JP2022182670A - 導電部材及び導電部材の製造方法 - Google Patents

導電部材及び導電部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接触抵抗が小さく、挿入性に優れ、めっき層の摩耗を抑制できる導電部材を提供する。【解決手段】本発明の導電部材は、基材と、前記基材の表面を被覆するめっき層とを備える。前記めっき層は、最外層である第1層と、前記第1層よりも内側に積層される第2層とを有する。前記第1層は、Snを含有する第I相と、前記第I相中に分散する第II相とを含む。前記第II相は、Sn及びAgを含有する。前記第2層は、Ag以外の金属元素と、Snとを含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、導電部材及び導電部材の製造方法に関する。
電気回路の接続に用いられる導電部材(例えば、コネクタ用端子金具)は、例えば、導電性を有する基材と、基材の表面を被覆するめっき層とを備える。めっき層は、導電部材の腐食抑制、接続信頼性の向上、はんだ付け性の向上等を目的として施される。このようなめっき層としては、例えば、接触抵抗が低く、はんだ付け性及び耐腐食性に優れるSnめっき層が一般的に用いられる。
一方、Snめっき層は、比較的柔らかいめっき層である。このため、Snめっき層を備える導電部材を端子として用いたコネクタは、相手材に挿入する際にSnめっき層が変形及び摩耗することによってスムーズな挿入が妨げられる傾向がある。このため、Snめっき層を備える導電部材は、スムーズに挿入できる性能(挿入性)に優れることが求められる。また、Snめっき層を備える導電部材は、コネクタの抜き差しを繰り返しても接続信頼性が低下しないようにするため、めっき層の摩耗を抑制できることが求められる。
このような要求に対して、例えば、導電性に優れるSnを主成分とする母相と、母相中に分散するSn系金属間化合物相とを備えるSnめっき層が提案されている。Sn系金属間化合物(例えば、Sn-Cu系金属間化合物、及びSn-Pd系金属間化合物)は、比較的硬質である。上述のSnめっき層は、硬質なSn系金属間化合物相が母相に分散しているため、比較的高い強度を有し、変形及び摩耗をある程度抑制できる。また、上述のSnめっき層は、Snを主成分とする母相を備えるため、接触抵抗が低い。このようなSnめっき層を備える導電部材として、例えば、金属材料よりなる基材と、基材の表面を覆うめっき被膜とを有し、めっき被膜は、Sn母相及びSn母相中に分散されたSn-Pd系粒子を含み、Sn母相及びSn-Pd系粒子が外表面に存在する最外層を有する端子金具が提案されている(特許文献1)。
特開2016-91990号公報
しかしながら、上述のSnめっき層を用いても、接触抵抗と、挿入性と、めっき層の摩耗の抑制とを全て満足する導電部材を提供することは困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、接触抵抗が小さく、挿入性に優れ、めっき層の摩耗を抑制できる導電部材を提供することである。本発明の別の目的は、導電性に優れ、挿入抵抗が小さく、めっき層の摩耗を抑制できる導電部材の製造方法を提供することである。
本発明の導電部材は、基材と、前記基材の表面を被覆するめっき層とを備える。前記めっき層は、最外層である第1層と、前記第1層よりも内側に積層される第2層とを有する。前記第1層は、Snを含有する第I相と、前記第I相中に分散する第II相とを含む。前記第II相は、Sn及びAgを含有する。前記第2層は、Ag以外の金属元素と、Snとを含有する。
本発明の導電部材の製造方法は、基材と、前記基材の表面を被覆するめっき層とを備える導電部材の製造方法であって、前記基材上に、直接又は他の層を介して、Sn及びAgを含有する被覆層をめっき法で形成する被覆層形成工程と、前記基材及び前記被覆層を加熱する加熱工程とを備える。前記加熱工程における加熱温度は、220℃以上450℃以下である。
本発明の導電部材及び導電部材の製造方法は、導電性に優れ、挿入抵抗が小さく、めっき層の摩耗を抑制できる導電部材を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る導電部材の一例の断面図である。 図1の導電部材の変形例の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る導電部材の製造方法の一例の一工程を示す断面図である。 図3の次の工程を示す図である。 図4の次の工程を示す図である。 比較例1の導電部材の断面画像である。 実施例1の導電部材の断面画像である。 実施例1の導電部材のめっき層の表面画像である。 実施例6の導電部材のめっき層の表面画像である。
以下、本発明の実施形態について、説明する。但し、本発明は、実施形態に何ら限定されず、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施できる。本発明の実施形態において説明する各材料は、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本明細書において、「主成分」とは、質量基準において最も含有割合の高い成分(例えば、50質量%超含有する成分)をいう。めっき層の「厚さ」とは、基材及びめっき層の界面と直交する方向の長さを示す。めっき層の厚さの測定では、蛍光X線膜厚計(例えば、株式会社日立ハイテクサイエンス製「SII SFT9200」)を用いることができる。めっき層の「最外層」とは、基材から最も離れている層を示す。めっき層の「内側」及び「外側」とは、それぞれ、めっき層において基材に近い側の方向、及び基材に遠い側の方向を示す。
<第1実施形態:導電部材>
本発明の第1実施形態に係る導電部材を説明する。本発明の導電部材は、基材と、基材の表面を被覆するめっき層とを備える。めっき層は、最外層である第1層と、第1層よりも内側に積層される第2層とを有する。第1層は、Snを含有する第I相(以下、Sn母相と記載することがある)と、第I相中に分散する第II相(以下、Sn-Ag相と記載することがある)とを含む。Sn-Ag相は、Sn及びAgを含有する。第2層は、Ag以外の金属元素と、Snとを含有する。
本発明の導電部材は、例えば、各種電子部品(例えば、コネクタ、継電器、スライドスイッチ、抵抗器、コンデンサ、コイル及び回路基板、フレキシブル基板、フラットケーブル及び電線)の材料として用いることができる。本発明の導電部材を用いた電子部品は、例えば、半導体製品、電気製品、太陽電池及び自動車等に活用できる。
本発明の導電部材は、コネクタ(特に、ワイヤーハーネス用コネクタ)に用いる端子金具として特に好適である。本発明の導電部材を用いたコネクタは、例えば、導電部材と、導電部材を保持するハウジングとを備える。コネクタは、ピンインサート及びソケットインサートの何れであってもよいが、ピンインサートであることが好ましい。
本発明の導電部材は、上述の構成を備えることにより、接触抵抗が小さく、挿入性に優れ、めっき層の摩耗を抑制できる。その理由は以下のように推察される。本発明の導電部材の備えるめっき層は、多層構造を有する。めっき層の最外層である第1層は、Sn母相と、Sn母相中に分散するSn-Ag相とを含む。本発明の導電部材は、導電性に優れるSnを含有するSn母相がめっき層の最外層(第1層)に存在するため、接触抵抗が小さい。また、Sn-Ag相において、Sn及びAgは、例えば、金属間化合物(以下、Sn-Ag系金属間化合物と記載することがある)を形成する。Sn系金属間化合物は、単体のSnと比較して硬度が高い傾向を有する。その中でも、Sn-Ag系金属間化合物は、他のSn系金属間化合物(例えば、Sn-Cu系金属間化合物、及びSn-Pd系金属間化合物)と比較して、硬度及び弾性のバランスに優れると判断される。本発明の導電部材において、めっき層は、Sn-Ag相が最外層(第1層)に存在してその構造を補強することにより、公知のSnめっき層と比較して強度が高いと判断される。そのため、本発明の導電部材は、挿入性に優れると共に、めっき層の摩耗を抑制できる。
以下、図面を参照して、本発明の導電部材の詳細について説明する。図1は、本発明の導電部材の一例である導電部材1を示す断面図である。図1の導電部材1は、基材2と、基材2の表面を被覆するめっき層3とを備える。めっき層3は、多層構造を有し、最外層から順番に、第1層4、第2層5及び第3層6を有する。
[基材]
基材2の形状及び材質としては、導電部材1として使用可能な形状及び材質であれば、特に限定されない。基材2の形状としては、例えば、板状、角柱状、円柱状、円錐状、及びリング状が挙げられる。基材2の材質としては、例えば、銅系素材、鉄系素材、及びNi系素材が挙げられる。銅系素材としては、例えば、銅、リン青銅、黄銅、ベリリウム銅、チタン銅、洋白(Cu、Ni及び亜鉛の合金)が挙げられる。鉄系素材としては、例えば、鉄、Fe-Ni合金、ステンレス鋼が挙げられる。基材2は、絶縁部材(例えば、樹脂フィルム)の表面に導電層が形成された部材であってもよい。即ち、基材2は、例えば、各種絶縁基板と、絶縁基板上に形成された導電パターン(例えば、銅パターン)とを備える部材であってもよい。
[めっき層]
めっき層3は、第1層4、第2層5及び第3層6を有する3層構造である。めっき層3において、第1層4及び第2層5の合計厚さとしては、0.1μm以上100.0μm以下が好ましく、0.3μm以上10.0μm以下がより好ましく、0.7μm以上3.0μm以下が更に好ましい。第1層4及び第2層5の合計厚さを0.1μm以上とすることで、めっき層3が摩耗した場合においても第3層6が露出することを抑制できる。第1層4及び第2層5の合計厚さを100.0μm以下とすることで、めっき層3が不必要に厚くなることを抑制できる。
エネルギー分散型蛍光X線分析法を用いた元素分析において、加速電圧15kVとしたときに、めっき層3に含まれる全金属元素に対するAgの含有割合としては、3質量%以上20質量%以下が好ましく、6質量%以上17質量%以下がより好ましく、10質量%以上17質量%以下が更に好ましい。上述のAgの含有割合を3質量%以上20質量%以下とすることで、第1層4におけるSn-Ag相4bの面積割合を適度な範囲に調整することができる。その結果、導電部材1は、優れた導電性と、挿入抵抗の小ささと、めっき層3の摩耗の抑制とをバランスよく発揮できる。
(第1層)
めっき層3の最外層である第1層4は、Snを含有するSn母相4aと、Sn母相4a中に分散するSn-Ag相4bとを含む。第1層4を表面から観察した場合、第1層4において、Sn母相4a及びSn-Ag相4bは、例えば、海島構造を形成している。なお、第1層4の外側の表面には、自然酸化被膜が形成されていてもよい。
第1層4において、Sn-Ag相4bの面積割合としては、2.0%以上50.0%以下が好ましく、5.0%以上25.0%以下がより好ましく、15.0%以上25.0%以下が更に好ましい。Sn-Ag相4bの面積割合を1%以上とすることで、導電部材1の挿入性を更に向上させることができると共に、めっき層3の摩耗を更に効果的に抑制できる。Sn-Ag相4bの面積割合を50.0%以下とすることで、導電部材1の接触抵抗を更に低減できる。Sn-Ag相4bの面積割合は、例えば、エネルギー分散型蛍光X線分析装置を備えるFE-SEMで第1層4の表面を観察することによって測定できる。
(Sn母相)
Sn母相4aは、Snを含有する。Sn母相4aは、第1層4の母相である。なお、Sn母相4aは、Snを主成分として含有するが、少量であればSn以外の元素を更に含んでいてもよい。Sn以外の元素としては、例えば、Cu及び酸素が挙げられる。Sn母相4aにおいて、Snの含有割合としては、80質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましい。
(Sn-Ag相)
Sn-Ag相4bは、Sn及びAgを含有する。Sn-Ag相4bにおいて、Sn及びAgは、金属間化合物を形成していることが好ましい。但し、Sn-Ag相4bにおいて、Sn及びAgのうち少なくとも一部は、例えば、合金又は複酸化物を形成していてもよい。図1では、Sn-Ag相4bの形状は、粒子状である。
なお、Sn-Ag相4bは、Sn及びAg以外の元素を更に含有してもよい。Sn及びAg以外の元素としては、例えば、Cu及び酸素が挙げられる。Sn-Ag相4bにおいて、Sn及びAgの合計含有割合としては、80質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましい。
Sn-Ag相4bのうち少なくとも一部は、めっき層3の表面に露出していることが好ましい。これにより、導電部材1が相手材と接触する際に、軟質なSn母相4aではなく硬質なSn-Ag相4bが相手材と接触するため、めっき層3の摩耗を更に効果的に抑制できる。具体的には、電子顕微鏡による断面観察において、視野中のSn-Ag相4bの総数に対して、めっき層3の表面に露出しているSn-Ag相4bの数の比率としては、10個数%以上が好ましく、40個数%以上がより好ましく、70個数%以上が更に好ましい。
(第2層)
第2層5は、めっき層3において、第1層4よりも内側に積層される。詳しくは、第2層5は、第1層4及び第3層6の間に積層される。第2層5は、Ag以外の金属元素と、Snとを含有する。第2層5の外側の表面は、凹凸形状を有する。
第2層5において、Ag以外の金属元素とSnとは、金属間化合物を形成していることが好ましい。但し、第2層5において、Ag以外の金属元素とSnとのうち少なくとも一部は、例えば、合金又は複酸化物を形成していてもよい。
めっき層3において、第2層5は、例えば、第1層4及び第3層6の密着性を向上させる機能を有する。第2層5において、Ag以外の金属元素としては、例えば、Cu及びNiが挙げられる。
後述するように、第2層5は、Sn及びAgを含有する被覆層におけるSnと、第3層6に含まれる金属元素とが反応することで形成される。そのため、第2層5は、通常、Snと、第3層6に含まれる金属元素とを含有する。例えば、第3層6がNi層である場合、第2層5は、Sn及びNiを含有する。第3層6がCu層である場合、第2層5は、Sn及びCuを含有する。
なお、第2層5は、第3層6に含まれる金属元素及びSn以外の他の元素(例えば、酸素)を更に含有してもよい。第2層5における他の元素の含有割合としては、20質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
第1層4及び第2層5は、Cuを更に含有することが好ましい。第1層4及び第2層5がCuを更に含有することで、めっき層3を容易かつ確実に形成することができる。第1層4及び第2層5において、Cuは、Sn母相4a、Sn-Ag相4b及び第2層5の何れに含まれていてもよい。第1層4及び第2層5において、Cuの含有割合としては、それぞれ、0.1質量%5.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(第3層)
第3層6は、第2層5と、基材2との密着性を向上させる。また、第3層6は、基材2に含まれる成分がめっき層3に拡散することを抑制する。第3層6は、Ni又はCuを含有する。
第3層6は、基材2の材質が第2層5と密着し難い材質(例えば、ステンレス鋼(SUS)及び鉄)である場合に特に有効である。また、第3層6は、基材2の材質が黄銅である場合、黄銅に含まれる亜鉛が第1層4に拡散して半田付け性を低下させることを抑制できるため、特に有効である。
第3層6の厚さとしては、0.1μm以上100.0μm以下が好ましく、0.1μm以上5.0μm以下がより好ましく、0.5μm以上3.0μm以下が更に好ましい。第3層6の厚さを0.1μm以上とすることで、上述の機能を十分に発揮できる。第3層6の厚さを100.0μm以下とすることで、めっき層3が不必要に厚くなることを抑制できる。
以上、図1に基づいて、本発明の導電部材の一例である導電部材1を説明した。次に、図2に基づいて、図1の導電部材1の変形例である導電部材11を説明する。
[変形例]
図2の導電部材11は、基材12と、基材12の表面を被覆するめっき層13とを有する。めっき層13は、最外層から順番に、第1層14及び第2層15を有する。めっき層13の最外層である第1層14は、Snを含有するSn母相14aと、Sn母相14a中に分散するSn-Ag相14bとを含む。図2の導電部材11は、図1の導電部材1と比較し、第3層6に相当する層を有しないという点が相違する。すなわち、図2の導電部材11は、第2層15が基材12の表面を被覆する。また、図2の導電部材11は、図1の導電部材1と比較し、第2層15の組成が異なる。以下、図1の導電部材1との重複説明は省略しつつ、第2層15の組成について説明する。
(第2層)
第2層15は、めっき層13において、第1層14よりも内側に積層される。詳しくは、第2層15は、第1層14及び基材12の間に積層される。第2層15は、Ag以外の金属元素と、Snとを含有する。第2層15の外側の表面は、凹凸形状を有する。
第2層15において、Ag以外の金属元素とSnとは、金属間化合物を形成していることが好ましい。但し、第2層15において、Ag以外の金属元素とSnとのうち少なくとも一部は、例えば、合金又は複酸化物を形成していてもよい。
めっき層13において、第2層15は、例えば、第1層14及び基材12の密着性を向上させる機能を有する。第2層15において、Ag以外の金属元素としては、例えば、Cu及びNiが挙げられる。
後述するように、第2層15は、Sn及びAgを含有する被覆層におけるSnと、基材12に含まれる金属元素とが反応することで形成される。そのため、第2層15は、通常、Snと、基材12に含まれる金属元素とを含有する。例えば、基材12がCu層である場合、第2層15は、Sn及びCuを含有する。
以上、図1の導電部材1及び図2の導電部材11に基づいて、本発明の導電部材を説明した。但し、図1の導電部材1及び図2の導電部材11は、本発明の導電部材の一例に過ぎない。本発明の導電部材は、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、Sn-Ag相の形状は、必ずしも粒子状である必要はない。Sn-Ag相の形状は、例えば、粒子状又は板状(より具体的には、例えば、帯状の板)である。ここで、「粒子状」とは、例えば、アスペクト比(長径/短径)が5以下であることを示す。「板状」とは、例えば、アスペクト比が5超であることを示す。Sn-Ag相の長径及び短径は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置を備えるFE-SEMで第1層の表面を観察することによって測定できる。詳しくは、測定対象とするSn-Ag相の外縁に接する2本の仮想平行線の最大幅を長径の測定値とする。また、長径を測定する際に設定した2本の仮想平行線の中央に3本目の仮想平行線を設定し、3本目の仮想平行線と測定対象とするSn-Ag相とが重なっている長さを短径の測定値とする。
Sn-Ag相が粒子状である場合、その粒子径(長径)としては、0.5μm以上10.0μm以下が好ましく、1.0μm以上3.0μm以下がより好ましい。Sn-Ag相が板状である場合、その長径としては、3.0μm以上130.0μm以下が好ましく、50.0μm以上120.0μm以下がより好ましい。
第1層は、Sn母相及びSn-Ag相以外の他の相を更に含んでもよい。他の相としては、例えば、不可避的不純物により形成される相等が挙げられる。また、めっき層は、第1層、第2層及び第3層以外の他の層を更に有してもよい。また、第2層の外側の表面は、平坦であってもよい。
<第2実施形態:導電部材の製造方法>
本発明の第2実施形態に係る導電部材の製造方法は、基材と、基材の表面を被覆するめっき層とを備える導電部材の製造方法であって、基材上に、直接又は他の層を介して、Sn及びAgを含有する被覆層をめっき法で形成する被覆層形成工程と、基材及び被覆層を加熱する加熱工程とを備える。加熱工程における加熱温度は、220℃以上450℃以下である。
本発明の導電部材の製造方法は、導電性に優れ、挿入抵抗が小さく、めっき層の摩耗を抑制できる導電部材を提供できる。本発明の導電部材の製造方法は、上述の第1実施形態に係る導電部材の製造方法として好適である。
以下、図面を参照して、本発明の導電部材の製造方法の詳細について説明する。図3~図5は、本発明の導電部材の製造方法の一例の各工程を示す図である。図3~図5に示す導電部材の製造方法は、例えば、図1の導電部材1と同様の導電部材を製造できる。なお、図3~5に登場する基材21及び第3層22の詳細については、第1実施形態において説明済みであるため、重複した説明を省略する。
[被覆層形成工程]
被覆層形成工程は、基材21上に第3層22をめっき法で形成する第1工程と、第3層22上にSn及びAgを含有する被覆層23をめっき法で形成する第2工程とを備える。即ち、本工程は、基材21上に、第3層22を介して、Sn及びAgを含有する被覆層23をめっき法で形成する。本工程は、基材21を前処理する前処理工程を更に備えることが好ましい。以下、各工程の詳細を説明する。
(前処理工程)
前処理工程は、基材21に対する被覆層23の密着性を向上させると共に、ピンホール発生を抑制することを目的として行なわれる。基材21がリン青銅等の金属を圧延した部材である場合に、前処理工程は特に有効となる。
前処理工程では、基材21にpH5以下の酸を作用させる酸処理を行うことが好ましい。酸処理は、基材21の全面に対して行ってもよいが、基材21において、被覆層23を形成する領域のみに対して行ってもよい。また、前処理工程では、洗浄水溶液に基材21を浸漬させる第1の洗浄処理と、電解水溶液中で基材21を電解する第2の洗浄処理と、pH5以下の酸を基材21に作用させる酸処理とをこの順番で行うことがより好ましい。
第1の洗浄処理では、洗浄水溶液を充填した洗浄槽に基材21を浸漬させる。その後、基材21を数回水洗する。
洗浄水溶液のpHとしては、0.01以上が好ましく、9.0以上(アルカリ性)がより好ましく、9.5以上が更に好ましく、10.0以上が特に好ましい。洗浄水溶液のpHとしては、13.8以下が好ましく、13.5以下がより好ましい。洗浄水溶液のpHを0.01以上13.8以下とすることで、基材21の表面の過度な粗化又は劣化を抑制できる。
洗浄水溶液の有効成分(例えば、アルカリ成分)としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、キレート剤及び界面活性剤が挙げられる。また、第1の洗浄処理における洗浄水溶液の温度としては、20℃以上90℃以下が好ましく、40℃以上60℃以下がより好ましい。
第2の洗浄処理では、電解水溶液を充填した電解槽において、基材21を電極として電解する。その後、基材21を数回水洗する。これにより、基材21の表面でガスが発生し、このガスによる酸化還元作用とガスの気泡による物理的作用とにより、基材21の表面の汚染が効率的に除去される。
第2の洗浄処理における電解水溶液のpHとしては、0.01以上が好ましく、9.0以上(アルカリ性)がより好ましく、9.5以上が更に好ましく、10.0以上が特に好ましい。電解水溶液のpHとしては、13.8以下が好ましく、13.5以下がより好ましい。電解水溶液のpHを0.01以上13.8以下とすることで、基材21の表面の過度な粗化又は劣化を抑制できる。
電解水溶液の有効成分(例えば、アルカリ成分)としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、キレート剤及び界面活性剤が挙げられる。
電解時の液温としては、20℃以上90℃以下が好ましく、30℃以上60℃以下がより好ましい。電解時の電流密度としては、0.1A/dm2以上20A/dm2以下が好ましく、2A/dm2以上8A/dm2以下がより好ましい。電解時間としては、0.1分以上5分以下が好ましく、0.5分以上2分以下がより好ましい。なお、電解において、基材21は、陽極として用いてもよく、陰極として用いてもよい。また、電解中に基材21を陽極から陰極(又は陽極から陰極)に適宜切り替えてもよい。
酸処理では、酸水溶液(例えば、硫酸、塩酸、過硫酸アンモニウム水及び過酸化水素水)を充填した酸水溶液槽に基材21を浸漬させ、基材21の表面に対して酸を作用させる。これにより、酸処理(活性化処理)を行なう。
ここで、酸水溶液のpHとしては、0.001以上6.0以下が好ましく、0.1以上4.5以下がより好ましく、0.1以上3.0以下が更に好ましい。酸水溶液のpHを0.01以上とすることで、基材21の表面の過度な粗化又は劣化を抑制できる。酸水溶液のpHを6.0以下とすることで、基材21の表面を十分に酸処理できる。
酸処理における浸漬時間としては、0.1分以上10分以下が好ましく、0.5分以上5分以下がより好ましく、1分以上3分以下が更に好ましい。浸漬時間を0.1分以上とすることで、基材21の表面を十分に酸処理できる。浸漬時間を10分以下とすることで、基材21の表面の過度な粗化又は劣化を抑制できる。
(第1工程)
図3に示すように、本工程では、基材21上に第3層22をめっき法で形成する。第3層22の形成方法としては、例えば、公知の電気めっき法を採用することができる。
本工程の電気めっきに使用するめっき溶液は、例えば、Ni化合物(例えば、塩化Ni及び硫酸Ni)又はCu化合物を含有する。めっき溶液は、無機キレート剤、有機キレート剤、及び他の添加剤(例えば、ホウ酸)のうち少なくとも1つを更に含有することが好ましい。
本工程のめっき溶液におけるNi化合物又はCu化合物の濃度としては、50g/L以上450g/L以下が好ましく、150g/L以上350g/L以下がより好ましい。
本工程の電気めっきの際のめっき溶液の液温としては、10℃以上80℃以下が好ましく、40℃以上60℃以下がより好ましい。電気めっきにおいて、電流密度としては、0.1A/dm2以上30A/dm2以下が好ましく、2A/dm2以上25A/dm2以下がより好ましい。
(第2工程)
図4に示すように、本工程では、基材21上に、第3層22を介して、Sn及びAgを含有する被覆層23をめっき法で形成する。被覆層23の形成方法としては、例えば、公知の電気めっき法を採用することができる。
本工程の電気めっきに使用するめっき溶液は、Sn化合物及びAg化合物を含有する。めっき溶液は、Cu化合物、無機キレート剤、有機キレート剤、及び他の添加剤のうち少なくとも1つを更に含有することが好ましい。
ここで、Sn化合物とは、少なくともSnを含む化合物であって、例えば、酸化第1スズ、硫酸第1スズ及び各種有機酸のスズ塩が挙げられる。Ag化合物とは、少なくともAgを含む化合物であって、例えば、酸化銀、及び各種有機酸のAg塩が挙げられる。Cu化合物とは、少なくともCuを含む化合物であって、例えば、硫酸銅、塩化銅、及び各種有機酸のCu塩が挙げられる。
本工程のめっき溶液は、Sn化合物、Ag化合物、Cu化合物、無機キレート剤及び、有機キレート剤を含有することが好ましい。この場合、Sn化合物、Ag化合物及びCu化合物は、それぞれ、共通の陰イオンを対イオンとして含有する可溶性塩であることが特に好ましい。これにより、めっき溶液からのAg及びCuの分離析出を極めて効果的に抑制できる。また、無機キレート剤及び有機キレート剤を併用することによっても、めっき溶液からのAg及びCuの分離析出を極めて効果的に抑制できる。
具体的な陰イオンとしては、例えば、無機酸に由来する陰イオン、及び有機酸に由来する陰イオンが挙げられる。無機酸としては、例えば、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸、フッ化水素酸が挙げられる。有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、フェノールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルカノールスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、フタル酸、シュウ酸、アジピン酸、乳酸、クエン酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、及びリンゴ酸が挙げられる。
無機キレート剤としては、ポリリン酸キレート剤又は金属フルオロ錯体キレート剤が好ましい。ポリリン酸キレート剤としては、ポリリン酸と、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム又はマンガンとの塩が挙げられる。金属フルオロ錯体キレート剤としては、例えば、TiF6 2-、SiF6 2-、及びこれらがクラスター化した化合物が挙げられる。なお、金属フルオロ錯体キレート剤を含有するめっき溶液は、遊離のフッ化物イオンを安定な錯イオンとするため、フッ化物イオン捕捉剤(例えば、ホウ酸)を添加剤として更に含有することが好ましい。
有機キレート剤としては、ポルフィリン化合物が好ましい。ここで、ポルフィリン化合物とは、ポルフィリン骨格を分子中に有する化合物であり、各種誘導体を含む。
本工程のめっき溶液において、Ag化合物1質量部に対する無機キレート剤の含有量としては、1質量部以上300質量部以下が好ましく、3質量部以上200質量部以下がより好ましく、4質量部以上150質量部以下が更に好ましい。
本工程のめっき溶液において、Cu化合物1質量部に対する有機キレート剤の含有量としては、1質量部以上200質量部以下が好ましく、2質量部以上150質量部以下がより好ましく、3質量部以上130質量部以下が更に好ましい。
本工程のめっき溶液において、Sn化合物の濃度としては、50g/L以上450g/L以下が好ましく、150g/L以上350g/L以下がより好ましい。また、めっき溶液において、Ag化合物の濃度としては、0.1g/L以上100g/L以下が好ましく、1g/L以上50g/L以下がより好ましい。めっき溶液において、Cu化合物の濃度としては、0.1g/L以上100g/L以下が好ましく、1g/L以上50g/L以下がより好ましい。めっき溶液において、無機キレート剤の濃度としては、10g/L以上500g/L以下が好ましく、100g/L以上300g/L以下がより好ましい。めっき溶液において、有機キレート剤の濃度としては、10g/L以上500g/L以下が好ましく、100g/L以上300g/L以下がより好ましい。
本工程の電気めっきにおいて、めっき溶液の液温としては、10℃以上80℃以下が好ましく、20℃以上40℃以下がより好ましい。電気めっきにおいて、電流密度としては、0.1A/dm2以上30A/dm2以下が好ましく、2A/dm2以上25A/dm2以下がより好ましい。電気めっきにおいては、陽極としてSn、Sn合金又は不溶性極板を用いることが好ましく、不溶性極板を用いることがより好ましい。
被覆層23の厚さとしては、0.1μm以上100.0μm以下が好ましく、0.3μm以上10.0μm以下がより好ましく、0.7μm以上3.0μm以下が更に好ましい。なお、被覆層23の厚さは、後述する加熱工程で形成される第1層及び第2層の合計厚さと概ね一致する。
被覆層23におけるSnの含有割合としては、70質量%以上99.8質量%以下が好ましく、80質量%以上97質量%以下がより好ましく、90質量%以上95質量%以下が更に好ましい。
被覆層23におけるAgの含有割合としては、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上20質量%以下がより好ましく、6質量%以上16質量%以下が更に好ましい。
被覆層23におけるCuの含有割合としては、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上12質量%以下がより好ましく、1質量%以上8質量%以下が更に好ましい。
[加熱工程]
本工程では、基材21、第3層22及び被覆層23を備える積層体を加熱する。加熱方法としては、特に限定されず、加熱炉等を用いることができる。
加熱により、第3層22及び被覆層23の界面Sにおいて、第3層22に含まれる金属元素(例えば、Cu及びNi)と、被覆層23に含まれるSnとが反応し、第1の反応生成物(例えば、金属間化合物)の結晶24が形成される。第1の反応生成物の結晶24は、加熱に伴って徐々に成長する。また、成長した第1の反応生成物の結晶24は、隣接する他の第1の反応生成物の結晶24と一体化する。これにより、第1の反応生成物の結晶24は、被覆層23の下部に徐々に層を形成するようになる。その結果、図1に示す第2層5に相当する層が形成される。また、被覆層23において界面Sから離れた領域では、被覆層23に含まれるSn及びAgが反応し、第2の反応生成物(例えば、金属間化合物)の結晶25が形成される。第2の反応生成物の結晶25は、加熱に伴って徐々に成長する。第2の反応生成物の結晶25の成長に伴って、被覆層23に含まれるAgは、第2の反応生成物の結晶25に取り込まれる。これにより、被覆層23の上部は、第2の反応生成物の結晶25からなる相と、Snを含有する母相とに分離する。その結果、図1に示す第1層4に相当する層が形成される。即ち、第1層4において、Sn母相4aは、上述の母相に由来する。Sn-Ag相4bは、上述の第2の反応生成物の結晶25からなる相に由来する。
本工程における加熱温度としては、220℃以上450℃以下が好ましく、250℃以上350℃以下がより好ましい。加熱温度を220℃以上とすることで、第1の反応生成物及び第2の反応生成物を十分に形成することができる。加熱温度を450℃以下とすることで、被覆層23が溶融することを抑制できる。
本工程における加熱時間としては、1秒以上10分以下が好ましく、10秒以上1分以下がより好ましい。加熱時間を1秒以上とすることで、第1の反応生成物及び第2の反応生成物を十分に形成することができる。加熱時間を10分以下とすることで、被覆層23が溶融することを抑制できる。
なお、本工程において、加熱温度とは、雰囲気温度ではなく、上述の積層体の温度を示す。また、加熱温度とは、本工程におけるピーク温度を示す。更に、加熱時間とは、上述のピーク温度が維持されている時間を示す。例えば、本工程において、積層体の温度が250℃に到達するまで徐々に昇温させ、その後、積層体の温度を250℃で30秒間保持し、その後室温まで冷却させた場合、加熱時間は250℃、加熱時間は30秒間となる。
以上、図3~図5を参考に、本発明の導電部材の製造方法を説明した。但し、本発明の導電部材の製造方法は、図3~図5に示す製造方法に限定されない。例えば、被覆層形成工程において、前処理工程及び第1工程は、省略可能である。
なお、被覆層形成工程において、第1工程を省略した場合、加熱工程では、基材に含まれる金属元素と、被覆層に含まれるSnとが反応し、第1の反応生成物の結晶が形成される。その結果、図2に示す導電部材11と同様の導電部材が製造される。
以下、実施例を示して本発明を更に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されるものではない。
実施例において、電子顕微鏡による撮影は、電子顕微鏡(日本電子株式会社製「集束イオンビーム加工観察装置JIB-4000」)を用いて倍率10000倍、30kVで実施した。
実施例において、めっき層の元素分析は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(旧株式会社堀場製作所製「X-MaxN50」)を取り付けた走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテク製「SU5000」)を用いて行った(倍率500倍、加速電圧15kV)。エネルギー分散型蛍光X線分析法では、加速電圧を弱くすると試料の表面近傍の狭い範囲の元素分析を行うことができ、加速電圧を強くすると試料の表面から深部までの広い範囲の元素分析を行うことができる。上述の加速電圧では、めっき層の表面から約2μmの深さまでの領域(概ね第1層及び第2層の全体)において元素分析を行うことができた。元素分析においては、金属(Ag、Cu、Sn及びNi)に由来するピーク強度を検出し、各元素のピーク強度の比を算出した。そして、ピーク強度の比に基づいて、めっき層における各元素の質量比率を算出した。
[実施例1]
以下の方法により、実施例1の導電部材を製造した。まず、基材として、銅板(厚さ0.4mm)を用意した。水酸化ナトリウムを含有する洗浄剤(奥野製薬工業株式会社製「エスクリーン30」)を水で希釈し、洗浄水溶液(洗浄剤濃度:50g/L、pH12.5)を調製した。洗浄水溶液を充填した浸漬浴(液温48℃)に基材を1分間浸漬させた。これにより、基材に対して第1の洗浄処理を行った。次に、基材の表面から洗浄水溶液が十分に除去されるまで、第1の洗浄処理後の基材を数回水洗した。
次に、水酸化ナトリウム水溶液である電解脱脂剤(奥野製薬工業株式会社製「NCラストール」)を水で希釈し、電解水溶液(電解脱脂剤濃度:100g/L、pH13.2)を調製した。電解水溶液を充填した電解浴(液温50℃)において、第1の洗浄処理後の基材を陰極として1分間の電解処理を行った。電解処理においては、電流密度を5A/dm2に調整した。これにより、基材に対して第2の洗浄処理を行った。次に、第2の洗浄処理後の基材を5回水洗した。
硫酸(pH0.5)を充填した活性化槽(液温30℃)に、第2の洗浄処理後の基材を1分間浸漬した。これにより、基材に対して酸処理を行った。酸処理後、基材を3回水洗した。
次に、硫酸ニッケル240g/L、塩化ニッケル45g/L、ホウ酸40g/L及び水を含有するNiめっき液を充填しためっき浴(液温55℃)に、酸処理後の基材を浸漬し、5分間の電気めっき処理を行った。電気めっき処理においては、pHを3.8、電流密度を4A/dm2に調整した。これにより、酸処理後の基材の表面に、Ni層(第3層)を形成した。その後、水洗を3回行なった。
次に、Ni層で被覆した基材に対して、電気めっきすることにより、Ni層の上にSn-Ag及びCuを含有する被覆層(Sn-Ag-Cu三元合金薄膜)を形成した。詳しくは、電気めっきでは、陰極としてNi層で被覆した基材を用い、陽極として白金で表面をコートしたチタン電極を用いた。Sn化合物(p-トルエンスルホン酸Sn塩)250g/L、Ag化合物(p-トルエンスルホン酸Ag塩)25g/L、Cu化合物(p-トルエンスルホン酸Cu塩)8g/L、無機キレート剤(金属フルオロ錯体キレート剤であるSiF6 2-)240g/L、有機キレート剤(3,8,13,18-テトラメチルポルフィリン-2,7,12,17-テトラプロパン酸)25g/L、添加剤(ポリエチレングリコール30mL/L、及びメタンスルホン酸100g/L)及び水を含有するめっき液を充填しためっき浴(液温31℃)に、Ni層で被覆した基材を浸漬し、2分間の電気めっき処理を行った。その後、基材、Ni層及び被覆層を備える積層体に対して、水洗を4回行なった後、エアによる水切り後、70℃の熱風で2分間乾燥させた。
次に、加熱炉を用いて、上述の積層体を加熱した。加熱においては、上述の積層体の温度が280℃に到達するまで炉内温度を昇温させた。次に、上述の積層体の温度が280℃に到達した後、20秒間炉内温度を維持した。次に、炉内温度を室温まで徐々に低下させた(ピーク温度280℃で20秒間加熱)。これにより、Ni層に含まれるNi及び被覆層に含まれるSnが反応し、Ni-Sn系金属間化合物を含有する第2層が形成された。また、被覆層に含まれるSnが分離してSn母相が形成された。更に、被覆層に含まれるSn及びAgが反応し、Sn-Ag系金属間化合物を含有するSn-Ag相が形成された。その結果、実施例1の導電部材を得た。
なお、被覆層の形成では、電気めっきの際の電流密度を大きくするほど、被覆層におけるAgの含有割合が低くなる。実施例1では、電気めっきの際の電流密度を0.1A/dm2以上30.0A/dm2以下の範囲で増減させて導電部材を製造し、めっき層におけるAgの含有割合を測定するという作業を数回繰り返した。これにより、めっき層におけるAgの含有割合が所望の値(7質量%)である積層体を形成可能な電流密度を求めた。
[断面観察]
実施例1及び比較例1の導電部材について、電子顕微鏡による断面観察を行った。図6に、比較例1の導電部材の断面画像を示す。比較例1の導電部材は、基板(図6のCu)と、基板を被覆する第3層(図6のNi)と、第3層を被覆する被覆層(図6のSn-Ag)とを備えていた。基板は、Cuを含有していた。第3層は、Niを含有していた。被覆層は、Sn及びAgを含有していた。
図7に、実施例1の導電部材の断面画像を示す。実施例1の導電部材は、基板(図7のCu)と、基板を被覆する第3層(図7のNi)と、第3層を被覆する第2層(図7のNi-Sn)と、第2層を被覆する第1層とを備えていた。第1層は、Snを含有するSn母相(Sn)と、Sn母相に分散するSn-Ag相(Sn-Ag)とを含んでいた。基板は、Cuを含有していた。第3層は、Niを含有していた。第2層は、Sn-Ni系金属間化合物を含有していた。Sn母相は、Snを含有していた。Sn-Ag相は、Sn-Ag系金属間化合物を含有していた。
図6及び図7の比較から明らかなように、比較例1の導電部材を加熱することにより、被覆層及び第3層の間に第2層が新たに形成されると共に、被覆層の上部がSn母相及びSn-Ag相に分離することで第1層が形成された。
[実施例2~3及び比較例1]
以下の点を変更した以外は、実施例1の導電部材の製造と同様の方法により、実施例2~3及び比較例1の導電部材を製造した。実施例2~3の導電部材の製造では、ピーク温度を300℃又は320℃に変更した。比較例1の導電部材の製造では、加熱処理を行わなかった。即ち、実施例1の導電部材の製造途中で得た基材、Ni層及び被覆層を備える積層体をそのまま比較例1の導電部材とした。
[比較例2]
比較例2の導電部材として、低挿入力めっきが施された他社製のコネクタ端子用導電部材(市販品)を用いた。比較例2の導電部材は、Cuを含有する基材と、基材の表面を被覆するNi層(厚さ0.3μm)と、Ni層の表面を被覆する最外層とを備えていた。最外層は、Snを含有するSn母相と、Sn母相中に分散するSn-Cu相とを含んでいた。Sn-Cu相は、Sn-Cu系金属間化合物を含有していた。
[比較例3]
比較例3の導電部材として、リフローSnめっきが施された他社製のコネクタ端子用導電部材を用いた。比較例3の導電部材は、Cuを含有する基材と、基材の表面を被覆するNi層(厚さ0.6μm)と、Ni層を被覆するSnめっき層(厚さ1.5μm)とを備えていた。Snめっき層は、リフロー処理が施されていた。
[実施例4]
以下の点を変更した以外は、実施例1の導電部材の製造と同様の方法により、実施例4の導電部材を製造した。実施例4の導電部材では、被覆層の形成において、電気めっきの電流密度を変更し、めっき層におけるAgの含有割合を7.0質量%に調整した。
[実施例5~6及び比較例4]
以下の点を変更した以外は、実施例4の導電部材の製造と同様の方法により、実施例5~6及び比較例4の導電部材を製造した。実施例5~6の導電部材の製造では、ピーク温度を300℃又は320℃に変更した。比較例4の導電部材の製造では、加熱処理を行わなかった。即ち、実施例4の導電部材の製造途中で得た基材、Ni層及び被覆層を備える積層体をそのまま比較例4の導電部材とした。
[Agの含有割合]
上述のエネルギー分散型蛍光X線分析装置を取り付けた走査電子顕微鏡を用いて、実施例1~6及び比較例1~4の導電部材のめっき層に含まれる全金属元素に対するAgの含有割合を測定した。測定結果を下記表1に示す。
[Sn-Ag相のサイズ及び面積割合]
実施例1~6及び比較例2の導電部材のめっき層に対して、上述のエネルギー分散型蛍光X線分析装置を取り付けた走査電子顕微鏡を用いて表面観察(元素マッピング)を行った。表面観察では、めっき層の表面においてSn及びAgが検出される領域(比較例2ではSn及びCuが含まれる領域)をSn-Ag相(比較例2ではSn-Cu相)とした。
図8及び図9に、実施例1及び6の導電部材のめっき層の表面画像を示す。図8及び9に示すように、実施例1及び6の導電部材のめっき層の表面は、Sn母相(Sn)にSn-Ag相(Sn-Ag)が分散していた。実施例1の導電部材においては、Sn-Ag相は粒子状であった。実施例6の導電部材においては、Sn-Ag相は板状であった。
なお、実施例1及び6の導電部材は、Sn-Ag相の形状が大幅に異なっていた。これは、実施例6の導電部材は、Snよりも高融点であるAgがめっき層にあまり含まれておらず、かつ加熱工程における加熱温度が高いことにより、加熱工程でSn-Ag相が軟化したためと判断される。
実施例1~6及び比較例2の導電部材のめっき層について、Sn-Ag相(比較例2ではSn-Cu相)の形状と、そのサイズ(形状が粒子状である場合は粒子径、形状が板状である場合は長径)とを測定した。結果を下記表1に示す。サイズの測定においては、ランダムに選択した20個の測定対象に対して測定を行い、得られた20個の測定値の算術平均値を求めた。得られた値を測定対象のサイズ(粒子径又は長径)とした。
また、上述の表面画像を画像解析ソフトにより処理することにより、各導電部材のめっき層の表面領域においてSn-Ag相(比較例2ではSn-Cu相)が占める面積割合を算出した。詳しくは、めっき層の表面からランダムに選択した4か所の測定領域(視野:300μm×300μm)でSn-Ag相が占める面積割合をそれぞれ測定し、4か所で測定された測定値の算術平均値を求めた。得られた値をSn-Ag相が占める面積割合の評価値とした。
Figure 2022182670000002
<評価>
以下の方法により、実施例1~6及び比較例1~4の導電部材の接触抵抗、めっき層の耐摩耗性及び挿入性を評価した。また、参考のため、実施例1~6及び比較例1~4の導電部材のめっき層の表面の算術平均粗さRaを測定した。評価結果を下記表2に示す。なお、評価は、温度25.0℃(±0.2℃)、湿度(50.0%±1.0%)RHの環境下にて行った。
[算術平均粗さ]
各導電部材のめっき層の表面の算術平均粗さRaについて、レーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製「VK-X210」)を用いて測定した。Raは、各導電部材の表面の10点で測定し、その算術平均値を評価値とした。下記表2に示すように、実施例1~6の導電部材は、比較例1及び4の導電部材と比較して、めっき層のRaの値が大きかった。これは、めっき層の最外層である第1層において、Sn-Ag相が形成されることによって***が形成されたためであると判断される。
[接触抵抗]
各導電部材の接触抵抗は、接触電気抵抗測定装置(株式会社山崎精機研究所製「電気接点シミュレータ CRS-1型」)を用いて測定した。測定は、各導電部材のめっき層の中央付近で行い、測定電流10mA、荷重変動式、摺動距離0.5mm、摺動速度1mm/分の条件で行った。測定における荷重は、荷重0.0Nから0.5Nに徐々に増大させるというサイクルと、荷重0.5Nから0.0Nに徐々に減少させるというサイクルとを繰り返した。
各導電部材の接触抵抗は、以下の基準に沿って判定した。
A(合格):評価値が3.000mΩ以下
B(不合格):評価値が3.000mΩ超
[挿入性]
各導電部材の挿入性は、表面の摩擦係数に基づいて評価した。詳しくは、表面性測定機(新東科学株式会社製「TYPE:14FW」)を用いて、各導電部材のめっき層の中央付近で相手材(SUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材))を摺動させることにより、動摩擦係数を測定した。測定条件は、摺動距離:30mm、摺動速度:10mm/秒、摺動回数:往復10回、荷重1000gfとした。測定においては、相手材を1回往復するたびに動摩擦係数を測定した。測定においては、相手材を10往復摺動させたため、10個の測定値が得られた。得られた10個の測定値の算術平均値(動摩擦係数)を、挿入性の評価値とした。
各導電部材の挿入性は、以下の基準に沿って判定した。
A(合格):評価値が0.2800以下
B(不合格):評価値が0.2800超
[耐摩耗性]
上述の動摩擦係数の測定においては、相手材を1往復摺動させる毎に、動摩擦係数が徐々に増大する傾向があった。これは、相手材との摺動によって各導電部材の表面が摩耗及び変形するためであると判断される。即ち、耐摩耗性に優れる導電部材ほど、動摩擦係数の測定において、相手材の摺動に伴う測定値の増大が抑制される。そのため、動摩擦係数の測定において得られた10個の測定値において、最小値及び最大値の差を各導電部材の耐摩耗性の評価値とした。
各導電部材の耐摩耗性は、以下の基準に沿って判定した。
A(合格):評価値が0.080以下
B(不合格):評価値が0.080超
Figure 2022182670000003
上述の通り、実施例1~6の導電部材は、基材と、基材の表面を被覆するめっき層とを備えていた。めっき層は、最外層である第1層と、第1層よりも内側に積層される第2層とを有していた。第1層は、Snを含有するSn母相と、Sn母相中に分散するSn-Ag相とを含んでいた。Sn-Ag相は、Sn及びAgを含有していた。第2層は、ニッケルと、Snとを含有していた。実施例1~6の導電部材は、表2に示す通り、接触抵抗が小さく、挿入性に優れ、めっき層の摩耗を抑制できた。
一方、比較例1、3及び4の導電部材のめっき層は、実施例1~6の導電部材のめっき層とは異なる層構造を有していた。詳しくは、比較例1、3及び4の導電部材のめっき層は、最外層がSn母相及びSn-Ag相を含んでいなかった。その結果、比較例1、3及び4の導電部材は、耐摩耗性及び挿入性が不合格であった。
比較例2の導電部材のめっき層は、最外層がSn母相及びSn-Cu相を含んでいた。Sn及びCuを含有するSn-Cu相は、Sn及びAgを含有するSn-Ag相よりも硬度及び柔軟性のバランスが良くないと判断される。そのため、比較例2の導電部材は、耐摩耗性が不合格であった。
本発明の導電部材及び導電部材の製造方法は、コネクタ用端子金具等として用いることができる導電部材を提供できる。
1、11 導電部材
2、12、21 基材
3、13 めっき層
4、14 第1層
4a、14a Sn母相
4b、14b Sn-Ag相
5、15 第2層
6、22 第3層
23 被覆層
24 第1の反応生成物の結晶
25 第2の反応生成物の結晶

Claims (8)

  1. 基材と、前記基材の表面を被覆するめっき層とを備え、
    前記めっき層は、最外層である第1層と、前記第1層よりも内側に積層される第2層とを有し、
    前記第1層は、Snを含有する第I相と、前記第I相中に分散する第II相とを含み、
    前記第II相は、Sn及びAgを含有し、
    前記第2層は、Ag以外の金属元素と、Snとを含有する、導電部材。
  2. 前記めっき層は、前記第2層よりも内側に積層される第3層を更に備え、
    前記第3層は、Ni又はCuを含有する、請求項1に記載の導電部材。
  3. エネルギー分散型蛍光X線分析法を用いた元素分析において、加速電圧を15kVとしたときに、前記めっき層に含まれる全金属元素に対するAgの含有割合は、1質量%以上50質量%以下である、請求項1又は2に記載の導電部材。
  4. 前記第1層及び前記第2層は、Cuを更に含有する、請求項1~3の何れか一項に記載の導電部材。
  5. 前記第II相は、
    粒子状であり、かつその粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であるか、又は
    板状であり、かつその長径が3.0μm以上130.0μm以下である、請求項1~4の何れか一項に記載の導電部材。
  6. 前記第1層及び前記第2層の合計厚さは、0.1μm以上100.0μm以下である、請求項1~5の何れか一項に記載の導電部材。
  7. 前記第1層において、前記第II相の面積割合は、2.0%以上50.0%以下である、請求項1~6の何れか一項に記載の導電部材。
  8. 基材と、前記基材の表面を被覆するめっき層とを備える導電部材の製造方法であって、
    前記基材上に、直接又は他の層を介して、Sn及びAgを含有する被覆層をめっき法で形成する被覆層形成工程と、
    前記基材及び前記被覆層を加熱する加熱工程とを備え、
    前記加熱工程における加熱温度は、220℃以上450℃以下である、導電部材の製造方法。
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