JP2022158648A - 超音波診断装置 - Google Patents

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【課題】クラッタ信号成分を適切に除去することである。【解決手段】実施形態に係る超音波診断装置は、信号処理部を備える。信号処理部は、互いに異なるカットオフ値を有する複数のフィルタ処理を超音波の受信信号に対してそれぞれ並列に適用することによって抽出された複数のドプラ情報に基づいて、サンプル点ごとにクラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する。【選択図】図2

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波診断装置に関する。
従来、超音波診断装置は、ドプラ(Doppler)効果を利用して、超音波の反射波から血流情報の生成及び表示を行う機能を備える。反射波から得られるドプラ情報には、血流に起因する血流信号成分の他に、被検体の臓器等の固定反射や臓器の呼吸性移動、拍動性移動等に起因するクラッタ信号成分が含まれる。このため、従来の超音波診断装置では、被検体の正確な血流情報を生成するために、ドプラ情報からクラッタ信号成分を除去する技術が利用されている。クラッタ信号成分を除去する技術としては、例えば、ウォールフィルタ(Wall Filter)を用いる手法や、ブランク処理(「ブランキング処理」とも呼ばれる)を用いる手法が知られている。
国際公開第2013/153921号
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、クラッタ信号成分を適切に除去することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る超音波診断装置は、信号処理部を備える。信号処理部は、互いに異なるカットオフ値を有する複数のフィルタ処理を超音波の受信信号に対してそれぞれ並列に適用することによって抽出された複数のドプラ情報に基づいて、サンプル点ごとにクラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係る信号処理回路の構成例を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図4Aは、第1の実施形態に係るブランク処理機能の処理について説明するための図である。 図4Bは、第1の実施形態に係るブランク処理機能の処理について説明するための図である。 図5Aは、第1の実施形態に係るブランク処理機能の処理について説明するための図である。 図5Bは、第1の実施形態に係るブランク処理機能の処理について説明するための図である。 図6Aは、第1の実施形態に係る超音波診断装置による効果を説明するための図である。 図6Bは、第1の実施形態に係る超音波診断装置による効果を説明するための図である。 図7Aは、比較例に係る第2の手法における課題を説明するための図である。 図7Bは、比較例に係る第2の手法における課題を説明するための図である。 図8は、比較例に係る第2の手法における課題を説明するための図である。 図9は、第1の実施形態の変形例に係る超音波診断装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、第2の実施形態に係る信号処理回路の処理について説明するための図である。 図11は、第2の実施形態に係る信号処理回路の構成例を示すブロック図である。 図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波診断装置を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用可能である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力装置102と、ディスプレイ103とを有する。超音波プローブ101、入力装置102、及びディスプレイ103は、装置本体100と通信可能に接続される。なお、被検体Pは、超音波診断装置1の構成に含まれない。
超音波プローブ101は、超音波の送受信を行う。例えば、超音波プローブ101は、複数の圧電振動子を有する。これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体100が有する送受信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ101は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
なお、第1の実施形態に係る超音波プローブ101は、被検体Pを2次元で走査する1Dアレイプローブであっても、被検体Pを3次元で走査するメカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブであっても適用可能である。
入力装置102は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等の装置に対応する。入力装置102は、超音波診断装置1の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体100に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
ディスプレイ103は、超音波診断装置1の操作者が入力装置102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データ等を表示したりする。
装置本体100は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。図1に示す装置本体100により生成される超音波画像データは、2次元の反射波信号に基づいて生成される2次元の超音波画像データであっても、3次元の反射波信号に基づいて生成される3次元の超音波画像データであってもよい。
装置本体100は、図1に示すように、送受信回路110と、信号処理回路120と、画像生成回路130と、画像メモリ140と、記憶回路150と、処理回路160とを備える。送受信回路110、信号処理回路120、画像生成回路130、画像メモリ140、記憶回路150、及び処理回路160は、互いに通信可能に接続される。
送受信回路110は、後述する処理回路160の指示に基づいて、超音波プローブ101が行う超音波送受信(超音波スキャン)を制御する。送受信回路110は、パルス発生器、送信遅延回路、パルサ等を有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定の繰り返し周波数で送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
なお、送受信回路110は、後述する処理回路160の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信回路110は、アンプ回路、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延回路、加算器、直交検波回路等を有し、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネル毎に増幅してゲイン補正処理を行う。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な受信遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路により受信遅延時間が与えられた反射波信号の加算処理を行う。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
そして、直交検波回路は、加算器の出力信号をベースバンド帯域の同相信号(I信号、I:In-phase)と直交信号(Q信号、Q:Quadrature-phase)とに変換する。そして、直交検波回路は、I信号及びQ信号(以下、IQ信号と記載する)を反射波データとして、信号処理回路120へ送信する。なお、直交検波回路は、加算器の出力信号を、RF(Radio Frequency)信号に変換した上で、信号処理回路120へ送信してもよい。IQ信号や、RF信号は、位相情報が含まれる信号(受信信号)となる。以下では、送受信回路110が出力する反射波データを、受信信号と記載する場合がある。
なお、送受信回路110は、1回の超音波ビームの送信により得られる各圧電振動子の反射波信号から複数の受信フォーカスの反射波データを生成することができる。すなわち、送受信回路110は、並列同時受信処理を行うことが可能な回路である。なお、第1の実施形態は、送受信回路110が並列同時受信処理を実行できない場合であっても適用可能である。
信号処理回路120は、送受信回路110が反射波信号から生成した反射波データに対して、各種の信号処理を行う。例えば、信号処理回路120は、送受信回路110が生成した反射波データ(IQ信号)を一時的に記憶するバッファを備える。バッファは、数フレーム分のIQ信号、又は、数ボリューム分のIQ信号を記憶する。例えば、バッファは、FIFO(First-In/First-Out)メモリであり、所定フレーム分のIQ信号を記憶する。そして、例えば、バッファは、新たに1フレーム分のIQ信号が送受信回路110にて生成された場合、生成時間が最も古い1フレーム分のIQ信号を破棄して、新たに生成された1フレーム分のI/Q信号を記憶する。そして、信号処理回路120は、バッファから読み出した反射波データ(IQ信号)に対して、対数増幅、包絡線検波処理、対数圧縮などを行って、多点の信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモード情報)を生成する。
なお、信号処理回路120は、フィルタ処理により、検波周波数を変化させることで、映像化する周波数帯域を変えることができる。この信号処理回路120のフィルタ処理機能を用いることにより、コントラストハーモニックイメージング(CHI:Contrast Harmonic Imaging)や、ティッシュハーモニックイメージング(THI:Tissue Harmonic Imaging)等のハーモニックイメージングを実行可能である。
また、この信号処理回路120のフィルタ処理機能を用いることにより、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、ティッシュハーモニックイメージング(THI:Tissue Harmonic Imaging)を実行可能である。
また、CHIやTHIのハーモニックイメージングを行う際、信号処理回路120は、上述したフィルタ処理を用いた方法とは異なる方法により、ハーモニック成分を抽出することができる。ハーモニックイメージングでは、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)法や位相変調(PM:Phase Modulation)法、AM法及びPM法を組み合わせたAMPM法と呼ばれる映像法が行われる。AM法、PM法及びAMPM法では、同一の走査線に対して振幅や位相が異なる超音波送信を複数回行う。これにより、送受信回路110は、各走査線で複数の反射波データ(受信信号)を生成し出力する。そして、信号処理回路120は、各走査線の複数の反射波データ(受信信号)を、変調法に応じた加減算処理することで、ハーモニック成分を抽出する。そして、信号処理回路120は、ハーモニック成分の反射波データ(受信信号)に対して包絡線検波処理等を行って、Bモード情報を生成する。
信号処理回路120は、バッファから読み出した反射波データを周波数解析することで、走査範囲内にある移動体のドプラ効果に基づく運動情報を抽出したデータ(ドプラ情報)を生成する。具体的には、信号処理回路120は、移動体の運動情報として、平均速度、平均分散値、平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれで推定したドプラ情報を生成する。ここで、移動体とは、例えば、血流や、心壁等の組織、造影剤である。血流の運動情報(血流情報)を生成(抽出)する場合、信号処理回路120は、被検体の臓器等の固定反射や臓器の呼吸性移動、拍動性移動等に起因するクラッタ信号成分をドプラ情報から除去する処理を行う。血流情報は、血流の平均速度、血流の平均分散値、血流の平均パワー値等で表される。
上記の信号処理回路120の機能を用いて、本実施形態に係る超音波診断装置1は、カラーフローマッピング法(CFM:Color Flow Mapping)とも呼ばれるカラードプラ法を実行可能である。CFM法では、超音波の送受信が複数の走査線上で複数回行われる。そして、CFM法では、同一位置のデータ列に対してMTI(Moving Target Indicator)フィルタを掛けることで、静止している組織、或いは、動きの遅い組織に由来する信号(クラッタ信号)を抑制して、血流に由来する信号を抽出する。そして、CFM法では、この血流信号から血流の速度、血流の分散、血流のパワー等の血流情報を推定する。後述する画像生成回路130は、推定結果の分布を、例えば、2次元でカラー表示した超音波画像データ(ドプラ画像データ)を生成する。そして、ディスプレイ103は、ドプラ画像データを表示する。
MTIフィルタとしては、バタワース型のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタや、多項式回帰フィルタ(Polynomial Regression Filter)等、係数が固定されたフィルタや、入力信号に応じて係数を変化させる適応型のMTIフィルタが適用可能である。適応型のMTIフィルタとしては、例えば「Eigenvector Regression Filter」と呼ばれているフィルタを用いる。以下、固有ベクトルを用いた適応型MTIフィルタである「Eigenvector Regression Filter」を、「固有ベクトル型MTIフィルタ」と記載する。
固有ベクトル型MTIフィルタは、相関行列から固有ベクトルを計算し、計算した固有ベクトルから、クラッタ成分抑制処理に用いる係数を計算する。この方法は、主成分分析や、カルーネン・レーベル変換(Karhunen-Loeve transform)、固有空間法で使われている手法を応用したものである。
固有ベクトル型MTIフィルタを用いる場合、信号処理回路120は、同一位置(同一サンプル点)の連続した反射波データのデータ列から、走査範囲の相関行列を計算する。例えば、信号処理回路120は、相関行列の固有値及び当該固有値に対応する固有ベクトルを計算する。そして、信号処理回路120は、例えば、各固有値の大きさに基づいて各固有ベクトルを並べた行列のランクを低減した行列を、クラッタ成分を抑制するフィルタ行列として計算する。ここで、信号処理回路120は、例えば、予め設定された値、或いは、操作者が指定した値により、低減される主成分の数、すなわち、ランクカット数の値を決定する。しかし、心臓や血管等、拍動により移動速度が時間により変化する組織が走査範囲内に含まれる場合、ランクカット数の値は、固有値の大きさから適応的に決定されることが好適である。すなわち、信号処理回路120は、相関行列の固有値の大きさに応じて、低減する主成分の数を変更する。本実施形態では、信号処理回路120は、固有値の大きさに応じて、低減するランク数を変更する。
信号処理回路120は、フィルタ行列を用いて、同一位置(同一サンプル点)の連続した反射波データのデータ列から、クラッタ成分が抑制され、血流に由来する血流信号が抽出されたデータ列を出力する。信号処理回路120は、出力したデータを用いた自己相関演算等の演算を行って、血流情報を推定し、推定した血流情報を出力する。
画像生成回路130は、信号処理回路120が生成したデータから超音波画像データを生成する。例えば、画像生成回路130は、2次元のBモード情報から反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路130は、2次元のドプラ情報から血流情報が映像化された2次元ドプラ画像データを生成する。2次元ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。画像生成回路130は、ドプラ画像データとして、血流情報がカラーで表示されるカラードプラ画像データを生成したり、1つの血流情報がグレースケールで表示されるドプラ画像データを生成したりする。
ここで、画像生成回路130は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成回路130は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路130は、スキャンコンバート以外に、種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成回路130は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
すなわち、Bモード情報及びドプラ情報は、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成回路130が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモード情報及びドプラ情報は、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成回路130は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データから、表示用の2次元超音波画像データを生成する。
更に、画像生成回路130は、信号処理回路120が生成した3次元のBモード情報に対して座標変換を行うことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路130は、信号処理回路120が生成した3次元のドプラ情報に対して座標変換を行うことで、3次元ドプラ画像データを生成する。
更に、画像生成回路130は、ボリュームデータをディスプレイ103にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行う。画像生成回路130が行うレンダリング処理としては、例えば、断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)を行ってボリュームデータからMPR画像データを生成する処理がある。また、画像生成回路130が行うレンダリング処理としては、例えば、3次元の情報を反映した2次元画像データを生成するボリュームレンダリング(VR:Volume Rendering)処理がある。
画像メモリ140は、画像生成回路130が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ140は、信号処理回路120や信号処理回路120が生成したデータを記憶することも可能である。画像メモリ140が記憶するBモード情報やドプラ情報は、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成回路130を経由して表示用の超音波画像データとなる。また、画像メモリ140は、送受信回路110が出力した反射波データを記憶することも可能である。
記憶回路150は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行うための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路150は、必要に応じて、画像メモリ140が記憶する画像データの保管等にも使用される。また、記憶回路150が記憶するデータは、図示しないインターフェースを経由して、外部装置へ転送することができる。また、記憶回路150は、外部装置から図示しないインターフェースを経由して転送されたデータを記憶することも可能である。
処理回路160は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路160は、入力装置102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路150から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路110、信号処理回路120、及び画像生成回路130の処理を制御する。また、処理回路160は、画像メモリ140や記憶回路150が記憶する表示用の超音波画像データをディスプレイ103にて表示するように制御する。
ここで、処理回路160が実行する各処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路150に記録されている。処理回路160は、各プログラムを記憶回路150から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。
本実施形態にて用いる「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路150にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
ここで、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、クラッタ信号成分を適切に除去するために、以下に説明する処理機能を備える。すなわち、信号処理回路120は、互いに異なるカットオフ値を有する複数のフィルタ処理を超音波の受信信号に対してそれぞれ並列に適用することによって抽出された複数のドプラ情報に基づいて、サンプル点ごとにクラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する。なお、信号処理回路120は、信号処理部の一例である。
図2は、第1の実施形態に係る信号処理回路120の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、信号処理回路120は、ウォールフィルタ処理機能121A,121B、自己相関演算機能122A,122B、ドプラ情報演算機能123A,123B、ブランク処理機能124、及びパーシスタンス機能125を実行する。
なお、信号処理回路120の構成要素であるウォールフィルタ処理機能121A,121B、自己相関演算機能122A,122B、ドプラ情報演算機能123A,123B、ブランク処理機能124、及びパーシスタンス機能125が実行する各処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路150に記録されている。処理回路160は、各プログラムを記憶回路150から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。なお、信号処理回路120が実行する各処理機能については、図3の説明にて後述する。
図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すステップS101~ステップS109の各処理は、例えば、ドプラ画像データの表示を開始する旨の開始指示を操作者から受け付けた場合に開始される。
図3に示すように、超音波診断装置1は、超音波スキャンを実行する(ステップS101)。例えば、送受信回路110は、処理回路160からの制御に基づいて、操作者によって設定された関心領域に対して超音波スキャンを実行する。そして、送受信回路110は、フレームごとに、関心領域内の各サンプル点からの反射波データを生成する。
続いて、信号処理回路120は、高カットオフ値のフィルタ処理Aと、低カットオフ値のフィルタ処理Bとをそれぞれ適用する(ステップS102)。ステップS102の処理は、ウォールフィルタ処理機能121A,121Bによって実行される。
ウォールフィルタ処理機能121A,121Bは、サンプル点ごとに時系列的に受信された超音波の受信信号(反射波データのデータ列)に対してフィルタ処理を実行する。ここで、ウォールフィルタ処理機能121Aは、反射波信号のデータ列に対して、カットオフ値Aを有するフィルタ処理Aを実行する。また、ウォールフィルタ処理機能121Bは、反射波信号のデータ列に対して、カットオフ値Aより小さいカットオフ値Bを有するフィルタ処理Bを実行する。なお、ウォールフィルタ処理機能121Aは、第1フィルタ処理部の一例である。また、ウォールフィルタ処理機能121Bは、第2フィルタ処理部の一例である。また、カットオフ値Aは、第1カットオフ値の一例である。また、カットオフ値Bは、第2カットオフ値の一例である。また、フィルタ処理Aは、第1フィルタ処理の一例である。また、フィルタ処理Bは、第2フィルタ処理の一例である。また、ウォールフィルタ処理機能121A,121Bを区別無く総称する場合には、「ウォールフィルタ処理機能121」と記載する。
例えば、ウォールフィルタ処理機能121は、フィルタ処理として、ハイパスフィルタ(例えばIIRフィルタ)を適用する。ウォールフィルタ処理機能121は、第nフレームにおける所定位置(サンプル点)のIIRフィルタ出力データ(ドプラ信号)を得るために、同一位置における、第nフレームの反射波データと、過去の4フレーム分(第(n-4)フレーム~第(n-1)フレーム)の反射波データと、過去の4フレーム分のIIRフィルタ出力データ(ドプラ信号)とを用いる。これらの反射波データは、上述したように、1フレームの走査範囲(第1走査範囲)を形成する複数の走査線それぞれで、1回ずつ超音波送受信を行うことで生成された反射波データである。なお、ウォールフィルタ処理機能121は、ハイパスフィルタに限定されるものではない。例えば、ウォールフィルタ処理機能121Bは、バンドパスフィルタを適用しても良い。
そして、信号処理回路120は、フィルタ処理Aに基づくドプラ情報Aと、フィルタ処理Bに基づくドプラ情報Bとを算出する(ステップS103)。ステップS103の処理は、自己相関演算機能122A,122B、及びドプラ情報演算機能123A,123Bによって実行される。
自己相関演算機能122A,122Bは、最新フレームのドプラ信号のIQ信号と、1フレーム前のドプラ信号のIQ信号との複素共役をとることで自己相関値を算出する。具体的には、自己相関演算機能122Aは、フィルタ処理Aによって出力されたドプラ信号を用いて自己相関値を算出する。また、自己相関演算機能122Bは、フィルタ処理Bによって出力されたドプラ信号を用いて自己相関値を算出する。なお、自己相関演算機能122A,122Bを区別無く総称する場合には、「自己相関演算機能122」と記載する。
ドプラ情報演算機能123A,123Bは、自己相関演算機能122が算出した自己相関値から、平均速度、平均分散値、平均パワー値等のドプラ情報を算出する。具体的には、ドプラ情報演算機能123Aは、自己相関演算機能122Aが算出した自己相関値からドプラ情報Aを算出する。また、ドプラ情報演算機能123Bは、自己相関演算機能122Bが算出した自己相関値からドプラ情報Bを算出する。なお、ドプラ情報Aは、第1ドプラ情報の一例である。また、ドプラ情報Bは、第2ドプラ情報の一例である。
そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Bに基づいて、閾値を設定する(ステップS104)。そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Aが閾値未満か否かを判定する(ステップS105)。そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Aが閾値未満である場合には(ステップS105,Yes)、血流情報として略ゼロを採用する(ステップS106)。一方、信号処理回路120は、ドプラ情報Aが閾値以上である場合には(ステップS105,No)、血流情報としてドプラ情報Aを採用する(ステップS107)。ステップS104~ステップS107の各処理は、ブランク処理機能124によって実行される。
ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aからドプラ情報Bを部分的に除くブランク処理を実行することで、血流情報を生成する。例えば、ブランク処理機能124は、フィルタ処理Aによって抽出された各サンプル点のドプラ情報Aと、フィルタ処理Bによって抽出された各サンプル点のドプラ情報Bとに基づいて、クラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する。なお、ブランク処理機能124は、血流情報生成部の一例である。
ここで、図4A、図4B、図5A、及び図5Bを用いて、ブランク処理機能124の処理について説明する。図4A~図5Bは、第1の実施形態に係るブランク処理機能124の処理について説明するための図である。図4A~図5Bにおいて、縦軸はドプラ情報に含まれる各信号成分の強度に対応し、横軸は周波数に対応する。
例えば、図4Aに示すように、心臓の動きの大きさに対して十分に血流移動が大きい場合には、受信信号に対して高カットオフ値のハイパスフィルタA(フィルタ処理A)を適用すると、平均速度「Vel-B1」のドプラ情報が抽出される。また、同じ受信信号に対して低カットオフ値のハイパスフィルタB(フィルタ処理B)を適用すると、平均速度「Vel-C1」のドプラ情報が抽出される。ここで、「Vel-B1」は、血流信号が支配的であるため高い値となる。一方、「Vel-C1」は、ハイパスフィルタAの場合と比較して多くのクラッタ信号が残存しているため、クラッタ信号の残存量に依存して低い値となる。この結果、「Vel-B1」と「Vel-C1」の速度値の差は大きくなる。
一方、図4Bに示すように、心臓の動きの大きさに対して血流移動が小さい場合には、受信信号に対して高カットオフ値のハイパスフィルタA(フィルタ処理A)を適用すると、平均速度「Vel-B2」のドプラ情報が抽出される。また、同じ受信信号に対して低カットオフ値のハイパスフィルタB(フィルタ処理B)を適用すると、平均速度「Vel-C2」のドプラ情報が抽出される。ここで、「Vel-B2」及び「Vel-C2」は、いずれもクラッタ信号が支配的である。このため、「Vel-B2」と「Vel-C2」の速度値の差は、図4Aの場合と比較して小さい。
このように、クラッタ信号に対する血流信号の大きさに依存して、カットオフ値が異なる2つのウォールフィルタから得られる2つのドプラ情報(速度値)の差には違いがある。そこで、ブランク処理機能124は、この2つのドプラ情報(速度値)の差の違いを利用することで、クラッタ信号成分を適切に除去した血流情報を生成する。
具体例を挙げると、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Bに基づいて、ブランク処理で用いる閾値を設定する。例えば、ブランク処理機能124は、ドプラ情報演算機能123Bによって算出された平均速度に対して、予め設定された固定値「α」を加算した値を、閾値として設定する。そして、ブランク処理機能124は、設定した閾値を用いた閾値処理により、血流情報を生成する。
ここで、固定値「α」は、操作者によって任意に設定可能な値である。例えば、固定値「α」は、スキャン部位ごとに予め設定されるのが好適である。また、固定値「α」は、「Vel-B1」と「Vel-C1」の速度値の差(図4Aの速度値の差)より小さく、「Vel-B2」と「Vel-C2」の速度値の差(図4Bの速度値の差)より大きい値であるのが好適である。
例えば、クラッタ信号に対して血流信号が十分に大きい場合には、ブランク処理機能124は、図4Aのドプラ情報Bに対応する平均速度「Vel-C1」に対して固定値「α」を加算することで、閾値「TH-1」を設定する(図5A)。ここで、固定値「α」は、「Vel-B1」と「Vel-C1」の速度値の差より小さい値であるので、閾値「TH-1」は、平均速度「Vel-B1」より小さくなる。
一方、クラッタ信号に対して血流信号が小さい場合には、ブランク処理機能124は、図4Bのドプラ情報Bに対応する平均速度「Vel-C2」に対して固定値「α」を加算することで、閾値「TH-2」を設定する(図5B)。ここで、固定値「α」は、「Vel-B2」と「Vel-C2」の速度値の差より大きい値であるので、閾値「TH-2」は、平均速度「Vel-B2」より大きくなる。
換言すると、受信信号に含まれるクラッタ信号や血流信号の程度が不明であったとしても、ブランク処理機能124は、2つのウォールフィルタから得られる2つのドプラ情報(速度値)の差の大小を、閾値を用いて判定する。この結果、ブランク処理機能124は、受信信号のうち、クラッタ信号に対する血流信号の大きさを推定することができる。
つまり、ブランク処理機能124は、フレームごとに、各サンプル点のドプラ情報Aと閾値とを比較する。そして、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値未満である場合には、クラッタ信号に対して血流信号が小さく、ドプラ情報に含まれる成分の多くがクラッタ信号であると推定できる。このため、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値未満であるサンプル点については、血流情報として略ゼロを採用する。一方、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値以上である場合には、クラッタ信号に対して血流信号が大きく、ドプラ情報に含まれる成分の多くが血流信号であると推定できる。このため、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値以上であるサンプル点については、血流情報としてドプラ情報Aを採用する。
このように、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aと、ドプラ情報Bに基づく閾値との比較に基づいて、血流情報を生成する。この結果、ブランク処理機能124は、フレームごとに、各サンプル点について適切に閾値が設定されたブランク処理を実行できるので、個人差が大きい生体においてもクラッタ信号成分を適切に除去した血流情報を生成することができる。
なお、図4A~図5Bの説明では、ブランク処理機能124が、ドプラ情報として平均速度を用いてブランク処理を実行する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、ブランク処理機能124が、ドプラ情報として、平均分散値や平均パワー値等を用いてブランク処理を実行することも可能である。また、ブランク処理機能124は、ドプラ情報のうち1種類のパラメータを用いるのではなく、複数種類のパラメータを組み合わせてブランク処理を実行することも可能である。組み合わせの例としては、平均速度と平均分散値、平均速度と平均パワー値、平均分散値と平均パワー値、及び平均速度と平均分散値と平均パワー値の4通りが適用可能である。
また、ブランク処理は、上述した閾値処理に限定されるものではない。例えば、ブランク処理機能124は、ブランク処理として、差分処理を実行することも可能である。差分処理については、変形例にて後述する。
また、「略ゼロ」という記載は、必ずしも「ゼロ」に限定されるものではなく、僅かな値を有していても良いことを意図したものである。例えば、ドプラ画像データとして画像化される場合、閲覧者が画像上でゼロと区別できない程度の僅かな値であれば、「ゼロ」に代えて採用可能である。
図3の説明に戻る。信号処理回路120は、平滑化処理を実行する(ステップS108)。例えば、パーシスタンス機能125は、ブランク処理機能124から出力された血流情報に対して、時間方向に平滑化するフィルタ処理を適用する。パーシスタンス機能125は、平滑化処理後の血流情報を、例えば画像生成回路130に出力する。
そして、画像生成回路130は、ドプラ画像データを生成する(ステップS109)。例えば、画像生成回路130は、パーシスタンス機能125から出力された平滑化処理後の血流情報に対してスキャンコンバート等の処理を行って、血流情報に応じた画素値が割り当てられたドプラ画像データを生成する。生成されたドプラ画像データは、画像メモリ140に格納され、必要に応じてディスプレイ103に表示されたり、超音波診断装置1に接続される外部装置に転送されたりする。
このように、超音波診断装置1は、ステップS101~ステップS109の各処理を実行することで、各フレームのドプラ画像データを動画像として表示する。そして、超音波診断装置1は、ドプラ画像データの表示を終了する旨の終了指示を操作者から受け付けると、ステップS101~ステップS109の各処理の実行を終了する。
なお、図3にて説明した処理手順の順序はあくまで一例であり、必ずしも図示の順序で実行されるものではない。例えば、図3の処理手順の順序は、処理内容に矛盾が生じない範囲内で任意に変更可能である。
上述してきたように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、互いに異なるカットオフ値を有する複数のフィルタ処理を超音波の受信信号に対してそれぞれ並列に適用することによって抽出された複数のドプラ情報に基づいて、サンプル点ごとにクラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する。これによれば、超音波診断装置1は、クラッタ信号成分を適切に除去することが可能となる。
図6A及び図6Bを用いて、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による効果を説明する。図6A及び図6Bは、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による効果を説明するための図である。図6Aには、第1の実施形態に係る超音波診断装置1により得られるドプラ画像データの一例を示す。また、図6Bには、第1の実施形態が適用されない比較例に係る超音波診断装置により得られるドプラ画像データの一例を示す。
図6A及び図6Bに示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1により得られるドプラ画像データでは、関心領域の中央付近に冠動脈血流が明瞭に描出される(図6A)。これに対して、比較例に係る超音波診断装置により得られるドプラ画像データでは、冠動脈血流は描出されず、クラッタ信号のみが描出される。
ここで、比較例における課題を説明する。第1の実施形態が適用されない比較例としては、大きく下記の2つの手法が考えられるが、いずれの手法においてもクラッタ信号成分を適切に除去することが難しい。
第1の手法は、2つのフィルタ処理を順番に適用する手法である。具体的には、第1の手法では、まず、ドプラ情報に対してローパスフィルタを適用してクラッタ信号成分を積極的に抽出する。そして、抽出したクラッタ信号成分に基づいて必要に応じて元のドプラ情報に対してフィードバック処理をかける。そして、フィードバック処理後のドプラ情報に対してハイパスフィルタを適用することで、血流信号成分とクラッタ信号成分とを分離する。
しかしながら、第1の手法では、元のドプラ情報に対してローパスフィルタとハイパスフィルタを順に適用するため、フィルタ処理に要する処理時間が2回分かかる上、フィードバック処理にも一定の処理時間がかかっていた。また、フィードバック処理で用いられる係数は経験的に設定せざるを得ず、必ずしも適切な係数を適用できるとは限らない。このように、第1の手法では、クラッタ信号成分を適切に除去することが難しい。
第2の手法は、ブランク処理を行う手法である。具体的には、第2の手法では、ドプラ情報の速度と閾値とを比較し、閾値未満の速度を略ゼロとすることで、クラッタ信号成分が除去される。
しかしながら、第2の手法では、全フレームの全サンプル点に対して単一の閾値を適用するため、必ずしもクラッタ信号成分を適切に除去することができなかった。例えば、冠動脈血流のように、クラッタ信号成分が大きい撮像環境下では、必ずしもクラッタ信号成分を適切に除去することができない。
図7A、図7B、及び図8を用いて、比較例に係る第2の手法における課題を説明する。図7A、図7B、及び図8は、比較例に係る第2の手法における課題を説明するための図である。図7A、図7B、及び図8において、縦軸は信号強度に対応し、横軸は周波数に対応する。
例えば、図7Aに示すように、心臓の動きの大きさに対して血流移動が小さい場合には、クラッタ信号が支配的となる。この場合、ウォールフィルタ(ハイパスフィルタ)を適用すると、フィルタ処理後の信号成分もクラッタ信号が支配的となり、平均速度は「Vel-C0」となる。一方、図7Bに示すように、心臓の動きの大きさに対して十分に血流移動が大きい場合にウォールフィルタを適用すると、フィルタ処理後の信号成分は血流信号が支配的となり、平均速度は「Vel-B0」となる。
ここで、例えば、平均速度「Vel-C0」が平均速度「Vel-B0」より大きい値となる場合は、平均速度「Vel-C0」と平均速度「Vel-B0」とが近い値となる場合には、単一の閾値を用いるブランク処理では、クラッタ信号成分を適切に除去することができない。
例えば、図8に示すように、閾値が「Th-A」に設定される場合には、ブランク処理を行っても血流信号もクラッタ信号も残存することとなる。また、閾値が「Th-B」に設定される場合には、ブランク処理によって血流信号もクラッタ信号も除去されることとなる。このように、単一の閾値を用いるブランク処理では、クラッタ信号成分を適切に除去することができない。
これに対して、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、互いに異なるカットオフ値を有する2つのウォールフィルタを同一の受信信号に対して並列に適用する。このため、超音波診断装置1は、実質1回分の処理時間でウォールフィルタを適用可能である。
また、超音波診断装置1は、フレームごとに、各サンプル点の受信信号から得られるドプラ情報Bに基づいて、ブランク処理に用いる閾値を設定する。このため、超音波診断装置1は、フレームごとに、各サンプル点の受信信号に含まれるクラッタ信号及び血流信号の割合に応じて適切にブランク処理を実行することが可能である。
(第1の実施形態の変形例)
上記の実施形態では、ブランク処理として閾値処理が適用される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、ブランク処理機能124は、ブランク処理として、差分処理を実行することも可能である。すなわち、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aから、ドプラ情報Bに基づく減数値を減算する減算処理に基づいて、血流情報を生成する。
図9は、第1の実施形態の変形例に係る超音波診断装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9に示すステップS201~ステップS210の各処理は、例えば、ドプラ画像データの表示を開始する旨の開始指示を操作者から受け付けた場合に開始される。
なお、図9の処理手順のうち、ステップS201~ステップS203の各処理は、図3に示したステップS101~ステップS103の各処理と同様であるので説明を省略する。また、ステップS209~ステップS210の各処理は、図3に示したステップS108~ステップS109の各処理と同様であるので説明を省略する。
図9に示すように、信号処理回路120は、ドプラ情報Bに基づいて、減数値を設定する(ステップS204)。そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Aから減数値を減算する(ステップS205)。そして、信号処理回路120は、減算後の値がゼロ未満か否かを判定する(ステップS206)。そして、信号処理回路120は、減算後の値がゼロ未満である場合には(ステップS206,Yes)、血流情報として略ゼロを採用する(ステップS207)。一方、信号処理回路120は、減算後の値がゼロ以上である場合には(ステップS206,Yes)、血流情報としてドプラ情報Aを採用する(ステップS208)。
例えば、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Bに対して予め設定された固定値「α」を加算した値を、減数値として設定する。なお、固定値「α」は、上記の実施形態にて説明した固定値「α」と同様であるので、説明を省略する。
そして、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aから減数値を減算し、減算処理の差分値がゼロ未満であるか否かを判定する。ブランク処理機能124は、減算処理の差分値がゼロ未満であるサンプル点については、血流情報として略ゼロを採用する。一方、ブランク処理機能124は、減算処理の差分値がゼロ以上であるサンプル点については、血流情報としてドプラ情報Aを採用する。
このように、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aから、ドプラ情報Bに基づく減数値を減算する減算処理に基づいて、血流情報を生成する。これにより、ブランク処理機能124は、上記の実施形態にて説明した閾値処理によるブランク処理と同様の処理を行うことができる。
(第2の実施形態)
上記の実施形態では、2つのウォールフィルタを用いる処理を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、本実施形態は、3つ以上のウォールフィルタを用いることも可能である。
図10を用いて、第2の実施形態に係る信号処理回路120の処理について説明する。図10は、第2の実施形態に係る信号処理回路120の処理について説明するための図である。図10において、縦軸はドプラ情報に含まれる各信号成分の強度に対応し、横軸は周波数に対応する。
図10に示すように、血流信号に対してクラッタ信号が大きく無い場合がある。このような場合には、高カットオフ値のハイパスフィルタAにより得られるドプラ情報Aと、低カットオフ値(図10の「低カットオフ値1」)のハイパスフィルタBにより得られるドプラ情報Bは、いずれも血流信号が支配的となる。このため、ドプラ情報Aの平均速度「Vel-B3」と、ドプラ情報Bの平均速度「Vel-C3」との速度値の差は、小さくなる。このため、第1の実施形態に係るブランク処理では、血流信号が支配的であるにもかかわらずドプラ情報Aを除去する(略ゼロにする)ように機能してしまう場合がある。
そこで、血流信号に対してクラッタ信号が大きく無いスキャン部位では、3つ目のウォールフィルタを用いるのが好適である。例えば、信号処理回路120は、3つ目のウォールフィルタとして、低カットオフ値1より小さい低カットオフ値2のハイパスフィルタCを適用する。ハイパスフィルタCにより得られるドプラ情報Cの平均速度「Vel-C4」は、クラッタ信号が大きければクラッタ信号に依存してより低い値となるが、クラッタ信号が小さければ平均速度「Vel-B3」や平均速度「Vel-C3」と同程度の値となる。そこで、信号処理回路120は、平均速度「Vel-C4」と、平均速度「Vel-B3」及び平均速度「Vel-C3」のうち少なくとも一方とを比較することで、受信信号に含まれるクラッタ信号及び血流信号の割合を推定する。
図11は、第2の実施形態に係る信号処理回路120の構成例を示すブロック図である。図11に示すように、信号処理回路120は、図2に示した構成に加えて、ウォールフィルタ処理機能121C、自己相関演算機能122C、及びドプラ情報演算機能123Cを備える。なお、第2の実施形態に係る信号処理回路120が実行する各処理機能については、図12の説明にて後述する。
図12は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示すステップS301~ステップS310の各処理は、例えば、ドプラ画像データの表示を開始する旨の開始指示を操作者から受け付けた場合に開始される。
図12に示すように、超音波診断装置1は、超音波スキャンを実行する(ステップS101)。なお、ステップS301の処理は、図3のステップS101の処理と同様であるので説明を省略する。
続いて、信号処理回路120は、高カットオフ値のフィルタ処理Aと、低カットオフ値1のフィルタ処理Bと、低カットオフ値2のフィルタ処理Cとをそれぞれ適用する(ステップS302)。ステップS302の処理は、ウォールフィルタ処理機能121A,121B,121Cによって実行される。なお、図11に示すウォールフィルタ処理機能121A,121Bの説明は、図2に示したウォールフィルタ処理機能121A,121Bの説明と同様であるので説明を省略する。
ウォールフィルタ処理機能121Cは、カットオフ値B(ウォールフィルタ処理機能121のカットオフ値)より小さいカットオフ値Cを有するフィルタ処理Cを実行する。ウォールフィルタ処理機能121Cは、ウォールフィルタ処理機能121A,121Bと並列でフィルタ処理を実行する。なお、ウォールフィルタ処理機能121Cの構成は、カットオフ値が異なる点を除き、ウォールフィルタ処理機能121A,121Bと同様であるので説明を省略する。また、ウォールフィルタ処理機能121Cは、第3フィルタ処理部の一例である。
そして、信号処理回路120は、フィルタ処理Aに基づくドプラ情報Aと、フィルタ処理Bに基づくドプラ情報B、フィルタ処理Cに基づくドプラ情報Cとを算出する(ステップS303)。ステップS303の処理は、自己相関演算機能122A,122B,122C、及びドプラ情報演算機能123A,123B,123Cによって実行される。
なお、図11に示す自己相関演算機能122A,122B、及びドプラ情報演算機能123A,123Bの説明は、図2に示した自己相関演算機能122A,122B、及びドプラ情報演算機能123A,123Bの説明と同様であるので説明を省略する。
自己相関演算機能122Cは、フィルタ処理Cによって出力されたドプラ信号を用いて自己相関値を算出する。なお、自己相関演算機能122Cの構成は、フィルタ処理Cによって出力されたドプラ信号を用いる点を除き、自己相関演算機能122A,122Bと同様であるので説明を省略する。
ドプラ情報演算機能123Cは、自己相関演算機能122Cが算出した自己相関値からドプラ情報Cを算出する。なお、ドプラ情報演算機能123Cの構成は、自己相関演算機能122Cが算出した自己相関値を用いる点を除き、ドプラ情報演算機能123A,123Bと同様であるので説明を省略する。また、ドプラ情報Cは、第3ドプラ情報の一例である。
そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Bに基づいて、閾値を設定する(ステップS304)。そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Aが閾値未満であるか否かを判定する(ステップS305)。そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Aが閾値未満である場合には(ステップS305,Yes)、更に、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値未満であるか否かを判定する(ステップS306)。そして、信号処理回路120は、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値以上である場合には(ステップS305,Yes)、血流情報として略ゼロを採用する(ステップS306)。一方、信号処理回路120は、ドプラ情報Aが閾値以上である場合(ステップS305,No)、及び、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値未満である場合には(ステップS306,Yes)、血流情報としてドプラ情報Aを採用する(ステップS308)。ステップS304~ステップS308の各処理は、ブランク処理機能124によって実行される。
例えば、ブランク処理機能124は、図10における平均速度「Vel-C3」と平均速度「Vel-C4」との差の大小を判定するために、「所定値」を利用する。この所定値は、受信信号に含まれるクラッタ信号の大きさを検出可能に設定される。
そして、ブランク処理機能124は、フレームごとに、各サンプル点のドプラ情報Aと閾値とを比較する。そして、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値以上である場合には、クラッタ信号に対して血流信号が大きく、ドプラ情報に含まれる成分の多くが血流信号であると推定できる。このため、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値以上であるサンプル点については、血流情報としてドプラ情報Aを採用する。
一方、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値未満である場合には、更に、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差と所定値とを比較する。そして、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値未満である場合には、図10に示したように、血流信号に対してクラッタ信号が小さく、血流信号が支配的であると推定できる。このため、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値未満であり、かつ、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値未満であるサンプル点については、血流情報としてドプラ情報Aを採用する。
また、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値以上である場合には、血流信号に対してクラッタ信号が大きく、ドプラ情報に含まれる成分の多くがクラッタ信号であると推定できる。このため、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aが閾値未満であり、かつ、ドプラ情報Bとドプラ情報Cとの差が所定値以上であるサンプル点については、血流情報として略ゼロを採用する。
このように、ブランク処理機能124は、ドプラ情報Aと、ドプラ情報Bと、ドプラ情報Cとに基づいて、血流信号を生成する。
そして、信号処理回路120は、平滑化処理を実行する(ステップS309)。そして、画像生成回路130は、ドプラ画像データを生成する(ステップS310)。なお、ステップS309及びステップS310の各処理は、図3に示したステップS108及びステップS109の各処理と同様であるので説明を省略する。
このように、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、3つ以上のウォールフィルタを用いることで、クラッタ信号成分を適切に除去した血流情報を生成することができる。これにより、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、血流信号に対してクラッタ信号が小さいスキャン部位に対しても適用することが可能となる。
なお、第2の実施形態にて説明した内容はあくまで一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態にて説明した変形例や他のバリエーションは、第2の実施形態にも同様に適用可能である。
(その他の実施形態)
上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、上記の実施形態において説明した撮像方法は、予め用意された撮像プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この撮像プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この超音波イメージング方法は、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、クラッタ信号成分を適切に除去することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
120 信号処理回路
121 ウォールフィルタ処理機能
122 自己相関演算機能
123 ドプラ情報演算機能
124 ブランク処理機能
125 パーシスタンス機能

Claims (11)

  1. 互いに異なるカットオフ値を有する複数のフィルタ処理を超音波の受信信号に対してそれぞれ並列に適用することによって抽出された複数のドプラ情報に基づいて、サンプル点ごとにクラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する信号処理部
    を備える、超音波診断装置。
  2. 前記信号処理部は、
    サンプル点ごとに時系列的に受信された超音波の受信信号に対して、第1カットオフ値を有する第1フィルタ処理を実行する第1フィルタ処理部と、
    前記受信信号に対して、前記第1カットオフ値より小さい第2カットオフ値を有する第2フィルタ処理を実行する第2フィルタ処理部と、
    前記第1フィルタ処理によって抽出された各サンプル点の第1ドプラ情報と、前記第2フィルタ処理によって抽出された各サンプル点の第2ドプラ情報とに基づいて、前記クラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する血流情報生成部と、
    を有する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記血流情報生成部は、
    前記第1ドプラ情報から前記第2ドプラ情報を部分的に除くブランク処理を実行することで、前記血流情報を生成する、
    請求項2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記血流情報生成部は、前記第1ドプラ情報と、前記第2ドプラ情報に基づく閾値との比較に基づいて、前記血流情報を生成する、
    請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記血流情報生成部は、
    前記第1ドプラ情報が前記閾値以上であるサンプル点については、前記血流情報として前記第1ドプラ情報を採用し、
    前記第1ドプラ情報が前記閾値未満であるサンプル点については、前記血流情報として略ゼロを採用する、
    請求項4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記血流情報生成部は、前記第2ドプラ情報に対して予め設定された固定値を加算した値を、前記閾値として設定する、
    請求項4又は5に記載の超音波診断装置。
  7. 前記血流情報生成部は、前記第1ドプラ情報から、前記第2ドプラ情報に基づく減数値を減算する減算処理に基づいて、前記血流情報を生成する、
    請求項3に記載の超音波診断装置。
  8. 前記血流情報生成部は、
    前記減算処理の差分値がゼロ以上であるサンプル点については、前記血流情報として前記第1ドプラ情報を採用し、
    前記減算処理の差分値がゼロ未満であるサンプル点については、前記血流情報として略ゼロを採用する、
    請求項7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記血流情報生成部は、前記第2ドプラ情報に対して予め設定された固定値を加算した値を、前記減数値として設定する、
    請求項7又は8に記載の超音波診断装置。
  10. 前記第1フィルタ処理部は、前記第1フィルタ処理として、ハイパスフィルタを適用し、
    前記第2フィルタ処理部は、前記第2フィルタ処理として、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを適用する、
    請求項2~9のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
  11. 前記信号処理部は、
    サンプル点ごとに時系列的に受信された超音波の受信信号に対して、第1カットオフ値を有する第1フィルタ処理を実行する第1フィルタ処理部と、
    前記受信信号に対して、前記第1カットオフ値より小さい第2カットオフ値を有する第2フィルタ処理を実行する第2フィルタ処理部と、
    前記受信信号に対して、前記第2カットオフ値より小さい第3カットオフ値を有する第3フィルタ処理を実行する第3フィルタ処理部と、
    前記第1フィルタ処理によって抽出された各サンプル点の第1ドプラ情報と、前記第2フィルタ処理によって抽出された各サンプル点の第2ドプラ情報と、前記第3フィルタ処理によって抽出された各サンプル点の第3ドプラ情報とに基づいて、前記クラッタ信号成分が除去された血流情報を生成する血流情報生成部と
    を有する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
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