JP2022139718A - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステンレス鋼の高速高能率切削に供しても、被覆層が十分な耐熱性を有し、長寿命の被覆工具を得る。【解決手段】工具基体と該工具基体表面に被覆層を有し、前記被覆層は、その平均層厚が0.5~10.0μmであるCrとランタノイドとの複合硼化物層3を含み、該複合硼化物層3の平均組成を組成比:Cr1-xLxBz(Lはランタノイドの1種または2種以上)で表したとき、原子比xが0.01~0.20で、zが1.0~3.5を満足する、ことを特徴とする表面被覆切削工具。【選択図】図1

Description

本発明は、表面被覆切削工具(以下、被覆工具ということがある)に関するものである。
従来から、被覆工具としては、例えば、炭化タングステン(以下、WCで表す)基超硬合金等の工具基体に被覆層を形成したものが知られている。
そして、この被覆層の組成を調整することによって、より高硬度の被覆層を得る提案がなされている
例えば、特許文献1には、工具基体の表面にAl、Si、Cr、W、Ti、Nb、Zrから選択される1種または2種以上の金属元素からなる硼化物皮膜を被覆し、該硼化物皮膜は六方晶構造を有し、X線回折において011回折線が最強硬度を有し、残留圧縮応力が0.1GPa以上である被覆工具が記載され、該被覆工具は密着性に優れ高硬度の皮膜を有するため長寿命であるとされている。
特開2008-238281号公報
硼化物皮膜を被覆層として有する被覆工具は、例えば、前記特許文献1に記載されているように、同被覆層が密着性に優れ高硬度であるため、優れた切削性能を有するが、本発明者の検討によれば、ステンレス鋼の高速高能率切削に供すると、耐熱性が不足することが判明した。
本発明は、ステンレス鋼の高速高能率切削に供しても、被覆層が十分な耐熱性を有し、長寿命の被覆工具を得ることを目的とする。ここで、高速高能率切削加工とは、通常の切削加工に比して、切削加工速度が30%以上速く、かつ、30%以上切削量が多い切削加工をいう。
本発明者は、前記目的を達成する被覆工具を得るべく鋭意検討を行った。その結果、Crの他にランタノイドを1種または2種以上含む複合硼化物を被覆層とすると、ステンレス鋼の高速高能率切削に供しても、被覆層が十分な耐熱性を有し、長寿命の被覆工具となるとの新規な知見を得た。
本発明は、この知見に基づくものであって、次のとおりのものである。
「工具基体と該工具基体表面に被覆層を有する表面被覆切削工具であって、
前記被覆層は、その平均層厚が0.5~10.0μmであるCrとランタノイドとの複合硼化物層を含み、該複合硼化物層の平均組成を組成比:Cr1-x(Lはランタノイドの1種または2種以上)で表したとき、原子比xが0.01~0.20で、zが1.0~3.5を満足する平均組成を有する、
ことを特徴とする表面被覆切削工具。」
前記によれば、ステンレス鋼の高速高能率切削に供しても、優れた耐摩耗性、耐欠損性を発揮する。
本発明の実施形態に係る表面被覆切削工具における被覆層の縦断面の模式図である。
以下では、本発明の実施形態に係る被覆工具について、より詳細に説明する。なお、本明細書、特許請求の範囲の記載において、数値範囲を「A~B」を用いて表現する場合、その範囲は上限(B)および下限(A)の数値を含むものである。また、上限(B)および下限(B)は同じ単位である。
1.被覆層
本発明の実施形態に係る被覆工具の被覆層の層構造は図1に模式的に示すとおりであり、工具基体(1)上にZrとランタノイドとの複合硼化物層(3)を有し、該複合硼化物層(3)と前記工具基体(1)との間には下部層(2)を、前記硼化物層の上部に上部層(4)を選択的に設けてもよい。以下、詳述する。
(1)平均膜厚
本実施形態に係る被覆工具における被覆層の平均層厚は、0.5~10.0μmであることが好ましい。その理由は、0.5μm未満であると、複合硼化物層が長期の使用にわたって優れた耐摩耗性を発揮することができず、一方、10.0μmを超えると、複合硼化物層の結晶粒が粗大化しやすくなり、耐チッピング性の向上が得られなくなるからである。平均層厚は、0.8~8.0μmがより好ましい。
なお、いずれも選択的に設けられる下部層と上部層のそれぞれの平均層厚は、ここでいう平均層厚には含まれない。
(2)平均層厚の測定方法
本実施形態において、被覆層を構成する各層の平均層厚については、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)に付属するエネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDS)を用いた縦断面(インサートのとき、工具基体表面の微少な凹凸を無視し平坦な面として扱ったとき、この面に垂直な断面。ドリルのような軸物工具のときは軸に垂直な断面)の観察により求めることができる。
ここで、工具基体の表面は、縦断面を観察して、工具基体とCrとLとの複合硼化物層(下部層が設けられているときは下部層)との界面を、元素マッピングにより定め、こうして得られた界面の粗さ曲線について、平均線を算術的にもとめ、これを工具基体の表面とする。
(3)被覆層の構成する各層
(3-1)CrとLとの複合硼化物層
CrとLとの複合硼化物層の平均組成は、組成比:Cr1-x(Lはランタノイドの1種または2種以上)で表したとき、xが0.01~0.20であり、zが1.0~3.5であることが好ましい。
xの前記範囲が好ましい理由は、0.01未満であるとLがもたらす耐熱性向上や機械的物性の向上を得ることできず、一方、0.20を超えると複合硼化物層の硬さや靭性が低下し、チッピング、欠損を発生しやすくなるためである。
zの前記範囲が好ましい理由は、1.0未満になると複合硼化物相の耐溶着性の向上を十分に発揮できず、一方、3.5を超えると複合硼化物相の硬さが低下して早期に摩耗が進みやすくなるためである。
(3-2)下部層
工具基体とCrとLとの複合硼化物層との間に、下部層を選択的に設けてもよい(下部層は設けなくてもよい)。
下部層は、0.1~20.0μmの合計平均層厚となるように、Crまたは、CrAlの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上を選択する。この下部層を設けた場合には、下部層を構成する層のもたらす働きと相俟って、被覆工具が一層優れた耐摩耗性および耐チッピング性を発揮することができる。
ここで、下部層の合計平均層厚を前記範囲とする理由は、0.1μm未満では、下部層の働きが十分に奏されず、一方、20.0μmを超えると下部層の結晶粒が粗大化しやすくなり、被覆層にチッピングを発生しやすくなるためである。
(3-3)上部層
上部層として、1.0~25.0μmの平均層厚の酸化アルミニウム層を選択的に設けてもよい(上部層は設けなくてもよい)。上部層を設けると、一層優れた耐摩耗性および熱的安定性を発揮する被覆工具を得ることができる。
ここで、酸化アルミニウム層の平均層厚を前記範囲とする理由は、1.0μm未満では、上部層の働きが十分になされず、一方、25.0μmを超えると上部層の結晶粒が粗大化しやすくなり、被覆層にチッピングを発生しやすくなるためである。
また、上部層としてTiN層を設けてもよい。このTiN層を設けた場合には、TiN層自体が黄金色の色調を有することから、例えば、被覆工具が未使用であるか使用済であるかを色調変化によって、判別することができる識別層として活用することができる。なお、この識別層としてのTiN層の平均層厚は、例えば、0.1~1.0μmでよい。
2.工具基体
(1)材質
本実施形態に使用する工具基体は、従来公知の工具基体の材質であれば、本発明の目的を達成することを阻害するものでない限り、いずれのものも使用可能である。一例をあげるならば、超硬合金(WC基超硬合金、WCの他、Coを含み、さらに、Ti、Ta、Nb等の炭窒化物を添加したものも含むもの等)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの等)、セラミックス(炭化チタン、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムなど)、cBN焼結体、またはダイヤモンド焼結体のいずれかであることが好ましい。
(2)形状
工具基体の形状は、切削工具として用いられる形状であれば特段の制約はなく、インサートの形状、ドリルの形状が例示できる。
3.製造方法
本実施形態の被覆工具の被覆層は、例えば、PVDの一種である高出力パルススパッタリングの蒸着源を持つ成膜装置を用いて製造することができる。また、そのターゲットとして、CrとLとの複合硼化物層はCr1-xターゲットを、下部層として、例えば、CrN層を設けるときはCr、または、CrAlターゲットを、上部層として、例えば、酸化アルミニウム層を設けるときはAlターゲットを、それぞれ用いることにより成膜することができる
次に、実施例について説明する。
ここでは、本発明の被覆工具の実施例として、工具基体としてWC基超硬合金を用いたインサート切削工具に適用したものについて述べるが、工具基体は前述の材質のものが使用でき、また、前述のとおり形状としてドリル、エンドミル等に適用した場合も同様である。
まず、原料粉末として、Co粉末、TiC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr粉末、WC粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてボールミルで72時間湿式混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力でプレス成形し、これらの圧粉成形体を焼結し、所定寸法となるように加工して、ISO規格SEEN1203AFTN1のインサート形状をもったWC基超硬合金製の工具基体1~3を作製した。
次に、工具基体1~3に高出力スパッタリング蒸着源と直流(DC)スパッタリング蒸着源を持つ成膜装置を用いて被覆層を形成すべく、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、工具基体を該装置内の回転テーブル上の中心軸から半径方向に所定距離離れた位置に外周部にそって装着した。また、カソード電極(蒸発源)としてCrやAl、そしてCrとLと硼素の合金ターゲットを配置した。
続いて、成膜装置内を排気して10-2Pa以下の真空に保持しながら、ヒーターで装置内を400℃に加熱した後、0.8PaのArガス雰囲気に設定し、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に-1200Vの直流バイアス電圧を印加し、アルゴンイオンによって、工具基体表面を50分間ボンバード処理した。
成膜装置内に反応ガスとして、表2に示す分圧が0.1~1.0Paの範囲内のArガスを所定時間導入すると共に、同じく表2に示す炉内温度に維持し、前記回転テーブル上で自転しながら回転する工具基体に、表2に示す所定のパルススパッタ条件で、層厚に対応した時間で高出力パルススパッタを行い、表2に示す本発明の被覆工具(以下、「実施例」という)1~9を作製した。
一方、比較のため、前記工具基体1~3に対して、前記と同じ成膜装置を用いて、表3に示す条件で被覆層を蒸着形成し、表3に示す比較例の皮膜工具(以下、「比較例」という)1~5を作製した。
被覆層の平均層厚、被覆層の平均組成は、前記で作製した実施例1~9および比較例1~5の工具基体の表面に垂直な被覆層の縦断面について、工具基体の表面に平行な方向の幅が10μmであり、被覆層の厚み領域が全て含まれるよう設定された視野について、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いた断面観察により求めた。
具体的には、各層の平均層厚は観察断面(縦断面)を5000倍に拡大して、5点の膜厚を求めて平均層厚を算出した。各層の各成分平均含有割合については、厚さ方向に5本のTEM-EDS線分析を行って求めた。
Figure 2022139718000002
Figure 2022139718000003
Figure 2022139718000004
次いで、本発明工具1~9および比較例工具1~3について、SE445R0506Eのカッタを用いて、単刃の正面フライス切削加工試験を実施した。以下の切削条件でステンレス鋼SUS316Lについて高速高能率切削加工試験を実施した。
切削条件:
被削材:幅1500mm×長さ250mmのブロック材
切削速度: 260 m/min.
切り込み: 1.4 mm
送り: 0.15 mm/tooth.
切削長1.8mまで切削し、逃げ面摩耗幅を測定し、刃先の損耗状態を観察した。
切削試験の結果を表4に示す。
Figure 2022139718000005
表4の結果によれば、実施例1~9については、チッピング、剥離等の異常損傷の発生はなく、耐摩耗性、耐チッピング性のいずれにも優れていることがわかる。
これに対して、比較例1~5については、チッピングの発生、あるいは、逃げ面摩耗の進行により、短時間で寿命に至ることは明らかである。
1 工具基体
2 下部層
3 複合硼化物層(Crとランタノイドとの複合硼化物層)
4 上部層

Claims (1)

  1. 工具基体と該工具基体表面に被覆層を有する表面被覆切削工具であって、
    前記被覆層は、その平均層厚が0.5~10.0μmであるCrとランタノイドとの複合硼化物層を含み、該複合硼化物層の平均組成を組成比:Cr1-x(Lはランタノイドの1種または2種以上)で表したとき、原子比xが0.01~0.20で、zが1.0~3.5を満足する、
    ことを特徴とする表面被覆切削工具。
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