JP2022129703A - 回転電機、並びに、それを用いた電動送風機および電気掃除機 - Google Patents

回転電機、並びに、それを用いた電動送風機および電気掃除機 Download PDF

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啓祐 竹内
Keisuke Takeuchi
潤之介 中津川
Junnosuke Nakatsugawa
賢宏 伊藤
Masahiro Ito
聡 菊地
Satoshi Kikuchi
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Abstract

Figure 2022129703000001
【課題】
循環電流を抑制できるスロットレス型の回転電機を提供する。
【解決手段】
回転電機は、永久磁石を有する回転子と、回転子と、エアギャップを介して対向する固定子と、を備え、固定子は、磁性体からなる円筒状の固定子コア(4)と、固定子コア(4)の円筒表面と回転子との間に位置する絶縁部材(5)と、絶縁部材に巻装される第1の電機子巻線(6-1)および第2の電機子巻線(6-2)と、を備え、第1の電機子巻線(6-1)と第2の電機子巻線(6-2)は並列接続され、第2の電機子巻線(6-2)は、巻数が、第1の電機子巻線(6-1)よりも所定の数だけ大きい。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機、並びに、それを用いた電動送風機や電気掃除機に関する。
固定子コアがスロットを有さず電機子巻線が固定子コアに巻装さないスロットレス型の回転電機は、小型化に有利なため、電動送風機や電気掃除機などの小型軽量化が要求される機器に適している。
このスロットレス型の回転電機の構造に関する従来技術として、例えば、特許文献1に記載される技術が知られている。
特許文献1に記載された技術では、表面に絶縁層が形成される円筒状のステーターの内側表面および外側表面に、それぞれ第1のコイルおよび第2のコイルが配される。
特開2013-162572号公報
上記従来技術では、第1のコイルと第2のコイルとを、固定子コアと回転子との間に配置し、並列接続すると、第1のコイルと第2のコイル間に循環電流が流れ、回転電機の効率が低下する恐れがある。
そこで、本発明は、循環電流を抑制できるスロットレス型の回転電機、並びに、この回転電機を用いた電動送風機および電気掃除機を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による回転電機は、永久磁石を有する回転子と、回転子と、エアギャップを介して対向する固定子と、を備えるものであって、固定子は、磁性体からなる円筒状の固定子コアと、固定子コアの円筒表面と回転子との間に位置する絶縁部材と、絶縁部材に巻装される第1の電機子巻線および第2の電機子巻線と、を備え、第1の電機子巻線と前記第2の電機子巻線は並列接続され、第2の電機子巻線は、巻数が、第1の電機子巻線よりも所定の数だけ大きい。
また、上記課題を解決するために、本発明による電動送風機は、インペラと、インペラを駆動する回転電機と、を備えるものであって、回転電機が、上記本発明による回転電機である。
また、上記課題を解決するために、本発明による電気掃除機は、電動送風機を備えるものであって、電動送風機が、上記本発明による電動送風機である。
本発明によれば、スロットレス型の回転電機における循環電流を低減できる。また、本発明によれば、スロットレス型の回転電機を備える電動送風機、およびこの電動送風機を備える電気掃除機の効率を向上することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1であるスロットレス型の回転電機の構成を示す分解斜視図である。 実施例1の回転電機の外観を示す斜視図である。 図2に示す回転電機100のI-I断面図である。 電機子巻線6の分解斜視図である。 実施例1における電機子巻線の結線状態を示す三相結線図である。 実施例1における磁石磁束の分布を示すグラフである。 実施例1における内層巻線および外層巻線の巻数を変えたときの、鎖交磁束および循環電流の時間変化を示す。 実施例2であるスロットレス型の回転電機の構成を示す断面図である。 実施例3であるスロットレス型の回転電機の構成を示す部分断面図である。 実施例4であるスロットレス型の回転電機の構成を示す部分断面図である。 実施例5である電動送風機の断面図である。 実施例6である電気掃除機の外観を示す斜視図である。 実施例6の電気掃除機の外観を示す側面図である。 実施例6の電気掃除機本体の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について、下記の実施例により、図面を参照しながら説明する。
各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
以下の実施例による回転電機は、例えば、電動送風機や電気掃除機に用いられる電動機として好適である。
図1は、本発明の実施例1であるスロットレス型の回転電機の構成を示す分解斜視図である。
また、図2は、実施例1の回転電機の外観を示す斜視図である。
回転電機100は、回転子50と固定子51とを備える。
回転子50は、回転軸1に固定された複数極の永久磁石2と、高速回転時に永久磁石2の破損を防止するカバー3とを備え、回転軸1(シャフト)を中心として回転可能である。回転軸1は、軸方向両側もしくは片側において、図示しない軸受により回転自在に支持されており、軸受は図示しないエンドブラケットにより支持されている。
永久磁石2としては、サマリウム鉄窒素磁石、ネオジム磁石、フェライト磁石などが適用できる。カバー3の材料としては、ステンレス鋼やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などが適用できる。
固定子51は、図示しないハウジングに支持され、固定子コア4と、ボビン5と、電機子巻線6とを備える。円筒状の固定子コア4の内周側には、回転子50がエアギャップを介して固定子コア4の内周と対向するように配置されている。
固定子コア4の磁性材料としては、鉄を主成分とした電磁鋼板などが適用できる。この場合、固定子コア4は、電磁鋼板の積層体から構成される。ボビン5の材料としては、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂などの絶縁性樹脂が適用できる。また、電機子巻線6は、銅線やアルミニウム線などの被覆導線から構成される。
なお、固定子コア4の磁性材料として、バルク材料を適用してもよい。また、ボビン5は、表面が絶縁層により被覆されたアルミニウムなどの非磁性金属から構成されてもよい。
回転電機100は、図示しないインバータ装置から供給される三相交流電力によって駆動される。インバータ装置は、半導体装置(例えば、IGBTやパワーMOSFET)のスイッチング動作によって、バッテリなどの直流電源から入力する直流電力を三相交流電力に変換する。この三相交流電力が電機子巻線6に出力されると、電機子巻線6に三相交流電流が流れて、固定子51に回転磁界が発生する。電機子巻線6に流れる三相交流電流の周波数および位相は、図示しない制御回路および駆動回路により制御される。
図3は、図2に示す回転電機100のI-I断面図である。なおI-I断面は、回転軸1およびその中心軸線Ax(図2)に垂直な断面であり、固定子コア4の軸方向の略中央部における垂直断面である。
図3に示すように、円環状の断面を有する固定子コア4の内周側にボビン5が嵌装されている。すなわち、ボビン5は、固定子コアの円筒表面(本実施例1では内壁面)と回転子50の表面との間に位置する。ボビン5は内側円環部5-1と、内側円環部5-1から径方向外側へ向かって突き出た複数のティース部5-2と、ティース部5-2から回転方向両側に張り出した複数のトップ部5-3とで構成される。ティース部5-2およびトップ部5-3はボビン5の全周に亘って均等な間隔で配置されている。各ティース部5-2の両側の空隙部であるスロット7は、電機子巻線6を巻装するための空間である。
なお、図2では、複数あるティース部5-2、トップ部5-3およびスロット7の内、代表して一部のティース部、トップ部およびスロット部に符号を付している(他の図も同様)。
スロット7内には、電機子巻線6を構成するU相、V相およびW相の複数の相に対応する複数の巻線が装着されている。本実施例1では、一つのスロット7に二つの電機子巻線6が配置され、スロット7は等間隔に6個設けられている。
電機子巻線6は、回転軸1からの距離が近い内層巻線6-1と、回転軸1からの距離が遠い外層巻線6-2とで構成される。内層巻線6-1は、スロット7内において、径方向で、ボビン5の内側円環部5-1側に位置し、内側円環部5-1に接する。外層巻線6-2は、スロット7内において、径方向で、ボビン5のトップ部5-3側に位置し、トップ部5-3に接する。
電機子巻線6は、三相巻線であり、U相巻線、V相巻線、W相巻線が、例えば、U(-)巻線(6-1)から初めて回転方向(図中、時計回り)に、U(-)巻線(6-1)、V(+)巻線(6-2)、W(-)巻線(6-2)、U(+)巻線(6-1)、…というように、相順に、1巻線ずつ並んで配置される。
本実施例では、回転子50は4極で構成されるため、図3に示すように、電機子巻線6の総数は、4(極)×3(相)の12個であり、スロット7の個数は、12(巻線総数)/2(1スロットあたりの巻線数)の6個である。そのため、各相の電機子巻線6(4個)は機械角90度の間隔で均等に配置されている。
図4は、電機子巻線6の分解斜視図である。
三相分の内層巻線6-1が中空の略円筒状に配置される。また、三相分の外層巻線6-2が中空の略円筒状に配置される。内層巻線6-1からなる円筒形状の半径は、外層巻線6-2からなる円筒形状の半径よりも小さい。このため、各々のコイルエンド部8が干渉することなくボビン5に装着される。
また、本実施例では、機械角90度の間隔で隣接する、各相の内層巻線6-1どうし(例えば、U(-)巻線(6-1)およびU(+)巻線(6-1))、および機械角90度の間隔で隣接する、各相の外層巻線6-2どうし(例えば、U(-)巻線(6-2)およびU(+)巻線(6-2))は、コイルエンド部8によって固定子51の軸方向における外側で接続されている。これにより、一つの環状コイルが構成される。
図5は、本実施例1における電機子巻線の結線状態を示す三相結線図である。
内層巻線6-1の三相巻線(U1,V1,W1)は、Δ結線により結線される。外層巻線6-2の三相巻線(U2,V2,W2)は、Δ結線により結線される。結線された内層巻線6-1の三相巻線と、結線された外層巻線6-2の三相巻線とは、並列接続される。並列接続される各相の二つの巻線の内、一方は内層巻線6-1、他方は外層巻線6-2となる。
なお、Δ結線に代えて、Y結線が適用されてもよい。また、並列接続される三相巻線の個数は、2個に限らず、極数に応じて選択可能な個数の内、2より大きな他の個数(整数)としてもよい。
以下、本実施例1の内層巻線6-1および外層巻線6-2の巻数について説明する。
まず、回転電機の所望の性能を満たす巻数Nは、一般に式(1)に基づいて設定される。
Figure 2022129703000002
式(1)において、Imaxは回転電機に流す最大電流、Vmaxは回転電機に印加可能な最大電圧、Tmaxは最大トルク、Ωmaxは最大回転速度、KtおよびKeは回転電機の材料および構造により設定される定数を表す。なお、Ktはトルクに関わる定数であり、Keは誘導起電力に関わる定数である。
さらに、本発明者の検討によれば、この時、内層巻線6-1の巻数Pおよび外層巻線の巻数Qは、式(2)を満たす1以上の整数nを用いて表される式(3)の範囲内から選択される。
Figure 2022129703000003
Figure 2022129703000004
式(2)において、Ricは内層巻線6-1の平均半径、Rocは外層巻線6-2の平均半径、Rsは固定子コア4の内半径、pは極対数を表す。
式(3)が示すように、外層巻線6-2の巻数Qは内層巻線6-1の巻数Pよりも大きくする。これにより、内層巻線6-1による誘導起電力と外層巻線6-2による誘導起電力の不平衡が緩和され、循環電流の発生が抑制される。さらに、式(2)および(3)は、誘導起電力の不平衡を確実に抑えるために、内層巻線6-1における鎖交磁束と外層巻線6-2における誘導起電力を等しくするという観点で、本発明者が内層巻線6-1の巻数と外層巻線6-2の巻数について検討した結果である。
次に、本実施例1の作用効果について説明する。
図6は、本実施例1における磁石磁束の分布を示すグラフである。
回転軸1の中心線Ax(図2)を原点として、永久磁石2の着磁方向に沿うようにして半径座標rをとり、反時計回りを正とする回転座標θとする極座標系を定義する。本グラフは、半径座標軸上における、永久磁石2の外半径Rmから、固定子コア4の内半径Rsまでの区間の磁束密度の、本発明者による電磁界解析結果である。
図6のグラフは、永久磁石2の表面から離れるほど、磁束密度が減衰することを示している。内層巻線6-1の平均半径Ricは、外層巻線6-2の平均半径Rocよりも小さく、内層巻線6-1の方が永久磁石2の表面から近いため、内層巻線6-1における磁束密度は、外層巻線6-2における磁束密度よりも高い。
電機子巻線6に三相交流電流を流し、回転子50を回転させると、電機子巻線6にはファラデーの電磁誘導の法則に従って誘導起電力が発生する。内層巻線6-1における磁束密度は、外層巻線6-2における磁束密度よりも高いため、内層巻線6-1の巻数と外層巻線6-2の巻数が等しい場合、内層巻線6-1の鎖交磁束は、外層巻線6-2の鎖交磁束よりも大きくなる。このため、内層巻線6-1の誘導起電力は、外層巻線6-2の誘導起電力よりも大きくなる。各相の内層巻線6-1と外層巻線6-2は並列に接続されているため、誘導起電力の不平衡に起因して、互いに並列接続される内層巻線6-1と外層巻線6-2との間に、循環電流が流れる。このため、銅損が増加し、回転電機効率の低下を招く。
本実施例1では、内層巻線6-1および外層巻線6-2の巻数を異ならせることにより、磁石磁束の減衰による内層巻線6-1および外層巻線6-2の誘導起電力の不平衡を抑制し、循環電流を低減して、回転電機効率の向上を図っている。
永久磁石表面からの磁束密度は、式(4)で表すことができる。式(4)では、図6で定義した極座標系(r,θ)が用いられている。なお、式(4)は、ブラシレス永久磁石回転電機における磁界分布の解析モデルに関する従来の知見に基づいている。
Figure 2022129703000005
式(4)において、ただし、Beは磁石材料および永久磁石2の内半径などにより定まる定数である。また、pは、式(2)と同様に、極対数である。
誘導起電力は、コイルの巻数と、コイル内側の磁束密度と、コイル内側の面積と、回転速度と、極対数とをかけ合わせて算出できるため、式(4)を用いて、内層巻線6-1の誘導起電力Einと外層巻線6-2の誘導起電力Eoutは、式(5)で表される。
Figure 2022129703000006
式(5)において、Ωは回転速度、Pは内層巻線6-1の巻数、Qは外層巻線6-2の巻数、βは電機子巻線6のコイルピッチ角度、l(小文字のエル)は固定子コア4の軸方向の積厚を表す。
式(5)を用いて、内層巻線6-1の誘導起電力Einと外層巻線6-2の誘導起電力Eoutの比は式(6)で表される。
Figure 2022129703000007
式(6)の値が1に近づけば、誘導起電力の不平衡を低減することができる。ただし、巻数は回転電機としての所望の性能を満たすよう、式(1)を満たすようにPおよびQは選択される。そのため、内層巻線6-1の巻数をNから所定数減らし、外層巻線6-2の巻数をNから所定数増やすことにより、回転電機の所望の性能を満たしつつ、式(6)の値を1に近づけて循環電流を低減することができる。すなわち、式(2)を満たす1以上の整数nを用いて表される式(3)の範囲内から、PおよびQの値が選択される。
図7は、本実施例1における内層巻線6-1および外層巻線6-2の巻数を変えたときの、鎖交磁束および循環電流の時間変化を示す。
図7において、内層巻線6-1の巻数Pと外層巻線6-2の巻数Qの組み合わせ(P,Q)を、(1)(N,N)、(2)(N―(n―1),N+(n―1))、(3)(N-n,N+n)としている。内層巻線6-1と外層巻線6-2の鎖交磁束、および内層巻線6-1と外層巻線6-2を循環する電流の波形は、本発明者による電磁界解析結果である。
図7中の(1)の場合、内層巻線6-1の鎖交磁束は、内層巻線6-1の方が永久磁石2からの距離が近いため、外層巻線6-2の鎖交磁束よりも大きい。このため、循環電流が流れている。
図7中の(2)の場合、内層巻線6-1の鎖交磁束は、外層巻線6-2の鎖交磁束よりも若干大きいが、両巻線の巻数を異ならしめたため、両巻線の各鎖交磁束の大きさの差が小さくなる。このため、循環電流が低減されている。
図7中の(3)の場合、両巻線の巻数をさらに異ならしめたため、(1)の場合と逆に、外層巻線6-2の鎖交磁束が、内層巻線6-1の鎖交磁束よりも大きくなる。このため、大きな循環電流が流れる。
図7が示すように、式(3)の範囲内に、誘導起電力の不平衡が低減される巻数P,Qの組み合わせが含まれる。本実施例では、図7中の(2)の場合に、鎖交磁束比(内層/外層比)が最も1に近くなり、循環電流が最も小さくなる。
なお、式(3)を満たす内層巻線6-1の巻数Pと外層巻線6-2の巻数Qの組み合わせ(P,Q)は、(2)および(3)の場合以外に、(N―n,N+(n-1))と(N―(n-1),N+n)でもよい。また、巻線の最終ターンにおいて、素線をコイル全周に亘って巻かず、巻回し途中で隣接コイルを巻き始めることにより、非整数の巻数とすることができるため、P,Qとして、式(3)を満たす実数を選択することもできる。
上述のように、本実施例1によれば、固定子の磁性体コアに巻線が巻装されないスロットレス型の回転電機において、外層巻線6-2の巻数を内層巻線6-1の巻数よりも大きくすることにより、内層巻線6-1と外層巻線6-2間に流れる循環電流を抑制できる。これにより、回転電機の効率が向上する。
また、内層巻線6-1の巻数Pと外層巻線6-2の巻数Qが前述の式(3)を満たすことにより、確実に、循環電流を低減できる。
図8は、本発明の実施例2であるスロットレス型の回転電機の構成を示す、図3と同様に、回転軸に垂直な方向の断面図である。
以下、主に、実施例1と異なる点について説明する。
本実施例2においては、絶縁部材からなるボビン5の構成が実施例1とは異なる。
図7に示すように、内層巻線6-1が配置されているスロット7において、実施例1(図3)と同様に、内層巻線6-1の内周側はボビン5の内周円環部(図3の「5-1」)に接する。さらに、本実施例2では、内層巻線6-1の外周側がボビン5のトップ部(図3の「5-3」)に接する。このため、内層巻線6-1が配置されているスロット7においては、ボビン5のトップ部の厚みがボビン5の内周円環部の厚みよりも厚い(実施例1(図3)では同じ厚み)。
また、図7に示すように、外層巻線6-2が配置されているスロット7において、実施例1(図3)と同様に、外層巻線6-2の外周側はボビン5のトップ部(図3の「5-3」)に接する。さらに、本実施例2では、外層巻線6-2の内周側がボビン5の内周円環部(図3の「5-1」)に接する。このため、外層巻線6-2が配置されているスロット7においては、ボビン5の内周円環部の厚みがボビン5のトップ部の厚みよりも厚い(実施例1では同じ厚み)。
本実施例2によれば、各巻線の内外周側がともにボビン5に接するので、ボビン5によって各巻線の位置が固定される。これにより、図6のような極座標において、内層巻線6-1の各々の位置(r)を精度よく所定値に設定できるとともに、外層巻線6-2の各々の位置(r)を精度よく所定値に設定できる。すなわち、内層巻線6-1の各々の位置の平均半径Ric(図6参照)からのばらつきが低減できるとともに、外層巻線6-2の各々の位置の平均半径Roc(図6参照)からのばらつきが低減できる。これにより、実施例1による内層巻線6-1および外層巻線6-2の巻数の設定と相まって、確実に、循環電流を低減できる。
図9は、本発明の実施例3であるスロットレス型の回転電機の構成を示す、回転軸に垂直な方向の部分断面図である。
以下、主に、実施例1と異なる点について説明する。
図8に示すように、本実施例3においては、外層巻線6-2を構成する素線の断面積を、内層巻線6-1を構成する素線の断面積よりも大きくする。
これにより、外層巻線6-2の巻数を内層巻線6-1の巻数よりも大きくすることに伴う、外層巻線6-2の巻線抵抗の増加を緩和できる。これにより、巻線抵抗による電力損失の増加を緩和できる。また、内層巻線6-1および外層巻線6-2の各巻線抵抗の差を低減できるので、内層巻線6-1に電流が偏ることが防止できる。したがって、回転電機効率を向上することができる。
なお、本実施例3では、素線として丸線が適用されているが、これに限らず、角線などが適用されてもよい。
図10は、本発明の実施例4であるスロットレス型の回転電機の構成を示す、回転軸に垂直な方向の部分断面図である。
以下、主に、実施例1と異なる点について説明する。
本実施例4においては、内層巻線6-1を構成する複数の素線が互いに固着されるとともに、内層巻線6-1がボビン5に固着される。
なお、固着手段としては、例えば、自己融着線の使用や、ワニスの塗布などがある。
本実施例4によれば、図6のような極座標において、内層巻線6-1の各々の位置(r)を精度よく所定値に設定できるとともに、外層巻線6-2の各々の位置(r)を精度よく所定値に設定できる。すなわち、内層巻線6-1の各々の位置の平均半径Ric(図6参照)からのばらつきが低減できるとともに、外層巻線6-2の各々の位置の平均半径Roc(図6参照)からのばらつきが低減できる。これにより、実施例1による内層巻線6-1および外層巻線6-2の巻数の設定と相まって、確実に、循環電流を低減できる。
さらに、電機子巻線6に働く電磁力や外力に伴う内層巻線6-1および外層巻線6-2の位置の変動を抑制できる。したがって、各巻線の位置の変動に伴う循環電流の増大を防止できる。
図11は、本発明の実施例5である電動送風機の断面図である。
図11に示すように、電動送風機200は、斜流インペラ201と、ファンカバー202と、ディフューザ203と、斜流インペラ201を回転駆動する回転電機100(電動機)とを備える。
回転電機100としては、上述の実施例1~4のいずれかによるスロットレス型の回転電機が適用される。
回転電機100は、モータハウジング204の中に納められ、ボビン5がエンドブラケット207に設けられたボビン保持部206に固定されている。回転子50は軸受205を介してモータハウジング204に回転自在に固定されている。
回転軸1(シャフト)の軸端には、斜流インペラ201が設けられ、ファンカバー202とともに電動送風機200を構成している。また、モータハウジング204の内周と外周との間には、ディフューザ203と円筒状に流路が設けられている。
以下、電動送風機200の動作を説明する。
回転子50の外周側には、永久磁石2により直流磁界が形成されている。一方、図示しないインバータにより所定の周波数に変換した三相交流電力を電機子巻線6に給電すると、固定子51の内周側に回転磁界が生成される。
回転子50の磁極位置に合わせた電流を通電することで、回転磁界と直流磁界との吸引反発によりトルクが発生し、回転子50が回転軸Ax(図2)を中心として回転する。
これにより、図11の細矢印に示すように、斜流インペラ201が回転し、図中左側から吸気し、ファンカバー202を介して、流路に気流Fを送風する(図11の太矢印参照)。斜流インペラ201で形成された気流Fは、図中右側に向かう直進成分と、軸の回転と同方向の旋回成分からなる。また,気流Fはディフューザ203を通り、風速が低下し、圧力が増大する。
上述のように、本実施例5によれば、実施例1~4による回転電機100を用いて駆動することにより、電動送風機の効率が向上する。
図12は、本発明の実施例6である電気掃除機の外観を示す斜視図である。
また、図13は、本実施例6の電気掃除機の外観を示す側面図である。
なお、図12および図13において、電気掃除機の使用形態は、それぞれ、スティック型およびハンディ型である。すなわち、本実施例6の電気掃除機は、スティック型とハンディ型とを適宜切り替えて使用できる充電式の電気掃除機である。
なお、以下で説明する本実施例6の構成は、スティック型のみ、ハンディ型のみなど、様々なタイプの電気掃除機に適用することができる。
図12および図13に示すように、電気掃除機300は、塵埃を集塵する集塵室301および集塵するのに必要な吸込気流を発生させる電動送風機200(図11参照)を備える。
電気掃除機300は、電動送風機200を収納する掃除機本体310、掃除機本体310に対して伸縮自在に設けられた伸縮パイプ302、伸縮パイプ302の一端に設けられたグリップ部303、およびグリップ部303に設けられた電動送風機200の入切を行うスイッチ部304を備えて構成される。
図12に示す電気掃除機300は、スティック状態であり、伸縮パイプ302が伸ばされた状態である。また、掃除機本体310の他端には吸口体305が取り付けられ、掃除機本体310と吸口体305とが接続部306で繋がれている。
図13に示す電気掃除機300は、ハンディ状態であり、伸縮パイプ302が掃除機本体310内に収納され、グリップ部303が伸縮パイプ302側に近接した状態である。また、ハンディ状態での持ち手となるハンディグリップ部307は、掃除機本体310の上面側に、近接されたグリップ部303と集塵室301との間に設けられている。また、掃除機本体310の他端部には吸口体(隙間ノズル)308が取り付けられ、掃除機本体310と吸口体308とが接続部306で繋がれている。
電気掃除機300は、グリップ部303のスイッチ部304を操作することで、掃除機本体310に収納された電動送風機200(図11参照)が作動し、吸込気流を発生させる。そして、吸口体305,308から塵埃を吸込み、接続部306を通して掃除機本体310の集塵室301に集塵する。
図14は、本実施例6の電気掃除機本体の縦断面図である。
なお、図14において、電気掃除機の使用形態は、ハンディ型であり、掃除機本体310から吸口体308を取り外した状態である。
図14に示すように、掃除機本体310の内部には、吸引力を発生させる電動送風機200(図11参照)、電動送風機200に電力を供給する電池ユニット320、駆動用回路330が設けられている。電動送風機200として、実施例5の電動送風機が適用される。
吸口体305、308(図12,13参照)から吸い込まれた空気は、掃除機本体310に設けられた流路を通って電動送風機200の前方に配置された集塵室301に送られ、集塵室301内に集塵される。そして、集塵室301で塵挨が分離された後の空気は、電動送風機200、駆動用回路330を通り、掃除機本体310に形成された排気口(図示せず)から外部に排出される。
上述のように、本実施例6によれば、電気掃除機300は、実施例1~4のいずれかによる回転電機100を用いた、実施例5による電動送風機200を備えることにより、電気掃除機の効率が向上する。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、上記実施例の回転電機100では、永久磁石2の極数を4極としているが、これに限らず、2極や6極など他の極数でもよい。なお、永久磁石2の着磁分布としては、極異方性、ハルバッハ配列、並行着磁、径方向着磁など各種の着磁分布が適用できる。
また、三相巻線の総数は、3に限らず、6,9など、3の倍数であればよい。
また、上述の実施例による回転電機100は、回転子50を内周側、固定子51を外周側としたインナーロータ構造を有するが、回転電機は、回転子を外周側、固定子を内周側としたアウターロータ構造を有してもよい。
また、回転電機は、表面磁石型でもよいし、埋込磁石型でもよい。
1…回転軸、2…永久磁石、3…カバー、4…固定子コア、5…ボビン、5-1…内側円環部、5-2…ティース部、5-3…トップ部、50…回転子、51…固定子、6…電機子巻線、6-1…内層巻線、6-2…外層巻線、7…スロット、8…コイルエンド部、50…回転子、51…固定子、100…回転電機、200…電動送風機、201…斜流インペラ、202…ファンカバー、203…ディフューザ、204…モータハウジング、205…軸受、206…ボビン保持部、207…エンドブラケット、300…電気掃除機、301…集塵室、302…伸縮パイプ、303…グリップ部、304…、305…吸口体、306…接続部、307…ハンディグリップ部、308…吸口体、310…掃除機本体、320…電池ユニット、330…駆動用回路

Claims (10)

  1. 永久磁石を有する回転子と、
    前記回転子と、エアギャップを介して対向する固定子と、
    を備える回転電機において、
    前記固定子は、
    磁性体からなる円筒状の固定子コアと、
    前記固定子コアの円筒表面と前記回転子との間に位置する絶縁部材と、
    前記絶縁部材に巻装される第1の電機子巻線および第2の電機子巻線と、
    を備え、
    前記第1の電機子巻線と前記第2の電機子巻線は並列接続され、
    前記第1の電機子巻線の巻数(P)と前記第2の電機子巻線の巻数(Q)は、1以上の整数N、前記第2の電機子巻線の平均半径Roc、前記第1の電機子巻線の平均半径Ric、前記回転子が備える前記永久磁石の外半径Rm、前記固定子コアの内半径Rs、極対数p、を用いて表される式(2)を満たす1以上の整数nにより、式(3)を満たすことを特徴とする回転電機。
    Figure 2022129703000008
    Figure 2022129703000009
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記整数Nは、最大電流Imax、最大電圧Vmax、最大トルクTmax、最高回転速度Ωmax、トルク定数Kt、誘起電圧定数Keを用いて表される式(1)を満たすことを特徴とする回転電機。
    Figure 2022129703000010
  3. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1の電機子巻線の前記巻数(P)と前記第2の電機子巻線の前記巻数(Q)は1以上の整数であることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1の電機子巻線の前記巻数(P)と前記第2の電機子巻線の前記巻数(Q)は正の実数であることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1の電機子巻線と前記第2の電機子巻線は、前記絶縁部材によって支持されて位置が固定されていることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第2の電機子巻線は、素線の断面積が、前記第1の電機子巻線よりも大きいことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記第1の電機子巻線と前記第2の電機子巻線が、前記絶縁部材に固着されていることを特徴とする回転電機。
  8. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記回転子は、前記固定子コアの内側に位置し、
    前記固定子コアの内側に、前記第1の電機子巻線および前記第2の電機子巻線が巻装されている前記絶縁部材が嵌装されていることを特徴とする回転電機。
  9. インペラと、前記インペラを駆動する回転電機と、を備える電動送風機において、
    前記回転電機が、請求項1に記載の回転電機であることを特徴とする電動送風機。
  10. 電動送風機を備える電気掃除機において、
    前記電動送風機が、請求項9に記載の電動送風機であることを特徴とする電気掃除機。
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