JP2022184755A - 衝突監視装置を有する搬送システム及び当該搬送システムを稼働させるための方法 - Google Patents
衝突監視装置を有する搬送システム及び当該搬送システムを稼働させるための方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ロングステータ・リニアモータとしての搬送システム1内でこの搬送システム1の稼働中に可動子の移動限界値又は寸法を確実に変更する。【解決手段】前記搬送システム1の稼働中に、第1の搬送装置Tnのための新しい移動限界値又は新しい寸法が予め設定され、前記新しい移動限界値を衝突移動限界値として又は前記新しい寸法を衝突寸法として使用する前に、前記新しい移動限界値又は前記新しい寸法が、予め設定されている衝突論理に基づいて、近接した別の搬送装置Tn又は前記搬送システム1の障壁Bとの衝突リスクを引き起こすか否かが、前記衝突論理14で検査され、衝突リスクが認識されないと、前記新しい移動限界値が、前記第1の搬送装置Tnのための衝突移動限界値として前記衝突論理で使用され、又は、前記新しい寸法が、前記第1の搬送装置Tnの衝突寸法として前記衝突論理で使用されることが提唱されている。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の搬送装置を有するロングステータ・リニアモータとしての搬送システムを稼働させるための方法に関する。この場合、近接した複数の搬送装置間の間隔又は1つの搬送装置と1つの障壁との間の間隔が十分に大きいことが、当該搬送システムの稼働中に予め設定されている衝突論理によって継続して監視される結果として、複数の当該搬送装置又は1つの当該搬送装置の予め設定されている衝突移動限界値と予め設定されている衝突寸法とを考慮して、近接した当該複数の搬送装置の衝突又は1つの当該搬送装置と1つの当該障壁との衝突が回避可能である。また、本発明は、複数の搬送装置とこれらの搬送装置の移動を制御する1つのシステム制御装置とを有するロングステータ・リニアモータとしての搬送システムに関する。この場合、衝突制御装置が設けられている。この衝突制御装置は、近接した複数の搬送装置間の間隔又は1つの搬送装置と1つの障壁との間の間隔が十分に大きいことを、当該搬送システムの稼働中に予め設定されている衝突論理によって継続して監視する結果として、複数の当該搬送装置又は1つの当該搬送装置の予め設定されている衝突移動限界値と予め設定されている衝突寸法とを考慮して、近接した当該複数の搬送装置の衝突又は1つの当該搬送装置と1つの当該障壁との衝突が回避可能である。
リニアモータの場合、一次部材(固定子)とこの一次部材に対して可動に相対配置されている二次部材(可動子)とが設けられている。複数の磁場発生装置が、この一次部材に配置されていて、複数の励磁磁石が、この二次部材に配置されている。又は、複数の磁場発生装置が、この二次部材に配置されていて、複数の励磁磁石が、この一次部材に配置されている。これらの励磁磁石は、複数の永久磁石、複数の電気コイル又は複数の短絡巻線として構成されている。これらの磁場発生装置は、複数の駆動コイルとして構成され得る。複数の駆動コイルは、電磁場を発生させるためにコイル電圧を印加することによって通電される複数の電気コイルである。しかし、磁場を発生させるため、これらの磁場発生装置は、例えば欧州特許出願公開第3582376号明細書に記載されているように、可動磁石として構成されてもよい。これらの励磁磁石の(電)磁場とこれらの磁場発生装置の(電)磁場との協働によって、当該二次部材を当該一次部材に対して相対移動させる力が、この二次部材に作用する。当該リニアモータは、例えば同期機械として又は非同期機械として構成され得る。このリニアモータのこれらの磁場発生装置は、1つの移動方向に沿って配置されているか、又は移動平面内に配置されている。当該二次部材は、この1つの移動方向に沿って移動され得るか、又はこの移動平面内で2つの移動方向に自由に移動され得る。リニアモータは、ショートステータ・リニアモータとロングステータ・リニアモータとに分類され得る。この場合、ロングステータ・リニアモータでは、二次部材は、一次部材よりも短いか又は小さく、ショートステータ・リニアモータでは、一次部材は、二次部材よりも短いか又は小さい。
本発明は、ロングステータ・リニアモータに関し、特に、(1つの移動方向に移動する)直線型のロングステータ・リニアモータと、(1つの移動平面内で移動する、多くの場合に平面モータとも呼ばれる)平面型のロングステータ・リニアモータとに関する。ロングステータ・リニアモータの場合、一般に、複数の二次部材が、同時に且つ互いに独立してこの一次部材に沿って(1つの移動方向に又は1つの移動平面内で)移動される。それ故に、ロングステータ・リニアモータは、電磁式の搬送システムにおいて頻繁に使用される。当該電磁式の搬送システムの場合、複数の搬送装置(二次部材)が、搬送作業を実行するために1つの固定子(一次部材)に沿って同時に移動される。これらの搬送装置の当該複数の移動は、互いに独立し得る。
ロングステータ・リニアモータは、従来の技術から公知である。ロングステータ・リニアモータでは、複数の磁場発生装置が、移動方向に沿って前後して、又は1つの移動平面内で1つの支持構造物に沿って配置されている。平面モータの場合、複数の磁場発生装置の配置も公知である。当該配置の場合、1つの固定子にある複数の磁場発生装置が、複数の平面内に配置されている。この場合、1つの平面の複数の磁場発生装置が、1つの移動方向に対して設けられ得る。当該支持構造物に配置されたこれらの磁場発生装置は、搬送システムの移動空間内に延在するロングステータ・リニアモータのこの固定子を構成する。励磁磁場を発生させる複数の励磁磁石である複数の永久磁石又は複数の電磁石が、1つの可動子に配置されている。この可動子は、例えば対象物を移動させるために、搬送システム内で搬送装置として機能する。1つの可動子の領域内の複数の駆動コイルが通電されると、当該可動子への駆動力を発生させるための励磁磁石の励磁磁場と協働する電磁的な駆動磁場が発生する。同じことが、駆動磁場を発生する複数の磁場発生装置としての複数の可動磁石によって引き起こされ得る。これらの駆動コイルの通電又はこれらの磁石の移動を制御することによって、可動な駆動磁場が生成され得る。これにより、当該可動子が、当該ロングステータ・リニアモータの移動方向に又は移動平面内で移動可能である。多数の可動子が、互いに独立して当該固定子上で同時に移動され得ることが利点である。この場合、これらの可動子の複数の移動が、制御装置によって別々に且つ互いに独立して制御され得る。このため、複数の磁場発生装置が、別々に制御され得るか、又はグループごとに制御され得る。
これらの可動子が、別々に且つ互いに独立して当該固定子で移動され得るという状況に起因して、衝突を回避することが既に公知である。当該衝突の回避は、2つの可動子の移動経路が交差するこれらの可動子間、又は1つの可動子と、例えば当該搬送システムに設けられている加工ステーションの一部のような、当該搬送システムのその他の一部との間の望まない衝突を回避するために使用される。直線型のロングステータ・リニアモータの場合、2つの可動子が、前後して同じ方向に移動するとき、又は、2つの可動子が、前後して走行し続けるときに、交差する複数の移動経路が発生し得る。このような衝突の回避は、例えば欧州特許出願公開第3202612号明細書から公知である。この衝突の回避の場合、1つの搬送装置が、前方を走行している1つの搬送装置又は固定された1つの障壁と衝突する危険に曝されることなしに、予め設定されている運動方程式によって停止操縦を実行できるか否かかが継続して検査される。この場合、停止操縦を回避するため、1つの可動子の移動を運転者の適切な操縦によって変更できるか否かも検査され得る。欧州特許出願公開第3196719号明細書も、ロングステータ・リニアモータでの衝突の回避を開示する。ここでは、最小の衝突回避距離が、それぞれの可動子ごとに確定され、別の可動子が、この衝突回避距離内に入らないことが保証される。
周辺内での起こり得る別の可動子との衝突を認識するため、衝突を回避するように、場合によっては移動に介入するため、当該公知の衝突回避方法は、可動子の移動方向のこの可動子の寸法と、この可動子の実際の移動状況に関する情報(特に、位置、速度、加速度)とを利用する。このため、当該可動子の可能な移動限界値、(減速度及び/又は加速度に関する)加速度限界値又は速度限界値を知ることも必要である。何故なら、この移動限界値は、当該可動子の移動への可能な介入を当然に制限し、したがって潜在的な衝突に対処する可能性も制限するからである。可能な最大減速度が、例えば、1つの可動子の可能な制動距離に大きく影響する。このような移動限界値は、当該ロングステータ・リニアモータの制御中に、又は当該制御の衝突回避中に生成されていて、したがって既知である。
しかし、搬送システムをロングステータ・リニアモータとして稼働する場合、運転者は、移動限界値を変更したいことがある。例えば、より高い搬送効率を達成するため、同じ速度で前後して走行している複数の可動子間の複数の間隔を減少させたいことがある。この場合、衝突回避をより短い間隔に対して対処できるように、場合によっては衝突を回避できるように、加速度限界値を適合することが必要であり得る。
例えば、搬送システムが組み込まれている製造設備が変更されるか、又は、搬送される製品が変更されることがあり得るので、1つの可動子が、その前のときよりも緩やかに制動されなければならない状況が起こり得る。搬送システムを停止しなければならないことも起こり得る。この場合、通常運転において予め設定されているのとは違う移動限界値によって頻繁に停止されてしまう。さらに、ロングステータ・リニアモータとしての搬送システムにおいて1つの可動子の移動限界値を変更するための別の理由も、当然に沢山起こり得る。
また、搬送システムの稼働中に、1つの可動子の寸法、特に移動方向の寸法及び当該移動方向に対して直角方向の寸法が変化し得る。当該変化は、例えば当該可動子に搬送すべき製品を荷積み又は荷下ろしする時に起こり得る。当該寸法が、荷積みの状況に適合されるときに、複数の可動子間の複数の間隔が、最小に保持されてもよい。これにより、当該搬送システムの搬送効率が向上され得るか、又は、加工ステーションの稼働率が向上され得る。さらに、搬送システムにおいて1つの可動子の寸法を変更するための別の理由も当然に沢山あり得る。
しかし、稼働中のこのような変更は問題になる。何故なら、衝突を回避する制御が、当該変更後に1つの可動子の危険を認識し、当該可動子の移動に介入するおそれがあるからである。最悪の場合、当該衝突を回避する制御が、間違った対応又は1つ又は複数の可動子の緊急停止を引き起こし得る。これは、当該搬送システムの稼働中は回避しなければならない。このような緊急停止は、例えば、搬送システム全体に簡単に伝播し得て、当該搬送システム全体を停止させ得る。
それ故に、本発明の課題は、ロングステータ・リニアモータとしての搬送システムにおいて当該搬送システムの稼働中に可動子の移動限界値又は寸法を確実に変更することを可能にすることにある。
この課題は、当該搬送システムの稼働中に、第1の搬送装置のための新しい移動限界値又は新しい寸法が予め設定され、当該新しい移動限界値を衝突移動限界値として又は当該新しい寸法を衝突寸法として使用する前に、当該新しい移動限界値又は当該新しい寸法が、予め設定されている衝突論理に基づいて、近接した別の搬送装置又は当該搬送システムの障壁との衝突リスクを引き起こすか否かが、当該衝突論理で検査され、衝突リスクが認識されないと、当該新しい移動限界値が、当該第1の搬送装置のための衝突移動限界値として当該衝突論理で使用され、又は、当該新しい寸法が、当該第1の搬送装置の衝突寸法として当該衝突論理で使用されることによって解決される。したがって、当該衝突寸法又は当該衝突移動限界値の変更に起因して、衝突監視の望まない反応をもたらす、当該搬送システムでの予期しない状況を引き起こすことが回避される。衝突リスクが認識されないときに初めて、変更された衝突寸法又は変更された衝突移動限界値が採用される。
当該衝突リスクの検査が、予め設定されている時間間隔ごとに繰り返され、衝突リスクが、近接した複数の搬送装置に対して認識され、当該衝突リスクがなくなった直後に、当該採用が実行され得る。
衝突リスクが認識された場合は、最初に、当該第1の搬送装置の移動及び/又は当該別の搬送装置の移動が変更されることも有益である。その結果、当該新しい移動限界値を当該第1の搬送装置のための衝突移動限界値として使用することで、又は当該新しい寸法を当該第1の搬送装置のための衝突寸法として使用することで、当該衝突リスクがなくなり、このときに初めて、当該新しい移動限界値が、当該第1の搬送装置のための衝突移動限界値として当該衝突論理で使用され、又は、当該新しい寸法が、当該第1の搬送装置のための衝突寸法として当該衝突論理で使用される。これは、変更された衝突寸法又は変更された衝突移動限界値を採用する前に、当該移動への能動的な介入を必要に応じて可能にして、当該採用を可能な限り迅速にできるようにする。
以下に、本発明を、例示的で、概略的で且つ限定しない本発明の好適な構成を示す図1を参照して詳しく説明する。
ロングステータ・リニアモータの構成及び機能は、良く知られているので、図1を参照して簡単に且つ本発明を理解するために必要な程度だけに関して説明する。本発明は、直線型のロングステータ・リニアモータに関して説明されるが、当該説明は、平面型のロングステータ・リニアモータに対しても同様に成立する。
図1は、一般には固定された固定子2(電動機の一次部材)を有する搬送システム1を直線型のロングステータ・リニアモータとして示す。n>1の多数の搬送装置T1~Tn(電動機の二次部材)が、固定子2に沿って移動可能である。nは、ここでは指標として使用され、複数の搬送装置Tnをより容易に区別するために使用される。当然に、これらの搬送装置Tnは、同じに構成される必要はなくて、異なって構成されてもよく、特にそれらの寸法が異なってもよく、又はそれらの複数の移動態様が可能である。
固定子2は、複数の移動経路P1,P2から構成されてもよい。この場合、複数の搬送装置Tnが、異なる移動経路P1,P2上で移動可能である。このため、これらの移動経路P1,P2は、複数の転轍機Wを介して互いに接続され得て、1つの搬送装置Tnが、1つの転轍機W1,W2で一方の移動経路P1から他方の移動経路に移る。この場合、移動経路P1,P2は、閉じた経路でもよく又は開いた経路でもよい。複数の移動経路P1,P2を繋ぎ合わせることによって、複数の搬送システム1が、複数の搬送装置Tn用の様々な移動空間によって非常に簡単に且つフレキシブルに実現され得る。この場合、当該移動空間は、(図1の簡単な例のような)1つの平面に限定されないで、空間内で任意に拡張され得る。
複数の磁場発生装置3が、例えば複数の駆動コイルとして固定子2に沿って配置されているが、複数の可動永久磁石として配置されてもよい。簡略化の理由から、図1には、複数の磁場発生装置3のうちの幾つかの磁場発生装置3だけが示されている。
固定子2は、複数の固定子区間Smとして構成されてもよい。この場合、多数の磁場発生装置3が、それぞれの固定子区間Smに配置されている。これらの固定子区間Smは、並んで又は連続して配置され、様々な幾何学的配置、例えば直線状の区間、様々なカーブ、ポイント区間等を有し得る。
一般には複数の永久磁石を配置した1つの励磁磁石4が、それぞれの搬送装置Tnに配置されているが、この励磁磁石4は、励磁磁場を発生させる複数の電磁石の形態で配置されてもよい。この搬送装置Tnを移動させるため、1つの搬送装置Tnの励磁磁場が、この搬送装置Tnの範囲内で磁場発生装置3によって発生される駆動磁場と協働する。この場合、どのくらいの数の磁場発生装置3が駆動磁場を発生させるために使用されるかは重要でない。望ましい駆動磁場を生成するため、例えば、駆動電圧が、磁場発生装置3としての駆動コイルに印加される。又は、望ましい駆動磁場を生成するため、永久磁石が、磁場発生装置3として作動される。搬送装置Tnを移動させるため、当該駆動磁場が、複数の磁場発生装置3を適切に制御することによって移動方向にさらに移動される。当該駆動磁場と当該励磁磁場との当該協働によって、移動方向の(又は移動方向に向かう)力が、搬送装置Tnに印加され得る(平面型のロングステータ・リニアモータの場合は、移動平面内の2つの方向にも印加され得る)が、法線方向の力も、搬送装置Tnに印加され得る。搬送装置Tnを望ましい移動経路P1,P2に偏向させるため、搬送装置Tn(例えば、平面型のロングステータ・リニアモータの浮上式の搬送装置Tn)を固定子2に対して移動させるため、及び搬送装置Tnを固定子2に保持するため、このような法線方向の力は、転轍機W1,W2で使用され得る。したがって、全ての空間方向のモーメントが、搬送装置Tnに印加され得る。この電動機の原理は良く知られている。
搬送装置Tnの両側で複数の磁場発生装置3と協働できるようにするため、図1に示されているように、励磁磁石4が、搬送装置Tnの両側に配置されてもよい。当該協働は、例えば転轍機W1,W2で実行され得る。しかしながら、当該力は、特に移動方向にも増大され得る。搬送装置Tnによって搬送された製品6を加工又は処理するため、加工ステーション5が、搬送システム1の固定子2に沿って設けられてもよい。この製品6は、加工時にこの搬送装置Tn上に維持され得て、この搬送装置Tnは、当該加工時に保持され得るか又は移動され得る。しかし、この製品6は、当該加工のためにこの搬送装置Tnから取り出されてもよく、当該加工後にさらに搬送するためにこの搬送装置Tn上に又は別の搬送装置上に再び搭載されてもよい。製品6を搬送装置Tn上に搭載して、搬送システム1内でさらに搬送するため、(例えば、製品を搬送システム1内に搬入するため、)及び/又は(例えば、加工の完了後に)製品を搬送システム1から搬出するため、転送ステーション7が、加工ステーション5から独立して設けられてもよい。このため、操作装置8、例えばロボットが設けられ得る。製品6の当該搭載及び当該搬出は、搬送装置Tnが停止している時に実行され得るか、又は搬送装置Tnが移動している時にも実行され得る。
搬送システム1の搬送装置Tnの移動を制御するため、システム制御装置10が設けられている。搬送装置Tnの望ましい移動を実行するため、システム制御装置10は、特に磁場発生装置3を制御する。一般に、搬送装置Tnの望ましい移動は、例えば移動計画に基づいて予め設定されている。搬送装置Tnの移動を制御する一般に10又は100msの範囲内にあるそれぞれの時間ステップに対して、1つの移動目標値、例えば1つの目標位置又は1つの目標速度が、それぞれの搬送装置Tnごとに既知である。システム制御装置10は、当該移動目標値から制御信号を算出する。次いで、当該制御信号は、それぞれの搬送装置Tnと協働する複数の磁場発生装置3によって実行される。1つの制御信号は、例えば1つの駆動コイルの、パワーエレクトロニクス機器によって生成され得て、この駆動コイルに印加され得る1つのコイル電圧である。当該制御信号を算出するためには、固定子2にある搬送装置Tnの現実の位置が、例えば搬送装置Tnの実際位置として算出され、当該移動を制御するためのシステム制御装置10に供給されてもよい。このため、複数の位置センサが、搬送装置Tnの位置を捕捉するために、良く知られている方法で固定子2に沿って配置されてもよい。
システム制御装置10は、協働する多数の制御部を有する分散型制御装置として構成されてもよい。例えば、所定の1つの区間に関与する複数の区間制御装置11が設けられている。場合によっては必要なデータ同士を交換できるようにするため、個々の区間制御装置11は、例えば図1のようなデータバス12を介して互いに接続されてもよい。システム制御装置10は、区間制御装置11に加えて上位の制御ユニット13を有してもよい。この制御ユニット13内では、例えば複数の搬送装置Tnの移動の複数の目標値が生成され、複数の搬送装置Tn間の衝突を回避するために、衝突論理14が実装されてもよい。しかし、このような衝突論理14は、(図1に例示されているように)独立した衝突制御装置15内に実装されてもよい。例えば、この衝突制御装置15も、データバス12を介してシステム制御装置10の別の制御ユニットに接続され得る。衝突制御装置15は、システム制御装置10の一部であってもよい。搬送システム1の別の構成要素、例えば(図1に破線で示されているように)操作装置8の制御ユニットが、データバス12を介してシステム制御装置10に接続されてもよく、又は、加工ステーション5の制御ユニットが、データバス12を介してシステム制御装置10に接続されてもよい。
一般に、制御デバイス(例えば、システム制御装置、区間制御装置、上位の制御ユニット、衝突制御装置、操作装置の制御ユニット又は加工ステーション)は、マイクロプロセッサをベースとしたハードウェアとして構成されていて、例えばコンピュータ、マイクロコントローラ、メモリにプログラミング可能な制御機構等として構成されている。望ましい機能を獲得するため、対応する制御ソフトウェアが、当該マイクロコントローラをベースとしたハードウェア上で公知の方式で実行される。望ましい機能を実現するため、当該ハードウェアは、当該ハードウェアに対応するインターフェースを外付けしてもよい。しかし、制御デバイスを集積回路として構成することも考えられ、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)として構成することも考えられる。ハイブリッドICも考えられる。
システム制御装置10の、一般に衝突用ソフトウェアの形式の衝突論理14は、予め設定されている、例えばプログラミングされた基準又は規定された基準に基づいて、1つの搬送装置Tnがその移動に起因して、近接した1つの搬送装置Tn-1又は搬送システム1の障壁Bとの衝突リスクが存在するか否かを検査する。近接した1つの搬送装置Tn-1は、搬送装置Tnの移動方向に見て、この搬送装置Tnの前方又はこの搬送装置Tnの後方を走行する搬送装置Tn-1(この場合、この搬送装置Tn-1の移動方向は重要でない)であり得るか(特に直線型のロングステータ・リニアモータの場合であるが、平面型のロングステータ・リニアモータの場合でも)、又はこの搬送装置Tnに並走する搬送装置Tn-1でもよい(特に平面型のロングステータ・リニアモータの場合、又は、転轍機Wの領域内)。搬送システム1の障壁Bは、例えば搬送装置Tnの移動経路を閉鎖する区間であり得る。当該区間の一例は、別の搬送装置Tnが加工ステーション5内に存在する時に、この加工ステーション5を閉鎖している出入口である。反対に、出入口が開かれている時は、障壁Bが存在しない。しかし、障壁Bは、専ら論理上だけで当該システム制御装置内に存在してもよい。例えば、このような論理上の障壁Bを使用することで、1つの搬送装置Tnが、転轍機W内に存在する時に、別の搬送装置が、当該転轍機の領域内に入り込むことが禁止される。しかし、このような論理上の障壁Bを使用することで、速度制限又は加速度制限を伴う領域も実現され得る。この場合、例えば、1つの搬送装置Tnが、所定の最大速度を超える速度で速度制限領域内に入り込むことを、障壁Bが阻止する。
この場合、衝突論理14は、特に、近接した搬送装置Tnと近接した搬送装置Tn-1との間又は1つの搬送装置Tnと1つの障壁Bとの間の移動方向の間隔Aを検査し(平面モータの場合は、2つの移動方向の間隔を検査し、又は当該方向に対して直角方向の転轍機Wの領域内の間隔も検査し)、当該間隔Aが障害発生時に1つの搬送装置Tn,Th-1の移動を変更して、衝突を回避するのに十分であるか否かを評価する。当該移動の変更は、例えば、搬送装置Tn,Tn-1を予め設定されている最大減速度(加速度限界値)で停止することとして実行され得るか、又は実際の速度を予め設定されている減速度で予め設定されているより低い速度に減少することとして実行されてもよい。このため、近接した2つの搬送装置Tn,Tn-1間又は1つの搬送装置Tnと1つの障壁Bとの間の移動方向の衝突間隔K(平面モータの場合は、2つの移動方向の間隔又は当該方向に対して直角方向の転轍機Wの領域内の間隔)が予め設定され得る。衝突間隔Kは下回ってはならない。何故なら、下回った場合は、当該移動が、衝突を回避するようにもはや適合され得ないからである。
間隔Aは、搬送装置Tn,Tn-1の衝突寸法と固定子2に対する近接した搬送装置Tn,Tn-1の実際の位置とから取得される。当該実際の位置は、位置センサによって計測され得るが、システム制御装置10内で算出された位置でもよく、又は位置に対して予め設定されている単なる目標値でもよい。当該衝突寸法は、搬送装置Tn,Tn-1の構造から取得される。図1による実施の形態では、当該衝突寸法は、1つの搬送装置Tn,Tn-1の長さL及び幅bによって与えられている。当該衝突寸法は、それぞれの搬送装置Tn,Tn-1の構造から直接に取得される実数値でもよいが、例えば、当該衝突寸法を簡単に確定し、搬送装置Tn,Tn-1の衝突にとって重要な領域を少なくとも包囲する搬送装置Tn,Tn-1の輪郭の幾何学形状(例えば、長方形)によって設定される単なる理論値でもよい。当該理論値は、間隔Aの計算を容易にし得る。直線型のロングステータ・リニアモータの直線区間上では、移動方向の衝突寸法は、間隔Aを算出するのに十分である。しかし、カーブ内又は転轍機W内では、移動方向に対して直角方向の衝突寸法も重要である。何故なら、1つの搬送装置Tn,Tn-1が、カーブの両端部で偏向し、当該間隔が、半径方向の内側で短くなるからである。いずれにしても、衝突論理14にとって必要な1つの搬送装置Tn,Tn-1の衝突寸法は、既知であると仮定され得る。
当然に、衝突間隔K及び間隔A並びに位置は、搬送装置Tn,Tn-1の所定の基準点、例えば(図1のように)中心点を基準とされ、又は1つの搬送装置Tn,Tn-1の(移動方向ごとに見た)前方の端部又は後方の端部を基準とされる。
衝突間隔Kは、搬送装置Tn,Tn-1の実際の移動距離、特に速度及び加速度に依存する。近接した搬送装置Tn,Tn-1の移動又は(障壁Bに近接した時の)搬送装置Tnの移動に介入することによって、衝突が回避され得るように、衝突間隔Kは選択又は予め設定される必要がある。したがって、予め設定されている衝突移動限界値も、衝突間隔Kを計測するために重要な役割を果たす。何故なら、当該予め設定されている衝突移動限界値は、どのようにして搬送装置Tn,Tn-1の移動に介入され得るか、例えば、最大減速度(加速度限界値)で制動されるのか、又は最大速度(速度限界値)に加速されるのか、場合によっては最大加速度で加速されるのかを確定するからである。衝突間隔Kは、設定され得るが、稼働中にも、例えば衝突論理14によって継続して適合され得る。
したがって、搬送装置Tn,Tn-1の予め設定されている衝突移動限界値と予め設定されている衝突寸法とを考慮して、当該近接した搬送装置Tnと搬送装置Tn-1との衝突又は搬送装置Tnと障壁Bとの衝突を回避できるようにするため、固定子2に対して近接した搬送装置Tn,Tn-1間の間隔A又は1つの搬送装置Tnと1つの障壁Bとの間の間隔Aが十分に大きいことが、搬送システム1の稼働中に継続して監視される。この場合、当該衝突移動限界値は、どのようにして1つの搬送装置Tn,Tn-1の移動が適切に変更され得るか、すなわち、例えばどのくらいの最大減速度で制動され得るかを確定する。この検査は、衝突制御の時間ステップごとに、一般に10~100msごとに実行される。この場合、当該衝突制御の時間ステップは、特に搬送装置Tnの移動の制御の時間ステップに相当する。
衝突間隔Kが、予め設定されている限界条件(衝突移動限界値、衝突寸法、関与する搬送装置Tn,Tn-1)に対して最初に確認され得て、一定の限界条件ではもはや変更されない。衝突間隔Kは、搬送装置Tn,Tn-1の異なる組み合わせごとに異なり得る。しかし、基本的な処理は決して変更されない。限界条件が変更されると、衝突間隔Kは、新たに算出され得る。当該算出は、簡単な運動方程式で実行できる。
衝突間隔Kが、関与する搬送装置Tn,Tn-1の衝突寸法及び衝突移動限界値に依存する場合、当該衝突寸法及び当該衝突移動限界値の変更が、搬送システム1に予期しない状況を引き起こす。最悪の場合、衝突が発生するか、又は、搬送システム1の一部又は全体が緊急停止する。当該状況を以下の代表的な例に基づいて説明する。この場合、当該例の他にも、さらなる例が列挙され得る。
例えば、所定の製品6が、1つの搬送装置Tnに積載され、この製品6が、例えば図1の搬送装置T1に破線で示されているように、この搬送装置Tnの前方の縁部から突出すると、この搬送装置Tnの衝突寸法が、移動方向に大きくなる。その結果、同じ移動方向に前方を走行している搬送装置Tn-1までの間隔A又はこの搬送装置Tnの前方に存在する障壁Bまでの間隔A又は搬送装置Tnに向かって走行している搬送装置Tn-1までの間隔Kが短くなる。何故なら、間隔Aは、衝突寸法に依存するからである。この場合、2つの搬送装置Tn,Tn-1間の衝突間隔K又は障壁Bまでの衝突間隔Kが下回れ得る。
例えば、所定の製品6が、1つの搬送装置Tnに積載されると、この搬送装置Tnの衝突寸法が、移動方向に向かって大きくなる。その結果、搬送装置Tnの後方を走行している搬送装置Tn-1までの間隔A又は搬送装置Tnの後方に存在する障壁Bまでの間隔A又は搬送装置Tnから遠ざかって走行する搬送装置Tn-1までの間隔Aが短くなる。何故なら、間隔Aは、衝突寸法に依存するからである。この場合、2つの搬送装置Tn,Tn-1間の衝突間隔K又は障壁Bまでの衝突間隔Kが下回れ得る。
製品6が、(図1に同様に示されているように)横方向にさらに突出している場合、同じ状況が、特に平面型のロングステータ・リニアモータの場合に発生し得る。当該横方向の拡張は、直線型のロングステータ・リニアモータのカーブ又は転轍機Wでも、間隔Aを短くする。
1つの搬送装置Tnの最大減速度が大きくなる。その結果、例えば、前方を走行しているこの搬送装置Tnが、この大きくなった最大減速度で制動される時に、当該近接した搬送装置Tn-1までの間隔Aが非常に短くなる。
1つの搬送装置Tnの最大減速度が小さくなる。その結果、例えば、この搬送装置Tnが、この減少した最大減速度で制動される時に、前方を走行している搬送装置Tn-1までの間隔Aが非常に短くなる。これにより、制動距離が長くなる。障壁Bまでの間隔Aが非常に短くなる場合、同じことが、この障壁Bに対して成立する。
基本的には、特に、移動限界値を変更することによって、前方を走行している搬送装置Tnの制動距離が短くなる場合に、又は後方を走行している搬送装置Tnの制動距離が長くなる場合に、問題が、衝突の回避時に発生し得る。
このような状況を回避するため、搬送システム1の稼働中に、1つの搬送装置Tnのための新しい移動限界値又は新しい寸法が予め設定される時に、以下のように実行される。当該新しい移動限界値又は当該新しい寸法が、近接した1つの搬送装置Tn-1又は1つの障壁Bとの衝突リスクを引き起こすか否かが検査される。この場合、当該搬送装置Tn-1は、前方を走行している搬送装置Tn-1、後方を走行している搬送装置Tn-1又は先行している搬送装置Tn-1であり得る。平面型のロングステータ・リニアモータの場合、当然に、2つの移動方向を検査する必要がある。しかし、最初は、当該新しい移動限界値又は当該新しい寸法は、システム制御装置10内だけに記憶されるが、衝突論理14によって即座に採用されない。衝突論理14は、衝突移動限界値としての新しい移動限界値によって、又は衝突寸法としての新しい寸法とによって、別の搬送装置Tn-1又は障壁Bとの衝突リスクが認識されるか否かを検査する。当該検査は、衝突論理14内に予め設定されている、衝突リスクを検査するための基準によって簡単に実行され得る。この場合、当該新しい寸法又は当該新しい移動限界値が、この検査のために、例えば間隔A又は衝突間隔Kを算出するために採用される。衝突リスクが認識されない場合は、当該新しい移動限界値が、この搬送装置Tnのための新しい衝突移動限界値として採用されるか、又は、当該新しい寸法が、この搬送装置Tnのための衝突寸法として採用され、その後に(起こり得る新たな変更まで)衝突論理14で使用される。
当該新しい寸法又は当該新しい移動限界値が採用されなかった場合は、当該新しい寸法又は当該新しい移動限界値が採用され得るまで、この検査が、例えば当該検査のそれぞれの時間ステップごとに繰り返され得る。近接した搬送装置Tn,Tn-1の移動に変化がない場合は、当該新しい寸法又は当該新しい移動限界値は全く採用されない。しかし、特に長い又は複数の移動経路P1,P2と多数の搬送装置Tnとを有する搬送システム1の場合、この状況は発生し得ない。
近接した搬送装置Tn,Tn-1のうちの少なくとも1つの搬送装置の移動が試みられ得ることを、システム制御装置10が可能にする場合は、結果として、当該新しい寸法又は当該新しい移動限界値の採用が可能になる。
衝突リスクが、衝突論理14によって認識されると、最初に、搬送装置Tnの移動が変更され得て、及び/又は、必要な場合は、近接した搬送装置Tn-1の移動が変更され得る。その結果、新しい移動限界値を第1の搬送装置Tnのための衝突移動限界値として使用することで、又は、新しい寸法を衝突寸法として使用することで、当該衝突リスクがなくなる。衝突リスクが、当該移動のこの適合によってもはや認識されない場合に初めて、当該新しい移動限界値が、当該第1の搬送装置Tnのための衝突移動限界値として使用されるか、又は、当該新しい寸法が、当該第1の搬送装置Tnの衝突寸法として衝突論理14で衝突を回避するために使用される。
衝突リスクのこの検査は、衝突制御のそれぞれの時間ステップごとに、又はより大きい時間間隔(例えば、衝突制御の当該時間ステップの整数倍)ごとに衝突論理14によって実行され得る。
1つの搬送装置Tnの衝突寸法を変更する場合、特に拡張する場合、実際の変更が搬送システム1上で実行される前に、すなわち、例えば製品6がこの搬送装置Tn上に実際に積載される前に、変更がシステム制御装置10内で既に実行されることが有益であり得る。したがって、衝突論理14は、システム制御装置10上での実際の変更の時点に既に新しい衝突寸法によって稼働している。
1つの搬送装置Tnの衝突寸法又は衝突移動限界値が、ユーザによって変更され得るが、システム制御装置10、例えば上位の制御ユニット13から変更されてもよい。例えば、搬送装置Tnと搬送装置Tn-1との間の安全間隔又は障壁Bまでの安全間隔が、衝突寸法にわたってユーザによって簡単に適合され得る。1つの搬送装置Tnのための移動命令が、別の衝突移動限界値を有する別の移動命令によって起動されると、変更が、システム制御装置10によって実行され得る。
1 搬送システム
2 固定子
3 磁場発生装置
4 励磁磁石
5 加工ステーション
6 製品
7 転送ステーション
8 操作装置
10 システム制御装置
11 分散型制御装置、区間制御装置
12 データバス
13 上位の制御ユニット
14 衝突論理
15 衝突制御装置
T1 搬送装置
T2 搬送装置
T3 搬送装置
T4 搬送装置
Tn 搬送装置
Tn-1 搬送装置
W 転轍機(ポイント)
W1 転轍機(ポイント)
W2 転轍機(ポイント)
Sm 固定子区間
P1 移動経路
P2 移動経路
A 間隔
B 障壁、理論上の障壁
K 衝突間隔
L 長さ
b 幅
2 固定子
3 磁場発生装置
4 励磁磁石
5 加工ステーション
6 製品
7 転送ステーション
8 操作装置
10 システム制御装置
11 分散型制御装置、区間制御装置
12 データバス
13 上位の制御ユニット
14 衝突論理
15 衝突制御装置
T1 搬送装置
T2 搬送装置
T3 搬送装置
T4 搬送装置
Tn 搬送装置
Tn-1 搬送装置
W 転轍機(ポイント)
W1 転轍機(ポイント)
W2 転轍機(ポイント)
Sm 固定子区間
P1 移動経路
P2 移動経路
A 間隔
B 障壁、理論上の障壁
K 衝突間隔
L 長さ
b 幅
Claims (5)
- 複数の搬送装置(Tn)を有するロングステータ・リニアモータとしての搬送システム(1)を稼働させるための方法であって、近接した複数の搬送装置(Tn)間の間隔(A)又は1つの搬送装置(Tn)と1つの障壁(B)との間の間隔(A)が十分に大きいことが、前記搬送システム(1)の稼働中に予め設定されている衝突論理(14)によって継続して監視される結果として、複数の前記搬送装置(Tn)又は1つの前記搬送装置(Tn)の予め設定されている衝突移動限界値と予め設定されている衝突寸法とを考慮して、近接した前記複数の搬送装置(Tn)の衝突又は1つの前記搬送装置(Tn)と1つの前記障壁(B)との衝突が回避可能である当該方法において、
前記搬送システム(1)の稼働中に、第1の搬送装置(Tn)のための新しい移動限界値又は新しい寸法が予め設定され、前記新しい移動限界値を衝突移動限界値として又は前記新しい寸法を衝突寸法として使用する前に、前記新しい移動限界値又は前記新しい寸法が、予め設定されている衝突論理に基づいて、近接した別の搬送装置(Tn)又は前記搬送システム(1)の障壁(B)との衝突リスクを引き起こすか否かが、前記衝突論理(14)で検査され、
衝突リスクが認識されないと、前記新しい移動限界値が、前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突移動限界値として前記衝突論理で使用され、又は、前記新しい寸法が、前記第1の搬送装置(Tn)の衝突寸法として前記衝突論理で使用されることを特徴とする方法。 - 近接した前記複数の搬送装置(Tn)について、又は1つの前記搬送装置(Tn)と1つの前記障壁(B)とについて衝突リスクが認識されると、前記衝突リスクの検査が、予め設定されている時間間隔ごとに繰り返されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 衝突リスクが認識された場合は、最初に、前記第1の搬送装置(Tn)の移動及び/又は前記別の搬送装置(Tn)の移動が変更される結果として、前記新しい移動限界値を前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突移動限界値として使用することで、又は前記新しい寸法を前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突寸法として使用することで、前記衝突リスクがなくなり、このときに初めて、前記新しい移動限界値が、前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突移動限界値として前記衝突論理で使用され、又は、前記新しい寸法が、前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突寸法として前記衝突論理で使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 複数の搬送装置(Tn)とこれらの搬送装置(Tn)の移動を制御する1つのシステム制御装置(10)とを有するロングステータ・リニアモータとしての搬送システムであって、
衝突制御装置(15)が設けられていて、この衝突制御装置(15)は、近接した複数の搬送装置(Tn)間の間隔(A)又は1つの搬送装置(Tn)と1つの障壁(B)との間の間隔(A)が十分に大きいことを、前記搬送システム(1)の稼働中に予め設定されている衝突論理(14)によって継続して監視する結果として、複数の前記搬送装置(Tn)又は1つの前記搬送装置(Tn)の予め設定されている衝突移動限界値と予め設定されている衝突寸法とを考慮して、近接した前記複数の搬送装置(Tn)の衝突又は1つの前記搬送装置(Tn)と1つの前記障壁(B)との衝突が回避可能である当該搬送システムにおいて、
前記搬送システム(1)の稼働中に、第1の搬送装置(Tn)のための新しい移動限界値又は新しい寸法が予め設定可能であり、前記衝突制御装置(15)が、前記新しい移動限界値を衝突移動限界値として又は前記新しい寸法を衝突寸法として使用する前に、前記新しい移動限界値又は前記新しい寸法が、予め設定されている衝突論理に基づいて、近接した別の搬送装置(Tn)又は前記搬送システム(1)の障壁(B)との衝突リスクを引き起こすか否かを、前記衝突論理(14)で検査し、
衝突リスクがない場合に、前記衝突論理(14)は、前記新しい移動限界値を、前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突移動限界値として採用するか、又は前記新しい寸法を、前記第1の搬送装置(Tn)の衝突寸法として採用することを特徴とする搬送システム。 - 衝突リスクが認識された場合は、前記システム制御装置(10)が、最初に、前記第1の搬送装置(Tn)の移動及び/又は前記別の搬送装置(Tn)の移動を変更する結果として、前記新しい移動限界値を前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突移動限界値として使用することで、又は前記新しい寸法を前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突寸法として使用することで、前記衝突リスクがなくなり、このときに初めて、前記衝突論理(14)が、前記新しい移動限界値を、前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突移動限界値として使用し、又は前記新しい寸法を、前記第1の搬送装置(Tn)のための衝突寸法として使用することを特徴とする請求項4に記載の搬送システム。
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