JP2022146564A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化チタン被覆活性炭を含みながら、ケーキングが抑制されている皮膚化粧料を提供する。【解決手段】本発明の皮膚化粧料は、成分(A):酸化チタン被覆活性炭、成分(B):デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、成分(C):シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分、並びに成分(D):水、又は、水及びエタノールを含有する。上記皮膚化粧料は、成分(D)を含む水相と成分(C)を含む油相とを有するピッカリングエマルションであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚化粧料に関する。
ボディローション、清涼化粧料、デオドラント剤などの化粧料の中には、粉体が配合されたものが多く存在する。粉体は吸水性や吸油性に優れるため、これらの化粧料に粉体を配合することは、汗や皮脂を吸着する、べたつく肌をさらっとした肌触りにすることができるという効果が得られる点で非常に有用である。
一方で、粉体を配合した従来の化粧料では、粉体が沈降して凝集・固化する、いわゆる「ケーキング」を生じやすいという問題があった。強いケーキングが生じることにより、使用時に振とうしても粉体を分散させること(再分散)が困難となる場合がある。
粉体を配合した化粧料としては、例えば、優れた消臭機能を有する粉体として、活性炭を酸化チタンで被覆した酸化チタン被覆活性炭を消臭成分として用いた体臭抑制剤が知られている(特許文献1)。
国際公開第2019/187214号
粉体として酸化チタン被覆活性炭を含む化粧料は、粉体が沈降して凝集・固化する、いわゆる「ケーキング」を生じる場合があった。強いケーキングが生じることにより、使用時に振とうしても粉体を分散させること(再分散)が困難となる場合がある。
従って、本発明の目的は、酸化チタン被覆活性炭を含みながら、ケーキングが抑制されている皮膚化粧料を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、成分(A):酸化チタン被覆活性炭、成分(B):デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、成分(C):シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分、並びに成分(D):水、又は、水及びエタノールを含有する皮膚化粧料によれば、酸化チタン被覆活性炭を含みながら、ケーキングが抑制されることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有する皮膚化粧料を提供する。
成分(A):酸化チタン被覆活性炭
成分(B):デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10
成分(C):シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分
成分(D):水、又は、水及びエタノール
上記皮膚化粧料は、成分(D)を含む水相と成分(C)を含む油相とを有するピッカリングエマルションであることが好ましい。
本発明の皮膚化粧料は、酸化チタン被覆活性炭を含みながら、ケーキングが抑制されている。
本発明の皮膚化粧料は、酸化チタン被覆活性炭;デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10;シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分;並びに、水、又は、水及びエタノールを少なくとも含む。なお、本明細書において、酸化チタン被覆活性炭を「成分(A)」、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10を「成分(B)」、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分を「成分(C)」、水、又は、水及びエタノールを「成分(D)」とそれぞれ称する場合がある。
すなわち、本発明の皮膚化粧料は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)を少なくとも含む。本発明の皮膚化粧料は、上記成分(A)~(D)以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の皮膚化粧料に含まれる各成分、例えば、成分(A)、成分(C)、成分(D)、及び他の成分などの各成分は、それぞれ、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
本発明の皮膚化粧料は、成分(D)を含む水相と、上記水相に分散した成分(C)を含む油相(油滴)とを有するピッカリングエマルションである。上記ピッカリングエマルションは、上記水相と上記油相との界面に成分(A)が存在する構造を有する。
[成分(A)]
成分(A)は、酸化チタン被覆活性炭である。成分(A)は、従来の消臭成分と比較して、格段に優れた消臭効果を発揮する。成分(A)は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
成分(A)は、活性炭の表面に酸化チタンが存在する構造を有する複合体である。より具体的には、成分(A)において、酸化チタンは活性炭の表面に存在する。すなわち、成分(A)は、活性炭が酸化チタンにより被覆された構造を有している。なお、成分(A)においては、活性炭の表面の全面が酸化チタンによって被覆されていてもよいし、活性炭の表面の一部のみが酸化チタンによって被覆されていてもよい。
成分(A)は、活性炭と、活性炭の表面に存在する酸化チタンとを少なくとも含み、活性炭及び酸化チタン以外の成分(例えば、樹脂、金属塩など)を含んでいてもよい。活性炭、酸化チタン、及びこれら以外の成分は、それぞれ、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
活性炭としては、特に限定されないが、多孔質の炭素質物質(例えば、粉末活性炭)が好ましい。活性炭は、構成元素として、炭素以外に、水素、酸素、無機成分などを含んでいてもよい。
活性炭の原料としては、特に限定されず、活性炭の原料として一般的に用いられるものを用いることができる。具体的には、例えば、ヤシ殻、木材、おが屑、石炭、フェノール樹脂、レーヨン、アクリロニトリル、石炭ピッチ、石油ピッチなどが挙げられる。中でも、ヤシ殻、木材、フェノール樹脂、石炭が好ましい。
活性炭の平均粒子径は、特に限定されないが、15.0~50.0μmが好ましく、より好ましくは18.0~45.0μm、さらに好ましくは20.0~42.0μmである。なお、上記平均粒子径は、酸化チタン被覆活性炭を構成する活性炭全体の平均粒子径を意味し、市販のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定することができる。上記平均粒子径が上記範囲内であると、酸化チタン被覆活性炭が白色となるため、本発明の皮膚化粧料を塗布した際に、塗布対象である皮膚等を黒く汚すこと(以下、「塗布汚れ」と称する場合がある)がなく、なおかつ、消臭効果がより優れたものとなり、また使用感にも優れる。また、上記平均粒子径が15.0μm以上であると、被覆させる酸化チタンの量を抑えることができ、塗布汚れ防止及び消臭効果を両立しやすくなる。上記平均粒径が50.0μm以下であると、皮膚化粧料をスプレー容器に充填して用いる場合には、ノズルの詰まりを防止することができる。また、ざらつきをより抑制することができ使用感により優れる。
活性炭の中心細孔径は、特に限定されないが、成分(A)の吸着能を向上させ消臭効果等をより向上させる観点から、0.1~10.0nmが好ましく、より好ましくは0.5~2.0nmである。なお、活性炭の中心細孔径は、例えば、日本ベル(株)製の細孔分布測定装置「Belsorp」を用いBET法により測定することができる。
活性炭のヨウ素吸着量は、特に限定されないが、成分(A)の吸着能を向上させ消臭効果等をより向上させる観点から、100~3000mg/gが好ましく、より好ましくは500~2000mg/gである。なお、本明細書において、活性炭のヨウ素吸着量は、JIS K 1417に準拠した滴定法により測定することができる。
活性炭は、公知の製造方法により製造することができる。例えば、公知の活性炭を粉砕及び分級する方法により製造することができる。また、活性炭は市販品を用いることもできる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、商品名「太閤A」(フタムラ化学(株)製)などが挙げられる。
酸化チタンとしては、特に限定されず、公知の酸化チタン(二酸化チタン)を用いることができる。酸化チタンとしては、特に限定されないが、例えば、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の酸化チタンが挙げられる。
酸化チタンの平均粒子径は、特に限定されないが、0.001~1.0μmが好ましく、より好ましくは0.01~0.5μm、さらに好ましくは0.1~0.4μm、特に好ましくは0.2~0.3μmである。上記平均粒子径が上記範囲内であると、成分(A)を白色とする効果が向上するため、塗布汚れを防止する効果がより一層向上する。
なお、上記「酸化チタンの平均粒子径」は、成分(A)を構成する酸化チタン全体の平均粒子径を意味する。また、本明細書において、酸化チタンの平均粒子径(球相当径)は、BET法(または簡易BET法)により測定される比表面積より算出することができる。
酸化チタンは市販品を用いることができる。市販品としては、特に限定されないが、例えば、石原産業(株)製の「タイペークCR-50」、テイカ(株)製の「MT-700B」などが挙げられる。
成分(A)が含み得る樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。中でも、アクリル樹脂(特に、水性アクリル樹脂)が好ましく、例えば、アクリル酸アルキル共重合体などが挙げられる。
成分(A)中の酸化チタンの含有量は、特に限定されないが、活性炭100質量部に対して、10~10000質量部が好ましく、より好ましくは100~5000質量部、さらに好ましくは500~2000質量部、さらに好ましくは500~1500質量部、さらに好ましくは550~1050質量部、特に好ましくは600~1000質量部である。上記含有量が10質量部以上であると、塗布汚れをより抑制できる。上記含有量が10000質量部以下であると、成分(A)の吸着能がより優れる。
成分(A)中の活性炭の含有量及び酸化チタンの含有割合の合計は、特に限定されないが、成分(A)100質量%に対して、50.0質量%以上(50.0~100質量%)が好ましく、より好ましくは70.0質量%以上、さらに好ましくは80.0質量%以上である。また、上記含有割合の合計は、100質量%以下であり、99.95質量%以下、90.0質量%以下、85.0質量%以下であってもよい。
成分(A)中の樹脂の含有割合は、特に限定されないが、活性炭に対する酸化チタンの付着性向上に優れる観点から、成分(A)100質量%に対して、0.005~10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.05~1.0質量%である。
成分(A)は、活性炭の表面上に、酸化チタンを付着させることにより形成される。好ましくは、活性炭の表面上に、上記樹脂を介して酸化チタンを付着させることにより形成される。成分(A)の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、特開平4-256436号公報に記載の白色活性炭の製造方法、特開2005-263610号公報に記載の酸化チタン被覆活性炭の製造方法を用いることができる。酸化チタン被覆活性炭の具体的な製造方法としては、例えば、以下のとおりである。活性炭、酸化チタン、及び上記樹脂のエマルションを混合し、活性炭の表面を酸化チタンで被覆する。次いで、得られた酸化チタンで被覆された活性炭を乾燥し、さらに必要に応じて、粒状に解砕して、成分(A)を得る。
本発明の皮膚化粧料中の成分(A)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、0.05~10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1~8.0質量%である。上記含有割合が0.05質量%以上であると、体臭抑制効果等の消臭効果により優れる。また、成分(A)が少ない場合には、ケーキングの課題が生じにくい。上記含有割合が10.0質量%以下であると、ケーキングがより生じにくい。上記成分(A)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料中の全ての成分(A)の含有割合の合計である。
[成分(B)]
成分(B)は、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10(INCI名:Polyglyceryl-10 Decaisostearate)である。成分(B)は、グリセリンの10量体と10当量のイソステアリン酸とから合成されるエステル化合物であって、1分子当たり2個の水酸基と10個のエステル基に由来する親水性部分と、イソステアリル基に由来する親油性部分を有する。成分(B)は、親水性部分によって成分(A)に付着して、親油性部分によって成分(A)の疎水性を高めると推測される。その結果、成分(A)を用いたピッカリングエマルションが安定的に形成され、ケーキングが抑制されるものと推定される。
本発明の皮膚化粧料中の成分(B)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、0.0005~5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.001~4.0質量%である。上記含有割合が0.0005質量%以上であると、より安定なピッカリングエマルションが形成され、ケーキングがより抑制される。上記含有割合が5.0質量%以下であると、エマルションの凝集がより生じにくい。
本発明の皮膚化粧料中の、成分(A)に対する成分(B)の質量比[成分(B)/成分(A)]は、0.001~0.7が好ましく、より好ましくは0.01~0.5、さらに好ましくは0.03~0.4である。上記質量比が0.001以上であると、ケーキングがより抑制される。上記質量比が0.7以下であると、エマルションの凝集がより生じにくい。
[成分(C)]
成分(C)は、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分である。成分(C)を配合することで、成分(A)を含有する本発明の皮膚化粧料において、成分(D)を含む水相と成分(C)を含む油相とを有する水中油型のピッカリングエマルションが形成される。これにより、成分(A)を配合した場合であっても、ケーキングの形成を抑制することが可能となる。成分(C)は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
成分(C)のIOB値は、0~0.45であり、より好ましくは0~0.35、さらに好ましくは0~0.15である。上記IOB値が上記範囲内であることにより、成分(D)の存在下で成分(D)に完全に溶解せず、成分(A)と成分(D)とでピッカリングエマルションを形成する作用を発揮する。なお、上記IOB値は、本発明の皮膚化粧料に含まれる油性成分ごとの値であり、成分(C)を二種以上含む場合は各油性成分の値である。IOB(Inorganicity Organicity Balance)値は、無機性値(Inorganicity)を有機性値(Organicity)で除した値である。各成分(C)のIOB値は、例えば甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、三共出版、1984年発行(p11~17)に基づいて求めることができる。
上記シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、高重合ジメチルポリシロキサン等のジメチルシリコーン油;メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン油などが挙げられる。
上記炭化水素油としては、例えば、イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、イソドデカンなどが挙げられる。
上記エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソプロピル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルなどが挙げられる。
上記植物油としては、例えば、マカデミアナッツ油、オリーブ油、パーム油、シア脂(シアバター)、ヒマワリ油、ホホバ油、アルガンオイルなどが挙げられる。
成分(C)は、25℃において液状であることが好ましい。成分(C)のブルックフィールド型回転粘度計を用いて25℃で測定された粘度ηは、30000mPa・s以下(例えば、0.1~30000mPa・s)が好ましく、より好ましくは1.0~10000mPa・sである。
成分(C)としては、中でも、流動パラフィン、スクワラン(シュガースクワラン、オリーブスクワランも含む)、軽質イソパラフィン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサンが好ましい。
本発明の皮膚化粧料中の成分(C)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、0.01~15.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1~10.0質量%である。上記含有割合が0.01質量%以上であると、ピッカリングエマルションを充分に形成でき、成分(A)のケーキングの形成をより抑制することができる。上記含有割合が15.0質量%以下であると、ピッカリングエマルションの形成に寄与しない油相の分離(所謂、油浮き)をより抑制することができる。また、皮膚に塗布した際のぬるつきを抑制することができる。上記成分(C)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料中の全ての成分(C)の含有割合の合計である。
本発明の皮膚化粧料中の、成分(A)に対する成分(C)の質量比[成分(C)/成分(A)]は、0.05~10.0が好ましく、より好ましくは0.1~5.0である。上記質量比が0.05以上であると、ピッカリングエマルションがより一層形成しやすくなる。上記質量比が10.0以下であると、皮膚に塗布した際のぬるつきを抑制することができる。
[成分(D)]
成分(D)は水、又は、水及びエタノールである。言い換えると、本発明の皮膚化粧料がエタノールを含まない場合の成分(D)は水であり、本発明の皮膚化粧料がエタノールを含む場合の成分(D)は水及びエタノールである。水は、特に限定されないが、精製水が好ましい。
成分(D)は、本発明の皮膚化粧料における水中油型のピッカリングエマルションの水相(マトリックス)を形成する成分である。エタノールは、水に可溶であり水と共に水相を形成する。さらに、本発明の皮膚化粧料に防腐性や塗布後の速乾性を付与する。
本発明の皮膚化粧料中の水の含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、0.5~96.0質量%が好ましく、より好ましくは5.0~90.0質量%、さらに好ましくは7.0~60.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、より安定的に水中油型のピッカリングエマルションを形成できる。
成分(D)がエタノールを含む場合、水相の極性が低下し、エマルションの安定性が一層向上する。また、エタノールを用いることにより、本発明の皮膚化粧料に速乾性やさっぱりとした使用感を付与できる。
本発明の皮膚化粧料中のエタノールの含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、0.0~95.0質量%が好ましく、より好ましくは10.0~95.0質量%、さらに好ましくは30.0~90.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、刺激感や乾燥感が生じにくい。
成分(D)がエタノールを含む場合、本発明の皮膚化粧料中の、水とエタノールの合計量に対するエタノールの質量比[エタノール/(水+エタノール)]は、0.1~0.95が好ましく、より好ましくは0.25~0.95である。上記質量比が上記範囲内であると、ピッカリングエマルションがより安定的に形成でき、刺激感や乾燥感が生じにくい。
本発明の皮膚化粧料中の成分(D)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、30.0~98.0質量%が好ましく、より好ましくは50.0~97.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、ピッカリングエマルションがより一層形成しやすくなる。上記成分(D)の含有割合は、本発明の皮膚化粧料中の全ての成分(D)の含有割合の合計である。
本発明の皮膚化粧料は、ピッカリングエマルションの安定性により優れる観点から、成分(B)以外の界面活性剤を少量しか含まない又は実質的に含まないことが好ましい。本発明の皮膚化粧料中の成分(B)以外の界面活性剤の含有割合は、本発明の皮膚化粧料100質量%に対して、0.1質量%以下(例えば、0~0.1質量%)が好ましく、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。上記含有割合が0.1質量%以下であると、形成された水中油型のピッカリングエマルションがより安定的に存在することができる。また、本発明の皮膚化粧料を使用する場合、塗布時のべたつき、ぬるつき、皮膚への刺激を抑制することができる。
[その他の成分]
本発明の皮膚化粧料は、上記成分(A)~(D)等の上述の各成分以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分しては、特に限定されず、例えば、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分等が挙げられる。具体的には、例えば、エタノール以外の低級アルコール;成分(C)以外の油性成分;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガムなどの増粘剤;多価アルコール;保湿剤;パール化剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;メントール等の清涼剤;リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調整剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;防腐剤;金属イオン封鎖剤;色素;顔料;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;中和剤;殺菌剤;制汗成分;成分(A)以外の消臭成分;酸;アルカリなどが挙げられる。上記その他の成分は、それぞれ、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記制汗成分は、例えば、皮膚を収斂することにより汗の発生を抑制する薬剤である。本発明の皮膚化粧料は成分(A)とともに上記制汗成分を含む場合、体臭抑制効果がより一層優れる。上記制汗成分としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
上記殺菌剤は、例えば、体臭の原因となる物質を生成する皮膚常在菌の増殖を抑制する薬剤である。上記殺菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、フェノール、トリクロロカルバニリド、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、トリクロカルバン、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、サリチル酸、ソルビン酸、塩化リゾチームなどが挙げられる。
上記清涼剤としては、例えば、メントール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、カンファー、ユーカリプトール、イシリンなどが挙げられる。
本発明の皮膚化粧料の剤型としては、特に限定されないが、ローション、ミスト、スプレー(エアゾール型、非エアゾール型)、チューブ、シート、ロールオンなどが挙げられる。本発明の皮膚化粧料は、外観が良好であるため、ローション、ロールオン剤型として好ましく用いられる。
本発明の皮膚化粧料としては、体臭抑制剤(デオドラント剤)、清涼化粧料、化粧水、頭髪化粧料、シェービング化粧料(プレシェービングローション、アフターシェービングローション等)、拭き取り化粧料(シート化粧料)などが挙げられる。本発明の皮膚化粧料は、成分(A)を含み且つエタノールが高配合される化粧料組成物に用いることができるため、好ましくは、デオドラント剤(体臭を抑制する目的で用いられる防臭剤)、清涼化粧料である。
本発明の皮膚化粧料は、主に、皮膚(肌)に塗布するために用いられる皮膚化粧料組成物である。本発明の皮膚化粧料を塗布する部位としては、特に限定されず、例えば、顔面(例えば、額、目元、目じり、頬、口元等)や、腋下、腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、足裏、首、背中、胸、体幹部、臀部、頭髪などが挙げられる。
本発明の皮膚化粧料は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、ディスパーミキサー、パドルミキサー等の公知の撹拌装置を用いて撹拌する方法などで、各成分を均一化する方法が挙げられる。
本発明の皮膚化粧料は、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分[成分(C)]中に、酸化チタン被覆活性炭[成分(A)]及びデカイソステアリン酸ポリグリセリル-10[成分(B)]を含有する。成分(B)によって、成分(A)の表面が充分に疎水化されるので、さらに水、又は、水及びエタノール[成分(D)]を含有してピッカリングエマルションが形成される。これにより、本発明の皮膚化粧料はケーキングしにくい。また、使用時は振とうすることで容易に成分(A)を再分散させることができる。さらに、容器底部にケーキングした粉体が残存して美観を損なうことがないため、本発明の皮膚化粧料は美観にも優れる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。また、表中の「-」は、配合しなかったことを示す。
実施例1~11、比較例1~4
表に記した各成分(成分(A)~(D))及びその他の成分を用い、実施例及び比較例の各皮膚化粧料を常法により調製した。なお、油性成分のIOB値について、流動パラフィンは0、スクワランは0、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリルは0.36、ジメチコンは0.3、アジピン酸ジイソブチルは0.46である。
(評価)
実施例及び比較例で得られた各皮膚化粧料について以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。
(1)ピッカリングエマルション形成性
実施例及び比較例で得られた各皮膚化粧料を、顕微鏡にて観察し、ピッカリングエマルション特有の構造である、粉体が油滴に吸着した構造を確認できた場合を○、上記構造を確認できなかった場合を×として評価した。
(2)ケーキング抑制性
実施例及び比較例で得られた各皮膚化粧料をマヨネーズビンに100g封入し、1日静置後に上下20cm幅で振とうさせた際、5回以内の振とうで沈降物が完全に分散した場合を○、沈降物が完全に分散するのに5回以上振とうする必要があった場合を×として評価した。
Figure 2022146564000001
表に示すように、本発明の皮膚化粧料(実施例)は、酸化チタン被覆活性炭(成分(A))を含むピッカリングエマルションが形成していることが確認され、ケーキング抑制性に優れていると評価された。一方、成分(B)を含まない場合(比較例1)、成分(C)に代えてIOB値が0.45を超えるエステル油を用いた場合(比較例2)、及び成分(B)に代えて他のノニオン性界面活性剤を用いた場合(比較例3,4)のいずれにおいても、成分(A)を含むピッカリングエマルションの形成は確認されず、ケーキング抑制性に劣っていると評価された。
さらに、以下に、本発明の皮膚化粧料の処方例を示す。
処方例1 デオドラントミスト
エタノール 50.0質量%
スクワラン 0.75質量%
酸化チタン被覆活性炭 1.5質量%
デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 0.3質量%
イソプロピルメチルフェノール 0.2質量%
フェノールスルホン酸亜鉛 0.5質量%
メントキシプロパンジオール 0.1質量%
メントール 0.6質量%
香料 0.2質量%
水 残部
合計 100.0質量%
処方例2 デオドラントロールオン
エタノール 70.0質量%
流動パラフィン 5.0質量%
酸化チタン被覆活性炭 5.0質量%
デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 1.0質量%
トリクロサン 0.1質量%
クロルヒドロキシアルミニウム 5.0質量%
ヒドロキシプロピルセルロース 0.5質量%
メントール 0.3質量%
香料 0.15質量%
水 残部
合計 100.0質量%
処方例3 シート化粧料
不織布1gに下記組成からなる拭き取り用シート組成物4gを含浸させて、拭き取り用シート水中油型乳化組成物とした。
(拭き取りシート組成物)
エタノール 40.0質量%
イソノナン酸イソノニル 5.0質量%
酸化チタン被覆活性炭 2.0質量%
デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10 1.0質量%
メントール 0.6質量%
香料 0.1質量%
水 残部
合計 100.0質量%

Claims (2)

  1. 下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有する皮膚化粧料。
    成分(A):酸化チタン被覆活性炭
    成分(B):デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10
    成分(C):シリコーン油、炭化水素油、エステル油、及び植物油からなる群より選択される1以上であり、IOB値が0~0.45である油性成分
    成分(D):水、又は、水及びエタノール
  2. 成分(D)を含む水相と成分(C)を含む油相とを有するピッカリングエマルションである、請求項1に記載の皮膚化粧料。
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