JP2022143288A - 動態画像解析装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易かつ精度よく取得できるようにする。【解決手段】診断用コンソールの制御部によれば、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得し、取得した動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成し、生成された胸膜の癒着に関する情報を表示部により表示出力する。【選択図】図3

Description

本発明は、動態画像解析装置及びプログラムに関する。
手術前などに生体組織間の癒着の有無や癒着箇所を評価する技術として、例えば、特許文献1には、CT装置によって吸気時と呼気時の2時相の静止画像を収集し、収集した2時相の静止画像を用いて胸膜癒着を評価する技術が記載されている。また、例えば、特許文献2には、経時的に収集した3次元CT画像データ(4Dデータ)における物理的に密接する肺表面の内側と外側の各ボクセルのペアについて、3次元の動きベクトルを求めて滑り度を算出し、滑り度に基づいて肺領域の輪郭線上の領域において動いている部分と動いていない部分を抽出することが記載されている。また、例えば、特許文献3には、超音波画像における物理的にも画像位置的にも密接する2つの構造物の動きベクトルを求め、2つの構造物間の癒着度を算出することが記載されている。
しかしながら、CT装置や4D-CTは、装置のコストの点から一般の医療施設には導入しづらく、また、撮影手続きの煩雑さや被ばく量の観点から、一般の術前患者には適用しにくいという問題がある。また、超音波診断装置は、局所撮影のため被写体の全体が概観できず、全体を撮影しようとすると撮影時間が膨大となる。また、撮影手技も難しい。そのため、同様に、一般の術前患者には適用しにくいという問題がある。
これらの問題を解決する手段として、例えば、特許文献4に記載のように、動態画像における横隔膜の形状の変化に基づいて癒着を検出する技術や、特許文献5に記載のように、横隔膜変位に係る位相と呼吸位相との不整合から癒着を検出する技術が知られている。
特開2016-67832号公報 特開2019-180899号公報 特開2019-88565号公報 国際公開第2014/185197号 特開2015-136566号公報
しかしながら、特許文献4、5に記載の技術の場合、横隔膜の形状変化や変位に現れない癒着を検出できなかった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易かつ精度よく取得できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面に係る動態画像解析装置は、
放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部と、
前記動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部と、
前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部と、
を備える。
また、本発明の第2の側面に係る動態画像解析装置は、
放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部と、
前記動態画像における肺領域内の第一の領域の動き量と、当該第一の領域とは異なる第二の領域の動き量との差又は比率に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部と、
前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部と、
を備える。
また、本発明の第3の側面に係る動態画像解析装置は、
放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部と、
前記動態画像における肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部と、
前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部と、
を備える。
また、本発明の第4の側面に係るプログラムは、
コンピューターを、
放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部、
前記動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部、
前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部、
として機能させる。
また、本発明の第5の側面に係るプログラムは、
コンピューターを、
放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部、
前記動態画像における肺領域内の第一の領域の動き量と、当該第一の領域とは異なる第二の領域の動き量との差又は比率に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部、
前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部、
として機能させる。
また、本発明の第5の側面に係るプログラムは、
コンピューターを、
放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部、
前記動態画像における肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部、
前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部、
として機能させる。
本発明によれば、胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易かつ精度よく取得することが可能となる。
本発明の実施形態における動態解析システムの全体構成を示す図である。 図1の撮影用コンソールの制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される動態解析処理Aを示すフローチャートである。 前処理を説明するための図である。 動きベクトルのマージを説明するための図である。 小領域に連続した陰影の一例を示す図である。 図3のステップS16において実行される癒着情報生成処理A(感度高)の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS16において実行される癒着情報生成処理A(特異度高)の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第1の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第1の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第1の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第1の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第1の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第2の実施形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される動態解析処理Bを示すフローチャートである。 (a)は、癒着がない場合の縦方向の各ブロックの動き量(代表値)をプロットしたグラフであり、(b)は、癒着がある場合の縦方向の各ブロックの動き量(代表値)をプロットしたグラフである。 第2の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 小領域毎の動き量を示す図である。 第2の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第2の実施形態における胸膜の癒着に関する情報の出力例を示す図である。 第3の実施形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される動態解析処理Cを示すフローチャートである。 第4の実施形態において図1の診断用コンソールの制御部により実行される動態解析処理Dを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<第1の実施形態>
〔動態解析システム100の構成〕
まず、本実施形態の構成を説明する。
図1に、本実施形態における動態解析システム100の全体構成例を示す。
図1に示すように、動態解析システム100は、撮影装置1と、撮影用コンソール2とが通信ケーブル等により接続され、撮影用コンソール2と、診断用コンソール3とがLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されて構成されている。動態解析システム100を構成する各装置は、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、DICOMに則って行われる。
〔撮影装置1の構成〕
撮影装置1は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ胸部の動態を撮影する撮影手段である。動態撮影とは、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の動態を示す複数の画像を取得することをいう。動態撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。動態画像は、すなわち、時間軸を含む3次元の画像である。動態画像には、動画像が含まれるが、動画像を表示しながら静止画像を撮影して得られた画像は含まれない。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
以下の実施形態では、パルス照射により胸部正面の動態撮影を行う場合について説明する。
放射線源11は、被写体Mを挟んで放射線検出部13と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置12の制御に従って、被写体Mに対し放射線(X線)を照射する。
放射線照射制御装置12は、撮影用コンソール2に接続されており、撮影用コンソール2から入力された放射線照射条件に基づいて放射線源11を制御して放射線撮影を行う。撮影用コンソール2から入力される放射線照射条件は、例えば、パルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、付加フィルター種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。
放射線検出部13は、FPD(Flat Panel Detector)等の半導体イメージセンサーにより構成される。FPDは、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源11から照射されて少なくとも被写体Mを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子(画素)がマトリックス状に配列されている。各画素は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部を備えて構成されている。FPDにはX線をシンチレーターを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型、X線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
放射線検出部13は、被写体Mを挟んで放射線源11と対向するように設けられている。
読取制御装置14は、撮影用コンソール2に接続されている。読取制御装置14は、撮影用コンソール2から入力された画像読取条件に基づいて放射線検出部13の各画素のスイッチング部を制御して、当該各画素に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、放射線検出部13に蓄積された電気信号を読み取ることにより、画像データを取得する。この画像データがフレーム画像である。そして、読取制御装置14は、取得したフレーム画像を撮影用コンソール2に出力する。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
ここで、放射線照射制御装置12と読取制御装置14は互いに接続され、互いに同期信号をやりとりして放射線照射動作と画像の読み取りの動作を同調させるようになっている。
〔撮影用コンソール2の構成〕
撮影用コンソール2は、放射線照射条件や画像読取条件を撮影装置1に出力して撮影装置1による放射線撮影及び放射線画像の読み取り動作を制御するとともに、撮影装置1により取得された動態画像を撮影技師等の撮影実施者によるポジショニングの確認や診断に適した画像であるか否かの確認用に表示する。
撮影用コンソール2は、図1に示すように、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、通信部25を備えて構成され、各部はバス26により接続されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部21のCPUは、操作部23の操作に応じて、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って後述する撮影制御処理を始めとする各種処理を実行し、撮影用コンソール2各部の動作や、撮影装置1の放射線照射動作及び読み取り動作を集中制御する。
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部22は、制御部21で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部22は、図2に示す撮影制御処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、記憶部22は、検査対象部位及び撮影方向に対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件を記憶している。各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部21は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部23は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部21に出力する。また、操作部23は、表示部24の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部21に出力する。
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、操作部23からの入力指示やデータ等を表示する。
通信部25は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔診断用コンソール3の構成〕
診断用コンソール3は、撮影用コンソール2から胸部の動態画像を取得し、取得した動態画像に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成し出力する動態画像解析装置である。
診断用コンソール3は、図1に示すように、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
制御部31は、CPU、RAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや、各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する動態解析処理Aを始めとする各種処理を実行し、診断用コンソール3の各部の動作を集中制御する。制御部31は、動態解析処理Aを実行することにより、取得部、生成部として機能する。
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で動態解析処理Aを実行するためのプログラムを始めとする各種プログラムやプログラムによる処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。これらの各種プログラムは、読取可能なプログラムコードの形態で格納され、制御部31は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
操作部33は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。また、操作部33は、表示部34の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
表示部34は、LCDやCRT等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種表示を行う。表示部34は、出力部として機能する。
通信部35は、LANアダプターやモデムやTA等を備え、通信ネットワークNTに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
〔動態解析システム100の動作〕
次に、本実施形態における上記動態解析システム100の動作について説明する。
(撮影装置1、撮影用コンソール2の動作)
まず、撮影装置1、撮影用コンソール2による撮影動作について説明する。
図2に、撮影用コンソール2の制御部21において実行される撮影制御処理を示す。撮影制御処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部21は、撮影実施者の操作部23の操作による、被検者(被写体M)の患者情報、検査情報の入力を受け付ける(ステップS1)。
次いで、制御部21は、放射線照射条件を記憶部22から読み出して放射線照射制御装置12に設定するとともに、画像読取条件を記憶部22から読み出して読取制御装置14に設定する(ステップS2)。
次いで、制御部21は、操作部23の操作による放射線照射の指示を待機する(ステップS3)。ここで、撮影実施者は、被写体Mを放射線源11と放射線検出部13の間に配置してポジショニングを行う。撮影準備が整った時点で、操作部23を操作して放射線照射指示を入力する。
操作部23により放射線照射指示が入力されると(ステップS3;YES)、制御部21は、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影開始指示を出力し、動態撮影を開始させる(ステップS4)。即ち、放射線照射制御装置12に設定されたパルス間隔で放射線源11により放射線を照射させ、放射線検出部13によりフレーム画像を取得させる。動態撮影中、撮影実施者は、例えば「息を吸って」「息を吐いて」等の呼吸誘導を行い、呼吸状態で胸部の撮影を行う。なお、撮影装置1が音声出力部や表示部を備え、撮影開始指示が出力されると、「息を吸って」「息を吐いて」等の呼吸誘導の音声や表示を行うこととしてもよい。
操作部23により放射線照射終了指示が入力されると、制御部21は、放射線照射制御装置12及び読取制御装置14に撮影終了の指示を出力し、撮影動作を停止させる。
撮影により取得されたフレーム画像は順次撮影用コンソール2に入力され、制御部21は、入力されたフレーム画像に撮影順を示す番号(フレーム番号)を対応付けて記憶部22に記憶させるとともに(ステップS5)、表示部24に表示させる(ステップS6)。撮影実施者は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、操作部23を操作して、判断結果を入力する。
操作部23の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS7;YES)、制御部21は、動態撮影で取得された一連のフレーム画像のそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、検査情報、放射線照射条件、画像読取条件、撮影順を示す番号(フレーム番号)等の情報を付帯させ(例えば、DICOM形式で画像データのヘッダ領域に書き込み)、通信部25を介して診断用コンソール3に送信する(ステップS8)。そして、撮影制御処理を終了する。一方、操作部23の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS7;NO)、制御部21は、記憶部22に記憶された一連のフレーム画像を削除し(ステップS9)、撮影制御処理を終了する。この場合、再撮影が必要となる。
(診断用コンソール3の動作)
次に、診断用コンソール3における動作について説明する。
診断用コンソール3においては、通信部35を介して撮影用コンソール2から胸部の動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により、図3に示す動態解析処理Aが実行される。
ここで、胸郭や横隔膜は、柔らかい肺の入れ物であり、呼吸をしたい場合には、胸郭や横隔膜を動かすことにより、内圧変化で肺が膨張収縮し、空気の出入りを行う。呼吸運動では、横隔膜の上下動や胸郭の広がり狭まりにより肺が膨張収縮する。
通常、胸郭と肺は分離されているが、炎症などにより、胸郭の内側の膜である壁側胸膜と肺を包む臓側胸膜の癒着(胸膜の癒着)が起こると、その箇所では胸郭と肺が強くくっついた状態となる。そのため、癒着がある部分の臓側胸膜の動き量は周辺の動き量に比べて低下する。
そこで、動態解析処理Aでは、胸部の動態画像を解析して、動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭(体の側面の胸郭)に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成して出力する。
以下、図3を参照して動態解析処理Aについて説明する。
まず、制御部31は、通信部35により受信された動態画像を取得する(ステップS11)。
次いで、制御部31は、取得した動態画像に対し、前処理を実施する(ステップS12)。
前処理において、制御部31は、取得した動態画像の中から解析対象となる(胸膜の癒着に関する情報の生成に用いる)区間のフレーム画像を取得する。
例えば、制御部31は、動態画像の呼気期間(例えば、最大吸気位から最大呼気位まで)のフレーム画像を解析対象となる区間のフレーム画像として取得する。呼気期間のフレーム画像は、例えば、動態画像の各フレーム画像から肺領域を認識し、認識した肺領域の面積が最大(極大)から最小(極小)までのフレーム画像を抽出することで取得することができる。または、動態画像の各フレーム画像から肺尖部と横隔膜との距離を計測し、肺尖部と横隔膜との距離が最大(極大)から最小(極小)までの区間のフレーム画像を呼気期間のフレーム画像として取得してもよい。または、動態画像の肺領域の濃度(平均濃度)が最大(極大)から最小(極小)までの区間のフレーム画像を吸気期間のフレーム画像として取得することとしてもよい。ユーザーに解析対象となる区間を指定してもらうこととしてもよい。
次いで、制御部31は、図4に示すように、取得した各フレーム画像(オリジナル画像)に対し、骨領域を認識して骨の信号成分を減弱する骨減弱処理(Bone Suppression処理(BS処理))を施して骨減弱画像(BS画像)を生成し、生成したBS画像に周波数強調処理を施して周波数強調画像を得る。
ここで、胸部の動態画像の各フレーム画像では肺だけでなく肋骨など様々な構造物が1枚の画像上に表現されている。そのため、肺の動きベクトルを抽出するために、単純に画像上の模様の対応点を算出すると、肺と異なる動きをする骨の対応点と混在してしまう。そこで、オリジナル画像に骨減弱処理を施しておくことで、後段の処理で精度よく肺領域における対応点を算出することができる。さらに、動態画像で見える肺領域の模様は主に肺血管であり、高周波成分から構成され、肺外の臓器や脂肪・筋肉などは低周波成分に特徴が現れることから、肺血管に相当する特定の高周波成分を強調する周波数強調処理を事前に行っておくことが望ましい。
次いで、制御部31は、前処理済みの、解析対象の区間のフレーム画像について、時間方向に隣接するフレーム画像間(以下、隣接するフレーム画像間)でオプティカルフローを実行し、小領域ごとに、隣接するフレーム画像間で対応点を求めて動きベクトル算出する(ステップS13)。
例えば、解析区間の1フレーム目(例えば、最大吸気位フレーム。フレーム1という。)を複数の小領域に分割し、dense型のオプティカルフローにより、小領域ごとに、順次隣接するフレーム画像間で対応点を求めて動きベクトルを算出する。小領域は、画素としてもよいし、複数の画素からなる画素ブロック(例えば、5mm×5mm)ごととしてもよい。画素ブロックの場合は、例えば、小領域の中心の動きベクトルを算出する。本実施形態では、小領域が5mm×5mmの画素ブロックである場合について説明する。なお、ここでは、隣接するフレーム画像間での動きベクトルを算出することとしているが、nフレーム先(nは正の整数)のフレーム画像との動きベクトルを算出することとしてもよい。また、心拍起因での動きの計測誤差を軽減するため、nを一心拍周期のフレーム数としてもよい。なお、動きベクトルの算出は、少なくとも肺領域の各小領域に対して行えばよい。動態画像の肺領域の各小領域における動き量は、呼吸量に基づくものである。
次いで、制御部31は、小領域ごとに、ステップS13で得られた複数の動きベクトルをマージ(統合)する(ステップS14)。
図5は、ステップS14のマージ処理を説明するための図である。ここでは、開始フレームから終了フレームまでの動きベクトルを算出する。図5に示すように、ステップS14では、まず、ステップS13において開始フレーム画像(フレーム1)と、開始フレーム画像に隣接する開始フレーム隣接フレーム画像(フレーム1+n)とから得られた動きベクトルと開始フレーム隣接フレーム画像(フレーム1+n)と開始フレーム次隣接フレーム画像(フレーム2+n)とから得られた動きベクトルの和(図5において太い矢印で示す)を算出する。次いで、算出した動きベクトルの和と、次の動きベクトルの和を算出する。これを、算出された動きベクトルの全てが加算されるまで行う。
これにより、解析対象の開始フレーム画像から終了フレーム画像までの動きを表す動きベクトルを算出することができる。この動きベクトルを、ベクトル始点座標もしくはベクトル終点座標に保存する。例えば、後述する基準フレーム画像が最大吸気位のフレーム画像であれば、ベクトル始点座標に動きベクトルを保存すればよい。
なお、上記の動きベクトルの算出手法は一例であり、最終的に呼気期間の開始フレーム画像から終了フレーム画像までの小領域ごとの動きベクトルが算出できれば、その手法は特に限定されない。ただし、深呼吸期間(5秒程度)においては、呼吸に伴う肺の位置移動や変形が大きいため、画像の見えの変化が激しく、画像上の対応点を算出することが非常に難しい。そこで、上記したように、例えば、時間方向に隣接するフレーム画像間など、短い時間単位で対応点を算出して動きベクトルを算出し、それらをマージすることで、呼気期間の動きベクトルを精度よく算出することができる。また、動きベクトル算出結果の後処理として、ノイズ除去のため、ガウシアンフィルター等の各種フィルター処理を行っても良い。
次いで、制御部31は、算出された動きベクトルに基づいて、小領域ごとの動き量(動きベクトルの長さ)を算出し、小領域ごとの動き量を示す動き量MAPを作成する(ステップS15)。動き量MAPを作成する際には、小領域ごとの動きベクトルのうち肺領域外を対象外として除去してもよい。肺領域(肺野領域)の抽出は、例えば、特開2018-148964号公報に記載のエッジ検出を用いる手法等の公知の手法を用いることができる。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理Aを実行し、ステップS15で作成された動き量MAPを参照し、肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報(癒着情報)を生成する(ステップS16)。
ここで、本願において、胸郭とは、体の側面側の胸郭を指す。また、肺領域内の胸郭に隣接した領域とは、臓側胸膜を表す領域であり、動態画像における肺領域の胸郭側の(胸郭との境界に位置する)輪郭上に位置する小領域を指す。
ステップS13の癒着情報生成処理Aにおいて、制御部31は、以下の第1手法~第4手法のいずれか又は複数の手法を組み合わせて、胸膜の癒着に関する情報を生成する。
(第1手法)
胸膜の癒着がある場合、臓側胸膜における癒着がある部分(小領域)の動きは小さくなる。
そこで、第1手法において、制御部31は、動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する各小領域について、動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断し、動き量が所定の閾値以下であると判断した場合、その小領域の動き量が所定の閾値以下であることを示す情報、又はその小領域の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。動き量が所定の閾値を超えていると判断した場合、その小領域の動き量が所定の閾値以下ではない(所定の閾値を超えている)ことを示す情報、又はその小領域の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。
なお、小領域の動き量と比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。
(第2手法)
胸膜の癒着がある場合、臓側胸膜における癒着がある部分(小領域)の動きが小さくなり、癒着がない部分に比べて、周辺の領域との間の動き量との差が大きくなる。
そこで、第2手法及び第3手法において、制御部31は、動態画像における臓側胸膜を表す領域の動き量と、肺領域内の臓側胸膜とは異なる領域の動き量とを比較することにより臓側胸膜を表す領域の動き量が低下しているか否かを判断し、判断結果を胸膜の癒着に関する情報として生成する。
第2手法において、制御部31は、動態画像における臓側胸膜を表す各小領域、すなわち動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する各小領域について、その小領域の動き量と、肺領域内のその小領域の周辺の小領域(例えば、肺領域内でその小領域からの距離が所定の閾値以内(例えば小領域中心から半径10mm以内の小領域)の動き量との差(又は比率。以下、本実施形態において同様。)を算出し、算出した差(差の絶対値。以下同様。)が所定の閾値以上であるか否かを判断する。そして、算出した差が所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上であることを示す情報又はその小領域の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。算出した差が所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上ではないことを示す情報又はその小領域の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。
なお、上記の差と比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。また、上記の周辺の小領域の動き量は、例えば、周辺の小領域の動き量の代表値(平均値、中央値、最大値等。以下同様。)である。
(第3手法)
第3手法において、制御部31は、まず、動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する各小領域について、肺領域内におけるその小領域に連続した陰影を検出する処理を行う。ここで、肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域に連続した陰影とは、例えば、図6の肺領域の拡大図に矢印で示すような索状陰影を指す。図6では肺輪郭上の小領域Rに連続する陰影を示している。小領域に連続した陰影は、例えば、肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域を基点として、その小領域の信号値との差が所定の閾値以内の領域を領域拡張法等によって求め、求めた領域のうち前記小領域と連続し太さが2mm~3mmの領域を抽出することで検出することができる。肺領域内におけるその小領域に連続した陰影が検出された場合、制御部31は、その小領域の動き量と、肺領域内のその小領域に連続した陰影上にある他の小領域の動き量との差を算出し、算出した差が所定の閾値以上であるか否かを判断する。そして、算出した差が所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上であることを示す情報又はその小領域の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。算出した差が所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上ではないことを示す情報又はその小領域の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。
なお、上記の差と比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。また、小領域に連続した陰影上にある他の小領域の動き量は、例えば、小領域に連続した陰影上にある他の小領域の動き量の代表値である。
(第4手法)
胸膜の癒着がある場合、臓側胸膜における癒着がある部分の小領域の動きが小さくなり、その小領域とその小領域に連続した陰影上にある他の小領域との間に動き量に差がでてくる。そのため、その小領域及びその小領域に連続した陰影上にある他の小領域からなる領域内の動き量のばらつきは大きくなる。そこで、第4手法では、このばらつきに基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する。
例えば、制御部31は、動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する各小領域について、肺領域内においてその小領域に連続した陰影を検出する処理を行い、検出された場合に、その小領域及びその小領域に連続した陰影上にある他の小領域からなる領域内の動き量のばらつきとして、例えば、標準偏差又は分散を算出する。そして、算出したばらつきが所定の閾値以上であるか否かを判断する。算出したばらつきが所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出したばらつきが所定の閾値以上であることを示す情報又はその小領域の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。算出したばらつきが所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出したばらつきが所定の閾値以上ではないことを示す情報又はその小領域の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。
なお、上記のばらつきと比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。また、小領域に連続した陰影の検出手法は、例えば、第3手法で説明した手法を用いることができる。
(第1手法~第4手法のいずれか2以上の組み合わせ)
上述のように、第1手法~第4手法のいずれかにより胸膜の癒着に関する情報を生成してもよいし、複数の手法を組み合わせて、胸膜の癒着に関する情報を生成してもよい。いずれの手法又はいずれの手法の組み合わせにより胸膜の癒着に関する情報を生成するかは、予め定められていてもよいし、操作部33によりユーザーが設定してもよい。あるいは、検出感度を高めたい(癒着のある人を見逃したくない)又は特異度を高めたい(慎重に癒着のある人を検出したい)等の、操作部33によりユーザーの設定したニーズに応じた手法で胸膜の癒着に関する情報を生成してもよい。以下、ユーザーの設定したニーズに応じて、複数の手法を組み合わせて、胸膜の癒着に関する情報を生成する例について説明する。
図7は、ユーザーのニーズが「検出感度を高めたい」であることが設定されている場合に実施される癒着情報生成処理A(感度高)の流れを示すフローチャートである。癒着情報生成処理A(感度高)は、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部31は、動態画像から1つの小領域を選択する(ステップS161)。
次いで、制御部31は、選択された小領域が肺領域の胸郭側の輪郭上に位置するか否かを判断する(ステップS162)。
選択された小領域が肺領域の胸郭側の輪郭上に位置しないと判断した場合(ステップS162;NO)、制御部31は、ステップS170に移行する。
選択された小領域が肺領域の胸郭側の輪郭上に位置すると判断した場合(ステップS162;YES)、制御部31は、その小領域の動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS163)。
選択された小領域の動き量が所定の閾値以下であると判断した場合(ステップS163;YES)、制御部31は、選択された小領域の動きが低下していると判断し、その小領域の動きが低下していることを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS168)、ステップS170に移行する。
選択された小領域の動き量が所定の閾値を上回ると判断した場合(ステップS163;NO)、制御部31は、動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影を検出する処理を行う(ステップS164)。
次いで、制御部31は、動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影が検出されたか否かを判断する(ステップS165)。
動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影が検出されなかったと判断した場合(ステップS165;NO)、制御部31は、選択された小領域の動き量が低下していないと判断し、その小領域の動き量が低下していないことを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS169)、ステップS170に移行する。
動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影が検出されたと判断した場合(ステップS165;YES)、制御部31は、選択された小領域の動き量と、選択された小領域と連続した陰影上の他の小領域の動き量(代表値)との差を算出する(ステップS166)。
そして、算出された差が所定の閾値以上であるか否かを判断し、算出された差が所定の閾値以上であると判断した場合(ステップS167;YES)、制御部31は、選択された小領域の動き量が低下していると判断し、その小領域の動き量が低下していることを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS168)、ステップS170に移行する。
算出された差が所定の閾値を下回ると判断した場合(ステップS167;NO)、制御部31は、選択された小領域の動き量が低下していないと判断し、その小領域の動き量が低下していないことを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS169)、ステップS170に移行する。
ステップS170において、制御部31は、全ての小領域についてのステップS161~S169の処理が終了したか否かを判断する(ステップS170)。
全ての小領域についてのステップS161~S169の処理が終了していないと判断した場合(ステップS170;NO)、制御部31は、ステップS161に戻り、まだ処理が実施されていない小領域を選択して、S161~S169の処理を実行する。全ての小領域についてのステップS161~S169の処理が終了したと判断した場合(ステップS170;YES)、制御部31は、癒着情報生成処理A(感度高)を終了する。
図7に示す癒着情報生成処理A(感度高)においては、ステップS163において、上述の第1手法を用いた判断を行い、判断結果がYESの場合は、小領域の動き量が低下していると判断してその旨を示す胸膜の癒着に関する情報を生成し、判断結果がNOの場合は、上述の第3手法を用いた判断を行って、判断結果がYESの場合に、選択された小領域の動き量が低下していると判断してその旨を示す胸膜の癒着に関する情報を生成し、NOの場合に、選択された小領域の動き量が低下していないと判断してその旨を示す胸膜の癒着に関する情報を生成している。よって、第1手法のみ、又は第3手法のみを用いて胸膜の癒着に関する情報を生成するよりも、癒着の感度を高めることができる。
なお、図7の処理において、第1手法の代わりに第2手法を用いてもよい。また、第3手法の代わりに第4手法を用いてもよい。また、第1手法~第4手法の判断を全て行い、全ての手法における判断結果がNOである場合に、選択された小領域の動き量が低下していないと判断し、1つでもYESの判断結果がある場合に、選択された小領域の動き量が低下していると判断し、判断結果を胸膜の癒着に関する情報として生成することとしてもよい。
図8は、ユーザーのニーズが「特異度を高めたい」であることが設定されている場合に実施される癒着情報生成処理A(特異度高)の流れを示すフローチャートである。癒着情報生成処理A(特異度高)は、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部31は、動態画像から1つの小領域を選択する(ステップS181)。
次いで、制御部31は、選択された小領域が肺領域の胸郭側の輪郭上に位置するか否かを判断する(ステップS182)。
選択された小領域が肺領域の胸郭側の輪郭上に位置しないと判断した場合(ステップS182;NO)、制御部31は、ステップS190に移行する。
選択された小領域が肺領域の胸郭側の輪郭上に位置すると判断した場合(ステップS182;YES)、制御部31は、その小領域の動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS183)。
選択された小領域の動き量が所定の閾値を上回ると判断した場合(ステップS183;NO)、制御部31は、選択された小領域の動きが低下していないと判断し、その小領域の動きが低下していないことを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS189)、ステップS190に移行する。
選択された小領域の動き量が所定の閾値以下であると判断した場合(ステップS183;YES)、制御部31は、動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影を検出する(ステップS184)。ステップS184における検出手法は、上述の第3手法で説明した手法を用いることができる。
次いで、制御部31は、動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影が検出されたか否かを判断する(ステップS185)。
動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影が検出されなかったと判断した場合(ステップS185;NO)、制御部31は、選択された小領域の動き量が低下していないと判断し、その小領域の動き量が低下していないことを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS189)、ステップS190に移行する。
動態画像の肺領域内においてその選択された小領域と連続した陰影が検出されたと判断した場合(ステップS185;YES)、制御部31は、選択された小領域と、選択された小領域と連続した陰影上の他の小領域の動き量(代表値)との差を算出する(ステップS186)。
そして、算出された差が所定の閾値以上であるか否かを判断し、算出された差が所定の閾値以上であると判断した場合(ステップS187;YES)、制御部31は、選択された小領域の動き量が低下していると判断し、その小領域の動き量が低下していることを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS188)、ステップS190に移行する。
算出された差が所定の閾値を下回ると判断した場合(ステップS187;NO)、制御部31は、選択された小領域の動き量が低下していないと判断し、その小領域の動き量が低下していないことを示す情報をその小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶し(ステップS189)、ステップS190に移行する。
ステップS190において、制御部31は、全ての小領域についてのステップS181~S189の処理が終了したか否かを判断する(ステップS190)。
全ての小領域についてのステップS181~S189の処理が終了していないと判断した場合(ステップS190;NO)、制御部31は、ステップS181に戻り、まだ処理が実施されていない小領域を選択して、S181~S189の処理を実行する。全ての小領域についてのステップS181~S189の処理が終了したと判断した場合(ステップS190;YES)、制御部31は、図8に示す癒着情報生成処理A(特異度高)を終了する。
図8に示す癒着情報生成処理A(特異度高)においては、ステップS183において、上述の第1手法を用いた判断を行い、判断結果がYESの場合は、上述の第3手法を用いた判断を行って、第3手法を用いた判断結果がYESの場合に、選択された小領域の動き量が低下していると判断してその旨を示す胸膜の癒着に関する情報を生成する。第1手法を用いた判断結果がNO、又は第1手法を用いた判断結果がYESであっても第3手法を用いた判断結果がNOの場合は、選択された小領域の動き量が低下していないと判断してその旨を示す胸膜の癒着に関する情報を生成している。よって、第1手法のみ、又は第3手法のみを用いて胸膜の癒着に関する情報を生成するよりも、動き量が低下しているか否かの判断を慎重に行うことができ、癒着の特異度を高めることができる。
なお、図8の処理において、第1手法の代わりに第2手法を用いてもよい。また、第3手法の代わりに第4手法を用いてもよい。また、第1手法~第4手法の判断を全て行い、全ての手法における判断結果がYESである場合に、選択された小領域の動き量が低下していると判断し、1つでもNOの判断結果がある場合に、選択された小領域の動き量が低下していないと判断し、判断結果を胸膜の癒着に関する情報として生成することとしてもよい。
図3に戻り、ステップS16における癒着情報生成処理Aが終了すると、制御部31は、生成された胸膜の癒着に関する情報を出力する(ステップS17)。
生成された胸膜の癒着に関する情報は、文字や数値として出力してもよいし、画像上に文字や数値に応じた色を付すことにより出力してもよい。
例えば、ステップS16において第1手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、図9に示すように、基準フレーム画像(例えば、最大吸気位のフレーム画像)上の各小領域に動きベクトルをマッピングし、動き量が所定の閾値以下であると判断された小領域(動き低下領域)の動きベクトルを他の小領域の動きベクトルとは異なる色で表示部34に表示する。なお、図9に示すように、さらに、その小領域又は動きベクトルをアノテーション等により強調表示してもよい。あるいは、図10に示すように、基準フレーム画像上の各小領域に動き量に応じた色を付与して表示部34に表示してもよい。なお、図10に示すように、さらに、動き量が所定の閾値以下であると判断された小領域(動き低下領域)をアノテーション等により強調表示してもよい。あるいは、図11に示すように、基準フレーム画像上の、動き量が所定の閾値以下であると判断された小領域(動き低下領域)に所定の色やマーカーを付して表示部34に表示してもよい。これにより、臓側胸膜の動き量が低下している領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
また、例えば、ステップS16において第2手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、図11に示すように、基準フレーム画像上の、周囲の小領域の動き量との差が所定の閾値以上であると判断された小領域(動き量が低下領域)に所定の色やマーカーを付して表示部34に表示する。これにより、臓側胸膜の動き量が低下している領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
また、例えば、ステップS16において第3手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、図12に示すように、基準フレーム画像上の、肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域であって、その小領域の動き量と当該小領域に連続した陰影の小領域の動き量との差が所定の閾値以上であると判断された小領域(注目領域とする)と、その注目領域に連続した陰影上の他の小領域に動きベクトルをマッピングして表示部34に表示する。注目領域の動きベクトルは陰影上の他の小領域の動きベクトルとは異なる色で表示部34に表示する。これにより、臓側胸膜の動き量が低下している領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。また、注目領域とこれに連続する陰影上の他の小領域の動きベクトルを比較することができる。あるいは、図11に示すように、基準フレーム画像上の注目領域の位置に所定の色やマーカーを付して表示部34に表示してもよい。さらに、図13に示すように、注目領域及び注目領域に連続した陰影上の他の陰影の小領域をマーカー等で表示してもよい。
また、例えば、ステップS16において第4手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、図14に示すように、基準フレーム画像上の、肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域であって、その小領域及び当該小領域に連続した陰影上にある他の小領域からなる領域内の動き量のばらつきが所定の閾値以上であると判断された小領域(注目領域とする)と、その注目領域に連続した陰影上の他の小領域に動きベクトルをマッピングして表示部34に表示する。また、図14に示すように、上述の連続した陰影上にある小領域(輪郭上の小領域を含む)の動きベクトルの始点同士及び終点同士を結んだ線を表示する。これにより、臓側胸膜の動き量が低下している領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。また、陰影上の動き量のばらつき具合をユーザーが確認することができる。
また、例えば、ステップS16において、第1手法~第4手法の複数の手法を用いて胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、図11に示すように、動き量が低下していると判断された小領域に所定の色やマーカーを付して表示部34に表示する。これにより、臓側胸膜の動き量が低下している領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
ステップS17の処理が終了すると、制御部31は、動態解析処理Aを終了する。
なお、上記説明では、肺領域内の小領域の動き量は、基準フレーム画像(例えば、最大吸気位フレーム画像)からの当該小領域の位置の変化量(絶対量)として説明したが、基準フレーム画像における胸郭上の小領域との距離(相対量)としてもよい。動き量が相対量の場合は、例えば、図3のステップS12の前処理の後、オプティカルフローを実行して肺領域内の小領域ごとに隣接するフレーム画像間で対応点を求め、各フレーム画像における小領域の位置と、基準フレーム画像における胸郭上に位置する小領域(例えば、肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域に隣接する肺領域外の小領域)の位置との距離を動き量とする。
以上説明したように、第1の実施形態における診断用コンソール3の制御部31は、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得し、取得した動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成し、生成された胸膜の癒着に関する情報を表示部34により表示出力する。
したがって、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を用いて胸膜の癒着に関する情報を生成することができるので、従来のように、装置のコストの点から一般の医療施設には導入しづらく、また、撮影手続きの煩雑さや被ばく量の多さなどが問題となる4D-CTや、局所撮影のため被写体の全体が概観できず、全体を撮影しようとすると撮影時間が膨大となり、撮影手技も難しい超音波診断装置を用いることなく、胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易に取得することが可能となる。その結果、一般の医療施設において、コストが高く大掛かりな装置を導入することなく、少ない被ばく量で胸膜の癒着に関する情報を容易に取得することが可能となる。
また、動態画像における肺野内の胸膜の癒着が発生する領域である胸郭に隣接する領域(臓側胸膜を表す領域)に着目し、胸郭に隣接する領域を含む領域の動き量に基づいて胸膜の癒着に関する情報を生成するので、横隔膜の形状変化や横隔膜変位に係る位相と呼吸位相の不整合から癒着を検出する従来の技術に比べ、胸膜の癒着に関する情報を精度よく取得することが可能となる。また、小領域ごとに胸膜の癒着に関する情報を生成して出力することで、癒着の可能性がある位置や程度をユーザーが容易に把握することが可能となる。また、胸郭周辺は肺の末梢に位置するため肺領域の中枢に比べて血管影が少ないが、索状陰影が認識しやすいため、精度よく動き量を算出することができ、癒着の見逃しを低減することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、肺領域内の第一の領域の動き量と、第一の領域とは異なる第二の領域の動き量の差(又は比率。以下本実施形態において同様。)に基づいて胸膜の癒着に関する情報を生成する例について説明する。
第2の実施形態における動態解析システム100、撮影装置1、撮影用コンソール2、及び診断用コンソール3の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、撮影装置1、撮影用コンソール2の動作も第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態における診断用コンソール3の動作について説明する。
第2の実施形態において、診断用コンソール3は、通信部35を介して撮影用コンソール2から胸部の動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により、図15に示す動態解析処理Bを実行する。制御部31は、動態解析処理Bを実行することにより、取得部、生成部として機能する。
動態解析処理Bにおいて、制御部31は、まず、ステップS21~S25の処理を実行する。ステップS21~S25の処理は、図3のステップS11~S15と同様であるので説明を援用する。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理Bを実行する(ステップS26)。
ステップS26の癒着情報生成処理Bにおいて、制御部31は、ステップS25で作成された動き量MAPを参照し、肺領域内の第一の領域の動き量と、その周辺の第二の領域の動き量との差に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する。具体的には、以下の第1手法~第4手法のいずれかにより、胸膜の癒着に関する情報を生成する。
(第1手法)
第1手法において、制御部31は、動態画像における肺領域内の各小領域(第一の領域)の動き量と、その小領域の周辺の小領域(第二の領域。ここでは第一の領域の小領域からの距離が所定範囲内(例えば、第一の領域の小領域中心から半径30mm以内)の小領域)の動き量の差を算出し、算出した差が所定の閾値以上であるか否かを判断する。そして、算出した差が所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上であることを示す情報又はその小領域の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。算出した差が所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上ではないことを示す情報又はその小領域の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。
ここで、差を求める対象とする周辺の小領域は、縦方向(肺領域の上下方向)で近接する小領域のみとしてもよいし、横方向(肺領域の左右方向)で近接する小領域のみとしてもよいし、両方向で近接する小領域としてもよい。周辺の小領域が複数である場合、周辺の小領域の動き量は、周辺の複数の小領域の動き量の代表値とする。また、算出した差と比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。
(第2手法)
第2手法において、制御部31は、動態画像における肺領域を所定方向(例えば、肺領域の上下方向、左右方向、上下及び左右方向)に複数のブロックに分割し、各ブロック(第一の領域)の動き量と、そのブロックに隣接するブロック(第二の領域)との動き量の差又は前記差が所定の閾値以上であるか否かに基づいて胸膜の癒着に関する情報を生成する。
例えば、制御部31は、動態画像における肺領域を所定方向に複数のブロックに分割し、各ブロック内に含まれる小領域の動き量の代表値を各ブロックの動き量として算出し、そのブロックに隣接するブロック内に含まれる小領域の動き量の代表値を隣接するブロックの動き量として算出する。そして、各ブロック内に含まれる小領域の動き量の代表値とそのブロックに隣接するブロック内に含まれる小領域の動き量の代表値との差を算出する。そして、算出した差が所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上であることを示す情報又はそのブロック(第一の領域)の動き量が低下していることを示す情報を、そのブロックの胸膜の癒着に関する情報としてそのブロックに対応付けてRAM等に記憶する。算出した差が所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上ではないことを示す情報又はそのブロック(第一の領域)の動き量が低下していないことを示す情報を、そのブロックの胸膜の癒着に関する情報としてそのブロックに対応付けてRAM等に記憶する。なお、上述の所定の閾値は、臨床実験にて求められた値を用いる。
差を求める対象となる隣接するブロックは、縦方向に隣接するブロックとしてもよいし、横方向に隣接するブロックとしてもよいし、縦方向及び横方向に隣接するブロックとしてもよい。また、隣接するブロックとの動き量の差は、差を求める対象となる複数の隣接ブロックのそれぞれと求めた動き量の差の代表値である。縦方向及び横方向に隣接するブロックとの動き量の差を求める場合は、縦方向の差と横方向の差を別々に算出してもよいし、統合してもよい。
図16(a)は、横軸を動き量、縦軸を肺領域における縦方向の位置とした空間上に、癒着による動き低下領域のない肺領域を縦方向に一定間隔で分割した各ブロックの動き量(各ブロック内の動き量の代表値)をプロットしたグラフの一例である。図16(b)は、横軸を動き量、縦軸を肺領域における縦方向の位置とした空間上に、癒着ありの肺領域を縦方向に分割した各ブロックの動き量(各ブロック内の動き量の代表値)をプロットしたグラフの一例である。図16(a)に示すように、癒着がない場合、ブロックの位置が下になるにつれて徐々に動き量が大きくなっていることがわかる。一方、癒着がある場合、図16(b)に示すように、癒着のある箇所(矢印で示す箇所)で隣接するブロック間との動き量の差が大きくなる。
このように、隣接するブロックとの動き量の差の大きさによって癒着による動き低下領域の有無を判断することができる。
なお、第2手法において、肺領域の分割は、一定方向に、具体的には、肺領域の上下方向に行うことが好ましい。肺の動きは横隔膜の動きによるものが支配的であるため、肺領域の上下方向で分割した方が肺の動きを表現しやすいためである。また、各ブロックの動き量とそのブロックに隣接するブロックの動き量の差と比較するための所定の閾値は、肺領域における位置に応じて変更することが好ましい。例えば、上肺野は動き量が小さく、下肺野は動き量が大きいため、上肺野は閾値を小さく、下肺野は閾値を大きくすることが好ましい。
(第3手法)
第3手法では、制御部31は、第2手法で説明した、各ブロックの動き量(各ブロックに含まれる小領域の動き量の代表値)と、上述の差を求める対象となる隣接するブロックの動き量(隣接するブロックに含まれる小領域の動き量の代表値)との差のばらつき(標準偏差又は分散)を算出して、算出したばらつきを胸膜の癒着に関する情報としてRAM等に記憶する。または、算出したばらつきを所定の閾値と比較し、算出したばらつきが所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出したばらつきが所定の閾値以上であることを示す情報又は肺領域に動き量が低下している領域があることを示す情報を、胸膜の癒着に関する情報としてRAM等に記憶する。算出したばらつきが所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出したばらつきが所定の閾値以上ではないことを示す情報又は肺領域の動き量が低下していないことを示す情報を、胸膜の癒着に関する情報としてRAM等に記憶する。なお、上述の所定の閾値は、臨床実験にて求められた値を用いる。
(第4手法)
第4手法において、制御部31は、動態画像における肺領域内の各小領域(第一の領域)の動き量と、その小領域が存在する肺とは左右が異なる肺における当該小領域と同等の位置にある小領域(第二の領域)の動き量の差を算出し、算出結果を胸膜の癒着に関する情報として生成する。または、算出した差を所定の閾値と比較し、算出した差が所定の閾値以上であると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上であることを示す情報又はその小領域(第一の領域)の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。算出した差が所定の閾値を下回ると判断した場合、制御部31は、算出した差が所定の閾値以上ではないことを示す情報又はその小領域(第一の領域)の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。なお算出した差と比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。
癒着情報生成処理Bでは、肺の動きや体動が大きく、各小領域の動き量の低下を判断しにくい症例であっても、複数の小領域間又は複数の小領域からなるブロック間の動き量の差を求めることで、癒着により動き量の低下している領域を精度よく検出することができる。また、肺領域の場所によって(例えば、肺尖部と肺底部)動きの大きさや方向が違うため、周辺の領域や左右の肺で同等の位置の領域との差を求めることで、動き量の低下をより精度よく検出することができる。
図9のステップS26における癒着情報生成処理Bが終了すると、制御部31は、生成された胸膜の癒着に関する情報を出力する(ステップS27)。
生成された胸膜の癒着に関する情報は、文字や数値として出力してもよいし、画像上に文字や数値に応じた色を付すことにより出力してもよい。
例えば、ステップS26において第1手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、図17に示すように、基準フレーム画像上の各小領域に、その小領域の動き量と周辺の小領域の動き量との差に応じた色を付して表示部34に表示する。また、これとともに、図18に示すように、基準フレーム画像上の各小領域に、その小領域の動き量に応じた色を付して表示部34に表示してもよい。あるいは、図19に示すように、基準フレーム画像上の、周辺の小領域の動き量との差が所定の閾値以上となった小領域のみに色を付して強調表示してもよい。これにより、癒着の可能性がある動き低下領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
また、例えば、ステップS26において第2手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、基準フレーム画像上の各ブロックに、そのブロックの動き量と隣接するブロックの動き量との差に応じた色を付して表示部34に表示する。また、これとともに、図20に示すように、基準フレーム画像上の各ブロックに、そのブロックの動き量に応じた色を付して表示部34に表示することとしてもよい。あるいは、基準フレーム画像上の、隣接するブロックの動き量との差が所定の閾値以上となったブロックに所定の色を付すことにより強調表示してもよい。これにより、癒着の可能性がある動き低下領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
また、例えば、ステップS26において第3手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、胸膜の癒着に関する情報を、例えば数値で表示部34に表示する。また、基準フレーム画像上の各ブロックに、そのブロックについて算出された差に応じた色を付して表示部34に表示することとしてもよい。これにより、肺領域内に癒着の可能性がある動き低下領域があることをユーザーに分かりやすく示すことができる。
また、例えば、ステップS26において第4手法で胸膜の癒着に関する情報が生成された場合、制御部31は、基準フレーム画像上の各小領域に、その小領域の動き量と当該小領域と左右が異なる肺領域でその小領域と同等の位置にある小領域の動き量との差に応じた色を付して表示部34に表示する。あるいは、基準フレーム画像上の、左右が異なる肺領域の同等の位置にある小領域の動き量との差が所定の閾値以上となった小領域に所定の色を付すことにより強調表示してもよい。これにより、癒着の可能性がある領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
以上説明したように、第2の実施形態における診断用コンソール3の制御部31は、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得し、取得した動態画像における肺領域内の第一の領域の動き量と、当該第一の領域とは異なる第二の領域の動き量との差又は比率に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成し、生成された胸膜の癒着に関する情報を表示部34により表示出力する。
したがって、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を用いて胸膜の癒着に関する情報を生成することができるので、従来のように、装置のコストの点から一般の医療施設には導入しづらく、また、撮影手続きの煩雑さや被ばく量の多さなどが問題となる4D-CTや、局所撮影のため被写体の全体が概観できず、全体を撮影しようとすると撮影時間が膨大となり、撮影手技も難しい超音波診断装置を用いることなく、胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易に取得することが可能となる。その結果、一般の医療施設において、コストが高く大掛かりな装置を導入することなく、少ない被ばく量で胸膜の癒着に関する情報を容易に取得することが可能となる。
また、動態画像における肺領域内の複数の領域間(例えば、小領域間又は複数の小領域からなるブロック間)の動き量の差又は比率に基づいて胸膜の癒着に関する情報を生成するので、肺の動きや体動が大きく、各領域の動き量の低下を判断しにくい症例であっても、胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易かつ精度よく取得することが可能となる。また、横隔膜の形状変化や横隔膜変位に係る位相と呼吸位相の不整合から癒着を検出する従来の技術に比べ、胸膜の癒着に関する情報を精度よく取得することが可能となる。また、小領域やブロックごとに胸膜の癒着に関する情報を生成して出力することで、癒着の可能性がある位置や程度をユーザーが容易に把握することが可能となる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量と閾値に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する例について説明する。
第3実施形態における動態解析システム100、撮影装置1、撮影用コンソール2、及び診断用コンソール3の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、撮影装置1、撮影用コンソール2の動作も第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第3の実施形態における診断用コンソール3の動作について説明する。
第3の実施形態において、診断用コンソール3は、通信部35を介して撮影用コンソール2から胸部の動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により、図21に示す動態解析処理Cを実行する。制御部31は、動態解析処理Cを実行することにより、取得部、生成部として機能する。
動態解析処理Cにおいて、制御部31は、まず、ステップS31~S35の処理を実行する。ステップS31~S35の処理は、図3のステップS11~S15と同様であるので説明を援用する。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理Cを実行する(ステップS36)。
ステップS36の癒着情報生成処理Cにおいて、制御部31は、ステップS35で作成された動き量MAPを参照し、肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する。
癒着情報生成処理Cにおいて、例えば、制御部31は、動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域を除いた肺領域内の各小領域について、その小領域の動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断し、動き量が所定の閾値以下であると判断した場合、その小領域の動き量が所定の閾値以下であることを示す情報、又はその小領域の動き量が低下していることを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。動き量が所定の閾値を超えていると判断した場合、制御部31は、その小領域の動き量が所定の閾値以下ではない(所定の閾値を超えている)ことを示す情報、又はその小領域の動き量が低下していないことを示す情報を、その小領域の胸膜の癒着に関する情報としてその小領域に対応付けてRAM等に記憶する。
なお、小領域の動き量と比較する所定の閾値は、臨床実験にて検証された値を用いる。
胸膜の癒着のある領域では、他の領域に比べて動き量が小さくなる。癒着情報生成処理Cでは、動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域を除く肺領域内の各小領域について、動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断し、動き量が所定の閾値以下であると判断した場合、その小領域は癒着の可能性があると判断して、判断結果に基づいて胸膜の癒着に関する情報を生成するので、肺領域のうち体の腹側か背側における胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で容易かつ精度よく生成することができる。
図21のステップS36における癒着情報生成処理Cが終了すると、制御部31は、生成された胸膜の癒着に関する情報を出力する(ステップS37)。
生成された胸膜の癒着に関する情報は、文字や数値として出力してもよいし、画像上に文字や数値に応じた色を付すことにより出力してもよい。
例えば、基準フレーム画像上の各小領域に動きベクトルに基づく動き量に応じた色を付与して表示部34に表示する。または、基準フレーム画像上の各小領域に動きベクトルをマッピングし、動き量が所定の閾値以下の小領域の動きベクトルを他の小領域の動きベクトルとは異なる色で表示部34に表示する。または、動き量が所定の閾値以下の小領域をアノテーション等により強調表示してもよい。あるいは、基準フレーム画像上の、動き量が所定の閾値以下の小領域に所定の色やマーカーを付して表示部34に表示してもよい。これにより、癒着の可能性があり動き量が低下している領域を強調してユーザーに分かりやすく示すことができる。
以上説明したように、第3の実施形態における診断用コンソール3の制御部31は、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得し、取得した動態画像における肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成し、生成された胸膜の癒着に関する情報を表示部34により表示出力する。
したがって、放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を用いて胸膜の癒着に関する情報を生成することができるので、従来のように、装置のコストの点から一般の医療施設には導入しづらく、また、撮影手続きの煩雑さや被ばく量の多さなどが問題となる4D-CTや、局所撮影のため被写体の全体が概観できず、全体を撮影しようとすると撮影時間が膨大となり、撮影手技も難しい超音波診断装置を用いることなく、胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で簡易に取得することが可能となる。その結果、一般の医療施設において、コストが高く大掛かりな装置を導入することなく、少ない被ばく量で胸膜の癒着に関する情報を容易に取得することが可能となる。
また、動態画像における肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成するので、横隔膜の形状変化や横隔膜変位に係る位相と呼吸位相の不整合から癒着を検出する従来の技術に比べ、肺領域のうち体の腹側か背側における胸膜の癒着に関する情報を少ない被ばく量で容易かつ精度よく生成することができる。また、第3の実施形態では、癒着がある場合には肺の広い範囲で動き量の低下が見られるため、ユーザーが直観的に癒着の有無を判断しやすく、読影効率がよい。また、小領域ごとに胸膜の癒着に関する情報を生成して出力することで、癒着の可能性がある位置や程度をユーザーが容易に把握することが可能となる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、上述の癒着情報生成処理A、癒着情報生成処理B、癒着情報生成処理Cを順次実施して、癒着情報生成処理A~癒着情報生成処理Cにおいて生成された胸膜の癒着に関する情報に基づいて、総合的に癒着の有無を判定する例について説明する。
第4実施形態における動態解析システム100、撮影装置1、撮影用コンソール2、及び診断用コンソール3の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、撮影装置1、撮影用コンソール2の動作も第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第4の実施形態における診断用コンソール3の動作について説明する。
第4の実施形態において、診断用コンソール3は、通信部35を介して撮影用コンソール2から胸部の動態画像の一連のフレーム画像が受信されると、制御部31と記憶部32に記憶されているプログラムとの協働により、図22に示す動態解析処理Dを実行する。制御部31は、動態解析処理Dを実行することにより、取得部、生成部、第二の生成部、第三の生成部、判定部、算出部として機能する。
動態解析処理Dにおいて、制御部31は、まず、ステップS41~S45の処理を実行する。ステップS41~S45の処理は、図3のステップS11~S15と同様であるので説明を援用する。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理Aを実行する(ステップS46)。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理Bを実行する(ステップS47)。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理Cを実行する(ステップS48)。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理A~Cで生成された胸膜の癒着に関する情報に基づいて、動態画像の肺領域に癒着の可能性があるか否かを判定する(ステップS49)。
例えば、制御部31は、癒着情報生成処理A~Cの少なくとも1つ以上において生成された胸膜の癒着に関する情報に動き量が低下していることを示す情報が含まれている場合、動態画像の肺領域に癒着の可能性があると判定する。
なお、癒着の検出感度を高めたい場合は癒着情報生成処理A~Cの少なくとも1つ以上において生成された胸膜の癒着に関する情報に動き量が低下していることを示す情報が含まれている場合、肺領域に癒着の可能性があると判定し、特異度を高めたい場合は癒着情報生成処理A~Cの少なくとも2つ以上において生成された胸膜の癒着に関する情報に動き量が低下していることを示す情報が含まれている場合、肺領域に癒着があると判定することとしてもよい。
次いで、制御部31は、癒着情報生成処理A~Cで生成された胸膜の癒着に関する情報に含まれる、肺領域内(小領域内)の動き量が低下していることを示す情報の数に基づいて、ステップS49の判定の確度(信頼度)を算出する(ステップS50)。
例えば、癒着情報生成処理A~Cの各処理で生成された胸膜の癒着に関する情報において、少なくとも一つの小領域の胸膜の癒着に関する情報に動き量が低下していることを示す情報が含まれている場合に1をカウントして、癒着情報生成処理A~Cのカウントの合計数を算出する。癒着情報生成処理AとCは別の領域に対する処理であるため、両方の処理で動き量が低下していると判断される小領域はなく、カウント数の最大は2となる。そして、算出したカウントの合計数/最大カウント数(ここでは2)を判定の確度として算出する。すなわち、判定の確度は、0、1/2=50%、2/2=100%となる。癒着情報生成処理A~Cのカウント数に重みを付けてもよい。例えば、癒着情報生成処理Cは、広い範囲で動き量が低下していると判断されている可能性が高いため、癒着情報生成処理AとBに比べて重みを2倍にする。
また、小領域ごとに、癒着情報生成処理A~Cで生成された胸膜の癒着に関する情報に動き量が低下していることを示す情報が含まれている数をカウントし(最大2)、カウントの合計数/最大カウント数(ここでは2)をその小領域の判定の確度(0、1/2=50%、2/2=100%)として算出してもよい。また、上述のように、癒着情報生成処理A~Cのカウント数に重みを付けてもよい。
そして、制御部31は、癒着の可能性の有無の判定結果及び確度を出力する(ステップS51)。
例えば、ステップS49で判定された判定結果及びステップS50で算出された判定の確度を表示部34に表示する。癒着情報生成処理A~Cで生成された胸膜の癒着に関する情報を併せて表示してもよい。
以上説明したように、第4の実施形態における診断用コンソール3の制御部31は、癒着情報生成処理A~Cにより生成された胸膜の癒着に関する情報に基づいて、胸膜の癒着の可能性を判定して出力する。したがって、肺領域に癒着があるか否かをユーザーが容易に判断することが可能となる。
なお、上記第1~第4の実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、表示部34を出力部として、胸膜の癒着に関する情報を表示部34に表示する場合を例にとり説明したが、例えば、出力部を通信部35として胸膜の癒着に関する情報を通信部35により外部装置に出力し、外部装置において胸膜の癒着に関する情報を表示、出力、又は印刷することとしてもよい。
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、動態解析システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 動態解析システム
1 撮影装置
11 放射線源
12 放射線照射制御装置
13 放射線検出部
14 読取制御装置
2 撮影用コンソール
21 制御部
22 記憶部
23 操作部
24 表示部
25 通信部
26 バス
3 診断用コンソール
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
34 表示部
35 通信部
36 バス

Claims (30)

  1. 放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部と、
    前記動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部と、
    前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部と、
    を備える動態画像解析装置。
  2. 前記胸郭に隣接した領域は、前記動態画像における肺領域の胸郭側の輪郭上の領域である請求項1に記載の動態画像解析装置。
  3. 前記胸郭に隣接した領域は、臓側胸膜を表す領域である請求項1又は2に記載の動態画像解析装置。
  4. 前記生成部は、前記臓側胸膜を表す領域の動き量と、前記肺領域内の前記臓側胸膜を表す領域とは異なる領域を比較し、前記臓側胸膜の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項3に記載の動態画像解析装置。
  5. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域の動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記小領域の動き量が前記所定の閾値以下であるか否かを示す情報、又は前記小領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項1~3のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  6. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域の動き量と、当該小領域からの距離が所定範囲内の他の小領域の動き量との差又は比率が所定の閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記差又は比率が前記所定の閾値以上であるか否かを示す情報、又は前記小領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項1~5のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  7. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域の動き量と、当該小領域と連続した陰影上にある他の小領域の動き量との差又は比率が所定の閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記差又は比率が前記所定の閾値以上であるか否かを示す情報、又は前記小領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項1~6のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  8. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の胸郭側の輪郭上に位置する小領域及び当該小領域と連続した陰影上にある他の小領域からなる領域内の動き量のばらつきが所定の閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記ばらつきが前記所定の閾値以上であるか否かを示す情報、又は前記小領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項1~7のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  9. 前記動き量は、前記動態画像における基準フレーム画像からの位置の変化量である請求項1~8のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  10. 前記動き量は、前記動態画像における基準フレーム画像における胸郭上にある小領域との距離である請求項1~8のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  11. 前記動態画像における前記肺領域内の第一の領域の動き量と、当該第一の領域とは異なる第二の領域の動き量との差又は比率に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する第二の生成部と、
    前記動態画像における前記肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する第三の生成部と、
    前記生成部により生成された胸膜の癒着に関する情報と、前記第二の生成部により生成された胸膜の癒着に関する情報と、前記第三の生成部により生成された胸膜の癒着に関する情報と、に基づいて、前記動態画像における肺領域に癒着の可能性があるか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記出力部は、前記判定部による判定結果を出力する請求項1~10のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  12. 前記判定部は、前記生成部、前記第二の生成部、又は前記第三の生成部の少なくとも一又は二以上で生成された前記胸膜の癒着に関する情報に前記肺領域内の動き量が低下していることを示す情報が含まれている場合に、前記動態画像における肺領域に癒着の可能性があると判定する請求項11に記載の動態画像解析装置。
  13. 前記生成部、前記第二の生成部及び前記第三の生成部で生成された前記胸膜の癒着に関する情報に含まれる、前記肺領域内の動き量が低下していることを示す情報の数に基づいて、前記判定部による判定結果の確度を算出する算出部を備え、
    前記出力部は、さらに、前記判定結果の確度を出力する請求項11又は12に記載の動態画像解析装置。
  14. 放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部と、
    前記動態画像における肺領域内の第一の領域の動き量と、当該第一の領域とは異なる第二の領域の動き量との差又は比率に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部と、
    前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部と、
    を備える動態画像解析装置。
  15. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の小領域の動き量と当該小領域からの距離が所定範囲内の他の小領域の動き量との差又は比率を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項11に記載の動態画像解析装置。
  16. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の小領域の動き量と、当該小領域からの距離が所定範囲内の他の小領域の動き量との差又は比率が所定の閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記差又は比率が前記所定の閾値以上であるか否かを示す情報、又は前記小領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項14又は15に記載の動態画像解析装置。
  17. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を所定方向に複数のブロックに分割して複数の小領域からなる複数のブロックを生成し、前記ブロックの動き量と、当該ブロックに隣接するブロックの動き量との差又は比率を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項14~16のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  18. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を所定方向に複数のブロックに分割し、前記ブロックの動き量と、当該ブロックに隣接するブロックの動き量との差又は比率が所定の閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記差又は比率が前記所定の閾値以上であるか否かを示す情報、又は前記ブロックの動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項14~17のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  19. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を所定方向に複数のブロックに分割し、前記複数の各ブロックの動き量と、当該ブロックに隣接するブロックの動き量との差又は比率のばらつきを前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項14~18のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  20. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を所定方向に複数のブロックに分割し、前記複数の各ブロックの動き量と、当該ブロックに隣接するブロックの動き量との差又は比率のばらつきが所定の閾値以上であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記ばらつきが前記所定の閾値以上であるか否かを示す情報、又は前記肺領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項14~19のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  21. 前記ブロックの動き量は、前記ブロック内の動き量の代表値である請求項17~20のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  22. 前記所定方向は、前記肺領域の上下方向である請求項17~21のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  23. 前記所定の閾値は、前記各ブロックの前記肺領域内の位置に基づいて変更される請求項18に記載の動態画像解析装置。
  24. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域の各小領域の動き量と、当該小領域が存在する肺と左右が異なる肺における当該小領域と同等の位置にある小領域の動き量との差又は比率を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項14~23のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  25. 放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部と、
    前記動態画像における肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部と、
    前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部と、
    を備える動態画像解析装置。
  26. 前記生成部は、前記動態画像における肺領域を一又は複数画素からなる小領域に分割し、前記肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない小領域の動き量が所定の閾値以下であるか否かを判断し、判断結果に基づいて、前記小領域の動き量が前記所定の閾値以下であるか否かを示す情報、又は前記小領域の動き量が低下しているか否かを示す情報を前記胸膜の癒着に関する情報として生成する請求項25に記載の動態画像解析装置。
  27. 前記動態画像は、呼吸状態で撮影された動態画像である請求項1~26のいずれか一項に記載の動態画像解析装置。
  28. コンピューターを、
    放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部、
    前記動態画像における肺領域内の少なくとも胸郭に隣接した領域を含む領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部、
    前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部、
    として機能させるためのプログラム。
  29. コンピューターを、
    放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部、
    前記動態画像における肺領域内の第一の領域の動き量と、当該第一の領域とは異なる第二の領域の動き量との差又は比率に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部、
    前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部、
    として機能させるためのプログラム。
  30. コンピューターを、
    放射線による動態撮影により得られた胸部の動態画像を取得する取得部、
    前記動態画像における肺領域内の胸郭に隣接した領域を含まない領域の動き量に基づいて、胸膜の癒着に関する情報を生成する生成部、
    前記生成された前記胸膜の癒着に関する情報を出力する出力部、
    として機能させるためのプログラム。
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