本願の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、添付図面と共に以下の実施例から、本願の軌道交通機関車巡回装置及び軌道交通機関車巡回システムを更に詳細に説明する。ここで述べた特定の実施形態は本願の説明に用いられるだけで、本願を限定するために用いられるものではないことを理解すべきである。
ここでいう「第1」や「第2」などの用語に割り当てられた番号は、記述された対象を識別するために使用されるだけで、手順や技術的な意味を持たない。本明細書で言及されている「接続」および「連結」には、特に明記されていない限り、いずれも直接接続および間接接続(連結)が含まれる。本願の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等の用語で示される向き又は位置関係は、図面に示される向き又は位置関係に基づくものであり、単に、本願の記述を容易にし、記述を簡略化するためのものであり、装置または要素が特定の向きを有し、または特定の向きで構造および操作される必要があることを示す、または暗示するためのものではなく、本願の制限として解釈することはできないことを理解する必要がある。
本願において、明示的規定や限定がない限り、第1特徴が第2特徴の上又は下にあるとは、第1特徴が第2特徴と直接接触していること、又は第1特徴が中間物によって第2特徴と間接的に接触していることを意味することが可能である。また、第1特徴が第2特徴の「その上」、「上方」、「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上または斜め上にあること、または単に第1特徴の水平高度が第2特徴の水平高度よりも高いことを意味することが可能である。第1特徴が第2特徴の「その下」、「下方」および「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下または斜め下にあること、または単に第1特徴の水平高度が第2特徴の水平高度より小さいことを意味することが可能である。
本願は、軌道交通機関車巡回装置10を提供する。軌道交通機関車巡回装置10は、高速列車、高速鉄道、列車、地下鉄等の軌道交通機関車を検出するためのものである。以下、検出対象の軌道交通機関車を検出対象車両という。
図1を参照し、軌道交通機関車巡回装置10は、巡回現場において検出対象車両を検出する。巡回現場は、巡回プラットホーム200と、軌道100と、巡回溝300とを含む。軌道100は、巡回プラットホーム200に配置される。検出対象車両は、軌道100上に駐車される。巡回プラットホーム200には、軌道100の延在方向に沿って巡回溝300が対応するように設置されている。
巡回プラットホーム200は、地面と面一する平面であってもよく、地面よりも高いまたは低い平面であってもよい。巡回プラットホーム200は、巡回に必要な装置の設置、その装置と巡回のスタッフとの走行に用いられる。軌道100は、平行な2本のレールを含む。軌道100のレールは、巡回プラットホーム200上に直接配置されてもよく、間隔を置いて配置される支柱や他の装置によって巡回プラットホーム200上に配置されてもよい。軌道100は1つのグループまたは複数のグループを設けてもよい。各グループの軌道100と対応して、巡回溝300が設けられている。巡回溝300は、巡回プラットホーム200から凹設された溝構造のピットである。巡回溝300は、軌道100の間に配置され、軌道100の延在方向に延在する。巡回溝300の大きさや凹みのサイズは、実際のニーズに応じて設定することができ、本発明で特に限定されない。検出対象車両は、軌道100上に駐車される。巡回プラットホーム200では、検出対象車両の側方を検出することができる。巡回溝300では、検出対象車両の車底を検出することができる。
一実施形態では、軌道交通機関車巡回装置10は、巡回ロボット400と、昇降装置グループ500と、制御装置600とを含む。
巡回ロボット400は、すなわち軌道交通機関車巡回ロボットであり、以下、単に巡回ロボット400という。巡回ロボット400は、検出対象車両の外観、サイズ、姿勢、温度、空気漏れなどの関連パラメータを検出するために使用される。巡回ロボット400の具体的な構造や機能は、この適用に限定されるものではなく、実際のニーズに応じて決定することができる。
昇降装置グループ500は、少なくとも1つの昇降装置501を含む。昇降装置501は、軌道100の延在方向の側方に配置されている。昇降装置501は、昇降可能な構造を有する。すなわち、昇降装置501を昇降させることができる。具体的には、軌道100の側方の巡回プラットホーム200に昇降溝を設けることができ、昇降装置501は昇降溝内に配置され、昇降溝内で昇降可能である。昇降装置501は、昇降することにより、巡回溝300にドッキングすることができ、且つ巡回プラットホーム200の表面と面一にすることができる。昇降装置501は、ガイドレール式昇降機、クランクアーム式昇降機、シザー式昇降機、チェーン式昇降機等であってもよく、実際のニーズに応じて具体的に決定することができ、本願で限定されない。昇降装置501は、巡回ロボット400又は作業者を巡回溝300に下降させたり、巡回ロボット400又は作業者を巡回プラットホーム200に上昇させたりするために使用することができるが、これに限定されない。昇降装置501の数は1つであってもよく、複数であってもよい。複数の昇降装置501は、軌道100に沿って間隔をおいて軌道100の一側に配置されていてもよく、軌道100の両側に分散して配置されていてもよい。
制御装置600は、巡回ロボット400と通信可能に接続され、巡回ロボット400の動作を制御する。制御装置600は、巡回ロボット400の走行を制御して検出等を行うものであってもよい。制御装置600は、コンピュータ装置、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、またはプロセッサを含む他の装置であってもよいが、これらに限定されない。制御装置600の具体的な構成、機種等は、その機能を実現できるものであれば、本発明において限定されるものではない。
軌道交通機関車巡回装置10の作業過程は、以下の工程を含むが、これらに限定されない。
制御装置600は、巡回タスクを取得する。巡回タスクには、検出対象車両の台数、検出対象車両の位置、検出対象項目などが含まれる。制御装置600は、巡回ロボット400に巡回タスクを送信し、巡回指示を出す。巡回ロボット400は、巡回指示を受け取って、巡回タスクに従って、検出対象車両の位置へ自律的に走行し、検出対象車両を検出する。巡回ロボット400は、巡回タスクに含まれる検出対象項目が検出対象車両の側方にある場合には、軌道100の延在方向に沿って巡回プラットホーム200上を走行して検出を行う。この場合、巡回ロボット400が巡回プラットホーム200に沿って支障なく走行できるように、昇降装置501を巡回プラットホーム200の表面と面一にしてもよい。巡回タスクに含まれる検出対象項目が検出対象の車底にある場合、巡回ロボット400は巡回溝300に進入して作業する必要がある。巡回ロボット400は、まず巡回タスクに従って昇降装置501まで走行する。昇降装置501が下降して巡回溝300にドッキングするように昇降装置501を制御した後、巡回ロボット400が巡回溝300まで走行して巡回作業を行う。巡回が完了すると、巡回ロボット400は昇降装置501まで走行し、昇降装置501は巡回ロボット400を連れて巡回溝300から出て巡回プラットホーム200に戻る。そして、検出が完了する。
軌道100の一側の巡回プラットホーム200上に、巡回溝300にドッキングして連通する段階や斜面を設置するとの従来の方法に比べて、本発明の実施形態に係る軌道交通機関車巡回装置10では、まず、昇降装置501によって自動的に昇降し、巡回溝300とのドッキングと、巡回プラットホーム200とのドッキングおよび連通を実現することで、自動化の程度が向上する。次に、昇降装置501を巡回プラットホーム200の表面と面一させることにより、巡回プラットホーム200を走行支障なく平坦にする。さらに、昇降装置501により、人力を介さずに巡回ロボット400を巡回溝300に進入させて巡回溝300から退出させることができ、全自動走行を実現することができ、巡回ロボット400の知能性を向上させることができる。これにより、軌道交通機関車巡回装置10の知能性が向上する。
図2を参照し、一実施形態において、昇降装置グループ500は、少なくとも2つの昇降装置501を含む。少なくとも2つの昇降装置501は、軌道100の両側にそれぞれ配置されている。少なくとも2つの昇降装置501は、少なくとも1つの通路を形成するように、巡回溝300とドッキングして連通することができる。
昇降装置グループ500が2つの昇降装置501を含むことを一例とし、2つの昇降装置501は軌道100の両側に分配される。2つの昇降装置501の連結線は、軌道100に対してある角度をなしている。例えば、2つの昇降装置501の連結線は、軌道100に対して垂直である。2つの昇降装置501は、いずれも巡回溝300まで下降した後、巡回溝300とドッキングして連通し一つの通路を形成する。前記通路は巡回溝300に対してある角度をなしている。
一実施形態では、軌道100は少なくとも2グループある。巡回溝300は少なくとも2つある。昇降装置グループ500は少なくとも2グループある。各巡回溝300の各々は、1グループの軌道100に対応して配置されている。軌道100の各グループの各々に対して、1つの昇降装置グループ500が対応して設けられている。すなわち、軌道100の各グループの両側には、それぞれ少なくとも2つの昇降装置501が設けられている。少なくとも2つの昇降装置グループ500の複数の昇降装置501は、少なくとも2つの巡回溝300とドッキングして連通し、少なくとも1つの横断軌道通路を形成することができる。すなわち、隣接する2つの軌道100グループの昇降装置501同士が連通し得ることにより、各軌道100グループの通路を連通させ、少なくとも1つの横断軌道通路を形成することができる。横断軌道通路では、複数の巡回溝300の連通を実現することができる。したがって、巡回ロボット400は、複数の検出対象車両が存在する場合に、横断軌道検出を実現し、複数の検出対象車両を一度に検出することができるので、検出効率を向上させることができる。
本願の昇降装置501を以下に説明する。
図3を参照し、一実施形態では、昇降装置501は、昇降プラテン510と、駆動装置520と、昇降制御装置530とを備える。駆動装置520は、昇降プラテン510を昇降させて駆動するために昇降プラテン510に駆動接続されている。昇降制御装置530は、駆動装置520に電気的に接続されている。昇降制御装置530は、駆動装置520の作動を制御する。
昇降プラテン510は、軌道100の側方の昇降溝内に配置されている。昇降プラテン510が上昇状態にあるとき、昇降プラテン510は、巡回プラットホーム100が位置する面と面一になる。昇降プラテン510が下降状態にあるとき、昇降プラテン510は、巡回溝300が位置する平面と面一になり連通している。昇降プラテン510は絶縁板であってもよい。絶縁板は、実際のニーズに応じて決定される無機絶縁材料、有機絶縁材料、または混合絶縁材料であってもよく、これに限定されるものではない。昇降プラテン510の形状は、矩形、台形、多角形等であってもよく、実際のニーズに応じて具体的に決定することができ、本願において特に限定されるものではない。点検現場には複数の軌道100のグループが含まれ、各グループの軌道100のそれぞれに昇降装置501が設けられている場合には、隣接する2つの昇降装置501の昇降プラテン510同士が接触するように配置されているので、昇降プラテン510が巡回溝300に下降したときに、横断軌道通路が形成されることになる。
駆動装置520は、軌道100の側方の昇降溝内に配置してもよい。駆動装置520は、昇降プラテン510を昇降させて駆動するために昇降プラテン510に駆動接続されている。駆動装置520の具体的な構造、取り付け位置、取り付け方法は、実際のニーズに応じて決定することができ、本発明において特に限定されるものではない。駆動装置520の数も、実際のニーズに応じて決定することができる。駆動装置520は、昇降プラテン510を昇降させて駆動できるものであれば、油圧式駆動装置、空気圧式駆動装置、電気式駆動装置、チェーン式駆動装置、その他の種類の駆動装置であってもよい。具体的な一つの実施形態において、駆動装置520は、油圧式駆動装置である。油圧式駆動装置と昇降プラテン510とを組み合わせて油圧シザー式昇降台を形成する。油圧シザー式昇降台は、固定油圧シザー式昇降台である。固定油圧シザー式昇降台のローラー、ボール、ターンテーブル等のテーブルは、実際の使用ニーズに合わせて任意に構成することができる。このため、実際の使用時には、固定油圧シザー式昇降台は、点検員やユーザが実際のニーズに合わせて調整するのに便利であり、昇降装置501の使用が容易になる。
昇降制御装置530は、駆動装置520に電気的に接続されており、駆動装置520の起動、オフ、及び作業モードの制御に用いられる。昇降制御装置530は、昇降指示を取得し、この昇降指示に応じて、駆動装置520の起動、オフ、及び作業モードを制御することにより、昇降プラテン510を昇降制御する。
昇降装置501の昇降指示は、手動で入力されてもよく、制御装置600によって取得されてもよく、検出で取得されてもよい。一つの実施形態では、昇降装置501は、距離センサ540をさらに含む。距離センサ540は、昇降制御装置530と通信可能に接続されている。距離センサ540は、前方の物体との距離を検出し、昇降プラテン510の表面に人や停止している物体があるか否かを判定する。距離センサ540により検出された距離が予め設定された距離閾値を満たしていれば、人や物体が昇降プラテン510の表面に停止し、昇降が必要であることを示す。例えば、昇降プラテン510に人や物が停止していない場合、距離センサで検出される距離は1Mとなる。距離センサ540の検出距離が0.05mから0.98mになると、昇降制御装置530は昇降プラテン上に人や物があると判断し、駆動装置520を起動させるように制御する。距離センサは、静電容量式近接センサ、レーザ測距センサ、超音波センサであってもよく、実際のニーズに応じて具体的に決定することができ、この適用に限定されるものではない。距離センサ540の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。本実施形態では、距離センサ540と昇降制御装置530との協働により、昇降プラテン510の自動昇降が実現される。本実施形態に係る昇降装置501は、高度な知能性を有しているため、軌道交通機関車巡回装置10の知能性を向上させることができる。
一つの実施形態では、昇降装置501は、昇降安全警報装置550をさらに含む。昇降安全警報装置550は、昇降制御装置530に電気的に接続されている。昇降警報装置550は、距離センサ540が異常データを検出した場合や昇降装置501が故障した場合に警報を発するものである。昇降安全警報装置550の具体的な構造は本願において限定されるものではなく、実際のニーズに応じて決定することができる。昇降安全警報装置550により、昇降装置501の安全性および知能性を向上させることができ、これにより、軌道交通機関車巡回装置10の安全性および知能性を向上させることができる。
一つの実施形態では、図4を参照し、軌道交通機関車巡回装置10は、現場稼働状況検出装置700をさらに備える。現場稼働状況検出装置700は、巡回現場に設置される。具体的には、現場稼働状況検出装置700は、軌道100、巡回プラットホーム及び/又は巡回溝300に配置されていてもよい。現場稼働状況検出装置700は、制御装置600と通信可能に接続されている。現場稼働状況検出装置700は、現場稼働状況を検出するためのものである。現場稼働状況検出装置700を設けることにより、巡回開始前と巡回中に巡回現場の状況を即時に知ることができ、状況に応じて巡回ロボット400を制御し、巡回作業の信頼性、安全性、知能性を向上させることができる。
現場稼働状況検出装置700は、ニーズや稼働状況によって異なる構造で構成することができる。現場稼働状況検出装置700の構成を実施形態と共に以下に説明する。
一つの実施形態では、現場稼働状況検出装置700は、貯留液検出機構710を含む。貯留液検出機構710は、巡回溝300に配置されている。貯留液検出機構710は、制御装置600と通信可能に接続されている。貯留液検出構造710は、巡回溝300内の液体貯留状況を検出するためのものである。
貯留液検出機構710は、液体検出センサであってもよい。貯留液検出機構710の数は限定されない。巡回溝300における貯留液検出機構710の具体的な位置は限定されず、実際の状況に応じて設けることができる。例えば、貯留液検出機構710は、巡回溝300の深く、液体が貯留しやすい位置に設けられていてもよい。貯留液検出機構710は、現在位置における液体貯留状況を検出して制御装置600に送信する。制御装置600は、液体貯留状況に基づいて巡回作業を開始するか否かを判定する。貯留液が予め設定された貯留液閾値を超えた場合、作業条件が満たさないので、巡回ロボット400にイネーブル信号が送信されない。本実施形態では、貯留液検出機構710によって、巡回溝300に貯留液の量が多いものの巡回作業が開始されることを防止するので、軌道交通機関車巡回装置10の安全性及び知能性を向上させることができる。
実施形態では、現場稼働状況検出装置700は、検出対象車両在席検出コンポーネント720を含む。検出対象車両在席検出コンポーネント720は、軌道100に配置される。検出対象車両在席検出コンポーネント720は、制御装置600と通信可能に接続されている。検出対象車両在席検出コンポーネント720は、検出対象車両が規定の位置に駐車されているか否かを検出する。
検出対象車両在席検出コンポーネント720は、軌道100の一方の側に配置されてもよく、軌道100を支持する支持柱に配置されてもよい。検出対象車両在席検出コンポーネント720の数は一つであってもよく、複数であってもよい。検出対象車両在席検出コンポーネント720は、速度センサ及びプレゼンスセンサを含んでもよいが、これらに限定されない。一つの具体的な実施形態では、軌道100の延在方向において、複数のプレゼンスセンサと複数の速度センサとがレールの内側に順次配置されている。検出対象車両が軌道100に沿って進入及び停止すると、プレゼンスセンサにより軌道100上の車輪及び車体の存在を検出し、順次配置される複数の速度検出装置により、車体の速度が徐々に低下してゼロになったことを検出し、これは、検出対象車両が軌道100に進入してセンサが取り付けられた位置で停止したことを示す。制御装置600は、検出対象車両在席検出コンポーネント720の検出結果に基づいて、巡回作業を開始するか否かを判断し、巡回ロボット400の起動を制御する。本実施形態では、検出対象車両在席検出コンポーネント720により、軌道交通機関車巡回装置10の知能性及び自動性が一層向上し、軌道交通機関車巡回装置10の巡回精度が向上する。
一つの実施形態では、現場稼働状況検出装置700は、侵入検出コンポーネント730を含む。侵入検出コンポーネント730は、巡回現場に配置される。具体的には、侵入検出コンポーネント730は、軌道100、巡回プラットホーム200および/または巡回溝300に配置されてもよい。侵入検出コンポーネント730は、制御装置600と通信可能に接続されている。侵入検出コンポーネント730は、巡回現場における侵入の有無を検出するために使用される。
侵入検出コンポーネント730は、画像取得装置と、画像取得装置と通信可能に接続された画像処理装置とを含んでもよい。画像取得装置は、カメラ、ビデオカメラ等であってもよい。画像取得装置は、巡回現場の画像情報を取得し、画像処理装置に送信する。画像処理装置は、コンピュータ装置等であってもよい。画像処理装置は、制御装置600のモジュールまたは処理ソフトウェアであってもよい。画像処理装置は、画像情報を処理し、巡回現場に人や物体が侵入しているか否かを判断し、さらに作業条件が満たされているか否か、巡回作業を開始するか否かを判断する。本実施形態では、侵入検出コンポーネント730により、軌道交通機関車巡回装置の知能性が向上し、軌道交通機関車巡回装置10の作業安全性がさらに向上する。
一つの実施形態では、現場稼働状況検出装置700は、巡回ロボット400の連結安全性を確保するために、巡回ロボット400と関連装置との連結状態を検出するためのコンポーネントをさらに含んでもよい。
制御装置600は、上記実施形態における現場稼働状況検出装置700のデータを処理するための相応なモジュールを含むことで、現場稼働状況検出装置700が送信した関連データを受信し、処理して判定し、現在の巡回現場が巡回作業の条件を満たしているか否かを判定し、さらに巡回イネーブル信号を送信するか否かを判定することは理解される。
巡回ロボット400は、巡回イネーブル信号に従って巡回作業を行う。巡回ロボット400については、以下の実施形態を参照して説明する。
図5及び図6を参照し、一つの実施形態では、巡回ロボット400は、作業走行装置410とロボットアーム420とを備える。作業走行装置410は、車体411と車輪412とを備える。車輪412は、車体411の底部に配置されている。車体411は、収容空洞413を含む。ロボットアーム420は、車体411に設けられている。ロボットアーム420は、折り畳み可能な構造を有している。ロボットアーム420は、収容空洞413内に収容可能である。
作業走行装置410は、具体的に無人搬送車(AGV)であってもよく、自動走行可能な他の小型車両であってもよい。車体411は、立方体構造であってもよく、他の形状の構造であってもよい。立方体構造を有する車体411を例に挙げると、車体411は空洞構造を有し、車体411の6つの面が囲んで収容空洞413を形成している。ロボットアーム420は、車体411の頂部に取り付けられている。そして、車体411に開口が開設される。折り畳まれた後、ロボットアーム420は、開口を通って収容空洞413内に収容される。作業走行装置410は、制御装置600と通信可能に接続されていてもよい。制御装置600は、作業指示及び作業走行タスクを作業走行装置410に送信する。作業走行装置410は、自体の制御システムを含んで、自体の制御システムまたは外部の制御システムによって走行制御されてもよい。例えば、制御装置600により作業走行装置410の走行を制御することができる。
車輪412は、車体411の底部に取り付けられている。車輪412の数は4つであってもよい。車輪412は、様々な構造を有することができる。例えば、車輪412は、自在車輪構造であってもよい。一つの具体的な実施形態では、車輪412は、2輪差動駆動構造を有する。2輪差動駆動構造を有する車輪412は、巡回ロボット400の体積を効果的に減少させることができる。また、車輪412は、2輪差動駆動構造を採用しているので、従来における輪距の中点を基点として計画する時の複雑な計算を回避することができ、制御が簡単で、軌道追従効果が良く、リアルタイム運動制御が効果的に改善される。
ロボットアーム420は、複数の可動関節を含むことができる。一つの具体的な実施形態では、ロボットアーム420は、6つの可動関節を含み、各可動関節は、その軸回りに回転可能であるので、ロボットアーム420は、6つの軸に沿って柔軟に移動および位置決めすることができる。ロボットアーム420は、制御装置600に通信可能に接続されている。制御装置600は、ロボットアーム420の移動や折り畳み等を制御する。
ロボットアーム420は、作業時に車体411の外部に位置する。ロボットアーム420が作業を終了する時に、制御装置600は、ロボットアーム420を折り畳んで収容空洞413に収容するように制御することで、防塵、衝突防止、減容の役割を果たす。
本実施形態では、巡回ロボット400は、作業走行装置410とロボットアーム420とを含む。作業走行装置410の車体411は、収容空洞413を含む。ロボットアーム420は折り畳み可能な構造であり、収容空洞413に収容できるので、巡回ロボット400の体積を小さくすることができ、防塵、衝突防止でき、収容が容易である。
一つの実施形態では、折り畳まれたロボットアーム420の形状およびサイズは、収容空洞413の開口の形状およびサイズと対応している。
車体411には、頂部及び側面に沿って開口を開設することが可能である。車体411の開口は、すなわち収容空洞413の開口である。開口部の形状およびサイズは、折り畳まれたロボットアーム420の形状およびサイズと同じであるので、ロボットアーム420は折り畳まれた後に開口部で封止される。例えば、ロボットアーム420は、6つの可動関節を含み、折り畳まれた後に3つの可動関節の長さを維持することができる。開口部の形状、長さ、幅はいずれも、3つの可動関節の形状、長さ、幅と一致している。ロボットアーム420が収容空洞413に収容されると、3つの可動関節が収容空洞413に収容され、他の3つの可動関節が収容空洞413の開口部を封止するように開口部に貼り付けられ、塵埃がさらに防止される。これにより、収容空洞413内のスペースを節約することができ、収容空洞413内に他の機器や装置を配置することができる。本実施形態では、巡回ロボット400の実用性が向上する。
一つの実施形態では、巡回ロボット400は、昇降装置460をさらに含む。昇降装置460は、収容空洞413内に配置されている。昇降装置460は、ロボットアーム420に機械的に接続されている。昇降装置460は、ロボットアーム420の昇降を実現する。
昇降装置460は、リフト付加軸を具体的に含むことができる。リフト付加軸の一端は、収容空洞413内に配置され、他端は、ロボットアーム420の底部に機械的に接続されている。リフト付加軸により駆動される昇降は、油圧式駆動、シリンダ式駆動等により実現されるが、これに限定されるものではなく、本願において特に限定されるものではなく、実際のニーズに応じて決定することができる。昇降装置460は、自動で駆動されてもよく、手動で駆動されてもよい。一つの具体的な実施形態では、昇降装置460は、制御装置600と通信可能に接続され、制御装置600は、昇降装置460の作業も制御する。昇降装置460は、ロボットアーム420を昇降させることができ、ロボットアーム420の上昇及び伸び出しを実現できるだけではなく、ロボットアーム420の下降収容も実現できる。また、ロボットアーム420により巡回検出を行う際に、昇降装置460は、ロボットアーム420の端部位置の補償を実現するために、ロボットアーム420の高さをさらに調整することができる。従って、本実施形態に係る巡回ロボット400は、実用性が高く、巡回作業の自由度を高め、巡回精度を向上させることができる。
一つの実施形態では、巡回ロボット400は、検出装置430を含む。検出装置430は、ロボットアーム420の端部に配置される。検出装置430は、検出対象車両を検出するために用いられる。検出装置430の種類は、実際のニーズに応じて決定することができる。検出装置430は、ロボットアーム420の端部に直接電気的に接続されてもよく、他の装置によって間接的にロボットアーム420の端部に接続されてもよい。ロボットアーム420の移動により、検出装置430が連行されて検出対象装置の検出項目領域に移動し、その検出項目の検出が行われる。検出装置430は、制御装置600と通信可能に接続されている。制御装置600は、検出装置430を制御して検出を行わせ、検出装置430が取得した検出データを処理して分析する。
一つの実施形態では、検出装置430は、画像取得装置、空気漏れ検出装置、温度検出装置、サイズ検出装置の少なくとも1つを含む。他の必要な機能を実現するために、検出装置430は、他の検出装置を含むこともでき、本願において限定されないことが理解される。
画像取得装置は、2D画像取得装置及び/又は3D画像取得装置を含むことができる。一つの具体的な実施形態では、2D画像取得装置は主にエリアカメラを含む。エリアカメラは、検出対象ワークの表面画像を取得するために用いられ、検出対象車両の部品に対するプレゼンス検出、形状検出、位置姿勢検出、外観検出、サイズ検出等に用いることができる。2D画像取得装置は、光源をさらに含むこともできる。光源は、より良好な画像取得効果を実現するために、検出対象ワークを照明するために使用される。
一つの具体的な実施形態では、3D画像取得装置は、主に、線状レーザ光源と、ラインカメラと、直線運動ユニットとを含む。3D画像取得装置が動作しているとき、線状レーザ光源は線状レーザ光を出射し、検出対象ワークの表面に照射する。ラインカメラは、一枚の画像を取得する。直線運動ユニットの移動に伴い、ラインカメラは連続して撮像し、複数枚の画像を取得する。複数の画像をつなぎ合わせることにより、深さ情報を含む完全な画像を得ることができる。この3D画像取得装置は、検出対象車両のボルトの締付け検出、クラック検出、ホイールセットのトレッドの品質検出等に用いることができる。
この空気漏れ検出装置は、検出対象車底及び/又は検出対象車両の側方のエアダクトを検出するために用いられる。一つの具体的な実施形態において、空気漏れ検出装置は、マイクロフォンアレイを含む。マイクロフォンアレイは、検出された空気漏れ音データを取得するために使用される。マイクロフォンアレイにより取得された空気漏れ音データは、制御装置600に送信される。制御装置600は、空気漏れ音を処理して判定することにより、エアダクトが漏れているか否かを判定し、さらに空気漏れの位置を判定する。一実施形態では、マイクロフォンアレイは、3つのカーディオイドマイクロフォンと1つの全方位マイクロフォンとを含む。もう一つの実施形態では、マイクロフォンアレイは、1つのカーディオイドマイクロフォンを含み、かつ複数のカーディオイドマイクロフォンは、ロボットアーム420上に配置される。
一つの実施形態では、制御装置600が空気漏れ音データを処理し、エアダクトに空気漏れがあるかどうかを判定し、さらに空気漏れの位置を判定する方法は、以下のステップS1110~S1150を含む。
S1110では、検出対象車両をモデリングして検出対象車両モデルを作成する。
S1120では、検出対象車両の検出項目領域における空気漏れ音を識別する。
S1130では、空気漏れ音の音源位置を特定する。
S1140では、音源位置と検出対象車両モデルとに基づいて、検出対象車両に空気漏れがあるか否かを判定する。
S1150では、検出対象車両モデルにおける音源位置の位置をマークキングする。
本実施形態に係る方法によれば、検出対象車両モデルと、検出対象車両の検出項目領域における空気漏れ音の音源位置とを照合させることにより、検出対象項目周辺の空気漏れ音が検出対象車両の空気漏れであることとして判定される可能性を効果的に排除することができ、検出精度を向上させ、車両の点検やメンテナンスに信頼性の高い根拠を提供することができる。また、検出対象車両をモデリングし、空気漏れ音と検出対象車両モデルとを照合することにより、車両の気密性の検出過程や検出結果をより直感的なものとすることができる。
温度検出装置は、検出対象車両の検出対象ワークの温度を検出する。温度検出装置の具体的な構成の選択に限定はない。一つの具体的な実施形態において、温度検出装置は、サーモグラフィーを含む。サーモグラフィーは、検出対象ワークの温度分布を検出し、対応する温度分布画像を形成するために用いられる。サーモグラフィーにより検出された温度分布画像は、制御装置600に送信される。制御装置600は、温度分布画像をさらに処理する。もう一つの実施形態では、温度検出装置は、非接触赤外線温度センサをさらに含む。非接触赤外線温度センサは、検出対象ワークの表面温度を検出するために用いられる。制御装置600は、検出の前に検出対象車両に対して3Dモデリングしてもよい。検出対象項目と測定対象点の位置を3Dモデル上にマーキングする。1つの検出対象項目は、複数の測定対象点を含む。ロボットアーム420は、非接触赤外線温度センサを挟持して検出対象項目に移動し、非接触赤外線温度センサの光を検出対象項目の外表面に向かわせる。ロボットアーム420は、姿勢を変更して測定対象点の温度を順次に調整して測定し、測定対象点の温度測定が完了する。非接触赤外線温度センサにより測定されたデータは、制御装置600に送信される。制御装置600は、中間値を取る、期待値を取るなどの方法を用いてデータを処理し、3Dモデルと照合して、検出対象項目の温度を反映したモデル図を得ることができる。
測定対象点の決定は、サーモグラフィーの検出結果に基づいて、興味ある領域または点を測定対象点としてさらに検出し、興味ある領域の具体的な温度を得ることができる。
本発明のサイズ検出装置は、検出対象量に関する距離情報を検出することに用いられる。サイズ検出装置は、ホイールフランジ及びホイールリム測定具及び/又はホイールセット間隔測定具を含むことができる。ホイールフランジ及びホイールリム測定具は、検出対象車両のホイールフランジ及びホイールリムの関連サイズを測定するために用いられる。ホイールセット間隔測定具は、測定対象車両のホイールセット間隔を測定するために用いられる。
一実施形態では、ホイールセット間隔測定具は、2つのレーザ距離センサおよび一つの測定ロッドを含む。ホイールセット間隔測定具で測定された距離情報は制御装置600に送信される。制御装置600は、この距離情報を処理してホイールセットサイズを得る。具体的なプロセスは、以下のS2210~S2240のステップを含むが、これに限定されない。
S2210では、検出対象のホイールセットの検出項目の標準輪郭サイズをモデリングしてホイールセットモデルを作成する。
まず、制御装置600は、標準ホイールセットフランジとホイールリムの軸中心に対する断面のサイズ及び位置関係に応じて、ホイールセットの対称中心を原点とするホイールセット座標系を建て、ホイールセットの輪郭をプロットした3Dモデルを建てる。次に、巡回ロボット400が測定及びサンプリングを行っているときのホイールセット中心座標系に対する巡回ロボット400の作業走行装置410のベース座標系の相対位置と、ロボットアーム420の端部のサンプリング点の相対位置とを求め、測定点の3Dモデルデータベースを構築する。
S2220では、検出対象のホイールセットの位置と巡回ロボット400の位置とを精確に校正する。
巡回ロボット400は、検出の前に車輪軸視覚的な特徴又はホイールセット補助位置決めマーク点によって位置決めし、ホイールセット座標系における巡回ロボット400の実際の姿勢情報を取得する。巡回ロボット400は、ロボットアーム420の端部の姿勢を調整することで、実際の姿勢を補償して測定点の3Dモデルデータベースに適合させる。
S2230では、巡回ロボット400がサンプリング及び測定を行う。
巡回ロボット400の端部は、レーザ測距センサを挟み、ホイールセット検出項目の輪郭の距離とサイズをサンプリングして測定し、そのデータを制御装置600に送信する。
S2240では、目標サイズ値を計算する。
巡回ロボット400は、取得した輪郭のサイズ点を、巡回ロボット400の移動軌跡点の位置と組み合わせて、ホイールセット検出項目の実際の外形輪郭を描画し、そして、検出した実輪郭と標準輪郭とを比較して実ホイールセット検出項目のサイズ値を取得する。
このような各検出装置430は、ロボットアーム420の端部に個別に配置されていてもよく、複数組み合わせてロボットアーム420の端部に配置されていてもよい。一実施形態では、2D画像取得装置、空気漏れ検出装置、および温度検出装置を組み合わせてロボットアーム420の端部に配置することにより、検出対象車両のプレゼンス検出、形状検出、姿勢検出、空気漏れ検出、および温度検出などの複数項の同時検出を実現する。
もう一つの実施形態では、ロボットアーム420の端部に、3D画像取得装置、空気漏れ検出装置、および温度検出装置を組み合わせて配置することにより、検出対象車両のボルトの締付け検出、クラック検出、ホイールセットのトレッドの品質検出、空気漏れ検出、および温度検出などの複数項の同時検出を実現する。
上記実施形態では、ロボットアーム420の端部に検出装置430を配置して、検出対象車両に対して各種項目の検出を行うことにより、巡回ロボット400が複数の巡回機能を有するようにしたので、巡回ロボット400の機能の全面性及び知能性を高めることができる。
実施形態では、巡回ロボット400は、ドッキング装置440をさらに含む。ドッキング装置440は、車体411に設けられている。ドッキング装置440は、他の装置とドッキングするために使用される。ドッキング装置440は、他の装置との機械的ドッキングを実現するために使用することができ、また、他の装置との電気的にドッキングすることを実現するためにも使用することができる。ドッキング装置440の構造は、異なるニーズに応じて異なるデザインを有することができる。例として、ドッキング装置440を用いて救出装置または巡回補助装置との機械的ドッキングを実現する。ドッキング装置440は、車体411の先端及び/又は末端に配置されてもよい。ドッキング装置440は、巡回ロボット400に対する引っ張り又は引きずりを実現するために救出装置又は巡回補助装置と接続するための環状又は方形のドッキング口等を含むことができる。本実施形態では、ドッキング装置440によって巡回ロボット400の機能がさらに向上し、軌道交通機関車巡回装置10の実用性が向上する。
一実施形態では、巡回ロボット400は、さらに、速換装置431を含む。速換装置431は、ロボットアーム420の端部と検出装置430との間に接続されている。すなわち、検出装置430は、ロボットアーム420の端部に速換装置431によって接続されている。速換装置431により、検出装置430とロボットアーム420との電気的接続および機械的接続が実現される。
図7を参照し、一つの実施の形態では、巡回ロボット400は、補助充電端子450をさらに含む。補助充電端子450は、車体411に設けられている。補助充電端子450は、充電ヘッドや充電台であってもよく、充電ブラシや充電用導電レールなどの回路導通を実現可能な装置であってもよい。補助充電端子450は、巡回ロボット400の電源装置に接続され、外部充電装置と連通することで巡回ロボット400を充電する。本実施形態では、補助充電端末450により、巡回ロボット400の巡回作業能力を向上させるために、巡回ロボット400に即時に電力量を補うことができる。
一実施形態では、軌道交通機関車巡回装置10は、補助充電装置800をさらに含む。補助充電装置800は、軌道100に配置される。補助充電装置800は、補助充電端子450と合わせて、補助充電端子450に電源を提供して巡回ロボット400を充電する。補助充電装置800の具体的な形態、構造等は限定されず、補助充電端子に合わせて充電できるものであればよい。補助充電装置800と補助充電端子450の2つの実施形態は以下で示す。
一実施形態では、補助充電端子450は導電ブラシである。補助充電装置800は、導電レールである。導電ブラシは、ファーブラシ構造を有する。導電ブラシは、伸縮可能なカンチレバー構造によって車体411の一側に配置されてもよい。伸縮可能なカンチレバーは、コーナーコンタクト構造を有することができる。導電ブラシの移動弾性及び自由度を向上させ、また使用しない時に導電ブラシを車体411に戻させて貼り付けるのを容易にして省スペース化を図るように、伸縮可能なカンチレバーと車体411との間にバネやその他の弾性装置を配置することができる。導電ブラシは、車体411の一方の側に配置される1つであってもよく、車体411の両側にそれぞれ配置される2つであってもよい。勿論、導電ブラシは、車体411の所望位置にそれぞれ配設された複数であってもよい。
導電レールは、巡回ロボット400が走行する軌道100の側方に接近して配置されている。導電レールは長尺状である。導電レールは、対地安全な電圧で給電することができる。導電レールは、PVCプロファイル、アルミニウムプロファイル、または銅テープ複合構造などを採用することができる。複数の導電レールを設けてもよい。複数の導電レールは、軌道100に沿って間隔をおいて配置されている。導電ブラシが車体411の両側ともに配置される場合には、複数の導電レールをそれぞれ軌道100の2本のレールの内側に配置してもよい。複数の導電レールに対して、オンオフを個別に制御することが可能である。
ロボットアーム420は、巡回ロボット400の全作業過程において、目標位置の後に停止して検出を行う際の作業量が大きく作業時間が長いため、検出過程における消費電力が最大となる。従って、検出過程において巡回ロボット400を充電する必要がよくある。本実施形態では、巡回ロボット400が走行し、目標位置に停止し、検出を開始しようとする時に、巡回ロボット400は、伸縮可能なカンチレバーによって導電ブラシを伸ばし、導電レールに接触させる。導電レールに通電することにより、導電ブラシによって巡回ロボット400を充電することができる。巡回ロボット400が検出タスクを完了する直前、次の検出位置に移動しようとする時に、導電レールへの通電を解除し、導電ブラシの充電を停止し、伸縮可能なカンチレバーによって導電ブラシを戻させ、巡回ロボット400は、次の検出位置まで走行を続ける。
もう一つの実施形態では、補助充電端子450は導電ブラシであり、補助充電装置800は導電ブラシである。導電ブラシ及び導電レールの配置は、先の実施形態とちょうど逆である。それらの実現方法、原理及び配置方法は、先の実施形態と類似である。その説明は、ここでは繰り返さない。
上記2つの実施形態では、導電ブラシと導電レールとの協働により、巡回ロボット400の補助充電を実現し、巡回ロボット400の作動電量を保証し、軌道交通機関車巡回装置10の信頼性及び安定性を向上させている。また、導電レールは長尺状である。このため、巡回ロボット400や検出対象車両の駐車や位置決めにずれが生じた場合でも、導電ブラシとの協働を実現し、巡回補助装置900の充電を完了させることができ、充電誤差を低減することができる。
図8及び図9を参照し、一実施形態では、速換装置431は、ロボットアーム端部433と工具端部435との2つの部分を含む。ロボットアーム端部433は、対応する工具端部435と合わせる。ロボットアーム端部433は、ロボットアーム420に電気的かつ機械的に接続されている。工具端部435は、検出装置430に電気的かつ機械的に接続される。ロボットアーム端部433と工具端部435との間のプラグイン接続により、電気的接続および機械的接続を実現することができ、これにより、ロボットアーム420と検出装置430との間の電気的接続および機械的接続を実現することができる。
上記2つの実施形態において、速換装置431によって、検出装置430とロボットアーム420の端部との間の電気的接続および機械的接続が実現され、簡易で便利であり、かつ、汎用性が高い。
一つの実施形態では、軌道交通機関車巡回装置10は、軌道交通機関車巡回補助装置をさらに含む。以下、軌道交通機関車巡回補助装置を巡回補助装置900と略称する。巡回補助装置900は、巡回ロボット400を補助して検出装置430の交換、エネルギー供給、点検、緊急救出などの機能を実現させる。以下は実施形態を組み合わせて巡回補助装置900をさらに説明する。
一つの実施形態では、巡回補助装置900は、補助走行装置910と、工具ラック920とを含む。工具ラック920は、補助走行装置910に配置される。工具ラック920には、交換対象検出装置が載置される。
軌道交通機関車巡回装置10の巡回ロボット400の巡回過程において、異なる検出項目を完成させるために、ロボットアーム420の端部の検出装置430を交換する必要がある。説明の便宜上、交換された検出装置を交換対象の検出装置と呼ぶ。他のものと交換するための検出装置を元の検出装置と呼ぶ。
補助走行装置910は、走行を実現し、その上に配置される装置を連れて走行させるために用いられる。補助走行装置910の構造、実現原理、制御方法は、作業走行装置410と類似であり、ここでは繰り返さない。
工具ラック920は、補助走行装置910の車体の頂部に配置してもよい。工具ラック920の具体的な構造は限定されず、載置する工具の構造やサイズなどに応じて設けることができる。交換対象の検出装置は、工具ラック920に載置される。元の検出装置を交換する必要がある場合には、補助走行装置910を制御して巡回ロボット400側に走行させる。元の検出装置を工具ラック920の上の交換対象の検出装置に交換する。このような置換は、自動または手動で行うことができ、本願で限定しない。
本実施形態では、軌道交通機関車巡回装置10は、巡回補助装置900を含む。巡回補助装置900は、工具ラック920を備えているので、交換対象の検出装置を巡回ロボット400まで搬送して、検出装置430を交換することができる。本実施形態に係る巡回補助装置900は、軌道交通機関車巡回装置10の機能の全面性を向上させるとともに、その知能性を向上させている。
一つの実施形態では、工具ラック920の形状およびサイズは、交換対象の検出装置の形状およびサイズと合わせる。すなわち、交換対象の検出装置の形状に倣って工具ラック920を設計することで、交換対象の検出装置を工具ラック920により確実かつ密着して配置することができる。
一実施形態では、巡回補助装置900の工具ラック920に、交換対象の検出装置が設けられる。工具端部435は、交換対象の検出装置の一端に接続される。交換対象の検出装置は、工具端部435に電気的かつ機械的に接続される。工具端部435は、交換対象の検出装置とロボットアーム420の端部との間の接続を実現するためにロボットアーム端部433に接続される。検出装置430の交換時には、元の検出装置430とそれに接続されている工具端部435を取り外す。交換対象の検出装置の工具端部435を、ロボットアーム420の端部のロボットアーム端433に接続することで、交換対象の検出装置とロボットアーム420との電気的接続および機械的接続を実現する。本実施形態では、交換対象の検出装置に工具端部435を配置することにより、検出装置の迅速な交換が可能となり、作業効率が向上する。
一つの実施形態では、巡回補助装置900は、エネルギー供給装置930をさらに含む。エネルギー供給装置930は、補助走行装置に配置される。エネルギー供給装置は、軌道交通機関車巡回装置にエネルギーを供給するために用いられる。軌道交通機関車巡回装置は、巡回ロボット400を備えるが、これに限定されない。エネルギー供給装置930は、電力供給装置931を含んでもよく、ガス供給装置932を含んでもよく、巡回ロボット400が必要とするエネルギーを提供する他の装置であってもよい。この例では、エネルギー供給装置930は、巡回ロボット400にエネルギーを供給および補充することができ、巡回ロボット400へのエネルギー供給を確保し、巡回ロボット400の作業安定性および信頼性を向上させることができる。このため、軌道交通機関車巡回装置10の安定性及び信頼性が向上する。
一つの実施形態では、エネルギー供給装置930は、電源供給装置931を含む。電源供給装置931は、電源及び電源インターフェースを含む。補助走行装置910に電源を設ける。電源インターフェースは、電源と巡回ロボット400との間の電気的接続を実現するために電源に電気的に接続される。すなわち、電源は、電源インターフェースによって巡回ロボット400に電力を供給する。本発明では、電源及び電源インターフェースの具体的な構造及び実装方法は、その機能を実現できる限り限定されない。巡回ロボット400が電力量を使い切ったとき、巡回補助装置900は、電力供給装置を搬送して巡回ロボット400まで走行し、電力を供給する。本実施形態では、巡回ロボット400への電力供給機能を、電力供給及び電力インターフェースによって実現することにより、巡回補助装置900の機能を増やし、実用性を向上させる。
一つの実施形態では、巡回補助装置900は、緊急装置940をさらに含む。緊急装置940は、補助走行装置910に設けられている。緊急装置は、巡回ロボット400に緊急救出を提供するために使用される。
巡回作業中、巡回ロボット400は突発的な障害に遭遇し、作業走行装置410が走行できない、ロボットアーム420が移動できない、またはロボットアーム420がスタックするなどの緊急事態に陥る可能性がある。これらの場合には、巡回補助装置900に、緊急装置940を搬送して巡回ロボット400の近傍に走行し、巡回ロボット400に緊急救出を提供させるように制御する。本実施形態では、緊急装置940により巡回補助装置900の機能をさらに増やし、巡回ロボット400の安全性及び安定性を確保している
一つの実施形態では、緊急装置940は、機械式緊急装置941を含むことができる。機械式緊急装置941は、補助走行装置910に設けられている。機械式緊急装置941は、巡回ロボット400との機械的なドッキングを実現するために用いられる。機械式緊急装置941の具体的な構造は、その機能を実現できるものであれば限定されない。一実施形態では、機械式緊急装置941の構造は、巡回ロボット400との機械的なドッキングを実現し、さらに巡回補助装置900から巡回ロボット400への引きずりや動かしを実現できるように、ドッキング装置440の構造と合わせる。本実施形態に係る巡回補助装置900によれば、巡回ロボット400が故障した場合に、巡回ロボット400を巡回現場から引き離すことができるので、軌道交通機関車巡回装置10の自動化の程度及び知能性を向上させることができる。
一つの実施形態では、緊急装置940は、さらに、電気式緊急装置942を含む。電気応急装置942は、補助走行装置910に配置される。具体的には、機械式緊急装置941に電気式緊急装置942を設けてもよい。電気式緊急装置942は、巡回ロボット400との電気的なドッキングを実現するために使用され、巡回ロボット400への電気的な緊急救出を実現する。さらに、緊急装置940は、通信緊急装置をさらに含んでもよい。通信緊急装置は、巡回ロボット400への通信緊急救出を実現するために用いられる。
一つの実施形態では、巡回補助装置900は、さらに、点検装置(図示せず)を含む。点検装置は、補助走行装置910に設けられている。点検装置は、巡回ロボット400の故障情報を検出してメンテナンスを行う。点検装置は、例えば、巡回ロボット400のロボットアーム420が移動できない場合には、巡回ロボット400の電気通信制御線を巡回装置に接続してもよい。点検装置は、巡回ロボット400をデバッグし、そのデバッグ結果に応じて更なるメンテナンスを行う。本実施形態では、巡回装置により巡回補助装置900の機能がさらに整備し、巡回ロボット400の安全性及び信頼性が向上する。
上記軌道交通機関車巡回装置10を巡回作業に用いる場合、巡回ロボット400は、正確な検出及び測定を実現するために、検出対象車両に対して位置づける必要がある。しかし、巡回ロボット400は、様々な誤差により、検出対象車両の位置を特定するときに、位置付けのずれが発生し得る。まず、巡回ロボット400は、自体のナビゲーションシステムの誤差、走行地面のむら、車輪のスリップ、車輪の摩耗等に起因する自体の位置付けの誤差により、所定の位置に正確に到達することができない。そして、検出対象車両は、車輪の摩耗、ナビゲーション誤差等により、検出対象車両の実際の駐車位置と、予め設定された駐車位置との誤差が生じ得る。両方の誤差はいずれも、両者の相対的な位置の誤差につながり得る。最終的に、巡回ロボット400が検出対象車両に対して巡回作業を行う際に、正確な検出を行うことができないことになる。このため、軌道交通機関車巡回過程における誤差を検出する必要があり、その誤差に基づいてさらに位置付けの校正を行うことができる。
図10を参照し、一実施形態では、軌道交通機関車巡回装置10は、軌道交通機関車巡回姿勢検出システムをさらに含む。以下、軌道交通機関車巡回姿勢検出システムを巡回姿勢検出システム30と略称する。巡回姿勢検出システム30は、以下の実施形態を組み合わせてさらに説明する。
一つの実施形態では、図10を参照し、巡回姿勢検出システム30は、参考基準310と、姿勢検出装置320と、処理装置330とを含む。
参考基準310は、検出対象車両が駐車される軌道100の延在方向に沿って軌道100の一側に配置される。参考基準310の長さは、巡回ロボット400の走行作業面の長さと合わせる。参照基準310は、プロファイルからなる参照物であってもよい。参考基準310は、軌道100の延在方向に沿った絶対位置情報及び基準面情報を含む。参考基準310は、スケール情報や画像情報等で絶対位置情報や基準面情報等を反映してもよい。
姿勢検出装置320は、参考基準310に対する巡回ロボット400の距離情報を検出する。姿勢検出装置320は、巡回ロボット400に設けられているので、巡回ロボット400の移動に伴って、参考基準310に対する巡回ロボット400の距離情報をリアルタイムに検出することができ、巡回ロボット400の姿勢オフセットを求めることができる。姿勢検出装置320は、必要として異なる検出パラメータに応じて、巡回ロボット400の車体411の異なる位置に配置されてもよい。姿勢検出装置320は、距離検出装置を含むが、これに限定されない。
処理装置330は、姿勢検出装置320と通信可能に接続されている。姿勢検出装置320により検出された参考基準310に対する巡回ロボット400の距離情報は、処理装置330に送信される。処理装置330は、参考基準310に対する巡回ロボット400の距離情報に基づいて、基準座標に対する巡回ロボット400の姿勢オフセットを計算する。
図11を参照し、基準座標は、第1座標軸、第2座標軸および第3座標軸からなる座標系における1つ以上の基準面および基準方向を含むことができる。一実施形態では、第1座標軸は、図11に示すy軸、すなわち、巡回ロボット400の走行方向に直交し、かつ、巡回ロボット400が走行する地面に平行または略平行な軸である。第2座標軸は、図11に示すz軸、すなわち、巡回ロボット400の走行方向及び第1座標軸に垂直する軸である。第3座標軸は、図11に示すx軸、すなわち巡回ロボット400の走行方向に平行な軸である。
一つの実施形態では、姿勢オフセットの計算に使用される基準座標は、第1基準面、第2基準面、第3基準面、第1方向、第2方向、および第3方向を含む。第1基準面は、x軸とz軸とで形成される平面に平行な平面である。第1方向は、y軸に平行な方向である。y軸に沿った第1基準面の具体的な位置は、実際のニーズに従って設定することができる。例えば、第1基準面は、巡回溝300の横方向の対称面であってもよい。すなわち、第1基準面は、x軸とz軸とで形成される平面に平行な平面であり、かつ第1基準面は、軌道100の延在方向に垂直な方向における巡回溝300の中点に位置する。第2基準面は、x軸とy軸とで形成される平面に平行な平面である。第2方向はz軸に平行な方向である。z軸に沿った第2基準面の具体的な位置は、実際のニーズに従って設定することができる。例えば、巡回ロボット400の走行地面がx軸とy軸とで形成される平面に平行である場合、第2基準面は、巡回ロボット400が走行する地面であってもよい。第3基準面は、y軸とz軸とで形成される平面に平行な平面である。第3方向は、x軸に平行な方向である。x軸に沿った第3基準面の具体的な位置は、実際のニーズに従って設定することができる。例えば、第3基準面は、軌道100の延在方向における巡回溝300の開始位置にあってもよい。
基準座標に対する巡回ロボット400の姿勢オフセットは、巡回ロボット400の第1基準面に対して第1方向におけるオフセット、巡回ロボット400の第2基準面に対して第2方向におけるオフセット、巡回ロボット400の第3基準面に対して第3方向におけるオフセット、巡回ロボット400の第1方向回りの回転角度と、巡回ロボット400の第2方向回りの回転角度と、巡回ロボット400の第3方向回りの回転角度とを含むことができるが、これに限定されない。
本実施形態では、参考基準310と姿勢検出装置320との協働により、参考基準310に対する巡回ロボット400の距離情報を検出した後、処理装置330により巡回ロボット400の姿勢を検出する。参考基準310は、距離検出のために安定した正確な参考基準を提供するので、姿勢検出の精度を向上させ、後の巡回ロボット400の位置決めの精度を向上させる。
上記実施形態に基づき、図12及び図13を参照し、一実施形態では、基準座標は、第1基準面および第1方向を含む。参考基準310は、基準スケール311を含む。巡回ロボット400が走行する軌道100の一側には、軌道100の延在方向に沿って基準スケール311が取り付けられている。
図14を併せて参照し、姿勢検出装置320は、第1距離検出装置321を含む。第1距離検出装置321は、レーザ測距装置を含むが、これに限定されない。第1距離検出装置321は、巡回ロボット400の車体411の基準スケール311に近い側の第1位置に配置されている。第1位置は、実際のニーズに従って設定することができる。第1距離検出装置321は、基準スケール311に対する第1位置の第1方向の距離情報を検出し、第1検出距離を求める。第1距離検出装置321は、処理装置330と通信可能に接続されている。第1距離検出装置321により検出された第1検出距離は、処理装置330に送信される。
処理装置330は、第1検出距離に応じて、第1基準面に対する第1位置の第1方向の姿勢オフセットを算出する。処理装置330により第1基準面に対する第1位置の第1方向の姿勢オフセットを計算する方法は様々である。一実施形態では、処理装置330は、第1検出距離を取得し、第1基準面に対する基準スケール311の第1方向における距離情報を求めることで、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1方向における距離情報を算出し、第1距離情報を得る。さらに、処理装置330は、巡回ロボット400の第1記録情報を取得し、第1記録情報と第1距離情報とに基づいて、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1方向の姿勢オフセットを取得する。第1記録情報は、巡回ロボット400の車体411のエンコーダ等の位置取得モジュールによって取得されてもよい。
本実施形態では、第1距離検出装置321によって基準スケール311に対する巡回ロボット400の距離情報が検出された後、処理装置330により第1基準面に対する巡回ロボット400の第1方向の姿勢オフセットを算出する。本実施形態では、巡回ロボット400のy軸方向のオフセットを検出することが実現され、その後のy軸方向の位置付け及び校正に根拠が提供されることで、走行地面のむら、車輪の摩耗、ナビゲーションシステムのずれ等に起因する巡回ロボット400のy軸方向のずれをなくし、巡回の正確な位置付けを実現することができる。
一実施形態では、基準座標は、第2基準面および第2方向を含む。参考基準310は、基準斜面312をさらに含む。基準斜面312は、軌道100の延在方向に沿って巡回ロボット400が走行する地面から離れた基準スケール311の端部に設けられている。すなわち、基準斜面312は、基準スケール311の頂部に配置されている。また、基準斜面312は、基準スケール311に対して傾斜して配置されている。基準斜面312と基準スケール311との間の角度は、必要に応じて設定することができる。一つの具体的な実施形態では、基準斜面312と基準スケール311との間の角度は45°である。
姿勢検出装置320は、第2距離検出装置322をさらに含む。第2距離検出装置322は、巡回ロボット400の車体411の第2位置に配置されている。第2位置と第1位置とは、巡回ロボット400の車体411の同一面上に位置する。すなわち、第2位置も、車体411の基準スケールに近い側に配置されている。第2距離検出装置322は、レーザ測距装置を含むが、これに限定されない。第2距離検出装置322は、基準斜面312に対する第2位置の第1方向の距離情報を検出し、第2検出距離を求める。第2位置の具体的な設置は、第2距離検出装置322が基準斜面312に対する第2位置の第1方向の距離情報を検出できることを保証するように、基準斜面312の配置位置に応じて調整および決定することができる。例えば、第2位置は、第2距離検出装置322が基準斜面に対する第2位置の距離情報を検出することができるように、第1位置よりも上方に位置し、かつ基準斜面312の最下点よりも高いようにされる。
第2距離検出装置322は、処理装置330と通信可能に接続されている。処理装置330は、第1検出距離と第2検出距離とに基づいて、第2基準面に対する巡回ロボット400の第2方向の姿勢オフセットを算出する。
一例として、基準斜面312と基準スケール311との角度を45°とし、第1検出距離をy1、第2検出距離をy2とする。巡回ロボット400が第2基準面に対して第2方向にずれていない場合、第2検出距離y2=y1となり、第1検出距離と第2検出距離との差y1-y2はすなわち、第2基準面に対する巡回ロボット400のz軸方向における姿勢オフセットである。
本実施形態に係る巡回姿勢検出システム30は、第2距離検出装置322及び基準斜面312によって第2検出距離を検出することで、第2基準面に対する巡回ロボット400の第2方向における姿勢オフセットを算出することができる。本実施形態に係るシステムは、簡単かつ効果的であり、巡回ロボット400のz軸方向のオフセットを正確に検出して算出することができるため、車輪の摩耗や走行地面のむら等に起因する巡回ロボット400のz軸方向の誤差を解消することができる。
一実施形態では、第1位置及び第2位置は、第2基準面に垂直な直線上に位置する。すなわち、第1位置と第2位置とは、第2方向に平行な直線上に配置されていることで、第3方向における第1位置と第2位置との位置差がゼロとなる。したがって、y軸方向の姿勢オフセットを計算する際に、巡回ロボット400の車体の傾きに起因する影響がなくなり、z軸方向の姿勢オフセットの検出及び計算の精度が向上する。
一実施形態では、基準座標は第2方向を含む。姿勢検出装置320は、第3距離検出装置323をさらに含む。第3距離検出装置323は、巡回ロボットの第3位置に配置される。第3距離検出装置323は、レーザ測距装置を含むがこれに限定されない。第3距離検出装置323は、基準スケール311に対する第3位置の第1方向の距離情報を検出し、第3検出距離を求める。第3位置は、第1位置及び第2位置と同一平面上に位置する。第3位置と第1位置とは、それぞれ軌道100の延在方向に沿った異なる位置に配置されている。すなわち、第3位置と第1位置とは、第3座標軸上の座標値が異なる。第1位置と第3位置とは、巡回ロボット400の車体411側に前後になって配置されている。
第3距離検出装置323は、処理装置330と通信可能に接続されている。処理装置330は、第1検出距離と第3検出距離とに基づいて、巡回ロボット400の第2方向回りの回転角度を計算する。巡回ロボット400の第2方向回りの回転角度は、すなわち巡回ロボット400の車体411の傾斜角度である。
図15を参照し、第1検出距離をy1、第3検出距離をy3、第1位置と第3位置との距離をdとする。そして、(d、y3-y1)に基づいて、巡回ロボット400の第2方向回りの回転角度である、角1の角度を算出できる。
本実施形態では、第3距離検出装置323で第3検出距離を検出し、第1検出距離と第3検出距離とに基づいて、巡回ロボット400の第2方向回りの回転角度を算出する。これにより、走行地面のむら、車輪の摩耗、車輪のスリップ等に起因する巡回ロボット400の車体の傾きをなくし、位置決め精度を向上させることができる。
図12を参照し、一実施形態では、基準座標は、第3基準面および第3方向を含む。参考基準310は、基準スケール311を含む。基準スケール311はスケール情報を含む。姿勢検出装置320は、識別装置324をさらに含む。識別装置は、基準スケールのスケール情報を識別することで、第3基準面に対する巡回ロボットの第3方向における位置情報を取得するために用いられる。すなわち、識別装置324は、基準スケール311のスケール情報を識別して、巡回ロボット400の走行方向の位置情報を求めた後、第3基準面に対する巡回ロボット400の第3方向の位置情報を取得することができる。本実施形態に係るシステムによれば、巡回ロボット400の車輪スリップやナビゲーションシステムのずれ等に起因する、第3方向における実際の走行位置と目標位置との間のずれをさらに検出することができ、後の位置付け精度を向上させ、巡回作業の品質及び効率を向上させることができる。
基準スケール311と識別装置324との協働により位置情報を取得できる限り、基準スケール311のスケール情報の表示形態や識別装置324の具体的な構造は限定されない。一実施形態において、基準スケール311は、二次元コードテープである。二次元コードテープは、y軸情報とx軸情報とを含む。識別装置324は、画像取得装置である。画像取得装置は、カメラ等を含むが、これに限定されない。画像取得装置は、巡回ロボット400の車体411に設けられ、二次元コードテープの情報を取得して画像情報を取得する。姿勢検出装置320は、第1処理機構325をさらに含む。第1処理機構325は、画像取得装置と通信可能に接続されている。第1処理機構325は、画像情報を取得し、画像情報に基づいて、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1方向における位置情報と、第3基準面に対する巡回ロボット400の第3方向における位置情報とを取得する。すなわち、第1処理機構325は、画像取得装置324によって取得された二次元コードテープの情報に基づいて、現在の巡回ロボット400のy軸方向およびx軸方向の位置を取得する。二次元コードテープと画像取得装置によって情報を取得する場合には、第1距離検出装置321を設けなくてもよいことが理解されている。
本実施形態では、二次元コードテープと画像取得装置との協働により、巡回ロボット400のx軸方向及びy軸方向の位置を検出することができるので、巡回ロボット400のx軸方向及びy軸方向の姿勢オフセットを求めることができる。このような検出方法は簡単で正確である。
一実施形態において、基準スケール311は、二次元コードテープまたはバーコードテープである。識別装置324は、コードリーダである。コードリーダは、二次元コードテープまたはバーコードテープの情報を識別するために使用される。バーコードテープは、x軸情報を含む。姿勢検出装置320は、第2処理機構326をさらに含む。第2処理機構326は、コードリーダと通信可能に接続されている。第2処理機構326は、二次元コードテープまたはバーコードテープの情報に基づいて、第3基準面に対する巡回ロボット400の第3方向の位置情報を得るために用いられる。すなわち、二次元コードテープまたはバーコードテープにおけるx軸情報をコードリーダで読み取り、現在の巡回ロボット400のx軸方向の位置情報を得る。
本実施形態では、二次元コードテープまたはバーコードテープとコードリーダとの協働により、x軸方向において巡回ロボット400を検出することができるので、巡回ロボット400のx軸方向の姿勢オフセットを求めることができる。このような検出方法は簡単で正確である。
一つの実施形態では、姿勢検出装置320は、第4距離検出装置327をさらに含む。第4距離検出装置327は、巡回ロボット400の頂部に配置されている。第4距離検出装置327は、レーザ測距装置を含むがこれに限定されない。第4距離検出装置327を用いて、第4距離検出装置327に対する検出対象車両の底部の距離情報を検出し、第4検出距離を求める。第4距離検出装置327は、処理装置330と通信可能に接続されている。処理装置330は、第4検出距離に基づいて検出対象車両の姿勢オフセットを計算する。
第4検出距離は、すなわち検出対象車両の底部の高さ情報である。第4距離検出装置327は、巡回溝300内を連続的に移動することで、検出対象車両の底部の高さ情報曲線を取得する。また、巡回ロボット400の移動中に、識別装置324によって基準スケール311の情報を識別し、高さ情報に対応するx軸方向の位置情報を取得することで、検出対象車両の底部の高さおよび長さ曲線情報を取得することができる。処理装置330は、高さおよび長さ曲線情報に基づいて、検出対象車両の姿勢オフセットを計算する。検出対象車両の姿勢オフセットには、第2基準面に対する検出対象車両の第2方向における姿勢オフセットと、第3基準面に対する検出対象車両の第3方向における姿勢オフセット、すなわちz軸方向およびx軸方向における検出対象車両のオフセットとが含まれるが、これらに限定されるものではない。処理装置330による処理および計算のプロセスは、以下の方法の実施形態で例示される。
本実施形態では、第4距離検出装置327により検出対象車両の姿勢オフセットを検出することができるので、ナビゲーション誤差等に起因する検出対象車両のx軸方向の駐車ずれや、検出対象車両の車輪の摩耗に起因するz軸方向の姿勢ずれを解消することができ、位置決め精度を向上させることができる。
本願の一実施形態は、図16を参照し、軌道交通機関車巡回姿勢検出方法を提供する。上記巡回姿勢検出システム30は、姿勢検出に用いることができる。この方法は、コンピュータ装置によって実行される。コンピュータ装置は、軌道交通機関車巡回姿勢検出システム30における処理装置330であってもよく、制御装置600であってもよく、メモリ及びプロセッサを含み、コンピュータプログラムを実行可能な他のコンピュータ装置であってもよい。
上記方法は、S10~S30のステップを含む。
S10では、検出対象車両の基準座標に対する姿勢オフセットを取得し、車両姿勢オフセットを求める。
S20では、巡回ロボット400の基準座標に対する姿勢オフセットを取得し、ロボット姿勢オフセットを求める。
S30では、車両姿勢オフセットとロボット姿勢オフセットとに基づいて、軌道交通機関車の巡回作業の姿勢オフセットを求める。
基準座標の定義は、上記実施形態で説明した通りである。このように、第4距離検出装置327、処理装置330、識別装置324、第1処理機構325、第2処理機構326により、基準座標に対する検出対象車両の姿勢オフセットを検出することができる。このように、上記の第1距離検出装置321、第2距離検出装置322及び/又は第3距離検出装置323、処理装置330、識別装置324、第1処理機構325及び第2処理機構326により、基準座標に対する巡回ロボット400の姿勢オフセットを検出することができる。車両姿勢オフセットは、検出対象車両が規定の位置に駐車された後に求められ、コンピュータ装置のメモリに記憶されてもよい。ロボット姿勢オフセットは巡回ロボット400の巡回作業中にリアルタイムで求める。
コンピュータ装置は、車両姿勢オフセットとロボット姿勢オフセットとをそれぞれに求めた後、予め設定された方法に従って車両姿勢オフセットとロボットオフセットとを計算して処理することにより、巡回作業中の全体的な姿勢オフセット、すなわち軌道交通機関車巡回作業姿勢オフセットを求める。計算方法は、同一座標軸上の姿勢オフセットと、その他の関連する量との総和または重み付き総和を含むが、これらに限定されない。具体的な計算方法は、実際のニーズに応じて設定することができる。
軌道交通機関車巡回作業姿勢オフセットを制御装置600に送信する。制御装置600は、姿勢オフセットに応じて巡回ロボット400の走行方向をリアルタイムに校正して調整することにより、検出対象車両を正確に位置合わせして精確に検出することができる。
本実施形態では、車両姿勢オフセットとロボット姿勢オフセットとを求め、車両姿勢オフセットとロボット姿勢オフセットとに基づいて、軌道交通機関車巡回作業中の姿勢オフセットを求める。本実施形態に係る方法は、軌道交通機関車巡回作業中の巡回ロボット400の姿勢オフセットだけを考慮するのではなく、検出対象車両の姿勢オフセットをも考慮することにより、多くの態様で位置合わせ誤差をなくし、位置合わせ精度を向上させ、巡回効果を向上させる。
一つの実施形態では、基準座標は、第1基準面および第1方向を含み、S20は、S210~S230のステップを含む。
S210では、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1位置の第1方向の距離情報を取得し、第1距離情報を取得する。
第1距離情報の取得には、上記実施形態で第1距離検出装置321により第1位置と基準スケール311との距離を検出して第1検出距離を求めることが含まれるが、これに限定されない。さらに、第1距離情報は、第1基準面に対する基準スケール311の第1方向における距離と、第1検出距離とに基づいて計算される。もちろん、第1基準面を基準スケールとして設定してもよく、この場合、第1距離情報が第1検出距離となる。
第1距離情報は、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1位置の第1方向における実際の距離情報を表す。上記実施形態に続く、第1距離はすなわち、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1位置のy軸に沿った距離情報である。
S220では、第1基準面に対する第1位置の第1方向の記録情報を取得し、第1記録情報を取得する。
第1記録情報は、第1基準面に対する巡回ロボット400の第1位置の第1方向における理想位置または目標位置を表す。第1記録情報は、巡回ロボット400のエンコーダ等のナビゲーションモジュールによって取得することができる。
S230では、第1距離情報と第1記録情報とに基づいて、第1基準面に対する第1位置の第1方向の姿勢オフセットを算出する。計算方法は、両者の減算または比例係数付けの減算などを含むが、これらに限定されない。
本実施形態では、第1距離情報及び第1記録情報を取得することで、第1距離情報及び第1記録情報によって第1基準面に対する巡回ロボット400の第1位置の第1方向における姿勢オフセットを取得し、すなわち巡回ロボット400のx軸に沿った姿勢オフセットを取得する。
図18を参照し、一実施形態では、基準座標は、第2基準面および第2方向を含み、S20は、S240~S250のステップを含む。
S240では、基準斜面に対する巡回ロボット400の第2位置の第1方向の距離情報を取得し、第2距離情報を得る。基準斜面は、第2基準面に対して傾斜して設置されている。第1位置と第2位置とは、巡回ロボット400の同一面上に位置する。第1位置及び第2位置は、第2基準面に垂直な直線上に位置する。
S250では、第1距離情報と第2距離情報とに基づいて、第2基準面に対する巡回ロボット400の第2方向の姿勢オフセットを求める。
第2距離情報の取得と、第2基準面に対する巡回ロボット400の第2方向の姿勢オフセットの計算及び取得とは、前述の実施形態及び図14に示したものと同じである。その説明は、ここでは繰り返さない。
図19を参照し、一実施形態では、基準座標は第2方向を含む。S20は、S260~S270のステップを含む。
S260では、第1基準面に対する巡回ロボット400の第3位置の第1方向の距離情報を取得し、第3距離情報を取得する。第3位置と第1位置とは、巡回ロボット400の同一の面上に位置し、第1位置と第3位置とは、巡回ロボット400の軌道100の延在方向で異なる位置にそれぞれ配置されている。
S270では、第1距離情報と第3距離情報とに基づいて、巡回ロボット400の第2方向回りの回転角度を求める。
第3距離情報の取得は、第1距離情報の取得と類似である。第2方向回りの巡回ロボット400の回転角度の計算および取得は、上記実施形態および図15に示したものと同じである。その説明は、ここでは繰り返さない。
図20を参照し、一実施形態では、基準座標は、第2基準面、第3基準面、第2方向および第3方向を含む。S10は、S110~S130のステップを含む。
S110では、検出対象車両の底部の第3方向の各位置の、第2基準面に対する第2方向の距離情報を求め、第3基準面に対する検出対象車両の底部の第3方向の距離情報を求め、底部高さおよび長さ曲線情報を求める。
S120では、検出対象車両の底部の標準高さおよび長さ曲線情報を取得する。
S130では、車底高さおよび長さ曲線情報及び標準高さおよび長さ曲線情報に基づいて、検出対象車両の第2基準面に対する第2方向の姿勢オフセット及び検出対象車両の第3方向の姿勢オフセットを求める。
高さおよび長さ曲線情報は、実際の駐車位置に駐車されたときに、検出対象車両のx軸上の位置と、車底の各コンポーネントのz軸上の位置と、z軸上の位置とx軸上の位置との対応関係を示す。標準高さおよび長さ曲線情報は、正確な目標駐車位置に駐車されたときに、検出対象車両のx軸上の位置と、車底の各コンポーネントのz軸上の位置と、z軸上の位置とx軸上の位置との対応関係を示す。
図21を参照し、巡回ロボット400は、第4距離検出装置を搭載して検出対象車両の底面に沿って移動する。検出対象車両の車底の高さ情報を取得するとともに、識別装置324で基準スケール311の情報を識別することにより、検出対象車両の車底の各位置の第3基準面に対する第3方向における位置情報を取得することができる。これにより、高さおよび長さ曲線情報が得られる。
底部高さおよび長さ曲線情報と標準高さおよび長さ曲線情報との比較により、検出対象車両のz軸およびx軸に沿った駐車ずれを迅速に求めることができる。
例えば、図21において、比較図a、bから分かるように、z軸ずれはz1a-z1bであり、x軸ずれはx1a-0=x1aである。
本実施形態に係る方法は、検出対象車両の車底高さおよび長さ曲線情報及び標準高さおよび長さ曲線情報を取得することにより、検出対象車両のz軸方向の姿勢ずれ及びx軸方向の駐車ずれを迅速かつ正確に求めることができる。
実施形態では、S130は、S131~S133のステップを含む。
S131では、車底高さおよび長さ曲線情報に基づいて、検出対象車両のホイールセット位置の第1基準面に対する第1方向における距離情報を取得し、ホイールセット位置情報を取得する。
S132では、標準高さおよび長さ曲線情報に基づいて、検出対象車両のホイールセット位置の第1基準面に対する第1方向における標準距離情報を取得し、標準ホイールセット情報を取得する。
S133では、ホイールセット位置情報と標準ホイールセット位置情報とに基づいて、検出対象車両の第2基準面に対する第2方向における姿勢オフセットと、検出対象車両の第3基準面に対する第3方向における姿勢オフセットとを求める。
図21を参照し、図(a)によれば、ホイールセットの実際の駐車位置をx軸上の点x1a、その高さをz2aとして求めることができる。図(b)によれば、ホイールセットの理想的な駐車位置をx軸上の点x2b、その高さをz2bとして求めることができる。したがって、z軸に沿った検出対象車両のオフセットはz2a-z2bとなり、x軸に沿った検出対象車両のオフセットはx2a-x2bとなる。
本実施形態では、ホイールセットの位置を識別することにより、第2基準面に対する検出対象車両の第2方向の姿勢オフセットと、第3基準面に対する検出対象車両の第3方向の姿勢オフセットとを迅速かつ正確に求めることができ、姿勢オフセットの計算速度を向上させることができる。
一実施形態では、軌道交通機関車巡回装置10の制御装置600は、処理装置330と通信可能に接続されている。処理装置330の計算による、巡回ロボット400の基準座標に対する姿勢オフセット、検出対象車両の基準座標に対する姿勢オフセット及び/又は軌道交通機関車巡回作業の姿勢オフセットを制御装置600に送信する。制御装置600は、これらのオフセットに基づいて巡回ロボット400の走行を制御することにより、正確な位置合わせ及び正確な巡回を行う。
図22を参照し、本発明の一実施形態により、軌道交通機関車巡回システム1が提供される。軌道交通機関車巡回システム1は、上記のような軌道交通機関車巡回装置10と、スケジューリング装置20とを備える。巡回ロボット400は少なくとも2つある。スケジューリング装置20は、巡回ロボット400と通信可能に接続している。スケジューリング装置20は、巡回ロボット400のスケジューリングに用いられる。
軌道交通機関車巡回システム1は、複数の巡回ロボット400を備える。また、各軌道交通機関車装置10の制御装置600を個別に設けて、対応する巡回ロボット400を制御するようにしてもよい。また、1つの制御装置600で複数の巡回ロボットを制御してもよい。
同様に、スケジューリング装置20は、独立した装置であってもよく、制御装置600のモジュールであってもよい。スケジューリング装置20は、巡回作業要求及び巡回ロボット400の状態に応じて、各巡回ロボット400の作業順序及び走行経路を作成する。スケジューリング装置20は、巡回ロボット400の作業要求や作業状態に応じて昇降装置501の昇降を制御するために用いられてもよい。また、スケジューリング装置20は、巡回ロボット400の作業要求および作業状態に応じて、巡回補助装置900の作業を制御してもよい。
本実施形態では、スケジューリング装置20により、複数の巡回ロボット400の作業を制御するので、複数の巡回ロボット400が同時に巡回作業を行うことができ、巡回作業の時間が大幅に短縮され、巡回効率が向上する。
スケジューリング装置20が複数の巡回ロボット400を制御する形態は複数ある。一実施形態において、巡回ロボット400の各々は、必要に応じて複数の異なる検出装置430を備えることができる。スケジューリング装置20は、各巡回ロボット400の各々を制御して、一つの検出対象車両の複数の項目の検出をそれぞれ完了させる。すなわち、スケジューリング装置20は、各巡回ロボット400の各々を制御して、一つの検出対象車両が必要とする全ての項目の検出を完了させる。複数の巡回ロボット400は、複数の検出対象車両の検出を同時に完了する。本実施形態では、巡回ロボット400が横断軌道検出を行う必要がないので、巡回ロボット400の走行時間を節約し、検出効率を向上させることができる。
もう一つの実施形態では、複数の巡回ロボット400にそれぞれ異なる検出装置430を設ける。スケジューリング装置20は、巡回ロボット400の各々を制御して、複数の検出対象車両に対する1つの検出項目をそれぞれ完了させる。すなわち、複数の巡回ロボット400にそれぞれ異なる検出装置430を搭載し、異なる項目の検出を行う。複数の巡回ロボット400は同時に巡回作業を行い、各巡回ロボット400の各々は軌道を横切って複数の検出対象車両の検出を完了することにより、複数の検出対象車両の検出を同時に完了する。本実施形態では、各巡回ロボット400が検出装置430を交換する必要がないので、巡回ロボット400が検出装置430を交換するための時間とリソースを節約でき、巡回効率が向上する。
軌道交通機関車巡回装置10及び軌道交通機関車巡回システム1の作業過程について、以下に図面を組み合わせて説明する。
図23を参照し、軌道交通機関車巡回システム1は、M5(1)~M5(6)合計で6台の巡回ロボット400を含み、それぞれ位置P001-P006に駐車されている。軌道交通機関車巡回システム1は、さらに、位置P007、P008にそれぞれ駐車されるM6(1)、M6(2)という2つの巡回補助装置900を含む。図面では、Pxxxは位置を表する。破線で示すJ1~J6は、検出対象車両の異なる各車室である。M7(1)、M7(2)は昇降装置501である。昇降装置501がスケジューリング装置20と通信可能に接続されて、スケジューリング装置20により昇降装置501の昇降動作が制御されると仮定する。
以下は図面におけるP001-P186の位置を説明する。
P001-P006:検出対象車両の側方Lに配置される巡回ロボットM5(1)~M5(6)の待機位置。
P007~P008:検出対象車両の側方Lに配置される巡回補助装置M6(1)~M6(2)の待機位置。
P120:昇降装置M7(1)の昇降台上の点(車両の側方Lの中間の基準点)であって、検出対象車両の側方Lにおいて、巡回プラットホーム200が位置する平面と巡回溝300が位置する平面との間を移動する。
P110、P130:検出対象車両の側方Lの両端の基準点。
P114-P119、P121-P126:検出対象車両の各車室に対応する典型的な車両の側方Lの検出駐車点。
P150:巡回溝300内の中間基準点。
p140、p160:巡回溝300内の両端の基準点。
P144-P149、P151-P156:検出対象車両の各車室に対応する典型的な車底巡回溝の検出駐車点。
P180:昇降装置M7(2)の昇降台上の点(車両の側方Rの中間の基準点)であって、検出対象車両の側方において、巡回プラットホーム200が位置する平面と巡回溝300が位置する平面との間を移動する。
P170、P190:検出対象車両の側方Rの両端の基準点。
P174-P179、P181-P186:検出対象車両の各車室に対応する典型的な側方Rの検出駐車点。
一実施形態では、軌道交通機関車巡回システム1は、1つの巡回ロボット400を含み、巡回作業プロセスは、次のステップS101~S115を含む。
S101では、軌道交通機関車巡回装置10の各作業モジュールがセルフチェックして正常となり、各部の機能が待機する。
S102において、現場稼働状況検出装置700は、巡回現場の稼働状況パラメータを取得する。
具体的には、貯留液検出機構710は、巡回溝300における液体貯留状況を検出し、侵入検出コンポーネント730は、巡回現場における侵入の有無を検出する。異常があれば、現場稼働状況検出装置700または制御装置600が警報を発する。
また、検出対象車両在席検出コンポーネント720は、検出対象車両が所定の位置に駐車されているか否かを検出する。検出対象車両が所定の位置に駐車されていれば、イネーブル信号を起動する。
S103において、制御装置600は、現場稼働状況検出装置700の検出状況に基づいて作業起動の可否を確認し、肯定であれば起動信号を送信する。
S104において、スケジューリング装置20は、アクティベートされて待機している巡回ロボット400の情報を取得し、巡回ロボットM5(1)に巡回タスクを割り当て、作業制御命令を送信する。巡回タスクが、図面のP150におけるある巡回項目を完了することであると仮定する。
S105において、巡回ロボットM5(1)は、次の4つのステップで動作する。
1)スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)をP001からP120まで走行させるように制御する。準備が整ったら、巡回ロボットM5(1)はその状態をスケジューリング装置20にフィードバックする。
2)スケジューリング装置20は、「下降」の指示を昇降装置M7(1)に送信し、昇降装置M7(1)は下降動作を行い、規定の位置に到着すると、スケジューリング装置20にフィードバックする。
3)スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)に「P120->P150」の命令を送る。巡回ロボットM5(1)は、P150まで走行すると、巡回溝300に入り、その状態をスケジューリング装置20にフィードバックする。
4)スケジューリング装置20は、昇降装置M7(1)に「昇降」の指示を送り、昇降装置M7(1)は昇降動作を行う。
S106において、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)に「検出対象車両に対して位置付けして検出する」の指示を送り、巡回ロボットM5(1)は、「J4->J5->J6->J3->J2->J1」の方向に走行して計測を行い、検出対象車両の駐車ずれΔX及び部品の高さずれΔYnを求める。
S107において、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)に「検出対象車両に対して車底の検出を行う」の指示を送り、巡回ロボットM5(1)は、「P140->P150->P160」の方向に走行して、検出対象車両の車底の項目の検出を行う。
S108において、検出対象車両の車底の項目の検出作業は、次のステップを含む。
1)巡回ロボットM5(1)はP144で駐車し、制御装置600によって、巡回ロボットM5(1)のロボットアーム420の端部は予め決められた検出位置まで制御される。
2)ロボットアーム420の端部に設けられた検出装置430が作業を開始し、検出項目に関する関連情報を取得して制御装置600に送信する。
3)制御装置600は、関連情報を処理し、故障の有無を確認する。
4)巡回ロボットM5(1)は、次の検出駐車位置まで走行し、P140~P160における検出の必要がある位置に対応する検出作業が全て完了するまで、上記1)~3)のステップを繰り返す。
S109では、巡回ロボットM5(1)が検出対象車両の車底の検出作業を終了した後、P150に戻り、その状態を制御装置600にフィードバックする。
S110では、巡回ロボットM5(1)が現在P150に位置していると仮定して、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)に「P110におけるある項目の検出を完了する」という命令を送信し、以下のステップで行われる。
1)スケジューリング装置20は、「下降」の指示を昇降装置M7(1)に送り、昇降装置M7(1)は下降動作を行い、規定の位置に到着すると、スケジューリング装置20にフィードバックする。
2)スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)に「P150->P120」の命令を送る。巡回ロボットM5(1)がP120に移動すると、巡回溝300から出て制御装置600にその状態をフィードバックする。
3)制御装置600は、昇降装置M7(1)に「上昇」の指示を送り、昇降装置M7(1)は上昇動作を行い、規定の位置に到着すると、スケジューリング装置20にフィードバックする。
4)スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)に「P120->P110」の命令を送り、巡回ロボットM5(1)がP110に移動すると、動作が完了する。
S111において、巡回ロボットM5(1)は、P110~P130で検出対象車両の側方Lに対して検出作業を行うが、その処理はS108と類似であり、ここでは繰り返さない。巡回ロボットM5(1)は、検出を終了させた後、P130に到達する。
S112において、スケジューリング装置20は、「P130->P170動作を実行する」という指示を巡回ロボットM5(1)に送信し、以下のステップを含む。
1)スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)をP130からP120まで走行させる。巡回ロボットM5(1)は、規定の位置に到着すると、その状態をスケジューリング装置20にフィードバックする。
2)スケジューリング装置20は、昇降装置M7(1)、M7(2)に「下降」の指示を送り、昇降装置M7(1)、M7(2)は下降動作を行い、規定の位置に到着すると、スケジューリング装置20にフィードバックする。
3)スケジューリング装置20は、「P120->P180」の命令を巡回ロボットM5(1)に送る。巡回ロボットM5(1)は、P180まで走行すると、巡回溝300から出て、その状態をスケジューリング装置20にフィードバックする。
4)スケジューリング装置20は、昇降装置M7(1)と昇降装置M7(2)に「上昇」の指示を送り、昇降装置M7(1)と昇降装置M7(2)が上昇動作を行う。そして、昇降装置M7(1)及び昇降装置M7(2)は、規定の位置に到着すると、情報をスケジューリング装置20にフィードバックする。
5)スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)に「P180->P170」の命令を送り、巡回ロボットM5(1)がP170に移動すると、動作が完了する。
S113において、巡回ロボットM5(1)は、P170とP190との間で車両の側方Rの検出作業を行うが、その処理はS108と類似であり、ここでは繰り返さない。
S114において、上記巡回検出作業中又は巡回検出作業終了後に、検出装置430は、取得した情報を制御装置600に送信して処理させる。制御装置600は、故障情報をクライアントによって点検員にフィードバックして確認させる。故障のある部品を確認して、点検員に点検を促す。確認できない場合は、再検出してから再度確認することができる。再検出の過程は、前述の過程と類似である。
S115において、人工点検が終了した後、スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)を制御して点検された位置まで走行させ、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)を制御して、点検後の検出項目の情報を再取得して再記録させる。
軌道交通機関車巡回システム1が1台の巡回ロボット400を含む場合には、制御装置600によって走行経路の制御や巡回ロボット400の巡回作業の制御などを行うようにしてもよい。昇降装置501の昇降制御も、制御装置600によって行ってもよい。
もう一つの実施形態では、スケジューリング装置20は、3つの巡回ロボット400を同時に巡回作業させるようにスケジューリングし、巡回作業処理は、以下のS201~S206のステップを含む。
S201において、以下のS2011~S2016のステップを含む巡回作業前の検査及びタスク取得を行う。
S2011において、軌道交通機関車巡回システム1の各作業モジュールがセルフチェックして正常となり、各部の機能が整った。
S2012において、現場稼働状況検出装置700は、巡回現場の稼働状況パラメータを取得する。詳細はステップS102と同じである。
S2013において、制御装置600は、現場稼働状況検出装置700の検出状況に基づいて、作業起動の可否を確認し、肯定であれば、起動信号を送信する。
S2014において、スケジューリング装置20は、アクティベートされて待機している巡回ロボット400の情報を取得し、巡回ロボットM5(1)、M5(2)、M5(3)に巡回タスクを割り当て、作業制御命令を送信する。巡回タスクが次のように割り当てられていると仮定する。巡回ロボットM5(1)は、図中P150の第1巡回項目を完成する。巡回ロボットM5(2)は、図中のP110の第2巡回項目を完成する。巡回ロボットM5(3)は、図中のP170の第3巡回項目を完成する。
S2015において、巡回ロボットM5(1)、M5(2)、M5(3)は、スケジューリング装置20および制御装置600の指示に従って、それぞれP150、P110、P170に移動する。
S2016において、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)又はM5(2)又はM5(3)に「検出対象車両に対して位置付けして検出する」の指示を送り、巡回ロボットM5(1)又はM5(2)又はM5(3)は、「J4->J5->J6->J3->J2->J1」の方向に走行して計測を行う。検出対象車両の駐車ずれΔXと部品の高さずれΔYnを求める。
S202において、巡回ロボットM5(1)、M5(2)、M5(3)は、規定の位置に到着すると、情報を制御装置600にフィードバックする。
S203において、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)に「検出対象車両の車底を検出」の指示を送り、巡回ロボットM5(1)は、「P140→P150→P160」の方向に走行して、車底の項目検出を行う。
S204において、制御装置600は、巡回ロボットM5(2)に「側方Lで検出対象車両の検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(2)は、「P110->P120->P130」の方向に走行して、側方Lで項目検出を行う。
S205において、制御装置600は、巡回ロボットM5(3)に「側方Rで検出対象車両の検出を行う」指示を送信し、巡回ロボットM5(3)は、「P170->P180->P190」の方向に走行し、側方Rで項目検出を行う。
S206は、S114~S115と同じである。
一つの実施形態では、スケジューリング装置20は、6台の巡回ロボットM5が側方Lの検出対象車両の巡回作業を同時に行うようにスケジューリングし、以下のステップS211~S219を含む。
S211はステップS201と同じである。
S212において、上記S2014において、スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(1)に「P001->P110」を送信する。スケジューリング装置20は、「P002->P114」を巡回ロボットM5(2)に送信する。スケジューリング装置20は、「P003->P116」を巡回ロボットM5(3)に送信する。スケジューリング装置20は、「P004->P118」を巡回ロボットM5(4)に送信する。スケジューリング装置20は、巡回ロボットM5(5)に「P005->P123」を送信する。スケジューリング装置20は、「P006->P125」を巡回ロボットM5(6)に送信する。スケジューリング装置20は、「P144->P125」を巡回ロボットM5(6)に送信する。巡回ロボットの走行過程はS110と類似であり、規定の位置に到着すると、巡回ロボットは、その情報を制御装置600にフィードバックする。
S213において、制御装置600は、巡回ロボットM5(2)に「側方L-J1検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(2)は、「P114->P115」の方向に移動して側方L-J1項目検出を行う。
S214において、制御装置600は、巡回ロボットM5(3)に「検出対象車両にL-J2側方検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(3)は、「P116->P117」の方向に走行して側方L-J2項目検出を行う。
S215において、制御装置600は、巡回ロボットM5(4)に「検出対象車両に側方L-J3検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(4)は、「P118->P119」の方向に走行して側方L-J3項目検出を行う。
S216において、制御装置600は、巡回ロボットM5(1)に「検出対象車両に側方L-J4検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(1)は、「P121->P122」の方向に走行して側方L-J4項目検出を行う。
S217において、制御装置600は、巡回ロボットM5(5)に「検出対象車両に側方L-J5検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(5)は、「P123->P124」の方向に走行して側方L-J5項目検出を行う。
S218において、制御装置600は、巡回ロボットM5(6)に「検出対象車両に側方L-J6検出を行う」という指示を送信し、巡回ロボットM5(6)は、「P125->P126」の方向に走行して側方L-J6項目検出を行う。
S219はS114~S115と同じである。
一つの実施形態では、巡回ロボットM5(1)、M5(2)がドッキング装置440によって互いにドッキングし、位置P122、P123で協調作業を行う過程は、以下のステップS301~S04を含む。
S301において、巡回ロボットM5(1)が検出点P123に到達する。
S302において、巡回ロボットM5(2)は、検出点P122に到達し、リアルタイムドッキング装置440によってM5(1)に機械的に接続される。
S303において、巡回ロボットM5(1)とM5(2)は、プロセス要求に応じて相対位置が静止した状態で協働する。
S304において、巡回ロボットM5(1)、M5(2)の作業が完了した後、ドッキング装置440が接続を切断する。
一つの実施形態では、巡回補助装置M6(1)が巡回ロボットM5(1)に対して行う補助作業処理は、以下のステップS401~S403を含む。
S401において、巡回ロボットM5(1)は、ステップS108の検出作業中(駐車位置をP121とする)、ロボットアーム420の端部を所定の検出位置まで制御する。検出装置430は、検出作業を開始する。取得および検出が完了した後、別の検出を行うために、検出装置430を交換する必要がある。
S402において、スケジューリング装置20は、「位置P121でロボットアームの端部の検出装置を交換する」という指示を巡回補助装置M6(1)に送る。巡回補助装置M6(1)は、「P007→P121」の動作を行い、P007からP121に移動する。規定の位置に到着すると、巡回補助装置M6(1)がドッキング装置440によって巡回ロボットM5(1)とドッキングし、機械的な接続を実現する。完了後、状態が制御装置600にフィードバックされる。
S403において、制御装置600は、検出装置の交換を指示し、巡回ロボットM5(1)は、ロボットアーム420の端部の検出装置を、巡回補助装置M6(1)の工具ラック920における検出装置と交換する。完了後、巡回ロボットM5(1)は巡回補助装置M6(1)から離れ、巡回補助装置M6(1)は戻る。
一実施形態では、巡回補助装置M6(1)は、巡回ロボットM5(1)に補助緊急救出を提供し、これは、以下のステップS501~S506を含む。
S501において、巡回作業中、巡回ロボットM5(1)は、位置P121で故障に遭遇し、正常に作業できなくなる。スケジューリング装置20は、異常情報を取得すると、巡回ロボットM6(1)に「位置P121で救出」の指示を送る。
S502において、巡回ロボットM6(1)をP121に走行させ、故障している巡回ロボットM5(1)とドッキングして機械的及び電気的な接続を達成する。
S503において、巡回補助装置M6(1)によって巡回ロボットM5(1)を診断する。ソフトウェア故障であれば、巡回ロボットM5(1)のソフトウェアを修理して再起動させる。そして、巡回ロボットM5(1)が依然として故障状態にあるか否かを判定する。
S504において、ソフトウェア修理に失敗した場合には、巡回補助装置M6(1)によって巡回ロボットM5(1)の電気的接続をチェックする。電気的な故障であれば、巡回ロボットM5(1)の走行部の駆動制御モードを切り替えて、巡回ロボットM5(1)を自動的にメンテナンスエリアに走行させるようにしてもよい。
S505において、巡回ロボットM5(1)の駆動制御モードの切り替えに失敗すると、巡回ロボットM5(1)を直接メンテナンスエリアに押し込む。
S506において、巡回補助装置M6(1)を巡回ロボットM5(1)のドッキング装置440から切り離し、巡回補助装置M6(1)を復帰させる。
上記実施形態では本願のいくつかの実施形態のみを図示しており、その説明は比較的具体的かつ詳細であるが、本願の範囲の限定として理解すべきではない。なお、当業者であれば、本願の概念から逸脱することなく、当業者の保護の範囲内で、いくつかの変更、改良が可能である。したがって、本願の保護範囲は添付クレームに従うものである。
巡回プラットホーム200は、地面と面一する平面であってもよく、地面よりも高いまたは低い平面であってもよい。巡回プラットホーム200は、巡回に必要な装置の設置、その装置と巡回のスタッフとの走行に用いられる。軌道100は、平行な2本のレールを含む。軌道100のレールは、巡回プラットホーム200上に直接配置されてもよく、間隔を置いて配置される支柱や他の装置によって巡回プラットホーム200上に配置されてもよい。軌道100は1つのグループまたは複数のグループを設けてもよい。各グループの軌道100と対応して、巡回溝300が設けられている。巡回溝300は、巡回プラットホーム200から凹設された溝構造のピットである。巡回溝300は、軌道100の2本のレールの間に配置され、軌道100の延在方向に延在する。巡回溝300の大きさや凹みのサイズは、実際のニーズに応じて設定することができ、本発明で特に限定されない。検出対象車両は、軌道100上に駐車される。巡回プラットホーム200では、検出対象車両の側方を検出することができる。巡回溝300では、検出対象車両の車底を検出することができる。