JP2022537484A

JP2022537484A - 触覚フィードバックをユーザに付与するデバイス及び方法

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Publication number: JP2022537484A
Application number: JP2021564912A
Authority: JP
Inventors: ネブザットヤリン
Original assignee: ベステルエレクトロニクサナイーベティカレトエー．エス．
Priority date: 2019-05-03
Filing date: 2019-05-03
Publication date: 2022-08-26
Also published as: CN113785259A; WO2020224743A1; EP3963428A1; KR20220002391A; US20220223014A1

Abstract

ユーザに触覚フィードバックを付与するデバイス及び方法が開示される。第１のソレノイド（１０１ａ）は、電流が第１のソレノイド（１０１ａ）に供給されると、ユーザが第１の磁気物体（１０２ａ）を感じることができる第１のソレノイド（１０１ａ）の第１の端部（１０３ａ）に第１の磁気物体（１０２ａ）を動かすように構成及び配置される。第２のソレノイド（１０１ｂ）は、電流が第２のソレノイド（１０１ｂ）に供給されると、ユーザが第２の磁気物体（１０２ｂ）を感じることができる第２のソレノイド（１０１ｂ）の第１の端部（１０３ｂ）に第２の磁気物体（１０２ｂ）を動かすように構成及び配置される。第１及び第２の磁気物体（１０２ａ、１０２ｂ）は、ユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与するように異なる形状を有する。【選択図】図１

Description

本開示は、触覚フィードバックをユーザに付与するデバイス及び方法に関する。

触覚技術（運動感覚技術とも呼ぶ）には、デバイスがユーザに触覚刺激を付与することを可能にするハードウェアや方法が含まれる。触覚フィードバックを生成する周知のデバイスでは、ユーザが感じることができる振動を生成することによりこれが行われる。例えば、リニア共振アクチュエータ（ＬＲＡ）、偏心回転質量（ＥＲＭ）、又は圧電アクチュエータといった振動アクチュエータが設けられ、制御信号に応じて振動を生成してもよい。このような周知のデバイスにはいくつかの制限がある。

本明細書に開示される第１の態様によれば、ユーザに触覚フィードバックを付与するデバイスであって、第１の磁気物体と、第１のソレノイドであって、電流が第１のソレノイドに供給されると、ユーザが第１の磁気物体を感じることができる第１のソレノイドの第１の端部に第１の磁気物体を動かすように構成及び配置される第１のソレノイドと、第２の磁気物体と、第２のソレノイドであって、電流が第２のソレノイドに供給されると、ユーザが第２の磁気物体を感じることができる第２のソレノイドの第１の端部に第２の磁気物体を動かすように構成及び配置される第２のソレノイドとを備え、第１及び第２の磁気物体は、ユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与するように異なる形状を有するデバイスが提供される。

一例において、前記ソレノイドの少なくとも１つは、前記磁気物体が前記ソレノイドの第１の端部に動かされたときに、前記磁気物体を前記ソレノイド内に収容するように前記ソレノイドの第１の端部を覆うシートを備える。

シートは、磁気物体がソレノイドの第１の端部に動かされてシートにぶつかると、ユーザがシート越しに磁気物体を感じることができるようになっている。

一例において、前記ソレノイドのそれぞれは、前記磁気物体のそれぞれを前記ソレノイド内に収容するように前記ソレノイドの第１の端部を覆うシートを備える。

ソレノイド毎に別個のシートがあってもよいし、特定のシートが複数のまたはさらには全てのソレノイドを覆ってもよい。

一例において、前記シート又は前記シートのそれぞれは導電性であり、ユーザによって押圧されると前記ソレノイドのうち１つ以上に接触して、前記ソレノイドのうち前記１つ以上を通る回路を完成させ、それにより前記ソレノイドの前記１つ以上に電流を供給可能とするように構成及び配置される。

一例において、前記デバイスは、第３の磁気物体と、第３のソレノイドであって、電流が第３のソレノイドに供給されると、ユーザが第３の磁気物体を感じることができる第３のソレノイドの第１の端部に第３の磁気物体を動かすように構成及び配置される第３のソレノイドとを備え、第３の磁気物体は第１及び第２の磁気物体のそれぞれとは異なる形状を有し、それによりユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与する。

一例において、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は球状である。

一例において、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は凸多面体である。

一例において、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は凹多面体である。

一例において、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は星型多面体である。

一例において、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は星型十二面体である。

一例において、前記ソレノイドのうち１つ以上は、複数の同じ形状の磁気物体を前記ソレノイドの第１の端部に動かすように構成及び配置される。

また、装置であって、前記装置を制御するコントローラと、上記のようなデバイスとを備え、前記デバイスの前記ソレノイドは前記コントローラと通信し、前記コントローラは、使用時に電流が供給される前記ソレノイド又は前記ソレノイドのそれぞれに応じて前記装置を制御する制御コマンドを発行するように配置される装置が提供される。

本明細書に開示される第２の態様によれば、ユーザに触覚フィードバックを付与する方法であって、第１のソレノイド及び第２のソレノイドの１つ以上に選択的に電流を供給し、電流を第１のソレノイドに供給すると、第１のソレノイドは、ユーザに第１の触覚フィードバック感覚を付与する第１の形状を有する第１の磁気物体を、ユーザが第１の磁気物体を感じることができる第１のソレノイドの第１の端部に動かし、電流を第２のソレノイドに供給すると、第２のソレノイドは、ユーザに第１の触覚感覚とは異なる第２の触覚フィードバック感覚を付与する、第１の形状とは異なる第２の形状を有する第２の磁気物体を、ユーザが第２の磁気物体を感じることができる第２のソレノイドの第１の端部に動かす方法が提供される。

一例において、前記方法は、前記ソレノイドのうち１つ以上に接触するように導電性のシートを選択的に押圧して、前記ソレノイドのうち前記１つ以上に電流を供給可能になるように前記ソレノイドのうち前記１つ以上を通る回路を完成させ、前記ソレノイドのうち前記１つ以上に選択的に電流を供給可能にする。

本開示の理解を促し、かつ、実施形態がどのように実施されうるかを示すために、例として以下の添付図面が参照される。

ユーザに触覚フィードバックを付与するデバイスの一例を概略的に示す。３つのソレノイドを備える別の例のデバイスの一部を概略的に示す。異なる数の磁気物体を備える別の例のデバイスの一部を概略的に示す。

図１は、ユーザに触覚フィードバックを付与するデバイス１００の一例を概略的に示す。以下でさらに詳細に説明されるように、使用の際、デバイス１００は装置３００を制御するコントローラ２００に接続されてもよい。

デバイス１００は、第１の磁気物体１０２ａを収容する第１のソレノイド１０１ａを備える。第１のソレノイド１０１ａは、第１の端部１０３ａと第２の端部１０４ａを有する。第１の磁気物体１０２ａは、第１のソレノイド１０１ａ内で自由に動くことができる。同様に、デバイス１００は、第２の磁気物体１０２ｂを収容する第２のソレノイド１０１ｂを備える。第２のソレノイド１０１ｂは、第１の端部１０３ｂと第２の端部１０４ａを有する。第２の磁気物体１０２ｂは、第２のソレノイド１０１ｂ内で自由に動くことができる。

各ソレノイド１０１は、ソレノイド１０１に電流を供給することによりソレノイド１０１が作動されると、それぞれの磁気物体１０２を動かすように構成及び配置される。図１に示される例では、第１のソレノイド１０１ａは作動されて、第２のソレノイド１０１ｂは作動されていない。したがって、第１の物体１０２ａは第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ａに位置する。一方、第２の磁気物体１０２ｂは第２のソレノイド１０１ｂの第２の端部１０４ａに位置する。

コントローラ２００は、どの１つ以上のソレノイド１０１が作動しているのかを判断し、対応する制御コマンドを装置３００に出すように構成される。実例として、装置３００はオーブンでもよい。コントローラ３００は、例えば、第１のソレノイド１０１ａが作動すると装置３００に「温度降下」コマンドを送信し、第２のソレノイド１０１ｂが作動すると装置３００に「温度上昇」コマンドを送信してもよい。

ソレノイド１０１が作動すると、それぞれの磁気物体１０２は、ユーザが磁気物体１０２を感知可能なソレノイド１０１の第１の端部１０３に向かって加速する。各ソレノイド１０１によって動かされ且つ収容される磁気物体１０２は、ユーザに異なる触覚感覚を付与するように配置される。例えば、磁気物体１０２は異なる形状でもよい。これにより、ユーザはどのソレノイド１０１が作動されているのか、ひいては、どの制御コマンドが装置３００に送信されているのかを自分の触覚だけで判断することができる。このことは目が見えないユーザや弱視のユーザにとって特に有益である。

動作原理は以下で説明されるが、第１のソレノイド１０１ａと第２のソレノイド１０１ｂの両方、また、以下で説明されるようなさらに別のソレノイドに共通である。

磁気物体１０２は、例えば、強磁性であるかまたは、少なくとも一部が強磁性材料から形成される。電流がソレノイド１０１に供給されると、ソレノイド１０１はその内部に磁場を生成し、これにより磁気物体１０２は力を受ける。磁気物体１０２はソレノイド１０１内を自由に動けることから、力が作用すると磁気物体１０２は動くことができる。

図示される各例では、ソレノイド１０２は鉛直に配置される（すなわち、その長手方向軸が鉛直に配置される）。ソレノイド１０１の第１の端部１０３が最上部となる。したがって、電流がソレノイド１０１に供給されない（その結果、電磁力が磁気物体１０１に印加されない）場合、磁気物体１０１は重力によりソレノイド１０１の第２の端部１０４（底部）に静止することになる。適当に方向付けられた電流を印加することにより、磁気物体１０２に力を印加することができ、重力に打ち勝って磁気物体１０２をソレノイド１０１の第１の端部１０３（頂部）に動かす。

図中、第１及び第２の磁気物体１０２ａ、１０２ｂは正確な縮尺で図示されておらず、実際には各図で示唆されるより幾分小さくてもよい。第１のソレノイド１０１ａ内には複数の第１の磁気物体１０２ａが収容されてもよく、及び／又は、第２のソレノイド１０１ｂ内には複数の第２の磁気物体１０２ｂが収容されてもよい。

第１のソレノイド１０１ａ及び第２のソレノイド１０１ｂは互いに平行に配置される。図１は、第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ｂの近位にあるユーザの指１１０を示す。ソレノイド１０１の第２の端部１０４は、磁気物体１０２が第２の端部１０４を介してソレノイド１０１から出ないように、塞がれていてもよい。例えば、第２の端部１０４のそれぞれは、栓やキャップや他のストッパ（図示せず）により塞がれてもよい。

第１の端部１０３のそれぞれも、磁気物体１０２がソレノイド１０１から出ないように塞がれていてもよい。しかしながら、第１の端部１０３に設けられる障害物は、磁気物体１０２が第１の端部１０３にあるときユーザにそれらを感知させてあげる必要がある。好適な障害物として、図１に示される、以下に記載のシート１０５が挙げられる。

図１に示される例では、デバイス１００は第１のシート１０５ａと第２のシート１０５ｂを備える。第１のシート１０５ａは第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ａを覆い、第２のシート１０５ｂは第２のソレノイド１０１ｂの第２の端部１０３ｂを覆う。シート１０５は、それぞれの磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３に動かされたときに、磁気物体１０２がソレノイド１０１内に収容されるように配置される。

各シート１０５は、磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３に動くと、ユーザが例えば指１１０を介してシート１０５越しに磁気物体１０２を感じることができるようになっている。各シート１０５は、磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３にあるとき、少なくとも部分的に磁気物体１０２の形状に順応することができる程度に薄い及び／又は変形可能である。例えば、シート１０５は弾性材料で形成されてもよい。ここで、「少なくとも部分的に」とは、シート１０５が、ユーザがシート１０５越しに磁気物体１０２の形状の違いを判別できる程度に順応することを意味する。

例えば、図１のようにソレノイド１０１毎に別個のシート１０５があってもよいし、一枚のシートが複数の又はさらには全てのソレノイド１０１を覆ってもよい。

ベーシックシート１０５の好適な材料としてプラスチックが挙げられる。

いくつかの例では、図１に関連して以下で説明されるように、シート１０５はそれぞれのソレノイド１０１を作動させる追加の機能を果たしてもよい（磁気物体１０２が離脱しないようにする機能に対しての追加）。

図１に示される例では、各シート１０５は、ユーザに押されるとそれぞれのソレノイド１０１の第１の端部１０３に接触するように構成及び配置される。各シート１０５は、直流電源１０６を介してソレノイド１０１の第２の端部１０４に電気的に接続される。シート１０５は少なくともソレノイド１０１側が導電性である。ユーザが自分の指１１０でシート１０５を押すと、導電側によってそれぞれのソレノイド１０１を通る回路を完成させることができる。一例において、シート１０５はユーザが触る側が電気的に絶縁している。電気絶縁側により、シート１０５を押して回路を完成させる際にユーザが電気ショックを受けずに済む。しかしながら、ソレノイド１０１を動作させるために必要な電圧は低くてもよいため、場合によってはシート１０５に電気絶縁側を設ける必要がないかもしれない。

各ソレノイド１０１は、図１に示すようにそれ自身の直流電源１０６を有してもよいし、あるいは、ソレノイド１０１は直流電源を共有してもよい。いずれの場合でも、シート１０５を押し下げることでシート１０５がソレノイド１０１に接触してそれぞれのソレノイド１０１を通る回路が完成し、これにより電流を当該ソレノイド１０１に供給可能となる。各回路は、それ自身の電源１０６（ソレノイド１０１が電源を共有する場合は１つの電源）に電気的に接続されるソレノイド１０１のうちの１つを備える。前述のように、こうして当該ソレノイド１０１の磁気物体１０２は、ユーザがシート１０５越しに磁気物体１０２を感じることができる第１の端部１０３に向かって加速する。

いくつかの例では、ユーザは複数のシート１０５を押すことにより複数のソレノイド１０１を通る複数の回路を完成させてもよい。１枚のシート１０５が設けられている例においても、ユーザはシート１０５を複数の位置で押して、複数のソレノイド１０１を通る複数の回路を完成し得る。

ソレノイド１０１と磁気物体１０２とシート１０５は、磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３にあるときにユーザが磁気物体１０２を感じられるように構成される。図１を参照すると、ユーザは自分の指１１０を使って第１のシート１０５ａを押している。これにより電流が第１のソレノイド１０１ａを流れる。その結果生じた第１のソレノイド１０１ａ内の磁場により、第１の磁気物体１０２ａは第１の端部１０１ａに向かって上方に加速する。したがって、第１の物体１０２ａが第１のシート１０５ａにぶつかると、ユーザは自分の指１１０を介して第１のシート１０５ａへの第１の物体１０２ａの衝撃を感じることになる。ユーザは任意で第１のソレノイド１０１ａに接触している第１のシート１０５ａを押し下げ続けてもよい。これにより連続電流が第１のソレノイド１０１ａを流れ、第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ａに第１の磁気物体１０２ａを保持し、ユーザが連続的に第１の磁気物体１０２ａを感じることができる。このことは、ユーザが磁気物体１０２ａの形状（触覚感覚）を判別するためにより時間をかけることができる点で有利である。磁気物体１０２の形状を感じやすくなるように、ユーザは自分の指１１０で第１のシート１０５ａの表面をこすったりなでたりしてもよい。

言い換えれば、ユーザは図示されるように自分の指１１０を使ってソレノイド１０１の第１の端部１０３にある磁気物体１０２を感じてもよい。磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３にない場合（例えば、ソレノイドの第２の端部１０４にある場合）、磁気物体１０２は手の届かない所にあるためユーザは感じることができない。

第１の磁気物体１０２ａと第２の磁気物体１０２ｂは、ユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与するように異なる形状を有する。すなわち、第１の磁気物体１０２ａと第２の磁気物体１０２ｂは、例えばユーザの指１１０で感じる場合に感触が異なる。図示される例では、第１の磁気物体１０２ａは球体であり、第２の磁気物体１０２ｂは星型十二面体である。第１の磁気物体１０２（球体）は第２の磁気物体１０２ｂ（星型十二面体）よりも、ユーザの指１１０に、より滑らかな触覚感覚をもたらす。

異なる形状を有する磁気物体１０２とは、１つ（以上）の磁気物体１０２をユーザが触れて感じるだけで、どの１つ以上のソレノイド１０１が作動しているのかを判断できることを意味する。つまり、ユーザはどれがアクティブかを知るためにソレノイド１０１を見る必要がない。磁気物体１０２は様々な異なる形状で提供されてもよい。例えば、ある磁気物体１０２は「とげとげ」及び／又は「ごつごつ」にし、別の磁気物体１０２は「なめらか」にして、ユーザの指１１０に明らかに異なる触覚感覚を付与してもよい。

前述のように、各ソレノイド１０１を作動させることにより、それぞれの異なる制御コマンドを装置３００（以下に記載）に送信し、装置３００の動作を変更可能にしてもよい。したがって、この意味でソレノイド１０１は装置３００の制御ボタンとして機能する。これにより、デバイス１００を見る必要なしに、ユーザは所望の制御コマンドを実行するために正しいソレノイド１０１を確実に作動させることができる。このことは目が見えないユーザや弱視のユーザにとって特に有益である。このために、デバイス１００のソレノイド１０１は動作可能にコントローラ２００に接続される。コントローラ２００は動作可能に装置３００に接続される。コントローラ２００は、使用時に電流が供給されるソレノイド１０１又は各ソレノイド１０１に応じて装置３００を制御する制御コマンドを発行するように配置される。コントローラ２００は本明細書に記載される機能を実行するためのプロセッサを備えてもよい。

コントローラ２００は、現在アクティブな１つ以上のソレノイド１０１、すなわち、例えばユーザが自分の指１１０で当該１つ以上のソレノイド１０１のシート１０５を押すことで電流が通っている１つ以上のソレノイド１０１を判定することができる。図５の例では、コントローラ２００はそれぞれのセンスラインによって各回路に接続されており、それによって、コントローラ２００は各ソレノイド１０１がアクティブであるときを判定できる。例えば、コントローラ２００は各センスラインの電圧、それぞれのソレノイド１０１の作動を示す電圧の変化（例えば、上昇）、を測定するように構成されてもよい。

コントローラ２００は図５に示されるように装置３００の外部装置であってもよく、あるいは、装置３００の内部コントローラ２００であってもよい。コントローラ２００を用いて制御され得る装置３００の例としては、家庭用及び業務用電化製品（「白物家電としても知られる」）や、メディアデバイスや、コンピュータデバイス等が挙げられる。白物家電の例としては、炊事用具（レンジ、コンロ、オーブン等）、電子レンジ、冷蔵庫、冷凍庫、冷水器、洗濯機、衣類乾燥機、食洗機等が挙げられる。装置３００の他の例としては、コンピュータやテレビ等の家庭用電子機器すなわち「黒物家電」が挙げられる。

装置３００は１つ以上の設定に応じて機能する。

いくつかの例では、設定は装置３００の動作を変えるために変更可能な値でもよい。このような設定の例としては、オーブンの温度設定や、洗濯機の洗濯サイクルの温度設定等が挙げられる。

他の例においては、設定は、装置３００によって実行される一連の工程からなるプログラムでもよい。ユーザは装置３００によって実行される所望のプログラムを選択することができる。このような設定の例としては、洗濯機の洗濯サイクルや、冷凍庫の除霜サイクル等が挙げられる。

上述の１つ以上の設定は、値とプログラムの両方を含んでもよい。

コントローラ２００は、使用時に電流が供給されるソレノイド１０１又は各ソレノイド１０１に応じて装置３００を制御する制御コマンドを発行するように構成されてもよい。すなわち、各ソレノイド１０１は装置３００の動作を変えるための制御コマンドに関連付けられる。こうしてユーザは、関連する１つ以上のソレノイド１０１を当該１つ以上のソレノイド１０１のシート１０５を押して作動させることにより、装置３００の動作に所望の変化をもたらすことができる。

具体例として、第１のソレノイド１０１ａが降温制御コマンドに関連付けられ、第２のソレノイド１０１ｂが昇温制御コマンドに関連付けられてもよい。このように、ユーザは自分の指１１０を使ってどのソレノイド１０１が作動しているか感じることができるため、装置３００の温度設定を上げたり下げたりするためにユーザがソレノイド１０１を見る必要がない。

各磁気物体１０２の形状ひいては感触は、それぞれの制御コマンドに関連付けられてもよい。例えば、温度設定に上昇をもたらすソレノイド１０１内にある磁気物体１０２は、温度設定に下降をもたらすソレノイド１０１内にある磁気物体１０２より尖っていてもよい。すなわち、「降温制御コマンド」は例えば平滑な形状の物体１０２ａによって示され、「昇温制御コマンド」は例えば尖った又は角張った形状の物体１０２ｂによって示されてもよい。

図２は、３つのソレノイド１０１ａ、１０１ｂ、１０１ｃを備える例を概略的に示す。各ソレノイド１０１は第１の端部１０３及び第２の端部１０４を有し、可動の磁気物体１０２を収容する。各ソレノイド装置の動作は上記の通りであり、ここでは繰り返さない。

第１の磁気物体１０２ａ、第２の磁気物体１０２ｂ、及び第３の磁気物体１０２ｃはいずれも異なる形状を有する。本例において、第１の磁気物体１０２ａは球体（「なめらか」な形状の一例）であり、第２の磁気物体１０２ｂは立方体（「ごつごつ」した形状の一例）であり、第３の磁気物体１０２ｃは星型十二面体（「とげとげ」した形状の一例）である。各形状はユーザにとって感触が異なり、これによりユーザの指１１０に異なる触覚感覚をもたらす。

上記のように、各ソレノイド１０１ａ、１０１ｂ、１０１ｃはそれぞれ異なる制御コマンドに関連付けられてもよい。例えば、各ソレノイド１０１はそれぞれ異なるプログラムを実行する制御コマンドに関連付けられてもよい。具体例では、装置３００は洗濯機でもよく、各ソレノイド１０１はそれぞれ異なる洗濯サイクルに関連付けられる。こうしてユーザは触るだけで所望の洗濯サイクルを選ぶことができる。

図３は、各ソレノイド１０１に異なる数の磁気物体１０２が設けられる例を概略的に示す。本例において、第１のソレノイド１０１ａは球体である１つの磁気物体１０２ａを収容し、第２のソレノイド１０１ｂは全て球体である６個の磁気物体１０２ｂを収容する。第２のソレノイド１０１ｂの球体はいずれも同じ大きさであり、第１のソレノイド１０１ａの球体より小さい。

両方のソレノイド１０１内の磁気物体１０２が全て同じ形状であるとしても、第１のソレノイド１０１ａ内の１個の球体は第２のソレノイド１０１ｂ内の複数の小さな球体とはユーザの指１１０への感触が異なるため、ユーザに異なる触覚感覚を付与する。同様の原理は球体以外の形状に適用できる。第２のソレノイド１０１ｂ内の６個の球体は例として示されるに過ぎない。異なる数の磁気物体１０２が提供されてもよい。例えば、全て同じ形状であるとしても、２個の磁気物体は１個の磁気物体とは感触が異なり、また、例えば１０個の磁気物体とも感触が異なるものである。

上記の各例においては、電流がソレノイド１０１を通っていないとき、すなわち磁気物体１０２を頂部（第１の端部１０３）に動かすために電流がソレノイド１０１に供給される必要があるときは、磁気物体１０２が重力によりソレノイド１０１の底部（第２の端部１０４）に静止するように、ソレノイド１０１は鉛直とされる。しかしながら、生成される力の方向はソレノイド１０１を通る電流の方向によって決まる。したがって、他の例では、デバイス１００は、逆電流を印加することにより磁気物体１０２をソレノイド１０１の第２の端部１０４に能動的に保持するように構成及び配置される。つまり、ソレノイド１０１は鉛直姿勢で設置されなくてもよい。

なお、本明細書に記載される処理装置や処理システムや回路は、実際には、単一のチップもしくは集積回路、または複数のチップもしくは集積回路によって提供されてもよく、任意で、チップセット、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ（ＦＰＧＡ）、デジタル・シグナル・プロセッサ（ＤＳＰ）、グラフィックス・プロセッシング・ユニット（ＧＰＵ）等として設けられてもよい。チップ又は複数のチップは、データプロセッサ又は複数のデータプロセッサと、デジタル信号プロセッサ又は複数のデジタル信号プロセッサと、ベースバンド回路と、無線周波数回路のうち1つ以上を具現化するための回路（ファームウェアでも可）を備えてもよく、これらは上記実施形態に従って動作するように構成可能である。これに関し、例示的な実施形態は、（不揮発性）メモリに格納されプロセッサによって実行可能なコンピュータソフトウェア、またはハードウェア、または有形的に格納されたソフトウェアおよびハードウェア（および有形的に格納されたファームウェア）の組み合わせによって、少なくとも部分的に実現されてもよい。

図面を参照して本明細書に記載された実施形態の少なくともいくつかの態様は、処理システムまたは処理装置によって実行されるコンピュータプロセスを含むが、本発明は、本発明を実施可能なコンピュータプログラム、特に通信手段（ｃａｒｒｉｅｒ）上または内のコンピュータプログラムにも及ぶ。このプログラムの形式は、非一時的なソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形式の中間ソースコード及びオブジェクトコード、またはその他の本発明に従う処理の実施における使用に適した非一時的形式であってよい。キャリアは、プログラムを担持可能な任意の実体又はデバイスであってもよい。例えば、キャリアは、ソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）または他の半導体ベースのＲＡＭ、例えばＣＤ－ＲＯＭまたは半導体ＲＯＭなどのＲＯＭ、例えばフロッピーディスクまたはハードディスクなどの磁気記録媒体、光学メモリ装置一般などの記憶媒体を含んでもよい。

本明細書に記載される例は、本発明の実施形態の説明的事例として理解されるべきである。さらなる実施形態及び実施例が想定される。任意の一例または実施形態に関連して記載された任意の特徴は、単独で、または他の特徴と組み合わせて用いてもよい。さらに、任意の一例または実施形態に関連して記載された任意の特徴は、他の例もしくは実施形態の少なくとも一つの特徴と組み合わせて、または他の例もしくは実施形態と組み合わせて用いてもよい。さらに、本明細書に記載されない均等物及び変形例もまた、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内で採用されてもよい。

本明細書に開示される第２の態様によれば、ユーザに触覚フィードバックを付与する方法であって、第１のソレノイド及び第２のソレノイドの１つ以上に選択的に電流を供給し、電流を第１のソレノイドに供給すると、第１のソレノイドは、ユーザに第１の触覚フィードバック感覚を付与する第１の形状を有する第１の磁気物体を、ユーザが第１の磁気物体を感じることができる第１のソレノイドの第１の端部に動かし、電流を第２のソレノイドに供給すると、第２のソレノイドは、ユーザに第１の触覚フィードバック感覚とは異なる第２の触覚フィードバック感覚を付与する、第１の形状とは異なる第２の形状を有する第２の磁気物体を、ユーザが第２の磁気物体を感じることができる第２のソレノイドの第１の端部に動かす方法が提供される。

デバイス１００は、第１の磁気物体１０２ａを収容する第１のソレノイド１０１ａを備える。第１のソレノイド１０１ａは、第１の端部１０３ａと第２の端部１０４ａを有する。第１の磁気物体１０２ａは、第１のソレノイド１０１ａ内で自由に動くことができる。同様に、デバイス１００は、第２の磁気物体１０２ｂを収容する第２のソレノイド１０１ｂを備える。第２のソレノイド１０１ｂは、第１の端部１０３ｂと第２の端部１０４ｂを有する。第２の磁気物体１０２ｂは、第２のソレノイド１０１ｂ内で自由に動くことができる。

コントローラ２００は、どの１つ以上のソレノイド１０１が作動しているのかを判断し、対応する制御コマンドを装置３００に出すように構成される。実例として、装置３００はオーブンでもよい。コントローラ２００は、例えば、第１のソレノイド１０１ａが作動すると装置３００に「温度降下」コマンドを送信し、第２のソレノイド１０１ｂが作動すると装置３００に「温度上昇」コマンドを送信してもよい。

図示される各例では、ソレノイド１０１は鉛直に配置される（すなわち、その長手方向軸が鉛直に配置される）。ソレノイド１０１の第１の端部１０３が最上部となる。したがって、電流がソレノイド１０１に供給されない（その結果、電磁力が磁気物体１０２に印加されない）場合、磁気物体１０２は重力によりソレノイド１０１の第２の端部１０４（底部）に静止することになる。適当に方向付けられた電流を印加することにより、磁気物体１０２に力を印加することができ、重力に打ち勝って磁気物体１０２をソレノイド１０１の第１の端部１０３（頂部）に動かす。

第１のソレノイド１０１ａ及び第２のソレノイド１０１ｂは互いに平行に配置される。図１は、第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ａの近位にあるユーザの指１１０を示す。ソレノイド１０１の第２の端部１０４は、磁気物体１０２が第２の端部１０４を介してソレノイド１０１から出ないように、塞がれていてもよい。例えば、第２の端部１０４のそれぞれは、栓やキャップや他のストッパ（図示せず）により塞がれてもよい。

図１に示される例では、デバイス１００は第１のシート１０５ａと第２のシート１０５ｂを備える。第１のシート１０５ａは第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ａを覆い、第２のシート１０５ｂは第２のソレノイド１０１ｂの第１の端部１０３ｂを覆う。シート１０５は、それぞれの磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３に動かされたときに、磁気物体１０２がソレノイド１０１内に収容されるように配置される。

ソレノイド１０１と磁気物体１０２とシート１０５は、磁気物体１０２がソレノイド１０１の第１の端部１０３にあるときにユーザが磁気物体１０２を感じられるように構成される。図１を参照すると、ユーザは自分の指１１０を使って第１のシート１０５ａを押している。これにより電流が第１のソレノイド１０１ａを流れる。その結果生じた第１のソレノイド１０１ａ内の磁場により、第１の磁気物体１０２ａは第１の端部１０３ａに向かって上方に加速する。したがって、第１の物体１０２ａが第１のシート１０５ａにぶつかると、ユーザは自分の指１１０を介して第１のシート１０５ａへの第１の物体１０２ａの衝撃を感じることになる。ユーザは任意で第１のソレノイド１０１ａに接触している第１のシート１０５ａを押し下げ続けてもよい。これにより連続電流が第１のソレノイド１０１ａを流れ、第１のソレノイド１０１ａの第１の端部１０３ａに第１の磁気物体１０２ａを保持し、ユーザが連続的に第１の磁気物体１０２ａを感じることができる。このことは、ユーザが磁気物体１０２ａの形状（触覚感覚）を判別するためにより時間をかけることができる点で有利である。磁気物体１０２ａの形状を感じやすくなるように、ユーザは自分の指１１０で第１のシート１０５ａの表面をこすったりなでたりしてもよい。

第１の磁気物体１０２ａと第２の磁気物体１０２ｂは、ユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与するように異なる形状を有する。すなわち、第１の磁気物体１０２ａと第２の磁気物体１０２ｂは、例えばユーザの指１１０で感じる場合に感触が異なる。図示される例では、第１の磁気物体１０２ａは球体であり、第２の磁気物体１０２ｂは星型十二面体である。第１の磁気物体１０２ａ（球体）は第２の磁気物体１０２ｂ（星型十二面体）よりも、ユーザの指１１０に、より滑らかな触覚感覚をもたらす。

コントローラ２００は、現在アクティブな１つ以上のソレノイド１０１、すなわち、例えばユーザが自分の指１１０で当該１つ以上のソレノイド１０１のシート１０５を押すことで電流が通っている１つ以上のソレノイド１０１を判定することができる。図１の例では、コントローラ２００はそれぞれのセンスラインによって各回路に接続されており、それによって、コントローラ２００は各ソレノイド１０１がアクティブであるときを判定できる。例えば、コントローラ２００は各センスラインの電圧、それぞれのソレノイド１０１の作動を示す電圧の変化（例えば、上昇）、を測定するように構成されてもよい。

コントローラ２００は図１に示されるように装置３００の外部装置であってもよく、あるいは、装置３００の内部コントローラ２００であってもよい。コントローラ２００を用いて制御され得る装置３００の例としては、家庭用及び業務用電化製品（「白物家電としても知られる」）や、メディアデバイスや、コンピュータデバイス等が挙げられる。白物家電の例としては、炊事用具（レンジ、コンロ、オーブン等）、電子レンジ、冷蔵庫、冷凍庫、冷水器、洗濯機、衣類乾燥機、食洗機等が挙げられる。装置３００の他の例としては、コンピュータやテレビ等の家庭用電子機器すなわち「黒物家電」が挙げられる。

Claims

ユーザに触覚フィードバックを付与するデバイスであって、
第１の磁気物体と、
第１のソレノイドであって、電流が前記第１のソレノイドに供給されると、ユーザが前記第１の磁気物体を感じることができる前記第１のソレノイドの第１の端部に前記第１の磁気物体を動かすように構成及び配置される第１のソレノイドと、
第２の磁気物体と、
第２のソレノイドであって、電流が前記第２のソレノイドに供給されると、ユーザが前記第２の磁気物体を感じることができる前記第２のソレノイドの第１の端部に前記第２の磁気物体を動かすように構成及び配置される第２のソレノイドとを備え、
前記第１及び第２の磁気物体は、ユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与するように異なる形状を有するデバイス。
請求項１に記載のデバイスであって、前記ソレノイドの少なくとも１つは、前記磁気物体が前記ソレノイドの第１の端部に動かされたときに、前記磁気物体を前記ソレノイド内に収容するように前記ソレノイドの第１の端部を覆うシートを備えるデバイス。
請求項２に記載のデバイスであって、前記ソレノイドのそれぞれは、前記磁気物体のそれぞれを前記ソレノイド内に収容するように前記ソレノイドのそれぞれの第１の端部を覆うシートを備えるデバイス。
請求項２又は請求項３に記載のデバイスであって、前記シート又は前記シートのそれぞれは導電性であり、ユーザによって押圧されると前記ソレノイドのうち１つ以上に接触して、前記ソレノイドのうち前記１つ以上を通る回路を完成させ、それにより前記ソレノイドの前記１つ以上に電流を供給可能とするように構成及び配置されるデバイス。
請求項１から請求項４のいずれか一項に記載のデバイスであって、
第３の磁気物体と、
第３のソレノイドであって、電流が前記第３のソレノイドに供給されると、ユーザが前記第３の磁気物体を感じることができる前記第３のソレノイドの第１の端部に前記第３の磁気物体を動かすように構成及び配置される第３のソレノイドとを備え、
前記第３の磁気物体は前記第１及び第２の磁気物体のそれぞれとは異なる形状を有し、それによりユーザに異なる触覚フィードバック感覚を付与するデバイス。
請求項１から請求項５のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は球状であるデバイス。
請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は凸多面体であるデバイス。
請求項１から請求項７のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は凹多面体であるデバイス。
請求項１から請求項８のいずれか一項に記載のデバイスであって、前記ソレノイドのうち１つ以上は、複数の同じ形状の磁気物体を前記ソレノイドの第１の端部に動かすように構成及び配置されるデバイス。
装置であって、前記装置を制御するコントローラと、請求項１から請求項９のいずれか一項に記載のデバイスとを備え、前記デバイスの前記ソレノイドは前記コントローラと通信し、前記コントローラは、使用時に電流が供給される前記ソレノイド又は前記ソレノイドのそれぞれに応じて前記装置を制御する制御コマンドを発行するように配置される装置。
ユーザに触覚フィードバックを付与する方法であって、
第１のソレノイド及び第２のソレノイドの１つ以上に選択的に電流を供給し、
電流を前記第１のソレノイドに供給すると、前記第１のソレノイドは、ユーザに第１の触覚フィードバック感覚を付与する第１の形状を有する第１の磁気物体を、ユーザが前記第１の磁気物体を感じることができる前記第１のソレノイドの第１の端部に動かし、
電流を前記第２のソレノイドに供給すると、前記第２のソレノイドは、ユーザに前記第１の触覚感覚とは異なる第２の触覚フィードバック感覚を付与する、前記第１の形状とは異なる第２の形状を有する第２の磁気物体を、ユーザが前記第２の磁気物体を感じることができる前記第２のソレノイドの第１の端部に動かす方法。
請求項１１に記載の方法であって、前記ソレノイドのうち１つ以上に接触するように導電性のシートを選択的に押圧して、前記ソレノイドのうち前記１つ以上に電流を供給可能になるように前記ソレノイドのうち前記１つ以上を通る回路を完成させ、前記ソレノイドのうち前記１つ以上に選択的に電流を供給する方法。
請求項１１又は請求項１２に記載の方法であって、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は球状である方法。
請求項１１から請求項３のいずれか一項に記載の方法であって、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は凸多面体である方法。
請求項１１から請求項１４のいずれか一項に記載の方法であって、前記磁気物体の少なくとも１つの形状は凹多面体である方法。