錠剤、および医薬品におけるその使用に関する。
薬剤を簡便かつ頻繁に投与する方法は、経口経路を介したものである。概して、剤形には、活性医薬成分(API)と、薬剤がその作用部位に確実に到達するようにし、望ましくない分解を防止し、場合によっては放出を制御するのに役立つ賦形剤とが含まれる。治療効果を発揮するには、薬剤は、消化管の水性環境に溶解しなければならない。
経口剤形の有効性は、薬剤が循環中に吸収される前に消化管内で溶解する固有の能力に依存することが多い。薬剤の溶解性および溶解は、バイオアベイラビリティに影響を与える重要なパラメータである。溶解とは、材料が所与の媒体(例えば、溶媒)に溶解する動態に関与する動的プロセスを指す。結果として生じる溶液の観点から見ると、溶解は、溶解期間にわたる溶液中の試料材料濃度の時間変化率により特徴付けることができる。対照的に、「溶解性」は、概して、平衡状態(例えば、熱力学的値)を指し、特に、熱力学的平衡が達成される条件下で、どのくらいの試料材料が所与の媒体に溶解することになるかを指す。一般に、溶解性が高い材料は、溶解性が低い材料よりも早い溶解を概して呈することになる。しかしながら、溶解特性は溶解性に直接的かつ具体的に相関するものではなく、溶解プロファイル(例えば、総合的な溶解性データに加えて)を検討することにより、貴重な情報を得ることができる。
ヒトGLP-1およびGLP-1ペプチドは、概して、バイオアベイラビリティが低く、経口投与後のそれらの曝露は低い。バイオアベイラビリティを増加させるために、ある特定の吸収促進剤が使用されている(Am J Clin Nutr;Oct 2010;92;810-817、WO2010/020978、WO2012/080471、WO2013/189988、WO2013/139695)。しかしながら、活性成分が確実に取り込まれるようにするために、そのような経口製剤化されたGLP-1ペプチドは、依然として、飲食または他の経口医薬品の摂取のしばらく前に服用する必要があり、例えば、経口GLP-1ペプチドであるセマグルチドは、最大の効果を確保するために、食事の30分前に服用すべきである。したがって、GLP-1ペプチドを含むこのような錠剤の吸収およびバイオアベイラビリティを改善する必要が未だにある。
国際公開第2010/020978号 国際公開第2012/080471号 国際公開第2013/189988号 国際公開第2013/139695号
Am J Clin Nutr;Oct 2010;92;810-817
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するプロセスに関し、該方法は、a)GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥する工程であって、供給液のpHが約5~約10の範囲内であるか、または供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高い、噴霧乾燥する工程と、b)得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤に関し、GLP-1ペプチドは、本明細書に定義されるプロセスにより取得される。
いくつかの実施形態では、本発明は、糖尿病または肥満の治療のためなど、医薬品における使用のための本明細書に記載されるプロセスにより得られる錠剤などの経口剤形に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に定義されるプロセスにより得られる錠剤などの経口剤形を対象に投与することを含む、糖尿病または肥満を治療するための方法に関する。
図1は、所与のpH値での噴霧乾燥から得られたセマグルチドを含む錠剤の固有溶解試験の結果を示す。 図2は、所与のpH値での噴霧乾燥から得られた化合物Aを含む錠剤の固有溶解試験の結果を示す。*はNaClを含み、は粒子がより大きく、##は粒子がより小さい。
多くの医薬品および外科手術支援製品は乾燥原薬を含有し、乾燥原薬は、通常、凍結乾燥によりその液相から乾燥相に乾燥される。
噴霧乾燥には、液体供給物を高温の乾燥ガス内の非常に小さな液滴へと噴霧化し、液滴の固体粒子への急速乾燥を引き起こすことが伴う。次いで、粒子を、例えば、サイクロンおよび/またはフィルターバッグを使用して、最終噴霧乾燥生成物として乾燥ガスから分離する。供給物は、溶液であっても、懸濁液であっても、エマルションであってもよく、結果として生じる生成物は、粉末として分類され得る。このような粉末は、固体の離散した粒子を含むものとして画定されてもよく、粉末は、所与のサイズ、形状、および形態によりさらに定義されてもよい。顆粒は、粉末のサブクラスであり、より小さな離散した第1の粒子を一緒にまとめて新しい第2の粒子またはより大きな凝集体にしたものから成る粒子として定義されてもよい。したがって、単一の連続した工程では、噴霧乾燥により、液体供給物を粉末に変換する。液体を噴霧乾燥させると、結果として生じた粉末は、噴霧乾燥中にマトリクスを分解したであろう多くの成分と互換性を持つようになる。
噴霧乾燥の利点は、これにより、必要に応じて低温での加工性が得られ、また粉末特性をさらに改善するためにプロセスに他の修正を行えるようになることである。噴霧乾燥粉末は、必要に応じてさらに製剤化することもできる。特に、噴霧乾燥粉末を、カプセル剤、錠剤、または任意の他の固体剤形に製剤化してもよい。噴霧乾燥粉末中の水分または残留溶媒のレベル、粒子形態または粒径、および粉末密度などの特性を、目標レベルまで大幅に操作することができる。より具体的には、好適な噴霧乾燥条件の選択は、生成物の特性、すなわち、残留水分含量、T、粒径および粒子形態、およびタンパク質凝集および/または活性化の程度に、大きな影響を与える。噴霧乾燥プロセスを最適化する際に考慮すべき重要なプロセス変数は、入口および出口温度、供給速度、および噴霧化ガス流量である。
噴霧乾燥に類似した他の技法には、凍結乾燥および真空乾燥が含まれる。組成物を凍結乾燥するには、組成物が固化するまでこれを冷却し、減圧下に置いて組成物中の大部分の揮発性成分を昇華させる。固体残留物は単一の塊を形成し得、これを粉砕して微粉末を形成させる必要がある。典型的な凍結乾燥粉末は、多孔質の不規則形状の粒子を含み、容易に水和する。凍結乾燥原薬の生成工程は、通常は数日間続き、凍結乾燥機サイズの容量により制限されるバッチプロセスである。このことにより、乾燥中のバッチ全体が、プロセスが完了するまでかなりの時間にわたって危険にさらされる。さらに、生成された凍結乾燥原薬は「ケーク」の形態であり、これは、粉末を得るために、破砕、篩過、および/または製粉を含むさらなる処理工程を必要とする。これらの工程により、乾燥生成物の効力および質量収率が減少し得る。「ケーク」または「固体ケーク」という用語は、凍結乾燥プロセスから生じる多孔質スポンジ状構造様の組成物を指してもよい。
有利なことに、凍結乾燥の代わりに噴霧乾燥プロセスを使用することで、乾燥生成物が「ケーク」としてではなく乾燥粉末の形態で直ちに得られる、コスト効率が良く、連続的かつ大容量のプロセスがもたらされる。噴霧乾燥と比べて凍結乾燥により生成される粉末は、凍結乾燥プロセスの必要以上の複雑さ(例えば、減圧で動作させるための設備)に起因して、費用が約2倍かかることが多い。さらに、噴霧乾燥材料は、概して、凍結乾燥により得られるものよりも吸湿性が低い均質な粉末の形態をとる。
活性成分が吸収可能になることで最大の効果を発揮できるようにするためには、錠剤中の活性成分の溶解速度が非常に重要である。溶解速度は、様々な手段により、例えば、活性成分の制御された放出をもたらす賦形剤により、制御することができる。他の技法は、活性成分がある特定のpH値では保持され、他のpH値では放出される、pH依存性を利用する。溶解速度が増加すると、活性成分も体内でより速く吸収されるようになり、このことは、例えば、錠剤などの経口剤形を食事の前に服用する必要がある場合に、患者にとって有益である。より速い溶解速度を得ることにより、より速い吸収が起こり、錠剤などの経口剤形を服用してから食事を開始するまでの時間を短縮することができ、患者にとっての使いやすさおよび遵守が改善される。
驚くべきことに、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液であって、供給液がGLP-1ペプチドのpIよりも高いpHを有するか、またはpHが約5~約10の範囲である供給液を噴霧乾燥させると、結果として生じるGLP-1ペプチド粉末を用いて作製した錠剤は、pHがGLP-1ペプチドのpIよりも低い供給液から噴霧乾燥させたGLP-1ペプチドから作製した錠剤またはpHが約5を下回る供給液から噴霧乾燥させたGLP-1ペプチドから作製した錠剤と比較した場合、溶解速度が上がることが、発明者らにより観察された。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、セマグルチドまたは化合物AなどのGLP-1ペプチドを生成するためのプロセスに関し、GLP-1ペプチドは、該GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液の噴霧乾燥により得られ、供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高いpHを有するか、または供給液のpHが約5~約10の範囲内のpHを有し、結果として生じるGLP-1ペプチド粉末は、溶解率が改善される。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセスに関し、GLP-1ペプチドは、該GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液の噴霧乾燥により得られ、供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高いpHを有し、供給液のpHが約5~約10の範囲内のpHを有し、結果として生じる錠剤は、溶解速度が改善される。
錠剤を生成するためのプロセス
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するためのプロセスに関し、該プロセスは、a)GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥する工程であって、供給液のpHがGLP-1のpIよりも高いか、または供給液のpHが約5~約10の範囲内のpHを有する、噴霧乾燥する工程と、b)得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、錠剤を生成するためのプロセスは、a)GLP-1ペプチドを供給液中に提供する工程と、b)不揮発性塩基を供給液に加えることによって、供給液のpHを、GLP-1ペプチドのpIを上回るpH、または約5~約10の範囲内のpHに調整する工程と、c)供給液を噴霧乾燥機に導入し、該GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、d)得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む。
本明細書で言及する「不揮発性」塩基は、噴霧乾燥プロセス中に蒸発しない塩基である。例示的な不揮発性塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、例えばリン酸緩衝液、TRIS緩衝液、酢酸緩衝液から選択される緩衝液である。本明細書で使用する「pI」は、GLP-1ペプチドの等電点、すなわち、ペプチドが正味電荷を持たなかった場合のpH値を指す。
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液は、GLP-1ペプチドの粉末を供給液溶媒に可溶化することにより得られる。同様にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、供給液は、前の製造工程、例えば、最終クロマトグラフィー精製の溶離液、限外濾過、または透析濾過から直接得られる。いくつかの実施形態では、前の製造工程からの供給液は、GLP-1ペプチドを固体主成分(固体成分の80~100%(w/w))として含むが、製造から持ち越される少量の塩および不純物も含み得る。
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約4~約12、例えば、約5~約10、約6~約9、または約6~約8のpHの範囲内である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、4~12、例えば、5~10、6~9、または6~8のpHの範囲内である。同様にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、GLP-1ペプチドのpIよりも高いpHを有する。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約5~約10のpHの範囲内である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約5~約9、例えば、約6~約8、約7~約9、または約8~約10である。
いくつかの実施形態では、本明細書で使用する「約」という用語は、言及する値の±10%を意味し、その値を含む。
いくつかの実施形態では、供給液のpHは、1M水酸化ナトリウム水溶液などの不揮発性塩基を加えることにより調整される。pHは、供給液溶媒、例えば、水性エタノールなどの水性アルコール溶媒中で、プローブまたはストリップのいずれかを使用して室温で測定される。
いくつかの実施形態では、供給液は、供給液溶媒中のGLP-1ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドは、セマグルチドまたはNε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(化合物A)から選択される。
いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、約5.4を上回る。いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、5.4を上回る。いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、約5~約12、例えば、約5.4~約12、約6~約10、または約6~約8の範囲内である。いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、5~12、例えば、5.4~12、6~10、または6~8の範囲内である。いくつかの実施形態では、
いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、約4.6を上回る。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、4.6を上回る。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、約4.6~約12、例えば、約6~約10、約7~約10、または約7~約9の範囲内である。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、4.6~12、例えば、6~10または7~9の範囲内である。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、約8~約10、例えば、約8.5~約9.5の範囲内である。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥に使用する供給液溶媒は、水混和性有機溶媒と水との混合物である。本明細書で使用する「水混和性有機溶媒」は、水と混合すると、均質な溶液、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、またはアセトニトリルなどのアルコール溶媒を生じさせる有機溶媒を指す。いくつかの実施形態では、供給液溶媒は、水性エタノール、すなわち、水とエタノールとを含むものなどの水性アルコール溶媒である。いくつかの実施形態では、供給液は、水性エタノール中のGLP-1ペプチドから本質的になる。いくつかの実施形態では、水性エタノールは、約40~約70パーセント(w/w)、例えば、約45~約65パーセント(w/w)または約50~約60パーセント(w/w)の濃度である。いくつかの実施形態では、水性エタノールは、40~70パーセント(w/w)、例えば、45~65パーセント(w/w)または50~60パーセント(w/w)の濃度である。水性エタノールの濃度はエタノールの含有量から定義され、すなわち、約70パーセント(w/w)の水性エタノールは、約70重量パーセントのエタノールと約30重量パーセントの水とから実質的になる。水性エタノールの濃度はエタノールの含有量から定義され、すなわち、約70パーセント(w/w)の水性エタノールは、70重量パーセントのエタノールと30重量パーセントの水とから実質的になる。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥のための供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、約0.5~約10パーセント(w/w)、例えば、約1~約7パーセント(w/w)、約1~約5パーセント(w/w)、または約1~約3パーセント(w/w)である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥のための供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、0.5~10パーセント(w/w)、例えば、1~7パーセント(w/w)、1~5パーセント(w/w)、または1~3パーセント(w/w)である。特定の実施形態では、供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、約50~約55パーセント(w/w)の水性エタノール中で約1.8~約2.1パーセント(w/w)のセマグルチドなど、例えば約50~約55パーセント(w/w)の水性エタノール中で約1.8~約2.1パーセント(w/w)である。特定の実施形態では、供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、50~55パーセント(w/w)の水性エタノール中で1.8~2.1パーセント(w/w)のセマグルチドなど、例えば50~55パーセント(w/w)の水性エタノール中で1.8~2.1パーセント(w/w)である。同様にまたは代替的に、一実施形態では、供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、約50~約65パーセント(w/w)の水性エタノール中で約3~約5パーセント(w/w)の化合物Aなど、例えば約50~約65パーセント(w/w)の水性エタノール中で約3~約5パーセント(w/w)である。同様にまたは代替的に、一実施形態では、供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、50~65パーセント(w/w)の水性エタノール中で3~5パーセント(w/w)の化合物Aなど、例えば50~65パーセント(w/w)の水性エタノール中で3~5パーセント(w/w)である。
いくつかの実施形態では、本プロセスには圧縮工程が含まれ、この工程では、噴霧乾燥工程a)から得られたGLP-1ペプチドの粉末を圧縮して、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む錠剤にする。いくつかの実施形態では、生成される錠剤は、治療有効量のGLP-1ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、生成される錠剤は、GLP-1ペプチドを約0.01~約100mgの量で含む。いくつかの実施形態では、生成される錠剤は、GLP-1ペプチドを0.01~100mgの量で含む。いくつかの実施形態では、生成される錠剤は、約0.1~約80mgまたは約1~約30mgのGLP-1ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、生成される錠剤は、0.1~80mgまたは1~30mgのGLP-1ペプチドを含む。
GLP-1ペプチド粉末を生成するためのプロセス
いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1ペプチドの噴霧乾燥粉末を生成するためのプロセスに関し、GLP-1ペプチドはセマグルチドまたは化合物Aであり、本プロセスには、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥させる工程が含まれ、供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高いか、または供給液のpHが約5~約10の範囲内である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドがセマグルチドまたは化合物Aである、GLP-1ペプチドの噴霧乾燥粉末を生成するためのプロセスには、a)GLP-1ペプチドを供給液中に提供する工程と、b)不揮発性塩基を供給液に加えることによって、供給液のpHを、GLP-1ペプチドのpIを上回るpH、または約5~約10の範囲内のpHに調整する工程と、c)供給液を噴霧乾燥機に導入し、該GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、が含まれる。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液は、GLP-1ペプチドの粉末を供給液溶媒に可溶化することにより得られる。同様にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、供給液は、前の製造工程、例えば、最終クロマトグラフィー精製の溶離液、限外濾過、または透析濾過から直接得られる。いくつかの実施形態では、前の製造工程からの供給液は、GLP-1ペプチドを固体主成分(固体成分の80~100%(w/w))として含むが、製造から持ち越される少量の塩および不純物も含み得る。
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約4~約12、例えば、約5~約10、約6~約9、または約6~約8のpHの範囲内である。同様にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、GLP-1ペプチドのpIよりも高いpHを有する。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約5~約10のpHの範囲内である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約5~約9、例えば約6~約8、約7~約9、または約8~約10である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約8~約10の範囲内である。
いくつかの実施形態では、供給液のpHは、1M水酸化ナトリウム水溶液などの不揮発性塩基を加えることにより調整される。pHは、供給液溶媒、例えば、水性エタノールなどの水性アルコール溶媒中で、プローブまたはストリップのいずれかを使用して室温で測定される。
いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、約5.4を上回る。いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、約5~約12、例えば、約5.4~約12、約6~約10、または約6~約8の範囲内である。
いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、約4.6を上回る。いくつかの実施形態では、化合物Aを含む供給液のpHは、約4.6~約12、例えば、約6~約10または約7~約9の範囲内である。いくつかの実施形態では、セマグルチドを含む供給液のpHは、約8~約10、例えば、約8.5~約9.5の範囲内である。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥に使用する供給液溶媒は、水混和性有機溶媒と水との混合物である。いくつかの実施形態では、供給液溶媒は、水性エタノール、すなわち、水とエタノールとを含むものなどの水性アルコール溶媒である。いくつかの実施形態では、供給液は、水性エタノール中のGLP-1ペプチドから本質的になる。いくつかの実施形態では、水性エタノールは、約40~70パーセント(w/w)、例えば、約45~約65パーセント(w/w)または約50~約60パーセント(w/w)の濃度である。水性エタノールの濃度はエタノールの含有量から定義され、すなわち、約70パーセント(w/w)の水性エタノールは、約70重量パーセントのエタノールと約30重量パーセントの水とから実質的になる。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥のための供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、約0.5~約10パーセント(w/w)、例えば、約1~約7パーセント(w/w)、約1~約5パーセント(w/w)、または約1~約3パーセント(w/w)である。特定の実施形態では、供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、約50~約55パーセント(w/w)の水性エタノール中で約1.8~約2.1パーセント(w/w)のセマグルチドなど、例えば約50~約55パーセント(w/w)の水性エタノール中で約1.8~約2.1パーセント(w/w)である。同様にまたは代替的に、一実施形態では、供給液中のGLP-1ペプチドの濃度は、約50~約65パーセント(w/w)の水性エタノール中で約3~約5パーセント(w/w)の化合物Aなど、例えば約50~約65パーセント(w/w)の水性エタノール中で3~5パーセント(w/w)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約1mg/(分*cm)、例えば、1.0mg/(分*cm)、または1.1mg/(分*cm)、または1.4mg/(分*cm)、または1.5mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約2mg/(分*cm)、例えば、2.6mg/(分*cm)または2.1mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約4mg/(分*cm)、例えば、4.2mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約6mg/(分*cm)、例えば、6.4mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約1mg/(分*cm)、例えば、1.0mg/(分*cm)、または1.1mg/(分*cm)、または1.4mg/(分*cm)、または1.5mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約2mg/(分*cm)、例えば、2.6mg/(分*cm)または2.1mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約4mg/(分*cm)、例えば、4.2mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約6mg/(分*cm)、例えば、6.4mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチド粉末は、セマグルチド粉末または化合物A粉末である。いくつかの実施形態では、セマグルチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約1mg/(分*cm)、例えば、1.0mg/(分*cm)、または1.1mg/(分*cm)、または1.4mg/(分*cm)、または1.5mg/(分*cm)であってもよい。いくつかの実施形態では、化合物A粉末は、25℃での固有溶解速度が、2mg/(分*cm)を超える。いくつかの実施形態では、化合物A粉末は、30℃での固有溶解速度が、2~7mg/(分*cm)の範囲内、例えば、2.1~7、2.6~7、4.2、または6.4mg/(分*cm)である。固有溶解速度[mg/(分*cm)]は、圧密物の全曝露表面積、ならびに溶解媒体の温度、かき混ぜ-撹拌速度、pH、およびイオン強度などの条件を一定に保ったときの、圧密物に製剤化した医薬活性物質の溶解の速度として定義される。
医薬組成物
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明に従うGLP-1ペプチド粉末と任意選択で1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物に関する。本明細書で使用する「賦形剤」という用語は、活性治療成分以外の任意の成分を幅広く指す。賦形剤は、不活性物質、非活性物質、および/または医薬的に活性でない物質であってもよい。賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、充填剤、結合剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、流量制御剤、結晶化遅延剤、可溶化剤、安定剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、乳化剤として、および/または活性物質、例えば、送達剤/吸収促進剤の投与および/または吸収を改善するために、様々な目的を果たし得る。当業者であれば、日常的な実験により、かつ過度の負担なく、経口固体剤形の特定の所望の特性に関して前述の賦形剤のうちの1つ以上を選択し得る。使用される各賦形剤の量は、当該技術分野において慣行である範囲内で変化してもよい。経口剤形を製剤化するために使用してもよい技法および賦形剤については、Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th edition,Rowe et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press,publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain(2009)、およびRemington:the Science and Practice of Pharmacy,21th edition,Gennaro,Ed.,Lippincott Williams and Wilkins(2005)に記載されている。いくつかの実施形態では、賦形剤は、結合剤、例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン)など、充填剤、例えば、セルロース粉末、微結晶性セルロース、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファー化デンプンなど、潤滑剤および/または滑剤、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、トリベヘン酸グリセロールなど、流量制御剤、例えば、コロイダルシリカ、タルクなど、結晶化遅延剤、例えば、ポビドンなど、可溶化剤、例えば、プルロニック、ポビドンなど、着色剤、染料および色素、例えば、べんがらまたは鉄黄、二酸化チタン、タルクなどを含む、pH調整剤、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カルシウム、二塩基性リン酸ナトリウムなど、界面活性剤および乳化剤、例えば、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシ化および水素化ヒマシ油など、およびこれらの賦形剤および/またはアジュバントのうちの2つ以上の混合物から選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、および/またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および/または微結晶性セルロースなどの充填剤、および/またはポビドンなどの結合剤を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1のタイプの顆粒と第2のタイプの顆粒とを含んでもよく、第1のタイプの顆粒は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩を含み、第2のタイプの顆粒は、本発明に従うGLP-1ペプチド粉末を含む。いくつかの実施形態では、第1のタイプの顆粒は、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のタイプの顆粒は、微結晶性セルロースなどの充填剤をさらに含む。したがって、第1のタイプの顆粒は、潤滑剤および任意選択で充填剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のタイプの顆粒は、微結晶性セルロースなどの充填剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のタイプの顆粒は、ポビドンなどの結合剤をさらに含む。したがって、第2のタイプの顆粒は、充填剤および任意選択で結合剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、本組成物は、ステアリン酸マグネシウムなどの顆粒外潤滑剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本組成物は固体剤形の形態である。いくつかの実施形態では、本組成物は錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、本組成物はカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、本組成物は小袋の形態である。
疑義を避けるために、本発明のGLP-1ペプチド粉末が特定の用途のためのものであることへの(および同様に本発明の化合物に関係する使用および使用方法への)本明細書における言及は、本明細書に記載されるように、本発明の化合物を含む医薬組成物にも適用され得る。
経口剤形
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明のプロセスにより得ることが可能なGLP-1ペプチド粉末を含む経口剤形に関する。いくつかの実施形態では、経口剤形は、錠剤、カプセル剤、または小袋である。いくつかの実施形態では、経口剤形は小袋である。いくつかの実施形態では、経口剤形はカプセル剤である。いくつかの実施形態では、経口剤形は錠剤である。
錠剤
いくつかの実施形態では、本発明は、段落「錠剤を生成するためのプロセス」に記載するプロセスにより得られる錠剤に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、GLP-1ペプチドを含む錠剤に関し、GLP-1ペプチドは噴霧乾燥プロセスにより得られ、供給液はGLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含み、供給液のpHがGLP-1ペプチドのpIよりも高いか、または供給液のpHが約5~約10の範囲内である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む錠剤は、噴霧乾燥プロセスにより得られ、このプロセスには、a)GLP-1ペプチドを供給液中に提供する工程と、b)不揮発性塩基を供給液に加えることによって、供給液のpHを、GLP-1ペプチドのpIを上回るpH、または約5~約10の範囲内のpHに調整する工程と、c)供給液を噴霧乾燥機に導入し、該GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、が含まれる。記載の噴霧乾燥プロセスにより得られるGLP-1ペプチドは、その後、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とともに圧縮されて、錠剤となる。
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む本発明の錠剤は、供給液を使用する噴霧乾燥により得られ、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、約5~約12、例えば、約5~約10または約6~約8のpHの範囲内である。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドを含む本発明の錠剤は、供給液を使用する噴霧乾燥により得られ、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、5~12、例えば、5~10または6~8のpHの範囲内である。同様にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、錠剤に含まれるGLP-1ペプチドは、供給液の噴霧乾燥により得られ、GLP-1ペプチドを含む供給液のpHは、GLP-1ペプチドのpIより高いpHまたは約5~約10の範囲内のpHを有する。いくつかの実施形態では、供給液のpHは、例えば1Mの濃度の不揮発性塩基、例えば水性水酸化ナトリウムを加えることにより調整される。
いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約1mg/(分*cm)、例えば、1.0mg/(分*cm)、または1.1mg/(分*cm)、または1.4mg/(分*cm)、または1.5mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約2mg/(分*cm)、例えば、2.6mg/(分*cm)、または2.1mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約4mg/(分*cm)、例えば、4.2mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、25℃での固有溶解速度が、約6mg/(分*cm)、例えば、6.4mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約1mg/(分*cm)、例えば、1.0mg/(分*cm)、または1.1mg/(分*cm)、または1.4mg/(分*cm)、または1.5mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約2mg/(分*cm)、例えば、2.6mg/(分*cm)、または2.1mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約4mg/(分*cm)、例えば、4.2mg/(分*cm)である。いくつかの実施形態では、本発明の錠剤は、本発明のプロセスにより得られるGLP-1ペプチド粉末を含み、GLP-1ペプチド粉末は、30℃での固有溶解速度が、約6mg/(分*cm)、例えば、6.4mg/(分*cm)である。
いくつかの実施形態では、錠剤は、セマグルチドまたはNε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(化合物A)から選択されるGLP-1ペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、錠剤は、治療有効量のGLP-1ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、GLP-1ペプチドを約0.01~約100mgの量で含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、GLP-1ペプチドを0.01~100mgの量で含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、約0.2~約80mg、約0.5~約60mg、または約1~約30mgのGLP-1ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、0.2~80mg、0.5~60mg、または1~30mgのGLP-1ペプチドを含む。
いくつかの実施形態では、錠剤は、錠剤に圧縮された固体組成物であり、経口投与が意図される。
錠剤は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、錠剤は、少なくとも約70パーセント(w/w)または少なくとも約75パーセント(w/w)など、少なくとも約60パーセント(w/w)の送達剤を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、少なくとも70パーセント(w/w)または少なくとも75パーセント(w/w)など、少なくとも60パーセント(w/w)の送達剤を含む。いくつかの実施形態では、送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノカプリル酸ナトリウムなどのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩である。いくつかの実施形態では、送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノカプリル酸ナトリウムであり、錠剤中の賦形剤の総量の少なくとも約90パーセント(w/w)を構成する。いくつかの実施形態では、送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩、例えば、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノカプリル酸ナトリウムであり、錠剤中の賦形剤の総量の少なくとも90パーセント(w/w)を構成する。
いくつかの実施形態では、錠剤は、約0.1~約10パーセント(w/w)、または約0.5~約5パーセント(w/w)、例えば、約1~約3.5パーセント(w/w)または約1パーセント(w/w)の潤滑剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、0.1~約10パーセント(w/w)、または0.5~5パーセント(w/w)、例えば、1~3.5パーセント(w/w)または1パーセント(w/w)の潤滑剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、約2~約2.5パーセント(w/w)を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、ステアリン酸の塩などの潤滑剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、錠剤の賦形剤の総量の約10パーセント(w/w)以下を構成する。いくつかの実施形態では、錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、錠剤の賦形剤の総量の10パーセント(w/w)以下を構成する。
またさらに、錠剤は、例えば、WO2008/145728およびWO/2019/149880に記載されている製剤のうちのいずれか1つ以上を使用して、インスリン分泌促進化合物の経口製剤の技術分野において公知であるように製剤化してもよい。
錠剤はまた、部位特異的放出型、制御放出型、持続放出型、長期放出型、延長放出型、遅延放出型、パルス放出型、減速(retarded)放出型、および/または徐放型の薬物送達系の製剤に使用されてもよい。
本発明のプロセスにより得られる錠剤は、当該技術分野において公知であるように調製されてもよい。錠剤プレスを使用して、「圧密化材料」または「錠剤成形材料」を圧縮してもよい。「圧密化材料」とは、本明細書に記載される噴霧乾燥から得られるGLP-1ペプチドを意味する。「錠剤成形材料」とは、本明細書に記載される噴霧乾燥から得られるGLP-1ペプチドおよび少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を意味する。いくつかの実施形態では、成分は、錠剤に圧縮または圧密される前に造粒される。いくつかの実施形態では、錠剤は、錠剤プレスを使用して圧密される。錠剤成形プレスでは、錠剤成形材料が、成形型のくぼみに充填される(例えば、強制供給または重力供給)。次いで、錠剤成形材料が圧力を用いるパンチによって圧密される。その後、結果として生じる圧密物、つまり錠剤が、錠剤成形プレスから排出される。上述の圧密プロセスは、本明細書では以降「圧密プロセス」と呼ばれる。好適な錠剤プレスとしては、回転式錠剤プレスおよび偏心錠剤プレスが挙げられるが、これらに限定されない。錠剤プレスの例としては、Fette 102i(Fette GmbH)、Korsch XL100、Korsch PH106回転式錠剤プレス(Korsch AG、Germany)、Korsch EK-0偏心錠剤成形プレス(Korsch AG、Germany)、およびManesty F-Press(Manesty Machines Ltd.、United Kingdom)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末は、さらに造粒されてもよい。いくつかの実施形態では、「顆粒」という用語は、より大きな粒子にまとめられた粒子を指してもよい。「顆粒」は、小さな粒子をまとめて大きな塊にすることにより形成されてもよい。「造粒」という用語は、2つ以上の顆粒など、いくつかの顆粒を指す。本明細書に記載されるGLP-1ペプチド粉末が顆粒に製造され、そのような顆粒が錠剤成形材料に使用される場合、該顆粒は、例えば乾式造粒技法によって、当業者に公知の様式で生成されてもよく、この技法では、薬学的に活性な薬剤および/または送達剤を賦形剤とともに圧密して、比較的大きな成形物、例えばスラグまたはリボンを形成させ、これをすりつぶすことにより粉砕し、このすりつぶした材料が、後に圧縮されて錠剤となる錠剤成形材料として働く。乾式造粒のための好適な設備としては、Gerteis MINI-PACTORなどのGerteis製のローラー圧密設備が挙げられるが、これらに限定されない。
錠剤は、いくつかの剤形で、例えば、コーティングされていない錠剤またはコーティングされた錠剤として、投与されてもよい。
錠剤は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含んでもよい。当業者であれば、日常的な実験により、かつ過度の負担なく、経口固体剤形の特定の所望の特性に関して前述の賦形剤のうちの1つ以上を選択し得る。使用される各賦形剤の量は、当該技術分野において慣行である範囲内で変化してもよい。
錠剤は、好適な重量であり得る。いくつかの実施形態では、錠剤の重量は、約100mg~約1000mgの範囲内、例えば、約175mg~約1000mgの範囲内、または例えば、約100mgである。いくつかの実施形態では、錠剤の重量は、約175~約250mg、約300~約500mg、または約500~約900mgの範囲内である。いくつかの実施形態では、錠剤の重量は、175mg~1000mgの範囲内、例えば、175~250mg、300~500mg、もしくは500~900mgの範囲内、または例えば、約200mg、約400mg、または約700mgである。いくつかの実施形態では、錠剤の重量は、約200mg~約1000mgの範囲内、例えば、約500~約700mgまたは約600~約1000mgの範囲内である。いくつかの実施形態では、錠剤の重量は、200mg~1000mgの範囲内、例えば、500~700mgもしくは600~1000mg、または例えば、約200mg、約400mg、約600mg、もしくは約800mgの範囲内である。
GLP-1ペプチド
本発明のプロセスにより得られる錠剤は、GLP-1ペプチドを含む。本明細書で使用する「GLP-1ペプチド」という用語は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化する化合物を指す。
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドは、セマグルチドであってもよい。セマグルチドは、WO2006/097537の実施例4に記載されているように調製してもよい。セマグルチドはまた、N6,26-{18-[N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-L-γ-グルタミル]-10-オキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18-ジアザオクタデカノイル}-[8-(2-アミノ-2-プロパン酸),34-L-アルギニン]ヒトグルカゴン様ペプチド1(7~37)としても公知である。WHO Drug Information Vol.24,No.1,2010を参照されたい。セマグルチドのpIは約5.4である。セマグルチドは以下の構造を有する。
Figure 2022545862000001
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドは、WO2012/140117に見出されるもの、例えば、Nε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(化合物A)であってもよく、WO2012/140117の実施例31に記載されているように調製してもよい。化合物AのpIは約4.6である。化合物Aは以下の構造を有する。
Figure 2022545862000002
いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドは、その完全にまたは部分的にイオン化された形態で存在してもよく、例えば、1つ以上のカルボン酸基(-COOH)を脱プロトン化して、カルボキシレート基(-COO)にし、および/または1つ以上のアミノ基(-NH)を脱プロトン化して、-NH 基にしてもよい。いくつかの実施形態では、GLP-1ペプチドは塩の形態である。
医薬品の適応症
本発明は、医薬として使用するための本発明の錠剤または本発明の医薬組成物などの経口剤形に関する。特定の実施形態では、本錠剤は、すべて好ましくは糖尿病に関する以下の医学的処置に使用されてもよい。
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病などのすべての形態の糖尿病の予防および/または治療、および/またはHbA1Cの低減、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、
(iii)ベータ細胞アポトーシスの減少、ベータ細胞機能および/またはベータ細胞質量の増加、および/またはベータ細胞へのグルコース感受性の回復などのベータ細胞機能の改善、
(iv)認知障害の予防および/または治療、
(v)肥満などの摂食障害の予防および/または治療(例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による)、抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された過食性障害、神経性大食症、および/または肥満の治療もしくは予防、胃の運動の減少、および/または胃内容排出の遅延、
(vi)末梢神経障害を含む神経障害、腎症、または網膜症などの糖尿病合併症の予防および/または治療、
(vii)脂質パラメータの改善(脂質異常症の予防および/または治療、総血清脂質の低下、HDLの低下、小型高密度LDLの低下、VLDLの低下、トリグリセリドの低下、コレステロールの低下、HDLの増加、ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下、またはインビトロおよび/またはインビトロでのアポリポタンパク質a(apo(a))の生成の阻害など)、
(viii)心血管疾患、例えば、X症候群、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈性心疾患、脳卒中、脳虚血、早期心臓または早期心血管疾患、例えば、左室肥大、虚血性心疾患、本態性高血圧、急性高血圧性発作、心筋症、心機能不全、運動耐性、慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、アテローム性動脈硬化、軽度の慢性心不全、狭心症、心臓バイパス再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、および/または収縮機能障害の予防および/または治療、
(ix)炎症性腸症候群、小腸症候群、クローン病、消化不良、および/または胃潰瘍などの胃腸疾患の予防および/または治療、
(x)重症疾患の予防および/または治療、例えば、重症患者、重症疾患の多発性神経障害(CIPNP)患者、および/または潜在的なCIPNP患者の治療、重症疾患もしくはCIPNPの発症の予防、患者における全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防、治療、および/または治癒、および/または患者が入院中に菌血症、敗血症、および/または敗血症性ショックを患うことの予防またはその可能性の低減、および/または
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防および/または治療。
特定の実施形態では、適応症は、適応症(i)、(ii)、および/または(iii)、または適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、および/または適応症(viii)など、(i)~(iii)および(v)~(viii)から成る群から選択される。別の特定の実施形態では、適応症は(i)である。さらなる特定の実施形態では、適応症は(v)である。なおさらなる特定の実施形態では、適応症は(viii)である。いくつかの実施形態では、適応症は、2型糖尿病および/または肥満である。
本明細書で別段の指示がない限り、単数形で提示される用語は、複数形も含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で使用する場合、数または間隔に関連して与えられる特定の値は、特定の値として、またはおよそ特定の値(例えば、特定の値のプラスまたはマイナス10パーセント)として理解され得る。
実施形態
以下は、本発明の非限定的な実施形態である。
1.GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するプロセスであって、該方法が、
a.GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥する工程であって、供給液のpHが、GLP-1ペプチドのpIよりも高い、噴霧乾燥する工程と、
b.得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む、プロセス。
2.
a.GLP-1ペプチドを供給液溶媒に溶解させるか、または精製工程から直接、溶液中のGLP-1ペプチドを得る工程と、
b.不揮発性塩基を供給液に加えることによって、供給液のpHを、GLP-1ペプチドのpIを上回るpHに調整する工程と、
c.供給液を噴霧乾燥機に導入し、該GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、
d.得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む、実施形態1に記載のプロセス。
3.GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するプロセスであって、該方法が、
a.GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥する工程であって、供給液のpHが、5~12の範囲内である、噴霧乾燥する工程と、
b.得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む、プロセス。
4.
a.GLP-1ペプチドを供給液溶媒に溶解させるか、または精製工程から直接、溶液中のGLP-1ペプチドを得る工程と、
b.不揮発性塩基を供給液に加えることによって、供給液のpHを、pH5~12に調整する工程と、
c.供給液を噴霧乾燥機に導入し、該GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、
d.得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む、実施形態3に記載のプロセス。
5.GLP-1ペプチド粉末の噴霧乾燥粉末を生成するプロセスであって、GLP-1ペプチドがセマグルチドまたは化合物Aであり、本プロセスが、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥させる工程を含み、供給液のpHが約5~約10の範囲内である、プロセス。
6.
a.GLP-1ペプチドを供給液溶媒に溶解させるか、または精製工程から直接、溶液中のGLP-1ペプチドを得る工程と、
b.不揮発性塩基を供給液に加えることによって、供給液のpHを、約5~約10のpHに調整する工程と、
c.供給液を噴霧乾燥機に導入し、該GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、を含む、実施形態5に記載のプロセス。
7.供給液のpHが、pH5~12に調整される、実施形態1~4のいずれか1つに記載のプロセス。
8.供給液のpHがpH5~10に調整される、実施形態1~7のいずれか1つに記載のプロセス。
9.供給液のpHがpH6~9に調整される、実施形態1~8のいずれか1つに記載のプロセス。
10.供給液のpHがpH6~8に調整される、実施形態1~9のいずれか1つに記載のプロセス。
11.供給液pHが、不揮発性塩基を使用して、所与のpH間隔に調整される、実施形態1~10のいずれか1つに記載のプロセス。
12.不揮発性塩基が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物、リン酸緩衝液、TRIS、酢酸緩衝液などの緩衝液から選択される、実施形態11に記載のプロセス。
13.不揮発性塩基が、水酸化ナトリウム、例えば、1M水性水酸化ナトリウムである、実施形態11または12に記載のプロセス。
14.GLP-1ペプチドが、セマグルチドまたはNε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(化合物A)から選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載のプロセス。
15.供給液溶媒が、水混和性有機溶媒を含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載のプロセス。
16.供給液溶媒が、有機アルコール溶媒を含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載のプロセス。
17.供給液溶媒が、エタノールを含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載のプロセス。
18.供給液溶媒が、水性エタノールである、実施形態1~17のいずれか1つに記載のプロセス。
19.供給液溶媒が、40~70パーセント(w/w)の水性エタノールである、実施形態1~18のいずれか1つに記載のプロセス。
20.供給液溶媒が、45~65パーセント(w/w)の水性エタノールである、実施形態1~19のいずれか1つに記載のプロセス。
21.供給液溶媒が、50~60パーセント(w/w)の水性エタノールである、実施形態1~20のいずれか1つに記載のプロセス。
22.供給液が、0.5~10パーセント(w/w)のGLP-1ペプチドを含む、実施形態1~21のいずれか1つに記載のプロセス。
23.供給液が、1~7パーセント(w/w)のGLP-1ペプチドを含む、実施形態1~22のいずれか1つに記載のプロセス。
24.供給液が、1.8~5パーセント(w/w)のGLP-1ペプチドを含む、実施形態1~23のいずれか1つに記載のプロセス。
25.供給液が、1~3パーセント(w/w)のセマグルチドを含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載のプロセス。
26.供給液が、1.8~2.1パーセント(w/w)のセマグルチドを含む、実施形態1~25のいずれか1つに記載のプロセス。
27.供給液が、50~55パーセント(w/w)水性エタノール中の1~3パーセント(w/w)セマグルチドを含む、実施形態1~26のいずれか1つに記載のプロセス。
28.供給液が、50~55パーセント(w/w)エタノール中の1.8~2.1パーセント(w/w)セマグルチドを含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載のプロセス。
29.供給液が、3~5パーセント(w/w)の化合物Aを含む、実施形態1~24のいずれか1つに記載のプロセス。
30.供給液が、50~65パーセント(w/w)水性エタノール中の3~5パーセント(w/w)化合物Aを含む、実施形態1~24または29のいずれか1つに記載のプロセス。
31.生成された錠剤が、治療有効量のGLP-1ペプチドを含む、実施形態1~30のいずれか1つに記載のプロセス。
32.生成された錠剤が、GLP-1ペプチドを0.01~100mgの量で含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載のプロセス。
33.生成された錠剤が、GLP-1ペプチドを0.1~50mgの量で含む、実施形態1~32のいずれか1つに記載のプロセス。
34.生成された錠剤が、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む、実施形態1~33のいずれか1つに記載のプロセス。
35.生成された錠剤が、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、送達剤、および/または滑剤から成る群から選択される1つ以上の賦形剤を含む、実施形態1~34のいずれか1つに記載のプロセス。
36.潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、実施形態35に記載のプロセス。
37.生成された錠剤が送達剤を含む、実施形態1~36のいずれか1つに記載のプロセス。
38.送達剤がN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩である、実施形態37に記載のプロセス。
39.送達剤がN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウムである、実施形態37または38に記載のプロセス。
40.送達剤が、少なくとも0.05mmolの量で存在する、実施形態37~39のいずれか1つに記載のプロセス。
41.送達剤が、0.05~3mmolの量で存在する、実施形態37~40のいずれか1つに記載のプロセス。
42.生成された錠剤は、重量が150~1000mgの範囲内である、実施形態1~41のいずれか1つに記載のプロセス。
43.生成された錠剤は、重量が200~800mgの範囲内である、実施形態1~42のいずれか1つに記載のプロセス。
44.生成された錠剤は、重量が、400mg、500mg、600mgなど、300~700mgの範囲内である、実施形態1~43のいずれか1つに記載のプロセス。
45.生成された錠剤が経口投与用である、実施形態1~44のいずれか1つに記載のプロセス。
46.実施形態1~45のいずれか1つに記載のプロセスにより得られる、錠剤。
47.例えば本明細書の実施例1および2の方法により測定して、改善した固有溶解速度が得られる、実施形態46に記載の錠剤。
48.錠剤が送達剤を含む、実施形態46または47に記載の錠剤。
49.送達剤がN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウムである、実施形態48のいずれか1つに記載の錠剤。
50.医薬品に使用するための、実施形態46~49のいずれか1つに記載の錠剤。
51.2型糖尿病または肥満の治療に使用するための、実施形態46~50のいずれか1つに記載の錠剤。
52.実施形態46~49のいずれか1つに記載の錠剤を対象に投与することを含む、2型糖尿病の治療方法。
53.実施形態46~49のいずれか1つに記載の錠剤を対象に投与することを含む、肥満の治療方法。
54.2型糖尿病の治療のための薬剤の製造における、実施形態46~49のいずれか1つに記載の錠剤の使用。
55.肥満の治療のための薬剤の製造における、実施形態46~49のいずれか1つに記載の錠剤の使用。
略語
MCC:微結晶性セルロース
MgSt:ステアリン酸マグネシウム
PVP:ポビドンK90
一般的な方法
噴霧乾燥の一般的な方法:
水性エタノール溶媒中のGLP-1ペプチドの供給液を全実験に使用した。濃度の詳細を各実施例について付与する。1M NaOHまたは1M HClを使用して、供給液のpHを所与のpH値に調整した。
乾燥ガスの再循環のための不活性ループB-295と連結し、また任意選択で除湿機B-296と連結したBuchi B-290実験室規模噴霧乾燥機で噴霧乾燥を行った。窒素ガスを乾燥ガスおよび噴霧化ガスとして使用した。内径が0.7mm、キャップ径が1.5mmである二流体ノズルを噴霧化に使用した。
凝縮器温度設定点は、すべての実験について0℃以下であり、安定化に使用した溶媒は、供給液のエタノール濃度に対応する濃度の水性エタノールであった。
吸引器を100%でオンにし、続いて窒素ガスを、0.35~0.50kg/時間の噴霧化ガスに相当する、組み込み型ロータメーターで23~30mm Hgのレベルにて投入した。噴霧乾燥機内で十分に低い酸素レベル(6体積%未満)に達したときに、ヒーターを約90℃の設定点でオンにして、噴霧乾燥機を加熱した(ガス安定化)。意図した出口温度に達した(70~73℃)とき、入口温度を110~136℃に上げた。標的供給液流量に達したら(0.32~0.41kg/時間)、入口温度を微調整して、標的出口温度を得た。すべてのパラメータを必要に応じて検証した。
安定な温度プロファイルに達したら、噴霧乾燥機の供給管を安定化溶媒から上述のようにGLP-1ペプチドを含む実際の供給液に移して、実際の噴霧乾燥プロセスを開始した。生成物を、乾燥チャンバに接続した高性能サイクロンにより2~56分間収集した。
圧密物調製
圧密物(本明細書では圧密錠剤とも呼ばれる)を、記載した噴霧乾燥の一般的な方法から得たGLP-1ペプチドの粉末を圧縮して圧密錠剤にすることにより作製した。より具体的には、噴霧乾燥GLP-1ペプチド組成物(20~50mg)を、成形型(4~7mm)内で圧力(0.5~1メートルトン)を用いて1分間圧縮し、圧密物にした。
錠剤調製
錠剤は、WO2013/139695に記載されるように、SNAC/MCC/MgSt顆粒およびMCC/PVP顆粒の2種類の顆粒を使用して調製した。SNAC/MCC/MgSt顆粒およびMCC/PVP顆粒を調製し、顆粒外セマグルチドと混合した。表7に含まれるMgStの量は、括弧内に総量および顆粒外材料を含む。同様に、MCCの総量には、括弧内に、それぞれSNAC/MCC/MgStおよびMCC/PVP顆粒中のMCCの量が含まれる(表7)。
9.4gのMCC/PVP顆粒と0.6gのMgStとのブレンドを、100mLの容器を使用し、25rpmで30分間、Pharmatech MBミキサーでブレンドして調製した。1錠分のSNAC/MCC/MgSt顆粒を計量皿上に計量した。それに重ねて、1錠分のMCC/PVP顆粒とMgStとのブレンドを計量した。次に、1錠分のセマグルチドを計量皿内の他の成分に重ねて計量した。次に、成分を手で混合し、機器装備した回転式錠剤成形機(Fette 102i)の錠剤成形型のくぼみに直接移した。成形型のくぼみの中にある混合物を、20rpmの成形型台回転速度および約9.5kNの圧縮力で圧縮して、7.5×13mmの寸法の楕円形凸状錠剤にした。
固有溶解実験(圧密錠剤)および溶解実験(錠剤)のための一般的な方法:
固有溶解実験(圧密錠剤)
固有溶解を使用して、噴霧乾燥後の粉末特性の変動を分析した。回転ディスク装置(Woods装置)を使用した。圧密錠剤を、固体/液体表面が分析期間にわたって一定に維持されるように、片面が溶解媒体に曝露した状態で錠剤ホルダーに嵌め込んだ。次に、圧密錠剤を一定速度で回転させ、濃度測定用の試料を予め定義した間隔で溶解媒体から採取した。各試料に溶解したGLP-1ペプチドの量を、215nmでのUV検出を使用する標準的なUPLC、またはShimadzu UV分光計(215nm)を使用するUV分光法により定量した。固有溶解を、薬局方ガイド(例えば、Ph.Eur 2.9.29;USP<1087>)に従って測定した。
溶解実験(錠剤)
溶解試験を、50rpmのパドル回転速度を使用し、United States Pharmacopoeia 35に従って装置2を用いて実施した。0.05Mのリン酸緩衝液(pH6.8)の500mLの溶解媒体を、37℃の温度で使用した。すべての溶解媒体は、0.05%のポリオキシエチレンラウリルエーテルを含有した。試料アリコートを適切な間隔で1時間除去し、SNACおよびGLP-1の二重検出のためのRP-UHPLC法を使用して、試料含有量を決定した。UHPLC法は、C18カラム上の勾配溶出に基づいた。溶離液系は、210および335nmのUV検出で、水中0.09Mの(NHHPO(pH3.6)、アセトニトリル、および2-プロパノールであった。試料含有量を、それぞれSNACおよびセマグルチド参照の主要ピーク面積に対するクロマトグラム中のSNACおよびセマグルチドの主要ピーク面積に基づいて計算した。SNACおよびセマグルチドの放出量を、1時間の溶解試験の後ですべてのSNACおよびセマグルチドを250rpmで10分間抽出することにより、錠剤中の実含有量の割合として計算した。
実施例1:様々なpH値でのセマグルチドの固有溶解
53パーセント(w/w)の水性エタノール中の2パーセント(w/w)のセマグルチドを含む供給液を、噴霧乾燥の一般的な方法に記載のように作製した。この原液から、室温でpHストリップを使用して測定した場合に3~10のpH範囲が得られるように、1M HClまたは1M NaOHを使用してpHを調整することにより、様々なpHの供給液を作製し、これを表1に示す。Buchi B-290噴霧乾燥機を以下のパラメータで使用して、噴霧乾燥を行った。供給流量:0.38~0.41kg/時間、噴霧化ガス流量:0.50kg/時間、出口温度:73℃、入口温度:110~114℃
Figure 2022545862000003
実験番号1~6の各々から、得られたセマグルチドの噴霧乾燥粉末20mgを、4mmの成形型内で0.5メートルトンの圧力を使用して1分間圧縮し、圧密錠剤にした。各圧密錠剤を、上記の固有溶解試験の一般的な方法を使用して、固有溶解について試験した。溶解培地は、0.2パーセントのBrij 35(登録商標)を含有するpH6.8の500mlの50mMリン酸緩衝液であった。使用した試験条件は、温度25℃、回転速度75rpmであった。1mlの試料を5分ごとに各溶解容器から採取し、続いて、試料中の溶解したセマグルチドの含有量を、UPLC分析を使用して定量した。結果を表2および図1に提示する。
Figure 2022545862000004
セマグルチドの固有溶解速度を表3に示し、これは、表2のデータに基づいて計算したものである。固有溶解の線形部分のセマグルチドの放出量の線形回帰からの勾配および0.1257cmの放出面積を使用して、固有溶解速度を計算した。線形回帰は、実験1~4および6についてはすべての時点に基づいたのに対し、実験5については、非線形性を理由に、固有溶解の5分、10分、および15分での最初の3つの時点を除外した。
Figure 2022545862000005
表3および図1のデータは、セマグルチドが3.5を上回るpHの供給液からの噴霧乾燥により得られた場合、供給液のpHが3.5以下である場合(実験1~2)よりも、セマグルチドの固有溶解速度が上がる(実験3~6)ことを示す。さらに、表1の固有溶解速度により、セマグルチドの固有溶解速度は、供給液のpHが約5である場合に最も高いことが示される。
実施例2:様々なpH値での化合物Aの固有溶解
50~63パーセント(w/w)の水性エタノール中30~40mg/mlのNε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(化合物A)を、一般的な方法に記載したように調製し、室温でpHストリップを使用して測定するとpHは5であった。この原液から、室温でpHストリップを用いて測定した場合に3.6~7のpH範囲が得られるように、1M HClまたは1M NaOHを使用してpHを調整することにより、様々なpHの供給液を作製し、これを表1に示す。任意選択で、NaClを、表4に従って5mg/mlの濃度で加えた。Buchi B-290で使用した噴霧乾燥パラメータ:供給流量:6ml/分(0.32~0.33kg/時間に相当)、噴霧化ガス流量:0.35~0.50kg/時間、出口温度:70℃、入口温度:120~136℃
Figure 2022545862000006
実験番号7~10の各々から、得られた化合物Aの噴霧乾燥粉末50mgを、7mmの成形型内で1メートルトンの圧力を使用して1分間圧縮し、圧密錠剤にした。各圧密錠剤を、固有溶解試験の一般的な方法を使用して、固有溶解について試験した。溶解培地は、0.05パーセントのBrij 35(登録商標)を含有するpH6.8の500mlの50mM二リン酸ナトリウム緩衝液であった。使用した試験条件は、温度30℃、回転速度50rpmであった。1mlの試料を、2.5分ごとに10分間、次に5分ごとにさらに20分間、各溶解容器から採取し、続いて、試料中の溶解した化合物Aの含有量を、UV分光法(215nm)により定量した。結果を表5および図2に提示する。比較のために、原液の作製に使用した化合物Aの初期粉末から直接の圧密錠剤も作製した。当該粉末を、より小さな粒子を生じさせる異なる噴霧乾燥方法により得て、これらの粒子を、溶解が粒径に左右されるかどうかを評価するために固有溶解実験に含めた。噴霧乾燥用の供給液は、pHが5であった(実験番号11)。
結果を表5および図2に提示する。
Figure 2022545862000007
化合物Aの固有溶解速度を表6に示し、これは、表5のデータに基づいて計算したものである。固有溶解の線形部分の化合物Aの放出量の線形回帰からの勾配および0.3848cmの放出面積を使用して、固有溶解速度を計算した。線形回帰は、実験7についてはすべての時点に基づいたのに対し、実験8および11について、および実験9~10については、非線形性を理由に、それぞれ、固有溶解の25分および30分での最後の2つの時点、および20分、25分、および30分での最後の3つの時点を除外した。
Figure 2022545862000008
表6および図2のデータは、本発明に従うプロセス、すなわち、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液であって、供給液のpHが約5~約10の範囲内である、供給液を噴霧乾燥することにより得られた噴霧乾燥化合物A(実験番号8~11)が、GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液であって、供給液のpHが5を下回る範囲内である、供給液を噴霧乾燥することにより得られた噴霧乾燥化合物A(実験番号7)と比較して、固有溶解速度が上がったことを示す。
実施例3:噴霧乾燥セマグルチドを含む錠剤の溶解試験
噴霧乾燥セマグルチド粉末の異なる試料を、実施例1に記載したように噴霧乾燥により製造した。このようにして得られた噴霧乾燥セマグルチド粉末を、「錠剤調製」に記載の手順に従って圧縮して錠剤にした。錠剤組成を表7に示す。各実験は、6個の個別の錠剤の平均である。
Figure 2022545862000009
溶解試験を、「溶解実験」に記載のように錠剤I~Vに対して実施した。結果を表8に示す。
Figure 2022545862000010
セマグルチドの溶解結果(錠剤I~V、表8)から、セマグルチドの噴霧乾燥中のpHが低いほど、錠剤からのセマグルチドの溶解および放出が遅くなることが示される。具体的には、表8の結果から、錠剤のセマグルチドが、pH5以上(錠剤III~V)の供給液からの噴霧乾燥により得られる場合、結果として生じる錠剤の溶解速度は、pH5未満(錠剤I~II)と比較して上がることが示される。錠剤I~Vは、いわゆる正常な溶解の即放性錠剤であることから、錠剤I~Vの30分および45分という時点を、溶解結果のこれらの錠剤間の比較に使用するのが好適である(これは、例えば、即放性錠剤は典型的には30~45分以内に85~100%の放出に達すると述べている米国薬局方の<1092>“The dissolution procedure:Development and validation”中のセクション2.4.1;即放性錠剤は45分以内に75%以上を放出できるはずであると述べているEuropean Medicines Agency出版の“Reflection paper on the dissolution specification for generic solid oral immediate release products with systemic action”(EMA/CHMP/CVMP/QWP/336031/2017);および「急速な溶解」を即放性錠剤について15分以内に80%を超えるものとするのに対し、即放性錠剤の「正常な溶解」を15分後に80%を超える溶解と定義するICHガイドラインQ6A(決定木#7-1)と一致する)。表8に見られるように、30分および45分の時点での溶解したセマグルチドの量は、錠剤III~Vについて、錠剤IおよびIIよりも高い。
本発明のある特定の特徴を本明細書に例示および記載したところで、多くの修正、置換、変更、および均等物が当業者には想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の本旨の範囲に入るこのようなすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。

Claims (14)

  1. GLP-1ペプチドを含む錠剤を生成するプロセスであって、前記方法が、
    a.前記GLP-1ペプチドと供給液溶媒とを含む供給液を噴霧乾燥する工程であって、前記供給液のpHが、5~10の範囲内など、約5~約10の範囲内である、噴霧乾燥する工程と、
    b.得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む、プロセス。
  2. a.前記GLP-1ペプチドを前記供給液溶媒に溶解させるか、または精製工程から直接、溶液中の前記GLP-1ペプチドを得る工程と、
    b.不揮発性塩基を前記供給液に加えることによって、前記供給液のpHを、5~10の範囲など、約5~約10のpHに調整する工程と、
    c.前記供給液を噴霧乾燥機に導入し、前記GLP-1ペプチドを乾燥させる工程と、
    d.前記得られたGLP-1ペプチドの粉末と、任意選択で少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを圧縮して錠剤にする工程と、を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記供給液のpHが、不揮発性塩基を使用して、前記GLP-1ペプチドのpIよりも高いpH、またはpH5~10の範囲に調整される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記不揮発性塩基が、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物、例えば、1M水性水酸化ナトリウム;リン酸緩衝液、TRIS、酢酸緩衝液などの緩衝液から選択される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記GLP-1ペプチドがセマグルチドである、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記GLP-1ペプチドが、Nε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(化合物A)である、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記供給液溶媒が、水性エタノールである、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記供給液溶媒が、40~70パーセント(w/w)の水性エタノールである、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記供給液が、0.5~10パーセント(w/w)の前記GLP-1ペプチドを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセスにより得られる、錠剤。
  11. 前記錠剤が送達剤を含む、請求項10に記載の錠剤。
  12. 前記送達剤がN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウムである、請求項11に記載の錠剤。
  13. 医薬品に使用するための、請求項10~12のいずれか一項に記載の錠剤。
  14. II型糖尿病または肥満の治療のための、請求項10~13のいずれか一項に記載の錠剤。
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