JP2022177754A - ロボット搾乳における乳牛の搾乳及び飼育方法 - Google Patents

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裕之 小川
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Abstract

【課題】ロボット搾乳において、乳牛自身によって搾乳と飼育が行われるトータルシステムを特に飼料面から開発することを目的とする。【解決手段】主に乳牛の飼育に関連する飼料として基礎混合飼料(PMR:Partially Mixed Ration)を牛舎内の飼槽から給与し、搾乳ロボット内での主に呼び餌として濃厚飼料を用いる。濃厚飼料としては、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)及びデンプン含量を調整した2種類の濃厚飼料を使用する。本発明によれば省力化が達成され、乳量も増大する。【選択図】なし

Description

本発明は、乳牛の搾乳及び飼育方法、そこに用いる飼料等に関する。詳細には、特にロボット搾乳において、乳牛の嗜好性の良い飼料を給与し、負のエネルギーバランスに陥るのを防止し、ルーメンアシドーシス及びケトーシス等をバランス良く予防しながら、乳牛の自発的な行動を促し、健康で効果的に、搾乳及び飼育を可能とする方法等に関する。
現在、日本国内及び世界中において、酪農業界における人員不足等を背景に、乳牛の健康な飼育はもちろん、経営の効率化、コストカット、人員削減等が求められている。
このような酪農業界における要請に応えるためには、労働投入量を減らしていく、すなわち、酪農業界においても外部化・機械化をすすめていくことが必要となる。
これに応えるものとして、いわゆるロボット搾乳という飼育方法が存在する。ロボット搾乳とは、例えば、大きな屋内にいくつかの乳牛用の部屋を設け、乳牛が自ら移動するための通路でつなぎ、機械で自動的に搾乳する場所と範囲をもったユニット(これを搾乳ロボットともいう)を設置することを特徴とするトータル飼育システムのことである。
ただ、このロボット搾乳においては、従来、機械や装置の面からの検討が広く行われており、飼料についての深い検討はほとんど行われていないのが現状である(特許文献1)。
このロボット搾乳は、搾乳ロボット(自動搾乳機)まで乳牛が自発的に訪問することに大きく依存している。この訪問を促す誘因となるもののひとつは、自動搾乳機内での濃厚飼料給与にある。つまり、搾乳ロボット内でのいわゆる呼び餌として、濃厚飼料を使用するものである。
すなわち、このロボット搾乳においては、搾乳ロボットに乳牛が自発的に歩いて行き、前述ユニット内に入り、機械により搾乳してもらうこととなるため、乳牛が搾乳ロボットに向かって歩いて行く誘因となるものが必要である。そこで、誘因として、飼料を考えることとなるため、まずこのシステムにおいては、乳牛の嗜好性が高い飼料を給与することが必須の要素となる。
飼料の嗜好性を高めるためには、牧草等のみからなる、栄養価の低い粗飼料では適切でなく、栄養価の高いものが好適となる。したがって、乳牛の嗜好性を高め、本システムを有効に機能させるためには、栄養価の高い飼料(濃厚飼料)のみを大量にしかも適切に給与することが必要である、ということになる。
しかしながら、このような濃厚飼料のみを大量に給与すると、ルーメン内のデンプン質の分解を不安定化し、ルーメン内pHの変動が大きくなってしまう。そうすると、乳牛はルーメンアシドーシスを発症し、消化器病や、蹄病等を発症してしまい、牛乳の生産性が低下してしまう。特にロボット搾乳システムにおいては、乳牛の自発的な歩行がシステム維持の前提となるので、歩行困難を引き起こす蹄病は致命的な病気となる。
他方、分娩前後の乳牛は、生理的に乾物摂取量(DMI)は減少し、胎児の成長に伴いエネルギー要求は増加してくるため、乳牛生体のエネルギーバランスは負に傾きやすくなる。したがって、ルーメンアシドーシスを過度におそれるあまり、濃厚飼料等の給与を抑えすぎると、今度はケトーシスを発症するおそれが高くなる。乳牛が特に分娩初期にケトーシスに陥った場合、乳量の低下、各種疾病の発症、受胎成績の低下、といった生産性の低下をもたらす。
ここで、ロボット搾乳システムは、先ず、乳牛が自発的に生育に必要な基礎飼料であるPMR(後述:基礎混合飼料)を牛舎内の飼槽から自由に摂食することを基本とし、乳牛の自発的訪問によって搾乳ロボット内に入室し、牛乳の取得、生産が行われる。この際、搾乳ロボット内での呼び餌として利用されるのが濃厚飼料である。このロボット搾乳飼育システムでは、搾乳と給飼(PMRと搾乳ロボットへの呼び餌としての濃厚飼料の給飼)が一体となっている。
このロボット搾乳・飼育システムは、乳牛の飼養のほか搾乳工程についても、そのほとんどを乳牛自身の行動に委ねるものであるため、換言すれば乳牛自身がいわば乳牛そのものの意志で実施してくれるため、ここに携わる人員の劇的な減少を可能とするものであり、省力化が達成され、非常に有益なシステムであるといえる。
しかしながら、上記したように、ほとんどすべての工程を乳牛自身に委ねるシステムであるため、乳牛の搾乳ロボット入室の誘因となり、かつ、負のエネルギーバランスに陥るのを防止し、かつアシドーシス、ケトーシスも予防しつつ、乳量やその質の維持向上をもたらすことができる飼育システムや飼料の開発が期待されていた。これらのバランスを維持することができる飼育システム・飼料等の開発は非常に難しいものであった。
特開2009-296990号公報
本発明は、特にロボット搾乳において、乳牛の搾乳ロボットへの入室の誘因となりつつ、特に負のエネルギーバランスに陥るのを防止し、アシドーシスやケトーシス等の病気を予防・治療しつつ、乳量の増加やその質の向上、泌乳持続性を可能とする、これらの効果を高度に両立させることを目的としてなされたものである。
併せて、乳牛自身の飼養のため、上記搾乳ロボット内での呼び餌としての濃厚飼料の外に、基礎飼料(PMR:後述基礎混合飼料)を併給して、搾乳と給飼を一体化させ、ロボット搾乳・飼育のトータルシステムを新たに構築する目的でなされたものである。
上記目的を達成するため、本発明者らは各方面から検討した結果、ロボット搾乳における給餌システムの重要性に着目した。そして、この給餌システムについて検討した結果、通常の飼育に必要な飼料のほか、搾乳ロボット内での呼び餌としての飼料を用いるのが好適であり、更に、前者については、基礎混合飼料(PMR:Partially Mixed Ration後述)を牛舎の餌槽から給与し、後者については、2種類の濃厚飼料を自動搾乳機内で自発的訪問の動機付けとして給与したところ、飼育と搾乳の両方がスムースに行われる、という知見を得た。
この知見に基づき、各飼料の構成成分について更なる研究を行った結果、ロボット搾乳において、乳牛にルーメン溶解性タンパク及びデンプン含有量をそれぞれ調整した上記2種類の飼料を給与するシステムを新たに構築することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。なお、重量%は乾物の重量%である。
(1)ロボット搾乳において、乳牛にルーメン溶解性タンパク質(SIP)を28~30重量%、デンプンを24~26重量%含有する飼料、及び、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6.0~8.0重量%含有する飼料を給与することを特徴とする、乳牛の搾乳及び飼育方法。
(2)ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を28~30重量%、デンプンを24~26重量%含有する飼料を牛1頭、1日当たり0~4.5kg給与し、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6.0~8.0重量%含有する飼料を牛1頭、1日当たり0~9kg給与することを特徴とする、(1)に記載の乳牛の搾乳及び飼育方法。(但し、すべての期において、両飼料とも給与しない態様は除く)
(3)乳牛の生育に必要な基礎飼料であるPMR(基礎混合飼料:後述)を別途給与することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の乳牛の搾乳及び飼育方法。
(4)トラフィックシステムとして、フィードファースト、ミルクファースト、フリーカウトラフィックの少なくともひとつが利用されるものであることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかひとつに記載の乳牛の搾乳及び飼育方法。
(5)(1)~(4)のいずれかひとつに記載の方法に用いることを特徴とする、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を28~30重量%、デンプンを24~26重量%含有する飼料、及び、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6~8重量%含有する飼料。
本発明によれば、ロボット搾乳において新規給餌システムを新たに導入することによって、特に負のエネルギーバランスに陥るのを防止しつつ、かつアシドーシスやケトーシスなどの発生を抑制して乳牛を健康に飼育し、乳量の生産量も大幅に高めることができる。しかも本発明によれば、乳牛の飼養管理が充分に行われ、しかもその大部分が乳牛自身によって行われるため、大幅な省力化が達成される。
図1は、PMR組成を示す。 図2は、新配合成分値を示す。 図3は、ロボット内給餌(分娩後日数)を示すグラフである。 図4は、ロボット内給餌(分娩後日数)を示す。 図5は、ロボット内給餌(乳量)を示すグラフである。 図6は、ロボット内給餌(乳量)を示す。 図7は、切り替えをした牧場の反応を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ロボット搾乳における給餌システムとして新規システムを導入することにより、乳牛の飼育と搾乳を同時に行う方法に関するものであり、しかもその際、アシドーシスやケトーシスを抑制して乳牛を健康に飼養し、乳量の生産性も高めるものである。本発明は、分娩後日数によって求められる栄養量が変わるが、分離給与のように給餌の手間がかからずかつTMR供与法では不可能な個体管理が可能となる。すなわち、手間もかからず且つ理想に近い形で飼養管理を行うことができる。
本発明の給餌システムは、PMR(基礎混合飼料:Partially Mixed Ration)とロボット内給餌用飼料とからなり、前者は粗飼料の全部と濃厚飼料の一部を配合したものであって、牛舎内の飼槽内に配置しておく飼料であり、主として乳牛の飼育に供されるものである。後者は濃厚飼料であって、ロボット(自動搾乳機)へ乳牛の自発的訪問を促進する呼び餌として自動搾乳機内に配置しておく飼料である。そして更に後者の飼料としては、2種類の配合(例えば低栄養である搾乳ロボット用(内)給与(餌)飼料A及び高栄養である搾乳ロボット用(内)給与(餌)飼料B)を混合使用する。
なお、本明細書においては、TMR(牛が生態維持や子供を産む、乳を生産することができる全ての栄養素を満たす飼料)から上記搾乳ロボット用飼料A及び同Bを除いたものをPMRという。
PMRは、粗飼料の全部と濃厚飼料の一部を配合してなるものである。その構成は次のとおりである。
PMRにおける粗飼料の配合としては、チモシーヘイ 3~4、アルファヘイ3~4、デントコーン 8~15、ビアレージ 1~3、ビート 0.5~3.5、濃厚飼料としては乳牛用配合飼料 6.5~8.5 (単位はいずれも乾物%)が例示される。TMRセンター(飼料配混合センター)から配送される飼料をそのまま利用してもよいし、必要あれば改変、修飾してもよい。
PMRにおける濃厚飼料の配合としては、乾物摂取量(DMI)15~23、粗蛋白質(CP)12~17、ルーメン内非分解性蛋白質(RUP)34~40、粗脂肪(EE)2~7、中性デタージェント繊維(NDF)38~44、炭水化物(NFC)34~38、デンプン15~20、粗飼料割合50~60(単位はいずれも%)が例示される。
PMRの給与量は、分娩後日数にもよるが、乳牛1頭当たり15~35kg/日、好ましくは17~30kg/日とするのが好適である。なお、濃厚飼料が牛にとって過肥となる場合には、PMRから濃厚飼料の割り当て量を減ずればよい。
ロボット内給餌(自動給餌機)で給与する濃厚飼料(配合飼料)は、搾乳ロボット用給与飼料A及び搾乳ロボット用給与飼料Bの2種類である。
先ず、搾乳ロボット内給餌飼料Aはベースとなるものであって、その配合としては、CP19~20、ルーメン内溶解性蛋白質(SIP)28~30、中性消化性繊維(NDF)30~35、炭水化物(NFC)40~43、デンプン24~25~26、粗脂肪(EE)3.5> (単位はいずれも%)が例示される。また、粗脂肪は、2.5~3.5%としてもよい。なお、SIPは、RDPの中の一部であり、ルーメン(での)溶解性タンパク質、ルーメン溶解性タンパク、ルーメン内溶解性蛋白質、溶解性蛋白質、等ということもある。
搾乳ロボット内給与飼料Aの配合としては、特に、ルーメン内溶解性蛋白質を28~30重量%、デンプンを24~26重量%配合した点に特徴を有する。
次に、搾乳ロボット用給与飼料Bはサプリメントとなるものであって、その配合としては、CP23~24、SIP24~27、NFC47~49、デンプン31~34、EE7.5~8.5 (単位はいずれも%)が例示される。
搾乳ロボット用給与飼料Bの配合としては、特に、ルーメン内溶解性蛋白質を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6~8重量%配合した点に特徴を有する。
濃厚飼料(配合飼料)は、搾乳ロボット用給与飼料Aと同飼料Bを合わせて、乳牛1頭当り約1.5~8kg/日給与するのが標準的であるが、分娩後の日数によって給与量は変動する。一般に泌乳初期においては、分娩後の日数が多い乳牛には給与量が多くなる。また、搾乳ロボット用給与飼料Aと同飼料Bの給与比率(混合比率)は、搾乳ロボット用給与飼料A4.5~1に対して、同飼料B0.5~6.5が一応の目安とし、必要に応じて変動させる。搾乳ロボット用給与飼料Aと同飼料Bは併給を原則とするが、分娩後14日頃までは搾乳ロボット用給与飼料Aのみを常用してもよい。
もちろん、以外の飼料を併給、別途給与することも構わない。
新配合コンセプトは、搾乳ロボット用給与飼料Aはベースとなるものであり、搾乳ロボット用給与飼料Bはサプリメントとなるものであって、次のような特徴を有し、それぞれ次のような効果(作用)を示す。
〈搾乳ロボット内給餌飼料A(ベース)〉
特徴1:高消化繊維からのエネルギー
高い泌乳持続性(中・後期)、アシドーシス回避(初期)
特徴2:低いデンプン含量
高い泌乳持続性(中・後期)、アシドーシス回避(初期)、過肥予防(中・後期)
特徴3:十分なCP、RDP(ルーメン分解性蛋白質)
高い泌乳持続性(中・後期)
特徴4:低い粗脂肪
過肥予防(中・後期)、肝臓への負担軽減(初期)
〈搾乳ロボット内給餌飼料B(サプリメント)〉
特徴1:十分なデンプン含量
高いピーク乳量、鮮明な発情兆候
特徴2:十分なバイパス油脂
高い生産性(乳量、乳脂率)、アシドーシス回避
特徴3:十分なRUP(ルーメン非分解性蛋白質)
体組織損耗の軽減、アシドーシス回避
特徴4:高性能なバッファ
アシドーシス回避
このシステムによれば、牛が自発的に飼槽、水槽から飼育に必要な養分と水を摂取し、濃厚飼料に誘われてあるいは搾乳マインドが働いて自発的に自動搾乳機に入室して搾乳される。牛乳の量は、分娩後7日(DIM7)~70日(DIM70)にかけて、約20kg~60kg/日となり、本発明によれば、これらがほぼすべて人手を借りることなく牛自身で行われ、しかも乳量が増大するという特徴が得られる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
飼槽及び水槽を備えたフリーカウトラック型の牛舎で乳牛100頭を、2台の搾乳ロボット(レリー社製、アストロノートA4)を用いて、飼育、搾乳管理した。
飼料給与は1日1回、TMRセンターから配送された飼料を給与し、1日12回自動餌寄せ機を稼働させた。基礎混合飼料(PMR)は泌乳量26kgの設定で設計した。その組成を図1に示す。なお、本明細書及び図面において、各略号はそれぞれ次のことを表わす。DMI(乾物摂取量)、ME(代謝エネルギー)、MP(代謝蛋白)、CP(粗蛋白質)、RUP(ルーメン非分解性蛋白質)、EE(粗脂肪)、NDF(中性デタージェント繊維)、F-NDF(粗飼料由来NDF)、PeNDF(物理的有効繊維)、NFC(非繊維性炭水化物)、Urea Cost(尿素価)、TDN(可消化養分総量)。単位:DMI、乳量はKg、他は%。
搾乳ロボット内で濃厚飼料を給与した。濃厚飼料は搾乳ロボット内での呼び餌として機能するものであって、非常に重要なものであり、本発明では1種類ではなく2種類(搾乳ロボット用給与飼料A及び同飼料B)を使用する点を特徴とし、その組成も特徴的である。濃厚飼料の新配合成分値を図2に示す。なお、本明細書及び図面において、各略号はそれぞれ次のことを表わす(単位は%)。DM(乾物量)、AF(原物中)、SIP(ルーメン溶解性蛋白質)、ADF(酸性デタージェント繊維)。
分娩7日後(DM7)~分娩70日後(DM70)のロボット内給餌を、搾乳ロボット用給与飼料B、同飼料A、PMRに分けて示す(図3、図4)。図中、グラフ右上の領域は飼料B、左下の領域は飼料Aを表す。これらから明らかなように、アシドーシスの発生は認められなかった。
ロボット内給餌と乳量との関係を図5、図6に示す。但し、グラフにおけるX軸、及び各表の最上段の数字はそれぞれ乳量を表わす。図中、グラフ右上の領域は飼料B、左下の領域は飼料Aを表す。
飼料Bを1.5kgに固定し、飼料Aを0.5~6.5kgに増量して併給したところ、乳量が増加し、30~60kgの乳量が得られた。
実施例1と同様なシステムで乳牛の飼養及び搾乳を行った。2017年11月30日まで市販のPMR(市販品)及び濃厚飼料(市販品)を給与し、乳量、搾乳回数、1回当乳量を測定し、12月1日以降は本発明の飼料に切り替え、同様な測定を行った。2月26日までの測定結果を図7に示す。これらの結果から明らかなように、平均乳量(kg)、搾乳回数、1回当乳量(kg)のいずれにおいても、従来の飼料に比して本発明の飼料の方がすぐれていることが証明された。特に泌乳ピークにあたる乳牛において搾乳回数変動が顕著であった。一回当乳量が同じでも搾乳回数が多くなっていることにより乳量が増大した。
以下、本発明を要約すれば次のとおりである。
すなわち、本発明は、ロボット搾乳において、乳牛自身によって搾乳と飼育が行われるトータルシステムを特に飼料面から開発することを目的とする。
そして、主に乳牛の飼育に関連する飼料として基礎混合飼料(PMR:Partially Mixed Ration)を牛舎内の飼槽から給与し、搾乳ロボット内での主に呼び餌として濃厚飼料を用いる。濃厚飼料としては、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)及びデンプン含量を調整した2種類の濃厚飼料を使用する。本発明によれば省力化が達成され、乳量も増大する。

Claims (5)

  1. ロボット搾乳において、乳牛にルーメン溶解性タンパク質(SIP)を28~30重量%、デンプンを24~26重量%含有する飼料、及び、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6.0~8.0重量%含有する飼料を給与することを特徴とする、乳牛の搾乳及び飼育方法。
  2. ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を28~30重量%、デンプンを24~26重量%含有する飼料を牛1頭、1日当たり0~4.5kg給与し、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6.0~8.0重量%含有する飼料を牛1頭、1日当たり0~9kg給与することを特徴とする、請求項1に記載の乳牛の搾乳及び飼育方法。
  3. 乳牛の生育に必要な基礎飼料であるPMR(基礎混合飼料)を別途給与することを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳牛の搾乳及び飼育方法。
  4. トラフィックシステムとして、フィードファースト、ミルクファースト、フリーカウトラフィックの少なくともひとつが利用されるものであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の乳牛の搾乳及び飼育方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の方法に用いることを特徴とする、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を28~30重量%、デンプンを24~26重量%含有する飼料、及び、ルーメン溶解性タンパク質(SIP)を24~27重量%、デンプンを31~34重量%、粗脂肪を6.0~8.0重量%含有する飼料。











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