JP2022183885A - 原子力プラント及び原子力プラントの水素製造方法 - Google Patents

原子力プラント及び原子力プラントの水素製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外部から与えられる発電指令を満たす運用を行いつつ効率的な水素の製造が可能な原子力プラント及び原子力プラントの水素製造方法を提供する。【解決手段】原子力プラント1は、原子炉11で発生した蒸気によって蒸気タービン12を駆動させることで発電する原子力発電システム2と、原子力発電システム2から供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から生成した水蒸気を加熱してから電力系統100等から供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水素製造装置31と、水素製造装置31で生成された水蒸気を加熱するための熱エネルギを水素製造装置31に供給する熱供給システム33とを備える。熱供給システム33は、電力系統100等から供給される電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵すると共に、貯蔵した所定の形態のエネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給するように構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、水素製造装置を備えた原子力プラント及び原子力プラントの水素製造方法に関する。
原子力プラントにおいては、軽水炉で発生させた蒸気の熱エネルギ及び電力を固体酸化物形電解セル(Solid Oxide Electrolysis Cell:SOEC)に供給することで水蒸気を電気分解して水素を製造する手法が提案されている。SOECは、水蒸気から水素を取り出す水素極と酸素を取り出す酸素極とを電解質で挟んだセル構造となっている。SOECでは、両極に電圧を印加すると、酸化物イオン(O2-)が電解質を透過することで、水素極に水素が発生すると共に酸素極に酸素が発生する。SOECは、700℃~800℃程度の温度で作動するものである。軽水炉では、核***で生じた熱を回収するための冷却材として軽水を用いているので、炉内で沸騰する水の温度は約280℃(飽和温度)である。そのため、上記手法では、SOECの両極に印加する電力とは別に、SOECを作動温度(700~800℃)まで加熱する熱源として電力を用いる必要がある。
例えば、特許文献1には、原子炉(軽水炉)で発生させた蒸気の熱エネルギ及び電力を用いて水蒸気を電気分解して水素を製造する方法の一例が記載されている。特許文献1に記載の水素製造方法では、タービンを回転させる熱源(原子炉)の冷却材(蒸気)の一部を水蒸気発生装置に導いてこの冷却材の熱エネルギにより水蒸気を発生させ、当該水蒸気を第1加熱手段である熱交換器で昇温させた後に第2加熱手段である電熱器で電気エネルギにより更に昇温させ、昇温した水蒸気を水蒸気電解装置に導入して水素を生成する。生成された水素と未反応の水蒸気との混合ガスの有する熱エネルギを第1加熱手段に供給することで第1加熱手段による水蒸気の昇温を行い、第1加熱手段にて熱エネルギを奪われた混合ガスから水素を水素分離膜によって分離し、残留した未反応の水蒸気を水蒸気発生装置で発生した水蒸気に合流させてから第1加熱手段に再び導いて再昇温させる。
特開2006-307290号公報
ところで、温室効果ガスの排出量削減を目的とした再生可能エネルギ発電の導入及び温室効果ガスの主たる排出源である火力発電の順次廃止が進められている現状においては、温室効果ガスの一つである二酸化炭素を排出しないクリーンな燃料として水素が着目されている。なかでも、原子炉で発生させた蒸気の熱エネルギ及び電力を用いて製造される水素(原子力プラントで製造される水素)はその製造過程で二酸化炭素を排出しないことや大規模な製造が可能であることから、原子力プラントは水素エネルギを基軸とした社会(水素社会)における主たる水素供給手段として期待されている。
しかしながら、水素社会においても、多くの機器や設備はエネルギとして電気を必要としており、電気の殆どは再生可能エネルギ発電プラントや原子力プラントなどが接続されている電力系統から供給される。そのため、昼夜や天候に応じて時々刻々と変化する電力の需要と供給を常にバランスさせて運用する電力系統にあっては、再生可能エネルギの発電量の変動を吸収して当該電力系統を安定的に運用するための発電手段(電力の調整手段)が必要である。そこで、出力一定の運転(ベースロード運転)又は緩やかな出力変更の運転が前提であった原子力プラントに対して、水素製造の役割に加えて、電力の調整手段としての役割が求められる。すなわち、原子力プラントは、電力系統における電力の需給変動に応じて外部(例えば、中央給電指令所)から与えられる発電指令に対応する運転(以下、負荷追従運転と称することがある)が求められる。
例えば、特許文献1に記載の原子力プラントを電力の調整手段として用いて負荷追従運転させることを想定する。この場合、再生可能エネルギ発電における発電量の低下又は夏季や冬季の電力使用量の増大などにより電力系統において電力需給が逼迫したときには、当該原子力プラントの発電出力を全て電力系統に供給するように運用することがある。この場合、水蒸気電解装置の水蒸気を加熱するための電力及び水蒸気電解装置が水蒸気を電気分解するための電力が不足するので、当該電解装置を停止させる必要がある。当該電解装置は停止によりその温度が低下してしまう。そのため、電力需給の逼迫が解消されて電力供給を再開して水蒸気電解装置を再起動させても、当該電解装置は温度の低下によって水素製造を直ぐに再開することができない。水蒸気電解装置による水素製造を再開させるには、当該電解装置を作動温度になるまで一定の時間をかけて加熱する手順が必要となる。このように、水蒸気電解装置を停止させた場合、当該電解装置を加熱するための時間が必要になるので、その分、水蒸気電解装置の水素製造の稼働率が低下し、水素製造量が減少してしまう。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、電力系統の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令を満たす運用を行いつつ、効率的な水素の製造が可能な原子力プラント及び原子力プラントの水素製造方法を提供するものである。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいる。その一例を挙げるならば、電力系統に接続され、原子炉で発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電する原子力発電システムと、前記原子力発電システムから供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から生成した水蒸気を加熱してから前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水素製造装置と、前記水素製造装置において生成された水蒸気を加熱するための熱エネルギを前記水素製造装置に供給する熱供給システムとを備え、前記熱供給システムは、前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵すると共に、貯蔵している所定の形態のエネルギを前記水素製造装置に対して熱エネルギとして供給するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、電力系統等の電力を所定のエネルギ形態として貯蔵してから熱エネルギとして水素製造装置に供給するように熱供給システムを構築したので、電力系統の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令を満たすように原子力発電システムを運用した上で、原子力発電システムの発電出力に余剰電力があれば水素製造装置による水素製造を行う一方、余剰電力が無い場合には水素製造装置を停止させて熱供給システムの貯蔵エネルギを水素製造装置に熱エネルギとして供給することが可能となる。これにより、停止中の水素製造装置をその作動温度近傍に維持することが可能なので、水素製造装置は再起動により水素製造を迅速に再開することができる。すなわち、原子力プラントは、発電指令を満たす運用を行いつつ効率的な水素の製造が可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの概略構成を示すブロック図である。 図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの詳細構成を示す系統図である。 図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントにおける水素製造装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントにおけるプラント制御装置の機能構成を示すブロック図である。 晴天の一日における電力需要に対する各種発電の発電量の時間推移の一例を示す説明図である。 太陽光発電が機能しない日における電力需要に対する各種発電の発電量の時間推移の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの水素製造方法における図6に示す電力需要に対応した水素製造量の時間推移の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの水素製造方法に対する比較例の原子力プラントの水素製造方法における図6に示す電力需要に対応した水素製造量の時間推移の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントの概略構成を示すブロック図である。 図9に示す本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントの詳細構成を示す系統図である。 図10に示す本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントにおけるプラント制御装置の機能構成を示すブロック図である。
以下、本発明の原子力プラント及び原子力プラントの水素製造方法の実施の形態について図面を用いて説明する。以下で説明する実施の形態は、沸騰水型原子炉(BWR)を備える原子力プラントに適用した例である。また、各図は、本発明を十分に理解できる程度に概略的に示したものであり、図示例のみに限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
先ず、本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの概略構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの概略構成を示すブロック図である。
図1において、本実施の形態に係る原子力プラント1は、原子力を用いることで発電及び水素製造を行う電力水素併産型のプラントであり、電力系統100に送電すると共に水素製造のために電力系統100から受電するように構成されている。原子力プラント1は、原子力の熱エネルギにより発生した蒸気を用いて発電する原子力発電システム2と、原子力発電システム2から供給される蒸気の熱エネルギ及び電力系統100から供給される電力を用いて原水から水素を製造する水素製造システム3とを備えている。
原子力発電システム2は、主要な構成として、核燃料の核***のエネルギにより生じた熱エネルギを用いて蒸気(飽和蒸気)を発生させる原子炉11と、原子炉11で発生した蒸気が導入されることで回転駆動する蒸気タービン12と、蒸気タービン12に機械的に連結されて発電する発電機13とを備えている。発電機13は、電力系統100に電気的に接続されており、発電した電力を電力系統100に送電する。原子力発電システム2は、原子炉11で発生した蒸気の一部(蒸気タービン12への流入量を除いた余剰分)を水素製造システム3に供給可能に構成されている。
水素製造システム3は、主要な構成として、原子力発電システム2から供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から生成した水蒸気を加熱してから電力系統から供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水素製造装置31と、水素製造装置31が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵装置32とを備えている。水素製造装置31は、原子力発電システム2から供給される蒸気の温度よりも高温(例えば、700~800℃)の水蒸気を電気分解するものである。そのため、水素製造システム3は、水素製造装置31において生成された水蒸気を加熱するための熱エネルギを水素製造装置31に供給する熱供給システム33を更に備えている。熱供給システム33は、電力系統100から供給される電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵すると共に、貯蔵している所定の形態のエネルギを水素製造装置31に対して熱エネルギとして供給するように構成されている。本実施の形態に係る熱供給システム33は、電力系統100から供給される電力を熱エネルギに変換する電熱器34と、電熱器34により変換された熱エネルギを貯蔵すると共に貯蔵している熱エネルギを水素製造装置31に供給する蓄熱設備35との組合せによって構成されている。熱供給システム33は、貯蔵している熱エネルギを水素製造装置31に供給することで、水素製造装置31の稼働中においては水蒸気を当該装置31の作動温度(例えば、700~800℃)に昇温させる一方、水素製造装置31の停止中においては当該装置31の温度をその作動温度の近傍の所定の範囲に維持するものである。所定の範囲は、例えば、水素製造装置31の作動温度から約-50℃までの範囲に設定されている。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの詳細構成について図2を用いて説明する。図2は図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの詳細構成を示す系統図である。
原子力発電システム2における原子炉11は、内部に燃料体(燃料棒)を装荷しており、冷却水を一定水位まで満たす圧力容器である。原子炉11は、原子炉11の出力を制御する手段として、燃料体の反応を制御するための制御棒11aと、燃料体と冷却水との熱交換量を制御する再循環システム11bとを備えている。制御棒11aは、駆動機構によって炉心に対して出し入れされるものである。制御棒11aの駆動(制御棒11aの駆動機構)は、プラント制御装置5の後述の御棒位置指令Crにより制御される。再循環システム11bは、原子炉11の下部から冷却水の一部を抜き出して原子炉11の中央部へと還流させるものである。再循環システム11bでは、循環する冷却水の流量を再循環ポンプ11cにより調整する。再循環ポンプ11cの駆動(流量)は、プラント制御装置5の後述の再循環流量指令Cpにより制御される。
原子力発電システム2における蒸気タービン12は、例えば、原子炉11で発生した蒸気が導入される高圧タービン12aと、高圧タービン12aの下流に位置する低圧タービン12bとで構成されている。高圧タービン12aと低圧タービン12bは、タービンシャフト12cで接続されており、タービンシャフト12cを介して発電機13を回転駆動する。高圧タービン12aと低圧タービン12bとを接続する流路には、加熱器14が配置されている。加熱器14は、高圧タービン12aから排出された蒸気を原子炉11から供給される蒸気を用いて再加熱するものであり、再加熱された蒸気を低圧タービン12bに供給する。
原子力発電システム2は、前述の原子炉11、蒸気タービン12、発電機13の他に、蒸気タービン12(低圧タービン12b)から排出された蒸気を凝縮させて生じた水を再び原子炉11に供給する復水給水系統を備えている。復水給水系統は、蒸気タービン12から排出される蒸気を凝縮させて復水として貯留する復水器15と、復水器15から供給された復水を加温する低圧給水加熱器16と、低圧給水加熱器16から供給された復水を加温する高圧給水加熱器17とを含んでいる。復水給水系統は、また、復水器15に貯留されている復水を低圧給水加熱器16に送出する復水ポンプ18と、低圧給水加熱器16の復水を加圧して高圧給水加熱器17に供給し、原子炉11に給水として送出する給水ポンプ19とを含んでいる。低圧給水加熱器16及び高圧給水加熱器17には、それぞれ低圧タービン12b及び高圧タービン12aから抽出された蒸気が加熱源として抽気管路を介して供給される。なお、図2では、低圧タービン12bからの抽気管路及び高圧タービン12aからの抽気管路が便宜上それぞれ1本のみ示されているが、複数の抽気配管を備える構成も可能である。
原子力発電システム2は、原子炉11で発生した蒸気を、主蒸気管21を介して高圧タービン12aへ供給すると共に、主蒸気管21から分岐したバイパス管22を介して水素製造システム3の水素製造装置31に供給するように構成されている。主蒸気管21には蒸気加減弁23が設けられていると共に、バイパス管22にはバイパス弁24が設けられている。蒸気加減弁23は、原子炉11から高圧タービン12aに供給される蒸気流量を調節するものであり、その開度がプラント制御装置5の後述の開度指令Cv1により制御される。バイパス弁24は、原子炉11から水素製造装置31に供給される蒸気流量を調節するものであり、その開度がプラント制御装置5の後述の開度指令Cv2により制御される。原子力発電システム2には、原子炉11内の圧力を検出する圧力計26が設置されていると共に、発電機13の発電出力を検出する電力計27が設置されている。圧力計26及び電力計27はそれぞれ、検出値Ps及び検出値Esを後述のプラント制御装置5に出力する。
水素製造システム3においては、熱供給システム33の電熱器34がプラント制御装置5の後述の第1の電力要求指令Ce1に応じて電力系統100(図1参照)の電力を熱エネルギに変換して蓄熱設備35に供給する。熱設備35は、電熱器34から供給される熱エネルギを貯蔵すると共に、貯蔵している熱エネルギを水素製造装置31に調節弁36を介して供給するように構成されている。蓄熱設備35は、例えば、溶融塩など流動可能な蓄熱媒体を収容するものである。調節弁36は、蓄熱設備35から水素製造装置31に供給される熱エネルギ量を調節するものであり、その開度がプラント制御装置5の後述の加熱量指令Chにより制御される。水素製造装置31は、プラント制御装置5の後述の第1の電力要求指令Ce1に応じて電力系統100から供給される電力が制御されることで、水素の製造量が調節される。水素製造装置31の詳細な構成は後述する。
プラント制御装置5には、電力系統100(図1参照)の電力の需給変動に応じて原子力プラント1の原子力発電システム2の発電出力を指示する発電指令(以下、系統負荷要求と称することがある)が外部(例えば、図示しない中央給電指令所)から入力されると共に、圧力計26により検出された原子炉11の圧力及び電力計27より検出された発電機13の発電出力が入力される。プラント制御装置5は、入力された発電指令、圧力計26の検出値(原子炉11の圧力)、及び電力計27の検出値(発電機13の発電出力)に基づき、原子力発電システム2の出力制御を行うと共に、水素製造システム3の水素製造制御(水素製造装置31及び熱供給システム33の制御)を行うものである。すなわち、プラント制御装置5は、原子力発電システム2が発電指令を満たす電力分を出力するのに加えて発電指令の状況によっては水素製造システム3の水素製造のための余剰蒸気及び余剰電力分を出力し、水素製造システム3が原子力発電システム2の余剰分の蒸気及び電力分を用いて水素製造を行うように原子力プラント1を運用する。プラント制御装置5の構成及び機能の詳細については後述する。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントにおける水素製造装置の構成について図3を用いて説明する。図3は図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントにおける水素製造装置の構成を示すブロック図である。
図3において、水素製造装置31は、原子力発電システム2から供給される蒸気及び電力系統100から供給される電力を用いて原水から高温(例えば、700~800℃)の水蒸気(過熱水蒸気)を生成し、生成した高温の水蒸気を電力系統100から供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造するものである。水素製造装置31は、例えば、上流側から順に、蒸気発生器41、熱交換器42、蒸気加熱器43、水蒸気電解装置44、水素分離装置45を備えている。
蒸気発生器41は、原子力発電システム2の原子炉11から供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から水蒸気(飽和蒸気)を生成するものであり、生成した水蒸気(飽和蒸気)を熱交換器42に導入する。蒸気発生器41への蒸気供給流量はバイパス弁24(図2を参照)によって調節される。
熱交換器42は、蒸気発生器41で生成された飽和水蒸気を加熱することで昇温して過熱蒸気を生成するものであり、昇温した水蒸気を蒸気加熱器43に導入する。熱交換器42には、水蒸気電解装置44から排出される後述の混合気体が加熱源として導入される。すなわち、熱交換器42は、水蒸気電解装置44から排出される混合気体の熱エネルギを再利用して蒸気発生器41からの飽和水蒸気を加熱するものである。
蒸気加熱器43は、熱交換器42で昇温された水蒸気を熱供給システム33の蓄熱設備35から供給される熱エネルギを用いて更に加熱することで水蒸気電解装置44の作動温度まで昇温させるものであり、昇温した高温水蒸気を水蒸気電解装置44に導入する。蒸気加熱器43に供給される熱エネルギは、調節弁36(図2参照)によって調節される。
水蒸気電解装置44は、蒸気加熱器43で昇温された高温水蒸気を電力系統100から供給される電力を用いて電気分解することで水素を生成するものである。水蒸気電解装置44は、例えば、固体酸化物形電解セル(SOEC)を含むものであり、700~800℃で作動する。SOECは、水蒸気から水素を取り出す水素極(カソード)と酸素を取り出す酸素極(アノード)とを電解質で挟んだセル構造となっている。SOECでは、両極に電圧を印加すると、酸化物イオン(O2-)が電解質を透過することで、酸素極に酸素が発生する一方、水素極に水素が発生する。水蒸気電解装置44で発生した水素及び酸素、並びに、電気分解されずに残った未利用の水蒸気を含む混合気体は高温の状態のままである。そこで、水蒸気電解装置44から排出される混合気体(水素を含む水蒸気及び酸素を含む水蒸気)は、熱交換器42に導入されて熱交換器42の加熱源として利用される。
水素分離装置45は、水蒸気電解装置44から排出された混合気体から水素を分離するものである。水素分離装置45は、分離した水素を水素貯蔵装置32(図1参照)へ送出する一方、水素が分離された水蒸気を蒸気発生器41で発生した飽和蒸気に合流させるように構成されている。
上述した構成の水素製造装置31においては、水素分離装置45によって水素が除去された水蒸気を熱交換器42及び蒸気加熱器43を介して水蒸気電解装置44に再び導入して電気分解する循環サイクルが構築されている。また、水素製造装置31は、原子炉11から供給される蒸気量が不足している場合(すなわち、発電指令に対して原子炉11で発生した蒸気量に余剰蒸気が無い場合)、又は、発電指令に対して原子力発電システム2の電力系統100への送電に余剰電力が無い場合に、水蒸気電解装置44を停止させると共に、蓄熱設備35の熱エネルギを蒸気加熱器43に供給して循環サイクルを流れる水蒸気を所定の範囲内の温度に保持することで、停止中の水蒸気電解装置44が保温された状態になるように構成されている。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントにおけるプラント制御装置の機能構成について図4を用いて説明する。図4は図2に示す本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントにおけるプラント制御装置の機能構成を示すブロック図である。
図4において、プラント制御装置5は、ハード構成として例えば、ROMやRAM等からなる記憶装置51とCPUやMPU等からなる処理装置52とを備えたマイクロコンピュータを内蔵している。記憶装置51には、原子力発電システム2の出力制御を行うために必要なプラグラムや各種情報が予め記憶されている。記憶装置51には、また、水素製造システム3に対する水素製造の制御及びエネルギ貯蔵の制御を行うために必要なプラグラムや各種情報が予め記憶されている。処理装置52は、記憶装置51から各種プログラムや各種情報を適宜読み込み、当該プログラムに従って処理を実行することで各種機能を実現する。
本実施の形態のプラント制御装置5は、原子炉プラント1の外部から与えられる発電指令を満たすように原子力発電システム2(原子炉11及び蒸気タービン12)を制御することに加えて、原子力発電システム2が当該発電指令に対して余剰蒸気及び余剰電力分を生成可能な場合には水素製造システム3に対して水素を製造する制御を行う一方、余剰蒸気及び余剰電力分を生成不能な場合には水素製造システム3に対して水素製造装置31を保温する制御を行うものである。具体的には、プラント制御装置5は、原子力発電システム2を制御する原子力発電システム制御部60と、水素製造システム3を制御する水素製造システム制御部70とを有している。原子力発電システム制御部60は、プラント負荷演算部61、タービン負荷演算部62、原子炉出力制御部63、タービンガバナ制御部64を含んでいる。水素製造システム制御部70は、水素製造負荷演算部71、熱出力制御部72、水素製造制御部73、蓄熱制御部74を含んでいる。
原子力発電システム制御部60のプラント負荷演算部61には、外部からの発電指令Li(系統負荷要求)及び電力計27の検出値Esである発電機13の発電出力が入力されると共に、水素製造制御部73の後述の第1の電力要求指令Ce1及び蓄熱制御部74の後述の第2の電力要求指令Ce2が入力される。プラント負荷演算部61は、入力された発電指令Li、第1の電力要求指令Ce1、第2の電力要求指令Ce2、電力計27の検出値Esを基に、原子炉11(原子力プラント1)の目標出力に相当する原子炉負荷Lpを演算する。プラント負荷演算部61は、基本的には、原子炉11の最大出力又は定格出力を考慮して、発電指令Liを満たしつつ水素製造に必要な余剰蒸気及び余剰電力分を生成するように原子炉11の目標出力を設定するものである。プラント負荷演算部61は、演算結果の原子炉負荷Lpを原子炉出力制御部63、タービンガバナ制御部64、水素製造システム制御部70の水素製造負荷演算部71、熱出力制御部72へ出力する。
タービン負荷演算部62には、外部からの発電指令Li(系統負荷要求)が入力されると共に、水素製造制御部73の後述の第1の電力要求指令Ce1及び蓄熱制御部74の後述の第2の電力要求指令Ce2が入力される。タービン負荷演算部62は、入力された発電指令Li、第1の電力要求指令Ce1、第2の電力要求指令Ce2を基に、蒸気タービン12の目標出力に相当するタービン負荷Ltを演算する。タービン負荷演算部62は、基本的には、蒸気タービン12の最大出力又は定格出力を考慮して、発電指令Liを満たしつつ水素製造に必要な余剰電力分を生成するように蒸気タービン12の目標出力を設定するものである。タービン負荷演算部62は、演算結果のタービン負荷Ltをタービンガバナ制御部64へ出力する。
原子炉出力制御部63には、圧力計26の検出値Psである原子炉11の圧力が入力されると共に、プラント負荷演算部61の演算結果である原子炉負荷Lpが入力される。原子炉出力制御部63は、原子炉11の実出力(負荷)が入力された原子炉負荷Lpに追従するように原子炉11の各種機器に対する指令を出力する。原子炉出力制御部63は、例えば、各制御棒11aの位置を指令する制御棒位置指令Crを制御棒11aの駆動装置へ出力すると共に、再循環システム11bの再循環流量を指令する再循環流量指令Cpを再循環ポンプ11cへ出力する。
タービンガバナ制御部64には、プラント負荷演算部61の演算結果である原子炉負荷Lp及びタービン負荷演算部62の演算結果であるタービン負荷Ltが入力される。タービンガバナ制御部64は、入力された原子炉負荷Lp及びタービン負荷Ltを基に、蒸気加減弁23の開度を制御する開度指令Cv1を蒸気加減弁23へ出力する。タービンガバナ制御部64は、例えば、蒸気タービン12の実出力(負荷)がタービン負荷Ltに追従するような開度指令Cv1、又は、原子炉11の実圧力が設定圧力に追従するような開度指令Cv1を出力する。タービンガバナ制御部64は、開度指令Cv1を水素製造システム制御部70の熱出力制御部72にも出力する。
水素製造システム制御部70の水素製造負荷演算部71には、熱供給システム33の蓄熱設備35の熱エネルギの貯蔵を指示する蓄熱負荷要求Ti(貯蔵負荷要求)が原子力プラント1の操作員の操作により入力される。更に、外部からの発電指令Li(系統負荷要求)が入力されると共に、プラント負荷演算部61の演算結果である原子炉負荷Lpが入力される。水素製造負荷演算部71は、入力された蓄熱負荷要求Ti、発電指令Li、原子炉負荷Lpを基に、水素製造装置31が水素を製造するための電力を指示する水素製造負荷Lhを演算する。水素製造負荷演算部71は、演算結果の水素製造負荷Lhを水素製造制御部73へ出力する。
熱出力制御部72には、プラント負荷演算部61の演算結果である原子炉負荷Lpが入力されると共に、タービンガバナ制御部64からの蒸気加減弁23の開度指令Cv1が入力される。熱出力制御部72は、入力された原子炉負荷Lp及び蒸気加減弁23の開度指令Cv1を基に、バイパス弁24の開度を制御する開度指令Cv2をバイパス弁24へ出力する。つまり、熱出力制御部72は、原子炉11で発生する蒸気量と蒸気タービン12に導入される蒸気量とから水素製造装置31(蒸気発生器41)に供給する蒸気量を演算し、バイパス弁24の開度を演算結果の蒸気量が流通するよう制御するものである。熱出力制御部72は、発電機13の実出力が最大出力又は定格出力に一致している場合、すなわち、原子炉11で発生した蒸気を全て蒸気タービン12に導入して発電させる場合には、バイパス弁24の開度指令Cv2として0(弁閉止)を出力する。この場合、原子炉11から水素製造装置31に供給可能な蒸気を確保することができないので、水素製造装置31を停止させる。
水素製造制御部73には、水素製造負荷演算部71の演算結果である水素製造負荷Lhが入力されると共に、熱出力制御部72からのバイパス弁24の開度指令Cv2が入力される。水素製造制御部73は、入力された水素製造負荷Lh及びバイパス弁24の開度指令Cv2を基に、水素製造装置31の水蒸気電解装置44が水蒸気を電気分解するために必要な電力系統からの電力を制御する第1の電力要求指令Ce1を水蒸気電解装置44へ出力すると共に、熱供給システム33の蓄熱設備35から水素製造装置31の蒸気加熱器43に供給する熱量(蒸気加熱器43において水蒸気を加熱するために必要な熱量)を制御する加熱量指令Chを熱供給システム33の調節弁36へ出力する。調節弁36は、その開度が加熱量指令Chに応じて制御される。
蓄熱制御部74には、原子力プラント1の操作員の操作により蓄熱負荷要求Tiが入力されると共に、水素製造制御部73からの加熱量指令Chが入力される。蓄熱制御部74は、入力された蓄熱負荷要求Ti及び加熱量指令Chを基に、蓄熱設備35に貯蔵する熱量を得るために電熱器34が変換する電力系統からの電力を制御する第2の電力要求指令Ce2を電熱器34へ出力する。蓄熱制御部74は、蓄熱設備35における熱エネルギの保有量を蓄熱負荷要求Tiに応じて略一定に維持することで、水蒸気電解装置44の停止時に蓄熱設備35に貯蔵した熱エネルギを水素製造装置31に安定的に供給して水蒸気電解装置44を保温するものである。そのため、蓄熱制御部74は、必ずしも原子力発電システム2の負荷応答に対応して変化するものではない。
本実施の形態のプラント制御装置5における水素製造負荷演算部71は、具体的に例えば、次の式(1)を用いて水素製造負荷を演算する。
Figure 2022183885000002
ただし、式(1)において、Pe(S)は水素製造負荷(電力分)を、Pt(R)はプラント負荷演算部61の演算結果である原子炉負荷(単位時間当たりの熱量)を、Pe(D)は外部からの発電指令(電力)を、Pe(B)は原子力プラント1の操作員により入力される蓄熱負荷要求(電力の単位)を表している。また、ηeは発電効率を、ηsは水素製造装置31における消費電力と消費熱量の比を表したものである。
上記ηsは、次の式(2)から求めることができる。ここで、PtR(S)は水素製造装置31の定格運転時の消費熱量を、PeR(S)は水素製造装置31の定格運転時の消費電力を表したものである。
Figure 2022183885000003
プラント制御装置5は、水素製造負荷演算部71の演算結果である式(1)の水素製造負荷指令Pe(S)が水素製造装置31の最低負荷以上である場合、発電指令Pe(D)の発電量と水素製造負荷指令Pe(S)の電力量と蓄熱負荷要求Pe(B)の電力量の合計値を電力系統100に送電するように原子力発電システム2を制御する。一方、水素製造負荷演算部71の演算結果である水素製造負荷指令Pe(S)が水素製造装置31の最低負荷未満である場合、発電指令Pe(D)の発電量のみを電力系統100に送電するように原子力発電システム2を制御する。この場合、発電指令Pe(D)に対して原子力発電システム2による余剰電力の生成が不能な状態にあるので、プラント制御装置5は、水素製造装置31を停止させると共に、蓄熱設備35が貯蔵する熱エネルギを水素製造装置31に供給することで、停止中の水蒸気電解装置44を所定の範囲内の温度に保持した待機状態にする。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの運用について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、本実施の形態の原子力プラントが接続される電力系統の電力需要の時間的変化の一例及び当該電力需要の時間的変化に対する電源構成の変化を示す説明図である。図5は晴天などで太陽光発電が機能する日における電力需要に対する各種発電の電力の時間推移の一例を示す説明図である。図6は雨天や曇天などの悪天候で太陽光発電が機能しない日における電力需要に対する各種発電の電力の時間推移の一例を示す説明図である。図5及び図6中、横軸は一日の時刻を、縦軸は電力を示していている。
図5及び図6において、電力系統100(図1参照)の電力需要(図5及び図6中、太い実線)は、気温が上昇し社会活動が盛んとなる正午ごろにピークを迎えるほか、朝及び夕刻においても需要が上昇すると仮定している。図5及び図6は、二酸化炭素の主たる排出源である火力発電の削減を図りつつ、太陽光発電及び原子力発電によって電力系統100の電力需要に対応する場合を示したものである。
図5において、日中に太陽光による発電量が増加する。そこで、原子力発電に対する系統負荷要求(発電指令)は、太陽光発電の増加に対応して昼間で減少する一方、太陽光発電が困難となる夕刻から朝までの間で増加する(図5中、破線)。火力発電及び水力発電は、電力の供給が需要に一致するように調整力として運用される。
水素製造装置を備えていない一般的な原子力発電プラントは、破線で示す系統負荷要求に追従するように負荷追従運転を行う。それに対して、本実施の形態の原子力プラント1は、系統負荷要求を満たしつつ可能な場合に水素製造を行うように運用される。例えば、原子力発電システム2の出力を常に最大(定格)で運用する(図5中、一点鎖線)。この場合、図1に示す原子力プラント1は、原子力発電システム2から電力系統100へ送電した電力のうちの系統負荷要求分を除いた余剰電力分を電力系統100から水素製造システム3が受電することで水素製造を行う。電力系統100の電力需要のピーク時に太陽光発電による電力が得られるので、原子力発電システム2は電力需要のピーク時に余剰電力を生成することできる。そのため、原子力プラント1は、原子力発電システム2の余剰電力分及び余剰蒸気を用いて水素製造装置31を停止させることなく一日中稼働させて水素を製造することが可能である。
一方、図6においては、太陽光による発電を確保することができないことから、電力需要が増大する日中のうちの時刻10時から14時までの間は原子力発電に対する系統負荷要求が原子力発電の最大出力になると共に、時刻8時から10時までの間及び14時から16時までの間は原子力発電に対する系統負荷要求がそれ以外の夕刻から朝までの間よりも増加する。火力発電及び水力発電は、図5の場合と同様に、電力の供給が需要に一致するように調整力として運用される。
図6に示す場合においても、本実施の形態の原子力プラント1は、系統負荷要求を満たした上で水素製造を行うように運用されるものであり、例えば、原子力発電システム2の出力を常に最大(定格)で運用する(図6中、一点鎖線)。この場合でも、図1に示す原子力プラント1は、原子力発電システム2から電力系統100へ送電した電力のうち系統負荷要求分を除いた余剰電力分を電力系統100から水素製造システム3が受電することで水素製造を行う。時刻10時から14時までの間は、原子力発電システム2から電力系統100へ送電する電力(原子力発電システム2の最大出力)が系統負荷要求と一致しており、原子力発電システム2よる余剰電力が生じないので、電力系統100から水素製造装置31への電力供給を停止させることで、水素製造を停止する。また、時刻8時から10時までの間及び14時から16時までの間は、原子力発電に対する系統負荷要求が夕刻から朝までの間よりも増加する分、原子力発電システム2による余剰電力が減少するので、水素製造装置31による水素製造が減量する。図6中、斜線で示した部分が原子力発電システム2の発電出力のうち水素製造システム3(水素製造装置31)の受電分に相当する余剰電力である。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの水素製造方法及びその効果について比較例の原子力プラントの水素製造方法と比べつつ図7及び図8を用いて説明する。図7は本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの水素製造方法における図6に示す電力需要に対応した水素製造量の時間推移の一例を示す説明図である。図8は本発明の第1の実施の形態に係る原子力プラントの水素製造方法に対する比較例の原子力プラントの水素製造方法における図6に示す電力需要に対応した水素製造量の時間推移の一例を示す説明図である。
図6に示す時刻0時~8時ごろまでの間や16時以降において、本実施の形態に係る原子力プラント1は、原子力発電システム2の最大出力が系統負荷要求に対して大きいので、原子力発電システム2の余剰電力(図6中の斜線部)及び余剰蒸気を確保することができる。このため、当該時刻中、図1に示す水素製造システム3の電熱器34は、プラント制御装置5(図2参照)からの第2の電力要求指令Ce2に応じて、原子力発電システム2の余剰電力分の一部を電力系統100から受電して熱エネルギに変換することで蓄熱設備35に蓄熱させる(エネルギ貯蔵ステップ)。また、図2に示す水素製造装置31においては、原子力発電システム2の余剰蒸気がプラント制御装置5の開度指令Cv2に応じてバイパス弁24を介して蒸気発生器41(図3参照)に供給されることで原水から水蒸気(飽和水蒸気)を生成し(水蒸気生成ステップ)、蓄熱設備35に貯蔵された熱エネルギの一部がプラント制御装置5からの加熱量指令Chに応じて調節弁36を介して蒸気加熱器43(図3参照)に供給されることで蒸気加熱器43に導入した水蒸気を加熱して昇温させる(水蒸気昇温ステップ)。これにより、水蒸気電解装置44(図3参照)の作動温度(700℃~800℃)に達する水蒸気(過熱蒸気)を生成する。水蒸気電解装置44は、図7に示すように、時刻0時から8時までの間や時刻16時以降において、蒸気発生器41及び蒸気加熱器43を経て生成された高温の水蒸気が導入されることで、その装置温度が作動温度に維持される。さらに、原子力発電システム2の余剰電力分の一部を電力系統100から受電することで高温の水蒸気を電気分解して水素を製造する(水素製造ステップ)。
一方、図6に示す時刻8時~10時ごろまでの間、原子力プラント1においては、原子力発電システム2に対する系統負荷要求が徐々に増大することで、原子力発電システム2の余剰電力分(図6中の斜線部)が徐々に減少する。このため、水素製造装置31に対して供給可能な原子力発電システム2の余剰電力及び余剰蒸気分が減少するので、図7に示すように、水素製造装置31の水素製造量が減少する。
また、図6に示す時刻10時~14時ごろまでの間、原子力発電システム2に対する系統負荷要求が原子力発電システム2の最大出力に一致するまで増加しているので、水素製造装置31に対して供給可能な原子力発電システム2の余剰電力及び余剰蒸気を確保することができない。このため、水素製造装置31(水蒸気電解装置44)が停止するので、図7に示すように、水素製造装置31の水素製造量が0になる。
このとき、本実施の形態の原子力プラント1においては、図1に示す蓄熱設備35に貯蔵している熱エネルギを水素製造装置31に供給することで水素製造装置31を保温する(装置保温ステップ)。具体的には、図3に示す水素製造装置31の水蒸気電解装置44が停止中において、蓄熱設備35から蒸気加熱器43への熱エネルギの供給を継続すると共に、蒸気加熱器43を介して水蒸気電解装置44に導入された水蒸気を再び蒸気加熱器43を介して水蒸気電解装置44に導入することで、蓄熱設備35からの熱エネルギにより加熱された水蒸気を水蒸気電解装置44に循環させる。これより、図7に示すように、水蒸気電解装置44は停止状態にあってもその温度が設定された範囲内に維持される。これは、プラント制御装置5からの加熱量指令Chに基づき調節弁36を制御して蓄熱設備35から蒸気加熱器43に供給される熱エネルギ量を調節することで、水蒸気電解装置44の温度を所定の範囲内に維持することができる。
図6に示す時刻14時~16時においては、原子力発電システム2に対する系統負荷要求が低下することで、原子力発電システム2の余剰電力分(図6中の斜線部)を確保することができるので、水素製造装置31を再起動させて水素製造を行う。本実施の形態の原子力プラント1においては、図7に示すように、水蒸気電解装置44が停止状態にあっても蓄熱設備35から供給される熱エネルギによって設定範囲内の温度に維持されている。つまり、水蒸気電解装置44は、停止状態であっても水素製造が可能な待機状態にある。したがって、図7に示すように、水蒸気電解装置44を再起動すると即座に水素製造の実行状態に移行することができる。図7中、再起動時刻は14時ごろである。
ここで、本実施の形態の原子力プラント1の比較例として、停止状態の水素製造装置に熱エネルギを供給するシステムを備えていない原子力プラントを考える。比較例の原子力プラントの水素製造においては、図6に示す時刻10時~14時ごろまでの間、停止状態の水素製造装置に対して熱エネルギが全く供給されないので、図8に示すように、水素製造装置(水蒸気電解装置)の温度がその作動温度よりも大幅に低下する。このため、水素製造装置(水蒸気電解装置)は、再起動しても作動温度に達してないので、即座に水素製造の実行状態に移行することができない。先ず、水蒸気電解装置の温度を水素製造が可能な作動温度まで昇温させる必要がある。一旦低下した水蒸気電解装置の温度を作動温度まで昇温させる間は水素製造を行うことができない。図8では、時刻18時ごろに水蒸気電解装置が作動温度まで昇温することで水素製造が再開されている。比較例の原子力プラントの水素製造方法は、本実施の形態の原子力プラント1の水素製造方法と比べると、図7及び図8から明らかなように、停止状態から再起動したときに水蒸気電解装置による水素製造の再開が遅れてしまう。したがって、比較例の原子力プラントの水素製造方法は、効率的な水素製造を行うことができない。換言すると、本実施の形態の原子力プラント1の水素製造方法は、効率的な水素製造が可能なものである。
なお、本実施の形態においては、電力系統100の電力を水素製造装置31及び熱供給システム33に供給するように原子力プラント1を構成した例を示した。しかし、原子力発電システム2が発電した電力の一部(余剰電力)を電力系統100に送電せずに水素製造装置31及び熱供給システム33に直接的に供給するように原子力プラントを構成することも可能である。
上述したように、第1の実施の形態に係る原子力プラント1は、電力系統100に接続され、原子炉11で発生した蒸気によって蒸気タービン12を駆動させることで発電する原子力発電システム2と、原子力発電システム2から供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から生成した水蒸気を加熱してから電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水素製造装置31と、水素製造装置31において生成された水蒸気を加熱するための熱エネルギを水素製造装置31に供給する熱供給システム33とを備える。熱供給システム33は、電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を所定の形態のエネルギ(熱エネルギ)として貯蔵すると共に、貯蔵している所定の形態のエネルギを水素製造装置31に対して熱エネルギとして供給するように構成されている。
この構成によれば、電力系統100等の電力を所定のエネルギ形態(熱エネルギ)として貯蔵してから熱エネルギとして水素製造装置31に供給するように熱供給システム33を構築したので、電力系統100の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令Liを満たすように原子力発電システム2を運用した上で、原子力発電システム2の発電出力に余剰電力がある場合には水素製造装置31による水素製造を行う一方、余剰電力が無い場合には水素製造装置31を停止させて熱供給システム33の貯蔵エネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給することが可能となる。これにより、停止中の水素製造装置31をその作動温度近傍に維持することが可能なので、水素製造装置31は再起動により水素製造を迅速に再開することができる。すなわち、原子力プラント1は、発電指令Liを満たす運用を行いつつ効率的な水素の製造が可能となる。
また、本実施の形態に係る熱供給システム33は、電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を熱エネルギに変換する電熱器34と、電熱器34により変換された熱エネルギを貯蔵すると共に貯蔵している熱エネルギを水素製造装置31に供給する蓄熱設備35との組合せを含むものである。
この構成によれば、電力から変換された熱エネルギを貯蔵する蓄熱設備35が電力を貯蔵する蓄電設備と比べて低コストなので、コストを抑制した熱供給システム33を構築することができる。
また、本実施の形態に係る水素製造装置31は、原子力発電システム2から供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から水蒸気を生成する蒸気発生器41と、蒸気発生器41で生成された水蒸気を熱供給システム33から供給される熱エネルギを用いて加熱する蒸気加熱器43と、蒸気加熱器43で加熱された水蒸気を電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水蒸気電解装置44とを備える。さらに、水素製造装置31は、水蒸気電解装置44が停止中のときに、水蒸気電解装置44から排出された水蒸気が蒸気加熱器43を介して再び水蒸気電解装置44に導入されて循環するように構成されている。
この構成によれば、停止中の水蒸気電解装置44を循環する水蒸気に対して蒸気加熱器43を介して熱供給システム33の熱エネルギを供給して加熱することで、停止中の水蒸気電解装置44を作動温度近傍に確実に保温することが可能となる。
また、本実施の形態に係る原子力プラント1は、原子力発電システム2、水素製造装置31、熱供給システム33を制御するプラント制御装置5を更に備える。プラント制御装置5は、原子力発電システム2の発電出力を指示する発電指令Pe(D)が外部から入力されると共に、熱供給システム33の熱エネルギの貯蔵(エネルギ貯蔵)を指示する蓄熱負荷要求(貯蔵負荷要求)Pe(B)が入力され、発電指令Pe(D)を基に原子炉11の目標出力を指示する原子炉負荷Pt(R)を演算し、入力された発電指令Pe(D)及び蓄熱負荷要求(貯蔵負荷要求)Pe(B)並びに演算結果の原子炉負荷Pt(R)に基づき、水素製造装置31へ供給する電力を指示する水素製造負荷Pe(S)を演算し、演算結果の原子炉負荷Pt(R)に基づき原子炉11を制御し、演算結果の水素製造負荷Pe(S)に基づき水素製造装置31及び熱供給システム33を制御する。
この構成によれば、プラント制御装置5による原子力発電システム2、水素製造装置31、熱供給システム33の制御によって、原子力発電システム2に対して発電指令Pe(D)を満たす運用を行いつつ水素製造装置31及び熱供給システム33を用いた水素製造が可能となる。
また、本実施の形態に係るプラント制御装置5は、演算結果の水素製造負荷Pe(S)が水素製造装置31の水素製造可能な最低負荷よりも小さい場合には、水素製造装置31を停止させ、電力系統100又は原子力発電システム2から熱供給システム33への電力供給を停止させると共に熱供給システム33が貯蔵しているエネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給させる。
この構成によれば、プラント制御装置5による原子力発電システム2、水素製造装置31、熱供給システム33の制御によって、原子力発電システム2に対して発電指令Pe(D)を満たす運用を行いつつ、水素製造装置31のための余剰電力を確保できない場合に水素製造装置31を保温した状態で停止させることができる。これにより、水素製造装置31の再起動により水素の製造を迅速に再開することができ、効率的な水素の製造が可能となる。
また、本実施の形態に係る原子力プラント1は、原子力発電システム2、水素製造装置31、及び熱供給システム33を制御するプラント制御装置5を更に備える。プラント制御装置5は、電力系統100の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令Liに対して、原子力発電システム2の電力系統100への送電に余剰電力が無い場合又は原子炉11の蒸気発生量に余剰蒸気が無い場合には、水素製造装置31を停止させ、熱供給システム33への電力供給を停止させると共に熱供給システム33が貯蔵しているエネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給させる。
この構成によれば、プラント制御装置5による原子力発電システム2、水素製造装置31、熱供給システム33の制御によって、原子力発電システム2に対して発電指令Liを満たす運用を行いつつ、原子力発電システム2に余剰電力又は余剰蒸気が無い場合に水素製造装置31を保温した状態で停止させることができる。これにより、水素製造装置31の再起動により水素製造を迅速に再開することができ、効率的な水素の製造が可能となる。
また、上述した第1の実施の形態に係る原子力プラント1の水素製造方法は、原子力発電システム2から水素製造装置31に供給された蒸気の熱エネルギを用いて水素製造装置31に導入された原水から水蒸気を生成する水蒸気生成ステップと、電力系統100又は原子力発電システム2から供給された電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵するエネルギ貯蔵ステップと、エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給することで、水蒸気生成ステップにおいて生成した水蒸気を昇温させる水蒸気昇温ステップと、電力系統100又は原子力発電システム2から水素製造装置31に供給される電力を用いて水蒸気昇温ステップにおいて昇温した水蒸気を電気分解することで水素を製造する水素製造ステップとを備える。電力系統100の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令Liに対して、原子力発電システム2の電力系統100への送電に余剰電力が無い場合又は原子炉11の蒸気発生量に余剰蒸気が無い場合には、水蒸気生成ステップとエネルギ貯蔵ステップと水蒸気昇温ステップと水素製造ステップの代わりに、エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給することで、水素製造装置31の温度を所定の範囲内に維持する装置保温ステップを備える。
この方法によれば、発電指令Liを満たすように原子力発電システム2を運用した上で、原子力発電システム2の発電出力に余剰電力がある場合には、電力系統100等の電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵してから水素製造装置31に熱エネルギとして供給することで水素製造装置31よる水素製造を行う一方、余剰電力が無い場合には、エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵したエネルギを停止させた水素製造装置31に熱エネルギとして供給することで停止中の水素製造装置31を作動温度近傍に保温することができる。このため、水素製造装置31の再起動により水素製造を迅速に再開することができる。すなわち、発電指令Liを満たす運用を行いつつ効率的な水素の製造が可能となる。
また、本実施の形態に係る原子力プラント1の水素製造方法においては、水蒸気昇温ステップはエネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギが供給される蒸気加熱器43を用いて水蒸気生成ステップにおいて生成された水蒸気を加熱するステップであり、水素製造ステップは電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を用いて蒸気加熱器43で加熱された水蒸気を電気分解する水蒸気電解装置44を用いるステップである。また、装置保温ステップは、水蒸気電解装置44から排出された水蒸気を蒸気加熱器43に導入する第1ステップと、エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギを蒸気加熱器43に熱エネルギとして供給することで、第1ステップにおいて蒸気加熱器43に導入された水蒸気を加熱する第2ステップと、第2ステップにおいて蒸気加熱器43で加熱された水蒸気を再び水蒸気電解装置44に導入する第3ステップとをこの順で繰り返すものである。
この方法によれば、エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵したエネルギを蒸気加熱器43に供給することで加熱した水蒸気を停止中の水蒸気電解装置44に循環させているので、停止状態の水蒸気電解装置44を確実に作動温度近傍に保温することができる。
また、本実施の形態に係る原子力プラント1の水素製造方法においては、エネルギ貯蔵ステップが、電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を電熱器34によって熱エネルギに変換し、電熱器34によって変換した熱エネルギを蓄熱設備35に貯蔵するものである。また、装置保温ステップは、蓄熱設備35に貯蔵している熱エネルギを水素製造装置31に供給することで、水素製造装置31の温度を所定の範囲内に維持するステップである。
この方法によれば、電力を貯蔵する蓄電設備と比べて、蓄熱設備35が低コストなので、コストを抑制したシステムを構築可能である。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントについて図9~図11を用いて説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントの概略構成を示すブロック図である。図10は図9に示す本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントの詳細構成を示す系統図である。図11は図10に示す本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラントにおけるプラント制御装置の機能構成を示すブロック図である。なお、図9~11において、図1~図8に示す符号と同符合のものは、同様な部分であるので、詳細な説明は省略する。
図9及び図10に示す本発明の第2の実施の形態に係る原子力プラント1Aが第1の実施の形態と相違する点は、水素製造システム3Aの熱供給システム33Aの構成が異なること及びプラント制御装置5Aの制御方法が熱供給システム33Aの構成に応じて異なることである。本実施の形態の水素製造システム3Aにおける熱供給システム33Aは、第1の実施の形態の電熱器34と蓄熱設備35(図1及び図2参照)の組合せに代えて、蓄電設備38と電熱器39との組合せを備えている。蓄電設備38は、プラント制御装置5Aの第2の電力要求指令Ce2に応じて、電力系統100から供給される電力を電気化学的エネルギとして貯蔵するものであり、貯蔵しているエネルギを放電することで電熱器39に供給するように構成されている。電熱器39は、蓄電設備38から供給される電力を熱エネルギに変換して水素製造装置31に供給するものである。
図11に示すプラント制御装置5Aの水素製造システム制御部70Aにおける水素製造負荷演算部71Aには、第1の実施の形態の蓄熱負荷要求Tiに代えて、熱供給システム33Aの蓄電設備38の電力(電気的エネルギ)の貯蔵を指示する蓄電負荷要求Bi(貯蔵負荷要求)が原子力プラント1の操作員の操作により入力される。水素製造負荷演算部71Aによる水素製造負荷Lhの演算は、第1の実施の形態において示された式(1)に対して蓄熱負荷要求Pe(B)を蓄電負荷要求に置換したものであり、それ以外の変更点は無い。
プラント制御装置5Aの水素製造制御部73Aでは、熱供給システム33Aが蓄電設備38と電熱器39との組合せに代替されたことにより、水素製造装置31への熱エネルギの供給量を制御するための制御対象が第1の実施の形態の調節弁36(図2及び図4参照)から電熱器39に変更されている(図10も参照)。水素製造制御部73Aは、水素製造負荷演算部71Aの演算結果である水素製造負荷Lh及び熱出力制御部72からの開度指令Cv2を基に、水素製造装置31の水蒸気電解装置44が水蒸気を電気分解するために必要な電力系統100からの電力を制御する第1の電力要求指令Ce1を水蒸気電解装置44へ出力すると共に、熱供給システム33Aの電熱器39から水素製造装置31の蒸気加熱器43に供給する熱エネルギ量を得るために電熱器39が変換する蓄電設備38からの電力を制御する第3の電力要求指令Ce3を電熱器39へ出力する。なお、水素製造制御部73Aは、第3の電力要求指令Ce3を蓄電制御部76にも出力する。
また、プラント制御装置5Aは、熱供給システム33Aが蓄電設備38と電熱器39との組合せに代替されたことにより、第1の実施の形態の蓄熱制御部74(図4参照)に代えて、蓄電制御部76を備えている。蓄電制御部76は、原子力プラント1の操作員の操作により入力された蓄電負荷要求Bi及び水素製造制御部73Aからの第3の電力要求指令Ce3を基に、蓄電設備38に貯蔵する電力を制御する第2の電力要求指令Ce2Aを蓄電設備38へ出力する。蓄電制御部76は、蓄電設備38におけるエネルギ保有量を蓄電負荷要求Biに応じて略一定に維持することで、水蒸気電解装置44の停止時に蓄電設備38に貯蔵した電力を電熱器によって熱エネルギに変換して水素製造装置31に安定的に供給して水蒸気電解装置44を保温するものである。そのため、蓄電制御部76は、必ずしも原子力発電システム2の負荷応答に対応して変化するものではない。
本実施の形態に係る原子力プラント1Aにおいては、水素製造装置31の運転中、熱供給システム33Aの蓄電設備38がプラント制御装置5A(図10参照)からの第2の電力要求指令Ce2Aに応じて原子力発電システム2の余剰電力分の一部を電力系統100から受電して貯蔵する(エネルギ貯蔵ステップ)。熱供給システム33Aの電熱器39がプラント制御装置5Aからの第3の電力要求指令Ce3に応じて蓄電設備38に貯蔵さている電力の一部を熱エネルギに変換して水素製造装置31の蒸気加熱器43(図3参照)に供給することで、蒸気加熱器43に導入した水蒸気を加熱して昇温させる(水蒸気昇温ステップ)。これにより、水蒸気電解装置44(図3参照)の作動温度(700℃~800℃)に達する水蒸気(過熱蒸気)が生成されるので、水蒸気電解装置44が原子力発電システム2の余剰電力分の一部を電力系統100から受電することで当該水蒸気を電気分解して水素を製造する(水素製造ステップ)。
また、水素製造装置31に対して供給可能な原子力発電システム2の余剰電力及び余剰蒸気を確保できずに水素製造装置31が停止中の場合、図9及び図10に示す熱供給システム33Aの蓄電設備38に貯蔵されている電力の一部を電熱器39よって熱エネルギに変換して水素製造装置31に供給することで、水蒸気電解装置44を保温する(装置保温ステップ)。これにより、水蒸気電解装置44は停止状態であっても水素製造が可能な待機状態にある。したがって、第1の実施の形態の場合と同様に、水蒸気電解装置44を再起動すると即座に水素製造の実行状態に移行することができる。
このように、上述した第2の実施の形態に係る原子力プラント1Aによれば、第1の実施の形態の場合と同様に、電力系統100等の電力を所定のエネルギ形態(電気化学的エネルギ)として貯蔵してから熱エネルギとして水素製造装置31に供給するように熱供給システム33Aを構築したので、電力系統100の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令Liを満たすように原子力発電システム2を運用した上で、原子力発電システム2の発電出力に余剰電力がある場合には水素製造装置31による水素製造を行う一方、余剰電力が無い場合には水素製造装置31を停止させて熱供給システム33Aの貯蔵エネルギを水素製造装置31に熱エネルギとして供給することが可能となる。これにより、停止中の水素製造装置31をその作動温度近傍に維持することが可能なので、水素製造装置31は再起動により水素製造を迅速に再開することができる。すなわち、原子力プラント1Aは、発電指令Liを満たす運用を行いつつ効率的な水素の製造が可能となる。
また、本実施の形態に係る熱供給システム33Aは、電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を貯蔵する蓄電設備38と、蓄電設備38から供給される電力を熱エネルギに変換して水素製造装置31に供給する電熱器39との組合せを含むものである。
この構成によれば、第1の実施の形態の熱供給システム33の蓄熱設備35と比べて、熱供給システム33Aの蓄電設備38はエネルギ密度が大きいので、第1の実施の形態の熱供給システム33よりもコンパクトな熱供給システム33Aを構築することができる。
また、上述した第2の実施の形態に係る原子力プラント1Aの水素製造方法によれば、第1の実施の形態の場合と同様に、発電指令Liを満たすように原子力発電システム2を運用した上で、原子力発電システム2の発電出力に余剰電力がある場合には、電力系統100等の電力を所定の形態のエネルギ(電気化学的エネルギ)として貯蔵してから水素製造装置31に熱エネルギとして供給することで水素製造装置31よる水素製造を行う一方、余剰電力が無い場合には、エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵したエネルギ(電力)を停止させた水素製造装置31に熱エネルギとして供給することで停止中の水素製造装置31を作動温度近傍に保温することができる。このため、水素製造装置31の再起動により水素製造を迅速に再開することができる。すなわち、発電指令Liを満たす運用を行いつつ効率的な水素の製造が可能となる。
また、本実施の形態に係る原子力プラント1Aの水素製造方法においては、エネルギ貯蔵ステップが電力系統100又は原子力発電システム2から供給される電力を蓄電設備38に貯蔵するものであり、水蒸気昇温ステップがエネルギ貯蔵ステップにおいて蓄電設備38に貯蔵した電力を電熱器39によって熱エネルギに変換し電熱器39によって変換した熱エネルギを水素製造装置31に供給することで水蒸気生成ステップにおいて生成した水蒸気を昇温させるものである。装置保温ステップは、エネルギ貯蔵ステップにおいて蓄電設備38に貯蔵した電力を電熱器39によって熱エネルギに変換し、電熱器39によって変換した熱エネルギを水素製造装置31に供給することで水素製造装置31の温度を所定の範囲内に維持するものである。
この方法によれば、熱を貯蔵する蓄熱設備35に比べて、蓄電設備38がコンパクトなので、コンパクトなシステムを構築可能である。
[その他]
なお、本発明は、上述した第1~第2の実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
例えば、上述した第1~第2の実施の形態においては、原子炉11が沸騰水型原子炉で構成されている例を示した。しかし、原子炉は加圧水型原子炉で構成することも可能である。
また、上述した第1~第2の実施の形態においては、水蒸気電解装置44が固体酸化物形電解セル(SOEC)を備えた例を示した。しかし、水蒸気電解装置はプロトン伝導形セラミック電解セル(Protonic Ceramic Electrolysis Cell:PCEC)を備えた構成も可能である。この場合、PCECは、SOECの作動温度よりも低い500℃~600℃程度の温度で作動する。
また、上述した第1~第2の実施の形態においては、水素製造装置31の蒸気発生器41を原子力発電システム2の原子炉11から供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から水蒸気を生成するように構成した例を示した。しかし、蒸気発生器41は、原子力発電システム2の蒸気タービン12の排気蒸気又は抽気蒸気の熱エネルギを用いて原水から水蒸気を生成するように構成することも可能である。
1、1A…原子力プラント、 2…原子力発電システム、 5、5A…プラント制御装置、 11…原子炉、 12…蒸気タービン、 31…水素製造装置、 33、33A…熱供給システム、 34…電熱器、 35…蓄熱設備、 38…蓄電設備、 39…電熱器、 41…蒸気発生器、 43…蒸気加熱器、 44…水蒸気電解装置、 100…電力系統

Claims (11)

  1. 電力系統に接続され、原子炉で発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電する原子力発電システムと、
    前記原子力発電システムから供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から生成した水蒸気を加熱してから前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水素製造装置と、
    前記水素製造装置において生成された水蒸気を加熱するための熱エネルギを前記水素製造装置に供給する熱供給システムとを備え、
    前記熱供給システムは、前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵すると共に、貯蔵している所定の形態のエネルギを前記水素製造装置に対して熱エネルギとして供給するように構成されている
    ことを特徴とする原子力プラント。
  2. 請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
    前記熱供給システムは、
    前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を熱エネルギに変換する電熱器と、
    前記電熱器により変換された熱エネルギを貯蔵すると共に貯蔵している熱エネルギを前記水素製造装置に供給する蓄熱設備との組合せを含むものである
    ことを特徴とする原子力プラント。
  3. 請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
    前記熱供給システムは、
    前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を貯蔵する蓄電設備と、
    前記蓄電設備から供給される電力を熱エネルギに変換して前記水素製造装置に供給する電熱器との組合せを含むものである
    ことを特徴とする原子力プラント。
  4. 請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
    前記水素製造装置は、
    前記原子力発電システムから供給される蒸気の熱エネルギを用いて原水から水蒸気を生成する蒸気発生器と、
    前記蒸気発生器で生成された水蒸気を前記熱供給システムから供給される熱エネルギを用いて加熱する蒸気加熱器と、
    前記蒸気加熱器で加熱された水蒸気を前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を用いて電気分解することで水素を製造する水蒸気電解装置とを備え、
    前記水素製造装置は、前記水蒸気電解装置が停止中のときに、前記水蒸気電解装置から排出された水蒸気が前記蒸気加熱器を介して再び前記水蒸気電解装置に導入されて循環するように構成されている
    ことを特徴とする原子力プラント。
  5. 請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
    前記原子力発電システム、前記水素製造装置、及び、前記熱供給システムを制御するプラント制御装置を更に備え、
    前記プラント制御装置は、
    前記原子力発電システムの発電出力を指示する発電指令が外部から入力されると共に、前記熱供給システムのエネルギ貯蔵を指示する貯蔵負荷要求が入力され、
    前記発電指令を基に前記原子炉の目標出力を指示する原子炉負荷を演算し、
    入力された前記発電指令及び前記貯蔵負荷要求並びに演算結果の原子炉負荷に基づき、前記水素製造装置へ供給する電力を指示する水素製造負荷を演算し、
    演算結果の原子炉負荷に基づき前記原子炉を制御し、
    演算結果の水素製造負荷に基づき前記水素製造装置及び前記熱供給システムを制御する
    ことを特徴とする原子力プラント。
  6. 請求項5に記載の原子力プラントにおいて、
    前記プラント制御装置は、
    演算結果の水素製造負荷が前記水素製造装置の水素製造可能な最低負荷よりも小さい場合には、
    前記水素製造装置を停止させ、
    前記電力系統又は前記原子力発電システムから前記熱供給システムへの電力供給を停止させると共に前記熱供給システムが貯蔵しているエネルギを前記水素製造装置に熱エネルギとして供給させる
    ことを特徴とする原子力プラント。
  7. 請求項1に記載の原子力プラントにおいて、
    前記原子力発電システム、前記水素製造装置、及び、前記熱供給システムを制御するプラント制御装置を更に備え、
    前記プラント制御装置は、
    前記電力系統の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令に対して、前記原子力発電システムの前記電力系統への送電に余剰電力が無い場合又は前記原子炉の蒸気発生量に余剰蒸気が無い場合には、
    前記水素製造装置を停止させ、
    前記熱供給システムへの電力供給を停止させると共に前記熱供給システムが貯蔵しているエネルギを前記水素製造装置に熱エネルギとして供給させる
    ことを特徴とする原子力プラント。
  8. 原子炉で発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動させることで発電した電力を電力系統に送電する原子力発電システムを備えた原子力プラントの水素製造方法であって、
    前記原子力発電システムから水素製造装置に供給された蒸気の熱エネルギを用いて前記水素製造装置に導入された原水から水蒸気を生成する水蒸気生成ステップと、
    前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給された電力を所定の形態のエネルギとして貯蔵するエネルギ貯蔵ステップと、
    前記エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギを前記水素製造装置に熱エネルギとして供給することで、前記水蒸気生成ステップにおいて生成した水蒸気を昇温させる水蒸気昇温ステップと、
    前記電力系統又は前記原子力発電システムから前記水素製造装置に供給される電力を用いて前記水蒸気昇温ステップにおいて昇温した水蒸気を電気分解することで水素を製造する水素製造ステップとを備え、
    前記電力系統の電力の需給変動に応じて外部から与えられる発電指令に対して、前記原子力発電システムの前記電力系統への送電に余剰電力が無い場合又は前記原子炉の蒸気発生量に余剰蒸気が無い場合には、
    前記水蒸気生成ステップと前記エネルギ貯蔵ステップと前記水蒸気昇温ステップと前記水素製造ステップの代わりに、前記エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギを前記水素製造装置に熱エネルギとして供給することで、前記水素製造装置の温度を所定の範囲内に維持する装置保温ステップを備える
    ことを特徴とする原子力プラントの水素製造方法。
  9. 請求項8に記載の原子力プラントの水素製造方法において、
    前記水蒸気昇温ステップは、前記エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギが供給される蒸気加熱器を用いて前記水蒸気生成ステップにおいて生成された水蒸気を加熱するステップであり、
    前記水素製造ステップは、前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を用いて前記蒸気加熱器で加熱された水蒸気を電気分解する水蒸気電解装置を用いるステップであり、
    前記装置保温ステップは、
    前記水蒸気電解装置から排出された水蒸気を前記蒸気加熱器に導入する第1ステップと、
    前記エネルギ貯蔵ステップにおいて貯蔵した所定の形態のエネルギを前記蒸気加熱器に熱エネルギとして供給することで、前記第1ステップにおいて前記蒸気加熱器に導入された水蒸気を加熱する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて前記蒸気加熱器で加熱された水蒸気を再び前記水蒸気電解装置に導入する第3ステップとをこの順で繰り返すものである
    ことを特徴とする原子力プラントの水素製造方法。
  10. 請求項8に記載の原子力プラントの水素製造方法において、
    前記エネルギ貯蔵ステップは、
    前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を電熱器によって熱エネルギに変換し、
    前記電熱器によって変換した熱エネルギを蓄熱設備に貯蔵するものであり、
    前記装置保温ステップは、前記蓄熱設備に貯蔵している熱エネルギを前記水素製造装置に供給することで、前記水素製造装置の温度を所定の範囲内に維持するステップである
    ことを特徴とする原子力プラントの水素製造方法。
  11. 請求項8に記載の原子力プラントの水素製造方法において、
    前記エネルギ貯蔵ステップは、前記電力系統又は前記原子力発電システムから供給される電力を蓄電設備に貯蔵するステップであり、
    前記水蒸気昇温ステップは、
    前記エネルギ貯蔵ステップにおいて前記蓄電設備に貯蔵した電力を電熱器によって熱エネルギに変換し、
    前記電熱器によって変換した熱エネルギを前記水素製造装置に供給することで、前記水蒸気生成ステップにおいて生成した水蒸気を昇温させるものであり、
    前記装置保温ステップは、
    前記エネルギ貯蔵ステップにおいて前記蓄電設備に貯蔵した電力を前記電熱器によって熱エネルギに変換し、
    前記電熱器によって変換した熱エネルギを前記水素製造装置に供給することで、前記水素製造装置の温度を所定の範囲内に維持するものである
    ことを特徴とする原子力プラントの水素製造方法。
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