JP2022155606A - 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法 - Google Patents

遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022155606A
JP2022155606A JP2021058916A JP2021058916A JP2022155606A JP 2022155606 A JP2022155606 A JP 2022155606A JP 2021058916 A JP2021058916 A JP 2021058916A JP 2021058916 A JP2021058916 A JP 2021058916A JP 2022155606 A JP2022155606 A JP 2022155606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bowl
conveyor
slurry
cake
cylindrical portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021058916A
Other languages
English (en)
Inventor
収二郎 名越
Shujiro Nakoshi
達也 田中
Tatsuya Tanaka
寛幸 松井
Hiroyuki Matsui
章裕 山本
Akihiro Yamamoto
俊哉 北風
Toshiya Kitakaze
宏治 藤嶋
Koji Fujishima
勝也 平野
Katsuya Hirano
正士 上刎
Masashi UEHANE
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Hiroshima Metal and Machinery Co Ltd
Original Assignee
Kubota Corp
Hiroshima Metal and Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp, Hiroshima Metal and Machinery Co Ltd filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2021058916A priority Critical patent/JP2022155606A/ja
Publication of JP2022155606A publication Critical patent/JP2022155606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Centrifugal Separators (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

【課題】有機汚泥や食品原料スラリーなどの有機物を含むスラリーの遠心脱水機で処理しているが、遠心力のみの作用では、脱水ケーキの含水率が十分に低減できていなかった。【解決手段】高速回転するボウル2とスクリューコンベアから構成され、スラリーが前記ボウル2と前記コンベア3の円筒部外面の間の脱水室5に供給される遠心脱水機であり、前記ボウル2の内面が遠心力で前記ボウル2の内部のスラリーに浸かり、前記コンベア3の末端部のケーキ排出隙間10の入口全面がスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウル2の回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間10の出口側開口の面積中心の位置に対して、脱水室5のスラリー水位が前記ボウル2の半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にある。【選択図】図1

Description

本発明は、下水汚泥、し尿汚泥、消化汚泥、食品残渣汚泥、工場排水の浄化槽からの汚泥や、食品や飲料などの製造工程から発生する有機物を含むスラリーを遠心脱水する技術に関する。
遠心脱水機は、高速回転する円筒形状の外筒(ボウル)とその内部に沈殿物(ケーキ)を出口方向に移動させるスクリューコンベアを有する装置であり、ボウルに掛かる遠心力は約2000~3500G(Gは重力加速度)である。スクリューコンベアは、ボウルに対して毎分0.5~10回転の差速をもって回転している。
その脱水原理は、液体(水、水溶液、有機溶剤等)と粒子状の固体との比重差により分離するものである。粒子の沈降速度は、ボウル内のスラリーに掛かる遠心力以外に、液体と固体粒子の比重差及び粒子サイズによって決まる。遠心力を受けて沈降した濃縮物(ケーキ)を、スクリューコンベアによりボウルの一側の末端に有するケーキ排出口に送る。また、固体粒子が分離された液体(分離液)はケーキ排出口とは反対側のボウルの他側の末端に有する分離水排出口から排水する。
遠心脱水機は、種々の産業の生産工程での固液分離に用いられている。また、工場排水処理や下水処理場の汚泥処理にも用いられている。装置内の沈殿を促進するために、脱水処理前に凝集剤を添加する場合がある。
無機物の固体粒子を含むスラリーを処理する場合は、液体と固体の比重差が大きく遠心力による沈殿が速やかに起きることから凝集剤添加をしない場合(無薬注)や添加しても少量であることが多い。
一方、有機系の固体を含むスラリー(以下においては有機系スラリーと称する)の場合は、液体と固体の比重差が小さいために、見掛けの粒子径が大きくないと良好な脱水処理ができない場合が多い。特に、下水汚泥、し尿汚泥、発酵残渣汚泥などのバクテリア処理をした汚泥では、事前の凝集処理によるフロック生成を行っている。
有機系スラリーの遠心脱水処理では、主に二つの方式の装置が使用されており、デカンタ式と直胴式の遠心分離機である。
デカンタ式の装置は、ボウルの直径がテーパー状に徐々に小さくなり、ボウルの内面がスラリー水面よりボウルの半径方向内側になるビーチゾーンを有し、スラリーの遠心分離がある程度に進行して形成されたケーキをビーチゾーンに引き上げてケーキの含水率を低下させる。
直胴式の装置は、ボウルが直径一定の直胴状をなし、遠心脱水処理のほとんどの過程において、ボウルの内面がスラリー水面よりボウルの半径方向外側にある状態で遠心脱水する。
特開2012-11300 特開2001-219097 特開2012-187570 特開2018-158309
特許文献1に示すように、デカンタ式の遠心脱水機は、ボウルの直胴部分で遠心力により初期脱水したケーキを、後半の直径が小さくなるテーパー状のビーチゾーンで更に脱水し、ボウル末端から機外に排出する構造になっている。
ビーチゾーンでの水切り効果を得るために、ボウル内のスラリー水位は低く、ボウルの内面と円筒状のコンベア軸部の外面との間隔の50~60%程度の位置にスラリー水位がある。
そして、ケーキ排出口は回転軸に近い位置にあり、ビーチゾーンのボウル内面がケーキ排出口に向けて上り勾配の傾斜面をなし、スラリー水位よりも半径方向内側にあるビーチゾーンの傾斜面にケーキを引き上げ、水切りして水分を低下させている。
しかし、この方法は、無機系粒子を含むスラリーの脱水処理では効果があるものの、有機系スラリーでは、ビーチゾーンにおいて徐々に遠心力が低下するため、脱水率が低かった。
特許文献1では、ケーキ排出部においてボウルおよびスクリューコンベアのコンベア軸部の直径がテーパー状に徐々に小さくなり、ボウルの内面とコンベア軸部の外面とのの隙間の断面積を、ボウルの直胴部分におけるボウルの内面とコンベア軸部の外面との間の隙間の断面積よりも減少させ、面積比率を小さくすることで、圧縮力による脱水を行うことも原理的に可能である。しかし、デカンタ式の遠心脱水機では、その対応が困難であった。
その理由は、デカンタ式では、スラリー水位とケーキ排出部におけるボウルの内面との直径方向の距離が大きいために、遠心力に逆らってケーキをボウルの半径方向内側に大きく移動させる必要がある。
このような構造において、遠心力に加えてケーキ排出の圧縮力にも打ち勝ってケーキを搬送する必要があり、ケーキ排出が困難になる問題があった。この結果、デカンタ型の遠心脱水機では、有機系スラリーから脱水したケーキの含水率を徹底的に低下させることはできていなかった。
また、特許文献2及び3に記載の直胴式の遠心脱水機では、ボウル全長を直胴部分として遠心力を最大限にすることでケーキ含水率を低下させていた。更に、ケーキ排出部における隙間の断面積を、ボウル直胴部における隙間の断面積の10~30%程度として圧縮力をかけることでケーキ含水率を低下させている。
この装置が効果的である理由は、し尿汚泥や下水汚泥のような有機物(強熱減量VTSで評価する)を多く含むスラリーでは、ケーキが滑りやすいので、圧縮力を掛けてもケーキ排出部の隙間でケーキが詰らないからである。
しかしながら、このような従来の直胴式の遠心脱水機でも、デカンタ式の遠心脱水機と同様に、スラリー水位がボウルの内面とコンベア軸部の外面との間隔の50~60%程度の位置にあった。
また、狭い隙間でのケーキの滞在時間を長くするために、ケーキ排出口を回転中心に近い位置に設けていた。
このように、ケーキ排出口が、スラリー水面に対して大幅に回転中心に近かったために、ケーキが遠心力に逆らってスラリー水面から回転中心に向けてボウルの半径方向内側に移動する距離が大きかった。
遠心脱水機のボウルにかかる遠心力は2000~3500Gであるので、ケーキ排出のために大きな推進力が必要であった。ケーキの推進力は、スクリューフライトの回転による押し込み力である。この力が大きすぎると、スクリューフライトの翼面にケーキが張り付き、ケーキがスクリューフライトとともに回転方向に供回りしやすくなる問題が起きる。
したがって、滑りやすい有機汚泥系のケーキであっても、遠心力に加えてケーキ排出隙間においても圧縮力が強くかかる場合には、供回り現象が起きるので、ケーキ排出隙間の断面積を十分に小さくすることができなかった。この結果、直胴式の遠心脱水機でも十分にケーキ含水率を低下できていなかった。
このように、直胴式の遠心脱水機では、ケーキ排出隙間中のケーキ搬送が困難な問題がある。このため、ケーキ排出を補助するために、特許文献4に記載のように、ケーキ排出隙間にケーキ排出補助フィンを付けることが行われていた。しかし、スラリー水位に対してケーキ排出口の位置が回転中心に大幅に近いため、ケーキが低含水率の場合は、フィンが付いていたとしても押し出しが困難になり、ケーキ含水率を徹底的に低減することはできなかった。
以上のように、食品や飲料などのスラリー、及び下水汚泥、し尿汚泥等の有機排水汚泥の遠心脱水処理において、遠心脱水機で十分にケーキ含水率を低減することができていなかった。したがって、これらのスラリーや汚泥の含水率を低減する新しい装置と方法が求められていた。
(1) 本発明に係る遠心脱水機は、一方向に回転するボウルと、前記ボウルと同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライトを有するコンベアと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一側に設けた脱水ケーキ排出口を備え、前記ボウルは、内面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル円筒部と、前記ボウル円筒部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、前記コンベア軸部は、外面が前記コンベアの回転軸心方向に伸びるコンベア円筒部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外面がテーパー状に狭まるコンベア排出部を有し、前記ボウル円筒部の内面とコンベア円筒部の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室を有し、前記ボウル排出部の内面と前記コンベア排出部の外面の間にケーキ排出隙間を有する構造をなす脱水機であり、
前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にあることを特徴とする。
(2) 本発明に係る遠心脱水機において、前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、
または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする。
(3) 本発明に係る遠心脱水機は、一方向に回転するボウルと、前記ボウルと同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライトを有するコンベアと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一側に設けた脱水ケーキ排出口と、前記ボウルの他側に設けた分離水排出口を備え、前記ボウルは、内面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル円筒部と、前記ボウル円筒部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、前記コンベア軸部は、外面が前記コンベアの回転軸心方向に伸びるコンベア円筒部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外面がテーパー状に狭まるコンベア排出部を有し、前記ボウル円筒部の内面とコンベア円筒部の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室を有し、前記ボウル排出部の内面と前記コンベア排出部の外面の間にケーキ排出隙間を有する構造をなす脱水機であり、
前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にあることを特徴とする。
(4) 本発明に係る遠心脱水機において、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に23mm以内の範囲に位置し、または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする。
(5) 本発明に係る遠心脱水機において、前記ボウルは、前記分離水排出口における分離水の越流高さを設定する可動式の堰を有することを特徴とする。
(6) 本発明に係る遠心脱水機において、前記ボウル円筒部の内面の直径が一定であることを特徴とする。
(7) 本発明に係る遠心脱水機において、前記コンベア軸部は、前記コンベア円筒部から前記コンベア排出部に向けて外周面がテーパー状に広がることを特徴とする。
(8) 本発明に係る有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法は、有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、(1)項に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする。
(9) 本発明に係る有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法において、前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態で脱水処理することを特徴とする。
(10) 本発明に係る有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法において、有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、(3)項に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする。
本発明の装置及び方法を用いることで下水汚泥、し尿汚泥、消化汚泥などの排水処理や豆乳、発酵原料など食品飲料原料を脱水する際に、より低含水率の脱水ケーキを生成できる。この結果、汚泥量を低減して廃棄物処理費用を削減する効果、有効な液の回収率が向上する効果、脱水ケーキの乾燥費用を低減する効果などが得られる。
本発明の実施の形態に係る遠心脱水機を例示する図であり、ボウルの脱水処理に機能する部分が全長に渡ってスラリー水位以下に没し、ボウルの直径が一定であり、ケーキ排出側においてコンベア軸部の直径が拡大する遠心脱水機の断面図である 図1のF部の拡大概略図である。 同実施の形態の遠心脱水機において分離水排出口に可動式の堰を設置した構成を示す分離水を排出する側の正面図である。 本発明の他の実施の形態に係る遠心脱水機を例示する図であり、ボウルの直径が一定であり、ケーキ排出側においてもコンベア軸部の直径が一定である遠心脱水機の断面図である。 (a)は分離水が越流する越流頂が直線状をなす分離水排出口を示す図であり、(b)は分離水が越流する越流頂が円弧状をなす分離水排出口を示す図である。 (a)は分離水が越流する越流頂がV字状をなす分離水排出口を示す図であり、(b)は分離水が越流する越流頂が凹状をなす分離水排出口を示す図である。 ケーキ排出口における面積中心を示す図である。
本発明に係る遠心脱水機で脱水処理されるスラリーには、有機物を含むものであり、豆乳原料や、アルコール飲料原料の大豆、小麦、大麦等の懸濁液や、下水汚泥、し尿汚泥、消化汚泥などの有機系排水がある。
本発明に係る遠心脱水機の処理対象は、有機物含有率(強熱減量VTS)が50%以上の固形物を含むスラリーが対象であり、VTSが65%以上の場合は、より効果的になる。
また、前記スラリー中の固形物濃度は1~5質量%程度である。本発明に係る脱水処理では、スラリーに凝集剤を添加する場合としない場合がある。食品系のスラリーでは、凝集剤を添加しないことが多く、汚泥脱水では凝集剤を添加することが多い。
本発明の実施の形態に係る遠心断水機の構造を図1から図3に例示する。図1は本実施の形態の遠心脱水機の断面図である。図2は、図1のF部の拡大概略図である。図3は、同実施の形態の遠心脱水機において分離水排出口に可動式の堰を設置した構成を示す分離水を排出する側の正面図である。
図1において、aは分離水排出口12の越流頂の最もボウル2の内面に近い位置を示し、Aはその位置の回転中心からの距離を示し、bはスラリー水位14の位置を示し、Bはその位置の回転中心からの距離を示し、コンベア円筒部3の外面の位置を示し、Cはその位置の回転中心からの距離を示し、dは脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置を示し、Dはその位置の回転中心からの距離を示し、Eは脱水ケーキ排出口11の面積を算出する際の基準面を示している。
以下に、図1から図3を用いて本発明の実施の形態に係る遠心脱水機の構造を説明する。主な構成部品として、ボウル2とコンベア3がある。ボウル2は処理水(以下においてはスラリーと称する)を保持して、回転軸心廻りの一方向に高速回転し、ボウル2の内面に凝集物であるケーキ15が沈殿している。
ボウル2は、回転軸心方向の一側に脱水ケーキ排出口11を有し、他側に分離水排出口12を備えており、ボウル2の内面が回転軸心方向に伸びるボウル円筒部21と、ボウル円筒部21から脱水ケーキ排出口11に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部22を有している。
コンベア3は、ボウル2と同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライト4を有し、ボウル2の内部のケーキ15を搬送する。
コンベア3のコンベア軸部は、外面がコンベア3の回転軸心方向に伸びて直径一定のコンベア円筒部31と、コンベア円筒部31から直径が漸次に拡大するコンベア圧縮部32と、ボウル排出部22に対応し、コンベア圧縮部32から脱水ケーキ排出口11に向けて直径が漸次に縮小するコンベア排出部33を有している。
ボウル円筒部21の内面とコンベア円筒部31の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室5を有し、ボウル排出部22の内面とコンベア排出部33の外面の間にケーキ排出隙間10を有している。
遠心脱水機は、図1に記載されていないモーターの動力を回転軸1に伝えてボウル2が高速回転することで遠心力を発生させる。ボウル2にかかる遠心力は2000~4000G程度である。コンベア3には、図1には記載されていない差速装置が接続されており、ボウル2とコンベア3は、毎分0.5~20回転程度の差速で回転している。
更に、遠心脱水機は、コンベア円筒部31に同心状に配置したスラリー供給パイプ6と、コンベア円筒部31の内部に設置するスラリー供給室7と、ボウル2の内面とコンベア円筒部31の外面の間に形成するスラリー保持空間である脱水室5と、スラリー供給室7と脱水室5を連通するスラリー供給口8を備えている。
ボウル2の内面は脱水に有効な全長が機内スラリー13に浸かっている。図1では、ボウル2はボウル円筒部21が全長に渡って同一直径であるが、ボウル2の内面が脱水に有効な全長に亘って機内スラリー13に浸っていれば、ボウル2は直径が一定でなく変化しても良い。
コンベア円筒部31はスラリー供給口8の周辺で直径が一定であるが、コンベア円筒部31に続くコンベア圧縮部32が脱水ケーキ排出口11に向けて直径が漸次に拡大するテーパーとなっているので、脱水室5から排出されるケーキ15を圧縮する機能を有しており、本発明を最も効果的に実施することができる。
ただし、図4に示すように、コンベア円筒部31の直径が脱水処理に有効な範囲でー定である構造であることでも類似の結果が得られる。
スラリーは、スラリー供給パイプ6からスラリー供給室7に供給され、更にスラリー供給口8から脱水室5に流入する。
脱水室5内の機内スラリー13は、遠心力によりボウル2の内面に張り付き、機内スラリー13中の固形物はボウル2の内面に沈殿してケーキ15を形成する。ケーキ15は、スクリューフライト4の回転により脱水ケーキ排出口11方向に搬送される。
搬送に伴って脱水室5の内部で徐々に脱水が進んだケーキ15は、ケーキ排出部入口9からケーキ排出隙間10を通って脱水室5の末端に設置されている脱水ケーキ排出口11から機外に排出される。
一方、固形物を除去された後の機内スラリー13中の水分は、分離水排出口12から排出される。なお、脱水ケーキ排出口11の反対位置に設置されている分離水排出口12の設置の配列は、図3に示すとおりであり、円周方向に沿った2~6箇所に、本実施の形態では4箇所に、回転中心について点対称に設置されている。
本実施の形態に係る遠心脱水機では、脱水室5での脱水工程の後半時期にコンベア圧縮部32においてスクリューフライト4の押し出し力によりケーキ15を圧縮する。そして、更にケーキ排出隙間10の中に押し出すことで遠心力に加え圧縮力も活用してケーキ含水率を低下させる。
そのために、回転軸心と直交する断面において、ケーキ排出隙間10の断面積は、脱水室5の断面積の最大値の5~30%が良い。更に望ましくは、8~15%が良い。
本発明に係る本実施の形態の遠心脱水機では、ケーキ圧縮を効率的に行うために、ボウル2のボウル排出部22とコンベア3のコンベア排出部33が形成するケーキ排出隙間10の入口側開口であるケーキ排出部入口9は、その全面が機内スラリー13の中に水没していることが良い。
ケーキ排出隙間10の内部では、スクリューフライト4に押される力でケーキ15が押し出されるが、更に遠心力によるケーキ15自身と機内スラリー13の押し出し圧もケーキ15の排出を補助する効果がある。
したがって、ケーキ排出部入口9が機内スラリー13の中に水没している場合は、機内スラリー13の水圧の効果によってケーキ15の排出が容易になり、ケーキ含水率が低下した状態でもケーキ排出隙間10の中での押し出し抵抗に勝る押し出し力が確保できる。
スラリー水位14は、分離水排出口12の位置により決まるものであり、適正な脱水性能を得るためには、ケーキ排出隙間10の入口側開口であるケーキ排出部入口9がボウル2の内部に保持する機内スラリー13の水面下に没する状態で、ボウル2の回転軸心を含む断面におけるケーキ排出隙間10の出口側開口である脱水ケーキ排出口11の面積中心dの位置に対して、脱水室5内の機内スラリー水位がボウル2の半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にあることが本発明の重要な要件である。以下において、各部位の位置の距離表示は、回転中心からの距離を云う。
ケーキ排出の代表位置を脱水ケーキ排出口11の面積中心に選んだ理由は、脱水ケーキ排出口11は色々な形状であるため、特定部位の位置を代表位置とすることができないが、脱水ケーキ排出口11の面積中心が最も代表性があるためである。
ここでは、脱水ケーキ排出口11の面積中心は、図2および図7に示すように、回転軸心を含む断面においてケーキ排出隙間10でのボウル排出部22の内面が直線状をなす場合は、ボウル排出部22の内面に垂直な面(図2中に線Eで示す)の面積中心の位置dで示される。
ボウル排出部22の内面が真っ直ぐでなく局面である場合は、回転軸心を含む断面におけるボウル排出部22の内面上でのケーキ排出部入口9の位置と脱水ケーキ排出口11の位置を直線で結んだ線に垂直な面として、脱水ケーキ排出口11の面積中心を採用すると良い。
スラリー水位14が脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対してボウル2の半径方向内側に-20mmの位置にある場合、つまり脱水ケーキ排出口11がスラリー水位14よりも半径方向外側にあり、機内スラリー13に浸漬する状態の場合、スラリーが脱水ケーキ排出口11から流出する問題が起きる。
ケーキ排出隙間10にケーキ15が詰まっている状態で、脱水ケーキ排出口11がスラリー水位14に対して半径方向外側に位置する高さ関係(水中に浸漬する位置)であっても、若干の範囲内であれば水が漏れる問題はない。しかし、スラリー水位14よりも20mm以上に浸漬している場合では、機内スラリー13が脱水ケーキ排出口11から越流する事象が起きる問題がある。このため、望ましくは、この浸漬の距離を-20mm以内にすることで、または、コンベア円筒部31の外面が脱水室5内の機内スラリー13に浸かる状態にすることでケーキ含水率をいっそう安定化できる。
一方、スラリー水位14が脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対してボウル2の半径方向外側に+15mmの位置にある場合、つまりスラリー水位14が脱水ケーキ排出口11よりも半径方向外側にあり、脱水ケーキ排出口11から大きく離れている場合は、スラリー水位14の位置から脱水ケーキ排出口11までの距離が長くなって、ケーキ15がケーキ排出隙間10の中を搬送される際に遠心力に逆らって搬送する移動距離が大きくなることで排出抵抗が大きくなる。また、機内スラリー13の水圧による押し出し力が不足する。その結果、ケーキ排出が不安定になる問題が起きる。このため、この移動距離を+15mm以内にすることで更に搬送性が良くなる。
本発明者らは、種々の実験により、スラリー水位14の位置とコンベア円筒部3の外面(点c)の位置と分離水排出口12の位置関係を考察し、以下の知見を得た。
図5に示すような、通常の形状を有する分離水排出口12であれば、分離水の越流水位16はボウル2の半径方向における分離水排出口12の越流頂の位置によって決まり、越流頂のうちでボウル2の半径方向においてボウル円筒部21の内面に最も近い部分の位置(図1中に符号aで示す)によって分離水の越流水位が決まる。越流頂における分離水の越流高さは3~6mmである。
したがって、分離水の越流水位16、すなわちスラリー水位14の位置は、分離水排出口12の越流頂のうちでボウル2の半径方向においてボウル円筒部21の内面に最も近い部分の位置aよりも、越流高さの分3~6mmだけ半径方向内側の位置になる。
なお、分離水排出口12の通常の形状とは、図5に示すような形状のものであり、分離水が越流する越流頂が直線状または緩い曲線の円弧状もので、一般に開口幅が30~60mmのものが設置されている。また、図6に示すような越流頂がV字状や凹状などの特殊な形状の分離水排出口12の場合は、越流高さが6mm以上となる場合もあるが、この場合、分離水排出口12の開口面積のうちで、水の流れる部分の面積が100~200平方mmであるとして、越流高さを算定すると実際の高さとほぼ一致する。
なお、図5と図6には分離水排出口12の構造とともに、分離水の越流水位16に関する位置関係も示した。なお、分離水排出口12の越流頂のうちでボウル円筒部21の内面に最も近い位置の回転中心からの距離は、図1中の線Aで示されるものである。
したがって、分離水排出口12が、図5に示すような通常の形状を有する場合、スラリー水位14を脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、ボウル2の半径方向内側に-20mmの位置にする条件は、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aが、越流高さの最低値の3mm分だけスラリー水位14よりもボウル2の半径方向外側にあれば良く、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを半径方向内側に-17mmの位置にすれば良い。
また、スラリー水位14を脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、ボウル2の半径方向外側に+15mmの位置にする条件は、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aが、越流高さの最大値の6mm分だけスラリー水位14よりもボウル2の半径方向外側にあれば良く、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを半径方向外側に+21の位置にすれば良い。
このように、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲にすることで、スラリー水位14の位置を脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲にすることができる。
また、図6に示すような特殊な形状の分離水排出口12の場合は、分離水の流れる部分の面積が100~200平方mmであるとして越流高さを算定する。
例えば、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、半径方向内側に-20mmの位置にする場合には、分離水排出口12において分離水の流れる部分の面積が100平方mmであるとして越流高さを算定し、この越流高さを加えた位置がスラリー水位14の位置であるとする。
また、脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dに対して、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、半径方向外側に+15mmの位置にする場合には、分離水排出口12において分離水の流れる部分の面積が200平方mmであるとして越流高さを算定し、この越流高さを加えた位置がスラリー水位14の位置であるとする。
脱水機に供給されるスラリーの固形物の凝集度や固形物濃度の変化などにより、前述の-20mmから+15mmの範囲内で最適なスラリー水位14と脱水ケーキ排出口11の位置関係が変化する。
したがって、分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aを、脱水処理状況によって変化させることが必要である。
そこで本発明に係る本実施の形態発明では、脱水ケーキ排出口11に、図3に例示した形状の可動堰17を設置する。図3に示すように、縦長の脱水ケーキ排出口11であれば、堰の高さ調整が容易である。遠心脱水機から排出されるケーキ性状や分離水清浄度などを測定してこれらが適正な状態になるように、可動堰17の高さを調整する。
従来の遠心脱水機では、スラリー水位14と脱水ケーキ排出口11の距離を大きく取ることで脱水能力を確保していたために、コンベア円筒部31とスラリー水位14の間隔が脱水室5の半径方向の幅の40%以下であった。
しかし、本発明に係る遠心脱水機では、脱水室5の機内スラリー13の水深を大きくし、ケーキ排出部入口9での機内スラリー13の水圧を高めて、ケーキ排出を促進している。
この条件としては、スラリー水位14をコンベア円筒部31の外面から20mm以内の距離とするか、コンベア円筒部31が完全に機内スラリー13に浸かる状態にすることがある。
ただし、コンベア円筒部31が完全に機内スラリー13に浸かる状態にすると、ケーキ排出隙間10が長くなりすぎることや、分離水排出口12の機械的な構造が難しくなるなどの理由から、スラリー水位14は、コンベア円筒部31の外面の位置よりも、ボウル2の半径方向内側であってもその距離は20mm以内がより良い。
スラリー水位14とコンベア円筒部31の外面の距離を20mm以内にする理由は、スラリー供給口8とスラリー水位14の間隔が大きい場合は、スラリー供給口8から流入するスラリーが遠心力で加速されて脱水室5内の機内スラリー13を撹乱するからである。
また、流入するスラリー流の勢いが大きく、凝集剤によって形成されたフロックが壊される問題もある。
この結果、スラリー供給口8の周辺のスラリーでは、固体粒子が沈殿しなくなり、遠心脱水機の処理能力が低下する。この現象を防止するために、スラリー水位14をコンベア円筒部31の外面から20mm以内とする。
また、スラリー水位14を高くする(回転中心に近くする)ことで、機内スラリー13の量が増加し、処理スラリーの機内滞在時間を延長できる面でもスラリー水位14を高くすると良い。なお、一般的な遠心脱水機の脱水室の半径方向の幅は100~250mmであり、コンベア円筒部31の外面とスラリー水位14の距離は脱水室5の半径方向の幅の25~10%以内の比率になっている。
図1の構造の遠心脱水機(直動式A)と図4の構造の遠心脱水機(直動式B)を用いて本発明の条件で有機物固体を含むスラリーの処理を行った。これらの遠心脱水機は、ボウル2が共通で、コンベア円筒部31の形状が異なるものであり、標準で毎時2mのスラリーを処理する容量があり、2500Gの遠心力を作用させてスラリーを脱水させた。
本発明の装置条件での実験(実施例)と本発明の条件を逸脱した装置条件の実験(比較例)を行った。更に、従来型のデカンタ型遠心脱水機での比較例の実験を行った。
Figure 2022155606000002
実験には、スラリーのVTSが65~73%の下水汚泥を用いた。実験結果をまとめた結果を表2に示す。性能評価項目は、ケーキ脱水率と汚泥回収率とした。毎時2mのスラリーを直動式Aの遠心脱水機で処理した実験結果である実施例1~5において、スラリー水位14に対する脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置dとコンベア円筒部3の外周の関係を変化させて脱水性能を調査した。
Figure 2022155606000003
実施例1~5では、VTSが73.1質量%の汚泥を含むスラリー(スラリー種A)を処理した結果である。いずれの処理でもケーキ含水率が72.9~76.1質量%と低く、泥回収率も96%以上と良好であった。
ただし、実施例4では、スラリー水位14とコンベア円筒部31の外面の間隔が21mmで、より望ましい条件でなかったことから、ケーキ含水率が77.6質量%とやや高く、また汚泥回収率も96.2%とやや低かった。
また、コンベア円筒部31の直径がボウル2のケーキ排出側においても変わらない構造の直動式Bの遠心脱水機で処理した実験結果である実施例7では、ケーキ含水率がやや高かったもののやはり良好な成績であった。
同じスラリーを本発明の遠心脱水機の構造から外れた遠心脱水機で処理した比較例1及び2では、汚泥回収率は良かったものの、ケーキ含水率が各々79.8及び81.9質量%と高かった。一方、従来型であるデカンタ式遠心脱水機では、ケーキ含水率が80~82質量%と本発明の遠心脱水機に比べて性能が劣る結果となった。
実施例6は、VTSが65.1%のスラリー(スラリー種B)を処理した例であるが、ケーキ含水率が72.9質量%と良好な結果が得られた。同一のスラリーをデカンタ型遠心脱水機で処理した結果では、ケーキ含水率が75~78質量%と水分が高かった。
本発明は、下水汚泥、し尿汚泥、消化汚泥、食品残澄汚泥、工場排水の浄化槽などからの汚泥や、食品や飲料などの製造工程から発生する有機物を含むスラリーの脱水に適用できる。
1 回転軸
2 ボウル
3 コンベア
4 スクリューフライト
5 脱水室
6 スラリー供給パイプ
7 スラリー供給室
8 スラリー供給口
9 ケーキ排出部入口
10 ケーキ排出隙間
11 脱水ケーキ排出口
12 分離水排出口
13 機内スラリー
14 スラリー水位
15 ケーキ
16 越流水位
17 可動堰
21 ボウル円筒部
22 ボウル排出部
31 コンベア円筒部
32 コンベア圧縮部
33 コンベア排出部
A 回転中心から分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置aまで距離を示す垂直線
B 回転中心からスラリー水位14までの距離を示す垂直線
C 回転中心からコンベア円筒部31の外面までの距離を示す垂直線
D 回転中心から脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置までの距離を示す垂直線
E 脱水ケーキ排出口11の面積を算出する際の基準面を示す線
a 分離水排出口12の越流頂のうちで最もボウル円筒部21の内面に近い位置を示す点
b スラリー水位14の位置を示す点
c コンベア円筒部31の外面の位置を示す点
d 脱水ケーキ排出口11の面積中心の位置を示す点

Claims (10)

  1. 一方向に回転するボウルと、前記ボウルと同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライトを有するコンベアと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一側に設けた脱水ケーキ排出口を備え、
    前記ボウルは、内面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル円筒部と、前記ボウル円筒部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、
    前記コンベア軸部は、外面が前記コンベアの回転軸心方向に伸びるコンベア円筒部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外面がテーパー状に狭まるコンベア排出部を有し、
    前記ボウル円筒部の内面とコンベア円筒部の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室を有し、前記ボウル排出部の内面と前記コンベア排出部の外面の間にケーキ排出隙間を有する構造をなす脱水機であり、
    前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にあることを特徴とする遠心脱水機。
  2. 前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、
    または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする請求項1に記載の遠心脱水機。
  3. 一方向に回転するボウルと、前記ボウルと同回転軸心廻りに差速をもって回転するコンベア軸部の外面にスクリューフライトを有するコンベアと、前記ボウルの回転軸心方向で前記ボウルの一側に設けた脱水ケーキ排出口と、前記ボウルの他側に設けた分離水排出口を備え、
    前記ボウルは、内面が前記ボウルの回転軸心方向に伸びるボウル円筒部と、前記ボウル円筒部から前記脱水ケーキ排出口に向けて内面がテーパー状に狭まるボウル排出部を有し、
    前記コンベア軸部は、外面が前記コンベアの回転軸心方向に伸びるコンベア円筒部と、前記ボウル排出部に対応して前記脱水ケーキ排出口に向けて外面がテーパー状に狭まるコンベア排出部を有し、
    前記ボウル円筒部の内面とコンベア円筒部の外面の間にスラリーを保持する空間である脱水室を有し、前記ボウル排出部の内面と前記コンベア排出部の外面の間にケーキ排出隙間を有する構造をなす脱水機であり、
    前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にあることを特徴とする遠心脱水機。
  4. 前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に23mm以内の範囲に位置し、
    または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態にすることを特徴とする請求項3に記載の遠心脱水機。
  5. 前記ボウルは、前記分離水排出口における分離水の越流高さを設定する可動式の堰を有することを特徴とする請求項3または4に記載の遠心脱水機。
  6. 前記ボウル円筒部の内面の直径が一定であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の遠心脱水機。
  7. 前記コンベア軸部は、前記コンベア円筒部から前記コンベア排出部に向けて外周面がテーパー状に広がることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の遠心脱水機。
  8. 有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、請求項1に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、脱水室内のスラリー水位が前記ボウルの半径方向内側に-20mmの位置から半径方向外側に+15mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法。
  9. 前記脱水室内のスラリー水位が、前記コンベア円筒部の外面から前記ボウルの半径方向外側に20mm以内の範囲に位置し、
    または、前記コンベア円筒部の外面が前記脱水室内の前記スラリーに浸かる状態で脱水処理することを特徴とする請求項8に記載の有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法。
  10. 有機物固形粒子を含むスラリーを遠心脱水する際に、請求項3に記載の遠心脱水機を用いて、前記ケーキ排出隙間の入口側開口が前記ボウルの内部に保持するスラリーの水面下に没する状態で、前記分離水排出口の越流頂は、前記ボウルの半径方向において前記ボウルの内面に最も近い部分が、前記ボウルの回転軸心を含む断面における前記ケーキ排出隙間の出口側開口の面積中心の位置に対して、前記ボウルの半径方向内側に-17mmの位置から半径方向外側に+21mmの位置の範囲内にある状態で脱水処理することを特徴とする有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法。
JP2021058916A 2021-03-31 2021-03-31 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法 Pending JP2022155606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021058916A JP2022155606A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021058916A JP2022155606A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022155606A true JP2022155606A (ja) 2022-10-14

Family

ID=83558602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021058916A Pending JP2022155606A (ja) 2021-03-31 2021-03-31 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022155606A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5191565B2 (ja) 遠心脱水方法及び遠心脱水装置
AU722025B2 (en) Water and wastewater treatment system with internal recirculation
JP5277152B2 (ja) 高アルカリスラリー処理方法及びシステム
KR100916032B1 (ko) 축산폐수 침전 슬러지 탈수용 원심탈수기
JP6420861B2 (ja) 遠心脱水機
CN102824966B (zh) 一种螺旋推料器及其应用的卧螺离心机
US20110067568A1 (en) Apparatus and method for mechanical deaeration
KR100953671B1 (ko) 회전각을 가지는 농축액 또는 케이크 토출구를 구비한 스크류데칸터형 원심분리기
JPH04193363A (ja) デカンタ型遠心分離機
KR101425025B1 (ko) 탈수율을 향상시키기 위한 고효율 원심탈수기
JP4702358B2 (ja) 濃縮機構付きスクリュープレス
JP2010057997A (ja) 汚泥脱水装置及び汚泥脱水方法
JP7154925B2 (ja) スクリュー型分離装置及び排水処理システム
JP2022155606A (ja) 遠心脱水機及び有機物固形粒子を含むスラリーの脱水方法
JP2008043914A (ja) 汚泥濃縮装置
JP2008049275A (ja) 汚泥濃縮装置
KR20120091553A (ko) 폐수처리용 고액분리장치, 스크루 탈수장치 및 이를 이용한 폐수처리장치
JP2540180B2 (ja) デカンタ型遠心分離機を用いる汚泥の脱水方法及び装置
JP2022155607A (ja) 遠心脱水機及び汚泥脱水方法
JP2001170697A (ja) 汚泥の造粒濃縮脱水装置
JP3942402B2 (ja) 遠心分離装置
KR101070684B1 (ko) 원심분리기
JPH0760009A (ja) 沈降式固液分離装置
RU2781261C1 (ru) Декантер для обезвоживания пивной дробины
KR20160129572A (ko) 부유물질 분리배출 기능을 갖는 원심분리장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240319

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240529