JP2022179350A - ウレタン樹脂組成物、接着剤組成物、及び物品の製造方法 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、接着剤組成物、及び物品の製造方法 Download PDF

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慶彦 白木
Yoshihiko Shiraki
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Abstract

【課題】貯蔵安定性に優れ、プラスティック基材に対して良好な接着性を付与することができるウレタン樹脂組成物を提供すること。【解決手段】ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、任意成分である鎖延長剤(C)と、の反応生成物を含み、前記ポリオール化合物(A)は、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる1種以上であり、前記反応生成物中、前記ポリオール化合物(A)と前記鎖延長剤(C)との合計の含有量が、75質量%以上99.9質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物、接着剤組成物、及び物品の製造方法に関する。
プラスティック基材は工業的に広く普及している。例えば自動車の内装材;洗濯機、冷蔵庫等の電化製品;スマートフォン、パソコンといった電子機器;にはプラスティック基材が多く用いられている。また、フィルム等のプラスティック基材特有の用途も存在する。例えばポリエチレンテレフタレートから成るフィルムは、食品包装材;電子材料の製造工程で使用される離形フィルムの基材;等として広く普及している。
一般的に、プラスティック基材は金属基材と比較して表面が濡れ難いことが知られている。プラスティック基材の持つ表面の濡れ難さ(以下、難濡れ性という。)は、例えば接着剤や塗料を塗布する際にハジキ等の欠陥を発生させるため、均一な塗布面を得られない原因となり、望ましくない。また、難濡れ性を示す基材は一般的に難接着性を示すことが知られており、接着剤の場合には接着不良を、塗料の場合には塗膜剥離を引き起こす原因となるため、望ましくない。
プラスティック基材の接着性を改善する方法としては、プラスティック基材の組成変更や表面改質等をおこなうことで濡れ性を改善する方法がある。しかしながら、大型の装置が必要なため多額の設備投資が必要であること、最適条件の設定が困難であること、表面改質処理の工程を要すること、および、プラスティック基材表面の分子鎖を切断するため機械強度低下等の懸念があること等の問題があった。
そこで、特許文献1は、難濡れ性および難接着性を示す未処理のプラスティック基材であるポリプロピレンに対して良好な接着性を示す接着剤として、水添ポリイソプレン骨格ウレタン樹脂組成物を開示している。
特開2020-66686号公報
しかしながら、特許文献1にかかるウレタン樹脂組成物は、溶剤に対する相溶性が低く、経時で樹脂固形分が析出するという問題があり、工業的に使用するにはさらなる改善が求められている。
そこで、本発明の一実施形態は、貯蔵安定性に優れ、プラスティック基材に対して良好な接着性を示すウレタン樹脂組成物、接着剤組成物、および接着剤層を提供することに向けられている。また、本発明の他の実施形態は、前記接着剤層を備える物品および該物品の製造方法を提供することに向けられている。
すなわち、本発明は以下に示す実施形態を含むものである。
[1] ポリオール化合物(A)と、
ポリイソシアネート化合物(B)と、
任意成分である鎖延長剤(C)と、の反応生成物を含み、
前記ポリオール化合物(A)は、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる1種以上であり、
前記反応生成物中、前記ポリオール化合物(A)と前記鎖延長剤(C)との合計の含有量が、75質量%以上99.9質量%以下である、ウレタン樹脂組成物。
[2] 前記ポリオール化合物(A)中の二重結合含有量が、ヨウ素価として50g/100g以下である、[1]に記載のウレタン樹脂組成物。
[3] 前記水添ポリブタジエンポリオール分子中の1,2-付加体と1,4-付加体とのモル比が、20:80以上85:15以下である、[1]または[2]に記載のウレタン樹脂組成物。
[4] 前記水添ポリファルネセンポリオール分子中の1,4-付加体と3,4-付加体とのモル比が、80:20以上50:50以下である、[1]または[2]に記載のウレタン樹脂組成物。
[5] 前記ポリオール化合物(A)が、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる2種以上である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物。
[6] 重量平均分子量が8,000以上95,000以下である、[1]~[5]のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物を含む、接着剤組成物。
[8] [7]に記載の接着剤組成物を含む、接着剤層。
[9] 基材と、
[8]に記載の接着剤層と、を備える、物品。
[10] 前記接着剤層および前記基材が、これらの接着界面において、加熱変化部を有する、[9]に記載の物品。
[11] 前記基材が、プラスティックである[9]または[10]に記載の物品。
[12] 前記基材が、ポリオレフィンである[9]または[10]に記載の物品。
[13] [9]~[12]のいずれか1項に記載の物品と、他の基材と、を備える物品。
[14] 前記他の基材が、樹脂塗膜を有する基材である、[13]に記載の物品。
[15] [9]~[14]のいずれか1項に記載の物品の製造方法であって、
前記基材と、前記接着剤層と、を加熱することを含む、方法。
[16] 前記加熱が、70℃以上300℃以下である、[15]に記載の物品の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、貯蔵安定性に優れ、プラスティック基材に対して良好な接着性を示すウレタン樹脂組成物、接着剤組成物、および接着剤層を提供することができる。また、本発明の他の実施形態によれば、前記接着剤層を備える物品および該物品の製造方法を提供することができる。
本発明の各態様を実施するための例示的な実施形態についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[ウレタン樹脂組成物]
本発明の一実施形態にかかるウレタン樹脂組成物は、
ポリオール化合物(A)と、
ポリイソシアネート化合物(B)と、
任意成分である鎖延長剤(C)と、の反応生成物を含み、
前記ポリオール化合物(A)は、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる1種以上であり、
前記反応生成物中、前記ポリオール化合物(A)と鎖延長剤(C)との合計の含有量が、75質量%以上99.9質量%以下である。
[[ポリオール化合物(A)]]
ポリオール化合物(A)は、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる1種以上である。
ポリオール化合物(A)としては、特に限定されるものではないが、分子構造中に部分的に二重結合を持っていてもよい。接着性の観点から、ポリオール化合物(A)中の二重結合含有量が、ヨウ素価として50g/100g以下であることが好ましく、25g/100g以下であることがより好ましく、15g/100g以下であることが最も好ましく、10g/100gであってもよい。なお、ヨウ素価は、JIS規格(JIS K0070)に準拠して測定することができる。
水添ポリブタジエンポリオールは、特に限定されるものではないが、例えば、1,2-付加体、1,4-付加体、および一分子中にこれらの両方の骨格を有しているものが挙げられる。両方の骨格を有している場合は、1,2-付加体と1,4-付加体とのモル比は、相溶性の観点から20:80以上85:15以下が好ましく、65:35以上85:15以下がより好ましく、80:20以上85:15以下が最も好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水添ポリファルネセンポリオールは、特に限定されるものではないが、例えば、1,4-付加体、3,4-付加体、および一分子中にこれらの両方の骨格を有しているものが挙げられる。両方の骨格を有している場合は、1,4-付加体と3,4-付加体とのモル比は、相溶性の観点から80:20以上50:50以下が好ましく、70:30以上50:50以下がより好ましく、65:35以上50:50以下が最も好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂重合性の観点から水酸基を分子末端に有することが好ましい。
これらの中でも、溶剤や添加剤、他樹脂との相溶性および接着性の観点から、
(1)ヨウ素価が15g/100g以下で、一分子中の1,2-付加体と1,4-付加体とのモル比が80:20以上85:15以下である水酸基末端水添ポリブタジエン、または、
(2)ヨウ素価が15g/100g以下で、一分子中の1,4-付加体と3,4-付加体とのモル比が65:35以上50:50以下である水酸基末端水添ポリファルネセン、
が好ましく、
(1’)ヨウ素価が10g/100g以下で、一分子中の1,2-付加体と1,4-付加体とのモル比が80:20以上85:15以下である水酸基末端水添ポリブタジエン、または、
(2’)ヨウ素価が10g/100g以下で、一分子中の1,4-付加体と3,4-付加体とのモル比が65:35以上50:50以下である水酸基末端水添ポリファルネセン、
であってもよい。
接着強度の観点からポリオール化合物(A)が、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる2種以上であることが好ましい。
ポリオール化合物(A)の重量平均分子量は、前記反応生成物中、前記ポリオール化合物(A)と鎖延長剤(C)との合計の含有量が、75質量%以上99.9質量%以下である限り、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることが最も好ましい。なお、ポリオール化合物(A)が2種以上からなる場合、ポリオール化合物(A)の重量平均分子量とは、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる2種以上の混合物の重量平均分子量を意味する。
[[ポリイソシアネート化合物(B)]]
ポリイソシアネート化合物(B)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族骨格を持つイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族骨格を持つイソシアネート類;等が挙げられる。これらは単量体でもよく多量体でもよく、アロファネート変性やビウレット変性されたものでもよい。これらの中でも、機械強度の観点からジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートが好ましく、耐光性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、が好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[[鎖延長剤(C)]]
ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物(A)およびポリイソシアネート化合物(B)に加えて、任意成分である鎖延長剤(C)が反応して得られた反応生成物であってもよい。
鎖延長剤(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリブチレングリコール類等のポリエーテルポリオール類;カプリル酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘン酸モノグリセライド等のモノグリセライド類;2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール等の側鎖を持ったグリコール類;等のポリオール類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[[合計含有量]]
ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、任意成分である鎖延長剤(C)と、の反応生成物中において、ポリオール化合物(A)と鎖延長剤(C)との合計含有量は、75質量%以上99.9質量%以下が好ましく、78質量%以上95質量%以下がより好ましく、80質量%以上90質量%以下が最も好ましい。含有量が75質量%未満あるいは99.9質量%を超えると、接着性が不十分となる懸念が有る。
ウレタン樹脂組成物の重量平均分子量は8,000以上95,000以下であることが好ましく、10,000以上50,000以下であることがより好ましく、14,000以上35,000以下であることが最も好ましく、14,000以上26,000以下であってもよい。なお、ウレタン樹脂組成物が、ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)と、鎖延長剤(C)との反応生成物である場合も、前記分子量であることが好ましい。
ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、および任意の鎖延長剤(C)以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で、任意に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されず、例えば、溶剤、触媒、消泡剤、レベリング剤、有機増粘剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性向上剤、離型剤、補強材、軟化剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、湿潤分散剤等が挙げられる。
溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルジグリコール、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;水;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂組成物が溶剤を含有する場合、その含有量は、塗布方法、所望するウレタン樹脂塗膜の膜厚によって選択すればよく、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して1.0質量部以上10,000質量部以下であることが好ましく、40質量部以上3,200質量部以下であることがより好ましく、150質量部以上2,000質量部以下であることが最も好ましい。溶剤の含有量が1.0質量部以上であると、ウレタン樹脂組成物の粘度が低減でき、塗装がさらに容易となる。溶剤の含有量が10,000質量部以下であると、ウレタン樹脂塗膜の膜厚が薄くなり過ぎず、十分な膜厚が得られ易い。
触媒としては、特に限定されず、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物;トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩;が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂組成物が触媒を含有する場合、その含有量は、用いるポリイソシアネート化合物の反応性によって選択すればよく、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物1質量部に対して0.00010質量部以上25質量部以下であることが好ましく、0.0010質量部以上6.0質量部以下であることがより好ましく、0.010質量部以上1.0質量部以下であることが最も好ましい。含有量が0.00010質量部以上であると、十分な触媒効果がさらに得られやすく、25質量部以下であると、経済性においてより好ましい。
レベリング剤としては、特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、シリコン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂組成物がレベリング剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して0.0010質量部以上25質量部以下であることが好ましく、0.010質量部以上12質量部以下であることがより好ましく、0.050質量部以上6質量部以下であることが最も好ましい。含有量が0.0010質量部以上であると、レベリング性がさらに十分となり、25質量部以下であると、ウレタン樹脂塗膜の接着性がさらに十分になりやすい。
本実施形態にかかるウレタン樹脂組成物から得られる塗膜は、難濡れ性を示すプラスティック基材を含む多様な基材に対し良好な接着性を示す。
[接着剤組成物、接着剤層、物品、物品の製造方法]
以上説明したウレタン樹脂組成物は、接着剤組成物に好適に用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる接着剤組成物は、前記ウレタン樹脂組成物を含む。
また、本発明の一実施形態にかかる接着剤層は、前記接着剤組成物を含む。
さらに、本発明の一実施形態にかかる物品は、前記接着剤層と、基材と、を備える。ここで、接着剤層および基材が、これらの接着界面において、加熱変化部を有することが好ましい。加熱変化部とは、加熱によって変化している部位である。換言すると、本実施形態にかかる物品は、接着剤層と、基材と、が加熱により接着されてなる。
基材の材質としては、特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、ナイロン6、ナイロン66、アラミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂;前記プラスティック基材とガラス繊維等とから成る複合材料;エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂またはポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂と炭素繊維との複合材料(CFRP(Carbon Fiber Reinforced Thermo plastics);CFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo plastics))、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、ステンレス、ブリキ、電気亜鉛めっき鋼板、クロムメッキ鋼板等といった金属類;ガラス等が挙げられる。これらの基材は単独で用いてもよいし、2種以上を併用あるいは混合した複合材料として用いてもよい。これらの中でも、塗装後の成形加工が容易等、基材の汎用性が高いことからプラスティック基材が好ましく、軽量かつ安価であることからポリオレフィンがより好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンが最も好ましい。
本発明の一実施形態にかかる物品の製造方法は、基材と、接着剤層と、を加熱することを含む。加熱は、70℃以上300℃以下であることが好ましい。
本実施形態にかかる物品の製造方法は、基材上に接着剤層を形成することをさらに備えていてもよい。
前記接着剤組成物を用いて接着剤層を形成し、物品を製造する方法としては、特に限定されず、例えば接着剤組成物を基材の少なくとも一つの面に塗布した後、乾燥させる方法等が挙げられる。
接着剤組成物を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、アプリケーター法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ノズルコート法、グラビアコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、カーテンコート法、ナイフコート法、トランスファロールコート法、スクイズコート法、含浸コート法、キスコート法、カレンダコート法、押出コート法等が挙げられる。
乾燥させる際の乾燥温度は、特に限定されないが、50~300℃であることが好ましく、50~200℃であることがより好ましく、80~150℃であることが最も好ましい。乾燥温度が50℃以上であると、溶剤を含む場合にはその残留がさらに低減できる。乾燥温度が300℃以下であると、接着剤層の熱分解をさらに抑制できる。また、乾燥時間は、特に限定されないが5秒間~12時間が好ましく、20秒間~1時間であることがより好ましく、1分間~30分間であることが最も好ましい。乾燥時間が5秒間以上であると、乾燥不良がさらに抑制できる。乾燥時間が12時間以下でると、工程に要する時間がさらに低減できるため生産性にさらに優れる。
物品は、他の基材をさらに備えていてもよい。他の基材は、樹脂塗膜を有する基材であってもよい。
すなわち、接着剤層を有する基材と、他の基材と、を接着し、物品を得ることができる。この際、他の基材を未塗装で接着に供してもよいし、他の基材に当該他の基材と親和性を有する樹脂を塗布し、接着に供してもよい。他の基材と親和性を有する樹脂を塗布する場合、その樹脂組成は基材により選定されるため特に限定されず、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。なかでも、前記接着剤層との親和性を考慮すると、他の基材は、ウレタン樹脂であることが好ましい。また、他の基材に塗布するウレタン樹脂は、本発明の一実施形態にかかるウレタン樹脂組成物と同一であっても異なっていてもよい。なお、他の基材に樹脂を塗布し乾燥させる条件は、本発明の一実施形態にかかるウレタン樹脂組成物を乾燥させる条件と同様であることが好ましい。
本発明の一実施形態にかかるウレタン樹脂接着層を有する基材と他の基材とを接着する際の温度としては、特に限定されないが、70~300℃であることが好ましく、100~250℃であることがより好ましく、130~200℃であることが最も好ましい。処理温度が70℃以上であると、接着不良をさらに抑制できる。300℃以下であると、ウレタン樹脂塗膜が熱分解することをさらに抑制できる。また、処理時間は、特に限定されないが1秒間~12時間が好ましく、10秒間~1時間であることがより好ましく、10秒間~30分間であることが最も好ましい。処理時間が1秒間以上であると、接着不良がさらに抑制できる。処理時間が12時間以下であると、工程に要する時間がさらに低減できるため生産性にさらに優れる。
接着剤層の厚みは、特に限定されないが、0.05~300μmであることが好ましく、0.1~200μmであることがより好ましく、5~100μmであることが最も好ましい。厚みが0.05μm以上であると接着剤層の接着性がさらに優れる。厚みが300μm以下であると、乾燥に要する時間がさらに低減できるため生産性の観点にさらに優れる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない場合、%表記は質量基準である。
(実施例1)
以下の方法でウレタン樹脂組成物の製造、試験片の作成および塗膜物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
<ウレタン樹脂組成物の製造>
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を150.0g、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(以下、MDIと言う。)を33.7g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.281g、シクロヘキサノンを1735g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させた後、2-メチル-1,3-プロパンジオールを8.74g加え、同条件下でさらに6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、以下の方法で重量平均分子量を測定した。
<重量平均分子量の測定>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。条件は以下の通りである。装置として高速GPC装置(東ソー社製HLC-8320GPC)、カラムとしてTSKgel guardcolumn α(6.0mmI.D.×4cm)を1本、+α-M(67.8mmI.D.×30cm)を2本、記載の順に直列に接続したものを用いた(カラムはいずれも東ソー社製)。移動相としてシクロヘキサノンを使用し、移動相速度を1.0mL/分とした。カラム温度は40℃とし、検出器はRI検出器(polarity(+))で実施し、ポリスチレン換算分子量として分子量を求めた。サンプル溶液はシクロヘキサノンを用いて濃度が1mg/mLとなる様に調製して用いた。サンプルの注入量は100μLとした。
<試験片の作成>
まず、上記で得られたウレタン樹脂組成物をポリプロプレン基材(PP基材;日立化成社製コウベポリシートPP)にバーコーターを用いて塗布し、室温条件下で5分間静置した後、熱風乾燥器を用いて80℃で5分間乾燥させ、乾燥膜厚10μmの接着剤層を有するポリプロピレン試験片を得た。次に、接着剤層の上にポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製東洋紡エステルフィルムE5100)を張り合わせた後、185℃で10分間加熱処理することで試験片を得た。同様の方法でポリエチレン基材(PE基材;日立化成製コウベポリシートEL-N-AN)を用いた試験片も作成した。ただし、熱処理温度は140℃に変更した。
<接着剤物性の評価>
張り合わせて得た試験片について、JISK6854-2に準拠して180度剥離試験をおこない、接着強度を評価した。試験はオートコム型試験機(ティー・エス・イー社製UTPS-Acs(S))を用いて測定した。
<貯蔵安定性の評価>
上記で得られたウレタン樹脂組成物を室温(20~25℃)条件下で静置し、保管した。製造後のウレタン樹脂組成物の外観を一定期間目視で確認し、濁りおよび相分離の有無を確認した(濁りおよび相分離はウレタン樹脂組成物の析出により発生する)。確認する期間は、製造後の5日間は24時間毎に確認し、その後は製造日を基準として7日毎に確認した。確認は84日間おこなった。濁りおよび相分離が発生するまでの期間に基づいて貯蔵安定性を評価した。ここで、期間内に濁りおよび相分離が発生しないことが最も良好な結果であり、発生する場合、発生するまでの期間が長い程良好な結果である。
(実施例2)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を150.0g、MDIを22.5g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.137g、シクロヘキサノンを1554g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を150.0g、MDIを19.5g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.137g、シクロヘキサノンを1527g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を150.0g、MDIを18.0g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.137g、シクロヘキサノンを1513g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリファルネセンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.0759g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を120.7g、水酸基末端水添ポリブタジエン2を29.3g、MDIを19.7g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.129g、シクロヘキサノンを1529g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を93.4g、水酸基末端水添ポリブタジエン2を56.6g、MDIを19.8g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.121g、シクロヘキサノンを1530g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を134.2g、水酸基末端水添ポリブタジエン3を15.9g、MDIを19.7g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.129g、シクロヘキサノンを1529g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を119.4g、水酸基末端水添ポリブタジエン3を30.6g、MDIを19.9g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.121g、シクロヘキサノンを1530g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を110.0g、MDIを45.2g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.376g、シクロヘキサノンを1550g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させた後、2-メチル-1,3-プロパンジオールを16.7g加え、同条件下でさらに6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を100.0g、MDIを70.0g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.583g、シクロヘキサノンを1803g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させた後、2-メチル-1,3-プロパンジオールを29.8g加え、同条件下でさらに6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.0937g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリファルネセンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.0834g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例5)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリイソプレンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.103g、シクロヘキサノンを1499g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例6)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリイソプレンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.0937g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で重量平均分子量を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例7)
ウレタン樹脂組成物の代わりに水添ポリイソプレン液状ゴム(商品名 クラプレンLIR-290、重量平均分子量31,000、クラレ社製)の10%ヘキサン溶液を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および接着剤物性評価、貯蔵安定性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2022179350000001
・水酸基末端水添ポリブタジエン1:商品名 GI-1000、数平均分子量1,500、水酸基含量1.22mol/kg、ヨウ素価9.2g/100g、日本曹達社製
・水酸基末端水添ポリブタジエン2:商品名 GI-2000、数平均分子量2,000、水酸基含量0.84mol/kg、ヨウ素価13.3g/100g、日本曹達社製
・水酸基末端水添ポリブタジエン3:商品名 GI-3000、数平均分子量3,100、水酸基含量0.51mol/kg、ヨウ素価13.8g/100g、日本曹達社製
・水酸基末端水添ポリファルネセン:商品名 Krasol F3100、数平均分子量3,000、水酸基含量0.68mol/kg、ヨウ素価9.7g/100g、TOTAL社製
・水酸基末端ポリブタジエン:商品名 Poly bd R-45HT、数平均分子量2,800、水酸基含量0.84mol/kg、ヨウ素価633g/100g、出光興産社製
・水酸基末端ポリファルネセン:商品名 Krasol F3000、数平均分子量3,000、水酸基含量0.75mol/kg、ヨウ素価369g/100g、TOTAL社製
・水酸基末端水添ポリイソプレン:商品名 EPOL、数平均分子量2,500、水酸基含量0.94mol/kg、ヨウ素価7.9g/100g、出光興産社製
・水酸基末端ポリイソプレン:商品名 Poly ip、数平均分子量2,500、水酸基含量0.84mol/kg、ヨウ素価350g/100g、出光興産社製
・ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI):商品名 ミリオネートMT、イソシアネート基含量31.3%、東ソー社製
・2-メチル-1,3-プロパンジオール:東京化成工業社製
・ジラウリン酸ジオクチルスズ:キシダ化学社製
・シクロヘキサノン:富士フイルム和光純薬社製
表1から明らかなように、本発明の一実施形態にかかるウレタン樹脂組成物によれば、難接着性を示すポリオレフィンであるポリプロピレン基材を含め、プラスティック基材への十分な接着性を付与できるウレタン樹脂組成物を得ることができる。

Claims (16)

  1. ポリオール化合物(A)と、
    ポリイソシアネート化合物(B)と、
    任意成分である鎖延長剤(C)と、の反応生成物を含み、
    前記ポリオール化合物(A)は、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる1種以上であり、
    前記反応生成物中、前記ポリオール化合物(A)と前記鎖延長剤(C)との合計の含有量が、75質量%以上99.9質量%以下である、ウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ポリオール化合物(A)中の二重結合含有量が、ヨウ素価として50g/100g以下である、請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
  3. 前記水添ポリブタジエンポリオール分子中の1,2-付加体と1,4-付加体とのモル比が、20:80以上85:15以下である、請求項1または2に記載のウレタン樹脂組成物。
  4. 前記水添ポリファルネセンポリオール分子中の1,4-付加体と3,4-付加体とのモル比が、80:20以上50:50以下である、請求項1または2に記載のウレタン樹脂組成物。
  5. 前記ポリオール化合物(A)が、水添ポリブタジエンポリオール、および水添ポリファルネセンポリオールからなる群より選ばれる2種以上である、請求項1または2に記載のウレタン樹脂組成物。
  6. 重量平均分子量が8,000以上95,000以下である、請求項1または2に記載のウレタン樹脂組成物。
  7. 請求項1に記載のウレタン樹脂組成物を含む、接着剤組成物。
  8. 請求項7に記載の接着剤組成物を含む、接着剤層。
  9. 基材と、
    請求項8に記載の接着剤層と、を備える、物品。
  10. 前記接着剤層および前記基材が、これらの接着界面において、加熱変化部を有する、請求項9に記載の物品。
  11. 前記基材が、プラスティックである請求項9に記載の物品。
  12. 前記基材が、ポリオレフィンである請求項9に記載の物品。
  13. 請求項9に記載の物品と、他の基材と、を備える物品。
  14. 前記他の基材が、樹脂塗膜を有する基材である、請求項13に記載の物品。
  15. 請求項9に記載の物品の製造方法であって、
    前記基材と、前記接着剤層と、を加熱することを含む、方法。
  16. 前記加熱が、70℃以上300℃以下である、請求項15に記載の物品の製造方法。
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