JP2022129511A - 付加製造装置 - Google Patents

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Makoto Tano
好一 椎葉
Koichi Shiiba
浩平 加藤
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貴也 長濱
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Abstract

【課題】高品質な付加製造物を付加製造することができる付加製造装置を提供すること。【解決手段】付加製造装置100の制御装置130は、温度計測装置140によって計測された保温光ビームKBMの保温光照射範囲における計測温度Tに基づいて、溶融光ビーム及び保温光ビームの照射条件を補正する。これにより、基材Bの造形面B1に対する入熱量を一定範囲となるよう管理することができ、高品質な付加製造物FF(複数のビードN)を付加製造することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、付加製造装置に関する。
付加製造には、例えば、指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition)方式、粉末床溶融結合(Powder Bed Fusion)方式等があることが知られている。指向性エネルギー堆積方式は、光ビーム(レーザビーム及び電子ビーム等)の照射と材料の供給を行う加工ヘッドの位置を制御することで付加製造を行う。指向性エネルギー堆積方式には、LMD(Laser Metal Deposition)、DMP(Direct Metal Printing)等が含まれる。粉末床溶融結合方式は、平らに敷き詰められた粉末材料に対して、光ビームを照射することで付加製造を行う。粉末床溶融結合方式には、SLM(Selective Laser Melting)、EBM(Electron Beam Melting)等が含まれる。
例えば、指向性エネルギー堆積方式のLMDは、硬質材を含む粉末材料等を噴射しながら光ビームを照射することにより、粉末材料等を溶融させた後に凝固させることができる。これにより、LMDは、例えば、造形面に対して部分的に硬質材の付加製造物を付加する肉盛技術として利用されている。
そして、例えば、特許文献1及び特許文献2には、指向性エネルギー堆積方式の付加製造装置が開示されている。従来の付加製造装置においては、供給された材料が溶融して形成された溶融池の状態を計測しながら、付加製造物を形成するようになっている。
特開2002-48718号公報 国際公開第2017/163429号
ところで、付加製造においては、光ビームの照射による入熱量が過多になると、溶融した材料即ち溶融池の濡れ広がりが生じ易くなる。その結果、形成される付加製造物の品質が悪化する虞がある。従って、付加製造においては、光ビームの照射による入熱量を管理することが肝要である。
本発明は、高品質な付加製造物を付加製造することができる付加製造装置を提供することを目的とする。
付加製造装置は、硬質材及び超硬バインダを含む粉末材料を供給する粉末材料供給装置と、供給された粉末材料を粉末材料の融点以上に加熱して溶融する溶融光ビームを照射する溶融光ビーム照射装置と、溶融光ビームが照射される照射範囲である溶融光照射範囲の外側にて、溶融光ビームの照射によって溶融した粉末材料が凝固して形成された付加製造物を融点未満に加熱して保温する保温光ビームを照射する保温光ビーム照射装置と、溶融光ビーム及び保温光ビームの照射、並びに、溶融光ビーム及び保温光ビームの相対的な走査について、溶融光ビーム照射装置及び保温光ビーム照射装置の各々を独立して制御する制御装置と、を備えた付加製造装置であって、保温光ビームが照射される照射範囲であって溶融光照射範囲よりも大きな保温光照射範囲を含む範囲の温度を計測する温度計測装置を備え、制御装置は、溶融光照射範囲に対して保温光照射範囲が重畳した状態で溶融光ビーム及び保温光ビームを照射するように溶融光ビーム照射装置及び保温光ビーム照射装置を制御し、温度計測装置によって計測された温度に基づいて、溶融光ビーム照射装置が照射する溶融光ビーム及び保温光ビーム照射装置が保温光ビームの照射条件を補正する。
これによれば、温度計測装置が保温光ビームの照射される保温光照射範囲を含む範囲の温度を計測し、制御装置が計測された温度に基づいて、溶融光ビーム及び保温光ビームの照射条件を補正することができる。これにより、溶融光ビーム及び保温光ビームの照射による入熱量を管理することができる。従って、付加製造装置は、高品質な付加製造物を付加製造することができる。
付加製造装置を示す図である。 図1の付加製造装置の移動装置を説明するための図である。 溶融光ビームの溶融光照射範囲と保温光ビームの保温光照射範囲とを説明するための図である。 図1の付加製造装置において造形面に付加製造物を付加製造する場合の強度と光照射範囲との関係を示すビームプロファイルである。 図1の付加製造装置による付加製造物を付加製造する際の基材に付加した付加製造物の初期状態を示す断面図である。 図5の状態から走査が進んだときの基材の造形面に付加製造した付加製造物の途中状態及び付加状態を示す断面図である。 付加製造装置制御プログラムのフローチャートである。 温度計測装置による温度の計測を説明するための図である。 図8の計測位置SPにおける温度の変化を説明するための図である。 入熱量が過多の場合に形成される付加製造物を説明するための図である。 入熱量が適正の場合に形成される付加製造物を説明するための図である。 保温光ビームの強度の変更を説明するためのビームプロファイルである。 第一別例に係り、冷却装置を説明するための図である。
(1.付加製造装置の概要)
本例の付加製造装置は、例えば、指向性エネルギー堆積方式であってLMD方式を採用する。本例において、付加製造装置は、硬質材である硬質粉末材料に結合粉末材料を混合した粉末材料を基材の造形面に向けて噴射しながら光ビームを照射することにより、造形面に硬質の付加製造物を付加製造する。粉末材料、特に、硬質粉末材料と基材とは、異なる材料でも良く、同一種類の材料でも良い。更に、粉末材料は、硬質粉末材料と結合粉末材料とを固めた造粒粉末でも良い。
本例では、硬質材である炭化タングステン(WC)の硬質粉末材等を用いて造形される硬質の付加製造物を、炭素鋼(S45C)を用いて形成された基材に付加製造する場合について説明する。本例においては、結合粉末材料は、炭化タングステン(WC)を結合する超硬バインダとして作用するコバルト(Co)を用いる。ここで、炭化タングステン(WC)の融点(凝固点)は、2870℃であり、超硬バインダであるコバルト(Co)の融点(凝固点)の1495℃よりも高い。尚、本例においては、超硬バインダとしてコバルト(Co)を用いる。しかし、超硬バインダはコバルト(Co)に限られず、例えば、ニッケル(Ni)を超硬バインダとして用いることも可能である。
(2.付加製造装置100の構成)
図1に示すように、付加製造装置100は、粉末材料供給装置110、光ビーム照射装置120及び制御装置130を主に備える。尚、本例の付加製造装置100の基本的な構成及び動作については、周知のLMD型の付加製造装置と同等である。このため、付加製造装置100の詳細な構成及び動作等の説明については省略する。
粉末材料供給装置110は、ホッパ111、バルブ112、ガスボンベ113及び噴射ノズル114を備える。ホッパ111は、結合粉末材料P2が混合された硬質粉末材料P1を貯蔵する。尚、以下の説明において、硬質粉末材料P1と結合粉末材料P2とを混合した粉末材料を「粉末材料P」と称呼する。
バルブ112は、粉末導入バルブ112a、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cを備える。粉末導入バルブ112aは、配管111aを介してホッパ111と接続される。粉末供給バルブ112bは、配管114aを介して噴射ノズル114と接続される。ガス導入バルブ112cは、配管113aを介してガスボンベ113と接続される。
噴射ノズル114及び配管114aは、噴射ノズル114側に傾斜部分を有する筒状の容器115に収容される。噴射ノズル114は、容器115の傾斜部分の先端に配置される。そして、噴射ノズル114は、配管114aを介して、例えば、ガスボンベ113から供給される高圧の窒素により、粉末材料Pを基材B、より詳しくは、付加製造物FFを造形する造形面B1に向けて噴射する。尚、粉末材料Pを噴射するガスは、窒素に限定されるものではなく、アルゴン等の不活性ガスであっても良い。
光ビーム照射装置120は、溶融光ビーム照射装置121と、保温光ビーム照射装置122と、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122の各々を独立して相対移動させる移動装置123と、を主に備える。ここで、図1及び図2に示すように、溶融光ビーム照射装置121と保温光ビーム照射装置122とは、移動装置123によって各々が照射する光ビームの照射方向(光軸)が交差する、或いは、ねじれの位置関係を有するように配置される。つまり、図3に示すように、溶融光ビーム照射装置121と保温光ビーム照射装置122とは、溶融光ビーム照射装置121による溶融光ビームMBMの照射範囲と、保温光ビーム照射装置122による保温光ビームKBMの照射範囲と、が重畳するように(重なるように)、配置される。
溶融光ビーム照射装置121は、溶融光ビーム生成部121aにより生成され供給される溶融光ビームMBMを基材Bの造形面B1に直交するように照射する溶融光ビーム照射部121bを備える。溶融光ビーム生成部121aは、制御装置130によって制御されて、溶融光ビームMBMを生成する。
溶融光ビーム照射部121bは、容器115の内部において、噴射ノズル114の近傍に配置される。具体的に、溶融光ビーム照射部121bは、噴射ノズル114から噴射される粉末材料Pの供給位置に向けて溶融光ビームMBMが照射可能となるように、容器115の傾斜部分の先端に配置される。
溶融光ビームMBMは、容器115の内部に配置された図示省略のコリメータレンズや集光レンズ等の光学系を通して溶融光ビームMBMを照射する。そして、溶融光ビームMBMは、図1に示すように、基材Bの造形面B1において粉末材料供給装置110から供給された粉末材料Pを溶融することにより溶融池MPを形成する。尚、「加工ヘッド」は、噴射ノズル114、溶融光ビーム照射装置121及び容器115を含んで構成されることにより、粉末材料Pと溶融光ビームMBMとは一体に移動する。
保温光ビーム照射装置122は、保温光ビーム生成部122aにより生成され供給される保温光ビームKBMを基材Bの造形面B1に照射する保温光ビーム照射部122bを備える。保温光ビーム照射装置122は、保温光ビームKBMの照射方向(光軸)が、溶融光ビーム照射装置121による溶融光ビームMBMの照射方向(光軸)に対して傾きを有するように配置される。保温光ビーム照射装置122は、造形面B1(基材B)及び造形面B1に形成された溶融池MPを含む付加製造物FF(後述するビードN)を加熱して保温する。
保温光ビーム生成部122aは、制御装置130によって制御されて、保温光ビームKBMを生成する。保温光ビーム照射部122bは、筒状の容器122cにおいて、基材Bの造形面B1に対向する先端に配置される。具体的に、保温光ビーム照射部122bは、溶融光ビーム照射装置121から照射された溶融光ビームMBMの照射範囲に重ねて保温光ビームKBMが照射可能となるように、容器122cの先端に配置される。又、保温光ビーム照射部122bは、形成された溶融池MP及び溶融池MPの凝固により形成されるビードN(付加製造物FF)に対し、溶融光ビーム照射装置121の走査方向にて前側及び後側、特に、少なくとも溶融池MPよりも後側に向けて保温光ビームKBMが照射可能となるように、容器122cの先端に配置される。
保温光ビームKBMは、容器122cの内部に配置された図示省略のコリメータレンズや集光レンズ等の光学系を通して保温光ビームKBMを照射する。そして、保温光ビームKBMは、基材Bの造形面B1及び供給された未溶融の粉末材料Pを予熱(加熱)する。又、保温光ビームKBMは、溶融光ビームMBMによって形成された溶融池MP及び溶融池MPの凝固により形成されたビードNを保温する。
移動装置123は、図2に示すように、第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bを主に備える。第一ロボットアーム123aは、溶融光ビーム照射装置121(即ち、加工ヘッド)を支持する。そして、第一ロボットアーム123aは、基材Bの造形面B1に対して、溶融光ビームMBMの照射方向(即ち、溶融光ビームMBMの光軸)が直交する状態で、溶融光ビーム照射装置121を相対変位させる。
第二ロボットアーム123bは、保温光ビーム照射装置122を支持する。具体的に、第二ロボットアーム123bは、溶融光ビームMBMの照射方向(溶融光ビームMBMの光軸)に対して保温光ビームKBMの照射方向(保温光ビームKBMの光軸)が傾いた姿勢、換言すれば、造形面B1に対して保温光ビーム照射装置122を支持する。そして、第二ロボットアーム123bは、保温光ビーム照射装置122を、溶融光ビーム照射装置121に追従させて、造形面B1(基材B)に対して相対変位させる。
ここで、本例においては、図3に示すように、溶融光ビーム照射装置121は、円形状の照射形状となる溶融光ビームMBMを照射する。又、保温光ビーム照射装置122は、溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSに重畳し且つ溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSの外側を囲う(即ち、溶融光照射範囲MSを内部に含む)楕円形状の照射形状となる保温光ビームKBMを照射する。即ち、保温光ビーム照射装置122が保温光ビームKBMを照射する保温光照射範囲KSは、溶融光ビーム照射装置121が溶融光ビームMBMを照射する溶融光照射範囲MSよりも広くなる。
これにより、溶融光照射範囲MSに照射される溶融光ビームMBMは、主として、基材Bの造形面B1において粉末材料Pを溶融することにより、図1に示すように、複数のビードNによる付加製造物FFを付加製造する。又、保温光照射範囲KSに照射される保温光ビームKBMは、主として、基材Bの造形面B1を予熱(加熱)する。又、保温光照射範囲KSに照射される保温光ビームKBMは、主として、基材Bの造形面B1に付加製造された付加製造物FF(より詳しくは、粉末材料Pが溶融した溶融池MP)の温度低下を抑制するように保温する。
尚、本例においては、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMとして、レーザ光を用いる。しかしながら、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMは、レーザ光に限られず、電磁波であれば例えば電子ビームを用いることも可能である。又、本例においては、円形状の溶融光ビームMBM(即ち、溶融光照射範囲MS)に対して楕円形状の保温光ビームKBM(即ち、保温光照射範囲KS)を重畳するように照射するが、照射形状については四角形状等を用いることができ、限定されるものではない。
制御装置130は、CPU、ROM、RAM、インターフェース等を主要構成部品とするコンピュータ装置である。制御装置130は、粉末材料供給装置110の粉末供給を制御する。具体的に、制御装置130は、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cの開閉を制御することにより、噴射ノズル114から基材Bの造形面B1に向けた粉末材料Pの噴射供給を制御する。
制御装置130は、光ビーム照射装置120即ち溶融光ビーム照射装置121、保温光ビーム照射装置122及び移動装置123の動作を制御する。具体的に、制御装置130は、溶融光ビーム照射装置121の溶融光ビーム生成部121a及び保温光ビーム照射装置122の保温光ビーム生成部122aの動作をそれぞれ制御する。これにより、制御装置130は、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの各々の照射条件を独立して制御する。ここで、照射条件としては、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの各々の単位面積当たりの出力を表すパワー密度の制御要素である、例えば、保温光ビームKBMのビーム出力や、保温光ビームKBMの保温光照射範囲KS(スポット径)、或いは、保温光ビームKBMの走査速度を挙げることができる。この場合、制御装置130は、制御要素であるビーム出力を変更したり、溶融光照射範囲MS及び保温光照射範囲KSの大きさ(スポット径)を変更したり、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの走査速度を変更したりする。
ここで、制御装置130は、図4に示すように、溶融光ビームMBMの強度の分布形状を表すビームプロファイルにおける強度MBP1を、保温光ビームKBMのビームプロファイルにおける強度KBP1より増加させる制御を行う。溶融光ビームMBMのビーム出力は、造形面B1(基材B)の一部と、硬質粉末材料P1及び結合粉末材料P2と、を溶融して溶融池MPを形成できる温度となるように制御される。又、保温光ビームKBMのビーム出力は、造形面B1(基材B)と、硬質粉末材料P1及び結合粉末材料P2と、を溶融させることがない基準温度となるように制御される。
又、制御装置130は、移動装置123の第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bを動作させることにより、溶融光ビームMBMを走査させると共に保温光ビームKBMを溶融光ビームMBMの軌跡に追従させる。この場合、制御装置130は、第二ロボットアーム123bを動作させることにより、保温光照射範囲KSの大きさや保温光ビームKBMの光軸の溶融光ビームMBMの光軸に対する角度等を制御することができる。これにより、溶融光照射範囲MSの大きさに対する保温光照射範囲KSの大きさが可変となるように、制御装置130は、溶融光ビーム照射装置121に対する保温光ビーム照射装置122の相対的な姿勢を制御することができる。その結果、制御装置130は、保温光ビームKBMによる基材B及び粉末材料Pの加熱、換言すれば、保温光ビームKBMによる加熱に伴う基材B及び粉末材料Pの基準温度を増減させて制御することができる。
更に、制御装置130は、基材Bの造形面B1に対する溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの相対的な走査を制御する。具体的に、本例においては、制御装置130は、モータM1の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの回りに回転させると共に、モータM2の回転を制御して基材Bを中心軸線Cの方向に移動させる。これにより、基材Bの造形面B1(即ち、周面)に対する溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの相対的な走査を制御する。
尚、本例においては、制御装置130が基材Bを回転及び移動させるようにする。しかしながら、制御装置130が移動装置123を制御することにより、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122を基材Bの造形面B1に対して相対的に移動させることが可能であることは言うまでもない。
更に、制御装置130は、温度計測装置140と接続される。温度計測装置140は、溶融光ビーム照射装置121に組み付けられており、保温光照射範囲KSを含む範囲、本例では保温光照射範囲KSの内部にて基材Bの造形面B1に形成されたビードN(付加製造物FF)の温度を計測する。そして、温度計測装置140は、計測した温度を表す計測温度Tを制御装置130に出力する。ここで、温度計測装置140は、例えば、赤外線カメラやサーモグラフィ、放射温度計等を用いることができる。
(3.付加製造物FFの付加製造方法の概略)
次に、付加製造物FF(ビードN)の付加製造方法について説明する。付加製造物FF(ビードN)の付加製造方法では、第一段階として、保温光ビームKBMにより、付加製造物FF(ビードN)の付加製造処理における前処理である予熱処理を行う。
一般に、基材Bの造形面B1の温度が低い状態では、溶融光ビームMBMの照射による熱エネルギーが基材Bに逃げ易い。これにより、第二段階において付加製造物FF(ビードN)を基材Bの造形面B1に付加製造する場合、溶融不足の発生等に伴うビードNの成形不良が生じ易い。このため、第一段階で保温光ビームKBMを用いて基材Bの造形面B1を予熱(加熱)する。
このとき、予熱処理における保温光ビームKBMの保温光照射範囲KSは、図5に示すように、溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSと重なり(溶融光ビームMBMの光軸に交差し)且つ溶融光ビームMBMの走査方向SDの前側の保温光照射範囲KSFまで照射する。尚、予熱処理における保温光ビームKBMのビーム出力は、基材Bの造形面B1及び粉末材料Pが溶融せずに基準温度となるように制御される。
一方、例えば、複数のビードNが形成されることによって基材Bの造形面B1の温度が上昇して高い状態では、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの照射による熱エネルギー、換言すれば、入熱量が過多になり易い。これにより、第二段階において付加製造物FF(ビードN)を基材Bの造形面B1に付加製造する場合、ビードNのビード幅が広がったり、ビード高さが変動したりするビードNの成形不良が生じ易い。このため、第一段階で保温光ビームKBMを用いた基材Bの造形面B1の予熱(加熱)を抑制する。
このとき、予熱処理における保温光ビームKBMの保温光照射範囲KSとしては、溶融光照射範囲MSと重なる(溶融光ビームMBMの光軸と交差する)。ここで、保温光ビームKBMの強度は、溶融光ビームMBMの強度に比べて小さい。しかしながら、基材B(造形面B1)に一部及び粉末材料Pを溶融してビードN(付加製造物FF)を形成する際には、溶融光ビームMBMによる入熱量と保温光ビームKBMの入熱量を合計した入熱量により、基材B(造形面B1)に一部及び粉末材料Pが溶融される。
次に、第二段階として、図6に示すように、溶融光ビームMBMを照射することにより、溶融光照射範囲MSにおいて、基材Bの造形面B1の一部及び粉末材料Pを溶融して溶融池MPを形成する溶融処理を行う。又、この溶融処理においては、保温光ビームKBMの保温光照射範囲KSのうち、溶融光ビームMBMの走査方向SDにて溶融光ビームMBMよりも前側の保温光照射範囲KSFにて、溶融池MPの形成処理の前処理としての予熱処理を行う。
そして、図6に示すように、溶融光ビームMBMの走査方向SDに走査する(本例では、基材Bが回転することにより走査するが、図6では便宜上、溶融光ビームMBMを走査するものとして説明する。)ことで溶融池MPを拡大させることにより、付加製造物FF(ビードN)を付加製造する。ここで、本例の付加製造物FF(ビードN)は、硬質粉末材料P1の炭化タングステン(WC)を硬質バインダとして作用する結合粉末材料P2のコバルト(Co)によって結合されて形成されるものである。そして、本例の付加製造物FFは、基材Bの周方向に沿って筋状に形成される複数のビードNによって構成される(図1を参照)。
又、溶融光ビームMBMは、溶融池MPを拡大させるように粉末材料Pを溶融させた後、走査方向SDに順次移動する。このため、保温光ビームKBMの保温光照射範囲KSのうち、溶融光ビームMBMの走査方向SDにて溶融光ビームMBMよりも後側の保温光照射範囲KSBにおいて、保温光ビームKBMの一部が溶融池MPを照射する。これにより、保温光ビームKBMは、形成された溶融池MPの急冷を防止して付加製造物FFの割れ等の発生を抑制するように、付加製造物FFの付加製造の後処理としての保温処理を行う。
ところで、上述したように、複数のビードNが形成されることによって基材Bの造形面B1の温度が高い状態では、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの照射による入熱量が過多になる場合がある。この場合、基材Bの造形面B1における温度を低下させて複数のビードNを適切に形成するために、制御装置130は、温度計測装置140から取得した計測温度Tに基づいて溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMを照射する際の照射条件を補正し、補正した照射条件に従って溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの照射による入熱量を調整する。具体的に、制御装置130は、保温光ビームKBMによる基材Bの造形面B1の加熱を低減させる一方で、溶融光ビームMBMによって確実に粉末材料Pを溶融させるように、照射条件を補正する。
このため、制御装置130は、照射条件として、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの各々の単位面積当たりの出力を表すパワー密度の制御要素である、例えば、保温光ビームKBMの強度(ビーム出力)を低減させたり保温光ビームKBMの保温光照射範囲KS(スポット径)を小さくしたり、或いは、保温光ビームKBMの走査速度を増加させたりする。又、制御装置130は、粉末材料Pを確実に溶融させるために、即ち、保温光ビームKBMによる加熱が低下した状態であっても入熱量を適切に維持するために、照射条件として、溶融光ビームMBMの強度(ビーム出力)を増加させる。尚、本例においては、制御装置130は、造形面B1の温度の上昇に伴い、保温光ビームKBMの強度(ビーム出力)を低下させると共に溶融光ビームMBMの強度(ビーム出力)を増加させて照射条件を補正する場合を例示する。
(4.付加製造物FFの付加製造方法の詳細)
次に、付加製造物FFの付加製造方法の詳細について説明する。制御装置130は、図7に示す付加製造装置制御プログラムの実行をステップS10にて開始し、続くステップS11にて、制御装置130は、粉末材料供給装置110の作動を制御する。即ち、制御装置130は、粉末材料供給装置110のバルブ112、具体的には、粉末供給バルブ112b及びガス導入バルブ112cの開閉を制御し、予め設定された供給量の粉末材料Pを基材Bに供給すると、ステップS12のステップ処理を実行する。
ステップS12においては、制御装置130は、予め設定された初期の照射条件、又は、後述するように補正された照射条件に従って、光ビーム照射装置120の溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122を作動させる。そして、制御装置130は、前記ステップS11にて基材Bに供給された粉末材料Pに対して溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMを照射し、基材Bの造形面B1にビードN即ち付加製造物FFを付加製造する。
ステップS13においては、制御装置130は、温度計測装置140によって計測されたビードNの計測温度Tを取得する。ここで、本例においては、温度計測装置140は、図8に示すように、保温光ビームKBMが照射される保温光照射範囲KSの内部、より詳しくは、後側の保温光照射範囲KSBにおける計測位置SPにてビードNの温度を計測し、計測した計測温度Tを制御装置130に出力する。そして、制御装置130は、ステップS14のステップ処理を実行する。
尚、本例において、温度計測装置140は、少なくとも形成されたビードNに対応する1つの計測位置SPにて計測温度Tを計測する。しかし、温度計測装置140は、複数の計測位置SPにて計測温度Tを計測することが可能である。このため、制御装置130がビードNに対応する計測温度Tを含め、例えば、溶融池MPの計測温度Tや基材Bの造形面B1の計測温度Tを取得することも可能である。更に、計測温度Tの計測に際しては、厳密に保温光照射範囲KSの内部に存在する計測位置SPに限られず、保温光照射範囲KSの外部であっても保温光照射範囲KSの内部との相関が強い領域(例えば、保温光照射範囲KSを含む範囲であって保温光照射範囲KSの極近傍等)における計測位置の計測温度を計測することも可能である。
ステップS14においては、制御装置130は、基材Bの造形面B1に対するビードN(付加製造物FF)の付加製造が完了したか否かを判定する。即ち、制御装置130は、基材Bの造形面B1に対するビードN(付加製造物FF)の付加製造が完了していれば、「Yes」と判定し、ステップS17のステップ処理を実行することによって付加製造装置制御プログラムの実行を終了する。一方、制御装置130は、基材Bの造形面B1に対するビードN(付加製造物FF)の付加製造が完了していなければ、「No」と判定してステップS15のステップ処理を実行する。
ステップS15においては、制御装置130は、前記ステップS13にて取得した計測温度Tが予め設定された基準温度Tb以上であるか否かを判定する。ここで、基準温度Tbは、基材Bの造形面B1にビードN(付加製造物FF)を形成する場合、溶融池MPの過度の拡大によるビードNのビード幅の広がりが小さく、且つ、形成されたビードNの急冷に伴う割れが生じない温度として実験的に決定される温度である。
ここで、ビードN(付加製造物FF)を形成する場合、図8に示すように、基材Bの造形面B1における加工点Pkに注目すると、走査方向SDにおいて、加工点Pkは、先ず、保温光ビームKBMの前側の保温光照射範囲KSFに覆われて予熱される。続いて、加工点Pkが溶融光ビームMBMの溶融光照射範囲MSに覆われ、溶融光ビームMBMによって加工点Pk即ち基材Bの造形面B1の一部が溶融されると共に供給された粉末材料Pが溶融して溶融池MPが形成される。その後、加工点Pk即ち形成された溶融池MPは、保温光ビームKBMの後側の保温光照射範囲KSBに覆われて保温される。
これらにより、加工点Pkにおける温度は、図9に示すように、時間経過に伴って、換言すれば、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの接近に伴って変化する。即ち、付加製造の開始に伴って前側の保温光照射範囲KSFにおける保温光ビームKBMの照射によって(予熱によって)温度が徐々に増大する。そして、時間経過に伴って、溶融光照射範囲MSにおける溶融光ビームMBMの照射によって温度が極大値(例えば、硬質材の融点)まで増大する。その後、後側の保温光照射範囲KSBにおける保温光ビームKBMの照射によって(保温によって)、加工点Pkにおける急冷が抑制される。
ところで、基材Bの造形面B1には、複数のビードNが形成されることにより、最終的に付加製造物FFが形成される。通常、複数のビードNは、図10及び図11に示すように、前回の付加製造によって既に形成されたビードN-1に隣接するように、今回の付加製造によって新たなビードNが形成される。この場合、今回のビードNを形成する際には、前回のビードN-1の形成時に溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMによる入熱量に起因して、今回のビードNを形成する基材Bの造形面B1に蓄熱が発生する。
基材Bの造形面B1に蓄熱が発生している場合、基材Bの造形面B1においては、今回のビードNを形成するために溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMによる入熱量(熱エネルギー)に加え、蓄熱による入熱量(熱エネルギー)が加わることになる。この場合、例えば、形成されたビードNの数が相対的に少ない状況においては、図9にて実線により示すように、計測位置SPにて計測される計測温度Tが基準温度Tb未満になる。即ち、この場合には、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMによる入熱量(熱エネルギー)に蓄熱による入熱量(熱エネルギー)が加わっても、入熱量(熱エネルギー)が過多にならない。
一方、例えば、形成されたビードNの数が増加するにつれて基材Bの造形面B1における蓄熱が増大するため、図9にて破線により示すように、計測位置SPにて計測される計測温度Tが基準温度Tb以上になる。即ち、この場合には、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMによる入熱量(熱エネルギー)に蓄熱による入熱量(熱エネルギー)が加わることによって、入熱量(熱エネルギー)が過多になる。
このため、前回のビードN―1の形成時と同一の照射条件によって溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMを照射することを繰り返した場合、形成されたビードNの数が少ない状況では、入熱量(熱エネルギー)が過多にならない。その結果、計測温度Tが基準温度Tb未満である場合、図10に示すように、形成されたビードNは、ビード幅Wが安定し(換言すれば、ビード幅Wの広がりがなく)、且つ、溶融池MPの急冷が抑制されて割れが生じない。一方、形成されたビードNの数が増加した状況では、入熱量(熱エネルギー)が過多になる。その結果、計測温度Tが基準温度Tb以上である場合、図11に示すように、ビードNの形成時における入熱量の過多に伴って溶融池MPが過度に拡大する。従って、形成されたビードNは、ビード幅Wが広がり易くなってビード幅Wが不安定になる。
そこで、制御装置130は、計測温度Tが基準温度Tb以上である場合には、光ビーム照射装置120の照射条件を補正するために、ステップS15にて「Yes」と判定してステップS16のステップ処理を実行する。一方、制御装置130は、計測温度Tが基準温度Tb未満である場合、光ビーム照射装置120の照射条件を補正する必要がないため、ステップS15にて「No」と判定する。そして、制御装置130は、前記ステップS12以降の各ステップ処理を実行する。
上述したように、計測温度Tが基準温度Tb以上になる場合、溶融光ビームMBMによる溶融池MPの形成に加え、保温光ビームKBMによる予熱処理及び保温処理によって基材Bの温度が高くなる。即ち、計測温度Tが基準温度Tb以上になる場合は、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMが照射された際の入熱量(熱エネルギー)が過多になっている。そして、入熱量(熱エネルギー)が過多の状態では、ビード幅が広がる傾向を有する。
従って、制御装置130は、前記ステップS15のステップ処理において計測温度Tが基準温度Tb以上であると判定した場合には、ステップS16にて、光ビーム照射装置120の照射条件を補正して調整する。以下、ステップS16における照射条件の補正について、具体的に説明する。
計測温度Tが基準温度Tb以上になる場合、上述したように、光ビーム照射装置120による入熱量(熱エネルギー)の過多が主な要因である。より詳しくは、溶融光ビーム照射装置121による溶融光ビームMBMは基材Bの造形面B1の一部及び粉末材料Pを溶融する必要があるため、保温光ビーム照射装置122が照射する保温光ビームKBMの入熱量(熱エネルギー)の過多が主な要因である。
このため、制御装置130は、ステップS16において、照射条件が基材Bの造形面B1の予熱及び形成された溶融池MPの保温に供する入熱量(熱エネルギー)を減少させるように補正して調整する。具体的に、制御装置130は、入熱量(熱エネルギー)を減少させるべく、照射条件として、保温光ビームKBMの強度を低減させる。
又、制御装置130は、ステップS16において、保温光ビームKBMの強度の低下に伴って基材Bの造形面B1の一部及び粉末材料P即ち溶融池MPの形成に要する入熱量(熱エネルギー)の低下を補うべく、保温光ビームKBMの強度の低下に応じて溶融光ビームMBMの強度を増加させる。この場合、制御装置130は、図12に示すように、ビームプロファイルにおいて、保温光ビームKBMの強度KBP1を低減させると共に、溶融光ビームMBMの強度MBP1を増加させる。尚、溶融光ビームMBMの強度の増加については、必要に応じて行うことができる。
或いは、制御装置130は、ステップS16において、基材Bの造形面B1の予熱及び形成された溶融池MPの保温に供する入熱量(熱エネルギー)を減少させるべく、照射条件として、移動装置123の第二ロボットアーム123bを作動させることにより、保温光照射範囲KS、特に、前側の保温光照射範囲KSFを小さくする。この場合、制御装置130は、第二ロボットアーム123bを作動させて、例えば、溶融光ビームMBMの光軸に対する保温光ビームKBMの光軸の傾きを小さくする(角度を小さくする)。これにより、保温光照射範囲KSを小さくすることができる。
尚、この場合においても、制御装置130は、保温光ビームKBMの後側の保温光照射範囲KSBによって溶融池MPは保温される。これにより、形成された溶融池MPが急冷されることが抑制され、形成されたビードN(付加製造物FF)における割れの発生を防止することができる。
或いは、制御装置130は、ステップS16において、基材Bの造形面B1に対する溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMによる入熱量(熱エネルギー)を減少させるべく、照射条件として、移動装置123の第一ロボットアーム123a及び第二ロボットアーム123bを作動させることにより、基材Bの造形面B1に対する溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの走査速度を増加させる。これにより、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの照射による基材Bの造形面B1への入熱量(熱エネルギー)を相対的に減少させる、即ち、基材Bの造形面B1における蓄熱を相対的に減少させることができる。
制御装置130は、計測温度Tに応じて、換言すれば、基材Bの造形面B1に対する入熱量に応じて光ビーム照射装置120の照射条件を補正して調整すると、前記ステップS12以降の各ステップ処理を実行する。そして、制御装置130は、前記ステップS14に「Yes」と判定するまで、即ち、付加製造が完了するまで、付加製造装置制御プログラムを実行する。
以上の説明からも理解できるように、付加製造装置100によれば、温度計測装置140が保温光ビームKBMの照射される保温光照射範囲KSの内部の温度を計測し、制御装置130が計測された計測温度Tに基づいて、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの基材Bの造形面B1に対する照射条件を補正することができる。即ち、制御装置130は、温度計測装置140から計測温度Tを取得することにより、入熱量をフィードバックして照射条件を補正することができる。これにより、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの照射による入熱量が一定範囲内で保持されるように管理することができる。従って、付加製造装置100は、高品質な付加製造物FF即ちビードNを付加製造することができる。
(5.第一別例)
上述した本例においては、計測温度Tが基準温度Tb以上となった場合、保温光ビームKBMの強度を低下させるように、光ビーム照射装置120の照射条件を補正して調整するようにした。ところで、例えば、多数のビードNを形成することによって付加製造物FFを造形する場合、基材Bの蓄熱が進むことによって保温光ビームKBMの強度を低下させても、計測温度Tが早期に基準温度Tb未満まで低下し難い状況が生じる可能性がある。
そこで、第一別例においては、図13に示すように、光ビーム照射装置120が冷却装置124を備える。冷却装置124は、保温光ビーム照射装置122に取り付けられる。そして、制御装置130による制御により、冷却装置124は、例えば、窒素(N)やアルゴン(Ar)等の不活性ガスである低温の冷却風CWを基材Bの造形面B1に向けて噴射する。尚、第一別例においては、冷却装置124を保温光ビーム照射装置122に取り付ける場合を例示する。しかし、冷却装置124は、溶融光ビーム照射装置121に取り付けたり、溶融光ビーム照射装置121及び保温光ビーム照射装置122とは独立して設けたりすることも可能である。
第一別例においても、上述した本例にて説明した付加製造物FFの付加製造方法と同様に、制御装置130は、図7の付加製造装置制御プログラムを実行する。但し、第一別例においては、付加製造装置制御プログラムの前記ステップS16のステップ処理が若干変更される。即ち、第一別例においては、制御装置130は、前記ステップS16にて、入熱量(熱エネルギー)を減少させるべく、照射条件として、保温光ビームKBMの強度を低減させると共に、冷却装置124を作動させて基材Bの造形面B1に向けて冷却風CWを噴射させる。
この場合、冷却装置124は、保温光照射範囲KSのうち、主に前側の保温光照射範囲KSFに向けて冷却風CWを噴射することが望ましい。これにより、形成された溶融池MPの急冷を抑制しつつ、基材Bの造形面B1における蓄熱を抑制することができ、計測温度Tを基準温度Tb未満まで冷却することができる。つまり、基材Bの造形面B1の蓄熱が抑制されることにより、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの基材Bの造形面B1に対する入熱量を相対的に低減させることができる。従って、第一別例においても、上述した本例と同様の効果が得られる。
(6.その他)
上述した本例及び第一別例においては、制御装置130は、計測温度Tが基準温度Tb以上の場合に、光ビーム照射装置120の照射条件を補正して調整するようにした。ところで、基材Bの造形面B1が蓄熱した場合には、計測温度Tの時間変化を表す変化量T(t)が小さくなる傾向を有する。そこで、制御装置130は、変化量T(t)が予め設定された基準変化量Tb(t)以下、即ち、基材Bの造形面B1が蓄熱して温度の低下が穏やかである場合に、光ビーム照射装置120の照射条件を補正することもできる。
具体的に、制御装置130は、上述した付加製造装置制御プログラムにおける前記ステップS15において、上述したステップ処理に加えて、変化量T(t)が基準変化量Tb(t)以下であるか否かを判定する。そして、制御装置130は、計測温度Tが基準温度Tb以上であり、且つ、変化量T(t)が基準変化量Tb(t)以下の場合には、例えば、保温光ビームKBMの強度を低下させる一方で溶融光ビームMBMの強度を増加させたり、溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの走査速度Vを基準走査速度Vbよりも大きくしたりする。これにより、上述した本例と同様に、基材Bの造形面B1に対する入熱量を低下させることができ、高品質な付加製造物FFを付加製造することができる。
或いは、制御装置130は、冷却装置124を作動させて、基材Bの造形面B1に向けて冷却風CWを噴射させる。これにより、上述した第一別例と同様に、基材Bの造形面B1における蓄熱を抑制することによって溶融光ビームMBM及び保温光ビームKBMの基材Bの造形面B1に対する入熱量を相対的に低減させることができ、上述した本例と同様の効果が得られる。
又、上述した本例及び第一別例では、付加製造装置100において、粉末材料供給装置110により、基材Bの造形面B1に対して硬質粉末材料P1及び結合粉末材料P2からなる粉末材料Pを噴射して供給するようにした。しかしながら、造形面B1への材料供給に関しては、粉末材料Pに限定されず、金属製の線形材料からなる、例えば、ワイヤ等を材料供給装置により供給することも可能である。この場合においては、供給された線形材料が光ビーム照射装置120から照射された溶融光ビームMBMにより溶融され且つ保温光ビームKBMにより保温される。そして、適切な入熱量(熱エネルギー)となるように照射条件が補正されることにより、基材Bの造形面B1に付加製造物FFを付加製造することができる。従って、上述した本例及び第一別例と同様の効果が期待できる。
更に、上述した本例等では、付加製造装置100がLMD方式を採用した場合を説明した。これに代えて、付加製造装置がSLM方式を採用した場合であっても、適切な入熱量(熱エネルギー)となるように光ビームの照射条件が補正されることにより、付加製造物FFを付加製造することができる。但し、SLM方式を採用した場合、通常、光ビームの走査速度はLMD方式の光ビームの走査速度よりも速い。このため、付加製造装置がSLM方式を採用した場合には、例えば、通常の付加製造時よりも溶融光ビーム及び保温光ビームの走査速度を低下させることが好ましい。走査速度を低下させるほど、適切な入熱量(熱エネルギー)となるように照射条件を容易に補正することができ、高品質な付加製造物FFを付加製造することができる。
100…付加製造装置、110…粉末材料供給装置、111…ホッパ、111a…配管、112…バルブ、112a…粉末導入バルブ、112b…粉末供給バルブ、112c…ガス導入バルブ、113…ガスボンベ、113a…配管、114…噴射ノズル、114a…配管、115…容器、120…光ビーム照射装置、121…溶融光ビーム照射装置、121a…溶融光ビーム生成部、121b…溶融光ビーム照射部、122…保温光ビーム照射装置、122a…保温光ビーム生成部、122b…保温光ビーム照射部、122c…容器、123…移動装置、123a…第一ロボットアーム、123b…第二ロボットアーム、130…制御装置、140…温度計測装置、B…基材、B1…造形面、C…中心軸線、FF…付加製造物、N…ビード、MP…溶融池、KBM…保温光ビーム、MBM…溶融光ビーム、MS…溶融光照射範囲、KS…保温光照射範囲、KSB…後側の保温光照射範囲、KSF…前側の保温光照射範囲、M1…モータ、M2…モータ、P…粉末材料、P1…硬質粉末材料、P2…結合粉末材料、G…画像データ、SD…走査方向、SS…外側光照射範囲、W…ビード幅、SP…計測位置、T…計測温度、Tb…基準温度、V…走査速度、Vb…基準走査速度、Pk…加工点

Claims (15)

  1. 硬質材及び超硬バインダを含む粉末材料を供給する粉末材料供給装置と、
    供給された前記粉末材料を前記粉末材料の融点以上に加熱して溶融する溶融光ビームを照射する溶融光ビーム照射装置と、
    前記溶融光ビームが照射される照射範囲である溶融光照射範囲の外側にて、前記溶融光ビームの照射によって溶融した前記粉末材料が凝固して形成された付加製造物を前記融点未満に加熱して保温する保温光ビームを照射する保温光ビーム照射装置と、
    前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームの照射、並びに、前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームの相対的な走査について、前記溶融光ビーム照射装置及び前記保温光ビーム照射装置の各々を独立して制御する制御装置と、を備えた付加製造装置であって、
    前記保温光ビームが照射される照射範囲であって前記溶融光照射範囲よりも大きな保温光照射範囲を含む範囲の温度を計測する温度計測装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記溶融光照射範囲に対して前記保温光照射範囲が重畳した状態で前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームを照射するように前記溶融光ビーム照射装置及び前記保温光ビーム照射装置を制御し、前記温度計測装置によって計測された前記温度に基づいて、前記溶融光ビーム照射装置が照射する前記溶融光ビーム及び前記保温光ビーム照射装置が前記保温光ビームの照射条件を補正する、付加製造装置。
  2. 前記照射条件は、
    前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームの各々の単位面積当たりの出力を表すパワー密度の制御要素としてのビーム出力又はスポット径である、請求項1に記載の付加製造装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記温度計測装置によって計測された前記温度が予め設定された基準温度以上である場合、前記保温光ビームの前記パワー密度を低下させると共に、前記溶融光ビームの前記パワー密度を前記保温光ビームの前記パワー密度の低下に応じて増加させるように、前記照射条件を補正する、請求項2に記載の付加製造装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記温度計測装置によって計測された前記温度が予め設定された基準温度以上であり、且つ、前記温度の時間経過に伴う変化量が所定の変化量以下である場合、前記保温光ビームの前記パワー密度を低下させると共に、前記溶融光ビームの前記パワー密度を前記保温光ビームの前記パワー密度の低下に応じて増加させるように、前記照射条件を補正する、請求項2に記載の付加製造装置。
  5. 前記照射条件は、
    前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームを各々の走査する際の制御要素としての走査速度である、請求項1に記載の付加製造装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記温度計測装置によって計測された前記温度が基準温度以上である場合、前記溶融光ビーム及び前記保温光ビームの前記走査速度を基準走査速度以上まで増加させるように、前記照射条件を補正する、請求項5に記載の付加製造装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記溶融光ビームによって前記粉末材料が溶融されることによって形成された溶融池を前記保温光ビームが保温するように、前記照射条件を補正する、請求項1-6の何れか一項に記載の付加製造装置。
  8. 更に、前記保温光照射範囲を冷却する冷却装置を備えた、請求項1-7の何れか一項に記載の付加製造装置。
  9. 前記制御装置は、前記保温光ビームの照射方向が前記溶融光ビームの照射方向に対して傾いた状態で、前記保温光ビーム照射装置の姿勢を制御する、請求項1-8の何れか一項に記載の付加製造装置。
  10. 前記溶融光ビームの照射方向は、前記付加製造物を造形する造形面に直交する方向である、請求項1-9の何れか一項に記載の付加製造装置。
  11. 前記粉末材料供給装置は、前記付加製造物を造形する造形面に対し前記粉末材料を噴射して供給するものであり、前記溶融光ビーム照射装置と一体に移動可能に設けられる、請求項1-10の何れか一項に記載の付加製造装置。
  12. 前記制御装置は、前記溶融光ビーム照射装置によって照射された前記溶融光ビームの前記走査の軌跡を追従するように、前記保温光ビーム照射装置によって照射された前記保温光ビームの前記走査を制御する、請求項1-11の何れか一項に記載の付加製造装置。
  13. 前記硬質材の融点は、前記超硬バインダの融点よりも高い、請求項1-12の何れか一項に記載の付加製造装置。
  14. 前記硬質材は、炭化タングステン(WC)である、請求項13に記載の付加製造装置。
  15. 前記超硬バインダは、コバルト(Co)又はニッケル(Ni)である、請求項1-14の何れか一項に記載の付加製造装置。
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