JP2022129083A - 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドが有する複数のノズルを、各ノズルの使用頻度の偏りを抑えながら安定的に駆動させること。【解決手段】第一ドットカウンタCnt(y)は、疑似中間調データのY方向のアドレスyが同じ画素に対応するノズルセットにおいて記録ドットを形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントする。第二ドットカウンタCnt(x)は、疑似中間調データのX方向のアドレスxが同じ画素に対して記録ドットを略同時に形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントする。ノズル選択部は、着目画素の記録ドット毎に第一ドットカウンタCnt(y)及び第二ドットカウンタCnt(x)が示すカウント値に基づき、各ノズルセットにおいて記録ドットを形成するノズルを選択する。【選択図】図5
Description
本発明は、記録装置を制御するための情報処理技術に関する。
従来から、画像記録装置として、複数のノズルが配列された記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させ、ノズルからインク滴(記録ドット)を吐出することにより、記録媒体上に所望の画像を形成するインクジェット記録装置が広く用いられている。
記録ヘッドに配列された各ノズルには、記録ヘッドの製造プロセスや構成材料等に起因した吐出特性のばらつきがあり、本来均一であるべき画像にスジや濃度むらが生じるという課題がある。このようなノズル毎の吐出特性のばらつきに伴う記録画質の低下を解決する方法として、分割記録法が周知である。この分割記録法では、1つの記録ライン上の印字を複数の異なるノズルから吐出された記録ドットにより分割して形成することで、ノズル毎の吐出特性のばらつきが記録ライン上で平均化され、見た目のスジや濃度むらを軽減することができる。
特許文献1には、分割記録法の1つであるシーケンシャルマルチスキャン(以後SMSと称す)を用いた記録方法が開示されている。これによれば、入力画像データにより指定された記録媒体の1つの記録ライン上に形成すべき複数の記録ドットが、記録ヘッドが有する複数のノズルに順番に割り当てられる。そのため特許文献1に記載の方法では、どの様な配列の入力画像データであっても、同一記録ライン上の記録ドットは複数のノズルに略均等に分配することができる。
このようなSMSを、複数のノズル列を有し、複数の記録ラインに同時に記録ドットを形成可能なフルラインタイプなどの記録ヘッドに適用した場合、同一記録ライン上の記録ドットの形成を複数のノズル列に略均等に分配することができる。しかし、ドット配置が偏った画像データが入力されると、最初に各記録ラインに対して異なるノズル列が割り当てられていても、各ノズル列を順番に割り当てていくうちに、複数の記録ラインに割り当てられたノズル列が偶発的に揃ってしまう場合がある。その結果、特定のノズル列において多数のノズルの吐出タイミングが揃ってしまい、ノズルを駆動するための電源の容量が不足し、ノズルの駆動が不安定になる場合があるという課題がある。
そこで本発明は、記録ヘッドが有する複数のノズルを、各ノズルの使用頻度の偏りを抑えながら安定的に駆動させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、インクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が複数列配置された記録ヘッドを備え、各ノズル列のノズルを1つずつ含むノズルセットごとに各画素の記録を行う記録装置を制御するための情報処理装置であって、ノズルから吐出されるインクにより形成される記録ドットの数を示す画素値を保持する複数の画素からなる擬似中間調データを取得する取得手段と、前記ノズルセットに対応する前記擬似中間調データの画素に対して前記記録ドットを形成するために選択される当該ノズルセットに含まれる複数のノズルの選択回数を前記ノズル列ごとに第1のカウント値としてカウントする第1のカウンタと、前記複数のノズル列のそれぞれについて、前記記録ドットを略同時に形成するために選択されるノズルのノズル数を前記ノズル列ごとに第2のカウント値としてカウントする第2のカウンタと、前記擬似中間調データの各画素に対して、対応する前記ノズルセットに含まれる複数のノズルの中から、前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値とに基づき、前記ノズル列の間でカウント値の偏りが小さくなるように当該画素の画素値に応じた数のノズルを選択し、当該選択したノズルを示す信号を当該画素と対応付けて出力する選択手段と、を備えることを特徴とする。
本発明により、記録ヘッドが有する複数のノズルを、各ノズルの使用頻度の偏りを抑えながら安定的に駆動させることができる。
以下、各実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本発明を必ずしも限定するものではない。また、各実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)を模式的に示す図である。図1に示すように、プリンタ100は、プリンタの構造材をなすフレーム上に記録ヘッド101~104を備える。記録ヘッド101~104はそれぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の複数の異なる色のインクを吐出する。また記録ヘッド101~104は、複数のノズルを記録用紙106の幅に対応した範囲に所定方向に沿って配列したノズル列を有したもので、いわゆるフルラインタイプのものである。本実施形態では、記録ヘッド101~104のそれぞれが有するノズル列のノズル配置の解像度は600dpiとする。
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)を模式的に示す図である。図1に示すように、プリンタ100は、プリンタの構造材をなすフレーム上に記録ヘッド101~104を備える。記録ヘッド101~104はそれぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の複数の異なる色のインクを吐出する。また記録ヘッド101~104は、複数のノズルを記録用紙106の幅に対応した範囲に所定方向に沿って配列したノズル列を有したもので、いわゆるフルラインタイプのものである。本実施形態では、記録ヘッド101~104のそれぞれが有するノズル列のノズル配置の解像度は600dpiとする。
記録媒体としての記録用紙106は、搬送ローラ105(および他の不図示のローラ)がモータ(不図示)の駆動力によって回転することにより、図中矢印方向に搬送される。
このような、搬送される記録用紙に対して各記録ヘッドからのインク吐出動作を繰り返すことにより、例えば、一頁分の画像を記録することができる。
また、図2に示すように、記録ヘッド101~104はそれぞれ、インク滴を吐出する複数のノズルを所定の方向(Y方向)に均等に配置されたノズル列を、搬送方向(X方向)に複数列有する。図中矢印で示す方向に相対的に移動する記録用紙106に対してインクを吐出し、記録用紙106における記録ライン107上の記録ドットを複数のノズル列L1~L8のノズルで分担して形成する。
記録ヘッド101~104が有するノズル列L1~L8には各ノズルに対してヒータ等の吐出エネルギー発生手段が設けられ、これらのヒータはノズル列毎に共通する電源によって駆動される。
記録ヘッド101~104のうちの1つで記録されるある記録ライン107について着目すると、記録ライン107上の記録ドットは、ノズル列L1~L8のいずれかのノズルの吐出又は非吐出によって形成されることが可能である。
<システム構成>
図3は、図1に示したプリンタとホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)200を有して構成される記録システムを示すブロック図である。
図3は、図1に示したプリンタとホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)200を有して構成される記録システムを示すブロック図である。
本実施形態における情報処理装置としてのホストPC200は、主に以下の要素を有して構成される。CPU201は、記憶部であるHDD203やRAM202に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM202は、揮発性の記憶部であり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD203は、不揮発性の記憶部であり、同じくプログラムやデータを保持する。データ転送I/F(インターフェース)204はプリンタ100との間におけるデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F205は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F206は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ100は、主に以下の要素を有して構成される。CPU211は、ROM213やRAM212に保持されているプログラムに従った処理を実行する。RAM212は、揮発性の記憶部であり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM213は不揮発性の記憶部であり、プログラムやデータを保持することができる。
データ転送I/F214はPC200との間におけるデータの送受信を制御する。ヘッドコントローラ215は、図2に示した記録ヘッドのそれぞれのラインヘッドに対して記録データを供給するとともに、記録ヘッドの吐出動作を制御する。具体的には、ヘッドコントローラ215は、RAM212の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む。そして、CPU211が、制御パラメータと記録データをRAM212の所定のアドレスに書き込むことにより、ヘッドコントローラ215によって処理が起動され、記録ヘッドからのインク吐出が行われる。
画像処理アクセラレータ216は、CPU211よりも高速に画像処理を実行可能なハードウェアである。具体的には、画像処理アクセラレータ216は、RAM212の所定のアドレスから画像処理に必要なパラメータとデータを読み込む。そして、CPU211が上記パラメータとデータをRAM212の上記所定のアドレスに書き込むことにより、画像処理アクセラレータ216が起動され、上記データに対し所定の画像処理が行われる。なお、画像処理アクセラレータ216は必須な要素ではく、プリンタの仕様などに応じて、CPU211による処理のみで画像処理を実行してもよい。
<情報処理装置が実行する処理>
図4は、本実施形態における画像データの処理を説明するためフローチャートである。本処理は、ホストPC200に備えられたCPU201がプログラムに従って実行する。
図4は、本実施形態における画像データの処理を説明するためフローチャートである。本処理は、ホストPC200に備えられたCPU201がプログラムに従って実行する。
まずS400において、ホストPC200のCPU201は、RAM202より入力画像データを読み込む。入力画像データは、sRGB等の規格化された色空間を表現するための、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の8bit輝度データである。
S401において、CPU201は、読み込んだ入力画像データに対し色補正を実行し、8bit輝度データである入力画像データをプリンタ固有の色空間に対応するRGB12bitの輝度データに変換する。信号値を変換する方法は、予めHDD203などの記憶装置に格納されたルックアップテーブル(LUT)を参照する等の公知の方法を採用することが出来る。
S402において、CPU201は、データ変換後のRGB12bit輝度データをプリンタ100のインク色であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)それぞれの16bit階調データ(濃度データ)に分解する。この段階で、16bitの画像が4チャンネル分(4色分)生成される。インク色分解処理においても、色補正処理と同様、予めROMなどに格納されたルックアップテーブル(LUT)を参照することが出来る。
S403において、CPU201は、CMYK16bit階調データに対して量子化処理を行う。量子化処理された多次色データは、例えば4値に量子化する場合、各画素の画素値は3ドット記録(3)、2ドット記録(2)、1ドット記録(1)または非記録(0)を意味する2bitデータとなる。
S404において、CPU201は、量子化された画像データを構成する各記録ドットを、複数のノズル列の同一記録ライン上に並んだ複数のノズルからなるノズルセットのうち、いずれのノズルで形成するかについて決定するノズル割当処理を行う。ノズルセットは各ノズル列のノズルを1つずつ含み、ノズルセットの数は各ノズル列に含まれるノズルの数と同数である。画像データの各画素はノズルセットのいずれかに対応付けられており、各画素の記録ドットは対応付けられたノズルセットに含まれるいずれかのノズルで形成される。S404のノズル割当処理の詳細な説明は、図8を用いて後述する。
S405において、CPU201は、ノズル割当処理を行った各画素に対応するノズルセットごとに、各ノズルについてインクの吐出、非吐出を表す2値データをノズル数分含む記録ドットデータをプリンタ100のRAM212に出力する。以上で本実施形態における画像データ処理が終了する。
なお、図4の各ステップで示したそれぞれの工程は、本実施形態のインクジェット記録システムにおいて処理されるが、どの工程までをホストPC200が行い、どの工程以降をプリンタ100が行うか、という明確な切り分けは特に定められるものではない。例えば、量子化までをホストPC200が行う場合は、量子化済みのデータをプリンタ100に転送すればよい。また、プリンタ100の性能によっては、多値のRGB画像データを直接受け取って、S401~S405のすべての工程を行うことも可能である。尚、本実施形態においては、画像処理を行う情報処理装置をホストPC200としたが、プリンタ100とホストPC200を含む記録システムが以上の処理を分担して行う場合は、記録システムを情報処理装置とする。
<情報処理装置の機能構成>
図5は第1実施形態にかかるノズル割当処理のための情報処理装置の機能構成を表すブロック図である。図5において、擬似中間調データ取得部510は、擬似中間調データにおける着目画素(x、y)の記録ドット数を表す画素値Ixyを出力する。ここで、xは記録媒体の搬送方向に対応するアドレスを表し、yは記録ヘッドのノズル配列方向に対応するアドレスを表す。図6は、擬似中間調データの一例であり、各画素に2ビット(0~3ドット)の記録ドット数が保持されている。
図5は第1実施形態にかかるノズル割当処理のための情報処理装置の機能構成を表すブロック図である。図5において、擬似中間調データ取得部510は、擬似中間調データにおける着目画素(x、y)の記録ドット数を表す画素値Ixyを出力する。ここで、xは記録媒体の搬送方向に対応するアドレスを表し、yは記録ヘッドのノズル配列方向に対応するアドレスを表す。図6は、擬似中間調データの一例であり、各画素に2ビット(0~3ドット)の記録ドット数が保持されている。
図5に戻り、第一ドットカウンタ520は、疑似中間調データのY方向のアドレスyが同じ画素に対応するノズルセットにおいて記録ドットを形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントするカウンタCnt(y)を有する。カウンタCnt(y)は、ノズルセットに含まれるノズル数、すなわちノズル列の数と同数のカウント値を有する。
第二ドットカウンタ530は、疑似中間調データのX方向のアドレスxが同じ画素に対して記録ドットを略同時に形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントするカウンタCnt(x)を有する。カウンタCnt(x)もカウンタCnt(y)と同様に、ノズルセットに含まれるノズル数、すなわちノズル列の数と同数のカウント値を有する。
ノズル選択部540は、着目画素の記録ドット毎に第一ドットカウンタ520(Cnt(y))及び第二ドットカウンタ530(Cnt(x))が示すカウント値に基づき、各ノズルセットにおいて記録ドットを形成するノズルを選択する。そしてノズル選択部540は、メモリ551のノズルメモリ1~8から、選択したノズルに対応するアドレスを決定する。各ノズルメモリは、各ノズルセットに含まれるノズルの1つからの吐出又は非吐出をノズルセット数分(各ノズル列に含まれるノズル数分)記憶する1bitラインメモリである。メモリ551は、ノズルメモリ1~8を用いて、ノズル列L1~L8のノズルの吐出“1”又は非吐出“0”を記憶する。
メモリコントローラ550は、ノズル選択部540で決定されたメモリ551内のノズルメモリ1~8のいずれか1つのメモリに“1”をセットし、又はノズルメモリ1~8の全てに“0”をセット(初期化)する。さらに、メモリコントローラ550は、メモリ551に格納されたデータを読み出して出力する。
出力部560は、メモリ551のノズルメモリ1~8からの信号からなる出力データを出力する。出力データは、記録ヘッド101~104のそれぞれの各ノズル列における各ノズルの吐出又は非吐出を示す8bitデータである。
以上の構成は、擬似中間調データの各画素の記録ドットを形成するためにインクを吐出させるノズルを選択し、選択されたノズルに対応するノズルメモリMem(n,y)(n=1~8)を決定する。以下にその詳細フローを説明する。
図7は、本実施形態における擬似中間調データに対するノズル割当て処理手順を示すフローチャートである。
S701では、画素アドレスにかかるパラメータx、yを初期化する。
S702では、第一ドットカウンタ520、第二ドットカウンタ530は、それぞれカウンタCnt(y)、カウンタCnt(x)の全てを初期化する(Cnt(x)=0、Cnt(y)=0)。
S703では、メモリコントローラ550はノズルメモリ1~8を初期化し、全てのメモリに“0”をセットする。
S704では、擬似中間調データ取得部510は、疑似中間調データの画素アドレス(x、y)の画素値Ixyを取得する。
S705では、ノズル選択部540は、画素値Ixyが0より大きいか否かを判定する。Ixyが0の場合、S710へ進み、Ixyが0より大きい場合、S706へ進む。
S706では、ノズル選択部540は、画素(x、y)に対応するノズルセットから、カウンタCnt(y)のカウント値とカウンタCnt(x)のカウント値とをノズル列ごとに合算した値が最も小さいノズルを、記録ドットを形成するノズルとして選択する。これによりノズル選択部540は、ノズルにインクに記録ドットを形成させることを示す値“1”を格納すべき選択したノズルに対応するノズルメモリのアドレスnを導出する。
S707では、メモリコントローラ550は、ノズルに記録ドットを形成させることを示す“1”を格納すべきノズルメモリのアドレスnのノズルメモリMem(n、y)に“1”をセットする。
S708では、第一ドットカウンタ520および第二ドットカウンタ530は、ノズル選択部540の選択結果に基づき、それぞれカウンタCnt(y)、カウンタCnt(x)を更新する。
S709では、Ixyの値から1を減じ、その値を新しいIxyとしてS705に戻る。
S705でIxyが0であってS710に進むと、S710では、擬似中間調データのアドレスxにおける記録ヘッドのノズル配列方向(Y方向)の画素に対するノズル割当が終了したか否かを判定する。アドレスxにおけるY方向の画素に対するノズル割当が終了している場合、S711に進み、終了していなければS712に進む。
S711では、出力部560が擬似中間調データのアドレスxを持つ画素について、それら画素の記録ドットを形成するために選択されたノズルを示す信号をメモリ550から読み出して出力する。
S712では、画素アドレスをY方向に1画素進め(x、y+1)、S704からの処理を繰り返する。
S713で、擬似中間調データの全画素についてノズル割当が終了したかを判定し、終了していれば一連のノズル割当処理を終了し、終了していなければS714に移行する。
S714では、アドレスxを1つ進め、アドレスyを初期化して(x=x+1、y=0)、S703に戻る。
ここで、図8を用いて、図6に示す擬似中間調データの着目画素(11,6)に対するS705からS709までの処理の例を説明する。図8中の各セル(x、y)の数値は、着目画素(11,6)の処理までにすでに割り当てられた擬似中間調データの各画素(x、y)に対応する各ノズルメモリn(左からn=8,7,…,1)に格納された値(記録“1”、非記録“0”)を示している。また、黒地に白文字のセルの数値は、Y方向に配置されたものが、アドレスyが同じ画素に対応するノズルセットにおいて記録ドットを形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントするカウンタCnt(y)のカウント値である。また、X方向に配置されたものが、アドレスxが同じ画素に対して記録ドットを略同時に形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントするカウンタCnt(x)のカウント値である。
図に示す通り、各セルには、擬似中間調データの各画素の画素値Ixy(記録ドット数)に応じた数のノズルメモリに“1”がセットされている。Ixyが0の場合は全てのノズルメモリに“0”がセットされる。Ixyが1,2,3の場合は8つのノズルメモリのうち、それぞれ1つ、2つ、3つのノズルメモリに“1”がセットされ、他のノズルメモリには“0”がセットされる。
図6に示す擬似中間調データの着目画素(11,6)の画素値Ixy(記録ドット数)の値は3であるため、まずS705において0より大きいと判定される。次にS706において、対応するカウンタCnt(y)のカウント値と、カウンタCnt(x)のノズル列ごとに合算した値が最も少ないノズル列に対応するノズルメモリのアドレスnを算出する。なお、カウント値の和が最小となるノズル列が複数ある場合は、その中からランダムに選択したノズル列に対応するノズルメモリのアドレスnとすればよい。
着目画素(11,6)とドレスxが同じ画素(11,y)に対して記録ドットを略同時に形成するために選択された各ノズルの選択回数をノズル列ごとにカウントするカウンタCnt(x)のカウント値は(22232322)である。一方、着目画素(11,6)とアドレスyが同じ画素(x,6)に対応するノズルセットにおいて記録ドットを形成するために選択されたノズルの、ノズル列ごとのノズル数をカウントするカウンタCnt(y)のカウント値は(11111212)である。これらのカウント値を合算した値は(33343534)となり、合算値が最も小さいノズル列に対応するノズルメモリのアドレスnは、n=8,7,6,4となる。
ここではS706でアドレスn=4が導出されたとすると、S707において着目画素に対応する記録ドットデータとして、アドレスn=4のノズルメモリに1がセットされる(00001000)。
次にS708において、カウンタCnt(x)、Cnt(y)のそれぞれに対してアドレスn=4のカウント値に1を加算して、Cxn=(22233322)、Cyn=(11112212)とする。
次にS709において、画素値Ixyの値を“3”から1を減じ、Ixyの値を“2”とする。
このS705からS709の処理をIxyの値が“0”になるまで繰り返すことで、着目画素(11,6)に対応する記録ドットデータとしてノズルメモリに格納する値を例えば(01101000)と導出することができる。
なおここまで、カウント値の合算値が最も小さいノズル列に対応するアドレスの中から1つ選択する処理を、記録ドット数分繰り返してノズルメモリの割り当てを行う方法を示した。しかし別の方法として、2つのカウント値を合算した値が小さいノズル列に対応するアドレスから順に選択して、記録ドット数分のノズルメモリの割り当てを一度に行っても良い。例えば、上述の例では、アドレス8,7,6,4の中から3つ選択することで、上述した方法と同様に割り当てを行うことができる。
以上の処理により、第一ドットカウンタCnt(y)のカウント値と第二ドットカウンタCnt(x)のカウント値との合算値が小さいノズル列から順に選択される。そのため、着目画素とアドレスyが同じ画素と、着目画素とアドレスxが同じ画素とに記録ドットを形成するために選択されるノズルの、ノズル列ごとのノズル数のノズル列間におけるばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、Cnt(y)のカウント値とCnt(x)のカウント値との合算値に基づいてノズル列を選択するため、各カウンタのカウント値のばらつき(最大カウント値-最小カウント値)が大きい方を優先してノズル列の選択が行われる。例えば、第一ドットカウンタのカウント値のばらつきが1で、第二ドットカウンタのカウント値のばらつきが2の場合、カウント値の合算値で最小値となるノズル列は、第二ドットカウンタCnt(x)の最小のカウント値に対応するノズル列と一致しやすくなる。その結果、よりばらつきが大きかった第二ドットカウンタCnt(x)でカウントされる各ノズル列で選択されたノズルの数のばらつきが抑制されることになる。
また、カウント値の合算値が最も小さいノズル列のノズルを選択する例を説明したが、一方のカウンタにおけるカウント値のノズル列間でのばらつきを優先して抑制させたい場合、一方のカウンタのカウント値に対して合算前に重み付けを行ってもよい。
また、優先したいカウンタにおいてカウント値が最小のノズル列の中で、他方のカウンタにおいてカウント値が最小となるノズル列を選択するようにしても良い。
また、第二ドットカウンタCnt(x)においてノズル列ごとのカウント値が、予め定められたインクを略同時に吐出可能なノズル数に達した場合、そのノズル列からはノズルを選択しないようにしても良い。これにより、各ノズル列において略同時に駆動される数を所定の数以下に抑制することができ、各ノズル列を安定的に駆動することができる。
本実施形態によれば、疑似中間調データのY方向のアドレスyが同じ画素に対応する画素に対して記録ドットを形成するために選択される各ノズルの選択回数のノズル列間におけるばらつきを抑制することができる。すなわち、各ノズルセットにおいて記録ドットを形成するために選択される各ノズルの選択回数のノズル列間におけるばらつきを抑制することができる。これにより、同一記録ライン上の記録ドットを形成するノズルを複数のノズル列から略均一に選択することができる。さらに、疑似中間調データのX方向のアドレスxが同じ画素に対して記録ドットを略同時に形成するために選択されたノズルの、ノズル列ごとのノズル数のノズル列間におけるばらつきが小さくすることができる。これにより、同一ノズル列で略同時駆動となるノズル数のノズル列間におけるばらつきを抑制することができる。
このように、複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が複数列配置された記録ヘッドを備えた記録装置において、各ノズル列において同時吐出するノズル数を抑え、かつ、ノズルの選択回数又は使用頻度の偏りを抑制させることができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
510 疑似中間調データ取得部
520 第一ドットカウンタ
530 第二ドットカウンタ
540 ノズル選択部
550 メモリコントローラ
560 出力部
520 第一ドットカウンタ
530 第二ドットカウンタ
540 ノズル選択部
550 メモリコントローラ
560 出力部
Claims (8)
- インクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が複数列配置された記録ヘッドを備え、各ノズル列のノズルを1つずつ含むノズルセットごとに各画素の記録を行う記録装置を制御するための情報処理装置であって、
ノズルから吐出されるインクにより形成される記録ドットの数を示す画素値を保持する複数の画素からなる擬似中間調データを取得する取得手段と、
前記ノズルセットに対応する前記擬似中間調データの画素に対して前記記録ドットを形成するために選択される当該ノズルセットに含まれる複数のノズルの選択回数を前記ノズル列ごとに第1のカウント値としてカウントする第1のカウンタと、
前記複数のノズル列のそれぞれについて、前記記録ドットを略同時に形成するために選択されるノズルのノズル数を前記ノズル列ごとに第2のカウント値としてカウントする第2のカウンタと、
前記擬似中間調データの各画素に対して、対応する前記ノズルセットに含まれる複数のノズルの中から、前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値とに基づき、前記ノズル列の間でカウント値の偏りが小さくなるように当該画素の画素値に応じた数のノズルを選択し、当該選択したノズルを示す信号を当該画素と対応付けて出力する選択手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記選択手段は、前記第1のカウンタの前記ノズル列ごとのカウント値と、前記第2のカウンタの前記ノズル列ごとのカウント値とをそれぞれ合算し、前記ノズルセットに含まれる複数のノズルの中で当該合算したカウント値が最も小さいノズルから順に前記記録ドットを形成するためのノズルを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記選択手段は、前記第1のカウンタの前記ノズル列ごとのカウント値と、前記第2のカウンタの前記ノズル列ごとのカウント値とを合算する際に、いずれか一方に重み付けを行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記選択手段は、前記第1のカウンタの前記ノズル列ごとのカウント値のばらつきが小さくなるように前記ノズルセットに含まれる複数のノズルから前記記録ドットを形成するためのノズルを選択する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記選択手段は、前記第2のカウンタの前記ノズル列ごとのカウント値のばらつきが小さくなるように前記ノズルセットに含まれる複数のノズルから前記記録ドットを形成するためのノズルを選択する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記選択手段は、前記ノズルセットに含まれる複数のノズルのうち、前記第2のカウンタのカウント値が所定の数以下であるノズルの中から、前記記録ドットを形成するためのノズルを選択する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - インクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が複数列配置された記録ヘッドを備え、各ノズル列のノズルを1つずつ含むノズルセットごとに各画素の記録を行う記録装置を制御するための情報処理方法であって、
ノズルから吐出されるインクにより形成される記録ドットの数を示す画素値を保持する複数の画素からなる擬似中間調データを取得するステップと、
前記ノズルセットに対応する前記擬似中間調データの画素に対して前記記録ドットを形成するために選択される当該ノズルセットに含まれる複数のノズルの選択回数を前記ノズル列ごとに第1のカウント値としてカウントするステップと、
前記複数のノズル列のそれぞれについて、前記記録ドットを略同時に形成するために選択されるノズルのノズル数を前記ノズル列ごとに第2のカウント値としてカウントするステップと、
前記擬似中間調データの各画素に対して、対応する前記ノズルセットに含まれる複数のノズルの中から、前記第1のカウント値と、前記第2のカウント値とに基づき、前記ノズル列の間でカウント値の偏りが小さくなるように当該画素の画素値に応じた数のノズルを選択し、当該選択したノズルを示す信号を当該画素と対応付けて出力するステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。 - コンピュータを請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (2)
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JP2021027642A JP2022129083A (ja) | 2021-02-24 | 2021-02-24 | 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム |
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2021
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