図面を全般的に参照すると、最適化された段間流入口を有する多段遠心圧縮機を備えるチラー組立体が示されている。遠心圧縮機は、チラーなどの、流体の圧縮を必要とする様々な装置において有用である。この圧縮を達成するために、遠心圧縮機は、角運動量を流体の静圧上昇に変換するために、回転構成要素を利用する。
単段遠心圧縮機は、4つの主要構成要素:入口、インペラ、ディフューザ、およびコレクタまたはボリュート、を含むことができる。入口は、流体(例えば、冷媒)を圧縮機に引き込み、該流体をインペラに送達する単純な管を含むことができる。インペラは、流体がインペラの中心(インペラの目として既知)からインペラの外周縁部(インペラの先端部として既知)へと進行するときに流体のエネルギーを段階的に上昇させる、回転する一組のベーンである。流体経路内のインペラの下流は、ディフューザ機構であり、これは、流体を減速させるように作用し、したがって、流体の運動エネルギーを静圧エネルギーに変換する。流体は、ディフューザを出ると、コレクタまたはボリュートに入り、そこで、コレクタまたはボリュートの形状のため、運動エネルギーの静圧へのさらなる変換が生じる。
多段遠心圧縮機は、複数の入口と、インペラと、ディフューザと、を含むことができる。単段圧縮機と比較して、多段圧縮機は、下でさらに詳細に説明するように、より高い総圧力比、およびエコノマイザの存在によるより良好な冷凍サイクル性能を達成することが可能である。2段遠心圧縮機は、以下のように動作し得る:流体の主流が、第1の入口、インペラ、およびディフューザ組立体を通って流れ得る。流体の主流は、第1のディフューザ組立体を出ると、第2の入口を通って圧縮機に入る第2の流体の流れと組み合わされ得る。次いで、組み合わされた主流および二次流は、第2のインペラおよびディフューザ組立体を通って進行し、その後にコレクタまたはボリュートを通って圧縮機を出る。戻りチャネルの頂部において二次流を減衰させる、または別の地点において二次流を主流に注入する(そのどちらも主流体流れを空力的に***させる)のではなく、本開示の実施形態は、二次流入口に流体結合されたコレクタキャビティを含む。コレクタキャビティは、主流経路に挿入される前に二次流を一様に分配することを可能にし、その結果、圧縮機性能が向上する。
ここで、図1~図2を参照すると、チラー組立体100の例示的な実装形態が描写されている。チラー組立体100は、モータ104によって駆動される圧縮機102と、凝縮器106と、蒸発器108と、を含むように示されている。冷媒は、蒸気圧縮サイクルのチラー組立体100を通って循環する。チラー組立体100はまた、チラー組立体100内の蒸気圧縮サイクルの動作を制御するために、コントロールパネル114も含むことができる。
モータ104は、可変速駆動装置(VSD)110によって給電することができる。VSD110は、AC電力源(図示せず)から特定の固定線電圧および固定線周波数を有する交流(AC)電力を受信して、可変の電圧および周波数を有する電力をモータ104に提供する。モータ104は、VSD110によって給電することができる任意のタイプの電気モータとすることができる。例えば、モータ104は、高速誘導モータとすることができる。圧縮機102は、モータ104によって駆動されて、吸込ライン112を通した蒸発器108からの冷媒蒸気を圧縮して、吐出ライン124を通して該冷媒蒸気を凝縮器106に送達する。圧縮機102は、遠心圧縮機、スクリュー圧縮機、スクロール圧縮機、タービン圧縮機、または任意の他のタイプの好適な圧縮機とすることができる。本明細書で想到される実施形態の各々では、圧縮機102は、多段遠心圧縮機である。
蒸発器108は、内部管束(図示せず)と、内部管束にプロセス流体を供給するための供給ライン120と、そこからプロセス流体を除去するための戻りライン122と、を含む。供給ライン120および戻りライン122は、プロセス流体を循環させる導管を介して、HVACシステム内の構成要素(例えば、エアハンドラ)と流体連通することができる。プロセス流体は、建築物を冷却するための冷却液であり、限定されないが、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン、または任意の他の好適な液体とすることができる。蒸発器108は、プロセス流体が蒸発器108の管束を通過して冷媒と熱を交換するときにプロセス流体の温度を下降させるように構成されている。冷媒蒸気は、プロセス流体と熱を交換して、冷媒蒸気への相変化を受ける、蒸発器108に送達される冷媒液体によって蒸発器108において形成される。
圧縮機102によって凝縮器106に送達される冷媒蒸気は、流体に熱を伝達する。冷媒蒸気は、流体との熱伝達の結果として、凝縮器106において冷媒液体に凝縮する。凝縮器106からの冷媒液体は、膨張装置を通って流れ、蒸発器108に戻されて、チラー組立体100の冷媒サイクルを完了する。凝縮器106は、凝縮器106とHVACシステムの外部構成要素(例えば、冷却塔)との間で流体を循環させるための供給ライン116および戻りライン118を含む。戻りライン118を介して凝縮器106に供給される流体は、凝縮器106において冷媒と熱を交換し、供給ライン116を介して凝縮器106から除去されて、サイクルを完了する。凝縮器106を通って循環する流体は、水または任意の他の好適な液体とすることができる。
冷媒は、例えば、400kPaまたは約58psi未満の動作圧力を有することができる。いくつかの実施形態では、冷媒は、R1233zdである。R1233zdは、市販のチラー組立体で利用される他の冷媒と比較して、低い地球温暖化係数(GWP)を有する不燃性フッ素化ガスである。GWPは、1トンの二酸化炭素の排出と比較して、1トンのガスの排出が所与の期間にどのくらいのエネルギー量を吸収するのかを定量化することによって、異なるガスの地球温暖化への影響の比較を可能にするために開発されたメトリックである。
ここで、図3および図4を参照すると、いくつかの実施形態による、多段圧縮機102の斜視図および上面図がそれぞれ描写されている。多段圧縮機102は、主入口通路ハウジング305、二次入口コレクタハウジング310、遷移領域ハウジング315、およびボリュート出口ハウジング320が挙げられるが、これらに限定されない、複数の構造構成要素を含むように示されている。主入口通路ハウジング305、二次入口コレクタハウジング310、遷移領域ハウジング315、およびボリュート出口ハウジング320の結合は、任意の好な方法(例えば、機械的締結具、溶接)を使用して達成することができる。様々な実施形態では、1つ以上のハウジング構成要素305~320は、互いに分離不可能または着脱可能に結合される1つ以上の副構成要素から製造することができる。
主入口通路ハウジング305は、蒸発器(例えば、蒸発器108)から多段圧縮機102へと冷媒蒸気の主供給を送達する吸込口管(例えば、吸込ライン112)に結合される入口325を含むことができる。いくつかの実施形態では、入口325は、複数の流れ指向ベーンを有する整流構成要素(図示せず)を含むか、またはそれらに結合される。整流構成要素は、第1段インペラ入口での軸流を確実にし、それによって、圧縮機102の性能を増加させるために、主入口通路ハウジング305内に位置付けられた第1段インペラ(図5および図6を参照して、下でさらに詳細に説明する)の上流に位置付けられ得る。
主入口通路ハウジング305は、二次入口コレクタハウジング310に結合されるように示されている。二次入口コレクタハウジング310は、多段圧縮機102に冷媒蒸気の二次供給を送達するためにエコノマイザ(図示せず)に結合される、入口330を含むことができる。エコノマイザは、チラー組立体100に増加された容量、効率、および成績係数(COP)を提供することができる一タイプの副冷却器である。エコノマイザ回路は、フラッシュタンクと、凝縮器の下流で凝縮器(例えば、凝縮器106)または主冷媒ラインに接続される、フラッシュタンクへの入口ラインと、入口ラインに組み込まれた膨張装置と、膨張装置の上流で主冷媒ラインに接続される、フラッシュタンクからの第1の出口ラインと、圧縮機102の入口330に接続される、フラッシュタンクからの第2の出口ラインと、を含むことができる。動作中に、エコノマイザ回路は、入口330を通して中間圧力で冷媒蒸気を提供することによってシステム効率を向上させ、それによって、圧縮機102によって行われる仕事量を低減させ、かつ圧縮機102の効率を増加させることができる。図3および図4に描写されるように、いくつかの実施形態では、入口330は、圧縮機102の頂部に位置し、主入口325および二次入口330は、互いに対して垂直に配向される。しかしながら、主入口325および二次入口330は、主入口325および二次入口330が互いに対して垂直になり得ないように、意図する用途に応じて、互いに対して様々な方向に配向することができる。
二次入口コレクタハウジング310は、遷移領域ハウジング315に結合されるように示されている。エコノマイザによって提供される二次冷媒流は、圧縮機の周りに円周方向に流れて、その後に二次入口コレクタハウジング310を遷移領域ハウジング315に結合することによって形成された挿入スロットを通って進行することができる。主冷媒流に加わると、組み合わされた主冷媒流および二次冷媒流は、遷移領域ハウジング315内に収納された第2段インペラ(図5および図6を参照して、下でさらに詳細に説明する)を通って進行して流れる。遷移領域ハウジング315も同様に、ボリュート出口ハウジング320に結合されるように示されている。ボリュート出口ハウジング320は、圧縮機の周りに延在し、出口335において終端している流路を含むことができる。出口335は、冷媒蒸気を凝縮器(例えば、凝縮器106)に送達する吐出通路(例えば、吐出ライン124)に結合することができる。図3および図4では別個の構成要素として描写されているが、他の実施形態では、二次入口コレクタハウジング310、遷移領域ハウジング315、およびボリュート出口ハウジング320のうちの2つ以上は、単一の構成要素として鋳造または機械加工することができる。
多段圧縮機102は、第1のディフューザ作動組立体340と、第2のディフューザ作動組立体345と、を含むようにさらに示されている。第1のディフューザ作動組立体340は、第1のインペラの下流で第1のディフューザ組立体を動作させるように構成することができ、一方で、第2のディフューザ作動組立体345は、第2のインペラの下流で第2のディフューザ組立体を動作させるように構成することができる。様々な実施形態では、ディフューザ組立体の一方または両方は、ディフューザ空隙を通る流れが妨害されない第1の後退位置と、ディフューザ空隙を通る流体流れを変化させるためにディフューザリングがディフューザ空隙の中へ延在している第2の延在位置との間を、作動組立体340または345によって移動可能なディフューザリングを有する可変形状ディフューザ(VGD)機構とすることができる。他の実施形態では、多段圧縮機102は、単一のディフューザ作動組立体だけを含む。単一ディフューザ作動組立体は、圧縮機102の第1段のみ、圧縮機102の第2段のみ、または第1段および第2段の両方を同時に制御することができる。
ここで、図5および図6A~図6Dを参照すると、いくつかの実施形態による、多段圧縮機102の断面図が描写されている。示されるように、吸込ラインからの冷媒蒸気は、主入口通路ハウジング305の入口325を通って進行して、第1のインペラ組立体500に接近する。図6に具体的に描写されるように、吸込ラインから生じる冷媒蒸気は、主冷媒流615と表記することができる。回転中に、インペラ組立体500は、主冷媒流615を圧縮して接線速度を付与し、その後に半径方向および接線方向外方にディフューザ組立体へと指向する。ディフューザ組立体は、主冷媒流615の半径方向速度および接線速度を減少させ、その静圧を増加させる。拡散プロセスは、第1のディフューザ作動組立体340による第1のディフューザリング620の動作を通して制御される。様々な実施形態では、ディフューザは、ベーンを含むことができるか、またはベーンレスとすることができる。入口325から第1のディフューザリング620の出口を通って延在している領域は、多段圧縮機102の第1段部分600を備える。
第1のインペラ組立体500および第1のディフューザリング620を過ぎて流れた後に、主冷媒流615は、軸方向に曲がって、二次冷媒流625と混ざる。二次冷媒流625は、エコノマイザによって供給することができ、また、入口330を通って多段圧縮機102に入ることができる。二次冷媒流625は、二次入口コレクタハウジング310内に形成された円周方向コレクタ通路515を通って流れ、その後に主冷媒流615に加わることができる。円周方向コレクタ通路515を通って進行することによって、二次冷媒流625は、圧縮機102の円周の周りにより一様に分配され、その結果、二次冷媒流625が主冷媒流615に加わるときの擾乱が最小になる。示されるように、いくつかの実施形態では、コレクタ通路515は、圧縮機102の全周の周りに実質的に一様な(一定の)断面積を有する。他の実施形態では、コレクタ通路515の断面積は、圧縮機102の円周の周りに一様でない場合がある。例えば、通路の断面積は、冷媒が圧縮機102の円周の周りを進行するにつれて、線形または非線形に増加または減少させることができる。さらに、通路の断面積は、様々な異なる幾何学的形状を使用して実装することができる。
二次流挿入スロット530は、コレクタ通路515を指向ベーン組立体505に流体結合する。二次冷媒流625は、コレクタ通路515の周りに分配された後、圧縮機102の全円周の周りに延在している二次流挿入スロット530を通って流れて、主冷媒流615に加わる。二次流挿入スロット530は、二次入口コレクタハウジング310が遷移領域ハウジング315に結合される領域内にあるので、二次流挿入スロット530の幾何学形状(すなわち、長さ、幅、他の流路に対する挿入角度)は、二次入口コレクタハウジング310および遷移領域ハウジング315の幾何学形状、ならびにハウジング構成要素310と315との間の接合の特性によって決定される。図6Aに示されるように、二次流挿入スロット530は、二次入口330の流れ経路に実質的に平行(すなわち、±10°)であり、かつ主入口325の流れ経路に対して垂直である。
組み合わさると、主流615および二次流625は、指向ベーン組立体505を通過する。図7および図8を参照して下でさらに詳細に説明されるように、指向ベーン組立体505は、組み合わされた冷媒流615および625を直線状にし、かつそれらの成分の接線速度を低減させるように構成することができる。図6Aに具体的に描写されるように、第1のディフューザリング620の出口から開始し、円周方向コレクタ通路515を含み、指向ベーン組立体505の出口を通って延在している領域は、多段圧縮機102の段間戻りチャネル部分605を備える。
指向ベーン組立体505を出た後に、組み合わされた主流615および二次流625は、第2のインペラ組立体510に接近する。第1のインペラ組立体500と同様に、第2のインペラ組立体510は、組み合わされた主流615および二次流625を圧縮して接線速度を付与する、回転する一組のベーンを含む。第1のインペラ組立体500および第2のインペラ組立体510の回転は、モータ(例えば、モータ104)への駆動接続525によって駆動される。図5に示されるように、駆動接続525は、直接駆動接続である。他の実施形態では、駆動接続525は、ギアボックスまたは他の伝達システムを含むことができる。
第2のインペラ組立体は、組み合わされた主流615および二次流625をディフューザ組立体に指向する。ディフューザ組立体は、組み合わされた流れの半径方向速度および接線速度を減少させ、その静圧を増加させる。様々な実施形態では、ディフューザ組立体は、用途に応じて、ベーン付きまたはベーンレスとすることができる。拡散プロセスは、第2のディフューザ作動組立体345による第2のディフューザリング630の動作を通して制御される。第2のディフューザリング630によって調整されたディフューザ間隙領域を通過した後、組み合わされた流れ615および625は、ボリュート通路520に入る。様々な実施形態では、ボリュート通路520の断面積は、冷媒蒸気がディフューザリング630の出口から(図3および図4を参照して上で説明した)ボリュート出口335まで進行するにつれて、線形または非線形に増加または減少し得る。例えば、例示的な一実施形態では、ボリュート通路520の断面積は、冷媒蒸気がボリュート出口335に向かって進行するにつれて、非線形に増加する。ボリュート通路520を通って第2のインペラ組立体510から延在している領域は、図6Aに具体的に描写されるように、多段圧縮機102の第2段部分610を備える。
コレクタ通路515の断面形状は、図6Aに関して円形であるように例示および説明されているが、コレクタ通路515の断面形状は、機械的およびパッケージングの要件を満たす任意の形状を使用して実装され得ることが理解されるであろう。使用することができる代替の断面形状のいくつかの例は、例えば、図6B~図6Dに例示されている。図6Bを具体的に参照すると、コレクタ通路515の矩形形状が、入口330内に例示されている。図6Cを具体的に参照すると、コレクタ通路515の三角形形状が、入口330内に例示されている。図6Dを具体的に参照すると、コレクタ通路515の楕円形形状が、入口330内に例示されている。コレクタ通路515はまた、二次挿入スロット530に対してオフセット、またはそれと対称であるように位置付けることもできる。
ここで、図7および図8を参照すると、いくつかの実施形態による、指向ベーン組立体505の斜視図および正面断面図がそれぞれ描写されている。組立体505は、代替的に「デスワール」ベーン組立体と称され得る。組立体505は、上流側プレート705と下流側プレート710との間に位置付けられた複数の指向ベーン700を含むように示されている。上流側プレート705の外周は、丸み付き外側リップ715を含むように示され、一方で、上流側プレート705の内周は、円錐部分720を含むように示されている。動作中に、主冷媒流(例えば、主流615)および二次冷媒流(例えば、二次流625)の混合物が組み合わさって、丸み付き外側リップ715を取り囲む領域から、指向ベーン700を通過して、円錐部分720に沿って、下流側プレート710の中央開口部730を通って流れ、その後に第2のインペラ(例えば、第2のインペラ組立体510)に接近する。二次流625は、主流615と組み合わされる前にコレクタ通路515(図5に描写)の周りに分配されるので、主流615に対する不安定的な阻害が最小になる。
図8に具体的に描写されるように、指向ベーン700は、実質的にエアフォイル様の形状を有するように示されている。指向ベーン組立体505は、17枚の指向ベーン700を含むように示されているが、ベーン組立体505は、多段圧縮機102の動作特性(例えば、圧縮機動作圧力)に基づいて、任意の所望のベーン形状または幾何学形状を有する、任意の数の指向ベーンを含むことができる。いくつかの実施形態では、指向ベーン700の配向は、上流側プレート705および下流側プレート710に対して固定され得る。他の実施形態では、指向ベーン組立体505は、指向ベーン700の配向を修正するために使用される作動組立体を含むことができる。
ここで、図9を参照すると、多段圧縮機102で利用することができる段間戻りチャネル組立体900の別の実施形態が描写されている。組立体900は、遷移領域ハウジング915に結合された二次入口コレクタハウジング905を含むように示されている。図5~図6に描写される実施形態とは対照的に、組立体900は、エコノマイザから提供される流体の二次流920のための修正された流れ経路を含むように示されている。二次入口コレクタハウジング905および遷移領域ハウジング915の接合によって形成される流路を通って進行する代わりに、遷移領域ハウジング915は、二次流出口925および二次挿入スロット935を含むように示されている。二次流出口925および二次挿入スロット935はどちらも、圧縮機102の全周の周りに延在し得る。
入口910を通って入口コレクタハウジング905に入ると、流体の二次流920は、コレクタ通路940によって多段圧縮機102の周りに円周方向に分配される。次いで、二次流920は、二次流出口925を通って出て、その後に二次挿入スロット935を通って指向ベーン組立体930の中へ流れて、そこで、二次流920が主流(図示せず)と組み合わせられる。二次挿入スロット530とは異なり、二次挿入スロット935は、入口910と平行ではない。代わりに、二次挿入スロット935は、入口910に対してある角度で位置している。段間戻りチャネル組立体900によって提供される二次冷媒蒸気流れ経路は、主冷媒蒸気流れに対して生じる***がより少なくなり、したがって、図5~図6に描写される配設よりも良好な空力性能をもたらすが、組立体900は、より大きい軸流長を必要とし、したがって、圧縮機102の全体的な軸方向長さが制限される場合には好ましくない場合がある。
ここで、図10を参照すると、いくつかの実施形態による、多段圧縮機102の円周方向圧力分布試験データを描写するプロット1000が示されている。x軸1002は、度を単位として、二次流挿入スロット530内に位置付けられた圧力測定装置の位置を表す。例えば、0度の位置は、入口330の位置に対応し得、一方で、180度の位置は、入口330の反対側に位置付けられ得る。y軸1004は、重量ポンド/平方インチ絶対圧(psia)を単位として、圧力測定値を表す。プロット1000の各線は、独立した試験運転の結果を描写する(すなわち、プロット1000は、いくつかの独立した試験運転の結果を描写する)。示されるように、試験データは、試験運転ごとの最大圧力測定値と最小圧力測定値との間の円周方向圧力の食い違いが平均圧力値の0.2%未満であることを実証している。対照的に、本開示の最適化された段間入口を利用していない多段圧縮機は、1%以上の範囲の圧力分布の不均一性を有する。二次流における円周方向のより高い均一性は、向上したチラー性能をもたらす。
様々な例示的な実施形態に示されるシステムおよび方法の構築および配設は、単なる例示である。本開示では例示的な実施形態のみを詳細に説明してきたが、多くの修正が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および比率、パラメータの値、装着配設、材料の使用、色、配向などのバリエーション)。例えば、要素の位置は、反転させることができ、または別様に変化させることができ、個別要素の性質もしくは数、または位置は、変更すること、または変化させることができる。したがって、そのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。任意のプロセスまたは方法ステップの順序またはシーケンスは、代替的な実施形態に従って変化させること、または再度順序付けすることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、実施例の設計、動作条件、および配設において、他の置換、修正、変更、および省略を行うことができる。