JP2022530681A - ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての表面反応炭酸マグネシウム - Google Patents

ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての表面反応炭酸マグネシウム Download PDF

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Abstract

本発明は、表面反応炭酸マグネシウム、表面反応炭酸マグネシウムを含むホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システム、一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含むホームケア製剤、表面反応炭酸マグネシウムを調製するための方法、及びホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法、並びにホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての表面反応炭酸マグネシウムの使用、及びホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムの使用に関する。

Description

本発明は、表面反応炭酸マグネシウム、表面反応炭酸マグネシウムを含むホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システム、一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含むホームケア製剤、表面反応炭酸マグネシウムを調製するための方法、及びホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法、並びにホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての表面反応炭酸マグネシウムの使用、及びホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムの使用に関する。
炭酸マグネシウムは、当分野において周知であり、多種多様な形態で天然に存在し、例えば、無水炭酸マグネシウム又はマグネサイト(MgCO)、ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)、アルチナイト(Mg(CO)(OH)・3HO)、ダイピンガイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ギオルギオサイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ポクロブスカイト(Mg(CO)(OH)・0.5HO)、バーリントナイト(MgCO・2HO)、ランスフォルダイト(MgCO・5HO)及びネスケホナイト(MgCO・3HO)の形態で天然に存在する。
天然炭酸マグネシウムの他に、合成炭酸マグネシウム(又は沈降炭酸マグネシウム)が調製され得る。例えば、欧州特許第0526121号明細書は、炭酸カルシウム及び炭酸水酸化マグネシウムからなるカルシウム-マグネシウム炭酸塩複合体、並びにその調製のための方法を記載している。さらに、英国特許第594262号明細書は、それぞれの炭酸塩を異なる別個の形態で得るために、マグネシア含有材料、例えば、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム材料を処理する方法及び装置に関し、ここでは、制御された炭酸化によって、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムを機械的手段によって分離することができるようにし、かつ分離された生成物における特別の有用性を達成するようにしている。
加えて、米国特許第1,361,324号明細書、米国特許第935,418号明細書、英国特許第548197号明細書及び英国特許第544907号明細書は、重炭酸マグネシウム(典型的には「Mg(HCO」と記載されている)の水溶液の形成を一般に記載しており、これは、次いで塩基、例えば、水酸化マグネシウムの作用によって変換されてハイドロマグネサイトを形成する。当分野において記載されている他のプロセスは、ハイドロマグネサイト及び水酸化マグネシウムの両方を含有する組成物を調製することを示唆しており、ここでは、水酸化マグネシウムは水と混合されて懸濁液を形成し、この懸濁液を二酸化炭素及び水性塩基性溶液とさらに接触させて対応する混合物を形成する。例えば、米国特許第5,979,461号明細書を参照されたい。
炭酸マグネシウムをホームケア製剤において使用することができることは周知である。例えば、米国特許第4,303,542号明細書は、家庭用洗濯機における使用に好適な粉末状洗剤に言及している。この洗剤は、(1)pH1~4を有する最初の洗浄溶液を提供する酸成分及び(2)この酸洗浄溶液を約2~25分の期間内に中和する、コーティングされたアルカリ供給物質を含有する。実施例のセクションによると、液は、110gの重硫酸ナトリウム、20gの炭酸マグネシウム、1:3の液体対固体比の30gの非イオン性界面活性剤、及び13gのBW7380からなる。未公開の欧州特許出願第18153662.4号明細書は、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料であって、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、≧25m/gの比表面積を有する炭酸マグネシウムからなる担体材料に言及している。
しかしながら、改善された担持特性及び放出特性を有する担体材料を提供することが当分野において依然として必要とされている。すなわち、一つ又は複数の活性剤を担持したときに、例えばニートの炭酸マグネシウムからなる担体材料と比較して、高い放出効率と共に高い担持容量を提供することが必要とされている。さらに、この担体材料は、ホームケア製剤における送達材料として使用することができることが望ましい。
したがって、本発明の目的は、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出に好適である担体材料を提供することである。さらに、特に(ニートの)炭酸マグネシウムと比較して、改善された担持特性及び放出特性を特徴とする担体材料を提供することが望ましい。特に、(ニートの)炭酸マグネシウムと比較して、一つ又は複数の活性剤が担持されたときに高い放出効率と共に高い担持容量を提供する担体材料を提供することが望ましい。こうした材料を調製するための方法を提供することも望ましい。ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを提供することがさらに望ましい。一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法を提供することも望ましい。さらなる目的は、本発明の以下の詳細な説明から理解することができる。
上記目的及び他の目的は、独立請求項において本明細書に定義されている主題によって解決される。
本発明の有利な実施形態は、対応する従属請求項において定義されている。
本発明の一態様によれば、表面反応炭酸マグネシウムが提供される。表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる。
本発明者らは、驚くべきことに、上記の表面反応炭酸マグネシウムが、一つ又は複数の活性剤を担持したときに、一つ又は複数の活性剤について高い放出効率と共に高い担持容量を有する担体材料として使用することができ、したがって、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムとして高度に好適であることを見出した。より正確には、本発明者らは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって、(ニートの)炭酸マグネシウムと比較して、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤に関する担持特性及び放出特性を改善することができることを見出した。
一実施形態によれば、炭酸マグネシウムは、無水炭酸マグネシウム又はマグネサイト(MgCO)、ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)、アルチナイト(Mg(CO)(OH)・3HO)、ダイピンガイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ギオルギオサイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ポクロブスカイト(Mg(CO)(OH)・0.5HO)、バーリントナイト(MgCO・2HO)、ランスフォルダイト(MgCO・5HO)、ドロカーボネート、及びネスケホナイト(MgCO・3HO)からなる群から選択される。
別の実施形態によれば、炭酸マグネシウムは、
(a)窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、10~100m/g、好ましくは12~50m/g、最も好ましくは17~40m/gの範囲のBET比表面積、及び/又は
(b)水銀ポロシメトリー測定から算出した、0.9~2.3cm/g、好ましくは1.2~2.1cm/g、最も好ましくは1.5~2.0cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積、及び/又は
(c)レーザー回折によって求めた、1~75μm、好ましくは1.2~50μm、より好ましくは1.5~30μm、さらにより好ましくは1.7~15μm、最も好ましくは1.9~10μmの範囲のd50(vol)、及び/又は
(d)レーザー回折によって求めた、2~150μm、好ましくは4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらにより好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~40μmの範囲のd98(vol)を有する。
さらに別の態様によれば、炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定したBET比表面積に対する、水銀ポロシメトリー測定から算出した粒子内圧入比細孔容積の比が、0.01cm/mを超え、好ましくは0.05cm/mを超え、最も好ましくは0.06cm/mを超え、例えば、0.06~0.25cm/mである。
一実施形態によれば、炭酸マグネシウムは、25000ppmまでのCa2+イオンを含有する。
別の実施形態によれば、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、炭酸マグネシウムの合計乾燥重量を基準にして0.1~20重量%の量の上記の一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩によって処理することによって得られる。
さらに別の態様によれば、表面反応炭酸マグネシウムは、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料である。
別の態様によれば、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムであって、上述した表面反応炭酸マグネシウムと、担体材料に担持されている一つ又は複数の活性剤とを含む送達システムが提供される。
一実施形態によれば、一つ又は複数の活性剤は、表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持される。
別の実施形態によれば、一つ又は複数の活性剤は、洗剤について2004年3月31日の欧州議会及び評議会の規則(EC)第648/2004において言及されている活性剤の群から選択され、好ましくは、一つ又は複数の活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、リン酸塩、ホスホン酸塩、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、ビルダー、加工助剤、酵素、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、スケーリング防止剤、錯化剤、分散剤、ニトリロ三酢酸とこれらの塩、フェノール、ハロゲン化フェノール、パラジクロロベンゼン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、石鹸、ゼオライト、ポリカルボキシレート、消毒剤、光学的光沢剤、消泡剤、着色剤、香料、及びこれらの混合物を含む群から選択される。
さらに別の態様によれば、送達システムは、担体材料の合計重量を基準にして、10~300重量%、好ましくは40~290重量%、より好ましくは60~280重量%、最も好ましくは80~260重量%、例えば、90~200重量%の範囲の量の一つ又は複数の活性剤を含む。
一実施形態によれば、送達システムは、自由流動粉末、錠剤、ペレット、又は顆粒、好ましくは自由流動粉末の形態である。
本発明のさらなる態様によれば、本明細書において定義されている一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含むホームケア製剤が提供される。
一実施形態によれば、製剤は、液体、自由流動粉末、ペースト、ゲル、バー、ケーキ、パウチ又は成形片、例えば、錠剤の形態である。
別の実施形態によれば、製剤は、洗浄製剤、好ましくは、洗濯物、繊維、食器、及び硬質表面の清浄のための洗浄製剤;予備洗浄製剤;リンス製剤;漂白製剤;洗濯繊維柔軟剤製剤;クリーニング製剤;及びこれらの混合物である。
本発明のさらに別の態様によれば、本明細書において定義されている表面反応炭酸マグネシウムを調製するための方法であって、少なくとも下記の工程を含む方法が提供される:
(i)炭酸マグネシウムを提供すること、
(ii)硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物を提供すること、及び
(iii)1つ又は複数の工程で、混合しながら、工程(i)の炭酸マグネシウムの表面を工程(ii)の一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩で処理し、それによって、一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩と、炭酸マグネシウムの表面とによって反応が達成されるようにすること。
本発明の別の態様によれば、本明細書において定義されている、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法であって、下記の工程を含む方法が提供される:
(a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウムを提供すること、
(b)液体の形態の又は溶媒に溶解された一つ又は複数の活性剤を提供すること、
(c)工程(a)の表面反応炭酸マグネシウムを、工程(b)の一つ又は複数の活性剤と接触させること、並びに
(d)任意選択的に、工程(b)で溶媒を使用したときに、蒸発によって溶媒を除去すること。
本発明のさらなる態様によれば、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての、本明細書において定義されている表面反応炭酸マグネシウムの使用が提供される。
本発明のさらにさらなる態様によれば、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための、本明細書において定義されている送達システムの使用が提供される。
本発明の目的で、以下の用語が以下の意味を有することが理解されるべきである:
本発明の意味において「表面反応炭酸マグネシウム」は、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって調製される材料であり、それによって、一つ又は複数の化合物の少なくとも一部が炭酸マグネシウムと反応して出発化合物とは異なる塩反応生成物を形成するようになっている。表面反応炭酸マグネシウムは、コア-シェル構造を有することができ、ここで、出発物質の炭酸マグネシウムが粒子のコアに位置し、かつ塩反応生成物が外側シェルに位置する。この塩反応生成物を形成するマグネシウムイオンは、大部分が出発物質の炭酸マグネシウムに由来する。このような塩は、OHアニオン及び/又は結晶水を含むことができる。
本発明の意味において「水不溶性」材料は、脱イオン水と混合し、かつ0.2μmの細孔径を有するフィルタにおいて20℃で濾過して濾液を回収したときに、100gのこの濾液を95~100℃で蒸発させた後に、0.1g又はこれ未満の回収された固体材料を与える材料として定義される。「水溶性」材料は、100gの上記の濾液を95~100℃で蒸発させた後に、0.1gを超える回収された固体材料の回収をもたらす材料として定義される。
本願を通して使用されている材料の「比表面積」(m/gで表記される)は、吸着ガスとして窒素を用いた、MicromeriticsからのMicromeritics ASAP 2460機器の使用によるブルナウアー-エメット-テラー(BET)法によって決定することができる。この方法は、当業者に周知であり、ISO 9277:2010において定義されている。試料は、測定前に60分間、真空下で150℃においてコンディショニングされる。
体積決定メジアン粒径d50(vol)及び体積決定トップカット粒径d98を、Hydro LVシステムを装備したMalvern Mastersizer 3000 Laser Diffraction System(Malvern Instruments Plc.、Great Britain)を使用して評価した。d50(vol)又はd98(vol)値は、粒子のそれぞれ50体積%又は98体積%がこの値未満の直径を有するような直径値を示す。粉末を0.1重量%Na溶液に懸濁させた。10mLの0.1重量%NaをHydro LVタンクに添加し、次いでサンプルスラリーを、10~20%の暗化が達成するまで導入した。赤色及び青色光で各10秒ずつ測定を行った。生データの分析のために、Mie理論を使用した非球形粒径用モデルを利用し、粒子屈折率を1.57、密度を2.70g/cm、吸収係数を0.005とした。この方法及び機器は、当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径分布を決定するのに一般的に使用されている。
比細孔容積は、0.004μm(~nm)のラプラススロート直径に等しい水銀414MPa(60000psi)の最大印加圧力を有するMicromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメータを使用する水銀圧入ポロシメトリーを使用して測定する。各圧力工程において使用される平衡時間は20秒である。サンプル材料を、分析のために3cmのチャンバ粉末ペネトロメータに密封する。データは、ソフトウェアPore-Compを使用して、水銀圧縮、ペネトロメータ膨張及びサンプル材料圧縮について補正する(Gane、P.A.C.、Kettle、J.P.、Matthews、G.P.and Ridgway、C.J.、「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations」、Industrial and Engineering Chemistry Research、35(5)、1996、p.1753-1764)。
積算圧入データにおいて見られる全細孔容積は、208μmから約1~4μmに至るまでの圧入データを有する2つの領域に分離することができ、任意の凝集体構造間の試料の粗い充填(パッキング)が強く寄与していることを示している。これらの直径未満では、粒子自体の微細な粒子間充填が存在する。粒子がまた粒子内細孔も有している場合には、この領域は双峰性を示し、モード転換点より微細な細孔、すなわち双峰性変曲点よりも微細な細孔内に水銀が侵入した比細孔容積を得ることにより、比粒子内細孔容積が定義される。これら3つの領域の総計は、粉末の全体の総細孔容積を与えるが、もともとの試料の圧縮/分布の粗い細孔末端における粉末の沈殿に強く依存する。
積算圧入曲線の一次導関数を得ることによって、細孔遮蔽を必然的に含む等価なラプラス直径に基づく細孔径分布が明らかになる。その微分曲線は、粗い凝集塊の細孔構造領域、粒子間の細孔領域及び存在する場合粒子内細孔領域を明らかに示す。粒子内細孔直径範囲を知ることにより、総細孔容積から残りの粒子間細孔容積及び凝集塊間細孔容積を差し引いて、単位質量あたりの細孔容積として(比細孔容積として)、内部細孔の所望の細孔容積だけを得ることが可能である。当然ながら、同じ差し引きの原理は、対象とする任意の他の細孔径領域を分離する場合にも適用される。
単数名詞に言及するときに、不定冠詞又は定冠詞、例えば、「a」、「an」又は「the」が使用されている場合、これは、別途特に明記されていない限り、その名詞の複数を含む。
用語「含む(又は備える)(comprising)」が本明細書及び特許請求の範囲において使用されているとき、他の要素を排除しない。本発明の目的で、用語「からなる(consisting of)」は、用語「含む(又は備える)(comprising)」の好ましい実施形態であるとされる。以下において、ある群が、少なくともある特定の数の実施形態を含むと定義されているとき、これはまた、これらの実施形態のみから好ましくはなる、ある群を開示していると理解されるべきである。
「得ることができる(obtainable)」又は「定義することができる(definable)」及び「得られる(obtained)」又は「定義される(defined)」のような用語は、互換可能に使用される。このことは、例えば、文脈が明確に別途指示しない限り、用語「得られる」は、例えば、ある実施形態が、例えば、用語「得られる」に続く工程の順番によって得られなければならないということを示すことを意味するものではないが、このような限定された理解は、常に、用語「得られる」又は「定義される」によって、好ましい実施形態として常に含まれるということを示すことを意味している。
用語「含む(including)」又は「有する(having)」が使用されるときはいつでも、これらの用語が、本明細書において上記に定義されている「含む(又は備える)(comprising)」と等価であることが意図される。
以下において、本発明の表面反応炭酸マグネシウムの好ましい実施形態をより詳細に記載する。これらの実施形態及び詳細はまた、本発明の生成物、方法及び使用にも適用されることが理解されるべきである。
表面反応炭酸マグネシウム
本発明によれば、表面反応炭酸マグネシウムが提供される。表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる。
用語「炭酸マグネシウム」は、少なくとも38重量%の炭酸マグネシウムを含む材料を指すことが認識される。一実施形態において、炭酸マグネシウムは、材料の合計乾燥重量を基準にして、少なくとも38重量%、好ましくは38~100重量%、より好ましくは38~99.95重量%、例えば、38~55重量%の炭酸マグネシウムを含む。別の実施形態において、炭酸マグネシウムは、材料の合計乾燥重量を基準にして、少なくとも85重量%、好ましくは85~100重量%、より好ましくは90~99.95重量%の炭酸マグネシウムを含む。したがって、炭酸マグネシウムは、使用される材料タイプに典型的には関連する不純物をさらに含んでいてよいことに注意するべきである。例えば、炭酸マグネシウムは、不純物、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及びこれらの混合物をさらに含んでいてよい。
例えば、炭酸マグネシウムが、材料の合計乾燥重量を基準にして、少なくとも38重量%、好ましくは38~100重量%、より好ましくは38~99.95重量%、例えば、38~45重量%の量で炭酸マグネシウムを含むとき、不純物、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及びこれらの混合物は、材料の合計乾燥重量を基準にして62重量%未満、好ましくは0~62重量%、より好ましくは0.05~62重量%、例えば、45~62重量%の量で存在する。炭酸マグネシウムが、材料の合計乾燥重量を基準にして、85~100重量%、より好ましくは90~99.95重量%を含むとき、不純物、例えば、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム及びこれらの混合物は、材料の合計乾燥重量を基準にして15重量%未満、最も好ましくは0.05~10重量%の量で存在する。炭酸マグネシウムはドロカーボネートであってよいことがさらに認識される。
本発明の意味において、用語「ドロカーボネート」は、マグネシウム鉱物、好ましくはハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)と、一次粒子レベルで凝集した炭酸カルシウムとを含む複合材料を指す。このようなドロカーボネートは、例えば、国際公開第2013/139957A1号及び国際公開第2015/039994A1号に記載されており、したがって、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
炭酸マグネシウムは、天然に存在するか又は合成の炭酸マグネシウムであってよい。
炭酸マグネシウムは、天然に存在するか又は合成の炭酸マグネシウムであってよい。例えば、炭酸マグネシウムは、マグネサイト(MgCO)、ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)、アルチナイト(Mg(CO)(OH)・3HO)、ダイピンガイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ギオルギオサイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ポクロブスカイト(Mg(CO)(OH)・0.5HO)、バーリントナイト(MgCO・2HO)、ランスフォルダイト(MgCO・5HO)、ネスケホナイト(MgCO・3HO)、ドロカーボネート及びこれらの混合物を含む群から選択される天然由来又は合成の炭酸マグネシウムを包含する。
好ましくは、炭酸マグネシウムは、マグネサイト(MgCO)、ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)、アルチナイト(Mg(CO)(OH)・3HO)、ダイピンガイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ギオルギオサイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ポクロブスカイト(Mg(CO)(OH)・0.5HO)、バーリントナイト(MgCO・2HO)、ランスフォルダイト(MgCO・5HO)、ネスケホナイト(MgCO・3HO)、ドロカーボネート及びこれらの混合物を含む群から選択される合成炭酸マグネシウムを包含する。例えば、炭酸マグネシウムは、マグネサイト(MgCO)、ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)、アルチナイト(Mg(CO)(OH)・3HO)、ダイピンガイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ギオルギオサイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ポクロブスカイト(Mg(CO)(OH)・0.5HO)、バーリントナイト(MgCO・2HO)、ランスフォルダイト(MgCO・5HO)、ネスケホナイト(MgCO・3HO)、ドロカーボネート及びこれらの混合物を含む群から選択される合成炭酸マグネシウムを、材料の合計乾燥重量を基準にして、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは85~100重量%、最も好ましくは90~99.95重量%の量で含む。
一実施形態において、炭酸マグネシウムは、合成ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)を含む。好ましくは、炭酸マグネシウムは、合成ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)を、材料の合計乾燥重量を基準にして、少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、さらにより好ましくは85~100重量%、最も好ましくは90~99.95重量%の量で含む。
炭酸マグネシウムは、粒子状材料の形態であり、製造される生成物のタイプに関与する一つ又は複数の材料に関して通常用いられている粒度分布を有することができる。概して、炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、1~75μmの範囲のd50(vol)を有することが好ましい。例えば、炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、1.2~50μm、より好ましくは1.5~30μm、さらにより好ましくは1.7~15μm、最も好ましくは1.9~10μmの範囲のd50(vol)を有する。
追加的又は代替的に、炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、2~150μmの範囲のd98(vol)を有する。例えば、炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらにより好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~40μmの範囲のd98(vol)を有する。
したがって、炭酸マグネシウムは、好ましくは以下を有する:
(a)レーザー回折によって求めた、1~75μm、好ましくは1.2~50μm、より好ましくは1.5~30μm、さらにより好ましくは1.7~15μm、最も好ましくは1.9~10μmの範囲のd50(vol)、及び
(b)レーザー回折によって求めた、2~150μm、好ましくは4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらにより好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~40μmの範囲のd98(vol)。
一実施形態において、炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、1.9~10μmの範囲のd50(vol)、及び、レーザー回折によって求めた、10~40μmの範囲のd98(vol)を有する。
例えば、炭酸マグネシウムは、合成ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)であり、レーザー回折によって求めた、1.9~10μmの範囲の体積メジアン粒径(d50)、及び、レーザー回折によって求めた、10~40μmの範囲の体積決定トップカット粒径(d98)を有する。
好ましくは、炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、≧10m/gの比表面積を有する。炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、10~100m/g、より好ましくは15~50m/g、最も好ましくは20~40m/gの範囲の比表面積を有することが好ましい。
さらに、炭酸マグネシウムは高い粒子内圧入比細孔容積を有するときに特に有利である。例えば、炭酸マグネシウムは、水銀圧入ポロシメトリーから算出した0.9~2.3cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積を有することが好ましい。一実施形態において、炭酸マグネシウムは、水銀圧入ポロシメトリーから算出した1.2~2.1cm/g、最も好ましくは1.5~2.0cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積を有する。
一実施形態によれば、炭酸マグネシウムは、以下を有する:
(a)窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、10~100m/g、より好ましくは15~50m/g、最も好ましくは20~40m/gの範囲の比表面積、及び
(b)水銀ポロシメトリー測定から算出した、0.9~2.3cm/g、好ましくは1.2~2.1cm/g、最も好ましくは1.5~2.0cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積。
好ましくは、炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定される、20~40m/gの範囲の比表面積、及び水銀ポロシメトリー測定から算出した、1.5~2.0cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積を有する。
一実施形態において、炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定したBET比表面積に対する、水銀ポロシメトリー測定から算出した粒子内圧入比細孔容積の比が、0.01cm/mを超え、好ましくは0.05cm/mを超え、最も好ましくは0.06cm/mを超え、例えば、0.06~0.25cm/mである。
例えば、炭酸マグネシウムは、合成ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)であり、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定したBET比表面積に対する、水銀ポロシメトリー測定から算出した粒子内圧入比細孔容積の比が、0.01cm/m以下、好ましくは0.05cm/m以下、最も好ましくは0.06cm/m以下、例えば、0.06~0.25cm/mである。
一実施形態において、炭酸マグネシウムは、25000ppmまでのCa2+イオンを含有する。例えば、炭酸マグネシウムは、20000ppmまで、より好ましくは15000ppmまで、最も好ましくは5000ppmまでのCa2+イオンを含有する。
本発明によれば、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる。
したがって、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を1つの化合物で処理することによって得られることに注意するべきである。代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、2つ又はこれを超える化合物で処理することによって得られる。例えば、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、2つの化合物のような、2つ又は3つ又は4つの化合物で処理することによって得られる。
本発明の一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、2つの化合物で処理することによって得られる。
一実施形態によると、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸で処理することによって得られる。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸の塩、例えば、硫酸のアルカリ金属塩で処理することによって得られる。例えば、硫酸のアルカリ金属塩は、硫酸ナトリウム又は硫酸カリウム、好ましくは硫酸ナトリウムである。
追加的又は代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、リン酸で処理することによって得られる。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、リン酸の塩、例えば、リン酸のアルカリ金属塩で処理することによって得られる。例えば、リン酸のアルカリ金属塩は、リン酸ナトリウム又はリン酸カリウム、好ましくはリン酸ナトリウムである。
追加的又は代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、炭酸で処理することによって得られる。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、炭酸の塩、例えば、炭酸のアルカリ金属塩で処理することによって得られる。例えば、炭酸のアルカリ金属塩は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、好ましくは炭酸ナトリウムである。
追加的又は代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸で処理することによって得られる。
6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、好ましくは脂肪族カルボン酸であり、1つ又はそれを超える、線状、分岐鎖、飽和、不飽和及び/又は脂環式のカルボン酸から選択することができる。好ましくは、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、モノカルボン酸であり、すなわち、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、単一のカルボキシル基が存在することを特徴とする。このカルボキシル基は、炭素骨格の末端に好ましくは配置されている。
本発明の一実施形態において、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される。より好ましくは、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ブタン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
例えば、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
一実施形態において、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸は、酢酸である。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸の塩、例えば、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸のアルカリ金属塩で処理することによって得られる。例えば、6個までの炭素原子を含有するカルボン酸のアルカリ金属塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物のナトリウム又はカリウム塩、好ましくはナトリウム塩である。
追加的又は代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、カルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結している6個までの炭素原子を含有するジ-及び/又はトリ-カルボン酸で処理することによって得られる。
6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸は、2つのカルボキシル基が存在することを特徴とする。上記カルボキシル基は、好ましくは、炭素骨格の各末端に配置されており、ただし、カルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているものとする。
本発明の一実施形態において、6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される。より好ましくは、6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸は、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸及びこれらの混合物からなる群から選択される。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸の塩、例えば、6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸のアルカリ金属塩で処理することによって得られる。例えば、6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸のアルカリ金属塩は、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸及び/又はフマル酸のナトリウム塩、好ましくは、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸及び/又はフマル酸のナトリウム塩である。6個までの炭素原子を含有するジカルボン酸の塩は、ジカルボン酸の一塩基性又は二塩基性塩であってよいことが認識される。
6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸は、3つのカルボキシル基が存在することを特徴とする。2つのカルボキシル基は、炭素骨格の各末端に配置されており、ただし、この2つのカルボン酸基が、0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているものとする。
本発明の一実施形態において、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸は、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される。より好ましくは、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸は、クエン酸及び/又はイソクエン酸から選択される。
最も好ましくは、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸は、クエン酸である。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸の塩、例えば、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸のアルカリ金属塩で処理することによって得られる。例えば、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸のアルカリ金属塩は、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、好ましくはクエン酸ナトリウムである。6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸の塩は、トリカルボン酸の一塩基性又は二塩基性又は三塩基性塩であってよいことが認識される。例えば、6個までの炭素原子を含有するトリカルボン酸の塩は、一塩基性又は二塩基性又は三塩基性クエン酸塩、例えば、一塩基性又は二塩基性又は三塩基性クエン酸ナトリウムであってよい。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸及びこれらの混合物から好ましくは選択される、カルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸である一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる。代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸及びこれらの混合物から好ましくは選択される、カルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸のナトリウム塩である一つ又は複数の化合物によって処理することによって得られる。
好ましくは、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、リン酸又は例えばリン酸ナトリウムのようなリン酸のアルカリ金属塩で、より好ましくは、リン酸のアルカリ金属塩、例えば、リン酸ナトリウムで処理することによって得られる。代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸又は例えば硫酸ナトリウムのような硫酸のアルカリ金属塩で、より好ましくは硫酸ナトリウムで処理することによって得られる。代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、クエン酸又は例えばクエン酸ナトリウムのようなクエン酸のアルカリ金属塩で、より好ましくはクエン酸のアルカリ金属塩、例えば、クエン酸ナトリウムで処理することによって得られる。
上記に鑑みて、炭酸マグネシウムの表面は、好ましくは、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩、及び/又はこれらの反応生成物からなる群から選択される一つ又は複数の化合物を含む。
本発明の意味において、用語「反応生成物」は、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物と接触させることによって得られる生成物を指す。上記の反応生成物は、適用された一つ又は複数の化合物と、炭酸マグネシウムの表面に位置する反応性分子との間で形成される。
表面反応した炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、炭酸マグネシウムの合計乾燥重量を基準にして0.1~20重量%の量の上記の一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩で処理することによって好ましくは得られることが認識される。例えば、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、炭酸マグネシウムの合計乾燥重量を基準にして0.1~15重量%の量の上記の一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩で処理することによって好ましくは得られる。好ましくは、表面反応炭酸マグネシウムは、炭酸マグネシウムの表面を、炭酸マグネシウムの合計乾燥重量を基準にして0.5~15重量%の量の上記の一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩で処理することによって好ましくは得られる。
概して、表面反応炭酸マグネシウムは、充填剤材料、例えば、炭酸マグネシウムの表面に一つ又は複数の化合物の処理層を得るのに好適な任意の公知の方法によって調製することができる。
本発明の一態様によると、表面反応炭酸マグネシウムを調製するための方法が提供される。表面反応炭酸マグネシウムを調製するためのこの方法は、少なくとも以下の工程を含む:
(i)炭酸マグネシウムを提供すること、
(ii)硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物を提供すること、及び
(iii)1つ又は複数の工程で、混合しながら、工程(i)の前記炭酸マグネシウムの表面を工程(ii)の一つ又は複数の前記化合物又はこれらの対応する塩で処理し、それによって、一つ又は複数の前記化合物又はこれらの対応する塩と、前記炭酸マグネシウムの表面とによって反応が達成されるようにすること。
例えば、表面反応炭酸マグネシウムは、乾式方法において、例えば、溶媒を使用することなく一つ又は複数の化合物を炭酸マグネシウムの表面に適用することによって調製される。一つ又は複数の化合物が固体状態であるとき、一つ又は複数の化合物を加熱することができ、それによって、これらを液体状態で提供し、炭酸マグネシウムの表面に一つ又は複数の化合物の本質的に均一な分布を確保するようにする。
代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、湿式方法において、例えば、一つ又は複数の化合物を溶媒に溶解し、混合物を炭酸マグネシウムの表面上に適用することによって調製される。任意選択的に、溶媒及び一つ又は複数の化合物を含む混合物は、加熱することができる。一つ又は複数の化合物が溶媒に溶解されるとき、溶媒は、好ましくは有機溶媒であり、トルエン、アセトン及びエタノールから好ましくは選択される。
概して、炭酸マグネシウムの表面を一つ又は複数の化合物又はこれらの対応する塩で処理する工程は、一つ又は複数の化合物の本質的に均一な分布及びこれによる炭酸マグネシウムの表面での反応を達成するのに好適な任意の方法によって実施することができる。したがって、一つ又は複数の化合物と炭酸マグネシウムとは、例えば、混合デバイス、スプレーコータ又はカプセル化プロセスを使用することによって、混合され、好ましくはかき混ぜられ又は振とうされ、表面反応炭酸マグネシウムの調製を容易にしかつ加速するようになっている。溶媒が使用されるとき、得られる表面反応炭酸マグネシウムは、好ましくは真空下で、揮発性成分を除去するために乾燥されてよい。
乾式及び湿式方法において、炭酸マグネシウムの表面を一つ又は複数の化合物、又はこれらの対応する塩で処理し、それによって、一つ又は複数の化合物、又はその対応する塩と炭酸マグネシウムの表面とによって反応が達成されるようにする工程は、単一の工程において又は少なくとも2つの工程において実施されてよい。
本発明の一実施形態によると、表面反応炭酸マグネシウムは、そのため、以下の方法のうちの1つ又は複数の手段によって調製される:
(i)乾式処理、すなわち、好ましくは混合デバイスにおいて若しくはスプレーコータを使用することによって、炭酸マグネシウムの表面を、ニート(そのまま)の形態である一つ又は複数の化合物で処理すること;
(ii)湿式処理、すなわち、好ましくは混合デバイスにおいて若しくはスプレーコータを使用することによって、任意選択的に加熱下に、炭酸マグネシウムの表面を、溶媒に溶解されている一つ又は複数の化合物で処理すること;又は
(iii)溶融乾燥処理、すなわち、炭酸マグネシウムの表面を、加熱されたミキサー(例えば、流動層ミキサー)においてニート(そのまま)の形態にある一つ又は複数の化合物の溶融物で処理すること。
得られる表面反応炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、1~75μm、好ましくは1.2~50μm、より好ましくは1.5~30μm、さらにより好ましくは1.7~15μm、最も好ましくは1.9~10μmの範囲の体積メジアン粒径(d50)を有する好ましくは粒子の形態である。本発明のさらなる実施形態によると、表面反応炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、2~150μm、好ましくは4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらにより好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~40μmの範囲の体積決定トップカット粒径(d98)を有する粒子の形態である。
したがって、表面反応炭酸マグネシウムは、好ましくは以下を有する粒子の形態である:
(a)レーザー回折によって求めた、1~75μm、好ましくは1.2~50μm、より好ましくは1.5~30μm、さらにより好ましくは1.7~15μm、最も好ましくは1.9~10μmの範囲の体積メジアン粒径(d50)、及び
(b)レーザー回折によって求めた、2~150μm、好ましくは4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらにより好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~40μmの範囲の体積決定トップカット粒径(d98)。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、レーザー回折によって求めた、1.9~10μmの範囲の体積メジアン粒径(d50)、及び、レーザー回折によって求めた、10~40μmの範囲の体積決定トップカット粒径(d98)を有する粒子の形態である。
例えば、表面反応炭酸マグネシウムは、合成ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)の表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られ、かつレーザー回折によって求めた、1.9~10μmの範囲の体積メジアン粒径(d50)、及びレーザー回折によって求めた、10~40μmの範囲の体積決定トップカット粒径(d98)を有する。
一実施形態において、表面反応炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、10~100m/g、好ましくは12~50m/g、最も好ましくは17~40m/gの範囲のBET比表面積を有する粒子の形態である。
追加的又は代替的に、表面反応炭酸マグネシウムは、水銀ポロシメトリー測定から算出した、0.9~2.3cm/g、好ましくは1.2~2.1cm/g、最も好ましくは1.5~2.0cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積を有する粒子の形態である。
表面反応炭酸マグネシウムは、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料として特に好適であることが認識される。
したがって、さらなる態様において、本発明は、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての、本明細書において定義されている表面反応炭酸マグネシウムの使用に言及している。
表面反応炭酸マグネシウム及びその好ましい実施形態の定義に関して、本発明の表面反応炭酸マグネシウムの技術的詳細を説明する上記に提供されている記述を参照するものとする。
送達システム
さらなる態様によると、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムが提供される。送達システムは、本明細書において定義されている表面反応炭酸マグネシウムと、担体材料、すなわち、表面反応炭酸マグネシウムに担持された一つ又は複数の活性剤とを含むことが必要である。
表面反応炭酸マグネシウム及びその好ましい実施形態の定義に関して、本発明の表面反応炭酸マグネシウムの技術的詳細を説明する上記に提供されている記述を参照するものとする。
したがって、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムは、以下を含む:
(a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウム、及び
(b)表面反応炭酸マグネシウムに担持された一つ又は複数の活性剤。
したがって、本発明の一要件は、一つ又は複数の活性剤が、表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持されていることである。
一つ又は複数の活性剤は、1種類の活性剤であってよいことが認識される。代替的に、一つ又は複数の活性剤は、2種類又はそれを超える活性剤の混合物であってよい。例えば、一つ又は複数の活性剤は、2種類の活性剤のような、2種類又は3種類の活性剤の混合物であってよい。
本発明の一実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、1種類の活性剤である。
本発明の意味において、用語「活性剤」は、ホームケア製剤において特定の効果を有する物質を指す。
概して、一つ又は複数の活性剤は、ホームケア製剤に関して知られているいずれの種類の活性剤であってもよい。例えば、一つ又は複数の活性剤は、洗剤について2004年3月31日の欧州議会及び評議会の規則(EC)第648/2004において言及されている活性剤の群から選択される。
一実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、リン酸塩、ホスホン酸塩、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、ビルダー、加工助剤、酵素、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、スケーリング防止剤、錯化剤、分散剤、ニトリロ三酢酸とこれらの塩、フェノール、ハロゲン化フェノール、パラジクロロベンゼン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、石鹸、ゼオライト、ポリカルボキシレート、消毒剤、光学的光沢剤、消泡剤、着色剤、香料、及びこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、一つ又は複数の活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、リン酸塩、ホスホン酸塩、及びこれらの混合物を含む群から選択される。より好ましくは、一つ又は複数の活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される。換言すると、一つ又は複数の活性剤は、界面活性剤から好ましくは選択される。
用語「界面活性剤」は、表面活性特性を有しており、1つ又はそれを超える親水性基と1つ又はそれを超える疎水性基とから構成された物質であって、水の表面張力を低減することができ、かつ水-空気界面に広がった若しくは吸着した単層を形成することができ、かつエマルジョン及び/又はマイクロエマルション及び/又はミセルを形成することができ、かつ水-固体界面で吸着することができるような性質と大きさとを有する、任意の物質及び/又は物質の混合物を意味することが認識される。
ホームケア製剤に好適なアニオン性界面活性剤は、調製される種類の製剤に関して公知の任意のアニオン性界面活性剤であってよい。例えば、アニオン性界面活性剤は、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、脂肪酸エステルスルホネート、例えば、メチル又はエチルエステルスルホネート、アルキルホスホネート、アルキルエーテルホスホネート、タウレート、アルキルエーテルカルボキシレート、C-C22アルキルスルフェート、C-C22アルキルベンゼンスルフェート及びこれらの塩、C-C22アルキルアルコキシスルフェート及びこれらの塩、例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、C12-C22メチルエステルスルホネート及びこれらの塩、C12-C22アルキルベンゼンスルホネート及びこれらの塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、C12-C22脂肪酸石鹸並びにこれらの塩及びこれらの混合物を含む群から選択される。
ホームケア製剤に好適な非イオン性界面活性剤は、調製される種類の製剤に関して公知の任意の非イオン性界面活性剤であってよい。例えば、非イオン性界面活性剤は、C-C22アルキルエトキシレート、C-C12アルキルフェノールアルコキシレート、アルキルポリサッカリド、アルキルポリグルコシド界面活性剤、グルカミド、メチルエステルアルコキシレート、アルコキシル化アルコール、例えば、アルコキシル化C12-C22アルコール、脂肪アルコールアルコキシレート、任意選択的に修飾された脂肪アルコールアルコキシレート、エトキシル化又はプロポキシル化ソルビタンエステル、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、ラムノ脂質、グルコース脂質、リポペプチド及びこれらの混合物を含む群から選択される。
ホームケア製剤に好適なカチオン性界面活性剤は、調製される種類の製剤に関して公知の任意のカチオン性界面活性剤であってよい。例えば、有用なカチオン性界面活性剤は、脂肪アミド、第4級アンモニウム界面活性剤、エステルクワット、すなわち、第4級化脂肪酸界面活性剤、及びこれらの混合物から選択され得る。
ホームケア製剤に好適な両性界面活性剤は、調製される種類の製剤に関して公知の任意の両性界面活性剤であってよい。例えば、両性界面活性剤は、脂肪族基が直鎖であっても分岐鎖であってもよい、第2級若しくは第3級アミンの脂肪族誘導体並びに/又は複素環式第2級及び第3級アミンの脂肪族誘導体から選択され得る。
一実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、当分野において周知の柔軟剤である。例えば、柔軟剤は、マレイン酸及びアクリル酸からのコポリマーのナトリウム塩である。
代替の実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、当該分野において周知のスケーリング防止剤である。例えば、スケーリング防止剤は、アクリル酸ホモポリマーのナトリウム塩である。
代替の実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、当分野において周知の錯化剤である。例えば、錯化剤は、エチドロン酸四ナトリウム(NaHEDP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びこれらの混合物を含む群から選択される。
代替の実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、当分野において周知の金属イオン封鎖剤である。例えば、金属イオン封鎖剤は、メチルグリシン二酢酸ナトリウム、エチドロン酸四ナトリウム(NaHEDP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びこれらの混合物を含む群から選択される。
ホームケア製剤に添加される一つ又は複数の活性剤は、異なる機能を有していてよいことが認識される。例えば、メチルグリシン二酢酸ナトリウムは、ホームケア製剤に添加される場合、ビルダーとしても機能し得る。
代替の実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、当分野において周知の分散剤である。例えば、分散剤は、ポリエチレングリコール、例えば、2000~10000g/mol、好ましくは約4000g/molのモル質量を有するポリエチレングリコールであってよい。
ホームケア製剤は、酵素を含んでいてもよい。ホームケア製剤に好適な酵素は、調製される種類の製剤に関して公知の任意の酵素であってよい。例えば、好適な酵素は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ、ハロペルオキシダーゼ、アミラーゼ及びこれらの混合物を含む群から選択される。
ホームケア製剤のための光学的光沢剤は、調製される種類の製剤に関して公知の任意の光学的光沢剤であってよい。好適な光学的光沢剤の例として、スチルベンの誘導体若しくは4,4’-ジアミノスチルベン、ビフェニル、5員複素環、例えば、トリアゾール、オキサゾール、イミダゾール及び同種のもの、又は6員複素環、例えば、クマリン、ナフタルアミド、s-トリアジン、及び同種のものが挙げられる。
しかしながら、いくつかの制限があり、そのため、これらは本発明の主題から除外される。したがって、担体材料、すなわち、表面反応炭酸マグネシウムと反応する一つ又は複数の活性剤、例えば、酸性剤は、担体材料に担持されるのに好適でない場合がある。一方で、酸性剤であっても、例えば、酸性剤のマグネシウム塩が必要とされるか又は有益である場合には、有利に使用することができる。ある特定のレベルの酸性度もまた、担体材料の表面への担持を向上させ得る。
一つ又は複数の活性剤は、表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持される。この担持は、好ましくは、表面反応炭酸マグネシウムの表面上への吸着であって、材料の内面若しくは外面、すなわち細孔容積への吸着であるか、又は担体材料内への吸着であり、これは、その多孔性に起因して可能となるものである。
この態様において、炭酸マグネシウムの表面の有利な処理に起因して、この材料は、(ニートの)炭酸マグネシウムを含む一般的な担体材料と比較して、すなわち、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られたものではない炭酸マグネシウムと比較して、前もって担持された一つ又は複数の活性剤を経時的に放出する優れた担体材料である。
したがって、一つ又は複数の活性剤が表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持されることが認識される。
既に言及されているように、送達システムは、本明細書において定義されている担体材料と、表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持されている一つ又は複数の活性剤を含む。
表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持される一つ又は複数の活性剤の量は、この一つ又は複数の活性剤とその意図される用途に依存する。概して、送達システムは、担体材料の合計重量を基準にして、10~300重量%の量の一つ又は複数の活性剤を含む。
例えば、送達システムは、担体材料の合計重量を基準にして、40~290重量%、より好ましくは60~280重量%、最も好ましくは80~260重量%の範囲の量の一つ又は複数の活性剤を含む。
送達システムは、担体材料の合計重量を基準にして、90~200重量%の範囲の量の一つ又は複数の活性剤を含むことが好ましい。
送達システムは、製造される生成物のタイプに関与する一つ又は複数の材料に関して通常用いられているいずれの形態で提供されてもよい。送達システムは、粒子状材料の形態であることが認識される。本願の意味において、用語「粒(子)状物」は、複数の粒子から構成される材料を指す。
したがって、送達システムは、好ましくは、自由流動粉末、錠剤、ペレット、又は顆粒の形態である。より好ましくは、送達システムは、自由流動粉末の形態である。かかる形態及びその調製のための方法は、当分野において周知であり、本願においてより詳細に説明する必要はない。
ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法は、以下の工程を含む:
(a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウムを提供すること、
(b)液体の形態の又は溶媒に溶解された一つ又は複数の活性剤を提供すること、
(c)工程(a)の表面反応炭酸マグネシウムを工程(b)の一つ又は複数の活性剤と接触させること、及び
(d)任意選択的に、工程(b)で溶媒を使用したときに、蒸発によって溶媒を除去すること。
表面反応炭酸マグネシウム、一つ又は複数の活性剤、及びこれらの好ましい実施形態の定義に関して、本発明の表面反応炭酸マグネシウム及び送達システムの技術的詳細を説明する上記に提供されている記述を参照するものとする。
表面反応炭酸マグネシウムは、工程(a)において任意の好適な液体又は乾燥形態で提供することができる。例えば、表面反応炭酸マグネシウムは、粉末及び/又は懸濁液の形態であってよい。懸濁液は、表面反応炭酸マグネシウムを、溶媒、好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、水及びこれらの混合物と混合することによって得ることができる。溶媒、好ましくは水と混合される表面反応炭酸マグネシウムは、例えば、懸濁液、スラリー、分散液、ペースト、粉末、湿ったフィルタケーキとして任意の形態で、又は押圧された若しくは顆粒化された形態で提供することができる。
表面反応炭酸マグネシウムにおける一つ又は複数の活性剤の高い担持を達成するために、可能な限り濃縮された、表面反応炭酸マグネシウムを提供することが有利であり、すなわち、溶媒含量が可能な限り低くあるべきである。したがって、表面反応炭酸マグネシウムは、乾燥形態で、すなわち、粉末、好ましくは自由流動粉末として好ましくは提供される。
表面反応炭酸マグネシウムが乾燥形態で提供される場合、炭酸マグネシウムの水分含量は、炭酸マグネシウムの合計重量を基準にして0.01~20重量%であり得る。表面反応炭酸マグネシウムの水分含量は、例えば、表面反応炭酸マグネシウムの合計重量を基準にして0.01~15重量%の範囲、好ましくは0.02~12重量%の範囲、より好ましくは0.04~10重量%の範囲であってよい。
本方法の工程(b)によれば、一つ又は複数の活性剤は、液体の形態で又は溶媒に溶解された形態で提供される。
換言すると、一実施形態において、一つ又は複数の活性剤は、液体の形態である。一つ又は複数の活性剤に関しての用語「液体」は、使用の圧力条件及び温度において、すなわち、この方法、好ましくは方法工程(c)が実施される圧力及び温度において容易に流動可能である、一つ又は複数の非ガス状流体活性剤を指す。
したがって、一つ又は複数の活性剤は、5~200℃、好ましくは10~120℃、最も好ましくは10~100℃の温度範囲の液体であってよいことが認識される。例えば、一つ又は複数の活性剤は、周囲圧条件で、すなわち、大気圧で5~200℃、好ましくは10~120℃、最も好ましくは10~100℃の温度範囲の液体であってよい。代替的に、一つ又は複数の活性剤は、減圧条件で、例えば、100~700ミリバール(1×10~7×10Pa)の圧力で、5~200℃、好ましくは10~120℃、最も好ましくは10~100℃の温度であってよい。
一実施形態において、工程(b)における一つ又は複数の活性剤は、ブルックフィールド粘度(No.3スピンドル、100rpmで測定)が1000mPa・s未満、好ましくは100~1000mPa・sの範囲である温度に好ましくは加熱されて提供されるが、ただし、このような温度は、一つ又は複数の活性剤の化学的分解を引き起こさないものとする。そのような温度は、例えば、25~70℃、好ましくは30~60℃、最も好ましくは40~55℃であってよい。
代替的に、一つ又は複数の活性剤は、溶媒に溶解されている。換言すると、一つ又は複数の活性剤及び溶媒が、別個の固体粒子が溶媒中で観察されず、ゆえに「溶液」を形成している系を形成する。
本発明の一実施形態において、溶媒は、水、メタノール、エタノール、n-ブタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、アセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、植物油及びこれらの誘導体、動物油及びこれらの誘導体、融解脂肪及びろう、並びにこれらの混合物を含む群から選択される。好ましくは、溶媒は、水、アルカン、エステル、エーテル、アルコール、例えば、エタノール、エチレングリコール及びグリセロール、並びに/又はケトン、例えば、アセトンから選択される。より好ましくは、溶媒は水である。
工程(a)の表面反応炭酸マグネシウムを工程(b)の一つ又は複数の活性剤と接触させることは、当業者に公知の任意の方法で実施されてよい。接触は、混合しながら好ましくは実施される。混合は、通常の混合条件下で実施することができる。当業者は、そのプロセス装置に従ってこれらの混合条件(例えば、混合パレットの構成及び混合速度)に適合させる。送達システムを形成するのに好適であり得るいずれの混合方法が使用されてもよいことが認識される。
工程(a)の表面反応炭酸マグネシウムは、接触工程(c)によって工程(b)の一つ又は複数の活性剤を担持し、送達システムを形成する。
担持は、一つ又は複数の活性剤を乾燥した表面反応炭酸マグネシウムに添加することによって達成することができる。
本発明によれば、一つ又は複数の活性剤によって、及び溶媒が存在する場合には、一つ又は複数の活性剤が溶解している溶媒によって、比表面積が少なくとも部分的に覆われている及び/又はその粒子内細孔容積が少なくとも部分的に充填されている表面反応炭酸マグネシウムは、活性剤を担持していると定義される。例えば、表面反応炭酸マグネシウムの合計重量を基準にして、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%について、一つ又は複数の活性剤によって、及び溶媒が存在する場合には、一つ又は複数の活性剤が溶解している溶媒によって、比表面積が少なくとも部分的に覆われている及び/又はその粒子内細孔容積が少なくとも部分的に充填されているとき、表面反応炭酸マグネシウムは活性剤を担持している。好ましくは、表面反応炭酸マグネシウムの合計重量を基準にして、10~300重量%、より好ましくは40~290重量%、さらにより好ましくは60~280重量%、最も好ましくは80~260重量%、例えば、90~200重量%について、一つ又は複数の活性剤によって、及び存在する場合には、一つ又は複数の活性剤が溶解している溶媒によって、比表面積が少なくとも部分的に覆われている及び/又はその粒子内細孔容積が少なくとも部分的に充填されているとき、表面反応炭酸マグネシウムは活性剤を担持している。
方法工程(c)は、広い温度及び/又は圧力範囲にわたって実施することができることが認識され、ただし、一つ又は複数の活性剤が液体形態であるものとする。例えば、方法工程(c)は、周囲圧条件で、すなわち、大気圧で、5~200℃、好ましくは10~120℃、最も好ましくは10~100℃の温度範囲において実施される。代替的に、方法工程(c)は、減圧条件で、例えば、100~700ミリバール(1×10~7×10Pa)の圧力で、5~200℃、好ましくは10~120℃、最も好ましくは10~100℃の温度範囲において実施される。
一実施形態において、方法工程(c)は、周囲温度及び圧力条件、例えば、室温、例えば、約5~35℃、好ましくは10~30℃、最も好ましくは15~25℃において、大気圧で実施される。この実施形態は、一つ又は複数の活性剤が室温で液体である又は溶媒に溶解されている場合、好ましくは適用される。
別の実施形態において、方法工程(c)は、工程(b)において提供される一つ又は複数の活性剤のブルックフィールド粘度(No.3スピンドル、100rpmで測定)が1000mPa・s未満、好ましくは100~1000mPa・sの範囲である温度で実施されるが、ただし、こうした温度が、一つ又は複数の活性剤の化学的分解を引き起こさないものとする。そのような温度は、例えば、約25~70℃、好ましくは30~60℃、最も好ましくは40~55℃であってよい。
一つ又は複数の活性剤が溶媒に溶解されている場合、溶媒は、蒸発によって方法工程c)後に好ましくは除去される。したがって、この方法は、溶媒が工程(b)において使用されている場合に、蒸発によってこの溶媒を任意選択的に除去する工程(d)を任意選択的に含む。したがって、この実施形態において、この方法は、調製された送達システムを過剰な溶媒から分離するさらなる工程を好ましくは含む。
溶媒は、蒸発によって除去される。このことは、回転オーブンにおける乾燥、ジェット乾燥、流動層乾燥、凍結乾燥、フラッシュ乾燥、スプレー乾燥、及び温度制御された高剪断又は低剪断ミキサーを含む群から選択される手段による乾燥によって好ましくは達成される。
したがって、本発明による送達システムは、以下の工程を含む方法によって製造することができる:
(a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウムを提供すること、
(b)溶媒に溶解した一つ又は複数の活性剤を提供すること、
(c)工程(a)の表面反応炭酸マグネシウムを工程(b)の一つ又は複数の活性剤と接触させること、及び
(d)蒸発によって溶媒を除去すること。
この方法は、工程(c)又は任意選択的な工程(d)において得られる混合物を顆粒化して、所望の形態及びサイズの錠剤、ペレット又は顆粒を得るための、任意選択的な工程(e)をさらに含んでいてよい。
顆粒化装置は、顆粒化目的で通常使用されているものから選択されてよい。したがって、顆粒化デバイスは、アイリッヒミキサー、流動層乾燥機/造粒機、プレート造粒機、テーブル造粒機、ドラム造粒機、ディスク造粒機、皿形造粒機、プラウシェアミキサー、垂直又は水平ミキサー、高剪断又は低剪断ミキサー、高速ブレンダ、ローラ圧縮機及び高速ミキサー造粒機を含む群から選択されてよい。
使用した方法に応じて、達成される粒径又は粒径分布に関して差がある場合があることに注意されたい。
例えば、顆粒化のための流動層ミキサーの使用は、レーディゲミキサーよりも均一な粒径分布を与えるようにみえ、その一方で、レーディゲミキサーは、より広いサイズ分布を与える。したがって、複数のサイズ範囲を与えることができる。
一実施形態において、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法は、以下の工程を含む:
(a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウムを提供すること、
(b)液体の形態の又は溶媒に溶解された一つ又は複数の活性剤を提供すること、
(c)工程(a)の表面反応炭酸マグネシウムを、工程(b)の一つ又は複数の活性剤と接触させること、
(d)任意選択的に、工程(b)で溶媒を使用したときに、蒸発によってこの溶媒を除去すること、及び
(e)工程(c)又は任意選択的な工程(d)において得られた送達システムを顆粒化して、錠剤、ペレット又は顆粒を得ること。
表面反応炭酸マグネシウムは、一つ又は複数の活性剤について高い担持容量を有し、それと共に、一つ又は複数の活性剤を担持させたときに高い放出効率を有することが認識される。したがって、担体材料として本明細書において定義されている表面反応炭酸マグネシウムを含む送達システムを使用することによって、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤についての担持特性及び特にその放出特性を改善することができる。
別の態様において、本発明は、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための、本明細書において定義されている送達システムの使用に言及している。
送達システム及びその好ましい実施形態の定義に関して、本発明の送達システムの技術的詳細を説明する上記に提供されている記述を参照するものとする。
ホームケア製剤
別の態様によれば、ホームケア製剤が提供される。ホームケア製剤は、本明細書において定義されている一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含むことが必要とされる。
送達システム及びその好ましい実施形態の定義に関して、本発明の送達システムの技術的詳細を説明する上記に提供されている記述を参照するものとする。
本発明の一要件は、ホームケア製剤が本明細書において定義されている送達システムを含むことである。
したがって、ホームケア製剤は、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含み、この送達システムは以下を含む:
(a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウム、及び
(b)表面反応炭酸マグネシウムに担持されている一つ又は複数の活性剤。
ホームケア製剤は、調製される製剤に関して知られているいずれの形態であってもよい。例えば、ホームケア製剤は、液体、自由流動粉末、ペースト、ゲル、バー、ケーキ、パウチ又は成形片、例えば、錠剤の形態である。
したがって、ホームケア製剤は、乾燥製剤又は注入可能な液体製剤であってよい。
本発明の意味において、用語「乾燥」製剤は、23℃及び1バール(10Pa)で注入可能な固体である製剤を指す。したがって、乾燥ホームケア製剤は、好ましくは、自由流動粉末、バー、ケーキ又は成形片、例えば、錠剤の形態である。
本発明の意味において、用語「自由流動」は、容器又はホッパーから投与されるとき、重力及び他の力によって均一に流動する粉末の能力を指す。
成形片は、調製される種類の製剤における使用に好適な任意の形状又は形態を有していてよい。例えば、成形片は、錠剤であってよい。
本発明の送達システムは、液体、例えば、液体界面活性剤である一つ又は複数の活性剤を担持することができ、したがって、一つ又は複数の液体活性剤をその細孔容積内に含有する送達システムを形成することが認識される。したがって、液体である一つ又は複数の活性剤は典型的には乾燥製剤に好適ではないものの、ホームケア製剤は乾燥製剤として有利に提供することができる。
本発明の意味において、用語「注入可能な液体」製剤は、23℃及び1バール(10Pa)で容易に注入可能である非ガス状流体組成物を指す。好ましくは、注入可能な液体製剤は、23℃で10000mPa・s未満のブルックフィールド粘度を有する。例えば、注入可能な液体製剤は、23℃で100~10000mPa・sの範囲のブルックフィールド粘度を有する。
ブルックフィールド粘度は、本明細書において使用されているとき、及び、当分野において概して定義されているとき、1分間撹拌後、100rpmの回転速度及び室温(23±1℃)においてディスクスピンドル3を装備したDV III Ultraモデルブルックフィールド粘度計を使用することによって測定される。
したがって、注入可能な液体ホームケア製剤は、好ましくは、液体、ペースト又はゲルの形態である。換言すると、送達システムは、注入可能な液体ホームケア製剤を形成するように、溶媒、特に水中で好ましくは提供される。
概して、「液体」製剤は、23℃で、<2000mPa・sのブルックフィールド粘度を有する製剤を指す。例えば、液体形態の製剤は、23℃で、100~<2000mPa・s、好ましくは150~1500mPa・s、最も好ましくは200~1000mPa・sの範囲の粘度を有する。
「ゲル」又は「ペースト」は、23℃で、>2000mPa・sのブルックフィールド粘度を有する製剤を指す。例えば、ペーストの形態の液体製剤は、23℃で、>2000~10000mPa・s、好ましくは3000~10000mPa・s、好ましくは5000~10000mPa・sの範囲のブルックフィールド粘度を有する不透明な製剤を指す。
好ましくは、ホームケア製剤は、注入可能な液体製剤の形態である。
ホームケア製剤、好ましくは、注入可能な液体製剤はまた、パウチの形態であってもよい。換言すると、ホームケア製剤は、ポリマーバッグ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体又はポリエチレンテレフタレートバッグに充填することができる。好ましくは、ホームケア製剤は、ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール誘導体製のポリマーバッグに充填される。ポリビニルアルコール又はポリビニルアルコール誘導体の例として、限定されないが、ポリ酢酸ビニル又はエトキシル化ポリビニルアルコールが挙げられる。
ホームケア製剤は、好ましくは、単回投与製剤の形態である。
追加的又は代替的に、ホームケア製剤は、高濃度のホームケア製剤、例えば、高濃度の粉末製剤である。
ホームケア製剤は、ホームケア製剤の合計重量を基準にして、0.1~99.0重量%、好ましくは0.1~80.0重量%、より好ましくは0.5~60.0重量%、最も好ましくは1.0~40.0重量%の範囲の量で好ましくは一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含む。
ホームケア製剤は、調製される種類の製剤において典型的に使用される添加剤をさらに含んでいてよいことが認識される。
用語「ホームケア製剤」は、任意の洗浄及び清浄(クリーニング)プロセスが意図されて家庭用途で使用される製剤を指す。
ホームケア製剤は、洗浄製剤、好ましくは、洗濯物、繊維、食器、及び硬質表面の清浄のための洗浄製剤;予備洗浄製剤;リンス製剤;漂白製剤;洗濯繊維柔軟剤製剤;クリーニング製剤;並びにこれらの混合物であり得る。
本発明の意味において、用語「洗浄する(こと)」は、洗濯物、繊維、食器、及び硬質表面の清浄を好ましくは指す。
用語「清浄(クリーニング)する(こと)」は、EN ISO862によって定義される意味を有する。
本発明の意味において、用語「予備洗浄する(こと)」は、繊維、例えば、衣類、家庭用リネン及び同種のものの浸漬を好ましくは指す。
本発明の意味において、用語「リンスする(こと)」は、過剰量の水を適用することによる水溶性又は非水溶性物質、例えば、界面活性剤の除去を指す。
本発明の意味において、用語「漂白する(こと)」は、繊維の酸化的又は還元的漂白及び光学的白化を指す。
本発明の意味において、用語「洗濯繊維柔軟剤」は、繊維の洗浄を補完するプロセスにおける繊維の感触の修飾を好ましくは指す。
以下の例は、本発明を付加的に説明し得るが、本発明を、例示されている実施形態に制限することは意図していない。以下の例は、炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウムを含む送達システムのホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出を示したものである。
1.測定方法
以下に、実施例において行った測定方法を記載する。
粒度分布
体積決定メジアン粒径d50(vol)及び体積決定トップカット粒径d98(vol)を、Hydro LVシステムを備えたMalvern Mastersizer 3000 Laser Diffraction System(Malvern Instruments Plc.、Great Britain)を使用して評価した。d50(vol)又はd98(vol)値は、粒子のそれぞれ50体積%又は98体積%がこの値未満の直径を有するような直径値を示す。粉末を0.1重量%Na溶液に懸濁させた。10mLの0.1重量%NaをHydro LVタンクに添加し、次いでサンプルスラリーを、10~20%の暗化が達成するまで導入した。赤色及び青色光で各10秒ずつ測定を行った。生データの分析のために、Mie理論を使用した非球形粒径用モデルを利用し、粒子屈折率を1.57、密度を2.70g/cm、吸収係数を0.005とした。方法及び機器は、当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒径分布を決定するのに一般的に使用されている。
比表面積(SSA)
比表面積を、MicromeriticsからのMicromeritics ASAP 2460機器において吸着ガスとしての窒素を使用してISO 9277:2010によるBET法を介して測定した。試料を、測定前に60分間、150℃で加熱することによって真空中(10-5バール(1Pa))で前処理した。
ポロシメトリー
比細孔容積は、0.004μm(~nm)のラプラススロート直径に等しい水銀414MPa(60000psi)の最大印加圧力を有するMicromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメータを使用する水銀圧入ポロシメトリー測定法を使用して測定した。各圧力工程において使用される平衡時間は20秒である。サンプル材料を、分析のために3cmのチャンバ粉末ペネトロメータに密封する。データは、ソフトウェアPore-Compを使用して、水銀圧縮、ペネトロメータ膨張及びサンプル材料圧縮について補正する(Gane、P.A.C.、Kettle、J.P.、Matthews、G.P.and Ridgway、C.J.、「Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper-Coating Formulations」、Industrial and Engineering Chemistry Research、35(5)、1996、p.1753-1764)。
積算圧入データにおいて見られる全細孔容積は、214μmから約1~4μmに至るまでの圧入データを有する2つの領域に分離することができ、任意の凝集体構造間の試料の粗い充填(パッキング)が強く寄与していることを示している。これらの直径未満では、粒子自体の微細な粒子間充填が存在する。粒子がまた粒子内細孔も有している場合には、この領域は双峰性を示し、モード転換点より微細な細孔、すなわち双峰性変曲点よりも微細な細孔内に水銀が侵入した比細孔容積を得ることにより、比粒子内細孔容積が定義される。これら3つの領域の総計は、粉末の全体の総細孔容積を与えるが、もともとの試料の圧縮/分布の粗い細孔末端における粉末の沈殿に強く依存する。
積算圧入曲線の一次導関数を得ることによって、細孔遮蔽を必然的に含む等価なラプラス直径に基づく細孔径分布が明らかになる。その微分曲線は、粗い凝集塊の細孔構造領域、粒子間の細孔領域及び存在する場合粒子内細孔領域を明らかに示す。粒子内細孔直径範囲を知ることにより、総細孔容積から残りの粒子間細孔容積及び凝集塊間細孔容積を差し引いて、単位質量あたりの細孔容積として(比細孔容積として)、内部細孔の所望の細孔容積だけを得ることが可能である。当然ながら、同じ差し引きの原理は、対象とする任意の他の細孔径領域を分離する場合にも適用される。
表面処理層の量
マグネシウム及び/又はカルシウムイオン含有材料における処理層の量は、未処理のマグネシウム及び/又はカルシウムイオン含有材料のBETの値並びに表面処理のために使用した一つ又は複数の化合物の量から理論的に算出する。一つ又は複数の化合物の100%が、マグネシウム及び/又はカルシウムイオン含有材料の表面における表面処理層として存在するものとする。
2.使用した材料
本発明に使用した材料は、以下の表1に記載されている特性を有していた。
Figure 2022530681000001
表面反応のために、ハイドロマグネサイト(#A)の10重量%スラリーの1Lを調製した。このスラリーに、所望の量の硫酸ナトリウム(≧99%、Sigma Aldrich、238597-1KG)又はクエン酸二水素ナトリウム(99%、Sigma-Aldrich、234265-1KG)を添加して、ハイドロマグネサイトの乾燥重量を基準にして5重量%の名目上の担持を達成した。スラリーを室温で1時間撹拌し、続いて、270℃の入口温度及び110℃の出口温度のGEA Niro A/Sスプレー乾燥機で噴霧乾燥した。この報告を通して、硫酸ナトリウム及びクエン酸二水素ナトリウムと反応させた試料のそれぞれについて、表面反応した試料を、クエン酸塩/ハイドロマグネサイト(#A1)及び硫酸塩/ハイドロマグネサイト(#A2)と称する。得られた表面反応した試料の特性も表1に記載する。
3.担持及び放出実験
担持-放出実験を、食器洗浄に典型的に使用されているドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、Hoesch AE 50を使用して行った。担持試験のために、所望の量の炭酸マグネシウム(10g)をビーカー内に計り入れた。続いて、界面活性剤(10g)を、ピペットを使用して滴加した。加えた量を重量測定法でモニタリングした。炭酸マグネシウム及び液体を5分間十分に混合した。担持を式(1)において詳述するように算出した。
Figure 2022530681000002
放出実験のために、担持した試料(0.5g)を室温で1時間、磁気撹拌機(300rpm)を使用して水(1L)に分散させた。担持した試料の量を選択し、100%の回収を基準にして0.25g/LのHoesch AE 50の濃度を達成した。その後、懸濁液を、シリンジフィルタ(0.2μm)を使用して濾過した。液体中の界面活性剤の濃度は、波長λ=224nmにおける吸光度を基準にして、Hach Lange DR6000分光光度計において行ったUV分光学的効果によって求めた。濃度は、既知の濃度の5つの試料の対応する較正曲線を基準にして算出した。
全ての試料に100重量%の界面活性剤を担持させ、放出試験を、実際の洗浄試験における界面活性剤濃度の近似を表す0.25g/Lの目標濃度で行った。界面活性剤の回収は、導入される理論量によって除算した、UV-VIS分光法を使用して溶液で測定した量として定義する。全ての試料についての使用した担持及び対応する放出データを以下の表2に与える。
Figure 2022530681000003
全ての試料を同一の濃度及び担持で試験して、材料間の直接の比較を容易にした。
所与の材料について、担持が多いほど結果として回収が多くなると考えられるべきであり、そのため、最適な炭酸マグネシウムの選択は、最大の達成可能な担持を考慮して行うべきである。
表2から、比較材料である#Aが、界面活性剤の約60%の回収を達成したことがわかる。対照的に、同じ炭酸マグネシウムの表面を5重量%のクエン酸ナトリウムで処理すると、界面活性剤の回収は、約83%に増加している(試料#A1を参照されたい)。この差は小さいように思われるものの、「損失した」界面活性剤の量が57.5%低減したことを本質的に意味する。理論によって拘束されることを望まないが、クエン酸ナトリウムが表面に吸着し、これにより炭酸マグネシウムの酸性表面をクエンチするものと思われる。同様の効果が硫酸ナトリウムについて観察され、回収が約81%に増加した(試料#A2を参照されたい)。
この点において、本発明による表面反応炭酸マグネシウムは、界面活性剤の回収の増加をもたらす。
4.自動食器洗浄における適用試験
4.1 食器洗浄製剤
2つの製剤を、表3にまとめるように自動食器洗浄試験用に調製した。製剤#F1は、市販のオールインワン食器洗浄粉末と類似しており、かつ対応する原料は当業者に周知である。使用した界面活性剤は、修飾された脂肪アルコールポリグリコールエーテルをベースとする非イオン性低発泡界面活性剤であった。錯化剤は、ジカルボキシメチルアラニネート塩であった。使用したビルダーは、炭酸ナトリウム及びクエン酸の混合物である。
製剤#F2は、界面活性剤及び錯化剤の量を低減したこと、並びに担持したハイドロマグネサイトの量を対応して増加させたことを除いて、製剤#F1の正確なコピーであり、その結果、製剤における界面活性剤の量を変化させないままにした。
Figure 2022530681000004
4.2 担持したハイドロマグネサイトの調製
ハイドロマグネサイト#A3(硫酸塩/ハイドロマグネサイト)に、食器洗浄製剤#F1の調製に使用される修飾された脂肪アルコールポリグリコールエーテルをベースとする100.1重量%の非イオン性低発泡界面活性剤を担持させた。予備加熱した界面活性剤(60℃)を予備加熱した(60℃)ハイドロマグネサイトに添加し、かつSomakon実験室用ミキサーで撹拌する(500rpm)ことによって、担持を行った。
4.3 乾燥性能試験
製剤#F1及び#F2の乾燥性能を専用の食器洗浄試験において評価した。試験条件を表4にまとめる。
Figure 2022530681000005
試験の前に、食器をアルカリ及びクエン酸で予備洗浄し、水ですすいだ。食器洗浄機のイオン交換体を停止し、かつ外部タンクを介して水を供給した。リンス補助ディスペンサーに水を充填することによって3イン1機能を停止した。プログラムの完了後、フロントドアを30分閉めたまま保ち、続いて、ドアを完全に開け、評価を開始した。3つの反復の算術平均を報告する。結果を表5にまとめる。≧1の差を有意とする。
Figure 2022530681000006
表5におけるデータから理解できるように、プラスチックの乾燥性能は、著しく改善されたが、その他については、性能は変化しなかった。
4.4 リンス補助性能試験
製剤#F1及び#F2のリンス補助性能を専用の食器洗浄試験で評価した。試験条件を表6にまとめる。
Figure 2022530681000007
ガラス、プレート及びナイフを、クエン酸と組み合わせた、Dr.Weigertから市販されているNeodisher洗剤によって予備洗浄し、かつ試験洗剤によって2サイクル洗浄した。食器洗浄機のイオン交換体を停止し、かつ外部タンクを介して水を供給した。リンス補助ディスペンサーに水を充填することによって3イン1機能を停止した。プログラムの完了後、フロントドアを10分閉めたまま保ち、続いて、ドアを完全に開け、食器洗浄機のラックを完全に引き抜いた。20分後に評価を開始した。3回の反復の算術平均を報告する。結果を表7にまとめる。≧0.9の差を有意とする。
Figure 2022530681000008
表7におけるデータから理解できるように、リンス補助性能は、両方の製剤について同等であった。
4.5 清浄性能試験
製剤#F1及び#F2の清浄性能を専用の食器洗浄試験において評価した。試験条件を表8にまとめる。
Figure 2022530681000009
30回の試験の算術平均を報告する。結果を表9にまとめる。≧0.9の差を有意とする。
Figure 2022530681000010
表9におけるデータからわかるように、清浄性能は両方の製剤について同等であった。しかしながら、比較の試料が、茶についてわずかにより良好に作用している。

Claims (19)

  1. 炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる、表面反応炭酸マグネシウム。
  2. 前記炭酸マグネシウムが、無水炭酸マグネシウム又はマグネサイト(MgCO)、ハイドロマグネサイト(Mg(CO(OH)・4HO)、アルチナイト(Mg(CO)(OH)・3HO)、ダイピンガイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ギオルギオサイト(Mg(CO(OH)・5HO)、ポクロブスカイト(Mg(CO)(OH)・0.5HO)、バーリントナイト(MgCO・2HO)、ランスフォルダイト(MgCO・5HO)、ドロカーボネート、及びネスケホナイト(MgCO・3HO)からなる群から選択される、請求項1に記載の表面反応炭酸マグネシウム。
  3. 前記炭酸マグネシウムが下記を有する、請求項1又は2に記載の表面反応炭酸マグネシウム:
    (a)窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定した、10~100m/g、好ましくは12~50m/g、最も好ましくは17~40m/gの範囲のBET比表面積、及び/又は
    (b)水銀ポロシメトリー測定から算出した、0.9~2.3cm/g、好ましくは1.2~2.1cm/g、最も好ましくは1.5~2.0cm/gの範囲の粒子内圧入比細孔容積、及び/又は
    (c)レーザー回折によって求めた、1~75μm、好ましくは1.2~50μm、より好ましくは1.5~30μm、さらにより好ましくは1.7~15μm、最も好ましくは1.9~10μmの範囲のd50(vol)、及び/又は
    (d)レーザー回折によって求めた、2~150μm、好ましくは4~100μm、より好ましくは6~80μm、さらにより好ましくは8~60μm、最も好ましくは10~40μmの範囲のd98(vol)。
  4. 前記炭酸マグネシウムは、窒素及びISO 9277:2010によるBET法を使用して測定したBET比表面積に対する、水銀ポロシメトリー測定から算出した粒子内圧入比細孔容積の比が、0.01cm/mを超え、好ましくは0.05cm/mを超え、最も好ましくは0.06cm/mを超え、例えば、0.06~0.25cm/mである、請求項1~3のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウム。
  5. 前記炭酸マグネシウムが、25000ppmまでのCa2+イオンを含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウム。
  6. 前記炭酸マグネシウムの表面を、前記炭酸マグネシウムの合計乾燥重量を基準にして、0.1~20重量%の量の前記一つ又は複数の化合物、又はこれらの対応する塩で処理することによって得られる、請求項1~5のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウム。
  7. ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料である、請求項1~6のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウム。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウムと、前記担体材料に担持されている一つ又は複数の活性剤とを含む、ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システム。
  9. 一つ又は複数の前記活性剤が、前記表面反応炭酸マグネシウムの細孔容積上に及び/又は細孔容積内に担持されている、請求項8に記載の送達システム。
  10. 一つ又は複数の前記活性剤が、洗剤について2004年3月31日の欧州議会及び評議会の規則(EC)第648/2004において言及されている活性剤の群から選択され、好ましくは、一つ又は複数の前記活性剤が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、リン酸塩、ホスホン酸塩、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、ビルダー、加工助剤、酵素、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤、スケーリング防止剤、錯化剤、分散剤、ニトリロ三酢酸とこれらの塩、フェノール、ハロゲン化フェノール、パラジクロロベンゼン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、石鹸、ゼオライト、ポリカルボキシレート、消毒剤、光学的光沢剤、消泡剤、着色剤、香料、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項8又は9に記載の送達システム。
  11. 前記担体材料の合計重量を基準にして、10~300重量%、好ましくは40~290重量%、より好ましくは60~280重量%、最も好ましくは80~260重量%、例えば、90~200重量%の範囲の量の一つ又は複数の前記活性剤を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の送達システム。
  12. 自由流動粉末、錠剤、ペレット、又は顆粒、好ましくは自由流動粉末の形態である、請求項8~11のいずれか一項に記載の送達システム。
  13. 請求項8~12のいずれか一項に記載の一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを含むホームケア製剤。
  14. 液体、自由流動粉末、ペースト、ゲル、バー、ケーキ、パウチ、又は成形片、例えば、錠剤の形態である、請求項13に記載のホームケア製剤。
  15. 洗浄製剤、好ましくは、洗濯物、繊維、食器、及び硬質表面の清浄のための洗浄製剤;予備洗浄製剤;リンス製剤;漂白製剤;洗濯繊維柔軟剤製剤;クリーニング製剤;及びこれらの混合物である、請求項13又は14に記載のホームケア製剤。
  16. 少なくとも以下の工程を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウムを調製するための方法:
    (i)炭酸マグネシウムを提供すること、
    (ii)硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物を提供すること、及び
    (iii)1つ又は複数の工程で、混合しながら、工程(i)の前記炭酸マグネシウムの表面を工程(ii)の一つ又は複数の前記化合物又はこれらの対応する塩で処理し、それによって、一つ又は複数の前記化合物又はこれらの対応する塩と、前記炭酸マグネシウムの表面とによって反応が達成されるようにすること。
  17. 以下の工程を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載のホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための送達システムを調製するための方法:
    (a)炭酸マグネシウムの表面を、硫酸;リン酸;炭酸;6個までの炭素原子を含有するカルボン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択されるカルボン酸;及びカルボン酸基が0~4個の断続的な炭素原子鎖によって連結しているジ-及びトリ-カルボン酸、好ましくは、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、フマル酸、及びこれらの混合物から選択されるジ-及びトリ-カルボン酸;又はこれらの対応する塩からなる群から選択される一つ又は複数の化合物で処理することによって得られる表面反応炭酸マグネシウムを提供すること、
    (b)液体の形態の又は溶媒に溶解された一つ又は複数の活性剤を提供すること、
    (c)工程(a)の前記表面反応炭酸マグネシウムを、工程(b)の一つ又は複数の前記活性剤と接触させること、並びに
    (d)任意選択的に、工程(b)で溶媒を使用したときに、蒸発によって前記溶媒を除去すること。
  18. ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための担体材料としての、請求項1~7のいずれか一項に記載の表面反応炭酸マグネシウムの使用。
  19. ホームケア製剤における一つ又は複数の活性剤の放出のための、請求項8~12のいずれか一項に記載の送達システムの使用。
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