JP2022130217A - リチウムイオン二次電池用正極活物質及びリチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質及びリチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高電位で作動する正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において、非水電解質の酸化分解によるガスの発生をより抑制できる正極活物質の製造方法を提供する。【解決手段】リチウム金属の標準電極電位4.5V以上の高電位で作動する正極活物質を用いるリチウムイオン電池用正極活物質であって、前記正極活物質は、Li1+p+q(Al,Ga)p(Ti,Ge)2-pSiqP3-qO12(0≦p≦1、0≦q≦1)で表される酸化物系固体電解質によって被覆されており、前記酸化物系固体電解質は固体NMRで測定した際のPピークにおける0~-20ppmのピーク強度比が全ピーク面積の50%以上であることを特徴とするリチウムイオン電池用正極活物質。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用の正極活物質に関する。
リチウムイオン二次電池の研究開発は、携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車、家庭用蓄電など幅広い用途において盛んに行われている。これらの分野に用いられるリチウムイオン二次電池には、安全性の高さ、長期サイクル安定性、高エネルギー密度などが求められている。
近年、安全性の高さ、長期サイクル安定性の観点から、負極活物質にチタン酸リチウム(LTO)を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。チタン酸リチウムの作動電位は、リチウムイオン電池の一般的な負極活物質である黒鉛よりも高いため、リチウムの析出が起きにくく、安全性が向上するものの、エネルギー密度の観点からは不利である。一方、正極活物質に関しては、Liの析出電位に対して4.5V以上の高電位で作動する材料が提案されている(例えば、特許文献1)。
チタン酸リチウムの作動電位の高さに起因するエネルギー密度の減少は、特許文献1に示されるような高電位で作動する正極活物質を組み合わせることで改善することが期待される。他方、負極活物質に黒鉛を用いた従来のリチウムイオン二次電池においても、正極活物質の表面で非水電解質の酸化分解によりガスが発生するが、従来の二次電池よりも正極活物質の作動電位が高い二次電池の場合には、上記したガスの発生の問題がより顕著となる。
そこで従来のリチウムイオン二次電池では、非水電解質に例えば添加剤を加えることによって正極表面に被膜を形成し、ガス発生を抑制する手段も採られている。高電位正極活物質でも同様の原理が適用できるものの、被膜に、より高い耐酸化性が必要となるため、その効果は十分ではないと考えられている。
一方、高電位で作動する正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池において、非水電解質の酸化分解によるガスの発生を抑制する正極活物質の製造方法も開示されている(特許文献2)。
特開2001-185148号公報 国際公開第2020/049843号
しかしながら、従来のいずれの技術でも、高電位正極活物質を使った場合のガス発生の抑制にはまだ改善の余地があった。そこで、本発明では、ガス発生をさらに抑制された正極活物質を提供することを目的とする。
[1]上記事情に鑑み、本発明者らは前記したガス発生を抑制する手段について検討を進めた結果、高電位で作動する正極活物質の表面に、酸化物系固体電解質を種々の条件を変えて被覆し検討したところ、正極活物質は、下記(1)式:Li1+p+q(Al,Ga)(Ti,Ge)2-pSi3-q12(0≦p≦1、0≦q≦1) ・・(1)
で表される酸化物系固体電解質によって被覆されており、且つ、上記固体電解質を固体NMRで測定した際のP(リン)に対応するピークにおける、ピークトップが0~-20ppmに存在するピークの積分強度比が全ピーク面積に対して50%以上である際に、上記課題を解決できることを初めて見出し、その際にガス発生を飛躍的に抑制できたことを確認し、本発明を完成するに至った。
[2]本発明では、前記固体電解質の平均粒径が10nm以下に微細化されている正極活物質であることが好ましい。
[3]本発明では、前記正極活物質が、下記式(2)で表される置換型リチウムマンガン化合物である[1]~[3]のいずれかに記載の正極活物質であることが好ましい。
Li1+xMn2-x-y ・・・(2)
前記式(2)中、x、yはそれぞれ0≦x≦0.2、0<y≦0.8を満たし、MはAl、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
[4]本願の別の発明として、正極、負極、及び非水電解質を備える、即ち非水系のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、正極集電体に上記[1]~[4]のいずれかに記載の被覆正極活物質を含む正極合剤を塗布する工程を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法である。
本発明によれば、高電位で作動する正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合、非水電解質の酸化分解によるガスの発生を従来のいずれの技術より抑制することが可能となる。
実施例1の固体NMRで測定したPピークを示す図である。 実施例2の固体NMRで測定したPピークを示す図である。 比較例1の固体NMRで測定したPピークを示す図である。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の正極活物質は、酸化物系固体電解質によって被覆されている。
一般的に、リチウムイオン二次電池には非水電解質が用いられており、詳細は後述するが、非水溶媒にリチウム塩を溶解させた、液体状態の非水電解質が使用されている。一方、非水溶媒とリチウム塩の両方の機能を併せ持つ、固体状態の固体電解質が存在する。固体電解質は、液体状態の非水電解質よりも酸化耐性が高いため、高電位での酸化分解は抑えられる。しかし、液体よりも固体のほうが、リチウムイオン伝導度が低いため、電解質全てを固体電解質に置き換えてしまうと、電池としての性能は大きく低下してしまう。
そこで、高電位の正極活物質の表面のみを固体電解質で被覆することで、非水電解質は従来のままでも、ガスの発生を抑制できる。被覆する方法は特に限定されないが、スプレーコーティングやメカニカルコーティング等の均一被覆が可能な手段が好ましい。スプレーコーティングは固体電解質を溶媒に分散させていることから、溶媒により接着性、展延性が付与され、均一に被覆することが可能であることから好ましい。また、熱処理により溶媒を揮発させる際、熱処理温度を調整し、好ましくは固体電解質の粒径や正極活物質との混合比を制御して、正極活物質の抵抗を上げることなく、電池性能を低下させずに、固体電解質で正極活物質を被覆できる。
固体電解質は、固体状態のため、固体の正極活物質を被覆するためには、ある程度の多大なエネルギーを要する。従い、せん断力及び圧縮力を付与できるメカニカルコーティング法は好ましく、固体電解質が正極活物質を被覆することで、従来の課題であった、非水電解質と正極活物質との接触を低減し、ガス発生を抑制することができる。さらに、詳細は後述するが、スプレーコーティング同様、熱処理温度を調整し、好ましくは固体電解質の粒径や正極活物質との混合比を制御して、正極活物質の抵抗を上げることなく、電池性能も低下せずに、固体電解質を正極活物質に被覆できる。
コーティングの方法によらず、固体電解質が正極材に表面全体に被覆されていることにより、電解液と接する面積が小さくなりガス発生が抑制される。また、電解液や添加剤が一部分解する場合、分解物が固体電解質による被覆の隙間を埋め良好な被膜を形成するため、さらなる電解液の分解を抑制することが可能となる。
被覆後の正極活物質における固体電解質の評価は固体NMR測定によってなされ、特に31P-NMRのスペクトルによって評価される。固体電解質としてのLi1+p+q(Al,Ga)(Ti,Ge)2-pSi3-q12(0≦p≦1、0≦q≦1) ・・(1)式、において、リンは通常単一の結合状態のみをとり、化学シフトが-20~-30ppmにピークトップが存在するピークのみが観察されるが、微粒子化することによる結合状態、特にリンに結合している酸素に結合している原子が変化し、0~-20ppmにピークトップが存在するピークが混在または当該ピークのみが観察されるようになる。リンのスペクトルの全ピーク強度における0~-20ppmのピークの積分強度の割合が50%以上100%以下、より好ましくは70%以上100%以下の際に、ガス発生を効果的に抑制することができる。
<スプレーコーティング法>
スプレーコーティングとはスプレーノズルから噴霧されるスプレー液のミストによって母材が湿潤を受けると同時に、スプレー液中に含まれる固形成分が母材の表面に付着し、乾燥固化されて、母材の表面に被覆層が形成される手段を表す。本発明では、正極活物質が母材に相当し、被覆剤が固体電解質に相当する。用いる装置としては、特に限定されないが、例えば、流動層コーティング装置、遠心転動型コーティング装置、転動流動層コーティング装置を好適に用いることができる。
スプレーコーティング法による処理は、用いる溶媒は特に限定されず、水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコールを使用できる。溶媒に高分子材料、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどを混合することで、固体電解質微粒子の凝集を抑制し、正極材表面に均一にコーティングすることが可能となる。固体電解質を溶媒に分散させてスラリーの状態でスプレーコーティングする際のスラリー中の固体電解質の濃度は、例えば10~25質量%である。
スプレーコーティングの処理温度は好ましくは5~100℃であり、より好ましくは8~80℃であり、さらに好ましくは10~50℃であり、処理時間は装置の大きさに依存するが、好ましくは5~90分、より好ましくは10~60分である。処理雰囲気は、特に限定されず、不活性ガス雰囲気下あるいは空気雰囲気下とすればよい。
<メカニカルコーティング法>
メカニカルコーティングとは、せん断力、圧縮力、衝突力および遠心力の少なくとも1種のエネルギーを母材及び/又は被覆剤に付与(せん断力及び圧縮力を付与できることが好ましく、せん断力、圧縮力及び衝突力を付与できることがより好ましい)しつつ、母材及び被覆剤を機械的に接触させることにより、母材と被覆剤を混合して母材表面に被覆材を被覆する手段を表す。本発明においては、正極活物質が母材に相当し、被覆剤が酸化物系固体電解質に相当する。用いる装置としては、特に限定されないが、例えば、ホソカワミクロン社製のノビルタに代表される摩砕式ミルや、遊星ボールミル(例えばフリッチュ社製)を好適に用いることができる。この中では、操作が簡便であり、ボールミルのように処理後にボールを分離する必要もないという観点および、粒子凝集よりも被覆が優先的に進行すること、さらに、表面の平滑性を得やすいことから、摩砕式ミルが好ましい。
本発明の製造方法において、有底円筒容器と、先端翼を備えるローターとを備え、上記先端翼と上記容器内周との間に所定のクリアランスを設け、上記ローターを回転させることで、上記正極活物質及び上記酸化物系固体電解質を含む混合物に圧縮力とせん断力を与えて、メカニカルコーティングを実施することが好ましい。
メカニカルコーティング法による処理は、乾式であっても湿式であってもよく、湿式の場合、用いる溶媒は特に限定されず、水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、例えばエタノール等のアルコールを使用できる。湿式の場合の溶媒の添加タイミングは特に限定されないが、酸化物系固体電解質を溶媒に分散させてスラリーの状態でメカニカルコーティング法に用いてもよく、スラリー中の酸化物系固体電解質の濃度は、例えば10~25質量%である。
メカニカルコーティングの処理温度は好ましくは5~100℃であり、より好ましくは8~80℃であり、さらに好ましくは10~50℃であり、処理時間は好ましくは5~90分、より好ましくは10~60分である。処理雰囲気は、特に限定されず、不活性ガス雰囲気下あるいは空気雰囲気下とすればよい。
スプレーコーティングまたはメカニカルコーティング後の試料をそのまま使用することも可能だが、熱処理を行うことが好ましい。これにより、上記正極活物質と上記酸化物系固体電解質の密着性が向上し、繰り返し充放電を行っても上記酸化物系固体電解質が上記正極活物質から剥離することが抑えられ、電池の長期信頼性が向上する。熱処理温度が高くなりすぎると上記酸化物系固体電解質の結晶構造が変化し、Liイオン伝導度が低下して電池の充放電が正常に行われなくなる場合があるため、熱処理温度は600℃以下であることが好ましく、より好ましくは500℃以下である。熱処理時間は、30分以上が好ましく、より好ましくは1時間以上であり、上限は特に限定されないが、例えば3時間以下である。
<正極活物質>
本発明の製造方法に用いる正極活物質は、リチウムの脱離及び挿入の平均電位がLi/Liに対して、すなわちLiの析出電位に対して(vs.Li/Liと表す場合がある)4.5V以上5.0V以下である。リチウムイオン挿入・脱離反応の電位(以下、電圧ともいう)(vs.Li/Li)は、例えば、正極活物質を用いた動作極、リチウム金属を対極とした半電池の充放電特性を測定し、プラトー開始時、及び終了時の電圧値を読み取ることによって求めることができる。プラトーが2箇所以上あった場合は、もっとも低い電圧値のプラトーが4.5V(vs.Li/Li)以上であればよく、もっとも高い電圧値のプラトーが5.0V(vs.Li/Li)以下であればよい。
リチウムイオンの挿入・脱離反応が、Liの析出電位に対して4.5V以上5.0V以下で進行する正極活物質は特に限定されないが、下記式(2)で表される置換型リチウムマンガン化合物が従来から検討されており、好ましい。
Li1+xMn2-x-y・・・(2)
上記式(2)中、x、yはそれぞれ0≦x≦0.2、0<y≦0.8を満たし、MはAl、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記式(2)の中でも、MがNiであるNi置換リチウムマンガン化合物が好ましく、特にx=0、y=0.5、M=Niである、すなわちLiNi0.5Mn1.54が充放電サイクルの安定性効果が高いことから特に好ましい。
正極活物質の粒径については特に限定されないが、粒径が小さすぎると、後述する酸化物系固体電解質の粒径との差が小さくなって被覆が難しくなるため、メジアン径d50は5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。またメジアン径d50は100μm以下であることが好ましく、80μm以下がより好ましく、30μm以下が更に好ましい。電極に加工する際の厚み範囲も考慮すると、上記d50は10~50μmであることが好ましく、10~30μmがより好ましい。
<固体電解質>
本発明に用いる固体電解質は、元素としてアルミニウムを含有し、化学的な安定性を考慮して酸化物系固体電解質を用いることが好ましい。酸化物系固体電解質は結晶構造別に逆蛍石型、NASICON型、ペロブスカイト型、ガーネット型などがあるが、特に限定されない。酸化物系固体電解質としては、例えば固体電解質Li1+p+q(Al,Ga)(Ti,Ge)2-pSi3-q12(0≦p≦1、0≦q≦1) ・・・(1)式で表されるLATPを用いることができ、特にLi1+pAlTi2-p12(0≦p≦1)が好ましい。
上記固体電解質の粒径については、上記正極活物質の表面を均一に被覆するために、BET比表面積換算径(dBET)を10nm以下まで微粒子化する。微粒子化処理の方法としては、ボールミル、ビーズミル等の公知の手段が使用され得る。なお、BET比表面積換算径(dBET)は、JIS-Z8830(2013)に規定された方法に従って、窒素吸着法一点法により、窒素吸着BET比表面積を求め、dBET=6/(密度×BET比表面積)の式により求められる粒径である。
上記正極活物質のメジアン径d50と、上記固体電解質のBET比表面積換算径dBETの比は10000:1~1000:1であることが好ましく、より好ましくは8000:1~1500:1であり、特に5000:1~2000:1が好ましい。正極活物質のメジアン径d50と、上記固体電解質のBET比表面積換算径dBETの差は可能な限り大きいほうが良い。差が小さい場合には、正極活物質への固体電解質の被覆よりも、固体電解質同士の凝集や正極活物質と固体電解質の凝集体生成が支配的になり、目的の効果が発揮されない。
また、上記正極活物質100質量部に対する上記固体電解質(スラリーで用いる場合は固形分)の割合は、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上であり、更に好ましくは2質量部以上であり、また10質量部以下が好ましく、より好ましくは5質量部以下であり、更に好ましくは4質量部以下である。上記割合は、1質量部以上、5質量部以下が好ましく(すなわち、上記正極活物質と上記固体電解質の質量比が100:1~20:1)、2質量部以上、4質量部以下である(すなわち、上記正極活物質と上記固体電解質の質量比が、50:1~25:1)ことも好ましい。
<リチウムイオン二次電池>
リチウムイオン二次電池は、主に、正極、負極、非水電解質で構成される。正極は、通常、正極活物質、導電助剤及びバインダー等を含む正極合剤を正極集電体に塗布することで作製され、負極は、通常、負極活物質、導電助剤及びバインダー等を含む負極合剤を負極集電体に塗布することで作製される。本発明の製造方法により得られる被覆正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として好適に用いられ、具体的には本発明の製造方法により得られる被覆正極活物質を含む正極合剤を正極集電体に塗布して正極を作製することができる。正極合剤を正極集電体に塗布した後、及び負極合剤を負極集電体に塗布した後は、100~200℃程度で乾燥させればよい。
上記被覆正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池の構成、及び被覆正極活物質以外に使用する材料、リチウムイオン二次電池の製造装置及び条件は、従来公知のものが適用でき、特に限定されない。
<負極活物質>
負極活物質としては、上述した通り、リチウム析出が起きにくく安全性が向上するという観点からチタン酸リチウムを使用することが好ましい。チタン酸リチウムの中でも、リチウムイオンの挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さい点から、スピネル構造のチタン酸リチウムが特に好ましい。チタン酸リチウムには、たとえばNbなどのリチウム、チタン以外の元素が微量含まれていてもよい。
<導電助剤>
導電助剤としては、特に限定されないが、炭素材料が好ましい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどが挙げられる。これら炭素材料は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。正極に含まれる導電助剤の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲であれば、正極の導電性が確保される。また、後述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。また負極に含まれる導電助剤の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。
<バインダー>
バインダーは、特に限定されないが、正極及び負極のいずれについても、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム、ポリイミド、およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。バインダーは正極及び負極の作製しやすさから、非水溶媒または水に溶解または分散されていることが好ましい。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えてもよい。本発明の正極に含まれるバインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上10重量部以下、より好ましくは2重量部以上5重量部以下である。上記範囲であれば、正極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性が十分に得ることができる。また負極に含まれるバインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。
<集電体>
正極集電体及び負極集電体のいずれも、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金は、正極及び負極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。この範囲内であれば、電池作製時の取扱い性、コスト、得られる電池特性の点でバランスが取り易い。なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、およびそれらの合金)の表面に正極及び負極の電位で反応しない金属を被覆したものも用いることもできる。
<非水電解質>
非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
非水溶媒としては、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン及び環状エーテルなどが例示される。鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状エーテル、及びアセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いても良い。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチルラクトン、1,2-ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は1種類で用いてもよいし、2種類以上混合しても用いてもよいが、後述の溶質の溶解させやすさ、リチウムイオンの伝導性の高さから、2種類以上混合した溶媒を用いることが好ましい。
2種類以上混合する場合、高温時の安定性が高く、且つ低温時のリチウム伝導性が高いことから、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、およびメチルプロピルカーボネートに例示される鎖状カーボネートのうち1種類以上、と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ-ブチルラクトンに例示される環状化合物のうち1種類以上との混合が好ましく、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートに例示される鎖状カーボネートのうち1種類以上と、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートに例示される環状カーボネートのうち1種類以上との混合が特に好ましい。
上記溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SOCFなどは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。非水電解質に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。0.5mol/L未満では所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合があり、一方、2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いる非水電解質の量は、特に限定されないが、電池容量1Ahあたり、0.1mL以上10mL以下であることが好ましい。この量であれば、電極反応に伴うリチウムイオンの伝導を確保でき、所望の電池性能が発現する。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極およびセパレータに含ませてもよいし、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回、あるいは積層した後に添加してもよい。
リチウムイオン二次電池は、上記した構成の他、通常、更にセパレータ、外装材を含む。
(セパレータ)
セパレータは、正極と負極との間に設置され、絶縁性かつ後述の非水電解質を含むことが出来る構造であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。サイクル特性の安定性が優れることから、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものの不織布であることが好ましい。
セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれてもよいし、金属酸化物等が被覆されていてもよい。セパレータの厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。この範囲内であれば、正極と負極が短絡することを防ぎつつ、電池の抵抗が高くなることを抑えることが出来る。経済性、取り扱いの観点から、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
上記セパレータの空隙率は、30%以上、90%以下であることが好ましい。30%未満であると、リチウムイオンの拡散性が低下するためサイクル特性が著しく低下し、一方、90%より高い場合は、電極の凹凸がセパレータを貫通しショートする恐れが非常に高くなる。リチウムイオンの拡散性の確保、およびショートの防止のバランスの観点から、35%以上、85%以下がより好ましく、上記バランスが特に優れていることから、40%以上、80%以下が特に好ましい。
(外装材)
外装材は、正極、負極およびセパレータを交互に積層または捲回してなる積層体、ならびに積層体を電気的に接続する端子を封入する部材である。外装材としては、金属箔にヒートシール用の熱可塑性樹脂層を設けた複合フィルム、蒸着やスパッタリングによって形成された金属層のものが使われる。また、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形もしくはシート形の金属缶が好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記実施例及び比較例で得られた電池を以下の方法により評価した。
(ガス発生量)
実施例と比較例におけるサイクル特性評価前後のリチウムイオン二次電池のガス発生量の評価は、アルキメデス法、すなわちリチウムイオン二次電池の浮力を用いて評価した。評価は下記の通りに行った。
最初に、リチウムイオン二次電池の重量を電子天秤で測定した。次に、比重計(アルファミラージュ株式会社製、品番:MDS-3000)を用いて水中での重量を測定し、これら重量の差をとることによって浮力を算出した。この浮力を水の密度(1.0g/cm3)で除することによって、リチウムイオン二次電池の体積を算出した。エージング後の体積と、サイクル特性評価後の体積を比較することによって、発生したガス量を算出した。ガス発生量が10ml未満のものを良好と判断した。
(リチウムイオン二次電池のサイクル特性評価)
実施例または比較例で作製したリチウムイオン二次電池を、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、サイクル運転を行った。60℃の環境下で、1.0C相当の電流値で電池電圧が終止電圧3.4Vに到達するまで定電流充電を行い、充電を停止した。続いて1.0C相当の電流値で定電流放電を行い、電池電圧が2.5Vに達した時点で放電を停止した。これを1サイクルとして充放電を繰り返した。サイクル特性の安定性は、1回目の放電容量を100としたときの500回目の放電容量を、放電容量維持率(%)として評価した。500回目の放電容量維持率が90%以上を良好、90%未満を不良とした。
合成例1(固体電解質の作製)
固体電解質として、Li1.3Al0.3Ti1.7(POを調製した。出発原料として、LiCO、AlPO、TiO、NHPO、溶剤となるエタノールを所定量混合し、直径3mmのジルコニア球を用いて150Gで1時間遊星ボールミル処理を行った。処理後の混合物からジルコニア球を篩で取り除いた後、120℃で乾燥してエタノールを除去した。その後、800℃で2時間処理を行い、LATP粉末を得た。
得られたLATP粉末に溶剤となるエタノールを所定量混合し、直径0.5mmのジルコニア球を用いて1~3時間遊星ボールミル処理を行った。処理後の混合物からジルコニア球を篩で取り除いた後、120℃で乾燥してエタノールを除去した。これにより、dBETが3~12nmのLATP微粉末を得た。次に、上記LATP微粉末とエタノールを混合し、上記LATP微粉末が16.4重量%のエタノール分散スラリーを得た。
実施例1
(i)正極の作製
正極の活物質として、メジアン径が12μmのスピネル型のニッケルマンガン酸リチウム(LiNi0.5Mn1.5、以下、LNMOともいう)を用いた。
LNMO40gを摩砕式ミル(ホソカワミクロン社製、ノビルタ)に投入し、クリアランス0.6mm、ローター負荷動力1.5kW、2600rpmで回転させながら、合成例1において1時間粉砕を施したLATP微粉末のエタノール分散スラリー6.1gを二回に分けて投入した。粉砕したLATPの粒径は6nmで、31P-NMR測定における0~-20ppmのピーク強度比率が80%であった。NMR測定はVARIAN社製VNMRS600を用いて測定した。NMR測定結果を図1に示す。その後、上記ローター回転数を2600~3000rpmの範囲に保って空気雰囲気下、室温で10分間処理し、LATPで表面を被覆したLNMOを得た。得られたLATPで表面が被覆されたLNMOを350℃で1時間熱処理した。
得られた表面被覆LNMO、導電助剤としてのアセチレンブラック、およびバインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を、それぞれ固形分濃度で90重量部、6重量部、および4重量部含む混合物を、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に分散させたスラリーを作製した。なお、上記バインダーは固形分濃度5重量%のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液に調整したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
上記スラリーを20μmのアルミニウム箔に塗工した後に、120℃のオーブンで乾燥させた。この操作をアルミ箔の両面に対して実施した後、さらに170℃で真空乾燥することによって正極を作製した。
(ii)負極の作製
負極活物質として、スピネル型のチタン酸リチウム(Li4Ti512、以下、LTOともいう)を用いた。上記LTO、導電助材としてのアセチレンブラック、およびバインダーとしてのPVdFを、それぞれ固形分濃度で100重量部、5重量部、および5重量部含む混合物を、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)に分散させたスラリーを作製した。なお、上記バインダーは固形分濃度5重量%のNMP溶液に調製したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
上記スラリーを20μmのアルミニウム箔に塗工した後に、120℃のオーブンで乾燥させた。この操作をアルミ箔の両面に対して実施した後、さらに170℃で真空乾燥することによって負極を作製した。
(iii)リチウムイオン二次電池の作製
上記(i)及び(ii)で作製した正極及び負極と、20μmのポリプロピレン製セパレータを用いて、以下の手順で電池を作製した。まず初めに、上記正極及び負極を80℃で12時間、減圧乾燥した。次に、負極/セパレータ/正極の順に正極を15枚、負極を16枚使用して積層した。最外層はどちらもセパレータとなるようにした。次に、両端の正極および負極にアルミニウムタブを振動溶着させた。
外装材となる二枚のアルミラミネートフィルムを準備し、プレスにより電池部となる窪みとガス捕集部となる窪みを形成後、上記電極積層体を入れた。非水電解質注液用のスペースを残した外周部を180℃×7秒でヒートシールし、未シール箇所から、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを、体積基準でエチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/15/70の割合で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなる割合で溶解させた非水電解質を入れた後に、減圧しながら未シール箇所を180℃×7秒でヒートシールした。得られた電池を0.2C相当の電流値で電池電圧が終止電圧3.4Vに到達するまで定電流充電を行い、充電を停止した。その後、60℃の環境で24時間静置した後、0.2C相当の電流値で定電流放電を行い、電池電圧が2.5Vに達した時点で放電を停止した。放電停止後、ガス捕集部に溜まったガスを抜き取り、再シールを行った。以上の操作により、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例2
正極の作製において、LATPの粉砕時間を3時間とし、LATPの粒径が3nm、31P-NMRにおける0~-20ppmに存在するピークの積分比率が100%であるものを接合することにより表面被覆LNMOを作製した以外は、実施例1と同様の操作を実施して、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。NMR測定結果を図2に示す。
比較例1
正極の作製において、粉砕時間を30分とし、LATPの粒径を9nm、31P-NMRにおける0~-20ppmに存在するピークの積分比率が47%であったものを使用する以外は、実施例1と同様の操作を実施して、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
比較例2
表面被覆を行わないLNMOを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2022130217000002

実施例1、2のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性評価によって発生したガス量が従来技術に比して格段に少なく、容量維持率も高い結果となった。従来技術(例えば、上記特許文献2)よりも固体電解質を微粒子化することによりリンの結合状態が変化し、ガス発生抑止効果やサイクル特性向上につながったと考えられる。
一方、粒子径が12nmと実施例1、2よりも大きく、31P-NMRにおける-20~0ppmに存在するピーク比率が47%であった比較例1はガス発生量が大きく、容量維持率も低い結果となった。これは、LATPの粒子粉砕が不十分で、リンの結合状態がガス発生を抑制する構造になっていないことが原因と考えられる。
以上の結果から、高電位で作動する正極活物質の表面に、少なくともリンを含む固体電解質を被覆した正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、高電位で充放電を行ってもガス発生量が少なく、サイクル特性も良好であることが明らかとなった。
本発明の被覆正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. リチウム金属の標準電極電位4.5V以上の高電位で作動する正極活物質を用いるリチウムイオン二次電池用正極活物質であって、
    前記正極活物質は、下記式(1)で表される酸化物系固体電解質によって被覆されており、
    Li1+p+q(Al,Ga)(Ti,Ge)2-pSi3-q12(0≦p≦1、0≦q≦1)・・・(1)
    前記酸化物系固体電解質は固体NMRで測定した際のPピークにおける0~-20ppmのピークの積分強度比が全ピーク面積の50%以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 前記酸化物系固体電解質は平均粒径が10nm以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 前記正極活物質が、下記式(2)で表される置換型リチウムマンガン化合物である請求項1又は2に記載の正極活物質。
    Li1+xMn2-x-y(x、yはそれぞれ0≦x≦0.2、0<y≦0.8を満たし、MはAl、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種) ・・・(2)
  4. 非水系のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた正極活物質を含む正極合剤を正極集電体に塗布する工程を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。


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