JP2022119180A - アンテナ装置およびカメラシステム - Google Patents

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Tatsuto Goda
泰史 小山
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Abstract

【課題】寄生発振が抑制されて良好に動作するアンテナ装置を提供する。【解決手段】本開示のアンテナ装置は、負性微分抵抗素子と共振回路からなる複数のアンテナが配置されたアンテナアレイと、前記アンテナアレイに電圧を印加する電圧バイアス回路と、前記アンテナアレイと前記電圧バイアス回路との間に、前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続され、第1の抵抗および第1の容量が直列に接続されている第1シャント素子と、前記第1シャント素子と前記電圧バイアス回路との間に、前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続され、第2の抵抗および第2の容量が直列に接続されている第2シャント素子と、を有し、前記第1シャント素子および前記第2シャント素子が、前記負性微分抵抗素子の抵抗値を基準として低インピーダンスとなっている。【選択図】図1

Description

本開示は、電磁波を送信または受信するアンテナ装置およびカメラシステムに関する。
負性微分抵抗素子と共振回路からなるアンテナは、ミリ波からテラヘルツ波まで(30GHz以上30THz以下)の周波数帯域のうちの少なくとも一部を含む電磁波(以後、単に「テラヘルツ波」と呼ぶ)を発生させることができる。一例として、特許文献1には、負性微分抵抗素子と共振回路とを半導体チップ上に集積し、テラヘルツ波を発するアンテナが開示されている。
特許文献1では、負性微分抵抗素子として、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)を用い、負性微分抵抗素子にバイアス電圧を供給する電源とを有する。電源からのバイアス電圧は、電線と導体とを含むバイアス供給部を介して負性抵抗素子に供給される。アンテナが発するテラヘルツ波以外の寄生的な低周波発振(寄生発振)は、バイアス供給部に伴う構造によって発生することが多い。それゆえ、特許文献1では、バイアス供給部にシャント素子を配置することで寄生発振を抑制する技術が開示されている。
特開2015-180049号公報
アンテナ出力を増大する手段として、負性微分抵抗素子と共振回路からなるアンテナを複数配置してアンテナアレイ化することが挙げられる。このアンテナアレイを集積したチップをセラミックパッケージやプリント基板などの別の基板に実装する場合、チップと基板をボンディングワイヤーで接続し、寄生発振を抑制するためのシャント素子を基板上に配置する。
このボンディングワイヤーやシャント素子を構成する抵抗や容量は寄生インダクタンスを有している。この寄生インダクタンスは、テラヘルツ波を正常に発生させる上で無視できず、テラヘルツ波よりも低周波(30GHz未満)の寄生発振の原因となっている。この寄生インダクタンスにより、特に10MHzから10GHzの寄生発振が発生しやすい。このようなアンテナアレイにおいて、テラヘルツ波を正常に発振させるには基板上のシャント素子の回路パラメータや配置を最適化する必要があるが、特許文献1では十分な検討がなされていない。
そこで、本開示は、負性微分抵抗素子と共振回路からなるアンテナアレイを有するアンテナ装置において、寄生発振を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係るアンテナ装置は、
電磁波を送信または受信するアンテナ装置であって、
負性微分抵抗素子と共振回路からなる複数のアンテナが配置されたアンテナアレイと、
前記アンテナアレイに電圧を印加する電圧バイアス回路と、
前記アンテナアレイと前記電圧バイアス回路との間に、前記負性微分抵抗素子と前記電
圧バイアス回路に並列に接続される第1シャント素子であって、前記第1シャント素子の第1の抵抗および第1の容量が直列に接続されている第1シャント素子と、
前記第1シャント素子と前記電圧バイアス回路との間に、前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続される第2シャント素子であって、前記第2シャント素子の第2の抵抗および第2の容量が直列に接続されている第2シャント素子と、
を有し、
前記第1シャント素子および前記第2シャント素子が、前記負性微分抵抗素子の抵抗値を基準として低インピーダンスとなっている
ことを特徴とするアンテナ装置を含む。
また、本開示に係るアンテナ装置は、
電磁波を送信または受信するアンテナ装置であって、
負性微分抵抗素子と共振回路からなる複数のアンテナが配置されたアンテナアレイを有するチップと、
前記チップが配置される基板と、
前記アンテナアレイに電圧を印加する電圧バイアス回路と、を有し、
前記チップは、
前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続され、少なくとも第1の容量を含む第1シャント素子と、
第1パッドと第2パッドを少なくとも含み、前記アンテナアレイに所定の電圧を供給するための複数のパッドと、を有し、
前記基板は、
前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続され、少なくとも第2の容量を含み、前記基板に配された第2シャント素子を有し、
前記第1パッドと前記第2パッドとの間に前記アンテナアレイが位置することを特徴とするアンテナ装置を含む。
また、本開示に係るカメラシステムは、
上記のアンテナ装置と、
前記アンテナ装置から送信された電磁波を検出するための検出装置と、
前記検出装置からの信号を処理する処理部とを有するカメラシステムを含む。
本開示の技術によれば、シャント素子の構成が最適化され、寄生発振が抑制されて良好に動作するアンテナ装置およびカメラシステムを提供できる。
第1の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第1の実施形態に係るアンテナ装置の断面図の一例 第1の実施形態に係るアンテナ装置の断面図の一例 第1の実施形態に係るアンテナアレイを示す説明図 第1の実施形態に係るアンテナ装置の等価回路図 第1の実施形態に係るアンテナ装置を説明するグラフ 第1の実施形態に係るアンテナ装置を説明するグラフ 第1の実施形態に係るアンテナ装置を説明する図 第1の実施形態に係るアンテナ装置を説明する図 第2の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第3の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第4の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第4の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第4の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第5の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第5の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第6の実施形態に係るアンテナ装置の等価回路図 第6の実施形態に係るアンテナアレイを示す説明図 第6の実施形態に係るアンテナ装置の断面図の一例 第6の実施形態の一変形例に係るアンテナアレイを示す説明図 第6の実施形態の一変形例に係るアンテナ装置の断面図の一例 第4の実施形態に係るアンテナ装置の平面図の一例 第7の実施形態に係るカメラシステムを説明するための概略図である。
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同じ機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るアンテナ装置について、図1~図9を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。図2は、図1のA-A’線での断面図である。
本実施形態によるアンテナ装置100は、図1および図2に示すように、基板10の上に、複数のアンテナ121からなるアンテナアレイ12が配置された四角形状のチップ11が実装されている。図1はチップ11の表面における構成を示す。アンテナ121の詳細は後述するが、アンテナ121は、負性微分抵抗素子と共振回路から構成され、テラヘルツ周波数帯の電磁波を送信または受信する。アンテナ121は、ミリ波からテラヘルツ波までの周波数帯域(30GHz以上30THz以下)のうちの少なくとも一部の周波数帯域を含む電磁波(以後、単に「テラヘルツ波」と呼ぶ)を発生させる。また、隣接するアンテナ121は、マイクロストリップライン(図4を用いて後述する)によって容量結合する構成となっている。
チップ11は、アンテナアレイ12の他、第1シャント素子1300を構成する抵抗素子131および容量素子132、チップ11にバイアス電圧を印加するパッド141、チップ11にグランド電圧を印加するパッド142を備える。パッド141、142は、チップ11の外部の回路と電気的接続をするためのものであり、例えば、外部から所定の電圧を供給するためのものである。パッド141、142は、導電体よりなる。以下、パッドは、外部との電気的接続のためのものである。具体的には、パッドは、外部から所定の電圧を供給されるためのものであり、外部へ所定の電圧を供給するためのものでありうる。本実施形態において、所定の電圧とは、グランド電圧や、電源電圧、電圧バイアス回路からの電圧などでありうる。
アンテナアレイ12は、チップ11の略中央に配置され、アンテナアレイ12に隣接して容量素子132が配置される。また、容量素子132がアンテナアレイ12を囲むよう配置されることで、チップ11上における容量素子の配置面積を拡大して大きな容量を確保できる。また、容量素子132によってアンテナアレイ12が挟まれるように、チップ11の対向する2辺のそれぞれの辺の側(図ではチップ11の右側と左側)に分割して容量素子132が配置される。これにより、容量素子132が配置されない部分(図ではチップ11の上側)に抵抗素子131や配線やパッド等を配置できるため、チップ11のチップサイズを縮小できる。
図2に示すように、抵抗素子131の一端子は、配線133とビア134を介して容量素子132の一端子に接続される。抵抗素子131と容量素子132は直列接続されており、接続を容易に配置するために抵抗素子131は容量素子132の近傍に配置することが好ましい。あるいは、抵抗素子131は、容量素子132の上にオーバーラップして配置してもよい。抵抗素子131の他端子は、パッド141とバイアス電圧線130を介して接続される。バイアス電圧線130は、アンテナアレイ12の各アンテナ121の間にも配置されて各アンテナ121に共通に接続され、各アンテナ121にバイアス電圧が印加される。容量素子132の他端子は、配線およびビア(不図示)を介してパッド142と接続される。
容量素子132としては絶縁層を金属層で挟んだMIM(Metal-Insulator-Metal)容
量を用いることができる。金属層としてはチップ11内の配線層を使用でき、絶縁層としてアンテナを形成する絶縁層や誘電体層を使用できる。本実施形態によれば、図2に示されるように、MIM容量の一方の電極として、接地金属層124が用いられ、接地金属層124はグランド電圧を印加するパッド142と接続される。MIM容量のもう一方の電極として、絶縁層を介して金属層135が形成されている。金属層135はビア134を介して配線133と接続される。このようにMIM容量を構成することで、簡便な製造プロセスでチップ内に容量を形成することができる。
上記の構成の他、チップ11とは別の基板に容量を形成して、チップ11の表面や裏面に貼り付ける構成も可能であり、この構成によれば、より大容量の容量素子を備えることが可能である。
第1シャント素子1300では、抵抗素子131はバイアス電圧を印加するパッド141に接続され、容量素子132はグランド電圧を印加するパッド142に接続されている。ただし、接続関係を逆にして、抵抗素子131がグランド電圧を印加するパッド142に接続され、容量素子132がバイアス電圧を印加するパッド141に接続されてもよい。
好ましくは、チップ11には、アンテナアレイ12のアンテナ121として、20個~40個のアンテナが配置される。また、バイアス電圧を印加するためのパッド141の個数やグランド電圧を印加するパッド142の個数は、アンテナの個数より少なくする。これにより、チップ11のスペースを有効に使用して、チップ11をより小型化できる。さらに、抵抗素子131と容量素子132の組の数は、バイアス電圧を印加するためのパッド141の個数以下、またはグランド電圧を印加するパッド142の個数以下であると、チップ11のスペースを有効に使用して、チップ11をより小型化できる。
また、基板10は、第2シャント素子1500を構成する抵抗素子151および容量素子152、チップ11のパッド141と接続するためのパッド161、チップ11のパッド142と接続するためのパッド162を備える。パッド161、162は、チップ11の外部の回路と電気的な接続をするためのものである。パッド161、162は、導電体よりなる。ここでは、外部の回路とはチップ11である。また、電圧バイアス回路17からバイアス電圧が供給される接続端子181、グランド電圧を与える接続端子182を備える。基板10の小型化には、抵抗素子151や容量素子152として表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)を使用することが好ましい。基板10に配置する配線も抵抗値を有するため、抵抗素子151として、第1シャント素子1300と第2シャント素子1500とを接続する経路に含まれる基板10上の配線の抵抗を使用してもよい。これにより、チップ11における使用部品数を減らして、チップ11の小型化を実現できる。ここで、接続端子181、182はパッドであってもよい。
電圧バイアス回路17は基板10の外部から接続端子181、182を介して接続される。なお、この構成の代わりに、電圧バイアス回路17は、基板10上に配置してもよいし、チップ11上に配置してもよい。
チップ11のパッド141と基板10のパッド161は、ボンディングワイヤー191によって接続される。チップ11のパッド142と基板10のパッド162は、ボンディングワイヤー192によって接続される。ボンディングワイヤー191、192のインダクタンスを下げるために、パッド141とパッド161ならびにパッド142とパッド162は、互いに近傍に配置して、ボンディングワイヤー191、192の長さを短くすることが好ましい。
ボンディングワイヤー191、192を短くするには、パッド141およびパッド142を、チップ11の端部に配置するとよい。また、パッド141とパッド161は、チップ11の辺を挟んで対向して配置するとよい。また、パッド142とパッド162もまたチップ11の辺を挟んで対向して配置するとよい。
抵抗素子151の一端子1512は、容量素子152の一端子1521と配線157を介して接続される。すなわち、抵抗素子151と容量素子152は直列接続されている。そのため、抵抗素子151と容量素子152は、互いに近傍に配置した方が好ましい。より好ましくは、抵抗素子151の一端子1512が容量素子152の一端子1521と隣接して配置される。これにより、配線157の長さを短くして、インダクタンスを小さくすることができる。
抵抗素子151の他端子1511は、配線153を介してパッド161と接続され、また配線154を介して接続端子181と接続される。また、容量素子152の他端子1522は配線155を介してパッド162と接続され、また配線156を介して接続端子182と接続される。抵抗素子151の端子1511、1512と容量素子152の端子1521、1522が整列する方向と、パッド161とパッド162が整列する方向とを同じにすることが好ましい。このような配置によって接続する配線を短くすることができ、インダクタンスを小さくすることができる。
また、第2シャント素子1500において、抵抗素子151はバイアス電圧を印加する接続端子181に接続され、容量素子132はグランド電圧を印加する接続端子182に接続されている。ただし、接続関係を逆にして、抵抗素子131がグランド電圧を印加する接続端子182に接続され、容量素子132がバイアス電圧を印加する接続端子181に接続されてもよい。
本実施形態では、第1シャント素子1300と第2シャント素子1500が、それぞれ抵抗素子131、151と容量素子132、152とから構成される例を想定する。ただし、第1シャント素子と第2シャント素子が抵抗素子と容量素子のいずれか一方から構成されていてもよい。シャント素子が容量素子を備える場合には寄生発振の抑制だけでなくインピーダンスの周波数特性を利用して直流電流をカットするなど消費電力の抑制も可能となる。
アンテナ装置100の構成要素の位置関係としては、アンテナアレイ12と電圧バイアス回路17との間に、第1シャント素子1300が配置され、第1シャント素子1300と電圧バイアス回路17との間に第2シャント素子1500が配置される。
図3は、チップ11の裏面にパッドを形成して、ボンディングワイヤー19を使用しないでチップ11と基板10とを接続する構成を説明するアンテナ装置100の部分断面図
である。図3によれば、チップ11の表面にある配線が貫通電極135を介してチップ11の裏面にあるパッド141と接続されている。
貫通電極135は、チップ11に貫通孔を形成した後、貫通孔の内壁に電気的に切り離すための絶縁膜を形成し、電気抵抗が低く電解鍍金法などで容易に電極形成が可能な銅などで貫通孔を埋めることで形成される。また、貫通電極135は、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械的研磨)処理などを用いて平滑化される。貫通電極135
を形成した後、チップ11の裏面に貫通電極135と電気的に接続するようにパッド141が形成される。
チップ11の裏面のパッド141と基板10のパッド161は重なるように配置され、半田等で接続される。貫通電極135で電気的接続をする場合にはボンディングワイヤーを使用しないため、インダクタンスが低減され、アンテナ装置100における寄生発振の抑制が容易になる。
図4は、本実施形態におけるアンテナアレイ12を示す説明図である。図4Aがアンテナアレイ12の上面図であり、図4Bが図4AにおけるB-B’線でのアンテナアレイ12の断面図である。図では一例として、アンテナアレイ12に含まれる2つのアンテナ121、122を示す。
通常、電力合成を目的としたアンテナアレイでは、個別のアンテナの間隔を、発振電磁波の真空中の波長に換算した波長以下、又は波長の整数倍、より好ましくは半波長以下にする。本実施形態では、アンテナの間隔が送信電磁波の半波長以下となるようにアンテナ121、122が配置されている。
アンテナアレイ12では、アンテナの一部をなす第1の導体である金属層123、誘電体層128、アンテナの一部をなす第2の導体である接地金属層124からなるマイクロストリップ共振器によって発振周波数を制御する共振回路1200が構成されている。アンテナ121、122は、この共振回路1200と負性微分抵抗素子127からなる。金属層123にはビア135を介してバイアス電圧線130が接続され、負性微分抵抗素子127にバイアス電圧が印加される。負性微分抵抗素子127は、発振を維持するための電磁波利得を生成する。個別のアンテナ121、122は同位相で同期して発振するため、発振周波数ωに近くなるように設計される。そこで、半波長共振器を含む個別のアンテナの形状は、互いに同様の形状であることが好ましい。負性微分抵抗素子127の形状や特性も同等なものを用いると好ましい。マイクロストリップライン125は、上記のような個別のアンテナを互いに同位相で同期させて発振させるための素子間構造である。
リンク構造となる金属部の伝送線であるマイクロストリップライン125は、一端から他端までのマイクロストリップライン125に沿った長さが、同期後の発振周波数ωの電気長で2πになるように選択するのが好ましい。電気長で2πとは、周囲の構造における実効的な誘電率で換算される実効的な発振波長λに相当する長さである。電気長として2πを選択するのは、アンテナ121、122を同位相で同期させて発振させるためである。アンテナ121、122を逆位相で同期させる場合は、電気長はπあるいは3πでもよい。マイクロストリップライン125の長さは、正確に2πではなくても、アンテナ121、122の同期が可能である。マイクロストリップライン125で形成される素子間の結合の大きさにもよるが、典型的には電気長2π±10%程度は許容範囲である。なお、この許容範囲は、マイクロストリップライン125を使わないで結合させるときよりも広い。なお、マイクロストリップラインの電気長は、電磁界シミュレータ等で容易に確認することができる。
アンテナ121の発振出力の一部は、マイクロストリップライン125を経由して隣接するアンテナ122にほぼ同位相で入力される。一方で、アンテナ122の発振出力の一部は、マイクロストリップライン125を経由して隣接するアンテナ121にほぼ同位相で入力される。本実施形態のアンテナアレイでは、このようなアンテナ121、122間の相互・注入同期現象を実現するためにマイクロストリップライン125を導入している。
本実施形態のマイクロストリップライン125は、共振構造の金属層123と容量結合していることが特徴である。これらは、金属-絶縁体-金属(MIM)領域126において、絶縁層129を介して容量を形成するのみで、DC開放である。これにより、発振周波数ωの帯域において、アンテナ間結合の大きさは直接結合と変わらずに大きく確保することが出来る。さらに、ωより小さい低周波領域において、結合の大きさは小さくなるのでアンテナ間のアイソレーションを確保できる。本実施形態のマイクロストリップライン125は、このような性質を有するため好ましい。さらに、ωより小さい低周波領域において端部開放のマイクロストリップライン125はキャパシティブ要素になる。アンテナ121側の負性微分抵抗素子127から見て、マイクロストリップライン125はキャパシティブ要素であり、アンテナ122側の共振構造の金属層123もキャパシタである。このため、低周波領域において懸念している共振周波数自体、生成されることもない。したがって、低周波領域における寄生発振を抑制することが可能となる。
図4Aおよび図4Bでは、2つの個別のアンテナ121、122について説明したが、アンテナアレイ12では、各アンテナをアンテナ121、122と同様の構成で配置することによってアレイ化が可能である。また、接地金属層124の上には、誘電体層128を介して、アレイの数に対応した複数の金属層123が配置され、さらに金属層123に対応する負性微分抵抗素子127が配置される。隣接するアンテナは、マイクロストリップライン125によって容量結合される。また、それぞれのマイクロストリップライン125の電気長は2π程度である。したがって、すべての負性微分抵抗素子127を同相で同期することが可能となる。このようにアンテナアレイ化することによって、合成された電力が大きくなるだけでなく、鋭い指向性が得られるため好ましい。
また、複数の金属層123はチップ11の内部においてストリップ導体(不図示)を介して共通に接続されてバイアス電圧が印加されるパッド141と接続されており、接地金属層124はチップ11の内部でパッド142と接続されている。この構成によって、パッド141とパッド142に電圧が印加されると、負性微分抵抗素子127にバイアス電圧が印加される。
負性微分抵抗素子127としては、InP基板に格子整合する共鳴トンネルダイオードを用いることができる。なお、負性微分抵抗素子127として、共鳴トンネルダイオードに限らず、エサキダイオード、ガンダイオードを用いてもよい。共鳴トンネルダイオードは、例えば、InP基板上のInGaAs/InAlAs、InGaAs/AlAsによる多重量子井戸構造とn-InGaAsによる電気的接点層を伴って構成される。多重量子井戸構造としては、例えば三重障壁構造を用いる。より具体的には、AlAs(1.3
nm)/InGaAs(7.6nm)/InAlAs(2.6nm)/InGaAs(5.
6nm)/AlAs(1.3nm)の半導体多層膜構造で構成する。このうち、InGa
Asは井戸層、格子整合するInAlAsや非整合のAlAsは障壁層である。これらの層は意図的にキャリアドープを行わないアンドープとしておく。このような多重量子井戸構造は、電子濃度が2×1018cm-3のn-InGaAsによる電気的接点層に挟まれる。こうした電気的接点層間の構造の電流-電圧(I/V)特性において、ピーク電流密度は280kA/cmであり、約0.7Vから約0.9Vまでが負性抵抗領域となる。ダイオードの構成として、直径2μmのメサ構造の場合、ピーク電流値10mA、負性抵
抗値-20Ωが得られる。金属層123の下部に接続された直径2μmの共鳴トンネルダイオードの接合容量に伴うリアクタンスを考慮すると、発振周波数は約0.55THzと
なる。
次に、図5に、本実施形態によるアンテナ装置の等価回路図を示す。チップ11の等価回路は、アンテナアレイ12を構成する負性微分抵抗素子の抵抗r(rは負性微分抵抗素子の抵抗の絶対値を示す)を有する。また、チップ11の等価回路は、アンテナアレイ12を構成する共振回路1200のインピーダンスZと、第1シャント素子1300を構成する抵抗素子131の抵抗Rcとを有する。さらに、チップ11の等価回路は、第1シャント素子1300を構成する容量素子132の容量Ccを有する。
第1シャント素子1300は、抵抗Rcと容量Ccが直列に接続されて構成されている。さらに、抵抗rと共振回路1200のインピーダンスZと第1シャント素子1300は、互いに並列に接続されている。より具体的には、抵抗rの一端子と共振回路1200のインピーダンスZの一端子と抵抗Rcの一端子が、それぞれ第1ノードn1に接続される。また、抵抗Rcの他端子は、容量Ccの一端子と接続される。また、抵抗rの他端子と共振回路1200のインピーダンスZの他端子と容量Ccの他端子は、グランド電圧に接続される。第1ノードn1はチップ11のパッド141に接続され、グランド電圧はチップ11のパッド142を介して印加される。
基板10の等価回路は、第2シャント素子1500を構成する抵抗素子151の抵抗Rpおよび容量素子152の容量Cpと、第1シャント素子1300と第2シャント素子1500とを接続する経路のインダクタンスLと、から構成される。インダクタンスLには第1シャント素子1300とパッド141を接続する配線、チップと基板を接続するボンディングワイヤー、ボンディングワイヤーと第2シャント素子1500を接続する配線、パッド等の寄生インダクタンスが含まれる。
第2シャント素子1500は、抵抗Rpと容量Cpが直列に接続されて構成されている。さらに、インダクタンスLを介してチップ11と第2シャント素子1500とが接続される。より具体的には、インダクタンスLの一端子はチップ11の等価回路における第1ノードn1に接続され、インダクタンスLの他端子と抵抗Rpの一端子は第2ノードn2に接続される。また、抵抗Rpの他端子は容量Cpの一端子と接続される。また、容量Cpの他端子には接地電圧が印加される。さらに、第2ノードn2は端子181に接続されており、電圧バイアス回路Vが接続される。したがって、第2ノードn2にはバイアス電圧が印加され、抵抗rには、インダクタンスLを介してバイアス電圧が印加される。
第1シャント素子1300(抵抗Rcと容量Cc)は、負性微分抵抗素子(抵抗r)と並列に接続されており、インダクタンスLを介して第2シャント素子1500(抵抗Rpと容量Cp)とも並列に接続されている。さらには、第1シャント素子1300は、電圧バイアス回路Vとも並列に接続されている。
このようなアンテナ装置において、寄生発振を抑制するには、負性微分抵抗素子127の抵抗rを基準として、第1シャント素子1300および第2シャント素子1500は低インピーダンスとなっていることが好ましい。すなわち、テラヘルツ周波数帯より小さい周波数帯において、負性微分抵抗素子127からみて低インピーダンスとなるように設定されることが好ましい。この場合、以下の式(1)、式(2)の条件式が成り立つ。
Rp +1/(2π×f×Cp) < r・・・(1)
Rc +1/(2π×f×Cc) < r・・・(2)
ここで、rは、負性微分抵抗素子の抵抗値の絶対値、Rcは、第1の抵抗である抵抗Rcの抵抗値、Ccは、第1の容量である容量Ccの容量値である。また、Rpは、第2の抵
抗である抵抗Rpの抵抗値、Cpは、第2の容量である容量Cpの容量値、Lは、第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路のインダクタンスである。また、fは対象となる寄生発振の周波数であり、アンテナアレイ12を構成する共振回路の共振周波数未満の周波数を示す。また、周波数fは、具体的には30GHz未満であるが、本実施形態のような基板10にチップ11が実装される場合は、特に10MHz~10GHzの範囲の周波数である。
しかしながら、式(1)と式(2)が成り立っても、インダクタンスLと容量CcにおけるLC共振が生じる可能性がある。このLC共振を抑制するためには、発振のエネルギーを損失させるため、Rcを確保する必要があり、かつLを小さくして、Ccを大きくすることが好ましい。よって、寄生発振を抑制するには、以下の式(3)の条件式も成り立つ。
L/(Cc×r) <Rc・・・(3)
図6は、図5の等価回路を基にインダクタンスLの値を変えたときの負性微分抵抗素子127からみたインピーダンスの周波数特性を示すグラフである。破線はL=1nH、実線は5nH、一点鎖線は10nHについての特性を示し、インピーダンスは特定の周波数でピーク値を有する。具体的には、L=1nHについては160MHzにおいてピーク値1.8Ω、L=5nHについては50MHzにおいてピーク値16.8Ω、L=10nHについては71MHzにおいてピーク値8.5Ωとなっている。
図7は、図6の周波数特性に基づき、インダクタンスLと負性微分抵抗素子127からみたインピーダンスのピーク値の関係を示すグラフである。図7によれば、インダクタンスLが大きくなるにつれて、インピーダンスのピーク値が大きくなる。
抑制の対象となる寄生発振の周波数fにおいて、負性微分抵抗素子127からみた線路
のインピーダンスが負性微分抵抗の絶対値の10倍以下であれば、負性微分抵抗素子127が持つ利得に対して、線路による損失の大きさが無視できなくなる。これによって、LC共振の発振を抑制できる。一例として、3mm角~4mm角のチップサイズのアンテナアレイでは、20個~40個のアンテナを配置することができ、負性微分抵抗127の合成抵抗値は、大きくても1Ω、すなわち1Ω以下となる。したがって、この抵抗値の10倍である10Ω以下であれば寄生発振を抑制できる。すなわち、図7のグラフによれば、L≦5nHであればよい。
インダクタンスLには、第1シャント素子1300とパッド141を接続する配線、チップと基板を接続するボンディングワイヤー、ボンディングワイヤーと第2シャント素子1500を接続する配線、パッド等の寄生インダクタンスが含まれる。そして、第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路のこれらのインダクタンスは、それぞれ以下の式(4)、式(5)で算出することが可能である。第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路において、断面がほぼ円形に近似できる部分は式(4)で算出し、断面が四角形に近似できる部分は式(5)で算出する。
L1=0.2×l1×[ln(4×l1/d)- 0.75] 〔nH〕・・・(4)
L2=0.2×l2×[ln{2×l2/(w + h)}+0.2235×(w+h)/l2+0.5] 〔nH〕・・・(5)
ここで、l1は、当該経路における断面がほぼ円形に近似できる部分の長さ(mm)であり、dはその断面直径(mm)である。また、l2は、当該経路における断面が四角形に近似できる部分の長さ(mm)であり、wはその幅(mm)、hはその厚さ(mm)である。
図8は、本実施形態における第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を
接続する経路のインダクタンスを説明する図である。第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路は、第1シャント素子1300を構成する抵抗素子131とパッド141を接続する配線(第1の部分P1)、パッド141(第2の部分P2)を有する。さらに、当該経路は、ボンディングワイヤー19(第3の部分P3)、パッド161(第4の部分P4)、パッド161と第2シャント素子1500を構成する抵抗素子151を接続する配線(第5の部分P5)を有する。
第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路の長さは4mm以下が好ましく、寄生インダクタンスを低減して寄生発振を抑制するのに好適である。より好ましくは2mm以下である。
以下に、経路における各部の寸法、および式(4)あるいは式(5)によって算出されるインダクタンスの一例について説明する。
第1の部分P1は、長さ0.3mm、幅0.2mm、厚さ0.5μmであり、この領域のインダクタンスL1は式(5)で算出され、0.1nHである。
第2の部分P2のインダクタンスL2は、パッド141の端部からボンディングワイヤー19が接続されるパッド141の略中央部までの領域として算出する。この領域は長さ0.1mm、幅0.2mm、厚さ0.5μmであり、このインダクタンスL2は式(5)で算出され、0.02nHである。
第3の部分P3は、長さ1.0mm、断面直径20μmのボンディングワイヤーであり、この領域のインダクタンスL3は式(4)で算出され、0.91nHである。
第4の部分P4のインダクタンスL4は、パッド161の端部からボンディングワイヤー19が接続されるパッド161の略中央部までの領域として算出する。この領域は長さ0.6mm、幅1.2mm、厚さ35μmであり、このインダクタンスL4は式(5)で算出され、0.11nHである。
第5の部分P5は、長さ0.8mm、幅0.6mm、厚さ35μmであり、この領域のインダクタンスL5は式(5)で算出され、0.26nHである。
したがって、第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路のインダクタンスは、インダクタンスL1、L2、L3、L4、L5の合計で算出でき、1.4nHとなる。
本実施形態では、ボンディングワイヤー19の断面が円形状であるとして式(4)を用いてインダクタンスを算出したが、断面が四角形のリボン状のボンディングワイヤーを使用してもよい。リボン状のボンディングワイヤーの場合は、式(5)を使用してインダクタンスを算出することができる。リボン状のボンディングワイヤーは断面積が大きくでき、インダクタンスを下げることができる。
図9Aおよび図9Bは、配線のインダクタンスの算出について説明する図である。ここでは、パッド161と第2シャント素子1500を構成する抵抗素子151を接続する配線153を用いて説明する。第1シャント素子1300を構成する抵抗素子131とパッド141を接続する配線についても同様に考えることができる。
図9Aは、配線153が折れ曲がり部を有する構成の一例を示す図である。図9Aに示す例では、配線153は90度に曲がった部分を2箇所有する折れ曲がり部によって構成
されている。図9Aに示す例における配線153のインダクタンスは、3つの矩形部分に分けて算出することができる。3つの矩形部分は、パッド161に接続される第1の矩形部分RS1、第1の矩形部分に接続される第2の矩形部分RS2、第2の矩形部分に接続される第3の矩形部分RS3である。第3の矩形部分RS3は抵抗素子151に接続される。第1の矩形部分RS1は、長さl21、幅w1、厚さh1であり、第2の矩形部分RS2は、長さl22、幅w2、厚さh2であり、第3の矩形部分RS3は、長さl23、幅w3、厚さh3である。各矩形部分について式(5)を用いてインダクタンスを算出して、その合計を配線153のインダクタンスとする。
ここで、長さl21、長さl22、長さl23の決定方法の一例を説明する。第1の矩形部分RS1の幅方向の中心を通り長さ方向に延伸する線Xと第2の矩形部分RS2の幅方向の中心を通り長さ方向に延伸する線Yとの交点を点Aとする。また、線Yと第3の矩形部分RS3の幅方向の中心を通り長さ方向に延伸する線Zとの交点を点Bとする。そして、パッド161の端部と点Aの距離を第1の矩形部分の長さl21とし、点Aと点Bの距離を第2の矩形部分RS2の長さl22とし、点Bと抵抗素子151の端部の距離を第3の矩形部分RS3の長さl23とする。
長さl21、長さl22、長さl23の決定方法としては、配線153を分割して矩形部分を特定できれば、上記以外の決定方法が採用されてよい。
次に、図9Bは、配線153が、抵抗素子151からパッド161に向かって幅が漸増しながら直線状に延伸するように構成されている例を示す図である。このような配線153でも、図に示すように配線153を矩形部分RS4に置き換えることで、式(5)を用いて配線153のインダクタンスを算出できる。矩形部分RS4は、長さl24、幅w4、厚さh4である。
次に、矩形部分RS4の長さl24と幅w4の決定方法の一例を説明する。配線153とパッド161が接する部分V-V’の中心点Cを規定し、点Cと最短距離で抵抗素子151に接する点Dを規定する。点Cと点Dの距離を長さl24とする。また、点Cと点Dの中心Eを通って線分CD対して垂直方向における配線の端部間の距離を幅w4とする。
このように、図9Aおよび図9Bを用いて説明した決定方法によって配線のインダクタンスを算出することができる。
本実施形態によれば、式(1)、式(2)、式(3)を満たすようにシャント素子を構成することによって寄生発振を抑制することが可能となる。また、式(3)で使用される第1シャント素子1300と第2シャント素子1500を接続する経路のインダクタンスLを求める際に、式(4)、式(5)、図8、図9を用いて説明した算出方法を適用することができる。
(第2の実施形態)
本開示の第2の実施形態に係るアンテナ装置について、図10を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態とは異なり、パッドとパッドが複数のボンディングワイヤーで接続されている。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図10に示すアンテナ装置200は、チップ21に、バイアス電圧を印加するためのパッド241と、グランド電圧を印加するパッド242を備える。また、基板20に、チップ21のパッド241と接続するためのパッド261、チップ21のパッド242と接続するためのパッド262を備える。また、基板20に、パッド241とパッド261を接
続するための複数のボンディングワイヤー291と、パッド242とパッド262を接続するための複数のボンディングワイヤー292とを備える。アンテナ装置200におけるその他のアンテナアレイ、第1シャント素子、第2シャント素子などは第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同様である。
ボンディングワイヤー291、292のインダクタンスを下げるため、パッド241とパッド261およびパッド242とパッド262は、互いに近傍に配置してボンディングワイヤー291、292を短くすることが好ましい。
ボンディングワイヤー291、292を短くするには、パッド241とパッド242をチップ21の端部に配置することが好ましい。複数のボンディングワイヤー291、292が横断するチップ21の一辺を第1の辺271とすると、パッド241とパッド261は第1の辺271を挟んで対向するように配置される。また、パッド242とパッド262も、第1の辺271を挟んで対向するように配置される。さらに、複数のボンディングワイヤー291、292は、第1の辺271に平行な方向に間隔を空けて並べて配置される。
複数のボンディングワイヤー291、292は電気的に並列に接続される。並列接続されたM本のボンディングワイヤーの合成インダクタンスLmは、以下の式(6)で算出できる。
1/Lm=Σ(1/Li)(i=1,2,3,・・・,M)・・・(6)
ここで、Liは、M本のうちのi本目のボンディングワイヤーのインダクタンスであり、ボンディングワイヤーの断面が円形状の場合は式(4)を用いて算出し、ボンディングワイヤーの断面が四角形状の場合は式(5)を用いて算出する。なお、ボンディングワイヤーの断面が円形状であるか四角形状であるかは適宜決定されて、式(4)、(5)によりボンディングワイヤーの合成インダクタンスLmが算出されてよい。
このように複数のボンディングワイヤー291、292を電気的に並列に接続することで、ボンディングワイヤー291、292の合成インダクタンスを低減でき、これにより寄生発振の抑制が容易になる。
本実施形態では、第1の実施形態におけるパッド141、142よりもパッド241、242の面積を大きくし、また第1の実施形態におけるパッド161、162よりもパッド261、262の面積を大きくする。これにより、パッド間を接続するボンディングワイヤーの本数を増やして、複数のボンディングワイヤーの合成インダクタンスを低減できる。
また、パッド241、242、261、262は、チップ21の第1の辺271に平行な方向の寸法が第1の辺271に垂直な方向の寸法よりも大きくなるように構成されている。これにより、配置できるボンディングワイヤーの本数を増やすことができ、ボンディングワイヤーの合成インダクタンスを低減できる。
また、パッド241、242、261、262を、第1の実施形態と同じようにボンディングワイヤーごとに分割することも可能である。この場合、バッドを形成する金属層よりも下層の配線層で接続する構成にすればよい。しかしながら、図10で示したような1つのパッドに複数のボンディングワイヤーを配置する構成の方が、パッド間を分割するスペースを確保する必要がなく、パターン形成が容易となる。したがって、図10に例示する構成を採用することで、基板20として安価なプリント基板やセラミックパッケージを使用することができ、低コスト化が可能となる。
(第3の実施形態)
本開示の第3の実施形態によるアンテナ装置について、図11を用いて説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態に対して、第1シャント素子および第2シャント素子を構成する抵抗素子や容量素子を追加して並列に接続している点が異なる。本実施形態において、第1および第2の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図11に示す本実施形態によるアンテナ装置300は、チップ31に、抵抗素子331および容量素子332で構成される第1シャント素子と、抵抗素子333および容量素子332で構成される別の第1シャント素子を備える。さらに、アンテナ装置300は、チップ31に、バイアス電圧を印加するためのパッド341、343、グランド電圧を印加するパッド342を備える。また、基板30に、抵抗素子351および容量素子352で構成される第2シャント素子と、抵抗素子353および容量素子354で構成される別の第2シャント素子を備える。
また、基板30に、チップ31のパッド341と接続するためのパッド361、チップ31のパッド342と接続するためのパッド362、チップ31のパッド343と接続するためのパッド363を備える。また、パッド341とパッド361は、ボンディングワイヤー391によって接続され、パッド342とパッド362は、ボンディングワイヤー392によって接続され、パッド343とパッド363は、ボンディングワイヤー393によって接続される。さらに、基板30には、電圧バイアス回路37からバイアス電圧が供給される接続端子381、383、グランド電圧を与える接続端子182を備える。
図11では、チップ31のパッド341、342、343と基板30のパッド361、362、363は、それぞれ1本のボンディングワイヤー391、392、393で接続されている。ただし、第2の実施形態のように2つのパッドを複数のボンディングワイヤーで接続してもよい。あるいは、図3のようにボンディングワイヤー391、392、393を使用せずに貫通電極で2つのパッドを接続してもよい。
アンテナアレイ32は第1の実施形態と同様にチップ31の略中央に配置され、アンテナアレイ32に隣接して容量素子332が配置される。抵抗素子331の一端子は容量素子332の一端子と配線とビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子333の一端子は容量素子332の一端子と配線とビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子331、333は、容量素子332の近傍に配置することが好ましい。あるいは、抵抗素子331、333は、容量素子332の上にオーバーラップして配置してもよい。抵抗素子331の他端子はパッド341とバイアス電圧線330を介して接続される。バイアス電圧線330は、アンテナアレイ32の各アンテナ321の間にも配置され、各アンテナ321と接続される。これにより、各アンテナ321にバイアス電圧が印加される。容量素子332の他端子はパッド342と配線およびビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子333の他端子はパッド343とバイアス電圧線330を介して接続される。
抵抗素子351の一端子3512は容量素子352の一端子3521と配線を介して接続される。すなわち、抵抗素子351と容量素子352は直列接続されている。そのため抵抗素子351と容量素子352は隣接して配置した方が好ましい。より好ましくは、抵抗素子351の一端子3512を容量素子352の一端子3521と隣接して配置すると、配線を短くして、インダクタンスを小さくすることができる。
抵抗素子351の他端子3511は、配線を介してパッド361と接続され、また配線を介して接続端子381と接続される。また、容量素子352の他端子3522は、配線を介してパッド362と接続され、また配線を介して接続端子382と接続される。
抵抗素子353の一端子3532は容量素子354の一端子3541と配線を介して接続される。すなわち、抵抗素子353と容量素子354は直列接続されている。そのため抵抗素子353と容量素子354は隣接して配置した方が好ましい。より好ましくは、抵抗素子353の一端子3532を容量素子354の一端子3541と隣接して配置すると、配線を短くして、インダクタンスを小さくすることができる。
抵抗素子353の他端子3531は、配線を介してパッド363と接続され、また配線を介して接続端子383と接続される。また、容量素子354の他端子3542は配線を介してパッド362と接続され、また配線を介して接続端子382と接続される。
図11では、抵抗素子351の端子3511、3512と容量素子352の端子3521、3522と抵抗素子353の端子3531、3532と容量素子354の端子3541、3542は、基板30上で一方向(図の左右方向)に並ぶように配置されている。本実施形態では、パッド361、362、363も、端子3511、3512、3521、3522、3531、3532、3541、3542が配置される方向と同一の方向に並ぶように配置されている。このように端子とパッドを配置することによって、接続する配線を短くして、インダクタンスを小さくすることができる。
接続端子381、383の両方に電圧バイアス回路37からバイアス電圧が供給されるため、抵抗素子351の他端子3511と抵抗素子353の他端子3531が電気的に接続されている。また、容量素子352の他端子3522と容量素子354の他端子3542は、配線によって共通に接続されている。したがって、第2シャント素子を構成する抵抗素子351および容量素子352と、別の第2シャント素子を構成する抵抗素子353および容量素子354とは、電気的に並列に接続されている。抵抗素子351、353および容量素子352、354としては、例えばSMD(Surface Mount Device)が採用されるが、このような部品は抵抗成分や容量成分だけでなく寄生インダクタンスも有する。そのため、第1シャント素子と第2シャント素子の2つの組について、それぞれの組の第2シャント素子(抵抗素子351および容量素子352と抵抗素子353および容量素子354)を並列に接続する。これにより、寄生インダクタンスを低減でき、寄生発振を抑制することができる。
また、バイアス電圧を供給する経路であるボンディングワイヤー391とボンディングワイヤー393が並列に接続されるため、ボンディングワイヤーの合成インダクタンスも低減される。
また、基板30に配置する配線も抵抗値を有するため、抵抗素子351、353として第1シャント素子と第2シャント素子を接続する基板30上の配線の抵抗を使用してもよい。これにより、基板30上に配置する部品数を減らすことができ、小型化に有利である。
また、チップ31において、チップ31に配置される素子やパッド、基板30に配置される素子やパッドや配線等は、アンテナアレイ32の中心を通る軸に対して対称に配置されている。アンテナアレイ32の中心を通る軸は、例えば、基板30の表面に垂直な方向に延伸する軸AXと、基板30の表面に平行な方向に延伸する軸がある。ここでは、基板の表面に平行な方向に延伸する軸を基準に対称かを判断している。アンテナアレイ32の中心は、アンテナアレイ32の導電体の平面形状をもとに決定することができる。また、アンテナアレイ32の中心は、アンテナアレイ32の導電体の重心であってもよい。重心は、断面形状および平面形状をもとに決定することができる。したがって、基板30では、互いに接続される第1シャントと第2シャント素子の組が複数組配置され、第1シャント素子と第2シャント素子の少なくとも2つの組が、アンテナアレイの中心を通る軸に対
して対称となる位置に配置されている。これにより、アンテナアレイ32から発生するテラヘルツ波の指向性が向上し、テラヘルツ波の正面強度が高まる。
本実施形態では、接続端子381、383を用いた2つの経路からバイアス電圧を供給し、接続端子182を用いた1つの経路からグランド電圧を与える構成を採用している。ただし、接続端子381、383を用いた2つの経路からグランド電圧を与え、接続端子182を用いた1つの経路からバイアス電圧を供給する構成を用いてもよい。
(第4の実施形態)
本開示の第4の実施形態に係るアンテナ装置について、図12~図14を用いて説明する。第4の実施形態係るアンテナ装置は、チップの対向する2つの辺がある両側にパッドが配置されている、すなわちパッドによってチップが挟まれるようにパッドおよびチップが配置されている点で第1の実施形態に係るアンテナ装置と異なる。本実施形態において、上記の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図12に示した本実施形態によるアンテナ装置400は、チップ41において第1の実施形態と同様に、バイアス電圧を印加するためのパッド441と、グランド電圧を印加するパッド442を備える。また、第1の実施形態と異なり、アンテナ装置400は、バイアス電圧を印加するためのパッド443と、グランド電圧を印加するパッド444を備える。
また、チップ41において、パッド441、442が、アンテナアレイ42から見てチップ41の第1の辺411がある側に配置されている。また、チップ41において、パッド443とパッド444が、アンテナアレイ42から見てチップ41の第1の辺411に対向する第2の辺412がある側に配置されている。これにより、パッド441、442と、パッド443、444との間にアンテナアレイ421が配置された構成となっている。このように、第1シャント素子と第2シャント素子の2つの組によってアンテナアレイが挟まれるように、第1シャント素子と第2シャント素子のそれぞれの組が配置されている。
また、チップ41には、第1シャント素子を構成する抵抗素子431、容量素子432、抵抗素子433が配置されている。
抵抗素子431の一端子は、容量素子432の一端子と配線とビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子431は、容量素子432の近傍に配置することが好ましい。あるいは、抵抗素子431は、容量素子432の上にオーバーラップして配置してもよい。また、抵抗素子431の他端子は、パッド441とバイアス電圧線430を介して接続される。また、バイアス電圧線430はアンテナアレイ42の各アンテナ421の間にも配置されて各アンテナ421に共通に接続され、各アンテナ421にバイアス電圧が印加される。
抵抗素子433の一端子は容量素子432の一端子と配線とビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子433は容量素子432の近傍に配置することが好ましい。あるいは、容量素子432の上にオーバーラップして配置してもよい。また、抵抗素子433の他端子はパッド443とバイアス電圧線430を介して接続される。また、容量素子432の他端子は、配線およびビア(不図示)を介してパッド442、444に接続される。
チップ41において、パッド441、442とパッド443、444との間に、抵抗素子431と抵抗素子433が配置される。そして、抵抗素子431と抵抗素子433との間に、容量素子432が周囲に配置されているアンテナアレイ42が配置される。このよ
うに、パッドおよび第1シャント素子が、アンテナアレイ42の中心を通る軸(図では基板40の表面にcする軸BX)に対して対称に配置されている。したがって、基板40では、互いに接続される第1シャントと第2シャント素子の組が複数組配置され、第1シャント素子と第2シャント素子の少なくとも2つの組が、アンテナアレイの中心を通る軸に対して対称となる位置に配置されている。これにより、アンテナアレイ42から発生するテラヘルツ波の指向性が向上し、テラヘルツ波の正面強度が高まる。
基板40において、チップ41の第1の辺411の側にある第1の領域413(図中点線で囲まれる領域)には、第1の実施形態と同様に、第2シャント素子を構成する抵抗素子451および容量素子452が配置されている。さらに、第1の領域413には、チップ41のパッド441とボンディングワイヤー491によって接続されるパッド461、チップ41のパッド442とボンディングワイヤー492によって接続されるパッド462が配置されている。さらに、第1の領域413には、電圧バイアス回路471からバイアス電圧が供給される接続端子481、グランド電圧を与える接続端子482が配置されている。
また、基板40において、チップ41の第2の辺412の側にある第2の領域414(図中点線で囲まれる領域)には、第2シャント素子を構成する抵抗素子453および容量素子454が配置されている。さらに、第2の領域414には、チップ41のパッド443とボンディングワイヤー493によって接続されるパッド463、チップ41のパッド444とボンディングワイヤー494によって接続されるパッド464が配置されている。さらに、第2の領域414には、電圧バイアス回路472からバイアス電圧が供給される接続端子483、グランド電圧を与える接続端子484が配置されている。
上記の説明では、電圧バイアス回路471、472は、個別の回路としているが、1つの電圧バイアス回路によってバイアス電圧およびグランド電圧を供給するように基板40を構成してもよい。
このように、基板40では、第1の領域413と第2の領域414の間にチップ41が配置される構成となる。この構成によれば、パッド441、442とパッド443、443との間にアンテナアレイ42が配置される。別の言い方をすると、辺411と辺412を結ぶ線分に沿った方向において、第1の領域413、チップ41、第2の領域414がこの順に配置されている。このような構成によって、バイアス電圧を供給する配線のインピーダンスを小さくすることができる。また、抵抗素子451または容量素子452と抵抗素子453または容量素子454との間にチップ41が配置される。したがって、第1シャント素子の場合と同様に、パッドや第2シャント素子が、アンテナアレイ42の中心を通る軸に対して対称に配置されている。アンテナアレイ42の中心を通る軸は、例えば、基板40の表面に垂直な方向に延伸する軸BXと、基板40の表面に平行な方向に延伸する軸がある。ここでは、基板の表面に平行な方向に延伸する軸を基準に対称かを判断している。したがって、基板40では、互いに接続される第1シャントと第2シャント素子の組が複数組配置され、第1シャント素子と第2シャント素子の少なくとも2つの組が、アンテナアレイの中心を通る軸に対して対称となる位置に配置されている。これにより、アンテナアレイ42から発生するテラヘルツ波の指向性が向上し、テラヘルツ波の正面強度が高まる。
また、本実施形態によれば、アンテナアレイ42に印加するバイアス電圧をチップ41の対向する2つの辺411、412の側から供給している。これにより、チップ41のいずれか1つの辺の側からバイアス電圧を供給する場合よりも、バイアス電圧を供給する配線のインピーダンスが小さくなるので電圧降下が低減する。この結果、各アンテナの負性微分抵抗素子に印加されるバイアス電圧のアンテナ間のばらつきが小さくなり、アンテナ
出力の均一性が向上する。
さらに、第2シャント素子を構成する抵抗素子451および容量素子452と、抵抗素子453および容量素子454とが並列に接続されている。抵抗素子451、453および容量素子452、454としては、例えばSMDが採用されるが、このような部品は抵抗成分や容量成分だけでなく寄生インダクタンスも有する。そのため、抵抗素子451および容量素子452と、抵抗素子453および容量素子454とを並列に接続することで、寄生インダクタンスを低減でき、寄生発振を抑制することができる。
また、基板40に配置する配線も抵抗値を有するため、抵抗素子451、453として配線の抵抗を使用してもよく、これにより基板40上に配置する部品数を減らすことができ、小型化に有利である。
図13は本実施形態の変形例に係るアンテナ装置を説明する図である。なお、本変形例において、上記の実施形態と同様の構成については説明を省略する。図13に示すアンテナ装置500の構成は、第3の実施形態で説明した構成に、さらに本実施形態の特徴を適用した構成となっている。本変形例において、第3の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
アンテナ装置500では、チップ51上において、チップ51の第1の辺511がある側に、第3の実施形態と同様に抵抗素子531、533、パッド541、542、543が配置される。さらに、チップ51の第1の辺511に対向する第2の辺512がある側に、抵抗素子534、535、パッド544、545、546が配置される。
チップ51の第1の辺511と第2の辺512との間には、アンテナ521が複数配置されたアンテナアレイ52が配置される。アンテナアレイ52の周囲には容量素子532が配置される。容量素子532は抵抗素子531、533、534、535とそれぞれ接続され、第1シャント素子を構成する。
抵抗素子531、533、534、535それぞれの一端子は、容量素子532の一端子と配線とビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子531、533、534、535は容量素子532の近傍に配置することが好ましい。あるいは、抵抗素子531、533、534、535は容量素子532の上にオーバーラップして配置してもよい。抵抗素子531、533、534、535それぞれの他端子は、パッド541とバイアス電圧線530を介して接続される。バイアス電圧線530はアンテナアレイ52の各アンテナ521の間にも配置されて各アンテナ521に共通に接続され、各アンテナ521にバイアス電圧が印加される。容量素子532の他端子は、配線およびビア(不図示)を介してパッド542、545に接続される。
チップ51において、パッド541、542、543とパッド544、545、546の間に、抵抗素子531、533と抵抗素子534、535が配置される。また、抵抗素子531、533と抵抗素子534、535との間に、容量素子532が周囲に配置されたアンテナアレイ52が配置される。このようにパッドや第1シャント素子が、アンテナアレイ52の中心を通る軸に対して対称に配置されている。アンテナアレイ52の中心を通る軸は、例えば、基板50の表面に垂直な方向に延伸する軸CXと、基板50の表面に平行な方向に延伸する軸がある。ここでは、基板の表面に平行な方向に延伸する軸を基準に対称かを判断している。したがって、基板50では、互いに接続される第1シャントと第2シャント素子の組が複数組配置され、第1シャント素子と第2シャント素子の少なくとも2つの組が、アンテナアレイの中心を通る軸に対して対称となる位置に配置されている。これにより、アンテナアレイ52から発生するテラヘルツ波の指向性が向上し、テラ
ヘルツ波の正面強度が高まる。
また、基板50において、チップ51の第1の辺511の側にある第1の領域513(図中点線で囲まれる領域)には、第3の実施形態と同様に、チップ51のパッド541とボンディングワイヤー591で接続するパッド561が配置されている。さらに、第1の領域513には、パッド542とボンディングワイヤー592によって接続されるパッド562、パッド543とボンディングワイヤー593によって接続されるパッド563が配置されている。さらに、第1の領域513には、第2シャント素子を構成する抵抗素子551、553、容量素子552、554が配置されている。さらに、第1の領域513には、電圧バイアス回路571からバイアス電圧が供給される接続端子581、583と、グランド電圧を与える接続端子582が配置されている。なお、各パッド、第2シャント素子、接続端子の互いの接続関係は、第3の実施形態で説明した接続関係と同様である。
上記の説明では、電圧バイアス回路571、572は、個別の回路としているが、1つの電圧バイアス回路によってバイアス電圧およびグランド電圧を供給するように基板50を構成してもよい。
また、基板50において、チップ51の第2の辺512の側にある第2の領域514(図中点線で囲まれる領域)には、チップ51のパッド544とボンディングワイヤー594で接続するパッド564が配置されている。さらに、第2の領域514には、パッド545とボンディングワイヤー595によって接続されるパッド565、パッド546とボンディングワイヤー596によって接続されるパッド566が配置されている。さらに、第2の領域514には、第2シャント素子を構成する抵抗素子555、557と、容量素子556、558が配置されている。さらに、第2の領域514には、電圧バイアス回路572からバイアス電圧が供給される接続端子584、586と、グランド電圧を与える接続端子585が配置されている。なお、第2の領域514における各パッド、第2シャント素子、接続端子の接続関係も、第3の実施形態で説明した接続関係と同様である。
このように、基板50において、第1の領域513と第2の領域514との間にチップ51が配置される構成となる。この構成によれば、パッド541とパッド544との間、またはパッド542とパッド545との間、またはパッド543とパッド546との間に、アンテナアレイ52が配置される。また、抵抗素子551、553および容量素子552、554と、抵抗素子555、557および容量素子556、558との間に、チップ51が配置される。したがって、パッドや第2シャント素子が、アンテナアレイ52の中心を通る軸に対して対称に配置されている。アンテナアレイ52の中心を通る軸は、例えば、基板50の表面に垂直な方向に延伸する軸CXと、基板50の表面に平行な方向に延伸する軸がある。ここでは、基板の表面に平行な方向に延伸する軸を基準に対称かを判断している。したがって、基板50では、互いに接続される第1シャントと第2シャント素子の組が複数組配置され、第1シャント素子と第2シャント素子の少なくとも2つの組が、アンテナアレイの中心を通る軸に対して対称となる位置に配置されている。これにより、アンテナアレイ52から発生するテラヘルツ波の指向性向上し、テラヘルツ波の正面強度が高まる。
また、バイアス電圧をチップ51の対向する2つの辺511、512から供給することにより、バイアス電圧を供給する配線のインピーダンスが小さくなるため、電圧降下が低減する。この結果、各アンテナの負性微分抵抗素子に印加されるバイアス電圧のアンテナ間のばらつきが小さくなり、アンテナ出力の均一性が向上する。
さらに、第2シャント素子を構成する抵抗素子551および容量素子552と、抵抗素
子553および容量素子554とが並列に接続される。同様に、第2シャント素子を構成する抵抗素子555および容量素子556と、抵抗素子557および容量素子558とが並列に接続される。これにより、アンテナ装置500では、アンテナ装置400よりも並列に接続される抵抗素子および容量素子の数が多くなる。このため、抵抗素子および容量素子に含まれる寄生インダクタンスをより低減でき、寄生発振を抑制することができる。
また、基板50に配置する配線も抵抗値を有するため、抵抗素子551、553、555、557として配線の抵抗を使用してもよく、これにより基板50上に配置する部品数を減らすことができ、小型化に有利である。
図14は本実施形態の変形例に係るアンテナ装置を説明する図である。図14に示すアンテナ装置600の構成は、図13に示すアンテナ装置500の構成に、さらに第2の実施形態の特徴を適用した構成となっている。したがって、本変形例に係るアンテナ装置は、上記のアンテナ装置におけるパッド間を接続するボンディングワイヤーの本数が異なる点に特徴がある。図14に示すアンテナ装置の構成において、図13に示すアンテナ装置500の構成と同様の構成については、説明を省略する。
図14に示すように、アンテナ装置600では、チップ61上において、チップ61の第1の辺611がある側に、パッド641、642、643が配置される。さらに、チップ61の第1の辺611に対向する第2の辺612がある側に、パッド644、645、646が配置される。
また、基板60において、チップ61の第1の辺611の側にある第1の領域613(図中点線で囲まれる領域)には、図13に示す構成と同様に、パッド661、662、663が配置されている。また、チップ61の第2の辺612の側にある第2の領域614(図中点線で囲まれる領域)には、パッド664、665、666が配置されている。
パッド641とパッド661は複数のボンディングワイヤー691で接続され、パッド642とパッド662は複数のボンディングワイヤー692で接続され、パッド643とパッド663は複数のボンディングワイヤー693で接続される。また、パッド644とパッド664は複数のボンディングワイヤー694で接続され、パッド645とパッド665は複数のボンディングワイヤー695で接続され、パッド646とパッド666は複数のボンディングワイヤー696で接続される。
本変形例においても、第2の実施形態と同様に、複数のボンディングワイヤーを電気的に並列に接続することでボンディングワイヤーの合成インダクタンスを低減でき、寄生発振を抑制することができる。
(第5の実施形態)
次に、本開示の第5の実施形態に係るアンテナ装置について、図15および図16を用いて説明する。第5の実施形態に係るアンテナ装置は、チップの各辺の近傍にパッドを配置した点が特徴である。本実施形態において、他の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図15に示した本実施形態によるアンテナ装置700は、チップ71において、バイアス電圧を印加するためのパッド741、743、およびグランド電圧を印加するパッド742を備える。さらに、アンテナ装置700は、バイアス電圧を印加するためのパッド741、グランド電圧を印加するパッド742を備える。
本実施形態によるアンテナ装置700は、チップ71において、第1の辺711の近傍
にパッド741が配置され、第2の辺712の近傍にパッド742が配置される。さらに、チップ71において、第1の辺711に対向する第3の辺713の近傍にパッド743が配置され、第2の辺712に対向する第4の辺714の近傍にパッド744が配置される。また、パッド741とパッド743にバイアス電圧が印加され、パッド742とパッド744にグランド電圧が印加される。また、パッド741、742、743、744は、アンテナアレイ72の周りにアンテナアレイ72を囲むように配置されている。
また、チップ71には第1シャント素子を構成する抵抗素子731、733および容量素子732が配置されている。抵抗素子731の一端子および抵抗素子733の一端子は容量素子132の一端子と配線とビア(不図示)を介して接続される。抵抗素子731および抵抗素子733は、容量素子732に隣接して配置することが好ましい。あるいは、抵抗素子731は、容量素子732の上にオーバーラップして配置してもよい。抵抗素子731の他端子はパッド741とバイアス電圧線730を介して接続され、抵抗素子733の他端子はパッド743とバイアス電圧線730を介して接続される。また、バイアス電圧線730はアンテナアレイ72の各アンテナ721の間にも配置されて、各アンテナ721に共通に接続され、バイアス電圧が印加される。容量732の他端子は、配線およびビア(不図示)を介してパッド742およびパッド744に接続される。
基板70において、チップ71の第1の辺711の側にある第1の領域715には、第2シャント素子を構成する抵抗素子751および抵抗素子758、チップ71のパッド741とボンディングワイヤー791で接続されるパッド761が配置されている。また、第1の領域715には、電圧バイアス回路771からバイアス電圧が供給される接続端子781が配置される。また、抵抗素子751の一端子と抵抗素子758の一端子はパッド761と接続され、パッド761は接続端子781と接続される。
同様に、チップ71の第2の辺712の側にある第2の領域716には、第2シャント素子を構成する容量素子752および容量素子753、チップ71のパッド742とボンディングワイヤー792で接続されるパッド762が配置される。また、第2の領域716には、電圧バイアス回路772からグランド電圧が供給される接続端子782が配置される。また、容量素子752の一端子と容量素子753の一端子はパッド762と接続され、パッド762は接続端子782と接続される。
同様に、チップ71の第3の辺713の側にある第3の領域717には、第2シャント素子を構成する抵抗素子754および抵抗素子755、チップ71のパッド743とボンディングワイヤー793によって接続されるパッド763が配置される。また、第3の領域717には、電圧バイアス回路773からバイアス電圧が供給される接続端子783が配置される。抵抗素子754の一端子と抵抗素子755の一端子はパッド763と接続され、パッド763は接続端子783と接続される。
同様に、チップ71の第4の辺714の側にある第4の領域718には、第2シャント素子を構成する抵抗素子756および抵抗素子757、チップ71のパッド744とボンディングワイヤー794によって接続されるパッド764が配置される。また、第4の領域718には、電圧バイアス回路774からグランド電圧が供給される接続端子784が配置される。抵抗素子756の一端子と抵抗素子757の一端子はパッド764と接続され、パッド764は接続端子784と接続される。
チップ71における第1の辺711と第2の辺712とがなす第1の角726の近傍に、抵抗素子751と容量素子752が配置され、抵抗素子751の他端子と容量素子752の他端子が接続される。また、チップ71における第2の辺712と第3の辺713とがなす第2の角727の近傍において、抵抗素子753と容量素子754が配置され、抵
抗素子753の他端子と容量素子754の他端子が接続される。また、チップ71における第3の辺713と第4の辺714とがなす第3の角728の近傍において、抵抗素子755と容量素子756が配置され、抵抗素子755の他端子と容量素子756の他端子が接続される。また、チップ71における第4の辺714と第1の辺711とがなす第4の角729の近傍において、抵抗素子757と容量素子758が配置され、抵抗素子757の他端子と容量素子758の他端子が接続される。
この抵抗素子と容量素子の接続関係により、第2シャント素子を構成する抵抗素子751と容量素子752、抵抗素子753と容量素子754、抵抗素子755と容量素子756、抵抗素子757と容量素子758が、互いに電気的に並列に接続されている。このため、各素子に含まれる寄生インダクタンスをより低減でき、寄生発振を抑制することができる。
図15では、電圧バイアス回路771、772、773、774は、個別の回路としているが、1つの電圧バイアス回路によってバイアス電圧およびグランド電圧が供給されるように基板70を構成してもよい。
また、図15では、第2シャント素子を構成する抵抗素子751と容量措置752は、抵抗素子751の2つの端子が並ぶ方向と容量素子752の2つの端子が並ぶ方向とが互いに直交するように配置されている。また、抵抗素子753と容量素子754、抵抗素子755と容量素子756、および抵抗素子757と容量素子758も、同様の配置となるように構成されている。
また、基板70に配置する配線も抵抗値を有するため、抵抗素子751、753、755、757として配線の抵抗を使用してもよく、これにより基板40上に配置する部品数を減らすことができ、小型化に有利である。
以上のように本実施形態では、チップ71の4辺の各辺がある側に、それぞれパッドを配置し、それぞれの辺からバイアス電圧またはグランド電圧を供給している。この構成を言い換えると次のようになる。対向する2辺を結ぶ線分に沿った方向においてパッドとチップ71とパッドがこの順に配され、別の対向する2辺を結ぶ線分に沿った方向においてパッドとチップ71とパッドがこの順に配される。対向する2辺を結ぶ線分に沿った方向と別の対向する2辺を結ぶ線分に沿った方向は交差する。本実施形態の構成によって、チップ71のいずれか1つまたは2つの辺がある側からバイアス電圧またはグランド電圧を供給する場合よりも、バイアス電圧を供給する配線のインピーダンスが小さくなるため、電圧降下が低減する。この結果、各アンテナの負性微分抵抗素子に印加されるバイアス電圧のアンテナ間のばらつきが小さくなり、アンテナ出力の均一性が向上する。
また、チップ71の各辺がある側にパッドが配置されているため、パッドを大きくしつつ複数のボンディングワイヤーを電気的に並列に接続することができる。これにより、ボンディングワイヤーの合成インダクタンスを低減して、寄生発振をより抑制することができる。
また、基板70においてチップ71の4つの角726~729それぞれの近傍に、第2シャント素子の抵抗素子と容量素子を配置することで、基板のスペースを有効に利用して、基板サイズを低減して製造コストを抑えることができる。
また、パッドや第2シャント素子は、アンテナアレイ72の中心を通る軸に対して対称に配置されている。アンテナアレイ72の中心を通る軸は、例えば、基板70の表面に垂直な方向に延伸する軸DXと、基板70の表面に平行な方向に延伸する軸がある。ここで
は、基板の表面に平行な方向に延伸する軸を基準に対称かを判断している。したがって、基板70では、互いに接続される第1シャントと第2シャント素子の組が複数組配置され、第1シャント素子と第2シャント素子の少なくとも2つの組が、アンテナアレイの中心を通る軸に対して対称となる位置に配置されている。これにより、アンテナアレイ72から発生するテラヘルツ波の指向性が向上し、テラヘルツ波の正面強度が高まる。
図16は本実施形態の変形例に係るアンテナ装置を説明する図である。なお、本変形例において、上記の実施形態と同様の構成については説明を省略する。図16に示すアンテナ装置800では、チップ81の角826~829のそれぞれの角の近傍に、抵抗素子851と容量素子852、抵抗素子853と容量素子854、抵抗素子855と容量素子856、抵抗素子857と容量素子858が配置される。また、抵抗素子、851、853、855、857と容量素子852、854、856、858は、それぞれチップの各辺の延伸方向に対して斜めに配置される。また、抵抗素子851の2つの端子が並ぶ方向と容量素子852の2つの端子が並ぶ方向は同一方向であり、抵抗素子853と容量素子854、抵抗素子855と容量素子856、および抵抗素子857と容量素子858も同様に配置されている。
各素子がこのように配置されていることで、抵抗素子、容量素子、およびパッドを接続する配線を短くすることができ、配線に含まれる寄生インダクタンスを低減して、寄生発振を抑制することができる。
(第6の実施形態)
次に、本開示の第6の実施形態に係るアンテナ装置におけるアンテナアレイについて、図17~図22を用いて説明する。本実施形態において、他の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図17は、本実施形態によるアンテナ装置900の等価回路図を示す。図17に示す等価回路図の構成例は、図5に示す第1実施形態によるアンテナ装置100の等価回路図におけるアンテナアレイ12についてアンテナ121が3×3個のマトリクス状に配置された構成に対応する。アンテナアレイ912は、3×3個分の負性微分抵抗素子r11、r12、r13、r21、r22、r23、r31、r32、r33と、抵抗素子Rai(i=1,2,3...,12)と、容量素子Cai(i=1,2,3...,12)とを有する。アンテナアレイ912には、負性微分抵抗素子と、抵抗素子および容量素子が直列に接続された複数の第3シャント素子とが構成されている。また、3×3個分の負性微分抵抗素子と複数の第3シャント素子は互いに並列に接続された構成となっている。負性微分抵抗素子それぞれの一端子と複数の第3シャント素子における抵抗素子Raiの一端子と、第1シャント素子の抵抗素子Rcの一端子は共通に接続される。また、抵抗素子Raiの他端子は容量素子Caiの一端子と接続される。さらに、負性微分抵抗素子各々の他端子と複数の第3シャント素子における容量素子Caiの他端子は、グランド電位に接続される。アンテナアレイ912のその他の構成は、図5と同様の構成であるためここでは説明を省略する。
アンテナアレイ912において、3×3個分の負性微分抵抗素子r11、r12、r13、r21、r22、r23、r31、r32、r33の合成抵抗が、図5に示した抵抗rに相当する。また、第3シャント素子と配線の寄生インピーダンスの合成インピーダンスが、図5に示したインピーダンスZに相当する。
図18は、図17の等価回路図に対応する3×3個のマトリクス状に配置されたアンテナアレイ912の上面図の例である。図19は、図18におけるC-C’線での断面図である。図4を用いて説明した構成については説明を省略し、図4と同様の構成要素には同
一の符号を用いる。隣接したアンテナ間は、図4を用いて説明した通り、マイクロストリップライン125a~125hによって相互に結合されており、テラヘルツ波の発振周波数fTHzにおいて相互注入同期(相互に同期)されている。図18は、1つのアンテナに2つの負性微分抵抗素子127a、127bを備える構成を例示する。テラヘルツ波の指向性を向上させるため、2つの負性微分抵抗素子127a、127bは、1つのアンテナの中心を通る線に対して対称的に配置することが好ましい。
発振周波数fTHzより低い周波数帯の寄生発振を抑制するために、バイアス電圧線130に第3シャント素子が設けられる。第3シャント素子は、負性微分抵抗素子に対して並列に配置することでfTHzより低い周波数帯をショートして、寄生発振を抑制する構造である。また、第3シャント素子は、負性微分抵抗素子に対して並列に抵抗素子、または抵抗と容量を直列に接続した素子を配置した構造である。第3シャント素子において、抵抗および容量の値は、近傍に配置された複数の負性微分抵抗素子の合成された負性微分抵抗の絶対値と素子のインピーダンスが等しいか、少し低い。
図18では、平面視において破線137’で囲まれる領域には第3シャント素子を構成する容量素子の一方の電極である導体層137が配置される。また、破線138’で囲まれる領域には抵抗素子である抵抗体138が配置される。導体層137と抵抗体138はバイアス電圧線130を構成する配線層の下層に配置される。第3シャント素子は各アンテナの周囲に配置される。各アンテナの一部である金属層123にはバイアス電圧線130が接続されてバイアス電圧が供給されるが、第3シャント素子はその接続部の近傍に配置されることが好ましく、アンテナとアンテナの間に配置するとよい。このような配置によって1つの第3シャント素子を両隣のアンテナが共有する構成が可能となる。そのためレイアウト効率が向上してチップの小型化が可能となり、またシャント素子の容量や抵抗のサイズ調整の自由度が増すため寄生発振の抑制が容易になる。
図19の断面図に示すように、接地金属層124の上には誘電体層136が配置される。なお、誘電体層136は、第3シャント素子の容量の誘電体として用いるので、MIM容量構造の小型化のために比較的誘電率の高い窒化シリコン(ε=7)を用いることが好ましい。
また、誘電体層136の上には導体層137が積層される。したがって、アンテナアレイ912には、接地金属層124、誘電体層136、導体層137の順に積層された金属-絶縁体-金属(MIM)の容量構造が形成されており、第3シャント素子の容量素子に相当する。この容量構素子がアンテナとアンテナの間に配置されたバイアス電圧線130の下層に配置される。導体層137は、バイアス電圧線130と、接地金属層124との間の層に配置されている。導体層137には抵抗体138が接続され、抵抗体138はバイアス電圧線130と接続される。この抵抗体138は、第3シャント素子の抵抗素子に相当する。
このように本実施形態では、接地金属層124とバイアス電圧線130は、第3シャント素子を構成する容量素子および抵抗素子を介して電気的に接続されている。第3シャント素子はアンテナとアンテナの間における各箇所においてバイアス電圧線130と接続される形でアレイアンテナ内に複数配置される。本実施形態では第3シャント素子は接地金属層124に接続されているが、固定電位の導電層に接続されればよく、他の導電層に接続されてもよい。
なお、アンテナに定在する発振周波数fTHzの高周波電界の節に第3シャント素子を配置する構成は、周波数fTHzにおいて高インピーダンスであり周波数fTHzの高周波のみを選択的に発振させるためにより好適な構成である。しかし、アンテナアレイにお
けるアレイ数の増加やバイアス電圧線の共通化に伴って予期しない低周波のマルチモード発振が生じるリスクがある。このため、本実施形態では、アレイアンテナにおけるバイアス電圧線130を、発振周波数fTHzより低い低周波数帯において負性抵抗素子に比べて低インピーダンスに設定した構成とする。これによれば、アンテナアレイのアレイ数が増加しても他モード発振を抑制し、テラヘルツ帯における安定した単一周波数の発振を得ることが可能である。第3シャント素子では、特に10GHz以上で、周波数fTHz未満の周波数帯における寄生発振を効果的に抑制することができる。
図20は、図18に示すアンテナアレイ912の変形例であるアンテナアレイ1012の上面図であり、図21は図20におけるD-D’線での断面図である。図18、図19と同一の構成については、同じ符号を使用し、説明を省略する。アンテナアレイ1012は、第3シャント素子を構成する抵抗素子が抵抗体138aと抵抗体138bから構成される点で図18、図19に示すアンテナアレイ912と異なる。
図20に示すように、アンテナアレイ1012では、アンテナ1112とアンテナ1113の間に抵抗体138aと抵抗体138bが配置される。この2つの抵抗体138a、138bは第3シャント素子の抵抗素子に相当し、並列に接続されており、容量素子137と直列に接続される。抵抗素子138a、138bはアンテナ1112、1113とバイアス電圧線130の接続部の近傍に配置され、バイアス電圧線130を構成する配線層をパターニングして除去したスペースに配置される。
図21の断面図に示すように、バイアス電圧線130と同一の高さに抵抗体138aと抵抗体138bが配置される。抵抗体138aと抵抗体138bの一方の端部はバイアス電圧線130と接続され、また他方の端部はバイアス電圧線130と同じ配線層を用いて導体層137に接続される。
アンテナアレイ1012の端部のアンテナ1111について、他のアンテナと挟まれない領域137’’に配置される第3シャント素子は、抵抗素子として抵抗体138aまたは抵抗体138bのいずれか一方(図では138a)を配置する構成としてもよい。
図20、図21に示すアンテナアレイ1012の構成は、抵抗体138aや抵抗体138bを配置する位置において、バイアス電圧線130を構成する配線層をパターニングで除去し、そのスペースに抵抗体となる材料を形成すればよい。このため、従来のアンテナアレイに比べて作製が容易となり、欠陥の発生も抑制できる。
ここで、図22を用いて、第1シャント素子、第2シャント素子、第3シャント素子について説明を追加する。図22は、第4の実施形態で説明したチップの対向する2つの辺にパッドを配置し、パッドとパッドを複数のボンディングワイヤーで接続した構成を例示する。なお、以下の説明において、第4の実施形態で説明した構成要素と同様の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第1シャント素子は抵抗素子531と容量素子532からなり、チップ51内においてアンテナアレイ52の周囲に配置される。容量素子532としてはMIM容量が好適である。
第2シャント素子は抵抗素子551と容量素子552からなり、チップ51が実装される基板50上に配置される。抵抗素子551と容量素子552には表面実装部品(SMD)が好適に用いられ、容量素子552としては例えばセラミックコンデンサが用いられる。
第3シャント素子は抵抗素子(不図示)と容量素子521からなり、第1シャント素子と同様にチップ51内に配置され、アンテナアレイ52内に配置される。容量素子521としてはMIM容量が好適である。
3つのシャント素子を構成する容量素子の面積あるいは容量値の大きさとしては、第3シャント素子、第1シャント素子、第2シャント素子の順で大きくすることが好ましい(容量素子521<容量素子532<容量素子552)。容量素子521は1pF以上100pF未満、容量素子532は100pF以上から10nF未満、容量素子552は10nF以上100μF未満であれば好適に配置できる。また、第1シャント素子、第2シャント素子、第3シャント素子の抵抗素子は0.01Ω以上10Ω未満であれば好適に配置できる。
第3シャント素子の個数はアンテナアレイ2のアンテナ数に応じて決まるが、第1シャント素子の個数以上および第2シャント素子の個数以上であることが好ましく、これにより寄生発振抑制や出力向上が可能となる。
出力を小さく調整するためなどアンテナアレイ2のアンテナ数が少ない場合においては、第3シャント素子の個数は第1シャント素子や第2シャント素子の個数よりも少なくしてもよい。
第2シャント素子の個数が第1シャント素子の個数以上とすると、第2シャント素子を並列に接続する数を増やすことができる。その結果、SMDが有する寄生インダクタンスを低減できるので、寄生発振を抑制できる。また、第1シャント素子の個数が減少することでチップ面積が削減でき、アンテナアレイのコスト低減に寄与する。
第2シャント素子の個数が第1シャント素子の個数より少ないと、第2シャント素子を構成するSMDの個数を削減できる。SMDを基板に実装するために必要な面積は比較的大きいため、SMDの個数が減少することで基板サイズを小型化でき、アンテナアレイのコスト低減に寄与する。
チップ内の第1シャント素子や第3シャント素子の抵抗素子を形成する抵抗体としては、Ta、Ti、Mo、Mn、Al、Ni、Nb、W、Ruなどが好適に用いられる。さらに、当該抵抗体としては、それらの合金膜、酸化膜、窒化膜、シリサイド膜など(例えば、TiW、TiN、TaN、WN、WSiN、TaSiN、NbN、MoN、MnO、RuO)が好適に用いられる。さらに、当該抵抗体としては、ポリシリコン、Siに不純物をドープした拡散抵抗膜等が好適に用いられる。
チップ内で用いられる配線や導電層の材料としては、抵抗率が1×10-6Ω・m以下の材料が好ましい。具体的には、材料として、Ag、Au、Cu、W、Ni、Cr、Ti、Al、AuIn合金、TiNなどの金属および金属化合物が好適に用いられる。
MIM容量を構成する誘電体層には、絶縁性(直流電圧に対して電気を通さない絶縁体・高抵抗体としてふるまう性質)、バリア性(電極に用いる金属材料の拡散防止の性質)、加工性(サブミクロンの精度で加工が可能な性質)が求められる。これらを満たす材料の具体例としては、酸化シリコン(ε=4)、窒化シリコン(ε=7)、酸化アルミ、窒化アルミなどの無機の絶縁体材料が好適に用いられる。
負性抵抗素子は電極や半導体層を含み、電極は半導体層とオーム性接続された導体であれば、直列抵抗に起因したオーム性損失やRC遅延の低減に好適である。オーミック電極として電極を用いる場合、材料としては、例えば、Ti/Pd/Au、Ti/Pt/Au
、AuGe/Ni/Au、TiW、Mo、ErAsなどが好適に用いられる。
(第7の実施形態)
本実施形態に係る検出システムについて、図23を用いて説明する。検出システムは、画像撮影が可能なシステムであってもよく、例えば、カメラシステムである。本実施形態では、カメラシステムを例に説明する。図23はテラヘルツ波を用いたカメラシステム2300の構成を説明するための概略図である。
カメラシステム2300は、発振装置2301と、検出装置2302と、処理部2303とを有する。発振装置2301は、各実施形態にて説明したアンテナ装置を適用することができる。検出装置2302は、アンテナ装置から送信される電磁波を検出することが可能であり、例えば、ショットキーバリアダイオードなど他の半導体素子を用いたアンテナ装置であってもよい。発振装置2301から発されたテラヘルツ波は、被写体2305にて反射し、検出装置2302にて検出される。処理部2303は、検出装置2302にて検出された信号を処理する。処理部2303にて生成された画像データが出力部2304から出力される。このような構成によって、テラヘルツ画像を取得することができる。
発振装置2301や検出装置2302には、光学部設けられていてもよい。光学部は、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、高抵抗シリコン、ポリオレフィン樹脂等、テラヘルツ波に対し透明な材料の少なくとも1つを含み、複数層から構成されていてもよい。
本実施形態で説明したカメラシステムは一例にすぎず、他の形態であってもよい。特に、システムによって取得する情報は画像情報に限らず、信号の検出を行う検出システムであってもよい。
各実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
12 アンテナアレイ、17 電圧バイアス回路、100 アンテナ装置、131、151 抵抗素子、132、152 容量素子、1200 共振回路、1300 第1シャント素子、1500 第2シャント素子

Claims (28)

  1. 電磁波を送信または受信するアンテナ装置であって、
    負性微分抵抗素子と共振回路からなる複数のアンテナが配置されたアンテナアレイと、
    前記アンテナアレイに電圧を印加する電圧バイアス回路と、
    前記アンテナアレイと前記電圧バイアス回路との間に、前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続される第1シャント素子であって、前記第1シャント素子の第1の抵抗および第1の容量が直列に接続されている第1シャント素子と、
    前記第1シャント素子と前記電圧バイアス回路との間に、前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続される第2シャント素子であって、前記第2シャント素子の第2の抵抗および第2の容量が直列に接続されている第2シャント素子と、
    を有し、
    前記第1シャント素子および前記第2シャント素子が、前記負性微分抵抗素子の抵抗値を基準として低インピーダンスとなっている
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 以下の式(1)から式(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置
    Rp +1/(2π×f×Cp) < r ・・・(1)
    Rc +1/(2π×f×Cc) < r ・・・(2)
    L/(Cc×r) <Rc ・・・(3)
    ここで、rは、前記負性微分抵抗素子の抵抗値の絶対値、Rpは、前記第2の抵抗の抵抗値、Cpは、前記第2の容量の容量値、Rcは、前記第1の抵抗の抵抗値、Ccは、前記第1の容量の容量値、Lは、前記第1シャント素子と前記第2シャント素子を接続する経路のインダクタンス、fは、前記共振回路の共振周波数未満の周波数である。
  3. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子を接続する経路のインダクタンスLは、以下の式(4)を満たし、
    L≦5nH ・・・(4)
    前記経路において、前記経路の断面が円形に近似できる第1の部分と前記経路の断面が四角形に近似できる第2の部分とに分けた場合に、前記第1の部分のインダクタンスL1を以下の式(5)により算出し、前記第2の部分のインダクタンスL2を以下の式(6)により算出することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置
    L1=0.2×l1×[ln(4×l1/d)- 0.75] ・・・(5)
    L2=0.2×l2×[ln{2×l2/(w + h)}+0.2235×(w+h)/l2+0.5] ・・・(6)
    ここで、l1は、前記第1の部分の長さであり、dは、前記第1の部分の断面の直径であり、l2は、前記第2の部分の長さであり、wは、前記第2の部分の幅であり、hは、前記第2の部分の厚さである。
  4. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子の組が複数組配置され、
    前記第1シャント素子と前記第2シャント素子の少なくとも2つの組が、前記アンテナアレイの中心を通る軸に対して対称となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子の前記2つの組によって前記アンテナアレイが挟まれるように、前記第1シャント素子と前記第2シャント素子の2つの組が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記第1シャント素子は、前記アンテナアレイが配置されるチップ上に配置され、
    前記チップは四角形状のチップであり、
    前記第1シャント素子と前記第2シャント素子のそれぞれの組の前記第2シャント素子が、前記チップの角の近傍に配置されていることを特徴とする請求項4または5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子の2つの組のそれぞれの前記第2シャント素子が並列に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  8. 前記第1シャント素子は、前記アンテナアレイが配置されるチップ上に配置され、
    前記第2シャント素子は、前記チップが配置される基板上に配置される
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子を接続する経路は、前記チップ上に配置された第1パッドと、前記基板上に配置された第2パッドと、を含み、
    前記第1パッドおよび第2パッドを介して前記アンテナアレイにバイアス電圧が供給される
    ことを特徴とする請求項8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記アンテナ装置は、前記チップ上に配置された第3パッドと、前記基板上に配置された第4パッドと、をさらに有し、
    前記第3パッドおよび前記第4パッドを介して前記アンテナアレイにグランド電圧が供給され、
    前記チップは四角形状のチップであり、
    前記チップの第1の辺がある側から、前記第1パッドおよび第2パッドを介して前記アンテナアレイにバイアス電圧が供給され、
    前記チップの第1の辺とは異なる第2の辺がある側から、前記第3パッドおよび前記第4パッドを介して前記アンテナアレイにグランド電圧が供給される
    ことを特徴とする請求項9に記載のアンテナ装置。
  11. 前記第1パッドと前記第2パッドとは、並列接続された複数のボンディングワイヤーによって接続されていることを特徴とする請求項9または10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第2の抵抗は、前記基板に配置された配線であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  13. 電磁波を送信または受信するアンテナ装置であって、
    負性微分抵抗素子と共振回路からなる複数のアンテナが配置されたアンテナアレイを有するチップと、
    前記チップが配置される基板と、
    前記アンテナアレイに電圧を印加する電圧バイアス回路と、を有し、
    前記チップは、
    前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続され、少なくとも第1の容量を含む第1シャント素子と、
    第1パッドと第2パッドを少なくとも含み、前記アンテナアレイに所定の電圧を供給するための複数のパッドと、を有し、
    前記基板は、
    前記負性微分抵抗素子と前記電圧バイアス回路に並列に接続され、少なくとも第2の容量を含み、前記基板に配された第2シャント素子を有し、
    前記第1パッドと前記第2パッドとの間に前記アンテナアレイが位置することを特徴とするアンテナ装置。
  14. 前記アンテナアレイの前記負性微分抵抗素子の合成抵抗値は1Ω以下であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  15. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子を接続する経路の長さは4mm以下であることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  16. 前記第1シャント素子と前記第2シャント素子を接続する経路の長さは2mm以下であることを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
  17. 前記電磁波の周波数帯域は、30GHz以上30THz以下の周波数帯域のうちの少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  18. 前記負性微分抵抗素子は、共鳴トンネルダイオードであることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  19. 前記第1の容量は、MIM(Metal-Insulator-Metal)容量であることを特徴とする請
    求項1から18のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  20. 前記アンテナアレイにおいて、前記負性微分抵抗素子に並列に接続され、少なくとも第3の容量を含む第3シャント素子を有することを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  21. 前記第3シャント素子は、アンテナとアンテナの間に複数配置されることを特徴とする請求項20に記載のアンテナ装置。
  22. 前記第3シャント素子を、前記第3シャント素子の両隣のアンテナが共有することを特徴とする請求項21に記載のアンテナ装置。
  23. 前記第3の容量、前記第1の容量、前記第2の容量の順で面積あるいは容量値が大きいことを特徴とする請求項20に記載のアンテナ装置。
  24. 前記第3シャント素子の個数は、前記第1シャント素子の個数以上かつ前記第2シャント素子の個数以上であることを特徴とする請求項20に記載のアンテナ装置。
  25. 前記第3シャント素子の個数は、前記第1シャント素子の個数よりも少ないかつ前記第2シャント素子の個数よりも少ないことを特徴とする請求項20に記載のアンテナ装置。
  26. 前記第2シャント素子の個数は、前記第1シャント素子の個数以上であることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  27. 前記第2シャント素子の個数は、前記第1シャント素子の個数より少ないことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  28. 請求項1から27のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
    前記アンテナ装置から送信された電磁波を検出するための検出装置と、
    前記検出装置からの信号を処理する処理部とを有するカメラシステム。
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