JP2022188452A - 蓄熱材組成物、及び建築物の冷暖房用の蓄熱システム - Google Patents

蓄熱材組成物、及び建築物の冷暖房用の蓄熱システム Download PDF

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重和 宮下
Shigekazu Miyashita
崇 桃井
Takashi Momoi
相培 李
Sang Bae Lee
多江子 柴山
Taeko Shibayama
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Abstract

【課題】融点が20~22℃の範囲内にあり、狭い温度領域内での融解潜熱が大きい蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供する。【解決手段】蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、及び、メタホウ酸ナトリウム4水和物からなる主剤を含み、融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上である。建築物の冷暖房用の蓄熱システムは、前記蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱材組成物、及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムに関する。
従来、液体から固体への相変化時や固体から液体への相変化時に発生又は吸収する潜熱を利用した潜熱蓄熱材組成物が知られている。潜熱蓄熱材組成物は、例えば、建造物の冷暖房の蓄熱システムに用いられる。
潜熱蓄熱材組成物には、一般的に、蓄熱量が大きいこと、融点が所定の温度領域内にあること、長期間安定であること、安価であること、毒性がないこと、腐触性がないこと等の特性が要求される。
建造物の冷暖房用の蓄熱システム用の潜熱蓄熱材組成物には、単位重量当たりにどれだけ多くの熱を貯められるかを意味する融解潜熱の大きいことが求められる。融解潜熱が大きいと、少ない量の潜熱蓄熱材組成物で充分な蓄熱を達成することができるため好ましい。
特許文献1には、硫酸ナトリウム及び/またはその共晶塩、水、並びに架橋重合体からなり、硫酸ナトリウム1モルに対して水13~27モルを含有する蓄熱材組成物が開示されている。
特開平5-25467号公報
しかしながら、硫酸ナトリウムの水和物のうち、例えば硫酸ナトリウム10水和物は、相変化温度が約32℃である。このように、特許文献1の蓄熱材組成物では、融点を20~22℃の範囲内に調整することが困難であるという問題があった。また、特許文献1の蓄熱材組成物には、蓄熱量が小さいという問題があった。さらに、特許文献1の蓄熱材組成物では、水を加えると、潜熱発生領域が増大するため、狭い温度領域内での融解潜熱が小さいという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、融点が20~22℃の範囲内にあり、狭い温度領域内での融解潜熱が大きい蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供することを目的とする。
本発明の態様に係る蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、及び、メタホウ酸ナトリウム4水和物からなる主剤を含み、融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上である。
本発明によれば、融点が20~22℃の範囲内にあり、狭い温度領域内での融解潜熱が大きい蓄熱材組成物及び建築物の冷暖房用の蓄熱システムを提供することができる。
主剤におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略2.5質量%のときの、三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量の三元系組成図である。 図1に示す領域A1の拡大図である。 主剤におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略5質量%のときの、三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量の三元系組成図である。 図3に示す領域A2の拡大図である。
以下、本実施形態に係る蓄熱材組成物、及び蓄熱システムについて詳細に説明する。
[蓄熱材組成物]
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、及びメタホウ酸ナトリウム4水和物からなる主剤を含む。なお、主剤中、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物からなる混合物を、三種組成物ともいう。
(主剤)
主剤は、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、及びメタホウ酸ナトリウム4水和物を所定量含む。
<三種組成物中の組成>
蓄熱材組成物では、主剤中におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量に応じて、X、Y、及びZが下記式(1-1)~(1-6)、又は(2-1)~(2-5)、を満たすことが好ましい。ここで、X、Y、及びZは、三種組成物100質量%中の、硫酸ナトリウム10水和物の含有量をX質量%、リン酸水素二ナトリウム12水和物の含有量をY質量%、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量をZ質量%と規定するときの値である。すなわち、X、Y、及びZは、主剤からメタホウ酸ナトリウム4水和物を除いた三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の各物質の含有量(質量%)を示す。
[メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が2.0~3.0質量%の場合]
主剤中における前記メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が2.0~3.0質量%、好ましくは2.3~2.7質量%の場合において、X、Y、及びZが下記式(1-1)~(1-6)を満たすことが好ましい。
[数1]
X+Y+Z=100 (1-1)
[数2]
X+3.9Y-162.45≧0 (1-2)
[数3]
X+Y-58.05≧0 (1-3)
[数4]
X≧18.05 (1-4)
[数5]
X+3.105Y-156.64≦0 (1-5)
[数6]
X≦26.10 (1-6)
図1は、主剤におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略5質量%のときの、三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量の三元系組成図である。図2は、図1に示す領域A1の拡大図である。図2に示す五角形及びその内部が示す領域R1は、上記式(1-1)~(1-6)を満たす範囲である。
具体的には、五角形を構成する直線ABは、式(1-2)において等号の場合の直線を示す。五角形を構成する直線BCは、式(1-3)において等号の場合の直線を示す。五角形を構成する直線CDは、式(1-4)において等号の場合の直線を示す。五角形を構成する直線EFは、式(1-5)において等号の場合の直線を示す。五角形を構成する直線FAは、式(1-6)において等号の場合の直線を示す。
メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が2.0~3.0質量%の場合に、上記X、Y、及びZが式(1-1)~(1-6)を満たすと、蓄熱材組成物の融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上になりやすい。
[メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が4.5~5.5質量%の場合]
主剤中における前記メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が4.5~5.5質量%、好ましくは4.8~5.2質量%の場合において、X、Y、及びZが下記式(2-1)~(2-5)を満たすことが好ましい。
[数7]
X+Y+Z=100 (2-1)
[数8]
X-2.12Y+52.02≦0 (2-2)
[数9]
X+0.27Y-31.48≧0 (2-3)
[数10]
X-1.52Y+40.11≧0 (2-4)
[数11]
X≦26.1 (2-5)
図3は、主剤におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略5質量%のときの、三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量の三元系組成図である。図4は、図3に示す領域A2の拡大図である。図4に示す四角形及びその内部が示す領域R2は、上記式(2-1)~(2-5)を満たす範囲である。
具体的には、四角形を構成する直線ABは、式(2-2)において等号の場合の直線を示す。四角形を構成する直線CDは、式(2-3)において等号の場合の直線を示す。四角形を構成する直線DEは、式(2-4)において等号の場合の直線を示す。四角形を構成する直線FAは、式(2-5)において等号の場合の直線を示す。
メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が4.5~5.5質量%の場合に、上記X、Y、及びZが式(2-1)~(2-5)を満たすと、蓄熱材組成物の融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上になりやすい。
(融点降下剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の融点降下剤をさらに含むと、主剤の融点が降下するため好ましい。融点降下剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤が用いられる。
(過冷却抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の過冷却抑制剤をさらに含むと、主剤の過冷却が抑制されるため好ましい。過冷却抑制剤としては、例えば、ホウ砂Na(OH)・8HO、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム粉末、二酸化チタン、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤が用いられる。
(相分離抑制剤)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、特定の相分離抑制剤をさらに含むと、主剤の相分離が抑制されるため好ましい。相分離抑制剤としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マイレン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及び上記物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の相分離抑制剤が用いられる。
(特性)
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、融点が20~22℃の範囲内にあり、建造物の冷暖房の一般的な設定温度よりやや低めの温度領域で融解・凝固が生じる。また、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、融解潜熱が190J/g以上であり、狭い温度領域内での融解潜熱が大きい。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
本実施形態に係る蓄熱材組成物は、融解潜熱が190J/g以上、好ましくは200J/g以上、より好ましくは210J/g以上、さらに好ましくは220J/g以上、特に好ましくは230J/g以上である。このため、本実施形態に係る蓄熱材組成物は、建造物の冷暖房用の蓄熱システムの潜熱蓄熱材組成物として好適である。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱材組成物によれば、融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上である蓄熱材組成物が得られる。
[建築物の冷暖房用の蓄熱システム]
本実施形態に係る建築物の冷暖房用の蓄熱システムは、上記本実施形態に係る蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する。
(蓄熱材モジュール)
蓄熱材モジュールとしては、例えば、前記蓄熱材組成物を十分な密封性を有する容器に充填させた蓄熱材パックからなり、この蓄熱材パックを単数ないしは複数積層させるとともに、適切な流路を設け、モジュール化したものが用いられる。蓄熱材パックに用いる容器としては、例えば、アルミシートに樹脂製シートを積層して形成されたアルミパックシートを熱溶着することで形成されたアルミパック等が挙げられる。蓄熱材モジュールは、建造物中の空間を区切る床面、壁面、天井面の少なくとも一部に設置される。
このように設置された蓄熱材モジュールは、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱(蓄冷)される。例えば、昼間においては、蓄熱材モジュール中の蓄熱材組成物は、建造物中の空間から得た熱によって融解し、その分のエンタルピーを蓄熱材組成物の内部に保留する。その後、夜間に外気温度が下がってくると、融解していた蓄熱材組成物は凝固し、建造物中の空間へ熱を放出する。このように、蓄熱材モジュールを建物内に設置すると、蓄熱材組成物の融解・凝固の作用により、冷暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
(発明の効果)
本実施形態に係る蓄熱システムによれば、モジュール表面とこのモジュール表面を通気した雰囲気との熱交換、日射による日射熱、夜間電力を利用した空調システム等によって蓄熱(蓄冷)されるため、冷暖房のためのエネルギー負荷を低減することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1](メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略2.5質量%の場合)
(蓄熱材組成物の作製)
はじめに、NaSO・10HO(キシダ化学株式会社製、特級)と、NaHPO・12HO(キシダ化学株式会社製、特級)と、NaCO・10HO(キシダ化学株式会社製、特級)とを用意した。また、NaBO・4HO(キシダ化学株式会社製)も用意した。
次に、20mlのガラス製サンプル瓶に、NaSO・10HOと、NaHPO・12HOと、NaCO・10HOと、NaBO・4HOと、純水とを、合計約5gになるように所定量混合した。
なお、NaSO・10HO、NaHPO・12HO、NaCO・10HO、NaBO・4HO及び純水の量は、得られる蓄熱材組成物の組成が表1に示す組成になるような量で配合した。蓄熱材組成物は、主剤中のNaBO・4HOの含有量が略2.5質量%になるように調製した。
また、三種組成物100質量%中のNaSO・10HOの含有量X質量%、NaHPO・12HOの含有量Y質量%、及びNaCO・10HOの含有量Z質量%は、表1に示すとおりであった。
得られた混合物を50℃以上で湯煎したところ、蓄熱材組成物が得られた(試料No.A1)。
Figure 2022188452000002
(融点及び融解潜熱の測定)
蓄熱材組成物から約20mg試料を採取し、DSC(示差走査熱量計)を行い、蓄熱材組成物の融解下限温度及び融解上限温度を測定した。得られた融解下限温度を融点とした。
また、示差走査熱量計(DSC)にて測定されるヒートフローを時間で積分した場合のピーク面積から融解潜熱を算出した。
融点及び融解潜熱の結果を表1に示す。
[実施例2~11、比較例1~5](メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略2.5質量%の場合)
得られる蓄熱材組成物が表1に示す組成になるように、各成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして蓄熱材組成物を得た(試料No.A2~A11(実施例2~11)、A30~A34(比較例1~5))。蓄熱材組成物は、主剤中のNaBO・4HOの含有量が略2.5質量%になるように調製した。
(融点及び融解潜熱の測定)
試料No.A2~A11、A30~A34につき、実施例1と同様にして、融点及び融解潜熱を測定した。なお、試料No.A30~A34は、試料調製時に顕著な沈殿が生じて試料中の化学組成を特定することができなかったため、融点及び融解潜熱の測定ができなかった。
結果を表1に示す。
(三元系組成図)
図1は、主剤におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略2.5質量%のときの、三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量の三元系組成図である。図2は、図1に示す領域A1の拡大図である。実施例1の試料No.A1を含めた試料No.A1~A11、A30~A34の蓄熱材組成物の主剤を構成する三種組成物の組成を図1及び図2にプロットした。
図1及び図2中、試料No.A1~A11の蓄熱材組成物のプロットを記号○で示す。また、試料No.A30~A34の蓄熱材組成物のプロットを記号×で示す。
図2において、五角形及びその内部が示す領域R1は、上記式(1-1)~(1-6)を満たす領域である。記号○で示した試料No.A1~A11は、領域R1内に存在する。
表1、図1及び図2より、図2の領域R1内にある試料No.A1~A11は、融点及び融解潜熱が良好であることが分かった。具体的には、試料No.A1~A11の蓄熱材組成物は、融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上になっていることが分かった。
一方、表1、図1及び図2より、図2の領域R1外にある試料No.A30~A34は、融点及び融解潜熱の少なくとも一方が良好でないことが分かった。
[実施例12~21、比較例6~9](メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略5質量%の場合)
得られる蓄熱材組成物が表2に示す組成になるように、各成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして蓄熱材組成物を得た(試料No.A12~A21(実施例6~12)、No.A22~A25(比較例6~9))。蓄熱材組成物は、主剤中のNaBO・4HOの含有量が略5質量%になるように調製した。
Figure 2022188452000003
(融点及び融解潜熱の測定)
試料No.A12~A25につき、実施例1と同様にして、融点及び融解潜熱を測定した。結果を表2に示す。
(三元系組成図)
図3は、主剤におけるメタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略5質量%のときの、三種組成物中の、硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び炭酸ナトリウム10水和物の含有量の三元系組成図である。図4は、図3に示す領域A2の拡大図である。試料No.A12~A21の蓄熱材組成物の主剤を構成する三種組成物の組成を図3及び図4にプロットした。
図3及び図4中、試料No.A12~A21の蓄熱材組成物のプロットを記号○で示す。また、試料No.A22~A25の蓄熱材組成物のプロットを記号×で示す。
図4において、四角形及びその内部の領域R2は、上記式(2-1)~(2-5)を満たす領域である。記号○で示した試料No.A12~A21は、領域R2内に存在する。
表2、図3及び図4より、図4の領域R2内にある試料No.A12~A21は、融点及び融解潜熱が良好であることが分かった。具体的には、試料No.A12~A21の蓄熱材組成物は、融点が20~22℃の範囲内にあり、融解潜熱が190J/g以上になっていることが分かった。
一方、表2、図3及び図4より、図4の領域R2外にある試料A22~A25は、融点及び融解潜熱の少なくとも一方が良好でないことが分かった。
[比較例10~13](メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が略10質量%の場合)
得られる蓄熱材組成物が表2に示す組成になるように、各成分の配合量を変えた以外は実施例1と同様にして蓄熱材組成物を得た(試料No.A26~A29(比較例10~13))。蓄熱材組成物は、主剤中のNaBO・4HOの含有量が略10質量%になるように調製した。
(融点及び融解潜熱の測定)
試料No.A26~A29につき、実施例1と同様にして、融点及び融解潜熱を測定した。結果を表2に示す。
表2より、試料A26~A29は、融点及び融解潜熱の少なくとも一方が良好でないことが分かった。
以上、本発明を実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

Claims (7)

  1. 硫酸ナトリウム10水和物、リン酸水素二ナトリウム12水和物、炭酸ナトリウム10水和物、及び、メタホウ酸ナトリウム4水和物からなる主剤を含み、
    融点が20~22℃の範囲内にあり、
    融解潜熱が190J/g以上である蓄熱材組成物。
  2. 前記主剤中における前記メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が2.0~3.0質量%の場合において、
    前記硫酸ナトリウム10水和物、前記リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び前記炭酸ナトリウム10水和物からなる三種組成物100質量%中の、前記硫酸ナトリウム10水和物の含有量をX質量%、前記リン酸水素二ナトリウム12水和物の含有量をY質量%、及び前記炭酸ナトリウム10水和物の含有量をZ質量%と規定するとき、X、Y、及びZが下記式(1-1)~(1-6)を満たす請求項1に記載の蓄熱材組成物。
    [数1]
    X+Y+Z=100 (1-1)
    [数2]
    X+3.9Y-162.45≧0 (1-2)
    [数3]
    X+Y-58.05≧0 (1-3)
    [数4]
    X≧18.05 (1-4)
    [数5]
    X+3.105Y-156.64≦0 (1-5)
    [数6]
    X≦26.10 (1-6)
  3. 前記主剤中における前記メタホウ酸ナトリウム4水和物の含有量が4.5~5.5質量%の場合において、
    前記硫酸ナトリウム10水和物、前記リン酸水素二ナトリウム12水和物、及び前記炭酸ナトリウム10水和物からなる三種組成物100質量%中の、前記硫酸ナトリウム10水和物の含有量をX質量%、前記リン酸水素二ナトリウム12水和物の含有量をY質量%、及び前記炭酸ナトリウム10水和物の含有量をZ質量%と規定するとき、X、Y、及びZが下記式(2-1)~(2-5)を満たす請求項1に記載の蓄熱材組成物。
    [数7]
    X+Y+Z=100 (2-1)
    [数8]
    X-2.12Y+52.02≦0 (2-2)
    [数9]
    X+0.27Y-31.48≧0 (2-3)
    [数10]
    X-1.52Y+40.11≧0 (2-4)
    [数11]
    X≦26.1 (2-5)
  4. 塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の融点降下剤をさらに含む請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  5. ホウ砂Na(OH)・8HO、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、黒鉛、アルミニウム粉末、二酸化チタン、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エチレンジアミン四酢酸、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキルリン酸カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の過冷却抑制剤をさらに含む請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  6. ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリカルボキシレートポリエーテルポリマー、アクリル酸・マイレン酸共重合体ナトリウム、アクリル酸・スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム、アクリルアミド・ジメチルアミノエチルメタクリラートジメチル硫酸塩共重合物、アクリルアミド・アクリル酸ソーダ共重合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、高吸水樹脂(SAP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCの誘導体、カラギーナン、カラギーナンの誘導体、キサンタンガム、キサンタンガムの誘導体、ペクチン、ペクチンの誘導体、デンプン、デンプンの誘導体、コンニャク、寒天、層状ケイ酸塩、及びこれらの物質の複合物質からなる群より選択される少なくとも1種の相分離抑制剤をさらに含む請求項1~5のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄熱材組成物を用いた蓄熱材モジュールを具備する建築物の冷暖房用の蓄熱システム。
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