JP2022513442A - 電界紡糸繊維を使用した慢性創傷の治療方法 - Google Patents

電界紡糸繊維を使用した慢性創傷の治療方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022513442000001
慢性創傷を治療する方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有する第1のスキャフォールドを創傷に適用する工程を有することができる。前記電界紡糸繊維は、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたポリマーを有することができる。第1のスキャフォールドは、約50μm~約1mmの厚さ、約1cm~約20cmの長さ、および約1cm~約15cmの幅を有することができる。本方法は、第1のスキャフォールドを慢性創傷に約3日~約21日の期間維持する工程をさらに含んでもよい。この期間が経過した後、慢性創傷は減少した平面面積を有することができる。
【選択図】図5B

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2018年12月11日に出願された"Methods of Using Electrospun Fibers to Affect the pH of Tissues"と題された米国仮出願シリアル番号62/778,024の優先権および利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
慢性創傷は、患者にとって深刻な健康上のリスクとなり、医療システム全体にとっても大きな負担となっている。慢性創傷は、その基礎となる生理学の研究が進み、治療用の製品が数多く開発されているにもかかわらず、医療上の大きな課題となっている。そのため、効率的で効果的な慢性創傷の治療方法が求められている。
この開示は、電界紡糸繊維を用いて慢性創傷を治療する方法、および身体の一部のpHに影響を与える方法に関する。いくつかの実施形態では、慢性創傷を治療する方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有する第1のスキャフォールドを創傷に適用する工程を有してもよい。電界紡糸繊維は、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを有することができる。第1のスキャフォールドは、約50μm~約1mmの厚さ、約1cm~約20cmの長さ、および約1cm~約15cmの幅を有していてもよい。本方法は、第1のスキャフォールドを慢性創傷に約3日~約21日の期間維持する工程をさらに含んでもよい。この期間が経過した後、慢性創傷は減少した平面面積を有することができる。
いくつかの実施形態では、身体の一部の初期pHに影響を与える方法は、電界紡糸ポリマー繊維を含むスキャフォールドを身体の一部に適用する工程と、前記スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを含んでもよい。前記副産物のpHは、前記身体の一部の初期pHとは異なっていてもよく、前記副産物を生成することで、前記身体の一部の初期pHを変化させ得る。
一実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させる方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを慢性創傷に適用する工程と、前記スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって乳酸などのα-ヒドロキシ酸を生成する工程とを有し得る。乳酸のpHは、前記慢性創傷の初期pHよりも低くてもよく、乳酸を生成することで、前記慢性創傷の初期pHを目標pHまで低下させ得る。特定の実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させることで、慢性創傷の治癒を促進または改善することができる。
一実施形態では、身体の一部の初期pHに影響を与える方法において使用するための、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドが提供されてもよく、この方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを身体の一部に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを有する。前記副産物のpHは、前記身体の一部の初期pHと異なっていてもよく、前記副産物を生成することで、前記身体の一部の初期pHを変化させ得る。
一実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させる方法において使用するための、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドが提供されてもよく、この方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを創傷に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを有する。前記副産物のpHは、前記創傷の初期pHと異なっていてもよく、副産物を生成することで、創傷の初期pHを変化させ得る。一実施形態では、前記副産物は、α-ヒドロキシ酸、または本明細書に記載されるような電界紡糸スキャフォールドの分解中に生成される他の酸である。一実施形態では、創傷は慢性創傷であってもよい。
一実施形態では、創傷の治癒を促進および/または改善する方法に使用するための、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドが提供されてもよく、この方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを創傷に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを有する。副産物のpHは、創傷の初期pHと異なっていてもよく、副産物を生成することで、創傷の初期pHが変化してもよい。実施形態では、副産物は、α-ヒドロキシ酸、または本明細書に記載されるような電界紡糸スキャフォールドの分解中に生成される他の酸である。実施形態では、創傷は、慢性創傷であってもよい。実施形態では、2つ以上のスキャフォールドを有するキットが提供され、各スキャフォールドは、副産物を生成するために分解することが可能な電界紡糸ポリマー繊維を有し、副産物のpHは創傷の初期pHと異なり、2つ以上のスキャフォールドはそれぞれ、異なる副産物を生成するように、異なる速度で分解するように、および/または異なる量の副産物を生成するように構成される。好適には、各スキャフォールドは、それぞれ異なるpHを有する副産物を生成し、各副産物は、創傷の初期pHよりも異なる量だけ低い。また、本明細書に記載の方法で使用するためのキットも含まれる。
図1は、2週間にわたるPBS溶液のpHに対する本明細書に記載のスキャフォールドの一実施形態の分解の影響を示すグラフである。 図2は、2週間にわたるPBS溶液中の本明細書に記載のスキャフォールドの一実施形態の質量の分解を示すグラフである。 図3Aは、0日目の褥瘡を示す。本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が、0日目の褥瘡に適用された。図3Bは、7日目の図3Aの褥瘡を示す。本明細書に記載されるスキャフォールドの別の実施形態が、7日目の褥瘡に適用された。図3Cは、42日目の図3Aの褥瘡を示す。図3Dは、完全な創傷閉鎖を伴う、77日目の図3Aの褥瘡を示す。図3Eは、完全な創傷閉鎖を維持した、91日目の図3Aの褥瘡を示す。 図4Aは、0日目の壊死性筋膜炎に起因する創傷を示す。本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態を、0日目の褥瘡に適用したものである。図4Bは、11日目の図4Aの創傷を示す図である。本明細書に記載のスキャフォールドの別の実施形態が、11日目の褥瘡に適用された。図4Cは、32日目の図4Aの創傷を示す。本明細書に記載のスキャフォールドの別の実施形態が、32日目の褥瘡に適用された。図4Dは、60日目の図4Aの創傷を示す。図4Eは、67日目の創傷を示しており、創傷の平面面積が0日目から96%減少している。 図5Aは、負傷した日の火傷を示す図である。図5Bは、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された、0日目の図5Aの傷を示す。図5Cは、7日目の図5Aの創傷を示す。図5Dは、創傷が治癒した18日目の図5Aの創傷を示す。図5Eは、組織再構築段階にある、19.5週間後の図5Aの創傷を示す。 図6Aは、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態を適用したときの0日目の潰瘍を示す。図6Bは、10日目の図6Aの創傷を示す。図6Cは、35日目に閉じられた図6Aの創傷を示す。図6Dは、50日目に図6Aの創傷が閉じたままであることを示す。 図7Aは、外科的切断の直後の創傷を示す。図7Bは、切断の45日後の図7Aの創傷を示す図である。図7Cは、切断から59日後の図7Aの創傷を示しており、この時、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された(スキャフォールド0日目)。図7Dは、スキャフォールド18日目の図7Aの創傷を示す。図7Eは、スキャフォールド25日目における図7Aの創傷を示す。図7Fは、スキャフォールド46日目における図7Aの創傷を示す。図7Gは、創傷閉鎖を伴うスキャフォールド88日目における図7Aの創傷を示す。 図8Aは、0日目の外傷を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図8Bは、35日目の図8Aの創傷を示す。図8Cは、62日目の図8Aの創傷を示す。図8Dは、創傷閉鎖を伴う77日目の図8Aの創傷を示す。 図9Aは、0日目の右足の潰瘍を示しており、この時、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図9Bは、13日目の図9Aの潰瘍を示す。図9Cは、28日目の図9Aの潰瘍を示しており、平面面積は0.10cmである(すなわち、91%の減少)。図9Dは、創傷閉鎖を伴う36日目の図9Aの潰瘍を示す。 図9Eは、0日目の左足の潰瘍を示しており、この時、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図9Fは、28日目の図9Eの潰瘍を示す。図9Gは、43日目の図9Eの潰瘍を示す。図9Hは、創傷閉鎖を伴う71日目の図9Eの潰瘍を示す。 図10Aは、0日目の潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図10Bは、7日目における図10Aの潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第2の実施形態が適用された。図10Cは、22日目の図10Aの潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第3の実施形態が適用された。図10Dは、28日目の図10Aの潰瘍を示し、創傷閉鎖を伴う。図10Eは、0日目の図10Aの潰瘍の再発を示しており、この時、本明細書に記載のスキャフォールドの別の実施形態が適用された。図10Fは、創傷閉鎖を伴う21日目の図10Eの再発した潰瘍を示す。 図11Aは、0日目の潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図11Bは、7日目の図11Aの潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第2の実施形態が適用された。図11Cは、14日目の図11Aの潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第3の第2の実施形態が適用された。図11Dは、創傷閉鎖を伴う42日目の図11Aの潰瘍を示す。 図12Aは、0日目の潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図12Bは、7日目における図12Aの潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第2の実施形態が適用された。図12Cは、14日目の図12Aの潰瘍を示す。図12Dは、創傷閉鎖を伴う49日目の図12Aの潰瘍を示す。 図13Aは、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された、0日目の創傷領域を示す。図13Bは、7日目における図13Aの創傷領域を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第2の実施形態が適用された。図13Cは、36日目における図13Aの創傷領域を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第6の実施形態が適用された。図13Dは、49日目における図13Aの創傷領域を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第8の実施形態が適用された。図13Eは、84日目における図13Aの創傷領域を示す。図13Fは、創傷閉鎖を伴う図13Aの創傷領域を示す。 図14Aは、0日目の潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図14Bは、7日目の図14Aの潰瘍を示す。図14Cは、11日目の図14Aの潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第2の実施形態が適用された。図14Dは、創傷閉鎖を伴う25日目の図14Aの潰瘍を示す。 図15Aは、0日目の潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図15Bは、13日目の図15Aの潰瘍を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第3の実施形態が適用された。図15Cは、20日目における図15Aの潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第4の実施形態が適用された。図15Dは、27日目の図15Aの潰瘍を示しており、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの第5の実施形態が適用された。図15Eは、創傷閉鎖を伴う41日目の図15Aの潰瘍を示す。 図16Aは、0日目の褥瘡を示し、このとき、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された。図16Aは、本明細書に記載のスキャフォールドの実施形態が適用された、0日目の褥瘡を示す図である。図16Bは、9日目における図16Aの褥瘡を示す。図16Cは、34日目における図16Aの褥瘡を示す。図16Dは、55日目における図16Aの褥瘡を示す。図16Eは、創傷閉鎖を伴う76日目の図16Aの褥瘡を示す。
本開示は、記載された特定のシステム、装置、および方法に限定されるものではなく、これらは変化する可能性があるためである。説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明することのみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
以下の用語は、本願の目的のために、以下に示すそれぞれの意味を持つものとする。特に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示に記載された実施形態が、先行発明のためにそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
本明細書では、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに他を指示しない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「繊維」への言及は、当業者などに知られている1つまたは複数の繊維およびその等価物への言及である。
本明細書で使用される用語「約」は、使用されている数値のプラスマイナス10%を意味する。したがって、約50mmとは、45mmから55mmの範囲内を意味する。
本明細書で使用される用語「からなる(consists of)」または「からなる(consisting of)」は、装置または方法が、特定の請求された実施形態または請求項に具体的に記載された要素、工程、または成分のみを含むことを意味する。
また、遷移句として、有する(comprising)という用語が用いられている実施形態または請求項では、「有する(comprising)」という用語を「からなる(consists of)」または「本質的にからなる(consisting essentially of)」という用語で置き換えることを想定することができる。
本明細書で使用される用語「改善する」は、本明細書の実施形態に記載されているような組織を治癒する方法が、それらが提供され、適用され、または投与される組織の外観、形態、特徴および/または物理的もしくは生化学的属性を変化させることを伝えるために使用される。適切には、そのような変化は、例えば、スキャフォールドが適用される組織の外観、形態、特性および/または物理的もしくは生化学的属性に関連して、有益な変化である。
本明細書で使用される用語「治癒する(heal)」、「治療する(treat)」、「治療される(treated)」、または、「治療する(treating)」は、治療的処置と予防的または防止的措置の両方を意味し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、または疾患を抑制、予防、または遅らせる(軽減する)こと、あるいは有益または所望の臨床結果を促進、改善、抑制、またはその他の方法で得ることである。本発明の目的において、有益なまたは所望の臨床結果には、創傷または損傷した組織の完全または部分的な治癒、創傷のサイズまたは平面面積の減少、創傷または損傷した組織の炎症の減少、さらなる創傷の発生または組織の損傷の防止、または痛みや腫れなどの症状の改善または緩和が含まれるが、これらに限定されない。創傷の治癒または治療を促進するとは、スキャフォールドを使用しない場合の発症率と比較して、上記のような有益な効果の発症率を高めることを意味する。
「創傷に適用する」とは、スキャフォールドを創傷の全部または一部に接触させるあらゆる方法を意味する。適用には、創傷の表面にスキャフォールドを配置すること、および/または傷口と接触するように体内にスキャフォールドを移植することを含み得る。好適には、スキャフォールドと創傷との間で直接接触させるが、例えば、介在する材料、物質または組成物が存在する場合には、間接的に接触させることも想定されている。
本明細書で使用される用語「対象」は、ヒト、非ヒトの脊椎動物、および野生動物、家畜、農場動物などの動物を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、「対象」という用語は、哺乳類を指す。いくつかの実施形態では、「対象」という用語は、ヒトを指す。「組織」は、対象内の任意の細胞または細胞の集合体を含み得る。
本明細書で使用される用語「創傷」および「損傷した組織」は、互換的に使用することができる。傷や損傷を受けた組織は、体の内外を問わず、対象者の体内のどこにあってもよい。創傷または損傷した組織の部分は、外傷、手術、圧力、摩擦、または非外傷的な出来事の結果として発生することがある。
本明細書で使用される場合、本明細書で「非治癒創傷」という用語と交換可能に使用され得る「慢性創傷」という用語は、同じ種類の典型的な創傷よりも治癒が遅い創傷または組織の損傷部分を表す。例えば、慢性創傷は、典型的な創傷が治癒するような整然とした段階で治癒しない可能性がある。また、慢性創傷は、様々な理由により、予想される期間内に治癒しないこともある。言い換えれば、慢性創傷とは、炎症期などの治癒の特定の段階に長く留まる可能性があるものである。慢性創傷の一例としては、創傷が発生してから3ヶ月以内に治癒しないものが挙げられる。慢性創傷は、圧迫、外傷および/または下肢創傷、細菌負荷の増加、過剰なプロテアーゼ、分解された成長因子、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、分解された細胞表面構造、老化した/異常な細胞、および不適切な治療を含む要因によって生じる可能性がある。慢性創傷の例には、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、および、褥瘡などの潰瘍、虚血、および放射線中毒に起因する創傷が含まれる。
電界紡糸繊維
電界紡糸は、ポリマー溶液を繊維に加工するために使用される方法である。得られる繊維の直径がナノメートルスケールである場合、その繊維はナノ繊維と呼ばれることがある。繊維は、マンドレルや集電器などの様々な受容面を使用して、様々な形状に形成することができる。いくつかの実施形態では、シートまたはシート状の繊維型、繊維スキャフォールドおよび/またはチューブ、または管状格子などの平らな形状を、実質的に円形または円筒形のマンドレルを使用して形成してもよい。特定の実施形態では、電界紡糸繊維を繊維型としてマンドレルから切断および/または繰り出して、シートを形成してもよい。得られた繊維型または形状は、フィルターなどを含む多くの用途に使用することができる。
電界紡糸法は、ポリマー注入システムとマンドレルとの間に高い直流電圧電位を印加することにより、ポリマー溶液から繊維を紡ぐことを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電荷が、電界紡糸システムの1つまたは複数の構成要素に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、電荷は、マンドレル、ポリマー注入システム、またはそれらの組み合わせもしくは部分に適用されてもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、ポリマー溶液がポリマー注入システムから排出されると、電荷にさらされることにより不安定化すると考えられる。不安定化した溶液は、電荷を帯びたマンドレルに引き寄せられる可能性がある。不安定化した溶液がポリマー注入システムからマンドレルに移動すると、その溶媒が蒸発し、ポリマーが伸びて、マンドレルに堆積する細長い繊維が残ることがある。ポリマー溶液は、ポリマー注入システムから放出されて電荷にさらされると、テイラーコーンを形成することがある。
特定の実施形態では、第1のポリマーを有する第1のポリマー溶液および第2のポリマーを有する第2のポリマー溶液をそれぞれ別個のポリマー射出システムで実質的に同時に使用して、第2のポリマーを有する1つまたは複数の電界紡糸繊維と交差した第1のポリマーを有する1つまたは複数の電界紡糸繊維を製造してもよい。このようなプロセスは、「共紡糸(co-spinning)」または「共電界紡糸(co-electrospinning)」と呼ばれることがあり、このようなプロセスによって製造されたスキャフォールドは、共紡糸または共電界紡糸スキャフォールドと記載されることがある。したがって、本明細書で言及される共紡糸または共電界紡糸スキャフォールドは、第1のポリマーを有する1つまたは複数の電界紡糸繊維が、第2のポリマーを有する1つまたは複数の電界紡糸繊維と散在されて構成されていてもよい。第1および第2のポリマーは、本明細書に記載されている通りであってもよい。
ポリマー注入システム
ポリマー注入システムは、ある程度の量のポリマー溶液を大気中に放出し、注入システムからマンドレルへのポリマー溶液の流れを可能にするように構成された任意のシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、繊維に形成されるべきポリマー溶液の制御された体積流量を有する連続的または直線的な流れを供給してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、繊維に形成されるべきポリマー溶液の可変ストリームを供給してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、複数の繊維に形成されるべきポリマー溶液の断続的なストリームを送出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、手動または自動制御下のシリンジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、個別のまたは組み合わせた手動または自動制御下にある複数のシリンジおよび複数の針または針状部品を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マルチシリンジポリマー注入システムは、複数のシリンジおよび複数の針または針状の構成要素を含んでもよく、各シリンジは同じポリマー溶液を含んでいる。いくつかの実施形態では、マルチシリンジポリマー注入システムは、複数のシリンジおよび複数の針または針状の構成要素を含み、各シリンジは異なるポリマー溶液を含むことができる。いくつかの実施形態では、電荷は、ポリマー注入システム、またはその一部に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、電荷は、ポリマー注入システムの針または針のような構成要素に適用されてもよい。
いくつかの実施形態では、ポリマー溶液は、針1本あたり約5mL/時以下の流量でポリマー注入システムから排出されてもよい。他の実施形態では、ポリマー溶液は、約0.01mL/時~約50mL/時までの範囲の針あたりの流量でポリマー注入システムから排出されてもよい。ポリマー溶液が針ごとにポリマー注入システムから排出される流量は、いくつかの非限定的な例では、約0.01mL/時、約0.05mL/時、約0.1mL/時、約0.5mL/時、約1mL/時、約2mL/時、約3mL/時、約4mL/時、約5mL/時、約6mL/時、約7mL/時、約8mL/時、約9mL/時、約10mL/時、約11mL/時、約12mL/時、約13mL/時、約14mL/時、約15mL/時、約16mL/時、約17mL/時、約18mL/時、約19mL/時、約20mL/時、約21mL/時、約22mL/時、約23mL/時、約24mL/時、約25mL/時、約26mL/時、約27mL/時、約28mL/時、約29mL/時、約30mL/時、約31mL/時、約32mL/時、約33mL/時、約34mL/時、約35mL/時、約36mL/時、約37mL/時、約38mL/時、約39mL/時、約40mL/時、約41mL/時、約42mL/時、約43mL/時、約44mL/時、約45mL/時、約46mL/時、約47mL/時、約48mL/時、約49mL/時、約50mL/時、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の任意の範囲であってもよい。
ポリマー溶液がポリマー注入システムからマンドレルに向かって移動すると、得られる繊維の直径は約100nmから約1500nmの範囲になる。電界紡糸繊維の直径の非限定的な例としては、約100nm、約150nm、約200nm、約250nm、約300nm、約350nm、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、約750nm、約800nm、約850nm、約900nm、約950nm、約1,000nm、約1,050nm、約1,100nm、約1,150nm、約1,200nm、約1,250nm、約1,300nm、約1,350nm、約1,400nm、約1,450nm、約1,500nm、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、電界紡糸繊維の直径は、約300nm~約1300nmであってもよい。一実施形態では、電界紡糸繊維の直径は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の任意の範囲であってもよい。
ポリマー溶液
いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、ポリマー溶液で満たされてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー溶液は、1つまたは複数のポリマーを有してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー溶液は、熱の適用によってポリマー液体に形成された流体であってもよい。ポリマー溶液または得られる電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、非吸収性ポリマー、吸収性ポリマー、天然ポリマー、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ポリマーは、例えば、ナイロン、ナイロン6,6、ポリカプロラクトン、ポリエチレンオキシドテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンオキシドテレフタレート-co-ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、シリコーン、ポリカーボネート、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリグリセロールセバケート、ポリジオキサノン、ポリヒドロキシブチレート、ポリ-4-ヒドロキシブチレート、トリメチレンカーボネート、ポリジオール、ポリエステル、コラーゲン、ゼラチン、フィブリン、フィブロネクチン、アルブミン、ヒアルロン酸、エラスチン、キトサン、アルギン酸、シルク、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせを含むことができる。一実施形態では、ポリマーの組み合わせは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド-co-グリコリド、およびポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)から選択されるポリマーを含んでもよい。一実施形態では、ポリマーの組み合わせは、ポリグリコール酸およびポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。
また、ポリマー溶液または得られる電界紡糸ポリマー繊維は、非吸収性ポリマー、再吸収性ポリマー、および天然由来のポリマーの1つ以上を任意の組み合わせまたは組成比で含んでいてもよいことが理解されるであろう。代替的な実施形態では、ポリマー溶液または得られる電界紡糸ポリマー繊維は、2つ以上の非吸収性ポリマー、2つ以上の吸収性ポリマー、または2つ以上の天然由来のポリマーの組み合わせを含んでもよい。いくつかの非限定的な例では、ポリマー溶液または得られる電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、約5%~約90%の重量パーセント比を有し得る。そのような重量パーセント比の非限定的な例としては、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約33%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約66%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の範囲を含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリマー溶液は、1つまたは複数の溶媒を有し得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、例えば、ポリビニルピロリドン、ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、ナセトニトリル、ヘキサン、エーテル、ジオキサン、酢酸エチル、ピリジン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、酢酸、ジメチルアセトアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、水、アルコール類、イオン性化合物、またはこれらの組み合わせを有し得る。溶媒または溶媒中のポリマーまたはポリマーの濃度範囲は、限定されるものではないが、約1重量%から約50重量%であり得る。溶液中のポリマー濃度のいくつかの非限定的な例は、約1重量%、3重量%、5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の範囲を含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリマー溶液または得られた電界紡糸ポリマー繊維は、さらに追加の材料を含み得る。そのような追加材料の非限定的な例は、放射線不透過性材料、造影剤、導電性材料、蛍光材料、発光材料、抗生物質、成長因子、ビタミン、サイトカイン、ステロイド、抗炎症薬、小分子、糖、塩、ペプチド、タンパク質、細胞因子、DNA、RNA、非侵襲的イメージングを助ける他の材料、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、放射線不透過性材料は、例えば、バリウム、タンタル、タングステン、ヨウ素、ガドリニウム、金、白金、ビスマス、またはビスマス(III)酸化物を含むことができる。いくつかの実施形態では、導電性材料は、例えば、金、銀、鉄、またはポリアニリンを含み得る。
ある実施形態では、ポリマー溶液または得られた電界紡糸ポリマー繊維は、薬剤を有し得る。薬剤は、例えば、組織の細胞変化に影響を与えるための化合物を有する任意の剤であり得る。いくつかの実施形態では、薬剤は医薬品であってもよい。特定の実施形態では、薬剤は、例えば、抗増殖性化合物、血管拡張剤、血管収縮剤、鎮痛剤、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、薬剤は、パクリタキセル、シロリムス、またはそれらの任意の組み合わせから選択される抗増殖性化合物を有し得る。他の実施形態では、薬剤は、miRNA、遺伝子ベクター、ペプチド、幹細胞、タンパク質、リガンド、脂質、またはそれらの任意の組み合わせから選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、追加の材料および/または薬剤は、ポリマー溶液中または得られる電界紡糸ポリマー繊維中に、ポリマー質量の約1重量%~約1500重量%の量で存在し得る。いくつかの非限定的な例では、追加の材料は、ポリマー溶液または得られる電界紡糸ポリマー繊維中に、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約100重量%、約125重量%、約150重量%、約175重量%、約200重量%、約225重量%、約250重量%、約275重量%、約300重量%、約325重量%、約350重量%、約375重量%、約400重量%、約425重量%、約450重量%、約475重量%、約500重量%、約525重量%、約550重量%、約575重量%、約600重量%、約625重量%、約650重量%、約675重量%、約700重量%、約725重量%、約750重量%、約775重量%、約800重量%、約825重量%、約850重量%、約875重量%、約900重量%、約925重量%、約950重量%、約975重量%、約1000重量%、約1025重量%、約1050重量%、約1075重量%、約1100重量%、約1125重量%、約1150重量%、約1175重量%、約1200重量%、約1225重量%、約1250重量%、約1275重量%、約1300重量%、約1325重量%、約1350重量%、約1375重量%、約1400重量%、約1425重量%、約1450重量%、約1475重量%、約1500重量%、または終点を含むこれら2つの値の間の任意の範囲の量で存在してもよい。
ポリマー溶液中のポリマーの種類によって、電界紡糸された繊維の特性が決まり得る。一部の繊維は、生体安定性があり、移植されても吸収性や生分解性がないポリマーで構成されていてもよい。そのような繊維は、移植されたままの期間、一般的に化学的に変化しない状態を維持することができる。あるいは、繊維は、時間の経過とともに、ゆっくりと、急速に、またはゆっくりと急速の間の任意の速度で吸収または生体分解される可能性があるポリマーで構成されていてもよい。さらに、ポリマー溶液およびその結果として得られる電界紡糸繊維は、1種類以上のポリマーで構成されていてもよく、そこに含まれる各ポリマーは、生体安定性、生分解性、または生体吸収性などの特定の特性を有していてもよいことが理解されよう。好適には、本発明のスキャフォールドにおいて、少なくとも1種類の繊維が、移植または創傷に適用されたときに生分解または吸収される。好適な実施形態では、スキャフォールド中の2種類以上の繊維が、移植または創傷に適用されたときに生分解または吸収される。好適な実施形態では、スキャフォールドは、移植または創傷に適用されたときに生分解または吸収される繊維のみで構成されていてもよい。
電界紡糸構成要素への電荷の適用
電界紡糸システムでは、1つまたは複数の電荷が、例えばマンドレルやポリマー注入システムなどの1つまたは複数の構成要素、または構成要素の一部に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、正の電荷が、ポリマー注入システム、またはその一部に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムまたはその一部に負の電荷を適用してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システム、またはその一部は、接地され得る。いくつかの実施形態では、正の電荷をマンドレルまたはその一部に適用してもよい。いくつかの実施形態では、マンドレル、またはその一部に負の電荷を適用してもよい。いくつかの実施形態では、マンドレルまたはその一部を接地してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構成要素またはその一部が、同じ電荷を受けてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の構成要素またはその一部が、1つまたは複数の異なる電荷を受けてもよい。
電界紡糸システムの任意の構成要素またはその一部に適用される電荷は、終点を含めて、約-15kVから約30kVであってもよい。いくつかの非限定的な例では、電界紡糸システムの任意の構成要素またはその一部に適用される電荷は、約-15kV、約-10kV、約-5kV、約-4kV、約-3kV、約-1kV、約-0.01kV、約0.01kV、約1kV、約5kV、約10kV、約11kV、約11.1kV、約12kV、約15kV、約20kV、約25kV、約30kV、または終点を含むこれらの値の任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、電界紡糸システムの任意の構成要素、またはその一部が接地されている。
電界紡糸中、いくつかの実施形態では、マンドレルは、ポリマー注入システムに対して動くことができる。いくつかの実施形態では、ポリマー注入システムは、マンドレルに対して動くことができる。別の電界紡糸構成要素に対する1つの電界紡糸構成要素の動きは、例えば、実質的に回転、実質的に並進、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、電界紡糸システムの1つまたは複数の構成要素は、手動制御の下で動いてもよい。いくつかの実施形態では、電界紡糸システムの1つまたは複数の構成要素は、自動制御の下で動いてもよい。いくつかの実施形態では、マンドレルは、1つまたは複数のモーターまたは動作制御システムを使用して動くことができる支持構造体と接触しているか、またはその上に取り付けられていてもよい。マンドレル上に堆積した電界紡糸繊維のパターンは、ポリマー注入システムに対するマンドレルの1つ以上の動きに依存してもよい。いくつかの実施形態では、マンドレルの表面は、その長軸を中心に回転するように構成されていてもよい。非限定的な一例では、直線軸に沿った移動速度よりも速い長軸の回転速度を有するマンドレルは、マンドレルに巻線を形成して電界紡糸繊維をほぼらせん状に堆積させることができる。別の例では、直線軸に沿った並進速度が回転軸に沿った回転速度よりも速いマンドレルは、マンドレルのライナー範囲に沿って電界紡糸繊維をほぼ直線的に堆積させることができる。
電界紡糸繊維を用いた慢性創傷の治療方法
この開示は、電界紡糸繊維を用いて慢性創傷を治療する方法に関する。本明細書に記載された装置および方法は、任意の医療処置に適用することができ、本明細書に記載された例は非限定的であることを理解することができる。
慢性創傷を治療する方法は、本明細書に記載されるような電界紡糸繊維を採用してもよい。いくつかの実施形態では、慢性創傷を治療する方法は、本明細書に記載されるような電界紡糸繊維を含むスキャフォールドを慢性創傷に適用する工程を有し得る。特定の実施形態において、電界紡糸繊維は、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを有し得る。一実施形態では、電界紡糸ポリマーは、ポリグリコール酸からなる第1の繊維と、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)からなる第2の繊維とを有し、本明細書に記載されているように、第1の繊維と第2の繊維とが共紡糸されている。
特定の実施形態では、スキャフォールドは、約50μm~約1mmの厚さを有していてもよい。スキャフォールドの厚さは、例えば、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、約400μm、約450μm、約500μm、約550μm、約600μm、約650μm、約700μm、約750μm、約800μm、約850μm、約900μm、約950μm、約1mm、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、スキャフォールドは、約1cm~約20cmの長さを有してもよい。スキャフォールドの長さは、例えば、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、スキャフォールドは、約1cm~約20cmの幅を有してもよい。スキャフォールドの幅は、例えば、約1cm、約2cm、約3cm、約4cm、約5cm、約6cm、約7cm、約8cm、約9cm、約10cm、約11cm、約12cm、約13cm、約14cm、約15cm、約16cm、約17cm、約18cm、約19cm、約20cm、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
慢性創傷を治療する方法は、第1のスキャフォールドを慢性創傷に一定期間維持する工程をさらに有してもよい。いくつかの実施形態では、期間は、約3日~約21日であってもよい。期間は、例えば、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
特定の実施形態では、期間が経過した後、慢性創傷の平面面積が減少する。慢性創傷の平面面積の減少は、慢性創傷の治療に対応する。慢性創傷は、例えば、約1%~約100%の平面面積の減少を有していてもよい。平面面積の減少は、例えば、約1%、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に記載されるような第2のスキャフォールドを慢性創傷に適用する工程をさらに有してもよい。本方法は、本明細書に記載されるように、第2のスキャフォールドを慢性創傷に第2の期間維持する工程をさらに有してもよい。第2の期間の後、慢性創傷は、減少した平面面積を有していてもよい。
特定の実施形態では、本明細書に記載の別のスキャフォールドを適用する工程は、第3のスキャフォールド、第4のスキャフォールド、第5のスキャフォールド、第6のスキャフォールド、などで繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、慢性創傷に合うようにスキャフォールドをトリミングまたは成形する工程、または単一の慢性創傷を覆うために複数のスキャフォールドを使用する工程も有してよい。
組織のpHに影響を与えるために電界紡糸繊維を使用する方法
理論に縛られることなく、傷や損傷した組織は、健康な無傷の組織とは異なるpHを有することがある。例えば、慢性的な皮膚の創傷は、約7.0~約9.0の範囲のアルカリ性のpHを有することが多い。一方、健康な皮膚は、約4.0~約6.0の範囲の弱酸性のpHを有している。さらに、一般的な創傷のpHは、傷が治るにつれて徐々に低下する。したがって、創傷や損傷した組織のpHを低下させることで、創傷の治癒を改善および/または促進することができる。しかし、創傷や損傷した組織のpHを下げることは,慎重に、かつ制御された方法で行わなければならない。そのため、組織の治癒を促進するために、組織のpHに適切に影響を与え、場合によってはpHを低下させる方法が求められている。理論に縛られることなく、電界紡糸ポリマー繊維からなるスキャフォールドは、これらの方法に適していると考えられる。なぜなら、繊維は制御された予測可能な速度で分解し、特定のポリマーは分解して乳酸などの酸性副産物を生成するためである。他の酸性副産物は、乳酸、グリコール酸、カプロン酸、乳酸塩、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせなどのα-ヒドロキシ酸を含み得る。これらの利点は、細胞や成長因子の保持量の増加など、スキャフォールド使用の他の利点によって増強されてもよい。
理論に拘束されることを望むものではないが、そのようなスキャフォールドを用いて所定の組織、創傷、または損傷部位のpHを低下させることは、多くの有益な効果をもたらす可能性がある。そのようなプロセスは、例えば、標的領域内のコラーゲン沈着を増加させ、血管新生を増加または促進し、内皮前駆細胞動員を増加させ、強力な成長因子(例えば、VEGF、TGF-β、インターロイキンなど)の存在を増加させ、局所的な酸素分圧を増加させ、ボーア効果を介して利用可能な酸素を増加させ、細菌の酵素および代謝物の毒性を低下させ、異常なコラーゲンの破壊を強化し、マクロファージおよび線維芽細胞の活性を増加させ、感染に対する免疫力を向上させることができる。したがって、本発明はまた、標的領域内のコラーゲン沈着を増加させる方法、血管新生を増加または促進させる方法、内皮前駆細胞動員を増加させる方法、強力な成長因子の存在(例えば、VEGF、TGF-β、インターロイキンなど)の存在を増加させる方法、局所酸素分圧を増加させる方法、標的領域内のボーア効果により利用可能な酸素を増加させる方法、細菌の酵素や代謝物の毒性を低減させる方法、異常コラーゲンの破壊を促進する方法、マクロファージおよび線維芽細胞の活性を高める方法、および/または感染症に対する免疫力を向上させる方法であって、これらの方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを身体の一部に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを有する。副産物のpHは、身体の一部の初期pHと異なっていてもよく、副産物を生成することで、身体の一部の初期pHが変化してもよい。本方法は、本明細書に記載されている通りであってもよい。また、上述の方法のいずれか1つ以上で使用するための、本明細書に記載のスキャフォールドを提供する。スキャフォールドは、本明細書に記載されている通りであってもよい。
したがって、このようなスキャフォールドを使用して、体内の組織のpHに影響を与えることができる。そのような方法は、身体の一部内の組織の「初期pH」、すなわち、本明細書に記載の方法が実行される前の組織のpHを変化させるために使用されてもよい。ここで、pHに「影響を与える」とは、身体の一部内の組織の初期pHを変化させる工程、好適には身体の一部内の組織のpHを低下させる工程を含む。pHは、スキャフォールドが組織と接触したままである限り、少なくとも影響を受け得る。いくつかの実施形態では、身体の一部の初期pHに影響を与える方法は、本明細書に記載されるような、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを身体の一部に適用する工程を含んでもよい。一実施形態において、身体の一部は、創傷、組織、またはそれらの任意の組み合わせを有し得る。特定の実施形態では、身体の一部は、慢性創傷を有し得る。
いくつかの実施形態では、電界紡糸ポリマー繊維は、本明細書に記載された任意のポリマーを有し得る。特定の実施形態では、電界紡糸ポリマー繊維は、分解中に酸性副産物を生成する任意のポリマーを有し得る。いくつかの実施形態では、電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを有し得る。一実施形態では、電界紡糸ポリマー繊維は、第1の繊維と第2の繊維とを有していてもよく、第1の繊維と第2の繊維とは共紡糸されている。特定の実施形態では、第1の繊維はポリグリコール酸を有し得るものであり、第2の繊維はポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得るものである。理論に拘束されることを望むものではないが、このような実施形態は、その二成分の性質が、(副産物の迅速な初期放出のための)迅速に分解する繊維と(副産物の持続的な放出のための)よりゆっくりと分解する繊維とを組み合わせることができるため、特に有益であると考えられる。
本明細書に記載のスキャフォールドは、任意の適切な形態を採用することができる。例えば、スキャフォールドは、繊維を有する電界紡糸またはその他の方法で製造された材料として、織物の形態であってもよい。スキャフォールドは、孔、ポケット、空隙、穴、空間などを有するメッシュ構造であってもよい。あるいは、スキャフォールドは、ブロックポリマー、ポリマーシート、または形成されたポリマースキャフォールドなどのメッシュではない構造であってもよい。スキャフォールドは、メッシュ構造と非メッシュ構造の組み合わせを有していてもよい。スキャフォールドは、特定の組織内またはその周囲に適合するように構成された任意の適切なサイズおよび形状であってよく、例えば、シートまたはシート状の繊維成形体、繊維スキャフォールドおよび/またはチューブ、または管状格子などの平坦な形状である。スキャフォールドは、剛性のある形状を有していてもよいし、適用される身体の部分に合わせて成形または形成される柔軟な形状を有していてもよい。繊維は連続していても、短い断片であってもよい。繊維は、実質的に平行であっても、ランダムに配列されていても、ハッチングのように定義された構成であってもよい。繊維の断片は、球状、楕円状、球状、扁平な円柱状など、さまざまな形状の集合体(クラスター)を形成することがある。
いくつかの実施形態では、身体の一部の初期pHに影響を与える方法は、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成することをさらに有してもよい。理論に拘束されることを望まないが、分解は、スキャフォールドを身体の一部と物理的に接触させるだけで発生してもよい。この部分は、創傷を含んでいてもよいし、創傷に隣接する組織を含んでいてもよい。特定の実施形態では、副産物は酸性副産物であってもよい。一実施形態では、副産物は、哺乳類細胞が乳酸に変換する副産物であってもよい。副産物は、例えば、乳酸、グリコール酸、カプロン酸、乳酸塩、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせなどのα-ヒドロキシ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、副産物は、約3.0~約4.0のpHを有してもよい。副産物は、例えば、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、または終点を含むこれらの値の任意の2つの間の任意の範囲のpHを有してもよい。
いくつかの実施形態では、副産物のpHは、身体の一部の初期pHと異なっていてもよい。特定の実施形態では、副産物のpHは、身体の一部の初期pHより低くてもよく、他の実施形態では、副産物のpHは、身体の一部の初期pHより高くてもよい。特定の実施形態では、副産物は、酸性の副産物であってもよい。いくつかの実施形態では、副産物は、1つまたは複数のα-ヒドロキシ酸であってもよい。一例では、副産物は、約3.5のpHを有する乳酸を有していてもよい。いくつかの実施形態では、身体の一部の初期pHは、例えば、約7.0~約9.0であってもよい。このような例では、副産物(乳酸;pH約3.5)のpHは、身体の一部の初期pH(約7.0~約9.0)よりも低くなる。身体の一部のpHは、例えば、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、または終点を含むこれらの値の任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、副産物を生産することで、身体の一部の初期pHを変化させることができる。すなわち、いくつかの例では、身体の一部と物理的に連絡する副産物の生産は、単にその接近によって身体の一部のpHを変化させてもよい。いくつかの実施形態では、副産物を生産することで、身体の一部の初期pHを身体の一部の目標pHに変化させてもよい。pHの変化は、増加であってもよいし、減少であってもよい。特定の例では、身体の一部の目標pHは、その身体の一部が健康で無傷であるときの、正常、平均、または典型的な任意のpHであってもよい。いくつかの実施形態では、目標pHは、約4.0~約6.0であってもよい。目標pHは、例えば、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法の工程によって、一定期間にわたって目標pHに到達してもよい。特定の実施形態では、目標pHに到達し得る期間は、約1時間~約24時間であってもよい。期間は、例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の任意の範囲であってもよい。
いくつかの実施形態では、スキャフォールドの少なくとも一部の分解を許容する工程は、一定期間にわたって行われてもよい。特定の実施形態では、スキャフォールドの一部を分解させることができる期間は、約1時間~約14日であってもよい。期間は、例えば、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、または終点を含むこれらの値の任意の2つの間の範囲であってもよい。本明細書で言及されている迅速に分解する繊維は、約1時間~約3日の期間内に分解してもよい。この期間は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約2日、約3日、または終点を含むこれらの値のいずれか2つの間の任意の範囲であってもよい。本明細書で言及されている緩慢に分解する繊維は、約3日~7日またはそれ以上の期間、例えば最大14日、または終点を含むこれらの値のうちの任意の2つの間の任意の範囲内で分解することができる。
一実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させる方法は、本明細書に記載されるような電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを慢性創傷に適用する工程を有し得る。いくつかの実施形態では、本方法は、スキャフォールドの少なくとも一部を本明細書に記載のように分解させ、それによって副産物、好適には乳酸などのα-ヒドロキシ酸を含む本明細書に記載の酸性副産物を生成する工程をさらに含んでもよい。一実施形態では、乳酸のpHは、本明細書に記載の慢性創傷の初期pHより低くてもよい。いくつかの実施形態では、乳酸などの酸性副産物を産生することで、本明細書に記載されているように、慢性創傷の初期pHを目標pHまで低下させることができる。
一実施形態では、例えば、慢性創傷の初期pHは、本明細書に記載されているように、約7.0~約9.0であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載されているように、目標pHは、約4.0~約6.0であってもよい。いくつかの実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させる方法を実行することで、本明細書に記載されているように、慢性創傷の治癒を促進、増強、または改善することができる。
一実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させる方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを慢性創傷に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって乳酸などのα-ヒドロキシ酸を含む本明細書に記載の酸性副産物を生成する工程とを有し得る。α-ヒドロキシ酸のpHは、慢性創傷の初期pHよりも低くてもよく、α-ヒドロキシ酸を生成することで、慢性創傷の初期pHを約4.0、約5.0、または約6.0の目標pHまで低下させてもよい。特定の実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させることで、慢性創傷の治癒を促進または改善することができる。好適には、電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを有し得る。好適には、電界紡糸されたポリマー繊維は、ポリグリコール酸および/またはポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。好適には、第1のポリマー繊維がポリグリコール酸を有し、第2のポリマー繊維がポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。好適には、酸性副産物は、乳酸などのα-ヒドロキシ酸である。繊維の直径は、約1μm~約100μmの範囲内であってもよい。好適には、繊維の直径は、約1μm~約5μmの範囲であってもよい。好適には、第1の電界紡糸繊維は1時間~3日以内に分解してもよく、第2の電界紡糸繊維は3日~7日またはそれ以上に分解してもよい。好適には、スキャフォールドは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、または約24時間で、目標pHへのpHの低下を提供するように構成されてもよい。好適には、創傷は潰瘍であってもよい。
一実施形態では、身体の一部の初期pHに影響を与える方法に使用するための、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドが提供されてもよく、この方法は、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを身体の一部に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させる工程と、それによって副産物を生成する工程とを有する。副産物のpHは、身体の一部の初期pHと異なっていてもよく、副産物を生成することで、身体の一部の初期pHが変化してもよい。好適には、電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを有し得る。好適には、電界紡糸されたポリマー繊維は、ポリグリコール酸および/またはポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。好適には、第1のポリマー繊維がポリグリコール酸を有し、第2のポリマー繊維がポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。好適には、酸性副産物は、乳酸などのα-ヒドロキシ酸である。繊維の直径は、約1μm~約100μmの範囲内であってもよい。特定の実施形態では、繊維の直径は、約1μm~約5μmの範囲内であってもよい。好適には、第1の電界紡糸繊維は、1時間~3日以内に分解してもよく、第2の電界紡糸繊維は、3日~7日以上にわたって分解してもよい。好適には、スキャフォールドは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、または約24時間で、目標pHへのpHの低下を提供するように構成されてもよい。好適には、創傷は潰瘍であってもよい。
一実施形態では、慢性創傷の初期pHを低下させる方法に使用するための、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドが提供されてもよく、この方法は、スキャフォールドを創傷に適用する工程、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを有する。副産物のpHは、創傷の初期pHと異なっていてもよく、副産物を産生することで創傷の初期pHを変化させてもよい。いくつかの実施形態では、副産物は、酸性の副産物であってもよい。特定の実施形態では、副産物は、α-ヒドロキシ酸であってもよい。一実施形態では、副産物は、乳酸、または本明細書に記載されるような電界紡糸スキャフォールドの分解中に生成される他の酸である。実施形態では、創傷は、慢性創傷であってもよい。好適には、電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを有してもよい。好適には、電界紡糸されたポリマー繊維は、ポリグリコール酸および/またはポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を含んでいてもよい。好適には、第1のポリマー繊維がポリグリコール酸を有し、第2のポリマー繊維がポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。好適には、酸性副産物は、乳酸などのα-ヒドロキシ酸である。繊維の直径は、約1μm~約100μmの範囲内であってもよい。特定の実施形態では、繊維の直径は、約1μm~約5μmの範囲内であってもよい。好適には、第1の電界紡糸繊維は、1時間~3日以内に分解してもよく、第2の電界紡糸繊維は、3日~7日以上にわたって分解してもよい。好適には、スキャフォールドは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、または約24時間で、目標pHへのpHの低下を提供するように構成されてもよい。好適には、創傷は潰瘍であってもよい。
一実施形態では、創傷の治癒を促進および/または改善する方法に使用するための、電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドが提供されてもよく、この方法は、スキャフォールドを創傷に適用する工程と、スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程とを有する。副産物のpHは、創傷の初期pHとは異なっていてもよく、副産物を生成することで、創傷の初期pHを変化させてもよい。実施形態では、副産物は、乳酸などのα-ヒドロキシ酸、または本明細書に記載されるような電界紡糸スキャフォールドの分解中に生成される任意の他の酸である。実施形態では、創傷は慢性創傷であってもよい。好適には、電界紡糸ポリマー繊維は、例えば、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、またはそれらの組み合わせを有し得る。好適には、電界紡糸されたポリマー繊維は、ポリグリコール酸および/またはポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を含んでいてもよい。好適には、第1のポリマー繊維がポリグリコール酸を有し、第2のポリマー繊維がポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有し得る。好適には、酸性副産物は、乳酸などのα-ヒドロキシ酸である。繊維の直径は、約1μm~約100μmの範囲内であってもよい。特定の実施形態では、繊維の直径は、約1μm~約5μmの範囲内であってもよい。好適には、第1の電界紡糸繊維は、1時間~3日以内に分解してもよく、第2の電界紡糸繊維は、3日~7日以上にわたって分解してもよい。好適には、スキャフォールドは、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、または約24時間で、目標pHへのpHの低下を提供するように構成されてもよい。好適には、創傷は潰瘍であってもよい。
実施例
実施例1:局所環境に対するスキャフォールドの影響
本明細書に記載されているスキャフォールドがその局所環境に及ぼす影響を評価するために、20mm×150mmの試験管5本に、それぞれ11.25gの脱イオン水、1.25gの10倍濃度のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、および0.013gのアジ化ナトリウムを入れた。各試験管を軽く撹拌して内容物を混合した。その後、試験管を37℃に設定したインキュベーションチャンバー内の試験管ラックに入れ、温度を上昇させた。校正された温度プローブを用いて、各試験管の温度が37±1℃であることを確認した。
本明細書に記載のスキャフォールドであって,電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維が、ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているものを各試験管に入れた。各スキャフォールドの大きさは7.5cm×5cmで、溶液1mLあたり表面積6cm(スキャフォールドの両面をカウント)の投与量を達成するように選択されたサイズであった。各スキャフォールドの繊維の直径は,約1μm~約3μmであった。
各溶液のpHは、スキャフォールドを設置した直後(t=0時間)と,スキャフォールドを設置してからt=6時間後、t=24時間後、t=30時間後、t=49時間後、t=54時間後、t=72時間後、およびt=78時間後にそれぞれ測定した。各測定の前にpHメーターを較正した。その結果、表1に示すようなpH測定値が得られた。
Figure 2022513442000002
溶液の平均pHは、スキャフォールドを設置してからt=0時間後の7.63±0.01からt=78時間後の5.91±0.13まで低下した。したがって、スキャフォールドは各PBS溶液のpH低下を引き起こした。
実施例2:スキャフォールドの制御された分解
上記の実施例1に記載されたものと同様のインビトロ分解試験では、2週間の間に局所環境のpHが7.4から4.75に低下し、2週間でスキャフォールドの質量が40%減少することが示されている。図1は、2週間にわたるPBS溶液のpHに対する本明細書に記載のスキャフォールドの分解の影響を示すグラフである。同様に、図2は、2週間にわたるPBS溶液中での本明細書に記載のスキャフォールドの質量の分解を示すグラフである。
実施例3:事例研究:褥瘡
下肢麻痺のある90歳の白人男性が,4ヶ月以上経過した右足踵の褥瘡を呈した。さらに、来院時には2.2cmの穴が上内側に観察された。高度な治療を受けたにもかかわらず、対象者は骨髄炎を発症し、外科的なデブリードマンが必要となった。本明細書に記載の第1のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているものを、0日目(外科的デブリードマンの7日後)に創傷に適用した。数日以内に強固な肉芽組織が認められた。
本明細書に記載の第2のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているスキャフォールドを、7日目に創傷に適用し、加速的な進行を続けた。42日目には、平面面積が70%減少したことが確認された。77日目には完全な創傷閉鎖が達成され、91日目および121日目にも維持された。
図3Aは、0日目の褥瘡を示しており、その平面面積は11.8cmである。図3Bは、7日目の同じ褥瘡を示しており、平面面積は11.3cmである(すなわち、4%減少)。図3Cは、42日目の褥瘡を示しており、平面面積は3.6cm(すなわち、70%減少)である。図3Dは、完全な創傷閉鎖を伴う、77日目の褥瘡を示す。図3Eは、完全な創傷閉鎖が維持された、91日目の領域を示す。要約すると、本明細書に記載された2つのスキャフォールドを用いて、創傷ケアの最良の実施と組み合わせて、11週間以内に創傷閉鎖が達成された。この創傷閉鎖は、他の先進的な治療法が失敗した後に達成された。
実施例4:事例研究:壊死性筋膜炎
高血圧症および2型糖尿病を有する57歳の男性被験者が、仙骨での転倒から3週間後に壊死性筋膜炎と診断された。対象者は広範囲の外科的デブリードマンと抗生物質による治療を必要とした。その結果、傷は右鼠径部の上部から会陰部を経て肛門周囲にまで及んでいた。さらに、対象者は大きな痛みを訴えていた。本明細書に記載の第1のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているものを、0日目に創傷の前方側面に適用した。7日目には、被験者は痛みがかなり減少したことを報告し、健康な肉芽組織が創傷床で発達していることが観察された。
電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている、本明細書に記載の第2のスキャフォールドを、11日目に創傷に適用した。32日目には、前部創傷の平面面積が77%減少したことが観察された。本明細書に記載の第3のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を含み、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を含み、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているスキャフォールドを、32日目に創傷に適用した。67日目までに、前部創傷の平面面積のさらなる有意な減少が達成された。
図4Aは、0日目の傷の前方部分を示しており、平面面積は256.9cmである。図4Bは、11日目の創傷を示しており、その平面面積は115.7cmである(すなわち、55%減少)。図4Cは、32日目の創傷を示しており、その平面面積は58.4cm(すなわち、77%減少)である。図4Dは、60日目の創傷を示しており、その平面面積は29.8cm(すなわち、88%減少)である。図4Eは、67日目の創傷を示しており、平面面積は11.4cm(すなわち、96%減少)である。要約すると、この被験者は、本明細書に記載されているように3つのスキャフォールドを使用し、創傷ケアの最良の実施と組み合わせて、10週間以内に顕著な進歩を遂げた。
実施例5:II度熱傷
50歳の女性が、前腕部に6日間の急性II度熱傷を負った。ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている、電界紡糸ポリマー繊維を有する、本明細書に記載のスキャフォールドを、外傷後6日目(0日目)の傷に適用した。このスキャフォールドの上に非付着性の滅菌ガーゼパッドを置き,両者を包帯で固定した。患者は、スキャフォールドを装着した後、すぐに痛みが軽減したと報告した。7日目、創傷は良好に治癒していることが確認された。創傷は18日以内に治癒した。
図5Aは、負傷した日の創傷を示す。図5Bは、スキャフォールドを適用した0日目の創傷を示す。図5Cは、7日目の創傷を示し、図5Dは、創傷が治癒した18日目の創傷を示す。図5Eは、19.5週間後の、組織再構築段階の創傷を示す。
実施例6:シャルコー・マリー・トゥース病を合併した褥瘡
シャルコー・マリー・トゥース(CMT)病、末梢神経障害、神経学的問題を抱えた66歳の男性が、0日目に左第5中足骨上の足底圧迫性潰瘍で来院した。創傷の大きさは3.3cm×3.3cm×0.2cmであった。鋭利なデブリードマンを行った後、ベカプレルミンゲル(組換えPDGF)と、本明細書に記載のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているスキャフォールドを適用した。この患者はトータルコンタクトキャストの候補ではなかったため、ボルスターパッドを使用して負荷を軽減した。10日目には、創傷の大きさが28%減少し、創傷の大きさは2.8cm×2.8cm×0.2cmとなった。35日目には創傷は完全に閉じられた。さらに50日目の評価では、創傷は閉じたままで、健康な組織再構築が続いていることが認められた。
図6Aは、0日目の潰瘍を示しており、平面面積は10.89cmである。第1のスキャフォールドが0日目に適用された。図6Bは、10日目の傷を示しており、その平面面積は7.84cmである(すなわち、28%減少)。図6Cは、35日目に創傷が閉じた状態を示しており、図6Dは、50日目に創傷が閉じたままの状態を示している。
要約すると、この患者は第一選択の治療法として本明細書に記載のスキャフォールドを受け、第1、第2、第3のスキャフォールドを適用して5週間で創傷閉鎖が達成された。
実施例7:外科的創傷
54歳の男性が、左足の中足骨切断(TMA)後に来院した。第0日目の創傷の平面面積は17.2cmであった。治療プロトコルは、標準的なケア、迅速なデブリードマン、水分管理、多層圧縮、遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)、トータルコンタクトキャスティングであった。創傷が2ヶ月間で32%の面積減少しか示さなかった後、本明細書に記載の電界紡糸ポリマー繊維を有する第1のスキャフォールドであって、前記電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている、第1のスキャフォールドを適用した(0日目)。7日目までに、健全な肉芽組織の形成が観察された。18日目に、第2のスキャフォールドと第3のスキャフォールドを適用したところ、創傷面積が52%減少し、治癒の促進が観察された。合計6個のスキャフォールドを装着したところ、88日目には創傷閉鎖が達成された。
図7Aは、切断手術直後の創部を示しており、平面面積は17.2cmである。図7Bは、切断から45日後の創傷を示しており、平面面積は16.68cmである(すなわち、3%減少)。図7Cは、切断から59日後の創傷を示しており、平面面積は11.7cm(すなわち、32%減少)である。59日目に第1のスキャフォールドを装着し、0日目に日数カウントを再開した。第2のスキャフォールドおよび第3のスキャフォールドを、0日目から18日目の間に適用した。図7Dは、18日目の創傷を示しており、平面面積は5.57cm(すなわち、52%減少)であった。18日目に4つ目のスキャフォールドが適用された。図7Eは、25日目の創傷を示しており、その平面面積は4.57cm(すなわち、61%減少)である。25日目に5つ目のスキャフォールドが適用された。図7Fは、46日目の創傷を示しており、その平面面積は3.32cm(すなわち、72%減少)である。図7Gは、創傷閉鎖を伴う88日目の創傷を示している。
以下の表2は、本明細書に記載のスキャフォールドの適用前と適用後の患者の治癒状況をまとめたものである。
Figure 2022513442000003
実施例8:外傷性損傷
10歳の女性が、馬からの転落により、左前内側の脚に外傷を負った。この患者の損傷は、圧迫損傷に相当する組織損傷と大きな裂傷であった。受傷日から2週間後、患者は失敗したフラップ修復のために広範な外科的デブリードマンを必要とし、HBOTとNPWTが開始された。負傷から1ヶ月後(手術から2週間後)、本明細書に記載のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているスキャフォールドが適用された。HBOTとNPWTは継続された。この患者は順調に経過し、77日目に1つのスキャフォールドのみの適用で創傷閉鎖を達成した。
図8Aは、スキャフォールド0日目の創傷を示しており、平面面積は39cmである。0日目の創傷にスキャフォールドが適用された。図8Bは、35日目の創傷を示しており、平面面積は14.9cmである(すなわち、62%減少)。図8Cは、62日目の創傷を示しており、平面面積は1cm以下である(すなわち、99%減少)。図8Dは、創傷閉鎖を伴う77日目の創傷を示している。
実施例9:シャルコー関節を合併した両側の神経障害性糖尿病性足潰瘍
53歳の男性が、両側の糖尿病性足潰瘍(DFU)、シャルコー神経障害性骨関節症の既往(右足)、BMI 33.4を呈した。潰瘍は8週間の抗生物質投与、アルギン酸銀の投与、Crowe Walker(登録商標)によるオフロードに失敗した(右足)。右足の創傷面積は、本明細書に記載のスキャフォールドを用いた2週間の治療後に70%減少した。このスキャフォールドは、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維は、ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維は共紡糸されている。36日目に創傷閉鎖が達成された。本明細書に記載のスキャフォールドを用いた4週間の治療後、左足の創傷面積が62%減少した。このスキャフォールドは、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維は、ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている。創傷閉鎖は71日目に達成された。
図9Aは、0日目の右足の潰瘍を示しており、その平面面積は1.09cmであった。図9Bは、13日目の右足の潰瘍を示しており、その平面面積は0.33cmである(すなわち、70%減少)。図9Cは、28日目の右足の潰瘍を示しており、その平面面積は0.10cmである(すなわち、91%減少)。図9Dは、創傷閉鎖を伴う36日目の右足の潰瘍を示している。
図9Eは、0日目の左足の潰瘍を示しており、その平面面積は3.78cmである。図9Fは、28日目の左足の潰瘍を示しており、平面面積は1.48cmである(すなわち、62%減少)。図9Gは、43日目の左足の潰瘍を示し、平面面積は1.03cm(すなわち、73%減少)である。図9Hは、創傷閉鎖を伴う71日目の左足の潰瘍を示している。
実施例10:混合病因の血管潰瘍
再発性下腿潰瘍の既往があり、2型糖尿病、うっ血性心不全、末梢動脈疾患、末梢神経障害、高血圧などの複数の合併症を有する66歳の男性が、3.3×6.2×0.2cmの右下腿静脈潰瘍を発症した。ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリラクチド-co-カプロラクトンを有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている、電界紡糸ポリマー繊維を有する本明細書に記載のスキャフォールドを、ベカプレンミンゲル(遺伝子組換えPDGF)とともに、0日目に第一選択療法として適用した。7日目には、創傷の大きさが33%減少し、2.5×5.5×0.1cmになったと確認された。さらに2枚のスキャフォールドを貼り付けて28日後には創傷閉鎖が達成された。閉鎖の1週間後、患者は1.1×1.1×0.1cmの再発を示した。4枚目のスキャフォールドを装着し、3週間で創傷閉鎖が達成された。
図10Aは、0日目の潰瘍を示しており、平面面積は20.46cmである。第1のスキャフォールドが0日目に適用された。図10Bは、7日目の潰瘍を示しており、その平面面積は13.75cmである(すなわち、33%減少)。第2のスキャフォールドが7日目に適用された。図10Cは、22日目の潰瘍を示しており、その平面面積は12.6cmである(すなわち、38%減少)。第3のスキャフォールドが22日目に適用された。図10Dは、28日目の潰瘍を示しており、創傷が閉じている。図10Eは、0日目の潰瘍の再発を示しており、平面面積は1.21cmである。図10Fは、創傷閉鎖を伴う21日目に再発した潰瘍を示す。
実施例11:神経障害性糖尿病性足潰瘍
51歳の男性が、左足足底面外側の外傷性穿刺傷が原因で、2ヶ月以上続く慢性糖尿病性足潰瘍(DFU)を呈した。この患者には、末梢神経障害、高血圧、BMI40、骨髄炎の既往があり、第5中足骨頭の切除後、6週間の抗生物質の静脈内投与が行われた。本明細書に記載のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているものを、術後8週間後に適用した。合計3つのスキャフォールドを適用したところ、6週間で傷が治癒した。
図11Aは、0日目の潰瘍を示しており、平面面積は2.44cmである。第1のスキャフォールドは0日目に適用された。図11Bは、7日目の潰瘍を示しており、その平面面積は1.75cmである(すなわち、28%減少)。第2のスキャフォールドが7日目に適用された。図11Cは、14日目の潰瘍を示しており、平面面積は1.38cmである(すなわち、43%減少)。第3のスキャフォールドが14日目に適用された。図11Dは、創傷閉鎖を伴う42日目の潰瘍を示している。
実施例12:外傷を伴う糖尿病性足潰瘍
1型糖尿病、多発性硬化症、レイノー病の既往がある40歳の女性が、4週間前に転倒した後、創傷ケアクリニックを受診した。徹底的なデブリードマンの後、本明細書に記載されているような電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを適用した。電界紡糸ポリマー繊維は、ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている。傷の深さは、治療後1週間で目に見えて減少した。2週間の治療と2つのスキャフォールドの適用により,平面面積は43%減少した。治療開始から49日後には創傷が閉じた。
図12Aは、0日目の潰瘍を示しており、平面面積は1.63cmである。第1のスキャフォールドは0日目に適用された。図12Bは、7日目の潰瘍を示しており、その平面面積は1.51cmである(すなわち、7%減少)。第2のスキャフォールドが7日目に適用された。図12Cは、14日目の潰瘍を示しており、平面面積は0.86cmである(すなわち、43%減少)。図12Dは、創傷閉鎖を伴う49日目の潰瘍を示している。
実施例13:虚血性、神経障害性糖尿病性足潰瘍
2型糖尿病,重度の末梢動脈疾患で血流状態が著しく悪く、末梢神経障害を有する74歳の男性が、4週間にわたり標準治療を受けられず、左足に5個の虚血性糖尿病性足指潰瘍を発症した。事前の診察では、壊疽した第2趾と第4趾の切断を勧められていた。傷の面積は合計で26.18cmであった。0日目に鋭いデブリードマンが行われ、本明細書に記載のスキャフォールドが適用された。このスキャフォールドは、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている。7日目までに、外反母趾と第5趾の傷の上皮化が達成され、合わせて傷の面積が44%減少した。36日目には、外反母趾と第5趾の傷は上皮化したままであり、合計傷面積は64%減少した。患者はスキャフォールドによる治療に引き続き良好な反応を示し、12週間後には複合創傷面積が85%減少した。最初に壊疽を起こした2本の足指を閉鎖することで、22週間後には複合創傷面積の100%減少を達成した。
図13Aは、0日目の創傷領域を示す。第1のスキャフォールドが0日目に適用された。図13Bは、7日目の創傷領域を示しており、平面面積が44%減少している。7日目に2番目のスキャフォールドが適用された。第3、第4、および第5のスキャフォールドが、7日目から36日目の間に適用された。図13Cは、36日目の創傷領域を示しており、平面面積が64%減少している。36日目に6番目のスキャフォールドが適用された。第7のスキャフォールドが、36日目から49日目の間に適用された。図13Dは、49日目の創傷の面積を示しており、平面面積が69%減少している。第8のスキャフォールドが49日目に適用された。図13Eは、84日目の創傷領域を示しており、平面面積が85%減少している。図13Fは、創傷閉鎖(創傷全体の上皮化)を伴う創傷領域を示す。
実施例14:動脈性下腿潰瘍
末梢動脈疾患、冠動脈疾患、および末梢神経障害を有する84歳の男性が、3.7×3.6×0.1cmの左下腿の虚血性潰瘍を呈した。電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されている、本明細書に記載のスキャフォールドを0日目に適用した。4日目には、創傷の面積が24%減少したことが確認された。マトリックスはまだ創傷床に見えていたため、新しいスキャフォールドは適用されなかった。11日目には、創傷面積が97%減少し、創傷治癒の促進が認められた。25日目に創傷閉鎖が達成された。
図14Aは、0日目の潰瘍を示しており、平面面積は14.06cmである。0日目にスキャフォールドが適用された。図14Bは、7日目の潰瘍を示しており、平面面積は10.64cmである(すなわち、24%減少)。図14Cは、11日目の潰瘍を示しており、その平面面積は0.35cmである(すなわち、97%減少)。第2のスキャフォールドが11日目に適用された。図14Dは、創傷閉鎖を伴う25日目の潰瘍を示している。
実施例15:手術後の糖尿病性足潰瘍
68歳の女性で、2型糖尿病、高血圧、肥満、骨髄炎、第5中足骨頭の切除、その後6週間の点滴による抗生物質療法の既往歴があり、左内側アーチの術後糖尿病性足潰瘍の治療が必要であった。本明細書に記載のスキャフォールドで、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維が、ポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているものを、中足骨切除手術の8週間後である0日目に適用した。20日間で70%の創傷面積の減少が達成され、スキャフォールドを適用した41日目に創傷が閉鎖された。
図15Aは、0日目の潰瘍を示しており、平面面積は1.08cmである。0日目にスキャフォールドが貼られた。日目と13日目の間に、第2のスキャフォールドが適用された。図15Bは、13日目の潰瘍を示しており、平面面積は0.9cmであった(すなわち、17%減少)。第3のスキャフォールドを13日目に適用した。図15Cは、20日目の潰瘍を示しており、その平面面積は0.32cm(すなわち、70%減少)である。第4のスキャフォールドが20日目に適用された。図15Dは、27日目の潰瘍を示しており、平面面積は0.14cmである(すなわち、87%減少)。27日目に第5のスキャフォールドが適用された。図15Eは、創傷閉鎖を伴う41日目の潰瘍を示している。
実施例16:仙骨の褥瘡
末梢動脈疾患(PAD)、冠動脈疾患(CAD)の既往があり、股関節骨折後の90歳の女性が、仙骨の褥瘡を呈した。前回のデブリードマンは1ヶ月前に別の施設で行われた。この患者は病院に入院し、失禁の問題が創傷環境に影響を与えるまでは治癒が進んでいた。本明細書に記載のスキャフォールドであって、電界紡糸ポリマー繊維を有し、電界紡糸ポリマー繊維がポリグリコール酸を有する第1の繊維とポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維を有し、第1の繊維と第2の繊維が共紡糸されているスキャフォールドを、0日目に適用したところ、効果的なオフロードの課題にもかかわらず、顕著な改善が観察された。76日目には1回のスキャフォールド塗布で創傷の閉鎖が達成された。
図16Aは、0日目の褥瘡を示しており、平面面積は5.2cmである。0日目にスキャフォールドが適用された。図16Bは、9日目の褥瘡を示しており、平面面積は2.6cmであった(すなわち、49%減少)。図16Cは、34日目の褥瘡を示しており、平面面積は0.6cm(すなわち、89%減少)である。図16Dは、55日目の褥瘡を示しており、平面面積は0.06cmである(すなわち、99%減少)。図16Eは、創傷閉鎖を伴う76日目の褥瘡を示す。
最後に、以下の表3では、本明細書の実施例3~16で紹介した事例研究のデータをまとめている。
Figure 2022513442000004
14例すべてが創傷閉鎖を達成し、副作用や有害事象の報告はなかった。
本開示は、その例示的な実施形態の説明によって説明されてきたが、また、実施形態は特定の詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限したり、何らかの方法で制限したりすることは、本出願人の意図するところではない。追加の利点および修正は、当業者に容易に現れるであろう。したがって、より広い態様での開示は、特定の詳細、代表的な装置および方法、および/または示され説明された例示的な例のいずれにも限定されない。したがって、出願人の一般的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。

Claims (24)

  1. 慢性創傷を治療する方法であって、前記方法は、
    電界紡糸ポリマー繊維を有する第1のスキャフォールドを前記慢性創傷に適用する工程であって、
    前記電界紡糸繊維は、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたポリマーを有し、
    前記第1のスキャフォールドは、約50μm~約1mmの厚さを有し、および、
    前記第1のスキャフォールドは、約1cm~約20cmの長さ、および約1cm~約15cmの幅を有する、
    適用する工程と、
    前記第1のスキャフォールドを前記慢性創傷に約3日~約21日の期間維持する工程であって、
    前記期間が経過した後、前記慢性創傷は減少した平面面積を有する、
    維持する工程と、
    を有する、方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、さらに、
    前記期間の後に、前記慢性創傷に、電界紡糸ポリマー繊維を有する第2のスキャフォールドを適用する工程であって、
    前記電界紡糸繊維は、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたポリマーを有し、
    前記第2のスキャフォールドは、約50μm~約1mmの厚さを有し、および、
    前記第2のスキャフォールドは、約1cm~約20cmの長さ、および約1cm~約15cmの幅を有する、
    適用する工程と、
    前記第2のスキャフォールドを前記慢性創傷に約3日~約21日の期間維持する工程であって、
    前記期間が経過した後、前記慢性創傷は減少した平面面積を有する、
    維持する工程と、
    を有する、方法。
  3. 請求項1記載の方法において、前記電界紡糸ポリマーは、ポリグリコール酸を有する第1の繊維と、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維とを有し、前記第1および前記第2の繊維は共紡糸されている、方法。
  4. 請求項1記載の方法であって、さらに、前記慢性創傷に合うように前記第1のスキャフォールドをトリミングする工程を有する、方法。
  5. 身体の一部の初期pHに影響を与える方法であって、前記方法は、
    電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを前記身体の一部に適用する工程と、
    前記スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって副産物を生成する工程であって、
    前記副産物のpHは、前記身体の一部の初期pHとは異なるものであり、
    前記副産物を生成する工程は、前記身体の一部の初期pHを変化させる、
    生成する工程と、
    を有する方法。
  6. 請求項5記載の方法において、前記電界紡糸ポリマー繊維は、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、それらのコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されたポリマーを有する、方法。
  7. 請求項5または6記載の方法おいて、前記電界紡糸ポリマー繊維は、ポリグリコール酸を有する第1の繊維と、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を有する第2の繊維とを有し、前記第1および前記第2の繊維は共紡糸されている、方法。
  8. 請求項5~7のいずれか1つに記載の方法において、前記身体の一部は創傷を有するものである、方法。
  9. 請求項8記載の方法において、前記創傷は、慢性創傷である、方法。
  10. 請求項5~9のいずれか1つに記載の方法において、前記副産物は、α-ヒドロキシ酸、乳酸、グリコール酸、カプロン酸、乳酸塩、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
  11. 請求項5~10のいずれか1つに記載の方法において、前記副産物のpHが、前記身体の一部の初期pHよりも低い、方法。
  12. 請求項5~11のいずれか1つに記載の方法において、前記身体の一部の初期pHは、約7.0~約9.0である、方法。
  13. 請求項5~12のいずれか1つに記載の方法において、前記副産物のpHは、約3.0~約4.0である、方法。
  14. 請求項5~13のいずれか1つに記載の方法において、前記副産物を生成する工程は、前記身体の一部の初期pHを前記身体の一部の目標pHに変化させる、方法。
  15. 請求項14記載の方法において、前記目標pHは、約4.0~約6.0である、方法。
  16. 請求項14または15記載の方法において、前記目標pHは約1時間~約24時間の期間で到達される、方法。
  17. 請求項5~16のいずれか1つに記載の方法において、前記スキャフォールドの少なくとも一部を分解させることが、一定期間にわたって行われる、方法。
  18. 請求項17記載の方法において、前記期間は、約1時間~約14日である、方法。
  19. 慢性創傷の初期pHを低下させる方法であって、前記方法は、
    電界紡糸ポリマー繊維を有するスキャフォールドを前記慢性創傷に適用する工程と、
    前記スキャフォールドの少なくとも一部を分解させ、それによって酸性副産物を生成する工程であって、
    前記酸性副産物のpHは、前記慢性創傷の初期pHよりも低いものであり、
    前記酸性副産物を生成する工程は、前記慢性創傷の初期pHを目標pHに低下させる、
    生成する工程と、
    を有する方法。
  20. 請求項19記載の方法において、前記慢性創傷の初期pHは、約7.0~約9.0である、方法。
  21. 請求項19または20記載の方法において、前記目標pHは、約4.0~約6.0である、方法。
  22. 請求項19~21のいずれか1つに記載の方法であって、前記慢性創傷の初期pHを低下させることが、前記慢性創傷の治癒を促進する、方法。
  23. 請求項19記載の方法において、前記酸性副産物は、α-ヒドロキシ酸を有する、方法。
  24. 請求項19記載の方法において、前記酸性副産物は、乳酸を有する、方法。
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