JP2022182789A - 繊維構造体、及び繊維強化複合材 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維構造体の強度を保ちつつも、繊維構造体のせん断変形を抑制すること。
【解決手段】第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を非連続繊維の撚糸とした。このため、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の全ての経糸24及び緯糸25が無撚糸である場合に比べて、第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形を抑制することができる。また、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を無撚糸とした。このため、例えば、コア部32を構成する全ての経糸24及び緯糸25が撚糸である場合に比べて、コア部32の強度が高くなる。その結果、繊維構造体20の強度が保たれる。
【選択図】図3
【解決手段】第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を非連続繊維の撚糸とした。このため、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の全ての経糸24及び緯糸25が無撚糸である場合に比べて、第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形を抑制することができる。また、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を無撚糸とした。このため、例えば、コア部32を構成する全ての経糸24及び緯糸25が撚糸である場合に比べて、コア部32の強度が高くなる。その結果、繊維構造体20の強度が保たれる。
【選択図】図3
Description
本発明は、繊維構造体、及び繊維強化複合材に関する。
例えば特許文献1に記載の繊維構造体は、積層体を備えている。積層体は、第1糸層と、第2糸層と、が複数積層されることにより形成されている。第1糸層は、第1方向に延びるとともに第1方向に直交する方向である第2方向に配列される複数の繊維束により形成されている。第2糸層は、第2方向に延びるとともに第1方向に配列される複数の繊維束により形成されている。また、繊維構造体は、結合糸を備えている。結合糸は、第1糸層と第2糸層とを第1糸層及び第2糸層の積層方向に結合する。そして、このような繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させることにより、繊維強化複合材が構成される。
このような繊維構造体の強度を保ちつつも、繊維構造体のせん断変形を抑制することが望まれている。
上記課題を解決するための繊維構造体は、第1方向に延びるとともに前記第1方向に対して直交する方向である第2方向に配列される複数の繊維束により形成された第1糸層と、前記第2方向に延びるとともに前記第1方向に配列される複数の繊維束により形成された第2糸層と、がそれぞれ複数積層された積層体と、前記第1糸層と前記第2糸層とを前記第1糸層及び前記第2糸層の積層方向で結合する結合糸と、を備える繊維構造体であって、前記積層体は、前記積層体のうち、前記積層方向から前記積層体の表面を平面視したときに露出する前記第1糸層及び前記第2糸層により構成される部分である一対の表皮と、前記積層体のうち、前記積層方向で前記一対の表皮に挟み込まれている前記第1糸層及び前記第2糸層の少なくとも1つにより構成される部分であるコア部と、を有し、前記表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層の少なくとも一方の層の各繊維束は、非連続繊維の撚糸であり、前記コア部を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層の少なくとも1つの層の各繊維束は、無撚糸である。
積層体においては、積層体に対してねじり負荷が生じた際に、第1糸層及び第2糸層の積層方向で外側に位置するほど、第1方向及び第2方向でのせん断変形が大きく生じ易い。したがって、表皮は、コア部に比べて、第1方向及び第2方向でのせん断変形が大きく生じ易い。
そこで、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層の少なくとも一方の層の各繊維束を非連続繊維の撚糸とした。このため、表皮を構成する撚糸の非連続繊維が、第1方向及び第2方向それぞれに対して交差する方向に延びている。よって、積層体がせん断変形しようとしても、非連続繊維がせん断変形に対する抵抗となるため、表皮における第1方向及び第2方向でのせん断変形が生じ難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形を抑制することができる。
また、コア部を構成する全ての繊維束を撚糸にすると、コア部の強度が低くなる。そこで、コア部を構成する第1糸層及び第2糸層の少なくとも1つの層の各繊維束を無撚糸とした。このため、例えば、コア部を構成する全ての繊維束が撚糸である場合に比べて、コア部の強度が高くなる。その結果、繊維構造体の強度が保たれる。以上により、繊維構造体の強度を保ちつつも、繊維構造体のせん断変形を抑制することができる。
上記繊維構造体において、前記表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層のうち、前記積層方向で最外層に位置する層の各繊維束が前記撚糸であるとよい。
表皮を構成する第1糸層及び第2糸層のうち、第1糸層及び第2糸層の積層方向で最外層に位置する層は、積層体に対してねじり負荷が生じた際に、第1方向及び第2方向でのせん断変形が最も生じ易い。そこで、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層のうち、第1糸層及び第2糸層の積層方向で最外層に位置する層の各繊維束を撚糸とした。これによれば、表皮における第1方向及び第2方向でのせん断変形がさらに生じ難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
表皮を構成する第1糸層及び第2糸層のうち、第1糸層及び第2糸層の積層方向で最外層に位置する層は、積層体に対してねじり負荷が生じた際に、第1方向及び第2方向でのせん断変形が最も生じ易い。そこで、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層のうち、第1糸層及び第2糸層の積層方向で最外層に位置する層の各繊維束を撚糸とした。これによれば、表皮における第1方向及び第2方向でのせん断変形がさらに生じ難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
上記繊維構造体において、前記表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層それぞれの層の各繊維束が前記撚糸であるとよい。
これによれば、例えば、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層の一方の各繊維束のみが撚糸である場合に比べて、第1方向及び第2方向でのせん断変形がさらに生じ難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
これによれば、例えば、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層の一方の各繊維束のみが撚糸である場合に比べて、第1方向及び第2方向でのせん断変形がさらに生じ難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
上記繊維構造体において、前記一対の表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層それぞれの各繊維束が前記撚糸であるとよい。
これによれば、例えば、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層それぞれの各繊維束の一方のみが撚糸である場合に比べて、さらにせん断変形し難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
これによれば、例えば、表皮を構成する第1糸層及び第2糸層それぞれの各繊維束の一方のみが撚糸である場合に比べて、さらにせん断変形し難くなる。その結果、繊維構造体のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
上記課題を解決するための繊維強化複合材は、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させることにより構成される。
これによれば、繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させることにより構成されている繊維強化複合材において、繊維構造体の強度を保ちつつも、繊維構造体のせん断変形を抑制することができる。
これによれば、繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させることにより構成されている繊維強化複合材において、繊維構造体の強度を保ちつつも、繊維構造体のせん断変形を抑制することができる。
この発明によれば、繊維構造体の強度を保ちつつも、繊維構造体のせん断変形を抑制することができる。
以下、繊維構造体、及び繊維強化複合材を具体化した一実施形態を図1~図6にしたがって説明する。
<繊維強化複合材10の全体構成>
図1に示すように、繊維強化複合材10は、繊維構造体20にマトリックス樹脂Maを含浸させることにより構成されている。繊維構造体20は、繊維強化複合材10の強化基材である。マトリックス樹脂Maは、例えば、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂である。
<繊維強化複合材10の全体構成>
図1に示すように、繊維強化複合材10は、繊維構造体20にマトリックス樹脂Maを含浸させることにより構成されている。繊維構造体20は、繊維強化複合材10の強化基材である。マトリックス樹脂Maは、例えば、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂である。
<繊維構造体20の全体構成>
図2及び図3に示すように、本実施形態の繊維構造体20は、多層織によって製織された多層織物である。なお、以下の説明では、繊維強化複合材10が水平面状に置かれているものとして説明し、重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。また、X軸と平行な方向を第1方向Xともいう。さらに、Y軸と平行な方向を第2方向Yともいう。第2方向Yは、第1方向Xに対して直交する方向である。
図2及び図3に示すように、本実施形態の繊維構造体20は、多層織によって製織された多層織物である。なお、以下の説明では、繊維強化複合材10が水平面状に置かれているものとして説明し、重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。また、X軸と平行な方向を第1方向Xともいう。さらに、Y軸と平行な方向を第2方向Yともいう。第2方向Yは、第1方向Xに対して直交する方向である。
<積層体21の構成>
繊維構造体20は、積層体21を備えている。積層体21は、第1糸層としての経糸層22と、第2糸層としての緯糸層23と、がそれぞれ複数積層されることにより形成されている。各経糸層22は、第1方向Xに延びるとともに第2方向Yに配列される複数の繊維束である経糸24により形成されている。各緯糸層23は、第2方向Yに延びるとともに第1方向Xに配列される複数の繊維束である緯糸25により形成されている。なお、以下の説明では、「経糸層22及び緯糸層23の積層方向」を単に「積層方向Z」と記載する場合もある。積層方向Zは、Z軸と平行な方向である。
繊維構造体20は、積層体21を備えている。積層体21は、第1糸層としての経糸層22と、第2糸層としての緯糸層23と、がそれぞれ複数積層されることにより形成されている。各経糸層22は、第1方向Xに延びるとともに第2方向Yに配列される複数の繊維束である経糸24により形成されている。各緯糸層23は、第2方向Yに延びるとともに第1方向Xに配列される複数の繊維束である緯糸25により形成されている。なお、以下の説明では、「経糸層22及び緯糸層23の積層方向」を単に「積層方向Z」と記載する場合もある。積層方向Zは、Z軸と平行な方向である。
積層体21は、経糸層22と緯糸層23とが交互に積層されることにより形成されている。積層体21における積層方向Zの両端には、経糸層22がそれぞれ配置されている。積層体21における積層方向Zの両端の一方に位置する経糸層22は、積層体21における積層方向Zの一方に位置する表面である第1表面201を形成している。したがって、積層体21における積層方向Zの両端の一方に位置する経糸層22は、積層方向Zから積層体21の第1表面201を平面視したときに露出している。積層体21における積層方向Zの両端の他方に位置する経糸層22は、積層体21における積層方向Zの他方に位置する表面である第2表面202を形成している。したがって、積層体21における積層方向Zの両端の他方に位置する経糸層22は、積層方向Zから積層体21の第2表面202を平面視したときに露出している。したがって、積層体21は、第1表面201及び第2表面202を有している。
<結合糸26の構成>
繊維構造体20は、結合糸26を複数備えている。各結合糸26は、各経糸層22と各緯糸層23とを積層方向Zで結合する。複数の結合糸26は、第1方向Xに配列されている。
繊維構造体20は、結合糸26を複数備えている。各結合糸26は、各経糸層22と各緯糸層23とを積層方向Zで結合する。複数の結合糸26は、第1方向Xに配列されている。
各結合糸26は、積層体21の第1表面201を形成する経糸層22の経糸24に係止して折り返されるとともに積層体21を積層方向Zに貫通する。各結合糸26は、隣り合う経糸24同士の間、及び隣り合う緯糸25同士の間を通過しながら積層体21の第2表面202に向かって延びる。その後、各結合糸26は、積層体21の第2表面202を形成する経糸層22の経糸24に係止して折り返されるとともに積層体21を積層方向Zに貫通する。各結合糸26は、隣り合う経糸24同士の間、及び隣り合う緯糸25同士の間を通過しながら積層体21の第1表面201に向かって延びる。その後、各結合糸26は、積層体21の第1表面201を形成する経糸層22の経糸24に係止して折り返されるとともに積層体21を積層方向Zに貫通する。これが繰り返し行われることにより、各結合糸26が、各経糸層22と各緯糸層23とを結合する。
図3に示すように、第1表面201を形成する経糸層22において、隣り合う経糸24同士の間には、結合糸26が配置されているため、隣り合う経糸24同士の間には、隙間G1が形成されている。このため、第1表面201を形成する経糸層22と積層方向Zで隣り合う緯糸層23の一部は、隙間G1を介して第1表面201に露出している。したがって、第1表面201を形成する経糸層22と積層方向Zで隣り合う緯糸層23は、積層方向Zから積層体21の第1表面201を平面視したときに露出している。
また、第2表面202を形成する経糸層22において、隣り合う経糸24同士の間には、結合糸26が配置されているため、隣り合う経糸24の間には、隙間G2が形成されている。このため、第2表面202を形成する経糸層22と積層方向Zで隣り合う緯糸層23の一部は、隙間G2を介して第2表面202に露出している。したがって、第2表面202を形成する経糸層22と積層方向Zで隣り合う緯糸層23は、積層方向Zから積層体21の第2表面202を平面視したときに露出している。
積層体21は、表皮としての第1表皮30及び第2表皮31と、コア部32と、を有している。したがって、積層体21は、一対の表皮を有している。積層体21は、積層方向Zで第1表面201から第2表面202へ第1表皮30、コア部32、及び第2表皮31の順に積層されることにより構成されている。
<第1表皮30の構成>
第1表皮30は、積層体21のうち、積層方向Zから積層体21の第1表面201を平面視したときに露出する経糸層22及び緯糸層23により構成される部分である。なお、図3では、第1表皮30を構成する経糸層22及び緯糸層23をドットハッチングで示している。第1表皮30の経糸層22は、積層体21における積層方向Zの一方で最外層に位置している。
第1表皮30は、積層体21のうち、積層方向Zから積層体21の第1表面201を平面視したときに露出する経糸層22及び緯糸層23により構成される部分である。なお、図3では、第1表皮30を構成する経糸層22及び緯糸層23をドットハッチングで示している。第1表皮30の経糸層22は、積層体21における積層方向Zの一方で最外層に位置している。
図4に示すように、第1表皮30を構成する経糸層22の各経糸24は、非連続繊維40の撚糸である。第1表皮30を構成する緯糸層23の各緯糸25は、非連続繊維40の撚糸である。非連続繊維40は、例えば、強化繊維であり、本実施形態では、炭素繊維である。本実施形態では、第1表皮30を構成する経糸層22及び緯糸層23それぞれの層の各経糸24及び各緯糸25が撚糸である。
<第2表皮31の構成>
図3に示すように、第2表皮31は、積層体21のうち、積層方向Zから積層体21の第2表面202を平面視したときに露出する経糸層22及び緯糸層23により構成される部分である。なお、図3では、第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23をドットハッチングで示している。第2表皮31経糸層22は、積層体21における積層方向Zの他方で最外層に位置している。
図3に示すように、第2表皮31は、積層体21のうち、積層方向Zから積層体21の第2表面202を平面視したときに露出する経糸層22及び緯糸層23により構成される部分である。なお、図3では、第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23をドットハッチングで示している。第2表皮31経糸層22は、積層体21における積層方向Zの他方で最外層に位置している。
図4に示すように、第2表皮31を構成する経糸層22の各経糸24は、非連続繊維40の撚糸である。第2表皮31を構成する緯糸層23の各緯糸25は、非連続繊維40の撚糸である。非連続繊維40は、例えば、強化繊維であり、本実施形態では、炭素繊維である。本実施形態では、第1表皮30を構成する経糸層22及び緯糸層23それぞれの層の各経糸24及び各緯糸25が撚糸である。第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23それぞれの各経糸24及び各緯糸25が撚糸である。
<コア部32の構成>
図3に示すように、コア部32は、積層体21のうち、積層方向Zで第1表皮30及び第2表皮31に挟み込まれている経糸層22及び緯糸層23により構成される部分である。なお、図3では、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23を白抜きのハッチングで示している。コア部32は、積層方向Zから見て第1表面201及び第2表面202に露出していない。コア部32は、2つの経糸層22、及び1つの緯糸層23の3つの層により構成されている。
図3に示すように、コア部32は、積層体21のうち、積層方向Zで第1表皮30及び第2表皮31に挟み込まれている経糸層22及び緯糸層23により構成される部分である。なお、図3では、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23を白抜きのハッチングで示している。コア部32は、積層方向Zから見て第1表面201及び第2表面202に露出していない。コア部32は、2つの経糸層22、及び1つの緯糸層23の3つの層により構成されている。
図5に示すように、コア部32を構成する経糸層22の各経糸24は、連続繊維41の無撚糸である。コア部32を構成する緯糸層23の各緯糸25は、連続繊維41の無撚糸である。連続繊維41は、例えば、強化繊維であり、本実施形態では、炭素繊維である。
<マトリックス樹脂Maと毛羽F1との関係について>
図6に示すように、隙間G1及び隙間G2には、マトリックス樹脂Maの一部が含浸されている。隙間G1及び隙間G2に含浸されているマトリックス樹脂Maには、経糸24及び緯糸25を構成する非連続繊維40の毛羽F1が配置されている。
図6に示すように、隙間G1及び隙間G2には、マトリックス樹脂Maの一部が含浸されている。隙間G1及び隙間G2に含浸されているマトリックス樹脂Maには、経糸24及び緯糸25を構成する非連続繊維40の毛羽F1が配置されている。
<作用>
次に、実施形態の作用について説明する。
積層体21においては、積層体21に対してねじり負荷が生じた際に、積層方向Zで外側に位置するほど、第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が大きく生じ易い。このため、第1表皮30及び第2表皮31は、コア部32に比べて、第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が生じ易い。
次に、実施形態の作用について説明する。
積層体21においては、積層体21に対してねじり負荷が生じた際に、積層方向Zで外側に位置するほど、第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が大きく生じ易い。このため、第1表皮30及び第2表皮31は、コア部32に比べて、第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が生じ易い。
そこで、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を非連続繊維40の撚糸とした。このため、第1表皮30及び第2表皮31を構成する撚糸の非連続繊維40が、第1方向X及び第2方向Yそれぞれに対して交差する方向に延びている。よって、積層体21がせん断変形しようとしても、非連続繊維40がせん断変形に対する抵抗となるため、第1表皮30及び第2表皮31におけるせん断変形が生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形が抑制される。
また、コア部32を構成する全ての各経糸24及び各緯糸25を撚糸にすると、コア部32の強度が低くなる。そこで、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を無撚糸とした。このため、例えば、コア部32を構成する全ての各経糸24及び各緯糸25が撚糸である場合に比べて、コア部32の強度が高くなる。その結果、繊維構造体20の強度が保たれる。
<効果>
実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を非連続繊維40の撚糸とした。このため、第1表皮30及び第2表皮31を構成する撚糸の非連続繊維40が、第1方向X及び第2方向Yそれぞれに対して交差する方向に延びている。よって、積層体21がせん断変形しようとしても、非連続繊維40がせん断変形に対する抵抗となるため、第1表皮30及び第2表皮31における第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形を抑制することができる。
実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を非連続繊維40の撚糸とした。このため、第1表皮30及び第2表皮31を構成する撚糸の非連続繊維40が、第1方向X及び第2方向Yそれぞれに対して交差する方向に延びている。よって、積層体21がせん断変形しようとしても、非連続繊維40がせん断変形に対する抵抗となるため、第1表皮30及び第2表皮31における第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形が生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形を抑制することができる。
また、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25を無撚糸とした。このため、例えば、コア部32を構成する全ての経糸24及び緯糸25が撚糸である場合に比べて、コア部32の強度が高くなる。その結果、繊維構造体20の強度が保たれる。以上により、繊維構造体20の強度を保ちつつも、繊維構造体20のせん断変形を抑制することができる。
(2)第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23のうち、積層方向Zで最外層に位置する経糸層22の各経糸24が撚糸である。これによれば、第1表皮30及び第2表皮31における第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形がさらに生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
(3)第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23それぞれの層の各経糸24及び各緯糸25が撚糸である。これによれば、例えば、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の一方の各経糸24及び各緯糸25が撚糸である場合を考える。この場合に比べて、第1表皮30及び第2表皮31における第1方向X及び第2方向Yでのせん断変形がさらに生じ難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
(4)第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23それぞれの各経糸24及び各緯糸25が撚糸である。これによれば、例えば、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23それぞれの各経糸24及び各緯糸25の一方のみが撚糸である場合に比べて、さらにせん断変形し難くなる。その結果、繊維構造体20のせん断変形をさらに抑制し易くすることができる。
(5)本実施形態で採用される経糸24及び緯糸25は、非連続繊維40で構成された撚糸である。撚糸が連続繊維で構成されている場合に比べて、撚糸に毛羽F1が生じ易い。ここで、隙間G1及び隙間G2に含浸されているマトリックス樹脂Maには、経糸24及び緯糸25を構成する非連続繊維40の毛羽F1が配置されている。これによれば、隙間G1及び隙間G2に含浸されているマトリックス樹脂Maは、毛羽F1により強化され易い。したがって、繊維強化複合材10のせん断変形を抑制し易くすることができる。
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 実施形態において、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25は、全て撚糸であったが、これに限らない。例えば、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の各経糸24及び各緯糸25のうち一方が無撚糸であってもよい。要は、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23の少なくとも一方の層の各経糸24及び各緯糸25が撚糸であればよい。
○ 実施形態において、積層体21のうち、経糸層22が最外層に位置していたが、緯糸層23が最外層に位置していてもよい。
○ 実施形態において、コア部32は、2つの経糸層22、及び1つの緯糸層23の3つの層により構成されていたが、これに限らない。コア部32は、例えば、1つの層により構成されていてもよい。要は、コア部32は、積層体21のうち、積層方向Zで第1表皮30及び第2表皮31に挟み込まれている経糸層22及び緯糸層23の少なくとも1つにより構成されていればよい。
○ 実施形態において、コア部32は、2つの経糸層22、及び1つの緯糸層23の3つの層により構成されていたが、これに限らない。コア部32は、例えば、1つの層により構成されていてもよい。要は、コア部32は、積層体21のうち、積層方向Zで第1表皮30及び第2表皮31に挟み込まれている経糸層22及び緯糸層23の少なくとも1つにより構成されていればよい。
○ 実施形態において、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の経糸24及び緯糸25は、無撚糸であったが、これに限らない。コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の1つの層の経糸24又は緯糸25が撚糸であってもよい。要は、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の少なくとも1つの層の経糸24又は緯糸25が無撚糸であればよい。
○ 実施形態において、コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の経糸24及び緯糸25は、連続繊維41の無撚糸であったが、これに限らない。コア部32を構成する経糸層22及び緯糸層23の経糸24及び緯糸25は、例えば、非連続繊維の無撚糸であってもよい。
○ 実施形態において、第1表皮30の各経糸24が撚糸であるとともに第1表皮30の各緯糸25が無撚糸であり、且つ第2表皮31の各経糸24が無撚糸であるとともに第1表皮30の各緯糸25が撚糸であってもよい。要は、第1表皮30及び第2表皮31を構成する経糸層22及び緯糸層23のうち、積層方向Zで最外層に位置する層の各経糸24及び各緯糸25が撚糸であればよい。
○ 実施形態において、マトリックス樹脂Maは、エポキシ樹脂であったが、これに限らない。マトリックス樹脂Maは、例えば、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂であってもよいし、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂、ABS樹脂等といった熱可塑性樹脂であってもよい。
○ 実施形態において、強化繊維は、炭素繊維であったが、これに限らず、ガラス繊維や炭化ケイ素系セラミック繊維、アラミド繊維、及び超高分子量ポリエチレン繊維等を使用してもよい。
10…繊維強化複合材、20…繊維構造体、21…積層体、22…第1糸層としての経糸層、23…第2糸層としての緯糸層、24…繊維束である経糸、25…繊維束である緯糸、26…結合糸、30…表皮としての第1表皮、31…表皮としての第2表皮、32…コア部、40…非連続繊維、201…表面としての第1表面、202…表面としての第2表面、Ma…マトリックス樹脂、X…第1方向、Y…第2方向、Z…積層方向。
Claims (5)
- 第1方向に延びるとともに前記第1方向に対して直交する方向である第2方向に配列される複数の繊維束により形成された第1糸層と、
前記第2方向に延びるとともに前記第1方向に配列される複数の繊維束により形成された第2糸層と、がそれぞれ複数積層された積層体と、
前記第1糸層と前記第2糸層とを前記第1糸層及び前記第2糸層の積層方向で結合する結合糸と、を備える繊維構造体であって、
前記積層体は、
前記積層体のうち、前記積層方向から前記積層体の表面を平面視したときに露出する前記第1糸層及び前記第2糸層により構成される部分である一対の表皮と、
前記積層体のうち、前記積層方向で前記一対の表皮に挟み込まれている前記第1糸層及び前記第2糸層の少なくとも1つにより構成される部分であるコア部と、を有し、
前記表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層の少なくとも一方の層の各繊維束は、非連続繊維の撚糸であり、
前記コア部を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層の少なくとも1つの層の各繊維束は、無撚糸であることを特徴とする繊維構造体。 - 前記表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層のうち、前記積層方向で最外層に位置する層の各繊維束が前記撚糸であることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
- 前記表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層それぞれの層の各繊維束が前記撚糸であることを特徴とする請求項2に記載の繊維構造体。
- 前記一対の表皮を構成する前記第1糸層及び前記第2糸層それぞれの各繊維束が前記撚糸であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の繊維構造体。
- 請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させることにより構成される繊維強化複合材。
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