JP2022155606A - 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法 - Google Patents
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Abstract
Description
無機物の固体粒子を含むスラリーを処理する場合は、液体と固体の比重差が大きく遠心力による沈殿が速やかに起きることから凝集剤添加をしない場合(無薬注)や添加しても少量であることが多い。
一方、有機系の固体を含むスラリー(以下においては有機系スラリーと称する)の場合は、液体と固体の比重差が小さいために、見掛けの粒子径が大きくないと良好な脱水処理ができない場合が多い。特に、下水汚泥、し尿汚泥、発酵残渣汚泥などのバクテリア処理をした汚泥では、事前の凝集処理によるフロック生成を行っている。
デカンタ式の装置は、ボウルの直径がテーパー状に徐々に小さくなり、ボウルの内面がスラリー水面よりボウルの半径方向内側になるビーチゾーンを有し、スラリーの遠心分離がある程度に進行して形成されたケーキをビーチゾーンに引き上げてケーキの含水率を低下させる。
直胴式の装置は、ボウルが直径一定の直胴状をなし、遠心脱水処理のほとんどの過程において、ボウルの内面がスラリー水面よりボウルの半径方向外側にある状態で遠心脱水する。
ビーチゾーンでの水切り効果を得るために、ボウル内のスラリー水位は低く、ボウルの内面と円筒状のコンベア軸部の外面との間隔の50~60%程度の位置にスラリー水位がある。
そして、ケーキ排出口は回転軸に近い位置にあり、ビーチゾーンのボウル内面がケーキ排出口に向けて上り勾配の傾斜面をなし、スラリー水位よりも半径方向内側にあるビーチゾーンの傾斜面にケーキを引き上げ、水切りして水分を低下させている。
しかし、この方法は、無機系粒子を含むスラリーの脱水処理では効果があるものの、有機系スラリーでは、ビーチゾーンにおいて徐々に遠心力が低下するため、脱水率が低かった。
その理由は、デカンタ式では、スラリー水位とケーキ排出部におけるボウルの内面との直径方向の距離が大きいために、遠心力に逆らってケーキをボウルの半径方向内側に大きく移動させる必要がある。
このような構造において、遠心力に加えてケーキ排出の圧縮力にも打ち勝ってケーキを搬送する必要があり、ケーキ排出が困難になる問題があった。この結果、デカンタ型の遠心脱水機では、有機系スラリーから脱水したケーキの含水率を徹底的に低下させることはできていなかった。
この装置が効果的である理由は、し尿汚泥や下水汚泥のような有機物(強熱減量VTSで評価する)を多く含むスラリーでは、ケーキが滑りやすいので、圧縮力を掛けてもケーキ排出部の隙間でケーキが詰らないからである。
しかしながら、このような従来の直胴式の遠心脱水機でも、デカンタ式の遠心脱水機と同様に、スラリー水位がボウルの内面とコンベア軸部の外面との間隔の50~60%程度の位置にあった。
また、狭い隙間でのケーキの滞在時間を長くするために、ケーキ排出口を回転中心に近い位置に設けていた。
遠心脱水機のボウルにかかる遠心力は2000~3500Gであるので、ケーキ排出のために大きな推進力が必要であった。ケーキの推進力は、スクリューフライトの回転による押し込み力である。この力が大きすぎると、スクリューフライトの翼面にケーキが張り付き、ケーキがスクリューフライトとともに回転方向に供回りしやすくなる問題が起きる。
したがって、滑りやすい有機汚泥系のケーキであっても、遠心力に加えてケーキ排出隙間においても圧縮力が強くかかる場合には、供回り現象が起きるので、ケーキ排出隙間の断面積を十分に小さくすることができなかった。この結果、直胴式の遠心脱水機でも十分にケーキ含水率を低下できていなかった。
前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にあることを特徴とする。
または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする。
(6) 本発明に係る遠心脱水機において、前記ボウル円筒部の内面の直径が一定であることを特徴とする。
(7) 本発明に係る遠心脱水機において、前記コンベア軸部は、前記コンベア円筒部から前記コンベア排出部に向けて外周面がテーパー状に広がることを特徴とする。
(8) 本発明に係る有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法は、有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、(1)項に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする。
(9) 本発明に係る有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法において、前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態で脱水処理することを特徴とする。
(10) 本発明に係る有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法において、有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、(3)項に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする。
本発明に係る遠心脱水機の処理対象は、有機物含有率(強熱減量VTS)が50%以上の固形物を含むスラリーが対象であり、VTSが65%以上の場合は、より効果的になる。
また、前記スラリー中の固形物濃度は1~5質量%程度である。本発明に係る脱水処理では、スラリーに凝集剤を添加する場合としない場合がある。食品系のスラリーでは、凝集剤を添加しないことが多く、汚泥脱水では凝集剤を添加することが多い。
図1において、aは分離水排出口12の越流頂の最もボウル2の内面に近い位置を示し、Aはその位置の回転中心からの距離を示し、bはスラリー水位14の位置を示し、Bはその位置の回転中心からの距離を示し、コンベア円筒部3の外面の位置を示し、Cはその位置の回転中心からの距離を示し、dは脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置を示し、Dはその位置の回転中心からの距離を示し、Eは脱水ケーキ排出口11の面積を算出する際の基準面を示している。
ボウル2は、回転軸心方向の一側に脱水ケーキ排出口11を有し、他側に分離水排出口12を備えており、ボウル2の内面が回転軸心方向に伸びるボウル円筒部21と、ボウル円筒部21から脱水ケーキ排出口11に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部22を有している。
コンベア3は、ボウル2と同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライト4を有し、ボウル2の内部のケーキ15を搬送する。
コンベア3のコンベア軸部は、外面がコンベア3の回転軸心方向に伸びて直径一定のコンベア円筒部31と、コンベア円筒部31から直径が漸次に拡大するコンベア圧縮部32と、ボウル排出部22に対応し、コンベア圧縮部32から脱水ケーキ排出口11に向けて直径が漸次に縮小するコンベア排出部33を有している。
ボウル円筒部21の内面とコンベア円筒部31の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室5を有し、ボウル排出部22の内面とコンベア排出部33の外面の間にケーキ排出隙間10を有している。
遠心脱水機は、図1に記載されていないモーターの動力を回転軸1に伝えてボウル2が高速回転することで遠心力を発生させる。ボウル2にかかる遠心力は2000~4000G程度である。コンベア3には、図1には記載されていない差速装置が接続されており、ボウル2とコンベア3は、毎分0.5~20回転程度の差速で回転している。
更に、遠心脱水機は、コンベア円筒部31に同心状に配置したスラリー供給パイプ6と、コンベア円筒部31の内部に設置するスラリー供給室7と、ボウル2の内面とコンベア円筒部31の外面の間に形成するスラリー保持空間である脱水室5と、スラリー供給室7と脱水室5を連通するスラリー供給口8を備えている。
ただし、図4に示すように、コンベア円筒部31の直径が脱水処理に有効な範囲でー定である構造であることでも類似の結果が得られる。
脱水室5内の機内スラリー13は、遠心力によりボウル2の内面に張り付き、機内スラリー13中の固形物はボウル2の内面に沈殿してケーキ15を形成する。ケーキ15は、スクリューフライト4の回転により脱水ケーキ排出口11方向に搬送される。
搬送に伴って脱水室5の内部で徐々に脱水が進んだケーキ15は、ケーキ排出部入口9からケーキ排出隙間10を通って脱水室5の末端に設置されている脱水ケーキ排出口11から機外に排出される。
一方、固形物を除去された後の機内スラリー13中の水分は、分離水排出口12から排出される。なお、脱水ケーキ排出口11の反対位置に設置されている分離水排出口12の設置の配列は、図3に示すとおりであり、円周方向に沿った2~6箇所に、本実施の形態では4箇所に、回転中心について点対称に設置されている。
そのために、回転軸心と直交する断面において、ケーキ排出隙間10の断面積は、脱水室5の断面積の最大値の5~30%が良い。更に望ましくは、8~15%が良い。
ケーキ排出隙間10の内部では、スクリューフライト4に押される力でケーキ15が押し出されるが、更に遠心力によるケーキ15自身と機内スラリー13の押し出し圧もケーキ15の排出を補助する効果がある。
したがって、ケーキ排出部入口9が機内スラリー13の中に水没している場合は、機内スラリー13の水圧の効果によってケーキ15の排出が容易になり、ケーキ含水率が低下した状態でもケーキ排出隙間10の中での押し出し抵抗に勝る押し出し力が確保できる。
ここでは、脱水ケーキ排出口11の面積中心は、図2および図7に示すように、回転軸心を含む断面においてケーキ排出隙間10でのボウル排出部22の内面が直線状をなす場合は、ボウル排出部22の内面に垂直な面(図2中に線Eで示す)の面積中心の位置dで示される。
ボウル排出部22の内面が真っ直ぐでなく局面である場合は、回転軸心を含む断面におけるボウル排出部22の内面上でのケーキ排出部入口9の位置と脱水ケーキ排出口11の位置を直線で結んだ線に垂直な面として、脱水ケーキ排出口11の面積中心を採用すると良い。
ケーキ排出隙間10にケーキ15が詰まっている状態で、脱水ケーキ排出口11がスラリー水位14に対して半径方向外側に位置する高さ関係(水中に浸漬する位置)であっても、若干の範囲内であれば水が漏れる問題はない。しかし、スラリー水位14よりも20mm以上に浸漬している場合では、機内スラリー13が脱水ケーキ排出口11から越流する事象が起きる問題がある。このため、望ましくは、この浸漬の距離を-20mm以内にすることで、または、コンベア円筒部31の外面が脱水室5内の機内スラリー13に浸かる状態にすることでケーキ含水率をいっそう安定化できる。
図5に示すような、通常の形状を有する分離水排出口12であれば、分離水の越流水位16はボウル2の半径方向における分離水排出口12の越流頂の位置によって決まり、越流頂のうちでボウル2の半径方向においてボウル円筒部21の内面に最も近い部分の位置(図1中に符号aで示す)によって分離水の越流水位が決まる。越流頂における分離水の越流高さは3~6mmである。
したがって、分離水の越流水位16、すなわちスラリー水位14の位置は、分離水排出口12の越流頂のうちでボウル2の半径方向においてボウル円筒部21の内面に最も近い部分の位置aよりも、越流高さの分3~6mmだけ半径方向内側の位置になる。
なお、分離水排出口12の通常の形状とは、図5に示すような形状のものであり、分離水が越流する越流頂が直線状または緩い曲線の円弧状もので、一般に開口幅が30~60mmのものが設置されている。また、図6に示すような越流頂がV字状や凹状などの特殊な形状の分離水排出口12の場合は、越流高さが6mm以上となる場合もあるが、この場合、分離水排出口12の開口面積のうちで、水の流れる部分の面積が100~200平方mmであるとして、越流高さを算定すると実際の高さとほぼ一致する。
なお、図5と図6には分離水排出口12の構造とともに、分離水の越流水位16に関する位置関係も示した。なお、分離水排出口12の越流頂のうちでボウル円筒部21の内面に最も近い位置の回転中心からの距離は、図1中の線Aで示されるものである。
また、スラリー水位14を脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、ボウル2の半径方向外側に+15mmの位置にする条件は、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aが、越流高さの最大値の6mm分だけスラリー水位14よりもボウル2の半径方向外側にあれば良く、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを半径方向外側に+21の位置にすれば良い。
また、図6に示すような特殊な形状の分離水排出口12の場合は、分離水の流れる部分の面積が100~200平方mmであるとして越流高さを算定する。
例えば、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、半径方向内側に-20mmの位置にする場合には、分離水排出口12において分離水の流れる部分の面積が100平方mmであるとして越流高さを算定し、この越流高さを加えた位置がスラリー水位14の位置であるとする。
また、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、半径方向外側に+15mmの位置にする場合には、分離水排出口12において分離水の流れる部分の面積が200平方mmであるとして越流高さを算定し、この越流高さを加えた位置がスラリー水位14の位置であるとする。
したがって、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、脱水処理状況によって変化させることが必要である。
そこで本発明に係る本実施の形態発明では、脱水ケーキ排出口11に、図3に例示した形状の可動堰17を設置する。図3に示すように、縦長の脱水ケーキ排出口11であれば、堰の高さ調整が容易である。遠心脱水機から排出されるケーキ性状や分離水清浄度などを測定してこれらが適正な状態になるように、可動堰17の高さを調整する。
しかし、本発明に係る遠心脱水機では、脱水室5の機内スラリー13の水深を大きくし、ケーキ排出部入口9での機内スラリー13の水圧を高めて、ケーキ排出を促進している。
この条件としては、スラリー水位14をコンベア円筒部31の外面から20mm以内の距離とするか、コンベア円筒部31が完全に機内スラリー13に浸かる状態にすることがある。
ただし、コンベア円筒部31が完全に機内スラリー13に浸かる状態にすると、ケーキ排出隙間10が長くなりすぎることや、分離水排出口12の機械的な構造が難しくなるなどの理由から、スラリー水位14は、コンベア円筒部31の外面の位置よりも、ボウル2の半径方向内側であってもその距離は20mm以内がより良い。
また、流入するスラリー流の勢いが大きく、凝集剤によって形成されたフロックが壊される問題もある。
この結果、スラリー供給口8の周辺のスラリーでは、固体粒子が沈殿しなくなり、遠心脱水機の処理能力が低下する。この現象を防止するために、スラリー水位14をコンベア円筒部31の外面から20mm以内とする。
また、スラリー水位14を高くする(回転中心に近くする)ことで、機内スラリー13の量が増加し、処理スラリーの機内滞在時間を延長できる面でもスラリー水位14を高くすると良い。なお、一般的な遠心脱水機の脱水室の半径方向の幅は100~250mmであり、コンベア円筒部31の外面とスラリー水位14の距離は脱水室5の半径方向の幅の25~10%以内の比率になっている。
本発明の装置条件での実験(実施例)と本発明の条件を逸脱した装置条件の実験(比較例)を行った。更に、従来型のデカンタ型遠心脱水機での比較例の実験を行った。
ただし、実施例4では、スラリー水位14とコンベア円筒部31の外面の間隔が21mmで、より望ましい条件でなかったことから、ケーキ含水率が77.6質量%とやや高く、また汚泥回収率も96.2%とやや低かった。
また、コンベア円筒部31の直径がボウル2のケーキ排出側においても変わらない構造の直動式Bの遠心脱水機で処理した実験結果である実施例7では、ケーキ含水率がやや高かったもののやはり良好な成績であった。
2 ボウル
3 コンベア
4 スクリューフライト
5 脱水室
6 スラリー供給パイプ
7 スラリー供給室
8 スラリー供給口
9 ケーキ排出部入口
10 ケーキ排出隙間
11 脱水ケーキ排出口
12 分離水排出口
13 機内スラリー
14 スラリー水位
15 ケーキ
16 越流水位
17 可動堰
21 ボウル円筒部
22 ボウル排出部
31 コンベア円筒部
32 コンベア圧縮部
33 コンベア排出部
A 回転中心から分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aまで距離を示す垂直線
B 回転中心からスラリー水位14までの距離を示す垂直線
C 回転中心からコンベア円筒部31の外面までの距離を示す垂直線
D 回転中心から脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置までの距離を示す垂直線
E 脱水ケーキ排出口11の面積を算出する際の基準面を示す線
a 分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置を示す点
b スラリー水位14の位置を示す点
c コンベア円筒部31の外面の位置を示す点
d 脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置を示す点
Claims (10)
- 一方向に回転するボウルと、前記ボウルと同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライトを有するコンベアと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一側に設けた脱水ケーキ排出口を備え、
前記ボウルは、内面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル円筒部と、前記ボウル円筒部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、
前記コンベア軸部は、外面が前記コンベアの回転軸心方向に伸びるコンベア円筒部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外面がテーパー状に狭まるコンベア排出部を有し、
前記ボウル円筒部の内面とコンベア円筒部の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室を有し、前記ボウル排出部の内面と前記コンベア排出部の外面の間にケーキ排出隙間を有する構造をなす脱水機であり、
前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にあることを特徴とする遠心脱水機。 - 前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、
または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水機。 - 一方向に回転するボウルと、前記ボウルと同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライトを有するコンベアと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一側に設けた脱水ケーキ排出口と、前記ボウルの他側に設けた分離水排出口を備え、
前記ボウルは、内面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル円筒部と、前記ボウル円筒部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、
前記コンベア軸部は、外面が前記コンベアの回転軸心方向に伸びるコンベア円筒部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外面がテーパー状に狭まるコンベア排出部を有し、
前記ボウル円筒部の内面とコンベア円筒部の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室を有し、前記ボウル排出部の内面と前記コンベア排出部の外面の間にケーキ排出隙間を有する構造をなす脱水機であり、
前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にあることを特徴とする遠心脱水機。 - 前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に23mm以内の範囲に位置し、
または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする請求項3に記載の遠心脱水機。 - 前記ボウルは、前記分離水排出口における分離水の越流高さを設定する可動式の堰を有することを特徴とする請求項3または4に記載の遠心脱水機。
- 前記ボウル円筒部の内面の直径が一定であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の遠心脱水機。
- 前記コンベア軸部は、前記コンベア円筒部から前記コンベア排出部に向けて外周面がテーパー状に広がることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の遠心脱水機。
- 有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、請求項1に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法。
- 前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、
または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態で脱水処理することを特徴とする請求項8に記載の有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法。 - 有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、請求項3に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法。
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