JP2022149097A - 超音波診断装置、医用画像解析装置および医用画像解析プログラム - Google Patents

超音波診断装置、医用画像解析装置および医用画像解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な操作で、かつ安価な装置で、心臓の左右間の関連や房室間の関連を把握すること。【解決手段】本実施形態に係る超音波診断装置は、指標取得部と、表示部とを備える。指標取得部は、1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する。表示部は、前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する。【選択図】図2

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波診断装置、医用画像解析装置および医用画像解析プログラムに関する。
従来、超音波診断装置やcardiac-MRIで得られる心臓の動画像を用いて、speckle-tracking(ST)と呼ばれる技術に基づく心機能評価が行われている。ST法には3次元(3D)データを用いる3DSTと2次元(2D)の断面データを用いる2DSTがあり、共に心臓の一つの腔を対象として解析が行われるのが一般的である。ST法が普及してきた近年では、心臓の複数の腔に関する機能情報を用いて、心臓の左右間の関連や房室間の関連を把握することも可能となってきている。このような複数腔を対象とした公知技術として、心臓の四腔に関するボリュームデータの同時解析の概念が示されている。当該公知技術のバージョンとしては、左心室と左心房の容積変化曲線の同時表示がある。また、Quad chamber Tracking:QCTによれば、個別腔の2DSTや3DSTによる解析結果を複数腔分入力し、可能な解析機能を自動的に切り換えて提供する。
しかしながら、公知技術における心臓の四腔に関するボリュームデータの同時解析では、3Dデータを取得するための2Dアレイ構成が必要で、低コストの装置でも提供が可能な2Dデータ(断層像)からの解析はできない。また、QCTでは、個別の結果を作成してから入力するため、同時には複数腔に関する結果を作成できずに手間がかかる。
特開2018-15558号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、簡便な操作で、かつ安価な装置で、心臓の左右間の関連や房室間の関連を把握することにある。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
本実施形態に係る超音波診断装置は、指標取得部と、表示部とを備える。指標取得部は、1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する。表示部は、前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する。
図1は、第1実施形態に係る超音波診断装置の構成例を示す図。 図2は、第1実施形態に係り、指標取得処理の手順の一例を示すフローチャート。 図3は、第1実施形態に係り、サイズ情報およびGLSを含む心機能指標の時間変化曲線を、各心腔での心内腔位置群を示す関心領域の表示を備えたA4C像と共に表示した例。 図4は、第1実施形態の第2変形例に係り、時間変化曲線としてGLSカーブのみを表示した一例を示す図。 図5は、第1実施形態の第3変形例に係り、表示の一例を示す図。 図6は、第2実施形態に係り、医用画像解析装置の構成の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に関する超音波診断装置、医用画像解析装置および医用画像解析プログラムについて説明する。説明を具体的にするために、第1実施形態では、超音波診断装置を例にとり説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1の構成例を示す図である。図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ11と、入力インタフェース(入力部)13と、ディスプレイ(表示部)15と、心電計17と、装置本体19とを有する。
超音波プローブ11は、複数の圧電振動子、圧電振動子の超音波放射面側に設けられる整合層、圧電振動子の背面側に設けられ、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。複数の圧電振動子各々は、後述する送受信回路23から供給される駆動信号に応答して超音波を発生する。超音波プローブ11は、装置本体7と着脱自在に接続される1次元アレイプローブである。複数の圧電振動子は、装置本体7における超音波送信回路71から供給された駆動信号に基づいて、超音波を発生する。なお、超音波プローブ11には、フリーズ操作などの際に押下されるボタンが配置されてもよい。
超音波プローブ11から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射される。反射された超音波は、反射波信号(以下、エコー信号と呼ぶ)として超音波プローブ11が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信されたエコー信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが移動している血流や心臓壁などの表面で反射された場合のエコー信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して周波数偏移を受ける。超音波プローブ11は、被検体Pからのエコー信号を受信して電気信号に変換する。
入力インタフェース13は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を本超音波診断装置1に取り込む。入力インタフェース13は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、および表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インタフェース13は、操作者から受け取った入力操作を電気信号に変換する。なお、本明細書において入力インタフェース13は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限らない。例えば、本超音波診断装置1とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、受け取った電気信号を装置本体19へ出力するような電気信号の処理回路も入力インタフェース13の例に含まれる。
ディスプレイ15は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。なお、ディスプレイ15は、装置本体7に組み込まれてもよい。また、ディスプレイ15は、デスクトップ型でもよいし、装置本体7と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
ディスプレイ15は、後述する画像生成回路29等により生成された各種画像を表示する。ディスプレイ15は、各種画像の表示を実現する表示回路を有する。また、ディスプレイ15は、操作者が各種設定要求を入力するためのグラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface:GUI)を表示する。なお、複数のディスプレイが、本超音波診断装置1の装置本体19に接続されてもよい。
心電計17は、通信インタフェース31を介して装置本体19に接続される。心電計17は、超音波走査される被検体Pの生体信号として、被検体Pの心電図(Electrocardiogram:ECG)を取得する。心電計17は、取得した心電図を装置本体19に出力する。
装置本体19は、送受信回路(送受信部)23と、Bモードデータ生成回路(Bモードデータ生成部)25と、ドプラデータ生成回路(ドプラデータ生成部)27と、画像生成回路(画像生成部)29と、通信インタフェース31と、メモリ(記憶部)33と、制御回路(制御部)35と、処理回路(処理部)37とを有する。
送受信回路23は、パルス発生器、送信遅延回路、パルサ回路を有し、超音波プローブ11における複数の圧電振動子各々に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数fr(Hz)(周期:1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。送信遅延回路は、送信超音波をビーム状に収束し、かつ送信指向性を決定するために必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ11の圧電振動子ごとに電圧パルスを駆動信号として印加する。これにより、超音波ビームが被検体Pに送信される。
送受信回路23は、プリアンプ、アナログディジタル(Analog to digital(以下、A/Dと呼ぶ))変換器、受信遅延回路、加算器をさらに有する。送受信回路23は、各圧電振動子によって発生された受信エコー信号に基づいて、受信信号を発生する。プリアンプは、超音波プローブ11を介して取り込まれた被検体Pからのエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された受信エコー信号をディジタル信号に変換する。受信遅延回路は、ディジタル信号に変換された受信エコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた複数のエコー信号を加算する。この加算により、送受信回路23は、受信指向性に応じた方向からの反射成分を強調した受信信号を生成する。この送信指向性と受信指向性とにより
超音波送受信の総合的な指向性が決定される。この総合的な指向性により、超音波ビーム(いわゆる「超音波走査線」)が決まる。
Bモードデータ生成回路25は、包絡線検波器、対数変換器を有し、受信信号に基づいてBモードデータを生成する。包絡線検波器は、受信信号に対して包絡線検波を実行する。対数変換器は、包絡線検波された信号に対して対数変換を行い、包絡線検波された信号における弱い信号を相対的に強調する。Bモードデータ生成回路25は、対数変換器により強調された信号に基づいて、各走査線における深さごとの信号値(Bモードデータと称される)を生成する。
具体的には、Bモードデータ生成回路25は、2次元走査による2次元Bモードデータを生成する。Bモードデータは、例えば、被検体Pの心尖部からの複数の心腔に向けの断面(心尖部四腔断面)に対する2次元的な超音波走査(以下、心尖四腔スキャンと呼ぶ)により、生成される。複数の心腔は、四腔のうち少なくとも2つである。以下、説明を具体的にするために、Bモードデータは、心尖四腔スキャンにより生成されたデータ(以下、心尖四腔データと呼ぶ)であって、心尖四腔スキャンの実施時における心電図の時相が関連付けられる。四腔は、左心房(Left Atrium:LA)、左心室(Left Ventricular:LV)、右心房(Right Atrium:RA)、右心室(Right Ventricular:RV)である。
ドプラデータ生成回路27は、ミキサー、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:以下、LPFと呼ぶ)等を有し、受信信号に基づいてドプラデータを生成する。ミキサーは、送信超音波の周波数f0を有する基準信号を受信信号に掛け合わせ、ドプラ偏移周波数fdの成分の信号と、(2f0+fd)の周波数成分を有する信号とを生成する。LPFは、ミキサーから出力された信号のうち、高い周波数成分(2f0+fd)の信号を取り除く。これにより、ドプラデータ生成回路27は、受信信号のうちドプラ偏移周波数fdの成分を有するドプラデータを生成する。
画像生成回路29は、いずれも図示していないディジタルスキャンコンバータ(Digital Scan Converter:以下、DSCと呼ぶ)、画像メモリ等を有する。DSCは、Bモードデータおよびドプラデータからなる超音波スキャンの走査線信号列を、ビデオフォーマットの走査線信号列に変換する(スキャンコンバート)。画像生成回路29は、スキャンコンバートされたBモードデータおよびドプラデータに対して種々のパラメータの文字情報、目盛等を合成し、超音波画像のデータを生成する。超音波画像のデータは表示用のデータである。超音波画像は医用画像の一例である。また、超音波画像のデータは、医用データの一例である。一方、Bモードデータ、ボリュームデータおよびドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像メモリは、フリーズ操作の入力直前の一連のフレームに対応する複数の超音波画像(以下、超音波動画像と呼ぶ)を保存する。画像メモリに記憶された複数の超音波画像は、シネ表示に用いられる。
例えば、画像生成回路29は、少なくともの被検体Pの1心拍以上に亘って実行された心尖四腔スキャンにより生成された心尖四腔データに基づいて、当該1心拍以上に亘る超音波動画像(以下、心尖四腔動画像と呼ぶ)を生成する。生成された心尖四腔動画像は、心電図における心時相とともに、画像メモリに記憶され、適宜シネ表示に用いられる。また、画像生成回路29は、心尖四腔動画像をメモリ33に記憶させる。
通信インタフェース31は、ネットワークを介して、医用画像保管装置などの外部装置と接続する。通信インタフェース31は、被検体Pの四腔に関する超音波画像のデータ等を、医用画像保管装置から受信し、メモリ33に出力する。通信インタフェース31は、画像生成回路29、処理回路37等から出力された各種データを、外部装置へ転送する。
メモリ33は、HDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどにより構成される。メモリ33は、超音波送受信に関するプログラム、制御回路35および処理回路37で実行される各種処理に対応するプログラムなどを記憶する。メモリ33は、生データ、超音波画像データ、処理回路37により生成・処理された各種データ等を記憶する。
制御回路35は、ハードウェア資源として、例えば、プロセッサとメモリを備える。制御回路35は、本超音波診断装置1の中枢として機能する。具体的には、制御回路35は、メモリ33に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従って超音波診断装置1の各種ユニットを制御する。
処理回路37は、ハードウェア資源として、例えば、プロセッサとメモリを備える。具体的には、処理回路37は、メモリ33に記憶されているプログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開されたプログラムに従って各種機能を実現する。処理回路37は、境界検出機能371と、追跡機能373と、境界位置取得機能375と、指標取得機能377とを有する。境界検出機能371と、追跡機能373と、境界位置取得機能375と、指標取得機能377とを実現する処理回路37は、境界検出部と、追跡部と、境界位置取得部と、指標取得部とにそれぞれ対応する。心尖四腔動画像における少なくとも2腔以上の心腔の心機能に関する指標(以下、心機能指標と呼ぶ)を取得する指示が入力インタフェース13を介して入力されると、処理回路37は、境界検出機能371と、追跡機能373と、境界位置取得機能375と、指標取得機能377とによる指標取得処理を実行する。指標取得処理は、心尖四腔動画像を用いて、被検体Pの心機能指標を取得し、表示する処理である。心機能指標を取得する指示の入力は、例えば、指標取得処理を実行させるボタンの押下である。
心機能指標は、左心室、左心房および右心房に関しては内腔容積や容積変化率を含み、右心室に関しては内腔面積や面積変化率を含む。また、心機能指標は、複数の心腔のうち左心室、左心房および右心房に関しては全壁のGLS(Global longitudinal Strain)を含み、複数の心腔のうち右心室に関しては自由壁のGLSを含む。ここで、自由壁は、全壁から中隔を除いた部分に相当する。また、心機能指標は、左心房に関しては左房容積係数を含み、右心室に関しては収縮期三尖弁輪移動距離を含む。
処理回路37は、境界検出機能371により、心尖四腔動画像に基づいて、少なくとも1心時相以上における複数の心腔に対する境界位置を示す境界位置群を自動検出する。具体的には、境界検出機能371は、指標取得処理を実行させるボタンの押下に応答して、メモリ33から1心拍以上に亘る心尖四腔動画像を読み出す。加えて、境界検出機能371は、ディープニューラルネットワーク(Deep Neural Network:以下、DNNと呼ぶ)などに対する機械学習により構築されたナレッジベースのデータベース(以下、ナレッジベース辞書と呼ぶ)を、メモリ33から読み出す。なお、境界検出機能371は、心尖四腔動画像に関するモダリティの種別、機械学習時における教示に関する専門家の氏名、心尖四腔動画像の解像度等に応じて入力インタフェース13を介して入力された使用者の選択指示により、複数種別のナレッジベース辞書から、心尖四腔動画像に適用されるナレッジベース辞書を選択してもよい。
境界検出機能371は、読み出された心尖四腔動画像から、心電図のR波に相当するED(End Diastole:拡張末期)時相や、心電図のST上昇部に対応するES(End Systole:収縮末期)時相に対応する心尖四腔データにより生成された超音波画像を特定する。ES時相は、一般的には、心拍数の関数としてED時相から所定の時間を経過した時相として定義される。境界検出機能371は、特定された超音波画像(以下、初期境界画像と呼ぶ)に対してナレッジベース辞書を用いることで、初期境界画像における複数の心腔の境界位置に対する境界位置群を検出する。具体的には、境界検出機能371は、機械学習の結果であってED時相に対応するナレッジベース辞書を、ED時相の初期境界画像における心臓の4つの心腔に適用して、個別の腔に対する境界位置を同時に検出し、複数の心腔に対する境界位置を境界位置群として扱う。
境界位置群の検出に先立って、初期境界画像である心尖四腔画像における表示深さが対象の心臓に対して十分に大きい場合には、境界検出機能371は、4つの心腔全てを検出することができる。一方で、心尖四腔画像における表示深さが十分でなく、左心房や右心房が初期境界画像に描出されていない場合には、境界検出機能371は、左心室と右心室のみを検出することとなる。そこで、境界検出機能371は、初期境界画像において検出心腔/未検出心腔という状態を定義する。指標取得処理において、境界検出機能371による処理以降の解析では、検出心腔のみを対象とする。本状態については、ディスプレイ15における心機能指標の代表的な表示例において、各腔(LV(左心室)、LA(左心房)、RV(右心室)、RA(右心房))に対応したチェックボックスを、チェック状態(検出)またはグレーダウン状態(未検出)として使用者に知らせる。
処理回路37は、追跡機能373により、境界位置群の自動検出に関する心時相とは異なる残余の心時相の心尖四腔動画像において、境界位置群を追跡する。すなわち、追跡機能373は、公知の技術である2DST(2次元スペックルトラッキング)を用いて、残余の心時相の心尖四腔動画像に対して、ED時相から時系列に沿って境界位置群を追跡する。具体的には、追跡機能373は、ED時相で検出された境界位置群を初期輪郭として、パターンマッチングを含む処理により、複数の心腔の動きを推定して、各腔の初期輪郭位置を所定の区間(定義域)に亘って追跡する。本実施形態では心電図のR-R区間による1心拍の区間を定義域とする。
処理回路37は、境界位置取得機能375により、境界位置群の追跡により、少なくとも1心拍以上の区間に亘る前記複数の心腔の境界位置を取得する。例えば、境界位置取得機能375は、境界位置群の追跡結果を複数の心腔ごとに時系列に配列することで、定義域全体における複数の心腔各々の境界位置を同時に取得する。
処理回路37は、指標取得機能377により、心腔の境界位置を用いて定義される心機能指標を複数の心腔に対して同時に求める。指標取得機能377は、1心拍以上を含む被検体Pの心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する。例えば、指標取得機能377は、心尖四腔動画像における4腔に関する複数の心機能指標を同時に取得する。以下、4腔に関する複数の心機能指標の定義等について説明する。
被検体Pに対する心臓の診断に用いられる代表的な心機能指標としては、心腔のサイズ(容積や面積)に関する情報(サイズ情報)や壁運動の指標であるGLSがある。サイズ情報としては、以下に示すように、右心室以外では1断面でのdisc総和法やArea-Length法により求める容積を用いて、容積変化率EF(心室ではEjection Fraction、心房ではEmptying Fraction)が定義される。
LVEF=100*(LV最大容積-LV最小容積)/LV最大容積 [%]
LAEF=100*(LA最大容積-LA最小容積)/LA最大容積 [%]
RAEF=100*(RA最大容積-RA最小容積)/RA最大容積 [%]
右心室のサイズ情報については心尖四腔動画像の1断面から容積を推定するのは困難であるため、内腔面積の比であるRVFAC(Right Ventricular Fractional Area Change:右心室面積変化率)が、サイズ情報として用いられる。
RVFAC=100*(RV最大内腔面積-RV最小内腔面積)/RV最大内腔面積 [%]
更に、左心房のサイズ情報としては、LAVI(Left Atrium Volume Index:左房容積係数)が広く用いられているので、LAVIは、LAV(LAの最大容積)と一緒に定義されても良い。
LAVI=LAV/体表面積 [mL/m
但し、LAV=LA最大容積 [mL]
体表面積は、被検体Pの対表面積である。指標取得機能377は、被検体Pの患者情報の登録時において被検体Pの身長と体重とが入力されている場合、被検体Pの身長と体重とを対表面積の推定式に適用することにより求める。なお、被検体Pの患者情報の登録時において被検体Pの身長と体重とが入力されていない場合、指標取得機能377は、LAVを取得する。
また、右心房のサイズ情報としても左心房と同様に、RAVI(Right Atrium Volume Index:右房容積係数)は、RAV(RAの最大容積)と一緒に定義されても良い。
RAVI=RAV/体表面積 [mL/m
但し、RAV=RA最大容積 [mL]
指標取得機能377は、少なくとも1心拍以上の区間に亘る複数の心腔の境界位置を用いて、上記で定義されたLVEF、LAEF、RAEF、RVFAC、LAVI、LAV、RAVI、RAVを、心機能指標を示す指標値として取得する。
GLSとしては、文献1) Voigt JU et al, J Am Soc Echocardiogr 2015;28:183-93によるEnd-Systolic定義か、Peak定義により、LVGLS[%]が定義される。右心室については文献2) Badano LP et al, European Heart Journal - Cardiovascular Imaging (2018) 19, 591-600により、自由壁GLSであるRVFWSL(Right Ventricle Free Wall Strain longitudinal)[%]が定義される。また、心房については文献2)により、左心房のLASr[%]と右心房のRASr[%]とが各々定義される。
LVGLS=100*(LV周囲長(t=Peak時相)-LV周囲長(ED))/LV周囲長(ED) [%]
RVFWSL=100*(RV自由壁長(t=Peak時相)-RV自由壁長(ED))/RV自由壁長(ED) [%]
LASr=100*(LA周囲長(t=Peak時相)-LA周囲長(ED))/LA周囲長(ED) [%]
RASr=100*(RA周囲長(t=Peak時相)-RA周囲長(ED))/RA周囲長(ED) [%]
複数の心腔(LV、LA、RV、RA)における周囲長は、時間の関数である。Peak時相は、心腔の境界位置を用いて取得されたGLSの時間変化曲線におけるピーク値の時相に相当する。指標取得機能377は、当該ピーク値の時相とEDの時相とをそれぞれ用いて複数の心腔(LV、LA、RV、RA)における周囲長を計算し、LVGLS、RVFWSL、LASr、RASrを心機能指標として取得する。
更に、右心室の壁運動指標としてはTAPSE(Tricuspid Annular Plane Systolic Excursion:収縮期三尖弁輪移動距離)も一般的である。このため、指標取得機能377は、TAPSEをRVFWSLと一緒に定義しても良い。TAPSEの定義方法としては、時間tにおける心尖四腔動画像上でのprobe位置(Dap(t))と自由壁側の三尖弁輪位置(Dtv(t))との間の距離D(t)を用いて定義される。D(t)としては、心拍内の最大値を得るのが好適である。すなわち、指標取得機能377は、心拍内の最大値としてのD(t)を用いて、TAPSEを取得する。なお、Dtv(t)は右心室の境界位置の三尖弁輪部位を用いる。
TAPSE=D(ED) - D(t) [mm]
但し、D(t) = |Dap(t) - Dtv(t)| [mm]
指標取得機能377は、例えば1心拍に亘って距離D(t)とED時相における距離D(ED)とを計算する。次いで、指標取得機能377は、距離D(t)のうち心拍内の最大値の距離を特定する。指標取得機能377は、ED時相における距離D(ED)から最大値の距離を差分し、TAPSEを心機能指標として取得する。
また、指標取得機能377は、同一の心拍における、複数の心腔の心機能に関する指標値のピークにおける時間差(ピーク時間差)もしくは指標値のピーク値の差異のうち少なくとも一つを、複数の心腔に関連する心機能の指標を示す関連指標として取得する。ここで「関連」とは、心機能指標のピークタイミングによる遅れ具合の評価や、ピーク値の比較の評価によって判明する関係性のことを指す。従って、異なる心腔間のサイズ情報やGLSの時間変化曲線について、ピーク時間の時間差dt[msec]や、ピーク値の差異dp[%]およびピーク値の差異の比率Rdp[%]が、関連を意味する2次的な壁運動指標として与えられる。2次的な壁運動指標は、複数の心腔間の壁運動指標の差異を示す上記関関連指標に相当する。ピーク時間は、GLSの時間変化曲線におけるピークの時刻である。
ピーク時間差dtとしては、例えば、左心室と右心室との間のピーク時間の差異dt_LV-RVや、左心室と左心房との間のピーク時間の差異dt_LV-LAを定義するのが好適である。なお、dt_LV-RVやdt_LV-LA以外としては、検出心腔内での最大ピーク時間差max-dt(最も遅いピーク時間と最も早いピーク時間との差異)を定義してもよい。
ピーク値の差異dpとしては左心室と右心室との間の差異や左心室と左心房との間の差異を求めるのが好適であり、GLSを例として以下のような関連指標として定義される。
dp_GLS_LV-RV=LVGLS - RVFWSL [%]
dp_GLS_LV-LA=LVGLS - LASr [%]
ピーク値の差異の比率Rdpとしては、左心室を基準に差異の比率を求めるのが好適であり、GLSを例として以下のような関連指標として定義される。
Rdp_GLS_LV-RV=100*(LVGLS - RVFWSL)/LVGLS [%]
Rdp_GLS_LV-LA=100*(LVGLS - LASr)/LVGLS [%]
指標取得機能377は、複数の心腔(LV、LA、RV、RA)におけるGLSの時間変化曲線におけるピーク値の時間を用いて、dt_LV-RV、dt_LV-LA、およびmax-dtなどのピーク時間差dtを取得する。指標取得機能377は、複数の心腔(LV、LA、RV、RA)におけるGLSの時間変化曲線におけるピーク値を用いて、dp_GLS_LV-RV、dp_GLS_LV-LA、Rdp_GLS_LV-RV、およびRdp_GLS_LV-LAを取得する。
なお、上記関連指標としての2次的な壁運動指標としては、心機能指標としての1次的な壁運動指標値の心腔間における統計的代表値を用いても構わない。好適な統計的代表値としては、ピーク時間についての心腔間平均値や心腔間の標準偏差などがあげられる。このとき、指標取得機能377は、関連指標として、最大で4つの心腔間のピーク時間差の平均値と、当該平均値と最大で4つのピーク時間差とを用いた標準偏差とを取得する。
制御回路35および処理回路37の説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(graphics processing unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Comlex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
プロセッサは、メモリ33保存されたプログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。なお、メモリ33に各種プログラムを保存する代わりに、制御回路35または処理回路37におけるプロセッサの回路内に、各種プログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれた各種プログラムを読み出して実行することで、各種機能を実現する。なお、処理回路37により実行される機能は、制御回路35に搭載されてもよい。また、制御回路35により実行される機能は、処理回路37に搭載されてもよい。
以下、指標取得処理について、図2を用いて説明する。図2は、指標取得処理の手順の一例を示すフローチャートである。
(指標取得処理)
(ステップS201)
入力インタフェース13は、指標取得処理の開始の指定を入力する。具体的には、入力インタフェース13は、使用者の操作により、指標取得処理を実行させるボタンの押下を入力する。
(ステップS202)
指標取得処理の開始の指定の入力に応答して、境界検出機能371は、メモリ33から1心拍以上に亘る心尖四腔動画像を読み出す。境界検出機能371は、心尖四腔動画像と関連づけられた心電図を用いて、読み出された心尖四腔動画像において、ED時相やES時相の超音波画像を特定する。
(ステップS203)
境界検出機能371は、特定された超音波画像(初期境界画像)において、例えばセグメンテーション処理または領域検出などの学習済みモデルなどを用いて4つの心腔の有無を検出する。これにより、境界検出機能371は、初期境界画像において検出心腔/未検出心腔という状態を定義する。ディスプレイ15は、心機能指標の代表的な表示例(図3参照)において、各心腔に対応したチェックボックスを、チェック状態(検出)またはグレーダウン状態(未検出)として表示する。境界検出機能371は、初期境界画像に対してナレッジベース辞書を適用することで、境界位置群を検出する。
(ステップS204)
追跡機能373は、初期境界画像の心時相とは異なる残余の心時相の心尖四腔動画像において、2DSTなどにより、ED時相から時系列に沿って複数の心腔に関する境界位置群を追跡する。
(ステップS205)
境界位置取得機能375は、境界位置群の追跡結果に基づいて、少なくとも1心拍以上の区間に亘る複数の心腔の境界位置を取得する。境界位置取得機能375は、例えば、心電図のR-R区間による1心拍の区間において、複数の心腔の境界位置を取得する。
(ステップS206)
指標取得機能377は、複数の心腔の境界位置に基づいて、心腔のサイズ情報に関する心機能指標を取得する。具体的には、指標取得機能377は、左心室、左心房および右心房の境界位置に基づいて、左心室、左心房および右心房に関して時系列に沿った内腔容積(内腔容積変化曲線)および容積変化率(LVEF、LAEF、RAEF)を同時に取得する。指標取得機能377は、右心室の境界位置に基づいて、時系列に沿った内腔面積(内腔面積変化曲線)および面積変化率(RVFAC)を取得する。
また、指標取得機能377は、左心房の境界位置と左心房の内腔容積変化曲線における最大容積と被検体Pの体表面積とに基づいて、LAVIを取得する。指標取得機能377は、右心房の境界位置と右心房の内腔容積変化曲線における最大容積と被検体Pの体表面積とに基づいて、RAVIを取得する。なお、被検体Pの患者情報の登録時において被検体Pの身長と体重とが入力されていない場合、指標取得機能377は、LAVおよびRAVを取得する。
(ステップS207)
指標取得機能377は、複数の心腔の境界位置に基づいて、左心室、左心房および右心房に関して時系列に沿った全壁のGLS(全壁GLS変化曲線)を取得し、右心室に関しては時系列に沿った自由壁のGLS(自由壁変化曲線)を取得する。例えば、指標取得機能377は、左心室の全壁GLS変化曲線のピーク値の時相におけるLV周囲長と、EDの時相におけるLV周囲長とに基づいて、LVGLSを取得する。また、指標取得機能377は、右心室の自由壁GLS変化曲線のピーク値の時相におけるRV自由壁長と、EDの時相におけるRV自由壁長とに基づいて、RVFWSLを取得する。また、指標取得機能377は、左心房の全壁GLS変化曲線のピーク値の時相におけるLA周囲長と、EDの時相におけるLA周囲長とに基づいて、LASrを取得する。また、指標取得機能377は、右心房の全壁GLS変化曲線のピーク値の時相におけるRA周囲長と、EDの時相におけるRA周囲長とに基づいて、RASrを取得する。
(ステップS208)
指標取得機能377は、全壁GLS変化曲線および自由壁GLS変化曲線を用いて、関連指標を取得する。具体的には、指標取得機能377は、全壁GLS変化曲線および自由壁GLS変化曲線におけるピーク値における時相(ピーク時間)を取得する。次いで、指標取得機能377は、左心室のピーク時間と右心室のピーク時間とを用いて、ピーク時間差dt_LV-RVを取得する。また、指標取得機能377は、左心室のピーク時間と左心房のピーク時間とを用いてピーク時間差dt_LV-LAを取得する。また、指標取得機能377は、4つの心腔のうち最小のピーク時間と最大のピーク時間とを用いて、最大ピーク時間差max-dtを取得する。
また、指標取得機能377は、LVGLSからRVFWSLを差分し、ピーク値の差異dp_GLS_LV-RVを取得する。指標取得機能377は、LVGLSからLASrを差分し、ピーク値の差異dp_GLS_LV-LAを取得する。また、指標取得機能377は、LVGLSとRVFWSLとに基づいて、ピーク値の差異の比率Rdp_GLS_LV-RVを取得する。また、指標取得機能377は、LVGLSとLASrとに基づいて、ピーク値の差異の比率Rdp_GLS_LV-LAを取得する。なお、指標取得機能377は、複数の心腔のピーク時間差に基づいて、最大で4つの心腔間のピーク時間差の平均値と、当該平均値と最大で4つのピーク時間差とを用いた標準偏差とを取得してもよい。
(ステップS209)
指標取得機能377は、境界位置取得機能375により取得された複数の心腔の境界位置に基づいて、時系列に沿った自由壁側の三尖弁輪位置を特定する。次いで、指標取得機能377は、例えば、1心拍内において、のprobe位置(Dap(t))と自由壁側の三尖弁輪位置(Dtv(t))との間の距離D(t)のうち、最大の距離を特定する。指標取得機能377は、1心拍内の最大値としてのD(t)を、ED時相における距離D(ED)から差分し、TAPSE(収縮期三尖弁輪移動距離)を取得する。
(ステップS210)
ディスプレイ15は、指標取得機能377により取得された複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する。ディスプレイ15は、複数の心腔に関する複数の心機能指標を同時に表示する。具体的には、ディスプレイ15は、心機能指標の時間変化曲線を表すグラフとともに、心機能指標の指標値と関連指標とを同時に表示する。このとき、ディスプレイ15は、心尖四腔動画像のうち境界位置を自動検出した心臓腔を表示対象とする。例えば、ディスプレイ15は、各心腔に対応したチェックボックスを、チェック状態(検出)またはグレーダウン状態(未検出)として表示する。
図3は、サイズ情報およびGLSを含む心機能指標の時間変化曲線を、各心腔での心内腔位置群を示す関心領域の表示を備えた心尖四腔像(A4C(Apical 4 Chamber view)像)と共にディスプレイ15に表示した例である。図3に示すように、ディスプレイ15は、上述した代表的な心機能指標を一覧として更に一緒に表示している。この際に、心尖四腔動画像における1心周期の期間から求まる心拍数[bpm]とES時間[msec]と共に表示するのが好ましい。ここで、ES時間としては、左室の内腔容積最小の時相(LV最小容積を得る時間)を選ぶようにする。もしくは別途計測したAVC(大動脈弁閉鎖)時間を入力して用いるようにしても良い。
図3に示すように、時間変化曲線では実線でGLS情報を、破線でサイズ情報を示しており、最大で8本のグラフが、時間軸を揃えてディスプレイ15に表示される。グラフが多くて見難い場合には、入力インタフェース13を介した使用者の指示により、対象心腔を示すチェックボックスのチェックを外すことで、表示をon/offする。これにより、任意のグラフのみを表示/非表示制御することができる。また、関心領域の表示と対応するグラフの表示色を同じにしておく(例えば、LV:黄色、RV:水色、LA:ピンク色、RA:緑色で標識する)ことで、使用者による対応づけの理解を支援するのが好適である。また、図3に示すように、GLSの時間変化曲線には、ピーク位置を示すマークが配置されてもよい。また、図3には、関連情報が適宜表示されてもよい。
図3に示すように、TAPSEにつけた□印(チェックボックス)は、TAPSEを得るために求めた距離D(t)の波形を表示するか否かを示すチェックボックスである。入力インタフェース13を介した使用者の指示により、TAPSEのチェックボックスにチェックが入力されると、図3に示すグラフに、D(t)の波形を別色(例えば白色)で重畳して表示する。このとき、図3に示すグラフの右側の縦軸には、距離D(t)に関する長さ(mm)の目盛がさらに表示される。また、入力インタフェース13を介した使用者の指示により、TAPSEのチェックボックスにチェックが入力されると、図3に示すグラフにおいて、RV内腔面積(t)の破線の時間変化曲線の代わりにD(t)の波形を破線の時間変化曲線として表示してもよい。このとき、図3に示すグラフの右側の縦軸において、面積(cm)を示す目盛は非表示となり、距離D(t)に関する長さ(mm)の目盛が表示される。
以上に述べた第1実施形態に係る超音波診断装置1によれば、1心拍以上を含む被検体Pの心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得し、複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する。例えば、本超音波診断装置1によれば、超音波動画像である心尖四腔動画像に基づいて、少なくとも1心時相以上における複数の心腔に対する境界位置を示す境界位置群を自動検出し、境界位置群の自動検出に関する心時相とは異なる残余の心時相の心尖四腔動画像において時系列に沿って境界位置群を追跡し、境界位置群の追跡により、少なくとも1心拍以上の区間に亘る複数の心腔の境界位置を取得する。これにより、本超音波診断装置1によれば、心尖四腔動画像における4腔に関する複数の心機能指標を同時に取得する。加えて、本超音波診断装置1によれば、複数の心腔に関する複数の心機能指標を同時に表示する。このとき、本超音波診断装置1によれば、心尖四腔動画像のうち境界位置を自動検出した心腔を表示対象とする。
また、第1実施形態に係る心機能指標は、左心室、左心房および右心房に関しては内腔容積や容積変化率を含み、右心室に関しては内腔面積や面積変化率を含む。また、第1実施形態に係る心機能指標は、複数の心腔のうち左心室、左心房および右心房に関しては全壁のGLSを含み、前記複数の心腔のうち右心室に関しては自由壁のGLSを含む。また、第1実施形態に係る心機能指標は、左心房に関しては左房容積係数を含み、右心室に関しては収縮期三尖弁輪移動距離を含む。また、第1実施形態に係る超音波診断装置1によれば、同一の心拍における、複数の心腔の心機能に関する指標値のピーク時間差もしくは指標値のピーク値の差異のうち少なくとも一つを、複数の心腔に関連する心機能の指標を示す関連指標として取得する。
以上のことから、本実施形態によれば、同時に得られている複数腔に関する心機能指標を用いて、心臓の左右間の関連や房室間の関連を把握することが、一連の処理を作動させるワンタッチの簡便な操作で、かつ2Dアレイや3Dデータ収集構成を含まない低コストの装置でも可能となる。ここで「関連」とは、指標のピークタイミングによる遅れ具合の評価や、ピーク値の比較の評価によって判明する関係性のことを指す。従って、異なる心腔間のサイズ情報の時間変化曲線やGLSの時間変化曲線について、ピーク時間の時間差dt[msec]や、ピーク値の差異dp[%]およびピーク値の差異の比率Rdp[%]が、関連を意味する2次的な壁運動指標(複数心腔間の壁運動指標の差異の情報)として与えられる。そして、例えば本実施形態により取得された関連情報は、両心室ペーシング治療の対象となる心筋収縮の非同期性の程度について、治療前後の関連評価に用いることができる。これにより、本実施形態によれば、両心室間のピークタイミングのズレの程度や、左心室と左心房間のピークタイミングのズレの程度が一度に把握可能となる。
これらのことから、本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、簡便かつ容易に、さらには低コストで心機能指標及び関連情報を取得して表示することができ、心機能の評価に関する関連を一度に把握することができる。このため、本超音波診断装置1によれば、心機能指標の取得に関する操作性が向上し、心機能に関する診断のスループットを向上させることができる。
(第1変形例)
第1実施形態では、境界検出機能371、追跡機能373、境界位置取得機能375、指標取得機能377により、被検体Pの1心周期全ての時相に渡って心機能指標を定義した。これに対し本変形例では、追跡機能373を用いずに、境界検出機能371で示したED時相とES時相との2つの心時相における境界位置群を自動検出し、検出された境界位置群を用いて心機能指標を定義する。本変形例の場合、指標取得機能377の出力として時間変化曲線は得られないが、下記で定義する代表的な心機能指標を一覧として表示することができる。また、特に図示しないが本変形例では、図1の右側に示す時間変化曲線の代わりにES時相における各心腔での心内腔位置群を示す関心領域の表示を備えたA4C像と共に、代表的な心機能指標を一覧で表示する。このため、本変形例では、下記の代表的な心機能指標を一覧としてA4C像と一緒にディスプレイ15に表示するのが好適である。この際における左側のA4C像は、ED時相を表示するか、A4C像の動画像を表示するようにする。
第1実施形態との違いを明瞭にするために以下の定義式では、心機能指標を示す記号にプライム(’)を付帯させている。
LVEF’=100*(LVED容積-LVES容積)/LVED容積 [%]
LAEF’=100*(LAES容積-LAED容積)/LAES容積 [%]
RAEF’=100*(RAES容積-RAED容積)/RAES容積 [%]
RVFAC’=100*(RVED内腔面積-RVES内腔面積)/RVED内腔面積 [%]
LVGLS’=100*(LV周囲長(ES)-LV周囲長(ED))/LV周囲長(ED) [%]
RVFWSL’=100*(RV自由壁長(ES)-RV自由壁長(ED))/RV自由壁長(ED) [%]
LASr’=100*(LA周囲長(ES)-LA周囲長(ED))/LA周囲長(ED) [%]
RASr’=100*(RA周囲長(ES)-RA周囲長(ED))/RA周囲長(ED) [%]
LAVI’=LAESV/体表面積 [mL/m
但し、LAESV=LAES容積 [mL]
RAVI’=RAESV/体表面積 [mL/m
但し、RAESV=RAES容積 [m]
TAPSE’=D(ED) - D(ES) [mm]
但し、D(t) = |Dap(t) - Dtv(t)| [mm]
本変形例における指標取得処理は、図2に示すステップS204の処理を除いた処理手順となる。また、ステップS205における処理は、ED時相とES時相とにおける複数の心腔の境界位置を取得する処理となる。また、ステップS206乃至ステップS209は、ED時相とES時相とにおける複数の心腔の境界位置を用いてサイズ情報やストレインの指標値を取得して、心機能指標や関連指標を取得する処理となる。
本変形例に係る超音波診断装置1によれば、追跡機能373を実行することなく、ED時相とES時相とにおける複数の心腔の境界位置を用いて、心機能指標および関連指標を取得することができる。これにより、心機能指標および関連指標の取得に関する計算時間などの計算コストを低減でき、心機能に関する診断のスループットをさらに向上させることができる。本変形例における他の効果は、第1実施形態における効果と同様なため、説明は省略する。
(第2変形例)
本変形例では、指標取得機能377から出力された時間変化曲線を、各心腔に分けて、時間軸を揃えて、ディスプレイ15に表示することにある。すなわち、指標取得機能377による心機能指標の出力は、当該心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであって、ディスプレイ15は、表示対象となる複数の心腔に対応する複数の当該グラフについて時間軸の表示サイズを揃えて表示する。
図4は、時間変化曲線としてGLSカーブのみを表示した一例を示す図である。また、図4は、検出心腔間での最大ピーク時間差max-dt(図中では20msec)と、最大ピーク値差異max-dp(図中では+50%)とを、GLSカーブと併せて表示している例を図示している。また、図4に示された表では、心腔間での最大値をmax、最小値をminとしている。従って、ピーク時間のmax-minの値がmax-dtに相当し、ピーク値のmax-minの値がmax-dpに相当する。なお、図4では、時間変化曲線としてGLSカーブのみが表示されているが、複数の心腔各々のサイズ情報(内腔容積、内腔面積)の時間変化曲線(サイズカーブ)がディスプレイ15に表示されてもよいし、GLSカーブとサイズカーブとがともに心腔に応じてディスプレイ15に表示されてもよい。
本変形例に係る超音波診断装置1によれば、指標取得機能377により取得された心機能指標の出力は、当該心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであって、表示対象(検出心腔)となる複数の心腔に対応する複数の当該グラフについて時間軸の表示サイズを揃えて表示する。これにより、本超音波診断装置1によれば、例えば、最大で8本のグラフが表示されるようなケースであってもグラフ同志の重畳が減り、使用者によるグラフの視認性を向上させることができる。このため、本変形例によれば、心機能に関する診断のスループットをさらに向上させることができる。本変形例における他の効果は、第1実施形態における効果と同様なため、説明は省略する。
(第3変形例)
第1実施形態に記載しているように1心拍を時間定義域とした場合、サイズカーブやGLSカーブは、第1実施形態の図3および第2変形例の図4に示すように、グラフ表示される。このとき、心電図のPQRSという一連の心腔に関する収縮の様子は、グラフの左右に分断されることとなる。本変形例では、時間定義域を少なくとも2心拍以上取るようにする。すなわち、本変形例における指標取得処理において用いられる心尖四腔動画像は、2心拍以上に亘って収集された超音波動画像に相当する。このとき、指標取得機能377は、少なくとも2心周期以上に亘る心機能指標の時間変化曲線を表すグラフを出力する。このため、本変形例では、ディスプレイ15は、例えば、表示対象となる複数の心腔において心室と心房とが含まれる場合、2心周期以上のグラフの出力を表示する。
図5は、本変形例の表示の一例を示す図である。図5では、第1実施形態と同様に複数心腔に関する重畳形式のグラフ表示上に、時間変化曲線としてGLSカーブのみを表示し、2心拍を時間定義域とした例を図示している。なお、本篇経理絵の応用例として、特に図示しないが、第2変形例と同様に複数心腔に関する分割形式のグラフにおいて、2心拍以上の時間定義域としても構わない。
本変形例に係る超音波診断装置1によれば、指標取得機能377により取得された心機能指標の出力は、当該心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであって、表示対象(検出心腔)となる複数の心腔において心室と心房とが含まれる場合、2心周期以上のグラフ出力を表示する。これにより、本超音波診断装置1によれば、P波を基準として収縮が開始される心房と、R波を基準として収縮が開始される心室とについて、同一心拍におけるPQRSという一連の収縮の様子が連続したグラフ表示として得られるようになる。このため、本変形例によれば、心機能に関する診断のスループットをさらに向上させることができる。本変形例における他の効果は、第1実施形態における効果と同様なため、説明は省略する。
(第4変形例)
本変形例では、心腔間の関連を示す2次指標(関連指標)の値について、心拍間で平均して安定した出力を得るようにする。例えば、心房細動のような症例では複数心拍間の計測値を平均することが推奨されており、本変形例の重要性が増す。本変形例では、リアルタイムに2DSTを実現する特開2008-302920号公報に記載の超音波診断装置上で、第1実施形態に記載の指標取得処理における基本的な一連の処理を行う。指標取得機能377は、リアルタイムに取得された心尖四腔動画像における境界位置を用いて、関連指標について複数の心拍間における平均値を出力する。
例えば、被検体Pに対する超音波スキャンの実行中に、指標取得処理を実行させるボタンが押下されると、境界検出機能371は、ディスプレイ15に表示されている超音波画像に対して複数の心腔に関する境界位置を検出する。このとき、指標取得機能377は、検出された境界位置を用いて、心機能指標を取得する。ディスプレイ15は、取得された心機能指標を、リアルタイムに表示する。次いで、境界位置の検出に関する超音波画像の次のフレームにおける超音波画像が取得されると、追跡機能373は、次のフレームにおける超音波画像において、当該境界位置を追跡する。このとき、指標取得機能377は、追跡された境界位置を用いて、心機能指標を取得する。加えて、ディスプレイ15は、取得された心機能指標を、リアルタイムに表示する。1心拍に亘って上記処理が実行されると、境界位置取得機能375は、追跡機能373による追跡結果に基づいて、1心拍に亘る境界位置を取得する。このとき、指標取得機能377は、決定された境界位置を用いて、関連指標を取得する。ディスプレイ15は、取得された関連指標をリアルタイムに表示する。
また、指標取得機能377は、リアルタイムに取得された心尖四腔動画像における境界位置を用いて、関連指標について複数の心拍間における平均値を出力する。具体的には、指標取得機能377は、心拍毎に心腔間の関連を示す2次指標(例えばdt_LV-LA)の値を取得する。そして、指標取得機能377は、所定の心拍期間(例えば10心拍)において、2次指標の値を平均して出力する。このようにすれば、心拍毎に過去所定期間の平均が行われた2次指標の値(移動平均値)がリアルタイムで出力される。このとき、ディスプレイ15は、移動平均値の出力に応じて、例えば、表示されている移動平均値を、新たに出力された移動平均値に更新して表示する。
本変形例における超音波診断装置1によれば、リアルタイムに取得された心尖四腔動画像における境界位置を用いて、関連指標について複数の心拍間における平均値を出力して表示する。本超音波診断装置1によれば、簡便な操作で、被検体Pに関する心機能指標や関連指標をリアルタイムに把握することができる。また、本超音波診断装置1によれば、例えば、心房細動のような症例では複数心拍間の計測値を平均することが推奨されているため、被検体Pに関する心機能評価や診断のスループットを向上させることができる。本変形例における他の効果は、第1実施形態における効果と同様なため、説明は省略する。
なお、第1実施形態の応用例として、指標取得処理に用いられるA4C動画像はTTE(径胸壁)プローブで得た画像であっても、TEE(径食道)プローブで得た画像であっても構わない。また、2次元アレイプローブで電子走査によりボリュームデータを得る、リアルタイム3D走査が可能な装置と本願との組み合わせも可能である。この場合は2D走査で得られるA4C動画像だけでなく、心臓を含むボリューム動画データからMPR(Multi Planar Reconstruction:断面変換)によりA4C動画像を抽出して本願を適用してもよい。このとき、例えば、画像生成回路29は、ボリューム動画データにおけるA4Cに対応する断面(心尖部四腔断面)を検出し、ボリューム動画データから、検出された心尖部四腔断面に対応する断面変換動画像を抽出する。抽出された心尖四腔動画像は、被検体Pの心臓を含むボリューム動画データから抽出された断面変換動画像である。このMPRによるA4C動画像を入力とした場合でも、本願の基本的な考え方が拡張可能である。従って、本願による心臓の左右間の関連や房室間の関連を把握することが、一連の処理を作動させるワンタッチの簡便な操作で可能となる作用が得られることは理解されよう。
(第2実施形態)
第2実施形態と第1実施形態との相違は、第1実施形態で実現される指標取得処理を、医用画像解析装置で実施することにある。医用画像解析装置は、例えば、ネットワークを介してモダリティに接続されたサーバ装置により実現される。なお、医用画像解析装置により実行される各種機能は、PACS(Picture Archiving and Communication Systems:医療用画像管理システム)サーバなどの院内の各種サーバにより実現されてもよい。
図6は、医用画像解析装置20の構成の一例を示す図である。医用画像解析装置20は、1心拍以上を含む被検体Pの心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する指標取得機能(指標取得部)377と、複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示するディスプレイ15(表示部)と、を備える。
医用画像解析装置20による指標取得処理において、解析対象となる心尖四腔動画像は、例えば、超音波動画像またはシネ磁気共鳴動画像である。心尖四腔動画像が超音波動画像である場合、医用画像診断装置5は、従来の超音波診断装置に対応する。このとき、通信インタフェース31は、従来の超音波診断装置から入力された心尖四腔動画像を、処理回路37へ出力する。また、心尖四腔動画像がシネ磁気共鳴動画像である場合、医用画像診断装置5は、従来の磁気共鳴イメージング装置に対応する。このとき、通信インタフェース31は、磁気共鳴イメージング装置から入力されたシネ磁気共鳴動画像を、処理回路37へ出力する。
医用画像診断装置5から入力された心尖四腔動画像がボリュームデータである場合、画像処理回路21は、既知の領域検出処理により、ボリュームデータにおいて心尖部四腔断面を検出する。次いで、画像処理回路21は、ボリュームデータと検出された心尖部四腔断面とに基づいてMPR処理を実行し、心尖部四腔断面に対応する2次元の心尖四腔動画像(MPR動画像)を生成する。画像処理回路21は、2次元の心尖四腔動画像を、処理回路37へ出力する。
第2実施形態における指標取得処理の処理手順および効果は、第1実施形態と同様なため、説明は省略する。なお、医用画像解析層において、実行される各種機能は、磁気共鳴イメージング装置に搭載されてもよい。また、第2実施形態の変形例として、医用画像解析装置20は、ワークステーションまたはクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。このとき、入力インタフェース13とディスプレイ15とは、例えば、クライアント装置として、ネットワークに接続されてもよい。また、通信インタフェース31とメモリ33と処理回路87とは、ネットワーク上のサーバに搭載されてもよい。
各種実施形態および各種変形例などにおける技術的思想を医用画像解析プログラムで実現する場合、医用画像解析プログラムは、コンピュータに、1心拍以上を含む被検体Pの心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得し、複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上をディスプレイ15に表示すること、を実現させる。例えば、病院情報システムにおけるPACSサーバや統合サーバ、超音波診断装置1などにおけるコンピュータに当該画像解析プログラムをインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても、指標取得処理を実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。医用画像解析プログラムにおける処理手順および効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
以上説明した少なくとも一つの実施形態および変形例等によれば、簡便な操作で、かつ安価な装置で、心臓の左右間の関連や房室間の関連を把握することができる。
なお、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上の実施形態等に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する指標取得部と、
前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する表示部と、
を備える超音波診断装置。
(付記2)
前記指標取得部は、前記心尖四腔動画像における4腔に関する前記複数の心機能指標を同時に取得してもよい。
(付記3)
前記表示部は、前記複数の心腔に関する前記複数の心機能指標を同時に表示してもよい。
(付記4)
前記心尖四腔動画像は、超音波動画像であってもよい。
(付記5)
前記心尖四腔動画像に基づいて、少なくとも1心時相以上における前記複数の心腔に対する境界位置を示す境界位置群を自動検出する境界検出部と、
前記境界位置群の自動検出に関する心時相とは異なる残余の心時相の前記心尖四腔動画像において、前記境界位置群を追跡する追跡部と、
前記境界位置群の追跡により、少なくとも前記1心拍以上の区間に亘る前記複数の心腔の境界位置を取得する境界位置取得部と、
をさらに備えていてもよい。
(付記6)
前記心機能指標は、左心室、左心房および右心房に関しては内腔容積や容積変化率を含んでもよく、右心室に関しては内腔面積や面積変化率を含んでもよい。
(付記7)
前記心機能指標は、前記複数の心腔のうち左心室、左心房および右心房に関しては全壁のGLS(Global longitudinal Strain)を含んでもよく、前記複数の心腔のうち右心室に関しては自由壁のGLSを含んでもよい。
(付記8)
前記心機能指標は、前記左心房に関しては左房容積係数を含んでもよく、前記右心室に関しては収縮期三尖弁輪移動距離を含んでもよい。
(付記9)
前記表示部は、前記心尖四腔動画像のうち前記境界位置を自動検出した心腔を表示対象としてもよい。
(付記10)
前記心機能指標の出力は、前記心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであってもよく、
前記表示部は、表示対象となる前記複数の心腔に対応する複数の前記グラフについて時間軸の表示サイズを揃えて表示してもよい。
(付記11)
前記心機能指標の出力は、前記心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであってもよく、
前記表示部は、表示対象となる前記複数の心腔において心室と心房とが含まれる場合、2心周期以上のグラフ出力を表示してもよい。
(付記12)
前記指標取得部は、同一の心拍における、前記複数の心腔の心機能に関する指標値のピーク時間差もしくは前記指標値のピーク値の差異のうち少なくとも一つを、前記複数の心腔に関連する心機能の指標を示す関連指標として取得してもよい。
(付記13)
前記指標取得部は、リアルタイムに取得された前記心尖四腔動画像における前記境界位置を用いて、前記関連指標について複数の心拍間における平均値を出力してもよい。
(付記14)
前記心尖四腔動画像は、前記被検体の心臓を含むボリューム動画データから抽出された断面変換動画像であってもよい。
(付記15)
1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する指標取得部と、
前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する表示部と、
を備える医用画像解析装置。
(付記16)
前記心尖四腔動画像は、超音波動画像またはシネ磁気共鳴動画像であってもよい。
(付記17)
コンピュータに、
1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得し、
前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上をディスプレイに表示すること、
を実現させる医用画像解析プログラム。
1 超音波診断装置
11 超音波プローブ
13 入力インタフェース
15 ディスプレイ
17 心電計
19 装置本体
20 医用画像解析装置
21 画像処理回路
23 送受信回路
25 Bモードデータ生成回路
27 ドプラデータ生成回路
29 画像生成回路
31 通信インタフェース
33 メモリ
35 制御回路
37 処理回路
371 境界検出機能
373 追跡機能
375 境界位置取得機能
377 指標取得機能

Claims (17)

  1. 1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する指標取得部と、
    前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する表示部と、
    を備える超音波診断装置。
  2. 前記指標取得部は、前記心尖四腔動画像における4腔に関する前記複数の心機能指標を同時に取得する、
    請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記表示部は、前記複数の心腔に関する前記複数の心機能指標を同時に表示する、
    請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記心尖四腔動画像は、超音波動画像である、
    請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記心尖四腔動画像に基づいて、少なくとも1心時相以上における前記複数の心腔に対する境界位置を示す境界位置群を自動検出する境界検出部と、
    前記境界位置群の自動検出に関する心時相とは異なる残余の心時相の前記心尖四腔動画像において、前記境界位置群を追跡する追跡部と、
    前記境界位置群の追跡により、少なくとも前記1心拍以上の区間に亘る前記複数の心腔の境界位置を取得する境界位置取得部と、
    をさらに備える請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記心機能指標は、左心室、左心房および右心房に関しては内腔容積や容積変化率を含み、右心室に関しては内腔面積や面積変化率を含む、
    請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記心機能指標は、前記複数の心腔のうち左心室、左心房および右心房に関しては全壁のGLS(Global longitudinal Strain)を含み、前記複数の心腔のうち右心室に関しては自由壁のGLSを含む、
    請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  8. 前記心機能指標は、前記左心房に関しては左房容積係数を含み、前記右心室に関しては収縮期三尖弁輪移動距離を含む、
    請求項6または7に記載の超音波診断装置。
  9. 前記表示部は、前記心尖四腔動画像のうち前記境界位置を自動検出した心腔を表示対象とする、
    請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  10. 前記心機能指標の出力は、前記心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであり、
    前記表示部は、表示対象となる前記複数の心腔に対応する複数の前記グラフについて時間軸の表示サイズを揃えて表示する、
    請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  11. 前記心機能指標の出力は、前記心機能指標の時間変化曲線を表すグラフであり、
    前記表示部は、表示対象となる前記複数の心腔において心室と心房とが含まれる場合、2心周期以上のグラフ出力を表示する、
    請求項6または7に記載の超音波診断装置。
  12. 前記指標取得部は、同一の心拍における、前記複数の心腔の心機能に関する指標値のピーク時間差もしくは前記指標値のピーク値の差異のうち少なくとも一つを、前記複数の心腔に関連する心機能の指標を示す関連指標として取得する、
    請求項6または7に記載の超音波診断装置。
  13. 前記指標取得部は、リアルタイムに取得された前記心尖四腔動画像における前記境界位置を用いて、前記関連指標について複数の心拍間における平均値を出力する、
    請求項12に記載の超音波診断装置。
  14. 前記心尖四腔動画像は、前記被検体の心臓を含むボリューム動画データから抽出された断面変換動画像である、
    請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の超音波診断装置。
  15. 1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得する指標取得部と、
    前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上を表示する表示部と、
    を備える医用画像解析装置。
  16. 前記心尖四腔動画像は、超音波動画像またはシネ磁気共鳴動画像である、
    請求項15に記載の医用画像解析装置。
  17. コンピュータに、
    1心拍以上を含む被検体の心尖四腔動画像における複数の心腔の境界位置を用いて、前記心尖四腔動画像における複数の心腔のうち左心室と右心室とを含む少なくとも2腔以上に関する複数の心機能指標を同時に取得し、
    前記複数の心機能指標のうち少なくとも1つ以上をディスプレイに表示すること、
    を実現させる医用画像解析プログラム。
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