JP2022527533A - ゼラチンおよびその用途 - Google Patents

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Abstract

本発明は、改善された特性、特に、改善された分配特性、より特に、改善された印刷特性を有するゼラチンに関する。本発明は、本発明のゼラチンを用いて製造された構築物、および該構築物を製造するためのプロセスにさらに関する。さらに、本発明は、分配システムで、特に、3D印刷で、かつより特に医療分野における用途について遭遇する既存の問題を解決するための本発明のゼラチンの使用に関する。本発明のゼラチンは、医療分野におけるバイオプリンティングに特に好適であり、化粧品および食品用途にも使用され得る。【選択図】なし

Description

本発明は、改善された特性、特に、改善された分配特性、より特に、改善された印刷特性を有するゼラチンに関する。本発明は、本発明のゼラチンを用いて製造された構築物、および該構築物を製造するためのプロセスにさらに関する。さらに、本発明は、分配システム、特に、3D印刷、かつより特に医療分野における用途で遭遇する既存の問題を解決するための本発明のゼラチンの使用に関する。本発明のゼラチンは、医療分野におけるバイオプリンティングに特に好適であり、食品用途にも使用され得る。
医療分野および食品産業における製造技術は、絶えず進化している。特に、分配技法は、特に、医療分野において、標準的な製造技術と比較していくつかの利点を提供する。該利点は、製造、カスタマイズなどの速度であり得る。1つの非常に周知の分配技法は、3D印刷である。特に、医学研究の分野では、バイオプリンティングは、生物学的材料を空間的な配向および形状に直接分配できるその能力により、組織工学用途のために使用される強力なツールである。ゼラチンは、生体組織とのその非常に高い生体適合性のため、好ましい基質生体材料である。実際に、ゼラチンは、細胞外マトリックス(ECM)の細胞接着に関与する主要なアミノ酸配列であるアルギニン-グリシン-アスパラギン酸(Arg-Gly-Asp)成分の天然アミノ酸配列を示す。生物学では、細胞外マトリックス(ECM)は、周囲の細胞に構造的かつ生化学的な支持を提供するコラーゲン、酵素、および糖タンパク質などの細胞外高分子の三次元ネットワークである。
分配システムについての重要なパラメータは、分配時間ウインドウ、すなわち、特に、分配ヘッドまたはノズル内側での分配時に、材料が有害な粘度増加を示すことなく分配され得る時間である。このことが分配プロセス中により多くの柔軟性を与えるため、より長い分配時間ウインドウを有することは、有利である。しかしながら、分配技術、特に、ゼラチンに基づく材料の3D印刷分配時間ウインドウにおける今日の重要な問題は、熱安定性の欠如のために短い。ゼラチンベース配合物は、分配プロセスの開始後に粘度の増加を急速に示し、この粘度の増加は、材料を分配ヘッドに詰まらせる。次いで、分配は、分配ヘッドが、詰まり、分配が続行され得る前に洗浄または交換されなければならない前の限られた期間のみ行われ得る。このことは、より大きな構築物を作製するか、またはいくつかのより小さな構築物を作製するのにまったく好都合でない。したがって、既存のゼラチンベースの分配材料では、分配時間ウインドウは、制限される。特に、上記のように生体組織との生体適合性のために非常に好適であるゼラチンは、ノズル目詰まりについて高リスクの材料であることが知られている。ゼラチンの熱的不安定性により、ゼラチン溶液(典型的には7.5%を超える濃度で印刷するために調製される)は、室温(20~25℃)で粘度の増加を急速に示し、分配ヘッド、特に、0.64mm(または22G)未満の直径を有するものを詰まらせることになる。この問題を克服するための様々な解決策が、存在する。1つの解決策は、温度制御された分配システムで材料を分配することである。しかしながら、そのような温度制御されたシステムは、高価であり、操作中に細心の注意を必要とし、分配操作を非常に複雑にする。別の解決策は、分配材料を化学的に修飾するか、またはそれに添加剤を補充することである。そのような現在利用可能なバイオプリンティング材料は、修飾ゼラチンを含む。また、ゼラチンは、例えば、アルギン酸塩などの他の親水コロイドと混合し得る。さらに、魚ゼラチンなどの特定の原材料のみの使用は、解決策であり得る。
WO2017/216780A1は、サケゼラチンなどの低温適応海洋種の天然供給源に由来するゼラチンポリマーに関する。
US9101681B2は、温度制御された分配システムで3D構築物を作製するための標準ゼラチンの使用に関する。
US2015/0084232A1は、3Dオブジェクトを印刷するためのヒドロゲル組成物に関し、ヒドロゲルは、架橋された生体適合性ポリマーを含む。事前架橋は、印刷材料の安定性を確保するために、押出の前に行われる。
したがって、例えば、温度制御されたシステムを必要とせず、既存の材料よりも長い分配時間ウインドウを有し、現在可能であるよりも高い濃度で分配され得るなどの、使いやすい分配材料を有する必要がある。
本発明は、少なくとも上記の問題を解決することを目的とする。
[発明の概要]
本発明は、特に、医療分野のための、化粧品用途および食品用途における、より特に、医療分野のための3D印刷システム(または装置)などの分配システム(または装置)の分野において特に改善された特性を有する新規のゼラチンの発見に基づく。本発明のゼラチンは、3D印刷システムなどの分配システムにおいて、より長い分配時間ウインドウ、好ましくは、印刷時間ウインドウを有することを可能にする。本発明のゼラチンは、熱的に安定であり、複雑な温度制御システムを設置する必要、または添加剤もしくは増量剤を有する複雑な配合物の必要なく、好ましくは、約7.5~15%の典型的な分配または印刷濃度で分配され得るため、有利である。
したがって、第1の態様では、本発明は、ゼラチンであって、
a.それが、水性媒体に可溶であり、
b.FTIR-ATRスペクトルの一次微分が、1440~1355cm-1のスペクトル領域内でゼロ未満のままであることを特徴とする、ゼラチンに関する。
第2の態様では、本発明は、分配装置、好ましくは、3D印刷装置における使用のための本発明の第1の態様のゼラチンに関する。
第3の態様では、本発明は、本発明のゼラチンと、増量剤、親水コロイドおよびタンパク質を含む群からの1つ以上のさらなる成分とを含む、ゼラチン組成物に関する。
第4の態様では、本発明は、分配装置、好ましくは、3D印刷装置における使用のための本発明の第3の態様のゼラチン組成物に関する。
第5の態様では、本発明は、1~30重量%の本発明のゼラチンまたは本発明のゼラチン組成物と、70~99重量%の水とを含む、水性ゼラチン組成物に関する。
第6の態様では、本発明は、分配装置、好ましくは、3D印刷装置における使用のための本発明の第5の態様の水性ゼラチン組成物に関する。
第7の態様では、本発明は、本発明のゼラチン、または本発明のゼラチン組成物または本発明の水性ゼラチン組成物を含み、ゼラチンがゲル化される、構築物に関する。好ましくは、該構築物は、分配によって、好ましくは、3D印刷によって製造される。
第8の態様では、本発明は、構築物を作製するためのプロセスであって、それが、
a.水性ゼラチン組成物を提供するステップと、
b.水性ゼラチン組成物を、分配装置、好ましくは、3Dプリンタに供給するステップと、
c.構築物を提供するなどのために分配装置を操作するステップであって、
水性ゼラチン組成物が本発明に従うことを特徴とする、操作するステップとを含むことを特徴とする、プロセスに関する。
第9の態様では、本発明は、分配システムにおける分配時間ウインドウを増加させる、好ましくは、3D印刷システムにおける印刷可能時間ウインドウを増加させるための、本発明のゼラチンまたは本発明のゼラチン組成物、または本発明の水性ゼラチン組成物の使用に関する。言い換えれば、本発明は、15分超~3時間、より好ましくは、20分~2時間30分、さらにより好ましくは、30分~2時間、さらにより好ましくは、40分~2時間、さらにより好ましくは、40分~2時間、さらにより好ましくは、50分~2時間、さらにより好ましくは、1時間~2時間の、上で定義された分配装置における分配時間ウインドウ、好ましくは、3D印刷装置における印刷時間ウインドウを得るための、本発明のゼラチンまたは本発明のゼラチン組成物、または本発明の水性ゼラチン組成物の使用に関する。
第10の態様では、本発明は、分配プロセス中の分配システムの目詰まりを低減または遅延させるための、好ましくは、3D印刷プロセス中の3D印刷システムの目詰まりを低減または遅延させるための、本発明のゼラチン、または本発明のゼラチン組成物または本発明の水性ゼラチン組成物の使用に関する。
第11の態様では、本発明は、足場、工作された組織、装置または治療目的、診断目的、研究目的などに好適なマイクロ装置の製造における、本発明のゼラチン、または本発明のゼラチン組成物または本発明の水性ゼラチン組成物の使用に関し、該製造は、分配によって、好ましくは、3D印刷によって行われる。
第12の態様では、本発明は、組織工学、再生医療、診断目的、薬物試験などのための足場としての本発明の構築物の使用に関する。
印刷可能性と非印刷可能性との間の差異を例証する図である。 印刷可能性と非印刷可能性との間の差異を例証する図である。 印刷可能性と非印刷可能性との間の差異を例証する図である。 一次微分および透過率を示す図である。
定義
本記載において使用される場合、「ゼラチン」は、その当該技術分野で周知の定義を指し、すなわち、それは、コラーゲンの部分的加水分解から生じる線状ポリマーである。該部分的加水分解は、コラーゲンの化学的、酵素的および/または熱処理によって得られ得る。ゼラチンの場合、ゼラチンは、ゲルを形成するそのような機能的特性を喪失しているコラーゲン加水分解物とは対照的に、いくつかの機能的特性(ゲルを形成する能力など)を維持するため、コラーゲンの加水分解は、部分的であると言われる。ゼラチンは、任意の好適なタイプの結合動物組織から供給される、特に、骨、歯および皮からのコラーゲンに由来し得、好ましくは、コラーゲンは、骨および/または皮から供給される。コラーゲンは、豚肉、牛肉、ヒツジ、ヤギ、ウマ、シカ、ニワトリ、魚などの異なる動物に由来し得る。しかしながら、好ましくは、コラーゲン、したがってゼラチンもまた、豚肉および/または牛肉に由来する。標準ゼラチンは、水に溶解するために加熱されることを必要とする。標準ゼラチンを冷却するとゲルが形成され、該ゲルの強度は、分子量分布および分子コンフォメーションなどのゼラチンの特定の特性に依存する。ゼラチンは、主に、gブルームで表されるそのゲル強度によって特徴付けられる。さらに、ゼラチンは、mPa.sで表されるある特定の粘度によっても特徴付けられる。とりわけ、ゼラチンのさらなる特性は、かさ重量またはかさ密度および粒子サイズである。
本記載において使用される場合、「分配システム」または「分配装置」は、組成物を、典型的には液体またはペーストとして、点、線および他の任意の好適な形状の形態で表面上に堆積させることができる装置を指す。簡単に言えば、該組成物は、典型的にはノズルであるヘッドを通してリザーバから表面上に押し出される。ヘッドは、圧力、圧電モーター、またはレーザーアシスト噴射によって駆動され得る。装置および組成物に応じて、ヘッドは異なるサイズおよび異なる開口部であり得、また、多かれ少なかれ圧力の必要性は、分配される装置および組成物に依存することとなる。分配は、押出、噴霧、噴射などによって行われ得る。より高い剪断応力が使用される鋳造は、特定の形状を作成するために金型に組成物を充填することを含むプロセスであり、分配プロセスであるとも理解される。しかしながら、鋳造は、分配の好ましい方法でない。分配装置は、好ましくは、コンピュータ制御システムである。好適なソフトウェアは、ユーザが所定の形状を入力することを可能にし、次いで、分配装置によって表面上に分配されて、構築物を提供する。したがって、分配装置は、3Dプリンタ、インクジェットプリンタ、単一ジェット分配装置などであり得る。好ましくは、分配装置は、3D印刷システム、すなわち、3Dプリンタである。好ましくは、本記載において、分配は、3D印刷を含む。
本記載において使用される場合、「3D印刷」は、特定の分配システムを指す。3D印刷システムは、典型的には、所望の形状が得られるまで、組成物を層ごとに堆積させることによって、三次元形状の製品を製造することを可能にする。3D印刷は、多くの他の分配システムと同様に、コンピュータ制御システムである。好ましくは、本発明では、3D印刷システムは、印刷中の温度制御を必要としない。
本記載において使用される場合、「分配時間ウインドウ」は、分配される組成物が、例えば、リザーバ内および/または分配システムの分配ヘッドを通した組成物のレオロジーの変化による分配問題に遭遇することなく分配され得る時間を指す。分配時間ウインドウは、分配が開始する際に始まり、構築物の望ましい最終形状を妨げる、分配ヘッドが組成物によって詰まる際、または分配が好適かつ均一な様式でもはや起こらない、例えば、望ましくない塊が形成される、分配スポットが見落とされるなどの際に、終わる。
本記載において使用される場合、「架橋」は、共有結合を介した安定なネットワーク構造、特に、安定なネットワークゲル構造の形成を指す。典型的には、架橋は、官能化された分子に対する、熱への曝露、UV光への曝露(光開始連鎖成長重合または架橋)などの外部因子(架橋因子)の作用によって得られる。したがって、分子は、適切な条件に曝されると架橋が起こるように、最初に官能化される。官能化の間、官能基は、化学反応(化学的官能化)、または例えば、酵素反応(酵素的官能化)などの生化学的反応(生化学的官能化)によって、分子(のうちのいくつか)の化学構造に付加される。化学的官能化は、例えば、アクリル化反応、すなわち、アクリレート置換基の導入、メタクリル化反応、すなわち、メタクリレート置換基の導入、ディールス・アルダー、アジド-アルキン環化付加反応、チオール-エン化学(クリックケミストリー)またはスクシニル化反応であり得る。他の化学的または生化学的官能化は、除外されない。分子はまた、架橋を容易にする新しい官能性化学基へのアクセスを与えるために、それらの化学構造に反応性基を付加するために以前に処理され得る。代替的には、架橋は、例えば、組成物中に存在するある特定の成分と特定の反応物との反応によっても得られ得、例えば、組成物中に存在するアルギン酸塩は、カルシウムイオンに曝露される際、例えば、組成物がカルシウムイオンを含む槽に入れられる際に、反応し架橋することになる。組成物が架橋されるために、その成分のうちの少なくとも1つが架橋されることが、十分である。例えば、ゼラチンおよびアルギン酸塩を含む組成物は、カルシウムイオンに曝露される際に架橋する場合があり、その場合、アルギン酸塩のみが実際に架橋されるが、組成物は架橋されると言える。
本記載において使用される場合、「架橋可能」は、組成物の少なくとも2つの成分を架橋させる外部架橋因子に反応する組成物の能力を指す。組成物は、化学的または生化学的反応(上記、官能化を参照されたい)によって、組成物の成分(のうちのいくつか)の化学構造に官能基を付加することによって、架橋可能にされ得る。代替的には、組成物は、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)、カルボジイミド/N-ヒドロキシスクシンイミド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、エポキシ化合物などの架橋剤(または架橋誘導剤)を添加することによって架橋可能にされ得る。天然の架橋剤は、例えば、酵素(例えば、トランスグルタミナーゼ)およびゲニピン(クチナシ果実から抽出された薬剤)である。そのような天然の架橋剤は、より低い細胞毒性レベルを提供できる。例えば、2つ以上の反応性基を含むゲニピンのような架橋剤は、2つ以上のタンパク質分子上の反応性基と反応し、ゼラチン分子を化学的に架橋する場合があり、次いで、架橋誘導剤は、化学的に架橋構造の一部になる。酵素、例えば、トランスグルタミナーゼまたはチロシナーゼは、タンパク質分子上の反応性基間の化学反応を触媒して、化学結合ならびに分子間および分子内架橋を形成し、酵素は、化学的に架橋ネットワークの一部にはならない。
本発明は、異なる実施形態でさらに例示されることになる。明示的に言及されない限り、すべての実施形態/態様は、互いに組み合わせ得ることが、理解される。
第1の態様では、本発明は、ゼラチンであって、
a.それが、水性媒体に可溶であり、
b.ゼラチンのFTIR-ATRスペクトルの一次微分が、1440~1355cm-1のスペクトル領域内でゼロ未満のままであることを特徴とする、ゼラチンに関する。
ゼラチンは、ゼラチンの乾燥ベース(重量% db(wt% db))で、95重量%(weight%)(重量%(wt%))~100重量%、好ましくは、少なくとも96重量%、より好ましくは、少なくとも97重量%、さらにより好ましくは、少なくとも98重量%、さらにより好ましくは、少なくとも99重量%のゼラチンを含む。ゼラチンは、実際に、コラーゲンのゼラチンへの加工から典型的に生じるいくつかの少量の灰および/または塩を含み得る。
本発明のゼラチンは、水性媒体に可溶である。この文脈では、水性媒体への溶解度は、10gのゼラチンを100mlのデミ水(demi-water)中で60℃で1時間撹拌する際に、肉眼で粒子が見えない透明な溶液が得られることを、意味する。
FTIRは、有機成分の構造を特徴付ける周知の方法である。ゼラチン試料のFTIR-ATRスペクトルは、4cm-1の分解能で得られ、スペクトルごとに16回のスキャンを蓄積する。スペクトル測定は、4500~600cm-1の中赤外範囲内で実行される。測定は、ダイヤモンドトリプルバウンスATRアクセサリ(Bruker、Tensor 27)を用いて実行される。バックグラウンド空気スペクトルは、各試料測定の前に収集される。試料は、いかなる予備調製もなく分析前に減衰全反射(ATR)結晶上で直接圧縮される。ゼラチン試料の測定後、エタノールおよび蒸留水が、次の測定を実行する前に乾燥しなければならないダイヤモンドATR結晶を洗浄するために使用される。各試料測定の間に、ブランク測定が行われる(すなわち、試料が存在しない測定)。スペクトルは、透過率モードで表示される。
OriginPro8.5は、1440~1355cm-1の波数範囲内のスペクトルの一次微分を計算するために使用される。信号は、5点で二次Savitzky-Golayフィルタを適用することによって平滑化される。
本発明のゼラチンは、フラッシュ加水分解およびそれに続く水の急速な蒸発のプロセスによって得られ得る。
好ましくは、ゼラチンは、それが、ゼラチン出発材料と比較して、波数の高い範囲に向かう、約1cm-1、好ましくは、約0.5cm-1のアミドIバンド(C=O伸縮)(1660~1600cm-1)の領域におけるピークのシフトを示すことをさらに特徴とする。
好ましくは、ゼラチンは、それが、ゼラチン出発材料と比較して、波数の低い範囲に向かう、9cm-1、好ましくは、約7cm-1、より好ましくは、約5cm-1のC-N-Hブレンディングバンド(1565~1500cm-1)の領域におけるピークのシフトを示すことをさらに特徴とする。
好ましくは、ゼラチンは粉末形態であり、粒子サイズは、変動し得るが、好ましくは、70~8メッシュ、より好ましくは、60~15メッシュ、さらにより好ましくは、60~20メッシュ、さらにより好ましくは、50~30メッシュ、さらにより好ましくは、40~30メッシュである。
好ましくは、ゼラチンは、50gブルームを超える、好ましくは、50g~360gブルーム、好ましくは、80g~350gブルーム、より好ましくは、100g~350gブルーム、さらにより好ましくは、120g~340gブルーム、さらにより好ましくは、150g~340gブルーム、さらにより好ましくは、180g~330gブルーム、さらにより好ましくは、200g~330gブルーム、さらにより好ましくは、250g~330gブルーム、さらにより好ましくは、270g~320gブルーム、さらにより好ましくは、280g~320gブルームのゲル強度を有する。
一実施形態では、本発明のゼラチンは、実質的に官能化されない。実質的に官能化されないということは、官能化の程度、特に、化学的官能化の程度が、5%未満、より好ましくは、3%~0%、さらにより好ましくは、1%~0%、最もより好ましくは、0.1%~0%であることを意味する。官能化は、上で定義された通りである。
別の実施形態では、本発明のゼラチンは、官能化され、本発明のゼラチンが官能化反応に供されることを意味している。官能化は、上で定義された通りである。大量のゼラチンにより、組成物が、官能化反応が実行するのをより困難にするか、またはそれが正しい反応条件を見出すことをより困難にする他の分配材料と比較して、官能化反応がより容易に実行することは、本ゼラチンの利点である。好ましくは、官能化の程度は、30%~95%、より好ましくは、35~90%、さらにより好ましくは、40~85%、さらにより好ましくは、45~80%、さらにより好ましくは、50~75%、さらにより好ましくは、55~70%、さらにより好ましくは、60~65%である。官能化のレベルは、用途に依存することになる。より高い程度の官能化は、pHおよび温度の生理学的条件でより安定した構造を必要とする用途のために示される。好ましくは、ゼラチンは化学的に官能化され、より好ましくは、ゼラチンはアクリル化またはメタクリル化され、より好ましくは、ゼラチンはメタクリル化される。
したがって、本発明は、官能化ゼラチン、好ましくは、それが、本発明に従うゼラチンを提供し、本発明のゼラチンを官能化反応、好ましくは、メタクリル化反応に供することによって調製されることを特徴とする、メタクリル化ゼラチンにさらに関する。
さらなる実施形態では、ゼラチンは、本発明の官能化ゼラチンおよび本発明の実質的に非官能化ゼラチンを含む。したがって、ゼラチンの1~99重量%、好ましくは、5~90重量%、より好ましくは、10~80重量%、さらにより好ましくは、20~60重量%、さらにより好ましくは、30~50重量%、さらにより好ましくは、40~50重量%は官能化されており、1~99重量%、好ましくは、5~90重量%、より好ましくは、10~80重量%、さらにより好ましくは、20~60重量%、さらにより好ましくは、30~50重量%、さらにより好ましくは40~50重量%は実質的に官能化されていない。官能化の程度は、上記の通りである。
メタクリル化の間、メタクリレート基は、周知のプロセスを通じてゼラチン分子に導入される。典型的には、ゼラチンが、溶媒、典型的にはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)またはジメチルスルホキシド溶媒(DMSO)に溶解され、次いで、無水メタクリル酸が該ゼラチン溶液に直接添加され、メタクリル化反応が約50℃で行われる。メタクリル化の程度は、添加される無水メタクリル酸の量によって制御され得る。本発明のゼラチンは、メタクリル化され得、上記のようにある程度のメタクリル化を有し得る。
アクリル化の間、アクリレート基は、周知のプロセスを通じてゼラチン分子に導入される。参照は、例えば、Billiet,I.T.(2014)“Gelatin Functionalizations for Cell Embedding in 3D Geometries Using Rapid Prototyping Technology”に対してなされる。
好ましくはさらに、本発明のゼラチンは、現状有姿で表される、ゼラチンのグラム当たり100未満のエンドトキシンユニット(EU)、より好ましくは、80未満のEU、さらにより好ましくは、60未満のEU、さらにより好ましくは、40未満のEU、さらにより好ましくは、30未満のEU、さらにより好ましくは、10未満のEUを含む。エンドトキシンは、帯電フィルタなどのエンドトキシン除去用のクリアランスフィルタによって除去され得る。そのような帯電フィルタは、利用可能であり、例えば、Mustang E(登録商標)メンブレンおよびMustang Q(登録商標)メンブレン(Pall製)、Sartobind(登録商標)フィルタ(Sartorious製)であり得る。LAL試験(Limulus血球溶解物の頭字語)は、Limulusカニの血球溶解物を使用する細菌エンドトキシンの測定のための試験である。
さらに好ましくは、本発明のゼラチンは、以下の技法のうちの1つ以上を使用することによって精製される:限外濾過、透析濾過、深層フィルタでの濾過。これらの濾過技法は、例えば、望ましくない毒素、細菌、生成物画分などを(部分的に)除去するのに有用である。
好ましくは、本発明のゼラチンは、ゼラチンの乾燥ベースで、5重量%以下、より好ましくは、4重量%以下、さらにより好ましくは、3重量%以下、さらにより好ましくは、2重量%以下、さらにより好ましくは、1重量%以下、さらにより好ましくは、0.5重量%以下、さらにより好ましくは、0.1重量%以下の添加剤を含む。より好ましくは、本発明のゼラチンは、実質的に添加剤を含まない。添加剤は、例えば、グリコール、デンプン、アルギン酸塩などのレオロジー向上剤、流動性向上剤などであり得る。本ゼラチンの利点は、上記の範囲においてそのような少量の添加剤を含むこと、特に、特に添加剤が細胞生存率に対する悪影響を有するため、ゼラチンが生細胞とともにECMとしての使用のための足場を製造するために使用される際、実質的に添加物を含まないことである。今日のECMとしての使用のための足場を製造するための多くの現在の材料は、材料が、分配されること、特に、該足場に3D印刷されることを可能にするための添加剤を含む。
本発明のゼラチンは、分配される際、
a.水中10重量%の溶液として、
b.10~80kPa、好ましくは、20~60kPaの圧力下で、
c.室温で、
d.0.01~3mmのノズルを通し、
該溶液が、少なくとも15分間、実質的に一貫した流れ挙動を維持することを代替的に特徴とする。分配は、該溶液の調製後最大3時間で行われるべきである。この溶液は、ゼラチンを50℃で30分間溶解させることによって調製され、その後、溶液は、室温(18~25℃、好ましくは、20~25℃)に戻され得る。
好ましくは、分配は、ゼラチンの10%溶液のゲル化温度付近、すなわち、ゲル化温度の約10℃下~10℃上、好ましくは、ゲル化温度の5℃下~5℃上の範囲の温度で行われる。該温度で印刷する可能性は、本発明の利点であり、実際に、既存のゼラチンベースの印刷材料は、例えば、特定の添加剤の添加などの特定の措置が取られない限り、ゲル化温度付近の温度で印刷されることができない。また、上記のように、既存のゼラチンベースの印刷材料は、ゲル化温度より少なくとも10℃上、少なくとも15℃、さらに少なくとも20℃高い加熱システムで印刷されることが多い。
また、有利には、分配は、等しい濃度で、既存のゼラチンベースの印刷材料と比較して、本発明のゼラチンを用いてより低い圧力で行われ得る。
好ましくは、該溶液は、15分超~3時間、より好ましくは、20分~2時間30分、さらにより好ましくは、30分~2時間、さらにより好ましくは、40分~2時間、さらにより好ましくは、40分~2時間、さらにより好ましくは、50分~2時間、さらにより好ましくは1時間~2時間の時間、実質的に一貫した流れ挙動を維持する。
第2の態様では、本発明は、分配装置における使用のための、好ましくは、3Dプリンタにおける使用のための、本発明の第1の態様のゼラチンに関する。該ゼラチンは、特に、分配、特に3D印刷におけるバイオインクとしての使用などの3D印刷に好適であることが、見出されている。本発明はまた、医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、医療機器、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するための足場などの構築における使用のための、本発明の第1の態様のゼラチンに関する。ゼラチンは、温度制御された分配システムを有する必要なく、かつ他の成分が添加される必要なく、または添加剤が添加される必要なく、またはゼラチンを分配することができるように当該技術分野で典型的に使用される他の溶液の必要なく、分配され得る。好ましくは、分配は、圧力下で、より好ましくは、室温で行われる。分配、および特に、印刷は、材料を水溶液に入れることによって行われる。溶媒は、リン酸緩衝液、ウシ血清アルブミン(BSA)、水であり得、好ましくは、溶媒は、リン酸緩衝液またはBSA、より好ましくは、リン酸緩衝液である。有利には、ゼラチンは、30~60℃、より好ましくは、40~55℃、さらにより好ましくは、40~50℃の温度で溶液に入れられ、分配する前に室温まで冷却される。冷却後最大3時間の期間の前に分配プロセスを開始することが、好ましい。
本ゼラチンのさらなる利点は、それが、高濃度の水溶液、すなわち、最大30重量%の本発明のゼラチンを含有する水溶液として分配され得ることであり、好ましくは、本発明のゼラチンは、1~30重量%、より好ましくは、5~25重量%、さらにより好ましくは、7.5~20重量%、さらにより好ましくは、7.5~15重量%、さらにより好ましくは、10~15重量%の本発明のゼラチンを含む溶液として分配装置において使用される。
第3の態様では、本発明は、本発明の第1の態様のゼラチンと、さらなる成分とを含むゼラチン組成物に関する。
好ましくは、ゼラチン組成物は、粉末形態である。
ゼラチン組成物は、増量剤、親水コロイド、タンパク質、固化防止剤などから選択される1つ以上のさらなる成分を含む。好ましくは、本発明のゼラチン組成物は、ゼラチン組成物の乾燥ベースで、40重量%~95重量%、より好ましくは、45重量%~95重量%、さらにより好ましくは、50重量%~95重量%、さらにより好ましくは、55重量%~95重量%、さらにより好ましくは、60重量%~95重量%、さらにより好ましくは、65重量%~95重量%、さらにより好ましくは、70重量%~95重量%、さらにより好ましくは、75重量%~95重量%、さらにより好ましくは、80重量%~95重量%、さらにより好ましくは、85重量%~95重量%の本発明のゼラチンを含む。したがって、好ましくは、本発明のゼラチン組成物は、5重量%~60重量%、より好ましくは、5重量%~55重量%、さらにより好ましくは、5重量%~50重量%、さらにより好ましくは、5重量%~45重量%、さらにより好ましくは、5重量%~40重量%、さらにより好ましくは、5重量%~35重量%、さらにより好ましくは、5重量%~30重量%、さらにより好ましくは、5重量%~25重量%、さらにより好ましくは、5重量%~20重量%、さらにより好ましくは、5重量%~15重量%の本明細書で定義されるさらなる成分を含む。
増量剤は、当該技術分野で周知であり、いずれの官能性も持たない材料、糖、単糖、二糖および三糖などの不活性生成物、マルトデキストリン、繊維、タンパク質加水分解物(コラーゲン加水分解物など)などを指す。
親水コロイドは、アルギン酸塩、ペクチン、カラギーナン、ジェラン、寒天、デンプン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビアガム、セルロース誘導体、キトサンなどのうちの1つ以上であり得る。好ましくは、親水コロイドは、アルギン酸塩またはカラギーナン、より好ましくは、アルギン酸塩である。
タンパク質は、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、トロンビン、アルブミンなどのうちの1つ以上であり得る。タンパク質は、コラーゲン原料にも由来し得る。
一実施形態では、ゼラチン組成物は、本発明の官能化ゼラチンと、官能化されない通常のゼラチン(すなわち、本発明に従わない)とを含む。ゼラチン組成物は、好ましくは、1~99重量%、好ましくは、5~90重量%、より好ましくは、10~80重量%、さらにより好ましくは、20~60重量%、さらにより好ましくは、30~50重量%、さらにより好ましくは、40~50重量%の本発明の官能化ゼラチン(官能化の程度は上記の通りである)と、1~99重量%、好ましくは、5~90重量%、より好ましくは、10~80重量%、さらにより好ましくは、20~60重量%、さらにより好ましくは、30~50重量%、さらにより好ましくは40~50重量%の実質的に官能化されていない通常のゼラチンとを含む。
さらに好ましくは、本発明のゼラチン組成物は、以下の技法のうちの1つ以上を使用することによって精製されている:限外濾過、透析濾過、深層フィルタでの濾過。これらの濾過技法は、細菌、エンドトキシン、脂肪、非コラーゲンタンパク質、繊維などを除去するか、または少なくとも実質的にそれらの量を減らすのに有用である。
第4の態様では、本発明は、分配装置、好ましくは、3Dプリンタにおける使用のための本発明の第3の態様のゼラチン組成物に関する。該ゼラチン組成物は、特に、分配、特に3D印刷におけるバイオインクとしての使用などの3D印刷に好適であることが、見出されている。本発明はまた、医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するため、または例えば、個別化された食事、再構成された食事などの食品用途のための足場などの構築における使用のための、本発明の第3の態様のゼラチン組成物に関する。
ゼラチン組成物は、温度制御された分配システムを有する必要なく、かつ添加剤が添加される必要なく、またはゼラチン組成物を分配することができるように当該技術分野で典型的に使用される他の溶液の必要なく、溶液に入れる際に分配され得る。好ましくは、分配は、圧力下で、より好ましくは、室温で行われる。分配、および特に、印刷は、ゼラチン組成物を水溶液に入れて行われる。溶媒は、リン酸緩衝液、BSA、水であり得、好ましくは、それは、リン酸緩衝液またはBSA、より好ましくは、リン酸緩衝液である。有利には、ゼラチン組成物は、30~60℃、より好ましくは、40~55℃、さらにより好ましくは、40~50℃の温度で溶液に入れられ、分配する前に室温まで冷却される。最大冷却後3時間の期間の前に分配プロセスを開始することが、好ましい。
本ゼラチン組成物のさらなる利点は、それが、高濃度の水溶液、すなわち、最大30重量%のゼラチン組成物を含有する水溶液として分配され得ることであり、好ましくは、本ゼラチン組成物は、1~約30重量%、より好ましくは、5~25重量%、さらにより好ましくは、7.5~20重量%、さらにより好ましくは、7.5~15重量%、さらにより好ましくは、10~15重量%の本発明のゼラチンを含む溶液として分配装置において使用される。
第5の態様では、本発明は、1~30重量%、好ましくは、5~25重量%、さらにより好ましくは、7.5~20重量%、さらにより好ましくは、7.5~15重量%、さらにより好ましくは、10~15重量%の、本発明の第1もしくは第2の態様の、または本発明の第3もしくは第4の態様のゼラチンと、70~99重量%、好ましくは、95~75重量%、さらにより好ましくは、80~92.5重量%、さらにより好ましくは、85~92.5重量%、さらにより好ましくは、85~90重量%の水性媒体とを含む、水性ゼラチン組成物に関する。
水性媒体は、リン酸緩衝液、ウシ血清アルブミン(BSA)、水であり得、好ましくは、溶媒は、リン酸緩衝液またはBSA、より好ましくは、リン酸緩衝液である。
好ましくは、本発明の水性ゼラチン組成物は、様々な成分、好ましくは細胞成長成分、すなわち、生きている植物、ヒトまたは動物細胞の成長に対して有益な効果を有する成分を含む。そのような成分は、(EGF、FGF、NGF、PDGF、VEGF、IGF、GMCSF、GCSF、TGF、エリスロピエチン(Erythropieitn)、TPO、BMP、HGF、GDF、ニューロトロフィン、MSF、SGF、GDF)などのサイトカイン(アディポネクチンヒト)細胞成長促進因子または成長因子、ブドウ糖、酵母エキスなどの栄養素、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの塩、トロンビントランスフェリン、アルブミン、ペプトンなどのタンパク質であり得る。
好ましくは、本発明の水性ゼラチン組成物は、生物、好ましくはヒト、動物および/または植物細胞をさらに含む。該生物は、カプセル化され得るか、または非カプセル化され得る。
有利には、本発明の水性ゼラチン組成物は、30~60℃、好ましくは、40~55℃、さらにより好ましくは、40~50℃の温度ですべての成分を溶液に入れ、水性組成物をさらなる使用の前に室温まで冷却させることによって調製される。
さらに好ましくは、本発明の水性ゼラチン組成物は、以下の技法のうちの1つ以上を使用することによって精製されている:限外濾過、透析濾過、深層フィルタでの濾過。これらの濾過技法は、細菌、エンドトキシン(例えば、10~90%のエンドトキシンの除去)、脂肪、非コラーゲンタンパク質、繊維などを除去するか、または少なくとも実質的に量を減らすのに有用である。
第6の態様では、本発明は、分配装置、好ましくは3Dプリンタにおける使用のための本発明の水性ゼラチン組成物に関する。該水性ゼラチン組成物は、特に、分配、特に3D印刷におけるバイオインクとしての使用に好適であることが、見出されている。本発明はまた、医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するか、または食品用途のための足場などの構築における分配装置、好ましくは、3Dプリンタにおける使用のための、本発明の水性ゼラチン組成物に関する。また、本水性ゼラチン組成物は、分配、好ましくは、3D印刷に非常に好適である。
水性ゼラチン組成物は、温度制御された分配システムを有する必要なく、かつ添加剤が添加される必要なく、またはゼラチン組成物を分配することができるように当該技術分野で典型的に使用される他の溶液の必要なく、分配され得る。好ましくは、分配は、圧力下で、より好ましくは、室温で行われる。
有利には、水性ゼラチン組成物は、30~60℃、より好ましくは、40~55℃、さらにより好ましくは、40~50℃の温度に加熱され、分配する前に冷却される。分配プロセスを開始する前に、冷却された水性ゼラチン組成物を室温で3時間超の期間維持することは、望ましくない。
第7の態様では、本発明は、本発明のゼラチン、本発明のゼラチン組成物および/または本発明の水性ゼラチン組成物を含む構築物に関し、ゼラチンは、ゲル化される。好ましくは、該構築物は、分配によって、好ましくは、3D印刷によって製造されている。
上記のように、本発明のゼラチンは、官能化されていてもされていなくてもよい。官能化される際に、構築物は、架橋可能であり、架橋は、適切な架橋条件の適用(例えば、光開始剤の適用など)によって行われ得る。架橋反応が実行されている際に、構築物は架橋されると言える。特に体温で融解する天然成分であるゼラチンを含む架橋構築物は、非常に安定しており、構築物が融解するか、または変形を示すようになることを恐れることなく、体内に導入され得るか、またはゼラチンの融解温度を超える温度で使用され得る。
好ましくは、架橋は、印刷後の3D構築物の崩壊を避けるため、3D構築物の自立特性を確保するために、分配(フィラメント堆積)の直後に起こる。
構築物は、炭水化物、塩、生細胞、細胞成長促進剤および酵素などの他の成分のうちの1つ以上をさらに含み得る。
構築物は、例えば、複数のヘッドノズルで構築物を分配することにより、本発明のゼラチン、ゼラチン組成物および/または水性ゼラチン組成物(「ゼラチン含有組成物」)および他のさらなる成分を含み得、1つ以上のノズルはゼラチン含有組成物を分配し、他の1つ以上のノズルは、親水コロイド、例えば、アルギン酸塩、タンパク質、炭水化物などを含む組成物などの、分配され得、かつ好ましくは、生体適合性である、別のタイプの好適な組成物を分配する。
第8の態様では、本発明は、構築物を作製するためのプロセスであって、プロセスが、
a.水性ゼラチン組成物を提供するステップと、
b.水性ゼラチン組成物を、分配装置、好ましくは、3Dプリンタに供給するステップと、
c.構築物を提供するなどのために分配装置を操作するステップであって、
水性ゼラチン組成物が本発明に従うことを特徴とする、操作するステップとを含むことを特徴とする、プロセスに関する。
構築物は、本明細書で定義される通りである。
分配装置を操作することは、25超~40℃の温度などの制御された温度で行われ得るが、有利には、本水性ゼラチン組成物を用いると、分配は、制御された温度システムを用いずに、室温(18~25℃、好ましくは、20~25℃)で行われる。好ましくは、分配は、ゼラチンの10%溶液のゲル化温度付近、すなわち、ゲル化温度の約10℃下~10℃上、好ましくは、ゲル化温度の5℃下~5℃上の範囲の温度で行われる。該温度で印刷する可能性は、本発明の利点であり、実際に、既存のゼラチンベースの印刷材料は、例えば、特定の添加剤の添加などの特定の措置が取られない限り、ゲル化温度付近の温度で印刷されることができない。また、上記のように、既存のゼラチンベースの印刷材料は、ゲル化温度より少なくとも10℃上、少なくとも15℃、さらに少なくとも20℃高い加熱システムで印刷されることが多い。
好ましくは、構築物は、水性ゼラチン組成物の層の上の層またはドットの上のドットを分配すること、好ましくは、印刷することによって作製される。必要である場合、構築物は、水性ゼラチン組成物の単一の層またはドットでもあり得る。実際、使用される分配システム、好ましくは、使用される3Dプリンタソフトウェアの可能性に従って、任意の好適な構成物が、印刷され得る。
構築物が作製されると、水性ゼラチン組成物が架橋されるように官能化されるという条件、または架橋を引き起こし得る酵素が添加されているという条件のいずれかで、それは架橋され得る。好ましくは、架橋は、3D構築物の自立特性を確保するために、分配(フィラメント堆積)の直後、すなわち、分配された材料の粘弾性特性に応じた架橋の瞬間に起こり、したがって、架橋は、分配または印刷後に3D構築物の崩壊を避けるように分配の後に時間通りに行われる。
分配ステップの開始から直接、または分配ステップの開始後、分配ステップの終了前の任意の好適な時間の分配中に、架橋反応を開始することもまた、可能である。
典型的には、架橋反応が分配中にノズル内側の有害な粘度増加を引き起こし得るため、架橋剤が水性ゼラチン組成物に存在する際に、分配プロセス中の正確な時間制御が重要である。この場合、本発明のゼラチンの熱安定性は、(化学的)架橋によって引き起こされる粘度の増加とともに物理的ゲル形成の複合効果を防止することを可能にし、分配プロセス中のより柔軟な時間制御を有すること可能にするため、有利である。
本発明は、分配システムにおける分配時間ウインドウを増加させる、好ましくは、3D印刷システムにおける印刷可能時間ウインドウを増加させるための、本発明のゼラチン、本発明のゼラチン組成物または本発明の水性ゼラチン組成物の使用にさらに関する。
この効果は、該ゼラチン、ゼラチン組成物および水性ゼラチン組成物が、印刷中、室温でも、実際には、実際には上で定義されたゼラチンのゲル化温度付近でさえ、最大3時間、好ましくは、15分超~3時間、より好ましくは、20分~2時間30分、さらにより好ましくは、30分~2時間、さらにより好ましくは、40分~1時間30分、さらにより好ましくは、40分~1時間の期間、粘度増加をほとんどからまったく示さないという事実による。比較すると、ゼラチンを含む以前の組成物は、典型的には、約15分以下の分配時間ウインドウのみ許容した。結果として、分配ヘッドまたはノズル、好ましくは、印刷ノズルの目詰まりは、分配、好ましくは、印刷の3時間後まで起こらず、好ましくは、15分超~3時間、より好ましくは、20分~2時間30分、さらにより好ましくは、30分~2時間、さらにより好ましくは、40分~2時間、さらにより好ましくは、40分~2時間、さらにより好ましくは、50分~2時間、さらにより好ましくは、1時間~2時間の期間の後まで起こらない。
さらに、本発明は、医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するための足場などの、調製における、好ましくは、分配による、より好ましくは、3D印刷による、本発明のゼラチン、ゼラチン組成物および水性ゼラチン組成物の使用に関する。また、本発明は、カスタマイズされた食事、再構成された食品、ベーカリー用途などの食品用途の調製における本発明のゼラチン、ゼラチン組成物および水性ゼラチン組成物の使用に関する。
さらに、本発明は、医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するなどのための足場の調製における本発明の構築物の使用に関する。
さらに、本発明は、分配装置における使用、好ましくは、3D印刷装置における使用に好適なゼラチンを同定するためのプロセスに関し、該プロセスは、
a.ゼラチン粉末を取るステップ、
b.該ゼラチンの水性媒体中でFTIR-ATR分光分析および溶解度試験を実行するステップ、
c.ゼラチンのFTIR-ATRスペクトルの一次微分が、1440~1355cm-1のスペクトル領域内でゼロ未満のままであり、ゼラチンが、水性媒体に可溶である際に、該ゼラチンが該分配装置における使用に好適であると結論付けるステップを含む。
印刷可能性/印刷挙動:
図1a、b、およびcは、印刷可能性と非印刷可能性との間の差異を例証する。図1aでは、組成物は、形状忠実度がないため印刷可能でないことがわかる。図1bでは、組成物は印刷可能であり、それは押出ベースの3Dプリンタに対する整合性を有することがわかる。図1cでは、ノズルの目詰まりが構築物の形状における乱れを引き起こしているため、実験がノズル交換のために印刷ジョブを一時停止することを必要としたことにより、組成物は印刷可能でないことがわかる。
本発明は、非限定的な実施例においてさらに例示されることになる。
実施例1:本発明に従うゼラチンの製造
35重量%の濃度での高ブルーム(300g)(T=60℃)の酸処理されたブタゼラチンの溶液を、加熱して120℃の製品温度を60秒間達成することによってフラッシュ加水分解にかける。次いで、加熱されたゼラチンを、4.5バールの蒸気によって加熱された回転シリンダの表面上で加熱されたゼラチン溶液をロールコーティングすることによって蒸発にかける。シリンダの表面上に接着している製品の薄層を、急速に乾燥させ、鋭利なナイフの作用によって剥ぎ落とす。そのように製造されたゼラチンは、水に可溶である。
そのように製造されたゼラチンのFTIR-ATRスペクトルを、測定する。一次微分および透過率を、図2(3)に示す。
以下の材料のFTIR-ATRスペクトルも、図2に示す:
-高ブルーム(300g)の通常のブタゼラチン(1)
-ブタ由来のゼラチン加水分解物(2)
-過熱したブタ由来ゼラチン(4)。該ゼラチンは、150℃に2時間曝露されており、水に可溶でない。
図2に示されるように、本発明のゼラチンのスペクトルの一次微分は、1440~1355cm-1のスペクトル領域内でゼロ未満のままである。ゼラチン(1)および加水分解ゼラチン(2)は、その特定のスペクトル領域内で2つのゼロ交差値を示し、すなわち、微分は、その領域内で2回ゼロと交差する。
実施例2:本発明に従うゼラチンおよび通常のゼラチンを用いた構築物の調製
通常のゼラチンと比較した実施例1のゼラチンの印刷挙動を実証する比較実験を、行った。両方のゼラチンは、ブタ供給源に由来し、280gより高い約300gのブルームを提示する。Cellink Inkredible 3Dプリンタ上で、構築物を、実施例1に従うゼラチンおよび通常のゼラチンを用いて調製する。
実施例1のゼラチンおよび通常のゼラチンを、各々、PBS(リン酸緩衝液、pH7.4)を含むガラスバイアルに分散させて、10w/w%の濃度の溶液を製造する。溶液中の粉末の分散を、ボルテックスミキサー(3000rpm)を使用して実行する。次いで、10mLの溶液を含むバイアルを、60℃で1時間水槽に置く。次いで、温かい間に、溶液を、各々、3Dプリンタから3mLシリンジに注ぐ。
2つのシリンジを、ベンチに置き、周囲温度条件(約20℃)で冷却させる。
実施例1に従うゼラチンを含むシリンジを、印刷ヘッド1(PH1)に置き、通常のゼラチンを含むシリンジを、印刷ヘッド2(PH2)に置く。6つの格子構造の印刷を、PH1およびPH2によって同時に開始した。
格子構造を印刷するためにSlic3rソフトウェアに適用される印刷設定を、以下のように調整する。
Figure 2022527533000001
実施例1に従うゼラチンは、フィラメントを形成するために、85~100kPaの押出圧力を必要とするが、一方で、通常のゼラチンは、130~140kPaの圧力を必要とする。
Figure 2022527533000002
通常のゼラチンでは、ノズルの完全な詰まりにより、第3の格子構築物の印刷は可能でない。実施例1に従うゼラチンを用いると、最大6つの格子構築物を印刷することが可能であり、印刷はノズルおよび均一なフィラメント製造の詰まりなく最大105分で行われ得、流れ挙動は印刷操作全体の間均一なままである。

Claims (16)

  1. ゼラチンであって、
    a.それが、水性媒体に可溶であり、
    b.前記ゼラチンのFTIR-ATRスペクトルの一次微分が、1440~1355cm-1のスペクトル領域内でゼロ未満のままであることを特徴とする、ゼラチン。
  2. 実質的に官能化されないことをさらに特徴とする、請求項1に記載のゼラチン。
  3. 官能化される、好ましくは、化学的に官能化されることをさらに特徴とする、請求項1または2に記載のゼラチン。
  4. 官能化ゼラチンであって、それが、請求項1に記載のゼラチンを提供し前記ゼラチンを官能化することによって調製されることを特徴とし、好ましくは、前記官能化が、メタクリル化を含む、官能化ゼラチン。
  5. レオロジー向上剤、流動性向上剤などの5重量%以下の添加剤を含むことをさらに特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のゼラチン。
  6. ゼラチン組成物のグラム当たり100未満のエンドトキシンユニット(EU)を含むことをさらに特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のゼラチン。
  7. 好ましくは、分配が、圧力下で、好ましくはさらに、室温で行われる、分配装置、好ましくは、3D印刷システムにおける使用のための、請求項1~6のいずれか一項に記載のゼラチン。
  8. 構築が、分配によって、好ましくは、3D印刷によって行われる、医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するための足場などの構築における使用のための、請求項1~7のいずれか一項に記載のゼラチン。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のゼラチンと、増量剤、親水コロイドおよびタンパク質を含む群から選択される、1つ以上のさらなる成分とを含む、ゼラチン組成物。
  10. 55~90重量%の前記ゼラチンおよび10~45重量%の前記1つ以上のさらなる成分を含むことをさらに特徴とする、請求項9に記載のゼラチン組成物。
  11. 1~30重量%の請求項1~8のいずれか一項に記載のゼラチンまたは請求項9もしくは10に記載のゼラチン組成物と、70~99重量%の水性媒体、好ましくは、リン酸緩衝液またはウシ血清アルブミン、より好ましくは、リン酸緩衝液とを含む、水性ゼラチン組成物。
  12. カプセル化もしくは非カプセル化された生物、好ましくは、生きているヒト、動物および/もしくは植物細胞を含むことをさらに特徴とし、かつ/または細胞成長促進剤、栄養素、塩、タンパク質などの細胞成長成分を含むことをさらに特徴とする、請求項11に記載の水性ゼラチン組成物。
  13. 好ましくは、分配が、圧力下で、好ましくはさらに、室温で行われる、分配装置、好ましくは、3D印刷システムにおける使用のための、請求項11または12に記載の水性ゼラチン組成物。
  14. 医療用途、好ましくは、組織工学、再生医療、インプラント、創薬および薬物試験、または美容用途のための足場、好ましくは、化粧品を試験するための足場などの前記構築における使用のための、請求項11~13のいずれか一項に記載の水性ゼラチン組成物。
  15. 構築物であって、前記ゼラチンがゲル化されることを特徴とし、好ましくは、前記構築物が架橋されることをさらに特徴とし、好ましくは、前記構築物が3D印刷された構築物であることをさらに特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のゼラチンまたは請求項9もしくは10に記載のゼラチン組成物を含む、構築物。
  16. 構築物を作製するためのプロセスであって、それが、
    a.水性ゼラチン組成物を提供するステップと、
    b.ステップa.の前記水性ゼラチン組成物を、分配装置、好ましくは、3Dプリンタに供給するステップと、
    c.構築物を提供するなどのために前記分配装置を操作するステップであって、
    前記水性ゼラチン組成物が、請求項11~14のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする、操作するステップとを含むことを特徴とする、プロセス。

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