JP2022142214A - セラミック電子部品、実装基板およびセラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品、実装基板およびセラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗折強度の低下を抑制しつつ、低背化を可能とするとともに、素体上へのはんだの濡れ上がりを防止する。【解決手段】一態様に係るセラミック電子部品によれば、誘電体と内部電極とを有する素体と、前記内部電極が引き出される前記素体の端面および前記端面に垂直な面に形成され前記内部電極と接続し金属を含む下地層と、前記端面に垂直な面側の前記下地層上に形成されためっき層とを有する外部電極と、前記端面に垂直な面のうち、前記めっき層が形成された面と対向する面上において、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより薄い領域を有する酸化物層とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミック電子部品、実装基板およびセラミック電子部品の製造方法に関する。
電子機器の小型化および高機能化に伴って、実装基板に実装される電子部品の実装密度が増大している。このとき、IC(Integrated Circuit)チップなどの実装面側の実装面積を減少させるため、積層セラミックコンデンサを低背化し、ICチップの実装面側の反対面側に実装する方法(LSC(land-side capacitor))が提案されている。
特許文献1には、積層セラミック電子部品の素子本体の上面の一部に上側端子電極が端側電極部に連続して形成され、素子本体の下面には、端子電極が形成されていない構成が開示されている。
特開2020-21930号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、はんだを用いて積層セラミック電子部品を実装基板上に実装すると、端側電極部を介してはんだが素体上に濡れ上がり、積層セラミック電子部品の実装の支障になることがあった。
また、積層セラミックコンデンサを低背化するために、素体を薄くすると、積層セラミックコンデンサの抗折強度が低下し、積層セラミックコンデンサの実装時に積層セラミックコンデンサが割れることがあった。
そこで、本発明は、抗折強度の低下を抑制しつつ、低背化を可能とするとともに、素体上へのはんだの濡れ上がりを防止することが可能なセラミック電子部品、実装基板およびセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、誘電体と内部電極とを有する素体と、前記内部電極が引き出される前記素体の端面および前記端面に垂直な面に形成され前記内部電極と接続し金属を含む下地層と、前記端面に垂直な面側の前記下地層上に形成されためっき層とを有する外部電極と、前記端面に垂直な面のうち、前記めっき層が形成された面と対向する面上において、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより薄い領域を有する酸化物層とを備える。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記めっき層は、前記素体の端面から前記端面に垂直な互いに対向する一対の面のうちの一方の面側にかけて連続的に形成され、前記酸化物層は、前記素体の端面から前記端面に垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側にかけて連続的に形成されている。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層の厚みの薄い領域は、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの他方の面の中央部分に形成された凹部である。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記凹部は、アーチ形状を有する。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記凹部は、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの他方の面上において、前記外部電極から離れた位置にある。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層は、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより5%以上薄い。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記めっき層と前記酸化物層との境界は、前記素体の端面上に位置する。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記めっき層は、前記端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの他方の面上になく、前記素体の端面上において前記酸化物層の一部を覆っている。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記外部電極の下面から前記酸化物層の上面までの厚みは、150μm以下である。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層の主成分は、前記誘電体の主成分と同一である前。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層の材料は、酸化物セラミックである。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムのうち少なくとも1つから選択される。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層は、前記めっき層が形成された面と対向する面上において、前記下地層上および前記素体上の少なくとも一方に形成される。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記酸化物層は、前記めっき層上には形成されない。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品によれば、前記内部電極は、前記誘電体を含む誘電体層を介して交互に積層された第1内部電極層と第2内部電極層を備え、
前記外部電極は、前記素体の互いに対向する端面に設けられた第1外部電極および第2外部電極とを備え、前記第1内部電極層は、前記第1外部電極に接続され、前記第2内部電極層は、前記第2外部電極に接続されている。
また、本発明の一態様に係る実装基板によれば、上述したいずれかのセラミック電子部品がはんだ層を介して実装された実装基板であって、前記はんだ層は、前記酸化物層の上面よりも低い位置に保たれた状態で前記外部電極の側面へ濡れ上がっている。
また、本発明の一態様に係る実装基板によれば、前記実装基板上に形成されたはんだボールを備え、前記セラミック電子部品は、前記はんだボールの形成面側に実装される。
また、本発明の一態様に係る実装基板によれば、前記はんだ層を介して実装されたセラミック電子部品は、前記はんだボールを介して互いに接続された第1実装基板と第2実装基板との間の隙間に収容される。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品の製造方法によれば、誘電体と内部電極を有する素体を形成する工程と、前記素体の端面および前記端面に垂直な互いに対向する一対の面にかけて外部電極の下地材料を塗布する工程と、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの一方の面側に酸化物材料を塗布する工程と、前記下地材料および酸化物材料を焼成し、前記素体の端面および前記端面に垂直な互いに対向する一対の面にかけて前記外部電極の下地層を形成するとともに、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの一方の面上において、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより薄い領域を有する酸化物層を形成する工程と、前記素体の端面に垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側の前記下地層上にめっき層を形成する工程とを備える。
また、本発明の一態様に係るセラミック電子部品の製造方法によれば、前記めっき層を介して前記素体の端面側へはんだが濡れ上がったときに、前記酸化物層の上面よりも低い位置に保たれるように、前記酸化物層の厚みおよび前記素体の端面側の位置が設定される。
本発明の一態様によれば、抗折強度の低下を抑制しつつ、低背化を可能とするとともに、素体上へのはんだの濡れ上がりを防止する。
第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成例を示す斜視図である。 図1の積層セラミックコンデンサを長さ方向に切断した断面図である。 図1の積層セラミックコンデンサを外部電極の位置で幅方向に切断した断面図である。 図1の積層セラミックコンデンサを素体の位置で幅方向に切断した断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。 第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサが実装された実装基板の構成例を示す断面図である。 図2Aの積層セラミックコンデンサのチップ厚と実装後高さの関係を示す断面図である。 比較例に係る積層セラミックコンデンサの実装後高さをチップ厚と実装後高さの関係を示す断面図である。 第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを長さ方向に切断した断面図である。 第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを外部電極の位置で幅方向に切断した断面図である。 第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを素体の位置で幅方向に切断した断面図である。 第4実施形態に係るセラミック電子部品の構成例を示す斜視図である。 図2Aの積層セラミックコンデンサの抗折強度を比較例と比較して示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の構成に必須のものとは限らない。実施形態の構成は、本発明が適用される装置の仕様や各種条件(使用条件、使用環境等)によって適宜修正または変更され得る。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定され、以下の個別の実施形態によって限定されない。また、以下の説明に用いる図面は、各構成を分かり易くするため、実際の構造と縮尺および形状などを異ならせることがある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの構成例を示す斜視図、図2Aは、図1の積層セラミックコンデンサを長さ方向に切断した断面図、図2Bは、図1の積層セラミックコンデンサを外部電極の位置で幅方向に切断した断面図、図2Cは、図1の積層セラミックコンデンサを素体の位置で幅方向に切断した断面図である。なお、図2Aは、図1のA1-A1線に沿って切断した断面図、図2Bは、図1のB1-B1線に沿って切断した断面図、図2Cは、図1のC1-C1線に沿って切断した断面図である。また、本実施形態では、セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサを例にとった。
図1および図2Aから図2Cにおいて、積層セラミックコンデンサ1Aは、素体2、外部電極6A、6Bおよび酸化物層8を備える。素体2は、積層体2A、下カバー層5Aおよび上カバー層5Bを備える。積層体2Aは、内部電極層3A、3Bおよび誘電体層4を備える。
積層体2Aの下層には下カバー層5Aが設けられ、積層体2Aの上層には上カバー層5Bが設けられている。内部電極層3A、3Bは、誘電体層4を介して交互に素体2の対向する端面MA、MBに引き出されて積層されている。なお、図1および図2Aから図2Cでは、内部電極層3A、3Bが合計で6層分だけ積層された例を示したが、内部電極層3A、3Bの積層数は、特に限定されない。このとき、素体2および積層体2Aの形状は、略直方体形状とすることができる。素体2は、素体2の稜線に沿って面取りされていてもよい。
なお、以下の説明では、素体2の端面MA、MBの法線方向を長さ方向DL、素体2の端面MA、MBの法線方向に垂直かつ内部電極層3A、3Bに水平な方向を幅方向DW、素体2の端面MA、MBの法線方向に垂直かつ内部電極層3A、3Bに垂直な方向を高さ方向(または素体2の厚み方向)DHと言うことがある。このとき、内部電極層3A、3Bは、誘電体層4を介して高さ方向DHに積層される。また、素体2の端面MA、MBは、長さ方向DLに対向する。
なお、積層セラミックコンデンサ1Aは実装基板上に実装され、その実装基板上に実装される半導体チップに加わるノイズの除去などに使用される。このとき、積層セラミックコンデンサ1Aの実装面の垂直方向に対向する1対の面を上面および下面と言うことがある。また、積層セラミックコンデンサ1Aの実装面の水平方向に対向する面のうち、内部電極層3A、3Bが引き出されていない面を1対の側面と言うことがある。
外部電極6A、6Bは、素体2の長さ方向DLに互いに分離された状態で互いに対向するように素体2に形成される。このとき、各外部電極6A、6Bは、素体2の端面MA、MBおよび端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面に形成することができる。例えば、各外部電極6A、6Bは、素体2の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な4つの面にかけて連続的に形成することができる。端面MA、MBに垂直な4つの面は、積層セラミックコンデンサ1Aの実装面を基準としたときの上面、下面および1対の側面である。
素体2の長さ方向DLにおいて、内部電極層3A、3Bは、積層体2A内で異なる位置に交互に配置されている。このとき、内部電極層3Aは、内部電極層3Bに対して素体2の一方の端面MA側に配置し、内部電極層3Bは、内部電極層3Aに対して素体2の他方の端面MB側に配置することができる。そして、内部電極層3Aの端部は、素体2の長さ方向DLの一方の端面MA側で誘電体層4の端部に引き出され、外部電極6Aに接続される。内部電極層3Bの端部は、素体2の長さ方向DLの他方の端面MB側で誘電体層4の端部に引き出され、外部電極6Bに接続される。
一方、素体2の幅方向DWにおいて、内部電極層3A、3Bの端部は、誘電体層4にて覆われている。素体2の幅方向DWでは、内部電極層3A、3Bの端部の位置は揃っていてもよい。このとき、素体2は、幅方向DWにおいて内部電極層3A、3Bを被覆するサイドマージン部10を備えることができる。
なお、内部電極層3A、3Bおよび誘電体層4の積層方向の厚みはそれぞれ、0.05μm~5μmの範囲内とすることができ、例えば、0.3μmである。内部電極層3A、3Bの主成分は、例えば、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Ag(銀)、Au(金)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ta(タンタル)およびW(タングステン)などの金属から選択することができ、これらの金属を含む合金であってもよい。
誘電体層4の材料は、例えば、ペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とすることができる。なお、主成分は、50at%以上の割合で含まれていればよい。誘電体層4のセラミック材料は、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸カルシウムおよび酸化チタンなどから選択することができる。
下カバー層5Aおよび上カバー層5Bの材料は、例えば、セラミック材料を主成分とすることができる。このとき、下カバー層5Aおよび上カバー層5Bのセラミック材料の主成分は、誘電体層4のセラミック材料の主成分と同一であってもよい。
各外部電極6A、6Bは、素体2上に形成された下地層7と、下地層7上に形成されためっき層9を備える。下地層7は、素体2の長さ方向DLに互いに分離された状態で互いに対向するように素体2に形成される。このとき、下地層7は、素体2の各端面MA、MBおよび端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面に形成され、各端面MA、MB側で各内部電極3A、3Bと接続する。例えば、下地層7は、素体2の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な4つの面にかけて連続的に形成することができる。端面MA、MBに垂直な4つの面は、積層セラミックコンデンサ1Aの実装面を基準としたときの上面、下面および1対の側面である。
めっき層9は、素体2の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの一方の面側の下地層7上に形成される。例えば、めっき層9は、素体2の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な3つの面にかけて下地層7上に連続的に形成される。端面MA、MBに垂直な3つの面は、積層セラミックコンデンサ1Aの実装面を基準としたときの下面および1対の側面である。すなわち、めっき層9は、素体2の各端面MA、MBから、素体2の下面側および一対の側面にかけて下地層7上に連続的に形成される。このとき、めっき層9は、素体2の上面側には形成されない。また、めっき層9の上端は、素体2の端面MA、MB側および側面側では、素体2の上面よりも低い位置に形成される。このとき、下地層7は、その上面側から端面MA、MB側の上部および側面側の上部にかけて、めっき層9から露出される。なお、各外部電極6A、6Bの実装面側の厚みは、例えば、10~40μmである。
下地層7の導電性材料として用いられる金属は、例えば、Cu、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)、Al(アルミニウム)、Ni、Pt、Pd、Ag、AuおよびSn(錫)から選択される少なくとも1つを含む金属または合金を主成分とすることができる。下地層7は、金属が混在された共材を含んでもよい。共材は、下地層7中に島状に混在することで素体2と下地層7との間の熱膨張率の差を低減し、下地層7にかかる応力を緩和することができる。共材は、例えば、誘電体層4の主成分であるセラミック成分である。下地層7は、ガラス成分を含んでいてもよい。ガラス成分は、下地層7に混在することで下地層7を緻密化することができる。このガラス成分は、例えば、Ba(バリウム)、Sr(ストロンチウム)、Ca(カルシウム)、Zn、Al、Si(ケイ素)またはB(ホウ素)などの酸化物である。
下地層7は、素体2に含まれる金属成分を含んでいてもよい。この金属成分は、例えば、Mg(Ni、Cr、Sr、Al、Na、Feが微量含まれていてもよい)である。このとき、下地層7は、下地層7の導電性材料として用いられる金属と素体2に含まれる金属と酸素との化合物として、例えば、Mg、NiおよびOを含む化合物を含むことができる。
めっき層9の材料は、例えば、Cu、Ni、Al、Zn、Snなどの金属またはこれらの2以上の合金を主成分とする。めっき層9は、単一金属成分のめっき層でもよく、互いに異なる金属成分の複数のめっき層でもよい。めっき層9は、例えば、下地層7上に形成されたCuめっき層と、Cuめっき層上に形成されたNiめっき層と、Niめっき層上に形成されたSnめっき層の3層構造とすることができる。Cuめっき層は、下地層7へのめっき層9の密着性を向上させることができる。Niめっき層は、はんだ付け時の各外部電極6A、6Bの耐熱性を向上させることができる。Snめっき層は、めっき層9に対するはんだの濡れ性を向上させることができる。めっき層9は、下地層7上の一部に形成されて内部電極層3A、3Bと導通する。また、めっき層9は、はんだを介して実装基板の端子と導通する。
酸化物層8は、素体2の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側の下地層7上に形成される。素体2の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側は、めっき層9が形成されていない面側である。例えば、酸化物層8は、素体2の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な3つの面にかけて下地層7上に連続的に形成される。端面MA、MBに垂直な3つの面は、積層セラミックコンデンサ1Aの実装面を基準としたときの上面および1対の側面である。すなわち、酸化物層8は、素体2の各端面MA、MBから、素体2の上面側および一対の側面にかけて下地層7上に連続的に形成される。このとき、酸化物層8は、素体2の下面側には形成されない。また、酸化物層8の下端は、素体2の端面MA、MB側および側面側では、素体2の下面よりも高い位置に設定される。
このとき、酸化物層8は、素体2の端面MA、MB側および側面側において、下地層7上でめっき層9と接することができる。ここで、素体2の端面MA、MB上および側面上における酸化物層8の端部の位置は、酸化物層8の上面から10μm以上かつ、積層セラミックコンデンサ1Aの高さ(外部電極6A、6Bの下面から酸化物層8の上面までの厚み)の1/2以下の範囲内とすることができる。また、素体2の端面MA、MB上および側面上における酸化物層8の端部の位置において、酸化物層8の一部は、めっき層9で覆われている。このとき、下地層7上の酸化物層8の先端部は、下地層7とめっき層9との間に楔状に食い込んでいてもよい。また、酸化物層8の表面粗さは、Ra≧0.20μmとすることができる。
また、酸化物層8は、素体2の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面上において、素体2の端面MAから離れた位置の厚みの方が素体2の端面MAに近い位置の厚みより薄く、素体2の端面MBから離れた位置の厚みの方が素体2の端面MBに近い位置の厚みより薄い領域8Aを有する。この領域8Aは、例えば、素体2の長さ方向DLにおいて酸化物層8の中央部分に形成された凹部である。この領域8Aは、素体2の上面側の酸化物層8の中央部分だけでなく、素体2の側面側の酸化物層8の中央部分に形成されてもよい。酸化物層8の中央部分に形成された凹部は、曲面状であってもよい。酸化物層8の中央部分の曲面半径は、酸化物層8の角部の曲面半径より大きくするのが好ましい。例えば、酸化物層8の中央部分に形成された凹部は、アーチ形状を有してもよい。酸化物層8の厚みは、1μm以上15μm以下であるのが好ましい。このとき、酸化物層8は、素体2の長さ方向DLの中央部分の厚みは端部の厚みより5%以上薄いことが好ましい。例えば、素体2の長さ方向DLの酸化物層8の中央部分の厚みは2μm程度、素体2の長さ方向DLの酸化物層8の端部の厚みは5μm以上15μm以下とすることができる。なお、酸化物層8の中央部分に形成された凹部の位置で素体2が露出されていてもよい。このとき、酸化物層8は、外部電極6A、6B間で連続している必要はなく、分離されていてもよい。酸化物層8の主成分は、誘電体層4の主成分と同一であってもよい。例えば、酸化物層8の主成分は、酸化物セラミックであってもよい。
なお、積層セラミックコンデンサ1Aの外形サイズは、一例として、長さ>幅>高さであってもよく、または長さ>幅=高さであってもよい。このとき、積層セラミックコンデンサ1Aの低背化を図るため、積層セラミックコンデンサ1Aの高さは、150μm以下であることが好ましい。積層セラミックコンデンサ1Aの高さは、外部電極6A、6Bの下面から酸化物層8の上面までの積層セラミックコンデンサ1Aの厚みに等しい。
ここで、中央部分に凹状の領域8Aを有する酸化物層8を素体2の上面側に形成することにより、積層セラミックコンデンサ1Aの抗折強度の低下を抑制しつつ、低背化を可能とするとともに、実装時のはんだの濡れ上がりを防止することができる。このため、積層セラミックコンデンサ1AのLSC実装を実現しつつ、実装時の積層セラミックコンデンサの割れを抑制することができる。
また、積層セラミックコンデンサ1Aの高さを150μm以下とすることにより、積層セラミックコンデンサ1Aの高さを、はんだボールの径よりも小さくすることができる。このため、実装基板のはんだボールの形成面側に積層セラミックコンデンサ1Aを実装しつつ、そのはんだボールを介してマザーボート上に実装基板を搭載することができる。この結果、実装基板上に配置される半導体チップの裏面側に積層セラミックコンデンサ1Aを配置することができ、半導体チップに近接させて積層セラミックコンデンサ1Aを実装することが可能となることから、半導体チップに加わるノイズを効果的に除去することが可能となる。
また、酸化物層8の主成分は、誘電体層4の主成分と同一とすることにより、素体2、下地層7および酸化物層8が焼結にて作製される場合においても、酸化物層8にかかる応力を緩和することができ、素体2および下地層7に対する酸化物層8の密着性を向上させることができる。
図3は、第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャート、図4Aから図4Iは、第1実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示す断面図である。なお、図4Cから図4Iでは、誘電体層4を介して内部電極層3A、3Bが交互に3層分だけ積層される場合を例にとった。
図3のS1において、分散剤および成形助剤としての有機バインダおよび有機溶剤を誘電体材料粉末に加え、粉砕・混合してスラリを生成する。誘電体材料粉末は、例えば、セラミック粉末を含む。誘電体材料粉末は、添加物を含んでいてもよい。添加物は、例えば、Mg(マグネシウム)、Mn(マンガン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Y(イットリウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(カドミウム)、Tb(テウビウム)、Dy(ジスプロシウム、Ho(ホロミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Co(コバルト)、Ni、Li(リチウム)、B、Na(ナトリウム)、K(カリウム)またはSiの酸化物もしくはガラスである。有機バインダは、例えば、ポリビニルブチラール樹脂またはポリビニルアセタール樹脂である。有機溶剤は、例えば、エタノールまたはトルエンである。
次に、図3のS2および図4Aに示すように、セラミック粉末を含むスラリをキャリアフィルム上にシート状に塗布して乾燥させたグリーンシート24を作製する。キャリアフィルムは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムである。スラリの塗布には、ドクターブレード法、ダイコータ法またはグラビアコータ法などを用いることができる。
次に、図3のS3および図4Bに示すように、複数枚のグリーンシートのうち内部電極層3A、3Bを形成する層のグリーンシート24に内部電極用導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布し、内部電極パターン23を形成する。このとき、1枚のグリーンシート24には、グリーンシート24の長手方向に分離された複数の内部電極パターン23を形成することができる。内部電極用導電ペーストは、内部電極層3A、3Bの材料として用いられる金属の粉末を含む。例えば、内部電極層3A、3Bの材料として用いられる金属がNiの場合、内部電極用導電ペーストは、Niの粉末を含む。また、内部電極用導電ペーストは、バインダと、溶剤と、必要に応じて助剤とを含む。内部電極用導電ペーストは、共材として、誘電体層4の主成分であるセラミック材料を含んでいてもよい。内部電極用導電ペーストの塗布には、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができる。
次に、図3のS4および図4Cに示すように、内部電極パターン23が形成されたグリーンシート24と、内部電極パターンが形成されていない外層用のグリーンシート25A、25Bを所定の順序で複数枚数だけ積み重ねた積層ブロックを作製する。このとき、積層方向に隣接するグリーンシート24の内部電極パターン23A、23Bが、グリーンシート24の長手方向に交互にずらされるように積み重ねる。また、内部電極パターン23Aのみが積層方向に積み重ねられる部分と、内部電極パターン23A、23Bが積層方向に交互に積み重ねられる部分と、内部電極パターン23Bのみが積層方向に積み重ねられる部分とができるようにする。外層用のグリーンシート25A、25Bの厚みは、内部電極パターン23が形成されたグリーンシート24の厚みより大きい。
次に、図3のS5および図4Dに示すように、図3のS4の成型工程で得られた積層ブロックをプレスし、グリーンシート24を圧着する。積層ブロックをプレスする方法として、例えば、積層ブロックを樹脂フィルムで挟み、静水圧プレスする方法などを用いることができる。
次に、図3のS6および図4Eに示すように、プレスされた積層ブロックを切断し、直方体形状の素体に個片化する。積層ブロックの切断は、内部電極パターン23Aのみが積層方向に積み重ねられる部分と、内部電極パターン23Bのみが積層方向に積み重ねられる部分で行う。積層ブロックの切断には、例えば、ブレードダイシングなどの方法を用いることができる。
このとき、図4Fに示すように、個片化された素体2には、誘電体層4を介して交互に積層された内部電極層3A、3Bが形成されるとともに、最下層および最上層にカバー層5A、5Bが形成される。内部電極層3Aは、素体2の一方の端面MAで誘電体層4の表面から引き出され、内部電極層3Bは、素体2の他方の端面MBで誘電体層4の表面から引き出される。
次に、図3のS7に示すように、図3のS6で個片化された素体2に含まれるバインダを除去する。バインダの除去では、例えば、約350℃のN雰囲気中で素体2を加熱する。
次に、図3のS8および図4Gに示すように、図3のS7でバインダが除去された素体2の両端面MA、MBと、各端面MA、MBの周面の4つの面(上面、下面、一対の側面)に下地層用導電ペースト7´を塗布して乾燥させる。下地層用導電ペースト7´の塗布には、例えば、ディップ法を用いることができる。下地層用導電ペースト7´は、下地層7の導電性材料として用いられる金属の粉末またはフィラーを含む。例えば、下地層7の導電性材料として用いられる金属がNiの場合、下地層用導電ペースト7´は、Niの粉末またはフィラーを含む。また、下地層用導電ペースト7´は、共材として、例えば、誘電体層4の主成分であるセラミック成分を含む。例えば、下地層用導電ペースト7´には、共材として、チタン酸バリウムを主成分とする酸化物セラミックの粒子(D50粒子径で0.8μm~4μm)が混入される。また、下地層用導電ペースト7´は、バインダと、溶剤とを含む。
次に、図3のS9および図4Gに示すように、下地層用導電ペースト7´の上面と素体2の上面が覆われるように酸化物ペースト8´を塗布して乾燥させる。このとき、素体2の各端面MA、MBから、素体2の上面側および一対の側面にかけて酸化物ペースト8´を下地層用導電ペースト7´上に連続的に塗布する。酸化物ペースト8´は、酸化物層8に用いられる酸化物の粉末またはフィラーを含む。例えば、酸化物ペースト8´は、誘電体層4の主成分であるセラミック成分を含む。例えば、酸化物ペースト8´には、チタン酸バリウムを主成分とする酸化物セラミックの粒子が混入される。酸化物ペースト8´に含まれる酸化物は、チタン酸バリウム以外にも、酸化シリコンまたは酸化アルミニウムなどの酸化物を主成分としてもよい。また、酸化物ペースト8´は、バインダと、溶剤とを含む。
酸化物ペースト8´の塗布には、例えば、ディップ法を用いることができる。このとき、酸化物層8の上面から下地層7の側面への酸化物層8の回り込み量が、酸化物層8の上面から10μm以上かつ積層セラミックコンデンサ1Aの高さの1/2以下の範囲内になるように、酸化物ペースト8´を塗布するときの素体2の浸漬深さを調整する。
また、酸化物ペースト8´の焼成後の酸化物層8の表面粗さがRa≧0.20μm、酸化物層8の厚みが1μm以上15μm以下、素体2の長さ方向DLの酸化物層8の中央部分の厚みが端部の厚みより5%以上薄くなるように、酸化物ペースト8´に含まれる酸化物の含有量を調整する。なお、酸化物ペースト8´の焼成後の酸化物層8の表面粗さおよび素体2の長さ方向DLの酸化物層8の中央部分の厚みを調整するために、酸化物ペースト8´に含まれる酸化物の含有量だけでなく、酸化物ペースト8´に含まれる酸化物の粒径または形状を調整してもよい。また、酸化物ペースト8´の焼成後の酸化物層8の表面粗さおよび素体2の長さ方向DLの酸化物層8の中央部分の厚みを調整するために、酸化物ペースト8´の乾燥速度、乾燥温度および乾燥時間などを調整してもよい。また、酸化物ペースト8´の焼成後の酸化物層8の中央部分の厚みを端部の厚みより薄くするために、素体2の長さ方向DLの中央部分の両側に酸化物ペースト8´を複数回塗布してもよい。素体2の長さ方向DLの中央部分の両側に酸化物ペースト8´を選択的に塗布するため、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができる。
次に、図3のS10および図4Hに示すように、図3のS9で酸化物ペースト8´が塗布された素体2および下地層用導電ペースト7´を焼成し、内部電極層3A、3Bと誘電体層4を一体化するとともに、素体2に一体化された下地層7と、素体2および下地層7に一体化された酸化物層8を形成する。素体2、下地層用導電ペースト7´および酸化物ペースト8´の焼成は、例えば、焼成炉にて1000~1400℃で10分~2時間だけ行う。内部電極層3A、3BにNiまたはCuなどの卑金属を使用している場合は、内部電極層3A、3Bの酸化を防止するため、焼成炉内を還元雰囲気にして焼成することができる。なお、酸化物層8の表面粗さおよび厚みを調整するために、酸化物ペースト8´の焼成後に酸化物層8の表面を研磨してもよい。
次に、図3のS11および図4Iに示すように、酸化物層8から露出されている下地層7上にめっき層9を形成する。めっき層9の形成では、例えば、Cuめっき、NiめっきおよびSnめっきを順次行うことができる。このとき、下地層7および酸化物層8が形成された素体2を、めっき液とともにバレルに収容し、バレルを回転させつつ通電することにより、めっき層9を形成することができる。このとき、下地層7の上面には酸化物層8があるので、めっき層9は形成されない。
ここで、ディップ法にて酸化物ペースト8´を素体2および下地層7に塗布することにより、工程数の増大を抑制しつつ、上述した成膜条件を満たすように、酸化物層8の端部および中央部の厚み、回り込み量および表面粗さRaを設定することができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る積層セラミックコンデンサが実装された実装基板の構成例を示す断面図である。
図5において、実装基板41の裏面側には、ランド電極42A、42B、44A、44Bが形成されている。積層セラミックコンデンサ1Aは、各外部電極6A、6Bのめっき層9にそれぞれ付着されたはんだ層43A、43Bを介してランド電極42A、42Bに接続される。このとき、各はんだ層43A、43Bは、酸化物層8の上面よりも低い位置に保たれた状態で各外部電極6A、6Bの側面へ濡れ上がる。実装基板41の裏面側のランド電極44A、44B上には、はんだボール47A、47Bが形成される。
一方、実装基板41の表面側には、不図示の半導体チップが実装される。この半導体チップは、マイクロプロセッサであってもよいし、半導体メモリであってもよいし、FPGA(Field-Programmable Gate Array)であってもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))であってもよい。
実装基板45の裏面側には、ランド電極46A、46Bが形成されている。実装基板41、45は、はんだボール47A、47Bを介して互いに接続される。実装基板45は、実装基板41が実装されるマザーボードとして用いることができる。
実装基板41、45の間は、はんだボール47A、47Bを介して一定の間隔に維持される。このとき、実装基板41、45の間には、積層セラミックコンデンサ1Aを封止する樹脂48が設けられる。この樹脂48は、例えば、エポキシ樹脂である。この樹脂48は、はんだボール47A、47Bを介して実装基板41、45が互いに接続された後、実装基板41、45の間に注入し、硬化させてもよい。このとき、樹脂48は、積層セラミックコンデンサ1A、はんだ層43A、43Bおよびはんだボール47A、47Bを覆い、酸化物層8に密着する。
ここで、酸化物層8の中央部分に凹状の領域8Aを設けることにより、素体2の中央部分にかかる応力を低減することが可能となり、積層セラミックコンデンサ1Aの実装時に素体2にかかる負荷を緩和することができる。このため、積層セラミックコンデンサ1Aの抗折強度の低下を抑制しつつ、低背化を可能とするとともに、実装時のはんだの濡れ上がりを防止することができる。この結果、積層セラミックコンデンサ1AのLSC実装を実現しつつ、実装時の積層セラミックコンデンサ1Aの割れを抑制することができる。
また、酸化物層8の表面粗さをRa≧0.20μmとすることにより、酸化物層8と樹脂48との密着性を向上させることができる。このため、積層セラミックコンデンサ1Aと樹脂48との間に水分が侵入可能な隙間ができるのを防止することができ、樹脂48で封止された積層セラミックコンデンサ1Aの信頼性を向上させることができる。
また、実装基板41の裏面側に積層セラミックコンデンサ1Aを実装することにより、実装基板41の表面側に実装される半導体チップの裏面側に積層セラミックコンデンサ1Aを配置することができる。このため、実装基板41の表面側に実装される半導体チップに近接させて積層セラミックコンデンサ1Aを実装することが可能となり、半導体チップに加わるノイズを効果的に除去することが可能となる。
また、積層セラミックコンデンサ1Aの高さを150μm以下とすることにより、はんだボール47A、47Bを介して互いに接続された実装基板41、45間の隙間に積層セラミックコンデンサ1Aを収容することができ、実装基板41の表面側に配置される半導体チップの裏面側に積層セラミックコンデンサ1Aを配置することができる。
図6Aは、図2Aの積層セラミックコンデンサのチップ厚と実装後高さの関係を示す断面図、図6Bは、比較例に係る積層セラミックコンデンサの実装後高さをチップ厚と実装後高さの関係を示す断面図である。
図6Aにおいて、実装基板31の裏面側には、ランド電極32A、32Bが形成されている。積層セラミックコンデンサ1Aは、各外部電極6A、6Bのめっき層9にそれぞれ付着されたはんだ層33A、33Bを介してランド電極32A、32Bに接続される。ここで、積層セラミックコンデンサ1Aの実装後高さHA1は、ランド電極32Aの表面から酸化物層8の上面までの垂直方向の距離である。積層セラミックコンデンサ1Aの厚みHA2は、外部電極6Aの下面から酸化物層8の上面までの垂直方向の距離である。
一方、図6Bにおいて、積層セラミックコンデンサ1Bは、素体2および外部電極36A、36Bを備える。各外部電極36A、36Bは、素体2上に形成された下地層37と、下地層37上に形成されためっき層39を備える。この外部電極36A、36Bが図6Aの外部電極6A、6Bと異なる点は、外部電極6A、6Bでは、下地層7が素体2上にも形成されているが、外部電極36A、36Bでは、下地層37が素体2上に形成されてない点である。また、下地層37は、素体2の端面全体を覆うように形成される。このとき、めっき層39は、素体2の下面側から端面全体に渡って下地層37上に連続的に形成される。
積層セラミックコンデンサ1Bは、各外部電極36A、36Bのめっき層39にそれぞれ付着されたはんだ層33A、33Bを介してランド電極32A、32Bに接続される。このとき、めっき層39は、素体2の端面側の下地層37上にも形成されているため、はんだ層33A、33Bは、下地層37の端面に濡れ上がり、積層セラミックコンデンサ1Bの上面を超えて突出する。このため、積層セラミックコンデンサ1Bの実装後高さHB1は、ランド電極32Aの表面からはんだ層33A、33Bの最上部までの垂直方向の距離となる。一方、積層セラミックコンデンサ1Bでは、素体2上および各外部電極36A、36B上に酸化物層8がない。このため、積層セラミックコンデンサ1Bの厚みHB2は、外部電極36Aの下面から素体2の上面までの垂直方向の距離となる。
図5の実装基板41上に図6Bの積層セラミックコンデンサ1Bを実装した場合、樹脂48は、積層セラミックコンデンサ1Bの各外部電極36A、36Bの上面および素体2の上面に密着する。このとき、積層セラミックコンデンサ1Bと樹脂48との間に水分が侵入可能な隙間ができる恐れがあり、樹脂48で封止された積層セラミックコンデンサ1Bの信頼性の低下を招く。また、はんだ層33A、33Bは、積層セラミックコンデンサ1Bの上面を超えて突出するため、HB1>HA1となり、はんだボール47A、47Bを介して互いに接続された実装基板41、45間の隙間に積層セラミックコンデンサ1Bを実装できなくなる恐れがある。
(第3実施形態)
図7Aは、第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを長さ方向に切断した断面図、図7Bは、第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを外部電極の位置で幅方向に切断した断面図、図7Cは、第3実施形態に係る積層セラミックコンデンサを素体の位置で幅方向に切断した断面図である。
図7Aから図7Cにおいて、積層セラミックコンデンサ1Cは、素体2、外部電極56A、56Bおよび酸化物層58を備える。各外部電極56A、56Bは、素体2上に形成された下地層57と、下地層57上に形成されためっき層59を備える。
この外部電極56A、56Bが図2Aの外部電極6A、6Bと異なる点は、外部電極6A、6Bでは、下地層57が素体2上にも形成されているが、外部電極56A、56Bでは、下地層57が素体2上に形成されてない点である。このとき、酸化物層58は、めっき層59が形成された面と対向する面上において、下地層57上および素体2上の少なくとも一方に形成される。例えば、酸化物層58は、素体2の上面全体に形成することができる。また、酸化物層58は、めっき層59上には形成されない。下地層57、めっき層59および酸化物層58について、これ以外の点は、図2Aの下地層7、めっき層9および酸化物層8と同様に構成することができる。
ここで、各外部電極56A、56Bの上面側の下地層57を素体2上に形成しないようにすることで、各外部電極56A、56Bの上面側の下地層57の厚み分だけ積層セラミックコンデンサ1Cの高さを低減することができ、積層セラミックコンデンサ1Cの低背化を図ることができる。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態に係るセラミック電子部品の構成例を示す斜視図である。なお、図8では、セラミック電子部品としてチップインダクタを例にとった。
図8において、チップインダクタ61は、素体62、外部電極66A、66Bおよび酸化物層68を備える。素体62は、コイルパターン63、内部電極層63A、63Bおよび磁性体材料64を備える。磁性体材料64は、内部電極層63A、63Bを絶縁する誘電体としても用いられる。素体62の形状は、略直方体形状とすることができる。
外部電極66A、66Bは、素体62の長さ方向DLに互いに分離された状態で互いに対向するように素体62に形成される。このとき、各外部電極66A、66Bは、素体62の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な4つの面にかけて連続的に形成することができる。
コイルパターン63および内部電極層63A、63Bは、磁性体材料64にて覆われている。ただし、内部電極層63Aの端部は、素体62の一方の端面MA側で磁性体材料64から引き出され、外部電極66Aに接続される。内部電極層63Bの端部は、素体62の他方の端面MB側で磁性体材料64から引き出され、外部電極66Bに接続される。
コイルパターン63および内部電極層63A、63Bの材料は、例えば、Cu、Ni、Ti、Ag、Au、Pt、Pd、TaおよびWなどの金属から選択することができ、これらの金属を含む合金であってもよい。磁性体材料64は、例えば、フェライトである。
各外部電極66A、66Bは、下地層67とめっき層69を備える。下地層67は、素体62の長さ方向DLに互いに分離された状態で互いに対向するように素体62に形成される。このとき、下地層67は、素体62の各端面MA、MBおよび端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面に形成され、各端面MA、MB側で各内部電極63A、63Bと接続する。例えば、下地層67は、素体62の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な4つの面にかけて連続的に形成することができる。
めっき層69は、素体62の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの一方の面側の下地層67上に形成される。例えば、めっき層69は、素体62の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な3つの面にかけて下地層67上に連続的に形成される。端面MA、MBに垂直な3つの面は、チップインダクタ61の実装面を基準としたときの下面および1対の側面である。このとき、めっき層69は、素体62の上面側には形成されない。また、めっき層69の上端は、素体62の端面MA、MB側および側面側では、素体62の上面よりも低い位置に形成される。下地層67は、金属が混在された共材を含んでもよい。共材は、例えば、磁性体材料64の主成分であるフェライト成分である。
酸化物層68は、素体62の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側の下地層67上に形成される。素体62の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側は、めっき層69が形成されていない面側である。例えば、酸化物層68は、素体62の各端面MA、MBから、端面MA、MBに垂直な3つの面にかけて下地層67上に連続的に形成される。このとき、酸化物層68は、素体62の下面側には形成されない。また、酸化物層68の下端は、素体62の端面MA、MB側および側面側では、素体62の下面よりも高い位置に形成される。
このとき、酸化物層68は、素体62の端面MA、MB側および側面側において、下地層67上でめっき層69と接することができる。ここで、素体62の端面MA、MB上および側面上における酸化物層68の端部の位置は、酸化物層68の上面から10μm以上かつ、チップインダクタ61の高さの1/2以下の範囲内とすることができる。また、素体62の端面MA、MB上および側面上における酸化物層68の端部の位置において、酸化物層68の一部は、めっき層69で覆われている。このとき、下地層67上の酸化物層68の先端部は、下地層67とめっき層69との間に楔状に食い込んでいてもよい。また、酸化物層68の表面粗さは、Ra≧0.20μmとすることができる。
また、酸化物層68は、素体62の各端面MA、MBに垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面上において、素体62の端面MAから離れた位置の厚みの方が素体62の端面MAに近い位置の厚みより薄く、素体62の端面MBから離れた位置の厚みの方が素体62の端面MBに近い位置の厚みより薄い領域68Aを有する。この領域68Aは、例えば、素体62の長さ方向DLにおいて酸化物層68の中央部分に形成された凹部である。この領域68Aは、素体62の上面側の酸化物層68の中央部分だけでなく、素体62の側面側の酸化物層68の中央部分に形成されてもよい。酸化物層68の中央部分に形成された凹部は、アーチ形状を有してもよい。酸化物層68の厚みは、1μm以上15μm以下であるのが好ましい。このとき、酸化物層68は、素体62の長さ方向DLの中央部分の厚みは端部の厚みより5%以上薄いことが好ましい。例えば、素体62の長さ方向DLの酸化物層68の中央部分の厚みは2μm程度、素体62の長さ方向DLの酸化物層8の端部の厚みは5μm以上15μm以下とすることができる。
酸化物層68は、磁性体材料64と同一の組成であってもよい。例えば、酸化物層68の材料は、フェライトである。酸化物層68の材料は、酸化鉄または酸化クロムであってもよい。
なお、チップインダクタ61の外形サイズは、一例として、長さ>幅>高さであってもよく、または長さ>幅=高さであってもよい。このとき、チップインダクタ61の低背化を図るため、チップインダクタ61の高さは、150μm以下であることが好ましい。
ここで、酸化物層68の中央部分に凹状の領域68Aを設けることにより、素体62の中央部分にかかる応力を低減することが可能となり、チップインダクタ61の実装時に素体62にかかる負荷を緩和することができる。このため、チップインダクタ61の抗折強度の低下を抑制しつつ、低背化を可能とするとともに、実装時のはんだの濡れ上がりを防止することができる。このため、チップインダクタ61のLSC実装を実現しつつ、実装時のチップインダクタ61の割れを抑制することができる。
(実施例)
以下、図2Aの積層セラミックコンデンサ1Aの実施例について説明する。この実施例では、JIS規格の063形状で高さが最大で100umの積層セラミックコンデンサ1Aを作製した場合を示す。
高誘電体材料(例えば、チタン酸バリウム)を用いて1umのグリーンシートを作製した。次に、このグリーンシートに印刷法などで内部電極パターンを形成し、内部電極パターンが形成されたグリーンシートとカバーシートを所定の枚数だけ積層して積層ブロックを得た。このときのグリーンシート厚と積層枚数は、下地層7の厚み、めっき層9の厚みおよび焼成時の収縮を考慮して、積層セラミックコンデンサ1Aの厚みが70umとなるように設計した。この積層ブロックを所定の位置で切断することで素体2を作製し、ディップ法にて素体2の長さ方向の両端に下地層用導電ペーストを塗布した。素体2の長さ方向の両端は、内部電極層3A、3Bが引き出される素体2の端面を含み、その周回面(素体2の端面に対して垂直方向に連続する4つの面)を含んでもよい。
次に、下地層用導電ペーストが塗布された素体2の高さ方向の片面側(素体2の上面側)に、チタン酸バリウム、バインダおよび溶剤を含む酸化物ペーストをディップ法にて塗布した。この際、素体2の端面側の下地層用導電ペースト上への酸化物ペーストの回り込み量が、積層セラミックコンデンサ1Aの上面より30umとなるように、素体のディップ時の浸漬深さを調整した。本実施例では、酸化物ペーストの回り込み量を30umとしたが、10~35um(積層セラミックコンデンサ1Aの厚み=70umの1/2)の範囲内であればよい。また、焼成後に酸化物層8の表面粗さRaが0.20um以上となるよう酸化物ペーストのチタン酸バリウムの含有量を20~70%に調整した。また、焼成後の素体2と酸化物層8の中央部分の合計の厚みの平均値が約72umであり、端部との高低差が5±1umになるよう酸化物ペーストの粘度を調整した。
下地層用導電ペーストおよび酸化物ペーストが塗布された素体2を1000~1400℃で焼成して焼結体を作製し、この焼結体を電気メッキすることにより、積層セラミックコンデンサ1Aを作製した。このように作製した積層セラミックコンデンサ1Aについて抗折強度を評価した。抗折強度の評価では、酸化物層8を下にして外部電極6A、6B側から力を加えた3点曲げを実施した。比較例として、酸化物層8がなく、下地層7上において、素体2の端面からその端面に対して垂直方向に連続する4つの面にかけてめっき層が形成された積層セラミックコンデンサを用いた。実施例および比較例について、サンプル数は77個とした。
図9は、図2Aの積層セラミックコンデンサの抗折強度を比較例と比較して示す図である。
図9において、比較例では、抗折強度は、0.92~0.98Nの範囲にあり、平均値は、0.95Nだった。一方、実施例(図2Aの積層セラミックコンデンサ1A)では、抗折強度は、1.08~1.13Nの範囲にあり、平均値は、1.10Nだった。以上の結果より、中央部分に凹状の領域8Aを有する酸化物層8を素体2の上面側に形成することにより、酸化物層8がない積層セラミックコンデンサに比べて抗折強度を高くすることができた。
1A 積層セラミックコンデンサ
2 素体
2A 積層体
3A、3B 内部電極層
4 誘電体層
5A、5B カバー層
6A、6B 外部電極
7 下地層
8 酸化物層
9 めっき層

Claims (20)

  1. 誘電体と内部電極とを有する素体と、
    前記内部電極が引き出される前記素体の端面および前記端面に垂直な面に形成され前記内部電極と接続し金属を含む下地層と、前記端面に垂直な面側の前記下地層上に形成されためっき層とを有する外部電極と、
    前記端面に垂直な面のうち、前記めっき層が形成された面と対向する面上において、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより薄い領域を有する酸化物層とを備えることを特徴とするセラミック電子部品。
  2. 前記めっき層は、前記素体の端面から前記端面に垂直な互いに対向する一対の面のうちの一方の面側にかけて連続的に形成され、
    前記酸化物層は、前記素体の端面から前記端面に垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側にかけて連続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック電子部品。
  3. 前記酸化物層の厚みの薄い領域は、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの他方の面の中央部分に形成された凹部であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
  4. 前記凹部は、アーチ形状を有することを特徴とする請求項3に記載のセラミック電子部品。
  5. 前記凹部は、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの他方の面上において、前記外部電極から離れた位置にあることを特徴とする請求項3または4に記載のセラミック電子部品。
  6. 前記酸化物層は、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより5%以上薄いことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  7. 前記めっき層と前記酸化物層との境界は、前記素体の端面上に位置することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  8. 前記めっき層は、前記端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの他方の面上になく、前記素体の端面上において前記酸化物層の一部を覆っていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  9. 前記外部電極の下面から前記酸化物層の上面までの厚みは、150μm以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  10. 前記酸化物層の主成分は、前記誘電体の主成分と同一であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  11. 前記酸化物層の材料は、酸化物セラミックであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  12. 前記酸化物層は、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、酸化チタン、酸化シリコンおよび酸化アルミニウムのうち少なくとも1つから選択されることを特徴とする1から11のいずれか1項に記載の電子部品。
  13. 前記酸化物層は、前記めっき層が形成された面と対向する面上において、前記下地層上および前記素体上の少なくとも一方に形成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  14. 前記酸化物層は、前記めっき層上には形成されないことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  15. 前記内部電極は、前記誘電体を含む誘電体層を介して交互に積層された第1内部電極層と第2内部電極層を備え、
    前記外部電極は、前記素体の互いに対向する端面に設けられた第1外部電極および第2外部電極とを備え、
    前記第1内部電極層は、前記第1外部電極に接続され、
    前記第2内部電極層は、前記第2外部電極に接続されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のセラミック電子部品。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載のセラミック電子部品がはんだ層を介して実装された実装基板であって、
    前記はんだ層は、前記酸化物層の上面よりも低い位置に保たれた状態で前記外部電極の側面へ濡れ上がっていることを特徴とする実装基板。
  17. 前記実装基板上に形成されたはんだボールを備え、
    前記セラミック電子部品は、前記はんだボールの形成面側に実装されることを特徴とする請求項16に記載の実装基板。
  18. 前記はんだ層を介して実装されたセラミック電子部品は、前記はんだボールを介して互いに接続された第1実装基板と第2実装基板との間の隙間に収容されることを特徴とする請求項17に記載の実装基板。
  19. 誘電体と内部電極を有する素体を形成する工程と、
    前記素体の端面および前記端面に垂直な互いに対向する一対の面にかけて外部電極の下地材料を塗布する工程と、
    前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの一方の面側に酸化物材料を塗布する工程と、
    前記下地材料および酸化物材料を焼成し、前記素体の端面および前記端面に垂直な互いに対向する一対の面にかけて前記外部電極の下地層を形成するとともに、前記素体の端面に垂直な互いに対向する前記素体の一対の面のうちの一方の面上において、前記素体の端面から離れた位置の厚みの方が前記素体の端面に近い位置の厚みより薄い領域を有する酸化物層を形成する工程と、
    前記素体の端面に垂直な互いに対向する一対の面のうちの他方の面側の前記下地層上にめっき層を形成する工程とを備えることを特徴とするセラミック電子部品の製造方法。
  20. 前記めっき層を介して前記素体の端面側へはんだが濡れ上がったときに、前記酸化物層の上面よりも低い位置に保たれるように、前記酸化物層の厚みおよび前記素体の端面側の位置が設定されることを特徴とする請求項19に記載のセラミック電子部品の製造方法。
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