JP2022181493A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】入力画像から前景画像を精度よく生成する。【解決手段】画像処理装置は、入力画像と、当該入力画像に対応する背景画像とからオブジェクトの形状を示す第一の前景画像を生成する。入力画像に対応する、光以外の要素を表す画像と、当該画像に対応する背景画像とからオブジェクトの形状を示す第二の前景画像を生成する。第二の前景画像を基に、前記第一の前景画像を生成するためのパラメータを設定する。【選択図】図2
Description
本開示は、入力画像内の前景領域を特定する技術に関する。
昨今、複数の撮像装置を異なる位置に設置して複数の視点で同期撮像し、その撮像により得られた複数の画像を用いて、撮像装置の設置位置における画像だけでなく任意の視点からなる仮想視点画像を生成する技術が注目されている。この複数の画像に基づく仮想視点画像の生成及び閲覧は、複数の撮像装置で撮像した画像をサーバ等の画像処理装置に集約し、その画像処理装置にて、仮想視点に基づくレンダリング等の処理を施し、ユーザ端末に仮想視点画像を表示することで実現される。このような仮想視点画像を用いたサービスでは、例えば、サッカーやバスケットボールなどの特定のシーンを様々な角度から視聴、閲覧することができるため、従来の撮像画像と比較して、ユーザに高臨場感を与えることができる。
仮想視点画像を生成する技術として、様々な手法が開発されている。例えば、撮像画像から選手等の前景とサッカーフィールド等の背景とを分離して生成し、複数の画像から3次元座標を算出し、算出結果を基に仮想視点画像を生成する技術がある。前景と背景とを分離する手法として、前景のない背景画像と撮像画像との差分をとることで撮像画像から前景を分離する手法がある。
但し、この分離手法では、前景の画素値が背景の画素値に近いと、前景と背景との差異の検出が困難になり、分離した前景に欠けが生じてしまう。また、前景と背景との差異を検出するために閾値を下げると、背景を前景として誤検出してしまう。
そこで、前景を精度よく分離するため、画素値以外の情報、例えば、距離情報を用いて前景を分離する手法がある。特許文献1は、カラー画像と背景画像とで、画素値の差分が一定値以上となる画素を前景とする背景差分マスク画像と、デプスマップにて所定の距離範囲内に含まれる領域を前景とする距離閾値マスク画像とを合成する技術を開示している。
特許文献1の技術では、背景差分マスク画像と距離閾値マスク画像の双方が前景を示す領域をカラー画像内の前景領域としている。仮に距離閾値マスク画像が前景領域の輪郭と重なると、一般に距離情報は撮像画像よりも解像度が低い為、カラー画像から生成された前景の輪郭は荒くなる。さらに、前景と背景の画素値が近く背景差分マスクに欠けが生じると、生成された前景にも欠けが生じることになる。
本開示は、入力画像から前景画像を精度よく生成する技術を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る画像処理装置は、入力画像と、当該入力画像に対応する背景画像とからオブジェクトの形状を示す第一の前景画像を生成する第一の生成手段と、前記入力画像に対応する、光以外の要素を表す画像と、当該画像に対応する背景画像とから前記オブジェクトの形状を示す第二の前景画像を生成する第二の生成手段と、前記第二の前景画像を基に、前記第一の生成手段で前記第一の前景画像を生成するためのパラメータを設定する設定手段と、を有することを特徴とする。
本開示によれば、入力画像から前景画像を精度よく生成することができる。
以下、本開示を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。また、実施形態で説明されている構成要素の組み合わせのすべてが、課題を解決するための手段に必須のものとは限らず、種々の変形及び変更が可能である。同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
[実施形態1]
本実施形態では、背景と前景の画素値が近い領域において、距離情報前景マスクを用いて前景を正しく特定する態様について説明する。なお、本実施形態では、映像を例に処理を説明するが、静止画像にも適用可能である。
本実施形態では、背景と前景の画素値が近い領域において、距離情報前景マスクを用いて前景を正しく特定する態様について説明する。なお、本実施形態では、映像を例に処理を説明するが、静止画像にも適用可能である。
<画像処理装置のハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、CPU111と、RAM112と、ROM113と、操作部114と、出力部115と、補助記憶装置116と、通信I/F(インターフェース)117、バス118とを有する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、CPU111と、RAM112と、ROM113と、操作部114と、出力部115と、補助記憶装置116と、通信I/F(インターフェース)117、バス118とを有する。
CPU111は、中央処理装置であり、RAM112やROM113に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御することで、後述の図2に示す画像処理装置100の各機能を実現する。なお、画像処理装置100がCPU111とは異なる1又は複数の専用ハードウェアを有し、CPU111による処理の少なくとも一部をこの専用ハードウェアが実行してもよい。専用ハードウェアの例として、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、およびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などがある。
RAM(Random Access Memory)112は、補助記憶装置116からロードされたコンピュータプログラムやデータ、通信I/F(インターフェース)117を介して外部から取得したデータなどを一時的に記憶するためのエリアを有する。さらに、RAM112は、CPU111が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。すなわち、RAM112は、例えば、フレームメモリとして割り当てたり、その他の各種のエリアを適宜提供したりすることができる。
ROM(Read Only Memory)113には、本コンピュータの設定データや、ブートプログラムなどが格納されている。操作部114は、キーボードやマウスなどを有しており、本コンピュータのユーザが操作することで、各種の指示をCPU111に対して入力することができる。出力部115は、例えば液晶ディスプレイを有し、CPU111による処理結果を表示する。操作部114、出力部115は必ずしも必要ではなく、通信I/F117を介して、接続される外部装置に対して、データの入出力を行ってもよい。
補助記憶装置116は、ハードディスクドライブ装置などの大容量情報記憶装置である。補助記憶装置116には、OS(オペレーティングシステム)や、図2に示す各処理部の機能をCPU111に実現させるためのコンピュータプログラムが保存されている。更には、補助記憶装置116には、処理対象としての各画像データが保存されていてもよい。
補助記憶装置116に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU111による制御に従って適宜、RAM112にロードされ、CPU111による処理対象となる。通信I/F117には、LANやインターネット等のネットワーク、投影装置や表示装置などの他の機器を接続することができ、画像処理装置100はこの通信I/F117を介して様々な情報を取得したり、送出したりすることができる。バス118は、画像処理装置100の各部をつないで情報を伝達する。
<画像処理装置の構成>
図2は、本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、入力装置120と接続しており、画像処理装置100には、接続された入力装置120から画像データが入力される。入力装置120は、撮像装置121と、計測装置122とを有する。撮像装置121は、対象となるオブジェクトを撮像して撮像画像を取得する。計測装置122は、撮像装置121と同じ場所に設置され、撮像装置121と同じ画角であって、画像の各画素に対して計測装置122からの距離を表現した深度マップを取得する。すなわち、計測装置122は、撮像画像と対をなし、当該撮像画像に対応した深度マップを取得する。深度マップは、光以外の要素を表す画像であり、例えば、手前が黒で表され、最奥が白で表され、手前から最奥に向かい計測装置122から距離に応じて黒の濃淡で表現されており、距離情報を表す画像である。なお、深度マップの詳細については図を用いて後述する。このように取得した撮像画像および深度マップを含む画像データが画像処理装置100に入力されることから、画像データに含まれる撮像画像は、画像処理装置100では入力画像といえる。なお、計測装置122は、これに限定されず、撮像装置121に内蔵されていてもよい。
図2は、本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、入力装置120と接続しており、画像処理装置100には、接続された入力装置120から画像データが入力される。入力装置120は、撮像装置121と、計測装置122とを有する。撮像装置121は、対象となるオブジェクトを撮像して撮像画像を取得する。計測装置122は、撮像装置121と同じ場所に設置され、撮像装置121と同じ画角であって、画像の各画素に対して計測装置122からの距離を表現した深度マップを取得する。すなわち、計測装置122は、撮像画像と対をなし、当該撮像画像に対応した深度マップを取得する。深度マップは、光以外の要素を表す画像であり、例えば、手前が黒で表され、最奥が白で表され、手前から最奥に向かい計測装置122から距離に応じて黒の濃淡で表現されており、距離情報を表す画像である。なお、深度マップの詳細については図を用いて後述する。このように取得した撮像画像および深度マップを含む画像データが画像処理装置100に入力されることから、画像データに含まれる撮像画像は、画像処理装置100では入力画像といえる。なお、計測装置122は、これに限定されず、撮像装置121に内蔵されていてもよい。
画像データに含まれる入力画像として、例えば、解像度Iresが、1920(フルハイビジョン対応解像度)、3840(4K対応解像度)、または7680(8K対応解像度)などの画像が用いられるが、これに限定されない。画像データに含まれる深度マップとして、例えば、解像度Dresが640(VGA対応解像度)、1280(HD 720p解像度)、1920(HD 1080p解像度)などのデータが用いられるが、これに限定されない。なお、上述の対をなす組み合わせ{入力画像の解像度Ires,深度マップの解像度Dres}としては、いずれの組み合わせであってもよい。
深度マップとして、TOF(Time of Flight)方式のLiDAR(light Detection and Ranging)、赤外線によるドットパターン照射、超音波等の入力画像とは異なる撮像方法で取得したデータが望ましい。本実施形態では、入力画像としてのフォーマットについては特に限定されない。例えば、画素単位のビット深度(8ビット、10ビットなど)、画素単位の色を表現するフォーマット(YUV444、YUV422、RGBなど)等については、種々の形式を使用することが可能である。また、動画ファイル形式も、AVI(Audio Video Interleave)、MPEG-2(Moving Picture Experts Group Phase 2)等の規定の形式又は独自の形式が使用可能であり、特に限定されない。
画像処理装置100は、背景生成部201と、第一の前景生成部202と、第二の前景生成部203と、制御部204と、仮想視点映像生成部(以下、「生成部」と記す)205とを有する。背景生成部201は、複数の入力画像から動きのある被写体を前景、静止している領域を背景として識別し、背景のみを抽出した背景画像を生成する。
第一の前景生成部202は、外部から入力された画像データに含まれる入力画像と、背景生成部201で生成された背景画像とを用いて、背景差分法によりオブジェクトの形状を示す前景領域を抽出して二値画像(前景マスク)を生成する。すなわち、第一の前景生成部202は、入力画像から背景画像を減算した差分画像に対し所定の閾値を用いて二値化を行うことにより第一の前景画像として二値画像(前景マスク)を生成する。なお、二値画像(前景マスク)の生成方法は、これに限定されず、公知の技術であればよい。この二値画像(前景マスク)は、前景領域を特定する為に用いられるデータであり、本実施形態では、前景領域を「1」とし、背景領域を「0」としたデータであるとする。なお、二値画像(前景マスク)における二値の値は、前述の値に限定されず、前景領域を「0」とし、背景領域を「1」とした逆の値を有するデータであってもよい。
第二の前景生成部203は、外部から入力された画像データに含まれる深度マップを用いて、オブジェクトの形状を示す前景領域を抽出して二値画像(距離情報前景マスク)を生成する。この前景領域の抽出方法は、前述した入力画像と同じように、先ず、入力された複数の深度マップから静止している領域を抽出することによって背景に相当する深度マップ(背景の深度マップ)を生成する。次に、入力される深度マップと背景の深度マップとの差分を所定の閾値を用いて二値化を行うことにより第二の前景画像として二値化画像(距離情報前景マスク)を生成する。背景の深度マップの生成方法は、これに限定されず、例えば、背景だけの深度マップのデータを予め取得して記憶する方法でもよい。なお、深度マップの解像度と入力画像の解像度とが異なる場合は、入力画像の解像度に合わせるように深度マップに対して解像度変換を行う。この解像度変換は、第二の前景生成部203で行われる。なお、この解像度変換は、二値化後の距離情報前景マスクに対して行ってもよい。解像度変換時の画素の補間は、ニアレストネイバー、バイリニア、バイキュービック等のフィルタ演算で行われる。
制御部204は、第一の前景生成部202で生成する差分画像もしくは入力画像のコントラストの補正を行うためのパラメータを設定する。または、制御部204は、差分画像の二値化閾値の制御を行うためのパラメータを設定する。詳細については図を用いて後述する。すなわち、制御部204は、第一の前景生成部202で差分画像から前景を抽出する(生成する)ためのパラメータを設定するともいえる。
生成部205は、入力画像と背景画像と前景マスクとを用いて仮想視点映像を生成する。例えば、生成部205は、ユーザにより指定された視点に対応する仮想視点映像(画像)の生成に要する背景を、背景生成部201で生成された背景画像を2次元平面上に投影することによって生成する。また生成部205は、第一の前景生成部202で生成された前景マスクの画素値が「1」の画素群に対応する該入力画像上の画素群の領域を前景領域として特定する。そして生成部205は、特定した前景領域を入力画像から抽出し、該抽出した前景領域に基づいて前景の3次元モデルを生成する。最後に生成部205は、該生成した3次元モデルにユーザから指定された視点に応じたテクスチャをマッピングして上記の2次元平面上に投影することで、該2次元平面上に仮想視点映像を生成する。なお、生成された仮想視点映像は、画像処理装置100に接続される表示装置や、ネットワークを介して接続されるユーザ端末などに出力される。
<前景分離時のコントラスト補正及び二値化閾値の制御>
本実施形態における距離情報を用いた前景生成方法である前景分離方法の制御の詳細について、図を用いて説明する。図3は、前景分離方法の概要を示す図である。
本実施形態における距離情報を用いた前景生成方法である前景分離方法の制御の詳細について、図を用いて説明する。図3は、前景分離方法の概要を示す図である。
入力画像310は、外部から画像処理装置100に入力される画像データに含まれ、後述の深度マップ350と対をなす画像である。入力画像310は、楽器を持つ人物を撮像して得た画像であって、光沢のある楽器302を持つ人物301と、人物301がいる場所の床311および壁312とを含む。楽器302の一部分(光沢部)303には、床311が映り込んでおり、この部分を映り込み部とする。A-Aの線分391は、楽器302から床311に亘る線分であって、床の映り込み部303を通る線分である。
背景画像320は、入力画像310を用いて背景生成部201で生成された画像である。背景画像320は、入力画像310中の人物301および楽器302を含まないが、入力画像310中の床311および壁312のそれぞれに対応する床321および壁322を含む。B-Bの線分392は、入力画像310におけるA-Aの線分391に対応した線分であって、床321のみを通る線分である。
差分画像330は、入力画像310と背景画像320とを用いて、第一の前景生成部202で生成される画像であり、各画素が入力画像310と背景画像320とで対応する画素の画素値の差(差分値)で表された画像である。差分画像330は、入力画像310の人物301および楽器302に対応する部分が前記差分値で表された前景領域331と、入力画像310の人物301および楽器302以外に対応する部分が前記差分値で表された背景領域332とを有する。差分画像330は、さらに、入力画像310にて床の映り込み部303に対応する箇所が前記差分値で表され背景領域332と類似した背景類似領域304を有する。背景類似領域304は、前景領域331に含まれる箇所であるが、背景領域332となる床311が映り込み、前景領域となる楽器302などに対応する領域の画素値よりも背景領域となる床311に対応する領域の画素値に近い値を有する箇所である。すなわち、背景類似領域304は、楽器の光沢部で反射された領域303が床311の色に近い色になる。そのため、差分画像330において、背景類似領域304の画素値は、背景領域332の画素値と同じ「0」に近い値になる。よって、背景類似領域304は、前景の欠落領域であるともいえる。C-Cの線分393は、入力画像310におけるA-Aの線分391、背景画像320におけるB-Bの線分392に対応した線分である。すなわち、C-Cの線分393は、前景領域331にて入力画像310の楽器302に対応した箇所から背景領域332にて入力画像310の床311に対応した箇所に亘る線分であって、床の映り込み部303に対応する背景類似領域304を通る線分である。
前景マスク340は、差分画像330の全面(全ての画素)に対し、一律の閾値を用いて、差分画像330を二値化した画像である。具体的には、前景マスク340は、差分画像330の前景領域331に対応する領域341を1(白)とし、差分画像330の背景領域332に対応する領域342を0(黒)とした場合の画像である。前景マスク340では、差分画像330の背景類似領域304に対応する領域305は、差分画像330の背景領域332に対応する領域342と同じ0(黒)となっており、前景の欠落を示す欠落領域となる。このように、前景領域を示す差分画像の画素値が0に近くなると適切な閾値で前景を特定することが困難になる。仮に、閾値に0に近い値を設定し、背景類似領域304を前景として特定できたとしても、外光のゆらぎやカメラのISO感度に起因する背景領域に紛れたノイズ成分を前景として誤検出してしまう。そこで、深度マップから算出して得た距離情報前景マスクを用いて差分画像及び二値化閾値の制御を行う。このような制御を行うことにより、前述の前景の欠落やノイズ成分の誤検出を防ぐことができる。
深度マップ350は、外部から画像処理装置100に入力される画像データに含まれ、入力画像310と対をなし、入力画像310に対応する画像である。深度マップ350は、グレースケールの濃淡を使って3次元空間の奥行きである対象物までの距離(深度)を表現した画像である。深度マップ350は、オブジェクトを含まない背景領域306と、オブジェクトの形状を示す前景領域307とを含む。前景領域307は、楽器を持つ人物の形状を示す領域に対応している。なお、前景領域307は、白で表しているが、実際には計測装置からの距離に応じた色で表される。
距離情報前景マスク360は、深度マップ350から算出して得た画像であって、前景領域361を白とし、背景領域362を黒とした場合の画像である。
コントラストの補正後の差分画像370は、差分画像330において、距離情報前景マスク360が示す前景領域361に対応した領域に対して、低階調から中間階調の値をやや持ち上げるようにコントラストの補正を行って得た画像である。コントラストの補正の詳細については図を用いて後述する。差分画像370は、背景類似領域304に対応する補正領域308を含む楽器とこの楽器を持つ人物とを含む前景領域371と、それ以外の背景領域372とを有する画像である。補正領域308は、差分画像370の背景領域372の画素値よりも高い値となる。これにより、背景の画素値と近い画素値を持つ領域(箇所)が前景となる領域内にあっても、その差分画像370にて画素値の差を確実に持たせることが可能になる。D-Dの線分394は、入力画像310におけるA-Aの線分391、背景画像320におけるB-Bの線分392、差分画像330におけるC-Cの線分393に対応した線分である。なお、D-Dの線分394は、前景領域371の楽器から背景領域372に亘る線分であって、補正領域308を通る線分である。
前景マスク380は、コントラスト補正後の差分画像370に対して二値化処理をして得た画像である。前景マスク380は、人物および楽器を含む前景領域381を白とし、それ以外の背景領域382を黒とした場合の画像である。前景マスク380では、前景マスク340の欠落領域305に対応する領域309が前景領域である白となり、前景の欠落は解消されることになる。
なお、上記では、コントラストの補正を差分画像330に対して実行する例について説明したが、これに限定されない。例えば、入力画像310に対してコントラストの補正を実行してもよい。この場合、距離情報前景マスク360が示す前景領域361の範囲を対象として入力画像310に対してコントラストの補正を実行した後、補正後の画像から背景画像320を減算することで、コントラストの補正後の差分画像370に相当する画像を得られる。
上述した前景分離処理で用いる制御情報について、図を用いて詳細に説明する。図4は、前景分離方法の効果を示す図である。
グラフ410は、入力画像310に示されるA-Aの線分391にて、水平方向の座標での画素値を示している。グラフ410には、楽器の画素値411と、床が反射して楽器に映り込んだ箇所(映り込み部)の画素値412と、床の画素値413と、床に紛れたノイズの画素値414とが示されている。床の画素値413は、楽器の画素値411と比べて小さくなっている。そのため、映り込み部の画素値412は、楽器の画素値411と比べて小さくなっている。ノイズの画素値414は、床の画素値413と比べて大きくなっている。
グラフ420は、背景画像320に示されるB-Bの線分392にて、水平方向の座標での画素値を示している。グラフ420には、床の画素値421が示されている。
グラフ430は、差分画像330に示されるC-Cの線分393にて、水平方向の座標での画素値を示し、グラフ410とグラフ420の差分に等しいことを示している。グラフ430には、楽器に対応する箇所の画素値431と、映り込み部に対応する箇所の画素値432と、床に対応する箇所の画素値433と、床に紛れたノイズに対応する箇所の画素値434とが示されている。第1の二値化閾値435は、楽器に対応する箇所の画素値431より小さく、映り込み部に対応する箇所の画素値432より大きいことを示している。第2の二値化閾値436は、床に紛れたノイズに対応する箇所の画素値434より小さく、床に対応する箇所の画素値433より大きいことを示している。
グラフ440は、水平方向の座標での画素値であって、グラフ430を第1の二値化閾値435で二値化した場合の画素値を示している。グラフ440には、画素値431に対応する画素値441と、画素値432に対応する画素値442と、画素値433、434に対応する画素値443とが示されている。このグラフ440によれば、映り込み部に対応する箇所の画素値442が0となり、前景領域の一部が欠落することが確認される。一方で、グラフ450は、水平方向の座標での画素値であって、グラフ430を第2の二値化閾値436で二値化した場合の画素値を示している。グラフ450には、画素値431、432に対応する画素値451と、画素値433に対応する画素値452と、画素値434に対応する画素値453とが示されている。このグラフ450によれば、映り込み部を含む楽器に対応する箇所の画素値451が0より大きく、この箇所を、欠落せず前景として検出するが、床に紛れたノイズに対応する箇所の画素値453が0より大きくこの箇所を前景として検出することが確認される。
そこで、本実施形態では、グラフ450に示すノイズなどの誤検出を防ぐため、距離情報前景マスクを利用する。グラフ460は、差分画像370に示されるD-Dの線分394にて、水平方向の座標での画素値を示している。グラフ460には、グラフ430に対応する画素値を示す曲線462と、斜線で表される距離情報前景マスクの前景領域461とが示されている。曲線462に示すように、該前景領域に範囲を限定して、差分画像における画素値のコントラストを、低階調から中間階調の値をやや持ち上げるように補正する。補正方法の一例はガンマ補正である。これにより、背景領域のノイズ成分を誤検出することなく前景の欠落を防ぐ為の閾値の範囲を広げることが可能となる。グラフ480は、適正な閾値を設定して生成された前景マスクを示している。グラフ480では、前景領域461に対応する画素値481と、前景領域461以外の領域に対応する画素値482とが示されている。ここで、上記二値化を式で示す。まず、(1)式で、入力画像の画素値をIとし、背景画像をBとし、双方の差分値の絶対値を差分画像Sとして求める。
次に、(2)式で、ガンマ補正を行う関数をγとし、距離情報前景マスクをMとし、二値化閾値をαとして二値画像Oを求める。(2)式の右辺は不等式が示す真理値を、真を1とし、偽を0として返す。
また、上記二値化の別の手段として距離情報前景マスクに応じて二値化閾値を切り替えてもよい。グラフ470に示すように、距離情報前景マスクの前景領域内は、僅かな差分を検出する為に第2の二値化閾値436に示す低い閾値を設定し、該領域外は背景領域の誤検出を防ぐ程度の第1の二値化閾値435に示す高い閾値を設定する。この二値化を(3)式に示す。低い値となる第2の二値化閾値436をαとし、高い値となる第1の二値化閾値435をβとする。閾値αとして、例えば、「入力画像内の前景領域の画素値」と「背景画像内の前記前景領域と同じ座標の画素値」との差分値の中で、最も小さい差分値を前景として検出できる値を用いてもよい。これにより、前景マスクに欠落(例えば穴や欠け)が生じることを防ぐことができる。また、閾値βとして、例えば、「入力画像内の背景領域の画素値」と「背景画像内の前記背景領域と同じ座標の画素値」との差分値の中で、最も大きい差分値を前景として検出できる値を用いてもよい。このように、閾値αのような低い値では、背景領域のノイズを拾ってしまうため、ノイズを拾わない程度に高い閾値を設定する。閾値βとして、例えば、最大値(8bitであれば255)としてもよい。(3)式の右辺は不等式が示す真理値を、真を1とし、偽を0として返す。
さらに、上記2つの二値化手段を合わせてもよい。この二値化を(4)式に示す。(4)式の右辺は不等式が示す真理値を、真を1とし、偽を0として返す。この手段により、距離情報領域マスクによって示される前景領域が、差分画像における前景領域の輪郭周辺の背景領域の画素(以降、輪郭背景画素と称す)を若干含む場合に、次の処理が可能となる。すなわち、該輪郭背景画素を背景画素として識別できる低い閾値を設定でき、かつ、その設定範囲を広げることが可能となる。
<処理手順>
続いて、本実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図5(a)および(b)は、仮想視点映像の生成処理の流れを示すフローチャートであり、図5(a)に全体の流れを示し、図5(b)に図5(a)に示すS503の詳細な流れを示す。図5(a)および(b)のフローチャートで示される一連の処理は、CPU111がROM113に記憶されているプログラムコードをRAM112に展開し実行することにより行われる。また、図5(a)および(b)におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味し、以後のフローチャートにおいても同様とする。
続いて、本実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図5(a)および(b)は、仮想視点映像の生成処理の流れを示すフローチャートであり、図5(a)に全体の流れを示し、図5(b)に図5(a)に示すS503の詳細な流れを示す。図5(a)および(b)のフローチャートで示される一連の処理は、CPU111がROM113に記憶されているプログラムコードをRAM112に展開し実行することにより行われる。また、図5(a)および(b)におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味し、以後のフローチャートにおいても同様とする。
まず、画像処理装置が実行する処理の全体の流れについて、図5(a)を用いて説明する。画像処理装置は外部から画像データを受信することで処理が開始される。なお、画像データは、入力画像と、入力画像に対応する深度マップとを含む。
S501では、背景生成部201は、複数枚の入力画像から動きのある領域を前景、静止している領域を背景として識別し、背景のみを抽出した背景画像を生成する。
S502では、第二の前景生成部203は、深度マップを用いて距離情報前景マスクを生成する。距離情報前景マスクは、二値画像であり、詳細につき後述する前景領域を特定する際に用いられる。なお、距離情報前景マスクは、距離前景とも称す。
S503では、第一の前景生成部202は、入力画像と背景画像と、距離情報前景マスクとを用いて前景マスク(色情報前景マスク)を生成する。前景マスクは、二値画像であり、前景領域を特定する際に用いられる。前景マスクの生成処理の詳細については、図を用いて後述する。なお、第一の前景生成部202で生成される前景マスクは、色前景とも称す。
S504では、生成部205は、入力画像と、S501で生成された背景画像と、S503で生成された前景マスクとを用いて仮想視点映像を生成する。なお、仮想視点映像の生成方法として、公知の技術が用いられる。
次に、S503の前景マスクの生成処理(色情報前景生成処理)の詳細について、図5(b)を用いて説明する。
S511では、第一の前景生成部202は、入力画像と、S501で生成した背景画像とを用いて、処理対象となる画素の画素値の差分の絶対値を差分画素値として生成する。
S512では、第一の前景生成部202は、S502で生成した距離情報前景マスクを用いて、処理対象となる画素が前景領域内にあるかどうかを判定する。処理対象となる画素の座標と同じ座標の距離情報前景マスクの値が「1」であり、処理対象となる画素が前景領域内にある場合(S512のYES)、処理がS513に移行される。他方、処理対象となる画素の座標と同じ座標の距離情報前景マスクの値が「0」であり、処理対象となる画素が前景領域内にない場合(S512のNO)、処理がS515に移行される。
S513では、制御部204は、処理対象となる画素の差分画素値にガンマ補正をかけてコントラストの補正を行う。なお、S514及びS515に示す二値化閾値の設定を行う場合は、S513の処理を省いても構わない。これは、コントラスト補正と二値化閾値制御のどちらか一方の処理だけを用いても、相応の効果が得られる為である。
S514では、制御部204は、二値化閾値としてαを設定する。この二値化閾値αの値は、後述する二値化閾値βの値よりも小さい値となる。二値化閾値αを設定することにより、差分画像における前景領域の僅かな値を検出することができる。
S515では、制御部204は、二値化閾値としてβを設定する。この閾値βの値は、前述した二値化閾値αの値よりも大きい値となる。二値化閾値βを設定することにより、差分画像における背景領域のノイズ成分の検出を防ぐことができる。
S516では、第一の前景生成部202は、S514で設定した二値化閾値α、またはS515で設定した二値化閾値βを用いて、S511で生成した処理対象の差分画素値を二値化する。
S517では、第一の前景生成部202は、処理対象の1フレーム分の画素に対する処理が完了したか否かを判定する。処理対象の1フレーム分の画素に対する処理が完了したとの判定結果を得た場合(S517のYES)、図5(b)に示す前景マスクの生成処理(色情報前景生成処理)のフローを終える。他方、処理対象の1フレーム分の画素に対する処理が完了していないとの判定結果を得た場合(S517のNO)、処理がS511に戻され、未処理の画素に対して、S511からS517の処理が行われる。
以上説明した通り、本実施形態によれば、背景と前景の画素値が近い領域において、距離情報前景マスクを用いて前景を正しく特定することができる。よって、前景の画素値が背景の画素値と近い場合でも、輪郭の精度を保ちつつ、前景の欠け及び背景領域のノイズの誤検出を防いだ前景を分離して生成することができる。これにより、仮想視点映像における前景の品質を向上させることができる。
なお、本実施形態では、前景を特定する手段として、色以外の情報(要素)を表す画像である深度マップを用いたが、これに限定されない。前景を特定する手段として、例えば、色以外の要素である熱情報を表す画像であるヒートマップを用いてもよい。その場合、本実施形態において入力画像の座標に関連付けられる情報が距離情報から熱情報に変わる構成となる。
[実施形態2]
本実施形態では、入力画像と深度マップの解像度の差に応じて、距離情報前景マスクの前景領域を適切に膨張させることにより、前景マスクを正しく覆う態様について、説明する。
本実施形態では、入力画像と深度マップの解像度の差に応じて、距離情報前景マスクの前景領域を適切に膨張させることにより、前景マスクを正しく覆う態様について、説明する。
<画像処理装置のソフトウェア構成>
図6は、本実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る画像処理装置600は、実施形態1の画像処理装置100が有する機能部201-205に加えて、膨張率決定部601と、膨張部602とを有する。
図6は、本実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る画像処理装置600は、実施形態1の画像処理装置100が有する機能部201-205に加えて、膨張率決定部601と、膨張部602とを有する。
膨張率決定部601は、外部から入力画像と深度マップの解像度を取得して適切な膨張率を決定する。膨張率の決定方法の詳細については図を用いて後述する。なお、各解像度を示す情報は、画像データに付随したデータでもよいし、ユーザ操作で画像処理装置に予め登録されたデータでもよい。
膨張部602は、膨張率決定部601で決定された膨張率に応じて第二の前景生成部203で生成された距離情報前景マスクの前景領域を膨張させる。
<距離情報前景マスクの膨張制御>
本実施形態における、入力画像と深度マップの解像度に応じた距離情報前景マスクの前景領域の膨張制御の詳細について、図を用いて説明する。図7は、距離情報前景マスクの膨張制御の概要を示す図である。図7(a)に距離情報前景マスクにおける前景領域の膨張制御の概要を示し、図7(b)に前景領域の膨張制御による効果を示す。
本実施形態における、入力画像と深度マップの解像度に応じた距離情報前景マスクの前景領域の膨張制御の詳細について、図を用いて説明する。図7は、距離情報前景マスクの膨張制御の概要を示す図である。図7(a)に距離情報前景マスクにおける前景領域の膨張制御の概要を示し、図7(b)に前景領域の膨張制御による効果を示す。
差分画像710は、第一の前景生成部202によって生成される画像であり、各画素が入力画像と背景画像とで対応する画素の画素値の差(差分値)を有する画像である。差分画像710は、楽器を持つ人物701を含む前景領域711と、人物以外に対応する部分を含む背景領域712とを有する。また、前景領域711は、前記人物以外の人物702も含む。人物702は、人物701よりも後ろ側の遠方であって、背景領域712内に存在する。A-Aの線分741は、人物701が持つ楽器から背景領域712内の床に亘る線分であって、床の映り込み部および遠方に存在する人物702を通る線分である。
距離情報前景マスク720は、差分画像710に対応する入力画像と対をなす深度マップから算出して得た画像であり、前景領域に対して膨張処理を実行する前の画像であって、前景領域721を白で表し、背景領域722を黒で表した場合の画像である。前景領域721は、差分画像710の人物701に対応する部分703と、差分画像710の人物702に対応する部分704とを有しており、膨張処理前の領域を示している。部分704は、上述の通り、人物702が人物701よりも遠方に存在しており、人物702の足に対応する部分の一部が欠けている。これは、深度マップの解像度は、入力画像よりも低い為、入力画像の画質と比較すると物体の輪郭部が荒くなるからである。B-Bの線分742は、差分画像710におけるA-Aの線分741に対応した線分である。
グラフ750は、A-Aの線分741およびB-Bの線分742にて、水平方向の座標での画素値を示している。曲線751は、差分画像710の人物701が持つ楽器の画素値を示し、曲線753は、差分画像710の人物702の画素値を示している。グラフ750では、距離情報前景マスク720の前景領域にて手前の人物が持つ楽器に対応する領域の画素値752と、距離情報前景マスク720の前景領域にて奥側の人物に対応する領域の画素値754とが示されている。距離情報の前景領域に欠けが生じた場合、曲線753および画素値754に示すように差分画像の前景領域の一部を覆うことができなくなる。そこで、膨張率決定部601において、以下に示す(5)式を用いて距離情報の前景領域の最適な膨張幅(膨張率)を算出する。着目する距離情報の前景マスクの画素を中心とした膨張幅(半径)をAとし、入力画像の解像度をIresとし、深度マップの解像度をDresとし、調整係数をBとする。
入力画像の解像度をFullHD相当とし、深度マップの解像度をVGA相当とした場合、入力画像の解像度Iresが1920となり、深度マップの解像度Dresが640となる。調整係数Bを1とした場合、膨張幅は2となる。例えば、膨張対象の前景マスクが1×1のドットである場合、5×5のドットに膨張される。入力解像度と深度マップの解像度が等しい場合は、膨張幅は0となり膨張は行われない。ここで、調整係数Bは、0以上の実数であって、ユーザによって任意に定められる値であればよい。調整係数Bは、例えば、解像度変換方法に応じて調整されてもよい。ジャギーの影響が大きいニアレストネイバー法による拡大であれば調整係数Bを1以上の実数に設定してよいし、ジャギーの影響が小さいバイキュービック法による拡大であれば調整係数Bを1以下の実数を設定してもよい。以上、式の一例を示したが、入力画像と深度マップの解像度に応じて係数を算出することが本式のポイントであって、算出式をこれに限定するものではない。なお、膨張率決定部601は、計測装置122(撮像装置121)からの距離に応じて膨張率を決定してもよいし、計測装置122(撮像装置121)から遠くになるに従い相対的に大きくなるように膨張率を決定してもよい。
前景マスク730は、上述の(5)式を用いて、距離情報前景マスク720の前景領域に対して膨張処理を実行した後の画像であり、前景領域731を白で表し、背景領域732を黒で表した場合の画像である。C-Cの線分743は、差分画像710におけるA-Aの線分741、距離情報前景マスク720におけるB-Bの線分742に対応した線分である。
グラフ760は、A-Aの線分741およびC-Cの線分743にて、水平方向の座標での画素値を示している。画素値762と画素値764は適正幅で膨張した距離情報前景マスクであり、曲線753および画素値764に示すように、差分画像の前景領域を覆うことが可能となる。
<処理手順>
続いて、本実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図8は、仮想視点映像の生成処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る画像処理装置は、外部から入力画像を受信することで処理を開始する。
続いて、本実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図8は、仮想視点映像の生成処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る画像処理装置は、外部から入力画像を受信することで処理を開始する。
S501およびS502の処理は、実施形態1にて説明した処理内容と同じであり、詳細な説明については割愛する。なお、S502での処理を終えると、処理がS801に移行される。
S801では、膨張率決定部601は、入力画像の解像度及び深度マップの解像度から(5)式に示す膨張率Aを算出して決定する。
S802では、膨張部602は、S801で決定した膨張率を用いて、距離情報前景マスクの前景領域に対して膨張処理を実行する。なお、膨張処理後の距離情報前景マスクは、S503で用いられることになる。
S503およびS504の処理は、実施形態1にて説明した処理内容と同じであり、詳細な説明については割愛する。
以上説明した通り、本実施形態によれば、深度マップから生成した距離情報前景マスクの前景領域を適正な膨張率で膨張させることで、入力画像と深度マップの解像度が異なることに起因する前景領域の欠けの発生を抑制することができる。すなわち、深度マップの輪郭に発生するジャギーや欠けに起因した前景領域の欠けの発生を抑制することができる。これにより、仮想視点映像における前景の品質を向上させることができる。
なお、膨張率は、上述の値に限定されない。膨張率は、例えば、撮像装置から近いオブジェクトの距離情報は精度がよく、遠いものは精度が悪くなることから、撮像装置からの距離に応じて制御して遠いオブジェクトほど前景範囲を広げるように設定してもよい。
[実施形態3]
本実施形態では、前景マスクの前景領域と距離情報前景マスクの前景領域を比較して、その比較結果に応じて前景マスクの生成を制御する態様について、説明する。
本実施形態では、前景マスクの前景領域と距離情報前景マスクの前景領域を比較して、その比較結果に応じて前景マスクの生成を制御する態様について、説明する。
<画像処理装置のソフトウェア構成>
図9は、本実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る画像処理装置900は、実施形態2の画像処理装置600が有する機能部201-205、601、602に加えて、比較部901と、切替え部902とを有する。
図9は、本実施形態に係る画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る画像処理装置900は、実施形態2の画像処理装置600が有する機能部201-205、601、602に加えて、比較部901と、切替え部902とを有する。
比較部901は、第一の前景生成部202が生成する前景マスクと、第二の前景生成部203が生成する距離情報前景マスクとを比較する。比較結果は、制御部204と切替え部902とに出力される。詳細については後述する。
切替え部902は、生成部205で使用される前景マスクの切替えを行う。比較部901による比較結果に応じて、入力画像から生成した前景マスク、または深度マップから生成した距離情報前景マスクのいずれかを選択する。詳細については後述する。
<処理手順>
続いて、本実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図10は、仮想視点映像の生成処理の流れ示すフローチャートである。なお、図10に示すフローでは、前景マスクの比較および切替え制御が行われる。
続いて、本実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の流れについて、図を用いて説明する。図10は、仮想視点映像の生成処理の流れ示すフローチャートである。なお、図10に示すフローでは、前景マスクの比較および切替え制御が行われる。
S1001では、制御部204は、第一の前景生成部202で使用される差分画像を二値化する為の閾値αおよび閾値βに対し所定の初期値を設定する。この初期値は、撮像時に想定される安定した外光下において、前景と背景を適切に分離する閾値であることが望ましい。外光の変化が無く画素値が変動しない環境である場合には、閾値αおよび閾値βとして、例えば、実施形態1と同様な値としてもよい。他方、外光の変化があり画素値が変動する環境である場合には、閾値αおよび閾値βとして、例えば、実施形態1とは異なり、環境に応じた値としてよい。なお、S1001での処理を終えると、処理がS501およびS502に移行される。
S501-S503、S801-S802の処理は、実施形態2にて説明した処理内容と同じであり、詳細な説明については割愛する。なお、S503での処理を終えると、処理がS1002に移行される。
S1002では、比較部901は、第一の前景生成部202で生成された前景マスクから第二の前景生成部203で生成された距離情報前景マスクを減算してマスク差分を算出する。このマスク差分は、双方の前景マスクを重ねたときに、前景領域が重畳していない画素の凡その数を示す。想定を超えるような外光の急変が発生した場合には、色情報で生成される前景マスクの前景領域及び背景領域にノイズが多数出現する。このノイズの凡その数を、重畳していない箇所の画素数として算出する。
S1003では、比較部901は、S1002で算出したマスク差分の絶対値を所定の閾値γと比較し、マスク差分の絶対値が所定の閾値γ以下であるか否かを判定する。閾値γとしては、例えば、「想定される前景領域の画素数の総和」の十数%程度とする。例えば、フィールドに選手10人が映るとすれば、閾値γは、「10人の前景領域の画素数の総和」×「十数%」とする。これは、微小な外光の変動によって生じる前景領域の変動量を十数%程度と想定しているためである。マスク差分の絶対値が閾値γ以下であるとの判定結果を得た場合(S1003のYES)、「外光の変化はない」または「穏やかな変化がある」と判断して、処理がS1005に移行される。他方、マスク差分の絶対値が閾値γより大きく閾値γ以下ではないとの判定結果を得た場合(S1003のNO)、「外光の急変」が発生したと判断して、処理がS1004に移行される。
S1004では、切替え部902は、生成部205で使用される前景マスクとして距離情報前景マスクを選択し、選択した距離情報前景マスクを生成部205に対して出力する。これは、外光の急変時には色情報前景マスクのノイズが多く、色情報前景マスクによる前景マスクは仮想視点映像生成に使用する前景マスクとして適切ではなく、距離情報前景マスクは多少輪郭が荒くともノイズが少ないためである。
S1005では、切替え部902は、生成部205で使用される前景マスクとして色情報前景マスクを選択し、選択した色情報前景マスクを生成部205に対して出力する。
S1006では、比較部901は、S1002で算出したマスク差分の絶対値を所定の閾値δと比較し、マスク差分の絶対値が所定の閾値δ以下であるか否かを判定する。ここで、閾値δとして、例えば、「想定される前景領域の膨張量の総和」とする。この膨張量の総和は、「想定される前景領域の画素数の総和」の数%程度とする。例えば、フィールドに選手10人が映るとすれば、閾値δは、「10人の前景領域の画素数の総和」×「数%」とする。なお、閾値δと閾値γの関係は、閾値δ<閾値γであるとする。マスク差分の絶対値が閾値δ以下であるとの判定結果を得た場合(S1006のYES)、「外光の変化はない」と判断して、処理がS1010に移行される。他方、マスク差分の絶対値が閾値δより大きく、閾値δ以下ではないとの判定結果を得た場合(S1006のNO)、「外光の穏やかな変化」が発生したと判断して、処理がS1007に移行される。
S1007では、比較部901は、S1002で算出したマスク差分の符号に基づき判定を行う。マスク差分の符号が負であり0より小さいとの判定結果を得た場合(S1007のYES)、外光の穏やかな変化により色情報の前景領域に多数の欠けが発生していると判断して、処理がS1008に移行される。他方、マスク差分の符号が正であり0より大きいとの判定結果を得た場合(S1007のNO)、色情報の前景領域周辺及び背景領域にノイズが発生していると判断して、処理がS1009に移行される。
S1008では、制御部204は、第一の前景生成部202の二値化閾値αおよび二値化閾値βそれぞれから1を減算して、二値化閾値αおよび二値化閾値βとして減算後の大きさを設定する。なお、減算量は、1に限定されない。減算量は、例えば、1より大きい値に微調整してもよい。微調整は、1フレーム毎に閾値を変動したときに、その変動による前景マスクの輪郭の形状変化が人間の目に違和感として視認されない程度の調整量であればよく、例えば、1~3程度としてもよい。これは、減算量として、あまり大きな値を設定すると、設定時に前景のチラツキとして視認されてしまう可能性があり、小さい値で徐々に調整したいためである。このように差分画像を二値化する為の閾値を下げることにより、前景領域の欠けの発生を抑制することができる。S1008で設定した二値化閾値αおよび二値化閾値βは、次のフレームに対する処理であって、S503の処理で使用されることになる。
S1009では、制御部204は、第一の前景生成部202の二値化閾値αおよび二値化閾値βそれぞれに1を加算して、二値化閾値αおよび二値化閾値βとして加算後の大きさを設定する。なお、加算量は、1に限定されない。加算量は、例えば、1より大きい値に微調整してもよい。このように差分画像を二値化する為の閾値を上げることにより、前景領域周辺及び背景領域に発生しているノイズ成分の誤検出を抑制することができる。S1009で設定した二値化閾値αおよび二値化閾値βは、次のフレームに対する処理であって、S503の処理で使用されることになる。
S1010では、生成部205は、入力画像と背景画像と前景マスクとを用いて仮想視点映像を生成する。
S1011では、画像データの入力が完了したか否かを判定する。画像処理装置900への画像データの入力が続いており、画像データの入力が完了していないとの判定結果を得た場合(S1011のNO)、処理がS501およびS502へ戻される。他方、画像データの入力が終了しており、画像データの入力が完了しているとの判定結果を得た場合(S1011のYES)、図10に示すフローを終える。
以上説明した通り、本実施形態によれば、前景マスクと距離情報前景マスクとで前景領域を比較して、その結果に応じて前景マスクの生成を制御することで、次の効果を奏する。日照の変化等で外光が急激に大きく変動し、例えばカメラの露出が一時的に適切でなくなる位に明るくなり、前景も背景もほとんどの領域が白くなり、前景の一部のみならず、その多くの画素値が背景画素値と同等になっても、安定した前景マスクを生成できる。すなわち、日照の変化の発生時においても安定した前景マスクを生成することが可能になる。これにより、仮想視点映像における前景の品質を向上させることができる。
[その他の実施形態]
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
202:第一の前景生成部
203:第二の前景生成部
204:制御部
203:第二の前景生成部
204:制御部
Claims (13)
- 入力画像と、当該入力画像に対応する背景画像とからオブジェクトの形状を示す第一の前景画像を生成する第一の生成手段と、
前記入力画像に対応する、光以外の要素を表す画像と、当該画像に対応する背景画像とから前記オブジェクトの形状を示す第二の前景画像を生成する第二の生成手段と、
前記第二の前景画像を基に、前記第一の生成手段で前記第一の前景画像を生成するためのパラメータを設定する設定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記光以外の要素を表す画像は、前記入力画像を取得する撮像装置からオブジェクトまでの距離情報を表す画像から前記第二の前景画像を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記光以外の要素を表す画像は、オブジェクトの熱情報を表す画像から前記第二の前景画像を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記設定手段は、前記パラメータとして、前記入力画像と前記入力画像に対応する背景画像との差分画像における、前記第二の前景画像が示す領域に対してコントラストの補正を行うためのパラメータを設定する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記設定手段は、前記パラメータとして、前記入力画像における、前記第二の前景画像が示す領域に対してコントラストの補正を行うためのパラメータを設定する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記設定手段は、前記パラメータとして、前記入力画像と前記入力画像に対応する背景画像との差分画像から前記第二の前景画像を生成するための閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記第二の前景画像を膨張させる膨張手段を更に有する
ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記入力画像の解像度と、前記光以外の要素を表す画像の解像度とに応じて前記膨張手段で前記第二の前景画像を膨張させる膨張率を決定する決定手段を更に有する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、距離に応じて前記膨張率を決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、遠くなるに従い相対的に大きくなるように前記膨張率を決定する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の画像処理装置。 - 前記第一の前景画像と前記第二の前景画像とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記第一の前景画像または前記第二の前景画像に切り替えて出力する切替え手段と、
を有する、ことを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 入力画像と、当該入力画像に対応する背景画像とからオブジェクトの形状を示す第一の前景画像を生成する第一の生成工程と、
前記入力画像に対応する、光以外の要素を表す画像と、当該画像に対応する背景画像とから前記オブジェクトの形状を示す第二の前景画像を生成する第二の生成工程と、
を含み、
前記第一の生成工程にて前記第一の前景画像を生成するためのパラメータは、前記第二の前景画像を基に設定されることを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1から11の何れか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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JP2021088481A Pending JP2022181493A (ja) | 2021-05-26 | 2021-05-26 | 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム |
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JP (1) | JP2022181493A (ja) |
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2021
- 2021-05-26 JP JP2021088481A patent/JP2022181493A/ja active Pending
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