JP2022152998A - 新規酵素剤およびβ-グルコ二糖含有糖質の製造方法 - Google Patents

新規酵素剤およびβ-グルコ二糖含有糖質の製造方法 Download PDF

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Naoto Isono
涼一 石川
Ryoichi Ishikawa
健太 相沢
Kenta Aizawa
和典 柳原
Kazunori Yanagihara
宏基 高木
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Abstract

【課題】ゲンチオビオースを選択的に製造可能な新規酵素剤の提供。【解決手段】下記(a)、(b)および(c)からなる群から選択されるタンパク質を含んでなる酵素剤である:(a)特定のアミノ酸配列を含んでなるタンパク質、(b)特定のアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質、および(c)特定のアミノ酸配列において、1または複数個のアミノ酸が改変されたアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。【選択図】なし

Description

本発明は、新規酵素剤および該酵素剤を用いたβ-グルコ二糖含有糖質の製造方法に関する。
β-グルコシダーゼは、セロビオースをはじめとするβ-グルコ二糖に作用し、そのβ-グリコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素である。一方で、高濃度のグルコース存在下においては、当該加水分解反応の逆反応である縮合反応によりβ-グルコオリゴ糖を生成することが知られている。
特許文献1には、微生物起源のβ-グルコシダーゼをグルコースに作用させてβ-グルコオリゴ糖を製造する方法が記載されている。特許文献2には、特定の理化学的性質を有することを特徴とする新規酵素と、該酵素を高濃度グルコース溶液に作用させてゲンチオオリゴ糖高含有シラップを製造する方法が記載されている。
上記手法により得られたβ-グルコ二糖中にはゲンチオビオースに加えて、ラミナリビオースやソホロースなど、ゲンチオビオース以外のβ-グルコ二糖がある程度含まれており、ゲンチオビオースの含量は十分ではなかった。一方、非特許文献1には、ハロバチルス・ハロフィラス(Halobacillus halophilus)由来のβ-グルコシダーゼを用いてグルコースを縮合反応させることでゲンチオビオースを合成できることが報告されている。
特開平2-219584号公報 特開平1-222779号公報
2018年度日本農芸化学会大会講演要旨集、講演番号:2A26p05、「Halobacillus halophilus由来β-1,6-グルコシダーゼの機能解析」、寺田真衣、磯野直人
本発明は、ゲンチオビオースを選択的に製造可能な新規酵素剤と、該酵素剤を用いたβ-グルコ二糖含有糖質の新規製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは今般、選抜した7種のタンパク質がβ-グルコシダーゼ活性を有することを見出すとともに、該酵素を用いて特にゲンチオビオース含量の高いβ-グルコ二糖を製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]下記(a)、(b)および(c)からなる群から選択されるタンパク質を含んでなる酵素剤:
(a)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列を含んでなるタンパク質、
(b)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質、および
(c)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列において、1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
[2]β-グルコ二糖の製造に用いるための、上記[1]に記載の酵素剤。
[3]β-グルコ二糖が少なくともゲンチオビオースを含む、上記[2]に記載の酵素剤。
[4]上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の酵素剤をグルコースに作用させる工程を含んでなる、β-グルコ二糖またはそれを含む糖質組成物の製造方法。
[5]β-グルコ二糖が少なくともゲンチオビオースを含む、上記[4]に記載の製造方法。
[6]下記(i)、(ii)、(iii)および(iv)からなる群から選択される塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは該ポリヌクレオチドを作動可能に連結してなる発現ベクターにより形質転換した宿主微生物を培養する工程を含んでなる、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の酵素剤の製造方法:
(i)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列、
(ii)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列と70%以上の同一性を有し、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、
(iii)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列において、1または複数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、および
(iv)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
[7]配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列が、配列番号8~14のいずれかの塩基配列である、上記[6]に記載の製造方法。
本発明によれば、ゲンチオビオース含量の高いβ-グルコ二糖の製造に有用な酵素剤が提供される。本発明の酵素剤をグルコースに作用させることで特にゲンチオビオース含量の高いβ-グルコ二糖を製造することができる。
発明の具体的説明
<<本発明の酵素剤>>
本発明の酵素剤は、前記(a)、(b)および(c)からなる群から選択される少なくとも一つのタンパク質(以下、「本発明のタンパク質」ということがある)を含んでなるものである。本発明の酵素剤はβ-グルコシダーゼ活性を有する酵素剤であり、特にβ-1,6-グリコシド結合特異的なグルコシダーゼ活性を示すことから、ゲンチオビオースの選択的合成および選択的分解に有用な酵素剤である。
本発明において「β-グルコシダーゼ活性」は、β-グルコ二糖を加水分解し、グルコースを生成する反応を触媒する酵素活性である。さらに本酵素は、縮合反応や糖転移反応も触媒する。この縮合反応や糖転移反応では、グルコースを基質としてβ-グルコ二糖が生成する。β-グルコ二糖としては、ゲンチオビオース(β-1,6-グルコ二糖)、ソホロ―ス(β-1,2-グルコ二糖)、ラミナリビオース(β-1,3-グルコ二糖)、セロビオース(β-1,4-グルコ二糖)、イソトレハロース(β-1,1-グルコ二糖)が挙げられる。
本発明の酵素剤が前記(a)のタンパク質を含む場合、本発明のタンパク質は、配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列を含んでなるものであっても、配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列からなるものであってもよい。
前記(b)において、「同一性」は「相同性」を含む意味で用いられる。ここで「同一性」は、例えば、比較する配列同士を適切に整列(アライメント)させたときの同一性の程度であり、前記配列間のアミノ酸の正確な一致の出現率(%)を意味する。同一性の算出にあたっては、例えば、配列におけるギャップの存在およびアミノ酸の性質が考慮される(Wilbur, Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:726-730(1983))。前記アライメントは、例えば、任意のアルゴリズムの利用により行うことができ、具体的に、BLAST(Basic local alignment search tool)(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990))、FASTA(Peasron et al., Methods in Enzymology 183:63-69 (1990))、Smith-Waterman(Meth. Enzym., 164, 765 (1988))などの公に利用可能な相同性検索ソフトウェアを使用することができる。また、同一性の算出は、例えば、前記のような公に利用可能な相同性検索プログラムを用いて行うことができ、例えば、米国国立生物工学情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)において、デフォルトのパラメーターを用いることによって算出することができる。
前記(b)における同一性は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに一層好ましくは95%以上、特に好ましくは96%以上、97%以上、98%以上、99%以上または99.5%である。
前記(c)のタンパク質は、配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列において、欠失、置換、挿入および付加からなる群から選択される1個または複数個の改変を有していてもよい。改変されるアミノ酸の個数は、例えば、1~100個、好ましくは1~50個、より好ましくは1~20個、さらに好ましくは1~10個、さらに一層好ましくは1~6個、特に好ましくは1~数個、1~4個、1~3個、1~2個または1個である。改変されるアミノ酸の個数はまた、部位突然変異誘発法などの公知の方法により生じる程度の変異数、あるいは、天然に生じる程度の変異数とすることができる。このため「改変」は変異を含む意味で用いられるものとする。前記アミノ酸配列において、前記改変は、連続して生じてもよいし、不連続に生じてもよい。前記改変はまた、複数の同種の改変(例えば、複数の置換)であってもよいし、複数の異種の改変(例えば、1個以上の欠失と1個以上の置換の組合せ)であってもよい。
また、前記(c)におけるアミノ酸の挿入としては、例えば、アミノ酸配列の内部への挿入が挙げられる。さらに、アミノ酸の付加は、例えば、アミノ酸配列のN末端およびC末端のいずれかへの付加であっても、N末端およびC末端の両末端への付加であってもよい。
前記アミノ酸の改変は保存的改変(例えば、保存的変異)であってもよい。「保存的改変」または「保存的変異」は、タンパク質の機能を実質的に改変しないように、1個または複数個のアミノ酸を改変し、または変異させることを意味する。前記アミノ酸の置換はまた、保存的置換であってもよい。「保存的置換」は、タンパク質の機能を実質的に改変しないように、1個または複数個のアミノ酸を、別のアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体に置換することを意味する。保存的置換において、置換されるアミノ酸と置換後のアミノ酸とは、例えば、性質および/または機能が類似していることが好ましい。具体的には、疎水性および親水性の指標、極性、電荷などの化学的性質、あるいは二次構造などの物理的性質が類似していることが好ましい。このように、性質および/または機能が類似するアミノ酸またはアミノ酸誘導体は、当該技術分野において公知である。例えば、非極性アミノ酸(疎水性アミノ酸)としては、例えば、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性アミノ酸(中性アミノ酸)は、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷を有するアミノ酸(塩基性アミノ酸)は、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられ、負電荷を有するアミノ酸(酸性アミノ酸)は、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
前記(b)および(c)において、「β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質」であるか否かは、被験タンパク質の加水分解活性を指標に評価することができ、例えば、被験タンパク質を基質であるβ-グルコ二糖に作用させ、分解により生じたグルコース量を測定することにより評価することができる。β-グルコシダーゼ活性の強さは、分解により生じたグルコース量を指標にして評価することができる。β-グルコシダーゼ活性は、例えば、β-グルコ二糖を基質として、本発明のタンパク質(酵素)を作用させ、酵素反応により生成されるグルコース量をグルコースC-IIテストワコー(富士フイルム和光純薬社)による発色反応により測定し、ここで得られた値と、反応に用いた酵素の添加量を以って評価することができる。
本発明のタンパク質が配列番号1のアミノ酸配列に基づいて定められた前記(b)または前記(c)のタンパク質である場合、該タンパク質は温度30~40℃、pH6~8の条件下で配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質の約70%以上の活性、約80%以上の活性、約90%以上の活性、約95%以上の活性または約100%以上の活性を有するものとすることができる。本発明のタンパク質が配列番号2~7のいずれかに基づいて定められた前記(b)または前記(c)のタンパク質である場合も上記と同様にそれぞれ配列番号2~7のいずれかのアミノ酸配列からなるタンパク質との対比でその活性の強さを定めることができる。
本発明の酵素剤は、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質を有効成分とするものである。前記の通り、β-グルコシダーゼの縮合反応や糖転移反応により、グルコースからゲンチオビオース含量の高いβ-グルコ二糖が生成する。本発明の酵素剤を用いたβ-グルコ二糖の製造は後述する。
<<β-グルコ二糖含有糖質の製造方法>>
本発明によれば、本発明の酵素剤をグルコースに作用させる工程を含んでなる、β-グルコ二糖またはそれを含む糖質組成物の製造方法が提供される。
本発明の酵素剤をグルコースに作用させることで二分子のグルコースが縮合しβ-グルコ二糖が生成する。本発明の製造方法で得られるβ-グルコ二糖を含む糖質組成物は、具体的には、縮合反応で生成したβ-グルコ二糖に加え、グルコースなどの原料糖質や、縮合反応で生成した重合度3以上の糖質などを含みうる混合物である。
β-グルコシダーゼによるグルコースの縮合反応においては、製造されるグルコース縮合反応物はグルコース同士がβ-グルコシド結合したもの(β-グルコオリゴ糖)であり、様々な結合様式(β-1,6-結合、β-1,3-結合など)のものが混在していることが知られている。したがって、本発明の製造方法により得られるβ-グルコ二糖にはゲンチオビオース(β-1,6-結合)以外のβ-グルコ二糖が含まれていてもよい。本発明の製造方法により得られるβ-グルコ二糖の糖組成は特に制限はないが、β-グルコ二糖中のゲンチオビオースの含量が60質量%以上であるものとすることができ、好ましくは70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、91質量%以上、92質量%以上、93質量%以上、94質量%以上または95質量%以上とすることができる。なお、本明細書において、糖組成の比率に言及するときは、固形分当たりの各糖成分の含量(質量%)を意味する。
本発明の製造方法において、原料となるグルコースはグルコース水溶液(グルコースシラップ)を用いることができ、その反応効率を考慮すると固形分濃度40質量%以上の濃度の水溶液とすることが好ましく、より好ましくは固形分濃度50質量%以上の水溶液である。原料のグルコースは純品でもよいが、コストや入手し易さを考慮すると他の糖質が混合した糖組成物でもよく、例えば、グルコース含量20~100質量%の澱粉分解物、グルコース含量50~100質量%の澱粉分解物、グルコース含量60~100質量%の澱粉分解物、またはグルコース含量70~100質量%の澱粉分解物を原料として用いることができる。
本発明の製造方法において、酵素剤を基質に作用させる条件は特に制限はなく、酵素の特性に合わせて適宜調整すればよいが、例えば、pH6~8、温度30~60℃の条件で、12~144時間反応させることができる。
本発明の製造方法においては、所望のβ-グルコ二糖が得られた後、必要に応じて酵素の失活処理、濾過・脱色・脱臭・脱塩などの精製処理および/または濃縮処理を行うことができる。これらの処理は常法に従って実施することができる。また、得られたβ-グルコ二糖は、適宜濃縮して液状品としてもよく、噴霧乾燥などにより粉末品としてもよい。さらに、膜分画、樹脂分画などの分画処理や、微生物による資化処理などによって残存した原料や副産物を除去したり、特定重合度のものを分取したりすることにより、β-グルコ二糖含量、特にゲンチオビオース含量をより高めることができる。
<本発明の酵素剤の製造方法>
本発明の酵素剤は、本発明のタンパク質の産生能を有する天然微生物あるいは後述の組換え微生物を培養することにより製造することができる。
すなわち、本発明の別の側面によれば、前記(i)、(ii)、(iii)および(iv)からなる群から選択される塩基配列からなるポリヌクレオチド(以下、「本発明のポリヌクレオチド」ということがある)または該ポリヌクレオチドを作動可能に連結してなる発現ベクターにより形質転換した宿主微生物を培養する工程を含んでなる、本発明の酵素剤の製造方法が提供される。本発明の製造方法は、培養工程の後、培養して得られた宿主微生物および/または培養物から発現産物を採取し、場合によっては酵素剤を単離または精製する工程をさらに含んでいてもよい。
本発明において「ポリヌクレオチド」には、DNAおよびRNAが含まれ、さらには、これらの修飾体や人工核酸が含まれるが、好ましくはDNAである。また、DNAには、cDNA、ゲノムDNAおよび化学合成DNAが含まれる。
前記(i)、(ii)、(iii)および(iv)において、「アミノ酸配列をコードする塩基配列」とは、特定のアミノ酸配列が与えられることによって、遺伝暗号(すなわち、コドン)に基づいて特定することができる。例えば、配列番号1~7のアミノ酸配列を、対応するコドンに置き換えることによって塩基配列を特定することができ、具体例としては、配列番号8~14の塩基配列が挙げられる。
前記(ii)において、「同一性」は「相同性」を含む意味で用いられる。ここで、「同一性」は、前記(b)について述べたのと同様に、比較する配列同士を適切に整列(アライメント)させたときの同一性の程度であり、前記配列間の塩基の正確な一致の出現率(%)を意味する。同一性の算出にあたっては、例えば、配列におけるギャップの存在および塩基の性質が考慮される(Wilbur, Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:726-730 (1983))。アライメントや同一性の算出は、前記(b)についての記載内容に従って実施することができる。
前記(ii)における同一性は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに一層好ましくは95%以上、特に好ましくは96%以上、97%以上、98%以上、99%以上または99.5%以上である。
前記(iii)の塩基配列は、配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列において、欠失、置換、挿入および付加からなる群から選択される1個または複数個の改変を有していてもよい。改変される塩基の個数は、例えば、1~100個、好ましくは1~50個、より好ましくは1~20個、さらに好ましくは1~10個、さらに一層好ましくは1~6個、特に好ましくは1~数個、1~4個、1~3個、1~2個または1個である。改変される塩基の個数はまた、部位突然変異誘発法などの公知の方法により生じる程度の変異数、あるいは、天然に生じる程度の変異数とすることができる。このため「改変」は変異を含む意味で用いられるものとする。前記欠失、挿入および/または付加された塩基配列は、特に制限されないが、例えば、配列番号1~7のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの塩基配列と、同じ読み枠の塩基配列である。前記欠失、挿入および/または付加される塩基は、例えば、連続する3つの塩基からなるコドンが好ましく、このようなコドンの数は、例えば、1~30個、好ましくは1~20個、より好ましくは1~10個、さらに好ましくは1~6個、特に好ましくは1~数個、1~3個、1~2個または1個である。前記塩基配列において、前記改変は、連続して生じてもよいし、不連続に生じてもよい。前記改変はまた、複数の同種の改変(例えば、複数の置換)であってもよいし、複数の異種の改変(例えば、1個以上の欠失と1個以上の置換の組合せ)であってもよい。
また、前記(iii)における塩基の挿入としては、例えば、塩基配列の内部への挿入が挙げられる。さらに、塩基の付加は、例えば、塩基配列の5’末端および3’末端のいずれかへの付加であっても、5’末端および3’末端の両末端への付加であってもよい。
前記(iv)において、「ハイブリダイズする」とは、あるポリヌクレオチドが標的となるポリヌクレオチドと相補的なそれぞれの塩基同士の水素結合により二本鎖を形成することをいう。「ハイブリダイズ」は、各種ハイブリダイゼーションアッセイにより検出することができる。ハイブリダイゼーションアッセイとしては、例えば、サザンハイブリダイゼーションアッセイ、コロニーハイブリダイゼーションアッセイなどの公知の方法が挙げられる。
前記(iv)において、「ハイブリダイズ」あるいは「ハイブリダイゼーション」は、ストリンジェントな条件下で実施することができ、例えば、ハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイゼーション反応を行った後、洗浄緩衝液で洗浄することにより実施することができる。ここで「ストリンジェントな条件」は、ポリヌクレオチド間で特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、ある塩基配列とその相補鎖との二重鎖のTm(℃)および必要な塩濃度などに依存して決定することができる。例えば、配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列(例えば、配列番号8~14のいずれかの塩基配列)を選択した後にそれに応じたストリンジェントな条件を設定することは当業者に周知の技術である(例えば、J. Sambrook, E. F. Frisch, T. Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory(1989)参照)。ストリンジェントな条件としては、例えば、ハイブリダイゼーションに通常用いられる適切な緩衝液(例えば、SSC溶液)中で、塩基配列によって決定されるTmよりわずかに低い温度(例えば、Tmよりも0~10℃低い温度、Tmよりも0~5℃低い温度あるいはTmよりも0~2℃低い温度)においてハイブリダイゼーション反応を実施することが挙げられる。ストリンジェントな条件としてはまた、ハイブリダイゼーション反応後の洗浄を非特異的なハイブリッド形成をした二本鎖ポリヌクレオチドに対して厳しい条件(例えば、高温低塩濃度溶液)で実施することが挙げられる。
前記(ii)、(iii)および(iv)において、「β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質」であるか否かは、被験タンパク質の加水分解活性を指標に評価することができ、例えば、被験タンパク質を基質であるβ-グルコ二糖に作用させ、分解により生じたグルコース量を測定することにより評価することができる。β-グルコシダーゼ活性の強さは、分解により生じたグルコース量を指標にして評価することができる。
本発明のポリヌクレオチドが配列番号1のアミノ酸配列をコードする塩基配列に基づいて定められた前記(ii)、(iii)または(iv)の塩基配列からなる場合、該ポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質は温度30~40℃、pH6~8の条件下で配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質の約70%以上の活性、約80%以上の活性、約90%以上の活性、約95%以上の活性または約100%以上の活性を有するものとすることができる。本発明のポリヌクレオチドが配列番号2~7のいずれかをコードする塩基配列に基づいて定められた前記(ii)、(iii)または(iv)の塩基配列からなる場合も上記と同様にそれぞれ配列番号2~7のいずれかのアミノ酸配列からなるタンパク質との対比でその活性の強さを定めることができる。
本発明の酵素剤を、本発明のタンパク質の産生能を有する組換え微生物を用いて製造する場合、該組換え微生物としては、前記(i)、(ii)、(iii)および(iv)から選択される塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは該ポリヌクレオチドを作動可能に連結してなる発現ベクターにより形質転換した宿主微生物が挙げられる。前記発現ベクターとしては、例えば、大腸菌や枯草菌などの宿主微生物への導入に適したベクターを選択することができ、pET21b、pUC18、pET15b、pET32a、pColdI、pGEX-4T、pJEXOPT2(特開2009-17841号公報参照)、pHT01、pHT43などのプラスミドベクターが挙げられる。これらのうち、本発明のタンパク質を大腸菌で発現させる場合には、pET21b、pUC18、pET15b、pET32a、pColdIおよびpGEX-4Tが好ましく、枯草菌で発現させる場合には、pJEXOPT2、pHT01およびpHT43が好ましい。また、発現ベクターへのポリヌクレオチドの連結は、常法に従って実施することができる。
このようにして得られた発現ベクターは、大腸菌、枯草菌をはじめとする宿主微生物に導入し、組換え微生物(すなわち、形質転換体)を得ることができる。宿主微生物への導入は、常法に従って実施することができる。また、前記(i)、(ii)、(iii)および(iv)から選択される塩基配列からなるポリヌクレオチドは、エレクトロポレーション法、リポフェクション法などによりベクターを使用せずに宿主微生物に導入し、組換え微生物を得ることもできる。
本発明の酵素剤の有効成分であるタンパク質を生成する組換え微生物および天然微生物は、当該微生物の培養に適した培地において培養することができる。使用する培地は、微生物が生育でき、本発明の酵素剤の有効成分であるタンパク質を産生しうる栄養培地であれば特に限定されず、合成培地および天然培地のいずれでもよい。また、時間、温度などの培養条件は、培養する微生物に適した条件を適宜選択することができる。
本発明の酵素剤の製造方法では、組換え微生物または天然微生物を培養した後、本発明の酵素剤の有効成分であるタンパク質を採取する工程を含んでいてもよい。本発明の酵素剤の製造方法では、例えば、天然微生物あるいは組換え微生物を培養した後、溶菌剤、界面活性剤、超音波破砕またはビーズショッカーなどを用いて菌体細胞を破砕し、そのままもしくは不溶性画分を分離したものを粗酵素液とすることができる。本発明においては、粗酵素液をそのまま用いても、濃縮してから用いてもよい。濃縮法としては、硫安塩析法、アセトンおよびアルコール沈殿法、平膜、中空膜法などを採用することができる。
本発明の酵素剤は、上記のように、粗酵素液をそのまままたは濃縮して用いることができるものの、必要に応じてカラムクロマトグラフィーなどにより分離・精製したものを利用することができる。例えば、培養液の上清または破砕処理物についてアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製することにより、本発明の酵素剤の有効成分であるタンパク質を、電気泳動的に単一バンドを示す精製酵素として得ることができる。
本発明の酵素剤の有効成分であるタンパク質が組換えタンパク質である場合には、組換え微生物の種類によっては酵素が菌体内に蓄積したり、培養液に蓄積したりすることがある。このような場合にも、前記のように、菌体またはその培養物をそのまま使用してもよいが、必要に応じて、細胞を破砕したものを用いてもよい。
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
例1:枯草菌を宿主としたタンパク質発現
(1)発現プラスミドの構築
種々の微生物について新規酵素探索を実施した。具体的には、非特許文献1に記載のハロバチルス・ハロフィラス(Halobacillus halophilus)由来のβ-1,6-グルコシダーゼのアミノ酸配列と相同性検索を行い、当該酵素のアミノ酸配列とアミノ酸配列の同一性が60~70%程度である仮想タンパク質(配列番号1~7)を選出し、その機能を解析した。選出された各仮想タンパク質について、配列番号、由来微生物、NCBI登録情報(NCBI Reference Sequence)および非特許文献1に記載の酵素のアミノ酸配列との配列同一性は表1に示される通りであった。
Figure 2022152998000001
配列番号1~7(以下、「目的アミノ酸配列」という場合がある)に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(以下、「目的タンパク質」という場合がある)を枯草菌(バチルス・サブティリス:Bacillus subtilis、以下同様)で発現させるための発現プラスミドを構築した。まず、目的アミノ酸配列のC末端側にHisタグ配列を結合した。次いで、枯草菌発現用ベクターであるpJEXOPT2(特開2009-17841号公報および特開2009-17842号公報参照)を本試験に最適化するために改変したプラスミド(以下、「線状プラスミド」という場合がある)を作製した。該改変プラスミドとの相同領域をクローニング用の付加配列として、上記Hisタグ配列を付加した目的アミノ酸配列のN末端側およびC末端側に付して、人工遺伝子合成用の配列を設計した。当該設計配列をpUC57ベクターに挿入したプラスミドを設計し、人工遺伝子合成を行った(人工合成プラスミド)。なお、目的タンパク質部分に該当する塩基配列については、枯草菌での発現に最適化するためのコドン補正を行った。配列番号1~7のアミノ酸配列をコードする塩基配列(以下、「目的遺伝子」という)はそれぞれ配列番号8~14に示される通りであった。
得られた人工合成プラスミドおよび線状プラスミドを鋳型として、In-Fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ社)において使用する目的遺伝子断片および線状プラスミドをPCR増幅した。目的遺伝子断片および線状プラスミドのPCR増幅には表2および表3に示されるプライマーをそれぞれ用いた。
Figure 2022152998000002
Figure 2022152998000003
PCR反応に用いる反応液の組成は、Primestar max Premix(タカラバイオ社)のマニュアルに従って調製し反応液の総量は50μLとした。PCR増幅反応のプログラムは、96℃に1分間保持した後、98℃で10秒間→55℃で5秒間→72℃で35秒間を1サイクルとして35サイクル行い、次いで、72℃で5分間保持とした。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、増幅断片に相当するバンドをゲルから切り出し、illustraTM GFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit(GE Healthcare社)を用いて抽出し精製した。得られた目的遺伝子の増幅断片および線状プラスミドの増幅断片を、In-Fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ社)を用いて連結した。連結反応は50℃に15分間保持して行った。次いで、連結反応液1.5μLを用いて、E.coli DH5αを形質転換し、該大腸菌を培養した培養液からillustraTM plasmidPrep Mini Spin Kit(GE Healthcare社)を用いてプラスミドDNAを調製した(以下、「枯草菌発現用プラスミド」という場合がある)。
(2)組換えタンパク質の枯草菌における発現および酵素サンプルの調製
上記(1)で調製した枯草菌発現用プラスミドDNAを、プロトプラスト化した枯草菌ISW1214(タカラバイオ社)に導入し、7.5μg/mLテトラサイクリンを含む再生寒天培地(組成:8.1%コハク酸ナトリウム、1%寒天、0.5%カザミノ酸、0.5%酵母エキス、0.15%リン酸2水素カリウム、0.35%リン酸水素2カリウム、0.5%グルコース、0.4%塩化マグネシウム、0.01%ウシ血清アルブミン、0.001%メチオニン、および0.001%ロイシン)において30℃で2日間培養した。得られたコロニーを前培養培地、続いて本培養培地で培養した。なお、該培養は、培地の組成以外は特開2009-17841号公報および特開2009-17842号公報に記載の通りとした。次いで、培養物を遠心分離(1500×g、4℃、15分間)し、上清を0.45μmフィルター(メルク社)で濾過したものを培養上清とした。得られた培養上清を、Amicon Ultra-0.5、30kDa(メルク社)を用いた限外ろ過により、50mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に置換することで培地成分を除去し、得られた溶液をそれぞれ酵素サンプル1~7とした。なお、酵素サンプル1~7はそれぞれ配列番号1~7のアミノ酸配列からなるタンパク質である。
(3)β-グルコシダーゼ活性の確認
上記(2)で調製した酵素サンプル1~7について、β-グルコ二糖類を基質とした加水分解活性(β-グルコシダーゼ活性)を以下に示す手順で測定した。適宜希釈した各酵素サンプル10μLと各種β-グルコ二糖類(ソホロース、ラミナリビオース、セロビオース、ゲンチオビオース)溶液10μLを混合し、37℃、pH7で5分間反応を行い、99.9℃で10分間保持して反応を停止した。これをサンプル反応液とした。また、酵素サンプル1~7を事前に99.9℃、10分間の熱処理を行うことにより失活させた失活酵素サンプル1~7を、上記と同様の手順で各β-グルコ二糖類溶液と反応させた後、反応を停止した。これをブランク反応液1~7とした。次いで、各反応液(サンプル反応液およびブランク反応液)にグルコースCII-テストワコー(富士フィルム和光純薬社)180μLを添加し、37℃で5分間保持した後、波長492nmにおける吸光度(A492)を測定した。ブランク反応液をブランクとして、サンプル反応液における酵素サンプル1~7の反応により生成したグルコースに由来するA492の測定値を求めた。結果は、表4に示される通りであった。いずれの酵素サンプルについても、ゲンチオビオースを基質とした場合にのみ、グルコースの生成が確認された。これらの結果から、酵素サンプル1~7はβ-1,6-グリコシド結合特異的なβ-グルコシダーゼ活性を有することが示された。
Figure 2022152998000004
例2:酵素サンプルの特性の評価
(1)酵素サンプルを用いた縮合反応
例1(2)で調製した酵素サンプル1~7について、グルコースを基質とした縮合反応を行った。具体的には、100mgグルコースに対し、75μLの酵素サンプル1~7をそれぞれ添加した混合液を調製し、37℃、pH7で72時間保持することで縮合反応を行った。反応後、各反応液を10分間沸騰水中に保持して酵素を失活させた。次いで、各サンプルを冷却および適宜希釈した後、アンバーライトMB-4を加えて脱塩した。脱塩後、各サンプルを0.45μmフィルターでろ過し、得られた反応生成物をそれぞれ反応生成物1~7として糖組成分析に用いた。なお、反応生成物1~7はそれぞれ酵素サンプル1~7を用いて反応させた生成物である。
(2)反応生成物の糖組成分析
上記(1)で調製された反応生成物1~7の固形分当たりの糖組成を高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析した。分析条件は分析条件1および分析条件2に記載の通りとした。各分析条件における、特定のピーク面積の、基準物質のピーク面積に対する比率を、基準物質中のその特定のピーク由来物質の含有比率(固形分%)と定義した。
反応生成物中の各重合度の糖質(単糖、二糖および三糖)の糖組成を分析する条件は分析条件1の通りとした。なお、各重合度の糖質の糖組成(固形分%)は、各重合度の糖質に対応するピーク面積の、検出されたピークの総面積に対する比率(%)により算出した。
<分析条件1>
カラム:Ultron PS80N・L (信和化工社)
溶離液:超純水
流速:0.9mL/分
カラム温度:50℃
検出器:示差屈折計
サンプル注入量:10μL
分析時間:20分
反応生成物中の二糖画分中のゲンチオビオースの含有比率を分析する条件は分析条件2の通りとした。なお、二糖画分中のゲンチオビオースの含有比率(固形分%)は、ゲンチオビオースに対応するピーク面積の二糖画分に対応するピークの総面積に対する比率(%)により算出した。
<分析条件2>
カラム:HILICpak VG-50 4E(Shodex社)
溶離液:80%アセトニトリル
流速:0.6mL/分
カラム温度:40℃
検出器:Corona荷電化粒子検出器
サンプル注入量:1μL
分析時間:60分
反応生成物1~7の糖組成の分析結果は表5および表6に示される通りであった。
Figure 2022152998000005
Figure 2022152998000006
表5の結果から、グルコースを基質とした縮合反応により得られた反応生成物において、反応生成物中の二糖画分の含有比率は、5.57~16.05(固形分%)であることが確認された。また、表6の結果から、グルコースを基質とした縮合反応により得られた反応生成物において、反応生成物中の二糖画分中のゲンチオビオースの含有比率は、95.11~96.45(固形分%)であることが確認された。これらの結果から、配列番号1~7に示されるアミノ酸配列からなる酵素サンプル1~7は、グルコースを基質とした縮合反応において、二糖生成物としてβ-グルコ二糖類であるゲンチオビオースを選択的に生成することが示された。

Claims (7)

  1. 下記(a)、(b)および(c)からなる群から選択されるタンパク質を含んでなる酵素剤:
    (a)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列を含んでなるタンパク質、
    (b)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質、および
    (c)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列において、1または複数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質。
  2. β-グルコ二糖の製造に用いるための、請求項1に記載の酵素剤。
  3. β-グルコ二糖が少なくともゲンチオビオースを含む、請求項2に記載の酵素剤。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の酵素剤をグルコースに作用させる工程を含んでなる、β-グルコ二糖またはそれを含む糖質組成物の製造方法。
  5. β-グルコ二糖が少なくともゲンチオビオースを含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 下記(i)、(ii)、(iii)および(iv)からなる群から選択される塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは該ポリヌクレオチドを作動可能に連結してなる発現ベクターにより形質転換した宿主微生物を培養する工程を含んでなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の酵素剤の製造方法:
    (i)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列、
    (ii)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列と70%以上の同一性を有し、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、
    (iii)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列において、1または複数個の塩基が欠失、置換、挿入および/または付加された塩基配列からなり、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列、および
    (iv)配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列の相補配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、β-グルコシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
  7. 配列番号1~7のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列が、配列番号8~14のいずれかの塩基配列である、請求項6に記載の製造方法。
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