JP2022170819A - 三相dcモータの駆動回路、それを用いた冷却装置および電子機器 - Google Patents

三相dcモータの駆動回路、それを用いた冷却装置および電子機器 Download PDF

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Hiroyuki Shimizu
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信介 佐野
Shinsuke Sano
裕司 三枝
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Abstract

【課題】短時間で動作を停止可能なモータの駆動回路を提供する。【解決手段】ブリッジ回路230は、ファンモータ102と接続される。コントロールロジック回路210は、停止指示に応答して、ブリッジ回路230において電流が流出するソース相の上アームをオフに固定し、その他の上アームおよび下アームの状態は維持する(φ11)。コントロールロジック回路210はその後、ブリッジ回路230のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する(φ12)。【選択図】図4

Description

本開示は、ファンモータ駆動技術に関する。
ラップトップコンピュータやデスクトップコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置、ゲーム機器などのエンタテイメント機器、プロジェクタや監視カメラ、電子レンジや冷蔵庫などの家電製品、自動車などに、温度コントロールのためのファンモータが搭載される。ファンモータは、CPU(Central Processing Unit)などの熱源に直接、風を吹き付けるために利用され、あるいは筐体の外部から内部へとフレッシュな空気を吸気し、あるいは暖まった空気を排気するために利用される。
消費電力削減の要請が強いいくつかの用途においては、ファンモータは、停止と回転が頻繁に切りかえられる。システム全体の消費電力の削減を考慮する場合、ファンモータの駆動回路は、上位のコントローラから停止指示を受けると、なるべく早く、動作を停止することが求められる。
特開平5-191992号公報
ここで駆動回路が、停止指示を受けたときに、直ちに、ファンモータと接続されるブリッジ回路のすべてのアームを即時オフしたとする。このときにファンモータにコイル電流が流れていると、このコイル電流が電源側に戻り、電源電圧が跳ね上がる。電源電圧の跳ね上がりは、ブリッジ回路や他の回路を構成する回路素子の信頼性に悪影響を及ぼしうる。また、電源電圧の跳ね上がりによって過電圧保護が誤動作する可能性もある。
なお、同様の問題はファンモータには限られず、さまざまな用途において生じうる。
本開示は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の目的のひとつは、短時間で動作を停止可能なモータの駆動回路の提供にある。
本開示のある態様は、三相DCモータの駆動回路に関する。駆動回路は、三相DCモータと接続されるブリッジ回路を制御するコントロールロジック回路を備える。コントロールロジック回路は、停止指示に応答して、ブリッジ回路において電流が流出するソース相の上アームをオフに固定し、その他の上アームおよび下アームの状態は維持し、その後、ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する。
本開示の別の態様もまた三相DCモータの駆動回路に関する。駆動回路は、三相DCモータと接続されるブリッジ回路を制御するコントロールロジック回路を備える。コントロールロジック回路は、停止指示に応答して、ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定し、その後、ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、本開示の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本開示のある態様によれば、モータの駆動回路を短時間で停止できる。
図1は、実施形態に係る駆動回路を備える冷却装置の回路図である。 図2は、180度通電における駆動回路の三相出力およびコイル電流を示す波形図である。 図3(a)、(b)は、ブリッジ回路の電流経路を示す図である。 図4(a)~(c)は、第1停止シーケンスを説明する回路図である。 図5は、120度通電制御における第1停止シーケンスを説明する波形図である。 図6は、150度通電制御における第1停止シーケンスを説明する波形図である。 図7(a)~(c)は、第2停止シーケンスを説明する回路図である。 図8は、120度通電制御における第2停止シーケンスを説明する波形図である。 図9は、150度通電制御における第2停止シーケンスを説明する波形図である。 図10(a)~(c)は、第3停止シーケンスを説明する回路図である。 図11は、180度通電制御の2相変調下方式の波形図である。 図12(a)~(c)は、第4停止シーケンスを説明する回路図である。 図13は、180度通電制御の2相変調上下方式の波形図である。 図14(a)~(c)は、第4停止シーケンスを説明する回路図である。 図15は、180度通電制御の2相変調上下方式の波形図である。 図16は、冷却装置を備えるコンピュータの斜視図である。
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。またこの概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、実施形態の欠くべからざる構成要素を限定するものではない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
一実施形態に係る三相DCモータの駆動回路は、三相DCモータと接続されるブリッジ回路を制御するコントロールロジック回路を備える。コントロールロジック回路は、停止指示に応答して、ブリッジ回路において電流が流出するソース相の上アームをオフに固定し、その他の上アームおよび下アームの状態は維持し、その後、ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する。
この構成によると、ブリッジ回路において電流が流出するソース相の上アームをオフに固定することで、複数の下アームとモータのコイルを含むループが形成される。そしてこのループにコイル電流を流すことで、コイル電流を短時間で減少させることができる。そして、コイル電流が十分に小さくなった後に、すべてのアームをオフすることで、電源電圧の跳ね上がりを防止できる。
一実施形態において、コントロールロジック回路は、広角通電制御で三相DCモータを制御可能であり、ブリッジ回路において、電流が流入するシンク相の切りかえを始点とする所定幅が第1禁止区間として定められもよい。コントロールロジック回路は、広角通電制御において、第1禁止区間中に停止指示を検出した場合、第1禁止区間の終了を待って、ブリッジ回路において電流が流出するソース相の上アームをオフに固定してもよい。第1禁止区間を避けることで、コイル電流が、上アームのボディダイオード(還流ダイオード)を経由して、電源ラインに流れ込むのを防止できる。
一実施形態において、コントロールロジック回路は、広角通電制御において、第1禁止区間中に停止指示を検出した場合、ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定し、その後、ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定してもよい。ブリッジ回路のシンク相の下アームをオフに固定することで、複数の上アームとモータのコイルを含むループが形成される。そしてこのループにコイル電流を流すことで、コイル電流を短時間で減少させることができる。そして、コイル電流が十分に小さくなった後に、すべてのアームをオフすることで、電源電圧の跳ね上がりを防止できる。この場合、第1禁止区間の終了を待つ必要がないという利点がある。本明細書において、「広角通電制御」は、通電角が120度以上、180度未満の制御をいい、120度矩形波制御のほか、135度通電制御や150度通電制御など任意の通電角の制御を含む。
一実施形態において、コントロールロジック回路は、180度通電制御の2相変調下方式で三相DCモータを制御可能であり、ソース相の数が2である期間が第1許可区間として定められてもよい。コントロールロジック回路は、2相変調下方式で動作中に、第1許可区間外で停止指示を検出した場合、次の第1許可区間まで待機して、2つのソース相の上アームおよび下アームをオフに固定してもよい。
第1許可区間は、非ロー電圧を出力している2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であってもよい。第1許可区間を、2つの相の出力電圧の交差するタイミングを中心として定めることにより、第1許可区間中に、ソース相の数が1となる可能性を低くできる。
一実施形態において、コントロールロジック回路は、180度通電制御の2相変調上下方式で三相DCモータを制御可能であり、ソース相の数が2である期間が第2許可区間として定められてもよい。コントロールロジック回路は、2相変調上下方式で動作中に、第2許可区間外で停止指示を検出した場合、次の第2許可区間まで待機して、ブリッジ回路の電流が流出する2つの相の上アームおよび下アームをオフに固定してもよい。
第2許可区間は、非ロー電圧を出力している2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であってもよい。第2許可区間を、2つの相の出力電圧の交差するタイミングを中心として定めることにより、第2許可区間中に、ソース相の数が1となる可能性を低くできる。
一実施形態に係る三相DCモータの駆動回路は、三相DCモータと接続されるブリッジ回路を制御するコントロールロジック回路を備える。コントロールロジック回路は、停止指示に応答して、ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定し、その後、ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する。
この構成では、ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定することで、複数の上アームとモータのコイルを含むループが形成される。そしてこのループにコイル電流を流すことで、コイル電流を短時間で減少させることができる。そして、コイル電流が十分に小さくなった後に、すべてのアームをオフすることで、電源電圧の跳ね上がりを防止できる。
一実施形態において、コントロールロジック回路は、広角通電制御で三相DCモータを制御可能であり、ブリッジ回路において電流が流出するソース相の上アームの切りかえを始点とする所定幅が第2禁止区間として定められてもよい。コントロールロジック回路は、広角通電制御において、第2禁止区間中に停止指示を検出した場合、第2禁止区間の終了を待って、シンク相の下アームをオフに固定してもよい。
第2禁止区間を避けることで、コイル電流が、下アームのボディダイオード(還流ダイオード)を経由して、電源ラインに流れ込むのを防止できる。
一実施形態において、コントロールロジック回路は、180度通電制御の2相変調上下方式で三相DCモータを制御可能であり、2つの相から電流が流入する期間が第3許可区間として定められ、コントロールロジック回路は、2相変調上下方式で動作中に、第3許可区間外で停止指示を検出した場合、次の第3許可区間まで待機して、ブリッジ回路において電流が流入する2つの相の上アームおよび下アームをオフに固定してもよい。
一実施形態において、第3許可区間は、非ハイ電圧を出力している2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であってもよい。第3許可区間を、2つの相の出力電圧の交差するタイミングを中心として定めることにより、非ロー電圧を出力している2つの相において、電流が流出している可能性を低くできる。
一実施形態において、駆動回路はブリッジ回路をさらに備えてもよい。
一実施形態において、駆動回路は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
(実施形態)
以下、好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施形態に係る駆動回路200を備える冷却装置100の回路図である。冷却装置100は、ファンモータ102および駆動回路200を備える。ファンモータ102は、三相ブラシレスDCモータであり、U相コイルL、V相コイルL、W相コイルLを含む。駆動回路200は、ファンモータ102のコイルL~Lに供給する駆動信号V~Vに応じてファンモータ102を駆動する。
駆動回路200は、コントロールロジック回路210、プリドライバ220、ブリッジ回路230、位置検出回路240を備え、ひとつの半導体基板に集積化された機能ICである。駆動回路200は、イネーブル端子ENを備え、イネーブル端子ENに供給される信号に応じて、動作、停止が切りかえられる。
ブリッジ回路230は、駆動対象の三相インバータであり、U相レグ、V相レグ、W相レグを有する。#相(#=U,V,W)のレグは、上アームQ#-Hおよび下アームQ#-Lを含む。上アームおよび下アームはそれぞれ、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT、バイポーラトランジスタなどのスイッチング素子と、スイッチング素子と並列に接続される還流ダイオード(フライホイルダイオードともいう)を含む。図1のように、スイッチング素子としてMOSFETを用いる場合、そのボディーダイオード(不図示)が還流ダイオードとなる。
ブリッジ回路230の電源ライン232は、電源端子(電源ピン)VCCと接続されており、外部から電源電圧が供給される。またブリッジ回路230の接地ライン234は、接地されている。電源ピンVCCには、逆接防止用のダイオードD1を介して、電源電圧VCCが供給されてもよい。
位置検出回路240は、ファンモータ102のロータの位置を検出する。たとえば位置検出回路240は、ファンモータ102のコイル端に生ずる逆起電力にもとづいて、ロータの位置を検出する逆起電力検出回路であってもよい。あるいは位置検出回路240は、ファンモータ102に取り付けられ、あるいは埋め込まれたホール素子の出力にもとづいてロータの位置を検出するホール検出回路であってもよい。位置検出回路240については公知術を用いればよく、その構成や種類は限定されない。位置検出回路240は、ロータの位置を示す位置検出信号POSを出力する。
コントロールロジック回路210は、位置検出回路240の出力POSに応じて、三相DCモータと接続されるブリッジ回路230を制御する。具体的には、イネーブル端子ENに入力されるイネーブル信号が、イネーブル状態を指示するとき、制御信号Sctrlを生成して、ファンモータ102を回転させる。制御信号Sctrlは、上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよび下アームQU-L,QV-L,QW-Lのオン、オフを示す6個の信号を含みうる。
図1には示さないが、コントロールロジック回路210は、外部からの回転数制御信号や、温度検出素子の出力信号に応じて、目標回転数を変化させてもよい。
コントロールロジック回路210の制御方式や回路構成は特に限定されず、公知技術を用いればよい。具体的には、コントロールロジック回路210は、通電角が120度以上、180度未満(たとえば120度、135度、150度など)の広角通電制御によりファンモータ102を制御してもよいし、180度通電制御(正弦波駆動ともいう)によりファンモータ102を制御してもよい。コントロールロジック回路210は、ファンモータ102の回転数が低い起動開始直後は、広角通電制御(たとえば120度通電制御)を行い、ファンモータ102の回転数が安定した後は、180度通電制御を行ってもよい。
プリドライバ220は、コントロールロジック回路210が生成する制御信号Sctrlにもとづいて、ブリッジ回路230の上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよび下アームQU-L,QV-L,QW-Lを駆動する。
本実施形態において、コントロールロジック回路210は、駆動回路200に対する停止指示に応答して、特徴的な停止シーケンスを実行する。停止指示は、典型的には、イネーブル端子ENに入力されるイネーブル信号のローへの遷移に対応付けることができるがその限りではなく、イネーブル端子ENとは別に、停止信号を入力する端子が存在してもよい。
駆動回路200の動作停止時において生じうる問題について説明する。
図2は、180度通電における駆動回路の三相出力およびコイル電流を示す波形図である。ハッチは、ハイ電圧(非ゼロ)を出力している状態を示す。ブリッジ回路230から、ある相のコイルに向かって電流が流出するとき(吐き出し、ソース)、そのコイル電流は正であり、反対に、ブリッジ回路230に対して、ある相のコイルから電流が流入するとき(吸い込み、シンク)、そのコイル電流は負である。
図3(a)、(b)は、ブリッジ回路230の電流経路を示す図である。図3(a)には、図2における時間区間Taにおけるブリッジ回路230のアームの状態および電流経路が示される。図3(a)の状態では、電源ラインから、U相およびW相の上アーム、モータのコイル、V相の下アームを経由して、接地ラインに電流が流れている。
図3(b)には、図3(a)の状態から、すべてのアームを同時にオフしたときの、電流経路が示される。この状態では、接地ラインから、U相およびW相のボディダイオード、モータのコイル、V相のボディダイオードを経由して、電源ライン232に電流が流れ込む。その結果、電源ライン232の電位が大きく跳ね上がってしまう。
以下、ブリッジ回路230の電源ライン232の跳ね上がりを抑制可能な停止シーケンスについて説明する。
(第1停止シーケンス)
コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、ブリッジ回路230の電流が流出するソース相の上アームをオフに固定し、その他の上アームおよび下アームの状態は維持する(第1状態φ11)。その後、コントロールロジック回路210は、ブリッジ回路230のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する(第2状態φ12)。
図4(a)~(c)は、第1停止シーケンスを説明する回路図である。図4(a)には、広角通電制御におけるブリッジ回路230の停止指示前の通常状態が示される。ここでは、U相上アームQU-Hと、V相下アームQV-Lがオンであり、U相コイルLに正のコイル電流が、V相コイルLに負のコイル電流が流れている。
図4(b)には、停止指示の検出後のブリッジ回路230の第1状態φ11が示される。停止指示が検出されたとき(図4(a))、ブリッジ回路230のU相出力から電流が流出しているから、U相がソース相となる。したがって、コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、ソース相であるU相の上アームQU-Hをオフに固定する。コントロールロジック回路210は、その他の上アームおよび下アームについては、直前の状態(図4(a))を維持するものとする。
図4(b)の第1状態φ11において、接地ライン234を始点として、U相の下アームのボディダイオードDU-L、U相コイルL、V相コイルLおよびV相の下アームQV-Lを経て接地ライン234に戻る含むループが形成される。このループにコイル電流が流れることにより、コイル電流は短時間で減少する。典型的にはコイル電流は、電気角で30度~60度程度、長くても90度に相当する時間スケールで、実質的にゼロまで低下する。
ブリッジ回路230は、図4(b)の第1状態φ11において、コイル電流が十分に小さくなると、図4(c)に示す第2状態φ12に切りかえられる。第2状態φ12では、すべての上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよびすべての下アームQU-L,QV-L,QW-Lがオフに固定される。コイル電流が十分に小さいとは、仮にそのコイル電流が、電源ライン232に流れ込んだとしても、電源ラインの電圧の上昇が問題とならない程度に小さいことをいう。
コントロールロジック回路210は、第1状態φ11に移行してから所定時間の経過後に、第2状態φ12に遷移してもよい。あるいは、コントロールロジック回路210は、第1状態φ11に移行してから、所定の電気角に相当する時間の経過後に、第2状態φ12に遷移してもよい。
あるいは、電気角0°,30°,60°,90°…,300°,330°,360°のように、所定電気角幅(30°)刻みのタイミングで状態遷移を許可することとしてもよい。第1状態φ11の最低持続期間をたとえば電気角30°で規定したとする。この場合、20°のタイミングで停止指示を受けた場合は、直ちに第1状態に遷移し、30°経過後の50度ではなく、その次の遷移許可タイミングである60°において、第2状態φ12に遷移してもよい。
あるいは、20°のタイミングで停止指示を受けた場合に、その次の遷移許可タイミングである30°に第1状態φ11に遷移し、30°経過後の60°の遷移許可タイミングにおいて、第2状態φ12に遷移してもよい。
あるいは、駆動回路200にコイル電流の検出回路が設けられる場合、検出した電流量がゼロ近傍のしきい値まで低下すると、第2状態φ12に遷移してもよい。
図5は、120度通電制御における第1停止シーケンスを説明する波形図である。電流が流入するシンク相の切りかえを始点とする所定幅を、破線で囲んでいる。
図6は、150度通電制御における第1停止シーケンスを説明する波形図である。図5と同様に、電流が流入するシンク相の切りかえを始点とする所定幅を、破線で囲んでいる。
図5や図6において、破線で囲んだ区間中に、第1停止シーケンスに従って上アームをオフすると、電源ラインに向かってコイル電流が流れ込んでしまう。そこで、第1停止シーケンスでは、破線で囲む範囲を、第1禁止区間Taとして定める。
コントロールロジック回路210は、120度通電制御、150度通電制御などの広角通電制御において、第1禁止区間Ta中に停止指示を検出した場合、第1禁止区間Taの終了を待って、第1状態φ11に遷移し、ブリッジ回路230の電流が流出するソース相の上アームをオフに固定する。第1禁止区間Taを設けることで、電源ラインにコイル電流が流れ込むのを防止できる。
以上が、第1停止シーケンスである。この停止シーケンスによれば、第1状態φ11においてコイル電流を短時間で減少させることができ、コイル電流が減少した後に、第2状態φ12に遷移することで、電源ラインへの電流の流れ込みを防止できる。第2状態φ12となった後は、駆動回路200全体がディセーブル状態となり、消費電力を大幅に削減することができる。
この停止シーケンスを、ブレーキと混同してはならない。ブレーキは、ロータの回転を止めることに主眼が置かれた制御であり、コイル電流は、コイルに流れ続けることとなる。これに対して、本実施形態における停止シーケンスは、コイル電流を減少させることに主眼が置かれた制御であり、コイル電流が減少していれば、第2状態φ12において、ロータは空転し続けていてもよい。ブレーキと停止シーケンスは、停止指示を受けた直後に、動作開始指示を受けた状況において、大きな違いが生ずる。
駆動回路200は、動作開始指示(イネーブル端子のイネーブル)を受けると、所定の起動シーケンスにしたがって、ファンモータ102の回転を開始する。一般的には、起動シーケンスでは、はじめにファンモータ102が空転しているかどうかがモニターされるが、このときにブリッジ回路230のアームはすべてオフとされる。
ブレーキで停止する場合、動作開始指示を受けたときに、コイル電流が残留している可能性がある。このときに、空転検出のためにブリッジ回路230の全アームをオフすると、残留している電流が電源ラインに流れ込んで、電圧の跳ね上がりを誘起するおそれがある。
これに対して、停止シーケンスを行った場合、すべてのアームはオフとなっているから、空転検出のためにブリッジ回路230の状態を遷移させる必要はない。またコイル電流が非常に小さくなっているから、電源ラインの電圧の跳ね上がりの心配もない。
(第2停止シーケンス)
コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、ブリッジ回路230の電流が流入するシンク相(シンク相という)の下アームをオフに固定し、その他の上アームおよび下アームの状態は維持する(第1状態φ21)。その後、コントロールロジック回路210は、ブリッジ回路230のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定する(第2状態φ22)。
図7(a)~(c)は、第2停止シーケンスを説明する回路図である。図7(a)には、広角通電制御におけるブリッジ回路230の停止指示前の通常状態が示される。ここでは、U相上アームQU-Hと、V相下アームQV-Lがオンであり、U相コイルLに正のコイル電流が、V相コイルLに負のコイル電流が流れている。
図7(b)には、停止指示の検出後のブリッジ回路230の第1状態φ21が示される。停止指示が検出されたとき(図7(a))、ブリッジ回路230には、V相出力から電流が流入しているから、V相がシンク相となる。したがって、コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、シンク相であるV相の下アームQV-Lをオフに固定する。コントロールロジック回路210は、その他の上アームおよび下アームについては、直前の状態(図7(a))を維持するものとする。
図7(b)の第1状態φ21において、電源ライン232を始点として、U相の上アーム、U相コイルL、V相コイルLおよびV相の上アームQV-HのボディダイオードDV-Hを経て電源ライン232に戻る含むループが形成される。このループにコイル電流が流れることにより、コイル電流は短時間で減少する。典型的にはコイル電流は、電気角で30度~60度程度、長くても90度に相当する時間スケールで、実質的にゼロまで低下する。
ブリッジ回路230は、図7(b)の第1状態φ21において、コイル電流が十分に小さくなると、図7(c)に示す第2状態φ22に切りかえられる。第2状態φ22では、すべての上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよびすべての下アームQU-L,QV-L,QW-Lがオフに固定される。
第2停止シーケンスにおいて、第1状態φ21から第2状態φ22への切りかえ方法は、第1停止シーケンスで説明したのと同様である。
図8は、120度通電制御における第2停止シーケンスを説明する波形図である。電流が流出するソース相の切りかえを始点とする所定幅を、破線で囲んでいる。
図9は、150度通電制御における第2停止シーケンスを説明する波形図である。電流が流出するソース相の切りかえを始点とする所定幅を、破線で囲んでいる。
図8あるいは図9において破線で囲んだ区間中に、第2停止シーケンスに従って下アームをオフすると、電源ラインに向かってコイル電流が流れ込んでしまう。そこで、第2停止シーケンスでは、破線で囲む範囲を、第2禁止区間Tbとして定める。
コントロールロジック回路210は、120度通電制御または150度通電制御などの広角通電制御において、第2禁止区間Tb中に停止指示を検出した場合、第2禁止区間Tbの終了を待って、第1状態φ21に遷移し、ブリッジ回路230の電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定する。第2禁止区間Tbを設けることで、電源ラインにコイル電流が流れ込むのを防止できる。
(第1停止シーケンスと第2停止シーケンスの組み合わせ)
第2停止シーケンスと第1停止シーケンスは、組み合わせて使用することができる。たとえば、第1停止シーケンスをメインとして、第2停止シーケンスをサブとすることができる。この場合、第1禁止区間Ta外に停止指示が検出された場合には、第1停止シーケンスを実行し、第1禁止区間Ta内に停止指示が検出された場合、第2停止シーケンスを実行してもよい。
反対に、第2停止シーケンスをメインとして、第1停止シーケンスをサブとしてもよい。この場合、第2禁止区間Tb外に停止指示が検出された場合には、第2停止シーケンスを実行し、第2禁止区間Tb内に停止指示が検出された場合、第1停止シーケンスを実行してもよい。
2つの停止シーケンスを組み合わせることで、禁止区間の終了を待機せずに、第1状態φ11もしくは第1状態φ21に遷移することが可能となる。
(第3停止シーケンス)
コントロールロジック回路210は、180度通電制御の2相変調下方式で三相DCモータを制御可能である。第3停止シーケンスでは、第1停止シーケンスと同様に、ソース相の状態を先行して切りかえる。
図10(a)~(c)は、第3停止シーケンスを説明する回路図である。図10(a)には、180度通電制御(正弦波駆動)で動作中のブリッジ回路230の停止指示前の通常状態が示される。2相変調下方式では、ブリッジ回路230の三相出力のうち1相がロー電圧(0V)を、残りの2相が非ロー電圧を出力している。非ロー電圧を出力している相の上アームと下アームは、図11に示す等価出力電圧が得られるようにPWM制御され、相補的にスイッチングしている。
図10(a)では、V相がロー電圧を出力し、U相およびW相がPWM制御により非ロー電圧を出力している。またU相コイルLおよびW相コイルLに正のコイル電流が、V相コイルLに負のコイル電流が流れている。
図10(b)には、停止指示の検出後のブリッジ回路230の第1状態φ31が示される。停止指示が検出されたとき(図10(a))、ブリッジ回路230のU相出力およびW相出力から電流が流出しているから、U相およびW相がソース相となり、ソース相の数は2である。コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、ソース相であるU相、W相の上アームQU-H、QW-Hをオフし、また下アームQU-L、QW-Lもオフに固定する。つまり、U相とW相の出力はハイインピーダンスとなる。コントロールロジック回路210は、残りの一相であるV相については、直前(図10(a))の出力状態、すなわちロー出力(上アームQV-Hがオフ、下アームQV-Lがオン)を維持するものとする。
図10(b)の第1状態φ31において、接地ライン234を始点として、下アームのトランジスタもしくは下アーム側のボディダイオードを経由して下側のループが形成される。このループにコイル電流が流れることにより、コイル電流は短時間で減少する。
ブリッジ回路230は、図10(b)の第1状態φ31において、コイル電流が十分に小さくなると、図10(c)に示す第2状態φ32に切りかえられる。第2状態φ32では、すべての上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよびすべての下アームQU-L,QV-L,QW-Lがオフに固定される。
第3停止シーケンスにおいて、第1状態φ31から第2状態φ32への遷移の方法は、第1停止シーケンスで説明したのと同様である。
図11は、180度通電制御の2相変調下方式の波形図である。図11には上から順に、コイル電流、等価出力電圧、各相の上アーム、下アームの状態、停止指示(EN\)ブリッジ回路の状態が示される。破線で囲んでいるのは、2つの相から電流が流出する期間、つまりソース相の数が2である期間である。それ以外の期間は、ソース相の数は1となる。
第3停止シーケンスにおいて、ソース相の数が1である区間(破線外)において、ブリッジ回路230を、第1状態φ31に切りかえると、ループが形成されずに、電源ラインに電流が流れ込むこととなる。そこで第3停止シーケンスでは、破線で囲む領域内に、第1許可区間Tcが定められる。第1許可区間Tcを、破線と一致するように規定すると、少しタイミングが前後にずれただけで、第1許可区間Tcにおいて、ソース相の数が1となってしまう。そこで第1許可区間Tcは、破線と完全に一致していてもよいが、それより狭く定めることが望ましい。
たとえば、第1許可区間Tcは、非ロー電圧を出力している2つの相の出力電圧が交差するタイミング(この例では、電気角60°,180°,300°)を含む所定幅であってもよく、この所定幅は、60°よりも狭く定められる。第1許可区間Tcを、2つの相の出力電圧の交差するタイミングを中心として定めることにより、第1許可区間Tc中に、ソース相の数が1となる可能性を低くできる。
上の説明では、2相の出力電圧にもとづいて、ソース相の数が2である区間を間接的に検出しているが、その限りでない。3相のコイル電流を監視し、ソース相の数が2である区間を直接的に検出してもよい。3相の電流を個別に検出してもよいし、三相電流の合計はゼロであることを利用して、2相の電流のみ検出し、残りの1相の電流は計算で求めてもよい。
図11に示すように、コントロールロジック回路210は、2相変調上下方式で動作中の時刻tに、第1許可区間Tc外で停止指示を検出した場合、次の第1許可区間Tcに含まれる時刻tまで待機して、非ロー電圧を出力している2つのソース相の上アームおよび下アームをオフに固定してもよい。
(第4停止シーケンス)
コントロールロジック回路210は、180度通電制御の2相変調上下方式で三相DCモータを制御可能である。2相変調上下方式では、ブリッジ回路230の三相出力のうち1相がロー電圧(0V)を、残りの2相が非ロー電圧を出力しているか、または、三相出力のうち1相がハイ電圧(VCC)を、残りの2相が非ハイ電圧を出力しているか、いずれかである。第4停止シーケンスでは、第3停止シーケンスと同様に、1相がロー電圧を出力している期間において、2つのソース相の状態を先行して切りかえる。
図12(a)~(c)は、第4停止シーケンスを説明する回路図である。図12(a)には、180度通電制御(正弦波駆動)で動作中のブリッジ回路230の停止指示前の通常状態が示される。
図12(a)では、V相がロー電圧を出力している。非ロー電圧を出力するU相およびW相では、上アームと下アームは、図13に示す等価出力電圧が得られるようにPWM制御され、相補的にスイッチングしている。またU相コイルLおよびW相コイルLに正のコイル電流が、V相コイルLに負のコイル電流が流れている。
図12(b)には、停止指示の検出後のブリッジ回路230の第1状態φ41が示される。停止指示が検出されたとき(図12(a))、ブリッジ回路230のU相出力およびW相出力から電流が流出しているから、U相およびW相がソース相となり、ソース相の数は2である。コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、ソース相であるU相、W相の上アームQU-H、QW-Hをオフし、また下アームQU-L、QW-Lもオフに固定する。つまり、U相とW相の出力はハイインピーダンスとなる。コントロールロジック回路210は、残りの一相であるV相については、直前(図12(a))の出力状態、すなわちロー出力(上アームQV-Hがオフ、下アームQV-Lがオン)を維持するものとする。
図12(b)の第1状態φ41において、接地ライン234を始点として、下アームのトランジスタもしくは下アーム側のボディダイオードを経由して下側のループが形成される。このループにコイル電流が流れることにより、コイル電流は短時間で減少する。
ブリッジ回路230は、図12(b)の第1状態φ41において、コイル電流が十分に小さくなると、図12(c)に示す第2状態φ42に切りかえられる。第2状態φ42では、すべての上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよびすべての下アームQU-L,QV-L,QW-Lがオフに固定される。
第4停止シーケンスにおいて、第1状態φ31から第2状態φ32への遷移の方法は、第1停止シーケンスで説明したのと同様である。
図13は、180度通電制御の2相変調上下方式の波形図である。破線で囲んでいるのは、2つの相から電流が流出する期間、つまりソース相の数が2である期間である。それ以外の期間は、ソース相の数は1となる。
第4停止シーケンスにおいて、ソース相の数が1である区間(破線外)において、ブリッジ回路230を、第1状態φ41に切りかえると、ループが形成されずに、電源ラインに電流が流れ込むこととなる。そこで第4停止シーケンスでは、破線で囲む領域内に、第2許可区間Tdが定められる。第2許可区間Tdを、破線と一致するように規定すると、少しタイミングが前後にずれただけで、第2許可区間Tdにおいて、ソース相の数が1となってしまう。そこで第2許可区間Tdは、破線と完全に一致していてもよいが、それより狭く定めることが望ましい。
たとえば、第2許可区間Tdは、非ロー電圧を出力している2つの相の出力電圧が交差するタイミング(この例では、電気角30°,150°,270°)を含む所定幅であってもよく、この所定幅は、60°よりも狭く定められる。第2許可区間Tdを、2つの相の出力電圧の交差するタイミングを中心として定めることにより、第2許可区間Td中に、ソース相の数が1となる可能性を低くできる。
コントロールロジック回路210は、2相変調上下方式で動作中に、第2許可区間Td外で停止指示を検出した場合、次の第2許可区間Tdまで待機して、ブリッジ回路230の2つのソース相の上アームおよび下アームをオフに固定する。
(第5停止シーケンス)
第4停止シーケンスと同様に、コントロールロジック回路210は、180度通電制御の2相変調上下方式で三相DCモータを制御可能である。第5停止シーケンスでは、第4停止シーケンスとは反対に、1相がハイ電圧を出力している期間において、2つのシンク相の状態を先行して切りかえる。
図14(a)~(c)は、第4停止シーケンスを説明する回路図である。図14(a)には、180度通電制御(正弦波駆動)で動作中のブリッジ回路230の停止指示前の通常状態が示される。
図14(a)では、U相がハイ電圧を出力している。非ハイ電圧を出力するV相およびW相では、上アームと下アームは、図15に示す等価出力電圧が得られるようにPWM制御され、相補的にスイッチングしている。またU相コイルLに正のコイル電流が、V相コイルLおよびW相コイルLに負のコイル電流が流れている。
図14(b)には、停止指示の検出後のブリッジ回路230の第1状態φ51が示される。停止指示が検出されたとき(図14(a))、ブリッジ回路230のV相出力およびW相出力から電流が流入しているから、V相およびW相がシンク相となり、シンク相の数は2である。コントロールロジック回路210は、停止指示を検出すると、シンク相であるV相、W相の上アームQV-H、QW-Hをオフし、また下アームQV-L、QW-Lもオフに固定する。つまり、V相とW相の出力はハイインピーダンスとなる。コントロールロジック回路210は、残りの一相であるU相については、直前(図14(a))の出力状態、すなわちハイ出力(上アームQU-Hがオン、下アームQU-Lがオフ)を維持するものとする。
図14(b)の第1状態φ51において、電源ライン232を始点として、上アームのトランジスタもしくは上アーム側のボディダイオードを経由するループが形成される。このループにコイル電流が流れることにより、コイル電流は短時間で減少する。
ブリッジ回路230は、図14(b)の第1状態φ51において、コイル電流が十分に小さくなると、図14(c)に示す第2状態φ52に切りかえられる。第2状態φ52では、すべての上アームQU-H,QV-H,QW-Hおよびすべての下アームQU-L,QV-L,QW-Lがオフに固定される。
第5停止シーケンスにおいて、第2状態φ51から第2状態φ52への遷移の方法は、第1停止シーケンスで説明したのと同様である。
図15は、180度通電制御の2相変調上下方式の波形図である。破線で囲んでいるのは、2つの相から電流が流入する期間、つまりシンク相の数が2である期間である。それ以外の期間は、シンク相の数は1となる。
第5停止シーケンスにおいて、シンク相の数が1である区間(破線外)において、ブリッジ回路230を、第1状態φ51に切りかえると、ループが形成されずに、電源ラインに電流が流れ込むこととなる。そこで第5停止シーケンスでは、破線で囲む領域内に、第3許可区間Teが定められる。第3許可区間Teを、破線と一致するように規定すると、少しタイミングが前後にずれただけで、第3許可区間Teにおいて、シンク相の数が1となってしまう。そこで第3許可区間Teは、破線と完全に一致していてもよいが、それより狭く定めることが望ましい。
たとえば、第3許可区間Teは、非ハイ電圧を出力している2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であってもよく、この所定幅は、60°よりも狭く定められる。第3許可区間Teを、2つの相の出力電圧の交差するタイミング(この例では、電気角90°,210°,330°)を中心として定めることにより、第3許可区間Te中に、シンク相の数が1となる可能性を低くできる。
コントロールロジック回路210は、2相変調上下方式で動作中に、第3許可区間Te外で停止指示を検出した場合、次の第3許可区間Teまで待機して、ブリッジ回路230の2つのシンク相の上アームおよび下アームをオフに固定する。
(第4停止シーケンスと第5停止シーケンスの組み合わせ)
第4停止シーケンスと第5停止シーケンスは、組み合わせて使用することができ、第2許可区間Td中に、停止指示を検出した場合、第4停止シーケンスを実行し、第3許可区間Te中に、停止指示を検出した場合、第5停止シーケンスを実行してもよい。
(変形例)
以上、実施の形態について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
実施形態では、コントロールロジック回路210、プリドライバ220、ブリッジ回路230が一つの半導体チップに集積化されたが、その限りでない。たとえばブリッジ回路230は、ディスクリート素子で構成してもよい。またコントロールロジック回路210のみが、独立したIC(Integrated Circuit)であってもよい。
(用途)
最後に、駆動回路200の用途を説明する。図16は、冷却装置100を備えるコンピュータの斜視図である。冷却装置100は、ファンモータ102と、図1の駆動回路200とを備える。コンピュータ500は、筐体502、CPU504、マザーボード506、ヒートシンク508、および複数の冷却装置100_1,100_2を備える。
CPU504は、マザーボード506上にマウントされる。ヒートシンク508は、CPU504の上面に密着されている。冷却装置100_1は、ヒートシンク508と対向して設けられ、ヒートシンク508に空気を吹き付ける。冷却装置100_2は、筐体502の背面に設置され、筐体502の外部の空気を内部に吸気し、あるいは内部の空気を外部に排気する。
実施形態に係る冷却装置100は、ファンモータ102を短時間で起動することが可能であるため、冷却対象を速やかに冷却することが可能となる。
冷却装置110は、図16のコンピュータ500の他、ワークステーション、ノート型コンピュータ,テレビ、冷蔵庫、などの様々な電子機器に搭載可能である。
また本実施の形態に係る駆動回路200の用途は、ファンモータの駆動に限定されるものではなく、その他の各種モータの駆動に用いることができる。
具体的な用語を用いて説明される実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
100 冷却装置
102 ファンモータ
200 駆動回路
210 コントロールロジック回路
220 プリドライバ
230 ブリッジ回路
240 位置検出回路

Claims (16)

  1. 三相DCモータの駆動回路であって、
    前記三相DCモータと接続されるブリッジ回路を制御するコントロールロジック回路を備え、
    前記コントロールロジック回路は、
    停止指示に応答して、前記ブリッジ回路において電流が流出するソース相の上アームをオフに固定し、その他の上アームおよび下アームの状態は維持し、その後、前記ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定することを特徴とする駆動回路。
  2. 前記コントロールロジック回路は、広角通電制御により前記三相DCモータを制御可能であり、
    前記ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の切りかえを始点とする所定幅が第1禁止区間として定められ、
    前記コントロールロジック回路は、前記広角通電制御において、前記第1禁止区間中に前記停止指示を検出した場合、前記第1禁止区間の終了を待って、前記ソース相の前記上アームをオフに固定することを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  3. 前記コントロールロジック回路は、広角通電制御で前記三相DCモータを制御可能であり、
    前記ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の切りかえを始点とする所定幅が第1禁止区間として定められ、
    前記コントロールロジック回路は、前記広角通電制御において、前記第1禁止区間中に前記停止指示を検出した場合、前記ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定し、その後、前記ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定することを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
  4. 前記コントロールロジック回路は、180度通電制御の2相変調下方式で前記三相DCモータを制御可能であり、
    ソース相の数が2である期間が第1許可区間として定められ、
    前記コントロールロジック回路は、前記2相変調下方式で動作中に、前記第1許可区間外で前記停止指示を検出した場合、次の前記第1許可区間まで待機して、2つのソース相の上アームおよび下アームをオフに固定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動回路。
  5. 前記第1許可区間は、非ロー電圧を出力している前記2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であることを特徴とする請求項4に記載の駆動回路。
  6. 前記コントロールロジック回路は、180度通電制御の2相変調上下方式で前記三相DCモータを制御可能であり、
    ソース相の数が2である期間が第2許可区間として定められ、
    前記コントロールロジック回路は、前記2相変調上下方式で動作中に、前記第2許可区間外で前記停止指示を検出した場合、次の前記第2許可区間まで待機して、2つのソース相の上アームおよび下アームをオフに固定することを特徴とする請求項4または5に記載の駆動回路。
  7. 前記第2許可区間は、非ロー電圧を出力している前記2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であることを特徴とする請求項6に記載の駆動回路。
  8. 三相DCモータの駆動回路であって、
    前記三相DCモータと接続されるブリッジ回路を制御するコントロールロジック回路を備え、
    前記コントロールロジック回路は、
    停止指示に応答して、前記ブリッジ回路において電流が流入するシンク相の下アームをオフに固定し、その後、前記ブリッジ回路のすべての相の上アームおよび下アームをオフに固定することを特徴とする駆動回路。
  9. 前記コントロールロジック回路は、広角通電制御で前記三相DCモータを制御可能であり、
    電流が流出するソース相の上アームの切りかえを始点とする所定幅が第2禁止区間として定められ、
    前記コントロールロジック回路は、前記広角通電制御において、前記第2禁止区間中に前記停止指示を検出した場合、前記第2禁止区間の終了を待って、前記シンク相の前記下アームをオフに固定することを特徴とする請求項8に記載の駆動回路。
  10. 前記コントロールロジック回路は、180度通電制御の2相変調上下方式で前記三相DCモータを制御可能であり、
    シンク相の数が2である期間が第3許可区間として定められ、
    前記コントロールロジック回路は、前記2相変調上下方式で動作中に、前記第3許可区間外で前記停止指示を検出した場合、次の前記第3許可区間まで待機して、2つのソース相の前記下アームをオフに固定することを特徴とする請求項8または9に記載の駆動回路。
  11. 前記第3許可区間は、非ハイ電圧を出力している前記2つの相の出力電圧が交差するタイミングを含む所定幅であることを特徴とする請求項10に記載の駆動回路。
  12. 前記ブリッジ回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の駆動回路。
  13. ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の駆動回路。
  14. 前記三相DCモータはファンモータであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の駆動回路。
  15. ファンモータと、
    前記ファンモータを駆動する請求項1から14のいずれかに記載の駆動回路と、
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  16. プロセッサと、
    前記プロセッサを冷却するファンモータと、
    前記ファンモータを駆動する請求項1から14のいずれかに記載の駆動回路と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
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