JP2022139025A - 駆動装置の制御回路および制御方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022139025000001
【課題】動力線とモータの対地間浮遊容量を簡便に、精度よく推定する。
【解決手段】スイッチング回路により交流電力を供給して電動機を駆動する駆動装置の制御回路であって、駆動装置は、駆動装置に電力を供給する電源からの経路を流れる電流を検出する電流検出部を有し、制御回路は、スイッチング回路による所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を検出部から取得することと、過渡電流に含まれる周波数を検出する周波数検出部を有し、検出された周波数から、駆動装置が有する接地電位との間に有する浮遊容量を算出することと、を実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、スイッチング素子等を用いた電力変換を行うモータドライバ等の制御回路および制御方法に関する。
従来、FA(Factory Automation)分野、ロボット分野等においては、制御対象を制御するモータには、モータドライバで生成された駆動電力が動力線を通じて供給される。モータドライバでは、主電源から供給された電力を用いて、インバータ等を介して所望の駆動電力を生成する際のスイッチング動作によって生ずる高周波ノイズ(スイッチングノイズ)対策が課題となっている。例えば、スイッチング動作に起因する高周波ノイズが、モータドライバとモータとの間を接続する動力線およびモータに存在する対地間浮遊容量を経由して高周波電流となって流れ込み、周辺機器およびモータドライバ内の回路の誤動作や機能停止を招くおそれがある。
高周波ノイズ対策として、例えば、特許文献1では出力相に流れる電流の高周波成分からモータ動力線及びモータの浮遊容量を推定することを開示する。また、特許文献2では、高周波成分によるホールセンサの温度上昇からモータ動力線及びモータの浮遊容量を推定することを開示する。しかしながら、しかし、この高周波成分には対地間容量以外の浮遊容量を流れる電流も含まれるため、対地間容量だけを正確に見積もることはできない。
特開2019-135473号公報 特開2019-135476号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、動力線とモータの対地間浮遊容量を簡便に、精度よく推定可能な技術を提供することにある。
上記の課題を解決するための開示の技術の一形態は、
スイッチング回路により交流電力を供給して電動機を駆動する駆動装置の制御回路であって、
前記駆動装置は、
前記駆動装置に電力を供給する電源からの経路を流れる電流を検出する電流検出部を有し、
前記制御回路は、
前記スイッチング回路による所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を前電流記検出部から取得することと、
前記過渡電流に含まれる周波数を検出する周波数検出部を有し、
前記検出された周波数から、前記駆動装置が有する接地電位との間に有する浮遊容量を算出することと、を実行することを特徴とする。
ここで、所定のスイッチング動作とは、例えば、スイッチング回路における1回または複数回のオンオフ動作をいう。この動作は、多数の周波数成分の発生が期待でき、経路の周波数特定を推定する目的に利用できる。要するに、ステップ関数状の変化が1回乃至数
回、経路に発生すればよい。
これにより、駆動装置であるモータドライバ3においては、当該所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を、電源である主電源2からモータドライバ3を経由して電動機であるモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCcに共振させることができる。当該スイッチング動作はモータ等を動作させない状態で行われるため、外乱が入りにくい構成で共振周波数と過渡現象とを結びつけることができ、動力線とモータの対地間浮遊容量を簡便に、精度よく推定することができる。
また、開示の技術の一形態においては、前記スイッチング回路は、出力相と高電位側接点との間に設けられたハイサイドスイッチと、前記出力相と低電位側接点との間に設けられたローサイドスイッチと、を有し、前記制御回路は、前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの一方をオン状態とし、他方をオフ状態とし、次に、前記一方をオフ状態とし、他方をオン状態とするスイッチング動作を前記スイッチング回路が実行するように制御するようにしてもよい。これにより、スイッチング回路であるインバータ40では、動力線とモータの対地間浮遊容量を推定するための過渡現象を適宜に伴う過渡電流をモータ4側に出力することができる。
また、開示の技術の一形態においては、前記駆動装置は、電源からの経路に直列に設けられるリアクタンス素子をさらに備え、前記過渡電流の周波数f1は、式1で与えられる。
(式1)f1=(1/2π)(LCc)-1/2
(Lはリアクタンス素子のインダクタンス、Ccは浮遊容量)
これにより、(式1)とリアクタンス素子のインダクタンスLとに基づいて、動力線とモータの対地間浮遊容量Ccを精度よく求めることができる。
また、開示の技術の一形態においては、前記駆動装置は、前記低電位側接点と前記高電位側接点と接地電位の間に設けられる容量素子をさらに備え、前記過渡電流の周波数f2は、式2で与えられる。
(式2)f2=(1/2π)(L(Cc+Cy))-1/2
(Lはリアクタンス素子のインダクタンス、Ccは浮遊容量、Cyは容量素子の静電容量)
これにより、(式2)と、リアクタンス素子のインダクタンスLおよび容量素子の静電容量に基づいて、動力線とモータの対地間浮遊容量Ccを精度よく求めることができる。
なお、リアクタンス素子はチョークコイルであり、制御回路は、チョークコイルを流れる過渡電流の振幅に伴って変化するコア磁束に基づいて該過渡電流に含まれる周波数を特定するようにしてもよい。このような形態であってもコア磁束の変化から過渡電流に含まれる周波数が特定できるので、対地間浮遊容量を推定するために用いられる計測対象のバリエーションを増やすことができる。
また、開示の技術の一形態においては、前記制御回路は、前記算出された浮遊容量に基づいて、前記駆動装置と前記電動機との間を接続する配線の見直しを促す通知を行うこと、をさらに実行するようにしてもよい。モータドライバ3-モータ4間を接続する動力線W2の長さ、配線引き回し、動力線W2のケーブル種別の見直しといった対地間浮遊容量を抑制するための具体的な処置を促すことができる。
また、開示の技術の一形態においては、前記制御回路は、前記算出された浮遊容量に基づいて漏洩電流を求め、前記求められた漏洩電流の通知を行うこと、をさらに実行するようにしてもよい。モータドライバ3のフレームグランドに生ずる漏洩電流の大きさが把握できるため、モータ駆動システム1の保守・点検等におけるユーザビリティが向上できる
また、開示の技術の他の一形態は、
スイッチング回路により交流電力を供給して電動機を駆動する駆動装置の制御回路の制御方法であって、
前記駆動装置は、
前記駆動装置に電力を供給する電源からの経路を流れる電流を検出する電流検出部を有し、
前記制御回路に、
前記スイッチング回路による所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を前記電流検出部から取得することと、
前記過渡電流に含まれる周波数を検出する周波数検出部を有し、
前記検出された周波数から、前記駆動装置が有する接地電位との間に有する浮遊容量を算出することと、を実行させる。
このような形態であっても、駆動装置であるモータドライバ3においては、所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を、電源である主電源2からモータドライバ3を経由して電動機であるモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCcに共振させることができる。ここで、所定のスイッチング動作とは、例えば、スイッチング回路における1回または複数回のオンオフ動作をいう。この動作は、多数の周波数成分の発生が期待でき、経路の周波数特定を推定する目的に利用できる。要するに、ステップ関数状の変化が1回乃至数回、経路に発生すればよい。所定のスイッチング動作はモータ等を動作させない状態で行われるため、外乱が入りにくい構成で共振周波数と過渡現象とを結びつけることができ、動力線とモータの対地間浮遊容量を簡便に、精度よく推定することができる。
また、開示の技術の他の一形態においては、前記スイッチング回路は、出力相と高電位側接点との間に設けられたハイサイドスイッチと、前記出力相と低電位側接点との間に設けられたローサイドスイッチと、を有し、前記制御回路に、前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの一方をオン状態とし、他方をオフ状態とし、次に、前記一方をオフ状態とし、他方をオン状態とするスイッチング動作を前記スイッチング回路が実行するように制御させてもよい。この形態であっても、スイッチング回路であるインバータ40では、動力線とモータの対地間浮遊容量を推定するための過渡現象を適宜に伴う過渡電流をモータ4側に出力することができる。
本発明によれば、分散型電源システムの自立運転時における発電装置の出力電圧制御と蓄電装置の出力電圧制御との干渉を抑制し、連続的な電力供給が可能になる。
本発明の実施例1に係るモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る対地間浮遊容量の推定を説明する説明図である。 本発明の実施例1における電源経路上に生ずる過渡現象の一例を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る対地間浮遊容量推定時における電流検出箇所を説明する説明図である。 本発明の実施例1に係る制御部のハードウェア構成の一例を示す図である。 本発明の実施例1に係る対地間浮遊容量の推定処理の一例を示すフローチャートである。
〔適用例〕
以下、本発明の適用例について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の適用例に係るモータ駆動システム1の概略構成を示すブロック図が例示される。図1のモータ駆動システム1には、モータ駆動用の主電源2から供給された電力を所望の駆動電力に変換してモータ4に出力するモータドライバ3が含まれる。主電源2は、例えば、商用の交流電源であり、電力線W1を通じて交流電力をモータドライバ3に供給する。モータドライバ3では、ノイズフィルタ20を通じて交流電力がコンバータ30に供給される。コンバータ30は、交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力をインバータ40に出力する。インバータ40は、モータ制御部12からの制御指令に基づいてスイッチング素子のオン・オフ駆動を行い、コンバータ30から出力された直流電力を所望の交流電力に変換し、モータ4を駆動制御するための駆動電力を生成する。生成された駆動電力は、動力線W2を通じてモータ4に出力される。主電源2およびモータ4は、それぞれ基準電位G1および基準電位G2に接地される。
モータドライバ3は、制御部10と、電流検出器13と、ノイズフィルタ20と、コンバータ30と、インバータ40とを備える。制御部10は、浮遊容量推定部11と、モータ制御部12と含む。インバータ40はスイッチング素子を構成要素に含む電力変換回路を有し、モータ制御部12からの制御指令に従って当該スイッチング素子のオン・オフ駆動を行い、直流バス14を通じて入力された直流電力を交流電力に変換し、所望の駆動電力を生成する。インバータ40で生成された駆動電力は動力線W2を通じてモータ4に供給され、当該動力線を流れる電流は電流検出器13によって検出される。電流検出器13によって検出された電流値は、制御部10の浮遊容量推定部11およびモータ制御部12に入力される。
図2から図4、図6に示すように、本適用例に係る浮遊容量推定部11は、所定のスイッチング動作に伴って動力線W2を通じてモータ4に流れ込む過渡電流に含まれる周波数成分に基づいて、動力線W2およびモータ4に存在する対地間浮遊容量を推定する。具体的には、直流バス14の高電位側バス14aに接続されたスイッチング素子のスイッチステータスと、低電位側バス14bに接続されたスイッチング素子のスイッチステータスとを切換えるスイッチング動作を行う。直流バス14の高電位側バス14a側に設けられたスイッチング素子は“ハイサイドスイッチ”、低電位側バス14b側に設けられたスイッチング素子は“ローサイドスイッチ”ともいう。ハイサイドスイッチとローサイドスイッチとは出力相で接続され、当該出力相を介して所定のスイッチング動作によって生成された駆動電力が動力線W2に出力される。
所定のスイッチング動作は、例えば、ハイサイドスイッチのスイッチステータスをオフ状態とし、ローサイドスイッチのスイッチステータスをオン状態とする。そして所定時間経過後に、ハイサイドスイッチのスイッチステータスをオフ状態からオン状態に遷移させ、ローサイドスイッチのスイッチステータスをオン状態からオフ状態に遷移させる。ここで、所定時間とは、ケーブル浮遊容量(動力線とモータの対地間浮遊容量)にたまった電荷がなくなる時間を指す。浮遊量推定部11は、モータ制御部12を通じて、上記スイッチング動作をインバータ40に実行させる。当該スイッチング動作は対地間浮遊容量の推定をする際に、単発的に実行される。このスイッチング動作により、過渡電流が動力線W2を介してモータ4の基準電位側に流れ込み、主電源2からモータドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCcに共振する周波数で電流値が減衰する過渡電流が電源経路上に生じることになる。
本適用例に係る浮遊容量推定部11は、電流検出器13を介してインバータ40から動
力線W2に流れる過渡電流の電流値を取得し、当該過渡電流の周波数成分を特定する。そして、式(1)または式(2)で示される共振周波数から、動力線W2およびモータ4に存在する対地間浮遊容量Ccを算出する。対地間浮遊容量を推定するために行われるスイッチング動作は、モータ動作時と比較して外乱が入りにくいため、スイッチング動作に伴う電流の過渡現象と式(1)または式(2)で示される共振周波数とを簡便な構成で結びつけることができる。本適用例によれば、動力線とモータの対地間浮遊容量を簡便に、精度よく推定することが可能になる。
〔実施例1〕
以下では、本発明の具体的な実施の形態について、図面を用いて、より詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本発明の実施例に係るモータ駆動システム1の概略構成を示すブロック図である。図1においては、モータ駆動用の主電源2から供給された電力を所望の駆動電力に変換してモータ4に出力するモータドライバ3を含むモータ駆動システム1が例示される。主電源2とモータドライバ3とは、電力線W1を介して接続され、当該モータドライバ3とモータ4とは動力線W2を介して接続される。主電源2およびモータ4は、それぞれ基準電位G1および基準電位G2に接地される。主電源2は、例えば、商用の交流電源であり、電力線W1を通じて交流電力をモータドライバ3に供給する。モータドライバ3は、供給された交流電力をコンバータ30を介して直流電力に変換し、当該直流電力をインバータ40に出力する。インバータ40は、モータ制御部12からの制御指令に基づいてスイッチング素子のオン・オフ駆動を行い、コンバータ30から出力された直流電力を所望の交流電力に変換し、モータ4を駆動制御するための駆動電力を生成する。生成された駆動電力は、動力線W2を通じてモータ4に出力される。モータ4では、モータドライバ3から供給された駆動電力に基づいて、制御対象になるワークやロボットアーム等が制御される。なお、本実施例においては、主電源2は「電源」の一例に相当し、モータドライバ3、モータ4のそれぞれは「駆動装置」、「電動機」の一例に相当する。また、インバータ40は、「スイッチング回路」の一例に相当する。
以下、図1に示す形態を用いて本実施例に係る対地間浮遊容量の推定を説明するが、本発明の対地間浮遊容量の推定はモータ駆動システム1の構成に限定されない。例えば、主電源2から供給される交流電力の相数は単相であっても3相であってもよく、主電源2は直流電力を供給する電力源であってもよい。主電源2から直流電力が供給される場合には、モータドライバ3はコンバータ30を設けなくともよい。また、モータドライバ3で生成される駆動電力は、単相2線式、単相3線式の交流電力であってもよく、3相3線式、3相4線式の交流電力でもよい。モータ4の動力供給形態に応じて適宜の駆動電力が生成される。なお、モータ4の種別についても、誘導式のモータであってもよく同期式のモータであってもよい。なお、図1においては、インバータ40は、3相の駆動電力を生成し、動力線W2を通じて生成された三相(R相、S相、T相)の交流電力が筐体の接地基準電位であるFG(FrameGround)とともにモータ4に接続される。動力線W2のFGは、
基準電位G2に接地される。
図1に示すように、モータドライバ3は、制御部10と、電流検出器13と、周波数カウンタ15と、ノイズフィルタ20と、コンバータ30と、インバータ40とを備える。制御部10は、浮遊容量推定部11と、モータ制御部12と含む。制御部10は、プロセッサ(CPU等)、メモリ、ゲートドライバ、通信インタフェース回路等を含んで構成されるユニットである。制御部10は、浮遊容量推定部11と、モータ制御部12とを機能要素に含む。浮遊容量推定部11、モータ制御部12、電流検出器13、周波数カウンタ15については後述する。本実施例においては、制御部10は「制御回路」の一例に相当
し、電流検出器13は「検出部」の一例に相当する。
ノイズフィルタ20は、モータドライバ3の電源ラインの高周波ノイズ等を除去するためのフィルタであり、モータドライバ3の電源入力側に設けられる。ノイズフィルタ20の入力端と電力線W1とは接続され、当該フィルタの出力端とコンバータ30の入力端が接続される。電力線W1を通じて主電源2からモータドライバ3に供給された電力は電源経路上に設けられたノイズフィルタ20を介してコンバータ30に入力される。コンバータ30は、ノイズフィルタ20を介して供給された主電源2の交流電力を直流電力に変換して直流バス14に出力する。コンバータ30とインバータ40とは、直流バス14を介して接続され、直流バス14の高電位側バス14aと低電位側バス14bとの間にはキャパシタ4が設けられる。キャパシタ4は、コンバータ30から出力される直流電力を蓄積し、直流バス14を通じてインバータ40に導通される直流電力の変動分を平滑化する平滑コンデンサとして機能する。
インバータ40はスイッチング素子を構成要素に含む電力変換回路を有し、モータ制御部12からの制御指令に従って当該スイッチング素子のオン・オフ駆動(PWM制御)を行い、直流バス14を通じて入力された直流電力を交流電力に変換し、所望の駆動電力を生成する。このようなスイッチング素子として、高速のスイッチング動作が可能な、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、サイリスタ、GTO(Gate Turn-Off thyristor)等が
例示される。インバータ40で生成された駆動電力は動力線W2を通じてモータ4に供給され、当該動力線を流れる電流は電流検出器13によって検出される。電流検出器13は、例えば、モータドライバ3のインバータ40の出力端に設けられたCT(Current Transformer)である。但し、電流検出器13は、クランプ式の電流センサでもよい。電流検
出器13によって検出された電流値は、周波数カウンタ15および制御部10のモータ制御部12に入力される。周波数カウンタ15は、電流検出器13によって検出された電流の周波数を計測する。計測された周波数は、制御部10の浮遊容量推定部11に入力される。但し、浮遊容量推定部11が、電流検出器13によって検出された電流値の推移から、周波数を計測するとしてもよい。例えば、一定期間における波の個数から周波数を求めてもよく、立ち上がりとたち下がりの期間(周期)から周波数を求めてもよい。また、ハードウェアとしての周波数カウンタ15の代わりに、モータ制御部12が電流検出器13によって検出された電流の信号値をフーリエ変換し、電流に含まれる支配的な周波数成分を求めてもよい。
モータ制御部12は、電流検出器13で検出された電流値、モータ4の回転速度をフィードバック情報とし、所定のトルク指令およびメモリ等に格納されたプログラム等に基づいて、当該モータの回転速度、トルク、回転位置等を制御するための制御指令を生成する。モータ制御部12で生成された制御指令はインバータ40に出力され、当該制御指令に従ってインバータ40のスイッチング動作が制御される。また、モータ制御部12は、浮遊容量推定部11からの通知を受け、対地間浮遊容量の推定を行うための所定のスイッチング指示をインバータ40に出力する。インバータ40においては、動力線W2とモータ4との対地間浮遊容量を推定するためのスイッチング動作が行われる。
本実施例に係る浮遊容量推定部11は、所定のスイッチング動作に伴って動力線W2を通じてモータ4に流れ込む過渡電流に含まれる周波数成分に基づいて、動力線W2およびモータ4に存在する対地間浮遊容量を推定する。具体的には、直流バス14の高電位側バス14aに接続されたスイッチング素子のスイッチステータスと、低電位側バス14bに接続されたスイッチング素子のスイッチステータスとを切換えるスイッチング動作を行う。浮遊量推定部11は、モータ制御部12を通じて、上記スイッチング動作をインバータ40に実行させる。当該スイッチング動作は対地間浮遊容量の推定をする際に、単発的に
行われる。
本実施例に係る浮遊容量推定部11は、上記の単発で実行されるスイッチング動作の際に、インバータ40から動力線W2に流れる過渡電流を電流検出部13を介して検出する。スイッチステータスの切換えは対地間浮遊容量の推定のために単発で行われるため、動力線W2に流れる電流値は減衰して所定値(例えば、0A近傍)に収束する。本実施例に係る浮遊容量推定部11は、電流検出部13を介して検出された過渡電流の、所定期間における電流値の推移から共振周波数を特定する。ここで、過渡電流に含まれる周波数は、主電源2からモータドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCに依存する。つまり、変化する電流値に含まれる周波数は、電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCと共振する。したがって、所定のスイッチング動作によって生じた過渡電流の減衰する周波数、すなわち共振周波数を特定することで、電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCを特定することが可能になる。
図2は、本実施例に係る対地間浮遊容量の推定を説明する説明図である。図2においては、基準電位(G1、G2)に対する主電源2からモータドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路の等価回路が例示される。図2においては、主電源2側の基準電位G1とモータ4側の基準電位G2は、基準電位Gとして表されている。主電源2は、当該電源から供給される交流電力の電圧線側電圧と中性線側電圧とを識別する形態で表されている。主電源2とモータドライバ3とを接続する電力線W1の中性線は基準電位Gに接地される。また、モータドライバ3のコンバータ30は、整流素子(ダイオード素子)D1からD4を用いたブリッジ回路として簡略化され、インバータ40は、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2とが直流バス14間に直列に接続された単相構成のブリッジ回路として簡略化されている。スイッチング素子S1は直流バス14の高電位側バス14aに接続され、スイッチング素子S2は低電位側バス14bに接続され、スイッチング素子S1とスイッチング素子S2との接続点(出力相)が動力線W2に接続される。基準電位Gに対する動力線W2とモータ4の対地間浮遊容量は“Cc”として表されている。以下では、直流バス14の高電位側バス14a側に設けられたスイッチング素子S1を“ハイサイドスイッチ”、低電位側バス14b側に設けられたスイッチング素子S2を“ローサイドスイッチ”とも言う。
図2において、主電源2から供給された交流電力はモータドライバ3のノイズフィルタ20を介してコンバータ30に入力される。ノイズフィルタ20は、インバータ40等のスイッチング動作に起因するコモンモードノイズ対策として、高インダクタンスのコモンモードチョークコイル20aを有する。コモンモードチョークコイル20aは、電源経路上に直列に設けられる。コンバータ30においては、ノイズフィルタ20から出力された交流電力の電圧線側電圧がダイオード素子D1のアノードとダイオード素子D2のカソードが接続される接続点に入力され、中性線側電圧がダイオード素子D3のアノードとダイオード素子D4のカソードが接続される接続点に入力される。ダイオード素子D1およびD3のカソードは直流バス14の高電位側バス14aと接続し、ダイオード素子D2およびD4のアノードは低電位側バス14bに接続されている。コンバータ30に入力された交流電圧は、ダイオード素子D1からD4によって整流されて、直流バス14に出力される。
インバータ40では、モータ制御部12からの制御指令に従って、高電位側バス14aに接続されたスイッチング素子S1、および、低電位側バス14bに接続されたスイッチング素子S2のスイッチング動作が行われ、直流バス14に出力された直流電力が交流電力に変換される。浮遊容量推定の際には、高電位側バス14aに接続されたスイッチング素子S1のスイッチステータスと、低電位側バス14bに接続されたスイッチング素子S
2のスイッチステータスとを切換える単発のスイッチング動作が行われる。例えば、スイッチング素子S1のスイッチステータスをオフ状態とし、スイッチング素子S2のスイッチステータスをオン状態とする。そして所定時間経過後に、スイッチング素子S1のスイッチステータスをオフ状態からオン状態に遷移させ、スイッチング素子S2のスイッチステータスをオン状態からオフ状態に遷移させる。このスイッチング動作により、過渡電流が動力線W2を介してモータ4の基準電位側に流れ込み、主電源2からモータドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCcに共振する周波数で電流値が減衰する過渡電流が電源経路上に生じることになる。なお、高電位側バス14aから出力相の間に複数のハイサイドスイッチを有し、低電位側バス14bから出力相の間に複数のローサイドスイッチを有するときには、全てのハイサイドスイッチのスイッチステータスおよび全てのローサイドスイッチのスイッチステータスを同じ状態としてステータス切換えを行えばよい。また、3相等の複数相の交流電力が生成される場合も同様であり、全相のハイサイドスイッチのスイッチステータスおよび全相のローサイドスイッチのスイッチステータスを同じ状態としてスイッチステータスの切換えを行えばよい。本実施例においては、高電位側バス14aに接続されたハイサイドスイッチのスイッチステータスと、低電位側バス14bに接続されたローサイドスイッチのスイッチステータスとを切換える単発のスイッチング動作が「所定のスイッチング動作」の一例に相当する。
図3は、電源経路上に生ずる過渡現象の一例を示すグラフである。図3(a)は、ノイズフィルタ20-コンバータ30間の電圧線および中性線に生じた過渡電流の推移を表すグラフであり、縦軸は規格化された電流値を表し、横軸は時間経過を表す。実線で表されたグラフI_Rは、電圧線側で検出された過渡電流の推移であり、細破線で表されたグラフI_Sは、中性線で検出された過渡電流の推移である。また、図3(b)はノイズフィルタ20-コンバータ30間の電圧線に生じた交流電圧値の過渡現象に伴う電圧推移を表すグラフV_Rであり、縦軸は電圧値を表し、横軸は時間経過を表す。図3(a)、(b)において、タイミングt1は、ハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスとが切換えられたタイミングを表す。
図3(a)に示すように、ハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスとの単発の切換えに伴う過渡現象において、電圧線に流れる過渡電流および中性線に流れる過渡電流は、粗同じ周期間隔で変動し、減衰していることがわかる。図3(a)に示す、電圧線に生じた交流電圧値の過渡現象に伴う電圧推移においても、所定の周期間隔で変動し、減衰していることがわかる。図3においては、ノイズフィルタ20-コンバータ30間の電圧線および中性線に生ずる過渡現象を例示するが、動力線W2に流れる電流においても同様の過渡現象が検出される。
ここで、主電源2からドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLは、主に、電流経路上に設けられたノイズフィルタ20のインダクタンスとして特定できる。ノイズフィルタ20にはコモンモードノイズを抑制するため高インダクタンスを有するコモンモードチョークコイル20aが設けられるためである。したがって、ノイズフィルタ20のインダクタンス(コモンモードチョークコイル20a)Lが既知であるときには、次に示す共振周波数の式(1)から電源経路上のキャパシタンスCcを求めることができる。
Figure 2022139025000002
また、図2に示すように、スイッチング素子のスイッチング動作に伴うコモンモードノイズ対策として筐体の基準電位であるFGに接地されるYコンデンサ(バイパスコンデンサ)が設けられる場合がある。例えば、図2においては、直流バス14の高電位側バス14aとモータドライバ3のFGとの間および低電位側バス14bとモータドライバ3のFGとの間、それぞれにYコンデンサが設けられている。Yコンデンサは、接地されたFGを介して基準電位Gに接続されるため、主電源2からモータドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路上のキャパシタンスCを構成する容量となる。したがって、Yコンデンサが存在する場合には、当該Yコンデンサの合計容量、すなわち、並列容量をCyとして、次に示す共振周波数の式(2)から、電源経路上のキャパシタンスCcを求めることができる。
Figure 2022139025000003
本実施例係る対地間浮遊容量の推定においては、高電位側バス14aに接続されたスイッチング素子S1のスイッチステータスと、低電位側バス14bに接続されたスイッチング素子S2のスイッチステータスとが切換わるスイッチング動作は、対地間浮遊容量の推定のために単発的に行われる。このようなスイッチング動作は、モータ4への動力線W2のケーブルセッティング時やモータ駆動システム1の電源投入時に実行される。このため、モータ動作時と比較して外乱が入りにくい構成で過渡電流の周波数成分を検出できる。したがって、動力線W2およびモータ4に存在する対地間浮遊容量Ccと、上記スイッチング動作に伴う電流の過渡特性とを簡便な構成で結びつけることができるため、式(1)または式(2)に示される共振周波数に基づいて当該対地間浮遊容量を精度よく推定することが可能になる。本実施例に係るモータドライバ3においては、動力線とモータの対地間浮遊容量を簡便に、精度よく推定することができる。
図4は、対地間浮遊容量推定時における電流検出箇所を説明する説明図である。図1、図2を用いて説明したように、モータドライバ3内で所定のスイッチング動作に伴う過渡電流の測定箇所は、動力線W2が接続されるインバータ40の駆動電力の出力端であってもよく(図4、A4)、ノイズフィルタ20とコンバータ30との間の接続経路であってもよい(図4、A1)。さらに、コンバータ30とインバータ40とが接続される直流バス14上の経路であってもよい(図4、A2a、A2b)。さらに、電圧線と中性線に直列に接続されたノイズフィルタ20のコモンモードチョークコイル20aのコア磁束を検出するとしてもよい(図4、A4)。図3(a)に例示の、電圧線に流れる過渡電流および中性線に流れる過渡電流は、コモンモードチョークコイル20aのコア磁束を電流振幅の変動に応じて変化させるため、当該コア磁束の変化を計測することで、過渡電流の周波数成分が特定できる。
<制御部構成>
図5は、本実施例に係る制御部10のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、制御部10は、接続バス106によって相互に接続されたプロセッサ101、主記憶装置102、補助記憶装置103、通信IF104、入出力IF105を含むコンピュータとして構成される。主記憶装置102および補助記憶装置103は、制御部10が読み取り可能な記録媒体である。上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
プロセッサ101は、制御部10全体の制御を行う中央処理演算装置である。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing
Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ101は、例えば、補助記憶装置103に記憶されたプログラムを主記憶装置102の作業領域に実行可能に展開し、当該プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を提供する。但し、プロセッサ101が提供する一部または全部の機能が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit
)等によって提供されてもよい。同様にして、一部または全部の機能が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ等の専用LSI(large scale integration)、その他のハードウェア回路で実現されてもよい。
主記憶装置102および補助記憶装置103は、制御部10のメモリを構成する。主記憶装置102は、プロセッサ101が実行するプログラム、当該プロセッサが処理するデータ等を記憶する。主記憶装置102は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置103は、プロセッサ101等により実行されるプログラムや、動作の設定情報などを記憶する記憶媒体である。補助記憶装置103は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、SD
(Secure Digital)メモリカード等を含む。通信IF104は、通信ネットワークとの通信インタフェースである。通信IF104は、接続される通信ネットワークとの接続方式に応じて適宜の構成を採用できる。入出力IF105は、モータドライバ3の備える入力デバイス、出力デバイスとの間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF105を通じて、LCD等の表示デバイスや、モータドライバ3の筐体等に設けられたLED等に所定の情報が出力される。また、入出力IF105を通じて、筐体等に設けられた操作ボタンや操作パネルを介して操作指示が受け付けられ、当該操作指示に基づく処理が行われる。さらに、本実施例においては、入出力IF105を通じて電流検出部13を介して検出された電流値が入力される。また、図4に示す電流計測箇所に設けられた電流センサ、磁束センサ等のセンサ検出信号が入力される。
<処理の流れ>
図6は、本実施例に係るモータドライバ3で実行される対地間浮遊容量の推定処理の一例を示すフローチャートである。図6のフローにおいては、インバータ40におけるハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスとを切換える単発のスイッチング動作が行われ、電流検出部13を通じてインバータ40から動力線W2に流れ込む過渡電流の周波数成分に基づく対地間浮遊容量の推定処理が行われる。本フローの処理は、例えば、モータ4への動力線W2のケーブルセッティング時やモータ駆動システム1の電源投入時に実行される。
処理の開始後、インバータ40のハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスが所定の状態に設定される(ステップS101)と、処理はステップS102に進む。ステップS102では、インバータ40のハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスが切換えられ、処理はステップS103に進む。このようなスイッチング動作は、例えば、モータ制御部12からの制御指令に従って実行される。浮遊容量推定部11は、例えば、モータドライバ3の筐体等に設けられた操作ボタン等の押下操作を介して浮遊容量推定処理の実行指示を受け付けると、対地間浮遊容量を推定するための所定のスイッチング動作の実行をモータ制御部12に通知する。通知を受けたモータ制御部12は、予めメモリ等に格納された浮遊容量推定のためのプログラムを実行し、ステップS101-S102のスイッチング動作に関する制御指令がインバータ40に出力される。インバータ40においては、制御指令に従って、高電位側バス14aと出力相との間に設けられたハイサイドスイッチのスイッチステータスと、出力相と低電位側バス14abとの間に設けられたローサイドスイッチのスイッチステータスとが設定される。例えば、ハイサイドスイッチのスイッチス
テータスがオフ状態に設定され、ハイサイドスイッチのスイッチステータスがオン状態に設定される。そして、所定時間経過後に、ステップS101で設定されたハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスが切換えられる。ハイサイドスイッチはオン状態に切換り、ローサイドスイッチはオフ状態に切換り、このスイッチング動作による過渡電流がインバータ40から動力線W2に出力される。インバータ40から動力線W2に出力された過渡電流は電流検出部13を介して検出され、検出された電流値が浮遊容量推定部11に出力される。
ステップS103では、過渡電流における周波数成分が特定されると、処理はステップS104に進み、当該周波数成分に基づいて、基準電位Gに対する動力線W2とモータ4の対地間浮遊容量Ccが推定される(ステップS104)。ステップS104の処理後、処理はステップS105に進む。浮遊容量推定部11は、例えば、電流検出部13を介して検出された電流値の時間経過に伴う推移から、電流値の共振周波数を特定する。そして、浮遊容量推定部11は、例えば、式(1)と、共振周波数と予めメモリ等に格納された既知のインダクタLに基づいて、対地間浮遊容量Ccを求める。あるいは、浮遊容量推定部11は、例えば、式(2)と、共振周波数と予めメモリ等に格納された既知のインダクタL、および、Yコンデンサ容量Cyに基づいて、Yコンデンサが設けられたときの対地間浮遊容量Ccを求める。
ステップS105では、推定された対地間浮遊容量がメモリ等に記録されると処理はステップS106に進む。対地間浮遊容量は、例えば、浮遊容量推定が実行された時刻情報と関連付けられて、主記憶部103の所定の領域に格納される。なお、対地間換浮遊容量は、他の属性情報と関連付けられてもよい。例えば、対地間浮遊容量を推定する際に使用されたインダクタL、Yコンデンサ容量Cyを属性情報として関連付けることができる。また、モータドライバ3の識別番号、モータ4の識別番号、動力線W2の識別番号を属性情報として関連付けてもよい。モータ駆動システム1の保守・点検等の際に、対地間浮遊容量が推定されたときのセッティング状況や動作環境等を把握するための情報として使用できる。
ステップS106では、推定された対地間浮遊容量が通知される。例えば、メモリ等に記録された対地間浮遊容量をモータドライバ3の筐体に設けられた表示パネル等に表示させてもよい。モータドライバ3の制御部11は、メモリ等に記録された対地間浮遊容量を読出し、入出力インタフェース105を介して筐体等に設けられた表示パネル等に表示させればよい。モータドライバ3を通じてモータ4を駆動する動作環境における、高周波ノイズの発生の度合いを推定する目安とすることができる。例えば、表示された対地間浮遊容量が相対的に大きい場合には、モータドライバ3-モータ4間を接続する動力線W2の長さ、配線引き回し、動力線W2のケーブル種別の見直しを促すメッセージ等を表示してもよい。さらに、対地間浮遊容量から漏洩電流を求め、当該漏洩電流を通知してもよい。
モータドライバ3は、所定の閾値をメモリ等に保持し、当該閾値と対地間浮遊容量との比較により、アラーム等を報知してもよい。このような閾値は、高周波ノイズ対策に関する設計値等から規定することができる。高周波ノイズ対策として設けられたノイズフィルタのインダクタンス、バイパスコンデンサ(Yコンデンサ)容量、動力線W2の特性等から閾値を規定することもできる。モータドライバ3の制御部11は、比較の結果、対地間浮遊容量が閾値を超えるときには、例えば、筐体等に設けられたアラーム灯を点灯させる等でアラームを報知し、上記の動力線W2の長さ、配線引き回し、動力線W2のケーブル種別の見直し等を促すことが可能になる。ステップS106の処理後、本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例に係るモータ駆動システム1のモータドライバ3においては、所定のスイッチング動作によってインバータ40から出力される過渡電流の周波
数成分を特定することで、動力線W2とモータ4との対地間浮遊容量が推定できる。所定のスイッチング動作は、インバータ40におけるハイサイドスイッチのスイッチステータスと、ローサイドスイッチのスイッチステータスとを切換える単一回のスイッチング動作である。インバータ40から出力される過渡電流は、主電源2からモータドライバ3を経由してモータ4に至る電源経路上のインダクタンスLおよびキャパシタンスCと共振する。所定のスイッチング動作は、渡的な電流、電圧の変化を引き起こすことにより、モータ4への動力線W2のケーブルセッティング時やモータ駆動システム1の電源投入時に、対地間浮遊容量の推定のために行われる。このため、モータ動作時と比較して外乱が入りにくい構成で過渡電流の周波数成分が検出でき、動力線W2およびモータ4に存在する対地間浮遊容量Ccと、上記スイッチング動作に伴う周波数成分とを簡便な構成で結びつけることができる。本実施例に係るモータドライバ3によれば、式(1)、または(2)に示される共振周波数に基づいて動力線とモータの対地間浮遊容量を精度よく、簡便に推定することが可能になる。
(その他)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本実施の形態の開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組合せて実施することができる。例えば、実施例1ではハイサイドスイッチとローサイドスイッチのスイッチング動作により、過渡電流を発生させて共振周波数による対地間浮遊容量を求める構成としたが、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチの何れかのスイッチステータスをオン状態に固定させたうえで、他方をスイッチングさせて過渡電流を発生させてもよい。
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成によって実現するかは柔軟に変更可能である。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<発明1>
スイッチング回路(40)により交流電力を供給して電動機(4)を駆動する駆動装置(3)の制御回路(10)であって、
前記駆動装置(3)は、
前記駆動装置(3)に電力を供給する電源(2)からの経路を流れる電流を検出する電流検出部(13)を有し、
前記制御回路(10)は、
前記スイッチング回路(40)による所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を前記電流検出部(13)から取得することと、
前記過渡電流に含まれる周波数を検出する周波数検出部(15)を有し、
前記検出された周波数から、前記駆動装置(3)が有する接地電位との間に有する浮遊容量を算出することと、を実行する駆動装置(3)の制御回路(10)。
<発明2>
前記スイッチング回路(40)は、
出力相と高電位側接点との間に設けられたハイサイドスイッチ(S1)と、
前記出力相と低電位側接点との間に設けられたローサイドスイッチ(S2)と、を有し、
前記制御回路(10)は、前記ハイサイドスイッチ(S1)およびローサイドスイッチ(S2)の一方をオン状態とし、他方をオフ状態とし、次に、前記一方をオフ状態とし、他方をオン状態とするスイッチング動作を前記スイッチング回路(40)が実行するように制御する発明1に記載の駆動装置(3)の制御回路(10)。
1 モータ駆動システム
2 主電源
3 モータドライバ(駆動装置)
4 モータ
10 制御部
11 浮遊容量推定部
12 モータ制御部
13 電流検出部
14 直流バス(14a;高電位側直流バス、14b;低電位側直流バス)
15 周波数カウンタ(周波数検出部)
20 ノイズフィルタ(20a;コモンモードチョークコイル)
30 コンバータ
40 インバータ
101 プロセッサ
102 主記憶装置
103 補助記憶装置
104 通信IF
105 入出力IF
106 接続バス
W1;電力線、W2;動力線
G、G1、G2、基準電位

Claims (8)

  1. スイッチング回路により交流電力を供給して電動機を駆動する駆動装置の制御回路であって、
    前記駆動装置は、
    前記駆動装置に電力を供給する電源からの経路を流れる電流を検出する電流検出部を有し、
    前記制御回路は、
    前記スイッチング回路による所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を前記電流検出部から取得することと、
    前記過渡電流に含まれる周波数を検出する周波数検出部を有し、
    前記検出された周波数から、前記駆動装置が有する接地電位との間に有する浮遊容量を算出することと、を実行する駆動装置の制御回路。
  2. 前記スイッチング回路は、
    出力相と高電位側接点との間に設けられたハイサイドスイッチと、
    前記出力相と低電位側接点との間に設けられたローサイドスイッチと、を有し、
    前記制御回路は、前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの一方をオン状態とし、他方をオフ状態とし、次に、前記一方をオフ状態とし、他方をオン状態とするスイッチング動作を前記スイッチング回路が実行するように制御する請求項1に記載の駆動装置の制御回路。
  3. 前記駆動装置は、電源からの経路に直列に設けられるリアクタンス素子をさらに備え、
    前記過渡電流の周波数f1は、式1で与えられる請求項1または2に記載の制御回路。
    (式1)f1=(1/2π)(LCc)-1/2
    (Lはリアクタンス素子のインダクタンス、Ccは浮遊容量)
  4. 前記駆動装置は、前記低電位側接点と接地電位の間および前記高電位側接点と接地電位の間にそれぞれ設けられる容量素子をさらに備え、
    前記過渡電流の周波数f2は、式2で与えられる請求項3に記載の制御回路。
    (式2)f2=(1/2π)(L(Cc+Cy))-1/2
    (Lはリアクタンス素子のインダクタンス、Ccは浮遊容量、Cyは容量素子の合計の静電容量)
  5. 前記制御回路は、前記算出された浮遊容量に基づいて、前記駆動装置と前記電動機との間を接続する配線の見直しを促す通知を行うこと、をさらに実行する請求項1に記載の駆動装置の制御回路。
  6. 前記制御回路は、前記算出された浮遊容量に基づいて漏洩電流を求め、前記求められた漏洩電流の通知を行うこと、をさらに実行する請求項5に記載の駆動装置の制御回路。
  7. スイッチング回路により交流電力を供給して電動機を駆動する駆動装置の制御回路の制御方法であって、
    前記駆動装置は、
    前記駆動装置に電力を供給する電源からの経路を流れる電流を検出する電流検出部を有し、
    前記制御回路に、
    前記スイッチング回路による所定のスイッチング動作によって生じる過渡電流を前記電流検出部から取得することと、
    前記過渡電流に含まれる周波数を検出する周波数検出部を有し、
    前記検出された周波数から、前記駆動装置が有する接地電位との間に有する浮遊容量を算出することと、を実行させる制御方法。
  8. 前記スイッチング回路は、
    出力相と高電位側接点との間に設けられたハイサイドスイッチと、
    前記出力相と低電位側接点との間に設けられたローサイドスイッチと、を有し、
    前記制御回路に、前記ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの一方をオン状態とし、他方をオフ状態とし、次に、前記一方をオフ状態とし、他方をオン状態とするスイッチング動作を前記スイッチング回路が実行するように制御させる請求項7に記載の制御方法。
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