JP2022541860A - 目標電荷質量比によって規定されるイオンをフィルタリングするための方法およびシステム - Google Patents

目標電荷質量比によって規定されるイオンをフィルタリングするための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、その目的として、目標電荷質量比を有するイオンを単離するべくイオンビームをフィルタリングする方法を有し、方法は、-四重極マスフィルタ装置(2)を提供することと、-イオンビーム(1’)を供給源(1)から四重極マスフィルタ装置(2)に向かって放出することと、-装置(2)の対向するロッド(3、3’)の各対のロッド(3、3’)間に電場を印加することであって、各場は、合成された直流および交流電位によって規定される、印加することと、-出口(5)に少なくとも1つの正確な集束点(8)を生成するために、電場の各々を較正することとを含み、方法はまた、-長手方向に分割されるロッド(3、3’)を用いて、分割ロッド(3、3’)の各対の間に、各対に沿って広がる電場を発生させることと、-少なくとも1つの中間節を生成するために、前述の局所場セグメントを、それらそれぞれの個々のDCおよびAC電位の設定を調節することによって較正することと、-前述の少なくとも1つの中間節の位置の近傍およびその位置に、不安定運動領域または変動安定性領域(10)を生成および維持することとにあることを特徴とする。【選択図】図3A

Description

本発明は、イオンフィルタリングの分野、具体的には、四重極マスフィルタによって行われるイオンフィルタリングの分野に関し、四重極によって実装されるイオンビームをフィルタリングする方法、前述のフィルタリング方法を使用するイオンビームの走査方法、前述のフィルタリング方法を行うことができる四重極マスフィルタ、および前述の四重極を包含する走査装置をその目的として有する。
四重極マスフィルタ(QMF)を使用するイオンフィルタリング方法は、先行技術ですでに知られている。これらの方法は、四重極内のイオンの振動振幅とその質量との間の強い依存性を使用する。そのようなQMF装置のコア構成要素は、4つの導電ロッドであり、2対の対向するロッドとして互いに平行に配置される(図1参照)。QMFの動作の主な原理は、図1に示すように、QMFロッドに印加される振動RF(VRF)電位による、装置内でのイオンの質量依存性の動径方向の閉じ込めに基づく。RF電位は、DC電位(UDC)と組み合わされ、その増加は、閉じ込められる質量範囲を狭めるが、所望のイオン質量の透過も高い値で限定する。そのため、所与の電荷質量比(q/m)または所与の質量電荷比(m/q)を有する特定のイオンを、前述の四重極を通過させるように四重極内の電場を較正すると、前述の四重極に注入された異なる比を有する別のイオンは、最終的に四重極のロッドに衝突するか、またはそこから横方向に退出することになる。目標質量電荷比を変化させることによって、四重極を通過するイオンビームを走査してその組成を測定することが可能である。
そのような方法の例は、例えば、以下の文献:EP 2 543 059、US 8 389 929、US 8 704 163、またはUS 8 841 610に教示される。
図2Aおよび2Bは、QMF装置の3つの実用的な安定領域を図示するMathieuダイアグラムであり、Mathieuパラメータは、以下の方程式によって規定される:
Figure 2022541860000002
Mathieuパラメータの典型的な値は、標準的なQMF動作では、amax≒0.237およびqtip≒0.706、すなわち、安定性ダイアグラムの先端付近である(図2Aの第1安定領域)。
しかしながら、四重極がそれに合わせて較正されたものに類似または接近した比を示すイオンは、依然として、四重極を通過する機会を有する。実際、上述の文献に教示されるように、検討された四重極は、安定範囲中に包含される質量電荷比を示す1つ以上のイオン種の存在量を通過させるようにのみ構成され得る。したがって、そのような四重極を、固有の質量電荷比に調整することはできず、これは、四重極を有効に通過するイオンの質量範囲で除された目的の比の質量によって規定される四重極分解能の低下をもたらす。さらに、これらの方法のいくつかは、退出イオンの空間的および時間的特性を示す画像を取得することができる複雑なセンサ、および一連のイオン画像中のデータをデコンボリューションして質量スペクトルを生成することができる処理手段を必要とする。
分解能を改善するために、その内部の電場特性を修正することによって四重極の安定範囲を低減することがすでに知られている。
例えば、文献US 2007/295900は、イオンビームに、安定領域内、すなわち、所与の電場で安定な質量電荷比を含む特定の範囲内の質量電荷比を有するイオンを閉じ込める標準的な四重極電場をかけた後に、補助励起場が前述の四重極場に加えられる、四重極ロッドセット内のイオンを処理するための方法について記載している。この励起場は、安定領域を複数のより小さい安定島に変え、したがって、四重極を退出する不要なイオンの数を低減する。
しかしながら、上述のように、励起場は、複数の安定島を生成する。したがって、不要なイオンは、別の安定島に包含される質量電荷比を示し得、したがって、四重極を通過することができる場合がある。この方法によって良好な選択性を得ることは、したがって困難であり得る。
主に単極マスフィルタのみに、付随して(基本的かつ機能的に単極マスフィルタに非常に類似している)双極マスフィルタに適用され、複雑さのより少ないセンサおよび処理手段の使用、ならびに退出イオンのより精密な選択を可能とする、別の既知の方法は、マスフィルタ内の電場を調節して振動節を生成することにある。
単極および双極マスフィルタに関して、振動節生成または正確な集束の特性を使用する方法は、例えば、“Computation of Ion Trajectories in the Monopole Mass Spectrometers by Numerical Integration of Mathieu’s Equation”, R.F. Lever ; IBM J. Res. Develop., 10 (1966) 26 in “A high-resolution focusing “dipole” mass spectrometer”, P. H. DAWSON Int. J. Mass Spectrom., 12 (1973) 53およびUS 3 925 662に開示される。
しかしながら、これらの既知のマスフィルタ装置では、イオンは、単極または双極の長手方向軸に対してある角度および/またはオフセットで注入され、イオンは常に節の終わりで平面の1つに当たるため、単一の振動節のみが生成され得る。
さらに、それらの構成、およびイオンをそれらに注入する通常の方法(横方向または斜め)のため、単極および双極マスフィルタは、イオンの半分が分析されずに失われることになるため、最大で50%の分析効率の割合しか提供することができない。
したがって、これらの既知の装置の効率および分解能は、満足のいくものではなく、改善することが期待される。
本発明の主な目的は、マスフィルタ中のイオンビームのフィルタリング方法および対応する装置を提案することによって、これらの限界を克服することであり、複雑なセンサおよび処理手段を必要とすることなく、高い分解能および向上した質量選択性を提供する。
したがって、本発明は、その態様の第1のものによれば、目標電荷質量比を有するイオンを単離するべくイオンビームをフィルタリングするの方法に関し、前述の方法は、
-四重極入口から四重極出口に互いに平行に伸びる4つの連続または分割ロッドを備える四重極マスフィルタ装置を提供することであって、前述のロッドは、四重極長手方向中心軸を形成する軸の周りに対称かつ規則的に配置され、それらの間に連続または分割管状体積を画定し、前述のロッドは、互いに垂直な第1横断面および第2横断面それぞれに2つずつ対向してさらに配置されること
を含み、前述の方法はまた、
-イオンビームを前述の四重極マスフィルタ装置の入口に向かって放出することであって、前述のイオンビームは、成形および/またはプレフィルタリング手段によって、少なくとも入口のレベルに制限された動径方向寸法を有し、前述の装置の長手方向中心軸に沿って導かれるように構成されることと、
-ロッド間、または対向するロッドの各対のロッドセグメント間に電場を印加することであって、各場は、合成された直流および交流電位によって規定され、安定範囲を規定する所与の値の範囲の電荷質量比を有するイオンが、四重極中を移動する時に、第1および第2横断面内の両方で、管状体積または連続する体積セグメントの横方向限界内で振動し、前述の装置を退出することを可能とすることと、
-前述の目標電荷質量比を有するイオンの振動パターンが、両横断面内で、実質的かつ同時に、同じ所与の点で四重極中心軸と交差する、少なくとも1つの振動節または正確な集束点を生成するために、電場の各々を、それらのDC電位の振幅ならびにそれらのAC電位の振幅および周波数を調節することによって、また四重極に進入するイオンの速度を調節することによって、較正することであって、底または出口節と呼ばれる前述の節または前述の節の1つは、装置の出口もしくはその近く、ロッドの後ろ、またはそれらの間に位置することと、
を含むことを特徴とする。
発明はまた、イオンビームを走査またはフィルタリングする方法であって、選択された電荷質量比の範囲の限界を徐々に修正し、前述の比の範囲が維持される所与の時間内に使用された四重極装置を退出するイオンを数えながら、前述のイオンビームに、先に定義および構成されたようなフィルタリング方法を適用すること、ならびに退出イオン数を、前述の時間中に維持された前述の比の範囲と関連付けることに本質的にある、方法を包含する。
前述の目的はまた、他の態様による発明によって、先に述べたイオンビームのフィルタリング方法および走査方法を行うことができる四重極マスフィルタ装置を用いて達成され、
前述の装置は、
-入口開口および出口開口とそれぞれ関連する四重極装置入口から四重極出口に互いに平行に伸びる、4つの、好ましくは同一の、有利には円筒形または双曲柱状の、連続または分割ロッドであって、前述のロッドは、四重極中心軸を形成する軸の周りに対称かつ規則的に配置され、それらの間に連続または分割管状体積を画定し、前述のロッドは、互いに垂直な第1横断面および第2横断面それぞれに2つずつさらに配置される、ロッドと、
-互いに対向するロッドの各対の間、または2対のロッドのロッドセグメントの間に、合成された直流および交流電位によって規定される特定の局所電場を印加する手段であって、前述の局所場は、管状体積または整列体積セグメントに沿って合成電場をともに形成し、合成電場は、安定範囲を規定する所与の比の値の電荷質量比を有するイオンが、四重極中を移動する時に、第1および第2横断面内の両方で、管状体積または連続する体積セグメントの横方向限界内で振動し、前述の四重極装置を退出することを可能とする、手段と、
-DC電位の振幅ならびにAC電位の振幅および周波数を調節する手段と、
-四重極装置の入口を通過する前に、入射ビームのイオンに所与の運動エネルギーまたは速度を提供するために設計された加速電位を調節する手段と、
を備え、
前述の局所電場が構成および調整され、前述の加速電圧が設定され、その結果、目標電荷質量比を有するイオンの振動パターンが、両横断面内で、実質的かつ同時に、同じ点で四重極中心軸と交差する、少なくとも1つの振動節または正確な集束点が生成され、底または出口節と呼ばれる前述の節または前述の節の1つは、装置の出口もしくはその近く、ロッドの端部の後ろ、またはそれらの間に位置する。
最後に、発明はまた、先に述べたイオンビームのフィルタリング方法および走査方法を行うことができる、走査またはフィルタリング装置であって、
-先に述べたような四重極マスフィルタ(QMF)装置と、
-イオンビームを装置に向かって放出することができるイオン源と、
-QMF装置の管状内部体積に進入する前に前述のイオンビームを構成する手段であって、前述のビームは、少なくとも入口のレベルに制限された動径方向寸法を有し、長手方向中心軸に沿って導かれるように構成され、前述のビームは、好ましくは、四重極入口、すなわち、装置の入口電極の入口開口に向けられかつ集束される、手段と、
-イオン源と、四重極マスフィルタ装置の入口との間に、調節可能なイオン加速電位を印加する手段と、
-例えばファラデーカップまたは電子増倍管などの、イオンセンサであって、所与の時間内に前述のセンサに進入または衝突するイオンの数に比例する信号を発することができ、前述のセンサは、四重極マスフィルタ装置の出口を超えた先に位置する、イオンセンサと
を備える、走査またはフィルタリング装置に関する。
発明は、非限定的な例として与えられ、添付の図面を参照して説明される好ましい実施形態に関する以下の説明を使用して、より良く理解される。
発明の第1実施形態の4つの異なる構成による、四重極マスフィルタ装置(QMF装置)のHO平面またはVE平面にそれぞれ沿った概略長手方向断面図であり、前述の装置は、発明によるフィルタリングおよび走査方法を行うことができる。 発明のフィルタリングおよび走査方法を行うことができるQMF装置の(長手方向中心軸を含む平面に沿った)等角断面図であり、前述の装置は、複合型であり、発明の第2実施形態の例による2つのQMFユニットを備える。 図4Aに示す装置の側面図である。 図4Aおよび4Bに示す装置のHO平面およびVE平面にそれぞれ沿った立断面図であり、例示的イオン軌道も示されている。 発明の第1および第2実施形態の様々な代替構成による、様々な複合型(図5A、5B、および7の2つの別個のユニット/図6の3つの別個のユニット)および一体型(図8Aおよび8B)QMF装置の簡略化された概略図である。 図8AのQMF装置の平面A-Aに沿った断面図である。 中間および出口開口で正確な集束に達することを考慮した電場の調整中の、それぞれHO平面内およびVE平面内の様々なイオン軌道を示す。 3つの異なる出口開口直径について、図3Aに示すQMF装置の出口で数えられた、イオン質量対イオン数を示すグラフである。 発明によるフィルタリングおよび走査方法を行うことができ、物理的に分割されたロッド(ここでは3つのセグメントを含む)を有するQMF装置を備える、発明の実施形態による走査またはフィルタリング装置の概略図である。 図13Aに示すような走査またはフィルタリング装置の一部を形成するQMF装置の概略図である。 9つの長手方向セグメントを含むロッドを有する、発明の第1実施形態の代替構成によるQMF装置の概略図である。 それぞれ水平HO平面内(4つの左の図)および垂直VE平面内(4つの右の図)のイオン軌道を示すシミュレーション図を示し、図の各行は、パラメータ値(FRF、VRF、およびUDC)の所与のセット、ならびに所与のUACC走査範囲に対応する。 図13Cに示すようなQMF装置に沿った2種類のイオンの振動運動の節を示す、類似の特性(q/m、エネルギー、…)を有するイオンの、1つの横断面(HOまたはVE)内の2つの振動軌道の図示である。 水平HO平面内(上の3つの図)および垂直VE平面内(下の3つの図)における、特定の質量分散範囲を有するイオンのビームへの、発明によって提供される強化の組み合わせ(すなわち、正確な集束および不安定運動領域)の効果を示す、図14の図に類似したシミュレーション図を示す。 シミュレーション効率/分解能結果を示す他のグラフである。 運動の不安定性(UMR)を達成する2つの方法、すなわち、UDCまたはVRFを変化させることによるものを示す、図2Bの安定性ダイアグラムの先端の概略図である。 安定性が、四重極の中心線とその構成ロッドとの間の距離を減少/増加させることによってどのように影響を受け得るかを示す概略図である。 図13Bおよび13Cの実施形態と比較した代替構成による1対の対向する分割ロッドの側面図である。 中間の正確な集束点を生成するためのDCおよびAC電位の調節中の、HOおよびVE平面内の振動節の変位を示す、図16のものに類似したシミュレーション図である。 発明のQMF装置の他の可能な実施形態の4つのロッドの簡略化された斜視図である。 図25に示す装置の、その長手方向軸の方向からの図である。
本発明は、主に、目標電荷質量比を有するイオンを単離するべくイオンビームをフィルタリングするための方法および装置に関する。
前述の方法は、第1に、
-四重極入口4から四重極出口5に互いに平行に伸びる4つの連続または分割ロッド3、3’を備える四重極マスフィルタ装置2を提供することであって、前述のロッド3、3’は、四重極長手方向中心軸6を形成する軸の周りに対称かつ規則的に配置され、それらの間に連続または分割管状体積2’を画定し、前述のロッド3、3’は、互いに垂直な第1横断面HOおよび第2横断面VEそれぞれに2つずつ対向してさらに配置される、提供すること
を含む。
発明によれば、前述の方法はまた、
-イオンビーム1’を前述の四重極マスフィルタ装置2の入口4に向かって放出するステップであって、前述のイオンビーム1’は、成形および/またはプレフィルタリング手段1’’、16、19によって、少なくとも入口4のレベルに制限された動径方向寸法を有し、前述の装置2の長手方向中心軸6に沿って導かれるように構成される、放出するステップと、
-ロッド3、3’間、または対向するロッド3、3’の各対のロッドセグメント7、7’間に電場を印加するステップであって、各場は、合成された直流DCおよび交流AC電位によって規定され、安定範囲を規定する所与の値の範囲の電荷質量比を有するイオンが、四重極中を移動する時に、第1および第2横断面内の両方で、管状体積2’または連続する体積セグメント2’’の横方向限界内で振動し、前述の装置2を退出することを可能とする、印加するステップと、
-前述の目標電荷質量比を有するイオンの振動パターンが、両横断面内で、実質的かつ同時に、同じ所与の点で四重極中心軸6と交差する、少なくとも1つの振動節または正確な集束点8、9を生成するために、電場の各々を、それらのDC電位の振幅UDCならびにそれらのAC電位の振幅VRFおよび周波数FRFを調節することによって、また四重極2に進入するイオンの速度を調節することによって、較正するステップであって、底または出口節と呼ばれる前述の節8または前述の節8、9の1つ8は、装置2の出口5もしくはその近く、ロッド3、3’の後ろ、またはそれらの間に位置する、較正するステップと
を含む。
したがって、前述のステップを組み合わせて適用することによって、発明は、単極または双極マスフィルタのものよりはるかに高い効率を維持しながら、質量選択性を著しく強化し、QMF装置の分解能を著しく向上させることを可能とする。
この達成は、主に、進入イオンビームの特定の構成および配向、ならびに少なくとも1つの振動節の生成の結果として生じる。
QMF装置では、そのような節は、所望の質量電荷比を有するイオンの振動の横成分が、同時に四重極中心軸と交差する点である。実際、四重極マスフィルタが、所与のm/q(質量電荷比)での安定性ダイアグラムの先端で、標準的な質量選択用に調整される場合、2つの横断面内でのイオン振動の型および周波数は、通常は非常に異なり、一方の横断面内の節(単数もしくは複数)または集束点(単数もしくは複数)(2つの平面をともに考慮した場合の部分的な節または半分の節の一種)は、他方の平面内の集束点(単数もしくは複数)または節(単数もしくは複数)に対してシフトする。ここで、発明は、両横断面HOおよびVE内で整合する集束、すなわち、空間的に整合する二重集束(「正確な集束」として知られる)を提供する、RFおよびDC電位設定の組み合わせを包含する。較正または調節手順は、したがって、そのような節を、少なくとも四重極出口点またはその付近に形成するために行われ、したがって、そこに所望のイオンを集束する。質量に強く依存するこの内部2次元集束は、(正確な所望の比を中心とする)非常に狭い比の幅に含まれる質量電荷比を示すイオンのみが、前述の節のレベルに集束される。
進入イオンビーム1’の構成(成形、寸法決め、配向)は、異なる方法で、1つまたはいくつかの手段を使用することによって行われ得る。
図3A、3B、3D、および4~8に示すように、例えば、対応する供給源1によって提供される前述のイオンビーム1’は、好ましくは四重極入口4またはその近くに位置する入口電極14に属する、較正入口開口16を通過し得、これは、管状体積2’に進入する前に、前述のビーム1’を成形および/またはフィルタリングする。
代替として、または好ましくは追加として、対応する供給源1によって放出される前述のイオンビーム1’は、特に、動径方向サイズ、イオンエネルギー、および/または進行方向に関して、入口4を通って管状体積2’に進入する前に予備調整され得る。
有利には、イオンビーム1’の予備調整は、四重極入口4付近または近くで、好ましくは四重極入口4で、前述のビーム1’を少なくとも集束することを含む。
好ましくは、イオンビーム1’の予備調整は、四重極入口4を通る前、場合によっては集束を受ける前に、前述のビーム1’のエネルギー幅のフィルタリングを実現するステップを少なくとも含むか、またはそれも含む。
これらの予備調整およびフィルタリング策は、ビーム集束と関連して、QMF装置自体によって行われる質量フィルタリングの効率を大幅に向上させることを可能とする。
発明の他の重要な特徴によれば、前述の方法はまた、
-(出口5に位置する第1節8に加えて)中間節と呼ばれ、装置2の入口4と出口5との間に位置する、少なくとも1つの他の節または正確な集束点9を生成するために、電場を較正することと、
-前述の少なくとも1つの中間節9の位置の近傍およびその位置で、物理的または場に基づくフィルタリング手段10によってイオンビーム1’をフィルタリングすることであって、前述のフィルタリング手段は、目標電荷質量比を有するイオンの大部分が、前述の位置と交差し、出口5に向かうそれらの下流への移動を続けることを可能とし、他のイオンは、遮断されるか、またはロッド3、3’の1つと衝突させられる、フィルタリングすることと
にある。
すべてQMF装置2内で、少なくとも1つの中間節9および関連するフィルタリング手段10の固有の組み合わせをさらに提供することによって、発明は、本明細書で先に説明されたタスクを、最適化された方法で実行する。
フィルタリング方法の分解能を向上させる最終的な策として、イオンビーム1’の最終フィルタリング操作が、前述の出口節8の近傍および前述の出口節8で、物理的フィルタリング手段15、17、例えば、較正出口開口17を設けた出口電極プレート15によって行われ得る。
有利には、所与のイオン質量について振動節8、9および装置2の設定のいずれかを得るための、電場の初期較正は、
-所与の質量電荷比を有するイオンのMathieuパラメータが、Mathieu安定性ダイアグラムの第1安定領域11内またはその先端付近に位置するように、電場のパラメータUDC、VRF、FRFを調節することと、
-装置の入口4でのイオンの速度を決定する加速電位UACCを変動させ、四重極中心軸6と交差しながら四重極2を退出するイオンの数の変動を測定することによって、前述のイオンの横振動パターンの1つの節に対応する前述のイオンの半集束節12、12’のセット間の距離を測定することと、
-所与の半集束節12、12’が、前述のイオンの横振動パターンの1つの節に対応することを、関心電場のAC電位の周波数FRFおよび/または振幅VRFを繰り返し変化させることによって、かつイオン加速電位UACCを毎回変動させて前述の半集束節12間の距離のオフセットを測定することによって、確認することと、
-電場のAC電位の周波数FRFおよび振幅VRFを繰り返し変化させ、加速電位UACCを変動させることで半集束節12、12’の位置を調べることよって、一方の横振動パターンに由来する半集束節12の位置を、他方の横振動パターンに由来する半集束節12’と統合し、したがって、両横断面HOおよびVE内で同時集束が起こる点またはおおよその点の位置に対応する少なくとも2つの振動節8、9を生成することであって、1つの節8は、装置2の出口5に位置し、少なくとも1つの他の節9は、前述の装置2の入口4と出口5との間に位置することと
によって行われる。
発明を実行する単純な方法に関して、その関連するフィルタリング手段10を有する1つの中間節9が提供される(図3~5、8A、13A、23、25、および26参照)
それにもかかわらず、選択性をさらに向上させるために、対向ロッド3、3’またはロッドセグメント7、7’間の電場が、装置2内に少なくとも2つの中間節9を形成するように較正され、対応する物理的または場に基づくフィルタリング手段10が、各中間節9と関連することが想定され得る(図6、7、8B、13C、14、15参照)。
添付の図面から分かるように、また以下でより詳細に説明されるように、特定のフィルタリング手段10は、物理的要素をQMF装置2に加えることによって、または中間節9の周りの電磁環境の特定の局所的変更として、長手方向内部体積2’内で実現されてよい。
さらに、発明のQMF装置2は、様々な形態を取り、異なる構成を示し得る。
添付の図面に示す以下の可能な構成が、例えば企図され得る:
-均一な連続ロッド3、3’を有する単一の一体型QMF装置(図8A、8B、25、および26参照)、
-分割ロッド3、3’を有する単一の一体型QMF装置(図13~16、23、および24参照)、
-長手方向に互いに当接または離隔した少なくとも2つの整列したQMFユニットで作製された、複合型QMF装置(図3~7参照)。
物理的に分割されたロッドを有する一体型QMF装置(図13~16)と複合型QMF装置(図3~7)との差異は、物理的にはわずかだが、機能的には明らかであり得る(物理的フィルタリング手段/場に基づくフィルタリング手段)。
したがって、発明の実施形態によれば、一体型構成の代替として、QMF装置2を提供することは、少なくとも2つの四重極マスフィルタユニットを、長手方向に端と端とをつないで、または少なくとも1つの集束手段19、20を介在させて整列させ、組み立てることにあり得、各ユニットは、それ自体の入口4および出口5を有するか、またはその入口4および/もしくは出口5を他のユニットと共有し、イオンビーム1’のフィルタリングは、連続する四重極マスフィルタユニットの、互いに向かい合う別個のまたは一致する出口および入口開口16、17によって行われる。
異なるQMFユニットのロッド3、3’は、同一(図4および6)、異なる長さ(図5A)、および/または異なる直径もしくは中心軸6までの距離(図5B)のものであり得る。
イオンエネルギーは、連続するQMFユニット間のDCオフセットによって、開口(単数または複数)10のレベルに修正され得る。
図10、11、および16、ならびに図4Cおよび4Dで、イオン軌道は、HO平面内で中心軸6と数回交差し、VE平面内で(節9で)1回だけ交差することに気付くことができる。
発明の方法の内部フィルタリングタスクを実行する第1方法によれば、図3~9に示すように、中間節9でのイオンビーム1’のフィルタリングは、物理的障壁10’中の少なくとも1つの較正通路10を用いて行われ得、前述の通路10は、例えば、管状体積2’内、またはQMF装置の前述の合成体積2’の長手方向セグメント2’’内の中心軸6に横方向、好ましくは垂直に配置されたプレート10’中の開口10のように、検討される中間節9上に中心があり、前述のプレート(単数もしくは複数)10’は、その状況が生じる場合、連続的に隣接するかまたは分離されたロッドセグメント7、7’間でも動径方向に伸びる。
発明の方法の内部フィルタリングタスクを実行する第2方法によれば、例として図13~16および23~26に示すように、イオンビーム1’のフィルタリングは、管状体積2’内、またはQMF装置2の前述の合成体積2’の少なくとも1つのセグメント2’’内に、少なくとも1つの不安定運動領域または変動安定性領域10を生成および維持することによって行われ、前述のフィルタリング手段はしたがって、局所電場の修正(単数もしくは複数)の結果生じる領域(単数もしくは複数)10によって形成される。
(正確な集束、および少なくとも1つの不安定運動または変動安定性領域の生成を、QMF内部空間内で同時に実現するための条件を提供する)特定のQMF装置構成および特定のQMF装置パラメータ調節にある2つの改善を、組み合わされた方法で適用することによって、発明はまた、本明細書で先に説明された目的を、第1の発明の提案と同様に達成することを可能とする。
より正確には、この第2実施形態内では、局所電場の形成ステップ、少なくとも2つの集束節8および9の形成ステップ、ならびに少なくとも1つの場に基づくフィルタリング手段10の形成ステップは、
-長手方向に分割されるか、またはそれらの長手方向に分割構造を有するロッド3、3’を用いて、分割ロッド3、3’の各対の間に、各対に沿って広がる電場を発生させることであって、電場は、DCおよび/またはAC電位(単数または複数)の特定の較正設定を有し、分割ロッド3、3’のそれぞれ互いに対向するセグメント7、7’に対応する、いくつかの局所電場セグメントを含む、発生させることと、
-中間節9と呼ばれ、装置2の入口4と出口5との間に位置する、少なくとも1つの他の節または正確な集束点を生成するために、前述の局所場セグメントを、それらそれぞれの個々のDCおよびAC電位の設定を調節することによって較正することであって、少なくとも1つの中間節9は、局所電場セグメントの1つの中心に実質的に位置する、較正することと、
-前述の少なくとも1つの中間節9の位置の近傍およびその位置に、不安定運動領域または変動安定性領域10を、前述の領域10を通過する全イオンに不安定なまたは少なくとも変更された軌道を与えるために、前述の領域の周囲のロッドセグメント7、7’に印加される局所電場の設定を修正することによって、生成および維持することであって、前述の不安定運動または変動安定性領域10の長さは、前述の目標電荷質量比を有する大部分のイオンが、前述の領域10と交差し、安定振動に戻り、出口5に向かうそれらの下流への移動を続けることができるように設定される、生成および維持することと
にある。
電場は、局所電場部分の中心にそれぞれ位置する、装置2内の少なくとも2つの中間節9を形成するように較正されてよく、不安定運動領域または変動安定性領域10は、前述の中間節9の少なくとも1つの位置の近傍およびその位置、好ましくはすべての中間節9の位置の近傍およびその位置に生成される。
複数の節9が装置2内に存在する場合、不安定運動領域10、または中間フィルタリング開口10は、装置2の所望の特性に応じて、前述の節9の一部のみと関連/結合することも想定され得る。
UMR領域10を生成する実際の運動の不安定性は、図22Aに示すように、UDCを増加させることによって、またはVRFを減少させることによって達成され得る。VRFを増加させる場合、安定線と交差することも可能であるが、この場合、QMF調整は、すべての質量について基準質量より高い安定性にとどまることになり、この第2の手法をあまり好ましくないものにする。
したがって、発明の第1代替案によれば、不安定運動(または変動安定性)領域10を生成および維持するステップは、前述の領域10の周囲の各セグメント7、7’に印加されるDC電位を増加させることによって実行され、DC電位の前述の増加は、不安定運動領域10の長さを考慮して選択され、ロッド3、3’の分割構成によって決定され、その結果、前述の目標電荷質量比を有する大部分のイオンが、前述の領域10と交差し、安定な、動径方向に閉じ込められた振動に戻り、出口5に向かうそれらの下流への移動を続けることができる。
発明の第2代替案によれば、または第1実施形態による発明の追加の特徴の代替として、不安定運動(または変動安定性)領域10を生成および維持するステップは、場合によってはDC電位の増加に加えて、前述の領域10の周囲の各セグメント7、7’に印加されるAC電位の振幅および/またはオフセットを修正することによって実行され、ACおよび場合によってはDC電位(単数または複数)の前述の変化(単数または複数)は、不安定運動領域10の長さを考慮して調節され、ロッド3、3’の分割構成によって決定され、その結果、前述の目標電荷質量比を有する大部分のイオンが、前述の領域10と交差し、安定な、動径方向に閉じ込められた振動に戻り、出口5に向かうそれらの下流への移動を続けることができる。
発明の方法に関するこれら2つの先の代替案に関して、少なくとも1対のロッドの分割ロッド3、3’の各々は、長手方向中心軸6に平行な方向に互いに整列した、物理的に分離されたセグメント7、7’で作製され、そのまたは各不安定運動領域10は、好ましくは、関心対向セグメント7のUDCまたはVRFを変化させることによって達成されることが想定され得る(図13Bおよび13C)。したがって、各ロッド3、3’は、個々の直接隣接するセグメント7によって形成される。
あるいは、図22Bに示すように、安定性は、ビーム軸(中心線軸6)とロッドとの間の距離rを減少/増加させることによっても影響を受け得るが、再び、QMF調整は、より高い/より低い質量の安定性に対応することになる。実際、rの減少/増加は、質量走査線に従うことになり(図2B)、この手法を、QMF装置2の選択性を向上させることにあまり適さないものにする。
この第2代替構成に関して、少なくとも1対のロッドの分割ロッド3、3’の各々は、長手方向中心軸6への異なる距離r、rO-、rO+を示す少なくとも2つの長手方向隣接セグメント7、7’を有するロッドからなることが想定され得る(図23)。
好ましくは、各ロッド3、3’は、異なる直径のセグメント7、7’、具体的には、ロッド3、3’の現在の直径dと異なる直径d、dを有する少なくとも2つの隣り合うセグメントを含み、一方はより大きく、他方はより小さい直径を有する、前述の少なくとも2つの隣り合うセグメントは、不安定運動領域10または少なくとも変動安定性領域が達成されることになる領域に位置する。したがって、各ロッド3、3’は、その長手方向軸に沿ったゾーンにより直径が変動する一体要素である。
距離修正は、単独では、有効UMRの形成に十分ではない場合があるが、図23に示すように、2つの連続する修正(rO+、rO-)を加えることによって、類似のフィルタリングを達成する可能性がある。
この示された例は、結果的に、ハイパスおよびローパス質量フィルタリングを行う。
図24は、図14および16のように、イオン質量に対する節の依存性を示す(中央のパネルは基準質量であり、上のパネルは基準質量の-0.1%であり、下のパネルはイオン質量の+0.1%である。
内部節領域または中心節領域において、(不安定な領域を生成することによって)不要な質量をフィルタリングするさらに別の可能性が、(分割ロッドまたは伝統的な非分割ロッドを有する)QMF装置に、図1のQMF装置のロッドの配置の対称面で整列した(すなわち、HOおよびVEの同時二等分面に配置された)追加の対向DC電極対26、26’を備えることによって得られてよい。
したがって、図25および26に示すように、不安定運動領域または変動安定性領域10を生成および維持するステップは、QMF装置2のロッド3、3’の配置の対称面内に整列した、すなわち、第1および第2横断面HOおよびVEの同時二等分面に沿った、少なくとも1対の対向DC電極26、26’を用いて、局所電場を修正することによって実行され得る。
発明の別の特徴に関して、節(単数または複数)8、9の位置(単数または複数)はまた、イオン源1と、装置2の入口4の電極との間の電位差として、局所電場のパラメータUDC、VRF、FRFおよび/または加速電位UACCを修正することによって調節され得る。
その状況が生じる場合、方法は、装置2の潜在的な機械的不完全性、例えば、ロッド中心軸13の位置オフセット、またはロッド3、3’の半径の差を、DCおよび/またはAC補正電位を前述の四重極ロッド3、3’に印加することによって補償するステップをさらに含み得る。
発明の別の態様によれば、イオンビームを走査する方法が提案され、これは、選択された電荷質量比の範囲の限界を徐々に修正し、前述の比の範囲が維持される所与の時間内に前述の四重極2を退出するイオンを数えながら、前述のイオンビームに、本明細書で先に定義および構成されたようなフィルタリング方法を適用すること、ならびに退出イオン数を、前述の時間中に維持された前述の比の範囲と関連付けることに本質的にある。
発明の第1の実用的な実施形態に関して、安定範囲の限界は、ロッド3、3’の各対の2つの対向するロッド間に存在する電場のAC電位の周波数FRFを変化させること、好ましくはランプアップおよびダウンさせることによって修正される。
発明の第2の実用的な実施形態に関して、安定範囲の限界は、電場のACおよびDC電位の振幅VRF、UDCをランプさせ、装置2の入口4でのイオンの加速電位UACCの変動、好ましくはランプアップおよびダウンにより節8、9の位置を再調節することによって修正され、前述の電場の周波数値は、加速電位UACCがフィルタリング性能の所与の低下をもたらす値に達するたびに、別の周波数値に段階的に有利に切り替えられ、電位VRF、UDC、UACCのランプが再開される。
有利には、走査方法は、2つの連続する走査相、すなわち、より低い分解能での、予備的な、高速かつ簡単な標準動作に続く、特定された関心領域におけるより高い分解能での周波数走査を含み得る。これは、高価な高精度電子機器でも達成するのが難しい、(広い質量範囲の走査に必要な)広範囲の周波数でVRFを一定に維持する困難を回避することを可能とする。
したがって、発明の実施形態によれば、第1走査相では、安定範囲の限界は、電場のACおよびDC電位の振幅VRF、UDCをランプさせることによって修正され、第2走査相では、第1走査相の結果から関心領域を特定した後に、走査は、前述の領域内で、AC電位の周波数FRFを変化させること、好ましくはランプアップおよびダウンさせることによって行われる。
発明の別の態様によれば、図3~8および13に示すように、先に記載されたようなイオンビームのフィルタリング方法および走査方法を行うことができる、四重極マスフィルタ装置2が提案される。
前述の装置2は、
-(開口16を有する)四重極装置入口4から(開口17を有する)四重極装置出口5に互いに平行に伸びる、4つの、好ましくは同一の、有利には円筒形または双曲柱状の、連続(均一)または分割ロッド3、3’であって、前述のロッド3、3’は、四重極中心軸6を形成する軸の周りに対称かつ規則的に配置され、それらの間に連続または分割管状体積2’を画定し、前述のロッド3、3’は、互いに垂直な第1横断面HOおよび第2横断面VEそれぞれに2つずつさらに配置される、ロッド3、3’と、
-互いに対向するロッド3、3’の各対の間、または2対のロッド3、3’のロッドセグメント7、7’の間に、合成された直流DCおよび交流AC電位によって規定される特定の局所電場を印加する手段であって、前述の局所場は、管状体積2’または整列体積セグメント2’’に沿って合成電場をともに形成し、合成電場は、安定範囲を規定する所与の比の値の電荷質量比を有するイオンが、四重極2中を移動する時に、第1および第2横断面HO、VE内の両方で、管状体積2’または連続する体積セグメント2’’の横方向限界内で振動し、前述の四重極装置2を退出することを可能とする、手段と、
-DC電位の振幅UDCならびにAC電位の振幅VRFおよび周波数FRFを調節する手段と、
-四重極装置2の入口4を通過する前に、入射ビーム1’のイオンに所与の運動エネルギーまたは速度を提供するために設計された加速電位UACCを調節する手段と
を備える。
さらに、前述の局所電場が構成および調整され、前述の加速電圧が設定され、その結果、目標電荷質量比を有するイオンの振動パターンが、両横断面HO、VE内で、実質的かつ同時に、同じ点で四重極中心軸6と交差する、少なくとも1つの振動節または正確な集束点8、9が生成され、底または出口節と呼ばれる前述の節8または前述の節8、9の1つ8は、装置2の出口5もしくはその近く、ロッド3、3’の端部の後ろ、またはそれらの間に位置する。
発明の好ましい実施形態によれば、前述の局所電場が構成および調整され、前述の加速電圧が設定され、その結果、
-目標電荷質量比を有するイオンの振動パターンが、両横断面HO、VE内で、実質的かつ同時に、同じ点で四重極中心軸6と交差する、少なくとも2つの振動節または正確な集束点8、9が生成され、前述の節8、9は、
-装置2の出口5に位置する1つの振動節または正確な集束点8と、
-装置2の入口4と出口5との間に位置する少なくとも1つの他の中間振動節または正確な集束点9と
を備える。
さらにまた、発明の前述の好ましい実施形態によれば、フィルタリング手段10が、イオンビーム1’をフィルタリングするために、前述の少なくとも1つの中間節9の近傍および前述の少なくとも1つの中間節9に設けられ、前述のフィルタリング手段10は、物理的手段または場に基づく手段のいずれかであり、目標電荷質量比を有するイオンの大部分が、前述の位置と交差し、出口5に向かうそれらの下流への移動を続けることを可能とするように配置および構成され、他のイオンは、遮断されるか、またはロッド3、3’の1つと衝突させられる。
その最も単純な実施形態では、QMF装置2は、関連するフィルタリング手段10を有する1つの中間節9を含む。
ここで、発明は、対向ロッド3、3’またはロッドセグメント7、7’間の電場が、装置2内に少なくとも2つの中間節9を形成するように較正され、対応する物理的または場に基づくフィルタリング手段10が、各中間節9と関連することも提供し得る。
有利には、第1または出口節8と関連するイオンビームフィルタリング手段は、物理的フィルタリング手段15、17、例えば、出口開口17を設けた出口電極プレート15からなる。
内部イオンフィルタリングを実行する第1方法によれば、そのまたは各さらなる中間節9と関連するフィルタリング手段は、物理的障壁10’中の少なくとも1つの較正通路10からなり得、前述の通路10は、例えば、管状体積2’内、またはQMF装置2の前述の合成体積2’の長手方向セグメント2’’内の中心軸6に横方向、好ましくは垂直に配置されたプレート10’中の開口10のように、中間節9上に中心があり、前述のプレート(単数もしくは複数)10’は、その状況が生じる場合、連続的に隣接するかまたは分離されたロッドセグメント7、7’間でも動径方向に伸びる。
開口10は、典型的には円形であるが、正方形または長方形などの多角形とすることもできる。
内部イオンフィルタリングを実行する第2方法によれば、そのまたは各さらなる中間節9と関連するフィルタリング手段は、少なくとも1つの不安定運動領域または変動安定性領域10を含み得、その内部で、局所電場特性は、前述の領域10を通過する全イオンに不安定なまたは少なくとも変更された軌道を与え、前述の少なくとも1つの中間節9は、前述の少なくとも1つの不安定運動領域または変動安定性領域10内に、好ましくは中心に、位置する。
QMF装置2は、均一(連続)ロッド3、3’(図8A、8B、25、および26)、または分割ロッド(図13~16、23、および24)を有する一体型であってよい。
ここで、QMF装置2は、複合型であってもよく、長手方向に端と端とをつないで、または少なくとも1つの集束手段19、20をそれらの間に介在させて、互いに整列し、組み立てられた少なくとも2つの別個の四重極マスフィルタユニットを備え、各ユニットは、それ自体の入口4および出口5を有するか、またはその入口および/もしくは出口を他のユニットと共有し、イオンビーム1’のフィルタリングは、連続する四重極マスフィルタユニットの、互いに向かい合う別個のまたは一致する入口および出口開口16、17によって行われる(図3~7)。
第1実施形態によれば、少なくとも1対のロッドのロッド3、3’の各々は、分割され得、長手方向中心軸6に平行な方向に互いに整列した、(好ましくは少なくとも3つの)物理的に分離されたセグメント7で作製され得、そのまたは各不安定運動領域10は、好ましくは、関心対向セグメント7のUDCを増加させるか、またはVRFを減少させることによって達成される。
第2の実施形態によれば、少なくとも1対のロッドのロッド3、3’の各々は、分割され得、長手方向中心軸6への異なる距離r、rO-、rO+を示す少なくとも2つの長手方向セグメント7を有するロッドからなる。
より正確には、各ロッドは、異なる直径のセグメント7、具体的には、ロッド3、3’の現在の直径dと異なる直径d、dを有する少なくとも2つの隣り合うセグメントを含み得、より大きいかまたはより小さい直径を有する前述の少なくとも2つの隣り合うセグメントは、不安定運動領域10または少なくとも変動安定性領域が達成されることになる領域に位置する。
あるいは、装置2は、不安定運動領域または変動安定性領域10を生成および維持する手段として、QMF装置2のロッド3、3’の配置の対称面内に整列した、すなわち、第1および第2横断面HOおよびVEの同時二等分面に沿った、対向DC電極対26、26’を備えてよい(図25および26)。
添付の図に見られるように、連続または分割ロッド3、3’は、例えば、正方形、または菱形、または円筒形、または円錐形の開口などの、四重極中心軸6上に中心がある入口開口16および出口開口17をそれぞれ備える入口電極14から出口電極15に、底または各四重極マスフィルタユニットに向かって伸び、2つの連続するQMFユニットそれぞれの出口および入口電極14、15は、別個であるか、または一致する。
進入および/または退出イオンビーム(単数または複数)を成形し、有利に区別することを考慮して、発明の実用的な構成に関して、電極開口16、17の少なくとも1つは、装置2内で四重極長手方向中心軸6上に位置する頂点から、四重極入口4または四重極出口5に対応する底面に伸びる円錐の一部として成形される。
最後に、発明は、例として図13Aに示すように、本明細書で先に記載されたようなイオンビームのフィルタリング方法および走査方法を行うことができる、走査またはフィルタリング装置21も包含する。
この走査またはフィルタリング装置21は、図3Aに示すように、
-本明細書で先に記載されたような四重極マスフィルタ装置2と、
-イオンビーム1’を装置2に向かって放出することができるイオン源1と、
-QMF装置2の管状内部体積2’に進入する前に前述のイオンビーム1’を構成する手段1’’、16、19であって、前述のビーム1’は、少なくとも入口4のレベルに制限された動径方向寸法を有し、長手方向中心軸6に沿って導かれるように構成され、前述のビームは、好ましくは、四重極入口4、すなわち、装置2の入口電極14の入口開口16に向けられかつ集束される、手段1’’、16、19と、
-イオン源1と四重極入口4との間に、調節可能なイオン加速電位UACCを印加する手段21’と、
-例えばファラデーカップなどの、イオンセンサ18であって、所与の時間内に前述のセンサ18に進入または衝突するイオンの数に比例する信号を発することができる(センサ18は、装置2の出口5を超えた先に位置する)、イオンセンサ18と
を本質的に備える。
より正確には、図13Aに概略的に示す走査またはフィルタリング装置21は、主に、以下の部品、構成要素、および付属機器:
-(UACCを規定するための)DCバイアス21’および電源に接続され、集束要素(イオン銃-第1集束レンズ19)と関連するイオン源1であって、前述のイオン源1は、イオンビーム1’を生成する、イオン源1と、
-(QMFの主DCオフセットを規定し、ファラデーケージとして機能する)円筒エンクロージャ電極23内の支持構造物3’’に取り付けられた分割ロッド3、3’を有するQMF装置2であって、前述の装置2は、それぞれの開口16、17を有する入口および出口電極14および15を備え、少なくとも1つの内部不安定運動領域10を有する、QMF装置2と、
-ロッド3、3’のセグメント7間に電場を発生させかつ調節することができる精密DC電位源22および精密RF装置22’(例えば、共振回路または発振器+増幅器)と、
-集束レンズ20に続く、計数器、オシロスコープ、または類似の表示装置18’に接続されたイオンセンサまたは位置感知TOF検出器18と、
-QMF装置2を格納し、真空発生機器25に接続された真空ハウジング24と
を備える。
有利には、前述のビーム構成手段は、イオン源1と四重極入口4との間に位置し、四重極中心軸6上に中心があり、イオン源1から生じるイオンビーム1’を、四重極入口4で四重極中心軸6上に精密に集束することができる、例えばアインツェルレンズなどの、第1集束レンズ19を備える。
前述の走査装置21は、四重極出口5とイオンセンサ18との間に位置し、四重極中心軸6上に中心がある第2集束レンズ20も備え、前述の第2レンズ20は、前述の四重極出口5から退出するイオンビームを、前述のイオンセンサ18上に集束することができる。
前述のビーム構成手段は、偏向器またはウィーンフィルタなどの、イオン源1と四重極装置入口4との間に介在するエネルギーセレクタを備え、前述のエネルギーセレクタ1’’は、所与の範囲の運動エネルギーを有するイオンのみが四重極装置2に進入することを可能とするように構成されることも想定され得る。
発明の主な原理、特徴、および特性は、所与のQMF装置2をエミュレートするのに(Scientific Instrument Servicesによる)SIMION(登録商標)ソフトウェアパッケージを使用して、シミュレーションとして発明者によって実験的に試験され、前述のソフトウェアは、ユーザが、シミュレーション中に主なQMFパラメータを調節すること、ならびに結果として生じるEM場およびイオン軌道を直ちに視覚化することを可能とする。
実験的にシミュレートされたQMF装置モデルは、図13Bまたは13Cに示すような装置、すなわち、分割ロッド3、3’(3つのセグメント7:短い中央のものおよびより長い両側のものを有する各ロッド3、3’/9つの短い同一のセグメント7を有する各ロッド3、3’)を有するQMF、入口(アインツェル)集束レンズ19、出口(アインツェル)集束レンズ20、ならびにイオン源1を備えるQMF装置2に対応する。
シミュレートされたQMFモデルの主な寸法を、以下の表に記載する:
Figure 2022541860000003
SIMIONでの初期ビーム特性は、質量範囲(一様分布)ならびに初期座標、角度、および運動エネルギー(3Dガウス分布)によって規定される。適用された設定が記述され、シミュレーションからの結果は、各イオンに関する情報、すなわち、イオン質量、抽出座標、速度、および運動エネルギーを含む粒子分布として保存される。分布は分析され、質量分解能を推定するための、質量分布に対するガウシアンフィッティングを可能とする。効率は、中央質量の粒子の透過によって規定される。図18は、3つの異なる開口サイズ(0,5mm、1mm、および2mm)での正規分布フィッティングを含む、典型的なSIMION出力(EF+UMR)の分析を示す。この例のフィッティングからの結果を、以下の表に示す:
Figure 2022541860000004
長手方向の分割を有するQMFモデルが、強化された動作モードの性能の向上を推定するために、標準動作モードにおいてもシミュレーションに使用された。
図19のグラフは、イオン質量85、ビームサイズ0,47mm(rms)および発散角2,4°(rms)、ならびにエネルギー幅0,314eV(FWHM)での、透過効率と質量分解能との関係を示す。
図17のグラフは、多種多様なQMF調整にEFおよびUMRを適用した場合の、同じイオンビームでの同じ関係を示す。2つの図(17および19)の比較は、シミュレーションに基づいて期待される性能の向上を示す。
発明による方法を検討すると、EFおよびUMRを達成するためのQMFの調整は、標準動作モードより複雑であることを当業者なら容易に理解する。手順は、標準的なQMF動作に従って、すなわち、安定性ダイアグラムの先端付近で、イオンの基準質量に合わせてRFおよびDC電位を調節することから開始する。この開始点では、透過効率は依然として高いはずであるが、高い質量分解能にはまだ達していないであろう。
次のステップは、いくつかのRFおよびDCパラメータ:RF周波数FRFおよび振幅VRF、QMFへのDC電位UDC、ならびに加速電位UACCの微細な走査を行うことである。後者は、運動エネルギーを規定し、したがって、基準イオンの長手方向速度も規定する。走査中、QMFの出口開口17の下流に位置するファラデーカップFC 18上のイオン電流を読み取るべきである。走査すべき第1パラメータは、電位UACCである。走査中、複数のピークが、FCで観測されることになる。これらのピークは、出口開口の位置でのイオンの集束に対応することになる。パラメータFRF、VRF、およびUDCの所与のセットでの集束距離は、2つの横断面HOおよびVE内で異なることになり、したがって、水平HOおよび垂直VE集束の両方に対応する別個のピークが存在するであろう(2つの横断面は、UDCの符号により水平および垂直と定義される)。測定される電流ピークの数は、UACC走査範囲に依存することになる。その理由は、これらのピークが、両横断方向におけるイオン軌道の振動の異なる節に対応するためである。節の位置がQMF出口開口17の位置に対応する時に、検出器18にイオン電流ピークが存在することになる。イオンのグループ化された振動は、1つのUACC走査内の複数の半周期に適合するように調節され得る(図14の様々な行を検討する)。
シミュレーションでは、横断面の各々での軌道振動に気付くことができるが、実際には、どのピークがHO集束に対応し、どのピークがVE集束に対応するかを決定する必要がある。これは、FRFおよび/またはVRFを段階的に変化させ、次いで、設定ごとにUACC走査を行うことによって行われる。これら2つのパラメータは、両横断面内で、反対方向に、節の位置に影響を及ぼす。後者は、FRFを増加させると、集束距離は、第1横断面内では増加し、同時に第2横断面内では減少することを意味する。同じことがVRFにも当てはまるが、依存性は逆になり、すなわち、VRFを増加させると、第1平面内の集束距離は減少する一方、第2平面内では集束距離は増加することになる。
ピークの同定後、両平面内の振動節を整合させるために、FRFおよびVRFを微調整することができる。これらの場合では、2平面集束、すなわち、正確な集束(EF)が達成され、イオン透過は、パラメータの所与の組み合わせで大きく向上する。QMFの動作に使用され得る、振動節の様々な組み合わせが存在する。節の位置は、両横断面で、質量(q/m)に強く依存する。この依存性は、出口開口でのさらなる選択性のためにEFを使用することを可能とし、したがって、より高い質量分解能に達する。以下の表は、様々なパラメータに対する、各横断面内の集束距離の依存性を要約する。
Figure 2022541860000005
高い質量分解能のためのEFの調整は、RFロッド3、3’の分割構造を使用することによって単純化される。それは、RFおよびDCパラメータを、QMFの長さに沿って異なって調節することを可能とする。EF操作において、QMFに沿って変化させるのに最も便利なパラメータは、UDCである。UDCを変化させることは、QMFへのイオン進入後にMathieuパラメータaを滑らかに増加させることを可能とし、これは、QMFの入口でのより強力なイオン閉じ込めを得るのに使用され得、したがって、所与のイオン質量範囲の透過効率を向上させる。主なパラメータ(UACC、VRF、FRF)の微調整は、パラメータUDC1、UDC2、UDC3等の修正を補償するために必要である。手順は、先の標準的なEF調整と同じ方法、すなわち、2つの横断面内のイオン振動節を整合させることによって行われる。図20は、EFのみを適用することによって得られたQMF質量スペクトルの例を示す。FWHM質量分解能はむしろ高いが、より高質量のテールが存在する(より大きい開口で、より顕著である)。
発明によって提供されるように、少なくとも1つの不安定運動領域(UMR)10の使用は、QMF性能への他の強化であり、これは、RFロッド3、3’の分割を使用し、EFによって得られる質量分解能を、後者と組み合わされた場合にさらに向上させる。不安定運動領域は、高いUDC(a>0.237)を局所的に印加することによって、すべてのイオン質量について規定され得る。UMR内でのイオンの運動は、すべてのイオン質量で不安定であるが、UMRセグメントの中心近傍の整合された振動節との組み合わせで、後続の安定領域に達するまで、基準質量のイオンをQMF内に閉じ込めることができ、一方、異なる質量のイオンは正しく集束されず、それらの振動振幅の増加、およびそれに続くそれらの損失をもたらす。UMR操作の例は、HOに2つの節およびVEに2つの節を適用することによって設定され得、したがって、両横断方向についてQMFの中心に節を導入する。次いで、QMFの中央セグメントに適切なUDC電位を印加することによって、UMR 10を生成することができる。図21は、(0.5mm開口で)これまでに達成された最高の質量分解能である。この方法は、図20の例からのEF設定に基づく。質量分解能および高質量のテールは、EF/UMRの組み合わせを使用する場合、大きく減少する。
もちろん、実際には、QMFパラメータの微調整は、出口開口17の後ろに軸方向に配置されたイオン検出器またはセンサ18で測定されたイオン電流の即時観察により、容易かつ高速な方法で達成されてよい。
QMF装置2の透過効率ならびに/または質量分解能に影響を及ぼす他の設定パラメータは、主に、初期ビームエミッタンス、QMF装置2の入口4でのビーム集束の質および特徴(集束調節は、イオン源1と入口レンズ19とで異なる設定を適用することによって行われる)、ロッド3、3’の起こり得る機械的オフセットおよび/もしくは構造不完全性の補償、ならびにAC電位の周波数および振幅の安定性の質を含む。
出口開口17での正確な集束(EF)のための微調整手順の後に、高分解能質量走査が、QMF装置で行われ得る。VRFおよびUDCのみが典型的には走査される標準動作と異なり、発明によるEFおよびUMRモードでは、走査中に節8、9の位置を保つ必要もある。後者の理由は、典型的にはVRFおよびUDCを同時に調節することのみによって、Mathieuパラメータのみを保つ標準動作での走査と異なり、EFモードでは、焦点距離は、2つの横断面でVRFに対して反対の依存性(-/+)を有するが、UDCは、2つの横断面で焦点距離に同様の影響(+/+)を及ぼすためである。したがって、節の位置がビーム軸6に沿って保たれるような方法で、より多くの/他のパラメータを変化させる必要がある。
両横断面でMathieuパラメータおよび節の位置を保ちながら質量走査を行う、いくつかの異なるスキームが存在する。2つの最も単純なスキームを、以下で紹介する。
第1スキーム(a)は、周波数(FRF)走査のみを含む。他のすべてのパラメータ(VRF、UDC、UACC)は、固定され得る。走査中の質量範囲は、質量分解能に影響を及ぼすことなく非常に広くなり得る。この走査スキームの動作原理は、非常に単純である。先の表で分かるように、イオン質量(+/-)およびFRF(+/-)の同様の依存性は、節の位置を保つことを可能とする。最初に説明された方程式から、イオン質量Mおよび周波数の二乗FRF に対する、aおよびqの同じ依存性のため、Mathieuパラメータaおよびqも、同時に保たれることが分かる。この走査スキームは、シミュレーション結果に基づく好ましいものであるが、周波数掃引中のRF供給の要求される振幅精度のため、実装するのがより困難であり得る。
第2走査スキーム(b)は、パラメータUACCをUDC&VRF走査に含めることによる、イオンの運動エネルギー(したがって速度)の連続再調節を含む。このスキームでは、周波数FRFは、1回の走査中で固定される。このスキームの実装は単純であるが、質量範囲は、所与の固定周波数について限定される。これは、QMFの固定長を通過する必要があるイオンの加速のためである。質量分解能は、イオンの速度が大きく増加される場合に影響を受ける。広い質量範囲を実行する場合の分解能の低下を回避するために、FRFを他の固定周波数に(段階的に)切り替え、低いUACC値で開始する初期UDC&VRF走査を繰り返す必要がある。この走査スキームは、もう少し複雑であるが、スキーム(a)と異なり、周波数は、連続的にではなく段階的に変化し、これは、VRFの要求される高い精度を保ちながら、RF電子機器で実装するのがより容易であり得る。
上記の2つのスキームの組み合わせを使用する場合、より複雑な走査スキームが適用され得る。一例は、滑らかなFRFの減少(スキームb)と組み合わせたUDC&VRFのランプ走査(スキームa)である。この第3スキームは、スキーム(a)で要求するようなRF周波数の大きな減少なしで、高質量に達するために使用され得る。
もちろん、発明は、記載され、添付の図面に示された実施形態に限定されない。修正は、特に様々な要素の構成の観点から、またはそれにより発明の保護範囲を超えることのない技術的均等物の置換によって、依然として可能である。

Claims (42)

  1. 目標電荷質量比を有するイオンを単離するべくイオンビームをフィルタリングする方法であって、前記方法は、
    -四重極入口(4)から四重極出口(5)に互いに平行に伸びる4つの連続または分割ロッド(3、3’)を備える四重極マスフィルタ装置(2)を提供することであって、前記ロッド(3、3’)は、四重極長手方向中心軸(6)を形成する軸の周りに対称かつ規則的に配置され、それらの間に連続または分割管状体積(2’)を画定し、前記ロッド(3、3’)は、互いに垂直な第1横断面(HO)および第2横断面(VE)それぞれに2つずつ対向してさらに配置されること
    を含み、前記方法はまた、
    -イオンビーム(1’)を前記四重極マスフィルタ装置(2)の前記入口(4)に向かって放出することであって、前記イオンビーム(1’)は、成形および/またはプレフィルタリング手段(1’’、16、19)によって、少なくとも前記入口(4)のレベルに制限された動径方向寸法を有し、前記装置(2)の前記長手方向中心軸(6)に沿って導かれるように構成されることと、
    -前記ロッド(3、3’)間、または対向するロッド(3、3’)の各対のロッドセグメント(7、7’)間に電場を印加することであって、各場は、合成された直流(DC)および交流(AC)電位によって規定され、安定範囲を規定する所与の値の範囲の電荷質量比を有するイオンが、前記四重極中を移動する時に、前記第1および第2横断面内の両方で、前記管状体積(2’)または連続する体積セグメント(2’’)の横方向限界内で振動し、前記装置(2)を退出することを可能とすることと、
    -前記目標電荷質量比を有する前記イオンの振動パターンが、両横断面内で、実質的かつ同時に、同じ所与の点で前記四重極中心軸(6)と交差する、少なくとも1つの振動節または正確な集束点(8、9)を生成するために、前記電場の各々を、それらのDC電位の振幅(UDC)ならびにそれらのAC電位の振幅(VRF)および周波数(FRF)を調節することによって、また前記四重極(2)に進入する前記イオンの速度を調節することによって、較正することであって、底または出口節と呼ばれる前記節(8)または前記節(8、9)の1つ(8)は、前記装置(2)の前記出口(5)もしくはその近く、前記ロッド(3、3’)の後ろ、またはそれらの間に位置することと、
    を含むことを特徴とする、フィルタリングする方法。
  2. 対応する供給源(1)によって提供される前記イオンビーム(1’)は、好ましくは前記四重極入口(4)またはその近くに位置する入口電極(14)に属する、較正入口開口(16)を通過し、これは、前記管状体積(2’)に進入する前に、前記ビーム(1’)を成形および/またはフィルタリングする、請求項1に記載のフィルタリングする方法。
  3. 対応する供給源(1)によって放出される前記イオンビーム(1’)は、特に、動径方向サイズ、イオンエネルギー、および/または進行方向に関して、前記入口(4)を通って前記管状体積(2’)に進入する前に予備調整される、請求項1または2に記載のフィルタリングする方法。
  4. 前記イオンビーム(1’)の予備調整は、前記四重極入口(4)付近または近くで、好ましくは前記四重極入口(4)で、前記ビーム(1’)を少なくとも集束することを含む、請求項3に記載のフィルタリングする方法。
  5. 前記イオンビーム(1’)の予備調整は、前記四重極入口(4)を通る前、場合によっては集束を受ける前に、前記ビーム(1’)のエネルギー幅のフィルタリングを実現することを少なくとも含むか、またはそれも含む、請求項3または4に記載のフィルタリングする方法。
  6. 前記方法はまた、
    -前記装置(2)の前記出口(5)に位置する第1節(8)に加えて、中間節と呼ばれ、前記装置(2)の前記入口(4)と前記出口(5)との間に位置する、少なくとも1つの他の節または正確な集束点(9)を生成するために、前記電場を較正することと、
    -前記少なくとも1つの中間節(9)の位置の近傍およびその位置で、物理的または場に基づくフィルタリング手段(10)によって前記イオンビーム(1’)をフィルタリングすることであって、前記フィルタリング手段は、前記目標電荷質量比を有する前記イオンの大部分が、前記位置と交差し、前記出口(5)に向かうそれらの下流への移動を続けることを可能とし、他のイオンは、遮断されるか、または前記ロッド(3、3’)の1つと衝突させられことと、
    にある、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  7. 前記イオンビーム(1’)の最終フィルタリング操作は、前記出口節(8)の近傍および前記出口節(8)で、物理的フィルタリング手段(15、17)、例えば、較正出口開口(17)を設けた出口電極プレート(15)によって行われる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  8. 所与のイオン質量について前記振動節(8、9)および前記装置(2)の設定のいずれかを得るための、前記電場の初期較正は、
    -所与の質量電荷比を有するイオンのMathieuパラメータが、Mathieu安定性ダイアグラムの第1安定領域(11)内およびその先端付近に位置するように、前記電場のパラメータ(UDC、VRF、FRF)を調節することと、
    -前記装置の前記入口(4)での前記イオンの前記速度を決定する加速電位(UACC)を変動させ、前記四重極中心軸(6)と交差しながら前記四重極(2)を退出するイオンの数の変動を測定することによって、前記イオンの前記横振動パターンの1つの節に対応する前記イオンの半集束節(12、12’)のセット間の距離を測定することと、
    -所与の半集束節(12、12’)が、前記イオンの前記横振動パターンの1つの節に対応することを、前記関心電場の前記AC電位の前記周波数(FRF)および/または前記振幅(VRF)を繰り返し変化させることによって、かつ前記イオン加速電位(UACC)を毎回変動させて前記半集束節(12)間の距離のオフセットを測定することによって、確認することと、
    -前記電場の前記AC電位の前記周波数(FRF)および前記振幅(VRF)を繰り返し変化させ、前記加速電位(UACC)を変動させることで前記半集束節(12、12’)の位置を調べることによって、一方の横振動パターンに由来する半集束節(12)の位置を、他方の横振動パターンに由来する半集束節(12’)と統合し、したがって、両横断面(HOおよびVE)内で同時集束が起こる点またはおおよその点の位置に対応する少なくとも2つの振動節(8、9)を生成することであって、1つの節(8)は、前記装置(2)の前記出口(5)に位置し、少なくとも1つの他の節(9)は、前記装置(2)の前記入口(4)と前記出口(5)との間に位置することと、
    によって行われる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  9. 前記対向ロッド(3、3’)またはロッドセグメント(7、7’)間の電場は、前記装置(2)内に少なくとも2つの中間節(9)を形成するように較正され、対応する物理的または場に基づくフィルタリング手段(10)は、各中間節(9)と関連する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  10. 中間節(9)での前記イオンビーム(1’)のフィルタリングは、物理的障壁(10’)中の少なくとも1つの較正通路(10)を用いて行われ、前記通路(10)は、例えば、前記管状体積(2’)内、または前記QMF装置の前記合成体積(2’)の長手方向セグメント(2’’)内の前記中心軸(6)に横方向、好ましくは垂直に配置されたプレート(10’)中の開口(10)のように、前記検討される中間節(9)上に中心があり、前記プレート(単数もしくは複数)(10’)は、その状況が生じる場合、連続的に隣接するかまたは分離されたロッドセグメント(7、7’)間でも動径方向に伸びる、請求項6に記載のフィルタリングする方法。
  11. 前記四重極マスフィルタ装置(2)を提供することは、少なくとも2つの四重極マスフィルタユニットを、長手方向に端と端とをつないで、または少なくとも1つの集束手段(19、20)を介在させて整列させ、組み立てることにあり、各ユニットは、それ自体の入口(4)および出口(5)を有するか、またはその入口(4)および/もしくは出口(5)を他のユニットと共有し、前記イオンビーム(1’)のフィルタリングは、連続する四重極マスフィルタユニットの、互いに向かい合う別個のまたは一致する出口および入口開口(16、17)によって行われる、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  12. 前記イオンビーム(1’)のフィルタリングは、前記管状体積(2’)内、または前記QMF装置(2)の前記合成体積(2’)の少なくとも1つのセグメント(2’’)内に、少なくとも1つの不安定運動領域または変動安定性領域(10)を生成および維持することによって行われ、前記フィルタリング手段はしたがって、局所電場の修正(単数もしくは複数)の結果生じる領域(単数もしくは複数)(10)によって形成される、請求項6に記載のフィルタリングする方法。
  13. 前記局所電場の形成ステップ、少なくとも2つの集束節(8および9)の形成ステップ、ならびに少なくとも1つの場に基づくフィルタリング手段(10)の形成ステップは、
    -長手方向に分割されるか、またはそれらの長手方向に分割構造を有するロッド(3、3’)を用いて、分割ロッド(3、3’)の各対の間に、各対に沿って広がる電場を発生させることであって、前記電場は、前記DCおよび/または前記AC電位(単数または複数)の特定の較正設定を有し、前記分割ロッド(3、3’)のそれぞれ互いに対向するセグメント(7、7’)に対応する、いくつかの局所電場セグメントを含むことと、
    -中間節(9)と呼ばれ、前記装置(2)の前記入口(4)と前記出口(5)との間に位置する、少なくとも1つの他の節または正確な集束点を生成するために、前記局所場セグメントを、それらそれぞれの個々のDCおよびAC電位の設定を調節することによって較正することであって、前記少なくとも1つの中間節(9)は、前記局所電場セグメントの1つの中心に実質的に位置することと、
    -前記少なくとも1つの中間節(9)の位置の近傍およびその位置に、不安定運動領域または変動安定性領域(10)を、前記領域(10)を通過する全イオンに不安定なまたは少なくとも変更された軌道を与えるために、前記領域の周囲の前記ロッドセグメント(7、7’)に印加される前記局所電場の設定を修正することによって、生成および維持することであって、前記不安定運動または変動安定性領域(10)の長さは、前記目標電荷質量比を有する大部分のイオンが、前記領域(10)と交差し、安定振動に戻り、前記出口(5)に向かうそれらの下流への移動を続けることができるように設定されることと、
    にある、請求項6および12に記載のフィルタリングする方法。
  14. 前記電場が、局所電場部分の中心にそれぞれ位置する、前記装置(2)内の少なくとも2つの中間節(9)を形成するように較正される場合、不安定運動領域または変動安定性領域(10)は、前記中間節(9)の少なくとも1つの位置の近傍およびその位置、好ましくはすべての中間節(9)の位置の近傍およびその位置に生成される、請求項12または13に記載のフィルタリングする方法。
  15. 不安定運動領域または変動安定性領域(10)を生成および維持するステップは、前記領域(10)の周囲の各セグメント(7、7’)に印加される前記DC電位を増加させることによって実行され、前記DC電位の前記増加は、前記不安定運動領域(10)の前記長さを考慮して選択され、前記ロッド(3、3’)の分割構成によって決定され、その結果、前記目標電荷質量比を有する大部分のイオンが、前記領域(10)と交差し、安定な、動径方向に閉じ込められた振動に戻り、前記出口(5)に向かうそれらの下流への移動を続けることができる、請求項12乃至14のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  16. 不安定運動領域または変動安定性領域(10)を生成および維持するステップは、場合によっては前記DC電位の増加に加えて、前記領域(10)の周囲の各セグメント(7、7’)に印加される前記AC電位の振幅および/またはオフセットを修正することによって実行され、前記ACおよび場合によってはDC電位(単数または複数)の変化(単数または複数)は、前記不安定運動領域(10)の前記長さを考慮して調節され、前記ロッド(3、3’)の分割構成によって決定され、その結果、前記目標電荷質量比を有する大部分のイオンが、前記領域(10)と交差し、安定な、動径方向に閉じ込められた振動に戻り、前記出口(5)に向かうそれらの下流への移動を続けることができる、請求項12乃至15のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  17. 少なくとも1対のロッドの前記分割ロッド(3、3’)の各々は、前記長手方向中心軸(6)に平行な方向に互いに整列した、物理的に分離されたセグメント(7、7’)で作製され、前記または各不安定運動領域(10)は、好ましくは、関心対向セグメント(7、7’)の(UDC)または(VRF)を変化させることによって達成される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  18. 少なくとも1対のロッドの前記分割ロッド(3、3’)の各々は、前記長手方向中心軸(6)への異なる距離(r、rO-、rO+)を示す少なくとも2つの長手方向隣接セグメント(7、7’)を有するロッドからなる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  19. 各ロッド(3、3’)は、異なる直径のセグメント(7、7’)、具体的には、前記ロッド(3、3’)の現在の直径(d)と異なる直径(d、d)を有する少なくとも2つの隣り合うセグメントを含み、より大きいかまたはより小さい直径を有する前記少なくとも2つの隣り合うセグメントは、不安定運動領域(10)または少なくとも変動安定性領域が達成されることになる領域に位置する、請求項18に記載のフィルタリングする方法。
  20. 不安定運動領域または変動安定性領域(10)を生成および維持するステップは、前記QMF装置(2)の前記ロッド(3、3’)の配置の対称面内に整列した、すなわち、前記第1および第2横断面(HOおよびVE)の同時二等分面に沿った、少なくとも1対の対向DC電極(26、26’)を用いて、前記局所電場を修正することによって実行される、請求項12乃至16のいずれか1項に記載のフィルタリングする方法。
  21. 節(単数または複数)(8、9)の位置(単数または複数)は、前記イオン源(1)と、前記装置(2)の前記入口(4)の前記電極との間の電位差として、前記局所電場の前記パラメータ(UDC、VRF、FRF)および/または前記加速電位(UACC)を修正することによって調節される、先の請求項のいずれかに記載のフィルタリングする方法。
  22. 前記装置(2)の潜在的な機械的不完全性、例えば、ロッド中心軸(13)の不慮の位置オフセット、または前記ロッド(3、3’)の半径の意図しない差を、DCおよび/またはAC補正電位を前記四重極ロッド(3、3’)に印加することによって補償するステップをさらに含む、先の請求項のいずれかに記載のフィルタリングする方法。
  23. イオンビームを走査する方法であって、選択された電荷質量比の範囲の限界を徐々に修正し、前記比の範囲が維持される所与の時間内に前記使用された四重極装置(2)を退出するイオンを数えながら、前記イオンビームに、請求項1乃至22のいずれかで定義および構成されるようなフィルタリングする方法を適用すること、ならびに前記退出イオン数を、前記時間中に維持された前記比の範囲と関連付けることに本質的にある、走査する方法。
  24. 前記安定範囲の前記限界は、ロッド(3、3’)の各対の2つの対向するロッド間に存在する前記電場の前記AC電位の前記周波数(FRF)を変化させること、好ましくはランプアップまたはダウンさせることによって修正される、請求項23に記載の走査する方法。
  25. 前記安定範囲の前記限界は、前記電場の前記ACおよびDC電位の前記振幅(VRF、UDC)をランプさせ、前記装置(2)の前記入口(4)での前記イオンの前記加速電位(UACC)の変動、好ましくはランプアップまたはダウンにより前記節(8、9)の位置を再調節することによって修正され、前記電場の前記周波数値は、前記加速電位(UACC)がフィルタリング性能の所与の低下をもたらす値に達するたびに、別の周波数値に段階的に有利に切り替えられ、前記電位(VRF、UDC、UACC)のランプが再開される、請求項23に記載の走査する方法。
  26. 第1走査相では、前記安定範囲の前記限界は、前記電場の前記ACおよびDC電位の前記振幅(VRF、UDC)をランプさせることによって修正され、第2走査相では、前記第1走査相の結果から関心領域を特定した後に、走査は、前記領域内で、前記AC電位の前記周波数(FRF)を変化させること、好ましくはランプアップまたはダウンさせることによって行われる、請求項23に記載の走査する方法。
  27. 請求項1~22のいずれかに記載のイオンビームをフィルタリングする方法を行うことができ、請求項23乃至26のいずれかに記載の走査方法を行うことができる、四重極マスフィルタ装置(2)であって、
    前記装置(2)は、
    -入口開口(16)および出口開口(17)とそれぞれ関連する四重極装置入口(4)から四重極出口(5)に互いに平行に伸びる、4つの、好ましくは同一の、有利には円筒形または双曲柱状の、連続または分割ロッド(3、3’)であって、前記ロッド(3、3’)は、四重極中心軸(6)を形成する軸の周りに対称かつ規則的に配置され、それらの間に連続または分割管状体積(2’)を画定し、前記ロッド(3、3’)は、互いに垂直な第1横断面(HO)および第2横断面(VE)それぞれに2つずつさらに配置される、ロッド(3、3’)と、
    -互いに対向するロッド(3、3’)の各対の間、または2対のロッド(3、3’)のロッドセグメント(7、7’)の間に、合成された直流(DC)および交流(AC)電位によって規定される特定の局所電場を印加する手段であって、前記局所場は、前記管状体積(2’)または整列体積セグメント(2’’)に沿って合成電場をともに形成し、前記合成電場は、安定範囲を規定する所与の比の値の電荷質量比を有するイオンが、前記四重極中を移動する時に、前記第1および第2横断面(HO、VE)内の両方で、前記管状体積(2’)または連続する体積セグメント(2’’)の横方向限界内で振動し、前記四重極装置(2)を退出することを可能とする、手段と、
    -前記DC電位の振幅(UDC)ならびに前記AC電位の振幅(VRF)および周波数(FRF)を調節する手段と、
    -前記四重極装置(2)の前記入口(4)を通過する前に、入射ビーム(1’)のイオンに所与の運動エネルギーまたは速度を提供するために設計された加速電位(UACC)を調節する手段と、
    を備え、
    前記局所電場が構成および調整され、前記加速電圧が設定され、その結果、目標電荷質量比を有する前記イオンの振動パターンが、両横断面(HO、VE)内で、実質的かつ同時に、同じ点で前記四重極中心軸(6)と交差する、少なくとも1つの振動節または正確な集束点(8、9)が生成され、底または出口節と呼ばれる前記節(8)または前記節(8、9)の1つ(8)は、前記装置(2)の前記出口(5)もしくはその近く、前記ロッド(3、3’)の端部の後ろ、またはそれらの間に位置する、四重極マスフィルタ装置(2)。
  28. 前記局所電場が構成および調整され、前記加速電圧が設定され、その結果、目標電荷質量比を有する前記イオンの振動パターンが、両横断面(HO、VE)内で、実質的かつ同時に、同じ点で前記四重極中心軸(6)と交差する、少なくとも2つの振動節または正確な集束点(8、9)が生成され、前記節(8、9)は、
    -前記装置(2)の前記出口(5)に位置する1つの振動節または正確な集束点(8)と、
    -前記装置(2)の前記入口(4)と前記出口(5)との間に位置する少なくとも1つの他の中間振動節または正確な集束点(9)と、
    を備え、
    フィルタリング手段(10)が、前記イオンビーム(1’)をフィルタリングするために、前記少なくとも1つの中間節(9)の近傍および前記少なくとも1つの中間節(9)に設けられ、前記フィルタリング手段(10)は、物理的手段または場に基づく手段のいずれかであり、前記目標電荷質量比を有する前記イオンの大部分が、前記位置と交差し、前記出口(5)に向かうそれらの下流への移動を続けることを可能とするように配置および構成され、他のイオンは、遮断されるか、または前記ロッド(3、3’)の1つと衝突させられる、請求項27に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  29. 前記対向ロッド(3、3’)またはロッドセグメント(7、7’)間の電場は、前記装置(2)内に少なくとも2つの中間節(9)を形成するように較正され、対応する物理的または場に基づくフィルタリング手段(10)は、各中間節(9)と関連する、請求項27または28に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  30. 前記第1または出口節(8)と関連する前記イオンビームフィルタリング手段は、物理的フィルタリング手段(15、17)、例えば、出口開口(17)を設けた出口電極プレート(15)からなる、請求項27乃至29のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  31. 前記または各中間節(9)と関連する前記イオンビームフィルタリング手段は、物理的障壁(10’)中の少なくとも1つの較正通路(10)からなり、前記通路(10)は、例えば、前記管状体積(2’)内、または前記QMF装置(2)の前記合成体積(2’)の長手方向セグメント(2’’)内の前記中心軸(6)に横方向、好ましくは垂直に配置されたプレート(10’)中の開口(10)のように、中間節(9)上に中心があり、前記プレート(単数もしくは複数)(10’)は、その状況が生じる場合、連続的に隣接するかまたは分離されたロッドセグメント(7、7’)間でも動径方向に伸びる、請求項27乃至30のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  32. 長手方向に端と端とをつないで、または少なくとも1つの集束手段(19、20)をそれらの間に介在させて、互いに整列し、組み立てられた少なくとも2つの別個の四重極マスフィルタユニットを備え、各ユニットは、それ自体の入口(4)および出口(5)を有するか、またはその入口および/もしくは出口を他のユニットと共有し、前記イオンビーム(1’)のフィルタリングは、連続する四重極マスフィルタユニットの、互いに向かい合う別個のまたは一致する入口および出口開口(16、17)によって行われる、請求項27乃至31のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  33. 前記または各中間節(9)と関連する前記フィルタリング手段は、少なくとも1つの不安定運動領域または変動安定性領域(10)を含み、その内部で、前記局所電場特性は、前記領域(10)を通過する全イオンに不安定なまたは少なくとも変更された軌道を与え、前記少なくとも1つの中間節(9)は、前記少なくとも1つの不安定運動領域または変動安定性領域(10)内に、好ましくは中心に、位置する、請求項28、および請求項29乃至32のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  34. 少なくとも1対のロッドの前記ロッド(3、3’)の各々は、分割され、前記長手方向中心軸(6)に平行な方向に互いに整列した、好ましくは少なくとも3つの、物理的に分離されたセグメント(7、7’)で作製され、前記または各不安定運動領域(10)は、好ましくは、関心対向セグメント(7、7’)のUDCを増加させるか、またはVRFを減少させることによって達成される、請求項27乃至33のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  35. 少なくとも1対のロッドの前記ロッド(3、3’)の各々は、分割され、前記長手方向中心軸(6)への異なる距離(r、rO-、rO+)を示す少なくとも2つの長手方向セグメント(7、7’)を有するロッドからなる、請求項27乃至33のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置。
  36. 各ロッド(3、3’)は、異なる直径のセグメント(7、7’)、具体的には、前記ロッド(3、3’)の現在の直径(d)と異なる直径(d、d)を有する少なくとも2つの隣り合うセグメントを含み、より大きいかまたはより小さい直径を有する前記少なくとも2つの隣り合うセグメントは、不安定運動領域(10)または少なくとも変動安定性領域が達成されることになる領域に位置する、請求項35に記載の四重極マスフィルタ装置。
  37. 不安定運動領域または変動安定性領域(10)を生成および維持する手段として、前記QMF装置(2)の前記ロッド(3、3’)の配置の対称面内に整列した、すなわち、前記第1および第2横断面(HOおよびVE)の同時二等分面に沿った、対向DC電極対(26、26’)を備える、請求項33に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  38. 前記ロッド(3、3’)は、例えば、正方形、または菱形、または円筒形、または円錐形の開口などの、前記四重極中心軸(6)上に中心がある入口開口(16)および出口開口(17)をそれぞれ備える入口電極(14)から出口電極(15)に、前記底または各四重極マスフィルタユニットに向かって伸び、2つの連続するQMFユニットそれぞれの前記出口および入口電極(14、15)は、別個であるか、または一致する、請求項27乃至37のいずれか1項に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  39. 前記電極開口(16、17)の少なくとも1つは、前記装置(2)内で前記四重極長手方向中心軸(6)上に位置する頂点から、前記四重極入口(4)または前記四重極出口(5)に対応する底面に伸びる円錐の一部として成形される、請求項38に記載の四重極マスフィルタ装置(2)。
  40. 請求項1乃至22のいずれかに記載のイオンビームのフィルタリング方法を行うことができ、請求項23乃至26のいずれかに記載の走査方法を行うことができる、走査またはフィルタリング装置であって、
    -請求項27乃至39のいずれかに記載の四重極マスフィルタ装置(2)と、
    -イオンビーム(1’)を前記装置(2)に向かって放出することができるイオン源(1)と、
    -前記QMF装置(2)の前記管状内部体積(2’)に進入する前に前記イオンビーム(1’)を構成する手段(1’’、16、19)であって、前記ビーム(1’)は、少なくとも前記入口(4)のレベルに制限された動径方向寸法を有し、前記長手方向中心軸(6)に沿って導かれるように構成され、前記ビームは、好ましくは、前記四重極入口(4)、すなわち、前記装置(2)の前記入口電極(14)の前記入口開口(16)に向けられかつ集束される、手段(1’’、16、19)と、
    -前記イオン源(1)と、前記四重極マスフィルタ装置(2)の前記入口(4)との間に、調節可能なイオン加速電位(UACC)を印加する手段(21’)と、
    -例えばファラデーカップまたは電子増倍管などの、イオンセンサ(18)であって、所与の時間内に前記センサ(18)に進入または衝突するイオンの数に比例する信号を発することができ、前記センサ(18)は、前記四重極マスフィルタ装置(2)の前記出口(5)を超えた先に位置する、イオンセンサ(18)と、
    を備える、走査またはフィルタリング装置。
  41. 前記ビーム構成手段は、前記イオン源(1)と前記四重極入口(4)との間に位置し、前記四重極中心軸(6)上に中心があり、前記イオン源(1)から生じるイオンビーム(1’)を、前記四重極入口(4)で前記四重極中心軸(6)上に精密に集束することができる、例えばアインツェルレンズなどの、第1集束レンズ(19)を備える、請求項40に記載の走査装置(2)。
  42. 前記ビーム構成手段は、偏向器またはウィーンフィルタなどの、前記イオン源(1)と前記四重極装置入口(4)との間に介在するエネルギーセレクタ(1’’)を備え、前記エネルギーセレクタ(1’’)は、所与の範囲の運動エネルギーを有するイオンのみが前記四重極装置(2)に進入することを可能とするように構成される、請求項40および41のいずれか1項に記載の走査またはフィルタリング装置。
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