JP2022164260A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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紘明 河野
Hiroaki Kono
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Yukihisa Ijuin
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Yoshitake Kato
芳生 林
Yoshio Hayashi
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Abstract

【課題】冷媒を冷熱源として冷却される熱媒体を介して、発熱体を冷却可能な冷凍サイクル装置に関し、圧縮機の吹き上がりを抑制できる冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル10と、熱媒体回路20と、第1熱媒体温度センサ54aと、制御装置50と、を有している。冷凍サイクル10は、圧縮機11と、熱媒体冷媒熱交換器12と、第1膨張弁14aと、冷却用蒸発器15と、を有する。熱媒体回路20は、冷却用蒸発器15にて冷却された熱媒体が、発熱体と熱交換するように循環するように構成されている。制御装置50は、圧縮機制御部50aと、目標温度設定部50dを有する。圧縮機制御部50aは、熱媒体温度Twと、目標温度Toとの差によって圧縮機11の回転数を制御する。目標温度設定部50dは、熱媒体温度Twが初期温度Tsから最終目標温度Tofに徐々に近づくように、目標温度Toを変更する。【選択図】図3

Description

本開示は、冷媒を冷熱源として冷却される熱媒体を介して、発熱体を冷却することができる冷凍サイクル装置に関する。
従来、冷媒を冷熱源として冷却される熱媒体を介して、発熱体を冷却する冷凍サイクル装置に関する技術として、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載された車両用冷凍サイクル装置は、空調用冷凍サイクルを用いて、発熱体としての車両走行用機器に繋がった水回路の水を冷却するように構成されており、水回路の水の温度によって圧縮機の回転数を制御している。
特開2019-209938号公報
ここで、特許文献1のように圧縮機の回転数を制御する構成において、水のように熱容量の大きな熱媒体を冷却しようとすると、冷却開始時には温度が下がりにくく、或る時点を過ぎると、急激に温度が低下するという現象が起きる。この現象を踏まえると、冷却開始時には、水の温度の下がりが遅い為、圧縮機の回転数が上昇する。そして、或る時点を超えると、水の温度が急激に低下し、水の冷え具合に対して、圧縮機の回転数が一時的に過剰になる状態(圧縮機の吹き上がり)が生じると考えられる。
圧縮機の吹き上がりが生じると、冷媒圧力の上昇により圧縮機の耐久性に影響を及ぼすことが考えられる。又、圧縮機の吹き上がりに際して、水の温度が急激に低下することになる為、冷却対象物(発熱体)の冷却が過剰になることが考えられる。これらの事象は、冷却対象物の冷却頻度が高くなったり、冷却対象物の発熱量が大きくなったりすることによって、より顕著になることが想定される。
本開示は、上記点に鑑み、冷媒を冷熱源として冷却される熱媒体を介して、発熱体を冷却可能な冷凍サイクル装置に関し、圧縮機の吹き上がりを抑制できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル(10)と、熱媒体回路(20)と、温度検出部(54a)と、制御部(50)と、を有している。冷凍サイクルは、圧縮機(11)と、凝縮器(12)と、減圧部(14a)と、冷却用蒸発器(15)と、を有する。圧縮機は冷媒を吸入して吐出する。凝縮器は圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる。減圧部は凝縮器から流出した冷媒を減圧させる。冷却用蒸発器は減圧部で減圧された冷媒を、発熱体(B)を冷却する為の熱媒体と熱交換させて蒸発させる。
熱媒体回路は、冷却用蒸発器にて冷媒を冷熱源として冷却された熱媒体が、発熱体と熱交換するように循環するように構成されている。温度検出部は、熱媒体回路を循環する熱媒体の温度である熱媒体温度(Tw)を検出する。制御部は、圧縮機の回転数を制御する。
制御部は、圧縮機制御部(50a)と、目標温度設定部(50d)と、を有する。圧縮機制御部は、温度検出部により検出された熱媒体温度と、目標温度(To)との差によって圧縮機の回転数を制御する。目標温度設定部は、熱媒体温度が初期温度(Ts)から最終目標温度(Tof)に時間経過に伴って徐々に近づくように、目標温度を変更する。初期温度は発熱体の冷却開始時点における熱媒体温度である。最終目標温度は発熱体の発熱量又は温度により定められる。
冷凍サイクル装置は、熱媒体温度と目標温度との差によって圧縮機の回転数を制御している状態において、熱媒体温度が初期温度から最終目標温度に時間経過に伴って徐々に近づくように、目標温度を変更する。冷凍サイクル装置によれば、熱容量の大きな熱媒体を介して発熱体を冷却する場合でも、熱媒体温度と最終目標温度との差に応じて圧縮機を制御する場合に比べ、熱媒体の温度変化と圧縮機の回転数とのバランスをとることができ、圧縮機の吹き上がりを抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
一実施形態に係る車両用空調装置の構成図である。 一実施形態に係る車両用空調装置における室内空調ユニットの構成図である。 一実施形態に係る車両用空調装置の制御系を示すブロック図である。 一実施形態における圧縮機の徐変制御の内容を示す説明図である。 圧縮機の徐変制御の内容に関する変形例(1)を示す説明図である。 圧縮機の徐変制御の内容に関する変形例(2)を示す説明図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための形態について、図面を参照して説明する。一実施形態においては、本開示に係る冷凍サイクル装置1を、車両走行用の駆動力を走行用電動モータから得る電気自動車に搭載された車両用空調装置100に適用している。車両用空調装置100は、空調対象空間としての電気自動車の車室内に対する空調を行うと共に、電気自動車に搭載されている発熱体としての電池Bや車載機器Eの温度調整を実行可能に構成されている。
図1に示すように、車両用空調装置100は、冷凍サイクル装置1を有して構成されており、冷凍サイクル10、熱媒体回路20、加熱部30、室内空調ユニット40、制御装置50等を有している。
車両用空調装置100を構成する冷凍サイクル装置1は、車室内の空調を行う空調運転モードとして、冷房モードと、暖房モードと、除湿暖房モードとを切り替えることができる。冷房モードは、車室内へ送風される送風空気を冷却して車室内へ吹き出す運転モードである。暖房モードは、送風空気を加熱して車室内へ吹き出す運転モードである。除湿暖房モードは、冷却して除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出すことによって車室内の除湿暖房を行う運転モードである。
又、冷凍サイクル装置1は、空調運転モードの状態によらずに、冷凍サイクル10を利用した発熱体(電池Bや車載機器E)の冷却の有無を切り替えることができる。従って、冷凍サイクル装置1における冷凍サイクル10の運転モードは、空調運転モードの状態及び発熱体の冷却の有無の組み合わせによって定義することができる。
この為、車両用空調装置100の運転モードには、冷房モード、暖房モード、除湿暖房モード、単独冷却モード、冷却冷房モード、冷却暖房モード、冷却除湿暖房モードの7つの運転モードが含まれる。
単独冷却モードは、車室内の空調を行うことなく、冷凍サイクル10を利用して発熱体の冷却を行う運転モードである。冷却冷房モードは、冷凍サイクル10を利用して、車室内の冷房を行うと共に、発熱体の冷却を行う運転モードである。冷却暖房モードは、冷凍サイクル10を利用して、車室内の暖房を行うと共に、発熱体の冷却を行う運転モードである。冷却除湿暖房モードは、冷凍サイクル10を利用して、車室内の除湿暖房を行うと共に、発熱体の冷却を行う運転モードである。
尚、冷凍サイクル10では、冷媒として、HFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。冷媒として、HFO系冷媒(例えば、1234yf)を採用しても良い。冷媒には、圧縮機11を潤滑する為の冷凍機油が混入されている。冷凍機油としては、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(ポリアルキレングリコールオイル)が採用されている。冷凍機油の一部は冷媒と共にサイクルを循環している。
次に、冷凍サイクル装置1を構成する各構成機器について説明する。図1に示すように、冷凍サイクル10は、圧縮機11と、熱媒体冷媒熱交換器12と、第1膨張弁14aと、第2膨張弁14bと、冷却用蒸発器15と、空調用蒸発器16と、蒸発圧力調整弁17とを有している。
圧縮機11は、冷凍サイクル10において、冷媒を吸入し圧縮して吐出する。圧縮機11は車両ボンネット内に配置されている。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて回転駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、制御装置50から出力される制御信号によって、回転数(即ち、冷媒吐出能力)が制御される。
そして、圧縮機11の吐出口には、熱媒体冷媒熱交換器12における冷媒通路12aの入口側が接続されている。熱媒体冷媒熱交換器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が有する熱を、加熱部30を構成する高温側熱媒体回路31の高温側熱媒体に放熱し、高温側熱媒体を加熱する熱交換器である。
熱媒体冷媒熱交換器12は、冷凍サイクル10の冷媒を流通させる冷媒通路12aと、高温側熱媒体回路31の高温側熱媒体を流通させる熱媒体通路12bを有している。熱媒体冷媒熱交換器12は、伝熱性に優れる同種の金属(例えば、アルミニウム合金)で形成されており、各構成部材は、ロウ付け接合によって一体化されている。
これにより、冷媒通路12aを流通する高圧冷媒と熱媒体通路12bを流通する高温側熱媒体は、互いに熱交換することができる。熱媒体冷媒熱交換器12は、高圧冷媒の有する熱を放熱させる凝縮器の一例であり、後述する加熱部30の一部を構成する。
熱媒体冷媒熱交換器12の冷媒通路12aの出口には、三方継手構造の冷媒分岐部13aが接続されている。冷媒分岐部13aは、熱媒体冷媒熱交換器12から流出した液相冷媒の流れを分岐するものである。冷媒分岐部13aでは、3つの流入出口の内の1つを冷媒流入口とし、残りの2つを冷媒流出口としている。
冷媒分岐部13aの一方の冷媒流出口には、第1膨張弁14aを介して、冷却用蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。冷媒分岐部13aの他方の冷媒流出口には、第2膨張弁14bを介して、空調用蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。
第1膨張弁14aは、少なくとも冷凍サイクル10を利用して電池B等の発熱体の冷却を行う運転モードや暖房モードにおいて、冷媒分岐部13aの一方の冷媒流出口から流出した冷媒を減圧させる減圧部である。第1膨張弁14aは、電気式の可変絞り機構であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。即ち、第1膨張弁14aは、いわゆる電気式膨張弁によって構成されており、減圧部の一例に相当する。
第1膨張弁14aの弁体は、冷媒通路の通路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。第1膨張弁14aは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
又、第1膨張弁14aは、絞り開度を全開した際に冷媒通路を全開する全開機能と、絞り開度を全閉した際に冷媒通路を閉塞する全閉機能を有する可変絞り機構で構成されている。つまり、第1膨張弁14aは、冷媒通路を全開にすることで冷媒の減圧作用を発揮させないようにすることができる。
そして、第1膨張弁14aは、冷媒通路を閉塞することで、冷却用蒸発器15に対する冷媒の流入を遮断できる。即ち、第1膨張弁14aは、冷媒を減圧させる減圧部としての機能と、冷媒回路を切り替える冷媒回路切替部としての機能とを兼ね備えている。
第1膨張弁14aの出口には、冷却用蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。冷却用蒸発器15は、第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒と、熱媒体回路20を循環する熱媒体とを熱交換させる熱交換器であり、いわゆるチラーとして構成されている。
冷却用蒸発器15は、第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒を流通させる冷媒通路15aと、熱媒体回路20を循環する熱媒体を流通させる熱媒体通路15bとを有している。従って、冷却用蒸発器15は、冷媒通路15aを流通する低圧冷媒と熱媒体通路15bを流通する熱媒体との熱交換によって、低圧冷媒を蒸発させて熱媒体から吸熱する蒸発器である。
図1に示すように、冷媒分岐部13aにおける他方の冷媒流出口には、第2膨張弁14bが接続されている。第2膨張弁14bは、少なくとも冷凍サイクル10を用いて送風空気を冷却する運転モードにおいて、冷媒分岐部13aの他方の冷媒流出口から流出した冷媒を減圧させる減圧部である。第2膨張弁14bは減圧部の一例に相当する。
第2膨張弁14bは、第1膨張弁14aと同様に、電気式の可変絞り機構であり、弁体と電動アクチュエータとを有している。即ち、第2膨張弁14bは、いわゆる電気式膨張弁によって構成されており、全開機能と全閉機能を有している。
つまり、第2膨張弁14bは、冷媒通路を全開にすることで冷媒の減圧作用を発揮させないようにすることができる。又、第2膨張弁14bは、冷媒通路を閉塞することで、空調用蒸発器16に対する冷媒の流入を遮断することができる。即ち、第2膨張弁14bは、冷媒を減圧させる減圧部としての機能と、冷媒回路を切り替える冷媒回路切替部としての機能とを兼ね備えている。
第2膨張弁14bの出口には、空調用蒸発器16の冷媒入口側が接続されている。空調用蒸発器16は、冷房モードや除湿暖房モードにおいて、第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒と送風空気Wとを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させ、送風空気Wを冷却する蒸発器である。図2に示すように、空調用蒸発器16は、室内空調ユニット40のケーシング41内に配置されている。
図1に示すように、空調用蒸発器16の冷媒出口側には、蒸発圧力調整弁17の入口側が接続されている。蒸発圧力調整弁17は、空調用蒸発器16の着霜を抑制するために、空調用蒸発器16における冷媒蒸発圧力を、予め定めた基準圧力以上に維持する。
蒸発圧力調整弁17は、空調用蒸発器16の出口側冷媒の圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構で構成されている。これにより、蒸発圧力調整弁17は、空調用蒸発器16における冷媒蒸発温度を、空調用蒸発器16の着霜を抑制可能な着霜抑制温度(本実施形態では、1℃)以上に維持している。
そして、冷却用蒸発器15の冷媒出口側には、冷媒合流部13bの他方の冷媒入口側が接続されている。又、蒸発圧力調整弁17の出口には、冷媒合流部13bの一方の冷媒入口側が接続されている。
ここで、冷媒合流部13bは、冷媒分岐部13aと同様の三方継手構造のもので、3つの流入出口のうち2つを冷媒入口とし、残りの1つを冷媒出口としたものである。冷媒合流部13bは、冷却用蒸発器15から流出した冷媒の流れと空調用蒸発器16から流出した冷媒の流れとを合流させる。そして、冷媒合流部13bの冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
続いて、冷凍サイクル装置1における熱媒体回路20の構成について説明する。冷凍サイクル装置1は、熱媒体回路20の熱媒体を循環させることによって、電池Bや車載機器Eの温度調整を行う。熱媒体回路20の熱媒体としては、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等を採用することができる。
熱媒体回路20は、電池用熱交換器21と、機器用熱交換器22と、外気熱交換器23と、第1熱媒体ポンプ24と、第2熱媒体ポンプ25と、第1四方弁26と、第2四方弁27とを、熱媒体流路で接続して構成されている。
第1熱媒体ポンプ24は、熱媒体回路20において、冷却用蒸発器15の熱媒体入口側に向かって熱媒体を吐出するように配置された熱媒体ポンプである。第1熱媒体ポンプ24は、制御装置50から出力される制御電圧によって、回転数(即ち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。
冷却用蒸発器15の熱媒体出口側には、第1四方弁26の熱媒体流入出口が接続されている。第1四方弁26は、4つの流入出口を有する電気式の四方流量調整弁によって構成されている。第1四方弁26における熱媒体流入出口の一方には、電池用熱交換器21の熱媒体通路21aにおける流入口側が接続されている。そして、第1四方弁26における熱媒体流入出口の他方には、第2熱媒体ポンプ25の吸込口側及び外気熱交換器23の熱媒体流入口側へ伸びる熱媒体流路が接続されている。そして、第1四方弁26における更に別の熱媒体流入出口には、第2四方弁27が接続されている。
そして、第1四方弁26は、制御装置50からの制御信号によって、熱媒体が流入する流入出口と、熱媒体が流出する流入出口の組み合わせを変更する。従って、第1四方弁26は、熱媒体回路20にて第1熱媒体ポンプ24から圧送された熱媒体の流通先を切り替えることができる。
電池用熱交換器21は、熱媒体通路21aを流通する熱媒体と、電池Bを構成する電池セルとを熱交換させることによって、電池Bの温度を調整する為の熱交換器である。電池用熱交換器21における熱媒体通路21aは、電池Bの専用ケースの内部で複数の通路を並列的に接続した通路構成となっている。
ここで、電池Bは、電気自動車における各種電気機器に電力を供給するもので、例えば、充放電可能な二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)が採用される。電池Bは、複数の電池セルを積層配置し、これらの電池セルを電気的に直列或いは並列に接続することによって形成された、いわゆる組電池である。
この種の電池Bは、低温になると内部抵抗が増加して出力が低下しやすく、高温になると各電池セルの劣化が進行しやすい。そして、電池Bは、充放電に際して発熱する為、電池Bの温度が電池Bの充放電容量を充分に活用できる適切な温度範囲内(例えば、10℃以上かつ40℃以下)に維持されている必要がある。
上述したように、電池用熱交換器21の熱媒体通路21aは、並列的に接続した通路構成を採用しているので、電池Bの全域から電池Bの廃熱を均等に吸熱できるように形成されている。
このような電池用熱交換器21は、積層配置された電池セル同士の間に熱媒体通路21aを配置することによって形成すればよい。又、電池用熱交換器21は、電池Bに一体的に形成されていてもよい。例えば、積層配置された電池セルを収容する専用ケースに熱媒体通路21aを設けることによって、電池Bに一体的に形成されていてもよい。
第2熱媒体ポンプ25は、第1熱媒体ポンプ24と同様に、電動ポンプによって構成されている。第2熱媒体ポンプ25の吐出口には、機器用熱交換器22の熱媒体流入口側が接続されている。機器用熱交換器22は、熱媒体通路22aを流通する熱媒体と、電気自動車に搭載された車載機器Eとを熱交換させることによって、車載機器Eの温度を調整する為の熱交換器である。
ここで、車載機器Eとは、電気自動車に搭載された車載機器の内、走行等を目的とした作動に伴って付随的に発熱する機器によって構成されている。具体的に、車載機器Eとしては、インバータ、モータジェネレータが採用されている。インバータは、直流電流を交流電流に変換する電力変換部である。そして、モータジェネレータは、電力が供給されることによって走行用の駆動力を出力すると共に、減速時等には回生電力を発生させるものである。そして、機器用熱交換器22の熱媒体通路22aは、熱媒体を流通させることで、それぞれの構成機器を冷却できるように形成されている。
尚、車載機器Eとして、トランスアクスル装置を採用して温度調整を行うことも可能である。トランスアクスル装置は、トランスミッションとファイナルギア・ディファレンシャルギア(デフギア)を一体化した装置である。
上述したように、第1四方弁26における熱媒体流入出口の一つには、外気熱交換器23が接続されている。そして、外気熱交換器23は、第1四方弁26の流入出口から流出した熱媒体と、図示しない外気ファンにより送風された外気OAとを熱交換させる熱交換器である。外気熱交換器23は、電気自動車における駆動装置室内の前方側に配置されている。このため、車両走行時には、外気熱交換器23に走行風を当てることができる。
そして、機器用熱交換器22における熱媒体通路22aの出口側及び外気熱交換器23の流出口側には、第2四方弁27が接続されている。第2四方弁27は、第1四方弁26と同様に、4つの流入出口を有する電気式の四方流量調整弁によって構成されている。
第2四方弁27における熱媒体流入出口の一方には、外気熱交換器23の流出口側が接続されている。第2四方弁27における熱媒体流入出口の他方には、機器用熱交換器22における熱媒体通路22aの流出口側が接続されている。そして、第2四方弁27における別の熱媒体流入出口には、電池用熱交換器21における熱媒体通路21aの流出口側と共に、第1熱媒体ポンプ24の吸込口に接続されている。又、第2四方弁27の更に別の流入出口には、第1四方弁26が接続されている。
図1に示すように、熱媒体回路20では、第1熱媒体ポンプ24及び冷却用蒸発器15を通過する熱媒体の流れに関して、電池用熱交換器21、機器用熱交換器22、外気熱交換器23が相互に並列になるように接続されている。
このように構成された熱媒体回路20は、第1四方弁26、第2四方弁27の作動を制御することで、熱媒体回路20における熱媒体の流れを切り替えることができる。例えば、第1四方弁26の流入出口の内、冷却用蒸発器15側、電池用熱交換器21側、機器用熱交換器22側の流入出口を開状態にし、第2四方弁27側の流入出口を閉じる。又、第2四方弁27の流入出口の内、第1四方弁26側、外気熱交換器23側の流入出口を閉じ、電池用熱交換器21側と第1熱媒体ポンプ24側とを連通させる。この場合、熱媒体回路20における熱媒体は、冷却用蒸発器15を通過した熱媒体の流れに関して、電池用熱交換器21、機器用熱交換器22及び外気熱交換器23が相互に並列に接続された態様で循環させることができる。
又、第1四方弁26において、冷却用蒸発器15側及び電池用熱交換器21側の流入出口を連通させ、残りの流入出口を閉状態にする。そして、第2四方弁27の流入出口の内、機器用熱交換器22側及び外気熱交換器23側を連通させ、残りを閉状態にする。
この場合、熱媒体回路20に2つの熱媒体の循環径路が2つ形成される。一方の循環径路においては、熱媒体は、第1熱媒体ポンプ24、冷却用蒸発器15、第1四方弁26、電池用熱交換器21、第1熱媒体ポンプ24の順に流れて循環する。この循環径路によれば、冷凍サイクル10の低圧冷媒を冷熱源として、熱媒体を介して、発熱体としての電池Bを冷却することができる。
他方の循環径路では、熱媒体は、第2熱媒体ポンプ25、機器用熱交換器22、第2四方弁27、外気熱交換器23、第2熱媒体ポンプ25の順に流れて循環する。この循環径路によれば、熱媒体は外気熱交換器23で外気OAと熱交換することができる。そして、この構成によれば、独立した2つの循環径路を形成することができる為、電池Bと、車載機器Eを異なる温度帯に温度調整することも可能となる。
続いて、車両用空調装置100における加熱部30について説明する。加熱部30は、冷凍サイクル10における高圧冷媒を熱源として、空調対象空間に供給される送風空気Wを加熱する為の構成である。
加熱部30は、高温側熱媒体回路31を有しており、熱媒体冷媒熱交換器12の熱媒体通路12b、ヒータコア32、高温側ポンプ33等を備えている。高温側熱媒体回路31は、高温側熱媒体を循環させる熱媒体回路であり、高温側熱媒体としては、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等を採用することができる。
高温側ポンプ33は、高温側熱媒体回路31における高温側熱媒体を循環させる為に圧送する熱媒体ポンプである。高温側ポンプ33は、制御装置50から出力される制御電圧によって、回転数(即ち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。高温側ポンプ33の吐出口には、熱媒体冷媒熱交換器12の熱媒体通路12bにおける流入口が接続されている。
上述したように、熱媒体冷媒熱交換器12の熱媒体通路12bにおいては、高温側熱媒体が、冷媒通路12aを流通する高圧冷媒との熱交換によって加熱される。即ち、高温側熱媒体は、冷凍サイクル10で汲み上げられた熱を用いて加熱される。
熱媒体冷媒熱交換器12の熱媒体通路12bにおける流出口には、ヒータコア32における熱媒体流入口が接続されている。ヒータコア32は、熱媒体冷媒熱交換器12で加熱された高温側熱媒体と空調用蒸発器16を通過した送風空気Wとを熱交換させて、送風空気Wを加熱する熱交換器である。図2に示すように、ヒータコア32は、室内空調ユニット40のケーシング41内に配置されている。そして、ヒータコア32の熱媒体流出口には、高温側ポンプ33の吸込口が接続されている。
従って、車両用空調装置100によれば、冷凍サイクル10にて汲み上げた高圧冷媒の熱を熱源として、高温側熱媒体を介して、送風空気Wを加熱することができる。この為、熱媒体冷媒熱交換器12及び高温側熱媒体回路31は加熱部の一例に相当する。
次に、車両用空調装置100の室内空調ユニット40について、図2を参照して説明する。室内空調ユニット40は、車両用空調装置100において、冷凍サイクル10によって温度調整された送風空気Wを車室内の適切な箇所へ吹き出すためのユニットである。室内空調ユニット40は、車室内最前部の計器盤(即ち、インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット40は、その外殻を形成するケーシング41の内部に形成される空気通路に、送風機42、空調用蒸発器16、ヒータコア32等を収容している。ケーシング41は、車室内に送風される送風空気Wの空気通路を形成している。ケーシング41は、或る程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(具体的には、ポリプロピレン)にて成形されている。
図2に示すように、ケーシング41の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置43が配置されている。内外気切替装置43は、ケーシング41内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入するものである。
内外気切替装置43は、ケーシング41内へ内気を導入させる内気導入口及び外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の導入風量と外気の導入風量との導入割合を変化させる。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置43の送風空気流れ下流側には、送風機42が配置されている。送風機42は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機によって構成されている。送風機42は、内外気切替装置43を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。送風機42は、制御装置50から出力される制御電圧によって、回転数(即ち、送風能力)が制御される。
送風機42の送風空気流れ下流側には、空調用蒸発器16及びヒータコア32が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。つまり、空調用蒸発器16は、ヒータコア32よりも送風空気流れ上流側に配置されている。
又、ケーシング41内には、冷風バイパス通路45が形成されている。冷風バイパス通路45は、空調用蒸発器16を通過した送風空気Wを、ヒータコア32を迂回させて下流側へ流す空気通路である。
空調用蒸発器16の送風空気流れ下流側であって、且つ、ヒータコア32の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア44が配置されている。エアミックスドア44は、空調用蒸発器16を通過後の送風空気Wのうち、ヒータコア32を通過させる風量と冷風バイパス通路45を通過させる風量との風量割合を調整する。
エアミックスドア44は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号により、その作動が制御される。
ヒータコア32の送風空気流れ下流側には、混合空間が設けられている。混合空間では、ヒータコア32にて加熱された送風空気Wと冷風バイパス通路45を通過してヒータコア32にて加熱されていない送風空気Wとが混合される。
更に、ケーシング41の送風空気流れ最下流部には、混合空間にて混合された送風空気(空調風)を車室内へ吹き出す開口穴が配置されている。この開口穴としては、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。
フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面の窓ガラスにおける内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
これらのフェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
従って、エアミックスドア44が、ヒータコア32を通過させる風量と冷風バイパス通路45を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整される。これにより、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気(空調風)の温度も調整される。
そして、フェイス開口穴、フット開口穴、及びデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイスドア、フットドア、デフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。フェイスドアは、フェイス開口穴の開口面積を調整する。フットドアは、フット開口穴の開口面積を調整する。デフロスタドアは、デフロスタ開口穴の開口面積を調整する。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、空調風が吹き出される吹出口を切り替える吹出モード切替装置を構成する。フェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。この電動アクチュエータは、制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
続いて、車両用空調装置100の制御系について、図3を参照して説明する。車両用空調装置100の制御装置50は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。
そして、制御装置50は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御する。制御対象機器には、圧縮機11、第1膨張弁14a、第2膨張弁14b、第1熱媒体ポンプ24、第2熱媒体ポンプ25、第1四方弁26、第2四方弁27、高温側ポンプ33、送風機42等が含まれている。
図3に示すように、制御装置50の入力側には、制御用センサ群が接続されている。制御用センサ群には、外気温センサ52a、内気温センサ52b、日射量センサ52c、高圧センサ52d、蒸発器温度センサ52eが含まれている。
外気温センサ52aは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。外気温センサ52aは、駆動装置室内の外気熱交換器23に供給される外気OAの温度を検出するように配置されている。内気温センサ52bは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。日射量センサ52cは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。
高圧センサ52dは、圧縮機11の吐出口側から第1膨張弁14a或いは第2膨張弁14bの入口側へ至る冷媒流路の高圧冷媒圧力Pdを検出する冷媒圧力検出部である。蒸発器温度センサ52eは、空調用蒸発器16における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Teを検出する蒸発器温度検出部である。
又、制御装置50の入力側には、電池温度センサ53a、機器温度センサ53b、送風空気温度センサ53cが接続されている。電池温度センサ53aは、電池Bの温度である電池温度を検出する電池温度検出部である。電池温度センサ53aは、複数の温度検出部を有し、電池Bにおける複数の箇所の温度を検出している。この為、制御装置50では、電池Bにおける各部の温度差を検出することもできる。
更に、電池温度としては、複数の温度検出部における検出値の平均値を採用している。尚、電池温度センサ53aは、電池用熱交換器21を流通する熱媒体の温度を検出し、熱媒体の温度を基にして電池Bの温度を推定しても良い。
機器温度センサ53bは、発熱体である車載機器Eの温度を検出する機器温度検出部である。機器温度センサ53bは、電池温度センサ53aと同様に、複数の温度検出部を有しており、車載機器Eにおける複数の箇所の温度を検出している。そして、送風空気温度センサ53cは、車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する送風空気温度検出部である。
更に、制御用センサ群の入力側には、熱媒体回路20の熱媒体や高温側熱媒体回路31の高温側熱媒体の温度を検出する為の第1熱媒体温度センサ54a~第5熱媒体温度センサ54eが接続されている。
第1熱媒体温度センサ54aは、熱媒体回路20を流通する熱媒体の温度(熱媒体温度Tw)を検出する。第1熱媒体温度センサ54aは、熱媒体回路20の熱媒体流路において、冷却用蒸発器15における熱媒体通路15bの流出口と第1四方弁26の流入出口の間に配置されている。第1熱媒体温度センサ54aは温度検出部の一例に相当する。
第2熱媒体温度センサ54bは、電池用熱交換器21における熱媒体通路21aの出口部分に配置されており、電池用熱交換器21を通過した熱媒体の温度を検出する。第3熱媒体温度センサ54cは、機器用熱交換器22における熱媒体通路22aの出口部分に配置されており、機器用熱交換器22を通過した熱媒体の温度を検出する。
そして、第4熱媒体温度センサ54dは、外気熱交換器23の熱媒体出口部分に配置されており、外気熱交換器23から流出した熱媒体の温度を検出する。第5熱媒体温度センサ54eは、熱媒体冷媒熱交換器12の熱媒体通路12bにおける出口部分に配置されており、熱媒体冷媒熱交換器12から流出する高温側熱媒体の温度を検出する。
そして、車両用空調装置100の制御装置50は、第1熱媒体温度センサ54a~第5熱媒体温度センサ54eの検出結果を参照して、熱媒体回路20における熱媒体の流れや、高温側熱媒体回路31における高温側熱媒体の流れを切り替える。これにより、車両用空調装置100は、熱媒体回路20や高温側熱媒体回路31を用いて、車両における熱を管理することができる。
更に、制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル51が接続されている。操作パネル51には、複数の操作スイッチが配置されている。従って、制御装置50には、この複数の操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル51における各種操作スイッチとしては、オートスイッチ、冷房スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ等がある。
オートスイッチは、車両用空調装置100の自動制御運転を設定或いは解除する際に操作される。冷房スイッチは、車室内の冷房を行うことを要求する際に操作される。風量設定スイッチは、送風機42の風量をマニュアル設定する際に操作される。そして、温度設定スイッチは、車室内の空調目標温度Tsetを設定する際に操作される。
尚、制御装置50では、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されているが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェア及びソフトウェア)がそれぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。
例えば、制御装置50のうち、第1熱媒体温度センサ54aで検出される熱媒体温度Twと目標温度Toとの差に応じて、圧縮機11の回転数(即ち、冷媒吐出能力)を調整する構成は、圧縮機制御部50aを構成する。
又、圧縮機制御部50aは、蒸発器温度センサ52eで検出される冷媒蒸発温度Teと蒸発目標温度との偏差に基づき、フィードバック制御手法により、冷媒蒸発温度Teが蒸発目標温度に近づくように、圧縮機11の回転数を調整する。
圧縮機制御部50aは、車両用空調装置100の運転状況に対応して、圧縮機11の回転数を熱媒体温度Twに基づき調整する熱媒体温度制御と、圧縮機11の回転数を冷媒蒸発温度Teに基づき調整する蒸発器温度制御と、を切り替える。
そして、制御装置50のうち、圧縮機11の吹き上がりの発生を抑制する為の徐変制御を行う実行条件を満たすか否かを判定する構成は、条件判定部50bを構成する。条件判定部50bによる徐変制御の実行条件については後に詳細に説明する。
制御装置50のうち、徐変制御を実行する際に、発熱体(例えば、電池B)の温度又は発熱量に応じて、徐変制御における熱媒体温度Twの最終的な目標値である最終目標温度Tofを設定する構成は、最終目標温度設定部50cを構成する。
又、制御装置50のうち、徐変制御を実行する際に、徐変制御開始時における熱媒体温度Twである初期温度Tsから最終目標温度Tofに徐々に近づくように、目標温度Toを設定する構成は、目標温度設定部50dを構成する。
続いて、冷凍サイクル装置1を含む車両用空調装置100の作動について説明する。上述したように、車両用空調装置100では、複数の運転モードから適宜運転モードを切り替えることができる。これらの運転モードの切り替えは、制御装置50に予め記憶された制御プログラムが実行されることによって行われる。
上述したように、車両用空調装置100の運転モードには、冷房モード、暖房モード、除湿暖房モード、単独冷却モード、冷却冷房モード、冷却暖房モード、冷却除湿暖房モードが含まれる。以下に、各運転モードについて説明する。
(a)冷房モード
冷房モードは、冷凍サイクル10を利用した発熱体(電池Bや車載機器E)の冷却を行うことなく、空調用蒸発器16により送風空気Wを冷却して車室内に送風する運転モードである。この冷房モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14aを全閉し、第2膨張弁14bを予め定められた絞り開度で開く。
従って、冷房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第2膨張弁14b、空調用蒸発器16、蒸発圧力調整弁17、圧縮機11の順で流れる冷媒の循環回路が構成される。従って、冷房モードは単独モードの一例に相当する。
そして、このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を冷房モードに適した態様となるように制御する。具体的には、制御装置50は、圧縮機11の冷媒吐出能力、第2膨張弁14bの絞り開度、送風機42の送風能力、エアミックスドア44の開度等を制御する。
尚、冷房モードの熱媒体回路20では、冷却用蒸発器15に低圧冷媒が流入していない為、機器用熱交換器22、外気熱交換器23を経由した熱媒体が外気熱交換器23を通過するように循環させることができる。又、冷房モードにおいては、熱媒体回路20における熱媒体の循環を停止させた状態にすることも可能である。
従って、冷房モードの冷凍サイクル装置1では、空調用蒸発器16にて冷却された送風空気Wを車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行うことができる。又、冷凍サイクル装置1は、外気熱交換器23にて、熱媒体回路20の熱媒体と外気OAとの熱交換を行うことによって、電池B等の温度調整を行うことができる。
(b)暖房モード
暖房モードは、冷凍サイクル10を用いた発熱体の冷却を行うことなく、ヒータコア32により送風空気Wを加熱して車室内に送風する運転モードである。暖房モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14aを所定の絞り開度で開き、第2膨張弁14bを全閉状態にする。
従って、暖房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、冷却用蒸発器15、圧縮機11の順で冷媒が循環する冷媒の循環回路が構成される。従って、暖房モードは単独モードの一例に相当する。このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を暖房モードに適した態様となるように制御する。
又、暖房モードの熱媒体回路20については、冷却用蒸発器15から流出した熱媒体が外気熱交換器23を経由するように、熱媒体を循環させる。これにより、冷凍サイクル装置1は、外気熱交換器23にて外気OAから熱媒体に吸熱した熱を、冷凍サイクル10で汲み上げ、暖房用の熱源として利用することができる。
(c)除湿暖房モード
除湿暖房モードは、冷凍サイクル10を利用した発熱体の冷却を行うことなく、空調用蒸発器16で冷却された送風空気Wをヒータコア32で加熱して車室内に送風する運転モードである。除湿暖房モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14a及び第2膨張弁14bをそれぞれ所定の絞り開度で開く。
従って、除湿暖房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、冷却用蒸発器15、圧縮機11の順で冷媒が循環する。同時に、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第2膨張弁14b、空調用蒸発器16、蒸発圧力調整弁17、圧縮機11の順に冷媒が循環する。
つまり、除湿暖房モードの冷凍サイクル10では、熱媒体冷媒熱交換器12から流出した冷媒の流れに対して、冷却用蒸発器15及び空調用蒸発器16が並列的に接続された冷媒の循環回路が構成される。従って、除湿暖房モードは併用モードの一例に相当する。
このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を除湿暖房モードに適した態様となるように制御する。そして、除湿暖房モードの熱媒体回路20については、制御装置50は、冷却用蒸発器15を経由した熱媒体が外気熱交換器23を通過するように、熱媒体を循環させる。
これにより、除湿暖房モードの冷凍サイクル装置1は、熱媒体回路20にて外気OAから吸熱した熱を冷凍サイクル10で汲み上げて、冷却された送風空気Wを、高温側熱媒体回路31を介して加熱する除湿暖房を実現することができる。
(d)単独冷却モード
単独冷却モードは、車室内の空調運転を行うことなく、冷凍サイクル10を用いた発熱体の冷却を行う運転モードである。この単独冷却モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14aを所定の絞り開度で開き、第2膨張弁14bを全閉状態にする。
従って、単独冷却モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、冷却用蒸発器15、圧縮機11の順で冷媒が循環する冷媒の循環回路が構成される。単独冷却モードは単独モードの一例に相当する。このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を単独冷却モードに適した態様となるように制御する。
そして、単独冷却モードの熱媒体回路20については、制御装置50は、冷却用蒸発器15を経由した熱媒体が電池用熱交換器21及び機器用熱交換器22の少なくとも一方を経由して循環するように、熱媒体回路20の構成機器を制御する。
これにより、単独冷却モードの冷凍サイクル装置1は、冷却用蒸発器15における低圧冷媒との熱交換によって冷却された熱媒体を、電池用熱交換器21及び機器用熱交換器22の少なくとも一方に流通させる為、冷凍サイクル10を利用して発熱体を冷却できる。
(e)冷却冷房モード
冷却冷房モードは、冷凍サイクルを利用した発熱体の冷却と並行して、空調用蒸発器16により送風空気Wを冷却して車室内に送風する運転モードである。この冷却冷房モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14a及び第2膨張弁14bをそれぞれ所定の絞り開度で開く。
従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、冷却用蒸発器15、圧縮機11の順で冷媒が循環する。同時に、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第2膨張弁14b、空調用蒸発器16、蒸発圧力調整弁17、圧縮機11の順に冷媒が循環する。つまり、冷却冷房モードの冷凍サイクル10では、熱媒体冷媒熱交換器12から流出した冷媒の流れに対して、空調用蒸発器16及び冷却用蒸発器15が並列的に接続された冷媒の循環回路が構成される。従って、冷却冷房モードは併用モードの一例に相当する。
このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を冷却冷房モードに適した態様となるように制御する。そして、冷却冷房モードの熱媒体回路20については、制御装置50は、冷却用蒸発器15を通過した熱媒体が電池用熱交換器21及び機器用熱交換器22の少なくとも一方を経由して循環するように、熱媒体回路20の構成機器を制御する。
これにより、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置1は、冷却用蒸発器15における低圧冷媒との熱交換によって冷却された熱媒体を、電池用熱交換器21、機器用熱交換器22に流通させることができるので、発熱体を冷却することができる。
又、冷却冷房モードでは、空調用蒸発器16における送風空気Wとの熱交換により、低圧冷媒を蒸発させて送風空気Wを冷却して車室内の冷房を実現できる。従って、冷却冷房モードの冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル10を用いた発熱体の冷却と共に、車室内の冷房によって快適性を向上させることができる。
(f)冷却暖房モード
冷却暖房モードは、冷凍サイクル10を利用した発熱体の冷却と並行して、ヒータコア32により送風空気Wを加熱して車室内に送風する運転モードである。この冷却暖房モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14aを所定の絞り開度で開き、第2膨張弁14bを全閉状態にする。従って、冷却暖房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、冷却用蒸発器15、圧縮機11の順で冷媒が循環する冷媒の循環回路が構成される。冷却暖房モードは単独モードの一例に相当する。
このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を冷却暖房モードに適した態様となるように制御する。そして、冷却暖房モードの熱媒体回路20については、制御装置50は、冷却用蒸発器15を通過した熱媒体が電池用熱交換器21及び機器用熱交換器22の少なくとも一方を経由して循環するように、熱媒体回路20の構成機器を制御する。
これにより、冷却暖房モードの冷凍サイクル装置1は、冷却用蒸発器15における低圧冷媒との熱交換によって冷却された熱媒体を、電池用熱交換器21、機器用熱交換器22に流通させることができるので、発熱体を冷却することができる。
又、冷却暖房モードでは、冷凍サイクル10にて発熱体の廃熱を汲み上げて、ヒータコア32にて送風空気Wへ放熱することで、車室内の暖房を実現できる。従って、冷却暖房モードの冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル10を用いた発熱体の冷却と共に、発熱体の廃熱を熱源として利用した車室内の暖房によって快適性を向上させることができる。
(g)冷却除湿暖房モード
冷却除湿暖房モードは、冷凍サイクル10を利用した発熱体の冷却と並行して、空調用蒸発器16で冷却された送風空気Wをヒータコア32で加熱して車室内に送風する運転モードである。この冷却除湿暖房モードでは、制御装置50は、第1膨張弁14a及び第2膨張弁14bをそれぞれ所定の絞り開度で開く。
従って、冷却除湿暖房モードの冷凍サイクル10では、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第1膨張弁14a、冷却用蒸発器15、圧縮機11の順で冷媒が循環する。同時に、圧縮機11、熱媒体冷媒熱交換器12、第2膨張弁14b、空調用蒸発器16、蒸発圧力調整弁17、圧縮機11の順に冷媒が循環する。つまり、冷却除湿暖房モードの冷凍サイクル10では、熱媒体冷媒熱交換器12から流出した冷媒の流れに対して、冷却用蒸発器15及び空調用蒸発器16が並列的に接続された冷媒の循環回路が構成される。従って、冷却除湿暖房モードは併用モードの一例に相当する。
このサイクル構成で、制御装置50は、制御用センサ群の検出結果等に従って、出力側に接続された各種制御対象機器の作動を冷却除湿暖房モードに適した態様となるように制御する。
そして、冷却除湿暖房モードの熱媒体回路20については、制御装置50は、冷却用蒸発器15を通過した熱媒体が電池用熱交換器21及び機器用熱交換器22の少なくとも一方を経由して循環するように、熱媒体回路20の構成機器を制御する。
これにより、冷却除湿暖房モードの冷凍サイクル装置1は、冷却用蒸発器15における低圧冷媒との熱交換によって冷却された熱媒体を、電池用熱交換器21、機器用熱交換器22に流通させることができるので、発熱体を冷却することができる。
又、冷却除湿暖房モードでは、冷凍サイクル10にて発熱体の廃熱を汲み上げて、空調用蒸発器16にて冷却された送風空気Wへ放熱することで、車室内の除湿暖房を実現することができる。従って、冷却除湿暖房モードの冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル10を用いた発熱体の冷却と共に、発熱体の廃熱を熱源として利用した車室内の除湿暖房によって快適性を向上させることができる。
ここで、上述したように、車両用空調装置100においては、車両用空調装置100の運転モードに応じて、圧縮機11の作動制御の態様が切り替えられる。具体的には、冷凍サイクル10において冷却用蒸発器15を経由して冷媒が循環する運転モードでは、第1熱媒体温度センサ54aで検出される熱媒体温度Twに基づき圧縮機11の冷媒吐出能力(回転数)を調整する熱媒体温度制御が適用される。
熱媒体温度制御において、第1熱媒体温度センサ54aで検出された熱媒体温度Twが目標値よりも大きければ、冷却用蒸発器15における冷却能力が目標値に対して不足している為、圧縮機11の回転数を上げるように制御される。一方、第1熱媒体温度センサ54aで検出された熱媒体温度Twが目標値よりも小さければ、冷却用蒸発器15の冷却能力が目標値に対して過剰である為、圧縮機11の回転数を下げるように制御される。
従って、上述した車両用空調装置100の運転モードのうち、単独冷却モード、冷却冷房モード、冷却暖房モード、冷却除湿暖房モードについては、熱媒体温度制御によって、圧縮機11の冷媒吐出能力が制御される。
そして、冷凍サイクル10において、空調用蒸発器16を経由して冷媒が循環する運転モードでは、蒸発器温度センサ52eで検出される冷媒蒸発温度Teに基づき圧縮機11の冷媒吐出能力を調整する蒸発器温度制御が適用される。
蒸発器温度制御では、蒸発器温度センサ52eで検出される冷媒蒸発温度Teと蒸発目標温度との偏差に基づき、フィードバック制御手法により、冷媒蒸発温度Teが蒸発目標温度に近づくように、圧縮機11の回転数が制御される。上述した車両用空調装置100の運転モードでは、冷房モード、除湿暖房モードの場合に、蒸発器温度制御で、圧縮機11の冷媒吐出能力が制御される。
ここで、圧縮機11の吹き上がりについて説明する。熱容量の大きな熱媒体を、冷凍サイクル10を用いて冷却する場合、熱媒体の温度は、冷凍サイクル10による冷却開始時には温度が下がりにくく、或る時点を過ぎると急激に温度が低下する。
上述したように、熱媒体温度制御の場合、熱媒体温度Twと目標値との大小関係によって、圧縮機11の回転数が制御される。この為、冷却開始時点では、熱媒体温度Twの下がりが遅い為、圧縮機11の回転数は上昇する。そして、或る時点を経過すると、熱媒体温度Twが急激に低下する為、熱媒体の冷え具合に対して、圧縮機11の回転数が一時的に過剰になる。圧縮機11の吹き上がりが生じると、圧縮機11における冷媒圧力の上昇によって圧縮機11の耐久性に大きな影響を及ぼすことが考えられる。
又、熱媒体温度Twが急激に低下した後は、低下した熱媒体温度Twに基づいて、圧縮機11の回転数が制御される為、圧縮機11の回転数は下がっていく。しかしながら、圧縮機11の吹き上がりによって高くなっている状態から下げていくことになる為、圧縮機11の回転数は、熱媒体温度Twが急激に低下した時点から、或る程度の期間、能力過剰な状態となり、発熱体(電池B等)の過剰冷却を引き起こす。
これらの点に鑑み、車両用空調装置100においては、圧縮機11の吹き上がりを抑制する為の徐変制御を行う実行条件を満たすか否かを判定し、実行条件を満たした場合に、圧縮機11の冷媒吐出能力を最終的な目標値に向かって徐変する徐変制御を行う。
徐変制御に係る実行条件は、車両用空調装置100の運転状況において、圧縮機11の吹き上がりが発生する可能性が高いと考えられる状況となっていることに換言することができ、運転モードの切り替えや、目標値や冷媒の状態が大きく変化した場合を想定することができる。
実行条件の一つとして、車両用空調装置100の運転状態が、運転を停止している停止状態から、熱媒体温度制御での運転を実行している状態に切り替えられた場合を挙げることができる。換言すると、車両用空調装置100において、停止状態から、単独冷却モード、冷却冷房モード、冷却暖房モード、冷却除湿暖房モードの何れかが開始された場合、実行条件を満たすと判定される。
実行条件を満たすと判定された場合、制御装置50は、圧縮機11の吹き上がりを抑制する為に徐変制御を開始する。ここで、熱媒体温度制御での運転を実行する際には、制御装置50によって、発熱体を冷却する為に必要な最終的な熱媒体温度Twの目標値(以下、最終目標温度Tof)が定められる。最終目標温度Tofは、発熱体(電池Bや車載機器E)の温度又は発熱量に因って定められ、本実施形態では電池Bの温度に従って定められる。
又、徐変制御を開始する際に、制御装置50は、第1熱媒体温度センサ54aの検出結果から、初期温度Tsを特定する。初期温度Tsは、徐変制御開始時点(換言すると、冷凍サイクル10による熱媒体の冷却開始時点)における熱媒体温度Twを意味する。
続いて、制御装置50は、予め定められた完了予定時間tfの時点で、熱媒体温度Twが最終目標温度Tofになるように、複数の目標温度Toを定める。第1実施形態では、初期温度Tsから最終目標温度Tofまで、目標温度Toが設定時間でリニアに徐変するように定められる。
設定時間とは、徐変制御の開始時点から完了予定時間tfまでの期間を複数に区分して定められる期間である。設定時間の長さは、全て同じ長さであっても良いが、経過時間等に応じて長短を変更しても良い。
図4に示すように、目標温度To1は、1番目の設定時間における目標温度Toを示しており、目標温度Tonは、n番目の設定時間における目標温度Toを示し、目標温度To1よりも最終目標温度Tofに近い値を示している。つまり、目標温度Toは、徐変制御の開始時点からの時間経過に伴って、徐々に最終目標温度Tofに近づくように小さく定められている。
従って、徐変制御において、制御装置50は、定められた目標温度Toと熱媒体温度Twとの大小関係に応じて、圧縮機11の回転数を制御する。徐変制御では、徐変制御の開始からの時間経過に伴って、目標温度Toが、徐々に最終目標温度Tofに近づくように変更されていく。
この為、車両用空調装置100によれば、熱容量の大きな熱媒体を冷却する場合であっても、熱媒体温度Twと目標温度Toとの乖離を小さく抑えることができる為、圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
そして、徐変制御の実行条件の一つとして、車両用空調装置100の運転状態が、蒸発器温度制御での運転をしている状態から、熱媒体温度制御での運転を実行している状態に切り替えられた場合を挙げることができる。換言すると、車両用空調装置100にて、冷房モード又は除湿暖房モードから、単独冷却モード、冷却冷房モード、冷却暖房モード、冷却除湿暖房モードの何れかに切り替えられた場合、実行条件を満たすと判定される。
実行条件を満たすと判定された場合、制御装置50は、圧縮機11の吹き上がりを抑制する為に徐変制御を開始する。この実行条件を満たす場合、冷凍サイクル10による熱媒体の冷却という観点では、停止状態から熱媒体温度制御を開始する場合と同様である。この為、徐変制御の処理内容については、再度の説明を省略する。
従って、車両用空調装置100は、徐変制御を実行することにより、冷房モード等から冷却冷房モード等に運転モードを切り替える際の圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
続いて、徐変制御に関する実行条件の一つとして、熱媒体温度制御での運転を実行している状態で、最終目標温度Tofが変更された場合を挙げることができる。例えば、発熱体である電池Bを冷却している状態で、電池Bの急速充電が開始される場合を想定することができる。急速充電を行った場合の電池Bの発熱量は非常に大きく、最終目標温度Tofを変更しなければ対応できない場合が生じ得る。
このような場合において、現状よりも更に低い熱媒体温度Twになるように冷凍サイクル10を用いて熱媒体を冷却するという点で、上述した2つの実行条件と同様に考えることができる。つまり、更に低い熱媒体温度Twになるように冷凍サイクル10で熱媒体を冷却する際に、熱媒体の熱容量と、圧縮機11の熱媒体温度制御との関係から、圧縮機11の吹き上がりが生じることが考えられる。従って、圧縮機11の吹き上がりを抑制する為、この場合においても、上述した徐変制御が実行される。徐変制御の処理内容については再度の説明を省略する。
つまり、車両用空調装置100は、徐変制御を実行することにより、熱媒体温度制御での運転を実行している状態で、最終目標温度Tofが変更された際の圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
次に、徐変制御に関する実行条件の一つとして、熱媒体温度制御での運転を実行している状態で、第1熱媒体温度センサ54aで検出される熱媒体温度Twの変化量が予め定められた基準値以上である場合を挙げることができる。
具体例として、熱媒体回路20において、冷却用蒸発器15及び電池用熱交換器21を介して熱媒体が循環する循環径路と、機器用熱交換器22及び外気熱交換器23を経由して循環する循環径路が独立して存在している場合を挙げる。
この場合、冷却用蒸発器15で冷却された熱媒体が電池用熱交換器21を流通する為、冷凍サイクル10で冷却された熱媒体で電池Bを冷却している。従って、この状態で、第1熱媒体温度センサ54aで検出される熱媒体温度Twは、電池Bの発熱量の影響を受けている。
一方、熱媒体回路20における別の循環径路では、機器用熱交換器22を通過した熱媒体が外気熱交換器23を流通している。つまり、熱媒体を介して、車載機器Eの廃熱を外気OAへと放熱している。
ここで、外気熱交換器23における外気OAへの放熱量は外気温との関係に依存する為、外気放熱では、車載機器Eの廃熱を充分に放熱することができない場合が想定される。この場合、機器用熱交換器22及び外気熱交換器23を循環する熱媒体の温度が、車載機器Eの廃熱によって上昇していくことになる。
この場合には、より冷却能力が高い冷凍サイクル10によって車載機器Eの冷却を行う為に、熱媒体回路20における熱媒体の循環径路が切り替えられる。即ち、第1四方弁26、第2四方弁27の作動を制御して、冷却用蒸発器15を経由した熱媒体が電池用熱交換器21、機器用熱交換器22を介して循環する循環径路が構成される。
この時、機器用熱交換器22側を循環していた熱媒体と、冷却用蒸発器15及び電池用熱交換器21を循環した熱媒体が合流することになる為、第1熱媒体温度センサ54aで検出される熱媒体温度Twは大きく上昇する。
このような場合において、大きく上昇した熱媒体温度Twを当初の目標値になるように、冷凍サイクル10を用いて熱媒体を冷却すると、上述した各実行条件と同様に、圧縮機の吹き上がりが生じることが考えられる。従って、圧縮機11の吹き上がりを抑制する為、この場合においても、上述した徐変制御が実行される。徐変制御の処理内容については再度の説明を省略する。
つまり、車両用空調装置100は、徐変制御を実行することにより、熱媒体温度制御での運転を実行している状態で、熱媒体温度Twの変化量が予め定められた基準値以上である場合の圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用空調装置100は、冷凍サイクル装置1を有している。冷凍サイクル装置1によれば、熱媒体温度Twと目標温度Toとの差によって圧縮機11の回転数を制御する熱媒体温度制御において、目標温度Toの徐変制御を行うことができる。徐変制御では、熱媒体温度が初期温度から最終目標温度に時間経過に伴って徐々に近づくように、目標温度を変更される。
従って、冷凍サイクル装置1によれば、熱容量の大きな熱媒体を介して発熱体を冷却する場合でも、熱媒体温度Twと最終目標温度Tofとの差に応じて圧縮機11を制御する場合に比べ、熱媒体の温度変化と圧縮機11の回転数とのバランスをとることができる。即ち、冷凍サイクル装置1は、熱媒体の温度変化と圧縮機11の回転数との時間差に起因する圧縮機11の吹き上がりを抑制できる。
又、冷凍サイクル装置1は、運転停止状態から熱媒体温度制御が開始された場合に、目標温度Toの徐変制御を実行する。運転停止状態から熱媒体温度制御を開始する場合、熱容量の大きな熱媒体を冷却対象とする為、熱媒体に急激な温度変化が生じることが想定され、圧縮機11の吹き上がりが生じると考えられる。この為、冷凍サイクル装置1は、目標温度Toの徐変制御を行うことで、運転停止状態から熱媒体温度制御が開始された場合における圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、冷却用蒸発器15に加えて、空調用蒸発器16を有しており、蒸発器温度制御での運転をしている状態から、熱媒体温度制御での運転を実行している状態に切り替える場合に、目標温度Toの徐変制御を実行する。蒸発器温度制御での運転から、熱媒体温度制御での運転に切り替える場合、熱容量の大きな熱媒体を冷却対象とする為、熱媒体の急激な温度変化が生じることが想定され、圧縮機11の吹き上がりが生じると考えられる。この為、冷凍サイクル装置1は、目標温度Toの徐変制御を行うことで、蒸発器温度制御での運転から熱媒体温度制御での運転に切り替えられる場合における圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
そして、冷凍サイクル装置1の運転モードには、冷却用蒸発器15及び空調用蒸発器16の両方を介して冷媒を循環させる併用モードと、冷却用蒸発器15及び空調用蒸発器16の何れか一方を介して冷媒を循環させる単独モードが含まれている。従って、発熱体の冷却と送風空気の冷却に関して、多様な運転モードを実現することができる。
又、冷凍サイクル10において、空調用蒸発器16の流出口側には、蒸発圧力調整弁17が配置されている。これにより、併用モードにおいて、空調用蒸発器16における空調能力を確保しつつ、冷却用蒸発器15の冷却能力を発熱体の発熱量に対応させるように、圧縮機11の作動を制御することが可能となる。蒸発圧力調整弁17によって空調用蒸発器16の着霜を防止しつつ、熱媒体温度制御への切り替えを実現することができる。
そして、冷凍サイクル装置1は、熱媒体温度制御での運転が行われている状態で、最終目標温度Tofが変更された場合に、目標温度Toの徐変制御を実行する。最終目標温度Tofが変更された場合、熱容量の大きな熱媒体を冷却対象として、変更後の条件で圧縮機11の制御が行われる為、熱媒体に急激な温度変化が生じることが想定され、圧縮機11の吹き上がりが生じると考えられる。この為、冷凍サイクル装置1は、目標温度Toの徐変制御を行うことで、熱媒体温度制御での運転中に最終目標温度Tofが変更された場合における圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
又、冷凍サイクル装置1は、熱媒体温度制御での運転が行われている状態で、熱媒体温度Twの変化量が基準値以上になった場合に、目標温度Toの徐変制御を実行する。熱媒体温度Twが基準値以上の変化量で変化した場合、当初の目標値になるように、冷凍サイクル10を用いて熱媒体を冷却しようとすると、圧縮機11の吹き上がりが生じると考えられる。この為、冷凍サイクル装置1は、目標温度Toの徐変制御を行うことで、熱媒体温度制御での運転中に熱媒体温度Twの変化量が基準値以上になった場合における圧縮機11の吹き上がりを抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。
(a)上述した実施形態では、徐変制御において、初期温度Tsから最終目標温度Tofに近づくように複数の目標温度Toを設定する際に、図4に示すように、線形性を有する一本の直線状に定めていたが、これに限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、初期温度Tsから最終目標温度Tofに近づくように複数の目標温度Toを設定する際に、2本以上の直線状になるように、複数の目標温度Toを定めても良い。この場合、初期温度Ts側の目標温度Toに関する直線の傾きは、最終目標温度Tof側における目標温度Toに関する直線の傾きよりも小さいことが望ましい。
徐変制御開始時点における目標温度Toの変化量(即ち、傾き)を小さくすることで、圧縮機11の吹き上がりを抑制しつつ、熱媒体を冷却することができる。そして、或る程度の時間の経過に伴って、熱媒体温度Twの低下が明確に表れた時点で、目標温度Toの変化量(即ち、傾き)を大きくすれば、最終目標温度Tofへの到達を早めることができる。
尚、或る程度の時間の経過とは、熱媒体温度Twと最終目標温度Tofの温度差が、圧縮機11の吹き上がりが起こらない温度差になるまでと言い換えることができる。
(b)又、図4、図5に示す例では、初期温度Tsから最終目標温度Tofに近づくように複数の目標温度Toを設定する際に、線形性を有する態様で定めていたが、この態様に限定されるものではない。
即ち、図6に示すように、初期温度Tsから最終目標温度Tofに近づくように複数の目標温度Toを設定する際に、目標温度Toの傾きを曲線的になるように定めることも可能である。この場合において、熱媒体温度Twと最終目標温度Tofとの温度差になるまでは、曲線的に変化する目標温度Toの傾きは緩やかであることが望ましい。
(c)又、徐変制御における目標温度Toの徐変速度については、熱媒体を介した冷却対象物である発熱体(例えば、電池Bや車載機器E)の冷却速度の要求値によって定められる。目標温度Toの徐変速度については、この態様に限定されることはなく、熱媒体温度Twの検出値によって徐変速度を変化させ、発熱体の冷却と圧縮機11の吹き上がり防止に対する適正な速度に調整しても良い。
(d)そして、上述した実施形態では、徐変制御の際に、最終目標温度Tofを発熱体の発熱量又は温度に応じて定めるように構成していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、発熱体の温度等が基準を超えた場合に、熱媒体を介した冷却についての冷却要求が出力される構成であれば、最終目標温度Tofは予め定められた規定値とすることも可能である。
(e)又、上述した実施形態においては、熱媒体温度制御の際に参照する熱媒体の温度として、冷却用蒸発器15における熱媒体通路15bの出口側に配置された第1熱媒体温度センサ54aを採用していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、冷却用蒸発器15における熱媒体通路15bの入口側の熱媒体の温度を採用しても良い。又、発熱体(例えば、電池Bや車載機器E)自体の温度を採用することも可能である。
(f)そして、上述した実施形態においては、冷凍サイクル10は、冷却用蒸発器15と、空調用蒸発器16とを有する構成であったが、この態様に限定されるものではない。冷凍サイクル10における蒸発器として、冷却用蒸発器15、空調用蒸発器16以外の蒸発器を追加することも可能である。
(g)上述した実施形態においては、熱媒体回路20に、冷却用蒸発器15、電池用熱交換器21、機器用熱交換器22、外気熱交換器23を配置していたが、この構成に限定されるものではない。熱媒体回路20は、冷却用蒸発器15で冷却された熱媒体を利用して、発熱体を冷却可能であれば良い。電池用熱交換器21や機器用熱交換器22を介することなく、例えば、発熱体のウォータージャケット等に熱媒体を流通させて冷却する構成とすることも可能である。
(h)又、上述した実施形態では、熱媒体回路20の熱媒体としては、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等を採用していたが、この態様に限定されるものではない。熱媒体回路20の熱媒体として、例えば、水やLLC等を採用することも可能である。
1 冷凍サイクル装置
10 冷凍サイクル
11 圧縮機
15 冷却用蒸発器
20 熱媒体回路
50 制御装置
50a 圧縮機制御部
50d 目標温度設定部
54a 第1熱媒体温度センサ

Claims (7)

  1. 冷媒を吸入して吐出する圧縮機(11)と、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を放熱させる凝縮器(12)と、前記凝縮器から流出した前記冷媒を減圧させる減圧部(14a)と、前記減圧部で減圧された前記冷媒を、発熱体(B)を冷却する為の熱媒体と熱交換させて蒸発させる冷却用蒸発器(15)と、を有する冷凍サイクル(10)と、
    前記冷却用蒸発器にて前記冷媒を冷熱源として冷却された前記熱媒体が、前記発熱体と熱交換するように循環する熱媒体回路(20)と、
    前記熱媒体回路を循環する前記熱媒体の温度である熱媒体温度(Tw)を検出する温度検出部(54a)と、
    前記圧縮機の回転数を制御する制御部(50)と、を有し、
    前記制御部は、
    前記温度検出部により検出された前記熱媒体温度と、目標温度(To)との差によって、前記圧縮機の回転数を制御する圧縮機制御部(50a)と、
    前記熱媒体温度が、前記発熱体の冷却開始時点における前記熱媒体温度である初期温度(Ts)から、前記発熱体の発熱量又は温度により定められる最終目標温度(Tof)に時間経過に伴って徐々に近づくように、前記目標温度を変更する目標温度設定部(50d)と、を有する冷凍サイクル装置。
  2. 前記制御部は、前記冷凍サイクルにおける前記冷媒の循環が停止している運転停止状態から、前記冷凍サイクルの運転モードのうち、前記温度検出部による前記熱媒体温度を用いて前記圧縮機の回転数が制御される運転モードに切り替わった場合に、
    前記目標温度設定部によって、前記熱媒体温度(Tw)が前記初期温度(Ts)から、前記最終目標温度(Tof)に時間経過に伴って徐々に近づくように前記目標温度(To)を変更する態様で、前記圧縮機制御部による前記圧縮機の回転数の制御を行う請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記冷凍サイクルは、前記減圧部で減圧された前記冷媒を、空調対象空間へ送風される送風空気と熱交換させて蒸発させる空調用蒸発器(16)を有し、
    前記冷凍サイクルの運転モードのうち、前記空調用蒸発器における冷媒蒸発温度に応じて前記圧縮機の回転数が制御される運転モードから、前記温度検出部による前記熱媒体温度を用いて前記圧縮機の回転数が制御される運転モードに切り替わった場合に、
    前記目標温度設定部によって、前記熱媒体温度(Tw)が前記初期温度(Ts)から、前記最終目標温度(Tof)に時間経過に伴って徐々に近づくように前記目標温度(To)を変更する態様で、前記圧縮機制御部による前記圧縮機の回転数の制御を行う請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記制御部は、前記冷凍サイクルの運転モードとして、
    前記減圧部で減圧された前記冷媒を、前記冷却用蒸発器及び前記空調用蒸発器の両方を介して循環させる併用モードと、
    前記減圧部で減圧された前記冷媒を、前記冷却用蒸発器及び前記空調用蒸発器の何れか一方を介して循環させる単独モードと、に切り替えることができる請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記冷凍サイクルは、前記空調用蒸発器の流出口側に接続され、前記空調用蒸発器から流出した前記冷媒を減圧して前記空調用蒸発器における冷媒蒸発圧力を調整する蒸発圧力調整弁(17)を有している請求項3又は4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記制御部は、前記熱媒体温度と前記目標温度(To)との差によって、前記圧縮機の回転数を制御している状態で、前記最終目標温度(Tof)が変更された場合、
    前記目標温度設定部によって、前記熱媒体温度(Tw)が変更された前記最終目標温度(Tof)に時間経過に伴って徐々に近づくように、新たに前記目標温度(To)を設定して、前記圧縮機制御部による前記圧縮機の回転数の制御を行う請求項1ないし5の何れか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記制御部は、前記熱媒体温度と前記目標温度(To)との差によって、前記圧縮機の回転数を制御している状態で、前記温度検出部で検出される前記熱媒体温度(Tw)の変化量が予め定められた基準値以上である場合、
    前記目標温度設定部によって、前記熱媒体温度(Tw)が前記初期温度(Ts)から前記最終目標温度(Tof)に時間経過に伴って徐々に近づくように前記目標温度(To)を新たに設定して、前記圧縮機制御部による前記圧縮機の回転数の制御を行う請求項1ないし6の何れか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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