JP2022129533A - 運航空域管理装置、無人飛行体運航管理装置、無人飛行体遠隔操縦装置、及び、無人飛行体 - Google Patents

運航空域管理装置、無人飛行体運航管理装置、無人飛行体遠隔操縦装置、及び、無人飛行体 Download PDF

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隆士 森田
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洋樹 今井
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【課題】運航空域内での無人飛行体の安全な飛行と、運航空域の有効利用とを両立させることを可能とする運航空域管理装置を提供する。【解決手段】空域管理装置10は、無人飛行体2の運航経路に沿って管状に設定された運航空域を管理する。空域管理装置10は、運航経路の経路方向と交差する交差方向に対して運航空域を分割することで区画される区画空域毎に、無人飛行体2の飛行を許可するか否かを示す飛行許否を設定する飛行許否設定部101と、区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を出力する情報出力部102と、運航空域情報に基づいて飛行条件を満たす区画空域を選択し、無人飛行体2が飛行する飛行経路を決定する飛行経路決定部103とを備える。【選択図】 図3

Description

本発明は、運航空域管理装置、無人飛行体運航管理装置、無人飛行体遠隔操縦装置、及び、無人飛行体に関する。
近年、インターネット等を介したオンライン注文や企業間取引が普及したことによって物流量が急激に増加している。しかし、物流量の増加に反して物流に携わる労働者は減少しているため、労働力の確保が大きな課題となっている。そこで、ドローンに代表される無人飛行体の導入が検討され、無人飛行体を利用した物流の実証実験が行われている。また、作業者を直接派遣することが難しい場所における警備、監視、測量等を目的とするデータの収集、可視光カメラと赤外線カメラを利用した点検、農地の農作物の管理、及び、野生動物の生態調査等の様々な分野でも無人飛行体の導入が検討されている。
無人飛行体を様々な分野に導入するためには、安全な飛行を実現する環境の整備が望まれる。例えば、無人飛行体が屋外を飛行する場合には、建物等の地上構造物を回避したり、無人飛行体が互いに接触することを回避したりしなければならない。そのため、無人飛行体が飛行する運航空域を適切に管理し、必要に応じて無人飛行体の飛行を制限する必要がある。
そこで、例えば、特許文献1には、3次元空間を表す3次元空間ネットワークにおいて、隣接する2つのノード間を結ぶリンクに対応する領域データに基づいて、飛行体の運航空域を管理するシステムが開示されている。
特開2020-87145号公報
特許文献1に開示されたシステムでは、領域データが、3次元空間ネットワーク内の飛行制限を示す制限情報(例えば、リンク内に同時に存在し得る飛行体の最大数)を含んでおり、その領域データを用いて飛行体の運航空域を管理している。例えば、飛行体がこれから進入しようとする3次元空間ネットワーク内に別の飛行体がすでに存在する場合、特許文献1に開示されたシステムは、その3次元空間ネットワーク内の飛行制限を示す制限情報に基づいて、その飛行体が3次元空間ネットワーク内に進入可能か否かを判定し、その判定結果に従ってその飛行体の飛行を制御するものである。
しかし、特許文献1に開示されたように、1つの3次元空間ネットワーク内に同時に存在する飛行体の最大数を管理する場合、3次元空間ネットワーク内に複数の飛行体が飛行することが想定されるが、3次元空間ネットワーク内で飛行体同士が接近しすぎる危険性がある。また、飛行体の侵入が過剰に制限されることも考えられ、その場合には、運航空域の効率的な利用が実現されていない。
本発明は、上述した課題に鑑み、運航空域内での無人飛行体の安全な飛行と、運航空域の有効利用とを両立させることを可能とする運航空域管理装置、無人飛行体運航管理装置、無人飛行体遠隔操縦装置、及び、無人飛行体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る運航空域管理装置は、無人飛行体の運航経路に沿って管状に設定された運航空域を管理する運航空域管理装置であって、運航経路の経路方向と交差する交差方向に対して運航空域を分割することで区画される区画空域毎に、無人飛行体の飛行を許可するか否かを示す飛行許否を設定する飛行許否設定部と、区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を出力する情報出力部とを備える。
本発明の一態様に係る運航空域管理装置によれば、飛行許否設定部が、運航空域を分割することで区画される区画空域毎に飛行許否を設定し、情報出力部が、区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を出力する。そのため、無人飛行体は、運航空域情報に基づいて、飛行が許可された区画空域を飛行する一方、飛行が禁止された区画空域を飛行しないように制御される。これにより、運航空域内での無人飛行体の安全な飛行と、運航空域の有効利用とを両立させることができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
第1の実施形態に係る無人飛行体運航システム1の一例を示す全体構成図である。 運航経路及び運航空域の一例を示す概要図である。 第1の実施形態に係る無人飛行体2、運航管理システム3及び運航統括システム4の構成例を示す機能ブロック図である。 第1の本実施形態に係る無人飛行体2の詳細な構成例を示すブロック図である。 (a)は、運航空域DB32の一例を示すデータ構成図である。(b)は、飛行管理DB33の一例を示すデータ構成図である。 運航空域情報の一例を示すデータ構成図である。 区画空域の一例を示す概要図である。 無人飛行体運航システム1の各装置を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。 運航管理システム3と運航統括システム4との間で行われる運航空域の利用申請方法(運航空域利用申請処理)の一例を示すフローチャートである。 運航管理システム3による飛行計画の策定方法(飛行計画策定処理)の一例を示すフローチャートである。 運航管理システム3と無人飛行体2との間で行われる無人飛行体の遠隔操縦方法の一例を示すフローチャートである。 運航管理システム3が無人飛行体2を遠隔操縦するための飛行制御情報を生成する遠隔操縦処理の一例を示すフローチャートである。 運航管理システム3が遠隔操縦中に実行する運航空域の状態取得処理の一例を示すフローチャートである。 区画空域の飛行許否の判定方法を説明するための図である(その1)。 区画空域の飛行許否の判定方法を説明するための図である(その2)。 区画空域の飛行許否の判定方法を説明するための図である(その3)。 区画空域の飛行許否の判定方法を説明するための図である(その4)。 区画空域の飛行許否の判定方法を説明するための図である(その5)。 第2の実施形態に係る無人飛行体2、運航管理システム3及び運航統括システム4の構成例を示す機能ブロック図である。 第3の実施形態に係る無人飛行体2、運航管理システム3及び運航統括システム4の構成例を示す機能ブロック図である。 他の実施形態に係る運航空域及び区画空域の一例を示す概要図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る無人飛行体運航システム1の一例を示す全体構成図である。図2は、運航経路及び運航空域の一例を示す概要図である。
無人飛行体運航システム1は、運航経路R(R1、R2)に沿って管状に設定された運航空域Z(Z1、Z2)を飛行する複数の無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を管理するシステムである。無人飛行体運航システム1は、その具体的な構成として、複数の個別事業者がそれぞれ管理する複数の無人飛行体2と、複数の個別事業者によりそれぞれ運用される複数の運航管理システム3と、統括事業者により運用される運航統括システム4と、気象情報提供システム5と、地理情報提供システム6と、空域監視システム7と、基幹ネットワーク8Aと、無線ネットワーク8Bとを備える。
無人飛行体2は、ドローンに代表されるような人が搭乗しない飛行体を指し、例えば、回転翼や固定翼を備える。無人飛行体2は、自動遠隔操縦、操縦機(プロポ)による手動遠隔操縦、自律制御等の飛行モードにより飛行する。なお、無人飛行体2は、特定の飛行モードにより飛行するように構成されていてもよいし、複数の飛行モードが切替可能に構成されていてもよい。本実施形態では、無人飛行体2は、複数の回転翼を備え、自動遠隔操縦(以下、遠隔操縦という)により飛行する場合について説明する。
無人飛行体2は、図2に示すように、運航経路R(R1、R2)に沿って管状に設定された運航空域Z(Z1、Z2)を飛行する。その際、運航空域Zは、統括管理事業者により個別事業者に対してその利用が認可されることで、その認可された個別事業者が管理する無人飛行体2の飛行が可能となる。
運航経路R(R1、R2)は、スタート地点S(S01、S02)からゴール地点G(G01、G02)までを結ぶ経路である。運航経路R1(図2の二点鎖線)は、スタート地点S01にて離陸し、経由地点WP01-1、WP01-2、WP01-3、WP01-4を順に経由して、ゴール地点G01に着陸する経路として規定される。運航経路R2は、スタート地点S02にて離陸し、経由地点WP02-1、WP02-2、WP02-3を順に経由して、ゴール地点G02に着陸する経路として規定される。
運航空域Zは、運航経路Rを覆うような管状に設定される。運航空域Zは、図2に示すように、運航経路Rが延びる方向を経路方向とするとき、運航経路Rを中心線として、その経路方向に横切るように交差する横断面の幅(運航空域幅)Wと高さ(運航空域高さ)Hとで規定される。したがって、運航空域Zは、運航経路Rと、運航空域幅Wと、運航空域高さHとで規定される。また、運航空域Z1は、例えば、運航経路R1に対して、スタート地点S01からゴール地点G01までの間で連続する1つの空域として管理されてもよいし、経由地点WP01-1、WP01-2、WP01-3、WP01-4をそれぞれ含む複数の横断面により分割されて複数の空域として管理されてもよい。
飛行経路F(図2の一点鎖線)は、スタート地点Sから離陸してゴール地点Gに着陸する無人飛行体2が、運航空域Z内を実際に飛行するときに通過する複数の通過地点(経由地点とは異なる)からなる点列のデータとして規定される。その際、飛行経路Fは、スタート地点、通過地点及びゴール地点をそれぞれ通過する時刻と、各通過地点を通過するときの飛行速度や各地点間を飛行するときの飛行速度とがさらに規定される。本実施形態では、飛行計画は、飛行経路Fを決定する処理や、その処理により決定された飛行経路Fを含む情報を表す。また、飛行状況は、飛行する無人飛行体2が運航空域Z内を飛行経路Fに沿って実際に飛行するときに時々刻々と変化する無人飛行体2の位置、姿勢、高度、方位等を含む情報を表す。
運航管理システム3は、統括事業者により個別事業者に認可された運航空域Zにおいて、個別事業者が管理する複数の無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を管理する。運航管理システム3を運用する個別事業者は、運航空域Zを利用して、例えば、配送、警備、監視、測量、点検、調査等のための定期的又は臨時的な運航を実施する事業者であり、例えば、物流事業者、警備事業者、インフラ事業者、保守事業者、調査事業者、インターネットサービス提供事業者、無人飛行体サービス提供事業者等が挙げられる。
運航統括システム4は、複数の運航管理システム3が管理する運航空域Zを統括する。運航統括システム4を運用する統括管理事業者は、運航空域Zの利用を個別事業者に認可する権限を有し、個別事業者からの利用申請に応じて運航空域Zの利用を認可する。
気象情報提供システム5は、気象庁、気象情報提供事業者等により運営され、各地の気象情報を外部装置(無人飛行体2、運航管理システム3、運航統括システム4等)に提供(送信)する。気象情報提供システム5は、例えば、サーバやクラウドとして機能する汎用又は専用のコンピュータ(後述の図8参照)等で構成される。
気象情報提供システム5は、各地の気象情報として、現在時刻における気象実況情報と、現在時刻から所定時間後における気象予報情報とを提供する。気象情報には、例えば、天候、温度、湿度、降水量、風速等が含まれる。気象情報の提供方法は、プル式及びプッシュ式のいずれでもよく、提供対象となる日時や地域が指定されてもよい。
地理情報提供システム6は、国土地理院、地理情報提供事業者等により運営され、各地の地理情報を外部装置(無人飛行体2、運航管理システム3、運航統括システム4等)に提供(送信)する。地理情報提供システム6は、気象情報提供システム5と同様に、例えば、サーバやクラウドとして機能する汎用又は専用のコンピュータ(後述の図8参照)等で構成される。
地理情報提供システム6は、3次元の空間情報をベースとして、例えば、建物・道路・線路・橋・鉄塔・電柱・電線等の地上構造物と、平地・山林・河川・海等の地形と、行政の管轄範囲と、それらに付属する各種の属性とからなる地理情報を記憶・管理する。地理情報は、地上構造物の新設や撤去、行政の管轄範囲の変更等に伴って随時更新される。地理情報の提供方法は、プル式及びプッシュ式のいずれでもよく、提供対象となる地域が指定されてもよい。
空域監視システム7は、複数の地点に設置された監視装置(例えば、空域監視レーダ、監視カメラ等)を備え、各地点の監視空域内に存在する無人飛行体2の位置や数等を監視し、その結果を空域監視情報として、外部装置(無人飛行体2、運航管理システム3、運航統括システム4等)に提供(送信)する。
監視装置は、例えば、空域監視レーダで構成され、各地点に置かれた無線設備から質問信号を発射し、これを受信した無人飛行体2の応答装置から発射される応答信号を3カ所以上の受信設備の受信器で受信することで無人飛行体2の位置等を監視する。また、監視装置は、例えば、監視カメラで構成され、監視カメラで撮影した画像をグリッド状に分割し、所定の画像処理を行うことで無人飛行体2の位置等を監視する。
基幹ネットワーク8Aは、運航管理システム3、運航統括システム4、気象情報提供システム5、地理情報提供システム6及び空域監視システム7の間で種々のデータを送受信するための通信網である。基幹ネットワーク8Aは、任意の通信規格に従って有線通信、無線通信又はこれらの組合せによりデータを送受信し、専用の通信網でもよいし、インターネット等の汎用の通信網でもよい。
無線ネットワーク8Bは、無人飛行体2と運航管理システム3との間で種々のデータを送受信するための通信網である。無線ネットワーク8Bは、例えば、無線局、携帯局及び陸上移動局等を利用した所定の通信規格が用いられる。無線ネットワーク8Bは、例えば、73MHz帯、169MHz帯、920MHz帯、2.4GHz帯、及び、5.7GHz帯等の周波数帯域が用いられたものでもよいし、第5世代移動通信システム又は第6世代移動通信システムの通信規格に準拠したものでもよい。なお、無人飛行体2が飛行中の運航空域Zにより利用可能な周波数帯域や通信規格が異なる場合には、無人飛行体2と運航管理システム3との間で利用する周波数帯域や通信規格が適宜切り替えられてもよい。
図3は、第1の実施形態に係る無人飛行体2、運航管理システム3及び運航統括システム4の構成例を示す機能ブロック図である。図4は、第1の本実施形態に係る無人飛行体2の詳細な構成例を示すブロック図である。なお、図3では、1つの無人飛行体2と、その1つの無人飛行体2を管理する1つの運航管理システム3を図示しているが、その他の無人飛行体2及び運航管理システム3についても同様に構成される。
無人飛行体2は、遠隔操縦するための飛行制御情報を運航管理システム3から受信し、その飛行制御情報に従って飛行する。また、無人飛行体2は、飛行中にテレメトリ情報を運航管理システム3に送信する。飛行制御情報及びテレメトリ情報の詳細は後述する。
運航管理システム3は、運航空域Zの利用申請を運航統括システム4に送信し、その応答として、運航空域Zの利用申請に対する決定(認可又は却下)を運航統括システム4から受信する。また、運航管理システム3は、個別事業者が管理する複数の無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を運航統括システム4に送信し、他の個別事業者が管理する複数の無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を運航統括システム4から受信することで、他の運航管理システム3及び運航統括システム4との間で情報を共有する。
(無人飛行体2の構成)
無人飛行体2は、制御部20、通信部21、センサ群22、駆動部23、及び、バッテリ24を備える。
通信部21は、無線ネットワーク8Bを介して運航管理システム3との間で無線通信を行う通信インターフェースである。なお、通信部21は、他の無人飛行体2との間で無線通信を行ってもよい。
駆動部23は、複数の回転翼を駆動するためのアクチュエータであり、図4に示すように、回転翼の駆動源となるモータ231と、モータ231を駆動するモータ駆動回路230とを備える。モータ231は、複数の回転翼のそれぞれに対して設けられ、モータ駆動回路230から出力される電力により駆動される。
バッテリ24は、無人飛行体2の各部に電力を供給する電源である。バッテリ24は、接触若しくは非接触で充電される充電式、又は、自動若しくは手動にて交換される交換式で構成される。バッテリ24は、例えば、地上や建物の屋上等に設置された固定式の充電ポート、又は、車両のルーフに設置された移動式の充電ポートにて充電又は交換される。
センサ群22は、複数のセンサで構成される。具体的には、センサ群22は、図4に示すように、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)センサ220、慣性センサ221、気象センサ222、環境センサ223、カメラ(イメージセンサ)224、測距センサ225、モータセンサ226、及び、バッテリセンサ227により構成され、各種のセンサデータを出力する。なお、センサ群22は、上記のセンサの一部で構成されてもよいし、上記以外のセンサをさらに含んで構成されてもよい。
GNSSセンサ220は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo、及び、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムによる衛生測位信号を受信し、無人飛行体2の現在位置を検出する。GNSSセンサ220によるセンサデータは、位置データとして制御部20に出力される。
慣性センサ221は、3軸ジャイロセンサ、3軸加速度センサ、高度センサ、方位センサ等で構成され、無人飛行体2の姿勢、高度、方位等を検出する。慣性センサ221によるセンサデータは、慣性データとして制御部20に出力される。なお、GNSSセンサ220が出力した位置データと、慣性センサ221が出力した慣性データとを組み合わせて測位することで、無人飛行体2の現在位置を検出してもよい。
気象センサ222は、天候(晴、雲、雨、雪等)、温度、湿度、風向、風速、気圧、降水量等を検出する。気象センサ222によるセンサデータは、気象データとして制御部20に出力される。環境センサ223は、照度、UV(紫外線)、騒音、VOC(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)、放射線量等を検出する。環境センサ223によるセンサデータは、環境データとして制御部20に出力される。
カメラ(イメージセンサ)224は、単眼カメラ、ステレオカメラ、深度センサ付きカメラ等で構成され、無人飛行体2の周囲の画像(静止画像でもよいし、動画像でもよい)を撮像する。カメラ224によるセンサデータは、画像データとして制御部20に出力される。なお、カメラ224は、可視光画像だけでなく、赤外線画像を撮像するものでもよい。
測距センサ225は、レーザ光を用いたLiDar等のTOF(Time Of Flight)深度センサ、ミリ波等の電波を用いたレーダセンサ、超音波を用いた超音波センサ等で構成され、無人飛行体2の周囲に存在する物体(他の無人飛行体2、地上構造物、人、車両、地形(地面や水面)等)の距離、位置及び形状等を検出する。測距センサ225によるセンサデータは、物体データとして制御部20に出力される。
モータセンサ226は、モータ231の回転数、トルク等を検出する。モータセンサ226によるセンサデータは、モータ状態データとして制御部20に出力される。バッテリセンサ227は、バッテリ24の残量、温度等を検出する。バッテリセンサ227によるセンサデータは、バッテリ状態データとして制御部20に出力される。
制御部20は、無人飛行体2の各部を動作させて、無人飛行体2の飛行を制御する飛行制御部200を備える。
飛行制御部200は、運航管理システム3から通信部21を介して飛行制御情報を受信するとともに、センサ群22から各種のセンサデータを取得し、それら飛行制御情報とセンサデータとに基づいて駆動部23を駆動させることで、無人飛行体2の飛行を制御する。具体的には、飛行制御部200は、GNSSセンサ220及び慣性センサ221により検出された位置、姿勢、高度、方位等に基づいて、飛行制御情報に従って無人飛行体2を飛行させるための飛行方向、飛行高度、飛行速度等の制御目標値を求め、その求めた制御目標値に応じて各モータ231を駆動するためのモータ駆動データ(回転数、トルク等)を駆動部23に出力する。
なお、飛行制御部200は、センサ群22から取得した各種のセンサデータに基づいて、飛行制御情報に従った飛行を継続できるか否かを判定し、継続できないと判断した場合には、飛行制御情報に従った飛行を中断し、所定の中断処理を行うようにしてもよい。飛行制御部200は、例えば、カメラ224からの画像データ及び測距センサ225からの物体データに基づいて無人飛行体2の飛行方向に障害物となる物体を検出したり、モータセンサ226によるモータ状態データに基づいてモータ231の異常状態を検出したり、バッテリセンサ227によるバッテリ状態データに基づいてバッテリ24の異常状態を検出したり、運航管理システム3との通信状態が不通状態であることを検出したりした場合、飛行を継続できないと判断すればよい。飛行制御部200は、所定の中断処理として、例えば、その時点での位置及び高度で待機するホバリング待機状態に制御してもよいし、その場又はその場から最も近い充電ポートに着陸する緊急着陸状態に制御してもよい。
また、飛行制御部200は、飛行制御情報に従って飛行中に、センサ群22による各種のセンサデータをテレメトリ情報として、運航管理システム3に所定の周期で送信する。
テレメトリ情報には、GNSSセンサ220、慣性センサ221、気象センサ222、環境センサ223、カメラ224、測距センサ225、モータセンサ226、及び、バッテリセンサ227により検出等されたセンサデータ(位置データ、慣性データ、気象データ、環境データ、画像データ、物体データ、モータ状態データ、及び、バッテリ状態データ)と、センサデータが検出等されたときの時刻を示す時刻データと、無人飛行体2を識別するための無人飛行体ID(無人飛行体識別データ)とが含まれる。なお、テレメトリ情報には、上記のデータの他に、画像データ又は物体データから障害物となる物体を検出したときの障害物検出データと、無人飛行体2の飛行状態を示す飛行状態データ(正常飛行状態、ホバリング待機状態、緊急着陸状態、異常状態等)とがさらに含まれていてもよい。
(運航管理システム3の構成)
運航管理システム(無人飛行体遠隔操縦装置)3は、制御部30、通信部31、運航空域データベース(以下、運航空域DBという)32、飛行管理データベース(以下、飛行管理DBという)33、及び、スケジュール管理データベース(スケジュール管理DB)34を備える。
通信部31は、第1通信部310、及び、第2通信部311を備える。第1通信部310は、無線ネットワーク8Bを介して無人飛行体2との間で無線通信を行う通信インターフェースである。第2通信部311は、基幹ネットワーク8Aを介して運航統括システム4、気象情報提供システム5、地理情報提供システム6及び空域監視システム7との間で通信(無線、有線又はこれらの組合せ)を行う通信インターフェースである。
運航空域DB32は、統括事業者により個別事業者に認可された運航空域Z(運航経路R、運航空域幅W及び運航空域高さH)に関する情報を管理・記憶する記憶部である。
図5(a)は、運航空域DB32の一例を示すデータ構成図である。運航空域DB32には、運航空域Zを識別するための運航空域ID(運航空域識別データ)、スタート地点、経由地点、ゴール地点、運航空域幅W、及び、運航空域高さHが、1レコード分のデータとして登録される。スタート地点、経由地点及びゴール地点は、運航経路Rを表し、3次元座標として登録される、経由地点が複数の場合には、各経由地点に対応する複数の3次元座標がそれぞれ登録される。
図5(a)に示す運航空域DB32には、図2に示す運航空域Z1、Z2に対して運航空域ID「Z01」、「Z02」がそれぞれ割り当てられることで、運航経路R1、R2に沿って管状に設定された運航空域Z1、Z2の情報がそれぞれ登録されている。
飛行管理DB33は、無人飛行体2が運航空域Z内を飛行するときの飛行計画を管理・記憶する記憶部である。
図5(b)は、飛行管理DB33の一例を示すデータ構成図である。飛行管理DB33には、無人飛行体ID、運航空域ID、出発時刻、到着時刻、運航空域情報(後述の図6参照)、及び、飛行経路が、1レコード分のデータ(飛行計画)として登録される。飛行管理DB33は、運航空域IDにより運航空域DB32に関連付けられる。
図5(b)に示す飛行管理DB33には、無人飛行体ID「D01」、「D02」でそれぞれ識別される無人飛行体2が、運航空域ID「Z01」、「Z02」でそれぞれ識別される運航空域Z1、Z2に対して飛行経路F1、F2に沿って飛行するときの飛行計画(出発時刻DT01、DT02、出発時刻AT01、AT02、運航空域情報ZD01、ZD02、及び、飛行経路F01、F02)がそれぞれ登録されている。
なお、無人飛行体2の各種の仕様は、無人飛行体IDにより関連付けられた無人飛行体仕様データベース(不図示)に登録されており、運航管理システム3により必要に応じて参照される。無人飛行体2の仕様は、例えば、無人飛行体2の機体重量、飛行速度の上限、運搬物重量の上限等である。
図6は、運航空域情報の一例を示すデータ構成図である。図7は、区画空域の一例を示す概要図である。
運航空域情報は、運航空域Zを飛行する無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を管理するための情報である。図6に示す運航空域情報ZD01は、図5に示す運航空域ID「Z01」で識別される運航空域Zに関するものである。そして、運航空域情報ZD01は、運航空域Zを経路方向に対して5つの運航空域Zに分割することで、各経由地点WP01-1、WP01-2、WP01-3、WP01-4により区切られた5つの運航経路区間にそれぞれ対応する5つの運航空域情報ZD01-1、ZD01-2、ZD01-3、ZD01-4、ZD01-5で構成される。
運航空域情報により管理される運航空域Zは、運航経路Rの経路方向と交差する左右方向(或いは、水平方向)に対して所定の間隔を空けて平行に配置された複数の第1平面と、運航経路Rの経路方向と交差する上下方向(或いは、鉛直方向)に対して所定の間隔を空けて平行に配置された複数の第2平面によりそれぞれ分割されることで複数の区画空域に仮想的に区画される。図7に示す運航空域Zは、左右方向に3分割されるとともに、上
下方向に3分割されることで、9つの区画空域に仮想的に区分されている。
そのため、運航空域情報は、運航空域Zを左右方向、上下方向及び経路方向に対して運航空域Zを分割することで区画される区画空域毎に、無人飛行体2の飛行を許可するか否かを示す飛行許否と、各種の飛行属性とが設定されることで、無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を管理する。これにより、同じ運航空域Zを飛行する複数の無人飛行体2が、別々の区画空域を飛行する場合には、例えば、飛行速度が異なるときの追い越しや、往路を飛行する無人飛行体2と復路を飛行する無人飛行体2との間のすれ違いが可能となる。また、同じ運航空域Zを飛行する複数の無人飛行体2が、同じ区画空域を飛行する場合には、前方を飛行する無人飛行体2の異常発生時に、後方を飛行する無人飛行体2については、別の区画空域を飛行するような飛行経路Fの修正が可能となる。なお、運航空域Zは、経路方向に交差する交差方向(左右方向及び上下方向の少なくとも一方)に対して少なくとも分割されていればよく、経路方向に対して分割されていなくてもよい。
具体的には、運航空域情報には、図6に示すように、区画空域を識別するための区画空域ID(区画空域識別データ)、区画空域に対する飛行許否、飛行を許可する場合の飛行属性、及び、飛行を禁止する場合の飛行属性が、区画空域毎に設定される。
図6に示す運航空域情報ZD01-3には、図7に示す9つの区画空域に対して区画空域ID「A1」、「A2」、「A3」、「B1」、「B2」、「B3」、「C1」、「C2」、「C3」がそれぞれ割り当てられることで、9つの区画空域毎の飛行許否、飛行許可時の飛行属性、及び、飛行禁止時の飛行属性がそれぞれ設定されている。
飛行許可時の飛行属性には、無人飛行体2の飛行を許可する時間帯、無人飛行体2の飛行速度の上限、無人飛行体2の飛行方向(往路方向のみ可、復路方向のみ可、往路方向及び復路方向可)、無人飛行体2の機体サイズの上限、無人飛行体2の機体重量の上限、無人飛行体2が運搬する運搬物重量の上限、及び、無人飛行体2が無線ネットワーク8Bを介して情報を送受信する場合の通信規格の少なくとも1つが含まれる。
飛行禁止時の飛行属性には、無人飛行体2の飛行を禁止する時間帯、無人飛行体2の飛行を禁止する理由、及び、無人飛行体2に対する代替制御内容の少なくとも1つが含まれる。代替制御内容には、無人飛行体2が飛行制御情報に従って飛行中に、飛行中の区画空域の飛行を禁止する状態に変更になった場合の当該無人飛行体2が代替処理として動作する制御内容が設定させる。代替制御内容としては、例えば、「ホバリング飛行でその場で待機する」、「スタート地点に引き返す」、「その場に着陸する」、「その場から最も近い充電ポートに着陸する」、「飛行経路を修正する」等が設定される。
スケジュール管理DB34は、区画空域毎の飛行許否が時間の経過に伴って変更される場合のスケジュール情報を記憶する記憶部である。スケジュール管理DB34には、例えば、建設工事、インフラ工事、イベント等により、区画空域の利用が一時的に禁止されるような場合に、その利用が禁止される区画空域に対応する区画空域ID(例えば、A1、B2等)と、その利用が禁止される時間帯(例えば、開始時刻と終了時刻)とが登録される。
制御部30は、運航空域申請部300、飛行計画策定部301、遠隔操縦部302、及び、運航空域情報を管理する運航空域管理装置10を備える。
運航空域申請部300は、第2通信部311を介して運航空域Zの利用申請を運航統括システム4に送信し、その応答として、運航空域Zの利用申請に対する決定結果(認可又は却下)を運航統括システム4から受信する。運航空域Zの利用申請が運航統括システム
4により認可された場合には、運航空域申請部300は、運航統括システム4から運航空域Z(運航経路R、運航空域幅W及び運航空域高さH)を受信し、運航空域DB32に登録する。
飛行計画策定部301は、運航空域管理装置10と連携し、無人飛行体2の飛行計画を策定し、その策定した飛行計画を飛行管理DB33に登録するとともに、第2通信部311を介して運航統括システム4に送信する。
遠隔操縦部302は、運航空域管理装置10と連携し、運航空域管理装置10が決定した飛行経路Fを含む飛行計画に従って無人飛行体2を遠隔操縦する。具体的には、遠隔操縦部302は、運航空域管理装置10により決定された飛行経路F、又は、飛行中に修正された飛行経路Fに従って無人飛行体2を遠隔操縦するための飛行制御情報を生成し、その生成した飛行制御情報を、第1通信部310を介して操縦対象の無人飛行体2に送信する。また、遠隔操縦部302は、操縦対象の無人飛行体2からテレメトリ情報を所定の周期で受信し、その受信したテレメトリ情報を飛行状況として、第2通信部311を介して運航統括システム4に送信する。なお、遠隔操縦部302は、複数の無人飛行体2が同時に飛行する場合には、上記のような遠隔操縦するための各処理を並行して実行する。
(運航空域管理装置10の構成)
運航空域管理装置10は、状態取得部100、飛行許否設定部101、情報出力部102、及び、飛行経路決定部103を備える。
状態取得部100は、各種の情報や状態に基づいて、個別事業者に認可された運航空域Zの状態を取得する。具体的には、飛行管理DB33及びスケジュール管理DB34に登録された情報や、運航統括システム4、気象情報提供システム5、及び、地理情報提供システム6から提供(送信)された情報に基づいて、運航空域Zの状態を取得する。また、状態取得部100は、複数の無人飛行体2から受信したテレメトリ情報や、複数の無人飛行体2との通信状態に基づいて、運航空域Zの状態を取得する。なお、状態取得部100は、運航統括システム4に運航空域Zの状態を問い合わせて、他の個別事業者が管理する無人飛行体2の飛行計画及び飛行状況を受信し、それらの情報に基づいて、運航空域Zの状態を取得してもよい。
飛行許否設定部101は、状態取得部100が取得した運航空域Zの状態に基づいて、飛行許否を区画空域毎に設定する。その際、飛行許否設定部101は、各区画空域に対する飛行許可時の飛行属性及び飛行禁止時の飛行属性についても、運航空域Zの状態に基づいて区画空域毎に設定してもよいし、所定の初期値を設定してもよい。
情報出力部102は、飛行許否設定部101により区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を飛行経路決定部103に出力する。
飛行経路決定部103は、飛行計画策定部301と連携し、計画対象の無人飛行体2に対する飛行予定時刻を含む飛行条件を受け付けたとき、情報出力部102が出力した運航空域情報に基づいて当該飛行条件を満たす区画空域を選択し、飛行経路Fを決定する。飛行予定時刻には、例えば、スタート地点、通過地点、及び、ゴール地点をそれぞれ通過する時刻が含まれる。
具体的には、飛行経路決定部103は、運航空域情報に基づいて、運航空域Zに含まれる区画空域のうち飛行が許可された区画空域を選択し、さらに、その飛行が許可された区画空域のうち飛行許可時の飛行属性(時間帯、飛行方向、飛行速度の上限、機体重量の上限、運搬物重量の上限等)と、計画対象の無人飛行体2の仕様(無人飛行体仕様データベ
ースに登録された各無人飛行体2の機体重量、飛行速度の上限、運搬物重量の上限等)と、計画対象の無人飛行体2の作業内容(運搬予定の運搬物重量等)とが適合するように区画空域を選択し、その区画空域内を飛行するように飛行経路Fを決定する。そして、飛行経路決定部103は、計画対象の無人飛行体2を示す無人飛行体IDに関連付けて、その決定した飛行経路Fと、情報出力部102が出力した運航空域情報とを飛行管理DB33に登録する。
また、飛行経路決定部103は、遠隔操縦部302と連携し、操縦対象の無人飛行体2が飛行経路Fに従って飛行中に、運航空域Zの状態が変化することで情報出力部102が新たな運航空域情報を出力したとき、当該運航空域情報に基づいて飛行経路Fを修正する。そして、飛行経路決定部103は、操縦対象の無人飛行体2を示す無人飛行体IDに関連付けて、その修正した飛行経路Fと、情報出力部102が出力した新たな運航空域情報とを飛行管理DB33に登録する。その際、飛行経路決定部103は、修正前の飛行経路Fを飛行管理DB33に残した状態で修正後の飛行経路Fを登録することで、飛行経路Fの版数管理や修正履歴管理を行うようにしてもよい。
なお、飛行経路決定部103は、操縦対象の無人飛行体2が飛行経路Fに従って飛行中に、当該無人飛行体2のテレメトリ情報に基づいて、飛行経路Fが飛行条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。また、テレメトリ情報には、位置データと、時刻データとが含まれるため、飛行経路決定部103は、位置データが示す無人飛行体2の飛行位置を時系列順につなぐことで飛行軌跡を求め、その飛行軌跡に基づいて飛行経路Fが飛行条件を満たすか否かを判定するようにしてもよい。さらに、飛行経路決定部103は、飛行経路Fを修正するとき、修正後の飛行経路Fが飛行条件を満たすか否かを判定し、飛行予定時刻に従って飛行することができるかを検証するようにしてもよい。
上記の運航管理システム3は、1つ以上のコンピュータ(後述の図8参照)で構成されてもよく、運航空域DB32、飛行管理DB33、及び、スケジュール管理DB34は、制御部30及び通信部31が設けられるコンピュータとは別のコンピュータに記憶されていてもよい。
(運航統括システム4の構成)
運航統括システム4は、制御部40、通信部41、運航空域データベース(以下、運航空域DBという)42、及び、飛行管理データベース(以下、飛行管理DBという)43を備える。
通信部41は、基幹ネットワーク8Aを介して、複数の運航管理システム3との間で通信(無線、有線又はこれらの組合せ)を行う通信インターフェースである。
運航空域DB42及び飛行管理DB43は、複数の個別事業者に関する情報が記憶される点で運航管理システム3の運航空域DB32及び飛行管理DB33と相違するが、基本的なデータ構成は共通するため、詳細な説明は省略する。
制御部40は、運航管理システム3から運航空域Zの利用申請を受信すると、運航空域DB42を参照し、その運航空域Zの利用申請に対する決定を行い、その決定結果(認可又は却下)を運航管理システム3に送信する。その際、制御部40は、その利用申請を認可する場合は、その運航空域Z(運航経路R、運航空域幅W及び運航空域高さH)を運航管理システム3に送信するとともに、その運航空域Zを運航空域DB42に登録する。
また、制御部40は、運航管理システム3から飛行計画及び飛行状況を受信し、飛行管理DB43に登録する。さらに、制御部40は、運航空域Zの飛行計画及び飛行状況につ
いての問い合わせ要求を運航管理システム3から受信した場合には、その運航空域Zの飛行計画及び飛行状況を要求元の運航管理システム3に送信する。
上記の運航統括システム4は、1つ以上のコンピュータ(後述の図8参照)で構成されてもよく、運航空域DB42、及び、飛行管理DB43は、制御部40及び通信部41が設けられるコンピュータとは別のコンピュータに記憶されていてもよい。
(コンピュータ900の構成)
図8は、無人飛行体運航システム1の各装置(例えば、無人飛行体2、運航管理システム3、及び、運航統括システム4等)を構成するコンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
無人飛行体2(特に、制御部20及び通信部21)、運航管理システム3、及び、運航統括システム4のそれぞれは、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。コンピュータ900は、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ等)とで構成される。
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1の基幹ネットワーク8A又は無線ネットワーク8Bと同じでもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD
等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA(field-programmable gate array)、ASIC(application specific integrated circuit)等のハードウエアで実現するものでもよい。
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、コンピュータ900の使用用途に応じて、クライアント型コンピュータやエッジ型コンピュータで構成されてもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータで構成されてもよい。
(無人飛行体運航システム1の動作)
次に、上記構成を有する無人飛行体運航システム1の動作(運航空域管理方法)について、図9乃至図18を参照しつつ説明する。
(運航空域の利用申請方法)
図9は、運航管理システム3と運航統括システム4との間で行われる運航空域の利用申請方法(運航空域利用申請処理)の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS100において、運航管理システム3の運航空域申請部300は、運航空域Zの利用申請のための申請データを運航統括システム4に送信する。申請データには、例えば、申請対象の運航空域Z(運航経路R、運航空域幅W及び運航空域高さH)、申請者(個別事業者)等が含まれる。
次に、ステップS110において、運航統括システム4の制御部40は、運航統括システム4から受信した申請データに基づいて、運航空域DB42を参照し、申請対象の運航空域Zが、運航空域DB42に登録済みの運航空域Zと重複しないか否かを判定する。その結果、制御部40は、重複しないと判定した場合には、申請対象の運航空域Zを申請者に割り当てると決定する。なお、制御部40は、運航空域幅W及び運航空域高さHを適宜変更して運航空域Zを割り当ててもよいし、申請データに運航空域幅W及び運航空域高さHが含まれていない場合には、運航空域幅W及び運航空域高さHを決定することで運航空域Zを割り当ててもよい。
次に、ステップS120において、制御部40は、申請対象の運航空域Zに対して運航空域IDを新たに発行し、その運航空域IDに関連付けて、新たに割り当てる運航空域Z、個別事業者等を運航空域DB42に登録する。
次に、ステップS130において、制御部40は、申請データの送信元である運航管理システム3に、利用申請を認可する旨の通知とともに、運航空域ID及び運航空域Zを送信する。
そして、ステップS140において、運航空域申請部300は、運航統括システム4から受信した情報、すなわち、運航統括システム4により認可された運航空域ID及び運航空域Z(運航経路R、運航空域幅W及び運航空域高さH)を運航空域DB32に登録する。
以上のように、図9に示す一連の運航空域利用申請処理により運航空域Zの利用が認可されることで、運航管理システム3は、無人飛行体2の飛行計画を策定する段階(飛行計画の策定方法(図10参照))に移行する。
(飛行計画の策定方法)
図10は、運航管理システム3による飛行計画の策定方法(飛行計画策定処理)の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、運航管理システム3の飛行計画策定部301は、個別事業者の入力操作に基づいて、計画対象の無人飛行体2、運航空域Z、及び、計画対象の無人飛行体2が運航空域Zを飛行するときの飛行予定時刻(出発時刻、到着時刻)を含む飛行条件を受け付ける。そして、飛行計画策定部301は、その受け付けた飛行条件を運航空域管理装置10に送る。
次に、ステップS210において、運航空域管理装置10の状態取得部100は、飛行予定時刻(出発時刻、到着時刻)を基準時刻として、当該基準時刻に基づいてスケジュール管理DB34を参照し、出発時刻から到着時刻までの期間と重なるスケジュール情報をスケジュール管理DB34から抽出する。そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により飛行予定時刻を基準時刻として抽出されたスケジュール情報を参照し、出発時刻から到着時刻までの期間で使用が禁止される区画空域が存在する場合には、当該区画空域の飛行許否を「禁止」に設定し、その他の区画空域の飛行許否を「許可」に設定する。
次に、ステップS220において、状態取得部100は、飛行予定時刻(出発時刻、到着時刻)を基準時刻として、当該基準時刻に基づいて飛行管理DB33を参照し、出発時刻から到着時刻までの期間で計画対象の運航空域Zを飛行するように策定された他の無人飛行体2(運航管理システム3が管理する無人飛行体2であって計画対象の無人飛行体2とは異なる無人飛行体2)の飛行計画を飛行管理DB33から抽出する。そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により抽出された他の無人飛行体2の飛行計画に含まれる運航空域情報及ぶ飛行経路Fに基づいて、出発時刻から到着時刻の期間で他の無人飛行体2が存在する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
次に、ステップS230において、状態取得部100は、計画対象の運航空域Zに基づいて地理情報提供システム6から地理情報の提供を受けることで、計画対象の運航空域Zに含まれる地上構造物又は運航空域Zから所定の距離に位置する地上構造物の設置位置を取得する。そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された地上構造物の設置位置に基づいて区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、地上構造物が存在する区画空域又は地上構造物から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。これにより、運航経路Rが認可されたときには存在しなかった地上構造物が新設されたり、さらに撤去されたりといった状況に対応させて、地上構造物との衝突を回避する飛行計画を策定することできる。
次に、ステップS240において、状態取得部100は、計画対象の運航空域Zと飛行予定時刻とに基づいて気象情報提供システム5から気象情報の提供を受けることで、出発時刻から到着時刻までの期間における計画対象の運航空域Zの気象予報情報を取得する。
そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された気象予報情報に基づいて区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、気象予報情報において、例えば、運航経路Rにおける地上100m以上の風速が所定の警戒基準値以上の場合には、地上100m以上に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。また、飛行許否設定部101は、気象予報情報において、例えば、運航経路Rにおける天候が雨や雪の場合や、風速が所定の危険基準値(>警戒基準値)以上の場合には、全ての区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
次に、ステップS250において、情報出力部102は、上記ステップS210~S240にて飛行許否設定部101により区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を飛行経路決定部103に出力する。上記ステップS210~S240のうち少なくとも1つのステップが省略されてもよいし、処理順序が適宜入れ替えられてもよい。
そして、ステップS260において、飛行経路決定部103は、上記ステップS250にて情報出力部102が出力した運航空域情報に基づいて飛行許否が「許可」と設定された区画空域を選択し、その区画空域内を飛行するように飛行経路Fを決定する。続けて、飛行経路決定部103は、計画対象の無人飛行体2を示す無人飛行体IDに関連付けて、その決定した飛行経路Fと、情報出力部102が出力した運航空域情報とを飛行管理DB33に登録する。なお、飛行経路決定部103が飛行経路Fを決定できなかった場合には、その旨を個別事業者に通知する。
以上のように、図10に示す一連の飛行計画策定処理により飛行計画が策定されて、飛行計画の出発時刻が到来することで、運航管理システム3は、無人飛行体2の飛行を遠隔操縦する段階(無地飛行体の遠隔操縦方法(図11~図13参照))に移行する。
(無人飛行体の遠隔操縦方法)
図11は、運航管理システム3と無人飛行体2との間で行われる無人飛行体の遠隔操縦方法の一例を示すフローチャートである。図12は、運航管理システム3が無人飛行体2を遠隔操縦するための飛行制御情報を生成する遠隔操縦処理の一例を示すフローチャートである。図13は、運航管理システム3が遠隔操縦中に実行する運航空域の状態取得処理の一例を示すフローチャートである。図14~図18は、各区画空域の飛行許否の設定方法の一例を示す説明図である。
まず、図11に示すステップS300において、無人飛行体2との遠隔操縦部302は、飛行管理DB33を参照し、現在時刻が出発時刻又はその直前となる飛行計画(飛行管理DB33の1レコード分のデータ)を取得し、操縦対象(情報出力部102が運航空域情報を出力する対象)の無人飛行体2を特定する。
次に、ステップS40において、遠隔操縦部302は、遠隔操縦処理を実行して飛行制御情報を生成する。ステップS40に示す遠隔操縦処理の詳細は後述する。
次に、ステップS310において、遠隔操縦部302は、ステップS40の遠隔操縦処理にて生成された飛行制御情報を、第1通信部310から無線ネットワーク8Bを介して操縦対象の無人飛行体2に送信する。
次に、ステップS320において、操縦対象の無人飛行体2の飛行制御部200は、運航管理システム3から飛行制御情報を受信し、その飛行制御情報に従って無人飛行体2の飛行を制御する。そして、ステップS322において、飛行制御部200は、センサ群22による各種のセンサデータをテレメトリ情報として、通信部21から無線ネットワーク8Bを介して運航管理システム3に送信する。
次に、ステップS330において、遠隔操縦部302は、無人飛行体2からテレメトリ情報を受信する。そして、ステップS340において、遠隔操縦部302は、無人飛行体2との通信状態(開通状態又は不通状態)を判定し、開通状態であると判定した場合には(ステップS340の判定が「No」)、ステップS40に戻る。これにより、遠隔操縦部302は、無人飛行体2との通信状態が開通状態である間、上記ステップS40からステップS330までの処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS350において、飛行制御部200は、運航管理システム3との通信状態を判定し、開通状態であると判定した場合には(ステップS340の判定が「No」)、ステップS320に戻る。これにより、飛行制御部200は、運航管理システム3との通信状態が開通状態である間、ステップS320、S322の処理を繰り返し実行する。
上記ステップS310の飛行制御情報の送信と、上記ステップS322のテレメトリ情報の送信とは、異なるタイミング又は異なる周期で行われる。テレメトリ情報は、例えば、飛行制御情報の送信よりも短い周期で送信され、飛行制御情報は、例えば、離陸時、飛行方向の変更、飛行高度の変更、飛行速度の変更、着陸時等の所定のタイミングで送信される。なお、テレメトリ情報に飛行状態データ(正常飛行状態、ホバリング待機状態、緊急着陸状態、異常状態等)が含まれている場合において、当該飛行状態データが、例えば、正常飛行状態以外を示す場合に、飛行経路Fに基づく飛行制御情報の送信を中断し、例外処理に移行する。
また、上記ステップS340において、運航管理システム3が、無人飛行体2との通信状態が不通状態であると判定した場合には(ステップS340の判定が「Yes」)、ステップS342において、通信状態が不通状態から開通状態に回復するまで待ち状態に移行する(ステップS342の判定が「No」)。
一方、上記ステップS350において、飛行制御部200が、運航管理システム3との通信状態が不通状態であると判定した場合には(ステップS350の判定が「Yes」)、ステップS352において、運航管理システム3に送信できなかったテレメトリ情報を無人飛行体2の記憶部に蓄積する。そして、ステップS354において、飛行制御部200が、通信状態が不通状態から開通状態に回復したか否かを判定し、通信状態が回復していないと判定する間(ステップS354の判定が「No」)、テレメトリ情報の蓄積を続ける。一方、飛行制御部200が、通信状態が回復したと判定した場合には(ステップS354の判定が「Yes」)、ステップS356において、無人飛行体2の記憶部に蓄積されたテレメトリ情報を運航管理システム3に送信する。
そして、ステップS344において、運航管理システム3は、無人飛行体2からテレメトリ情報を受信し、ステップS346において、ステップS40の遠隔操縦処理に復帰する。
以上のように、図11に示す一連の処理により、運航管理システム3による飛行制御情報の送信と、無人飛行体2によるテレメトリ情報の送信とが繰り返し行われることで、運航管理システム3が無人飛行体2の飛行を遠隔操縦する。なお、運航管理システム3が、複数の無人飛行体2を同時に遠隔操縦する場合には、各無人飛行体2に対応するように、図11に示す一連の処理が並行して実行される。
次に、図12のフローチャートを参照し、図11のステップS40に示す遠隔操縦処理について説明する。
遠隔操縦処理が開始されると、ステップS400において、遠隔操縦部302は、離陸時の飛行制御情報を生成することで、その生成した飛行制御情報は、図11のステップS310にて無人飛行体2に送信される。
次に、ステップS410において、遠隔操縦部302は、飛行計画として決定済みの飛行経路Fと、図11のステップS330にて無人飛行体2から受信したテレメトリ情報とに基づいて飛行制御情報が生成し、その生成した飛行制御情報は、図11のステップS310にて無人飛行体2に送信される。
そして、ステップS50において、運航空域管理装置10の状態取得部100及び飛行許否設定部101は、遠隔操縦部302による飛行制御情報の生成と並行して、運航空域Zの状態取得処理を実行する。ステップS50に示す状態取得処理の詳細は後述する。
次に、ステップS420において、運航空域管理装置10の情報出力部102は、上記ステップS50にて運航空域管理装置10が運航空域Zの状態取得処理を実行した結果、運航空域情報の修正(更新)が必要であるか否かを判定する。そして、遠隔操縦部302が、運航空域情報の修正(更新)が必要でないと判定した場合には(ステップS420の判定が「No」)、ゴール地点に到着していないと判定する間(ステップS450の判定が「NO」)、ステップS410に戻り、遠隔操縦部302が、飛行制御情報を繰り返し生成する。
一方、ステップS420において、情報出力部102が、運航空域情報の修正(更新)が必要であると判定した場合には(ステップS420の判定が「Yes」)、ステップS430において、新たな運航空域情報を飛行経路決定部103に出力する。
次に、ステップS440において、飛行経路決定部103は、その新たな運航空域情報に基づいて飛行経路Fを修正する。そして、飛行経路決定部103は、その修正した修正済みの飛行経路Fと、新たな運航空域情報とを飛行管理DB33に登録するとともに、運航統括システム4に送信する。運航統括システム4は、運航管理システム3から受信した修正済みの飛行経路Fと、新たな運航空域情報とを飛行管理DB43に登録する。
そして、S450において、遠隔操縦部302が、ゴール地点に到着していないと判定する間(ステップS450の判定が「NO」)、ステップS410に戻り、飛行制御情報を繰り返し生成する。ステップS410では、ステップS440で飛行経路Fが修正された場合には、修正済みの飛行経路Fと、図11のステップS330にて無人飛行体2から受信したテレメトリ情報とに基づいて飛行制御情報が生成する。上記ステップS410~S440の処理が、ゴール地点に到着するまで繰り返し行われることで、運航空域Zの状態変化に応じて飛行経路Fを修正しながら飛行制御情報が逐次生成されて、図11のステップS310にて無人飛行体2に送信される。
一方、ステップS450において、遠隔操縦部302が、ゴール地点に到着したと判定した場合には(ステップS450の判定が「YES」)、ステップS460において、着陸時の飛行制御情報を生成することで、その生成した飛行制御情報は、図11のステップS310にて無人飛行体2に送信される。
次に、図13のフローチャートと、図14~図18とを参照し、図12のステップS50に示す運航空域Zの状態取得処理について説明する。
運航空域Zの状態取得処理が開始されると、ステップS500において、運航空域管理
装置10の状態取得部100は、操縦対象(情報出力部102が運航空域情報を出力する対象)の無人飛行体2のテレメトリ情報(例えば、気象センサ222による気象データ、カメラ224による画像データ、測距センサ225による物体データ、障害物検出データ等)に基づいて、例えば、操縦対象の無人飛行体2の現在位置における気象実況情報や、障害物となる物体の物***置(例えば、他の無人飛行体2の飛行位置、地上構造物の設置位置等)を取得する。他の無人飛行体2は、操縦対象の無人飛行体2とは異なる他の無人飛行体2であって、運航空域Zを飛行中の他の無人飛行体2又は運航空域Zに接近中の他の無人飛行体2(他の個別事業者が管理)である。また、障害物となる物体は、他の無人飛行体2や地上構造物の他に、飛行計画の段階ではその存在を把握できない任意の物体であり、例えば、人、車両、地形(地面や水面)等である。
そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された操縦対象の無人飛行体2のテレメトリ情報に基づいて、区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報に含まれる気象実況情報(例えば、天候、風向、風速、降水量等)に基づいて、無人飛行体2の飛行が困難な区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。また、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報に含まれる他の無人飛行体2の飛行位置に基づいて、他の無人飛行体2が存在する区画空域又は他の無人飛行体2から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。さらに、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報に含まれる障害物となる物体(他の無人飛行体2以外)の物***置に基づいて、障害物となる物体が存在する区画空域又は障害物となる物体から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
例えば、図14に示すように、他の無人飛行体2が運航空域Zに接近中の場合において、状態取得部100が、他の無人飛行体2が区画空域C2側から接近していることを示す操縦対象の無人飛行体2のテレメトリ情報を取得すると、飛行許否設定部101は、区画空域C2側に位置する区画空域C1,C2、C3の飛行許否を「許可(〇)」から「禁止(×)」に変更する。その際、区画空域C1,C2,C3の運航空域情報の禁止理由には
、「他の無人飛行体が接近中」が設定され、代替制御内容には、「飛行経路を修正する」が設定される。このとき、操縦対象の無人飛行体2が、例えば、区画空域C1を通過する飛行経路Fに従って飛行中の場合には、図12のステップS440にて、飛行経路Fは、区画空域B1を通過するように修正される。
次に、ステップS510において、状態取得部100は、操縦対象の無人飛行体2の現在位置に基づいて空域監視システム7から現在位置周辺の空域監視情報の提供を受けることで、運航空域Zを飛行中の他の無人飛行体2又は運航空域Zに接近中の他の無人飛行体2の飛行位置を取得する。
そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された他の無人飛行体2の飛行位置に基づいて、区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、他の無人飛行体2が存在する区画空域又は他の無人飛行体2から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。この場合には、図14と同様に、例えば、他の無人飛行体2が接近中の区画空域の飛行許否が「禁止」に設定される。
次に、ステップS520において、状態取得部100は、操縦対象の無人飛行体2とは異なる他の無人飛行体2との通信状態(開通状態又は不通状態)を取得する。
そして、飛行許否設定部101は、他の無人飛行体2との通信状態に基づいて、区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、無線通信
が不通状態となった他の無人飛行体2が存在する場合、当該他の無人飛行体2から最後に受信したテレメトリ情報の位置データや姿勢データに基づいて、当該他の無人飛行体2が存在すると推定される区画空域又は他の無人飛行体2から所定の距離に位置すると推定される区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
例えば、図15に示すように、他の無人飛行体2が区画空域B3を飛行中に、運航管理システム3との通信状態が不通状態となった場合、運航管理システム3は、他の無人飛行体2に対する飛行制御情報の送信や他の無人飛行体2からのテレメトリ情報の受信が中断する。そのため、状態取得部100が、他の無人飛行体2との通信状態が不通状態であることを取得すると、飛行許否設定部101は、他の無人飛行体2が飛行中と推定される区画空域A2,A3,B2,C2,C3の飛行許否を「許可(〇)」から「禁止(×)」に変更する。その際、区画空域A2,A3,B2,B3,C2,C3の運航空域情報の禁止理由には、「他の無人飛行体と通信障害発生」が設定され、代替制御内容には、「スタート地点に引き返す」が設定される。このとき、操縦対象の無人飛行体2が、例えば、区画空域B2を通過する飛行経路Fに従って飛行中の場合には、図12のステップS440にて、飛行経路Fは、スタート地点に引き返すように修正される。
次に、ステップS530において、状態取得部100は、操縦対象の無人飛行体2とは異なる他の無人飛行体2からテレメトリ情報を取得(受信)する。
そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された他の無人飛行体2のテレメトリ情報に基づいて、区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報(例えば、GNSSセンサ220による位置データ等)に含まれる他の無人飛行体2の飛行位置に基づいて、他の無人飛行体2が存在する区画空域又は他の無人飛行体2から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。また、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報(例えば、気象センサ222による気象データ、等)に含まれる他の無人飛行体2の現在位置における気象実況情報(例えば、天候、風向、風速、降水量等)に基づいて、無人飛行体2の飛行が困難な区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。さらに、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報(例えば、カメラ224による画像データ、測距センサ225による物体データ、障害物検出データ等)に含まれる障害物となる物体の物***置に基づいて、障害物となる物体が存在する区画空域又は障害物となる物体から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。また、飛行許否設定部101は、そのテレメトリ情報(例えば、モータセンサ226によるモータ状態データが異常状態を示す、又は、バッテリセンサ227によるバッテリ状態データが異常状態を示す)に含まれる他の無人飛行体2の異常状態に基づいて、他の無人飛行体2が存在する区画空域又は他の無人飛行体2から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
例えば、図16に示すように、他の無人飛行体2が区画空域B2を飛行中に、異常状態(モータ231やバッテリ24の異常)となった場合において、状態取得部100が、他の無人飛行体2にて異常状態が発生したことを示す他の無人飛行体2のテレメトリ情報を取得すると、飛行許否設定部101は、区画空域B2の下側に位置する区画空域A1,B1、C1の飛行許否を「許可(〇)」から「禁止(×)」に変更する。その際、区画空域A1,B1、B2,C3の運航空域情報の禁止理由には、「他の無人飛行体にて異常発生」が設定され、代替制御内容には、「ホバリング飛行でその場で待機する」が設定される。このとき、操縦対象の無人飛行体2が、例えば、区画空域A1を通過する飛行経路Fに従って飛行中の場合には、図12のステップS410にて、ホバリング飛行でその場で待機するように指示する飛行制御情報が生成される。
なお、状態取得部100は、無人飛行体2が飛行中の区画空域の無線通信が一時的に不
通状態になった後に、通信状態が不通状態から開通状態に回復すると、無人飛行体2に蓄積されたテレメトリ情報を取得する。そのため、飛行許否設定部101は、その蓄積されたテレメトリ情報に基づいて、区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定してもよい。
次に、ステップS540において、状態取得部100は、操縦対象の無人飛行体2の現在位置に基づいて地理情報提供システム6から現在位置周辺の地理情報の提供を受けることで、現在位置周辺に存在する新たな地上構造物の設置位置を取得する。そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された新たな地上構造物の設置位置に基づいて区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、新たな地上構造物が存在する区画空域又は新たな地上構造物から所定の距離に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
例えば、図17に示すように、状態取得部100が、新たな地上構造物が区画空域C1に存在することを検出すると、飛行許否設定部101は、区画空域C1の飛行許否を「許可(〇)」から「禁止(×)」に変更する。その際、区画空域C1の運航空域情報の禁止理由には、「地上構造物の検出」が設定され、代替制御内容には、「その場から最も近い充電ポートに着陸する」が設定される。このとき、操縦対象の無人飛行体2が、例えば、区画空域C1を通過する飛行経路Fに従って飛行中の場合には、図12のステップS410にて、その場から最も近い充電ポート(固定式か移動式のいずれでもよい)に着陸するように指示する飛行制御情報が生成される。
次に、ステップS550において、状態取得部100は、操縦対象の無人飛行体2の現在位置と現在時刻とに基づいて気象情報提供システム5から現在位置周辺の気象情報の提供を受けることで、現在位置周辺における気象情報(気象実況情報及び気象予報情報)を取得する。そして、飛行許否設定部101は、状態取得部100により取得された気象情報に基づいて区画空域の飛行許否を区画空域毎に設定する。具体的には、飛行許否設定部101は、気象情報において、例えば、運航経路Rにおける地上100m以上の風速が所定の警戒基準値以上の場合には、地上100m以上に位置する区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。また、飛行許否設定部101は、気象予報情報において、例えば、運航経路Rにおける天候が雨や雪の場合や、風速が所定の危険基準値(>警戒基準値)以上の場合には、全ての区画空域の飛行許否を「禁止」に設定する。
例えば、図18に示すように、状態取得部100が、区画空域A3、B3、C3の風速が警戒基準値以上であることを検出すると、飛行許否設定部101は、区画空域A3、B3、C3の飛行許否を「許可(〇)」から「禁止(×)」に変更する。その際、区画空域C1の運航空域情報の禁止理由には、「強風」が設定され、代替制御内容には、「飛行経路を修正する」及び「飛行速度を低下する」が設定される。このとき、操縦対象の無人飛行体2が、例えば、区画空域B3を通過する飛行経路Fに従って飛行中の場合には、図12のステップS440にて、飛行経路Fは、区画空域B2を通過するように修正されるとともに、ステップS410にて、飛行速度を低下するように指示する飛行制御情報が生成される。
以上のように、図11、図12に示す一連の処理により、運航管理システム3が無人飛行体2の飛行を遠隔操縦する際に、運航空域の状態変化に伴って、運航空域情報の更新と、飛行経路の修正とが繰り返し行われる。なお、図12に示すステップS500~S550のうち少なくとも1つのステップが省略されてもよいし、処理順序が適宜入れ替えられてもよい。
したがって、本実施形態に係る運航管理システム3(運航空域管理装置10)によれば、飛行許否設定部101が、運航空域Zを分割することで区画される区画空域毎に飛行許
否を設定し、情報出力部102が、区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を出力する。そのため、無人飛行体2は、運航空域情報に基づいて、飛行が許可された区画空域を飛行する一方、飛行が禁止された区画空域を飛行しないように、遠隔操縦により制御される。これにより、運航空域Z内での無人飛行体2の安全な飛行と、運航空域Zの有効利用とを両立させることができる。
(第2の実施形態)
図19は、第2の実施形態に係る無人飛行体2、運航管理システム3及び運航統括システム4の構成例を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態では、運航管理システム(無人飛行体遠隔操縦装置)3が、運航空域管理装置10及び遠隔操縦部302を制御部30に備え、遠隔操縦部302が、運航空域管理装置10の情報出力部102により出力された運航空域情報に基づいて無人飛行体2の飛行(遠隔操縦)を制御する飛行制御情報を生成し、通信部31が、その飛行制御情報を無人飛行体2に送信する場合について説明した。これに対し、第2の実施形態では、無人飛行体2が、運航空域管理装置10a及び飛行制御部200aを制御部20に備え、飛行制御部200aが、運航空域管理装置10aの情報出力部102aにより出力された運航空域情報に基づいて無人飛行体2の飛行(自律飛行)を制御する点で第1の実施形態と相違する。その他の基本的な構成及び動作は、第1の実施形態と同様であるため、以下では第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
無人飛行体2は、運航空域データベース(以下、運航空域DBという)25、及び、飛行管理データベース(以下、飛行管理DBという)26を備える。運航空域DB25及び飛行管理DB26は、図5(a)、図5(b)に示す運航空域DB32及び飛行管理DB33と同様に構成される。運航空域DB25及び飛行管理DB26は、運航管理システム3との間で情報が共有されるとともに、主に運航空域管理装置10aにより使用(参照、登録等)される。
運航空域管理装置10aは、状態取得部100a、飛行許否設定部101a、情報出力部102a、及び、飛行経路決定部103aを備える。運航空域管理装置10aは、運航管理システム3の飛行計画策定部301にて受け付けられた飛行条件を運航管理システム3から受信し、図10と同様に、飛行計画策定処理を実行する。
飛行制御部200aは、運航空域管理装置10aと連携し、運航空域管理装置10aにより、図12、図13と同様に決定又は修正された飛行経路Fに従って無人飛行体2を自律飛行させる。具体的には、飛行制御部200aは、GNSSセンサ220及び慣性センサ221により検出された位置、姿勢、高度、方位等に基づいて、決定済みの飛行経路F又は修正済みの飛行経路Fに従って無人飛行体2を飛行させるための飛行方向、飛行高度、飛行速度等の制御目標値を求め、その求めた制御目標値に応じて各モータ231を駆動するためのモータ駆動データを駆動部23に出力する。なお、本実施形態では、図12、図13に示す一連の処理は、操縦対象の無人飛行体2を、自律飛行対象(自己)の無人飛行体2と読み替えることで実行される。
また、飛行制御部200aは、飛行経路Fに従って自律飛行中に、センサ群22による各種のセンサデータをテレメトリ情報として、運航管理システム3に所定の周期で送信する。
第2の実施形態では、運航空域管理装置10aを無人飛行体2に設けることで、無人飛行体2は自律制御により飛行することが可能になる。各無人飛行体2に記憶する運航空域情報と飛行経路を、運航管理システム3にも記憶するので、他の無人飛行体2とも情報を
共有して、安全に、自律制御することが可能になる。
したがって、本実施形態に係る無人飛行体2(運航空域管理装置10a)によれば、飛行許否設定部101aが、運航空域Zを分割することで区画される区画空域毎に飛行許否を設定し、情報出力部102aが、区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を出力する。そのため、無人飛行体2は、運航空域情報に基づいて、飛行が許可された区画空域を飛行する一方、飛行が禁止された区画空域を飛行しないように、自律飛行により制御される。これにより、運航空域Z内での無人飛行体2の安全な飛行と、運航空域Zの有効利用とを両立させることができる。
(第3の実施形態)
図20は、第3の実施形態に係る無人飛行体2、運航管理システム3及び運航統括システム4の構成例を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態では、運航管理システム(無人飛行体遠隔操縦装置)3が、運航空域管理装置10及び遠隔操縦部302を制御部30に備え、遠隔操縦部302が、運航空域管理装置10の情報出力部102により出力された運航空域情報に基づいて無人飛行体2の飛行(遠隔操縦)を制御する飛行制御情報を生成し、通信部31が、その飛行制御情報を無人飛行体2に送信する場合について説明した。これに対し、第3の実施形態では、運航管理システム(無人飛行体運航管理装置)3が、運航空域管理装置10bを制御部30に備え、通信部31が、運航空域管理装置10の情報出力部102により出力された運航空域情報を無人飛行体2に送信するとともに、無人飛行体2が、飛行経路決定部201及び飛行制御部200bを制御部20に備え、飛行経路決定部201が、運航管理システム3から受信した運航空域情報に基づいて無人飛行体2の飛行を制御する飛行制御情報を生成し、飛行制御部200bが、その飛行制御情報に基づいて無人飛行体2の飛行(自律飛行)を制御する点で第1の実施形態と相違する。その他の基本的な構成及び動作は、第1の実施形態と同様であるため、以下では第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
運航空域管理装置10bは、状態取得部100b、飛行許否設定部101b及び情報出力部102bを備える。情報出力部102bは、飛行許否設定部101bにより区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を飛行管理DB33に登録するとともに、無人飛行体2に送信する。
無人飛行体2は、運航空域DB25、及び、飛行管理DB26を備える。運航空域DB25及び飛行管理DB26は、図5(a)、図5(b)に示す運航空域DB32及び飛行管理DB33と同様に構成される。運航空域DB25及び飛行管理DB26は、運航管理システム3との間で情報が共有されるとともに、主に飛行経路決定部201及び飛行制御部200bにより使用(参照、登録等)される。
飛行経路決定部201は、運航管理システム3から運航空域情報を受信し、飛行管理DB26に登録する。そして、飛行経路決定部201は、その運航空域情報に基づいて、図10のS260と同様に、飛行許否が「許可」と設定された区画空域を選択し、その区画空域内を飛行するように飛行経路Fを決定する。また、飛行経路決定部201は、飛行経路Fに従って自律飛行中に、運航空域管理装置10bの情報出力部102bにより新たな運航空域情報が出力されることで運航管理システム3から新たな運航空域情報を受信したとき、その新たな運航空域情報に基づいて飛行経路Fを修正する。
飛行制御部200bは、飛行経路決定部201と連携し、飛行経路決定部201により決定又は修正された飛行経路Fに従って無人飛行体2を自律飛行させる。具体的には、飛行制御部200bは、第2の実施形態に係る飛行制御部200aと同様に、GNSSセン
サ220及び慣性センサ221により検出された位置、姿勢、高度、方位等に基づいて、決定済みの飛行経路F又は修正済みの飛行経路Fに従って無人飛行体2を飛行させるための飛行方向、飛行高度、飛行速度等の制御目標値を求め、その求めた制御目標値に応じて各モータ231を駆動するためのモータ駆動データを駆動部23に出力する。
また、飛行制御部200aは、第2の実施形態に係る飛行制御部200aと同様に、飛行経路Fに従って自律飛行中に、センサ群22による各種のセンサデータをテレメトリ情報として、運航管理システム3に所定の周期で送信する。
したがって、本実施形態に係る運航管理システム3(運航空域管理装置10b)によれば、飛行許否設定部101bが、運航空域Zを分割することで区画される区画空域毎に飛行許否を設定し、情報出力部102bが、区画空域毎に設定された飛行許否を含む運航空域情報を出力する。そのため、無人飛行体2は、運航空域情報に基づいて、飛行が許可された区画空域を飛行する一方、飛行が禁止された区画空域を飛行しないように、自律飛行により制御される。これにより、運航空域Z内での無人飛行体2の安全な飛行と、運航空域Zの有効利用とを両立させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
上記の各実施形態では、運航空域Zは、図2、図7に示すように、運航経路Rに沿って直方体形状になるように設定されることで矩形の横断面を有し、区画空域は、運航経路Rの経路方向と交差する左右方向及び上下方向に対して区画空域を分割することで区画される場合について説明した。これに対し、運航空域Zを区画空域に区画するときの区画方法や運航空域Zの横断面の形状は適宜変更されてもよい。
図21は、他の実施形態に係る運航空域及び区画空域の一例を示す概要図である。区画空域は、同じ大きさ及び同じ形状で区画されるだけでなく、図21(a)に示すように、異なる大きさに区画されてもよいし、異なる形状に区画されてもよい。区画空域は、左右方向及び上下方向に区画されるだけでなく、交差方向であれば任意の方向に区画されてもよく、図21(b)に示すように、斜め方向に区画されてもよい。区画空域は、直線的に区画されるだけでなく、曲線的に区画されてもよい。また、区画空域の横断面の形状は、矩形に限られず、図21(b)に示すように、三角形でもよいし、図21(c)に示すように、円形でもよい。さらに、区画空域の横断面の形状は、他の多角形でもよい。
1…無人飛行体運航システム、2…無人飛行体、3…運航管理システム、
4…運航統括システム、5…気象情報提供システム、6…地理情報提供システム、
7…空域監視システム、8A…基幹ネットワーク、8B…無線ネットワーク、
10、10a、10b…運航空域管理装置、
20…制御部、21…通信部、22…センサ群、23…駆動部、24…バッテリ、
25…運航空域データベース、26…飛行管理データベース、
30…制御部、31…通信部、32…運航空域データベース、
33…飛行管理データベース、34…スケジュール管理データベース、
40…制御部、41…通信部、42…運航空域データベース、
43…飛行管理データベース、
100、100a、100b…状態取得部、
101、101a、101b…飛行許否設定部、
102、102a、102b…情報出力部、103、103a…飛行経路決定部、
200、200a、200b…飛行制御部、201…飛行経路決定部、
220…GNSSセンサ、221…慣性センサ、222…気象センサ、
223…環境センサ、224…カメラ、225…測距センサ、226…モータセンサ、
227…バッテリセンサ、230…モータ駆動回路、231…モータ、
300…運航空域申請部、301…飛行計画策定部、302…遠隔操縦部、
310…第1通信部、311…第2通信部、
900…コンピュータ

Claims (20)

  1. 無人飛行体の運航経路に沿って管状に設定された運航空域を管理する運航空域管理装置であって、
    前記運航経路の経路方向と交差する交差方向に対して前記運航空域を分割することで区画される区画空域毎に、前記無人飛行体の飛行を許可するか否かを示す飛行許否を設定する飛行許否設定部と、
    前記区画空域毎に設定された前記飛行許否を含む運航空域情報を出力する情報出力部とを備える、
    運航空域管理装置。
  2. 前記飛行許否設定部は、
    前記交差方向として左右方向及び上下方向の少なくとも一方に対して前記運航空域をそれぞれ分割することで区画される前記区画空域毎に前記飛行許否を設定する、
    請求項1に記載の運航空域管理装置。
  3. 前記飛行許否設定部は、
    前記経路方向及び前記交差方向に対して前記運航空域をそれぞれ分割することで区画される前記区画空域毎に前記飛行許否を設定する、
    請求項1又は請求項2に記載の運航空域管理装置。
  4. 前記飛行許否設定部は、
    前記無人飛行体の飛行を許可する場合、前記飛行許否とともに、
    前記無人飛行体の飛行を許可する時間帯、
    前記無人飛行体の飛行速度の上限、
    前記無人飛行体の飛行方向、
    前記無人飛行体の機体サイズの上限、
    前記無人飛行体の機体重量の上限、
    前記無人飛行体が運搬する運搬物重量の上限、及び、
    前記無人飛行体が無線通信により情報を送受信する場合の通信規格、
    の少なくとも1つを含む飛行属性を前記区画空域毎に設定する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  5. 前記飛行許否設定部は、
    前記無人飛行体の飛行を禁止する場合、前記飛行許否とともに、
    前記無人飛行体の飛行を禁止する時間帯、
    前記無人飛行体の飛行を禁止する理由、及び、
    前記無人飛行体が飛行中に前記無人飛行体の飛行を禁止する状態に変更する場合の当該無人飛行体に対する代替制御内容、
    の少なくとも1つを含む飛行属性を前記区画空域毎に設定する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  6. 時間の経過に伴って前記飛行許否を前記区画空域毎に変更するスケジュール情報を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記飛行許否設定部は、
    所定の基準時刻に基づいて前記スケジュール情報を参照し、前記基準時刻に対して前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  7. 前記運航空域の状態を取得する状態取得部をさらに備え、
    前記飛行許否設定部は、
    前記運航空域の前記状態に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  8. 前記状態取得部は、
    前記情報出力部が前記運航空域情報を出力する対象の前記無人飛行体のテレメトリ情報を取得し、
    前記飛行許否設定部は、
    前記無人飛行体の前記テレメトリ情報に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項7に記載の運航空域管理装置。
  9. 前記状態取得部は、
    前記情報出力部が前記運航空域情報を出力する対象の前記無人飛行体とは異なる他の無人飛行体であって、前記運航空域を飛行中の前記他の無人飛行体又は前記運航空域に接近中の前記他の無人飛行体の飛行位置を取得し、
    前記飛行許否設定部は、
    前記他の無人飛行体の前記飛行位置に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項7又は請求項8に記載の運航空域管理装置。
  10. 前記状態取得部は、
    前記情報出力部が前記運航空域情報を出力する対象の前記無人飛行体とは異なる他の無人飛行体であって、前記運航空域を飛行中の前記他の無人飛行体又は前記運航空域に接近中の前記他の無人飛行体のテレメトリ情報を無線通信により取得し、
    前記飛行許否設定部は、
    前記他の無人飛行体の前記テレメトリ情報に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  11. 前記状態取得部は、
    前記無線通信の通信状態を取得し、
    前記飛行許否設定部は、
    前記無線通信の前記通信状態に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項10に記載の運航空域管理装置。
  12. 前記状態取得部は、
    前記通信状態が不通状態から開通状態に回復したとき、前記不通状態の期間中に前記他の無人飛行体に蓄積された前記テレメトリ情報を取得する、
    請求項11に記載の運航空域管理装置。
  13. 前記状態取得部は、
    前記運航空域に含まれる地上構造物又は前記運航空域から所定の距離に位置する地上構造物の設置位置を取得し、
    前記飛行許否設定部は、
    前記地上構造物の前記設置位置に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  14. 前記状態取得部は、
    前記運航空域の気象情報を取得し、
    前記飛行許否設定部は、
    前記気象情報に基づいて前記飛行許否を前記区画空域毎に設定する、
    請求項7乃至請求項13のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  15. 飛行予定時刻を含む飛行条件を受け付けたとき、前記運航空域情報に基づいて前記飛行条件を満たす前記区画空域を選択し、前記無人飛行体が飛行する飛行経路を決定する飛行経路決定部をさらに備える、
    請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の運航空域管理装置。
  16. 前記飛行経路決定部は、
    前記無人飛行体が前記飛行経路に従って飛行中に、前記情報出力部が新たな前記運航空域情報を出力したとき、当該運航空域情報に基づいて前記飛行経路を修正する、
    請求項15に記載の運航空域管理装置。
  17. 前記飛行経路決定部は、
    前記無人飛行体が前記飛行経路に従って飛行中に、当該無人飛行体のテレメトリ情報に基づいて、前記飛行経路が前記飛行条件を満たすか否かを判定する、
    請求項16に記載の運航空域管理装置。
  18. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の運航空域管理装置と、
    前記運航空域管理装置の前記情報出力部により出力された前記運航空域情報を前記無人飛行体に送信する通信部とを備える、
    無人飛行体運航管理装置。
  19. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の運航空域管理装置と、
    前記運航空域管理装置の前記情報出力部により出力された前記運航空域情報に基づいて前記無人飛行体の飛行を制御する飛行制御情報を前記無人飛行体に送信する通信部とを備える、
    無人飛行体遠隔操縦装置。
  20. 請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載の運航空域管理装置と、
    前記運航空域管理装置の前記情報出力部により出力された前記運航空域情報に基づいて前記無人飛行体の飛行を制御する飛行制御部とを備える、
    無人飛行体。
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WO2024057628A1 (ja) * 2022-09-15 2024-03-21 株式会社日立製作所 飛行***置監視システム、および、飛行***置監視方法

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